JP2023069740A - インク組成物及び捺染方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明は、インクジェット捺染において、白色度に優れた染色物を作製でき、繊維への密着性に優れたインク組成物を提供することを目的とするものである。【解決手段】白色顔料、水分散性樹脂、水溶性有機溶剤、及び水を含むインクジェット記録用水性白色顔料インクであって、前記水分散性樹脂が、重量平均分子量が77,000以下である樹脂を含む第一の樹脂エマルジョンと、重量平均分子量が77,000を超える樹脂を含む第二の樹脂エマルジョンとを含む、インクジェット記録用水性白色顔料インク。【選択図】なし

Description

白色顔料、水分散性樹脂、水溶性有機溶剤、及び水を含むインクジェット記録用水性白色顔料インクであって、前記水分散性樹脂が、重量平均分子量が77,000以下である樹脂を含む第一の樹脂エマルジョンと、重量平均分子量が77,000を超える樹脂を含む第二の樹脂エマルジョンとを含む、インクジェット記録用水性白色顔料インク及びそれを用いた捺染方法に関する。
インクジェット記録は、情報のデジタル化が進む中で、オフィス、家庭用の印刷方法として広く普及している。また、近年では商業印刷や繊維への捺染等への応用展開も数多く進められている。そして、インクジェット記録の用途が広がっていくのに伴い、インクジェットインクに用いる着色剤も従来の酸性染料あるいは直接染料等の水溶性染料から、用途に応じて水不溶性の着色剤、すなわち、分散染料や顔料等の様々な着色剤が使用されるようになってきた。
顔料を用いたインクジェットインクとしては、特許文献1のインクが挙げられる。これは、高分子分散剤を用いた分散インク組成物である。また、特許文献2には、自己分散型の顔料を用いたインク組成物が開示されている。近年、樹脂をインク中に混合することで、熱処理により被記録材に硬化・定着させる手法も知られており、例えば特許文献3及び4に開示されている。
色材として顔料を用いる場合、耐光性が高い、複数の繊維種に対応できる、色材除去工程が不要である、といった利点があり、その簡便さが好まれている。この顔料定着のために、インクにはバインダー成分を添加する必要がある。しかし、インクジェット用インクでは、吐出安定性およびヘッド放置後の吐出性、目詰まりの観点から、バインダー成分を多量に使用することができないため、密着性が不十分となり、洗濯をした際やこすった際に印刷部分がはがれやすくなってしまう。
水不溶性の着色剤として白色顔料を用いるインクジェット捺染では、白色顔料を含有するインクを繊維に付着させ、白色の下地を形成した後にカラーインクを、形成した下地にさらに付着させて、カラー画像を形成する方法が一般的に知られている。このとき、白下地の形成を良好にする目的で、白インクを付着させる前に、繊維に対して前処理を行うこともできる。例えば、特許文献5及び6には、そのような処理液の記載がされている。
特に、黒色を含む濃色の繊維に対して白色以外のカラーインクを直接捺染すると、目視ではカラーインクの色を認識できないことがある。このため、白色以外の色の繊維にカラーインクで捺染をするときは、通常は白色の下地を設置する。この下地の白色度が低いと、カラーインクで捺染した画像の発色が低下する。この理由から、下地の白色度は高い方が望ましい。このため、これらの問題を解決できる白インクが強く望まれている。
特許第3534395号公報 特許第4016483号公報 特開2011-246633号公報 特開平9-143407号公報 特表2018-505244号公報 特開2017-31354号公報
本発明は、インクジェット捺染において、白色度に優れた染色物を作製でき、繊維への密着性に優れたインク組成物を提供することを目的とするものである。
本発明者らは上記したような課題を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、白色顔料、水分散性樹脂、水溶性有機溶剤、及び水を含むインクジェット記録用水性白色顔料インクであって、前記水分散性樹脂が、重量平均分子量が77,000以下である樹脂を含む第一の樹脂エマルジョンと、重量平均分子量が77,000を超える樹脂を含む第二の樹脂エマルジョンとを含む、インクジェット記録用水性白色顔料インクが、上記課題を解決するものであることを見出し、本発明を完成させたものである。
即ち本発明は、以下の1)~9)に関する。
1)
白色顔料、水分散性樹脂、水溶性有機溶剤、及び水を含むインクジェット記録用水性白色顔料インクであって、前記水分散性樹脂が、重量平均分子量が77,000以下である樹脂を含む第一の樹脂エマルジョンと、重量平均分子量が77,000を超える樹脂を含む第二の樹脂エマルジョンとを含む、インクジェット記録用水性白色顔料インク。
2)
前記インクジェット記録用水性白色顔料インク全量に対する、前記第一の樹脂エマルジョンの固形分配合量をR1、前記第二の樹脂エマルジョンの固形分配合量をR2、とした場合、R1/R2で表される値が、0.27を超え、かつ、0.4未満である、1)に記載のインクジェット記録用水性白色顔料インク。
3)
