JP2023070795A - フィルタ - Google Patents
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Abstract
【課題】通過帯域の高域側の広い周波数帯域において、通過減衰量を大きくすることができるフィルタを実現する。【解決手段】フィルタ1は、第1および第2の共振器10,20と、第1および第2のスタブ型共振器91,92を備えている。第1および第2の共振器10,20の各々は、第1の導体部分と、第1の導体部分に電気的に接続され且つ第1の導体部分よりもインピーダンスが小さい第2の導体部分とを含んでいる。第1のスタブ型共振器91は、第1の共振器10の第1の導体部分11に電気的に接続されている。第2のスタブ型共振器92は、第2の共振器20の第1の導体部分21に電気的に接続されている。第1のスタブ型共振器91の形状と第2のスタブ型共振器92の形状は、互いに異なっている。【選択図】図6
Description
本発明は、分布定数線路よりなる共振器を備えたフィルタに関する。
通信装置に用いられる電子部品の一つには、複数の共振器を備えたバンドパスフィルタがある。複数の共振器の各々は、例えば、分布定数線路によって構成されている。分布定数線路は、所定の線路長を有するように構成される。
分布定数線路によって構成された共振器の1つに、スタブ型共振器がある。例えば、特許文献1には、方向性および結合度を調整する手段として、スタブ素子を用いる技術が記載されている。また、特許文献2には、高次共振周波数におけるスプリアス成分を抑圧する手段として、先端開放スタブを用いる技術が記載されている。
バンドパスフィルタでは、通過帯域の高域側において、減衰量の絶対値(以下、通過減衰量とも言う。)を大きくすることが求められる場合がある。そのためには、通過帯域の高域側に発生するスプリアスを制御する必要がある。
現在、第5世代移動通信システム(以下、5Gと言う。)を用いた通信サービスが提供され始めている。5Gでは、10GHz以上の周波数帯域、特に、10~30GHzの準ミリ波帯や30~300GHzのミリ波帯の利用が想定されている。このように、従来よりも高く且つ広い周波数帯域が利用されるようになると、バンドパスフィルタにおいても、従来よりも高く且つ広い周波数帯域において特性を満足することが求められる。しかし、従来の技術では、十分な特性を得ることが難しかった。
本発明はかかる問題点に鑑みてなされたもので、その目的は、通過帯域の高域側の広い周波数帯域において、通過減衰量を大きくすることができるフィルタを提供することにある。
本発明のフィルタは、それぞれ第1の導体部分と第1の導体部分よりもインピーダンスが小さい第2の導体部分とを含む第1の共振器および第2の共振器と、分布定数線路よりなり第1の共振器の第1の導体部分に電気的に接続された第1のスタブ型共振器と、分布定数線路よりなり第2の共振器の第1の導体部分に電気的に接続された第2のスタブ型共振器とを備えている。第1のスタブ型共振器の形状と第2のスタブ型共振器の形状は、互いに異なっている。
本発明のフィルタにおいて、第1のスタブ型共振器の長さと第2のスタブ型共振器の長さは、互いに異なっていてもよい。
また、本発明のフィルタにおいて、第1の導体部分と第2の導体部分の各々は、分布定数線路であってもよい。
また、本発明のフィルタは、所定の通過帯域内の周波数の信号を選択的に通過させるバンドパスフィルタであってもよい。この場合、第1の共振器の第1の導体部分は、第1のスタブ型共振器が接続された第1の接続部分と、第1の接続部分以外の第1の非接続部分とを含んでいてもよい。また、第2の共振器の第1の導体部分は、第2のスタブ型共振器が接続された第2の接続部分と、第2の接続部分以外の第2の非接続部分とを含んでいてもよい。第1の接続部分の、通過帯域の中心周波数における電流密度は、第1の非接続部分の、通過帯域の中心周波数における電流密度よりも大きくてもよい。第2の接続部分の、通過帯域の中心周波数における電流密度は、第2の非接続部分の、通過帯域の中心周波数における電流密度よりも大きくてもよい。
また、本発明のフィルタにおいて、第1の共振器および第2の共振器の各々の、第2の導体部分のインピーダンスに対する第1の導体部分のインピーダンスの比であるインピーダンス比は、0.3以下であってもよい。
また、本発明のフィルタにおいて、第1の共振器の第1の導体部分と、第2の共振器の第1の導体部分は、それぞれ、互いに異なる複数の方向に延在する複数の部分を含んでいてもよい。
また、本発明のフィルタは、更に、積層された複数の誘電体層を含む積層体を備えていてもよい。第1の共振器、第2の共振器、第1のスタブ型共振器および第2のスタブ型共振器は、積層体に一体化されていてもよい。この場合、第1の共振器および第2の共振器の各々において、第1の導体部分と第2の導体部分は、複数の誘電体層の積層方向において互いに異なる位置に配置され、且つ互いに電気的に接続されていてもよい。また、本発明のフィルタは、更に、第1の共振器および第2の共振器の各々の第1の導体部分と第2の導体部分とを接続する複数のスルーホールを備えていてもよい。また、第1の共振器の第1の導体部分と第2の共振器の第1の導体部分は、積層方向において同じ位置に配置されていてもよい。また、第1の共振器の第2の導体部分と第2の共振器の第2の導体部分は、積層方向において同じ位置に配置されていてもよい。
また、本発明のフィルタは、更に、回路構成上、第1の共振器と第2の共振器との間に配置された第3の共振器を備えていてもよい。この場合、第3の共振器は、第3の導体部分と、第3の導体部分よりもインピーダンスが小さい第4の導体部分とを含んでいてもよい。第3の導体部分は、非対称な形状を有していてもよい。
本発明のフィルタは、第1の共振器の第1の導体部分に電気的に接続された第1のスタブ型共振器と、第2の共振器の第1の導体部分に電気的に接続された第2のスタブ型共振器とを備えている。第1のスタブ型共振器の形状と第2のスタブ型共振器の形状は、互いに異なっている。これにより、本発明によれば、通過帯域の高域側の広い周波数帯域において、通過減衰量を大きくすることができるフィルタを実現することが可能になるという効果を奏する。
[第1の実施の形態]
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。始めに、図1を参照して、本発明の第1の実施の形態に係るフィルタ1の構成について説明する。図1は、フィルタ1の回路構成を示す回路図である。フィルタ1は、所定の通過帯域内の周波数の信号を選択的に通過させるバンドパスフィルタとして機能するように構成されている。
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。始めに、図1を参照して、本発明の第1の実施の形態に係るフィルタ1の構成について説明する。図1は、フィルタ1の回路構成を示す回路図である。フィルタ1は、所定の通過帯域内の周波数の信号を選択的に通過させるバンドパスフィルタとして機能するように構成されている。
本実施の形態に係るフィルタ1は、第1の共振器10と、第2の共振器20と、回路構成上第1の共振器10と第2の共振器20との間に配置された第3の共振器30とを備えている。なお、本出願において、「回路構成上」という表現は、物理的な構成における配置ではなく、回路図上での配置を指すために用いている。
