JP2023070648A - 樹脂膜及び表示装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】半導体粒子を含む樹脂膜であって、耐光性が良好な樹脂膜、及び、該樹脂膜を含む表示装置を提供する。【解決手段】半導体粒子(A)を含む樹脂膜であって、該樹脂膜に対して、大気中、露光量200mJ/cm2(波長365nm基準)の条件で露光を行う第1露光試験を実施したとき、式:第1の発光強度維持率R1(%)=100×(第1露光試験後の発光強度)/(第1露光試験前の発光強度)で示される第1の発光強度維持率R1が95%以上である樹脂膜、及び、該樹脂膜を含む表示装置が提供される。【選択図】なし
Description
本発明は、半導体粒子を含む樹脂膜、並びに該樹脂膜を含む表示装置に関する。
特許文献1には、半導体粒子、特定の構造単位を有する重合体、重合性不飽和化合物及び重合開始剤を含む硬化性樹脂組成物、及び該硬化性樹脂組成物を用いて形成される硬化膜が記載されている。この硬化膜は、波長変換フィルムや発光表示素子の発光層として用いられる。
従来の硬化性樹脂組成物から形成される硬化膜は、光に対する耐性(以下、「耐光性」ともいう。)に改善の余地があった。本発明の目的は、半導体粒子を含む樹脂膜であって、耐光性が良好な樹脂膜、及び、該樹脂膜を含む表示装置を提供することにある。
本発明は、以下に示される樹脂膜及び表示装置を提供する。
[1] 半導体粒子(A)を含む樹脂膜であって、
前記樹脂膜に対して、大気中、露光量200mJ/cm2(照射波長365nm基準)の条件で露光を行う第1露光試験を実施したとき、下記式で示される第1の発光強度維持率R1が95%以上である、樹脂膜。
第1の発光強度維持率R1(%)=100×(前記第1露光試験後の発光強度)/(前記第1露光試験前の発光強度)
[2] 前記第1露光試験が実施された樹脂膜に対して、大気中、露光量200mJ/cm2(照射波長365nm基準)の条件で露光を行う第2露光試験を実施したとき、下記式で示される第2の発光強度維持率R2が85%以上である、[1]に記載の樹脂膜。
第2の発光強度維持率R2(%)=100×(前記第2露光試験後の発光強度)/(前記第1露光試験後の発光強度)
[3] 前記半導体粒子(A)と、樹脂(B)とを含む樹脂組成物から形成される、[1]又は[2]に記載の樹脂膜。
[4] 前記樹脂組成物は、重合性化合物(C)及び重合開始剤(D)の含有量が、それぞれ、前記樹脂組成物の固形分の総量に対して0.01質量%以下である、[3]に記載の樹脂膜。
[5] 前記樹脂組成物は、前記重合性化合物(C)及び前記重合開始剤(D)の含有量が、それぞれ、前記樹脂組成物の固形分の総量に対して0質量%である、[4]に記載の樹脂膜。
[6] 光散乱剤(E)をさらに含む、[1]~[5]のいずれかに記載の樹脂膜。
[7] [1]~[6]のいずれかに記載の樹脂膜を含む表示装置。
[1] 半導体粒子(A)を含む樹脂膜であって、
前記樹脂膜に対して、大気中、露光量200mJ/cm2(照射波長365nm基準)の条件で露光を行う第1露光試験を実施したとき、下記式で示される第1の発光強度維持率R1が95%以上である、樹脂膜。
第1の発光強度維持率R1(%)=100×(前記第1露光試験後の発光強度)/(前記第1露光試験前の発光強度)
[2] 前記第1露光試験が実施された樹脂膜に対して、大気中、露光量200mJ/cm2(照射波長365nm基準)の条件で露光を行う第2露光試験を実施したとき、下記式で示される第2の発光強度維持率R2が85%以上である、[1]に記載の樹脂膜。
第2の発光強度維持率R2(%)=100×(前記第2露光試験後の発光強度)/(前記第1露光試験後の発光強度)
[3] 前記半導体粒子(A)と、樹脂(B)とを含む樹脂組成物から形成される、[1]又は[2]に記載の樹脂膜。
[4] 前記樹脂組成物は、重合性化合物(C)及び重合開始剤(D)の含有量が、それぞれ、前記樹脂組成物の固形分の総量に対して0.01質量%以下である、[3]に記載の樹脂膜。
[5] 前記樹脂組成物は、前記重合性化合物(C)及び前記重合開始剤(D)の含有量が、それぞれ、前記樹脂組成物の固形分の総量に対して0質量%である、[4]に記載の樹脂膜。
[6] 光散乱剤(E)をさらに含む、[1]~[5]のいずれかに記載の樹脂膜。
[7] [1]~[6]のいずれかに記載の樹脂膜を含む表示装置。
半導体粒子を含む樹脂膜であって、耐光性が良好な樹脂膜、及び、該樹脂膜を含む表示装置を提供することができる。
<<樹脂膜>>
本発明に係る樹脂膜(以下、単に「樹脂膜」ともいう。)は、半導体粒子(A)を含み、第1露光試験を実施したときに下記式で示される第1の発光強度維持率R1が95%以上である樹脂膜である。
第1の発光強度維持率R1(%)=100×(第1露光試験後の発光強度)/(第1露光試験前の発光強度)
本発明に係る樹脂膜(以下、単に「樹脂膜」ともいう。)は、半導体粒子(A)を含み、第1露光試験を実施したときに下記式で示される第1の発光強度維持率R1が95%以上である樹脂膜である。
第1の発光強度維持率R1(%)=100×(第1露光試験後の発光強度)/(第1露光試験前の発光強度)
樹脂膜は、紫外線を照射する第1露光試験を実施した後でも、樹脂膜の発光強度の維持率(第1の発光強度維持率R1)が高く、良好な耐光性を有している。樹脂膜は、好ましくは96%以上、より好ましくは97%以上、さらに好ましくは98%以上、なおさらに好ましくは99%以上の第1の発光強度維持率R1を示す。
第1露光試験は、樹脂膜に対して紫外線を照射する試験である。第1露光試験における紫外線照射は、大気中、露光量200mJ/cm2(波長365nm基準)の条件下で行われる。露光量は、紫外線の照射強度(mW/cm2)と照射時間(s)との積で表される。第1露光試験において照射する紫外線の照射強度は、例えば10mW/cm2以上100mW/cm2以下である。照射強度及び/又は照射時間が異なっても露光量が同じであれば、第1露光試験前後の発光強度及び第1の発光強度維持率R1は通常、同じ値又は実質的に同じ値となる。
第1露光試験前の樹脂膜の発光強度は、好ましくは120μW以上、より好ましくは150μW以上、さらに好ましくは170μW以上、なおさらに好ましくは180μW以上、特に好ましくは190μW以上である。第1露光試験後の樹脂膜の発光強度は、好ましくは120μW以上、より好ましくは150μW以上、さらに好ましくは170μW以上、なおさらに好ましくは180μW以上、特に好ましくは190μW以上である。第1露光試験前後の樹脂膜の発光強度及び後述する第2露光試験後の樹脂膜の発光強度は、後述の実施例の欄における測定方法に従って測定される。
樹脂膜は、好ましくは、第1露光試験が実施された樹脂膜に対して第2露光試験を実施したときに下記式で示される第2の発光強度維持率R2が85%以上である。樹脂膜は、より好ましくは90%以上、さらに好ましくは94%以上、なおさらに好ましくは96%以上、特に好ましくは98%以上、最も好ましくは99%以上の第2の発光強度維持率R2を示す。
第2の発光強度維持率R2(%)=100×(第2露光試験後の発光強度)/(第1露光試験後の発光強度)
第2の発光強度維持率R2(%)=100×(第2露光試験後の発光強度)/(第1露光試験後の発光強度)
第2露光試験は、第1露光試験後の樹脂膜に対して紫外線を照射する試験である。第2露光試験における紫外線照射は、大気中、露光量200mJ/cm2(波長365nm基準)の条件下で行われる。露光量は、紫外線の照射強度(mW/cm2)と照射時間(s)との積で表される。第2露光試験において照射する紫外線の照射強度及び照射時間は、それぞれ、第1露光試験と同様である。照射強度及び/又は照射時間が異なっても露光量が同じであれば、第1露光試験後及び第2露光試験後の発光強度、並びに第2の発光強度維持率R2は通常、同じ値又は実質的に同じ値となる。
第2露光試験後の樹脂膜の発光強度は、好ましくは120μW以上、より好ましくは150μW以上、さらに好ましくは170μW以上、なおさらに好ましくは180μW以上、特に好ましくは190μW以上である。
樹脂膜は、好ましくは、半導体粒子(A)と樹脂(B)とを含む樹脂組成物から形成される。該樹脂組成物から形成される樹脂膜は、半導体粒子(A)と樹脂(B)とを含む。樹脂膜は、特に制限されないが、後述する<<樹脂膜の製造方法>>に記載の方法によって製造することができる。
<樹脂組成物>
樹脂組成物は、半導体粒子(A)と、樹脂(B)とを含む。
樹脂組成物は、半導体粒子(A)と、樹脂(B)とを含む。
[1]半導体粒子(A)
半導体粒子(A)は、一次光とは異なる波長の光を発し、好ましくは、一次光である青色の光の波長を、これとは異なる色の光の波長に変換する。半導体粒子(A)は、緑色又は赤色を発光することが好ましく、青色光を吸収して緑色又は赤色を発光することがより好ましい。
半導体粒子(A)は、一次光とは異なる波長の光を発し、好ましくは、一次光である青色の光の波長を、これとは異なる色の光の波長に変換する。半導体粒子(A)は、緑色又は赤色を発光することが好ましく、青色光を吸収して緑色又は赤色を発光することがより好ましい。
半導体粒子(A)は、例えば、605nm以上665nm以下の波長域に発光ピーク波長を有する光を発する赤色発光性の半導体粒子であってもよく、500nm以上560nm以下の波長域に発光ピーク波長を有する光を発する緑色発光性の半導体粒子であってよく、420nm以上480nm以下の波長域に発光ピーク波長を有する光を発する青色発光性の半導体粒子であってもよい。半導体粒子(A)は、好ましくは、赤色発光性の半導体粒子及び/又は緑色発光性の半導体粒子である。半導体粒子(A)の発光ピーク波長は、例えば、紫外可視分光光度計を用いて測定される発光スペクトルにおいて確認することできる。
半導体粒子(A)の発光スペクトルの半値全幅は、60nm以下であることが好ましく、より好ましくは55nm以下、さらに好ましくは50nm以下、特に好ましくは45nm以下である。これにより、より色純度の高い光を発することができる。半導体粒子(A)の発光スペクトルの半値全幅の下限は特に限定されないが、5nm以上であってもよく、15nm以上であってもよい。
半導体粒子(A)は、半導体結晶からなる粒子、好ましくは半導体結晶からなるナノ粒子である。半導体粒子(A)の好ましい例としては、半導体量子ドット(以下、「量子ドット」ともいう。)及びペロブスカイト型結晶構造を有する化合物(以下、「ペロブスカイト化合物」ともいう。)の粒子が挙げられ、より好ましくは量子ドットである。
量子ドットの平均粒径は、例えば0.5nm以上20nm以下、好ましくは1nm以上15nm以下(例えば2nm以上15nm以下)である。量子ドットのエネルギー状態はその大きさに依存するため、粒子径を変えることにより自由に発光波長を選択することが可能である。例えば、CdSeのみから構成される量子ドットの場合、粒子径が2.3nm、3.0nm、3.8nm、4.6nmであるときの発光スペクトルのピーク波長は、それぞれ528nm、570nm、592nm、637nmである。半導体粒子(A)の平均粒径は、走査透過型電子顕微鏡を用いて測定することができる。
量子ドットは、例えば、周期表第2族元素、第11族元素、第12族元素、第13族元素、第14族元素、第15族元素及び第16族元素からなる群より選択される1種又は2種以上の元素を含む半導体材料から構成することができる。
量子ドットを構成し得る半導体材料の具体例は、
SnS2、SnS、SnSe、SnTe、PbS、PbSe、PbTe等の第14族元素と第16族元素との化合物;
GaN、GaP、GaAs、GaSb、InN、InP、InAs、InSb、InGaN、InGaP等の第13族元素と第15族元素との化合物;
Ga2O3、Ga2S3、Ga2Se3、Ga2Te3、In2O3、In2S3、In2Se3、In2Te3等の第13族元素と第16族元素との化合物;
ZnO、ZnS、ZnSe、ZnTe、CdO、CdS、CdSe、CdTe、HgO、HgS、HgSe、HgTe、ZnSTe、ZnSeS、ZnSeTe、CdSTe、CdSeTe、HgSTe、HgSeS、HgSeTe等の第12族元素と第16族元素との化合物;
As2O3、As2S3、As2Se3、As2Te3、Sb2O3、Sb2S3、Sb2Se3、Sb2Te3、Bi2O3、Bi2S3、Bi2Se3、Bi2Te3等の第15族元素と第16族元素との化合物;
MgS、MgSe、MgTe、CaS、CaSe、CaTe、SrS、SrSe、SrTe、BaS、BaSe、BaTe等
の第2族元素と第16族元素との化合物;
Si、Ge等の第14族元素、第15族元素又は第16族元素の単体
を含む。
SnS2、SnS、SnSe、SnTe、PbS、PbSe、PbTe等の第14族元素と第16族元素との化合物;
GaN、GaP、GaAs、GaSb、InN、InP、InAs、InSb、InGaN、InGaP等の第13族元素と第15族元素との化合物;
Ga2O3、Ga2S3、Ga2Se3、Ga2Te3、In2O3、In2S3、In2Se3、In2Te3等の第13族元素と第16族元素との化合物;
ZnO、ZnS、ZnSe、ZnTe、CdO、CdS、CdSe、CdTe、HgO、HgS、HgSe、HgTe、ZnSTe、ZnSeS、ZnSeTe、CdSTe、CdSeTe、HgSTe、HgSeS、HgSeTe等の第12族元素と第16族元素との化合物;
As2O3、As2S3、As2Se3、As2Te3、Sb2O3、Sb2S3、Sb2Se3、Sb2Te3、Bi2O3、Bi2S3、Bi2Se3、Bi2Te3等の第15族元素と第16族元素との化合物;
MgS、MgSe、MgTe、CaS、CaSe、CaTe、SrS、SrSe、SrTe、BaS、BaSe、BaTe等
の第2族元素と第16族元素との化合物;
Si、Ge等の第14族元素、第15族元素又は第16族元素の単体
を含む。
量子ドットは、単一の半導体材料からなる単層構造であってもよいし、単一の半導体材料からなる核粒子(コア層)の表面が、これとは異なる1種又は2種以上の半導体材料からなる被覆層(シェル層)によって被覆されたコアシェル構造であってもよい。後者の場合、シェル層を構成する半導体材料としては通常、コア層を構成する半導体材料よりもバンドギャップエネルギーが大きいものを用いる。量子ドットは、シェル層を2種以上有していてもよい。量子ドットの形状は特に限定されず、例えば、球状又は略球状、棒状、円盤状等であり得る。
ペロブスカイト化合物は、A、B及びXを成分とする、ペロブスカイト型結晶構造を有する化合物である。
Aは、ペロブスカイト型結晶構造において、Bを中心とする6面体の各頂点に位置する成分であって、1価の陽イオンである。
Xは、ペロブスカイト型結晶構造において、Bを中心とする8面体の各頂点に位置する成分を表し、ハロゲン化物イオン及びチオシアン酸イオンからなる群より選ばれる少なくとも一種のイオンである。
Bは、ペロブスカイト型結晶構造において、Aを頂点に配置する6面体及びXを頂点に配置する8面体の中心に位置する成分であって、金属イオンである。
Aは、ペロブスカイト型結晶構造において、Bを中心とする6面体の各頂点に位置する成分であって、1価の陽イオンである。
Xは、ペロブスカイト型結晶構造において、Bを中心とする8面体の各頂点に位置する成分を表し、ハロゲン化物イオン及びチオシアン酸イオンからなる群より選ばれる少なくとも一種のイオンである。
Bは、ペロブスカイト型結晶構造において、Aを頂点に配置する6面体及びXを頂点に配置する8面体の中心に位置する成分であって、金属イオンである。
ペロブスカイト化合物からなる半導体粒子の平均粒径は、良好に結晶構造を維持させる観点から、好ましくは3nm以上、より好ましくは4nm以上、さらに好ましくは5nm以上であり、また、通常50nm以下である。
A、B及びXを成分とするペロブスカイト化合物としては、特に限定されず、3次元構造、2次元構造、疑似2次元構造のいずれの構造を有する化合物であってもよい。
3次元構造の場合には、ペロブスカイト化合物は、ABX(3+δ)で表される。
2次元構造の場合には、ペロブスカイト化合物は、A2BX(4+δ)で表される。
ここで、δは、Bの電荷バランスに応じて適宜変更が可能な数であり、-0.7以上0.7以下である。
3次元構造の場合には、ペロブスカイト化合物は、ABX(3+δ)で表される。
2次元構造の場合には、ペロブスカイト化合物は、A2BX(4+δ)で表される。
ここで、δは、Bの電荷バランスに応じて適宜変更が可能な数であり、-0.7以上0.7以下である。
ペロブスカイト化合物であって、ABX(3+δ)で表される、3次元構造のペロブスカイト型の結晶構造を有する化合物の好ましい具体例としては、
CH3NH3PbBr3、CH3NH3PbCl3、CH3NH3PbI3、CH3NH3PbBr(3-y)Iy(0<y<3)、CH3NH3PbBr(3-y)Cly(0<y<3)、(H2N=CH-NH2)PbBr3、(H2N=CH-NH2)PbCl3、(H2N=CH-NH2)PbI3、
CH3NH3Pb(1-a)CaaBr3(0<a≦0.7)、CH3NH3Pb(1-a)SraBr3(0<a≦0.7)、CH3NH3Pb(1-a)LaaBr(3+δ)(0<a≦0.7,0<δ≦0.7)、CH3NH3Pb(1-a)BaaBr3(0<a≦0.7)、CH3NH3Pb(1-a)DyaBr(3+δ)(0<a≦0.7,0<δ≦0.7)、
CH3NH3Pb(1-a)NaaBr(3+δ)(0<a≦0.7,-0.7≦δ<0)、CH3NH3Pb(1-a)LiaBr(3+δ)(0<a≦0.7,-0.7≦δ<0)、
CsPb(1-a)NaaBr(3+δ)(0<a≦0.7,-0.7≦δ<0)、CsPb(1-a)LiaBr(3+δ)(0<a≦0.7,-0.7≦δ<0)、
CH3NH3Pb(1-a)NaaBr(3+δ-y)Iy(0<a≦0.7,-0.7≦δ<0,0<y<3)、CH3NH3Pb(1-a)LiaBr(3+δ-y)Iy(0<a≦0.7,-0.7≦δ<0,0<y<3)、CH3NH3Pb(1-a)NaaBr(3+δ-y)Cly(0<a≦0.7,-0.7≦δ<0,0<y<3)、CH3NH3Pb(1-a)LiaBr(3+δ-y)Cly(0<a≦0.7,-0.7≦δ<0,0<y<3)、
(H2N=CH-NH2)Pb(1-a)NaaBr(3+δ)(0<a≦0.7,-0.7≦δ<0)、(H2N=CH-NH2)Pb(1-a)LiaBr(3+δ)(0<a≦0.7,-0.7≦δ<0)、(H2N=CH-NH2)Pb(1-a)NaaBr(3+δ-y)Iy(0<a≦0.7,-0.7≦δ<0,0<y<3)、(H2N=CH-NH2)Pb(1-a)NaaBr(3+δ-y)Cly(0<a≦0.7,-0.7≦δ<0,0<y<3)、
CsPbBr3、CsPbCl3、CsPbI3、CsPbBr(3-y)Iy(0<y<3)、CsPbBr(3-y)Cly(0<y<3)、CH3NH3PbBr(3-y)Cly(0<y<3)、
CH3NH3Pb(1-a)ZnaBr3(0<a≦0.7)、CH3NH3Pb(1-a)AlaBr(3+δ)(0<a≦0.7,0≦δ≦0.7)、CH3NH3Pb(1-a)CoaBr3(0<a≦0.7)、CH3NH3Pb(1-a)MnaBr3(0<a≦0.7)、CH3NH3Pb(1-a)MgaBr3(0<a≦0.7)、
CsPb(1-a)ZnaBr3(0<a≦0.7)、CsPb(1-a)AlaBr(3+δ)(0<a≦0.7,0<δ≦0.7)、CsPb(1-a)CoaBr3(0<a≦0.7)、CsPb(1-a)MnaBr3(0<a≦0.7)、CsPb(1-a)MgaBr3(0<a≦0.7)、
CH3NH3Pb(1-a)ZnaBr(3-y)Iy(0<a≦0.7,0<y<3)、CH3NH3Pb(1-a)AlaBr(3+δ-y)Iy(0<a≦0.7,0<δ≦0.7,0<y<3)、CH3NH3Pb(1-a)CoaBr(3-y)Iy(0<a≦0.7,0<y<3)、CH3NH3Pb(1-a)MnaBr(3-y)Iy(0<a≦0.7,0<y<3)、CH3NH3Pb(1-a)MgaBr(3-y)Iy(0<a≦0.7,0<y<3)、CH3NH3Pb(1-a)ZnaBr(3-y)Cly(0<a≦0.7,0<y<3)、CH3NH3Pb(1-a)AlaBr(3+δ-y)Cly(0<a≦0.7,0<δ≦0.7,0<y<3)、CH3NH3Pb(1-a)CoaBr(3+δ-y)Cly(0<a≦0.7,0<y<3)、CH3NH3Pb(1-a)MnaBr(3-y)Cly(0<a≦0.7,0<y<3)、CH3NH3Pb(1-a)MgaBr(3-y)Cly(0<a≦0.7,0<y<3)、
