JP2023067422A - 配線基板の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】配線層の配線パターンの隣接する配線どうしの導通を抑制できる配線基板の製造方法を提供することにある。【解決手段】本発明の配線基板の製造方法は、溶液収容部における固体電解質膜の上方に、シード層の表面が上記陽極に対向し、かつ固体電解質膜の上面に接触するようにシード層付き基材を配置した状態で、陽極と陰極に相当するシード層との間に電圧を印加することにより、金属溶液の金属イオンを含有する液体を収容空間から固体電解質膜の上面側に滲み出させ、液体中の金属イオンをシード層の表面で還元することで成膜し、金属層を形成する形成工程と、を備え、形成工程において、陽極とシード層との間に流れる電流の電流密度及び電圧を印加する成膜時間を、金属層を目標厚さに形成するために必要となる電流密度及び成膜時間とし、液体の滲出量を、金属層の上記目標厚さ1μm当たり0.0021g/cm2以下とすることを特徴とする。【選択図】図2D

Description

本発明は、配線基板の製造方法に関し、特に、基材と、基材の表面に設けられた所定の配線パターンの配線層とを備え、配線層が、基材の表面に設けられた、配線パターンに応じた所定パターンのシード層と、シード層に設けられた金属層とを有する配線基板を製造する方法に関する。
従来から、陽極と、陽極に対向する基板や基材の表面に設けられたシード層等との間において、固体電解質膜を基板やシード層等に接触させるように配置した状態で、金属溶液の金属イオンを含有する液体を固体電解質膜の外表面側に滲み出させながら、陽極と陰極に相当する基板やシード層等との間に電圧を印加することにより、基板やシード層等に金属イオンが還元された金属層を形成する方法が利用されている。
このような技術として、例えば、特許文献1には、陽極とその上方に配置された固体電解質膜との間に金属イオンを含有する金属溶液が収容された収容空間が設けられた溶液収容部を用い、陽極の上方に固体電解質膜を介して基板を配置して、陽極と陰極に相当する基板との間に電圧を印加することにより、基板に金属皮膜(金属層)を成膜する成膜方法が開示されている。この成膜方法では、陽極の上方に固体電解質膜を配置することで、陽極の下方に固体電解質膜を配置する方法のように固体電解質膜の交換時に金属溶液が溶液収容部から下方に流出することを回避している。電圧を印加すると、収容空間の金属溶液の金属イオンを含有する液体が固体電解質膜の上面側に滲み出し、金属イオンが基板の表面で還元され析出する。これにより、基板の表面に金属皮膜が成膜される。そして、特に、収容空間の金属溶液を加圧することで固体電解質膜を凸形状にし、さらに固体電解質膜に上方から基板の表面を押圧してから電圧を印加することで、金属皮膜を均一に成膜している。
特開2018-150599号公報
一方、基材と、基材の表面に設けられた所定の配線パターンの配線層とを備え、配線層が、基材の表面に設けられた、配線パターンに応じた所定パターンのシード層と、シード層に設けられた金属層とを有する配線基板を製造する方法において、金属イオンを含有する金属溶液及び固体電解質膜を用い、シード層に金属イオンが還元された金属層を形成する場合には、配線パターンの配線層の隣接する配線どうしが導通して短絡が起こることがないように、基材の表面に略平行となるシード層の表面に垂直な方向に選択的に金属層を形成することが望ましい。しかしながら、この場合には、金属層がシード層の側面の線幅方向に等方的に形成されてしまう問題が起きている。さらに、上記のように収容空間の金属溶液を加圧するとそのような問題が顕著になる。
本発明は、このような点を鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、配線層の配線パターンの隣接する配線どうしの導通を抑制できる配線基板の製造方法を提供することにある。
