JP2024075941A - 作業機械の制御方法、作業機械用制御プログラム、作業機械用制御システム及び作業機械 - Google Patents

作業機械の制御方法、作業機械用制御プログラム、作業機械用制御システム及び作業機械 Download PDF

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Abstract

【課題】操作に係るオペレータの負担を軽減しやすい作業機械の制御方法、作業機械用制御プログラム、作業機械用制御システム及び作業機械を提供することを目的とする。【解決手段】作業機械3の制御方法は、操作装置35の操作に従って動作を行う機体30を備える作業機械3の制御方法である。この制御方法は、操作装置35のうち第1操作子の操作と機体30の動作との対応関係である第1操作パターンを変更することと、操作装置35のうち第1操作子の操作に関連付けて操作される第2操作子の操作と機体30の動作との対応関係である第2操作パターンを、第1操作パターンに対応付けて設定することと、を有する。【選択図】図2

Description

本発明は、操作装置の操作に従って動作を行う機体を備える作業機械に用いられる、作業機械の制御方法、作業機械用制御プログラム、作業機械用制御システム及び作業機械に関する。
関連技術として、下部走行体と、下部走行体に旋回機構を介して旋回可能に搭載された上部旋回体と、上部旋回体に取り付けられるブーム、アーム及びバケットと、を備える作業機械(掘削機)としてのショベルが知られている(例えば、特許文献1参照)。関連技術において、アームはブームの先端に取り付けられ、エンドアタッチメントとしてのバケットはアームの先端に取り付けられている。
関連技術に係る作業機械は、法面仕上げ作業によって形成される法面、又は、均し作業によって形成される平坦面等を目標施工面とし、目標施工面に基づく目標軌道に沿ってバケットの爪先を移動させるように、アクチュエータを自律的に動作させることができる。つまり、この作業機械は、アクチュエータを自律的に動作させることでオペレータ(操作者)による作業機械の手動操作を支援する機能を有している。具体的に、アームを操作するための左操作レバーにはスイッチが設けられており、オペレータが、このスイッチを押しながら左操作レバーを手動操作してアーム閉じ操作を行うことで、目標軌道とバケットの爪先の位置とが一致するようにブーム及びバケットの少なくとも一方を自律的に動作させる。これにより、オペレータは、例えば、左操作レバーをアーム閉じ方向に操作するだけで、バケットの爪先を目標軌道(目標施工面)に一致させながら、アームを閉じることができる。
特開2021-25258号公報
上記関連技術に係る作業機械では、操作レバーの操作と作業機械の動作との対応関係である操作パターンは固定であるが、オペレータの慣れ又は好み等に合わせて、操作パターンを変更可能とすることが求められる場合がある。この場合、例えば、アーム閉じ操作が左操作レバーでなく、右操作レバーに割り当てられるとすれば、目標軌道に沿ってバケットを移動させる際、オペレータは、左操作レバーのスイッチを押しながら、右操作レバーを操作してアーム閉じ操作を行う必要がある。したがって、オペレータにおいては、右操作レバーを操作しつつ、左操作レバーのスイッチを押すという複雑な操作が強いられ、左操作レバーを意図せず操作してブーム等が動作するといった操作ミスをしないよう、オペレータが注意して操作する必要がある。
本発明の目的は、操作に係るオペレータの負担を軽減しやすい作業機械の制御方法、作業機械用制御プログラム、作業機械用制御システム及び作業機械を提供することにある。
本発明の一態様に係る作業機械の制御方法は、操作装置の操作に従って動作を行う機体を備える作業機械の制御方法であって、前記操作装置のうち第1操作子の操作と前記機体の動作との対応関係である第1操作パターンを変更することと、前記操作装置のうち前記第1操作子の操作に関連付けて操作される第2操作子の操作と前記機体の動作との対応関係である第2操作パターンを、前記第1操作パターンに対応付けて設定することと、を有する。
本発明の一態様に係る作業機械用制御プログラムは、前記作業機械の制御方法を、1以上のプロセッサに実行させるためのプログラムである。
本発明の一態様に係る作業機械用制御システムは、操作装置の操作に従って動作を行う機体を備える作業機械に用いられる。前記作業機械用制御システムは、変更処理部と、設定処理部と、を備える。前記変更処理部は、前記操作装置のうち第1操作子の操作と前記機体の動作との対応関係である第1操作パターンを変更する。前記設定処理部は、前記操作装置のうち前記第1操作子の操作に関連付けて操作される第2操作子の操作と前記機体の動作との対応関係である第2操作パターンを、前記第1操作パターンに対応付けて設定する。
本発明の一態様に係る作業機械は、前記作業機械用制御システムと、前記機体と、を備える。
本発明によれば、操作に係るオペレータの負担を軽減しやすい作業機械の制御方法、作業機械用制御プログラム、作業機械用制御システム及び作業機械を提供することができる。
図1は、実施形態1に係る作業機械の全体構成を示す概略斜視図である。 図2は、実施形態1に係る作業機械の概略ブロック図である。 図3は、実施形態1に係る作業機械の操作装置の概略外観図である。 図4は、実施形態1に係る作業機械の自動整地機能を説明するための概略図である。 図5は、実施形態1に係る作業機械の第1操作パターンの一例を示す模式図である。 図6は、実施形態1に係る作業機械用制御システムにより表示される変更画面の一例を示す図である。 図7は、実施形態1に係る作業機械用制御システムにより表示される変更画面の遷移状態を示す概念図である。 図8は、実施形態1に係る作業機械用制御システムの動作例を示すフローチャートである。 図9は、実施形態2に係る作業機械の作業部の可動範囲の登録動作を説明するための概略図である。 図10は、実施形態2に係る作業機械の作業部の可動範囲の登録動作を説明するための概略図である。
以下、添付図面を参照しながら、本発明の実施形態について説明する。以下の実施形態は、本発明を具体化した一例であって、本発明の技術的範囲を限定する趣旨ではない。
(実施形態1)
[1]全体構成
本実施形態に係る作業機械3は、図1に示すように、走行部31と、旋回部32と、作業部33と、を機体30に備えている。また、作業機械3は、図2に示すように、作業機械用制御システム1(以下、単に「制御システム1」ともいう)を更に備えている。その他、機体30は、図1及び図2に示すように、表示装置2、メインスイッチ34、操作装置35、音出力部36、カメラ38、姿勢検知部39、カットオフスイッチ371及びカットオフレバー372等を更に備えている。
本開示でいう「作業機械」は、各種の作業用の機械を意味し、一例として、バックホー(油圧ショベル、ミニショベル等を含む)、ホイルローダー及びキャリア等の作業車両である。作業機械3は、1つ以上の作業を実行可能に構成された作業部33を備えている。作業機械3は、「車両」に限らず、例えば、作業用船舶、ドローン又はマルチコプター等の作業飛翔体等であってもよい。さらに、作業機械3は建設機械(建機)に限らず、例えば、田植機、トラクタ又はコンバイン等の農業機械(農機)であってもよい。本実施形態では、特に断りが無い限り、作業機械3が乗用タイプのバックホーであって、掘削作業、整地作業、溝掘削作業又は積込作業等を作業として実行可能である場合を例に挙げて説明する。より詳細には、本実施形態に係る作業機械3は、作業部33を含む旋回部32が走行部31の全幅(左右一対のクローラ311全幅)の120%以内で全旋回可能な「超小旋回形」、又は後端旋回半径比が120%以内の「後方超小旋回形」であることと仮定する。
また、本実施形態では、説明の便宜上、作業機械3が使用可能な状態での鉛直方向を上下方向D1と定義する。さらに、旋回部32の非旋回状態において、作業機械3(の運転部321)に搭乗したユーザ(オペレータ)から見た方向を基準として、前後方向D2及び左右方向D3を定義する。言い換えれば、本実施形態で用いられる各方向は、いずれも作業機械3の機体30を基準として規定される方向であって、作業機械3の前進時に機体30が移動する方向が「前方」、作業機械3の後退時に機体30が移動する方向が「後方」となる。同様に、作業機械3の右旋回時に機体30の前端部が移動する方向が「右方」、作業機械3の左旋回時に機体30の前端部が移動する方向が「左方」となる。ただし、これらの方向は、作業機械3の使用方向(使用時の方向)を限定する趣旨ではない。
作業機械3は、動力源となるエンジンを備えている。本実施形態では一例として、エンジンはディーゼルエンジンである。エンジンは、燃料タンクから燃料(ここでは軽油)が供給されることにより駆動する。作業機械3においては、例えば、エンジンによって油圧ポンプ41(図2参照)が駆動され、油圧ポンプ41から機体30の各部の油圧アクチュエータ(油圧モータ43及び油圧シリンダ44等を含む)に作動油が供給されることで、機体30が駆動する。このような作業機械3は、例えば、機体30の運転部321に搭乗したユーザ(オペレータ)が、操作装置35の操作レバー351,352(図2参照)等を操作することにより制御される。
本実施形態では、上述したように作業機械3が乗用タイプのバックホーである場合を想定しているので、作業部33は、運転部321に搭乗したユーザ(オペレータ)の操作に従って駆動され、掘削作業等の作業を実行する。ユーザが搭乗する運転部321は、旋回部32に設けられている。
ここで、機体30の運転部321には、表示装置2及び操作装置35が搭載されており、ユーザは、表示装置2に表示される作業機械3に関連する種々の情報を見ながら、操作装置35を操作可能である。一例として、表示装置2の表示画面に、冷却水温及び作動油温等の作業機械3の稼働状態に関する情報が表示されることで、ユーザは、操作装置35の操作に必要な作業機械3の稼働状態に関する情報を、表示装置2で確認することができる。
