JP2024069887A - 作業機械の制御方法、作業機械用制御プログラム、作業機械用制御システム及び作業機械 - Google Patents

作業機械の制御方法、作業機械用制御プログラム、作業機械用制御システム及び作業機械 Download PDF

Info

Publication number
JP2024069887A
JP2024069887A JP2022180163A JP2022180163A JP2024069887A JP 2024069887 A JP2024069887 A JP 2024069887A JP 2022180163 A JP2022180163 A JP 2022180163A JP 2022180163 A JP2022180163 A JP 2022180163A JP 2024069887 A JP2024069887 A JP 2024069887A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
unit
work machine
restriction
hydraulic
controlling
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2022180163A
Other languages
English (en)
Inventor
将志 段口
淳 寺島
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Yanmar Holdings Co Ltd
Original Assignee
Yanmar Holdings Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Yanmar Holdings Co Ltd filed Critical Yanmar Holdings Co Ltd
Priority to JP2022180163A priority Critical patent/JP2024069887A/ja
Publication of JP2024069887A publication Critical patent/JP2024069887A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Operation Control Of Excavators (AREA)
  • Component Parts Of Construction Machinery (AREA)

Abstract

【課題】操作に係るオペレータの負担を軽減しやすい、作業機械の制御方法、作業機械用制御プログラム、作業機械用制御システム及び作業機械を提供する。【解決手段】作業機械3の制御方法は、作業機械3の周囲の監視エリアにおける検知対象物の検知結果に基づいて、第1制限部48を作動させることと、第1制限部48の有効と無効とを切り替えることと、を有する。第1制限部48は、作業機械3を駆動する第1駆動部(油圧モータ432)の動作を制限する。ここで、第1制限部48の有効と無効とは、第1駆動部の動作に係る操作装置35の操作状態に応じて切り替えており、少なくとも操作装置35が操作される前においては第1制限部48を有効にする。【選択図】図2