上記インクジェット記録用水性白色顔料インク全量に対する、前記第一の樹脂エマルジョンの固形分配合量をR1、前記白色顔料の固形分配合量をP1、とした場合、R1/P1で表される値が0.5未満である、2)に記載のインクジェット記録用水性白色顔料インク。
4)
上記インクジェット記録用水性白色顔料インク全量に対する、前記第一の樹脂エマルジョンの固形分配合量をR1、前記白色顔料の固形分配合量をP1、とした場合、R1/P1で表される値が0.026を超え、かつ、0.5未満である、2)に記載のインクジェット記録用水性白色顔料インク。
5)
25℃において、表面張力が20~45mN/m、粘度が2~20mPa・sである、1)~4)のいずれか一項に記載のインク組成物。
6)
1)~5)のいずれか一項に記載のインク組成物の液滴を、記録信号に応じて吐出させ、被記録材に付着させることにより捺染を行うインクジェット捺染方法。
7)
前記被記録材が、ポリエステル、セルロース、ポリアミド、及び天然繊維よりなる群から選択される繊維、これらの繊維を含有する混紡繊維、又はこれらの繊維を含有する布帛である、6)に記載のインクジェット捺染方法。
8)
6)又は7)に記載のインクジェット捺染方法を用いて被記録材に付着させたインク組成物が含有する顔料を、スチーミング又はベーキング処理により前記被記録材に染着させ、染色を行うインクジェット染色方法。
9)
前記スチーミング又はベーキング処理の処理温度が80~250℃であり、処理時間が10秒から30分の範囲である、8)に記載のインクジェット染色方法。
本発明により、インクジェット捺染において、発色に優れた染色物を作製でき、かつ再分散性に優れたインク組成物が得られる。
以下、本発明を詳細に説明する。以下においては、特に断りのない限り、「インク」、「インク組成物」と記載したときは上記「インクジェット記録用水性白色顔料インク」を意味する。また、特に断りのない限り、本明細書においては実施例等も含めて「%」及び「部」数については、いずれも質量基準で記載する。
本発明は、白色顔料、水分散性樹脂、水溶性有機溶剤、及び水を含むインクジェット記録用水性白色顔料インクであって、前記水分散性樹脂が、重量平均分子量が77,000以下である樹脂を含む第一の樹脂エマルジョンと、重量平均分子量が77,000を超える樹脂を含む第二の樹脂エマルジョンとを含む、インクジェット記録用水性白色顔料インクに関する。
[白色顔料]
上記の白色顔料としては、特に限定されるものではなく、公知の白色顔料が使用できる。白色顔料としては、無機顔料、有機顔料、体質顔料等が知られている。
上記白色顔料としては、金属酸化物を使用するのが好ましい。金属酸化物としては、酸化亜鉛、酸化チタン、酸化ジルコニア等が挙げられ、酸化チタンが好ましい。酸化チタンの種類としては、ルチル型、アナターゼ型;等が挙げられる。酸化チタンは粉体としてそのまま使用してもよいし、二酸化ケイ素、酸化アルミ、酸化ジルコニア、酸化亜鉛、又は水酸基を有する有機物等で、表面を処理したものを使用してもよい。これらの中では表面処理した酸化チタンが好ましく挙げられる。
酸化チタンの具体例としては、例えば、DUAWHITE TCR-52、TITONE R-32、TITONE R-7E、TITONE R-21、TITONE R-62N、TITONE R-42(以上、堺化学工業株式会社製);TIPAQUE CR-50、TIPAQUE CR-50-2、TIPAQUE CR-58、TIPAQUE CR-60、TIPAQUE CR-80、TIPAQUE CR-90(以上、石原産業株式会社製);TITANIX JA-600A、TITANIX JR-605(以上、テイカ株式会社製);ST-455、ST-455WB、ST-457SA、ST-457EC(以上、チタン工業株式会社製);等が挙げられる。
上記の体質顔料としては、例えば、シリカ、炭酸カルシウム、タルク、クレー、硫酸バリウム、ホワイトカーボン等が挙げられる。これらの体質顔料は単独で使用してもよいが、通常は無機顔料又は有機顔料と併用して使用される。
上記白色顔料としては、通常は単一の白色顔料を用いる。しかし、必要に応じて2種類以上の白色顔料を併用してもよい。一例としては、有機顔料と体質顔料;有機顔料と無機顔料;等の併用例を挙げることができる。また、流動性改良のため、有機顔料及び無機顔料に加えて、さらに体質顔料を併用することもできる。
さらに、染色物の色相調整のため、無機顔料及び有機顔料から選択される2種以上の顔料を併用することもできる。ここでいう色相調整は、濃淡をつけた染色物を得ること;染色の色域を広げること;等を目的として行われる。このような目的のためには、数種類の有機顔料を併用し、所望の色相に調整することができる。
上記インク組成物に含まれる白色顔料としては、酸化チタンであることがさらに好ましい。
[水分散性樹脂]