走行部31は、走行機能を有し、地面を走行(旋回を含む)可能に構成されている。走行部31は、例えば、左右一対のクローラ311及びブレード312等を有している。走行部31は、クローラ311を駆動するための走行用の油圧モータ43(油圧アクチュエータ)等を更に有する。
旋回部32は、走行部31の上方に位置し、走行部31に対して、鉛直方向に沿った回転軸を中心に旋回可能に構成されている。旋回部32は、旋回用の油圧アクチュエータとしての油圧モータ45(図2参照)等を有している。旋回部32には、運転部321の他、エンジン及び油圧ポンプ41等が搭載されている。さらに、旋回部32の前端部には、作業部33が取り付けられるブームブラケット322が設けられている。
作業部33は、1つ以上の作業を実行可能に構成されている。作業部33は、旋回部32のブームブラケット322に支持されており、作業を実行する。作業部33は、バケット331を有する。バケット331は、作業機械3の機体30に取り付けられるアタッチメント(作業具)の一種であって、複数種類のアタッチメントの中から作業の内容に応じて選択される任意の器具からなる。バケット331は、一例として、機体30に対して取り外し可能に取り付けられ、作業の内容に応じて交換される。作業機械3用の(エンド)アタッチメントとしては、例えば、バケット331の他に、ブレーカ334(図10参照)、オーガ、クラッシャ、フォーク、フォーククロー、鉄骨カッタ、アスファルト切削機、草刈機、リッパ、マルチャ、チルトローテータ及びタンパ等の種々の器具がある。
作業部33は、ブーム332、アーム333及び油圧アクチュエータ(油圧シリンダ44及び油圧モータ等を含む)等を更に有している。バケット331は、アーム333の先端に取り付けられる。バケット331は、アーム333に対して、水平方向に沿った回転軸を中心に回転可能に支持されている。
ブーム332は、旋回部32のブームブラケット322にて、回転可能に支持されている。具体的には、ブーム332は、ブームブラケット322にて、水平方向に沿った回転軸を中心に回転可能に支持されている。ブーム332は、ブームブラケット322に支持される基端部から上方に延びる形状を有している。アーム333は、ブーム332の先端に連結されている。アーム333は、ブーム332に対して、水平方向に沿った回転軸を中心に回転可能に支持されている。
作業部33は、動力源としてのエンジンからの動力を受けて動作する。具体的には、エンジンによって油圧ポンプ41が駆動され、作業部33の油圧アクチュエータ(油圧シリンダ44等)に油圧ポンプ41から作動油が供給されることで、作業部33の各部(バケット331、ブーム332及びアーム333)が動作する。
本実施形態では特に、作業部33は、ブーム332及びアーム333が個別に回転可能に構成された多関節型の構造を有している。つまり、ブーム332及びアーム333の各々が、水平方向に沿った回転軸を中心に回転することにより、例えば、ブーム332及びアーム333を含む多関節型の作業部33は、全体として伸ばしたり、折りたたんだりする動作が可能である。さらに、アタッチメントとしてのバケット331は、機体30(旋回部32)に対して、ブーム332及びアーム333を介して支持されており、バケット331自体がアーム333に対して回転することにより、バケット331の開閉動作が可能である。
走行部31及び旋回部32の各々についても、作業部33と同様に、動力源としてのエンジンからの動力を受けて動作する。つまり、走行部31の油圧モータ43及び旋回部32の油圧モータ45等に、油圧ポンプ41から作動油が供給されることで、旋回部32及び走行部31が動作する。
また、作業機械3は、バケット331(アタッチメント)に動力を供給するためのPTO(Power take-off)等の駆動装置(機構)を更に備えている。具体的には、駆動装置は、エンジンによって駆動される油圧ポンプ41からの作動油を、バケット331に送出し、作動油の流量を調節することでバケット331に供給する動力の大きさを調節する。ここで、駆動装置は、複数(本実施形態では一例として4つ)のPTOポート、つまり出力ポート(以下、「PTO1」、「PTO2」、「PTO3」、「PTO4」という)を有する。PTO1~PTO4は、それぞれ個別に動力、つまり作動油の流量を調節可能である。
図2では、本実施形態に係る作業機械3の油圧回路及び電気回路(電気的な接続関係)を模式的に示す。図2では、実線が高圧の(作動油用の)油路、点線が低圧の(パイロット油用の)油路、一点鎖線の矢印が電気信号の経路を示す。
図2に示すように、作業機械3は、油圧ポンプ41、油圧シリンダ44及び油圧モータ45に加えて、パイロットポンプ42、第1制御弁491~494、第2制御弁47、及び方向切換弁(コントロールバルブ)48等を備えている。図2では、ブーム332の駆動用の1つの油圧シリンダ44のみ図示しているが、アーム333又はバケット331等の駆動用の油圧シリンダ44についても同様の油圧回路が構成されている。また、図2では旋回部32の油圧モータ45のみ図示しているが、走行部31の油圧モータ43についても同様の油圧回路が構成されている。
エンジンにより駆動される油圧ポンプ41からの作動油は、走行部31の油圧モータ43、旋回部32の油圧モータ45、及び作業部33の油圧シリンダ44等に供給される。これにより、油圧モータ43,45及び油圧シリンダ44等の油圧アクチュエータが駆動される。
油圧モータ43,45及び油圧シリンダ44等の油圧アクチュエータには、油圧ポンプ41からの作動油の方向及び流量を切換可能なパイロット式の方向切換弁48が設けられている。方向切換弁48は、パイロットポンプ42から入力指令となるパイロット油が供給されて駆動される。
ここで、各方向切換弁48へのパイロット油の供給路には第1制御弁491~494が設けられている。第1制御弁491~494は、いずれも電磁式の制御弁(電磁弁)からなり、それぞれ方向切換弁48とパイロットポンプ42との間に挿入されている。各第1制御弁491~494は、制御システム1に接続されており、制御システム1からの制御信号(供給電流)に応じて動作する。具体的には、制御システム1は、操作装置35の操作に応じて第1制御弁491~494を制御し、例えば、作業部33の展開動作及び縮小動作等を指示する。各第1制御弁491~494は、ここでは(電磁式)比例制御弁であることとするが、これに限らず、例えば、流路の開放/遮断を切替可能な開閉弁であってもよい。
このような方向切換弁及び第1制御弁は、ブーム332の駆動用の油圧シリンダ44及び旋回部32の油圧モータ45だけでなく、アーム333又はバケット331等の駆動用の油圧シリンダ44及び走行部31の油圧モータ43の油圧回路にも設けられている。そのため、操作装置35の操作に応じて、走行部31、旋回部32及び作業部33を動作させることが可能である。
さらに、第1制御弁491~494から見てパイロット油の上流側には、第2制御弁47が設けられている。第2制御弁47は、電磁式の制御弁(電磁弁)からなり、パイロットポンプ42と複数の第1制御弁491~494との間に挿入されている。第2制御弁47は、カットオフスイッチ371を介して電源に接続されており、電源からの供給電流に応じて動作する。ここで、第2制御弁47は、通電状態、つまり制御信号としての電流が供給されている状態で、パイロット油の流路を開放し、非通電状態、つまり制御信号としての電流が遮断されている状態で、パイロット油の流路を遮断する。そのため、第2制御弁47への供給電流が遮断されることで、油圧アクチュエータ(油圧シリンダ44等)が駆動不能となり、操作装置35の操作によらずに、油圧アクチュエータが強制的に停止する。
カットオフスイッチ371は、カットオフレバー372に連動している。カットオフレバー372は、機体30の運転部321に配置されており、ユーザ(オペレータ)による操作入力を受け付ける。本実施形態では一例として、カットオフレバー372は上下方向D1に沿って操作可能である。カットオフレバー372が可動範囲の上端位置である「上げ位置」にあればカットオフスイッチ371は「オフ」であり、カットオフレバー372が可動範囲の下端位置である「下げ位置」にあればカットオフスイッチ371は「オン」である。そして、カットオフスイッチ371は制御システム1に接続されており、カットオフスイッチ371のオン/オフが制御システム1にて監視されている。
したがって、カットオフレバー372が「下げ位置」にあれば、第2制御弁47が通電状態となり、操作装置35の操作によって油圧アクチュエータ(油圧シリンダ44等)が駆動する。これに対して、カットオフレバー372が「上げ位置」にあれば、第2制御弁47が非通電状態となり、操作装置35の操作によらずに油圧アクチュエータが強制的に停止する。そのため、油圧アクチュエータ(油圧シリンダ44等)を駆動するには、ユーザ(オペレータ)は、カットオフレバー372を「下げ位置」に操作する必要がある。
さらに、旋回部32及び走行部31の各々についても、油圧アクチュエータ(油圧モータ43,45等)に油圧ポンプ41から作動油が供給されることで動作するので、カットオフレバー372が「上げ位置」にあれば、旋回部32及び走行部31も駆動不能となる。つまり、カットオフレバー372が「上げ位置」にあれば、作業部33、旋回部32及び走行部31の全てについて、強制的に駆動不能な状態とされる。
要するに、カットオフスイッチ371は、オフのときに作業機械3の動作が制限(禁止を含む)される「ロック状態」にあり、オンのときに作業機械3の動作を制限しない「ロック解除状態」にある。そして、カットオフレバー372が「上げ位置」にあってカットオフスイッチ371がロック状態(オフ)にあれば、操作装置35の操作によらずに作業機械3の動作が強制的に制限される。カットオフレバー372は、このように作業機械3の動作をロックする際に操作されるレバーであって、ゲートロックレバーと同義である。