Description

本発明は、少なくとも1つの駆動部を備える作業機械に用いられる、作業機械の制御方法、作業機械用制御プログラム、作業機械用制御システム及び作業機械に関する。
関連技術として、作業機械(ショベル)の周辺の所定範囲内の人を検知する人検知手段を有する作業機械が知られている(例えば、特許文献1参照)。関連技術に係る作業機械用制御システムは、作業機械の油圧回路が(油圧)ロック状態であるとき、及び、(油圧)ロック解除状態であるとき、のいずれにおいても、人検知手段が人を検知しているか否かを判定する。ロック状態とロック解除状態とは、ゲートロックレバー(油圧ロックレバー)の操作によって切り替えられる。
ここで、「ロック状態」においては、油圧回路内に設けられたシャット弁が、操作装置(操作レバー)と(油圧)アクチュエータとの間の油圧回路を遮断するので、操作装置をオペレータが操作しても対応するアクチュエータが動作しない。一方、「ロック解除状態」においては、シャット弁は操作装置とアクチュエータとの間の油圧回路を連通させるので、操作装置をオペレータが操作した場合に対応するアクチュエータが動作する。そして、関連技術に係る作業機械では、人検知手段が人を検知していると判定された場合、掘削、旋回及び前後進の動作が禁止される。
特開2020-56300号公報
上記関連技術では、人検知手段が人を検知していると判定された場合に、掘削、旋回及び前後進の動作が急停止する可能性があるため、例えば、作業機械の動作が急停止することを避けるには、オペレータが操作装置を注意して操作する必要がある。
本発明の目的は、操作に係るオペレータの負担を軽減しやすい、作業機械の制御方法、作業機械用制御プログラム、作業機械用制御システム及び作業機械を提供することにある。
本発明の一態様に係る作業機械の制御方法は、作業機械の周囲の監視エリアにおける検知対象物の検知結果に基づいて、第1制限部を作動させることと、前記第1制限部の有効と無効とを切り替えることと、を有する。前記第1制限部は、前記作業機械を駆動する第1駆動部の動作を制限する。ここで、前記第1制限部の有効と無効とは、前記第1駆動部の動作に係る操作装置の操作状態に応じて切り替えており、少なくとも前記操作装置が操作される前においては前記第1制限部を有効にする。
本発明の一態様に係る作業機械用制御プログラムは、前記作業機械の制御方法を、1以上のプロセッサに実行させるためのプログラムである。
本発明の一態様に係る作業機械用制御システムは、第1制限処理部と、切替処理部と、を備える。前記第1制限処理部は、作業機械の周囲の監視エリアにおける検知対象物の検知結果に基づいて、第1制限部を作動させる。前記第1制限部は、前記作業機械を駆動する第1駆動部の動作を制限する。前記切替処理部は、前記第1駆動部の動作に係る操作装置の操作状態に応じて前記第1制限部の有効と無効とを切り替え、少なくとも前記操作装置が操作される前においては前記第1制限部を有効にする。
本発明の一態様に係る作業機械は、前記作業機械用制御システムと、前記第1駆動部が搭載される機体と、を備える。
本発明によれば、操作に係るオペレータの負担を軽減しやすい、作業機械の制御方法、作業機械用制御プログラム、作業機械用制御システム及び作業機械を提供することができる。
図1は、実施形態1に係る作業機械の全体構成を示す概略斜視図である。 図2は、実施形態1に係る作業機械の油圧回路等を示す概略図である。 図3は、実施形態1に係る作業機械を上方から見て、作業機械の周囲に設定された監視エリア等を模式的に表す概略平面図である。 図4は、実施形態1に係る作業機械用制御システムにより表示画面が表示される表示装置の概略外観図である。 図5は、実施形態1に係る作業機械用制御システムにより表示される表示画面の一例を示す図である。 図6は、実施形態1に係る作業機械用制御システムの動作例を示すフローチャートである。 図7は、実施形態2に係る作業機械の油圧回路等を示す概略図である。
以下、添付図面を参照しながら、本発明の実施形態について説明する。以下の実施形態は、本発明を具体化した一例であって、本発明の技術的範囲を限定する趣旨ではない。
(実施形態1)
[1]全体構成
本実施形態に係る作業機械3は、図1に示すように、走行部31と、旋回部32と、作業部33と、を機体30に備えている。また、作業機械3は、図2に示すように、作業機械用制御システム1(以下、単に「制御システム1」ともいう)を更に備えている。その他、機体30は、表示装置2、操作装置35及び音出力部36等を更に備えている。
本開示でいう「作業機械」は、各種の作業用の機械を意味し、一例として、バックホー(油圧ショベル、ミニショベル等を含む)、ホイルローダー及びキャリア等の作業車両である。作業機械3は、少なくとも吊り作業を含む1つ以上の作業を実行可能に構成された作業部33を備えている。作業機械3は、「車両」に限らず、例えば、作業用船舶、ドローン又はマルチコプター等の作業飛翔体等であってもよい。さらに、作業機械3は建設機械(建機)に限らず、例えば、田植機、トラクタ又はコンバイン等の農業機械(農機)であってもよい。本実施形態では、特に断りが無い限り、作業機械3が吊り機能付き(クレーン機能付き)のバックホーであって、吊り作業の他に、掘削作業、整地作業、溝掘削作業又は積込作業等を作業として実行可能である場合を例に挙げて説明する。
また、本実施形態では、説明の便宜上、作業機械3が使用可能な状態での鉛直方向を上下方向D1と定義する。さらに、旋回部32の非旋回状態において、作業機械3(の運転部321)に搭乗したユーザ(オペレータ)から見た方向を基準として、前後方向D2及び左右方向D3を定義する。言い換えれば、本実施形態で用いられる各方向は、いずれも作業機械3の機体30を基準として規定される方向であって、作業機械3の前進時に機体30が移動する方向が「前方」、作業機械3の後退時に機体30が移動する方向が「後方」となる。同様に、作業機械3の右旋回時に機体30の前端部が移動する方向が「右方」、作業機械3の左旋回時に機体30の前端部が移動する方向が「左方」となる。ただし、これらの方向は、作業機械3の使用方向(使用時の方向)を限定する趣旨ではない。
作業機械3は、動力源となるエンジンを備えている。作業機械3においては、例えば、エンジンによって油圧ポンプ41(図2参照)が駆動され、油圧ポンプ41から機体30の各部の油圧アクチュエータ(油圧モータ431及び油圧シリンダ433等を含む)に作動油が供給されることで、機体30が駆動する。また、作業機械3は、例えば、機体30の運転部321に搭乗したユーザ(オペレータ)が、運転部321に設けられている操作装置35の操作レバー等を操作することにより制御される。
本実施形態では、上述したように作業機械3が乗用タイプのバックホーである場合を想定しているので、作業部33は、運転部321に搭乗したユーザ(オペレータ)の操作に従って駆動され、掘削作業等の作業を実行する。ユーザが搭乗する運転部321は、旋回部32に設けられている。
走行部31は、走行機能を有し、地面を走行(旋回を含む)可能に構成されている。走行部31は、例えば、左右一対のクローラ311及びブレード312等を有している。走行部31は、クローラ311を駆動するための走行用の油圧モータ431(油圧アクチュエータ)等を更に有する。
旋回部32は、走行部31の上方に位置し、走行部31に対して、鉛直方向に沿った回転軸を中心に旋回可能に構成されている。つまり、作業機械3は、走行部31と、走行部31に対して旋回可能な旋回部32と、を備えている。旋回部32は、旋回用の油圧モータ432(図2参照)等の油圧アクチュエータを有している。旋回部32には、運転部321の他、エンジン及び油圧ポンプ41等が搭載されている。さらに、旋回部32の前端部には、作業部33が取り付けられるブームブラケット322が設けられている。
作業部33は、吊り作業を含む作業を実行可能に構成されている。作業部33は、旋回部32のブームブラケット322に支持されており、作業を実行する。作業部33は、バケット331、ブーム332及びアーム333等を有している。作業部33は、各部を駆動するための油圧アクチュエータ(油圧シリンダ433及び油圧モータ等を含む)を更に有する。
バケット331は、作業機械3の機体30に取り付けられるアタッチメント(作業具)の一種であって、複数種類のアタッチメントの中から作業の内容に応じて選択される任意の器具からなる。バケット331は、一例として、機体30に対して取り外し可能に取り付けられ、作業の内容に応じて交換される。作業機械3用のアタッチメントとしては、例えば、バケット331の他に、ブレーカ、オーガ、クラッシャ、フォーク、フォーククロー、鉄骨カッタ、アスファルト切削機、草刈機、リッパ、マルチャ、チルトローテータ及びタンパ等の種々の器具がある。作業部33は、駆動装置からの動力により、バケット331を駆動することで作業を実行する。
ブーム332は、旋回部32のブームブラケット322にて、回転可能に支持されている。具体的には、ブーム332は、ブームブラケット322にて、水平方向に沿った回転軸を中心に回転可能に支持されている。ブーム332は、ブームブラケット322に支持される基端部から上方に延びる形状を有している。アーム333は、ブーム332の先端に連結されている。アーム333は、ブーム332に対して、水平方向に沿った回転軸を中心に回転可能に支持されている。アーム333の先端には、バケット331が取り付けられる。
作業部33は、動力源としてのエンジンからの動力を受けて動作する。具体的には、エンジンによって油圧ポンプ41が駆動され、作業部33の油圧アクチュエータ(油圧シリンダ433等)に油圧ポンプ41から作動油が供給されることで、作業部33の各部(バケット331、ブーム332及びアーム333)が動作する。
本実施形態では特に、作業部33は、ブーム332及びアーム333が個別に回転可能に構成された多関節型の構造を有している。つまり、ブーム332及びアーム333の各々が、水平方向に沿った回転軸を中心に回転することにより、例えば、ブーム332及びアーム333を含む多関節型の作業部33は、全体として伸ばしたり、折りたたんだりする動作が可能である。
走行部31及び旋回部32の各々についても、作業部33と同様に、動力源としてのエンジンからの動力を受けて動作する。つまり、走行部31の油圧モータ431及び旋回部32の油圧モータ432等に、油圧ポンプ41から作動油が供給されることで、旋回部32及び走行部31が動作する。
エンジンは、上述したように各部に動力を供給する動力源として機能する。ここで、エンジンは、油圧ポンプ41等と共に旋回部32に搭載されている。本実施形態では一例として、エンジンはディーゼルエンジンである。エンジンは、燃料タンクから燃料(ここでは軽油)が供給されることにより駆動する。
ここで、機体30には、機体30の周辺を撮像するカメラ等、作業機械3の周囲の監視エリアA1(図3参照)における検知対象物Ob1(図3参照)を検知するための各種のセンサ類(カメラを含む)が備わっている。本実施形態では一例として、図3に示すように、左方カメラ341、右方カメラ342及び後方カメラ343を含む複数(ここでは3つ)のカメラが、機体30の旋回部32に搭載されている。左方カメラ341、右方カメラ342及び後方カメラ343は、制御システム1に接続されており、各々で撮像された画像を制御システム1に出力する。図3は、作業機械3を上方から見た平面図であって、作業機械3の周囲に設定された監視エリアA1、検知対象物Ob1、並びに作業機械3の機体30(左方カメラ341、右方カメラ342及び後方カメラ343を含む)を模式的に表している。
左方カメラ341、右方カメラ342及び後方カメラ343は、それぞれ旋回部32の運転部321に搭乗したオペレータから見て、左方、右方及び後方となる監視エリアA1を撮像できるように、運転部321を基準に左方、右方及び後方に向けて設置される。つまり、監視エリアA1は、図3に示すように、複数(ここでは3つ)の小エリアA11,A12,A13を含み、左方カメラ341は、このうち運転部321に搭乗したオペレータから見て左方となる小エリアA11(左方エリア)を撮像する。同様に、右方カメラ342は、運転部321に搭乗したオペレータから見て右方となる小エリアA12(右方エリア)を撮像し、後方カメラ343は、運転部321に搭乗したオペレータから見て後方となる小エリアA13(後方エリア)を撮像する。これにより、オペレータにとって死角となりやすい、側方(左方及び右方)並びに後方を、左方カメラ341、右方カメラ342及び後方カメラ343でカバーすることが可能となる。
図2では、本実施形態に係る作業機械3の油圧回路及び電気回路(電気的な接続関係)を模式的に示す。図2では、実線が高圧の(作動油用の)油路、点線が低圧の(パイロット油用の)油路、一点鎖線の矢印が電気信号の経路を示す。さらに、カットオフレバー350とカットオフスイッチ353との間の太線(実線)は、カットオフレバー350とカットオフスイッチ353との間の物理的な連結を示す。
図2に示すように、作業機械3は、油圧ポンプ41、油圧モータ431,432及び油圧シリンダ433に加えて、パイロットポンプ42、圧力センサ44、リモコン弁45、制御弁46、方向切換弁(コントロールバルブ)47、第1制限部48及び第2制限部49等を備えている。作業機械3は、電源354、カットオフレバー350及びカットオフスイッチ353等を更に備えている。図2では、油圧アクチュエータとして旋回部32の油圧モータ432及び作業部33の油圧シリンダ433のみ図示しているが、走行部31の油圧モータ431等についても同様の油圧回路が構成されている。また、図2では、ブーム332の駆動用の1つの油圧シリンダ433のみ図示しているが、アーム333又はバケット331等の駆動用の油圧シリンダ433についても同様の油圧回路が構成されている。
エンジンにより駆動される油圧ポンプ41からの作動油は、走行部31の油圧モータ431、旋回部32の油圧モータ432、及び作業部33の油圧シリンダ433等に供給される。これにより、油圧モータ431,432及び油圧シリンダ433等の油圧アクチュエータが駆動される。
油圧モータ431,432及び油圧シリンダ433等の油圧アクチュエータには、油圧ポンプ41からの作動油の方向及び流量を切換可能なパイロット式の方向切換弁47が設けられている。方向切換弁47は、パイロットポンプ42から入力指令となるパイロット油が供給されて駆動される。
ここで、例えば、旋回部32の油圧モータ432に対応する方向切換弁47へのパイロット油の供給路には、リモコン弁45が設けられている。リモコン弁45は、操作装置35(操作レバー)の操作に応じて旋回部32の旋回操作指令を出力する。旋回操作指令は、旋回部32の旋回動作(左旋回又は右旋回等)を指示する。
同様に、作業部33の油圧シリンダ433に対応する方向切換弁へのパイロット油の供給路にも、リモコン弁45が設けられている。このリモコン弁45は、操作装置35(操作レバー)の操作に応じて作業部33の作業操作指令を出力する。作業操作指令は、作業部33の展開動作及び縮小動作等を指示する。さらに、走行部31の油圧モータ431に対応する方向切換弁へのパイロット油の供給路にも、リモコン弁が設けられている。このリモコン弁は、操作装置35(操作レバー)の操作に応じて走行部31の走行操作指令を出力する。走行操作指令は、走行部31の走行動作(前進又は後退等)を指示する。
このような方向切換弁47及びリモコン弁45は、走行部31の油圧モータ431、旋回部32の油圧モータ432及びブーム332の駆動用の油圧シリンダ433だけでなく、アーム333又はバケット331等の駆動用の油圧シリンダ433等の油圧回路にも設けられている。そのため、例えば操作装置35の操作に応じて、走行部31、旋回部32及び作業部33を動作させることが可能である。
ここで、旋回部32の油圧モータ432に対応する方向切換弁47へのパイロット油の供給路には、第1制限部48が設けられている。第1制限部48は、第1制御弁481を有している。第1制御弁481は、電磁式の制御弁(電磁弁)からなり、リモコン弁45とパイロットポンプ42との間に直列に挿入されている。第1制御弁481は、制御システム1に接続されており、制御システム1からの制御信号(供給電流)に応じて動作し、パイロットポンプ42からリモコン弁45に供給されるパイロット油の流量を調節する。本実施形態では、第1制限部48は、少なくとも第1制御弁481を閉じることにより、リモコン弁45に供給されるパイロット油の流路を遮断し、当該リモコン弁45に対応する油圧アクチュエータ(油圧モータ432)への油圧ポンプ41からの作動油の供給を停止することが可能である。油圧ポンプ41からの作動油の供給が停止した油圧モータ432は駆動不能となり、当該油圧モータ432は、操作装置35の操作によらずに、強制的に停止する。