上記課題を解決すべく、本発明の配線基板の製造方法は、絶縁性の基材と、上記基材の表面に設けられた所定の配線パターンの配線層とを備え、上記配線層が、上記基材の表面に設けられた、上記配線パターンに応じた所定パターンのシード層と、上記シード層の表面に設けられた金属層とを有する配線基板を製造する方法であって、上記基材と、上記基材の表面に設けられた上記シード層とを備えるシード層付き基材を準備する準備工程と、陽極とその上方に配置された固体電解質膜との間に金属イオンを含有する金属溶液が収容された収容空間が設けられた溶液収容部における上記固体電解質膜の上方に、上記シード層の表面が上記陽極に対向し、かつ上記固体電解質膜の上面に接触するように上記シード層付き基材を配置する配置工程と、上記配置工程により上記シード層付き基材を配置した状態で、上記陽極と陰極に相当する上記シード層との間に電圧を印加することにより、上記金属溶液の上記金属イオンを含有する液体を上記収容空間から上記固体電解質膜の上面側に滲み出させ、上記液体中の上記金属イオンを上記シード層の表面で還元することで成膜し、上記金属層を形成する形成工程と、を備え、上記形成工程において、上記陽極と上記シード層との間に流れる電流の電流密度及び上記電圧を印加する成膜時間を、上記金属層を目標厚さに形成するために必要となる電流密度及び成膜時間とし、上記形成工程において、上記液体の滲出量を、上記金属層の上記目標厚さ1μm当たり0.0021g/cm以下とすることを特徴とする。
さらに、本発明の配線基板の製造方法は、絶縁性の基材と、上記基材の表面に設けられた所定の配線パターンの配線層とを備え、上記配線層が、上記基材の表面に設けられた、上記配線パターンに応じた所定パターンのシード層と、上記シード層の表面に設けられた金属層とを有する配線基板を製造する方法であって、上記基材と、上記基材の表面に設けられた上記シード層とを備えるシード層付き基材を準備する準備工程と、陽極とその上方に配置された固体電解質膜との間に金属イオンを含有する金属溶液が収容された収容空間が設けられた溶液収容部における上記固体電解質膜の上方に、上記シード層の表面が上記陽極に対向し、かつ上記固体電解質膜の上面に接触するように上記シード層付き基材を配置する配置工程と、上記配置工程により上記シード層付き基材を配置した状態で、上記陽極と陰極に相当する上記シード層との間に電圧を印加することにより、上記金属溶液の上記金属イオンを含有する液体を上記収容空間から上記固体電解質膜の上面側に滲み出させ、上記液体中の上記金属イオンを上記シード層の表面で還元することで成膜し、上記金属層を形成する形成工程と、を備え、上記形成工程において、上記シード層の表面に垂直な方向の上記金属層の厚さTfに対する上記シード層の側面の線幅方向の上記金属層の幅Wsの比率の平均値が0.70以下となるように上記金属層を形成することを特徴とする。
本発明によれば、配線層の配線パターンの隣接する配線どうしの導通を抑制できる。
第1実施形態に係る配線基板の製造方法のフローチャートである。 第1実施形態に係る配線基板の製造方法を示す概略工程図であって、(a)~(c)は、準備工程におけるシード層付き基材の断面、表面、及び裏面をそれぞれ示す概略図である。 第1実施形態に係る配線基板の製造方法を示す概略工程図であって、液供給工程を示す概略断面図である。 第1実施形態に係る配線基板の製造方法を示す概略工程図であって、配置工程を示す概略断面図である。 第1実施形態に係る配線基板の製造方法を示す概略工程図であって、形成工程を示す概略断面図である。 (a)は、図2Dに示される配線基板を拡大した概略断面図であり、(b)は、(a)に示される配線基板の概略上面図である。 実施例1~3の各例で製造した配線基板の配線層のラインアンドスペースの配線パターンで選択した5本の配線(配線1~配線5)の断面写真を、各配線で算出した金属層の横太り量(左)及び金属層の横太り量(右)と一緒に示す表である。 実施例4及び比較例1~11の各例で製造した配線基板のラインアンドスペースの配線パターンで選択した1本の配線の断面写真を示す表である。 実施例4及び比較例1~11について算出された金属層の目標厚さ1μm当たりの液体の滲出量及び金属層の横太り量の関係を示すグラフである。 マイクロピペットによる採取純水の計量器による測定重量の平均、及びマイクロピペットによる採取純水のキムワイプによる測定重量の平均を示すグラフである。 シード層の表面の面積及び液体の滲出量の関係を示すグラフである。 収容空間の金属溶液を加圧する加圧力及び液体の滲出量の関係を示すグラフである。