上記水分散性樹脂としては、重量平均分子量が77,000以下である樹脂を含む第一の樹脂エマルジョンと、重量平均分子量が77,000を超える樹脂を含む第二の樹脂エマルジョンとを含むものであれば特に限定はなく、第一の樹脂エマルジョンの重量平均分子量が、30,000以上、かつ、75,000以下であることが好ましく、50,000以上、かつ、75,000以下であることがより好ましく、65,000以上、かつ、74,000以下であることがさらに好ましく、70,000以上、かつ、73,000以下であることが特に好ましい。第二の樹脂エマルジョンの重量平均分子量が、80,000以上、かつ、200,000以下であることが好ましく、80,000以上、かつ、150,000以下であることがより好ましく、82,000以上、かつ、100,000以下であることがさらに好ましく、83,000以上、かつ、90,000以下であることが特に好ましい。また、第一の樹脂エマルジョン、第二の樹脂エマルジョンは、それぞれ1種単独あるいは2種以上を併用しても良い。なお、第一の樹脂エマルジョンと第二の樹脂エマルジョンの重量平均分子量は、例えば、ゲルパーミネーションクロマトグラフィー(GPC)等公知の手段で算出することができる。
上記水分散性樹脂としては、例えば、ウレタン樹脂、アクリル樹脂、ウレタンアクリル樹脂、スチレン樹脂等が挙げられ、ウレタン樹脂であることが好ましい。
上記ウレタン樹脂の具体例としては、例えば、ポリエーテルウレタン、ポリカーボネートウレタン、ポリエステルウレタン等のウレタン樹脂が挙げられ、ポリエーテルウレタンであることが好ましい。
上記ウレタン樹脂としては、ジイソシアネート化合物とジオール化合物とを反応して得られる水溶性または水分散性のポリウレタン樹脂を使用することが好ましい様態の一つである。
上記ジイソシアネート化合物としては、例えば、ヘキサメチレンジイソシアネート、2,2,4-トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、水添キシリレンジイソシアネート、1,4-シクロヘキサンジイソシアネート、4,4-ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート等の脂環式ジイソシアネート化合物、キシリレンジイソシアネート、テトラメチルキシリレンジイソシアネート等の芳香脂肪族ジイソシアネート化合物、トルイレンジイソシアネート、フェニルメタンジイソシアネート等の芳香族ジイソシアネート化合物、これらジイソシアネートの変性物(カルボジイミド、ウレトジオン、ウレトイミン含有変性物など)等が挙げられる。上記ジイソシアネート化合物は1種単独あるいは2種以上を併用しても良い。
上記ジオール化合物としては、例えば、エチレンオキシド、プロピレンオキシド等のアルキレンオキシドやテトラヒドロフラン等の複素環式エーテルを(共)重合させて得られるジオール化合物、カルボン酸基、スルホン酸基などの酸性基を有するジオール化合物等が挙げられる。該ジオール化合物の具体例としては、例えば、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレンエーテルグリコール、ポリヘキサメチレンエーテルグリコール等のポリエーテルジオール、ポリエチレンアジペート、ポリブチレンアジペート、ポリネオペンチルアジペート、ポリ-3-メチルペンチルアジペート、ポリエチレン/ブチレンアジペート、ポリネオペンチル/ヘキシルアジペート等のポリエステルジオール、ポリカプロラクトンジオール等のポリラクトンジオール、ポリカーボネートジオール、ジメチロール酢酸、ジメチロールプロピオン酸、ジメチロール酪酸等が挙げられる。これらの中では、ポリエーテル系、ポリエステル系、ポリカーボネート系、ジメチロールプロピオン酸のうち1種以上を含むことが好ましい。上記ジオール化合物は1種単独あるいは2種以上を併用しても良い。
上記ウレタン樹脂の合成に際しては、低分子量のポリヒドロキシ化合物を添加してもよい。低分子量のポリヒドロキシ化合物としては、ポリエステルジオールの原料として使用される、グリコール、アルキレンオキシド低モル付加物、グリセリン、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン等の3価アルコール及びそのアルキレンオキシド低モル付加物が挙げられる。また、このようにして得られたウレタンプレポリマーは、ジメチロールアルカン酸に由来する酸基を中和した後または中和しながら水延長またはジ(トリ)アミンで鎖延長することができる。鎖延長の際に使用されるポリアミンとしては、ヘキサメチレンジアミン、イソホロンジアミン、ヒドラジン、ピペラジン等が挙げられ、これらは1種単独あるいは2種以上を併用してもよい。
また、上記ウレタン樹脂の形態も特に限定されない。代表的には、エマルジョンタイプ、例えば、自己乳化エマルジョンや、自己安定化タイプ等が挙げられる。特に、上記のうちカルボン酸基、スルホン酸基などの酸性基を有するジオール化合物を用いたり、低分子量のポリヒドロキシ化合物を添加したり、酸性基を導入したウレタン樹脂、中でもカルボキシ基を有するものが好ましい。
上記酸性基を導入したウレタン樹脂は、酸性基が中和されたものを使用することもできる。中和に使用する塩基としては、例えば、ブチルアミン、トリエチルアミン等のアルキルアミン、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン等のアルカノールアミン、モルホリン、アンモニア、水酸化ナトリウム等の無機塩基などが挙げられる。