メインスイッチ34は、機体30の運転部321に配置されており、作業機械3の起動時にユーザ(オペレータ)によって操作される。メインスイッチ34がオフの間は、操作装置35の操作に応じて機体30(走行部31、旋回部32及び作業部33を含む)が動作する状態にはなく、メインスイッチ34がオンして初めて、操作装置35の操作に応じて機体30が動作する状態となる。また、メインスイッチ34がオンになれば、表示装置2等にも通電が開始される。本実施形態では一例として、メインスイッチ34は、キーシリンダに連動しており、キーを用いてエンジンの起動操作(イグニッションオン)がなされることによりオンになる。
操作装置35は、機体30の運転部321に配置されており、ユーザ(オペレータ)による操作入力を受け付けるためのユーザインターフェースである。操作装置35は、電気式の操作装置35であって、ユーザの操作に応じた電気信号(操作信号)を制御システム1に出力することにより、ユーザによる各種の操作を受け付ける。本実施形態では一例として、操作装置35は、一対の操作レバー351,352(図3参照)等を含んでいる。操作装置35について詳しくは、「[2]操作装置」の欄で説明する。
音出力部36は、ユーザ(オペレータ)に対して音(音声を含む)を出力する。音出力部36は、ブザー又はスピーカ等を含み、電気信号を受けて音を出力する。音出力部36は、制御システム1に接続されており、制御システム1からの音制御信号に応じて、ビープ音又は音声等の音を出力する。本実施形態では、音出力部36は、表示装置2と同様に機体30の運転部321に設けられている。音出力部36は、表示装置2と一体に設けられていてもよい。
カメラ38は、機体30の周辺画像を撮像する機能を有する。カメラ38は、例えば、旋回部32に設けられており、機体30の周辺(前、後、左、右、上、下の少なくとも一方向)の画像を撮像可能に構成されている。カメラ38が撮像する画像は、白黒画像、赤外線画像及びフルカラー画像のいずれであってもよいし、静止画及び動画のいずれであってもよい。本実施形態では一例として、カメラ38は、機体30の後方の画像(周辺画像)をフルカラーの動画として撮像し、周辺画像の画像データをリアルタイムで制御システム1に出力する。
姿勢検知部39は、機体30の各部の姿勢を検知する機能を有する。姿勢検知部39は、例えば、ブーム角センサ、アーム角センサ、バケット角センサ、機体傾斜センサ及び旋回角速度センサ等を含んでいる。ブーム角センサは、旋回部32に対するブーム332の回転角度(ブーム角)を検出する。ブーム角は、ブーム332を可動域の最も低い位置まで下げたときに最小となり、ブーム332を上げるにつれて大きくなる。アーム角センサはブーム332に対するアーム333の回転角度(アーム角)を検出する。アーム角は、アーム333を最も折りたたんだときに最小となり、アームアウトによりアーム333を伸ばすにつれて大きくなる。バケット角センサはアーム333に対するバケット331の回転角度(バケット角)を検出する。バケット角は、バケット331を最も閉じたときに最小となり、バケット331を開くにつれて大きくなる。これらのセンサは、加速度センサ、ジャイロセンサ、ポテンショメータ、ストロークセンサ若しくはロータリエンコーダ、又はこれらの組み合わせにより構成される。姿勢検知部39は、ブーム角等の検知結果をリアルタイムで制御システム1に出力する。
制御システム1は、例えば、CPU(Central Processing Unit)等の1以上のプロセッサと、ROM(Read Only Memory)及びRAM(Random Access Memory)等の1以上のメモリとを有するコンピュータシステムを主構成とし、種々の処理(情報処理)を実行する。本実施形態では、制御システム1は、作業機械3全体の制御を行う統合コントローラであって、例えば、電子制御ユニット(ECU:Electronic Control Unit)からなる。ただし、制御システム1は、統合コントローラと別に設けられていてもよいし、1つのプロセッサ、又は複数のプロセッサを主構成としてもよい。制御システム1について詳しくは「[3]制御システムの構成」の欄で説明する。
表示装置2は、機体30の運転部321に配置されており、ユーザ(オペレータ)による操作入力を受け付け、ユーザに種々の情報を出力するためのユーザインターフェースである。表示装置2は、例えば、ユーザの操作に応じた電気信号を出力することにより、ユーザによる各種の操作を受け付ける。これにより、ユーザ(オペレータ)は、表示装置2に表示される表示画面を視認でき、また、必要に応じて表示装置2を操作することが可能である。
表示装置2は、図2に示すように、制御部21と、操作部22と、表示部23と、を備えている。表示装置2は、制御システム1と通信可能に構成されており、制御システム1との間でデータの授受が可能である。本実施形態では一例として、表示装置2は作業機械3に用いられる専用のデバイスである。
制御部21は、制御システム1からのデータに従って、表示装置2を制御する。具体的には、制御部21は、操作部22で受け付けたユーザの操作に応じた電気信号を出力したり、制御システム1で生成される表示画面を表示部23に表示したりする。
操作部22は、表示部23に表示される表示画面に対するユーザ(オペレータ)による操作入力を受け付けるためのユーザインターフェースである。操作部22は、例えば、ユーザの操作に応じた電気信号を出力することにより、ユーザによる各種の操作を受け付ける。操作部22は、例えば、機械式の(押釦)スイッチ、タッチパネル及び操作ダイヤル等を含む。
表示部23は、各種の情報を表示する液晶ディスプレイ又は有機ELディスプレイのような、ユーザ(オペレータ)に情報を提示するためのユーザインターフェースである。表示部23は、ユーザに対して各種の情報を表示により提示する。
また、機体30は、上述した構成に加えて、通信端末、燃料タンク及びバッテリ等を更に備えている。
[2]操作装置
次に、操作装置35の構成について、図3を参照して詳細に説明する。操作装置35は、上述したように一対の操作レバー351,352を含んでいる。
図3の「正面視」に示すように、操作レバー351は運転部321に搭乗したオペレータから見て右手側に位置し、操作レバー352は運転部321に搭乗したオペレータから見て左手側に位置する。したがって、オペレータは、例えば、操作レバー351を右手で、操作レバー352を左手で持ち、これら一対の操作レバー351,352を操作することで作業機械3に種々の動作を実行させる。本実施形態において、一対の操作レバー351,352は、操作装置35における「第1操作子」の一例である。
操作レバー351,352は、それぞれスティックタイプの操作子であって、例えば、ニュートラルポジションから「前」、「後」、「左」及び「右」のいずれかへ傾倒させるように操作されることで、操作に応じた電気信号(操作信号)を出力する。操作装置35は、一例として、操作レバー351を前方に傾倒させる操作、操作レバー351を右方に傾倒させる操作、操作レバー352を前方に傾倒させる操作、及び操作レバー352を右方に傾倒させる操作のそれぞれに対応して、異なる操作信号を出力する。
さらに、第1操作子である操作レバー351,352が操作されると、操作装置35は、操作レバー351,352の操作量(傾倒量)に応じた電気信号(操作信号)を出力する。これにより、一例として、操作レバー352を後方(手前)に傾倒させる操作に対応してアーム333を曲げる動作をすると仮定した場合、操作レバー352の操作量(傾倒量)に応じてアーム333の駆動速度を変化させることができる。つまり、操作レバー352の操作量(傾倒量)が大きいほど、アーム333の駆動用の油圧シリンダ44への作動油の流量が増大し、アーム333の駆動速度が高速になる。
また、操作装置35は、複数の機械式のスイッチSw11,Sw12,Sw21,Sw22を有している。スイッチSw11は操作レバー351の正面側に配置され、スイッチSw12は操作レバー351の背面側に配置される。スイッチSw21は操作レバー352の正面側に配置され、スイッチSw22は操作レバー352の背面側に配置される。つまり、本実施形態では、右手側の操作レバー351には、その正面/背面に分かれてスイッチSw11及びスイッチSw12が設けられ、左手側の操作レバー352には、その正面/背面に分かれてスイッチSw21及びスイッチSw22が設けられている。これら複数のスイッチSw11,Sw12,Sw21,Sw22は、操作装置35における「第2操作子」の一例である。
つまり、操作装置35は、第1操作子(操作レバー351,352)と、第2操作子(スイッチSw11,Sw12,Sw21,Sw22)と、を有している。ここで、第2操作子は、第1操作子の操作に関連付けて操作される操作子である。つまり、第2操作子は、第1操作子の操作に関連付けた態様で操作可能である。ただし、第2操作子は、少なくとも第1操作子の操作に関連付けた態様で操作可能であればよく、第2操作子の単独での操作に対して機体30が何らかの動作が対応付けられていてもよい。この場合、第2操作子が単独で操作されることでも、機体30に何らかの動作をさせることができる。
具体的に、本実施形態では、第2操作子が第1操作子と同時に操作されることをもって、第1操作子の操作に関連付けて第2操作子が操作されることになる。つまり、オペレータは、第2操作子(スイッチSw11,Sw12,Sw21,Sw22)を操作した状態で、第1操作子(操作レバー351,352)を操作することにより、第1操作子の操作に関連付けて第2操作子を操作することができる。このように、第1操作子の操作に関連付けて第2操作子が操作されることにより、機体30に第1操作子が単独で操作される場合とは別の動作を実行させることが可能である。