一方、旋回部32の油圧モータ432以外の油圧アクチュエータ(作業部33の油圧シリンダ433及び走行部31の油圧モータ431等を含む)に対応する各方向切換弁47へのパイロット油の供給路には、第2制限部49が設けられている。第2制限部49は、第2制御弁491を有している。第2制御弁491は、いずれも電磁式の制御弁(電磁弁)からなり、それぞれリモコン弁45とパイロットポンプ42との間に直列に挿入されている。各第2制御弁491は、制御システム1に接続されており、制御システム1からの制御信号(供給電流)に応じて動作し、パイロットポンプ42からリモコン弁45に供給されるパイロット油の流量を調節する。本実施形態では、第2制限部49は、少なくとも第2制御弁491を閉じることにより、リモコン弁45に供給されるパイロット油の流路を遮断し、当該リモコン弁45に対応する油圧アクチュエータ(油圧モータ431及び油圧シリンダ433等)への油圧ポンプ41からの作動油の供給を停止することが可能である。油圧ポンプ41からの作動油の供給が停止した油圧アクチュエータは駆動不能となり、当該油圧アクチュエータは、操作装置35の操作によらずに、強制的に停止する。
このように、第1制限部48と第2制限部49とは、別々の油圧回路に設けられており、制御システム1からの制御信号に応じて、それぞれ個別に作動する。例えば、制御システム1は、第1制限部48のみを作動させて旋回部32の油圧モータ432を強制的に停止させ、作業部33の油圧シリンダ433及び走行部31の油圧モータ431等については駆動可能とすることができる。また、制御システム1は、走行部31の油圧モータ431に対応する第2制限部49のみを作動させて油圧モータ431を強制的に停止させ、旋回部32の油圧モータ432及び作業部33の油圧シリンダ433等については駆動可能とすることもできる。
さらに、第1制限部48(第1制御弁481)及び第2制限部49(第2制御弁491)から見てパイロット油の上流側には、カットオフバルブとしての制御弁46が設けられている。制御弁46は、(電磁式)比例制御弁からなり、パイロットポンプ42と第1制御弁481及び第2制御弁491との間に挿入されている。制御弁46は、カットオフスイッチ353を介して電源354に接続されており、電源354からの供給電流に応じて動作する。ここで、制御弁46は、通電状態、つまり制御信号としての電流が供給されている状態で、パイロット油の流路を遮断し、非通電状態、つまり制御信号としての電流が遮断されている状態で、パイロット油の流路を開放する。そのため、制御弁46に供給電流が供給されることで、油圧アクチュエータ(油圧モータ432及び油圧シリンダ433等)が駆動不能となり、操作装置35の操作によらずに、油圧アクチュエータが強制的に停止する。
カットオフスイッチ353は、カットオフレバー350に連動している。カットオフレバー350は、機体30の運転部321に配置されており、ユーザ(オペレータ)による操作入力を受け付ける。本実施形態では一例として、カットオフレバー350は上下方向D1に沿って操作可能である。カットオフレバー350が可動範囲の上端位置である「上げ位置」にあればカットオフスイッチ353は「オン」であり、カットオフレバー350が可動範囲の下端位置である「下げ位置」にあればカットオフスイッチ353は「オフ」である。そして、カットオフスイッチ353は制御システム1に接続されており、カットオフスイッチ353のオン/オフが制御システム1にて監視されている。
したがって、カットオフレバー350が「下げ位置」にあれば、制御弁46が非通電状態となり、操作装置35の操作によって油圧アクチュエータ(油圧モータ431,432、油圧シリンダ433等)が駆動する。これに対して、カットオフレバー350が「上げ位置」にあれば、制御弁46が通電状態となり、操作装置35の操作によらずに油圧アクチュエータが強制的に停止する。そのため、油圧アクチュエータ(油圧モータ431,432、油圧シリンダ433等)を駆動するには、ユーザ(オペレータ)は、カットオフレバー350を「下げ位置」に操作する必要がある。
さらに、走行部31、旋回部32及び作業部33のいずれについても、油圧アクチュエータ(油圧モータ431,432、油圧シリンダ433等)に油圧ポンプ41から作動油が供給されることで動作するので、カットオフレバー350が「上げ位置」にあれば、走行部31、旋回部32及び作業部33のいずれもが駆動不能となる。つまり、カットオフレバー350が「上げ位置」にあれば、走行部31、旋回部32及び作業部33の全てについて、強制的に駆動不能な状態とされる。
要するに、カットオフスイッチ353は、オンのときに作業機械3の動作が制限(禁止を含む)される「ロック状態」にあり、オフのときに作業機械3の動作を制限しない「ロック解除状態」にある。そして、カットオフレバー350が「上げ位置」にあってカットオフスイッチ353がロック状態(オン)にあれば、操作装置35の操作によらずに作業機械3の動作が強制的に制限される。カットオフレバー350は、このように作業機械3の動作をロックする際に操作されるレバーであって、ゲートロックレバーと同義である。また、第1制御弁481、第2制御弁491及び制御弁46は、本実施形態では、いずれも(電磁式)比例制御弁であることとするが、これに限らず、例えば、流路の開放/遮断を切替可能な開閉弁であってもよい。
圧力センサ44は、油圧アクチュエータを制御する方向切換弁47のスプールに連通しており、油タンクまで延びる油圧回路の油圧(圧力)を測定する。具体的に、圧力センサ44は、方向切換弁47のスプールの開口部の上流側に設置した絞りとスプールとの間の測定点の油圧を測定し、油圧に応じた測定信号を制御システム1に出力する。これにより、方向切換弁47に対応する油圧アクチュエータを動作させるように操作装置35が操作されると、スプールの開口部が閉じて圧力センサ44で測定される油圧が上昇する。したがって、圧力センサ44は、油圧を測定することによって、方向切換弁47に対応する油圧アクチュエータの動作に係る操作装置35の操作状態を監視できる。ここで、圧力センサ44での油圧の測定対象となる方向切換弁47は、第1制限部48での動作制限の対象となる油圧アクチュエータ、つまり旋回部32の油圧モータ432に対応する方向切換弁47である。
また、油圧ポンプ41から供給される作動油の流量は固定的ではなく、適宜の手段により変更可能(可変)である。本実施形態では一例として、油圧ポンプ41は、駆動軸の1回転に対して吐出する作動油量を変更可能な可変容量形ポンプからなる。さらに、油圧ポンプ41を駆動するエンジンの回転数は制御システム1にて調節可能である。したがって、エンジンの回転数及びパイロット圧の少なくとも一方の制御により、油圧ポンプ41から吐出される作動油の流量が調節可能である。
ところで、上述したように、作業機械3は、作業機械3を駆動する「駆動部」として、走行部31の油圧モータ431、旋回部32の油圧モータ432、及び作業部33の油圧シリンダ433等の複数の油圧アクチュエータを備えている。これらの駆動部は、第1制限部48による動作の制限対象となる「第1駆動部」と、第2制限部49による動作の制限対象となる「第2駆動部」と、に分類される。本実施形態では、旋回部32の油圧モータ432が第1駆動部の一例であって、走行部31の油圧モータ431及び作業部33の油圧シリンダ433は第2駆動部の一例である。言い換えれば、作業機械3は、第1駆動部(油圧モータ432)及び第2駆動部(油圧モータ431及び油圧シリンダ433)を含む複数の駆動部(油圧アクチュエータ)を備えている。
制御システム1は、CPU(Central Processing Unit)等の1以上のプロセッサと、ROM(Read Only Memory)及びRAM(Random Access Memory)等の1以上のメモリとを有するコンピュータシステムを主構成とし、種々の処理(情報処理)を実行する。本実施形態では、制御システム1は、作業機械3全体の制御を行う統合コントローラであって、例えば、電子制御ユニット(ECU:Electronic Control Unit)からなる。ただし、制御システム1は、統合コントローラと別に設けられていてもよい。制御システム1について詳しくは「[2]制御システムの構成」の欄で説明する。
表示装置2は、機体30の運転部321に配置されており、ユーザ(オペレータ)による操作入力を受け付け、ユーザに種々の情報を出力するためのユーザインターフェースである。表示装置2は、例えば、ユーザの操作に応じた電気信号を出力することにより、ユーザによる各種の操作を受け付ける。これにより、ユーザ(オペレータ)は、表示装置2に表示される表示画面Dp1(図4参照)を視認でき、また、必要に応じて表示装置2を操作することが可能である。
表示装置2は、図2に示すように、制御部21と、操作部22と、表示部23と、を備えている。表示装置2は、制御システム1と通信可能に構成されており、制御システム1との間でデータの授受が可能である。本実施形態では一例として、表示装置2は作業機械3に用いられる専用のデバイスである。
制御部21は、制御システム1からのデータに従って、表示装置2を制御する。具体的には、制御部21は、操作部22で受け付けたユーザの操作に応じた電気信号を出力したり、制御システム1で生成される表示画面Dp1を表示部23に表示したりする。
操作部22は、表示部23に表示される表示画面Dp1に対するユーザ(オペレータ)による操作入力を受け付けるためのユーザインターフェースである。操作部22は、例えば、ユーザU1(図4参照)の操作に応じた電気信号を出力することにより、ユーザU1による各種の操作を受け付ける。本実施形態では一例として、操作部22は、図4に示すように、機械式の複数(ここでは6つ)の押釦スイッチ221~226を含む。これら複数の押釦スイッチ221~226は、表示部23の表示領域の周縁に沿うように、表示領域に近接して(図4の例では下方に)配置されている。これら複数の押釦スイッチ221~226は、後述する表示画面Dp1に表示される項目に対応付けられており、複数の押釦スイッチ221~226のいずれかが操作されることにより、表示画面Dp1のいずれかの項目が操作(選択)される。
また、操作部22は、タッチパネル及び操作ダイヤル等を含んでいてもよい。この場合においても、操作部22に対する操作により、表示画面Dp1のいずれかの項目が操作(選択)されることになる。
表示部23は、各種の情報を表示する液晶ディスプレイ又は有機ELディスプレイのような、ユーザU1(オペレータ)に情報を提示するためのユーザインターフェースである。表示部23は、ユーザに対して各種の情報を表示により提示する。本実施形態では一例として、表示部23は、バックライト付きのフルカラーの液晶ディスプレイであって、図4に示すように、横方向に長い「横長」の表示領域を有している。
表示装置2は、作業機械3を操作するユーザU1(オペレータ)に向けて表示画面Dp1にて種々の情報を提示する。つまり、作業機械3を操作するユーザU1は、表示装置2に表示される表示画面Dp1を見ることで、作業機械3に関連する種々の情報を視覚的に得ることが可能である。一例として、表示装置2に、冷却水温及び作動油温等の作業機械3の稼働状態に関する情報が表示されることで、ユーザU1は、作業機械3の操作に必要な作業機械3の稼働状態に関する情報を、表示装置2で確認することができる。また、表示装置2は、左方カメラ341、右方カメラ342及び後方カメラ343にて撮像される作業機械3の周辺画像(監視エリアA1の画像)についても、表示画面Dp1に表示することができる。これにより、ユーザU1(オペレータ)は、作業機械3を操作する際に、例えば、運転部321からの死角となりやすい作業機械3の側方及び後方等の状況を、表示装置2に表示される表示画面Dp1にて確認することができる。
音出力部36は、ユーザ(オペレータ)に対して音(音声を含む)を出力する。音出力部36は、ブザー又はスピーカ等を含み、電気信号を受けて音を出力する。音出力部36は、制御システム1に接続されており、制御システム1からの音制御信号に応じて、ビープ音又は音声等の音を出力する。本実施形態では、音出力部36は、表示装置2と同様に機体30の運転部321に設けられている。音出力部36は、表示装置2と一体に設けられていてもよい。
また、機体30は、上述した構成に加えて、通信端末、燃料タンク及びバッテリ等を更に備えている。さらには、機体30には、冷却水温センサ、作動油温センサ、エンジンの回転数を計測する回転数計、及び稼働時間を計測するアワーメータ等、機体30の稼働状態を監視するためのセンサ類が備わっている。
[2]制御システムの構成
次に、本実施形態に係る制御システム1の構成について、図2を参照して説明する。制御システム1は、機体30(走行部31、旋回部32及び作業部33等を含む)の各部を制御する。本実施形態では、上述したように、作業機械3の機体30には、作業機械3を駆動するための「駆動部」として、走行部31の油圧モータ431(第2駆動部)、旋回部32の油圧モータ432(第1駆動部)、及び作業部33の油圧シリンダ433(第1駆動部)等の油圧アクチュエータが搭載されている。制御システム1は、作業機械3の構成要素であって、機体30等と共に作業機械3を構成する。言い換えれば、本実施形態に係る作業機械3は、少なくとも制御システム1と、第1駆動部(油圧モータ432)が搭載される機体30と、を備えている。
制御システム1は、図2に示すように、表示処理部11と、データ取得部12と、検知部13と、制限処理部14と、切替処理部15と、通知処理部16と、を備えている。本実施形態では一例として、制御システム1は1以上のプロセッサを有するコンピュータシステムを主構成とするので、1以上のプロセッサが作業機械用制御プログラムを実行することにより、これら複数の機能部(表示処理部11等)が実現される。制御システム1に含まれる、これら複数の機能部は、複数の筐体に分散して設けられていてもよいし、1つの筐体に設けられていてもよい。
制御システム1は、機体30の各部に設けられたデバイスと通信可能に構成されている。つまり、制御システム1には、少なくとも第1制限部48(第1制御弁481)、第2制限部49(第2制御弁491)、左方カメラ341、右方カメラ342、後方カメラ343、音出力部36、圧力センサ44及び表示装置2等が接続されている。これにより、制御システム1は、第1制限部48、第2制限部49、音出力部36及び表示装置2等を制御したり、左方カメラ341、右方カメラ342及び後方カメラ343等の撮像画像を取得したりすることが可能である。さらに、制御システム1は、圧力センサ44の測定結果(測定信号)を取得することも可能である。ここで、制御システム1は、各種の情報(データ)の授受を、各デバイスと直接的に行ってもよいし、中継器等を介して間接的に行ってもよい。
表示処理部11は、作業機械3に関連する情報を含む表示画面Dp1を表示装置2に表示させる表示処理を実行する。具体的には、表示処理部11は、データ取得部12で取得されるデータ等に基づいて表示画面Dp1を生成し、表示装置2を制御することによって、表示画面Dp1を表示装置2の表示部23に表示させる。さらに、表示処理部11は、表示装置2の操作部22が受け付けた操作に応じて動作する。
ここで、表示画面Dp1に含まれる作業機械3に関連する情報は、例えば、燃料の残量、冷却水温、作動油温、及び吊り作業時の吊り下げ重量等の、作業機械3の稼働状態に関する稼働情報を含む。つまり、表示処理部11は、作業機械3の稼働状態に関する稼働情報を含む表示画面Dp1を、表示装置2に表示させることができる。さらに、表示画面Dp1に含まれる作業機械3に関連する情報は、左方カメラ341、右方カメラ342及び後方カメラ343で撮像される撮像画像Im11,Im12,Im13(図5参照)を表示画面Dp1に表示させる。つまり、表示処理部11は、作業機械3の周囲の監視エリアA1(各小エリアA11,A12,A13)の撮像画像Im11,Im12,Im13を含む表示画面Dp1を、表示装置2に表示させることができる。
