JP2023069412A - Euvリソグラフィ用ペリクル - Google Patents

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Abstract

【課題】EUVリソグラフィにおいて、例えば500℃以上といった高温になってもフィルターの剥離や溶融が抑制されたペリクルを提供すること。【解決手段】開口部を有するフレームと、フレームの一方の端面側に、開口部を覆うように展張支持されたペリクル膜と、を備えた、EUVリソグラフィに用いられるペリクルであって、フレームには通気のための通気孔と、通気孔を覆うフィルターとが設けられており、フィルターが、石英繊維、金属繊維、セラミック繊維、炭素繊維、焼結金属または焼結セラミックからなることを特徴とする。【選択図】図1

Description

本発明は、EUVリソグラフィ用ペリクルに関するものである。
大規模集積回路(LSI)、超LSI等の半導体デバイスや液晶表示板等の製造工程では、マスク(露光原板、レチクルともいう)を介して感光層等に光を照射することによってパターニングを行う。その際、マスクに異物が付着していると、光が異物に吸収されたり、異物表面で光が反射されて屈曲したりする。その結果、形成されるパターンが変形したり、エッジががさついたりして、パターニング後の寸法、品質、および外観等が損なわれてしまうといった問題が生じる。
このような問題を解消すべく、マスクの表面に、光を透過するペリクル膜を備えるペリクルを装着し、異物の付着を抑制する方法が採用されている。ペリクルは、一般に、フレーム(ペリクル枠)と、フレームの一面側に配された、透明な薄膜であるペリクル膜と、フレームの他面側(ペリクル枠のペリクル膜とは反対側)に配された、フォトマスクに貼り付けられるための粘着剤層と、を有する。
リソグラフィに用いる光の波長は短波長化が進み、次世代のリソグラフィ技術としてはEUV(Extreme Ultra Violet)光を用いることが検討されている。EUV光は、軟X線領域又は真空紫外線領域の波長の光を指し、具体的には13.5nm±0.3nm程度の光線を指す。
EUV光は、あらゆる物質に対して吸収されやすい。ペリクル膜がEUV光を吸収すると、露光不良の原因となるばかりではなく、EUV光のエネルギーによる発熱によりペリクル膜が損傷してしまう場合がある。
また露光が真空下で行われるため、ペリクルとフォトマスクとで形成される閉空間内の内外圧差を小さくするために、通気孔が設置される。また、ペリクル内部への異物の侵入を防ぐために、通気孔を覆うようにフィルターが配置される。
このようなフィルターとしては、従来、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)からなるものが用いられていた(例えば、特許文献1)。
特開2003-057804号公報
しかしながら、EUV露光では、ペリクル膜が光を吸収し、ペリクル膜の温度が500℃以上に上昇する。500℃以上の高温になるEUV露光環境下では、PTFEからなるフィルターでは剥離や溶融が起こってしまうという問題があった。
本発明は、このような従来の実情に鑑みて提案されたものであり、本発明の目的は、EUVリソグラフィにおいて、例えば500℃以上といった高温になってもフィルターの剥離や溶融が抑制されたペリクルを提供することにある。
[1]
開口部を有するフレームと、前記フレームの一方の端面側に、前記開口部を覆うように展張支持されたペリクル膜と、を備えた、EUVリソグラフィに用いられるペリクルであって、
前記フレームには通気のための通気孔と、該通気孔を覆うフィルターとが設けられており、
前記フィルターが、石英繊維、金属繊維、セラミック繊維、炭素繊維、焼結金属または焼結セラミックからなることを特徴とするペリクル。
[2]
前記フィルターが、焼結金属または焼結セラミックからなる、[1]に記載のペリクル。
[3]
前記金属繊維がチタン繊維である、[1]に記載のペリクル。
[4]
前記フレームがチタン又はチタン合金からなり、前記フィルターがチタン繊維または焼結チタンからなる、[1]~[3]のいずれかに記載のペリクル。