前記インクジェット記録用水性白色顔料インク全量に対する、前記第一の樹脂エマルジョンの固形分配合量をR1、前記第二の樹脂エマルジョンの固形分配合量をR2、とした場合、R1/R2で表される値が、0.27を超え、かつ、0.4未満であることが好ましい。また、上記第一の樹脂エマルジョンがポリエーテルウレタンを含み、かつ、上記第二の樹脂エマルジョンがポリカーボネートウレタンを含むことが好ましく、上記第一の樹脂エマルジョンがポリエーテルウレタンからなり、かつ、上記第二の樹脂エマルジョンがポリカーボネートウレタンからなる、ことがより好ましい。
[水溶性有機溶剤]
上記水溶性有機溶剤としては、例えば、メタノール、エタノール、n-プロパノール、イソプロパノール、n-ブタノール、イソブタノール、第二ブタノール、第三ブタノール等のC1-C4モノオール;エチレングリコール、1,2-又は1,3-プロピレングリコール、1,2-又は1,4-ブチレングリコール、1,3-ペンタンジオール、1,5-ペンタンジオール、1,2-ヘキサンジオール、1,6-ヘキサンジオール等のC2-C6ジオール;グリセリン、ヘキサン-1,2,6-トリオール、トリメチロールプロパン等のC3-C6トリオール;N,N-ジメチルホルムアミド、N,N-ジメチルアセトアミド等のカルボン酸アミド;2-ピロリドン、N-メチル-2-ピロリドン、1,3-ジメチルイミダゾリジン-2-オン、1,3-ジメチルヘキサヒドロピリミド-2-オン等の複素環式尿素類;アセトン、メチルエチルケトン、2-メチル-2-ヒドロキシペンタン-4-オン等のケトン又はケトアルコール;1,2-ジメトキシエタン、テトラヒドロフラン、ジオキサン等の直鎖又は環状エーテル;ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ジプロピレングリコール、チオジグリコール等のジ若しくはトリC2-C3アルキレングリコール又はチオグリコール;テトラエチレングリコール、ポリエチレングリコール(好ましくは分子量400、800、1540等の分子量が2000以下のもの)、ポリプロピレングリコール等の、繰り返し単位が4以上で、分子量が約20000以下程度のポリC2-C3アルキレングリコール(好ましくは液状のもの);ジグリセリン、トリグリセリン、ポリグリセリン等のポリグリセリルエーテル;ポリオキシエチレンポリグリセリルエーテル、ポリオキシプロピレンポリグリセリルエーテル等のポリオキシC2-C3アルキレンポリグリセリルエーテル;エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル(ブチルカルビトール)、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールモノエチルエーテル、トリエチレングリコールモノブチルエーテル等の多価アルコールのC1-C4アルキルエーテル;γ-ブチロラクトン、エチレンカーボネート等の環状エステル又はカーボネート;ジメチルスルホキシド;酢酸;等が挙げられる。
これらの中では、C2-C6ジオール(中では1,2-プロピレングリコール);C3-C6トリオール(中ではグリセリン);ポリグリセリルエーテル(中ではジグリセリン);及び、多価アルコールのC1-C4アルキルエーテル(中ではブチルカルビトール);が好ましい。
これらの水溶性有機溶剤は1種類を使用してもよく、また複数を併用してもよい。これらの中では、ポリグリセリルエーテル(好ましくはグリセリン及び/又はジグリセリン)を含有するのが好ましい。
[水]
上記インク組成物は、水を含む。用いうる水は、イオン交換水、蒸留水等の不純物が少ないものが好ましい。また、上記インク組成物に対してメンブランフィルター等を用いた精密濾過を行うことができる。上記インク組成物をインクジェット捺染インク用として使用するときは、ノズルの目詰まり等を防止する目的で、精密濾過を行うことが好ましい。精密濾過に使用するフィルターの孔径は通常1μm~0.1μm、好ましくは0.8μm~0.1μmである。
上記インクジェット記録用水性白色顔料インク全量に対する、前記第一の樹脂エマルジョンの固形分配合量をR1、前記白色顔料の固形分配合量をP1、とした場合、R1/P1で表される値が0.5未満であることが好ましく、0.026を超え、かつ、0.5未満であることがさらに好ましい。
上記インク組成物は、さらに添加剤を含んでいても良い。
上記添加剤としては、例えば、防腐剤、界面活性剤、キレート試薬、防錆剤、水溶性紫外線吸収剤、水溶性高分子化合物、粘度調整剤、色素溶解剤、褪色防止剤、酸化防止剤、水等が挙げられる。