以下、本発明の実施形態に係る配線基板の製造方法について、第1態様と、第2態様とに大別して説明する。なお、実施形態では、特に断りがない限り、「上方」とは、鉛直方向とは反対の方向を指し、「下方」とは、鉛直方向と同一の方向を指す。また、「上面」とは、鉛直方向とは反対の方向を向く面を指し、「下面」とは、鉛直方向と同一の方向を向く面を指す。さらに、「線幅方向」とは、配線パターンの配線の線幅方向であって、基材の表面に平行であり、かつ配線の延伸方向に垂直な方向を指す。
A.第1態様
第1態様に係る配線基板の製造方法について、まず、第1実施形態を例示して概略を説明する。図1は、第1実施形態に係る配線基板の製造方法のフローチャートである。図2A~図2Dは、第1実施形態に係る配線基板の製造方法を示す概略工程図である。図2A(a)~(c)は、準備工程におけるシード層付き基材の断面、表面、及び裏面をそれぞれ示す概略図である。図2B~図2Dは、液供給工程、配置工程、及び形成工程をそれぞれ示す概略断面図である。図3(a)は、図2Dに示される配線基板を拡大した概略断面図であり、図3(b)は、図3(a)に示される配線基板の概略上面図である。
第1実施形態に係る配線基板の製造方法においては、まず、図1及び図2A(a)~(c)に示すように、絶縁性の基材2と、基材2の表面2fに設けられたシード層4と、基材2の裏面2rに設けられた導体層6と、基材2の表面2fのシード層4の配設箇所から裏面2rまで貫通するビアホール2hに充填されたビア導体8と、を備えるシード層付き基材1を準備する(準備工程S1)。シード層4は、所定の微細なラインアンドスペースの配線パターンに応じた所定のラインアンドスペースを有し、基材2の表面2fに対して平行となる表面4fと、基材2の表面2fに対して垂直となる側面4sとを有している。導体層6は、基材2の裏面2rの全体に設けられている。ビア導体8は、シード層4及び導体層6を電気的に接続している。
次に、図1及び図2Bに示すように、固相電析法(SED:Solid Electro Deposition)にて金属層を形成する成膜装置100として、上部に開口部15aが設けられ、収容空間Gの底面に陽極13が配置されたハウジング15と、ハウジング15の開口部15aを覆い、かつ封止するようにハウジング15の上部に配置した固体電解質膜17とから構成される溶液収容部20を備える上方成膜用の成膜装置100を用意する。その上で、成膜装置100において、溶液収容部20の収容空間Gに金属イオンを含有する金属溶液Lを供給する(液供給工程S2)。なお、成膜装置100では、固体電解質膜17として、所定の金属イオン透過性を有するものが用いられている。
ハウジング15には、金属溶液Lの供給口15f及び排出口15dが設けられている。溶液収容部20の収容空間Gは、供給口15f及び排出口15dを除いて、ハウジング15及び固体電解質膜17により密閉され、陽極13とともに金属溶液Lを収容する。供給口15f及び排出口15dは、配管を介してタンク101に接続されている。成膜装置100では、供給口15fの上流側及び排出口15dの下流側にポンプ102及び圧力調整弁103がそれぞれ設けられている。ポンプ102を用いることにより、タンク101から送り出される金属溶液Lを、供給口15fを介して収容空間Gに供給し、収容空間Gから排出口15dを介して排出することでタンク101に戻すことができる。ポンプ102及び圧力調整弁103を用いることにより、収容空間Gの金属溶液Lの液圧を調整できる。液供給工程S2では、ハウジング15の収容空間Gを固体電解質膜17で密閉した状態で、ポンプ102を用いることにより、収容空間Gの空気を排出口15dを介して外部に排出しながら、タンク101から供給口15fを介して収容空間Gに金属溶液Lを供給することで、収容空間Gを金属溶液Lで満たす。そして、ポンプ102及び圧力調整弁103を用いることにより、収容空間Gの金属溶液Lの液圧を、収容空間Gの金属溶液Lの固体電解質膜17側の位置の液圧が大気圧となるように調整する。これにより、固体電解質膜17の上面17tは平坦に維持される。