(H2N=CH-NH2)ZnaBr3(0<a≦0.7)、(H2N=CH-NH2)MgaBr3(0<a≦0.7)、(H2N=CH-NH2)Pb(1-a)ZnaBr(3-y)Iy(0<a≦0.7,0<y<3)、(H2N=CH-NH2)Pb(1-a)ZnaBr(3-y)Cly(0<a≦0.7,0<y<3)等が挙げられる。
CH3NH3PbBr3、CH3NH3PbCl3、CH3NH3PbI3、CH3NH3PbBr(3-y)Iy(0<y<3)、CH3NH3PbBr(3-y)Cly(0<y<3)、(H2N=CH-NH2)PbBr3、(H2N=CH-NH2)PbCl3、(H2N=CH-NH2)PbI3、
CH3NH3Pb(1-a)CaaBr3(0<a≦0.7)、CH3NH3Pb(1-a)SraBr3(0<a≦0.7)、CH3NH3Pb(1-a)LaaBr(3+δ)(0<a≦0.7,0<δ≦0.7)、CH3NH3Pb(1-a)BaaBr3(0<a≦0.7)、CH3NH3Pb(1-a)DyaBr(3+δ)(0<a≦0.7,0<δ≦0.7)、
CH3NH3Pb(1-a)NaaBr(3+δ)(0<a≦0.7,-0.7≦δ<0)、CH3NH3Pb(1-a)LiaBr(3+δ)(0<a≦0.7,-0.7≦δ<0)、
CsPb(1-a)NaaBr(3+δ)(0<a≦0.7,-0.7≦δ<0)、CsPb(1-a)LiaBr(3+δ)(0<a≦0.7,-0.7≦δ<0)、
CH3NH3Pb(1-a)NaaBr(3+δ-y)Iy(0<a≦0.7,-0.7≦δ<0,0<y<3)、CH3NH3Pb(1-a)LiaBr(3+δ-y)Iy(0<a≦0.7,-0.7≦δ<0,0<y<3)、CH3NH3Pb(1-a)NaaBr(3+δ-y)Cly(0<a≦0.7,-0.7≦δ<0,0<y<3)、CH3NH3Pb(1-a)LiaBr(3+δ-y)Cly(0<a≦0.7,-0.7≦δ<0,0<y<3)、
(H2N=CH-NH2)Pb(1-a)NaaBr(3+δ)(0<a≦0.7,-0.7≦δ<0)、(H2N=CH-NH2)Pb(1-a)LiaBr(3+δ)(0<a≦0.7,-0.7≦δ<0)、(H2N=CH-NH2)Pb(1-a)NaaBr(3+δ-y)Iy(0<a≦0.7,-0.7≦δ<0,0<y<3)、(H2N=CH-NH2)Pb(1-a)NaaBr(3+δ-y)Cly(0<a≦0.7,-0.7≦δ<0,0<y<3)、
CsPbBr3、CsPbCl3、CsPbI3、CsPbBr(3-y)Iy(0<y<3)、CsPbBr(3-y)Cly(0<y<3)、CH3NH3PbBr(3-y)Cly(0<y<3)、
CH3NH3Pb(1-a)ZnaBr3(0<a≦0.7)、CH3NH3Pb(1-a)AlaBr(3+δ)(0<a≦0.7,0≦δ≦0.7)、CH3NH3Pb(1-a)CoaBr3(0<a≦0.7)、CH3NH3Pb(1-a)MnaBr3(0<a≦0.7)、CH3NH3Pb(1-a)MgaBr3(0<a≦0.7)、
CsPb(1-a)ZnaBr3(0<a≦0.7)、CsPb(1-a)AlaBr(3+δ)(0<a≦0.7,0<δ≦0.7)、CsPb(1-a)CoaBr3(0<a≦0.7)、CsPb(1-a)MnaBr3(0<a≦0.7)、CsPb(1-a)MgaBr3(0<a≦0.7)、
CH3NH3Pb(1-a)ZnaBr(3-y)Iy(0<a≦0.7,0<y<3)、CH3NH3Pb(1-a)AlaBr(3+δ-y)Iy(0<a≦0.7,0<δ≦0.7,0<y<3)、CH3NH3Pb(1-a)CoaBr(3-y)Iy(0<a≦0.7,0<y<3)、CH3NH3Pb(1-a)MnaBr(3-y)Iy(0<a≦0.7,0<y<3)、CH3NH3Pb(1-a)MgaBr(3-y)Iy(0<a≦0.7,0<y<3)、CH3NH3Pb(1-a)ZnaBr(3-y)Cly(0<a≦0.7,0<y<3)、CH3NH3Pb(1-a)AlaBr(3+δ-y)Cly(0<a≦0.7,0<δ≦0.7,0<y<3)、CH3NH3Pb(1-a)CoaBr(3+δ-y)Cly(0<a≦0.7,0<y<3)、CH3NH3Pb(1-a)MnaBr(3-y)Cly(0<a≦0.7,0<y<3)、CH3NH3Pb(1-a)MgaBr(3-y)Cly(0<a≦0.7,0<y<3)、
(H2N=CH-NH2)ZnaBr3(0<a≦0.7)、(H2N=CH-NH2)MgaBr3(0<a≦0.7)、(H2N=CH-NH2)Pb(1-a)ZnaBr(3-y)Iy(0<a≦0.7,0<y<3)、(H2N=CH-NH2)Pb(1-a)ZnaBr(3-y)Cly(0<a≦0.7,0<y<3)等が挙げられる。
ペロブスカイト化合物であって、A2BX(4+δ)で表される、2次元構造のペロブスカイト型の結晶構造を有する化合物の好ましい具体例としては、
(C4H9NH3)2PbBr4、(C4H9NH3)2PbCl4、(C4H9NH3)2PbI4、(C7H15NH3)2PbBr4、(C7H15NH3)2PbCl4、(C7H15NH3)2PbI4、(C4H9NH3)2Pb(1-a)LiaBr(4+δ)(0<a≦0.7,-0.7≦δ<0)、(C4H9NH3)2Pb(1-a)NaaBr(4+δ)(0<a≦0.7,-0.7≦δ<0)、(C4H9NH3)2Pb(1-a)RbaBr(4+δ)(0<a≦0.7,-0.7≦δ<0)、
(C7H15NH3)2Pb(1-a)NaaBr(4+δ)(0<a≦0.7,-0.7≦δ<0)、(C7H15NH3)2Pb(1-a)LiaBr(4+δ)(0<a≦0.7,-0.7≦δ<0)、(C7H15NH3)2Pb(1-a)RbaBr(4+δ)(0<a≦0.7,-0.7≦δ<0)、
(C4H9NH3)2Pb(1-a)NaaBr(4+δ-y)Iy(0<a≦0.7,-0.7≦δ<0,0<y<4)、(C4H9NH3)2Pb(1-a)LiaBr(4+δ-y)Iy(0<a≦0.7,-0.7≦δ<0,0<y<4)、(C4H9NH3)2Pb(1-a)RbaBr(4+δ-y)Iy(0<a≦0.7,-0.7≦δ<0,0<y<4)、
(C4H9NH3)2Pb(1-a)NaaBr(4+δ-y)Cly(0<a≦0.7,-0.7≦δ<0,0<y<4)、(C4H9NH3)2Pb(1-a)LiaBr(4+δ-y)Cly(0<a≦0.7,-0.7≦δ<0,0<y<4)、(C4H9NH3)2Pb(1-a)RbaBr(4+δ-y)Cly(0<a≦0.7,-0.7≦δ<0,0<y<4)、
(C4H9NH3)2PbBr4、(C7H15NH3)2PbBr4、
(C4H9NH3)2PbBr(4-y)Cly(0<y<4)、(C4H9NH3)2PbBr(4-y)Iy(0<y<4)、
(C4H9NH3)2Pb(1-a)ZnaBr4(0<a≦0.7)、(C4H9NH3)2Pb(1-a)MgaBr4(0<a≦0.7)、(C4H9NH3)2Pb(1-a)CoaBr4(0<a≦0.7)、(C4H9NH3)2Pb(1-a)MnaBr4(0<a≦0.7)、
(C7H15NH3)2Pb(1-a)ZnaBr4(0<a≦0.7)、(C7H15NH3)2Pb(1-a)MgaBr4(0<a≦0.7)、(C7H15NH3)2Pb(1-a)CoaBr4(0<a≦0.7)、(C7H15NH3)2Pb(1-a)MnaBr4(0<a≦0.7)、
(C4H9NH3)2Pb(1-a)ZnaBr(4-y)Iy(0<a≦0.7,0<y<4)、(C4H9NH3)2Pb(1-a)MgaBr(4-y)Iy(0<a≦0.7,0<y<4)、(C4H9NH3)2Pb(1-a)CoaBr(4-y)Iy(0<a≦0.7,0<y<4)、(C4H9NH3)2Pb(1-a)MnaBr(4-y)Iy(0<a≦0.7,0<y<4)、
(C4H9NH3)2Pb(1-a)ZnaBr(4-y)Cly(0<a≦0.7,0<y<4)、(C4H9NH3)2Pb(1-a)MgaBr(4-y)Cly(0<a≦0.7,0<y<4)、(C4H9NH3)2Pb(1-a)CoaBr(4-y)Cly(0<a≦0.7,0<y<4)、(C4H9NH3)2Pb(1-a)MnaBr(4-y)Cly(0<a≦0.7,0<y<4)等が挙げられる。
(C4H9NH3)2PbBr4、(C4H9NH3)2PbCl4、(C4H9NH3)2PbI4、(C7H15NH3)2PbBr4、(C7H15NH3)2PbCl4、(C7H15NH3)2PbI4、(C4H9NH3)2Pb(1-a)LiaBr(4+δ)(0<a≦0.7,-0.7≦δ<0)、(C4H9NH3)2Pb(1-a)NaaBr(4+δ)(0<a≦0.7,-0.7≦δ<0)、(C4H9NH3)2Pb(1-a)RbaBr(4+δ)(0<a≦0.7,-0.7≦δ<0)、
(C7H15NH3)2Pb(1-a)NaaBr(4+δ)(0<a≦0.7,-0.7≦δ<0)、(C7H15NH3)2Pb(1-a)LiaBr(4+δ)(0<a≦0.7,-0.7≦δ<0)、(C7H15NH3)2Pb(1-a)RbaBr(4+δ)(0<a≦0.7,-0.7≦δ<0)、
(C4H9NH3)2Pb(1-a)NaaBr(4+δ-y)Iy(0<a≦0.7,-0.7≦δ<0,0<y<4)、(C4H9NH3)2Pb(1-a)LiaBr(4+δ-y)Iy(0<a≦0.7,-0.7≦δ<0,0<y<4)、(C4H9NH3)2Pb(1-a)RbaBr(4+δ-y)Iy(0<a≦0.7,-0.7≦δ<0,0<y<4)、
(C4H9NH3)2Pb(1-a)NaaBr(4+δ-y)Cly(0<a≦0.7,-0.7≦δ<0,0<y<4)、(C4H9NH3)2Pb(1-a)LiaBr(4+δ-y)Cly(0<a≦0.7,-0.7≦δ<0,0<y<4)、(C4H9NH3)2Pb(1-a)RbaBr(4+δ-y)Cly(0<a≦0.7,-0.7≦δ<0,0<y<4)、
(C4H9NH3)2PbBr4、(C7H15NH3)2PbBr4、
(C4H9NH3)2PbBr(4-y)Cly(0<y<4)、(C4H9NH3)2PbBr(4-y)Iy(0<y<4)、
(C4H9NH3)2Pb(1-a)ZnaBr4(0<a≦0.7)、(C4H9NH3)2Pb(1-a)MgaBr4(0<a≦0.7)、(C4H9NH3)2Pb(1-a)CoaBr4(0<a≦0.7)、(C4H9NH3)2Pb(1-a)MnaBr4(0<a≦0.7)、
(C7H15NH3)2Pb(1-a)ZnaBr4(0<a≦0.7)、(C7H15NH3)2Pb(1-a)MgaBr4(0<a≦0.7)、(C7H15NH3)2Pb(1-a)CoaBr4(0<a≦0.7)、(C7H15NH3)2Pb(1-a)MnaBr4(0<a≦0.7)、
(C4H9NH3)2Pb(1-a)ZnaBr(4-y)Iy(0<a≦0.7,0<y<4)、(C4H9NH3)2Pb(1-a)MgaBr(4-y)Iy(0<a≦0.7,0<y<4)、(C4H9NH3)2Pb(1-a)CoaBr(4-y)Iy(0<a≦0.7,0<y<4)、(C4H9NH3)2Pb(1-a)MnaBr(4-y)Iy(0<a≦0.7,0<y<4)、
(C4H9NH3)2Pb(1-a)ZnaBr(4-y)Cly(0<a≦0.7,0<y<4)、(C4H9NH3)2Pb(1-a)MgaBr(4-y)Cly(0<a≦0.7,0<y<4)、(C4H9NH3)2Pb(1-a)CoaBr(4-y)Cly(0<a≦0.7,0<y<4)、(C4H9NH3)2Pb(1-a)MnaBr(4-y)Cly(0<a≦0.7,0<y<4)等が挙げられる。
樹脂組成物は、光源から放射される光により特定波長の光を発光する半導体粒子(A)を1種のみを含有していてもよく、異なる波長の光を発光する半導体粒子(A)を2種以上組み合わせて含有していてもよい。例えば、樹脂組成物は、光源から放射される光により特定波長の光を発光する量子ドットを1種のみを含有していてもよく、異なる波長の光を発光する量子ドットを2種以上組み合わせて含有していてもよい。上記特定波長の光としては、例えば、赤色光、緑色光、青色光が挙げられる。
樹脂組成物における半導体粒子(A)の含有率は、樹脂組成物の固形分の総量に対して、例えば1質量%以上60質量%以下であり、好ましくは10質量%以上50質量%以下、より好ましくは10質量%以上40質量%以下、さらに好ましくは10質量%以上30質量%以下、なおさらに好ましくは10質量%以上20質量%以下である。
本明細書において固形分の総量とは、樹脂組成物に含まれる成分のうち、溶剤(G)を除いた成分の合計を意味する。樹脂組成物の固形分中の含有率は、液体クロマトグラフィ又はガスクロマトグラフィ等の公知の分析手段で測定することができる。樹脂組成物の固形分中における各成分の含有率は、該樹脂組成物調製時の配合から算出されてもよい。
本明細書において固形分の総量とは、樹脂組成物に含まれる成分のうち、溶剤(G)を除いた成分の合計を意味する。樹脂組成物の固形分中の含有率は、液体クロマトグラフィ又はガスクロマトグラフィ等の公知の分析手段で測定することができる。樹脂組成物の固形分中における各成分の含有率は、該樹脂組成物調製時の配合から算出されてもよい。
[2]有機配位子(F)
半導体粒子(A)は、有機配位子が配位した状態で樹脂組成物中に存在していてもよい。以下、有機配位子が配位している半導体粒子を配位子含有半導体粒子ともいう。半導体粒子に配位する有機配位子は、例えば、半導体粒子に対する配位能を示す極性基を有する有機化合物である。有機配位子は、配位子含有半導体粒子の合成上の制約から、又は、安定化のために添加した有機配位子であってもよい。例えば、特表2015-529698号公報において、配位子含有半導体粒子は、粒子サイズ制御の観点から有機配位子としてヘキサン酸を含み、また、合成後の安定化のために有機配位子をDDSA(ドデセニルコハク酸)に置換している。
有機配位子は、例えば半導体粒子(A)の表面に配位することができる。樹脂組成物は、1種又は2種以上の有機配位子(F)を含むことができる。有機配位子(F)を含む樹脂組成物から形成される樹脂膜は、有機配位子(F)を含む。
半導体粒子(A)は、有機配位子が配位した状態で樹脂組成物中に存在していてもよい。以下、有機配位子が配位している半導体粒子を配位子含有半導体粒子ともいう。半導体粒子に配位する有機配位子は、例えば、半導体粒子に対する配位能を示す極性基を有する有機化合物である。有機配位子は、配位子含有半導体粒子の合成上の制約から、又は、安定化のために添加した有機配位子であってもよい。例えば、特表2015-529698号公報において、配位子含有半導体粒子は、粒子サイズ制御の観点から有機配位子としてヘキサン酸を含み、また、合成後の安定化のために有機配位子をDDSA(ドデセニルコハク酸)に置換している。
有機配位子は、例えば半導体粒子(A)の表面に配位することができる。樹脂組成物は、1種又は2種以上の有機配位子(F)を含むことができる。有機配位子(F)を含む樹脂組成物から形成される樹脂膜は、有機配位子(F)を含む。
有機配位子の極性基は、例えば、チオール基(-SH)、カルボキシ基(-COOH)及びアミノ基(-NH2)からなる群より選択される少なくとも1種の基であることが好ましい。該群より選択される極性基は、半導体粒子(A)への配位性を高めるうえで有利となり得る。高い配位性は、樹脂組成物における半導体粒子(A)の安定性及び分散性向上、並びに、樹脂膜の発光強度向上等に寄与し得る。中でも、極性基は、チオール基及びカルボキシ基からなる群より選択される少なくとも1種の基であることがより好ましい。有機配位子(F)は、1個又は2個以上の極性基を有し得る。
有機配位子は、例えば、下記式(X):
XA-RX (X)
で表される有機化合物であることができる。式中、XAは上記の極性基であり、RXはヘテロ原子(N、O、S、ハロゲン原子等)を含んでいてもよい1価の炭化水素基である。該炭化水素基は、炭素-炭素二重結合等の不飽和結合を1個又は2個以上有していてもよい。該炭化水素基は、直鎖状、分岐鎖状又は環状構造を有していてもよい。該炭化水素基の炭素数は、例えば1以上40以下であり、1以上30以下であってもよい。該炭化水素基に含まれるメチレン基は、-O-、-S-、-C(=O)-、-C(=O)-O-、-O-C(=O)-、-C(=O)-NH-、-NH-等で置換されていてもよい。
XA-RX (X)
で表される有機化合物であることができる。式中、XAは上記の極性基であり、RXはヘテロ原子(N、O、S、ハロゲン原子等)を含んでいてもよい1価の炭化水素基である。該炭化水素基は、炭素-炭素二重結合等の不飽和結合を1個又は2個以上有していてもよい。該炭化水素基は、直鎖状、分岐鎖状又は環状構造を有していてもよい。該炭化水素基の炭素数は、例えば1以上40以下であり、1以上30以下であってもよい。該炭化水素基に含まれるメチレン基は、-O-、-S-、-C(=O)-、-C(=O)-O-、-O-C(=O)-、-C(=O)-NH-、-NH-等で置換されていてもよい。
基RXは、極性基を含んでいてもよい。該極性基の具体例については極性基XAに係る上記記述が引用される。
極性基XAとしてカルボキシ基を有する有機配位子の具体例として、ギ酸、酢酸、プロピオン酸のほか、飽和又は不飽和脂肪酸を挙げることができる。飽和又は不飽和脂肪酸の具体例は、ブチル酸、ペンタン酸、カプロン酸、カプリル酸、カプリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、ペンタデシル酸、パルミチン酸、マルガリン酸、ステアリン酸、アラキジン酸、ベヘン酸、リグノセリン酸等の飽和脂肪酸;ミリストレイン酸、パルミトレイン酸、オレイン酸、イコセン酸、エルカ酸、ネルボン酸等の一価不飽和脂肪酸;リノール酸、α-リノレン酸、γ-リノレン酸、ステアドリン酸、ジホモ-γ-リノレン酸、アラキドン酸、エイコサテトラエン酸、ドコサジエン酸、アドレン酸(ドコサテトラエン酸)等の多価不飽和脂肪酸を含む。
極性基XAとしてチオール基又はアミノ基を有する有機配位子の具体例は、上で例示した極性基XAとしてカルボキシ基を有する有機配位子のカルボキシ基がチオール基又はアミノ基に置き換わった有機配位子を含む。
上記のほか、上記式(X)で表される有機配位子としては、化合物(F-1)及び化合物(F-2)が挙げられる。
〔化合物(F-1)〕
化合物(F-1)は、第1官能基及び第2官能基を有する化合物である。第1官能基はカルボキシ基(-COOH)であり、第2官能基はカルボキシ基又はチオール基(-SH)である。化合物(F-1)は、カルボキシ基及び/又はチオール基を有しているため、半導体粒子(A)に配位する配位子となり得る。化合物(F-1)を樹脂組成物に含有させることは、半導体粒子(A)の安定性及び分散性、並びに、樹脂膜の発光強度を向上させるうえで有利である。
樹脂組成物は、化合物(F-1)を1種のみ含んでいてもよいし2種以上含んでいてもよい。
化合物(F-1)は、第1官能基及び第2官能基を有する化合物である。第1官能基はカルボキシ基(-COOH)であり、第2官能基はカルボキシ基又はチオール基(-SH)である。化合物(F-1)は、カルボキシ基及び/又はチオール基を有しているため、半導体粒子(A)に配位する配位子となり得る。化合物(F-1)を樹脂組成物に含有させることは、半導体粒子(A)の安定性及び分散性、並びに、樹脂膜の発光強度を向上させるうえで有利である。
樹脂組成物は、化合物(F-1)を1種のみ含んでいてもよいし2種以上含んでいてもよい。
化合物(F-1)の一例は、下記式(F-1a)で表される化合物である。化合物(F-1)は、式(F-1a)で表される化合物の酸無水物であってもよい。
[式中、RBは、2価の炭化水素基を表す。複数のRBが存在する場合、それらは同一でも異なっていてもよい。上記炭化水素基は1以上の置換基を有していてもよい。置換基が複数存在する場合、それらは同一でも異なっていてもよく、それらは互いに結合して、それぞれが結合する原子とともに環を形成していてもよい。上記炭化水素基に含まれる-CH2-は-O-、-S-、-SO2-、-CO-及び-NH-の少なくとも1つに置き換わっていてもよい。