上記防腐剤としては、例えば、有機硫黄系、有機窒素硫黄系、有機ハロゲン系、ハロアリルスルホン系、ヨードプロパギル系、N-ハロアルキルチオ系、ニトリル系、ピリジン系、8-オキシキノリン系、ベンゾチアゾール系、イソチアゾリン系、ジチオール系、ピリジンオキシド系、ニトロプロパン系、有機スズ系、フェノール系、第4アンモニウム塩系、トリアジン系、チアジン系、アニリド系、アダマンタン系、ジチオカーバメイト系、ブロム化インダノン系、ベンジルブロムアセテート系、無機塩系等の化合物が挙げられる。有機ハロゲン系化合物の具体例としては、例えばペンタクロロフェノールナトリウムが挙げられ、ピリジンオキシド系化合物の具体例としては、例えば2-ピリジンチオール-1-オキサイドナトリウムが挙げられ、イソチアゾリン系化合物の具体例としては、例えば、1,2-ベンズイソチアゾリン-3-オン、2-n-オクチル-4-イソチアゾリン-3-オン、5-クロロ-2-メチル-4-イソチアゾリン-3-オン、5-クロロ-2-メチル-4-イソチアゾリン-3-オンマグネシウムクロライド、5-クロロ-2-メチル-4-イソチアゾリン-3-オンカルシウムクロライド、2-メチル-4-イソチアゾリン-3-オンカルシウムクロライド等が挙げられる。その他の防腐防黴剤の具体例として、無水酢酸ソーダ、ソルビン酸ソーダ又は安息香酸ナトリウム、アーチケミカル社製、商品名プロクセルRTMGXL(S)やプロクセルRTMXL-2(S)等が挙げられる。
上記界面活性剤としては、アニオン系、カチオン系、ノニオン系、シリコーン系等の公知の界面活性剤が挙げられる。アニオン界面活性剤としては、アルキルスルホン酸塩、アルキルカルボン酸塩、α-オレフィンスルホン酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル酢酸塩、N-アシルアミノ酸及びその塩、N-アシルメチルタウリン塩、アルキル硫酸塩ポリオキシアルキルエーテル硫酸塩、アルキル硫酸塩ポリオキシエチレンアルキルエーテル燐酸塩、ロジン酸石鹸、ヒマシ油硫酸エステル塩、ラウリルアルコール硫酸エステル塩、アルキルフェノール型燐酸エステル、アルキル型燐酸エステル、アルキルアリールスルホン酸塩、ジエチルスルホ琥珀酸塩、ジエチルヘキルシルスルホ琥珀酸塩、ジオクチルスルホ琥珀酸塩等が挙げられる。その市販品の具体例としては、例えば、いずれも第一工業製薬社製のハイテノールLA-10、LA-12、LA-16、ネオハイテノールECL-30S、ECL-45などが挙げられる。カチオン界面活性剤としては、2-ビニルピリジン誘導体、ポリ4-ビニルピリジン誘導体等が挙げられる。両性界面活性剤としては、ラウリルジメチルアミノ酢酸ベタイン、2-アルキル-N-カルボキシメチル-N-ヒドロキシエチルイミダゾリニウムベタイン、ヤシ油脂肪酸アミドプロピルジメチルアミノ酢酸ベタイン、ポリオクチルポリアミノエチルグリシン、イミダゾリン誘導体等が挙げられる。ノニオン界面活性剤としては、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンドデシルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンオレイルエーテル、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル等のエーテル系;ポリオキシエチレンオレイン酸エステル、ポリオキシエチレンジステアリン酸エステル、ソルビタンラウレート、ソルビタンモノステアレート、ソルビタンモノオレエート、ソルビタンセスキオレエート、ポリオキシエチレンモノオレエート、ポリオキシエチレンステアレート等のエステル系;2,4,7,9-テトラメチル-5-デシン-4,7-ジオール、3,6-ジメチル-4-オクチン-3,6-ジオール、3,5-ジメチル-1-ヘキシン-3-オール等のアセチレングリコール(アルコール)系;日信化学社製、商品名サーフィノール104、105、82、465、オルフィンSTG等;ポリグリコールエーテル系(例えばSIGMA-ALDRICH社製のTergitol 15-S-7等);等が挙げられる。
上記シリコーン系界面活性剤としては、例えば、ポリエーテル変性シロキサン、ポリエーテル変性ポリジメチルシロキサン等が挙げられる。市販品の具体例としては、例えば、いずれもビックケミー社製の、BYK-347(ポリエーテル変性シロキサン);BYK-345、BYK-348(ポリエーテル変性ポリジメチルシロキサン)等が挙げられる。フッ素系界面活性剤としては、例えば、パーフルオロアルキルスルホン酸化合物、パーフルオロアルキルカルボン酸系化合物、パーフルオロアルキルリン酸エステル化合物、パーフルオロアルキルエチレンオキサイド付加物、及びパーフルオロアルキルエーテル基を側鎖に有するポリオキシアルキレンエーテルポリマー化合物等が挙げられる。市販品の具体例としては、例えば、Zonyl TBS、FSP、FSA、FSN-100、FSN、FSO-100、FSO、FS-300、Capstone FS-30、FS-31(DuPont社製);PF-151N、PF-154N(オムノバ社製)等が挙げられる。
上記キレート試薬の具体例としては、例えば、エチレンジアミン四酢酸ナトリウム、ニトリロ三酢酸ナトリウム、ヒドロキシエチルエチレンジアミン三酢酸ナトリウム、ジエチレントリアミン五酢酸ナトリウム、ウラシル二酢酸ナトリウム等があげられる。
上記防錆剤としては、例えば、酸性亜硫酸塩、チオ硫酸ナトリウム、チオグルコール酸アンモニウム、ジイソプロピルアンモニウムナイトライト、四硝酸ペンタエリスリトール又はジシクロヘキシルアンモニウムナイトライト等があげられる。
上記水溶性紫外線吸収剤としては、例えばスルホン化したベンゾフェノン系化合物、ベンゾトリアゾ-ル系化合物、サリチル酸系化合物、桂皮酸系化合物、トリアジン系化合物が挙げられる。
上記水溶性高分子化合物としては、ポリビニルアルコール、セルロース誘導体、ポリアミン又はポリイミン等があげられる。