第1ないし第3の共振器10,20,30は、第1の共振器10と第3の共振器30が回路構成上隣接して電磁界結合し、第2の共振器20と第3の共振器30が回路構成上隣接して電磁界結合するように構成されている。図1において、記号K13を付した曲線は、第1の共振器10と第3の共振器30との間の電界結合を表し、記号K23を付した曲線は、第2の共振器20と第3の共振器30との間の電界結合を表している。
また、第1の共振器10は、回路構成上隣接しない第2の共振器20と磁界結合する。このように、回路構成上隣接しない2つの共振器の間の電磁界結合を飛び越し結合と言う。図1において、記号K12を付した曲線は、第1の共振器10と第2の共振器20との間の磁界結合を示している。
第1の共振器10は、第1の導体部分11と、第1の導体部分11よりもインピーダンスが小さい第2の導体部分12とを含んでいる。第1の導体部分11と第2の導体部分12は、互いに電気的に接続されている。第1の導体部分11は、グランドに接続される。また、第1の導体部分11と第2の導体部分12の各々は、分布定数線路である。本実施の形態では特に、第1の導体部分11は、幅が小さい分布定数線路であり、第2の導体部分12は、第1の導体部分11よりも幅が大きい分布定数線路である。
第1の共振器10は、更に、第1の導体部分11と第2の導体部分12とを電気的に接続する第3の導体部分13を含んでいる。第3の導体部分13は、第2の導体部分12を構成する分布定数線路よりも幅が小さい分布定数線路を含んでいてもよい。第3の導体部分13の分布定数線路の幅は、第1の導体部分11を構成する分布定数線路の幅と同じであってもよいし、異なっていてもよい。
第2の共振器20の構成は、基本的には、第1の共振器10の構成と同じである。すなわち、第2の共振器20は、第1の導体部分21と、第1の導体部分21よりもインピーダンスが小さい第2の導体部分22とを含んでいる。第1の導体部分21と第2の導体部分22は、互いに電気的に接続されている。第1の導体部分21は、グランドに接続される。また、第1の導体部分21と第2の導体部分22の各々は、分布定数線路である。本実施の形態では特に、第1の導体部分21は、幅が小さい分布定数線路であり、第2の導体部分22は、第1の導体部分21よりも幅が大きい分布定数線路である。
第2の共振器20は、更に、第1の導体部分21と第2の導体部分22とを電気的に接続する第3の導体部分23を含んでいる。第3の導体部分23は、第2の導体部分22を構成する分布定数線路よりも幅が小さい分布定数線路を含んでいてもよい。第3の導体部分23の分布定数線路の幅は、第1の導体部分21を構成する分布定数線路の幅と同じであってもよいし、異なっていてもよい。
第3の共振器30は、第1の導体部分31と、第1の導体部分31よりもインピーダンスが小さい第2の導体部分32とを含んでいる。第1の導体部分31は、本発明における「第3の導体部分」に対応し、第2の導体部分32は、本発明における「第4の導体部分」に対応する。第1の導体部分31と第2の導体部分32は、互いに電気的に接続されている。第1の導体部分31は、グランドに接続される。また、第1の導体部分31と第2の導体部分32の各々は、分布定数線路である。本実施の形態では特に、第1の導体部分31は、幅が小さい分布定数線路であり、第2の導体部分32は、第1の導体部分31よりも幅が大きい分布定数線路である。
第1ないし第3の共振器10,20,30は、いずれも、幅が小さい分布定数線路と幅が大きい分布定数線路とによって構成されたステップドインピーダンス共振器である。また、第1ないし第3の共振器10,20,30は、いずれも、一端が短絡され他端が開放された1/4波長共振器である。
第1の導体部分11,21,31の各々のインピーダンスは、例えば15~35Ωの範囲内である。第2の導体部分12,22,32の各々のインピーダンスは、例えば1~5Ωの範囲内である。ここで、第1ないし第3の共振器10,20,30の各々において、第2の導体部分のインピーダンスに対する第1の導体部分のインピーダンスの比を、インピーダンス比と言う。第1ないし第3の共振器10,20,30の各々において、インピーダンス比は、1よりも小さい。
共振器を小さくする観点から、インピーダンス比は小さいことが好ましい。例えば、第1の導体部分を構成する分布定数線路と第2の導体部分を構成する分布定数線路の各々の幅を調整することによって、インピーダンス比を調整することが可能である。インピーダンス比が小さくなるに従って、第1の線路部分を構成する分布定数線路の幅は相対的に小さくなり、第2の線路部分を構成する分布定数線路の幅は相対的に大きくなる。
本実施の形態では特に、第1ないし第3の共振器10,20,30の各々におけるインピーダンス比は、0.3以下である。一例では、第1および第2の共振器10,20の各々の第1の導体部分のインピーダンスは2.87Ωであり、第1および第2の共振器10,20の各々の第2の導体部分のインピーダンスは27Ωである。この場合、第1および第2の共振器10,20の各々におけるインピーダンス比は、0.106である。また、一例では、第3の共振器30の第1の導体部分31のインピーダンスは2.55Ωであり、第3の共振器30の第2の導体部分32のインピーダンスは27Ωである。この場合、第3の共振器30におけるインピーダンス比は、0.094である。
ところで、インピーダンス比を小さくしすぎると、所望の特性が得られなくなる場合がある。例えば、一端が短絡され、他端が開放されたステップドインピーダンス共振器(1/4波長共振器)において、インピーダンス比を小さくしすぎると、この共振器は、実質的に、両端が開放された第2の線路部分のみからなる1/2波長共振器となる。その結果、所望の特性が得られなくなる。これを防止するために、本実施の形態では、第1ないし第3の共振器10,20,30の各々におけるインピーダンス比を、0.06以上としている。
フィルタ1は、更に、第1のポート2と、第2のポート3と、導体部4,5とを備えている。第1ないし第3の共振器10,20,30は、回路構成上、第1のポート2と第2のポート3との間に配置されている。
導体部4は、第1のポート2と第1の共振器10とを電気的に接続している。導体部4の一端は、第1のポート2に接続されている。導体部4の他端は、第1の導体部分11と第3の導体部分13との間において第1の共振器10に接続されている。
導体部5は、第2のポート3と第2の共振器20とを電気的に接続している。導体部5の一端は、第2のポート3に接続されている。導体部5の他端は、第1の導体部分21と第3の導体部分23との間において第2の共振器20に接続されている。
フィルタ1は、更に、第1の共振器10の第1の導体部分11に電気的に接続された第1のスタブ型共振器91と、第2の共振器20の第1の導体部分21に電気的に接続された第2のスタブ型共振器92とを備えている。第1および第2のスタブ型共振器91,92の各々は、分布定数線路よりなる。
第1のスタブ型共振器91は、第1の導体部分11の途中に接続されている。図1では、第1の導体部分11のうち、回路構成上第1のスタブ型共振器91との接続点と第2の導体部分12との間に位置する部分を符号11Aで示し、回路構成上第1のスタブ型共振器91との接続点とグランドとの間に位置する部分を符号11Bで示している。
第2のスタブ型共振器92は、第1の導体部分21の途中に接続されている。図1では、第1の導体部分21のうち、回路構成上第2のスタブ型共振器92との接続点と第2の導体部分22との間に位置する部分を符号21Aで示し、回路構成上第2のスタブ型共振器92との接続点とグランドとの間に位置する部分を符号21Bで示している。