pは、1~10の整数を表す。]
RBで表される2価の炭化水素基としては、例えば、鎖状炭化水素基、脂環式炭化水素基、芳香族炭化水素基等が挙げられる。
鎖状炭化水素基としては、例えば、直鎖状又は分岐状のアルカンジイル基が挙げられ、その炭素数は通常1~50であり、好ましくは1~20、より好ましくは1~10である。脂環式炭化水素基としては、例えば、単環式又多環式のシクロアルカンジイル基が挙げられ、その炭素数は通常3~50であり、好ましくは3~20、より好ましくは3~10である。芳香族炭化水素基としては、例えば、単環式又多環式のアレーンジイル基が挙げられ、その炭素数は通常6~20である。
上記炭化水素基が有していてもよい置換基としては、例えば、炭素数1~50のアルキル基、炭素数3~50のシクロアルキル基、炭素数6~20のアリール基、カルボキシ基、アミノ基、ハロゲン原子等が挙げられる。上記炭化水素基が有していてもよい置換基は、好ましくは、カルボキシ基、アミノ基又はハロゲン原子である。
上記炭化水素基に含まれる-CH2-が-O-、-CO-及び-NH-の少なくとも1つに置き換わる場合、-CH2-が置き換わるのは、好ましくは-CO-及び-NH-の少なくとも1つであり、より好ましくは-NH-である。pは、好ましくは1又は2である。
式(F-1a)で表される化合物としては、例えば、下記式(1-1)~(1-9)で表される化合物が挙げられる。
式(F-1a)で表される化合物の具体例を化学名で示せば、例えば、メルカプト酢酸、2-メルカプトプロピオン酸、3-メルカプトプロピオン酸、3-メルカプトブタン酸、4-メルカプトブタン酸、メルカプトコハク酸、メルカプトステアリン酸、メルカプトオクタン酸、4-メルカプト安息香酸、2,3,5,6-テトラフルオロ-4-メルカプト安息香酸、L-システイン、N-アセチル-L-システイン、3-メルカプトプロピオン酸3-メトキシブチル、3-メルカプト-2-メチルプロピオン酸等が挙げられる。中でも3-メルカプトプロピオン酸、メルカプトコハク酸が好ましい。
化合物(F-1)の他の一例は、多価カルボン酸化合物であり、好ましくは上記式(F-1a)で表される化合物において、式(F-1a)中の-SHがカルボキシ基(-COOH)に置き換わった化合物(F-1b)が挙げられる。
化合物(F-1b)としては、例えば、以下の化合物が挙げられる。
コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、オクタフルオロアジピン酸、アゼライン酸、ドデカン二酸、テトラデカン二酸、ヘキサデカン二酸、ヘプタデカン二酸、オクタデカン二酸、ノナデカン二酸、ドデカフルオロスベリン酸、3-エチル-3-メチルグルタル酸、ヘキサフルオログルタル酸、trans-3-ヘキセン二酸、セバシン酸、ヘキサデカフルオロセバシン酸、アセチレンジカルボン酸、trans-アコニット酸、1,3-アダマンタンジカルボン酸、ビシクロ[2.2.2]オクタン-1,4-ジカルボン酸、cis-4-シクロヘキセン-1,2-ジカルボン酸、1,1-シクロプロパンジカルボン酸、1,1-シクロブタンジカルボン酸、cis-又はtrans-1,3-シクロヘキサンジカルボン酸、cis-又はtrans-1,4-シクロヘキサンジカルボン酸、1,1-シクロペンタン二酢酸、1,2,3,4-シクロペンタンテトラカルボン酸、デカヒドロ-1,4-ナフタレンジカルボン酸、2,3-ノルボルナンジカルボン酸、5-ノルボルネン-2,3-ジカルボン酸、フタル酸、3-フルオロフタル酸、イソフタル酸、テトラフルオロイソフタル酸、テレフタル酸、テトラフルオロテレフタル酸、2,5-ジメチルテレフタル酸、2,6-ナフタレンジカルボン酸、2,3-ナフタレンジカルボン酸、1,4-ナフタレンジカルボン酸、1,1’-フェロセンジカルボン酸、2,2’-ビフェニルジカルボン酸、4,4’-ビフェニルジカルボン酸、2,5-フランジカルボン酸、ベンゾフェノン-2,4’-ジカルボン酸一水和物、ベンゾフェノン-4,4’-ジカルボン酸、2,3-ピラジンジカルボン酸、2,3-ピリジンジカルボン酸、2,4-ピリジンジカルボン酸、3,5-ピリジンジカルボン酸、2,5-ピリジンジカルボン酸、2,6-ピリジンジカルボン酸、3,4-ピリジンジカルボン酸、ピラゾール-3,5-ジカルボン酸一水和物、4,4’-スチルベンジカルボン酸、アントラキノン-2,3-ジカルボン酸、4-(カルボキシメチル)安息香酸、ケリドン酸一水和物、アゾベンゼン-4,4’-ジカルボン酸、アゾベンゼン-3,3’-ジカルボン酸、クロレンド酸、1H-イミダゾール-4,5-ジカルボン酸、2,2-ビス(4-カルボキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン、1,10-ビス(4-カルボキシフェノキシ)デカン、ジプロピルマロン酸、ジチオジグリコール酸、3,3’-ジチオジプロピオン酸、4,4’-ジチオジブタン酸、4,4’-ジカルボキシジフェニルエーテル、4,4’-ジカルボキシジフェニルスルホン、エチレングリコール ビス(4-カルボキシフェニル)エーテル、3,4-エチレンジオキシチオフェン-2,5-ジカルボン酸、4,4’-イソプロピリデンジフェノキシ酢酸、1,3-アセトンジカルボン酸、メチレンジサリチル酸、5,5’-チオジサリチル酸、トリス(2-カルボキシエチル)イソシアヌレート、テトラフルオロコハク酸、α,α,α’,α’-テトラメチル-1,3-ベンゼンジプロピオン酸、1,3,5-ベンゼントリカルボン酸等。
コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、オクタフルオロアジピン酸、アゼライン酸、ドデカン二酸、テトラデカン二酸、ヘキサデカン二酸、ヘプタデカン二酸、オクタデカン二酸、ノナデカン二酸、ドデカフルオロスベリン酸、3-エチル-3-メチルグルタル酸、ヘキサフルオログルタル酸、trans-3-ヘキセン二酸、セバシン酸、ヘキサデカフルオロセバシン酸、アセチレンジカルボン酸、trans-アコニット酸、1,3-アダマンタンジカルボン酸、ビシクロ[2.2.2]オクタン-1,4-ジカルボン酸、cis-4-シクロヘキセン-1,2-ジカルボン酸、1,1-シクロプロパンジカルボン酸、1,1-シクロブタンジカルボン酸、cis-又はtrans-1,3-シクロヘキサンジカルボン酸、cis-又はtrans-1,4-シクロヘキサンジカルボン酸、1,1-シクロペンタン二酢酸、1,2,3,4-シクロペンタンテトラカルボン酸、デカヒドロ-1,4-ナフタレンジカルボン酸、2,3-ノルボルナンジカルボン酸、5-ノルボルネン-2,3-ジカルボン酸、フタル酸、3-フルオロフタル酸、イソフタル酸、テトラフルオロイソフタル酸、テレフタル酸、テトラフルオロテレフタル酸、2,5-ジメチルテレフタル酸、2,6-ナフタレンジカルボン酸、2,3-ナフタレンジカルボン酸、1,4-ナフタレンジカルボン酸、1,1’-フェロセンジカルボン酸、2,2’-ビフェニルジカルボン酸、4,4’-ビフェニルジカルボン酸、2,5-フランジカルボン酸、ベンゾフェノン-2,4’-ジカルボン酸一水和物、ベンゾフェノン-4,4’-ジカルボン酸、2,3-ピラジンジカルボン酸、2,3-ピリジンジカルボン酸、2,4-ピリジンジカルボン酸、3,5-ピリジンジカルボン酸、2,5-ピリジンジカルボン酸、2,6-ピリジンジカルボン酸、3,4-ピリジンジカルボン酸、ピラゾール-3,5-ジカルボン酸一水和物、4,4’-スチルベンジカルボン酸、アントラキノン-2,3-ジカルボン酸、4-(カルボキシメチル)安息香酸、ケリドン酸一水和物、アゾベンゼン-4,4’-ジカルボン酸、アゾベンゼン-3,3’-ジカルボン酸、クロレンド酸、1H-イミダゾール-4,5-ジカルボン酸、2,2-ビス(4-カルボキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン、1,10-ビス(4-カルボキシフェノキシ)デカン、ジプロピルマロン酸、ジチオジグリコール酸、3,3’-ジチオジプロピオン酸、4,4’-ジチオジブタン酸、4,4’-ジカルボキシジフェニルエーテル、4,4’-ジカルボキシジフェニルスルホン、エチレングリコール ビス(4-カルボキシフェニル)エーテル、3,4-エチレンジオキシチオフェン-2,5-ジカルボン酸、4,4’-イソプロピリデンジフェノキシ酢酸、1,3-アセトンジカルボン酸、メチレンジサリチル酸、5,5’-チオジサリチル酸、トリス(2-カルボキシエチル)イソシアヌレート、テトラフルオロコハク酸、α,α,α’,α’-テトラメチル-1,3-ベンゼンジプロピオン酸、1,3,5-ベンゼントリカルボン酸等。
半導体粒子(A)の安定性及び分散性、並びに、樹脂膜の発光強度を向上させる観点から、化合物(F-1)の分子量は、好ましくは3000以下、より好ましくは2500以下、さらに好ましくは2000以下、なおさらに好ましくは1000以下、特に好ましくは800以下、最も好ましくは500以下である。化合物(F-1)の分子量は、通常100以上である。
上記分子量は、数平均分子量であってもよいし重量平均分子量であってもよい。この場合、数平均分子量及び重量平均分子量はそれぞれ、ゲルパーミエーションクロマトグラフィ(GPC)により測定される標準ポリスチレン換算の数平均分子量及び重量平均分子量である。
樹脂組成物において化合物(F-1)は、その少なくとも一部の分子が半導体粒子(A)に配位していることが好ましく、そのすべて又はほぼすべての分子が半導体粒子(A)に配位していてもよい。すなわち、樹脂組成物は、半導体粒子(A)に配位している化合物(F-1)を含むことが好ましいが、半導体粒子(A)に配位している化合物(F-1)とともに、半導体粒子(A)に配位していない化合物(F-1)を含んでいてもよい。
半導体粒子(A)に配位している化合物(F-1)を含むことは、半導体粒子(A)の安定性及び分散性、並びに、樹脂膜の発光強度を向上させる観点から有利となり得る。化合物(F-1)は通常、第1官能基及び/又は第2官能基を介して半導体粒子(A)に配位することができる。化合物(F-1)は、例えば半導体粒子(A)の表面に配位することができる。
樹脂組成物が化合物(F-1)を含む場合、樹脂組成物中の半導体粒子(A)に対する化合物(F-1)の含有量比は、質量比で、好ましくは0.001以上1以下、より好ましくは0.01以上0.5以下、さらに好ましくは0.02以上0.45以下である。該含有量比がこの範囲にあると、半導体粒子(A)の安定性及び分散性、並びに、樹脂膜の発光強度を向上させる観点から有利となり得る。
樹脂組成物が化合物(F-1)を含む場合、樹脂組成物における化合物(F-1)の含有率は、半導体粒子(A)の安定性及び分散性、並びに、樹脂膜の発光強度を向上させる観点から、樹脂組成物の固形分の総量に対して、好ましくは0.1質量%以上20質量%以下、より好ましくは0.2質量%以上20質量%以下、さらに好ましくは0.2質量%以上10質量%以下、なおさらに好ましくは0.5質量%以上10質量%以下、特に好ましくは0.5質量%以上8質量%以下である。
〔化合物(F-2)〕
化合物(F-2)は、化合物(F-1)とは異なる化合物であって、ポリアルキレングリコール構造を含み、かつ極性基を分子末端に有する化合物である。分子末端とは、化合物(F-2)中、最も長い炭素鎖(炭素鎖中の炭素原子は、酸素原子等の他の原子に置き換わっていてもよい。)の末端であることが好ましい。
樹脂組成物は、化合物(F-2)を1種のみ含んでいてもよいし2種以上含んでいてもよい。樹脂組成物は、化合物(F-1)又は化合物(F-2)を含んでいてもよいし、化合物(F-1)及び化合物(F-2)を含んでいてもよい。
なお、ポリアルキレングリコール構造を含み、上記第1官能基及び第2官能基を有する化合物は、化合物(F-1)に属するものとする。
化合物(F-2)は、化合物(F-1)とは異なる化合物であって、ポリアルキレングリコール構造を含み、かつ極性基を分子末端に有する化合物である。分子末端とは、化合物(F-2)中、最も長い炭素鎖(炭素鎖中の炭素原子は、酸素原子等の他の原子に置き換わっていてもよい。)の末端であることが好ましい。
樹脂組成物は、化合物(F-2)を1種のみ含んでいてもよいし2種以上含んでいてもよい。樹脂組成物は、化合物(F-1)又は化合物(F-2)を含んでいてもよいし、化合物(F-1)及び化合物(F-2)を含んでいてもよい。
なお、ポリアルキレングリコール構造を含み、上記第1官能基及び第2官能基を有する化合物は、化合物(F-1)に属するものとする。
ポリアルキレングリコール構造とは、下記式:
化合物(F-2)の具体例として、下記式(F-2a)で表されるポリアルキレングリコール系化合物を挙げることができる。
式(F-2a)中、Xは極性基であり、Yは1価の基であり、ZCは2価又は3価の基である。nは2以上の整数である。mは1又は2である。RCはアルキレン基である。
樹脂組成物において化合物(F-2)は、その少なくとも一部の分子が半導体粒子(A)に配位していることが好ましく、そのすべて又はほぼすべての分子が半導体粒子(A)に配位していてもよい。すなわち、樹脂組成物は、半導体粒子(A)に配位している化合物(F-2)を含むことが好ましいが、半導体粒子(A)に配位している化合物(F-2)とともに、半導体粒子(A)に配位していない化合物(F-2)を含んでいてもよい。
半導体粒子(A)に配位している化合物(F-2)を含むことは、半導体粒子(A)の安定性及び分散性、並びに、樹脂膜の発光強度を向上させる観点から有利となり得る。化合物(F-2a)は通常、極性基Xを介して半導体粒子(A)に配位することができる。基Yが極性基を含む場合、化合物(F-2a)は、基Yの極性基を介して、又は極性基X及び基Yの極性基を介して半導体粒子(A)に配位することもできる。化合物(F-2)は、例えば半導体粒子(A)の表面に配位することができる。
極性基Xは、チオール基(-SH)、カルボキシ基(-COOH)及びアミノ基(-NH2)からなる群より選択される少なくとも1種の基であることが好ましい。該群より選択される極性基は、半導体粒子(A)への配位性を高めるうえで有利となり得る。中でも、半導体粒子(A)の安定性及び分散性、並びに、樹脂膜の発光強度を向上させる観点から、極性基Xは、チオール基及びカルボキシ基からなる群より選択される少なくとも1種の基であることがより好ましい。
基Yは1価の基である。基Yとしては特に制限されず、置換基(N、O、S、ハロゲン原子等)を有していてもよい1価の炭化水素基を挙げることができる。該炭化水素基に含まれる-CH2-は、-O-、-S-、-C(=O)-、-C(=O)-O-、-O-C(=O)-、-C(=O)-NH-、-NH-等で置換されていてもよい。
上記炭化水素基の炭素数は、例えば1以上12以下である。該炭化水素基は、不飽和結合を有していてもよい。
基Yとしては、直鎖状、分岐鎖状又は環状構造を有する炭素数1以上12以下のアルキル基;直鎖状、分岐鎖状又は環状構造を有する炭素数1以上12以下のアルコキシ基等が挙げられる。該アルキル基及びアルコキシ基の炭素数は、好ましくは1以上8以下であり、より好ましくは1以上6以下であり、さらに好ましくは1以上4以下である。該アルキル基及びアルコキシ基に含まれる-CH2-は、-O-、-S-、-C(=O)-、-C(=O)-O-、-O-C(=O)-、-C(=O)-NH-、-NH-等で置換されていてもよい。中でも、基Yは、炭素数が1以上4以下である直鎖状又は分岐鎖状のアルコキシ基であることが好ましく、炭素数が1以上4以下である直鎖状のアルコキシ基であることがより好ましい。
基Yとしては、直鎖状、分岐鎖状又は環状構造を有する炭素数1以上12以下のアルキル基;直鎖状、分岐鎖状又は環状構造を有する炭素数1以上12以下のアルコキシ基等が挙げられる。該アルキル基及びアルコキシ基の炭素数は、好ましくは1以上8以下であり、より好ましくは1以上6以下であり、さらに好ましくは1以上4以下である。該アルキル基及びアルコキシ基に含まれる-CH2-は、-O-、-S-、-C(=O)-、-C(=O)-O-、-O-C(=O)-、-C(=O)-NH-、-NH-等で置換されていてもよい。中でも、基Yは、炭素数が1以上4以下である直鎖状又は分岐鎖状のアルコキシ基であることが好ましく、炭素数が1以上4以下である直鎖状のアルコキシ基であることがより好ましい。
基Yは、極性基を含んでいてもよい。該極性基としては、チオール基(-SH)、カルボキシ基(-COOH)及びアミノ基(-NH2)からなる群より選択される少なくとも1種の基が挙げられる。ただし、上述のとおり、ポリアルキレングリコール構造を含み、上記第1官能基及び第2官能基を有する化合物は、化合物(F-1)に属するものとする。該極性基は、好ましくは基Yの末端に配置される。
基ZCは2価又は3価の基である。基ZCとしては特に制限されず、ヘテロ原子(N、O、S、ハロゲン原子等)を含んでいてもよい2価又は3価の炭化水素基を挙げることができる。該炭化水素基の炭素数は、例えば1以上24以下である。該炭化水素基は、不飽和結合を有していてもよい。
2価の基である基ZCとしては、直鎖状、分岐鎖状又は環状構造を有する炭素数1以上24以下のアルキレン基;直鎖状、分岐鎖状又は環状構造を有する炭素数1以上24以下のアルケニレン基等が挙げられる。該アルキル基及びアルケニレン基の炭素数は、好ましくは1以上12以下であり、より好ましくは1以上8以下であり、さらに好ましくは1以上4以下である。該アルキル基及びアルケニレン基に含まれる-CH2-は、-O-、-S-、-C(=O)-、-C(=O)-O-、-O-C(=O)-、-C(=O)-NH-、-NH-等で置換されていてもよい。3価の基である基ZCの例としては、上記2価の基である基ZCから水素原子を1つ取り除いた基を挙げることができる。
基ZCは、分岐構造を有していてもよい。分岐構造を有する基ZCは、上記式(F-2a)に示されるポリアルキレングリコール構造を含む分岐鎖とは別の分岐鎖において、上記式(F-2a)に示されるポリアルキレングリコール構造とは別のポリアルキレングリコール構造を有していてもよい。
中でも、基ZCは、炭素数が1以上6以下である直鎖状又は分岐鎖状のアルキレン基であることが好ましく、炭素数が1以上4以下である直鎖状のアルキレン基であることがより好ましい。
RCはアルキレン基であり、炭素数が1以上6以下である直鎖状又は分岐鎖状のアルキレン基であることが好ましく、炭素数が1以上4以下である直鎖状のアルキレン基であることがより好ましい。
式(F-2a)中のnは2以上の整数であり、好ましくは2以上540以下であり、より好ましくは2以上120以下であり、さらに好ましくは2以上60以下である。
化合物(F-2)の分子量は、例えば150以上10000以下程度であり得るが、半導体粒子(A)の安定性及び分散性、並びに、樹脂膜の発光強度を向上させる観点から、150以上5000以下であることが好ましく、150以上4000以下であることがより好ましい。
上記分子量は、数平均分子量であってもよいし重量平均分子量であってもよい。この場合、数平均分子量及び重量平均分子量はそれぞれ、GPCにより測定される標準ポリスチレン換算の数平均分子量及び重量平均分子量である。
樹脂組成物が化合物(F-2)を含む場合、樹脂組成物中の半導体粒子(A)に対する化合物(F-2)の含有量比は、質量比で、好ましくは0.001以上2以下、より好ましくは0.01以上1.5以下、さらに好ましくは0.1以上1以下である。該含有量比がこの範囲にあると、半導体粒子(A)の安定性及び分散性、並びに、樹脂膜の発光強度を向上させる観点から有利となり得る。
樹脂組成物が化合物(F-2)を含む場合、樹脂組成物における化合物(F-2)の含有率は、半導体粒子(A)の安定性及び分散性、並びに、樹脂膜の発光強度を向上させる観点から、樹脂組成物の固形分の総量に対して、好ましくは0.1質量%以上40質量%以下、より好ましくは0.1質量%以上20質量%以下、さらに好ましくは1質量%以上15質量%以下、なおさらに好ましくは2質量%以上10質量%以下である。