ただし、第2操作子が第1操作子と同時に操作される場合のみならず、第2操作子が操作されるタイミングとして、例えば、第1操作子が操作される直前又は直後等、ある程度の幅が設定されてもよい。このように、第1操作子の操作時点と第2操作子の操作時点との間に時間差がある場合でも、両操作タイミングの時間差が一定時間以内である場合等には、第1操作子の操作に関連付けて第2操作子が操作されたことと見做してもよい。
言い換えれば、第1操作子の操作時点を基準とする操作受付期間に第2操作子が操作されることにより、第1操作子の操作に関連付けて第2操作子が操作されることになる。ここで、操作受付期間は、一例として、第1操作子の操作時点より過去に第1所定時間遡った時点から、第1操作子の操作時点より第2所定時間経過した時点までの期間である。これにより、オペレータが第1操作子の操作に関連付ける意図をもって、第1操作子の操作時点と近いタイミングで第2操作子を操作することで、第1操作子の操作に関連付けた第2操作子の操作として受け付けることが可能である。さらに、第1所定時間及び第2所定時間をいずれも0(ゼロ)とすれば、第2操作子が第1操作子と同時に操作される場合のみを、第1操作子の操作に関連付けた第2操作子の操作として受け付けることが可能である。
本実施形態では一例として、複数のスイッチSw11,Sw12,Sw21,Sw22はいずれもモーメンタリ型の押釦スイッチからなる。そのため、オペレータが各スイッチSw11,Sw12,Sw21,Sw22を押操作すると、当該押操作が継続している間のみ、操作装置35は、当該スイッチSw11,Sw12,Sw21,Sw22が操作されていることを表す電気信号(操作信号)を出力する。
したがって、オペレータは、例えば、操作レバー351の正面側のスイッチSw11については、操作レバー351を持つ右手の第1指(親指)等で操作し、操作レバー351の背面側のスイッチSw12については、右手の第2指(人差し指)等で操作できる。同様に、オペレータは、例えば、操作レバー352の正面側のスイッチSw21については、操作レバー352を持つ左手の第1指(親指)等で操作し、操作レバー352の背面側のスイッチSw22については、左手の第2指(人差し指)等で操作できる。
このように、本実施形態では、第2操作子(スイッチSw11,Sw12,Sw21,Sw22)は第1操作子(操作レバー351,352)に配置されている。そのため、オペレータにおいては、例えば、第1操作子である操作レバー351,352を操作する手で、第2操作子であるスイッチSw11,Sw12,Sw21,Sw22を操作することができる。よって、オペレータにおいては、第1操作子である操作レバー351,352と、第2操作子であるスイッチSw11,Sw12,Sw21,Sw22と、を同時に操作しやすくなる。
また、第1操作子は、操作レバー351,352を含み、第2操作子は、スイッチSw11,Sw12,Sw21,Sw22を含む。そのため、オペレータにおいては、例えば、第1操作子に含まれる操作レバー351,352については、これを傾倒させるように操作し、第2操作子に含まれるスイッチSw11,Sw12,Sw21,Sw22については、押操作によりこれを操作できる。このように、第1操作子と第2操作子とで、操作態様が異なることで、オペレータにおいては、例えば、第1操作子と第2操作子とを同時に操作する場合でも、これらの操作が混乱しにくく、操作性が向上する。
ところで、第1操作子(操作レバー351,352)の操作と機体30の動作との対応関係は、「第1操作パターン」によって規定されており、第1操作パターンは、例えば制御システム1のメモリに記憶されている。したがって、例えば、操作レバー352を後方(手前)に傾倒させる操作に対応して、機体30のどの部位にどのような動作をさせるかは、第1操作パターンによって定められる。同様に、第2操作子(スイッチSw11,Sw12,Sw21,Sw22)の操作と機体30の動作との対応関係は、「第2操作パターン」によって規定されており、第2操作パターンは、例えば制御システム1のメモリに記憶されている。したがって、例えば、スイッチSw11の押操作に対応して、機体30のどの部位にどのような動作をさせるかは、第2操作パターンによって定められる。これら第1操作パターン及び第2操作パターンについて詳しくは後述する。
また、本実施形態では、操作装置35は、駆動装置の複数の出力ポート(PTO1~PTO4)を個別に操作するための複数の操作子Sw1,Sw2を有している。操作子Sw1は操作レバー351の正面側に配置され、操作子Sw2は操作レバー352の正面側に配置される。これら複数の操作子Sw1,Sw2は、駆動装置から出力される動力の大きさ(作動油の流量)を調節する「調節操作子」を構成する。
本実施形態では一例として、複数の操作子Sw1,Sw2はいずれも、右方又は左方へ傾倒するように操作可能なレバースイッチからなる。特に、各操作子Sw1,Sw2は、可動範囲の左右方向D3の中心をニュートラルポジションとし、操作力が作用されている間だけ右方又は左方へ傾倒し、操作力が無くなるとニュートラルポジションに復帰するモーメンタリ型のスイッチである。このような操作子Sw1,Sw2は、それぞれ右方又は左方へ操作されることにより、その操作量(傾倒量)に応じて、対応する出力ポートから出力される動力の大きさ(作動油の流量)を決定する。基本的には、操作子Sw1,Sw2の操作量が大きくなるほどに、それぞれ対応する出力ポートから出力される動力は大きく、つまり作動油の流量は増大する。
また、操作レバー351,352は、左右が逆であってもよいし、又は、前後方向D2若しくは上下方向D1に並んで配置されていてもよい。操作レバー351,352は1つであってもよい。さらに、複数のスイッチSw11,Sw21は、操作レバー351,352の正面側に限らず、例えば、操作レバー351,352の側面又は背面側に配置されていてもよい。複数のスイッチSw12,Sw22は、操作レバー351,352の背面側に限らず、例えば、操作レバー351,352の側面又は正面側に配置されていてもよい。複数のスイッチSw11,Sw12,Sw21,Sw22は、機械式の押釦スイッチに限らず、例えば、タッチセンサ、レバースイッチ、トグルスイッチ、ロッカスイッチ、ロータリスイッチ、スライドスイッチ又はエンコーダ等であってもよい。
各操作子Sw1,Sw2についても、レバースイッチに限らず、例えば、トグルスイッチ、ロッカスイッチ、ロータリスイッチ、スライドスイッチ又はエンコーダ等であってもよい。また、操作装置35は、操作レバー351,352に、上述した複数のスイッチSw11,Sw12,Sw21,Sw22及び操作子Sw1,Sw2以外の操作子を有していてもよいし、操作子Sw1,Sw2については適宜省略可能である。
[3]制御システムの構成
次に、本実施形態に係る制御システム1の構成について、図2を参照して説明する。制御システム1は、操作装置35に対する操作に応じて、機体30(走行部31、旋回部32及び作業部33等を含む)の各部を制御する。本実施形態では、操作装置35は、上述したように作業機械3の機体30に搭載されている。制御システム1は、作業機械3の構成要素であって、機体30等と共に作業機械3を構成する。言い換えれば、本実施形態に係る作業機械3は、少なくとも制御システム1と、機体30と、を備えている。
制御システム1は、図2に示すように、取得処理部11と、制御処理部12と、変更処理部13と、設定処理部14と、記憶部15と、を備えている。本実施形態では一例として、制御システム1は1以上のプロセッサを有するコンピュータシステムを主構成とするので、1以上のプロセッサが作業機械用制御プログラムを実行することにより、これら複数の機能部(取得処理部11等)が実現される。制御システム1に含まれる、これら複数の機能部は、複数の筐体に分散して設けられていてもよいし、1つの筐体に設けられていてもよい。
制御システム1は、機体30の各部に設けられたデバイスと通信可能に構成されている。つまり、制御システム1には、少なくとも表示装置2、メインスイッチ34、操作装置35、音出力部36、カメラ38、姿勢検知部39、第1制御弁491~494及びカットオフスイッチ371等が接続されている。これにより、制御システム1は、表示装置2、音出力部36及び第1制御弁491~494等を制御したり、表示装置2、メインスイッチ34、操作装置35及びカットオフスイッチ371から電気信号(操作信号等)を取得したりすることが可能である。本開示でいう「通信可能」とは、有線通信又は無線通信(電波又は光を媒体とする通信)の適宜の通信方式により、直接的、又は通信網(ネットワーク)若しくは中継器等を介して間接的に、情報(データ)を授受できることを意味する。そのため、制御システム1は、各種の情報(データ)の授受を、各デバイスと直接的に行ってもよいし、中継器等を介して間接的に行ってもよい。制御システム1と機体30の各部に設けられたデバイスとは、一例として、CAN(Controller Area Network)等の通信方式にて通信可能である。
取得処理部11は、作業機械3を制御するための操作装置35に対する操作を受け付ける取得処理を実行する。つまり、一対の操作レバー351,352を有する操作装置35が、ユーザ(オペレータ)の操作に応じた操作信号を出力することで、取得処理部11は、当該操作信号を取得する。これにより、例えば、右側の操作レバー351を前方に傾倒させる操作、又は左側の操作レバー352を前方に傾倒させる操作等、操作レバー351,352の操作内容(操作方向及び操作量)を表す操作信号を、取得処理部11にて取得することが可能である。同様に、複数のスイッチSw11,Sw12,Sw21,Sw22の各々の操作内容(オン/オフ)を表す操作信号を、取得処理部11にて取得することが可能である。取得処理部11は、更に、メインスイッチ34及びカットオフスイッチ371の各々のオン/オフについても取得可能に構成されている。