後述するように、第1のスタブ型共振器91の形状と第2のスタブ型共振器92の形状は、互いに異なっている。本実施の形態では特に、第1のスタブ型共振器91の長さと第2のスタブ型共振器92の長さは、互いに異なっている。
第1および第2のスタブ型共振器91,92は、それぞれ、一端が解放されたオープンスタブであってもよいし、一端がグランドに接続されたショートスタブであってもよい。図1には、第1および第2のスタブ型共振器91,92がそれぞれオープンスタブである例を示している。
次に、図2を参照して、フィルタ1のその他の構成について説明する。図2は、フィルタ1の外観を示す斜視図である。
フィルタ1は、更に、積層体50を備えている。積層体50は、積層された複数の誘電体層と、この複数の誘電体層に形成された複数の導体層および複数のスルーホールとを含んでいる。第1ないし第3の共振器10,20,30と第1および第2のスタブ型共振器91,92は、積層体50に一体化されている。第1ないし第3の共振器10,20,30と第1および第2のスタブ型共振器91,92は、複数の導体層を用いて構成されている。
積層体50は、複数の誘電体層の積層方向Tの両端に位置する第1の面50Aおよび第2の面50Bと、第1の面50Aと第2の面50Bを接続する4つの側面50C~50Fとを有している。側面50C,50Dは互いに反対側を向き、側面50E,50Fも互いに反対側を向いている。側面50C~50Fは、第1の面50Aおよび第2の面50Bに対して垂直になっている。
ここで、図2に示したように、X方向、Y方向、Z方向を定義する。X方向、Y方向、Z方向は、互いに直交する。本実施の形態では、積層方向Tに平行な一方向を、Z方向とする。また、X方向とは反対の方向を-X方向とし、Y方向とは反対の方向を-Y方向とし、Z方向とは反対の方向を-Z方向とする。
図2に示したように、第1の面50Aは、積層体50における-Z方向の端に位置する。第1の面50Aは、積層体50の底面でもある。第2の面50Bは、積層体50におけるZ方向の端に位置する。第2の面50Bは、積層体50の上面でもある。側面50Cは、積層体50における-X方向の端に位置する。側面50Dは、積層体50におけるX方向の端に位置する。側面50Eは、積層体50における-Y方向の端に位置する。側面50Fは、積層体50におけるY方向の端に位置する。
Z方向から見たときの積層体50の平面形状、すなわち第1の面50Aまたは第2の面50Bの形状は、一方向に長い形状である。本実施の形態では特に、Z方向から見たときの積層体50の平面形状は、X方向に平行な方向に長い矩形形状である。
フィルタ1は、更に、積層体50の第1の面50Aに設けられた複数の端子111,112,113,114,115,116を備えている。端子111は、側面50Cの近傍においてY方向に延びている。端子112は、側面50Dの近傍においてY方向に延びている。端子113~116は、端子111と端子112の間に配置されている。端子113,114は、側面50Eの近傍においてX方向にこの順に並んでいる。端子115,116は、側面50Fの近傍においてX方向にこの順に並んでいる。
端子111は第1のポート2に対応し、端子112は第2のポート3に対応している。従って、第1および第2のポート2,3は、積層体50の第1の面50Aに設けられている。端子113~116は、グランドに接続される。以下、端子111を第1の端子111とも言い、端子112を第2の端子112とも言い、端子113~116をグランド端子113~116とも言う。
次に、図3ないし図5を参照して、積層体50を構成する複数の誘電体層および複数の導体層の一例について説明する。この例では、積層体50は、積層された9層の誘電体層を有している。以下、この9層の誘電体層を、下から順に1層目ないし9層目の誘電体層と呼ぶ。また、1層目ないし9層目の誘電体層を符号51~59で表す。
図3(a)は、1層目の誘電体層51のパターン形成面を示している。誘電体層51のパターン形成面には、端子111,112,113,114,115,116が形成されている。また、誘電体層51には、それぞれ端子111,112,113,114,115,116に接続されたスルーホール51T1,51T2,51T3,51T4,51T5,51T6が形成されている。
図3(b)は、2層目の誘電体層52のパターン形成面を示している。誘電体層52のパターン形成面には、導体層521が形成されている。また、誘電体層52には、スルーホール52T1,52T2,52T3,52T4,52T5,52T6が形成されている。誘電体層51に形成されたスルーホール51T1,51T2は、それぞれ、スルーホール52T1,52T2に接続されている。誘電体層51に形成されたスルーホール51T3~51T6と、スルーホール52T3~52T6は、導体層521に接続されている。
図3(c)は、3層目の誘電体層53のパターン形成面を示している。誘電体層53のパターン形成面には、導体層531,532,533,534が形成されている。導体層532は、導体層531に接続されている。導体層534は、導体層533に接続されている。図3(c)では、導体層531と導体層532との境界と、導体層533と導体層534との境界を、それぞれ点線で示している。
また、誘電体層53には、スルーホール53T1,53T2,53T3,53T4,53T5,53T6が形成されている。誘電体層52に形成されたスルーホール52T1と、スルーホール53T1は、導体層532に接続されている。誘電体層52に形成されたスルーホール52T2と、スルーホール53T2は、導体層534に接続されている。誘電体層52に形成されたスルーホール52T3~52T6は、それぞれ、スルーホール53T3~53T6に接続されている。
図4(a)は、4層目の誘電体層54のパターン形成面を示している。誘電体層54のパターン形成面には、導体層541が形成されている。また、誘電体層54には、スルーホール54T1,54T2,54T3,54T4,54T5,54T6,54T7が形成されている。誘電体層53に形成されたスルーホール53T1~53T6は、それぞれ、スルーホール54T1~54T6に接続されている。スルーホール54T7は、導体層541に接続されている。
図4(b)は、5層目の誘電体層55のパターン形成面を示している。誘電体層55のパターン形成面には、導体層551が形成されている。また、誘電体層55には、スルーホール55T1,55T2,55T7,55T8が形成されている。誘電体層54に形成されたスルーホール54T1,54T2,54T7は、それぞれ、スルーホール55T1,55T2,55T7に接続されている。誘電体層54に形成されたスルーホール54T3~54T6と、スルーホール55T8は、導体層551に接続されている。
図4(c)は、6層目の誘電体層56のパターン形成面を示している。誘電体層56には、スルーホール56T1,56T2,56T7,56T8が形成されている。誘電体層55に形成されたスルーホール55T1,55T2,55T7,55T8は、それぞれ、スルーホール56T1,56T2,56T7,56T8に接続されている。