樹脂組成物が化合物(F-1)及び化合物(F-2)を含む場合、樹脂組成物中の化合物(F-1)に対する化合物(F-2)の含有量比は、質量比で、好ましくは1以上50以下、より好ましくは5以上40以下、さらに好ましくは10以上25以下である。該含有量比がこの範囲にあると、半導体粒子(A)の安定性及び分散性、並びに、樹脂膜の発光強度を向上させる観点から有利となり得る。
樹脂組成物は、化合物(F-1)及び化合物(F-2)以外の化合物であって、半導体粒子(A)に対する配位能を有する化合物(F-3)をさらに含むことができる。化合物(F-3)としては、有機酸、有機アミン化合物、チオール化合物等が挙げられる。化合物(F-3)は、カルボキシ基及びアミノ基又はチオール基で変性されたシリコーンオイル等であってもよく、このような化合物(F-3)を樹脂組成物に含有させることにより、樹脂膜の特性(接触角、表面張力等の表面特性等)を調整し得る。なお、化合物(F-3)に、樹脂(B)、重合性化合物(C)、重合開始剤(D)、重合開始助剤(D1)、光散乱剤(E)、溶剤(G)、酸化防止剤(H)及びレベリング剤(I)は含まれない。
樹脂組成物が化合物(F-3)を含む場合、樹脂組成物中の半導体粒子(A)に対する化合物(F-3)の含有量比は、質量比で、好ましくは0.001以上2以下、より好ましくは0.01以上1.5以下、さらに好ましくは0.1以上1以下である。該含有量比がこの範囲にあると、半導体粒子(A)の安定性及び分散性、並びに、樹脂膜の発光強度を向上させる観点から有利となり得る。
樹脂組成物が化合物(F-3)を含む場合、樹脂組成物における化合物(F-3)の含有率は、半導体粒子(A)の安定性及び分散性、並びに、樹脂膜の発光強度を向上させる観点から、樹脂組成物の固形分の総量に対して、好ましくは0.1質量%以上40質量%以下、より好ましくは0.1質量%以上20質量%以下、さらに好ましくは0.2質量%以上15質量%以下、なおさらに好ましくは0.2質量%以上10質量%以下である。
樹脂組成物が有機配位子(F)を含む場合、樹脂組成物中の半導体粒子(A)に対する有機配位子(F)の含有量の比は、質量比で、好ましくは0.001以上1以下、より好ましくは0.01以上0.8以下、さらに好ましくは0.02以上0.5以下である。該含有量比がこの範囲にあると、半導体粒子(A)の安定性及び分散性、並びに、樹脂膜の発光強度を向上させる観点から有利となり得る。ここでいう有機配位子(F)の含有量とは、樹脂組成物に含まれるすべての有機配位子の合計含有量である。
樹脂組成物における半導体粒子(A)及び有機配位子(F)の合計含有率は、半導体粒子(A)の安定性及び分散性、並びに、樹脂膜の発光強度を向上させる観点から、樹脂組成物の固形分の総量に対して、好ましくは10質量%以上75質量%以下、より好ましくは12質量%以上70質量%以下、さらに好ましくは15質量%以上65質量%以下である。
[3]樹脂(B)
樹脂(B)は、1種又は2種以上の樹脂を含むことができる。樹脂(B)としては、以下の樹脂[K1]~[K4]等が挙げられる。
樹脂[K1];不飽和カルボン酸及び不飽和カルボン酸無水物からなる群より選ばれる少なくとも1種(a)(以下、「(a)」ともいう。)と、(a)と共重合可能な単量体(c)(ただし、(a)とは異なる。)(以下、「(c)」ともいう。)との共重合体;
樹脂[K2];(a)と(c)との共重合体に炭素数2~4の環状エーテル構造とエチレン性不飽和結合とを有する単量体(b)(以下、「(b)」ともいう。)を反応させた樹脂;
樹脂[K3];(b)と(c)との共重合体に(a)を反応させた樹脂;
樹脂[K4];(b)と(c)との共重合体に(a)を反応させ、さらにカルボン酸無水物を反応させた樹脂。
樹脂(B)は、1種又は2種以上の樹脂を含むことができる。樹脂(B)としては、以下の樹脂[K1]~[K4]等が挙げられる。
樹脂[K1];不飽和カルボン酸及び不飽和カルボン酸無水物からなる群より選ばれる少なくとも1種(a)(以下、「(a)」ともいう。)と、(a)と共重合可能な単量体(c)(ただし、(a)とは異なる。)(以下、「(c)」ともいう。)との共重合体;
樹脂[K2];(a)と(c)との共重合体に炭素数2~4の環状エーテル構造とエチレン性不飽和結合とを有する単量体(b)(以下、「(b)」ともいう。)を反応させた樹脂;
樹脂[K3];(b)と(c)との共重合体に(a)を反応させた樹脂;
樹脂[K4];(b)と(c)との共重合体に(a)を反応させ、さらにカルボン酸無水物を反応させた樹脂。
(a)としては、例えば、(メタ)アクリル酸、クロトン酸、o-、m-、p-ビニル安息香酸等の不飽和モノカルボン酸;
マレイン酸、フマル酸、シトラコン酸、メサコン酸、イタコン酸、3-ビニルフタル酸、4-ビニルフタル酸、3,4,5,6-テトラヒドロフタル酸、1,2,3,6-テトラヒドロフタル酸、ジメチルテトラヒドロフタル酸、1,4-シクロヘキセンジカルボン酸等の不飽和ジカルボン酸;
メチル-5-ノルボルネン-2,3-ジカルボン酸、5-カルボキシビシクロ[2.2.1]ヘプト-2-エン、5,6-ジカルボキシビシクロ[2.2.1]ヘプト-2-エン、5-カルボキシ-5-メチルビシクロ[2.2.1]ヘプト-2-エン、5-カルボキシ-5-エチルビシクロ[2.2.1]ヘプト-2-エン、5-カルボキシ-6-メチルビシクロ[2.2.1]ヘプト-2-エン、5-カルボキシ-6-エチルビシクロ[2.2.1]ヘプト-2-エン等のカルボキシ基を含有するビシクロ不飽和化合物;
無水マレイン酸、シトラコン酸無水物、イタコン酸無水物、3-ビニルフタル酸無水物、4-ビニルフタル酸無水物、3,4,5,6-テトラヒドロフタル酸無水物、1,2,3,6-テトラヒドロフタル酸無水物、ジメチルテトラヒドロフタル酸無水物、5,6-ジカルボキシビシクロ[2.2.1]ヘプト-2-エン無水物等の不飽和ジカルボン酸無水物;
こはく酸モノ〔2-(メタ)アクリロイルオキシエチル〕、フタル酸モノ〔2-(メタ)アクリロイルオキシエチル〕等の2価以上の多価カルボン酸の不飽和モノ〔(メタ)アクリロイルオキシアルキル〕エステル;
α-(ヒドロキシメチル)(メタ)アクリル酸のような、同一分子中にヒドロキシ基及びカルボキシ基を含有する不飽和(メタ)アクリレート
等が挙げられる。
これらのうち、共重合反応性等の観点から、(メタ)アクリル酸、無水マレイン酸等が好ましい。
本明細書において(メタ)アクリル酸とは、アクリル酸及び/又はメタクリル酸を意味する。「(メタ)アクリロイル」、「(メタ)アクリレート」等においても同様である。
マレイン酸、フマル酸、シトラコン酸、メサコン酸、イタコン酸、3-ビニルフタル酸、4-ビニルフタル酸、3,4,5,6-テトラヒドロフタル酸、1,2,3,6-テトラヒドロフタル酸、ジメチルテトラヒドロフタル酸、1,4-シクロヘキセンジカルボン酸等の不飽和ジカルボン酸;
メチル-5-ノルボルネン-2,3-ジカルボン酸、5-カルボキシビシクロ[2.2.1]ヘプト-2-エン、5,6-ジカルボキシビシクロ[2.2.1]ヘプト-2-エン、5-カルボキシ-5-メチルビシクロ[2.2.1]ヘプト-2-エン、5-カルボキシ-5-エチルビシクロ[2.2.1]ヘプト-2-エン、5-カルボキシ-6-メチルビシクロ[2.2.1]ヘプト-2-エン、5-カルボキシ-6-エチルビシクロ[2.2.1]ヘプト-2-エン等のカルボキシ基を含有するビシクロ不飽和化合物;
無水マレイン酸、シトラコン酸無水物、イタコン酸無水物、3-ビニルフタル酸無水物、4-ビニルフタル酸無水物、3,4,5,6-テトラヒドロフタル酸無水物、1,2,3,6-テトラヒドロフタル酸無水物、ジメチルテトラヒドロフタル酸無水物、5,6-ジカルボキシビシクロ[2.2.1]ヘプト-2-エン無水物等の不飽和ジカルボン酸無水物;
こはく酸モノ〔2-(メタ)アクリロイルオキシエチル〕、フタル酸モノ〔2-(メタ)アクリロイルオキシエチル〕等の2価以上の多価カルボン酸の不飽和モノ〔(メタ)アクリロイルオキシアルキル〕エステル;
α-(ヒドロキシメチル)(メタ)アクリル酸のような、同一分子中にヒドロキシ基及びカルボキシ基を含有する不飽和(メタ)アクリレート
等が挙げられる。
これらのうち、共重合反応性等の観点から、(メタ)アクリル酸、無水マレイン酸等が好ましい。
本明細書において(メタ)アクリル酸とは、アクリル酸及び/又はメタクリル酸を意味する。「(メタ)アクリロイル」、「(メタ)アクリレート」等においても同様である。
(b)は、例えば、炭素数2~4の環状エーテル構造(例えば、オキシラン環、オキセタン環及びテトラヒドロフラン環からなる群より選ばれる少なくとも1種)とエチレン性不飽和結合とを有する単量体である。(b)は、炭素数2~4の環状エーテル構造と(メタ)アクリロイルオキシ基とを有する単量体であることが好ましい。
(b)としては、例えば、グリシジル(メタ)アクリレート、β-メチルグリシジル(メタ)アクリレート、β-エチルグリシジル(メタ)アクリレート、グリシジルビニルエーテル、o-ビニルベンジルグリシジルエーテル、m-ビニルベンジルグリシジルエーテル、p-ビニルベンジルグリシジルエーテル、α-メチル-o-ビニルベンジルグリシジルエーテル、α-メチル-m-ビニルベンジルグリシジルエーテル、α-メチル-p-ビニルベンジルグリシジルエーテル、2,3-ビス(グリシジルオキシメチル)スチレン、2,4-ビス(グリシジルオキシメチル)スチレン、2,5-ビス(グリシジルオキシメチル)スチレン、2,6-ビス(グリシジルオキシメチル)スチレン、2,3,4-トリス(グリシジルオキシメチル)スチレン、2,3,5-トリス(グリシジルオキシメチル)スチレン、2,3,6-トリス(グリシジルオキシメチル)スチレン、3,4,5-トリス(グリシジルオキシメチル)スチレン、2,4,6-トリス(グリシジルオキシメチル)スチレン等のオキシラン環とエチレン性不飽和結合とを有する単量体;
3-メチル-3-メタクリルロイルオキシメチルオキセタン、3-メチル-3-アクリロイルオキシメチルオキセタン、3-エチル-3-メタクリロイルオキシメチルオキセタン、3-エチル-3-アクリロイルオキシメチルオキセタン、3-メチル-3-メタクリロイルオキシエチルオキセタン、3-メチル-3-アクリロイルオキシエチルオキセタン、3-エチル-3-メタクリロイルオキシエチルオキセタン、3-エチル-3-アクリロイルオキシエチルオキセタン等のオキセタン環とエチレン性不飽和結合とを有する単量体;
テトラヒドロフルフリルアクリレート(例えば、ビスコートV#150、大阪有機化学工業(株)製)、テトラヒドロフルフリルメタクリレート等のテトラヒドロフラン環とエチレン性不飽和結合とを有する単量体
等が挙げられる。
樹脂[K2]~[K4]の製造時の反応性が高く、未反応の(b)が残存しにくいことから、(b)としては、オキシラン環とエチレン性不飽和結合とを有する単量体が好ましい。
3-メチル-3-メタクリルロイルオキシメチルオキセタン、3-メチル-3-アクリロイルオキシメチルオキセタン、3-エチル-3-メタクリロイルオキシメチルオキセタン、3-エチル-3-アクリロイルオキシメチルオキセタン、3-メチル-3-メタクリロイルオキシエチルオキセタン、3-メチル-3-アクリロイルオキシエチルオキセタン、3-エチル-3-メタクリロイルオキシエチルオキセタン、3-エチル-3-アクリロイルオキシエチルオキセタン等のオキセタン環とエチレン性不飽和結合とを有する単量体;
テトラヒドロフルフリルアクリレート(例えば、ビスコートV#150、大阪有機化学工業(株)製)、テトラヒドロフルフリルメタクリレート等のテトラヒドロフラン環とエチレン性不飽和結合とを有する単量体
等が挙げられる。
樹脂[K2]~[K4]の製造時の反応性が高く、未反応の(b)が残存しにくいことから、(b)としては、オキシラン環とエチレン性不飽和結合とを有する単量体が好ましい。
(c)としては、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n-ブチル(メタ)アクリレート、sec-ブチル(メタ)アクリレート、tert-ブチル(メタ)アクリレート、2-エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ドデシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、シクロペンチル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、2-メチルシクロヘキシル(メタ)アクリレート、トリシクロ[5.2.1.02,6]デカン-8-イル(メタ)アクリレート(当該技術分野では、慣用名として「ジシクロペンタニル(メタ)アクリレート」といわれている。また、「トリシクロデシル(メタ)アクリレート」という場合がある。)、トリシクロ[5.2.1.02,6]デセン-8-イル(メタ)アクリレート(当該技術分野では、慣用名として「ジシクロペンテニル(メタ)アクリレート」といわれている。)、ジシクロペンタニルオキシエチル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、アダマンチル(メタ)アクリレート、アリル(メタ)アクリレート、プロパルギル(メタ)アクリレート、フェニル(メタ)アクリレート、ナフチル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリル酸エステル;
2-ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート等のヒドロキシ基含有(メタ)アクリル酸エステル;
マレイン酸ジエチル、フマル酸ジエチル、イタコン酸ジエチル等のジカルボン酸ジエステル;
ビシクロ[2.2.1]ヘプト-2-エン、5-メチルビシクロ[2.2.1]ヘプト-2-エン、5-エチルビシクロ[2.2.1]ヘプト-2-エン、5-ヒドロキシビシクロ[2.2.1]ヘプト-2-エン、5-ヒドロキシメチルビシクロ[2.2.1]ヘプト-2-エン、5-(2’-ヒドロキシエチル)ビシクロ[2.2.1]ヘプト-2-エン、5-メトキシビシクロ[2.2.1]ヘプト-2-エン、5-エトキシビシクロ[2.2.1]ヘプト-2-エン、5,6-ジヒドロキシビシクロ[2.2.1]ヘプト-2-エン、5,6-ジ(ヒドロキシメチル)ビシクロ[2.2.1]ヘプト-2-エン、5,6-ジ(2’-ヒドロキシエチル)ビシクロ[2.2.1]ヘプト-2-エン、5,6-ジメトキシビシクロ[2.2.1]ヘプト-2-エン、5,6-ジエトキシビシクロ[2.2.1]ヘプト-2-エン、5-ヒドロキシ-5-メチルビシクロ[2.2.1]ヘプト-2-エン、5-ヒドロキシ-5-エチルビシクロ[2.2.1]ヘプト-2-エン、5-ヒドロキシメチル-5-メチルビシクロ[2.2.1]ヘプト-2-エン、5-tert-ブトキシカルボニルビシクロ[2.2.1]ヘプト-2-エン、5-シクロヘキシルオキシカルボニルビシクロ[2.2.1]ヘプト-2-エン、5-フェノキシカルボニルビシクロ[2.2.1]ヘプト-2-エン、5,6-ビス(tert-ブトキシカルボニル)ビシクロ[2.2.1]ヘプト-2-エン、5,6-ビス(シクロヘキシルオキシカルボニル)ビシクロ[2.2.1]ヘプト-2-エン等のビシクロ不飽和化合物;
N-フェニルマレイミド、N-シクロヘキシルマレイミド、N-ベンジルマレイミド、N-スクシンイミジル-3-マレイミドベンゾエート、N-スクシンイミジル-4-マレイミドブチレート、N-スクシンイミジル-6-マレイミドカプロエート、N-スクシンイミジル-3-マレイミドプロピオネート、N-(9-アクリジニル)マレイミド等のジカルボニルイミド誘導体;
スチレン、α-メチルスチレン、m-メチルスチレン、p-メチルスチレン、ビニルトルエン、p-メトキシスチレン、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、塩化ビニル、塩化ビニリデン、アクリルアミド、メタクリルアミド、酢酸ビニル、1,3-ブタジエンイソプレン、2,3-ジメチル-1,3-ブタジエン
等が挙げられる。
これらのうち、共重合反応性及び樹脂(C)の耐熱性の点から、スチレン、ビニルトルエン、N-フェニルマレイミド、N-シクロヘキシルマレイミド、N-ベンジルマレイミド、ビシクロ[2.2.1]ヘプト-2-エン等が好ましい。
2-ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート等のヒドロキシ基含有(メタ)アクリル酸エステル;
マレイン酸ジエチル、フマル酸ジエチル、イタコン酸ジエチル等のジカルボン酸ジエステル;
ビシクロ[2.2.1]ヘプト-2-エン、5-メチルビシクロ[2.2.1]ヘプト-2-エン、5-エチルビシクロ[2.2.1]ヘプト-2-エン、5-ヒドロキシビシクロ[2.2.1]ヘプト-2-エン、5-ヒドロキシメチルビシクロ[2.2.1]ヘプト-2-エン、5-(2’-ヒドロキシエチル)ビシクロ[2.2.1]ヘプト-2-エン、5-メトキシビシクロ[2.2.1]ヘプト-2-エン、5-エトキシビシクロ[2.2.1]ヘプト-2-エン、5,6-ジヒドロキシビシクロ[2.2.1]ヘプト-2-エン、5,6-ジ(ヒドロキシメチル)ビシクロ[2.2.1]ヘプト-2-エン、5,6-ジ(2’-ヒドロキシエチル)ビシクロ[2.2.1]ヘプト-2-エン、5,6-ジメトキシビシクロ[2.2.1]ヘプト-2-エン、5,6-ジエトキシビシクロ[2.2.1]ヘプト-2-エン、5-ヒドロキシ-5-メチルビシクロ[2.2.1]ヘプト-2-エン、5-ヒドロキシ-5-エチルビシクロ[2.2.1]ヘプト-2-エン、5-ヒドロキシメチル-5-メチルビシクロ[2.2.1]ヘプト-2-エン、5-tert-ブトキシカルボニルビシクロ[2.2.1]ヘプト-2-エン、5-シクロヘキシルオキシカルボニルビシクロ[2.2.1]ヘプト-2-エン、5-フェノキシカルボニルビシクロ[2.2.1]ヘプト-2-エン、5,6-ビス(tert-ブトキシカルボニル)ビシクロ[2.2.1]ヘプト-2-エン、5,6-ビス(シクロヘキシルオキシカルボニル)ビシクロ[2.2.1]ヘプト-2-エン等のビシクロ不飽和化合物;
N-フェニルマレイミド、N-シクロヘキシルマレイミド、N-ベンジルマレイミド、N-スクシンイミジル-3-マレイミドベンゾエート、N-スクシンイミジル-4-マレイミドブチレート、N-スクシンイミジル-6-マレイミドカプロエート、N-スクシンイミジル-3-マレイミドプロピオネート、N-(9-アクリジニル)マレイミド等のジカルボニルイミド誘導体;
スチレン、α-メチルスチレン、m-メチルスチレン、p-メチルスチレン、ビニルトルエン、p-メトキシスチレン、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、塩化ビニル、塩化ビニリデン、アクリルアミド、メタクリルアミド、酢酸ビニル、1,3-ブタジエンイソプレン、2,3-ジメチル-1,3-ブタジエン
等が挙げられる。
これらのうち、共重合反応性及び樹脂(C)の耐熱性の点から、スチレン、ビニルトルエン、N-フェニルマレイミド、N-シクロヘキシルマレイミド、N-ベンジルマレイミド、ビシクロ[2.2.1]ヘプト-2-エン等が好ましい。
樹脂[K1]において、それぞれに由来する構造単位の比率は、樹脂[K1]を構成する全構造単位中、(a)に由来する構造単位;2モル%以上60モル%以下
(c)に由来する構造単位;40モル%以上98モル%以下
であることが好ましく、
(a)に由来する構造単位;10モル%以上50モル%以下
(c)に由来する構造単位;50モル%以上90モル%以下
であることがより好ましい。
樹脂[K1]の構造単位の比率が上記の範囲にあると、樹脂組成物の保存安定性及び得られる樹脂膜の耐溶剤性に優れる傾向がある。
なお、樹脂(B)が(a)に由来する構造単位を含む場合、(a)に由来する構造単位を2種以上を含むことができ、この場合、(a)に由来する構造単位の比率(モル基準の含有率)は、各構造単位の比率の総和である。(b)、(c)等の他の単量体に由来する構造単位についても同様である。
(c)に由来する構造単位;40モル%以上98モル%以下
であることが好ましく、
(a)に由来する構造単位;10モル%以上50モル%以下
(c)に由来する構造単位;50モル%以上90モル%以下