[5]
前記フレームが炭素材料からなり、前記フィルターが炭素繊維からなる、[1]に記載のペリクル。
[6]
前記フレームがセラミックからなり、前記フィルターがセラミック繊維または焼結セラミックからなる、[1]または[2]に記載のペリクル。
[7]
前記ペリクル膜が炭素材料からなる、[1]~[6]のいずれかに記載のペリクル。
本発明によれば、例えば500℃以上といった高温になってもフィルターの剥離や溶融が抑制されたペリクルを提供することができる。
ペリクルの一構成例を示す図である。
以下、図面を参照しながら本発明を実施するための形態(以下、「実施形態」と略記する。)について説明する。本発明は、以下の実施形態のみに限定されず、その要旨の範囲内で種々変形して実施することができる。
本実施形態に係るペリクルの概要を説明する。図1(a)は、ペリクル1を示す上面図であり、図1(b)は、縦断面図である。
なお、以下の説明においては、各図における上側を「上」とし、下側を「下」として説明する。
また、本明細書において、EUV光とは、波長5nm以上30nm以下の光を指す。なお、EUV光の波長は、5nm以上14nm以下であることが好ましく、具体的には、EUV光は13.5nm±0.3nm程度の光を指す。
[ペリクル]
ペリクル1は、フォトリソグラフィ等においてフォトマスクの防塵を行う構造体である。ペリクル1は、フレーム2と、ペリクル膜3と、粘着層4と、剥離フィルム5とを備えている。
<フレーム>
フレーム2(枠体)は、ペリクル膜3をフレーム2に張設することができるような任意の形態を有することができ、例えば、フレーム2の正面視では、方形、多角形、円形、楕円形等の外形を有することができる。方形は、正方形、長方形等であり、角が直角の場合と、角が丸みを帯びている略方形(図1)の場合と、の両方を有することができる。多角形は、三角形、台形、平行四辺形、五角形、六角形等である。
フレーム2及びその開口部のサイズは、フォトマスクのサイズに応じて定められることができる。フレーム2が、正面視において一対の長辺と一対の短辺からなる長方形状である場合には、長辺長が80mm~300mmであり、短辺長が50mm~250mmであり、長辺と短辺の幅が、それぞれ1.0mm~10.0mmであり、かつ/又はフレーム2の高さが1.0~6.0mmであることができる。
図1に示されるように、フレーム2は、縁部を有する。縁部は、直線状に延びる棒状の縁部材を有することができる。一対の縁部材は、互いに間隔を空けて平行に配置されることができ、同様に、他の一対の縁部材も互いに間隔を空けて平行に配置されることができる。接触している2つの縁部材は、互いに略直角を成すように端部が接続されることができる。
フレーム2を構成する材料としては、例えば、アルミニウム;アルミニウム合金(例えば5000系、6000系、7000系等);チタン;チタン合金(例えばTi-Al-V、Ti-V-Cr-Sn-Al等);鉄鋼;ステンレス鋼;マグネシウム合金;セラミックス(例えばSiC、AlN、Al23等);セラミックスと金属との複合材料(例えば、Al-SiC、Al-AlN、Al-Al23等);PE、PA、PC、PEEK等のエンジニアリングプラスチック;GFRP、CFRP等の繊維複合材料;炭素材料;又はこれらの組み合わせ等の既知の材料で形成されることができる。その中でもチタン、チタン合金または炭素材料またはセラミックが好ましい。
チタン、チタン合金または炭素材料またはセラミックは、耐熱性に優れ、高強度を有することから、フレーム2を上記材料から構成することで、EUVリソグラフィにおいて、高温になってもフレーム2の変形やペリクル膜3のシワの発生をより確実に抑えることができる。
炭素材料としては、特に限定されないが、例えば、グラファイト(黒鉛)、カーボンナノチューブ、炭素繊維、ガラス状カーボンなどが挙げられ、その中でも、グラファイトまたはガラス状カーボンであることが好ましい。
<通気孔>
フレーム2には、通気孔10が設けられている。通気孔10を設けることで、ペリクル1とフォトマスクで形成された閉空間内外の気圧差をなくし、ペリクル膜3の膨らみや凹みを防止することができる。