次に、図1及び図2Cに示すように、陽極13とその上方に配置された固体電解質膜17との間に金属イオンを含有する金属溶液Lが収容された収容空間Gが設けられた溶液収容部20における固体電解質膜17の上方に、シード層4の表面4fが陽極13に対向し、かつ固体電解質膜17の上面17tに接触するようにシード層付き基材1を配置する(配置工程S3)。この際には、図2Cに示すように、昇降装置(図示せず)に取付けられた保持用治具200によりシード層付き基材1を保持するか、あるいは、図示しないが、シード層付き基材1を治具で保持せずに単純に固体電解質膜17の上面17tに配置することにより、シード層4の表面4fが固体電解質膜17の上面17tの接触面を押圧する接触圧力をシード層付き基材1の自重のみによる圧力以下に調整する。
次に、図1及び図2Dに示すように、配置工程S3によりシード層付き基材1を配置した状態で、陽極13及びシード層付き基材1の導体層6を電源部104の正極及び負極にそれぞれ接続することで、陽極13と陰極に相当するシード層4との間に電圧を印加する。この場合、金属イオンが金属溶液の他の成分を引き連れて液体として陽極13側からシード層4(陰極)側に向かって移動する。これにより、金属溶液の金属イオン及び他の成分を含有する液体を収容空間Gから固体電解質膜17の上面17t側に滲み出させ、液体中の金属イオンをシード層4の表面4fで還元することで成膜する。このようにして、固相電析法により、シード層4の表面4fに金属層5を形成する(形成工程S4)。
形成工程S4では、陽極13とシード層4との間に流れる電流の電流密度、及び電圧を印加する成膜時間を、電流密度及び成膜時間の積で決まる電気量に応じた量の金属イオンをシード層4の表面4f表面に当該表面に対し垂直な方向にのみ析出することで、金属層5をシード層4の表面4fの全体で一律の目標厚さとなるように形成するために必要となる電流密度及び成膜時間(金属層5を目標厚さに形成するために必要となる電流密度及び成膜時間)とする。そして、上記のように、成膜装置100では、固体電解質膜17として、所定の金属イオン透過性を有するものが用いられている。さらに、液供給工程S2では、収容空間Gの金属溶液Lの固体電解質膜17側の位置の液圧が大気圧に調整され、かつ配置工程S3では、シード層4の表面4fが固体電解質膜17の上面17tの接触面を押圧する接触圧力がシード層付き基材1の自重のみによる圧力以下に調整されている。これにより、形成工程S4では、金属イオンを含有する液体が収容空間Gから固体電解質膜17の上面17t側に滲み出る滲出量を、金属層5の目標厚さ1μm当たり0.0021g/cm以下とする。
以上により、図2D並びに図3(a)及び(b)に示すように、絶縁性の基材2と、基材2の表面2fに設けられた所定の微細なラインアンドスペースの配線パターンの配線層9とを備え、配線層9が、基材2の表面2fに設けられた、配線パターンに応じた所定のラインアンドスペースのシード層4と、シード層4の表面4fに設けられた金属層5とを有する配線基板10を製造する。
第1実施形態に係る配線基板の製造方法では、形成工程S4において、金属イオンを含有する液体が収容空間Gから固体電解質膜17の上面17t側に滲み出る滲出量を、金属層5の目標厚さ1μm当たり0.0021g/cm以下としている。このように、金属イオンを含有する液体の滲出量が抑制されていることで、金属イオンを含有する液体がシード層4の表面4fから側面4sに回り込むことを抑制できる。このため、液体中の金属イオンが、シード層4の側面4sに供給され還元される量を低減できる。よって、シード層4の側面4sの線幅方向に金属イオンが析出し成膜されることを抑制し、シード層4の表面4fに垂直な方向に選択的に金属イオンを析出し成膜できる。この結果、図3(a)及び(b)に示すように、シード層4の表面4fに垂直な方向の金属層5の厚さTfに対するシード層4の側面4sの線幅方向の金属層5の幅Wsの比率(金属層5の横太り量)の平均値が0.70以下となるように金属層5を形成できる。