制御処理部12は、操作装置35の操作に応じて機体30を制御する制御処理を実行する。制御処理では、制御処理部12は、機体30の走行部31、旋回部32及び作業部33等の制御を実行する。具体的には、制御処理部12は、取得処理部11が取得した操作装置35の操作に応じて第1制御弁491~494に制御信号を出力することにより、油圧モータ43,45、油圧シリンダ44等の油圧アクチュエータを制御する。
ここで、制御処理部12は、操作パターンに従って、制御処理を実行する。本開示でいう「操作パターン」は、操作装置35の操作と機体30の動作との対応関係を意味し、操作装置35の操作と機体30の動作との組み合わせを示すデータ等を含む。つまり、制御処理部12は、操作パターンとして定められている操作装置35の操作と機体30の動作との対応関係に従って、操作装置35の操作に応じた機体30の動作を実現する。
特に、第1操作子(操作レバー351,352)の操作と機体30の動作との対応関係は、操作パターンのうちの「第1操作パターン」によって規定されている。一方、第2操作子(スイッチSw11,Sw12,Sw21,Sw22)の操作と機体30の動作との対応関係は、操作パターンのうちの「第2操作パターン」によって規定されている。言い換えれば、本開示でいう「操作パターン」は、第1操作子の操作に係る「第1操作パターン」と、第2操作子の操作に係る「第2操作パターン」と、を含んでいる。制御処理部12は、第1操作パターンとして定められている第1操作子の操作と機体30の動作との対応関係に従って、操作装置35のうちの第1操作子の操作に応じた機体30の動作を実現する。同様に、制御処理部12は、第2操作パターンとして定められている第2操作子の操作と機体30の動作との対応関係に従って、操作装置35のうちの第2操作子の操作に応じた機体30の動作を実現する。
例えば、ある第1操作パターンにおいては、操作装置35における右側の操作レバー351を前方に傾倒させる操作と、機体30におけるブーム332を下げる動作とが対応付けられており、操作装置35における左側の操作レバー352を後方に傾倒させる操作と、機体30におけるアーム333を曲げる動作とが対応付けられている。この場合、取得処理部11が、操作レバー351を前方に傾倒させる操作を受け付けると、制御処理部12は、第1制御弁491~494を制御してブーム332を下げるように作業部33の油圧シリンダ44を駆動させる。同様に、取得処理部11が、操作レバー352を後方に傾倒させる操作を受け付けると、制御処理部12は、第1制御弁491~494を制御してアーム333を曲げるように作業部33の油圧シリンダ44を駆動させる。
変更処理部13は、第1操作パターンを変更する変更処理を実行する。すなわち、制御処理部12で用いられる第1操作パターンは固定的ではなく、変更処理部13にて任意に変更可能である。本実施形態では一例として、制御システム1の記憶部15には、予め複数の第1操作パターンが記憶されており、変更処理部13は、これら複数の第1操作パターンの中から1つの第1操作パターンを「現在の第1操作パターン」として選択する。このように、変更処理部13は、予め定められた複数の第1操作パターンの中から1つの第1操作パターンを選択することで、「現在の第1操作パターン」を設定する。よって、変更処理部13が選択する第1操作パターンが複数の第1操作パターン内で切り替えられることにより、「現在の第1操作パターン」が切り替わることになる。制御処理部12は、変更処理部13で設定された第1操作パターン(現在の第1操作パターン)に従って、操作装置35のうちの第1操作子(操作レバー351,352)の操作に応じて機体30を制御する制御処理を実行する。
一例として、記憶部15に、第1操作パターンとして、「パターンA」、「パターンB」、「パターンC」及び「パターンD」の4つが記憶されている状態では、変更処理部13は、これら「パターンA」~「パターンD」のうちのいずれかを「現在の第1操作パターン」として選択する。「パターンA」、「パターンB」、「パターンC」及び「パターンD」は、互いに異なる操作装置35における第1操作子(操作レバー351,352)の操作と機体30の動作との対応関係(組み合わせ)を示すデータである。例えば、変更処理部13が、第1操作パターンとして「パターンA」を選択している場合には、制御処理部12は、「パターンA」に従って制御処理を実行する。一方、変更処理部13が、第1操作パターンとして「パターンC」を選択している場合には、制御処理部12は、「パターンC」に従って制御処理を実行する。
設定処理部14は、第2操作パターンを、第1操作パターンに対応付けて設定する設定処理を実行する。すなわち、制御処理部12で用いられる第2操作パターンについても、第1操作パターンと同様に、固定的ではなく、設定処理部14にて任意に設定可能である。本実施形態では一例として、制御システム1の記憶部15には、予め複数の第2操作パターンが記憶されており、設定処理部14は、これら複数の第2操作パターンの中から1つの第2操作パターンを「現在の第2操作パターン」として選択する。このように、設定処理部14は、予め定められた複数の第2操作パターンの中から1つの第2操作パターンを選択することで、「現在の第2操作パターン」を設定する。よって、設定処理部14が選択する第2操作パターンが複数の第2操作パターン内で切り替えられることにより、「現在の第2操作パターン」が切り替わることになる。制御処理部12は、設定処理部14で設定された第2操作パターン(現在の第2操作パターン)に従って、操作装置35のうちの第2操作子(スイッチSw11,Sw12,Sw21,Sw22)の操作に応じて機体30を制御する制御処理を実行する。
ここで、設定処理部14は、第2操作パターンを単独で設定するのではなく、第1操作パターンに対応付けて設定する。つまり、「現在の第1操作パターン」が決まると、これに対応する第2操作パターンが、設定処理部14にて自動的に「現在の第2操作パターン」として設定されることになる。その結果、第1操作パターンに適した第2操作パターンを設定することができる。
記憶部15は、各種の情報を記憶するHDD(Hard Disk Drive)又はSSD(Solid State Drive)等の不揮発性のストレージデバイスを含む。記憶部15には、作業機械用制御プログラム等のプログラムが格納(記憶)されている。作業機械用制御プログラムは、例えば、コンピュータ読取可能な非一時的記録媒体に記録されて提供され、制御システム1の読取装置で非一時的記録媒体から読み取られて、記憶部15に記憶される。作業機械用制御プログラムは、サーバ等から電気通信回線を介して制御システム1に提供(ダウンロード)されて、記憶部15に記憶されてもよい。
また、記憶部15は、変更処理部13にて設定される「現在の第1操作パターン」の候補となる複数の第1操作パターン(一例として、「パターンA」、「パターンB」、「パターンC」及び「パターンD」)等が記憶される。さらに、記憶部15には、変更処理部13にて設定(選択)されている「現在の第1操作パターン」についても記憶される。加えて、記憶部15には、設定処理部14にて設定(選択)されている「現在の第2操作パターン」についても記憶される。
[4]作業機械の制御方法
以下、図4~図8を参照しつつ、主として制御システム1によって実行される作業機械3の制御方法(以下、単に「制御方法」という)の一例について説明する。
本実施形態に係る制御方法は、コンピュータシステムを主構成とする制御システム1にて実行されるので、言い換えれば、作業機械用制御プログラム(以下、単に「制御プログラム」という)にて具現化される。つまり、本実施形態に係る制御プログラムは、制御方法を1以上のプロセッサに実行させるためのコンピュータプログラムである。このような制御プログラムは、例えば、制御システム1及び表示装置2によって協働して実行されてもよい。
ここで、本実施形態に係る制御方法は、操作装置35の操作に従って動作を行う機体30を備える作業機械3の制御方法である。言い換えれば、本実施形態に係る制御システム1は、操作装置35の操作に従って動作を行う機体30を備える作業機械3に用いられる。すなわち、本実施形態では、制御システム1の制御処理部12が、操作装置35の操作に応じて機体30を制御する制御処理を実行することで、機体30は、操作装置35の操作に従って動作を行うことになる。
また、制御システム1は、制御プログラムを実行させるための予め設定された特定の開始操作が行われた場合に、制御方法に係る下記の各種処理を実行する。開始操作は、例えば、作業機械3のエンジンの起動操作、つまりメインスイッチ34のオン操作等である。一方、制御システム1は、予め設定された特定の終了操作が行われた場合に、制御方法に係る下記の各種処理を終了する。終了操作は、例えば、作業機械3のエンジンの停止操作、つまりメインスイッチ34のオフ操作等である。
[4.1]第2操作子の操作時の動作
まず、第2操作子としてのスイッチSw11,Sw12,Sw21,Sw22の操作に対応する機体30の動作について説明する。ここでは特に、第2操作子の単独での操作ではなく、第1操作子(操作レバー351,352)の操作に関連付けて第2操作子が操作された場合における、機体30の動作について説明する。
本実施形態では、第1操作子の操作に関連付けて第2操作子が操作されることにより、機体30の第1操作子の操作に対応する機体30の動作を補助するように機体30を制御する補助制御が実行される。一例として、作業機械3は、当該補助制御を実行することにより、図4に示すように、目標施工面G1に基づく目標軌道に沿ってバケット331の爪先を移動させるように、作業部33のアクチュエータを自律的に動作させる自動整地を実行する。