通気孔10の配置や数、大きさについては上記目的を達成できるならば特に限定されないが、図1では、フレーム2の各辺の中央付近に1つずつ通気孔10を設けた場合を示している。また大きさについては、例えば径が0.3~0.7mm程度とする。
<フィルター>
さらに、通気孔10を覆うように除塵用のフィルター11が設けられている。フィルター11は、通気孔10よりも大きめに形成される。これにより、通気孔10からペリクル1とフォトマスクとの閉空間内に外から異物が侵入するのを防ぐことができる。
フィルター11は、石英繊維、金属繊維、セラミック繊維、炭素繊維、焼結金属または焼結セラミックからなることが好ましく、焼結金属または焼結セラミックからなることがより好ましい。
石英繊維は、耐熱性が高いほか、目が細かいため、500℃以上となるEUV露光においても用いることができ、また、異物を確実に捕捉することができるため好ましい。
金属繊維を構成する金属としては特に限定されないが、例えばアルミニウム、チタン等が挙げられ、中でもチタンが好ましい。
セラミックは耐熱性が高く、アウトガス発生等の問題を生じさせない。
セラミック繊維を構成するセラミックは特に限定されないが、例えばチタニア、ジルコニア、フェライト、アルミナ、ジルコン、ムライト等が挙げられる。
炭素繊維は、吸着速度が速く、粒状炭素フィルターと比べて発塵量が極めて少ない。
炭素繊維を構成する炭素材料としては、グラフェン、活性炭等が挙げられる。
これらの石英繊維、金属繊維、炭素繊維は、例えば、ウール体や不織布等の繊維交絡体として構成される。
焼結金属は、例えば、金属粉末を焼結処理すること(粉末冶金法)により製造され、内部に微細な孔を有する多孔質体であり、非常に高い濾過能力、および非常に優れた耐久性を有する。
焼結金属は、粉末を焼結処理した粉末焼結金属以外にも、金網を焼結処理した焼結金網や、ファイバー(金属繊維)を焼結処理したファイバー焼結であってもよい。
焼結金属の材料としては特に限定されないが、例えばステンレス、ハステロイ、モネル、インコネル、チタン、ニッケル等が挙げられ、中でもチタンが好ましい。また、金属は純金属であっても、合金であってもよく、少量であれば非金属が添加されていてもよい。
焼結セラミックは、チタニア、ジルコニア、フェライト、アルミナ、ジルコン、ムライト等のセラミックスが挙げられる。
ペリクル1では、フレーム2がチタン又はチタン合金からなり、フィルター11がチタン繊維または焼結チタンからなることが好ましい。
また、ペリクル1では、フレーム2が炭素材料からなり、フィルター11が炭素繊維からなることが好ましい。
また、ペリクル1では、フレーム2がセラミックからなり、フィルター11がセラミック繊維または焼結セラミックからなることが好ましい。
上記のようにフレーム2とフィルター11とを同種の材料から構成することで、フレーム2とフィルター11との熱線膨張率が近いものとなり、高温となった場合に熱線膨張率の違いに起因するフィルター11の剥がれや変形をより効果的に抑制することができる。
フィルター11の厚みとしては特に限定されるものではないが、0.1~1.0mmであることが好ましい。
フィルター11は、フレーム2に設けられた通気孔10を覆うように設置される。この際、フィルター11の設置方法としては、公知の有機系接着剤を介して設置することも考えられるが、露光によりフレーム2が高温になった場合には、剥がれやアウトガス発生等が懸念される。そのため、フレーム2およびフィルター11が金属材料からなる場合には、フィルター11は、溶接によってフレーム2と連続的に一体化させてもよい。このようにすれば、接着剤を介さないため、剥がれやアウトガスの発生という事態を回避することができる。
フレーム2の内周面又は全面には、必要に応じて、異物を捕捉するための粘着剤(例えば、アクリル系、酢酸ビニル系、シリコーン系、ゴム系粘着剤等)、又はグリース(例えば、シリコーン系、フッ素系グリース等)を塗布してよい。
その他、フレーム2には、ペリクル1をフォトマスクに取り付けるための冶具穴等を必要に応じて設けることができる。