本開示でいう表示画面Dp1等の「画面」は、表示装置2にて表示される映像(画像)を意味し、図像、図形、写真、テキスト及び動画等を含む。すなわち、制御システム1は、例えば、冷却水温及び作動油温等の作業機械3の稼働状態に関する情報を表す図像等を含む表示画面Dp1を、表示装置2に表示させることが可能である。ここで、表示画面Dp1が動画等を含む場合には、表示画面Dp1は一定の映像ではなく、刻一刻と変化する映像を含む。
データ取得部12は、作業機械3の周囲の監視エリアA1の撮像画像等、作業機械3に関連する各種のデータを取得するデータ取得処理を実行する。本実施形態では、データ取得部12は、左方カメラ341、右方カメラ342及び後方カメラ343の出力を、左方カメラ341、右方カメラ342及び後方カメラ343から定期的又は不定期に取得する。つまり、データ取得部12は、作業機械3の周囲の監視エリアA1(各小エリアA11,A12,A13)の画像データ(撮像画像)を取得する。
さらに、データ取得部12は、データ取得処理により、少なくとも圧力センサ44の出力(測定信号)を含む、作業機械3の各部の動作状態に関する情報を、定期的又は不定期に取得可能である。ここで、データ取得部12は、燃料の残量センサ、冷却水温センサ及び作動油温センサの出力(センサ信号)についても取得可能である。データ取得部12は、各種のデータを、各種センサ等(カメラを含む)から直接的に取得してもよいし、電子制御ユニット等を介して間接的に取得してもよい。データ取得部12で取得されたデータは、例えば、メモリ等に記憶される。
検知部13は、作業機械3の周囲の監視エリアA1における検知対象物Ob1を検知する。つまり、検知部13は、監視エリアA1における検知対象物Ob1の存否(有無)を判断し、監視エリアA1に検知対象物Ob1が存在するか否かを表す検知結果を出力する。本実施形態では一例として、検知対象物Ob1は「人」である。つまり、作業機械3が移動し、又は作業機械3の周囲の「人」が移動した結果、作業機械3の周囲の監視エリアA1に「人」が侵入した場合、検知部13は当該「人」を検知対象物Ob1として検知する。監視エリアA1に複数の検知対象物Ob1が存在する場合には、検知部13は、検知対象物Ob1の数(人数)も含めて検知してもよい。
本実施形態では、検知部13は、左方カメラ341、右方カメラ342及び後方カメラ343の出力(画像データ)に基づいて、監視エリアA1における検知対象物Ob1を検知する。具体的には、検知部13は、データ取得部12で取得された画像データに対して、画像処理を施すことにより、画像中の特徴量を抽出し、当該特徴量に基づいて、画像に検知対象物Ob1(本実施形態では「人」)が写り込んでいるか否かを判断する。ここで、画像に検知対象物Ob1が写り込んでいる場合、検知部13は、左方カメラ341、右方カメラ342及び後方カメラ343のいずれで撮像された画像に検知対象物Ob1が写り込んでいるかを判断する。つまり、検知部13は、左方カメラ341で撮像される小エリアA11、右方カメラ342で撮像される小エリアA12、及び後方カメラ343で撮像される小エリアA13のいずれに検知対象物Ob1が存在するかを区別して、検知対象物Ob1の検知を行う。
さらに、本実施形態では、検知部13は、機体30から検知対象物Ob1までの距離についても検知可能である。つまり、検知部13は、画像に検知対象物Ob1が写り込んでいる場合、検知対象物Ob1の画像上での位置に基づいて、機体30から検知対象物Ob1までの距離を算出する。そのため、検知部13では、例えば、機体30からある距離(例えば、2m、3m、4m又は5m等)以内に存在する検知対象物Ob1を検知することが可能である。言い換えれば、検知部13は、左方カメラ341、右方カメラ342及び後方カメラ343で撮像される全域を監視エリアA1とするだけでなく、任意に設定される大きさ及び形状の監視エリアA1の検知対象物Ob1を検知することも可能である。
制限処理部14は、作業機械3の動作を制限(牽制)する制限処理(牽制処理)を実行する。制限処理部14は、基本的に、検知部13の検知結果、つまり検知対象物Ob1の検知結果に基づいて、作業機械3の動作を制限する。特に本実施形態では、検知部13の検知結果が、監視エリアA1に検知対象物Ob1(ここでは人)の存在を示す結果である場合に、制限処理部14は制限処理を実行する。本開示でいう「制限処理」は、作業機械3の動作に関し、何かしら制限(抑制)する方向に作用する処理を意味する。
例えば、制限処理は、作業機械3の走行部31、旋回部32及び作業部33等を制御することで、作業機械3の動作を直接的に制限する処理を含む。一例として、制限処理は、走行部31の走行動作を禁止する(走行動作不能とする)処理、旋回部32の旋回動作を禁止する(旋回動作不能とする)処理、及び作業部33の動作を禁止する(作業不能とする)処理等を含む。これにより、ユーザU1(オペレータ)の操作によらずに、作業機械3の動作を強制的に制限することができる。つまり、作業機械3が動作することによる機体30と検知対象物Ob1との接触を回避できる。
本実施形態では、制限処理部14は、第1制限部48を制御する第1制限処理部141と、第2制限部49を制御する第2制限処理部142と、を含んでいる。ここで、第1制限部48は有効/無効を切替可能であるのに対して、第2制限部49は常時有効である。本開示において第1制限部48が「有効」であるとは、(第1制限処理部141によって)第1制限部48を作動させることができる状態を意味し、第1制限部48が「無効」であるとは、(第1制限処理部141によって)第1制限部48を作動させることができない状態を意味する。つまり、第1制限部48が有効であれば第1制限処理部141は第1制限部48を作動させることができるのに対し、第1制限部48が無効であれば第1制限部48は作動し得ない。一方、第2制限部49は常時有効であるので、いつでも(第2制限処理部142によって)第2制限部49を作動させることができる。
そのため、第1制限処理部141にあっては、第1制限部48が有効化されている場合にのみ、検知対象物Ob1の検知結果に基づいて、第1制限部48を作動させて作業機械3の動作を制限することができ、第1制限部48が無効化されている場合には、第1制限部48を作動させることができない。これに対して、第2制限処理部142にあっては、常時、検知対象物Ob1の検知結果に基づいて、第2制限部49を作動させて作業機械3の動作を制限することができる。
第1制限処理部141は、第1制限部48を作動させることによって、旋回部32の油圧モータ432の動作を制限する。つまり、作業機械3の機体30には、複数の駆動部(油圧アクチュエータ)が搭載されているところ、第1制限部48は、複数の駆動部のうちの第1駆動部(本実施形態では旋回部32の油圧モータ432)を動作制限の対象とする。そして、第1制限処理部141は、第1制限部48を個別に作動させることで、第1駆動部の動作のみを制限することができる。したがって、第1制限処理部141は、旋回部32の油圧モータ432に対応する第1制限部48を作動させ、旋回部32の旋回動作を禁止する(旋回動作不能とする)ことができ、この場合であっても、走行部31及び作業部33は動作可能である。
本実施形態では一例として、第1制限処理部141は、第1制御弁481を閉じることにより第1制限部48を作動させる。つまり、第1制限処理部141が第1制限部48を作動させると、第1制御弁481がパイロット油の流路を遮断し、油圧アクチュエータ(油圧モータ432)への油圧ポンプ41からの作動油の供給を停止することにより、油圧アクチュエータ(油圧モータ432)の動作を強制的に停止させる。ここで、第1制限処理部141は、検知部13の検知結果が監視エリアA1に検知対象物Ob1(ここでは人)の存在を示す結果である場合に、第1制限部48を作動させる。このように、第1制限処理部141は、検知対象物Ob1の検知結果に基づいて、作業機械3を駆動する第1駆動部(油圧モータ432)の動作を制限する第1制限部48を作動させる。
第2制限処理部142は、第2制限部49を作動させることによって、走行部31の油圧モータ431及び作業部33の油圧シリンダ433等の個々の駆動部(油圧アクチュエータ)の動作を制限する。つまり、作業機械3の機体30には、複数の駆動部(油圧アクチュエータ)が搭載されているところ、第2制限部49は、複数の駆動部のうちの複数の第2駆動部(走行部31の油圧モータ431及び作業部33の油圧シリンダ433等)に一対一で対応するように複数設けられている。そして、第2制限処理部142は、これら複数の第2制限部49のうちの1つ又は2つ以上の第2制限部49を個別に作動させることで、一部の第2駆動部の動作のみを制限することができる。例えば、第2制限処理部142は、複数の第2制限部49のうち走行部31の油圧モータ431に対応する第2制限部49のみを作動させ、走行部31の走行動作を禁止する(走行動作不能とする)ことができ、この場合であっても、旋回部32及び作業部33は動作可能となる。さらに、第2制限処理部142は、複数の第2制限部49の全てを作動させ、作業機械3の機体30に搭載されている複数の第2駆動部全ての動作を制限することもできる。
本実施形態では一例として、第2制限処理部142は、第2制御弁491を閉じることにより第2制限部49を作動させる。つまり、第2制限処理部142が第2制限部49を作動させると、第2制御弁491がパイロット油の流路を遮断し、油圧アクチュエータ(油圧モータ431又は油圧シリンダ433等)への油圧ポンプ41からの作動油の供給を停止することにより、油圧アクチュエータ(油圧モータ431又は油圧シリンダ433等)の動作を強制的に停止させる。ここで、第2制限処理部142は、検知部13の検知結果が監視エリアA1に検知対象物Ob1(ここでは人)の存在を示す結果である場合に、第2制限部49を作動させる。このように、第2制限処理部142は、作業機械3を駆動する第1駆動部とは別の第2駆動部(油圧モータ431又は油圧シリンダ433等)の動作を制限する第2制限部49を制御する。
切替処理部15は、第1制限部48の有効と無効とを切り替える切替処理を実行する。切替処理部15は、第1駆動部(油圧モータ432)の動作に係る操作装置35の操作状態に応じて、第1制限部48の有効と無効とを切り替える。本開示でいう「操作状態」は、操作されているか否か、及び操作の内容を含む。「操作の内容」は、操作量、操作量の変化(緩急)、操作方向及び操作時間等を含む。本実施形態では、第1駆動部(油圧モータ432)の動作に係る操作装置35の操作状態は、圧力センサ44の出力(測定信号)でもって監視されている。つまり、切替処理部15は、旋回部32の旋回動作に係る操作装置35(の操作レバー)の操作状態を表す圧力センサ44の出力に応じて、第1制限部48の有効と無効とを切り替える。
ここで、切替処理部15は、少なくとも操作装置35が操作される前においては第1制限部48を有効にする。つまり、第1駆動部(油圧モータ432)を動作させるように操作装置35が操作されていない状態、具体的には、圧力センサ44で検知される油圧が所定の閾値未満であれば、切替処理部15は第1制限部48を有効にする。
一方、切替処理部15は、操作装置35の操作中においては第1制限部48を無効にする。つまり、第1駆動部(油圧モータ432)を動作させるように操作装置35が操作されている状態、具体的には、圧力センサ44で検知される油圧が閾値以上であれば、切替処理部15は第1制限部48を無効にする。本実施形態では、切替処理部15は、操作装置35の操作の内容にはよらず、操作装置35が操作されているか否かのみによって、第1制限部48の有効/無効を切り替えることとする。
通知処理部16は、検知部13の出力に基づいて、監視エリアA1における検知対象物Ob1の検知結果を通知する通知処理を実行する。特に本実施形態では、検知部13の検知結果が、監視エリアA1に検知対象物Ob1(ここでは人)の存在を示す結果である場合に、通知処理部16は通知処理を実行する。通知処理部16による通知処理は、第1制限部48の有効/無効に関わらず実行される。つまり、切替処理部15で第1制限部48が有効化されている場合は勿論のこと、第1制限部48が無効化されている場合であっても、監視エリアA1に検知対象物Ob1が検知されると、通知処理部16は通知を行う。
すなわち、通知処理部16は、第1制限部48が有効か無効かによらずに、検知対象物Ob1の検知結果に基づいて通知を行う。これにより、第1制限部48が無効化されている場合であっても、オペレータに対して、監視エリアA1における検知対象物Ob1の検知結果を通知することが可能である。したがって、監視エリアA1に検知対象物Ob1が存在する場合であっても、第1制限部48が無効化されていれば、ユーザU1が検知対象物Ob1に注意して作業機械3を操作することで、検知対象物Ob1との接触を回避しつつも作業機械3の動作を継続することができる。
通知処理部16による通知は、ユーザU1(オペレータ)に対する何かしらの通知であればよく、その態様は様々である。通知処理部16による通知の態様として、例えば、表示装置2(表示部23)への表示、音出力部36からのビープ音若しくは音声等の音出力、又は振動等であってもよい。
ところで、検知部13は、制御システム1に必須の構成ではない。例えば、制御システム1は、外部の検知部の検知結果を取得し、当該検知結果に基づいて制限処理部14が制限処理を実行するように構成されていてもよい。
[3]作業機械の制御方法
以下、図5及び図6を参照しつつ、主として制御システム1によって実行される作業機械3の制御方法(以下、単に「制御方法」という)の一例について説明する。
本実施形態に係る制御方法は、コンピュータシステムを主構成とする制御システム1にて実行されるので、言い換えれば、作業機械用制御プログラム(以下、単に「制御プログラム」という)にて具現化される。つまり、本実施形態に係る制御プログラムは、制御方法に係る各処理を1以上のプロセッサに実行させるためのコンピュータプログラムである。このような制御プログラムは、例えば、制御システム1及び表示装置2によって協働して実行されてもよい。
ここで、制御システム1は、制御プログラムを実行させるための予め設定された特定の開始操作が行われた場合に、制御方法に係る下記の各種処理を実行する。開始操作は、例えば、作業機械3のエンジンの起動操作等である。一方、制御システム1は、予め設定された特定の終了操作が行われた場合に、制御方法に係る下記の各種処理を終了する。終了操作は、例えば、作業機械3のエンジンの停止操作等である。
[3.1]表示画面
ここではまず、本実施形態に係る制御方法によって表示装置2の表示部23に表示される表示画面Dp1の構成について説明する。図5等の表示装置2の表示部23に表示される表示画面Dp1を示す図面において、領域を表す一点鎖線、引出線及び参照符号は、いずれも説明のために付しているに過ぎず、実際に表示装置2に表示される訳ではない。
表示画面Dp1は、図5に示すように、第1領域R1、第2領域R2、第3領域R3、第4領域R4、第5領域R5、第6領域R6、第7領域R7、第8領域R8、第9領域R9及び第10領域R10を含む。
具体的には、表示画面Dp1は、縦方向(上下方向)に4つの領域に分割されている。そして、上から3つの領域は、それぞれ更に横方向(左右方向)に3つの領域に分割されている。これにより、表示画面Dp1は、計10個の領域に分割される。そして、上から2段目の領域は、左から順に、第1領域R1、第2領域R2、第3領域R3となる。最下段の領域は第4領域R4となる。さらに、上から3段目の領域は、左から順に、第5領域R5、第6領域R6、第7領域R7となり、最上段の領域は、左から順に、第8領域R8、第9領域R9、第10領域R10となる。縦方向のサイズは、縦方向に分割された4つの領域の中では、上から2段目の領域(第1領域R1、第2領域R2、第3領域R3)が最も広い。横方向のサイズは、横方向に分割された3つの領域の中では、真ん中の領域(第2領域R2、第6領域R6、第9領域R9)が最も広い。
第1領域R1は、縦方向に長い矩形状の領域である。第1領域R1には、例えば、エンジンの燃料(例えば軽油)の残量に関する残量情報G1が表示される。表示処理部11は、残量センサの出力(センサ信号)等に基づいて、表示画面Dp1中の残量情報G1を生成する。