従って、第1態様に係る配線基板の製造方法によれば、例えば、第1実施形態のように、シード層の側面の線幅方向に金属層が形成されることを抑制し、シード層の表面に当該表面に対し垂直な方向に選択的に金属層を形成できる。これにより、配線層の配線パターンの隣接する配線どうしの導通を抑制できる。
続いて、第1態様に係る配線基板の製造方法の各構成について詳細に説明する。
1.準備工程
準備工程においては、絶縁性の基材と、上記基材の表面に設けられた上記シード層とを備えるシード層付き基材を準備する。
シード層付き基材としては、絶縁性の基材とシード層とを備えるものであれば特に限定されないが、例えば、第1実施形態に係るシード層付き基材のように、シード層が基材の表面に下地層を介さず設けられ、基材の裏面に設けられた導体層と、基材における表面のシード層の配設箇所から裏面まで貫通するビアホールに充填され、シード層及び導体層を電気的に接続するビア導体とをさらに備え、シード層のスペースで基材の表面が露出するものでもよい。導体層を電源部の負極に接続することで、陽極と陰極に相当するシード層との間に電圧を印加できる。また、シード層付き基材としては、基材の表面に設けられた導電性を有する下地層をさらに備え、シード層が下地層の表面に設けられ、シード層のスペースで下地層の表面が露出するものでもよい。下地層を電源部の負極に接続することで、陽極と陰極に相当するシード層との間に電圧を印加できる。
基材は、絶縁性であれば特に限定されないが、例えば、ガラスエポキシ樹脂からなる基材、ポリイミド樹脂等の可撓性を有するフィルム状の基材、ガラスからなる基材等が好ましく、中でもガラスエポキシ樹脂が特に好ましい。また、基材として、樹脂からなる基材を用いる場合、例えば、ABS樹脂、AS樹脂、AAS樹脂、PS樹脂、EVA樹脂、PMMA樹脂、PBT樹脂、PET樹脂、PPS樹脂、PA樹脂、POM樹脂、PC樹脂、PP樹脂、PE樹脂、エラストマーとPPを含むポリマーアロイ樹脂、変性PPO樹脂、PTFE樹脂、ETFE樹脂等の熱可塑性樹脂、あるいはフェノール樹脂、メラミン樹脂、アミノ樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ポリウレタン、ジアリルフタレート、シリコーン樹脂、アルキド樹脂等の熱硬化性樹脂や、例えば、エポキシ樹脂にシアネート樹脂を加えた樹脂や、液晶ポリマーなどからなる基材を用いることができる。
シード層は、配線層の配線パターンに応じた所定パターンを有し、基材の表面に略平行となる表面と、シード層の表面と基材の表面とを繋ぐ側面とを有する。シード層のパターンは、配線層の配線パターンに応じた所定パターンであれば特に限定されないが、例えば、ラインアンドスペース等が挙げられる。シード層のラインアンドスペースのライン幅(線幅)/スペース幅(線間隔幅)は、特に限定されないが、例えば、100μm以上500μm以下/100μm以上500μm以下が好ましい。ライン幅/スペース幅がこのような範囲の微細な幅である場合には、配線層の配線パターンの隣接する配線どうしの導通を抑制できる効果が顕著となるからである。ライン幅/スペース幅は、配線基板を平面視したときのシード層の線幅/線間隔である。なお、シード層のライン幅とスペース幅は、同じ寸法に形成されてもよいし、異なる寸法に形成されてもよい。
シード層は、導電性を有し、陽極との間に電圧を印加することにより、金属イオンを表面で還元することで成膜できるものであれば特に限定されないが、例えば、金属を含有するもの等が挙げられる。シード層として、表面に自然酸化膜が形成されない層や層全体に酸化物を含まない層等が好ましい。シード層の材質としては、例えば、銀、銅、金、パラジウム、白金等が好ましく、中でも、銀、銅等が好ましい。シード層の材質として、例えば、銀、銅、金、パラジウム、及び白金からなる群より選択される1種又は2種以上を用いることができる。
シード層の厚さは、特に限定されないが、例えば、10μm以上50μm以下が好ましい。シード層の厚さを10μm以上にすることで、シード層の側面の線幅方向に金属層が形成されることを効果的に抑制できるからである。また、シード層の厚さを50μm以下にすることで、シード層の形成に必要な材料費や加工費を抑えることができ、コストメリットを得ることができるからである。