<ペリクル膜>
ペリクル膜3は、透明な薄膜である。ペリクル膜3は、その厚みが2μm以下であり、フォトリソグラフィにおいて光源が発する光を十分に透過させるように形成されている。
ペリクル膜3を構成する材料としては、炭素、又は、炭素原子を含む化合物を加熱して得られる炭素構造を含む炭素膜であることが好ましい。炭素膜としては、カーボン、グラフェン、カーボンナノチューブ(CNT)、グラファイトなどが好ましい。特に、耐熱性や透過率の観点からカーボンナノチューブ膜が好ましい。更に、ハンドリングや耐光性の観点から補強体があっても良い。補強体としては、SiCやSiN系化合物、Mo,Ru、Rh等の金属系が好ましい。
炭素膜は、例えば、基板に炭素原子を含む膜を積層する工程(工程I)、基板に積層した膜を窒素雰囲気下、800~1400℃で加熱し、炭素膜とする工程(工程II)、炭素膜を基板から剥離する工程(III)を含んで作製される。
(工程I)において、炭素原子を含む化合物としては、加熱によって炭素化するものであれば特に制限されず、好ましくは有機系材料である。
炭素原子を含む化合物としては、より好ましくは、ポリイミド化合物、ポリベンゾオキサジン化合物、ポリアクリロニトリル化合物、ポリイソシアネート化合物、ポリアミド化合物、ヘテロ芳香環化合物、ポリフェニレン樹脂、ポリエーテル樹脂、液晶ポリマー樹脂、ポリパラキシリレン樹脂、フェノール樹脂、エポキシ樹脂及びフラン樹脂からなる群より選択される1種以上である。
炭素原子を含む化合物としては、さらに好ましくは、ポリイミド化合物及びポリベンゾオキサジン化合物からなる群より選択される1種以上である。
上記基板としては、融点が、炭素膜を形成する際の加熱温度である800~1400℃より高い基板であれば特に制限されず、例えば、表層が二酸化ケイ素(SiO2)を含む層であるケイ素基板(以下、Si基板ともいう)が好ましい。Si基板上で炭素膜を製造することによって、破膜することなく、面内の膜厚の均一性に優れる炭素膜を製造することができる。
炭素や炭素原子を含む化合物を膜状に成形する方法としては、公知の技術が適用でき、炭素を基板上に膜状に成形する方法としては、アークプラズマ蒸着法(APD法ともいう)が好ましく、炭素原子を含む化合物を基板上に膜状に成形する方法としては、スピンコート法が好ましい。これらの方法によれば、面内の膜厚の均一性に優れる炭素膜を製造することができる。
(工程II)において、加熱温度は、800~1400℃であり、好ましくは900~1300℃であり、より好ましくは1000~1200℃である。加熱は、熱処理炉等により行うことができる。
加熱時間は、炭素原子から乱層炭素構造への変換を十分に行う観点から、好ましくは1分~10時間であり、より好ましくは10分~3時間であり、さらに好ましくは30分~2時間である。
(工程III)において、炭素膜を基板から剥離する工程における具体的な方法としては、特に制限されず、例えば、アクリル樹脂等を含む組成物を、加熱によって得られた炭素膜にスピンコートし、支持膜を形成する工程;フッ酸処理等によって、基板を剥離する工程;炭素膜と支持膜からなる構成体の炭素膜周端に、支持枠を張りつける工程;支持膜をエッチング処理等によって除去する工程;を含む方法等が挙げられる。
ペリクル膜3を構成する炭素膜の厚みは、好ましくは1500nm未満である。炭素膜の厚みは、通常の意味で用いられる、膜の厚みのことである。炭素膜の厚みの上限値は、より好ましくは1200nm以下であり、さらに好ましくは1000nm以下であり、よりさらに好ましくは500nm以下である。
炭素膜の厚みを1500nm未満とすることにより、製造時にクラックの発生がない炭素膜を得ることができる。
また、炭素膜の厚みの下限値は、0nmより大きければ特に制限されない。
炭素膜の厚みは、例えば、ペリクル膜3の製造方法において、基板に炭素原子を含む膜を積層するときに、該膜の厚さを調整することによって、制御することができる。
図1(b)に示すように、ペリクル膜3は、図示しない粘着剤によりフレーム2の一端側に接着及び固定され、フレーム2を覆っている。
<粘着層>