第2領域R2は、横方向に長い矩形状の領域である。第2領域R2には、監視エリアA1の撮像画像Im11,Im12,Im13、及び検知部13の検知結果を表す検知結果情報I1,I2等が表示される。撮像画像Im11は、左方カメラ341で撮像される運転部321の左方となる小エリアA11の画像であって、撮像画像Im12は、右方カメラ342で撮像される運転部321の右方となる小エリアA12の画像である。撮像画像Im13は、後方カメラ343で撮像される運転部321の後方となる小エリアA13の画像である。
制御システム1は、検知部13で取得される撮像画像Im11,Im12,Im13をリアルタイムで表示させる。第2領域R2の中央部には、上方から見た機体30を模したアイコンIm10が表示されている。アイコンIm10は、機体30から見た左方カメラ341、右方カメラ342及び後方カメラ343の撮像範囲(小エリアA11,A12,A13)の位置関係を、模式的に表している。
検知結果情報I1は、撮像画像Im11,Im12,Im13のうち、検知対象物Ob1が含まれる撮像画像を強調表示する帯状(枠状)の図像である。検知結果情報I2は、運転部321から見て検知対象物Ob1が存在する方向を示す図像である。図5の例では、左方カメラ341で撮像される運転部321の左方となる小エリアA11に検知対象物Ob1(ここでは「人」)が存在する場合を想定している。そのため、撮像画像Im11,Im12,Im13のうち撮像画像Im11が検知結果情報I1にて強調表示され、かつ撮像画像Im11の下方に運転部321の左方に検知対象物Ob1が存在することを示す検知結果情報I2が表示されている。
検知結果情報I1,I2の表示態様は、監視エリアA1における検知対象物Ob1の位置によって変更されることが好ましい。例えば、検知結果情報I1,I2の表示色、サイズ、又は表示パターン(点滅パターン等を含む)等の表示態様が、監視エリアA1における検知対象物Ob1の位置によって変更される。例えば、検知対象物Ob1が機体30に近いほど、検知結果情報I1,I2の表示態様が目立つ表示色に変更され、一例として、検知対象物Ob1が機体30に近づくと、検知結果情報I1,I2の表示色が黄色から赤色に変化する。
このように、表示画面Dp1には、監視エリアA1の撮像画像Im11,Im12,Im13が表示されるだけでなく、監視エリアA1における検知対象物Ob1の検知結果についても検知結果情報I1,I2として表示される。検知結果情報I1,I2の表示は、通知処理部16による検知対象物Ob1の検知結果の通知の一態様である。そのため、オペレータ(ユーザU1)は、表示画面Dp1を見ることで、監視エリアA1における検知対象物Ob1の有無(存否)を容易に確認できる。これにより、オペレータ(ユーザU1)は、運転部321からの死角となりやすい作業機械3の側方及び後方等の状況を、表示装置2に表示される表示画面Dp1にて確認することができる。したがって、検知結果情報I1,I2だけが表示される構成に比較して、監視エリアA1内に検知対象物Ob1が存在する場合、検知対象物Ob1の状況を表示画面Dp1にて詳細に把握しやすくなる。
第3領域R3には、作業機械3の各部の稼働状態に応じた図像(アイコン)Im1が表示される。第3領域R3には、複数の図像Im1を表示可能であって、個々の図像Im1のデザイン(絵柄)によって、例えば、バッテリ、シートベルト、冷却水温、作動油温等の、いずれの状態を表すかを示す。ここで、各図像Im1は、例えば、表示色又はサイズ等の表示態様によって、稼働状態を示す。表示処理部11は、作業機械3の各部の稼働状態を検知する種々のセンサ(冷却水温センサ及び作動油温センサを含む)の出力を用いて、作業機械3の各部の状態を判断する。そして、表示処理部11は、いずれかの部位で異常値が検知された場合には、その部位の図像Im1の表示色等の表示態様を変化させる等により、警告表示を行う。
第4領域R4は、表示画面Dp1の全幅にわたって延びる帯状の領域である。第4領域R4には、表示画面Dp1に対する操作のための各項目が表示される。図5では一例として、第4領域R4には、「メニュー」、「クレーン」、「モード」、「カメラ」、「PTO」、「切替」の6つの項目が、この順で左から並べて配置されている。これら6つの項目には、その真下に位置する操作部22の6つの押釦スイッチ221~226がそれぞれ対応付けられている。例えば、「メニュー」の項目には押釦スイッチ221が、「クレーン」の項目には押釦スイッチ222が、それぞれ対応付けられている。そのため、例えば、「カメラ」の項目に対応する押釦スイッチ224がユーザU1(図4参照)により操作されると、「カメラ」の項目が操作(選択)されることになる。
第5領域R5には、種々のセンサ(冷却水温センサ及び作動油温センサを含む)にて異常値が検知されていることを示す、警告表示用の図像(アイコン)が表示される。第6領域R6には、例えば、作業機械3において稼働中の作業部33に関する情報が表示される。第7領域R7には、例えば、エンジンの回転数等、作業機械3の稼働状態に関する情報が表示される。第8領域R8には、例えば、現在時刻が表示される。第9領域R9には、例えば、現在表示されている表示画面Dp1が属する項目を示す情報が表示される。第10領域R10には、例えば、作業機械3の稼働時間(アワーメータ)に関する情報が表示される。
[3.2]詳細
次に、本実施形態に係る制御方法の詳細について説明する。
本実施形態に係る制御方法は、作業機械3の周囲の監視エリアA1における検知対象物Ob1の検知結果に基づいて第1制限部48を作動させること(第1制限処理)と、第1制限部48の有効と無効とを切り替えること(切替処理)と、を有する。第1制限部48は、作業機械3を駆動する第1駆動部(油圧モータ432)の動作を制限する。ここで、第1制限部48の有効と無効とは、第1駆動部(油圧モータ432)の動作に係る操作装置35の操作状態に応じて切り替えており、少なくとも操作装置35が操作される前においては第1制限部48を有効にする。
この制御方法によれば、例えば監視エリアA1に検知対象物Ob1が存在する場合のように、第1駆動部(油圧モータ432)の動作を制限すべき場合には、第1制限部48を作動させることで駆動部の動作を制限できる。ただし、第1制限部48の有効と無効とは、第1駆動部(油圧モータ432)の動作に係る操作装置35の操作状態に応じて切り替えられるので、例えば、旋回部32が急停止し得る状況では第1制限部48を無効にすることで、旋回部32の動作の急停止を避けることができる。そして、少なくとも操作装置35が操作される前においては第1制限部48を有効にするので、第1制限部48によって、例えば、停止状態にある第1駆動部(油圧モータ432)の動き出しを制限(禁止)することができる。この場合には、旋回部32の動作を一旦開始した後に停止させる場合のように、旋回部32の動作の急停止が生じない。したがって、本実施形態に係る制御方法によれば、操作に係るオペレータの負担を軽減しやすい、という利点がある。
具体的に、圧力センサ44で検知される油圧が所定の閾値未満である場合、切替処理部15は、第1駆動部(油圧モータ432)を動作させるように操作装置35が操作されていない状態にあると判断し、第1制限部48を有効にする。第1制限部48が有効化されている状態で、検知部13の検知結果が監視エリアA1に検知対象物Ob1(ここでは人)の存在を示す結果である場合、第1制限処理部141が、第1制限部48を作動させ、第1駆動部(油圧モータ432)の動作を制限する。一例として、第1制限処理部141は、第1制限部48を作動させ、第1制御弁481を閉じることにより、第1駆動部(油圧モータ432)への油圧ポンプ41からの作動油の供給を停止し、旋回部32の油圧モータ432を停止させる。
一方、上述したように、操作装置35の操作中においては、切替処理部15は第1制限部48を無効にする。具体的に、圧力センサ44で検知される油圧が閾値以上である場合、切替処理部15は、第1駆動部(油圧モータ432)を動作させるように操作装置35が操作されている状態(操作中)にあると判断し、第1制限部48を無効にする。第1制限部48が無効化されている状態では、検知部13の検知結果が監視エリアA1に検知対象物Ob1(ここでは人)の存在を示す結果であっても、第1制限処理部141は、第1制限部48を作動させることはできないため、第1駆動部(油圧モータ432)の動作は制限されない。一例として、第1制限部48は開いたままとなり、第1駆動部(油圧モータ432)への油圧ポンプ41からの作動油の供給が可能となるため、動作中の旋回部32の油圧モータ432は動作を継続する。
このように、本実施形態に係る制御方法では、操作装置35の操作中は第1制限部48を無効にすることで、第1駆動部(油圧モータ432)の急停止を避けることができる。つまり、旋回部32の旋回動作中に検知対象物Ob1が検知されても、旋回部32は旋回動作を継続することができ、旋回部32の動作の急停止を避けることができる。ただし、検知対象物Ob1の存在に気付いたオペレータが、操作装置35を操作して旋回部32を停止させることは当然可能である。
本実施形態に係る制御方法は、第1制限部48が有効か無効かによらずに、検知対象物Ob1の検知結果に基づいて通知を行うこと、を更に有する。したがって、上述のように第1制限部48が無効化されている場合であっても、例えば、旋回部32の旋回動作中に検知対象物Ob1が検知されると、その旨がオペレータに通知され、オペレータは検知対象物Ob1の存在に気付きやすくなる。結果的に、検知対象物Ob1の存在に気付いたオペレータが、例えば、操作装置35を操作して旋回部32を停止させる等の適切な措置をとりやすくなる。
また、本実施形態に係る制御方法は、検知対象物Ob1の検知結果に基づいて、第1駆動部とは別の第2駆動部(油圧モータ431又は油圧シリンダ433等)の動作を制限する第2制限部49を作動させること(第2制限処理)、を更に有する。ここで、第2制限処理部142は、検知部13の検知結果が監視エリアA1に検知対象物Ob1(ここでは人)の存在を示す結果である場合に、第2制限部49を作動させ、第2駆動部(油圧モータ431又は油圧シリンダ433等)の動作を制限する。一例として、第2制限処理部142は、第2制限部49を作動させ、第2制御弁491を閉じることにより、第2駆動部(油圧モータ431又は油圧シリンダ433等)への油圧ポンプ41からの作動油の供給を停止し、走行部31の油圧モータ431又は作業部33の油圧シリンダ433等を停止させる。
したがって、少なくとも第1駆動部と第2駆動部とについては、その動作を個別に制限することが可能である。例えば、監視エリアA1に検知対象物Ob1が存在する場合、第1制限部48での制限対象となる旋回部32の旋回動作は許容しつつ、第2制限部49での制限対象となる走行部31及び作業部33の動作を制限(禁止)するといったことが可能となる。
ここで、第2制限部49は、第2駆動部の動作に係る操作装置35の操作状態によらずに有効である。つまり、操作装置35において、第2駆動部である走行部31の油圧モータ431又は作業部33の油圧シリンダ433等の操作がされているか否かによらず、第2制限部49は常時有効である。よって、第2制限部49での制限対象となる走行部31及び作業部33の動作については、いつでも制限(禁止)することが可能である。
また、本実施形態では、第1制限部48によって動作が制限される第1駆動部は、旋回部32の油圧モータ432を含む。つまり、第1駆動部(油圧モータ432)は少なくとも旋回部32を駆動するのであって、第1制限部48が無効化されている場合、旋回部32の旋回動作は制限されない。したがって、操作装置35が操作されて旋回部32の旋回動作中であれば、旋回部32が緊急停止することを回避できる。
要するに、オペレータが操作装置35に対して旋回操作(旋回部32を旋回動作させる操作)をする前に検知対象物Ob1が検知され、検知対象物Ob1が存在し続けている状態でオペレータが旋回操作を行った場合、第1制限部48が作動し、第1駆動部である油圧モータ432の動作を制限(禁止)する。よって、旋回部32の旋回動作が制限(本実施形態では「禁止」)され、旋回部32は旋回動作不能となる。一方、オペレータが操作装置35に対して旋回操作を行った後、旋回操作中に検知対象物Ob1が検知されたものの、オペレータが旋回操作を継続している場合には、第1制限部48が作動しないため、第1駆動部である油圧モータ432の動作は制限(禁止)されない。よって、旋回部32の旋回動作は制限(本実施形態では「禁止」)されず、旋回部32は旋回動作を継続可能となる。
旋回部32の旋回動作中に、停止操作をかけても慣性力によって急に停止させることが困難な場合があることから、本実施形態では、旋回動作中の検知対象物Ob1の検知による急停止を禁止している。また、旋回動作中の作業機械3には、検知対象物Ob1(人)が近づかないことが普通であり、旋回操作前に第1制限部48が有効化されることで、十分に第1制限部48が機能する。
一方、第2制限部49によって動作が制限される第2駆動部は、走行部31の油圧モータ431及び作業部33の油圧シリンダ433を含み、旋回部32の油圧モータ432を含まない。つまり、第2駆動部(油圧モータ431及び油圧シリンダ433)は旋回部32以外を駆動するのであって、第1制限部48が無効化されている場合であっても、旋回部32以外(走行部31及び作業部33)の動作は制限可能である。したがって、例えば、操作装置35が操作されて走行部31が走行動作中(又は作業部33が作業動作中)であっても、監視エリアA1に検知対象物Ob1が存在する場合には、走行部31(又は作業部33)を緊急停止させることができる。
また、本実施形態では、第1制限部48と第2制限部49とで、検知部13の検知結果について個別に条件を設定可能である。すなわち、本実施形態に係る制御方法では、検知対象物Ob1の検知結果が第1条件を満たす場合に第1制限部48を作動させ、検知対象物Ob1の検知結果が第2条件を満たす場合に第2制限部49を作動させてもよい。
一例として、第1条件は、検知対象物Ob1が機体30から第1の距離(例えば「3m」)以内にあることを含み、第2条件は、検知対象物Ob1が機体30から第2の距離(例えば「2m」)以内にあることを含む。この場合、第1制限部48が有効化されている場合に、検知対象物Ob1が機体30から第1の距離(3m)以内にあれば、第1制限処理部141は第1制限部48を作動させる。一方、検知対象物Ob1が機体30から第1の距離(3m)以内にあっても、第2の距離(2m)以内になければ、第2制限処理部142は第2制限部49を作動させない。つまり、第1制限部48が有効化されている場合に、機体30から検知対象物Ob1までの距離が第1の距離と第2の距離との間にあれば、第1制限部48は作動するものの、第2制限部49は作動しない。
このように、第1制限部48と第2制限部49とで、検知部13の検知結果について個別に条件を設定できることで、例えば、上述のように第2制限部49を作動させるための条件を相対的に厳しくして、第2制限部49が安易に作動することを抑制できる。反対に、第2制限部49を作動させるための条件を相対的に緩くして、より確実に第2制限部49を作動させて第2駆動部の動作を制限してもよい。ただし、第1条件と第2条件とは個別に設定されていればよく、第1条件と第2条件とは同一条件であってもよい。
[3.3]全体処理
次に、制御方法に係る処理の全体の流れについて、図6を参照して説明する。図6は、制御方法に係る処理の一例を示すフローチャートである。
図6に示すように、制御システム1のデータ取得部12は、撮像画像Im11,Im12,Im13を、左方カメラ341、右方カメラ342及び後方カメラ343から取得する(S1)。このとき、データ取得部12は、圧力センサ44の出力(測定信号)を圧力センサ44から取得する。
次に、制御システム1の切替処理部15は、操作装置35に対して、第1制限部48によって動作が制限される第1駆動部は(油圧モータ432)の動作に係る操作(旋回操作)がされているか否かを判定する(S2)。このとき、圧力センサ44で検知される油圧が閾値未満である場合、切替処理部15は、操作中でないと判定し(S2:No)、処理をステップS3に移行させる。一方、圧力センサ44で検知される油圧が閾値以上である場合、切替処理部15は、操作中であると判定し(S2:Yes)、処理をステップS8に移行させる。