シード層は、例えば、絶縁性の基材や下地層の表面に金属粒子を含有するインクを配置して固化する方法により形成される。インクを絶縁性の基材や下地層の表面に配置する方法としては、特に限定されないが、例えばスクリーン印刷、インクジェット印刷、転写印刷等の様々な印刷法を用いることができる。絶縁性の基材や下地層の表面に配置したインクを固化する方法としては、特に限定されないが、例えば、インクに含有された金属粒子を焼結したり、インクを加熱や乾燥により固化する方法等が挙げられる。なお、シード層を焼結により形成する場合、基材の耐熱温度以下(例えばガラスエポキシ樹脂からなる基材を用いる場合、約250℃以下)で焼結を行う。なお、シード層は、インクを用いずに、例えば蒸着法やスパッタリング法によって形成することもできる。
下地層は、導電性を有するものであれば特に限定されないが、例えば、酸化物を表面に含む層が好ましい。酸化物を表面に含む層としては、例えば、表面に自然酸化膜が形成された層、層全体に酸化物を含む層等が挙げられるが、表面に自然酸化膜が形成された層であることが好ましい。なお、自然酸化膜とは、物質を大気中に放置した場合に物質の表面に自然に形成される酸化膜のことをいう。下地層を表面に自然酸化膜が形成される層とする場合、下地層を、例えば、シリサイドにより形成することが好ましい。なお、「シリサイド」とは、金属及びシリコンから構成される化合物のことをいう。シリサイドとしては、遷移金属シリサイド(遷移金属及びシリコンから構成されるシリサイド)を用いることが好ましい。下地層の材質としては、特に限定されるものではないが、例えば、ZrSi、WSi等の遷移金属シリサイド、ITO(酸化インジウムスズ)等の金属酸化物、Ti、Tiを含有する合金、ステンレス鋼等のCrを含有する合金、導電性樹脂などが好ましく、中でも、ZrSi、WSi等の遷移金属シリサイドが好ましい。下地層の厚さは、特に限定されるものではないが、例えば20nm以上300nm以下が好ましい。下地層は、スパッタリング法の他、例えばPVD(物理気相成長)法やCVD(化学気相成長)法等の蒸着法や、めっき法などにより形成される。
2.配置工程
配置工程においては、陽極とその上方に配置された固体電解質膜との間に金属イオンを含有する金属溶液が収容された収容空間が設けられた溶液収容部における上記固体電解質膜の上方に、上記シード層の表面が上記陽極に対向し、かつ上記固体電解質膜の上面に接触するように上記シード層付き基材を配置する。
溶液収容部は、陽極と固体電解質膜との間に収容空間が設けられたものであれば特に限定されないが、例えば、第1実施形態に係る溶液収容部のように、上部に開口部が設けられ、底面に陽極が配置されたハウジングと、ハウジングの開口部を覆い、かつ封止するようにハウジングの上部に配置した固体電解質膜とから構成されるものなどが挙げられる。
収容空間の金属溶液は、後述する金属層に含まれる金属を金属イオンの状態で含む溶液である。金属イオンの金属としては、特に限定されないが、例えば、銅、ニッケル、銀、金等が挙げられる。金属溶液は、金属イオンの金属を、硝酸、リン酸、コハク酸、硫酸ニッケル、ピロリン酸等の酸で溶解したものであれば特に限定されないが、例えば、硫酸銅水溶液である。
収容空間の金属溶液の液圧は、形成工程で液体の滲出量を金属層の目標厚さ1μm当たり0.0021g/cm以下とすることが可能な液圧に調整する必要がある。収容空間の金属溶液の液圧としては、このような液圧であれば特に限定されないが、例えば、収容空間の金属溶液における固体電解質の上面側端の液圧ができる限り大気圧に近くなるような液圧が好ましく、中でも収容空間の金属溶液における固体電解質の上面側端の液圧が大気圧になるような液圧が好ましい。金属溶液の液圧により液体を滲み出させる駆動力が小さくなるので、形成工程で液体の滲出量を上記範囲とすることが容易となるからである。なお、収容空間の金属溶液の液圧を調整する時には、収容空間の金属溶液が、シード層の表面が固体電解質膜の上面の接触面を押圧する接触圧力により固体電解質膜を介して加圧され、収容空間の金属溶液の液圧が変化することを考慮する必要がある。