図1(b)に示すように、フレーム2の他端側(フレーム2のペリクル膜3とは反対側)には、ペリクル1をフォトマスクに貼り付けるための粘着層4が配されている。
粘着層4は、アクリル系、ゴム系、ビニル系、エポキシ系、シリコーン系等の接着剤を含んで構成されており、より好ましい構成材料は、アクリル系、ゴム系、シリコーン系等である。粘着層4の厚みは、例えば、0.1mm~1.0mmであることが好ましい。
<剥離フィルム>
粘着層4を覆うように、剥離フィルム5(ライナー)が配されている。この剥離フィルム5は非使用時には粘着層4を保護するとともに、ペリクル1の使用時には粘着層4から剥離される。
剥離フィルム5には、一般的にはポリエステルなどの厚さ30~200μm程度のフィルムが用いられる。また、粘着層4から剥離フィルム5を剥がす際の剥離力が大きいと、剥がす際に粘着層4が変形するおそれがあるため、適切な剥離力になるように、粘着剤と接するフィルム表面にシリコーンやフッ素などの離型処理を行ってもよい。
このような構成の本実施形態のペリクル1では、フィルター11が、石英繊維、金属繊維、セラミック繊維、炭素繊維、焼結金属または焼結セラミックから構成されているので、高温になってもフィルター11の剥離や溶融が抑制され、構造安定性に優れており、EUVリソグラフィ用ペリクルとして好適である。
以上、本発明の実施の形態について説明してきたが、本発明はこれに限定されるものではなく、発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。
次に、実施例及び比較例を挙げて本発明をより具体的に説明する。しかしながら、本発明は、その要旨から逸脱しない限り、以下の実施例に限定されるものではない。
[ペリクルの作製]
<実施例1>
(1)粘着剤付枠体の作製
外径149mm×115mm×高さ3mm、幅2mmで材質がβ型のTi合金(Ti-15V-3Cr-3Sn-3Al)製のフレーム(溶融温度:1668℃、300℃における0.2%耐力:900MPa、ヤング率:78GPa)を準備し、その下端面にアクリル粘着剤をつけ、粘着剤付枠体(フレーム)とした。
フレームにΦ0.5mmの通気孔を設け、通気孔を覆うように、石英繊維で作製したフィルターに接着剤を介して貼りつけした。
(2)炭素膜の作製
3,3’,4,4’-ビフェニルテトラカルボン酸二無水物(BDPA)及び4,4’ージアミノジフェニルエーエル(ODA)から合成したポリイミド前駆体(BPDA-ODA)をN-メチルピロリドンに溶解させた15wt%溶液を、Si基板上にスピンコートにより塗布した。基板上で窒素雰囲気下、300℃、1時間イミド化し、膜厚400nmのポリイミド膜とした。
続いて、この基板を熱処理炉に入れ、N2フロー化、1100℃、1時間加熱することにより炭素化し、膜厚200nmの炭素膜を得た。
その後、基板にポリメタクリル酸メチル樹脂(PMMA)15wt%のアセトン溶液を500rpmでスピンコートし、支持膜を形成した。基板を40wt%のフッ化水素水溶液に浸漬し、PMMA膜付炭素膜を基板から剥離後、水洗した。それから、PMMA膜付炭素膜を、アセトン:イソプロピルアルコール=1:1(重量比)溶液に浸漬し、PMMAを溶解させた後、ガラス基板を利用して、炭素膜をイソプロピルアルコール液に移した。炭素膜を引き上げ、乾燥することで炭素膜を得た。
得られた炭素膜を粘着剤付枠体の上端面に接着剤を介して貼りつけることで実施例1のペリクルとした。
<実施例2>
石英繊維の代わりにステンレス繊維製のフィルターを用いたこと以外は、実施例1と同様にしてペリクルを作製した。
<実施例3>
石英繊維の代わりにセラミック繊維製のフィルターを用いたこと以外は、実施例1と同様にしてペリクルを作製した。
<実施例4>
石英繊維の代わりにチタン繊維製のフィルターを用いたこと以外は、実施例1と同様にしてペリクルを作製した。
<実施例5>
アルミ合金の代わりにチタン合金からなるフレームを用い、石英繊維の代わりにチタン繊維製のフィルターを用いたこと以外は、実施例1と同様にしてペリクルを作製した。
<実施例6>