ステップS3では、制御システム1の切替処理部15は、第1制限部48を有効化する。その後、ステップS4において、制御システム1の制限処理部14は、検知部13の出力に基づいて、監視エリアA1に検知対象物Ob1(ここでは人)が検知されるか否かを判定する。検知対象物Ob1が存在する場合(S4:Yes)、制御システム1は処理をステップS5に移行させる。一方、検知対象物Ob1が存在しない場合(S4:No)、制御システム1は、ステップS5,S6,S7をスキップして、一連の処理を終了する。
ステップS5では、制御システム1の第1制限処理部141は、第1制限部48を作動させ、第1駆動部である旋回部32の油圧モータ432の動作を制限(禁止)する。さらに、ステップS6では、制御システム1の第2制限処理部142は、第2制限部49を作動させ、第2駆動部である走行部31の油圧モータ431又は作業部33の油圧シリンダ433等の動作を制限(禁止)する。そして、ステップS7では、制御システム1の通知処理部16は、監視エリアA1内に検知対象物Ob1が存在する旨を通知する。
ステップS8では、制御システム1の切替処理部15は、第1制限部48を無効化する。その後、ステップS9において、制御システム1の制限処理部14は、検知部13の出力に基づいて、監視エリアA1に検知対象物Ob1(ここでは人)が検知されるか否かを判定する。検知対象物Ob1が存在する場合(S9:Yes)、制御システム1は処理をステップS6に移行させる。つまり、第1制限部48が無効化された(S8)状態では、検知対象物Ob1が検知されても第1制限部48を作動させることはないので、ステップS5がスキップされる。一方、検知対象物Ob1が存在しない場合(S9:No)、制御システム1は、ステップS6,S7をスキップして、一連の処理を終了する。
制御システム1は、上記ステップS1~S9の処理を繰り返し実行する。ただし、図6に示すフローチャートは一例に過ぎず、処理が適宜追加又は省略されてもよいし、処理の順番が適宜入れ替わってもよい。
[4]変形例
以下、実施形態1の変形例を列挙する。以下に説明する変形例は、適宜組み合わせて適用可能である。
本開示における制御システム1は、コンピュータシステムを含んでいる。コンピュータシステムは、ハードウェアとしての1以上のプロセッサ及び1以上のメモリを主構成とする。コンピュータシステムのメモリに記録されたプログラムをプロセッサが実行することによって、本開示における制御システム1としての機能が実現される。プログラムは、コンピュータシステムのメモリに予め記録されてもよく、電気通信回線を通じて提供されてもよく、コンピュータシステムで読み取り可能なメモリカード、光学ディスク、ハードディスクドライブ等の非一時的記録媒体に記録されて提供されてもよい。また、制御システム1に含まれる一部又は全部の機能部は電子回路で構成されていてもよい。
また、制御システム1の少なくとも一部の機能が、1つの筐体内に集約されていることは制御システム1に必須の構成ではなく、制御システム1の構成要素は、複数の筐体に分散して設けられていてもよい。反対に、実施形態1において、複数の装置(例えば制御システム1及び表示装置2)に分散されている機能が、1つの筐体内に集約されていてもよい。さらに、制御システム1の少なくとも一部の機能がクラウド(クラウドコンピューティング)等によって実現されてもよい。
また、作業機械3の動力源は、ディーゼルエンジンに限らず、例えば、ディーゼルエンジン以外のエンジンであってもよいし、モータ(電動機)、又はエンジンとモータ(電動機)とを含むハイブリッド式の動力源であってもよい。
また、表示装置2は、専用のデバイスに限らず、例えば、ラップトップコンピュータ、タブレット端末又はスマートフォン等の汎用端末であってもよい。さらに、表示部23は、液晶ディスプレイ又は有機ELディスプレイのように、表示画面を直接的に表示する態様に限らず、例えば、プロジェクタのように、投影により表示画面を表示する構成であってもよい。
また、操作部22の情報の入力の態様として、押釦スイッチ、タッチパネル及び操作ダイヤル以外の態様を採用してもよい。例えば、操作部22は、キーボード、マウス等のポインティングディバイス、音声入力、ジェスチャ入力又は他の端末からの操作信号の入力等の態様を採用してもよい。
また、制限処理部14が実行する制限処理は、作業機械3の動作を制限する処理であればよく、作業機械3の動作(旋回動作等)を禁止する(動作不能とする)処理に限らない。制限処理は、例えば、作業機械3の動作(旋回動作等)の速度を減速する処理、作業機械3の動作範囲(旋回角度等)を狭める処理、又は作業機械3の動作の許容エリアを制限する処理等であってもよい。一例として、第1制限部48は、第1制御弁481の制御により、作動油量を減少させることで、第1駆動部の動作速度を減速することができる。
また、作業機械3の周囲の監視エリアA1における検知対象物Ob1を検知するためのセンサは、左方カメラ341、右方カメラ342及び後方カメラ343に限らず、1つ、2つ又は4つ以上のカメラ(イメージセンサ)を含んでもよい。さらに、例えば、全天球カメラ(360度カメラ)のように作業機械3から見て全方位を撮像可能なカメラにて、監視エリアA1における検知対象物Ob1を検知してもよい。また、監視エリアA1における検知対象物Ob1を検知するためのセンサは、カメラに加えて又は代えて、たとえば、人感センサ、ソナーセンサ、レーダ又はLiDAR(Light Detection and Ranging)等のセンサを含んでもよい。ここで、監視エリアA1における検知対象物Ob1を検知するセンサは、光又は音が測距点に到達して戻るまでの往復時間に基づいて測距点までの距離を測定するTOF(Time Of Flight)方式により、検知対象物Ob1までの距離を測定する3次元センサであってもよい。
また、検知対象物Ob1は、「人」に加えて又は代えて、車両等の移動体(他の作業機械を含む)、壁及び柱等の構造物、植物、動物、段差、溝、若しくはその他の障害物を含んでいてもよい。
また、操作装置35の操作中においては第1制限部48を無効にすることは、必須ではない。また、検知対象物Ob1の検知結果に基づいて、作業機械3を駆動する第1駆動部とは別の第2駆動部の動作を制限する第2制限部49を作動させることは、必須ではない。つまり、第2制限部49は省略されてもよく、例えば、複数の駆動部に対応して第1制限部48が複数設けられてもよい。あるいは、第1制限部48が、複数の駆動部の動作を一括して制限してもよい。第2制限部49が、第2駆動部の動作に係る操作装置35の操作状態によらずに有効であることも必須ではない。さらに、第2駆動部が、旋回部32以外を駆動することも必須ではない。
また、第1駆動部が、少なくとも旋回部32を駆動することも必須ではない。例えば、第1駆動部が、走行部31と作業部33との少なくとも一方を駆動してもよい。また、第1制限部48が有効か無効かによらずに、検知対象物Ob1の検知結果に基づいて通知を行うこと、は必須ではない。例えば、第1制限部48が無効である場合にのみ、検知対象物Ob1の検知結果に基づいて通知を行ってもよい。
また、実施形態1では一例として、作業機械3は、人(オペレータ)の操作(遠隔操作を含む)により動作することとするが、これに限らず、作業機械3は、自動運転により動作する無人機であってもよい。
(実施形態2)
本実施形態に係る作業機械3は、図7に示すように、操作装置35の操作に関連する構成が、実施形態1に係る作業機械3と相違する。以下、実施形態1と同様の構成については、共通の符号を付して適宜説明を省略する。
図7では、本実施形態に係る作業機械3の油圧回路及び電気回路(電気的な接続関係)を模式的に示す。図7では、実線が高圧の(作動油用の)油路、点線が低圧の(パイロット油用の)油路、一点鎖線の矢印が電気信号の経路を示す。さらに、カットオフレバー350とカットオフスイッチ353との間の太線(実線)は、カットオフレバー350とカットオフスイッチ353との間の物理的な連結を示す。
図7に示すように、作業機械3は、複数の制御弁401~404を備えている。図7では、油圧アクチュエータとして旋回部32の油圧モータ432及び作業部33の油圧シリンダ433のみ図示しているが、走行部31の油圧モータ431等についても同様の油圧回路が構成されている。また、図7では、ブーム332の駆動用の1つの油圧シリンダ433のみ図示しているが、アーム333又はバケット331等の駆動用の油圧シリンダ433についても同様の油圧回路が構成されている。
複数の制御弁401~404は、リモコン弁45(図2参照)の代わりに設けられている。具体的に、制御弁401~404は各方向切換弁47へのパイロット油の供給路に設けられている。さらに、制御弁401~404から見てパイロット油の上流側には、制御弁46が設けられている。制御弁401~404は、いずれも電磁式の制御弁(電磁弁)からなり、それぞれ方向切換弁47とパイロットポンプ42との間に挿入されている。各制御弁401~404は、制御システム1に接続されており、制御システム1からの制御信号(供給電流)に応じて動作する。具体的には、制御システム1は、操作装置35(操作レバー)の操作に応じて制御弁401~404を制御し、例えば、作業部33の展開動作及び縮小動作等を指示する。各制御弁401~404は、ここでは(電磁式)比例制御弁であることとするが、これに限らず、例えば、流路の開放/遮断を切替可能な開閉弁であってもよい。
このような方向切換弁及び制御弁は、旋回部32の油圧モータ432及びブーム332の駆動用の油圧シリンダ433だけでなく、走行部31の油圧モータ431、アーム333又はバケット331等の駆動用の油圧シリンダ433等の油圧回路にも設けられている。
ここで、第1駆動部である旋回部32の油圧モータ432に対応する制御弁403,404は、第1制限部48を兼ねている。つまり、第1制限処理部141は、第1制限部48としての制御弁403,404を作動させることにより、第1駆動部(油圧モータ432)の動作を制限(禁止)することが可能である。同様に、第2駆動部である作業部33の油圧シリンダ433に対応する制御弁401,402は、第2制限部49を兼ねている。つまり、第2制限処理部142は、第2制限部49としての制御弁401,402を作動させることにより、第2駆動部(油圧シリンダ433)の動作を制限(禁止)することが可能である。
本実施形態では、操作装置35は、電気式の操作装置35であって、ユーザ(オペレータ)の操作に応じた電気信号(操作信号)を制御システム1に出力することにより、ユーザによる各種の操作を受け付ける。本実施形態では一例として、操作装置35は、一対の操作レバー351,352(図7参照)を含んでいる。操作レバー351は運転部321に搭乗したユーザ(オペレータ)から見て右手側に位置し、操作レバー352は運転部321に搭乗したユーザから見て左手側に位置する。したがって、ユーザは、例えば、操作レバー351を右手で、操作レバー352を左手で持ち、これら一対の操作レバー351,352を個別に操作することで作業機械3に種々の動作を実行させる。
操作レバー351,352は、それぞれスティックタイプの操作子であって、例えば、「前」、「後」、「左」及び「右」のいずれかへ傾倒させるように操作されることで、操作に応じた電気信号(操作信号)を出力する。操作装置35は、一例として、操作レバー351を前方に傾倒させる操作、操作レバー351を右方に傾倒させる操作、操作レバー352を前方に傾倒させる操作、及び操作レバー352を右方に傾倒させる操作のそれぞれに対応して、異なる操作信号を出力する。
制御システム1は、操作装置35からの操作信号に応じて、操作レバー351,352の操作に応じた制御弁401~404の制御を行う。例えば、操作レバー351,352に対して旋回部32を旋回させるような操作(旋回操作)がなされると、制御システム1は、第1駆動部である旋回部32の油圧モータ432に対応する制御弁403,404の制御を行う。操作レバー351,352に対して作業部33を動作させるような操作(作業操作)がなされると、制御システム1は、第2駆動部である作業部33の油圧シリンダ433に対応する制御弁401,402の制御を行う。
本実施形態では、制御システム1は、操作装置35からの操作信号により操作装置35の操作状態を把握可能である。そのため、圧力センサ44(図2参照)は省略可能である。
ところで、本実施形態に係る制御方法では、第1制限部48の有効と無効とを、操作装置35の操作の内容に応じて切り替える。すなわち、制御システム1は、操作装置35からの操作信号によって操作装置35の操作の内容(操作量、操作量の変化(緩急)、操作方向及び操作時間等を含む)についても把握可能である。そこで、制御システム1の切替処理部15は、操作装置35が操作されているか否かのみならず、操作装置35の操作の内容にはよって、第1制限部48の有効/無効を切り替える。
一例として、操作装置35の旋回操作がされた場合において、操作量の変化率が所定値より大きい(変化が「急」である)ときには、切替処理部15は、第1制限部48を無効にする。一方、操作装置35の旋回操作がされた場合において、操作量の変化率が所定値より小さい(変化が「緩やか」である)ときには、切替処理部15は、第1制限部48を有効にする。このように、操作装置35の操作中であっても、その操作の内容次第で、第1制限部48の有効/無効が切り替わる。
この場合、操作装置35の操作量の変化が急であると、旋回部32の旋回動作中に検知対象物Ob1が検知されても、旋回部32は旋回動作を継続することができ、旋回部32の動作の急停止を避けることができる。対して、操作装置35の操作量の変化が緩やかであれば、旋回部32の旋回動作中に検知対象物Ob1が検知されると、旋回部32は旋回動作が制限(禁止)されることなる。ただし、操作装置35が緩やかに操作されるような場合、旋回部32の旋回動作の急停止は生じにくい。
この構成においても、制御システム1の動作(制御方法)については、実施形態1と同様である。実施形態2に係る構成は、実施形態1で説明した種々の構成(変形例を含む)と適宜組み合わせて採用可能である。
〔発明の付記〕
以下、上述の実施形態から抽出される発明の概要について付記する。なお、以下の付記で説明する各構成及び各処理機能は取捨選択して任意に組み合わせることが可能である。
<付記1>
作業機械の周囲の監視エリアにおける検知対象物の検知結果に基づいて、前記作業機械を駆動する第1駆動部の動作を制限する第1制限部を作動させることと、
前記第1駆動部の動作に係る操作装置の操作状態に応じて前記第1制限部の有効と無効とを切り替え、少なくとも前記操作装置が操作される前においては前記第1制限部を有効にすることと、を有する、
作業機械の制御方法。
<付記2>
前記操作装置の操作中においては前記第1制限部を無効にする、
付記1に記載の作業機械の制御方法。
<付記3>
前記検知対象物の検知結果に基づいて、前記作業機械を駆動する前記第1駆動部とは別の第2駆動部の動作を制限する第2制限部を作動させること、を更に有する、
付記1又は2に記載の作業機械の制御方法。
<付記4>
前記第2制限部は、前記第2駆動部の動作に係る前記操作装置の操作状態によらずに有効である、
付記3に記載の作業機械の制御方法。
<付記5>
前記作業機械は、走行部と、前記走行部に対して旋回可能な旋回部と、を備え、
前記第2駆動部は、前記旋回部以外を駆動する、
付記3又は4に記載の作業機械の制御方法。
<付記6>
前記作業機械は、走行部と、前記走行部に対して旋回可能な旋回部と、を備え、
前記第1駆動部は、少なくとも前記旋回部を駆動する、
付記1~5のいずれかに記載の作業機械の制御方法。
<付記7>
前記第1制限部が有効か無効かによらずに、前記検知対象物の検知結果に基づいて通知を行うこと、を更に有する、
付記1~6のいずれかに記載の作業機械の制御方法。
<付記8>
前記第1制限部の有効と無効とを、前記操作装置の操作の内容に応じて切り替える、
付記1~7のいずれかに記載の作業機械の制御方法。
<付記9>
付記1~8のいずれかに記載の作業機械の制御方法を、
1以上のプロセッサに実行させるための作業機械用制御プログラム。
1 作業機械用制御システム
3 作業機械
15 切替処理部
30 機体
31 走行部
32 旋回部
35 操作装置
48 第1制限部
49 第2制限部
141 第1制限処理部
401,402 制御弁(第2制限部)
403,404 制御弁(第1制限部)
431 油圧モータ(第2駆動部)
432 油圧モータ(第1駆動部)
433 油圧シリンダ(第2駆動部)
A1 監視エリア
Ob1 検知対象物