上記粘度調整剤としては、水溶性有機溶剤の他に、水溶性高分子化合物が挙げられ、例えば、ポリビニルアルコール、セルロース誘導体、ポリアミン、ポリイミン等が挙げられる。
上記色素溶解剤としては、例えば、尿素、ε-カプロラクタム、エチレンカーボネート等が挙げられる。
上記褪色防止剤は、画像の保存性を向上させる目的で使用される。褪色防止剤としては、各種の有機系及び金属錯体系の褪色防止剤を使用することができる。有機系としては、ハイドロキノン類、アルコキシフェノール類、ジアルコキシフェノール類、フェノール類、アニリン類、アミン類、インダン類、クロマン類、アルコキシアニリン類、及びヘテロ環類等が挙げられる。金属錯体系としては、ニッケル錯体、亜鉛錯体等が挙げられる。
上記酸化防止剤としては、例えば、各種の有機系及び金属錯体系の褪色防止剤を使用することができる。前記有機系の褪色防止剤の例としては、ハイドロキノン類、アルコキシフェノール類、ジアルコキシフェノール類、フェノール類、アニリン類、アミン類、インダン類、クロマン類、アルコキシアニリン類、複素環類等が挙げられる。
[インク組成物の調製方法等]
本実施形態に係るインク組成物の調製方法としては、例えば、上記各成分を含有する水性分散液を調製し、必要に応じて、水溶性有機溶剤等の添加剤をさらに加える方法が挙げられる。
上記白色顔料は、既に分散された状態の分散液(スラリー)としても入手することができる。そのような分散液としては、大日精化工業株式会社製の酸化チタンスラリー、TF-5760 WHITE(D2B)、酸化チタン固形分濃度60%、平均粒子径300nm等が挙げられる。
また、固体の状態の白色顔料を、分散剤を用いて分散し、分散液とすることもできる。そのような分散剤は特に限定されず、目的に応じて公知の各種の分散剤を使用することができる。その一例としては、スチレン及びその誘導体;ビニルナフタレン及びその誘導体;α,β-エチレン性不飽和カルボン酸の脂肪族アルコールエステル;(メタ)アクリル酸及びその誘導体;マイレン酸及びその誘導体;イタコン酸及びその誘導体;ファール酸及びその誘導体;酢酸ビニル、ビニルアルコール、ビニルピロリドン、(メタ)アクリルアミド、及びそれらの誘導体等よりなる群の単量体から選択される、少なくとも2つの単量体(好ましくは、このうち少なくとも1つが親水性の単量体)から構成される共重合体が挙げられる。
本明細書中、「(メタ)アクリル酸」とは、「アクリル酸とメタアクリル酸の両方」を含む意味として用いる。「(メタ)アクリルアミド」等についても同様の意味として用いる。
共重合体の種類としては、例えば、ブロック共重合体、ランダム共重合体、及びグラフト共重合体、及び/又はそれらの塩等が挙げられる。
分散剤は合成することも、市販品として入手することもできる。市販品の具体例としては、例えば、いずれもジョンソンポリマー社製のジョンクリル 62、67、68、678、及び687等のスチレン-アクリル系樹脂;モビニール S-100A(ヘキスト合成社製の変性酢酸ビニル樹脂);ジュリマー AT-210(日本純薬株式会社製のポリアクリル酸エステル共重合体)等が挙げられる。
A-Bブロックポリマーとしては、例えば、国際公開第2013/115071号ガゼットに開示された分散剤等が挙げられる。
上記インク組成物は、メンブランフィルター等を用いて精密濾過を行ってもよい。特に、インクジェット捺染用インクとして使用するときは、ノズルの目詰まり等を防止する目的で、精密濾過を行うことが好ましい。精密濾過に使用するフィルターの孔径は、通常0.1~1μmであり、好ましくは0.1~0.8μmである。
本実施形態に係るインク組成物は、各種分野において使用することができ、筆記用水性インク、水性印刷インク、情報記録インク、捺染等に好適である。本実施形態に係るインク組成物は、インクジェット捺染用インクとして用いることが特に好ましい。
本実施形態に係るインク組成物によれば、保存中にインク組成物中の粒子が凝集して平均粒径が大きくなることを効果的に抑制することができ、また、保存中に粒子が沈降することも効果的に抑制することができる。すなわち、本実施形態に係るインク組成物によれば、インク組成物中の粒子の分散状態を安定して維持することができる。
また、本実施形態に係るインク組成物は、インクジェットプリンタヘッドへの初期充填性が良好であり、連続印刷安定性も良好である。また、印刷後の用紙上の画像の滲みが無く、鮮明な画像を得ることが可能である。また、特に白インクにおいては、ムラがなく隠蔽性の高い画像を得ることが可能である。
本実施形態に係るインク組成物の25℃における粘度は、高速での吐出応答性の点から、E型粘度計にて測定したときに、2~20mPa・s程度であることが好ましい。また、本実施形態に係るインク組成物の25℃における表面張力は、プレート法にて測定したときに、20~45mN/m程度であることが好ましい。実際には、使用するインクジェットプリンタの吐出量、応答速度、インク液滴飛行特性等を考慮して、適正な物性値になるよう調整される。
上記インクジェット捺染方法は、上記インク組成物の液滴を、記録信号に応じて吐出させ、被記録材に付着させることにより捺染を行う方法である。捺染の際に使用するインクジェットプリンタのインクノズル等については特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