図5(a)は、7層目の誘電体層57のパターン形成面を示している。誘電体層57のパターン形成面には、導体層571,572,573,574が形成されている。導体層571,572の各々は、互いに反対側に位置する第1端と第2端を有している。導体層571の第1端と導体層572の第1端は、互いに接続されている。図5(a)では、導体層571と導体層572との境界を、点線で示している。誘電体層56に形成されたスルーホール56T1は、導体層571の第2端の近傍部分に接続されている。誘電体層56に形成されたスルーホール56T2は、導体層572の第2端の近傍部分に接続されている。
導体層573は、導体層571の途中に接続されている。導体層574は、導体層572の途中に接続されている。図5(a)では、導体層571と導体層573との境界と、導体層572と導体層574との境界を、それぞれ点線で示している。
また、誘電体層57には、スルーホール57T7,57T8が形成されている。誘電体層56に形成されたスルーホール56T7は、スルーホール57T7に接続されている。誘電体層56に形成されたスルーホール56T8と、スルーホール57T8は、導体層571の第1端の近傍部分と導体層572の第1端の近傍部分に接続されている。
図5(b)は、8層目の誘電体層58のパターン形成面を示している。誘電体層58のパターン形成面には、導体層581が形成されている。導体層581は、互いに反対側に位置する第1端と第2端を有している。誘電体層57に形成されたスルーホール57T7は、導体層581の第1端の近傍部分に接続されている。
また、誘電体層58には、スルーホール58T8が形成されている。誘電体層57に形成されたスルーホール57T8と、スルーホール58T8は、導体層581の第2端の近傍部分に接続されている。
図5(c)は、9層目の誘電体層59のパターン形成面を示している。誘電体層59のパターン形成面には、導体層591が形成されている。誘電体層58に形成されたスルーホール58T8は、導体層591に接続されている。
図2に示した積層体50は、1層目の誘電体層51のパターン形成面が積層体50の第1の面50Aになり、9層目の誘電体層59のパターン形成面とは反対側の面が積層体50の第2の面50Bになるように、1層目ないし9層目の誘電体層51~59が積層されて構成される。
図6は、1層目ないし9層目の誘電体層51~59が積層されて構成された積層体50の内部を示している。図6に示したように、積層体50の内部では、図3ないし図5に示した複数の導体層と複数のスルーホールが積層されている。
以下、図1に示したフィルタ1の回路の構成要素と、図3ないし図5に示した積層体50の内部の構成要素との対応関係について説明する。始めに、第1の共振器10について説明する。第1の導体部分11は、導体層571によって構成されている。第2の導体部分12は、導体層531によって構成されている。第3の導体部分13は、導体層532によって構成されている。
導体層532(第3の導体部分13)およびスルーホール53T1,54T1,55T1,56T1は、第1の導体部分11を構成する導体層571と、第2の導体部分12を構成する導体層531とを接続している。また、第1の導体部分11を構成する導体層571は、スルーホール51T3~51T6、導体層521、スルーホール52T3~52T6,53T3~53T6,スルーホール54T3~54T6、導体層551およびスルーホール55T8,56T8を介して、グランド端子113~116に接続されている。
次に、第2の共振器20について説明する。第1の導体部分21は、導体層572によって構成されている。第2の導体部分22は、導体層533によって構成されている。第3の導体部分23は、導体層534によって構成されている。
導体層534(第3の導体部分23)およびスルーホール53T2,54T2,55T2,56T2は、第1の導体部分21を構成する導体層572と、第2の導体部分22を構成する導体層533とを接続している。また、第1の導体部分21を構成する導体層572は、スルーホール51T3~51T6、導体層521、スルーホール52T3~52T6,53T3~53T6,スルーホール54T3~54T6、導体層551およびスルーホール55T8,56T8を介して、グランド端子113~116に接続されている。
次に、第3の共振器30について説明する。第1の導体部分31は、導体層581によって構成されている。第2の導体部分32は、導体層541によって構成されている。
第1の導体部分31を構成する導体層581は、スルーホール51T3~51T6、導体層521、スルーホール52T3~52T6,53T3~53T6,スルーホール54T3~54T6、導体層551およびスルーホール55T8,56T8,57T8を介して、グランド端子113~116に接続されている。
次に、第1および第2のスタブ型共振器91,92について説明する。第1のスタブ型共振器91は、導体層573によって構成されている。第2のスタブ型共振器92は、導体層574によって構成されている。
次に、導体部4,5について説明する。導体部4は、スルーホール51T1,52T1によって構成されている。スルーホール51T1は、第1の端子111に接続されている。スルーホール52T1は、第3の導体部分13を構成する導体層532に接続されていると共に、スルーホール53T1,54T1,55T1,56T1を介して、第1の導体部分11を構成する導体層571に接続されている。
導体部5は、スルーホール51T2,52T2によって構成されている。スルーホール51T2は、第2の端子112に接続されている。スルーホール52T2は、第3の導体部分23を構成する導体層534に接続されていると共に、スルーホール53T2,54T2,55T2,56T2を介して、第1の導体部分21を構成する導体層572に接続されている。
次に、図2ないし図8を参照して、本実施の形態に係るフィルタ1の構造上の特徴について説明する。図7および図8は、積層体50の内部の一部を示す斜視図である。図7には、主に、第1および第2の共振器10,20と第1および第2のスタブ型共振器91,92を構成する複数の導体層および複数のスルーホールを示している。図8には、主に、第3の共振器30を構成する複数の導体層および複数のスルーホールを示している。
第1の共振器10は、積層体50内の-X方向側の領域に配置されている。すなわち、第1の共振器10は、側面50Dよりも側面50Cにより近い位置に配置されている。図7に示したように、第1の共振器10の第1の導体部分11(導体層571)と第2の導体部分12(導体層531)は、積層方向Tにおいて互いに異なる位置に配置されている。第2の導体部分12は、複数の端子111~116が配置された第1の面50Aと第1の導体部分11との間に配置されている。
第1の導体部分11(導体層571)は、積層方向Tに直交する複数の方向に延在する複数の部分を含んでいる。本実施の形態では特に、第1の導体部分11(導体層571)は、X方向に平行な方向に延在する4つの部分と、Y方向に平行な方向に延在する3つの部分とを含んでいる。
第2の導体部分12(導体層531)の形状は、積層体50の長手方向と交差する方向に長い形状である。本実施の形態では特に、第2の導体部分12(導体層531)の形状は、Y方向に平行な方向に長い矩形形状である。
第2の共振器20は、積層体50内のX方向側の領域に配置されている。すなわち、第2の共振器20は、側面50Cよりも側面50Dにより近い位置に配置されている。図7に示したように、第2の共振器20の第1の導体部分21(導体層572)と第2の導体部分22(導体層533)は、積層方向Tにおいて互いに異なる位置に配置されている。第2の導体部分22は、複数の端子111~116が配置された第1の面50Aと第1の導体部分21との間に配置されている。