Claims (11)

  1. 作業機械の周囲の監視エリアにおける検知対象物の検知結果に基づいて、前記作業機械を駆動する第1駆動部の動作を制限する第1制限部を作動させることと、
    前記第1駆動部の動作に係る操作装置の操作状態に応じて前記第1制限部の有効と無効とを切り替え、少なくとも前記操作装置が操作される前においては前記第1制限部を有効にすることと、を有する、
    作業機械の制御方法。
  2. 前記操作装置の操作中においては前記第1制限部を無効にする、
    請求項1に記載の作業機械の制御方法。
  3. 前記検知対象物の検知結果に基づいて、前記作業機械を駆動する前記第1駆動部とは別の第2駆動部の動作を制限する第2制限部を作動させること、を更に有する、
    請求項1又は2に記載の作業機械の制御方法。
  4. 前記第2制限部は、前記第2駆動部の動作に係る前記操作装置の操作状態によらずに有効である、
    請求項3に記載の作業機械の制御方法。
  5. 前記作業機械は、走行部と、前記走行部に対して旋回可能な旋回部と、を備え、
    前記第2駆動部は、前記旋回部以外を駆動する、
    請求項3に記載の作業機械の制御方法。
  6. 前記作業機械は、走行部と、前記走行部に対して旋回可能な旋回部と、を備え、
    前記第1駆動部は、少なくとも前記旋回部を駆動する、
    請求項1又は2に記載の作業機械の制御方法。
  7. 前記第1制限部が有効か無効かによらずに、前記検知対象物の検知結果に基づいて通知を行うこと、を更に有する、
    請求項1又は2に記載の作業機械の制御方法。
  8. 前記第1制限部の有効と無効とを、前記操作装置の操作の内容に応じて切り替える、
    請求項1又は2に記載の作業機械の制御方法。
  9. 請求項1又は2に記載の作業機械の制御方法を、
    1以上のプロセッサに実行させるための作業機械用制御プログラム。
  10. 作業機械の周囲の監視エリアにおける検知対象物の検知結果に基づいて、前記作業機械を駆動する第1駆動部の動作を制限する第1制限部を作動させる第1制限処理部と、
    前記第1駆動部の動作に係る操作装置の操作状態に応じて前記第1制限部の有効と無効とを切り替え、少なくとも前記操作装置が操作される前においては前記第1制限部を有効にする切替処理部と、を備える、
    作業機械用制御システム。
  11. 請求項10に記載の作業機械用制御システムと、
    前記第1駆動部が搭載される機体と、を備える、
    作業機械。
JP2022180163A 2022-11-10 2022-11-10 作業機械の制御方法、作業機械用制御プログラム、作業機械用制御システム及び作業機械 Pending JP2024069887A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2022180163A JP2024069887A (ja) 2022-11-10 2022-11-10 作業機械の制御方法、作業機械用制御プログラム、作業機械用制御システム及び作業機械