つまり、本実施形態に係る作業機械3は、アクチュエータを自律的に動作させることでオペレータによる作業機械3の手動操作を支援する機能(自動整地機能)を有している。具体的に、オペレータが、第2操作子を押操作しながら、第1操作子(操作レバー351,352)を手動操作してアーム333を曲げる(閉じる)操作を行うことで、目標施工面G1上の目標軌道とバケット331の爪先の位置とが一致するように、制御処理部12がブーム332及びバケット331の少なくとも一方を制御する。これにより、オペレータは、例えば、アーム333を曲げる方向に操作レバー351,352を操作するだけで、バケット331の爪先を目標軌道(目標施工面G1)に一致させながら、作業部33の縮小動作を実行することができる。
ここで、目標施工面G1が均し作業によって形成される水平面(平坦面)である場合には、上記自動整地機能により、「自動水平引き」が実現される。また、目標施工面G1は、水平面に限らず、例えば、法面仕上げ作業によって形成される法面等であってもよく、この場合、作業機械3は、目標施工面G1である法面に沿ってバケット331の爪先を移動させることになる。また、アーム333を曲げる動作のみならず、アーム333を伸ばす動作の際にも、作業機械3は、ブーム332及びバケット331の少なくとも一方を自律的に動作させる補助制御を行うことが可能である。これにより、作業機械3は、バケット331の爪先を目標軌道(目標施工面G1)に一致させながら、作業部33の展開動作を実行することができる。
このように、本実施形態に係る制御方法では、第1操作子の操作に関連付けて第2操作子が操作されると、第1操作子の操作に対応する機体30の動作を補助するように機体30を制御する補助制御を実行する。そのため、オペレータによる第1操作子の手動操作と共に実行される機体30の制御を、第2操作子の操作によって実現することが可能である。結果的に、例えば、オペレータによる第1操作子の操作に伴ってアーム333を動作させつつも、ブーム332及びバケット331の少なくとも一方を自動的に動作させることで、「自動水平引き」のような半自動制御を容易に実現することが可能である。
より具体的には、機体30は、アーム333、ブーム332及びアタッチメント(バケット331)を含む作業部33を有している。ここで、本実施形態に係る制御方法では、第1操作子の操作によってアーム333を制御し、第2操作子の操作によってブーム332とアタッチメント(バケット331)との少なくとも一方を制御する。これにより、オペレータにおいては、第1操作子の操作によりアーム333を動作させるだけで、例えば、「自動水平引き」のような半自動制御を容易に実現することが可能である。
[4.2]第1操作パターン
次に、第1操作子の操作と機体30の動作との対応関係を示す第1操作パターンについて説明する。
本実施形態では一例として、記憶部15に、第1操作パターンとして、図5に例示する「パターンA」、「パターンB」、「パターンC」及び「パターンD」の4つが記憶されており、これら4つのパターンの中から、いずれかの第1操作パターンが変更処理部13により選択(設定)される。図5の例では、「パターンA」として「ISO、XX社製、YY社製」向けの第1操作パターン、「パターンB」として「ZZ社製、XY社製、YX社製」向けの第1操作パターン、「パターンC」として「ZX社製、YZ社製」向けの第1操作パターン、「パターンD」として「XYZ社製、YXZ社製」向けの第1操作パターンが用意されている。
図5では、「パターンA」、「パターンB」、「パターンC」及び「パターンD」の各々について、第1操作子としての一対の操作レバー351,352の各々の操作方向と、機体30の動作との組み合わせを模式的に表している。
例えば、「パターンA」であれば、右側の操作レバー351を前方に傾倒させる操作と、機体30におけるブーム332を下げる動作とが対応付けられ、操作レバー351を後方に傾倒させる操作と、機体30におけるブーム332を上げる動作とが対応付けられ、操作レバー351を右方に傾倒させる操作と、機体30におけるバケット331を開放する動作とが対応付けられ、操作レバー351を左方に傾倒させる操作と、機体30におけるバケット331を閉じる(掘削する)動作とが対応付けられている。さらに、「パターンA」であれば、左側の操作レバー352を前方に傾倒させる操作と、機体30におけるアーム333を伸ばす動作とが対応付けられており、操作レバー352を後方に傾倒させる操作と、機体30におけるアーム333を曲げる動作とが対応付けられ、操作レバー352を右方に傾倒させる操作と、機体30における旋回部32を右旋回させる動作とが対応付けられ、操作レバー352を左方に傾倒させる操作と、機体30における旋回部32を左旋回させる動作とが対応付けられている。
一方、「パターンB」であれば、左側の操作レバー352を前方に傾倒させる操作と、機体30における旋回部32を右旋回させる動作とが対応付けられており、操作レバー352を後方に傾倒させる操作と、機体30における旋回部32を左旋回させる動作とが対応付けられ、操作レバー352を右方に傾倒させる操作と、機体30におけるアーム333を曲げる動作とが対応付けられ、操作レバー352を左方に傾倒させる操作と、機体30におけるアーム333を伸ばす動作とが対応付けられている。
このように、選択される第1操作パターンによって、第1操作子(操作レバー351,352)のある操作に対応する機体30の動作が異なる。言い換えれば、選択される第1操作パターンによって、機体30に同じ動作をさせるための第1操作子(操作レバー351,352)の操作が異なる。
次に、本実施形態に係る制御方法のうち、特に第1操作パターンの変更に関する具体的な処理の一例について、詳細に説明する。
本実施形態では、上述したように、制御システム1の変更処理部13が、第1操作パターンを変更する変更処理を実行することで、第1操作子の操作と機体30の動作との対応関係である第1操作パターンが変更可能である。ここで、第1操作パターンの設定(変更)は、オペレータ(ユーザ)の操作に応じて行われる。つまり、オペレータが、「パターンA」、「パターンB」、「パターンC」及び「パターンD」の中から、任意のパターンを選択することで、現在の第1操作パターンが変更される。
具体的には、図6に示すように、変更処理部13は、第1操作パターンを変更するための変更画面Dp1を、表示装置2に表示させる機能を有する。変更画面Dp1で選択される第1操作パターンは、変更処理部13により「現在の第1操作パターン」として設定される。これにより、オペレータにおいては、表示装置2にて視覚的に確認しながら、第1操作子(操作レバー351,352)の操作と機体30の動作との対応関係である第1操作パターンを決めることができる。
一例として、変更画面Dp1は、図6に示すように、第1領域R1、第2領域R2及び第3領域R3を有している。第3領域R3には、「上」及び「下」のカーソルの項目、前画面に戻るための「戻る」の項目、並びに「決定」の項目が表示される。第1領域R1には、第1操作パターンの選択肢となる「パターンA」、「パターンB」、「パターンC」及び「パターンD」が表示される。第1領域R1では、「パターンA」、「パターンB」、「パターンC」及び「パターンD」のいずれかがハイライト表示される。第3領域R3のカーソルの操作により、ハイライト表示されるパターンが切り替わる。さらに、「パターンA」、「パターンB」、「パターンC」及び「パターンD」の各々にはラジオボタンが対応付けられており、選択中のパターンに対応するラジオボタンが「オン」状態となる。図6の例では、「パターンA」がハイライト表示されており、かつ「パターンA」が第1操作パターンとして選択された状態にある。
第2領域R2には、ハイライト表示されている第1操作パターンに関する詳細情報が、変更後パターン情報として表示される。図6の例では、第2領域R2には、ハイライト表示されている「パターンA」の詳細情報が表示されている。ここで、変更後パターン情報としての詳細情報は、第1操作子の操作と機体30の動作との対応関係を示す図像(アイコン)を含む。具体的には、詳細情報は、「ISO、XX社製、YY社製」とのテキスト、及び一対の操作レバー351,352の各々の操作方向と機体30の動作との組み合わせを表す図像を含む。
このような変更画面Dp1によれば、図7に示すように、第3領域R3のカーソルの操作により、ハイライト表示されるパターンが切り替わる。これに伴って、第2領域に表示される詳細情報も、ハイライト表示されるパターンの詳細情報に切り替わる。したがって、オペレータにおいては、所望のパターンをハイライト表示させた状態で「決定」の項目を操作することにより、所望のパターンを選択することが可能である。
[4.3]第2操作パターン
次に、第2操作子の操作と機体30の動作との対応関係を示す第2操作パターンについて説明する。
本実施形態では、設定される第2操作パターンによって、第2操作子(スイッチSw11,Sw12,Sw21,Sw22)のある操作に対応する機体30の動作が異なる。言い換えれば、第2操作パターンによって、機体30の補助制御(自動整地機能)を実行するための操作を、第2操作子としてのスイッチSw11,Sw12,Sw21,Sw22のいずれに割り当てるかが規定される。
ここで、本実施形態に係る制御方法では、設定処理部14により、第2操作パターンを、第1操作パターンに対応付けて設定する設定処理が実行される。つまり、第2操作パターンについては、第1操作パターンに対応付けて設定される。そのため、「現在の第1操作パターン」が決まると、これに対応する第2操作パターンが、設定処理部14にて自動的に「現在の第2操作パターン」として設定される。