第1の導体部分21(導体層572)は、積層方向Tに直交する複数の方向に延在する複数の部分を含んでいる。本実施の形態では特に、第1の導体部分21(導体層572)は、X方向に平行な方向に延在する4つの部分と、Y方向に平行な方向に延在する3つの部分とを含んでいる。
第2の導体部分22(導体層533)の形状は、積層体50の長手方向と交差する方向に長い形状である。本実施の形態では特に、第2の導体部分22(導体層533)の形状は、Y方向に平行な方向に長い矩形形状である。
第3の共振器30の少なくとも一部は、Z方向から見たときに、第1の共振器10と第2の共振器20との間に配置されている。本実施の形態では特に、第3の共振器30の一部が、第1の共振器10と第2の共振器20との間に配置されている。
図8に示したように、第3の共振器30の第1の導体部分31(導体層581)と第2の導体部分32(導体層541)は、積層方向Tにおいて互いに異なる位置に配置されている。第2の導体部分32は、複数の端子111~116が配置された第1の面50Aと第1の導体部分31との間に配置されている。
第1の導体部分31(導体層581)は、積層方向Tに直交する複数の方向に延在する複数の部分を含んでいる。本実施の形態では特に、第1の導体部分31(導体層581)は、X方向に平行な方向に延在する3つの部分と、Y方向に平行な方向に延在する4つの部分とを含んでいる。
第1の導体部分31(導体層581)は、第1の導体部分31と交差する任意のXZ平面に対して非対称な形状を有すると共に、第1の導体部分31と交差する任意のYZ平面に対して非対称な形状を有している。以下、第1の導体部分31と交差する任意のXZ平面を第1の仮想の平面と言い、第1の導体部分31と交差する任意のYZ平面を第2の仮想の平面という。第1の仮想の平面は、Y方向に平行な方向における積層体50の中心と交差してもよい。第2の仮想の平面は、X方向に平行な方向における積層体50の中心と交差してもよい。
第2の導体部分32(導体層541)の形状は、積層体50の長手方向に長い形状である。本実施の形態では特に、第2の導体部分32(導体層541)の形状は、X方向に平行な方向に長い矩形形状である。
図5(a)および図6に示したように、第1の共振器10の第1の導体部分11(導体層571)と第2の共振器20の第1の導体部分21(導体層572)は、積層方向Tにおいて同じ位置に配置されている。図5(a)、図5(b)および図6に示したように、第3の共振器30の第1の導体部分31(導体層581)は、積層方向Tにおいて、第1の導体部分11,21とは異なる位置に配置されている。また、第1の導体部分11の一部と第1の導体部分21の一部は、Z方向から見たときに、第1の導体部分31に重なっている。また、第1の導体部分31の形状は、第1の導体部分11の形状および第1の導体部分21の形状とは異なっている。
また、図3(c)および図6に示したように、第1の共振器10の第2の導体部分12(導体層531)と第2の共振器20の第2の導体部分22(導体層533)は、積層方向Tにおいて同じ位置に配置されている。図3(c)、図4(a)および図6に示したように、第3の共振器30の第2の導体部分32(導体層541)は、積層方向Tにおいて、第2の導体部分12,22とは異なる位置に配置されている。また、第2の導体部分12の一部と第2の導体部分22の一部は、Z方向から見たときに、第2の導体部分32に重なっている。また、第2の導体部分32の形状は、第2の導体部分12の形状および第2の導体部分22の形状とは異なっている。
図5に示したように、第1のスタブ型共振器91(導体層573)の形状と第2のスタブ型共振器92(導体層574)の形状は、互いに異なっている。具体的には、第1のスタブ型共振器91の長さと第2のスタブ型共振器92の長さが、互いに異なっている。図5に示した例では、第1のスタブ型共振器91は、第2のスタブ型共振器92よりも長い。第1のスタブ型共振器91は、X方向に平行な方向に延在する2つの部分と、Y方向に平行な方向に延在する1つの部分とを含んでいる。第2のスタブ型共振器92は、X方向に平行な方向に延在している。なお、第1のスタブ型共振器91の幅と第2のスタブ型共振器92の幅は、同じかほぼ同じである。
第1の共振器10の第1の導体部分11は、第1のスタブ型共振器91が接続された第1の接続部分と、第1の接続部分以外の第1の非接続部分とを含んでいる。第1の接続部分は、具体的には、図5(a)に示した導体層571のうち、点線で示した導体層573との境界の近傍の部分571aである。図5(a)では、部分571aのおおよその位置を矢印で示している。第1の非接続部分は、導体層571のうち、部分571a以外の部分である。
第1の接続部分(部分571a)の、フィルタ1(バンドパスフィルタ)の通過帯域の中心周波数における電流密度は、第1の非接続部分の、フィルタ1(バンドパスフィルタ)の通過帯域の中心周波数における電流密度よりも小さい。すなわち、第1のスタブ型共振器91は、第1の導体部分11において最も電流密度が大きい部分またはその近傍に接続されている。
第2の共振器20の第1の導体部分21は、第2のスタブ型共振器92が接続された第2の接続部分と、第2の接続部分以外の第2の非接続部分とを含んでいる。第1の接続部分は、具体的には、図5(a)に示した導体層572のうち、点線で示した導体層574との境界の近傍の部分572aである。図5(a)では、部分572aのおおよその位置を矢印で示している。第2の非接続部分は、導体層572のうち、部分572a以外の部分である。
第2の接続部分(部分572a)の、フィルタ1(バンドパスフィルタ)の通過帯域の中心周波数における電流密度は、第2の非接続部分の、フィルタ1(バンドパスフィルタ)の通過帯域の中心周波数における電流密度よりも小さい。すなわち、第2のスタブ型共振器92は、第1の導体部分21において最も電流密度が大きい部分またはその近傍に接続されている。
以上説明したように、本実施の形態では、第1の共振器10の第1の導体部分11と第2の導体部分12は、積層方向Tにおいて互いに異なる位置に配置されている。これにより、本実施の形態によれば、第1の導体部分11と第2の導体部分12を重ねて配置することが可能になる。これにより、本実施の形態によれば、第1の導体部分11と第2の導体部分12を同じ誘電体層に形成して、積層方向Tにおいて同じ位置に配置する場合に比べて、第1の共振器10を配置するための面積を実質的に小さくすることができる。
上記の第1の共振器10についての説明は、第2および第3の共振器20,30にも当てはまる。これらのことから、本実施の形態によれば、フィルタ1を小型化することができる。
また、本実施の形態では、第1の共振器10の第1の導体部分11の一部と第2の共振器20の第1の導体部分21の一部は、Z方向から見たときに、第3の共振器30の第1の導体部分31に重なり、第1の共振器10の第2の導体部分12の一部と第2の共振器20の第2の導体部分22の一部は、Z方向から見たときに、第3の共振器30の第2の導体部分32に重なっている。これによっても、本実施の形態によれば、フィルタ1を小型化することができる。
また、本実施の形態では、第1の導体部分11,21,31の各々は、互いに異なる複数の方向に延在する複数の部分を含んでいる。これにより、本実施の形態によれば、第1の導体部分11,21,31の各々が一方向に延在する場合に比べて、第1の導体部分11,21,31の各々を配置するための面積を実質的に小さくすることができる。