であることがより好ましい。
樹脂[K1]の構造単位の比率が上記の範囲にあると、樹脂組成物の保存安定性及び得られる樹脂膜の耐溶剤性に優れる傾向がある。
なお、樹脂(B)が(a)に由来する構造単位を含む場合、(a)に由来する構造単位を2種以上を含むことができ、この場合、(a)に由来する構造単位の比率(モル基準の含有率)は、各構造単位の比率の総和である。(b)、(c)等の他の単量体に由来する構造単位についても同様である。
樹脂[K1]は、例えば、文献「高分子合成の実験法」(大津隆行著 発行所(株)化学同人 第1版第1刷 1972年3月1日発行)に記載された方法及び当該文献に記載された引用文献を参考にして製造することができる。
具体的には、(a)及び(c)の所定量、重合開始剤並びに溶剤等を反応容器中に入れて、例えば、窒素により酸素を置換することにより、脱酸素雰囲気にし、攪拌しながら、加熱及び保温する方法が挙げられる。
用いられる重合開始剤及び溶剤等は、特に限定されず、当該分野で通常使用されているものを使用することができる。例えば、重合開始剤としては、アゾ化合物(2,2’-アゾビスイソブチロニトリル、2,2’-アゾビス(2,4-ジメチルバレロニトリル)等)や有機過酸化物(ベンゾイルペルオキシド等)が挙げられ、溶剤としては、各モノマーを溶解するものであればよく、樹脂組成物に含まれていてもよい溶剤(G)として後述する溶剤等が挙げられる。
用いられる重合開始剤及び溶剤等は、特に限定されず、当該分野で通常使用されているものを使用することができる。例えば、重合開始剤としては、アゾ化合物(2,2’-アゾビスイソブチロニトリル、2,2’-アゾビス(2,4-ジメチルバレロニトリル)等)や有機過酸化物(ベンゾイルペルオキシド等)が挙げられ、溶剤としては、各モノマーを溶解するものであればよく、樹脂組成物に含まれていてもよい溶剤(G)として後述する溶剤等が挙げられる。
得られた共重合体は、反応後の溶液をそのまま使用してもよいし、濃縮あるいは希釈した溶液を使用してもよいし、再沈殿等の方法で固体(粉体)として取り出したものを使用してもよい。重合の際の溶剤として後述の溶剤(G)を使用すれば、反応後の溶液をそのまま樹脂組成物の調製に使用することができるため、樹脂組成物の製造工程を簡略化することができる。
樹脂[K2]は、(a)と(c)との共重合体に、(b)が有する炭素数2~4の環状エーテルを(a)が有するカルボン酸及び/又はカルボン酸無水物に付加させることにより製造することができる。
まず(a)と(c)との共重合体を、樹脂[K1]の製造方法として記載した方法と同様にして製造する。この場合、それぞれに由来する構造単位の比率は、樹脂[K1]について述べた比率と同じであることが好ましい。
まず(a)と(c)との共重合体を、樹脂[K1]の製造方法として記載した方法と同様にして製造する。この場合、それぞれに由来する構造単位の比率は、樹脂[K1]について述べた比率と同じであることが好ましい。
次に、上記共重合体中の(a)に由来するカルボン酸及び/又はカルボン酸無水物の一部に、(b)が有する炭素数2~4の環状エーテルを反応させる。
(a)と(c)との共重合体の製造に引き続き、フラスコ内雰囲気を窒素から空気に置換し、(b)、カルボン酸又はカルボン酸無水物と環状エーテルとの反応触媒(例えば有機リン化合物、金属錯体、アミン化合物等)及び重合禁止剤(例えばハイドロキノン等)等の存在下、例えば60℃以上130℃以下で、1~10時間反応することにより、樹脂[K2]を製造することができる。
(a)と(c)との共重合体の製造に引き続き、フラスコ内雰囲気を窒素から空気に置換し、(b)、カルボン酸又はカルボン酸無水物と環状エーテルとの反応触媒(例えば有機リン化合物、金属錯体、アミン化合物等)及び重合禁止剤(例えばハイドロキノン等)等の存在下、例えば60℃以上130℃以下で、1~10時間反応することにより、樹脂[K2]を製造することができる。
(b)の使用量は、(a)100モルに対して、好ましくは5モル以上80モル以下、より好ましくは10モル以上75モル以下である。この範囲にすることにより、樹脂組成物の保存安定性、並びに、得られる樹脂膜の耐溶剤性、耐熱性及び機械強度のバランスが良好になる傾向がある。
反応触媒としての有機リン化合物としては、例えばトリフェニルホスフィン等が挙げられる。反応触媒としてのアミン化合物としては、例えば脂肪族第三級アミン化合物又は脂肪族第四級アンモニウム塩化合物等が使用可能であり、その具体例としては、例えばトリス(ジメチルアミノメチル)フェノール、トリエチルアミン、テトラブチルアンモニウムブロミド、テトラブチルアンモニウムクロリド等が挙げられる。樹脂膜の発光強度の観点から、反応触媒は、好ましくは有機リン化合物である。
反応触媒の使用量は、(a)、(b)及び(c)の合計量100質量部に対して、好ましくは0.001質量部以上5質量部以下である。
重合禁止剤の使用量は、(a)、(b)及び(c)の合計量100質量部に対して、好ましくは0.001質量部以上5質量部以下である。
重合禁止剤の使用量は、(a)、(b)及び(c)の合計量100質量部に対して、好ましくは0.001質量部以上5質量部以下である。
仕込方法、反応温度及び時間等の反応条件は、製造設備や重合による発熱量等を考慮して適宜調整することができる。なお、重合条件と同様に、製造設備や重合による発熱量等を考慮し、仕込方法や反応温度を適宜調整することができる。
樹脂[K3]は、第一段階として、上述した樹脂[K1]の製造方法と同様にして、(b)と(c)との共重合体を得る。上記と同様に、得られた共重合体は、反応後の溶液をそのまま使用してもよいし、濃縮あるいは希釈した溶液を使用してもよいし、再沈殿等の方法で固体(粉体)として取り出したものを使用してもよい。
(b)及び(c)に由来する構造単位の比率は、上記共重合体を構成する全構造単位の合計モル数に対して、それぞれ、
(b)に由来する構造単位;5モル%以上95モル%以下
(c)に由来する構造単位;5モル%以上95モル%以下
であることが好ましく、
(b)に由来する構造単位;10モル%以上90モル%以下
(c)に由来する構造単位;10モル%以上90モル%以下
であることがより好ましい。
(b)に由来する構造単位;5モル%以上95モル%以下
(c)に由来する構造単位;5モル%以上95モル%以下
であることが好ましく、
(b)に由来する構造単位;10モル%以上90モル%以下
(c)に由来する構造単位;10モル%以上90モル%以下
であることがより好ましい。
樹脂[K3]は、樹脂[K2]の製造方法と同様の条件で(b)と(c)との共重合体が有する(b)に由来する環状エーテルに、(a)が有するカルボン酸又はカルボン酸無水物を反応させることにより得ることができる。
上記共重合体に反応させる(a)の使用量は、(b)100モルに対して、5モル以上80モル以下が好ましい。
上記共重合体に反応させる(a)の使用量は、(b)100モルに対して、5モル以上80モル以下が好ましい。
樹脂[K4]は、樹脂[K3]に、さらにカルボン酸無水物を反応させた樹脂である。環状エーテルとカルボン酸又はカルボン酸無水物との反応により発生するヒドロキシ基に、カルボン酸無水物を反応させる。
カルボン酸無水物としては、例えば、無水マレイン酸、シトラコン酸無水物、イタコン酸無水物、3-ビニルフタル酸無水物、4-ビニルフタル酸無水物、3,4,5,6-テトラヒドロフタル酸無水物、1,2,3,6-テトラヒドロフタル酸無水物、ジメチルテトラヒドロフタル酸無水物、5,6-ジカルボキシビシクロ[2.2.1]ヘプト-2-エン無水物等が挙げられる。
カルボン酸無水物の使用量は、(a)の使用量1モルに対して、0.5~1モルが好ましい。
カルボン酸無水物としては、例えば、無水マレイン酸、シトラコン酸無水物、イタコン酸無水物、3-ビニルフタル酸無水物、4-ビニルフタル酸無水物、3,4,5,6-テトラヒドロフタル酸無水物、1,2,3,6-テトラヒドロフタル酸無水物、ジメチルテトラヒドロフタル酸無水物、5,6-ジカルボキシビシクロ[2.2.1]ヘプト-2-エン無水物等が挙げられる。
カルボン酸無水物の使用量は、(a)の使用量1モルに対して、0.5~1モルが好ましい。
樹脂[K1]、樹脂[K2]、樹脂[K3]及び樹脂[K4]としては、例えば、ベンジル(メタ)アクリレート/(メタ)アクリル酸共重合体、スチレン/(メタ)アクリル酸共重合体等の樹脂[K1];
ベンジル(メタ)アクリレート/(メタ)アクリル酸共重合体にグリシジル(メタ)アクリレートを付加させた樹脂、トリシクロデシル(メタ)アクリレート/スチレン/(メタ)アクリル酸共重合体にグリシジル(メタ)アクリレートを付加させた樹脂、トリシクロデシル(メタ)アクリレート/ベンジル(メタ)アクリレート/(メタ)アクリル酸共重合体にグリシジル(メタ)アクリレートを付加させた樹脂等の樹脂[K2];
トリシクロデシル(メタ)アクリレート/グリシジル(メタ)アクリレートの共重合体に(メタ)アクリル酸を反応させた樹脂、トリシクロデシル(メタ)アクリレート/スチレン/グリシジル(メタ)アクリレートの共重合体に(メタ)アクリル酸を反応させた樹脂等の樹脂[K3];
トリシクロデシル(メタ)アクリレート/グリシジル(メタ)アクリレートの共重合体に(メタ)アクリル酸を反応させた樹脂にさらにテトラヒドロフタル酸無水物を反応させた樹脂等の樹脂[K4]等が挙げられる。
樹脂(B)は、樹脂[K2]、樹脂[K3]及び樹脂[K4]からなる群より選ばれる少なくとも1種を含むことが好ましい。
ベンジル(メタ)アクリレート/(メタ)アクリル酸共重合体にグリシジル(メタ)アクリレートを付加させた樹脂、トリシクロデシル(メタ)アクリレート/スチレン/(メタ)アクリル酸共重合体にグリシジル(メタ)アクリレートを付加させた樹脂、トリシクロデシル(メタ)アクリレート/ベンジル(メタ)アクリレート/(メタ)アクリル酸共重合体にグリシジル(メタ)アクリレートを付加させた樹脂等の樹脂[K2];
トリシクロデシル(メタ)アクリレート/グリシジル(メタ)アクリレートの共重合体に(メタ)アクリル酸を反応させた樹脂、トリシクロデシル(メタ)アクリレート/スチレン/グリシジル(メタ)アクリレートの共重合体に(メタ)アクリル酸を反応させた樹脂等の樹脂[K3];
トリシクロデシル(メタ)アクリレート/グリシジル(メタ)アクリレートの共重合体に(メタ)アクリル酸を反応させた樹脂にさらにテトラヒドロフタル酸無水物を反応させた樹脂等の樹脂[K4]等が挙げられる。
樹脂(B)は、樹脂[K2]、樹脂[K3]及び樹脂[K4]からなる群より選ばれる少なくとも1種を含むことが好ましい。
樹脂(B)の更なる例として、特開2018-123274号公報に記載の樹脂が挙げられる。該樹脂としては、側鎖に二重結合を有するとともに、主鎖に、下記式(I)で表される構成単位(α)と、下記式(II)で表される構成単位(β)とを含み、さらに酸基を含む重合体(以下、「樹脂(Ba)」ともいう。)が挙げられる。
酸基は、例えば樹脂(Ba)が、酸基含有単量体(例えば(メタ)アクリル酸等)に由来する構成単位(γ)を含むことで、樹脂中に導入されたものであることができる。樹脂(Ba)は、好ましくは、主鎖骨格に構成単位(α)、(β)及び(γ)を含む。
酸基は、例えば樹脂(Ba)が、酸基含有単量体(例えば(メタ)アクリル酸等)に由来する構成単位(γ)を含むことで、樹脂中に導入されたものであることができる。樹脂(Ba)は、好ましくは、主鎖骨格に構成単位(α)、(β)及び(γ)を含む。
[式中、RCは、同一又は異なって、水素原子又はメチル基を表す。RDは、同一又は異なって、炭素数4~20の直鎖状又は分岐鎖状炭化水素基を表す。mは、式(II)で表される構成単位の平均繰り返し単位数を表し、1以上の数である。]
樹脂(Ba)において、構成単位(α)の含有割合は、樹脂(Ba)の耐熱性や保存安定性の観点から、樹脂(Ba)の主鎖骨格を与える全単量体単位の総量100質量%に対し、例えば0.5質量%以上50質量%以下であり、好ましくは1質量%以上40質量%以下、より好ましくは5質量%以上30質量%以下である。式(I)中のnは、樹脂(Ba)中の構成単位(α)の平均繰り返し単位数を表し、構成単位(α)の含有割合が上記範囲内になるようにnを設定することができる。
構成単位(β)の含有割合は、樹脂膜の耐溶剤性の観点から、樹脂(Ba)の主鎖骨格を与える全単量体単位の総量100質量%に対し、例えば10質量%以上90質量%以下であり、好ましくは20質量%以上80質量%以下、より好ましくは30質量%以上75質量%以下である。式(II)中のmは、樹脂(Ba)中の構成単位(β)の平均繰り返し単位数を表し、構成単位(β)の含有割合が上述した範囲内になるようにmを設定することができる。
構成単位(γ)の含有割合は、溶剤(G)に対する樹脂(Ba)の溶解性等の観点から、樹脂(Ba)の主鎖骨格を与える全単量体単位の総量100質量%に対し、例えば0.5質量%以上50質量%以下であり、好ましくは2質量%以上50質量%以下、より好ましくは5質量%以上45質量%以下である。
樹脂(B)は、上述の樹脂[K1]、樹脂[K2]、樹脂[K3]、樹脂[K4]及び樹脂(Ba)からなる群より選ばれる1種以上を含むことができる。
樹脂(B)は、酸価〔単位:mgKOH/g〕に対する重量平均分子量Mwの比(Mw/酸価)が、好ましくは150以下、より好ましくは120以下、さらに好ましくは100以下、なおさらに好ましくは90以下、特に好ましくは85以下、最も好ましくは70以下である。Mw/酸価がこの範囲であることは、樹脂膜の発光強度を向上させるうえで有利である。これは、樹脂組成物における半導体粒子(A)の分散性が高まるためと考えられる。該分散性が高いほど樹脂膜の発光強度は高くなる傾向にあると考えられる。Mw/酸価は、通常20以上であり、30以上又は40以上であってもよい。
樹脂(B)のMwは、用いる原料の選択、仕込方法、反応温度及び時間等の反応条件を適宜組み合わせて調整することができる。樹脂(B)の酸価は、酸基を有するモノマー成分(例えば上記(a))の含有率によって調整することができる。
樹脂(B)のMwは、GPCによって測定される標準ポリスチレン換算の重量平均分子量である。具体的には、後述の実施例の欄に記載の測定方法に従って測定することができる。あるいは、樹脂組成物に含まれる樹脂(B)について、GPCを用いてMwを測定してもよい。樹脂(B)の酸価は、樹脂(B)1gを中和するに必要な水酸化カリウムの量(mg)として測定される値であり、例えば水酸化カリウム水溶液を用いて滴定することにより求めることができる。具体的には、後述の実施例の欄に記載の測定方法に従って測定することができる。あるいは、樹脂組成物に含まれる樹脂(B)について、例えばその構造解析を行うことにより、酸価を求めてもよい。
樹脂(B)のMwは、通常2900超である。Mw/酸価を上記範囲とする観点、ひいては樹脂膜の発光強度を高める観点から、好ましくは3000以上12000以下、より好ましくは3000以上10000以下、さらに好ましくは3000以上9000以下、さらに好ましくは3500以上8500以下である。
GPCによって測定される樹脂(B)の分子量分布[重量平均分子量(Mw)/数平均分子量(Mn)]は、例えば1.0以上6.0以下であり、樹脂膜の発光強度を高める観点から、好ましくは1.2以上4.0以下である。
樹脂(B)の酸価は、Mw/酸価を上記範囲とする観点、ひいては樹脂膜の発光強度を高める観点から、好ましくは90mgKOH/g以上150mgKOH/g以下、より好ましくは90mgKOH/g以上140mgKOH/g以下、さらに好ましくは90mgKOH/g以上130mgKOH/g以下、なおさらに好ましくは90mgKOH/g以上120mgKOH/g以下、特に好ましくは95mgKOH/g以上110mgKOH/g以下である。樹脂(B)が上記範囲内の酸価を有することは、樹脂膜の耐溶剤性を高めるうえでも有利である。
樹脂(B)は、樹脂膜の発光強度を高める観点から、二重結合当量が、300g/eq以上2000g/eq以下の樹脂を含むことが好ましく、500g/eq以上1500g/eq以下である樹脂を含むことがより好ましい。300g/eq以上2000g/eq以下の二重結合当量を有する樹脂としては、(メタ)アクリル系樹脂が挙げられる。樹脂(B)は、好ましくは(メタ)アクリル系樹脂からなる。
樹脂組成物における樹脂(B)の含有率は、樹脂組成物の固形分の総量に対して、例えば5質量%以上85質量%以下であり、好ましくは10質量%以上85質量%以下、より好ましくは20質量%以上85質量%以下であり、30質量%以上80質量%以下であってもよい。樹脂(B)の含有率が上記範囲であると、半導体粒子(A)が分散し易くなり、樹脂膜の発光強度が高くなりやすい傾向にある。
[4]重合性化合物(C)及び重合開始剤(D)
樹脂組成物は、重合性化合物(C)及び重合開始剤(D)を実質的に含まないことが好ましい。本明細書において、「実質的に含まない」とは、樹脂組成物の固形分の総量に対する含有率が0.01質量%以下であることをいう。重合性化合物(C)及び重合開始剤(D)の含有率は、それぞれ、好ましくは0.005質量%以下、より好ましくは0質量%である。
樹脂組成物は、重合性化合物(C)及び重合開始剤(D)を実質的に含まないことが好ましい。本明細書において、「実質的に含まない」とは、樹脂組成物の固形分の総量に対する含有率が0.01質量%以下であることをいう。重合性化合物(C)及び重合開始剤(D)の含有率は、それぞれ、好ましくは0.005質量%以下、より好ましくは0質量%である。
樹脂組成物が重合性化合物(C)及び重合開始剤(D)を実質的に含まないことは、第1及び第2の発光強度維持率R1、R2が良好で耐光性の高い樹脂膜を得るうえで有利である。とりわけ、本発明に係る樹脂膜は、紫外線に対する耐性に優れる。量子ドットのような半導体粒子を含む樹脂膜は、従来、半導体粒子、樹脂、重合性化合物及び重合開始剤を含む硬化性組成物を塗布し、光又は熱により硬化させた後、必要に応じて現像することによって作製されていた。しかしながら、上記従来の硬化性組成物から形成される樹脂膜は、露光試験を実施すると発光強度の低下を生じる場合があることが本発明者の検討により明らかとなった。この発光強度の低下は、露光試験での光照射によって生成する、樹脂膜中に残存する重合性化合物及び/又は重合開始剤に由来する活性成分(例えば、重合開始剤から発生する活性ラジカルや酸等)による半導体粒子の劣化に起因するものと推定される。重合性化合物(C)及び重合開始剤(D)を実質的に含まない樹脂組成物から樹脂膜を形成することにより、第1及び第2露光試験での光照射による発光強度の低下を抑制することができる。
また、樹脂組成物が重合性化合物(C)及び重合開始剤(D)を実質的に含まないことは、タック性が低減された樹脂膜を得るうえでも有利である。タック性が低減された樹脂膜とは、樹脂膜表面のべたつきが低減された樹脂膜をいい、タック性は、後述の実施例の欄に記載の方法によって評価することができる。タック性が低減されることにより、樹脂膜表面のムラを生じにくくさせることができる。
樹脂組成物が重合性化合物(C)及び重合開始剤(D)を実質的に含まないことは、それから形成される樹脂膜を含む表示装置において、樹脂膜に隣接する層に重合性化合物(C)や重合開始剤(D)が移行するという不具合を防止するうえでも有利である。
重合性化合物(C)は、重合開始剤(D)から発生した活性ラジカル、酸等によって重合し得る化合物であって、重量平均分子量が2900以下であるものをいう。重量平均分子量が2900以下である重合性化合物(C)としては、エチレン性不飽和結合を有する化合物等の光重合性化合物が挙げられ、例えば(メタ)アクリル酸エステル化合物である。重合性化合物(C)の重量平均分子量は、GPCによって測定される標準ポリスチレン換算の重量平均分子量である。重合性化合物(C)の重量平均分子量は、通常150以上である。