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2022180163A JP2024069887A (ja) 2022-11-10 2022-11-10 作業機械の制御方法、作業機械用制御プログラム、作業機械用制御システム及び作業機械

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2024069887A true JP2024069887A (ja) 2024-05-22

Family

ID=91121756

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2022180163A Pending JP2024069887A (ja) 2022-11-10 2022-11-10 作業機械の制御方法、作業機械用制御プログラム、作業機械用制御システム及び作業機械

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2024069887A (ja)

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR20230132372A (ko) 작업 기계용 제어 시스템, 작업 기계, 작업 기계의 제어 방법 및 작업 기계용 제어 프로그램
KR20230132373A (ko) 작업 기계용 제어 시스템, 작업 기계, 작업 기계의 제어 방법 및 작업 기계용 제어 프로그램
JP2024069887A (ja) 作業機械の制御方法、作業機械用制御プログラム、作業機械用制御システム及び作業機械
JP2024004570A (ja) 作業機械の制御方法、作業機械用制御プログラム、作業機械用制御システム及び作業機械
EP4134493A1 (en) Method for controlling work machine, work machine control program, and work machine control system
US20230407603A1 (en) Work Machine Control Method, Work Machine Control Program, Work Machine Control System, And Work Machine
EP4286611A1 (en) Work machine control method, work machine control program, work machine control system, and work machine
US20230407604A1 (en) Work Machine Control Method, Work Machine Control Program, Work Machine Control System, And Work Machine
US20240141622A1 (en) Work Machine Control Method, Work Machine Control Program, Work Machine Control System, And Work Machine
JP2023047506A (ja) 作業機械用制御システム、作業機械、作業機械の制御方法及び作業機械用制御プログラム
JP2023129873A (ja) 作業機械用制御システム、作業機械、作業機械の制御方法及び作業機械用制御プログラム
JP2023129874A (ja) 作業機械用制御システム、作業機械、作業機械の制御方法及び作業機械用制御プログラム
JP2023129872A (ja) 作業機械用制御システム、作業機械、作業機械の制御方法及び作業機械用制御プログラム
JP2023129871A (ja) 作業機械用制御システム、作業機械、作業機械の制御方法及び作業機械用制御プログラム
EP4180585A1 (en) Work machine control method, work machine control program, work machine control system, and work machine
JP2022163352A (ja) 作業機械の制御方法、作業機械用制御プログラム、作業機械用制御システム及び作業機械
JP2022163351A (ja) 作業機械の制御方法、作業機械用制御プログラム、作業機械用制御システム及び作業機械