アルミ合金の代わりにチタン合金からなるフレームを用い、石英繊維の代わりに焼結チタン製のフィルターを用いたこと以外は、実施例1と同様にしてペリクルを作製した。
<実施例7>
アルミ合金の代わりに炭素からなるフレームを用い、石英繊維の代わりに炭素繊維製のフィルターを用いたこと以外は、実施例1と同様にしてペリクルを作製した。
<実施例8>
アルミ合金の代わりにセラミックからなるフレームを用い、石英繊維の代わりに焼結セラミック製のフィルターを用いたこと以外は、実施例1と同様にしてペリクルを作製した。
<比較例1>
石英繊維の代わりにポリテトラフルオロエチレン(PTFE)製のフィルターを用いたこと以外は、実施例1と同様にしてペリクルを作製した。
<比較例2>
アルミ合金の代わりにチタン合金からなるフレームを用い、石英繊維の代わりにポリテトラフルオロエチレン(PTFE)製のフィルターを用いたこと以外は、実施例1と同様にしてペリクルを作製した。
[フレームの物性評価]
以上のようにして作製された実施例および比較例のペリクルについて、フィルター性能について以下のようにして評価した。
<異物捕集性>
次の条件でフィルターの異物捕集性を調査した。
・装置:TSI社製フィルター試験装置3160
・粒子:PAO 0.5μm
・面速:5.3cm/s
<耐熱試験>
得られたペリクルを石英基板(6025)に貼付け、オーブンに200℃に24時間保管した。その後フィルターの状態を目視で観察した。フィルダーの激しい変形や剥がれがあった場合は×、実用上問題ないが一部変形が見られた場合は〇、外観に変化がない場合は◎とした。
実施例および比較例のペリクルについて、フィルター性能(異物捕集性、耐熱試験)についての評価結果を表1に示す。
Figure 2023069412000002
表1から明らかなように、フィルターとしてPTFEを用いた比較例では、耐熱試験において変形や剥がれが発生してしまったが、石英繊維、金属繊維(ステンレス繊維、チタン繊維)、セラミック繊維、焼結金属(焼結チタン)からなるフィルターを用いた実施例1~8では、95%より大きく十分な捕集性能を有するとともに、耐熱試験においても大きな変形は見られなかった。特に、フィルターとフレームとで同種の材料を用いた実施例5~8ではより良好な結果が得られていた。
以上、本発明の実施の形態について説明してきたが、本発明はこれに限定されるものではなく、発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。
本発明によるペリクルを用いることで、例えば500℃以上といった高温になってもフィルターの剥離や溶融が抑制されたものとなり、EUVリソグラフィ用のペリクルとして広く利用することができる。
1:ペリクル
2:フレーム
3:ペリクル膜
4:粘着層
5:剥離フィルム
10:通気孔
11:フィルター

Claims (7)

  1. 開口部を有するフレームと、前記フレームの一方の端面側に、前記開口部を覆うように展張支持されたペリクル膜と、を備えた、EUVリソグラフィに用いられるペリクルであって、
    前記フレームには通気のための通気孔と、該通気孔を覆うフィルターとが設けられており、
    前記フィルターが、石英繊維、金属繊維、セラミック繊維、炭素繊維、焼結金属または焼結セラミックからなることを特徴とするペリクル。
  2. 前記フィルターが、焼結金属または焼結セラミックからなる、請求項1に記載のペリクル。
  3. 前記金属繊維がチタン繊維である、請求項1に記載のペリクル。
  4. 前記フレームがチタン又はチタン合金からなり、前記フィルターがチタン繊維または焼結チタンからなる、請求項1~3のいずれか1項に記載のペリクル。
  5. 前記フレームが炭素材料からなり、前記フィルターが炭素繊維からなる、請求項1に記載のペリクル。
  6. 前記フレームがセラミックからなり、前記フィルターがセラミック繊維または焼結セラミックからなる、請求項1または2に記載のペリクル。
  7. 前記ペリクル膜が炭素材料からなる、請求項1~6のいずれか1項に記載のペリクル。
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