一例として、第1操作パターンが「パターンA」又は「パターンB」である場合には、第2操作パターンにおいて機体30の補助制御(自動整地機能)を実行するための操作は、スイッチSw21に割り当てられる。一方、第1操作パターンが「パターンC」又は「パターンD」である場合には、第2操作パターンにおいて機体30の補助制御(自動整地機能)を実行するための操作は、スイッチSw11に割り当てられる。
要するに、「パターンA」又は「パターンB」では、自動整地機能において、オペレータによりアーム333を手動操作するための第1操作子は、左手側の操作レバー352となる。したがって、当該操作レバー352に設けられたスイッチSw21に、自動整地機能を実行するための操作が割り当てられることで、オペレータにおいては、操作レバー352のスイッチSw21を押しながら、当該操作レバー352を操作してアーム333を動作させることで、自動整地を行うことができる。結果的に、オペレータにおいては、片方の操作レバー352にて、自動整地のための操作を完結することができ、要求される操作が簡単になる。
同様に、「パターンC」又は「パターンD」では、自動整地機能において、オペレータによりアーム333を手動操作するための第1操作子は、右手側の操作レバー351となる。したがって、当該操作レバー351に設けられたスイッチSw11に、自動整地機能を実行するための操作が割り当てられることで、オペレータにおいては、操作レバー351のスイッチSw11を押しながら、当該操作レバー351を操作してアーム333を動作させることで、自動整地を行うことができる。結果的に、オペレータにおいては、片方の操作レバー351にて、自動整地のための操作を完結することができ、要求される操作が簡単になる。
他の例として、第1操作パターンが「パターンA」である場合には、自動整地機能を実行するための操作はスイッチSw22に割り当てられ、第1操作パターンが「パターンB」である場合には、自動整地機能を実行するための操作はスイッチSw21に割り当てられる。一方、第1操作パターンが「パターンC」である場合には、自動整地機能を実行するための操作はスイッチSw12に割り当てられ、第1操作パターンが「パターンD」である場合には、自動整地機能を実行するための操作はスイッチSw11に割り当てられる。
要するに、「パターンA」又は「パターンC」のように、アーム333を曲げる動作が操作レバー351,352を後方(手前)に傾倒する操作に対応付けられている場合には、より操作しやすい背面側に設けられたスイッチSw12,Sw22に、自動整地機能を実行するための操作が割り当てられることが好ましい。一方、「パターンD」のように、アーム333を曲げる動作が操作レバー351を前方に傾倒する操作に対応付けられている場合には、より操作しやすい正面側に設けられたスイッチSw11に、自動整地機能を実行するための操作が割り当てられることが好ましい。
すなわち、本実施形態に係る制御方法は、第1操作パターンを変更することと、第2操作パターンを、第1操作パターンに対応付けて設定することと、を有する。ここで、第1操作パターンは、操作装置35のうち第1操作子の操作と機体30の動作との対応関係であって、第2操作パターンは、操作装置35のうち第1操作子の操作に関連付けて操作される第2操作子の操作と機体30の動作との対応関係である。
このように、「現在の第1操作パターン」に対応する「現在の第2操作パターン」が設定されることで、操作に係るオペレータの負担を軽減しやすい作業機械3の制御方法を実現できる。すなわち、第1操作子(操作レバー351,352)の操作と機体30の動作との対応関係である第1操作パターンを変更する場合に、変更後の第1操作パターンに対応する第2操作パターンが自動的に設定されることで、第1操作パターンに適した第2操作パターンを採用することが可能である。結果的に、オペレータにおいては、例えば、操作レバー351を操作しつつ、操作レバー352のスイッチSw21,Sw22を押すといった複雑な操作が不要となり、操作レバー352を意図せず操作してブーム332等が動作するといった操作ミスが生じにくい。結果的に、操作に係るオペレータの負担を軽減しやすい、という利点がある。
本実施形態では特に、第2操作パターンは、第1操作パターンの変更に伴って自動的に変更される。要するに、変更処理部13が第1操作パターンを変更すると、変更後の第1操作パターンに対応するように、第2操作パターンについては設定処理部14が自動的に変更する。これにより、オペレータにおいては、第2操作パターンを意図的に変更することなく、常に、第1操作パターンに適した第2操作パターンが設定されることになる。
[4.4]全体処理
次に、制御方法に係る処理の全体の流れについて、図8を参照して説明する。図8は、制御方法に係る処理の一例を示すフローチャートである。
図8に示すように、制御システム1は、まずメインスイッチ34がオンしたか否かを判断する(S1)。メインスイッチ34がオンすると(S1:Yes)、制御システム1は、変更画面Dp1を呼び出すための操作がなされたか否かを判断する(S2)。具体的に、変更処理部13は、ホーム画面等において、変更画面Dp1を呼び出すための操作がなされた場合(S2:Yes)、処理をステップS3に移行させる。変更画面Dp1を呼び出すための操作がなされなければ(S2:No)、制御システム1は、変更画面Dp1を呼び出すための操作がなされたか否かの判断(S2)を継続する。
ステップS3では、変更処理部13は、表示装置2の表示部23に表示画面として、第1操作パターンを変更するための変更画面Dp1を表示させる。変更画面Dp1の表示中、制御システム1の変更処理部13は、オペレータ(ユーザ)の操作に従って、所望のパターンを「現在の第1操作パターン」として設定する。制御システム1は、第1操作パターンの変更が行われたか否かを判断する(S4)。制御システム1は、変更画面Dp1において、第1操作パターンを変更する操作がなされた場合(S4:Yes)、処理をステップS5に移行させる。第1操作パターンを変更する操作がなされなければ(S4:No)、制御システム1は、ステップS5をスキップして一連の処理を終了する。
ステップS5では、設定処理部14は、第2操作パターンを設定する。このとき、設定処理部14は、変更後の第1操作パターンに対応する第2操作パターンを自動的に設定する。
制御システム1は、上記ステップS1~S5の処理を繰り返し実行する。ただし、図8に示すフローチャートは一例に過ぎず、処理が適宜追加又は省略されてもよいし、処理の順番が適宜入れ替わってもよい。
[5]変形例
以下、実施形態1の変形例を列挙する。以下に説明する変形例は、適宜組み合わせて適用可能である。
本開示における制御システム1は、コンピュータシステムを含んでいる。コンピュータシステムは、ハードウェアとしての1以上のプロセッサ及び1以上のメモリを主構成とする。コンピュータシステムのメモリに記録されたプログラムをプロセッサが実行することによって、本開示における制御システム1としての機能が実現される。プログラムは、コンピュータシステムのメモリに予め記録されてもよく、電気通信回線を通じて提供されてもよく、コンピュータシステムで読み取り可能なメモリカード、光学ディスク、ハードディスクドライブ等の非一時的記録媒体に記録されて提供されてもよい。また、制御システム1に含まれる一部又は全部の機能部は電子回路で構成されていてもよい。
また、制御システム1の少なくとも一部の機能が、1つの筐体内に集約されていることは制御システム1に必須の構成ではなく、制御システム1の構成要素は、複数の筐体に分散して設けられていてもよい。反対に、実施形態1において、複数の装置(例えば制御システム1及び表示装置2)に分散されている機能が、1つの筐体内に集約されていてもよい。さらに、制御システム1の少なくとも一部の機能がクラウド(クラウドコンピューティング)等によって実現されてもよい。
また、作業機械3の動力源は、ディーゼルエンジンに限らず、例えば、ディーゼルエンジン以外のエンジンであってもよいし、モータ(電動機)、又はエンジンとモータ(電動機)とを含むハイブリッド式の動力源であってもよい。
また、表示装置2は、専用のデバイスに限らず、例えば、ラップトップコンピュータ、タブレット端末又はスマートフォン等の汎用端末であってもよい。さらに、表示部23は、液晶ディスプレイ又は有機ELディスプレイのように、表示画面を直接的に表示する態様に限らず、例えば、プロジェクタのように、投影により表示画面を表示する構成であってもよい。
また、操作部22の情報の入力の態様として、押釦スイッチ、タッチパネル及び操作ダイヤル以外の態様を採用してもよい。例えば、操作部22は、キーボード、マウス等のポインティングディバイス、音声入力、ジェスチャ入力又は他の端末からの操作信号の入力等の態様を採用してもよい。
また、操作装置35及び表示装置2等は、機体30に搭載される構成に限らず、例えば、機体30とは別に設けられていてもよい。この場合、操作装置35及び表示装置2等は、機体30と通信可能に構成され、機体30の遠隔操作を実現する。
また、変更処理部13にて設定される第1操作パターンが、選択肢となる複数のパターンから選択されることは必須ではなく、オペレータ(ユーザ)により自由にカスタムされてもよい。具体的には、例えば、変更画面Dp1において、オペレータが各操作レバー351,352の各操作に対応付ける機体30の動作を個別に指定することにより、第1操作パターンを自由にカスタムする。
また、設定処理部14は、第2操作パターンを、第1操作パターンに対応付けて設定すればよく、第2操作パターンと第1操作パターンとの対応関係は、上述した例に限らない。どのような第2操作パターンを第1操作パターンに対応付けるかについて、オペレータが自由にカスタムできてもよい。
(実施形態2)
本実施形態に係る制御方法は、第2操作子の操作に対応する機体30の動作が、実施形態1に係る制御方法と相違する。以下、実施形態1と同様の構成については、共通の符号を付して適宜説明を省略する。