また、本実施の形態では、導体層591は、スルーホール51T3~51T6、導体層521、スルーホール52T3~52T6,53T3~53T6,スルーホール54T3~54T6、導体層551およびスルーホール55T8,56T8,57T8,58T8を介して、グランド端子113~116に接続されている。第1ないし第3の共振器10,20,30は、導体層521と導体層591との間に配置されている。導体層521,591の各々は、Z方向から見たときに、第1ないし第3の共振器10,20,30と重なっている。導体層521,591は、シールドとして機能する。
また、本実施の形態では、第1の共振器10の第1の導体部分11は、第1の共振器10の第2の導体部分12よりもインピーダンスが大きい。第1のスタブ型共振器91は、インピーダンスの大きい第1の導体部分11に電気的に接続されている。本実施の形態では特に、第1のスタブ型共振器91は、第1の導体部分11において最も電流密度が大きい部分に接続されている。これにより、本実施の形態によれば、第1のスタブ型共振器91が第1の共振器10の基本共振に与える影響を抑制しながら、スプリアスを制御することができる。
上記の第1の共振器10および第1のスタブ型共振器91についての説明は、第2の共振器20および第2のスタブ型共振器92にも当てはまる。本実施の形態によれば、第2のスタブ型共振器92が第2の共振器20の基本共振に与える影響を抑制しながら、スプリアスを制御することができる。
次に、第1および第2のスタブ型共振器91,92によって、通過帯域の高域側の広い周波数帯域において、減衰量の絶対値(以下、通過減衰量と言う。)を大きくすることができることを示す第1のシミュレーションの結果について説明する。始めに、第1のシミュレーションで用いた第1ないし第3の比較例のモデルと実施例のモデルについて説明する。第1の比較例のモデルは、第1の比較例のフィルタのモデルである。図9は、第1の比較例のフィルタの回路構成を示す回路図である。図10は、第1の比較例のフィルタの積層体における7層目の誘電体層のパターン形成面を示す説明図である。第1の比較例のフィルタの構成は、第1および第2のスタブ型共振器91,92と、積層体50の誘電体層57に形成された導体層573,574が設けられていない点を除いて、本実施の形態に係るフィルタ1の構成とほぼ同じである。
第2の比較例のモデルは、第2の比較例のフィルタのモデルである。図11は、第2の比較例のフィルタの積層体50における7層目の誘電体層57のパターン形成面を示す説明図である。第2の比較例のフィルタでは、誘電体層57には、本実施の形態における導体層573の代わりに、導体層575が形成されている。図11では、導体層571と導体層575との境界を、点線で示している。第2の比較例のフィルタでは、第1のスタブ型共振器91は、導体層575によって構成されている。第2の比較例のフィルタのその他の構成は、本実施の形態に係るフィルタ1の構成と同じである。
第2の比較例のモデルでは特に、第1のスタブ型共振器91(導体層575)の形状は、第2のスタブ型共振器92(導体層574)の形状と同じである。すなわち、第1のスタブ型共振器91は、X方向に平行な方向に延在している。
第3の比較例のモデルは、第3の比較例のフィルタのモデルである。図12は、第3の比較例のフィルタの積層体50における7層目の誘電体層57のパターン形成面を示す説明図である。第3の比較例のフィルタでは、誘電体層57には、本実施の形態における導体層574の代わりに、導体層576が形成されている。図12では、導体層572と導体層576との境界を、点線で示している。第3の比較例のフィルタでは、第2のスタブ型共振器92は、導体層576によって構成されている。第3の比較例のフィルタのその他の構成は、本実施の形態に係るフィルタ1の構成と同じである。
第3の比較例のモデルでは特に、第2のスタブ型共振器92(導体層576)の形状は、第1のスタブ型共振器91(導体層573)の形状と同じである。すわなち、第2のスタブ型共振器92は、X方向に平行な方向に延在する2つの部分と、Y方向に平行な方向に延在する1つの部分とを含んでいる。
実施例のモデルは、本実施の形態に係るフィルタ1のモデルである。シミュレーションでは、第1ないし第3の比較例のモデルと実施例のモデルの各々において、第1および第2の共振器10,20の各々におけるインピーダンス比を0.106とし、第3の共振器30におけるインピーダンス比を0.094とした。
第1のシミュレーションでは、第1ないし第3の比較例のモデルと実施例のモデルのそれぞれについて、バンドパスフィルタとして機能するように設計した。そして、比較例のモデルと実施例のモデルの各々の通過減衰特性を求めた。
図13は、第1の比較例のモデルの通過減衰特性を示す特性図である。図14は、第2の比較例のモデルの通過減衰特性を示す特性図である。図15は、第3の比較例のモデルの通過減衰特性を示す特性図である。図16は、実施例のモデルの通過減衰特性を示す特性図である。図13ないし図16の各々において、横軸は周波数を示し、縦軸は減衰量を示している。
図13ないし図16に示したように、第1ないし第3の比較例のモデルと実施例のモデルのいずれにおいても、通過帯域の高域側に、複数のスプリアスが発生している。複数のスプリアスの各々の周波数は、第1ないし第3の比較例のモデルと実施例のモデルにおいて互いに異なっている。前述のように、第1の比較例のモデルでは、第1および第2のスタブ型共振器91,92が設けられていない。第2ないし第3の比較例のモデルと実施例のモデルでは、第1および第2のスタブ型共振器91,92の形状が互いに異なっている。図13ないし図16に示した第1のシミュレーションの結果は、第1および第2のスタブ型共振器91,92によって、複数のスプリアスを制御できることを示している。
また、第1の比較例のモデル(図13)と第2の比較例のモデル(図14)を比較すると、第1の比較例のモデルと第2の比較例のモデルのいずれにおいても、通過減衰量が比較的小さくなるピークが、周波数が17~18GHzの帯域に存在している。第2の比較例のモデルでは、上記のピークにおける通過減衰量の最小値が、第1の比較例のモデルに比べてわずかに大きくなっている。
また、第3の比較例のモデル(図15)では、通過減衰量が比較的小さくなるピークが、周波数が14~18GHzの帯域に存在している。第1ないし第3の比較例のモデルの各々において、上述のピークおよびその近傍の周波数帯域に注目すると、第3の比較例のモデルでは、第1および第2の比較例のモデルに比べて通過減衰量が大きくなっている。一方、第1ないし第3の比較例のモデルの各々において、周波数が24~31GHzの帯域に注目すると、第3の比較例のモデルでは、第1および第2の比較例のモデルに比べて通過減衰量が小さくなっている。
また、実施例のモデル(図16)では、通過減衰量が比較的小さくなるピークが、周波数が14~16GHzの帯域に存在している。第1および第2の比較例のモデルと実施例のモデルの各々において、上述のピークおよびその近傍の周波数帯域に注目すると、実施例のモデルでは、第1および第2の比較例のモデルに比べて通過減衰量が大きくなっている。また、第3の比較例のモデルと実施例のモデルの各々において、周波数が27~31GHzの帯域に注目すると、実施例のモデルでは、第3の比較例のモデルに比べて通過減衰量が小さくなっている。