上記の捺染方法は、公知の方法、例えば、静電誘引力を利用してインクを吐出させる電荷制御方式;ピエゾ素子の振動圧力を利用するドロップオンデマンド方式(圧力パルス方式);電気信号を音響ビームに変えインクに照射し、その放射圧を利用してインクを吐出させる音響インクジェット方式;インクを加熱して気泡を形成し、生じた圧力を利用するサーマルインクジェット方式;等のいずれの方式であっても用いることができる。
上記インクジェット捺染方法における被記録材としては、ポリエステル、セルロース、ポリアミド、及び天然繊維よりなる群から選択される繊維が挙げられる。ポリエステル繊維としては、ポリエチレンテレフタレートを主成分とする繊維が挙げられる。セルロース繊維としては、綿、木綿、レーヨン、トリアセテート繊維、ジアセテート繊維等が挙げられる。ポリアミド繊維としては、ナイロン繊維等が挙げられる。天然繊維としては、絹、羊毛等が挙げられる。上記の繊維は単一素材の繊維であっても、これらの混紡繊維であってもよい。また、これらの繊維にインク受容層(滲み防止層)を設けたものでもよい。この繊維へのインク受容層の形成方法は公知公用の技術であり、インク受容層を有する繊維は市場から入手できる。また、公知公用の技術から適宜構成成分、形成方法等を選定し、該繊維にインク受容層を設けることもできる。該インク受容層はその機能を有するものであれば、特に限定されるものではない。
上記インクジェット染色方法は、上記インクジェット捺染方法を用いて被記録材に付着させた上記インク組成物が含有する顔料を、スチーミング又はベーキング処理により被記録材に染着させ、染色を行う方法である。スチーミング処理としては、例えば、高温スチーマーでは通常80~250℃、好ましくは170~180℃、通常10秒~30分、好ましくは10分程度の処理で染着させることができる(湿熱固着)。また、ベーキング(サーモゾル)処理としては、通常80~250℃、好ましくは170~210℃、通常10秒~30分、好ましくは60~180秒程度の処理で染着させることができる(乾熱固着)。このようにして、上記インクジェット染色方法により染色された染色物が得られる。なお、染色物とは、上記インクジェット染色方法により染色された被記録材を意味する。
上記インクジェット捺染方法で繊維に印捺するには、例えば上記インク組成物を含有する容器を、布帛の搬送が可能な捺染用インクジェットプリンタの所定の位置にセットし、上記インクジェット捺染方法で被記録材に印捺すればよい。上記インクジェット捺染方法は、上記インク組成物中に含有する顔料の種類を選択してインクセットとして使用し、フルカラー捺染を行うことができる。例えば、上記イエロー、レッド、ブルー、及びブラックの4色のインクセットとして使用してもよいし、必要に応じて、グリーン、バイオレット、オレンジ~ブラウン等の各色の顔料から適宜選択し、4色以上のインクセットとして使用することもできる。
上記のインク組成物は、インクジェットヘッドへのインク充填が良好であり、捺染時に吐出曲がりや擦れなく安定した吐出を行うことができる。また、連続して捺染するとき、及び、間歇して捺染するときのいずれにおいても、ノズルを詰まらせることなく良好な吐出を行うことができる。また、貯蔵時の保存安定性が良好であり、仮にインク組成物中の水分等を失って、インク組成物を乾燥させてしまったときであっても、再分散性が極めて良好である。また、繊維の染色において、滲みがなく高発色であり、フルカラー捺染において隣接した色が混ざらず高品質である。また、染着後の各種の堅牢性、例えば耐光性、耐水性等にも優れる。
以下、本発明を実施例によって具体的に説明するが、本発明は、以下の実施例によって何ら限定されるものではない。なお、実施例中、インク組成物及び白色のインク組成物は、それぞれ、上記インクジェット記録用水性白色顔料インクに含まれる。
[インク組成物の調製]
下記表1に記載の成分を十分に撹拌して混合し、白色のインク組成物を得た。得られた白色のインク組成物を孔径5μmのミックスセルロースエステルのフィルターでろ過した後、真空ポンプを用いて室温条件下15分間脱気処理することにより、試験用の白色のインク組成物を得た。また、白色顔料分散液として「TF-5760 WHITE(D2B)(固形分60%、大日精化工業株式会社製)」、ウレタン樹脂として「ハイドランWLS-201(固形分35%、ポリエーテルウレタン、重量平均分子量71,400、DIC株式会社製)」、「ハイドランWLS-210(固形分35%、ポリカーボネートウレタン、重量平均分子量84,400)」、防腐剤として「PROXEL GXL(S)(Lonza株式会社製)」、界面活性剤として「オルフィンEXP-4001(日信化学工業株式会社製)」を使用した。下記表1中の数値は「部」を表す。
[前処理された繊維の調製]