本実施形態では、図9に示すように、作業部33の可動範囲の登録動作に、第2操作子の操作が対応付けられている。つまり、例えば、図9に示すように、上下方向D1における作業部33の可動範囲を登録する場合には、ブーム332の可動範囲が制限される。そこで、オペレータは、ブーム332を上げる操作をした上で、第2操作子(スイッチSw11,Sw12,Sw21,Sw22)を押操作することで、第2操作子の押操作時のブーム332の位置を可動範囲の上端、つまり作業部33の高さ制限位置P1として登録することが可能である。また、オペレータは、ブーム332を下げる操作をした上で、第2操作子(スイッチSw11,Sw12,Sw21,Sw22)を押操作することで、第2操作子の押操作時のブーム332の位置を可動範囲の下端、つまり作業部33の深さ制限位置P2として登録することが可能である。
一例として、第1操作パターンが「パターンA」又は「パターンB」である場合には、第2操作パターンにおいて、作業部33の可動範囲を登録するための操作はスイッチSw11に割り当てられる。一方、第1操作パターンが「パターンC」又は「パターンD」である場合には、第2操作パターンにおいて、作業部33の可動範囲を登録するための操作はスイッチSw21に割り当てられる。
要するに、「パターンA」又は「パターンB」では、作業部33の可動範囲を登録する際、オペレータによりブーム332を手動操作するための第1操作子は、右手側の操作レバー351となる。したがって、当該操作レバー351に設けられたスイッチSw11に、作業部33の可動範囲を登録するための操作が割り当てられることで、オペレータにおいては、操作レバー351のスイッチSw11を押すことで、その時点のブーム332の位置を可動範囲の上端又は下端として登録することが可能である。結果的に、オペレータにおいては、片方の操作レバー351にて、作業部33の可動範囲を登録するための操作を完結することができ、要求される操作が簡単になる。
同様に、「パターンC」又は「パターンD」では、作業部33の可動範囲を登録する際、オペレータによりブーム332を手動操作するための第1操作子は、左手側の操作レバー352となる。したがって、当該操作レバー352に設けられたスイッチSw21に、作業部33の可動範囲を登録するための操作が割り当てられることで、オペレータにおいては、操作レバー352のスイッチSw21を押すことで、その時点のブーム332の位置を可動範囲の上端又は下端として登録することが可能である。結果的に、オペレータにおいては、片方の操作レバー352にて、作業部33の可動範囲を登録するための操作を完結することができ、要求される操作が簡単になる。
また、本実施形態では、図10に示すように、例えば、アタッチメントとしてブレーカ334等が装着された場合の、巻き込み制限位置P3の登録動作にも、第2操作子の操作が対応付けられる。つまり、例えば、図10に示すように、ブレーカ334等が装着された場合、ブレーカ334の干渉を避けるため、アーム333の曲げ方向における限界位置を巻き込み制限位置P3として登録することがある。この場合、オペレータは、アーム333を曲げる操作をした上で、第2操作子(スイッチSw11,Sw12,Sw21,Sw22)を押操作することで、第2操作子の押操作時のアーム333の位置を巻き込み制限位置P3として登録することが可能である。
この場合、一例として、第1操作パターンが「パターンA」又は「パターンB」である場合には、第2操作パターンにおいて、巻き込み制限位置P3を登録するための操作はスイッチSw21に割り当てられる。一方、第1操作パターンが「パターンC」又は「パターンD」である場合には、第2操作パターンにおいて、巻き込み制限位置P3を登録するための操作はスイッチSw11に割り当てられる。
本実施形態の更に他の例として、第2操作子の操作に対応する機体30の動作は、駆動装置の複数の出力ポート(PTO1~PTO4)の動作であってもよい。一例として、ハーベスタのような作業機械3においては、作業対象物である木材を掴む際には、アーム333と共にいずれかの出力ポート(例えばPTO1)を駆動する必要がある。この場合、駆動装置の複数の出力ポート(PTO1~PTO4)を個別に操作するための複数の操作子Sw1,Sw2が第2操作子の一例として、第2操作パターンにより、第2操作子への出力ポートの割り当てが行われる。そのため、複数の操作子Sw1,Sw2のうち、アーム333の操作用の操作レバー351,352に設けられている操作子Sw1,Sw2に、当該出力ポート(例えばPTO1)が割り当てられるように、第2操作パターンが設定されることが好ましい。
実施形態2で説明した種々の構成(変形例を含む)は、実施形態1で説明した種々の構成(変形例を含む)と適宜組み合わせて採用可能である。
〔発明の付記〕
以下、上述の実施形態から抽出される発明の概要について付記する。なお、以下の付記で説明する各構成及び各処理機能は取捨選択して任意に組み合わせることが可能である。
<付記1>
操作装置の操作に従って動作を行う機体を備える作業機械の制御方法であって、
前記操作装置のうち第1操作子の操作と前記機体の動作との対応関係である第1操作パターンを変更することと、
前記操作装置のうち前記第1操作子の操作に関連付けて操作される第2操作子の操作と前記機体の動作との対応関係である第2操作パターンを、前記第1操作パターンに対応付けて設定することと、を有する、
作業機械の制御方法。
<付記2>
前記第2操作パターンは、前記第1操作パターンの変更に伴って自動的に変更される、
付記1記載の作業機械の制御方法。
<付記3>
前記第2操作子は前記第1操作子に配置されている、
付記1又は2に記載の作業機械の制御方法。
<付記4>
前記第1操作子の操作時点を基準とする操作受付期間に前記第2操作子が操作されることにより、前記第1操作子の操作に関連付けて前記第2操作子が操作される、
付記1~3のいずれかに記載の作業機械の制御方法。
<付記5>
前記第1操作子は、操作レバーを含み、
前記第2操作子は、スイッチを含む、
付記1~4のいずれかに記載の作業機械の制御方法。
<付記6>
前記第1操作子の操作に関連付けて前記第2操作子が操作されると、前記第1操作子の操作に対応する前記機体の動作を補助するように前記機体を制御する補助制御を実行する、
付記1~5のいずれかに記載の作業機械の制御方法。
<付記7>
前記機体は、アーム、ブーム及びアタッチメントを含む作業部を有しており、
前記第1操作子の操作によって前記アームを制御し、前記第2操作子の操作によって前記ブームと前記アタッチメントとの少なくとも一方を制御する、
付記1~6のいずれかに記載の作業機械の制御方法。
<付記8>
付記1~7のいずれかに記載の作業機械の制御方法を、
1以上のプロセッサに実行させるための作業機械用制御プログラム。
1 作業機械用制御システム
3 作業機械
13 変更処理部
14 設定処理部
30 機体
33 作業部
35 操作装置
331 バケット(アタッチメント)
332 ブーム
333 アーム
334 ブレーカ(アタッチメント)
351,352 操作レバー(第1操作子)
Sw1,Sw2 操作子(第2操作子)
Sw11,Sw12,Sw21,Sw22 スイッチ(第2操作子)

Claims (10)

  1. 操作装置の操作に従って動作を行う機体を備える作業機械の制御方法であって、
    前記操作装置のうち第1操作子の操作と前記機体の動作との対応関係である第1操作パターンを変更することと、
    前記操作装置のうち前記第1操作子の操作に関連付けて操作される第2操作子の操作と前記機体の動作との対応関係である第2操作パターンを、前記第1操作パターンに対応付けて設定することと、を有する、
    作業機械の制御方法。
  2. 前記第2操作パターンは、前記第1操作パターンの変更に伴って自動的に変更される、
    請求項1記載の作業機械の制御方法。
  3. 前記第2操作子は前記第1操作子に配置されている、
    請求項1又は2に記載の作業機械の制御方法。
  4. 前記第1操作子の操作時点を基準とする操作受付期間に前記第2操作子が操作されることにより、前記第1操作子の操作に関連付けて前記第2操作子が操作される、
    請求項1又は2に記載の作業機械の制御方法。
  5. 前記第1操作子は、操作レバーを含み、
    前記第2操作子は、スイッチを含む、
    請求項1又は2に記載の作業機械の制御方法。
  6. 前記第1操作子の操作に関連付けて前記第2操作子が操作されると、前記第1操作子の操作に対応する前記機体の動作を補助するように前記機体を制御する補助制御を実行する、
    請求項1又は2に記載の作業機械の制御方法。
  7. 前記機体は、アーム、ブーム及びアタッチメントを含む作業部を有しており、
    前記第1操作子の操作によって前記アームを制御し、前記第2操作子の操作によって前記ブームと前記アタッチメントとの少なくとも一方を制御する、
    請求項1又は2に記載の作業機械の制御方法。
  8. 請求項1又は2に記載の作業機械の制御方法を、
    1以上のプロセッサに実行させるための作業機械用制御プログラム。
  9. 操作装置の操作に従って動作を行う機体を備える作業機械に用いられ、
    前記操作装置のうち第1操作子の操作と前記機体の動作との対応関係である第1操作パターンを変更する変更処理部と、
    前記操作装置のうち前記第1操作子の操作に関連付けて操作される第2操作子の操作と前記機体の動作との対応関係である第2操作パターンを、前記第1操作パターンに対応付けて設定する設定処理部と、を備える、
    作業機械用制御システム。
  10. 請求項9に記載の作業機械用制御システムと、
    前記機体と、を備える、
    作業機械。
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