エチレン性不飽和結合を有する化合物は、例えば、エチレン性不飽和結合を3つ以上有する重合性化合物である。このような重合性化合物としては、例えば、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、トリペンタエリスリトールオクタ(メタ)アクリレート、トリペンタエリスリトールヘプタ(メタ)アクリレート、テトラペンタエリスリトールデカ(メタ)アクリレート、テトラペンタエリスリトールノナ(メタ)アクリレート、トリス(2-(メタ)アクリロイルオキシエチル)イソシアヌレート、エチレングリコール変性ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、エチレングリコール変性ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、プロピレングリコール変性ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、プロピレングリコール変性ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
重合性化合物(C)の他の例は熱重合性化合物である。樹脂組成物は、熱重合性化合物も実質的に含まないことが好ましい。「実質的に含まない」の意味は上記のとおりであり、熱重合性化合物の含有率は、樹脂組成物の固形分の総量に対して、より好ましくは0.005質量%以下、さらに好ましくは0質量%である。熱重合性化合物としては、公知の熱重合性化合物が挙げられる。本明細書でいう熱重合性化合物は、重量平均分子量が2900以下であるものをいう。
重合開始剤(D)は、重合性化合物(C)の重合を開始させる化合物である。重合開始剤(D)は、例えば、光又は熱の作用により活性ラジカル、酸等を発生する化合物である。重合開始剤(D)としては、オキシム化合物、ビイミダゾール化合物、トリアジン化合物及びアシルホスフィン化合物等の光重合開始剤、アゾ系化合物や有機過酸化物等の熱重合開始剤が挙げられる。
オキシム化合物としては、下記式(d1)で表される部分構造を有するオキシム化合物が挙げられる。*は結合手を表す。
式(d1)で表される部分構造を有するオキシム化合物としては、例えば、N-ベンゾイルオキシ-1-(4-フェニルスルファニルフェニル)ブタン-1-オン-2-イミン、N-ベンゾイルオキシ-1-(4-フェニルスルファニルフェニル)オクタン-1-オン-2-イミン、N-ベンゾイルオキシ-1-(4-フェニルスルファニルフェニル)-3-シクロペンチルプロパン-1-オン-2-イミン、N-アセトキシ-1-[9-エチル-6-(2-メチルベンゾイル)-9H-カルバゾール-3-イル]エタン-1-イミン、N-アセトキシ-1-[9-エチル-6-{2-メチル-4-(3,3-ジメチル-2,4-ジオキサシクロペンタニルメチルオキシ)ベンゾイル}-9H-カルバゾール-3-イル]エタン-1-イミン、N-アセトキシ-1-[9-エチル-6-(2-メチルベンゾイル)-9H-カルバゾール-3-イル]-3-シクロペンチルプロパン-1-イミン、N-ベンゾイルオキシ-1-[9-エチル-6-(2-メチルベンゾイル)-9H-カルバゾール-3-イル]-3-シクロペンチルプロパン-1-オン-2-イミン;特開2011-132215号公報、国際公開2008/78678号、国際公開2008/78686号、国際公開2012/132558号記載の化合物等が挙げられる。
ビイミダゾール化合物としては、例えば、式(d5)で表される化合物が挙げられる。
炭素数6~10のアリール基としては、例えば、フェニル基、トルイル基、キシリル基、エチルフェニル基及びナフチル基等が挙げられる。置換基としては、例えば、ハロゲン原子、炭素数1~4のアルコキシ基等が挙げられる。炭素数1~4のアルコキシ基としては、例えば、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基等挙げられる。
ビイミダゾール化合物としては、例えば、2,2’-ビス(2-クロロフェニル)-4,4’,5,5’-テトラフェニルビイミダゾール、2,2’-ビス(2,3-ジクロロフェニル)-4,4’,5,5’-テトラフェニルビイミダゾール(例えば、特開平06-75372号公報、特開平06-75373号公報等参照。)、2,2’-ビス(2-クロロフェニル)-4,4’,5,5’-テトラフェニルビイミダゾール、2,2’-ビス(2-クロロフェニル)-4,4’,5,5’-テトラ(アルコキシフェニル)ビイミダゾール、2,2’-ビス(2-クロロフェニル)-4,4’,5,5’-テトラ(ジアルコキシフェニル)ビイミダゾール、2,2’-ビス(2-クロロフェニル)-4,4’,5,5’-テトラ(トリアルコキシフェニル)ビイミダゾール(例えば、特公昭48-38403号公報、特開昭62-174204号公報等参照。)、4,4’5,5’-位のフェニル基がカルボアルコキシ基により置換されているイミダゾール化合物(例えば、特開平7-10913号公報等参照。)等が挙げられる。より具体的には、下記式で表される化合物又はこれらの混合物が挙げられる。
トリアジン化合物としては、例えば、2,4-ビス(トリクロロメチル)-6-(4-メトキシフェニル)-1,3,5-トリアジン、2,4-ビス(トリクロロメチル)-6-(4-メトキシナフチル)-1,3,5-トリアジン、2,4-ビス(トリクロロメチル)-6-ピペロニル-1,3,5-トリアジン、2,4-ビス(トリクロロメチル)-6-(4-メトキシスチリル)-1,3,5-トリアジン、2,4-ビス(トリクロロメチル)-6-〔2-(5-メチルフラン-2-イル)エテニル〕-1,3,5-トリアジン、2,4-ビス(トリクロロメチル)-6-〔2-(フラン-2-イル)エテニル〕-1,3,5-トリアジン、2,4-ビス(トリクロロメチル)-6-〔2-(4-ジエルアミノ-2-メチルフェニル)エテニル〕-1,3,5-トリアジン、2,4-ビス(トリクロロメチル)-6-〔2-(3,4-ジメトキシフェニル)エテニル〕-1,3,5-トリアジン等が挙げられる。
アシルホスフィン化合物としては、例えば、ビス(2,4,6-トリメチルベンゾイル)フェニルホスフィンオキサイド、(2,4,6-トリメチルベンゾイル)ジフェニルホスフィンオキサイド等が挙げられる。
上記以外の光重合開始剤としては、例えば、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル等のベンゾイン化合物;ベンゾフェノン、o-ベンゾイル安息香酸メチル、4-フェニルベンゾフェノン、4-ベンゾイル-4’-メチルジフェニルサルファイド、3,3’,4,4’-テトラ(tert-ブチルパーオキシカルボニル)ベンゾフェノン、2,4,6-トリメチルベンゾフェノン、4,4’-ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン等のベンゾフェノン化合物;9,10-フェナンスレンキノン、2-エチルアントラキノン、カンファーキノン等のキノン化合物;10-ブチル-2-クロロアクリドン、ベンジル、フェニルグリオキシル酸メチル、チタノセン化合物等が挙げられる。
重合開始剤(D)の他の例は、熱重合開始剤である。樹脂組成物は、熱重合開始剤も実質的に含まないことが好ましい。「実質的に含まない」の意味は上記のとおりであり、熱重合開始剤の含有率は、樹脂組成物の固形分の総量に対して、より好ましくは0.005質量%以下、さらに好ましくは0質量%である。熱重合開始剤としては、公知の熱重合開始剤が挙げられる。
樹脂組成物は、樹脂膜のタック性を低減させる観点及び樹脂膜の発光強度を高める観点から、重合開始助剤(D1)を実質的に含まないことが好ましい。重合開始助剤(D1)は、重合開始剤(D)によって開始された重合性化合物(C)の重合を促進するために用いられる化合物、もしくは増感剤である。重合開始助剤(D1)としては、アミン化合物、アルコキシアントラセン化合物、チオキサントン化合物及びカルボン酸化合物等の光重合開始助剤、並びに熱重合開始助剤が挙げられる。
アミン化合物としては、例えば、トリエタノールアミン、メチルジエタノールアミン、トリイソプロパノールアミン、4-ジメチルアミノ安息香酸メチル、4-ジメチルアミノ安息香酸エチル、4-ジメチルアミノ安息香酸イソアミル、安息香酸2-ジメチルアミノエチル、4-ジメチルアミノ安息香酸2-エチルヘキシル、N,N-ジメチルパラトルイジン、4,4’-ビス(ジメチルアミノ)ベンゾフェノン(通称ミヒラーズケトン)、4,4’-ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン、4,4’-ビス(エチルメチルアミノ)ベンゾフェノン等が挙げられる。
アルコキシアントラセン化合物としては、例えば、9,10-ジメトキシアントラセン、2-エチル-9,10-ジメトキシアントラセン、9,10-ジエトキシアントラセン、2-エチル-9,10-ジエトキシアントラセン、9,10-ジブトキシアントラセン、2-エチル-9,10-ジブトキシアントラセン等が挙げられる。
チオキサントン化合物としては、例えば、2-イソプロピルチオキサントン、4-イソプロピルチオキサントン、2,4-ジエチルチオキサントン、2,4-ジクロロチオキサントン、1-クロロ-4-プロポキシチオキサントン等が挙げられる。
カルボン酸化合物としては、例えば、フェニルスルファニル酢酸、メチルフェニルスルファニル酢酸、エチルフェニルスルファニル酢酸、メチルエチルフェニルスルファニル酢酸、ジメチルフェニルスルファニル酢酸、メトキシフェニルスルファニル酢酸、ジメトキシフェニルスルファニル酢酸、クロロフェニルスルファニル酢酸、ジクロロフェニルスルファニル酢酸、N-フェニルグリシン、フェノキシ酢酸、ナフチルチオ酢酸、N-ナフチルグリシン、ナフトキシ酢酸等が挙げられる。
[5]光散乱剤(E)
樹脂組成物は、光散乱剤(E)を含むことができる。該樹脂組成物から形成される樹脂膜は、光散乱剤(E)を含み、光散乱性を示し得る。樹脂組成物及び樹脂膜は、光散乱剤(E)を2種以上含んでもよい。
樹脂組成物は、光散乱剤(E)を含むことができる。該樹脂組成物から形成される樹脂膜は、光散乱剤(E)を含み、光散乱性を示し得る。樹脂組成物及び樹脂膜は、光散乱剤(E)を2種以上含んでもよい。
光散乱剤(E)としては、金属又は金属酸化物の粒子、ガラス粒子等の無機粒子が挙げられる。金属酸化物としては、TiO2、SiO2、BaTiO3、ZnO等が挙げられ、効率的に光を散乱することから、好ましくはTiO2の粒子である。光散乱剤(E)の粒子径は、例えば0.03μm以上20μm以下程度であり、好ましくは0.05μm以上1μm以下であり、より好ましくは0.05μm以上0.5μm以下である。
光散乱剤(E)としては、分散剤を用いて溶剤(G)の一部又は全部に予め光散乱剤を分散させたものを用いてもよい。分散剤としては市販品を用いることができる。市販品の例としては、
ビックケミー・ジャパン社製のDISPERBYK-101、102、103、106、107、108、109、110、111、116、118、130、140、154、161、162、163、164、165、166、170、171、174、180、181、182、183、184、185、190、192、2000、2001、2020、2025、2050、2070、2095、2150、2155;ANTI-TERRA-U、U100、203、204、250、;BYK-P104、P104S、P105、220S、6919;BYK-LPN6919、21116;LACTIMON、LACTIMON-WS;Bykumen等;
日本ルーブリゾール社製のSOLSPERSE-3000、9000、13000、13240、13650、13940、16000、17000、18000、20000、21000、24000、26000、27000、28000、31845、32000、32500、32550、33500、32600、34750、35100、36600、38500、41000、41090、53095、55000、76500等;
BASF社製のEFKA-46、47、48、452、4008、4009、4010、4015、4020、4047、4050、4055、4060、4080、4400、4401、4402、4403、4406、4408、4300、4310、4320、4330、4340、450、451、453、4540、4550、4560、4800、5010、5065、5066、5070、7500、7554、1101、120、150、1501、1502、1503等;
味の素ファインテクノ社製のアジスパーPA111、PB711、PB821、PB822、PB824等が挙げられる。
ビックケミー・ジャパン社製のDISPERBYK-101、102、103、106、107、108、109、110、111、116、118、130、140、154、161、162、163、164、165、166、170、171、174、180、181、182、183、184、185、190、192、2000、2001、2020、2025、2050、2070、2095、2150、2155;ANTI-TERRA-U、U100、203、204、250、;BYK-P104、P104S、P105、220S、6919;BYK-LPN6919、21116;LACTIMON、LACTIMON-WS;Bykumen等;
日本ルーブリゾール社製のSOLSPERSE-3000、9000、13000、13240、13650、13940、16000、17000、18000、20000、21000、24000、26000、27000、28000、31845、32000、32500、32550、33500、32600、34750、35100、36600、38500、41000、41090、53095、55000、76500等;
BASF社製のEFKA-46、47、48、452、4008、4009、4010、4015、4020、4047、4050、4055、4060、4080、4400、4401、4402、4403、4406、4408、4300、4310、4320、4330、4340、450、451、453、4540、4550、4560、4800、5010、5065、5066、5070、7500、7554、1101、120、150、1501、1502、1503等;
味の素ファインテクノ社製のアジスパーPA111、PB711、PB821、PB822、PB824等が挙げられる。
樹脂組成物における光散乱剤(E)の含有率は、樹脂組成物の固形分の総量に対し、例えば0.001質量%以上50質量%以下であり、樹脂膜の光散乱能及び発光強度を高める観点から、好ましくは1質量%以上30質量%以下、より好ましくは2質量%以上20質量%以下である。
[6]溶剤(G)
樹脂組成物は、溶剤(G)を含むことができる。溶剤(G)は、樹脂(B)を溶解するものであれば特に限定されず、当該分野で通常使用される溶剤を用いることができる。例えば、エステル溶剤(分子内に-COO-を含み、-O-を含まない溶剤)、エーテル溶剤(分子内に-O-を含み、-COO-を含まない溶剤)、エーテルエステル溶剤(分子内に-COO-と-O-とを含む溶剤)、ケトン溶剤(分子内に-CO-を含み、-COO-を含まない溶剤)、アルコール溶剤(分子内にOHを含み、-O-、-CO-及びCOO-を含まない溶剤)、芳香族炭化水素溶剤、アミド溶剤、ジメチルスルホキシド等が挙げられる。溶剤(G)は、2種以上を併用してもよい。
樹脂組成物は、溶剤(G)を含むことができる。溶剤(G)は、樹脂(B)を溶解するものであれば特に限定されず、当該分野で通常使用される溶剤を用いることができる。例えば、エステル溶剤(分子内に-COO-を含み、-O-を含まない溶剤)、エーテル溶剤(分子内に-O-を含み、-COO-を含まない溶剤)、エーテルエステル溶剤(分子内に-COO-と-O-とを含む溶剤)、ケトン溶剤(分子内に-CO-を含み、-COO-を含まない溶剤)、アルコール溶剤(分子内にOHを含み、-O-、-CO-及びCOO-を含まない溶剤)、芳香族炭化水素溶剤、アミド溶剤、ジメチルスルホキシド等が挙げられる。溶剤(G)は、2種以上を併用してもよい。
エステル溶剤としては、乳酸メチル、乳酸エチル、乳酸n-ブチル、2-ヒドロキシイソブタン酸メチル、酢酸エチル、酢酸n-ブチル、酢酸イソブチル、ギ酸n-ペンチル、酢酸イソペンチル、プロピオン酸n-ブチル、酪酸イソプロピル、酪酸エチル、酪酸n-ブチル、ピルビン酸メチル、ピルビン酸エチル、ピルビン酸プロピル、アセト酢酸メチル、アセト酢酸エチル、シクロヘキサノールアセテート及びγ-ブチロラクトン等が挙げられる。
エーテル溶剤としては、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノプロピルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノプロピルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、3-メトキシ-1-ブタノール、3-メトキシ-3-メチルブタノール、テトラヒドロフラン、テトラヒドロピラン、1,4-ジオキサン、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールメチルエチルエーテル、ジエチレングリコールジプロピルエーテル、ジエチレングリコールジブチルエーテル、アニソール、フェネトール及びメチルアニソール等が挙げられる。
エーテルエステル溶剤としては、メトキシ酢酸メチル、メトキシ酢酸エチル、メトキシ酢酸ブチル、エトキシ酢酸メチル、エトキシ酢酸エチル、3-メトキシプロピオン酸メチル、3-メトキシプロピオン酸エチル、3-エトキシプロピオン酸メチル、3-エトキシプロピオン酸エチル、2-メトキシプロピオン酸メチル、2-メトキシプロピオン酸エチル、2-メトキシプロピオン酸プロピル、2-エトキシプロピオン酸メチル、2-エトキシプロピオン酸エチル、2-メトキシ-2-メチルプロピオン酸メチル、2-エトキシ-2-メチルプロピオン酸エチル、3-メトキシブチルアセテート、3-メチル-3-メトキシブチルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノプロピルエーテルアセテート、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート及びジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート等が挙げられる。
ケトン溶剤としては、4-ヒドロキシ-4-メチル-2-ペンタノン、アセトン、2-ブタノン、2-ヘプタノン、3-ヘプタノン、4-ヘプタノン、4-メチル-2-ペンタノン、シクロペンタノン、シクロヘキサノン及びイソホロン等が挙げられる。
アルコール溶剤としては、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、ヘキサノール、シクロヘキサノール、エチレングリコール、プロピレングリコール及びグリセリン等が挙げられる。芳香族炭化水素溶剤としては、ベンゼン、トルエン、キシレン及びメシチレン等が挙げられる。アミド溶剤としては、N,N-ジメチルホルムアミド、N,N-ジメチルアセトアミド及びN-メチルピロリドン等が挙げられる。
溶剤(G)としては、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、乳酸エチル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、3-エトキシプロピオン酸エチル、エチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングコールモノエチルエーテル、4-ヒドロキシ-4-メチル-2-ペンタノン若しくはトルエン、又はこれらのうちの2種以上の混合物が好ましい。
溶剤(G)は、固形分以外の成分であり、例えば半導体粒子(A)や樹脂(B)等に含まれる溶剤も溶剤(G)に包含される。樹脂組成物における溶剤(G)の含有率は、該組成物の総量に対する該組成物に含まれる全溶剤の合計質量の割合であり、樹脂組成物の総量に対して、例えば40質量%以上95質量%以下であり、好ましくは55質量%以上90質量%以下である。言い換えると、樹脂組成物の固形分は、好ましくは5質量%以上60質量%以下、より好ましくは10質量%以上45質量%以下である。溶剤(G)の含有率が上記範囲内にあると、塗布時の組成物層の平坦性がより良好になり、また適切な膜厚の樹脂膜を形成しやすい傾向がある。