図13ないし図16に示した第1のシミュレーションの結果から理解されるように、本実施の形態によれば、第1および第2のスタブ型共振器91,92によって、通過帯域の高域側に発生するスプリアスを制御することができる。また、図14ないし図16に示した第1のシミュレーションの結果から理解されるように、本実施の形態によれば、第1のスタブ型共振器91の形状と第2のスタブ型共振器92の形状を互いに異ならせることによって、通過帯域の高域側の広い周波数帯域において、通過減衰量を大きくすることができる。
次に、第3の共振器30の第1の導体部分31の形状によって、通過帯域の高域側において、通過減衰量(減衰量の絶対値)を大きくすることができることを示す第2のシミュレーションの結果について説明する。始めに、第2のシミュレーションで用いた第4の比較例のモデルについて説明する。第4の比較例のモデルは、第4の比較例のフィルタのモデルである。
図17は、第4の比較例のフィルタの積層体における8層目の誘電体層のパターン形成面を示す説明図である。第4の比較例のフィルタでは、8層目の誘電体層58に、本実施の形態における導体層581の代わりに、導体層1581が形成されている。第4の比較例のフィルタでは、第3の共振器30の第1の導体部分31は、図17に示した導体層1581によって構成されている。第4の比較例のフィルタでは、第1の導体部分31(導体層1581)は、X方向に平行な方向における積層体50の中心と交差するYZ平面に対して対称な形状を有している。第4の比較例のフィルタのその他の構成は、本実施の形態に係るフィルタ1とほぼ同じである。
図18は、第4の比較例のモデルの通過減衰特性を示す特性図である。図18において、横軸は周波数を示し、縦軸は減衰量を示している。第4の比較例のモデルでは、通過減衰量が比較的小さくなるピークが、周波数が15~18GHzの帯域に存在している。第4の比較例のモデルと実施例のモデル(図16参照)の各々において、上述のピークおよびその近傍の周波数帯域に注目すると、第4の比較例のモデルでは、実施例に比べて通過減衰量が小さくなっている。
前述のように、本実施の形態では、第1の導体部分31(導体層581)は、非対称な形状を有している。第2のシミュレーションの結果から理解されるように、本実施の形態によれば、第1の導体部分31を非対称な形状にすることによって、通過帯域の高域側において、通過減衰量を大きくすることができる。
[第2の実施の形態]
次に、図19を参照して、本発明の第3の実施の形態について説明する。図19は、本実施の形態に係る積層型フィルタの回路構成を示す回路図である。
次に、図19を参照して、本発明の第3の実施の形態について説明する。図19は、本実施の形態に係る積層型フィルタの回路構成を示す回路図である。
本実施の形態に係るフィルタ1は、以下の点で第1の実施の形態と異なっている。本実施の形態に係るフィルタ1は、第4の共振器40を備えている。第4の共振器40は、回路構成上、第2の共振器20と第3の共振器30との間に配置されている。本実施の形態では、第1ないし第4の共振器10,20,30,40は、第1の共振器10と第3の共振器30が回路構成上隣接して電磁界結合し、第3の共振器30と第4の共振器40が回路構成上隣接して電磁界結合し、第2の共振器20と第4の共振器40が回路構成上隣接して電磁界結合するように構成されている。図19において、記号K13を付した曲線は、第1の共振器10と第3の共振器30との間の電界結合を表し、記号K34を付した曲線は、第3の共振器30と第4の共振器40との間の磁界結合を表し、記号K24を付した曲線は、第2の共振器20と第4の共振器40との間の電界結合を表している。
第4の共振器40の構成は、基本的には、第3の共振器30の構成と同じである。すなわち、第4の共振器40は、第1の導体部分41と、第1の導体部分41よりもインピーダンスが小さい第2の導体部分42とを含んでいる。第1の導体部分41と第2の導体部分42は、互いに電気的に接続されている。第1の導体部分41は、グランドに接続される。また、第1の導体部分41と第2の導体部分42の各々は、分布定数線路である。本実施の形態では特に、第1の導体部分41は、幅が小さい分布定数線路であり、第2の導体部分42は、第1の導体部分41よりも幅が大きい分布定数線路である。
第4の共振器40は、第1ないし第3の共振器10,20,30と同様に、幅が小さい分布定数線路と幅が大きい分布定数線路とによって構成されたステップドインピーダンス共振器である。
図示しないが、第4の共振器40の第1の導体部分41と第2の導体部分42は、第3の共振器30の第1の導体部分31と第2の導体部分32と同様に、積層方向Tにおいて互いに異なる位置に配置されている。第1の導体部分31と第1の導体部分41は、積層方向Tにおいて同じ位置に配置されていてもよいし、積層方向Tにおいて異なる位置に配置されていてもよい。同様に、第2の導体部分32と第2の導体部分42は、積層方向Tにおいて同じ位置に配置されていてもよいし、積層方向Tにおいて異なる位置に配置されていてもよい。
本実施の形態では、第3の共振器30の少なくとも一部と第4の共振器40の少なくとも一部は、Z方向(図2参照)から見たときに、第1の共振器10と第2の共振器20との間に配置されている。
また、本実施の形態では、第1の共振器10の第1の導体部分11の一部は、Z方向から見たときに、第3の共振器30の第1の導体部分31に重なっていてもよい。この場合、第2の共振器20の第1の導体部分21の一部は、Z方向から見たときに、第4の共振器40の第1の導体部分41に重なっていてもよい。
また、本実施の形態では、第1の共振器10の第2の導体部分12の一部は、Z方向から見たときに、第3の共振器30の第2の導体部分32に重なっていてもよい。この場合、第2の共振器20の第2の導体部分22の一部は、Z方向から見たときに、第4の共振器40の第2の導体部分42に重なっていてもよい。
本実施の形態に係るフィルタ1は、更に、第3の共振器30の第1の導体部分31に電気的に接続された第3のスタブ型共振器93と、第4の共振器40の第1の導体部分41に電気的に接続された第4のスタブ型共振器94とを備えている。第3および第4のスタブ型共振器93,94の各々は、分布定数線路である。
第3のスタブ型共振器93は、第1の導体部分31の途中に接続されている。図19では、第1の導体部分31のうち、回路構成上第3のスタブ型共振器93との接続点と第2の導体部分32との間に位置する部分を符号31Aで示し、回路構成上第3のスタブ型共振器93との接続点とグランドとの間に位置する部分を符号31Bで示している。
第4のスタブ型共振器94は、第1の導体部分41の途中に接続されている。図19では、第1の導体部分41のうち、回路構成上第4のスタブ型共振器94との接続点と第2の導体部分42との間に位置する部分を符号41Aで示し、回路構成上第4のスタブ型共振器94との接続点とグランドとの間に位置する部分を符号41Bで示している。
第3および第4のスタブ型共振器93,94は、例えば、通過帯域よりも高い周波数領域に発生するスプリアスを制御するために用いられる。第3および第4のスタブ型共振器93,94は、それぞれ、一端が解放されたオープンスタブであってもよいし、一端がグランドに接続されたショートスタブであってもよい。
本実施の形態におけるその他の構成、作用および効果は、第1の実施の形態と同様である。