DK-6804(星光PMC社製、固形分55質量%)を182質量部、モビニール6963(ジャパンコーティングレジン社製、固形分45質量%)を66.7質量部、及びエポクロスWS-700(日本触媒社製固形分25%)を16質量部混合した後、重量固形分が7質量%となるように水を加えて均一になるように混合して、インクジェット捺染用前処理液を得た。得られたインクジェット捺染用前処理液を、それぞれ0.02g/cmの付着量となるように、綿布帛(Tシャツ、黒色の00085-CVT ヘビーウェイトTシャツ(PrintStar製))に対し、市販の霧吹き(高橋化成株式会社製:PET150B Mミスト)を用いてA4サイズに塗布した。続いて卓上自動平プレス機(アサヒ繊維機械株式会社製:AF-65TEN)を用いて175℃で60秒の加熱乾燥を行い、前処理布帛(1mf)~(31mf)を得た。その後下記記録工程を行った。
[評価用の繊維の調製]
前記のようにして得た前処理された繊維の、前処理された部分に対して、実施例で得たインク組成物を、産業用インクジェット評価装置(拡張型塗布装置EV2500:リコー株式会社製)により吐出させて、白色のベタパターン画像をインクジェット記録した。このときのヘッド温度は25℃、解像度600×1200dpiで6回重ねて記録した。得られた白色のインク組成物が付着した繊維に対して、ヒートプレス機で170℃、1分間の加熱処理を行い、評価用の各繊維を得た。
前記のようにして得た評価用の繊維に対して、下記の評価試験を実施した。各試験の評価結果は、前記表1中に示した。
[白色度の評価]
白色度の評価は、評価用の繊維のL*値を測色することにより行った。測色機としてはX-Rite社製のeXactを用いて、CIE/L*a*b*表色系における、L*値を測色した。このときの測色条件は、観測光源がD65、観測視野が2°、濃度がStatus Tであった。各評価用の繊維に対して5回測色を行い、その平均値を測定結果とした。L*値は大きい程、高い白色度を示すため好ましい。なお、L*値は小数点以下第2位を四捨五入し、小数点以下第1位までを示している。
[密着性の評価]
上記のように得られた印捺物の、白色のインク組成物(インク1)により記録した印捺面の密着性を、洗濯堅牢性試験により判定した。洗濯堅牢性試験は「米国繊維化学技術染色技術協会規格(AATCC)61 2A」に準じて、3回繰り返し行い、下記評価基準により評価した。評価結果を表2に示す。
(評価基準)
A:3回繰り返し試験後も被膜の脱落無し。
B:2回繰り返し試験後において被膜の脱落は無いが、3回繰り返し試験後において、被膜の脱落があるものの、半分以上の被膜は脱落せずに残っている。
C:2回繰り返し試験後において、被膜の脱落あり。
D:1回の試験後において、被膜の脱落あり。
Figure 2023069740000001
上記表1の結果から、本願実施例のインク組成物は、高い白色度と密着性を兼ね備えることが分かった。
本発明のインク組成物は、インクジェット捺染用インクとして極めて有用である。

Claims (9)

  1. 白色顔料、水分散性樹脂、水溶性有機溶剤、及び水を含むインクジェット記録用水性白色顔料インクであって、前記水分散性樹脂が、重量平均分子量が77,000以下である樹脂を含む第一の樹脂エマルジョンと、重量平均分子量が77,000を超える樹脂を含む第二の樹脂エマルジョンとを含む、インクジェット記録用水性白色顔料インク。
  2. 前記インクジェット記録用水性白色顔料インク全量に対する、前記第一の樹脂エマルジョンの固形分配合量をR1、前記第二の樹脂エマルジョンの固形分配合量をR2、とした場合、R1/R2で表される値が、0.27を超え、かつ、0.4未満である、請求項1に記載のインクジェット記録用水性白色顔料インク。
  3. 上記インクジェット記録用水性白色顔料インク全量に対する、前記第一の樹脂エマルジョンの固形分配合量をR1、前記白色顔料の固形分配合量をP1、とした場合、R1/P1で表される値が0.5未満である、請求項2に記載のインクジェット記録用水性白色顔料インク。
  4. 上記インクジェット記録用水性白色顔料インク全量に対する、前記第一の樹脂エマルジョンの固形分配合量をR1、前記白色顔料の固形分配合量をP1、とした場合、R1/P1で表される値が0.026を超え、かつ、0.5未満である、請求項2に記載のインクジェット記録用水性白色顔料インク。
  5. 25℃において、表面張力が20~45mN/m、粘度が2~20mPa・sである、請求項1~4のいずれか一項に記載のインク組成物。
  6. 請求項1~5のいずれか一項に記載のインク組成物の液滴を、記録信号に応じて吐出させ、被記録材に付着させることにより捺染を行うインクジェット捺染方法。
  7. 前記被記録材が、ポリエステル、セルロース、ポリアミド、及び天然繊維よりなる群から選択される繊維、これらの繊維を含有する混紡繊維、又はこれらの繊維を含有する布帛である、請求項6に記載のインクジェット捺染方法。
  8. 請求項6又は7に記載のインクジェット捺染方法を用いて被記録材に付着させたインク組成物が含有する顔料を、スチーミング又はベーキング処理により前記被記録材に染着させ、染色を行うインクジェット染色方法。
  9. 前記スチーミング又はベーキング処理の処理温度が80~250℃であり、処理時間が10秒から30分の範囲である、請求項8に記載のインクジェット染色方法。
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