[7]酸化防止剤(H)
樹脂組成物及びそれから形成される樹脂膜は、酸化防止剤(H)を含むことができる。酸化防止剤(H)としては、工業的に一般に使用される酸化防止剤であれば特に限定はなく、フェノール系酸化防止剤、リン系酸化防止剤、リン/フェノール複合型酸化防止剤及び硫黄系酸化防止剤等を用いることができる。酸化防止剤(H)は、2種以上を併用してもよい。
樹脂組成物及びそれから形成される樹脂膜は、酸化防止剤(H)を含むことができる。酸化防止剤(H)としては、工業的に一般に使用される酸化防止剤であれば特に限定はなく、フェノール系酸化防止剤、リン系酸化防止剤、リン/フェノール複合型酸化防止剤及び硫黄系酸化防止剤等を用いることができる。酸化防止剤(H)は、2種以上を併用してもよい。
リン/フェノール複合型酸化防止剤は、分子中にリン原子とフェノール構造とをそれぞれ1以上有する化合物であることができる。樹脂膜の発光強度の観点から、酸化防止剤(H)は、リン/フェノール複合型酸化防止剤を含むことが好ましい。
フェノール系酸化防止剤としては、例えば、イルガノックス(登録商標)1010(Irganox 1010:ペンタエリスリトールテトラキス[3-(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、BASF(株)製)、同1076(Irganox 1076:オクタデシル-3-(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオネート、BASF(株)製)、同1330(Irganox 1330:3,3’,3’’,5,5’,5’’-ヘキサ-tert-ブチル-a,a’,a’’-(メシチレン-2,4,6-トリイル)トリ-p-クレゾール、BASF(株)製)、同3114(Irganox 3114:1,3,5-トリス(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシベンジル)-1,3,5-トリアジン-2,4,6(1H,3H,5H)-トリオン、BASF(株)製)、同3790(Irganox 3790:1,3,5-トリス((4-tert-ブチル-3-ヒドロキシ-2,6-キシリル)メチル)-1,3,5-トリアジン-2,4,6(1H,3H,5H)-トリオン、BASF(株)製)、同1035(Irganox 1035:チオジエチレンビス[3-(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、BASF(株)製)、同1135(Irganox 1135:ベンゼンプロパン酸の3,5-ビス(1,1-ジメチルエチル)-4-ヒドロキシ-C7-C9側鎖アルキルエステル、BASF(株)製)、同1520L(Irganox 1520L:4,6-ビス(オクチルチオメチル)-o-クレゾール、BASF(株)製)、同3125(Irganox 3125、BASF(株)製)、同565(Irganox 565:2,4-ビス(n-オクチルチオ)-6-(4-ヒドロキシ-3’、5’-ジ-tert-ブチルアニリノ)-1,3,5-トリアジン、BASF(株)製)、アデカスタブ(登録商標)AO-80(アデカスタブ AO-80:3,9-ビス(2-(3-(3-tert-ブチル-4-ヒドロキシ-5-メチルフェニル)プロピオニルオキシ)-1,1-ジメチルエチル)-2,4,8,10-テトラオキサスピロ(5,5)ウンデカン、(株)ADEKA製)、スミライザー(登録商標)BHT、同GA-80、同GS(以上、住友化学(株)製)、サイアノックス(登録商標)1790(Cyanox 1790、(株)サイテック製)、ビタミンE(エーザイ(株)製)等が挙げられる。
リン系酸化防止剤としては、例えば、イルガフォス(登録商標)168(Irgafos 168:トリス(2,4-ジ-tert-ブチルフェニル)フォスファイト、BASF(株)製)、同12(Irgafos 12:トリス[2-[[2,4,8,10-テトラ-tert-ブチルジベンゾ[d、f][1,3,2]ジオキサフォスフィン-6-イル]オキシ]エチル]アミン、BASF(株)製)、同38(Irgafos 38:ビス(2,4-ビス(1,1-ジメチルエチル)-6-メチルフェニル)エチルエステル亜りん酸、BASF(株)製)、アデカスタブ(登録商標)329K、同PEP36、同PEP-8(以上、(株)ADEKA製)、Sandstab P-EPQ(クラリアント社製)、Weston(登録商標)618、同619G(以上、GE社製)、Ultranox626(GE社製)等が挙げられる。
リン/フェノール複合型酸化防止剤としては、例えば、スミライザー(登録商標)GP(6-[3-(3-tert-ブチル-4-ヒドロキシ-5-メチルフェニル)プロポキシ]-2,4,8,10-テトラ-tert-ブチルジベンズ[d,f][1.3.2]ジオキサホスフェピン)(住友化学(株)製)等が挙げられる。
硫黄系酸化防止剤としては、例えば、チオジプロピオン酸ジラウリル、ジミリスチル又はジステアリール等のジアルキルチオジプロピオネート化合物及びテトラキス[メチレン(3-ドデシルチオ)プロピオネート]メタン等のポリオールのβ-アルキルメルカプトプロピオン酸エステル化合物等が挙げられる。
樹脂組成物が酸化防止剤(H)を含む場合、樹脂組成物における酸化防止剤(H)の含有量は、樹脂(B)100質量部に対して、例えば0.01質量部以上10.0質量部以下であり、樹脂膜の発光量及び耐熱性等の観点から、好ましくは0.1質量部以上8.0質量部以下、より好ましくは1.0質量部以上7.0質量部以下、さらに好ましくは2.0質量部以上6.0質量部以下である。
樹脂組成物が酸化防止剤(H)を含む場合、樹脂組成物における酸化防止剤(H)の含有量は、樹脂組成物における半導体粒子(A)及び有機配位子(F)の合計値を100質量部として、例えば0.01質量部以上0.5質量部以下であり、樹脂膜の発光量及び耐熱性等の観点から、好ましくは0.02質量部以上0.4質量部以下、より好ましくは0.03質量部以上0.3質量部以下、さらに好ましくは0.03質量部以上0.2質量部以下である。
[8]その他の成分及び樹脂組成物の粘度
樹脂組成物及びそれから形成される樹脂膜は、必要に応じて、重合禁止剤、充填剤、他の高分子化合物、密着促進剤、光安定剤、連鎖移動剤、レベリング剤等、当該技術分野で公知の添加剤がさらに含まれていてもよい。
樹脂組成物及びそれから形成される樹脂膜は、必要に応じて、重合禁止剤、充填剤、他の高分子化合物、密着促進剤、光安定剤、連鎖移動剤、レベリング剤等、当該技術分野で公知の添加剤がさらに含まれていてもよい。
樹脂組成物の25℃における粘度は、例えば50mPa・s以上30000mPa・s以下であり、樹脂組成物の塗布性及び塗布により形成される樹脂膜の外観を良好にする観点から、好ましくは80mPa・s以上30000mPa・s以下、より好ましくは100mPa・s以上25000mPa・s以下、さらに好ましくは200mPa・s以上20000mPa・s以下である。樹脂組成物の粘度は、Brookfield回転粘度計を用いて測定することができる。
<樹脂組成物の製造方法>
樹脂組成物は、所定の成分、並びに必要に応じて使用される他の成分を混合する工程を含む方法によって製造することができる。樹脂組成物の製造方法は、樹脂(B)を調製する工程をさらに含むことができる。
樹脂組成物は、所定の成分、並びに必要に応じて使用される他の成分を混合する工程を含む方法によって製造することができる。樹脂組成物の製造方法は、樹脂(B)を調製する工程をさらに含むことができる。
<<樹脂膜の製造方法>>
本発明に係る樹脂膜は、例えば、上述の樹脂組成物を基板に塗布した後に乾燥させる工程を含む方法によって得ることができる。樹脂膜は、上記基板全面に形成されていてもよいし、上記基板の一部にパターン状に形成されていてもよい。樹脂膜をパターン状に形成する方法としては、インクジェット法、印刷法等が挙げられる。印刷法としては、ステンシル印刷法、スクリーン印刷法、アプリケーターによる印刷塗工等が挙げられる。
本発明に係る樹脂膜は、例えば、上述の樹脂組成物を基板に塗布した後に乾燥させる工程を含む方法によって得ることができる。樹脂膜は、上記基板全面に形成されていてもよいし、上記基板の一部にパターン状に形成されていてもよい。樹脂膜をパターン状に形成する方法としては、インクジェット法、印刷法等が挙げられる。印刷法としては、ステンシル印刷法、スクリーン印刷法、アプリケーターによる印刷塗工等が挙げられる。
基板としては、石英ガラス、ホウケイ酸ガラス、アルミナケイ酸塩ガラス、表面をシリカコートしたソーダライムガラス等のガラス板や、ポリカーボネート、ポリメタクリル酸メチル、ポリエチレンテレフタレート等の樹脂板、シリコン、上記基板上にアルミニウム、銀、銀/銅/パラジウム合金薄膜等を形成したもの等が挙げられる。
パターン状の樹脂膜は、例えば、以下のようにして作製することができる。まず、樹脂組成物をマスクを介して基板上に塗布して、パターン状の組成物層を形成する。樹脂組成物の塗布方法としては、スピンコート法、スリットコート法、スリット アンド スピンコート法等が挙げられる。
次に、組成物層を乾燥させる(溶剤等の揮発成分を除去する)ことにより樹脂膜を得る。乾燥方法としては、加熱乾燥、減圧乾燥又はこれらの組み合わせが挙げられる。加熱乾燥を行う場合の温度は、好ましくは30℃以上250℃以下、より好ましくは50℃以上235℃以下である。加熱時間は、好ましくは10秒間以上180分間以下、より好ましくは30秒間以上90分間以下である。減圧乾燥を行う場合は、50Pa以上150Pa以下の圧力下で行うことが好ましい。組成物層の乾燥は、例えば乾燥温度の異なる複数の乾燥工程を実施するなど、複数段で実施してもよい。
1つの好ましい実施形態において、樹脂膜の製造方法は、
上述の樹脂組成物を塗布して組成物層を形成する塗布工程と、
第1温度で組成物層の乾燥を行う第1乾燥工程と、
第2温度で第1乾燥工程後の組成物層の乾燥を行う第2乾燥工程と、
を含む。第2温度は、第1温度よりも高い。
上述の樹脂組成物を塗布して組成物層を形成する塗布工程と、
第1温度で組成物層の乾燥を行う第1乾燥工程と、
第2温度で第1乾燥工程後の組成物層の乾燥を行う第2乾燥工程と、
を含む。第2温度は、第1温度よりも高い。
塗布工程において、樹脂組成物としては、上記<樹脂組成物>に記載のものを用いることができる。上述のように、第1及び第2の発光強度維持率R1、R2が良好で、タック性が低減された樹脂膜を得るために、樹脂組成物としては、重合性化合物(C)及び重合開始剤(D)を実質的に含まないものを用いることが好ましい。塗布工程で用いる樹脂組成物は、半導体粒子(A)及び樹脂(B)を少なくとも含み、通常はさらに溶剤(G)を含む。
上記実施形態においては、第1乾燥工程と第2乾燥工程の2段階の乾燥工程を含む方法によって樹脂膜を形成する。2段階の乾燥工程を設け、かつ、第1乾燥工程の乾燥温度である第1温度よりも、第2乾燥工程の乾燥温度である第2温度を高くすることにより、表面が平滑で外観が良好な樹脂膜を形成することができる。1段階の乾燥工程で組成物層の乾燥を行うと、乾燥を2段階で実施する場合と比較して、樹脂膜の表面に凹凸が生じやすい傾向にある。これは、乾燥工程中に発泡が生じやすいためと考えられる。
第1乾燥工程及び第2乾燥工程とは、それぞれ、第1温度及び第2温度である一定又は略一定の温度下で組成物層の熱処理を行って組成物層中の溶剤等の揮発成分を除去する工程をいう。略一定とは、最大温度と最小温度と差が例えば10℃以内、好ましくは5℃以内である程度に乾燥温度に振れがあってもよいことを意味する。
熱処理の方法は特に制限されず、例えば、熱風、赤外線、マイクロ波、電気抵抗等を用いた熱処理方法、又はこれらの組み合わせが挙げられる。組成物層の熱処理は、上記基板を加熱することによって行われてもよい。
熱処理の方法は特に制限されず、例えば、熱風、赤外線、マイクロ波、電気抵抗等を用いた熱処理方法、又はこれらの組み合わせが挙げられる。組成物層の熱処理は、上記基板を加熱することによって行われてもよい。
表面が平滑な樹脂膜を形成する観点から、第1温度は、80℃以上120℃以下の範囲内の温度であることが好ましく、90℃以上110℃以下の範囲内の温度であることがより好ましい。同様の観点から、第2温度は、150℃以上200℃以下の範囲内の温度であることが好ましく、160℃以上190℃以下の範囲内の温度であることがより好ましい。第1乾燥工程及び第2乾燥工程は、好ましくは大気圧下で行われる。
樹脂膜の製造方法は、組成物層の温度を第1温度まで昇温する第1昇温工程、組成物層の温度を第2温度まで昇温する第2昇温工程、第2乾燥工程後の組成物層(樹脂膜)の温度を例えば室温程度まで降温する工程等をさらに含むことができる。また、第1乾燥工程と第2乾燥工程との間に、これらのいずれにも該当しない工程が含まれていてもよい。該工程としては、例えば、第1温度及び第2温度よりも低い第3温度下に組成物層を置く工程が挙げられ、搬送工程であってもよい。
樹脂膜の製造方法は、第1乾燥工程と第2乾燥工程との間における組成物層への紫外線の総露光量(照射波長365nm基準)が10mJ/cm2以下であることが好ましく、0mJ/cm2であることがより好ましい。これにより、樹脂膜製造の工程簡素化が図られるとともに、樹脂膜の発光強度の低下を抑制することができる。第1乾燥工程と第2乾燥工程との間における組成物層への紫外線の総露光量(照射波長365nm基準)が上記のような態様であると、樹脂組成物が若干量の重合性化合物(C)及び重合開始剤(D)を含む場合、特に樹脂膜の発光強度の低下を抑制することができる。同様の理由から、樹脂膜の製造方法は、第1乾燥工程開始時(好ましくは、塗布工程開始時)から第2乾燥工程終了時(樹脂膜製造完了時)の全期間にわたって、組成物層への紫外線の総露光量(照射波長365nm基準)が10mJ/cm2以下であることが好ましく、0mJ/cm2であることがより好ましい。
樹脂膜の膜厚は、特に限定されず、目的に応じて適宜選択すればよく、例えば1μm以上30μm以下であり、好ましくは3μm以上25μm以下、より好ましくは5μm以上25μm以下、さらに好ましくは5μm以上20μm以下である。膜厚が過度に小さいと、十分な発光強度が得られない。パターン状の樹脂膜の形状及び寸法は特に制限されない。パターン状の樹脂膜は、例えばその平面視形状が方形形状である。
樹脂膜は、紫外光又は可視光を照射することにより、照射光とは異なる波長の光を発光することができる。半導体粒子(A)の成分や粒子径を選択することによって、発光する光の波長を選択することができる。樹脂膜は、照射光の波長を変換する機能を有するため、表示装置の色変換層等として利用可能である。
<表示装置>
本発明に係る樹脂膜は、表示装置、特に、液晶表示装置、有機EL表示装置又は無機EL表示装置における色変換層(波長変換層)として有用である。このような表示装置としては、例えば、特開2006-309219号公報、特開2006-310303号公報、特開2013-15812号公報、特開2009-251129号公報、特開2014-2363号公報等に記載される表示装置が挙げられる。
本発明に係る樹脂膜は、表示装置、特に、液晶表示装置、有機EL表示装置又は無機EL表示装置における色変換層(波長変換層)として有用である。このような表示装置としては、例えば、特開2006-309219号公報、特開2006-310303号公報、特開2013-15812号公報、特開2009-251129号公報、特開2014-2363号公報等に記載される表示装置が挙げられる。
本発明に係る表示装置は上記樹脂膜を含み、通常は光源をさらに含む。表示装置は、特に制限されないが、例えば、光吸収層、光反射部材(反射フィルム等)、拡散フィルム、輝度強化部、プリズムシート、導光板、要素間の媒体材料層等の層をさらに含んでいてもよい。
光吸収層は、特定波長の範囲の光を透過し、それ以外の波長範囲の光を吸収する波長選択性を有する層である。光吸収層は通常、染料、顔料等の着色剤を含む層であり、上記樹脂膜上に配置することができる。光吸収層としては、カラーフィルタとして従来公知のものを用いることができる。光吸収層は、一般に、光硬化性樹脂組成物からなる層を、紫外線照射により硬化させて形成される。この際、隣接する樹脂膜に紫外線が当たると、従来の樹脂膜の場合、樹脂膜の発光強度が低下しやすかった。本発明に係る樹脂膜によれば、このような発光強度の低下を抑制することができる。
光反射部材は、光源の光を上記樹脂膜に向けて反射させるための部材であり、反射鏡、反射粒子のフィルム、反射金属フィルム、又は反射体等であってよい。拡散フィルムは、光源の光又は樹脂膜から発した光を拡散させるためのフィルムであり、増幅拡散フィルム等であってよい。輝度強化部は、光の一部分を、光が伝送された方向に向かって反射して戻すための部材である。
プリズムシートは、代表的には、基材部とプリズム部とを有する。基材部は、隣接する部材に応じて省略してもよい。プリズムシートは、任意の適切な接着層(例えば、接着剤層、粘着剤層)を介して隣接する部材に貼り合わせることができる。プリズムシートは、視認側とは反対側(背面側)に凸となる複数の単位プリズムが並列されて構成されている。プリズムシートの凸部を背面側に向けて配置することにより、プリズムシートを透過する光が集光されやすくなる。また、プリズムシートの凸部を背面側に向けて配置すれば、凸部を視認側に向けて配置する場合と比較して、プリズムシートに入射せずに反射する光が少なく、輝度の高い表示装置を得ることができる。
導光板としては、任意の適切な導光板が用いられる。例えば、横方向からの光を厚さ方向に偏向可能となるよう、背面側にレンズパターンが形成された導光板、背面側及び/又は視認側にプリズム形状等が形成された導光板が用いられる。
表示装置は、隣接する要素(層)間の光路上に1以上の媒体材料からなる層を含んでいてもよい。1以上の媒体材料としては、例えば真空、空気、ガス、光学材料、接着剤、光学接着剤、ガラス、ポリマー、固体、液体、ゲル、硬化材料、光学結合材料、屈折率整合又は屈折率不整合材料、屈折率勾配材料、クラッディング又は抗クラッディング材料、スペーサー、シリカゲル、輝度強化材料、散乱又は拡散材料、反射又は抗反射材料、波長選択性材料、波長選択性抗反射材料又は当該技術分野で既知の他の好適な媒体が含まれるが、これらに限定されず、任意の好適な材料が含まれてもよい。
表示装置の具体例としては、例えば、ELディスプレイや液晶ディスプレイ用の波長変換材料を備えたものが挙げられる。具体的には、波長変換層としての上記樹脂膜を導光板の端面(側面)に沿うように、青色光源と導光板の間に配置し、白色光を放出するバックライト(オンエッジ方式のバックライト)とし、導光板側に光吸収層を配置した表示装置;波長変換層としての上記樹脂膜を導光板の上に設置して、導光板の端面(側面)に置かれた青色光源から導光板を通して波長変換層に照射される光を白色光として放出するバックライト(表面実装方式のバックライト)とし、波長変換層上に光吸収層を配置した表示装置;上記樹脂膜を青色光源の発光部近傍に設置して波長変換層とし、照射される光を白色光として放出するバックライト(オンチップ方式のバックライト)とし、波長変換層上に光吸収層を配置した表示装置等が挙げられる。
以下、実施例により本発明をさらに詳細に説明する。例中の「%」及び「部」は、特記のない限り、質量%及び質量部である。
<測定・評価>
(1)樹脂膜の発光強度L、並びに、第1及び第2の発光強度維持率R1、R2
5cm角のガラス基板(イーグル2000;コーニング社製)上に、膜厚10μmの樹脂膜を形成して、樹脂膜を有する基板を得た。樹脂膜は、後述する実施例及び比較例の記載に従って製造した。
(1)樹脂膜の発光強度L、並びに、第1及び第2の発光強度維持率R1、R2
5cm角のガラス基板(イーグル2000;コーニング社製)上に、膜厚10μmの樹脂膜を形成して、樹脂膜を有する基板を得た。樹脂膜は、後述する実施例及び比較例の記載に従って製造した。