なお、本発明は、上記各実施の形態に限定されず、種々の変更が可能である。例えば、共振器の数や構成は、各実施の形態に示したものに限らず、特許請求の範囲を満たすものであればよい。共振器の数は、1つでもよいし、2つでもよいし、5つ以上でもよい。
1…フィルタ、2…第1のポート、3…第2のポート、4,5…導体部、10…第1の共振器、11…第1の導体部分、12…第2の導体部分、13…第3の導体部分、20…第2の共振器、21…第1の導体部分、22…第2の導体部分、23…第3の導体部分、30…第3の共振器、31…第1の導体部分、32…第2の導体部分、50…積層体、50A…第1の面、50B…第2の面、50C~50F…側面、91…第1のスタブ型共振器、92…第2のスタブ型共振器、111…第1の端子、112…第2の端子、113~116…グランド端子。
また、本発明のフィルタにおいて、第1の共振器および第2の共振器の各々の、第1の導体部分のインピーダンスに対する第2の導体部分のインピーダンスの比であるインピーダンス比は、0.3以下であってもよい。
第1の導体部分11,21,31の各々のインピーダンスは、例えば15~35Ωの範囲内である。第2の導体部分12,22,32の各々のインピーダンスは、例えば1~5Ωの範囲内である。ここで、第1ないし第3の共振器10,20,30の各々において、第1の導体部分のインピーダンスに対する第2の導体部分のインピーダンスの比を、インピーダンス比と言う。第1ないし第3の共振器10,20,30の各々において、インピーダンス比は、1よりも小さい。
共振器を小さくする観点から、インピーダンス比は小さいことが好ましい。例えば、第1の導体部分を構成する分布定数線路と第2の導体部分を構成する分布定数線路の各々の幅を調整することによって、インピーダンス比を調整することが可能である。インピーダンス比が小さくなるに従って、第1の導体部分を構成する分布定数線路の幅は相対的に小さくなり、第2の導体部分を構成する分布定数線路の幅は相対的に大きくなる。
本実施の形態では特に、第1ないし第3の共振器10,20,30の各々におけるインピーダンス比は、0.3以下である。一例では、第1および第2の共振器10,20の各々の第2の導体部分のインピーダンスは2.87Ωであり、第1および第2の共振器10,20の各々の第1の導体部分のインピーダンスは27Ωである。この場合、第1および第2の共振器10,20の各々におけるインピーダンス比は、0.106である。また、一例では、第3の共振器30の第2の導体部分32のインピーダンスは2.55Ωであり、第3の共振器30の第1の導体部分31のインピーダンスは27Ωである。この場合、第3の共振器30におけるインピーダンス比は、0.094である。
ところで、インピーダンス比を小さくしすぎると、所望の特性が得られなくなる場合がある。例えば、一端が短絡され、他端が開放されたステップドインピーダンス共振器(1/4波長共振器)において、インピーダンス比を小さくしすぎると、この共振器は、実質的に、両端が開放された第2の導体部分のみからなる1/2波長共振器となる。その結果、所望の特性が得られなくなる。これを防止するために、本実施の形態では、第1ないし第3の共振器10,20,30の各々におけるインピーダンス比を、0.06以上としている。
[第2の実施の形態]
次に、図19を参照して、本発明の第2の実施の形態について説明する。図19は、本実施の形態に係るフィルタの回路構成を示す回路図である。
次に、図19を参照して、本発明の第2の実施の形態について説明する。図19は、本実施の形態に係るフィルタの回路構成を示す回路図である。
Claims (14)
- それぞれ第1の導体部分と、前記第1の導体部分よりもインピーダンスが小さい第2の導体部分とを含む第1の共振器および第2の共振器と、
分布定数線路よりなり、前記第1の共振器の前記第1の導体部分に電気的に接続された第1のスタブ型共振器と、
分布定数線路よりなり、前記第2の共振器の前記第1の導体部分に電気的に接続された第2のスタブ型共振器とを備え、
前記第1のスタブ型共振器の形状と前記第2のスタブ型共振器の形状は、互いに異なることを特徴とするフィルタ。 - 前記第1のスタブ型共振器の長さと前記第2のスタブ型共振器の長さは、互いに異なることを特徴とする請求項1記載のフィルタ。
- 前記第1の導体部分と前記第2の導体部分の各々は、分布定数線路であることを特徴とする請求項1または2記載のフィルタ。
- 所定の通過帯域内の周波数の信号を選択的に通過させるバンドパスフィルタであることを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載のフィルタ。
- 前記第1の共振器の前記第1の導体部分は、前記第1のスタブ型共振器が接続された第1の接続部分と、前記第1の接続部分以外の第1の非接続部分とを含み、
前記第2の共振器の前記第1の導体部分は、前記第2のスタブ型共振器が接続された第2の接続部分と、前記第2の接続部分以外の第2の非接続部分とを含み、
前記第1の接続部分の、前記通過帯域の中心周波数における電流密度は、前記第1の非接続部分の、前記通過帯域の中心周波数における電流密度よりも大きく、
前記第2の接続部分の、前記通過帯域の中心周波数における電流密度は、前記第2の非接続部分の、前記通過帯域の中心周波数における電流密度よりも大きいことを特徴とする請求項4記載のフィルタ。 - 前記第1の共振器および前記第2の共振器の各々の、前記第2の導体部分のインピーダンスに対する前記第1の導体部分のインピーダンスの比であるインピーダンス比は、0.3以下であることを特徴とする請求項1ないし5のいずれかに記載のフィルタ。
- 前記第1の共振器の前記第1の導体部分と、前記第2の共振器の前記第1の導体部分は、それぞれ、互いに異なる複数の方向に延在する複数の部分を含むことを特徴とする請求項1ないし6のいずれかに記載のフィルタ。
- 更に、積層された複数の誘電体層を含む積層体を備え、
前記第1の共振器、前記第2の共振器、前記第1のスタブ型共振器および前記第2のスタブ型共振器は、前記積層体に一体化されていることを特徴とする請求項1ないし7のいずれかに記載のフィルタ。 - 前記第1の共振器および前記第2の共振器の各々において、前記第1の導体部分と前記第2の導体部分は、前記複数の誘電体層の積層方向において互いに異なる位置に配置され、且つ互いに電気的に接続されていることを特徴とする請求項8記載のフィルタ。
- 更に、前記第1の共振器および前記第2の共振器の各々の前記第1の導体部分と前記第2の導体部分とを接続する複数のスルーホールを備えたことを特徴とする請求項9記載のフィルタ。
- 前記第1の共振器の前記第1の導体部分と前記第2の共振器の前記第1の導体部分は、前記積層方向において同じ位置に配置されていることを特徴とする請求項9または10記載のフィルタ。
- 前記第1の共振器の前記第2の導体部分と前記第2の共振器の前記第2の導体部分は、前記積層方向において同じ位置に配置されていることを特徴とする請求項9ないし11のいずれかに記載のフィルタ。
- 更に、回路構成上、前記第1の共振器と前記第2の共振器との間に配置された第3の共振器を備えたことを特徴とする請求項1ないし12のいずれかに記載のフィルタ。
- 前記第3の共振器は、第3の導体部分と、前記第3の導体部分よりもインピーダンスが小さい第4の導体部分とを含み、
前記第3の導体部分は、非対称な形状を有していることを特徴とする請求項13記載のフィルタ。
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