発光波長が444nmであるLEDランプ及び耐擦傷カバーを具備する狭指向角タイプのセンシングバックライト照明(OPFシリーズ;オプテックス・エフエー社製)をバックライトとして用意した。耐擦傷カバーを上に向けてバックライトを載置し、耐擦傷カバーの表面から高さ4cmの位置に、下記分光計に接続された発光を検出するための光ファイバーを設置した。バックライトの耐擦傷カバーの表面にリファレンスとしてのガラス基板(イーグル2000;コーニング社製)を配置した。この状態でバックライトを点灯させ、バックライトの全放射束(μW)がリファレンスのガラス基板(イーグル2000;コーニング社製)越しに1500μWとなるようにバックライトの光量を調節した。
次に、上記ガラス基板の表面に上記で作製した樹脂膜を有する基板を配置した。この状態でバックライトを点灯させ、樹脂膜から発せされる光について、波長485nm以上780nm以下の範囲における積算放射束として発光強度(単位:μW)を測定した。発光強度の測定には、分光計Spectrum meter(Ocean Optics社製)を用いた。以上のようにして、製造直後の樹脂膜の発光強度(%)を測定した。製造直後の樹脂膜の発光強度を「L0」という。
製造直後(第1露光試験前)の樹脂膜に対して、紫外線露光を行う第1露光試験を実施した。第1露光試験は、大気中、温度25℃、露光量200mJ/cm2(波長365nm基準)の条件下で行った。第1露光試験において照射する紫外線の照射強度は30mW/cm2とした。第1露光試験後の樹脂膜について、上記する装置を用いて発光強度を測定した。第1露光試験後の樹脂膜の発光強度を「L1」という。
下記式に基づき、第1の発光強度維持率R1を求めた。
第1の発光強度維持率R1(%)=100×(第1露光試験後の発光強度)/(第1露光試験前の発光強度)
第1の発光強度維持率R1(%)=100×(第1露光試験後の発光強度)/(第1露光試験前の発光強度)
次に、第1露光試験後の樹脂膜に対して、紫外線露光を行う第2露光試験を実施した。第2露光試験は、大気中、温度25℃、露光量200mJ/cm2(波長365nm基準)の条件下で行った。紫外線の照射強度及び照射時間は第1露光試験と同じとした。第2露光試験後の樹脂膜について、上記する装置を用いて発光強度を測定した。第2露光試験後の樹脂膜の発光強度を「L2」という。
下記式に基づき、第2の発光強度維持率R2を求めた。
第2の発光強度維持率R2(%)=100×(第2露光試験後の発光強度)/(第1露光試験後の発光強度)
第2の発光強度維持率R2(%)=100×(第2露光試験後の発光強度)/(第1露光試験後の発光強度)
(2)樹脂膜のタック性
5cm角のポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム(東レ(株)製の「ルミラー75-T60」)に形成した膜厚10μmの樹脂膜を形成した。樹脂膜は、後述する実施例及び比較例の記載に従って製造した。放冷後、PETフィルム上に形成された樹脂膜に、別の5cm角PETフィルム(東レ(株)製の「ルミラー75-T60」)を押し付けた後、この押し付けたPETフィルムを剥がした。剥がした直後の樹脂膜の表面及び剥がしたPETフィルムを目視で観察し、下記の評価基準に従って評価した。
A:樹脂膜にムラがなく、剥がしたPETフィルムに膜の転写がない(タック性が見られない)
B:樹脂膜にムラがあり、剥がしたPETフィルムに膜の転写がある(タック性が見られる)
C:樹脂膜が得られなかった
5cm角のポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム(東レ(株)製の「ルミラー75-T60」)に形成した膜厚10μmの樹脂膜を形成した。樹脂膜は、後述する実施例及び比較例の記載に従って製造した。放冷後、PETフィルム上に形成された樹脂膜に、別の5cm角PETフィルム(東レ(株)製の「ルミラー75-T60」)を押し付けた後、この押し付けたPETフィルムを剥がした。剥がした直後の樹脂膜の表面及び剥がしたPETフィルムを目視で観察し、下記の評価基準に従って評価した。
A:樹脂膜にムラがなく、剥がしたPETフィルムに膜の転写がない(タック性が見られない)
B:樹脂膜にムラがあり、剥がしたPETフィルムに膜の転写がある(タック性が見られる)
C:樹脂膜が得られなかった
(3)膜外観
後述する実施例及び比較例の記載に従ってガラス基板上に形成した直後の樹脂膜(膜厚10μm)の表面を目視観察し、下記の評価基準に従って評価した。
A:表面が平滑である
B:表面に凹凸がある
C:樹脂膜が得られなかった
後述する実施例及び比較例の記載に従ってガラス基板上に形成した直後の樹脂膜(膜厚10μm)の表面を目視観察し、下記の評価基準に従って評価した。
A:表面が平滑である
B:表面に凹凸がある
C:樹脂膜が得られなかった
(4)樹脂の重量平均分子量Mw
樹脂の重量平均分子量Mwの測定は、GPC法により以下の条件で行った。
装置;K2479((株)島津製作所製)
カラム;SHIMADZU Shim-pack GPC-80M
カラム温度;40℃
溶媒;テトラヒドロフラン
流速;1.0mL/min
検出器;RI
校正用標準物質 ;TSK STANDARD POLYSTYRENE F-40、F-4、F-288、A-2500、A-500(東ソー(株)製)
樹脂の重量平均分子量Mwの測定は、GPC法により以下の条件で行った。
装置;K2479((株)島津製作所製)
カラム;SHIMADZU Shim-pack GPC-80M
カラム温度;40℃
溶媒;テトラヒドロフラン
流速;1.0mL/min
検出器;RI
校正用標準物質 ;TSK STANDARD POLYSTYRENE F-40、F-4、F-288、A-2500、A-500(東ソー(株)製)
(5)樹脂の酸価
樹脂溶液3gを精秤し、アセトン90gと水10gとの混合溶剤に溶解し、0.1規定のKOH水溶液を滴定液として用いて、自動滴定装置(平沼産業社製の商品名「COM-555」)により、樹脂溶液の酸価を測定し、溶液の酸価と溶液の固形分とから固形分1g当たりの酸価(mgKOH/g)を求めた。
樹脂溶液3gを精秤し、アセトン90gと水10gとの混合溶剤に溶解し、0.1規定のKOH水溶液を滴定液として用いて、自動滴定装置(平沼産業社製の商品名「COM-555」)により、樹脂溶液の酸価を測定し、溶液の酸価と溶液の固形分とから固形分1g当たりの酸価(mgKOH/g)を求めた。
(6)樹脂溶液の固形分
樹脂溶液をアルミカップに約1gはかり取り、180℃で1時間乾燥した後、質量を測定した。その質量減少量から、樹脂溶液の固形分(質量%)を計算した。
樹脂溶液をアルミカップに約1gはかり取り、180℃で1時間乾燥した後、質量を測定した。その質量減少量から、樹脂溶液の固形分(質量%)を計算した。
<製造例1:半導体粒子(A-1)の分散液の調製>
有機配位子(F)としてオレイン酸が配位したInP/ZnSeS量子ドットのトルエン分散液を準備した。分散液を減圧蒸留し、トルエンを除去した。固形分30部に対しシクロヘキシルアセテート70部を添加して、半導体粒子(A-1)の分散液(固形分30%)を得た。
有機配位子(F)としてオレイン酸が配位したInP/ZnSeS量子ドットのトルエン分散液を準備した。分散液を減圧蒸留し、トルエンを除去した。固形分30部に対しシクロヘキシルアセテート70部を添加して、半導体粒子(A-1)の分散液(固形分30%)を得た。
<製造例2:光散乱剤(E-1)の分散液の調製>
酸化チタンナノ粒子70部に、DISPERBYK21116(ビックケミー・ジャパン製)を固形分で3部、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(以下、「PGMEA」という。)を全量が100部になるように加えた後、ペイントシェイカーで十分に分散するまで撹拌して、光散乱剤(E-1)の分散液(固形分73%)を得た。
酸化チタンナノ粒子70部に、DISPERBYK21116(ビックケミー・ジャパン製)を固形分で3部、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(以下、「PGMEA」という。)を全量が100部になるように加えた後、ペイントシェイカーで十分に分散するまで撹拌して、光散乱剤(E-1)の分散液(固形分73%)を得た。
<製造例3:樹脂(B-1)溶液の調製>
撹拌器、温度計付き還流冷却管、滴下ロート及び窒素導入管を具備したフラスコに、PGMEAを110部投入した後、窒素置換しながら撹拌し、80℃に昇温した。ジシクロペンタニルメタクリレート25部、メチルメタクリレート26部、メタクリル酸16部、2,2’-アゾビス(2,4-ジメチルバレロニトリル)14部をPGMEA110部に溶解した溶液を、滴下ロートからフラスコ中に滴下した後、80℃で3時間撹拌した。
次に、グリシジルメタクリレート16部、2、2’-メチレンビス(4-メチル-6-tert-ブチルフェノール)0.4部、トリフェニルホスフィン0.8部をフラスコ内に投入して110℃まで昇温、8時間撹拌することで重合体中のカルボン酸とエポキシ基とを反応させて、重合性不飽和結合を導入した。次いで、1,2,3,6-テトラヒドロフタル酸無水物17部を加え3時間反応を続けて、側鎖にカルボン酸基を導入した。反応液を室温まで冷却することで樹脂(B-1)溶液を得た。
樹脂(B-1)は、標準ポリスチレン換算の重量平均分子量Mwが5200、分子量分布が2.3、酸価が100mgKOH/gであり、樹脂(B-1)溶液中の固形分は40質量%であった。
撹拌器、温度計付き還流冷却管、滴下ロート及び窒素導入管を具備したフラスコに、PGMEAを110部投入した後、窒素置換しながら撹拌し、80℃に昇温した。ジシクロペンタニルメタクリレート25部、メチルメタクリレート26部、メタクリル酸16部、2,2’-アゾビス(2,4-ジメチルバレロニトリル)14部をPGMEA110部に溶解した溶液を、滴下ロートからフラスコ中に滴下した後、80℃で3時間撹拌した。
次に、グリシジルメタクリレート16部、2、2’-メチレンビス(4-メチル-6-tert-ブチルフェノール)0.4部、トリフェニルホスフィン0.8部をフラスコ内に投入して110℃まで昇温、8時間撹拌することで重合体中のカルボン酸とエポキシ基とを反応させて、重合性不飽和結合を導入した。次いで、1,2,3,6-テトラヒドロフタル酸無水物17部を加え3時間反応を続けて、側鎖にカルボン酸基を導入した。反応液を室温まで冷却することで樹脂(B-1)溶液を得た。
樹脂(B-1)は、標準ポリスチレン換算の重量平均分子量Mwが5200、分子量分布が2.3、酸価が100mgKOH/gであり、樹脂(B-1)溶液中の固形分は40質量%であった。
<製造例4:樹脂(B-2)溶液の調製>
2,2’-アゾビス(2,4-ジメチルバレロニトリル)を12.5質量部としたこと以外は製造例3と同様にして樹脂(B-2)溶液を得た。
樹脂(B-2)は、標準ポリスチレン換算の重量平均分子量Mwが6500、分子量分布が2.2、酸価が100mgKOH/gであり、樹脂(B-2)溶液中の固形分は40質量%であった。
2,2’-アゾビス(2,4-ジメチルバレロニトリル)を12.5質量部としたこと以外は製造例3と同様にして樹脂(B-2)溶液を得た。
樹脂(B-2)は、標準ポリスチレン換算の重量平均分子量Mwが6500、分子量分布が2.2、酸価が100mgKOH/gであり、樹脂(B-2)溶液中の固形分は40質量%であった。
<製造例5:樹脂(B-3)溶液の調製>
2,2’-アゾビス(2,4-ジメチルバレロニトリル)を11質量部としたこと以外は製造例3と同様にして樹脂(B-3)溶液を得た。
樹脂(B-3)は、標準ポリスチレン換算の重量平均分子量Mwが7600、分子量分布が2.1、酸価が100mgKOH/gであり、樹脂(B-3)溶液中の固形分は40質量%であった。
2,2’-アゾビス(2,4-ジメチルバレロニトリル)を11質量部としたこと以外は製造例3と同様にして樹脂(B-3)溶液を得た。
樹脂(B-3)は、標準ポリスチレン換算の重量平均分子量Mwが7600、分子量分布が2.1、酸価が100mgKOH/gであり、樹脂(B-3)溶液中の固形分は40質量%であった。
<製造例6:樹脂(B-4)溶液の調製>
メチルメタクリレートを23質量部、メタクリル酸を19質量部、2,2’-アゾビス(2,4-ジメチルバレロニトリル)を10質量部としたこと以外は製造例3と同様にして樹脂(B-4)溶液を得た。
樹脂(B-4)は、標準ポリスチレン換算の重量平均分子量Mwが8400、分子量分布が2.2、酸価が100mgKOH/gであり、樹脂(B-4)溶液中の固形分は40質量%であった。
メチルメタクリレートを23質量部、メタクリル酸を19質量部、2,2’-アゾビス(2,4-ジメチルバレロニトリル)を10質量部としたこと以外は製造例3と同様にして樹脂(B-4)溶液を得た。
樹脂(B-4)は、標準ポリスチレン換算の重量平均分子量Mwが8400、分子量分布が2.2、酸価が100mgKOH/gであり、樹脂(B-4)溶液中の固形分は40質量%であった。
<実施例1~8、比較例1~2>
(1)樹脂組成物の調製
製造例1で得られた有機配位子(F)を含有する半導体粒子(A-1)の分散液、製造例2で得られた光散乱剤(E-1)の分散液、製造例3~6で得られた樹脂(B-1)溶液~樹脂(B-4)溶液のいずれか、並びに、表1に示される他の成分をそれぞれ所定量混合して、樹脂組成物を調製した。
(1)樹脂組成物の調製
製造例1で得られた有機配位子(F)を含有する半導体粒子(A-1)の分散液、製造例2で得られた光散乱剤(E-1)の分散液、製造例3~6で得られた樹脂(B-1)溶液~樹脂(B-4)溶液のいずれか、並びに、表1に示される他の成分をそれぞれ所定量混合して、樹脂組成物を調製した。
添加量から求められる樹脂組成物における各成分の含有量は表1に示されるとおりである。表1において、溶剤(G)以外の成分は固形分換算の含有量(単位:質量部)である。溶剤(G)の含有量の単位は質量部である。例えば半導体粒子(A-1)は、樹脂組成物の調製において半導体粒子(A-1)の分散液として配合されているが、表1に示される含有量は、その分散液に含まれる半導体粒子(A-1)それ自体の量である。表1における溶剤(G)には、樹脂組成物の調製に用いた分散液や溶液に含有される溶剤が含まれている。
表1に示される、樹脂組成物における有機配位子(F)の含有量については、次の方法に従って製造例1で得られた半導体粒子(A-1)の分散液における有機配位子(F)の濃度を測定し、これに基づいて算出した。すなわち、半導体粒子(A-1)の分散液を150℃で真空乾燥して溶媒を除去した後、残った固形分について、熱重量分析装置「TGDTA6200」を用いて、重量変化を昇温速度5℃/minで50℃から550℃まで測定した。50℃から500℃までの変化重量を有機配位子(F)の重量として、半導体粒子(A-1)の分散液における有機配位子(F)の濃度を算出した。
(2)樹脂膜の製造
ガラス基板上に、25℃の温度下、樹脂組成物をフィルムアプリケーター(太佑機材(株)製の「AP75」)を用いて塗布して組成物層を形成した。次いで、下記温度プロファイルに従う、第1乾燥工程及び第2乾燥工程を含む乾燥処理を行って、膜厚10μmの樹脂膜を形成した。
[25℃→100℃(1分)]-[100℃一定(3分、第1乾燥工程)]-[100℃→25℃(1分)]-[25℃一定(3分)]-[25℃→180℃(1分)]-[180℃一定(10分、第2乾燥工程)]-[180℃→25℃(5分)]
ガラス基板上に、25℃の温度下、樹脂組成物をフィルムアプリケーター(太佑機材(株)製の「AP75」)を用いて塗布して組成物層を形成した。次いで、下記温度プロファイルに従う、第1乾燥工程及び第2乾燥工程を含む乾燥処理を行って、膜厚10μmの樹脂膜を形成した。
[25℃→100℃(1分)]-[100℃一定(3分、第1乾燥工程)]-[100℃→25℃(1分)]-[25℃一定(3分)]-[25℃→180℃(1分)]-[180℃一定(10分、第2乾燥工程)]-[180℃→25℃(5分)]
得られた樹脂膜について、発光強度L0~L2、第1及び第2の発光強度維持率R1、R2、タック性及び膜外観を測定又は評価した。それらの結果を表1に示す。
<参考例>
ガラス基板上に、25℃の温度下、実施例1の樹脂組成物と同じ樹脂組成物をフィルムアプリケーター(太佑機材(株)製の「AP75」)を用いて塗布して組成物層を形成した。次いで、下記温度プロファイルに従う、第2乾燥工程を含む乾燥処理(第1乾燥工程を有しない)を行って、膜厚10μmの樹脂膜を形成した。
[25℃→180℃(1分)]-[180℃一定(10分、第2乾燥工程)]-[180℃→25℃(5分)]
参考例の樹脂膜は、タック性の評価はAであったが、膜外観の評価はBであった。
ガラス基板上に、25℃の温度下、実施例1の樹脂組成物と同じ樹脂組成物をフィルムアプリケーター(太佑機材(株)製の「AP75」)を用いて塗布して組成物層を形成した。次いで、下記温度プロファイルに従う、第2乾燥工程を含む乾燥処理(第1乾燥工程を有しない)を行って、膜厚10μmの樹脂膜を形成した。
[25℃→180℃(1分)]-[180℃一定(10分、第2乾燥工程)]-[180℃→25℃(5分)]
参考例の樹脂膜は、タック性の評価はAであったが、膜外観の評価はBであった。
表1に示される成分の略称の詳細は次のとおりである。
〔1〕重合性化合物(C-1):光重合性化合物「M-510」(多塩基変性アクリレート、東亞合成社製、固形分100%)
〔2〕重合開始剤(D-1):下記式で表される化合物(光重合開始剤)。特開2011-132215号公報に記載される方法により製造した(固形分100%)。
〔1〕重合性化合物(C-1):光重合性化合物「M-510」(多塩基変性アクリレート、東亞合成社製、固形分100%)
〔2〕重合開始剤(D-1):下記式で表される化合物(光重合開始剤)。特開2011-132215号公報に記載される方法により製造した(固形分100%)。
〔3〕有機配位子(F):オレイン酸
〔4〕溶剤(G-1):PGMEA(プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート)
〔5〕溶剤(G-2):シクロヘキシルアセテート
〔6〕酸化防止剤(H-1):Sumilizer-GP(リン/フェノール複合型酸化防止剤、住友化学社製、固形分100%)
〔4〕溶剤(G-1):PGMEA(プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート)
〔5〕溶剤(G-2):シクロヘキシルアセテート
〔6〕酸化防止剤(H-1):Sumilizer-GP(リン/フェノール複合型酸化防止剤、住友化学社製、固形分100%)
Claims (7)
- 半導体粒子(A)を含む樹脂膜であって、
前記樹脂膜に対して、大気中、露光量200mJ/cm2(照射波長365nm基準)の条件で露光を行う第1露光試験を実施したとき、下記式で示される第1の発光強度維持率R1が95%以上である、樹脂膜。
第1の発光強度維持率R1(%)=100×(前記第1露光試験後の発光強度)/(前記第1露光試験前の発光強度) - 前記第1露光試験が実施された樹脂膜に対して、大気中、露光量200mJ/cm2(照射波長365nm基準)の条件で露光を行う第2露光試験を実施したとき、下記式で示される第2の発光強度維持率R2が85%以上である、請求項1に記載の樹脂膜。
第2の発光強度維持率R2(%)=100×(前記第2露光試験後の発光強度)/(前記第1露光試験後の発光強度) - 前記半導体粒子(A)と、樹脂(B)とを含む樹脂組成物から形成される、請求項1に記載の樹脂膜。
- 前記樹脂組成物は、重合性化合物(C)及び重合開始剤(D)の含有量が、それぞれ、前記樹脂組成物の固形分の総量に対して0.01質量%以下である、請求項3に記載の樹脂膜。
- 前記樹脂組成物は、前記重合性化合物(C)及び前記重合開始剤(D)の含有量が、それぞれ、前記樹脂組成物の固形分の総量に対して0質量%である、請求項4に記載の樹脂膜。
- 光散乱剤(E)をさらに含む、請求項1~5のいずれか1項に記載の樹脂膜。
- 請求項1~5のいずれか1項に記載の樹脂膜を含む表示装置。
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