収容空間の金属溶液の金属イオンの濃度は、形成工程で陽極とシード層との間に流れる電流の電流密度により金属層の形成が可能となる濃度に調整する必要がある。金属溶液の金属イオンの濃度が電流密度に対して低過ぎる場合には、形成工程で金属イオン以外の成分がシード層の表面で還元され、金属層の形成が不可能となる。このような観点から、金属溶液が硫酸銅(II)水溶液である場合には、硫酸銅(II)水溶液の銅イオン(Cu2+)(金属溶液の金属イオン)の濃度は、例えば、0.15mol/L以上が好ましい。
固体電解質膜は、金属溶液に接触させることで金属イオンを含有する液体を内部に含浸することができ、電圧を印加することにより、金属イオンを含有する液体を内部の透過チャネルで移動させることで上面側に滲み出させ、シード層の表面で金属イオンを還元することで金属イオン由来の金属を析出できるのであれば、特に限定されるものではない。固体電解質膜の厚さは、例えば、約5μm以上約200μm以下である。固体電解質膜の材質としては、例えば、デュポン社製のナフィオン(登録商標)等のフッ素系樹脂、炭化水素系樹脂、ポリアミック酸樹脂、旭硝子社製のセレミオン(CMV、CMD、CMFシリーズ)等の陽イオン交換機能を有した樹脂などを挙げることができる。また、固体電解質膜としては、形成工程で金属層の目標厚さ1μm当たりの液体の滲出量を所定値以下に調整可能な所定の金属イオン透過性を有するものを用いる必要がある。なお、固体電解質膜の金属イオン透過性は、固体電解質膜の透過チャネルの径等で定まる。
シード層の表面が固体電解質膜の上面の接触面を押圧する接触圧力は、形成工程で液体の滲出量を金属層の目標厚さ1μm当たり0.0021g/cm以下とすることが可能な圧力に調整する必要がある。接触圧力としては、このような圧力であれば特に限定されないが、できる限り小さい方が好ましく、例えば、シード層付き基材の自重のみによる圧力以下が好ましく、特に0(ゼロ)が好ましい。収容空間の金属溶液が接触圧力により固体電解質膜を介して不要に加圧されないので、形成工程で液体の滲出量を上記範囲とすることが容易となるからである。
3.形成工程
形成工程においては、上記配置工程により上記シード層付き基材を配置した状態で、上記陽極と陰極に相当する上記シード層との間に電圧を印加することにより、上記金属溶液の上記金属イオンを含有する液体を上記収容空間から上記固体電解質膜の上面側に滲み出させ、上記液体中の上記金属イオンを上記シード層の表面で還元することで成膜し、上記金属層を形成する。さらに、上記陽極と上記シード層との間に流れる電流の電流密度及び上記電圧を印加する成膜時間を、上記金属層を目標厚さに形成するために必要となる電流密度及び成膜時間とする。そして、上記液体の滲出量(上記液体が上記収容空間から上記固体電解質膜の上面側に滲み出る量)を、上記金属層の上記目標厚さ1μm当たり0.0021g/cm以下とする。
ここで、「金属層を目標厚さに形成するために必要となる電流密度及び成膜時間」とは、電流密度及び成膜時間の積で決まる電気量に応じた量の金属イオンをシード層の表面に当該表面に対し垂直な方向にのみ析出することで、金属層をシード層の表面の全体で一律の目標厚さとなるように形成するために必要となる電流密度及び成膜時間を指す。そして、「金属層の目標厚さ1μm当たりの液体の滲出量」とは、形成工程において、電流密度及び成膜時間を、金属層を目標厚さに形成するために必要となる電流密度及び成膜時間とする場合において、形成工程におけるシード層の表面の面積1cm当たりの液体の滲出量を金属層の目標厚さ[μm]で割ることで得られる量を指す。
金属層の目標厚さ1μm当たりの液体の滲出量としては、上記のように0.0021g/cm以下であれば特に限定されないが、中でも0.0018g/cm以下が好ましく、特に0.00026g/cm以下が好ましい。シード層の表面に金属層を選択的に成膜できる作用が向上するからである。
金属層の目標厚さ1μm当たりの液体の滲出量をこれらの所定値以下に調整する方法としては、特に限定されないが、例えば、固体電解質膜として、所定の金属イオン透過性を有するものを適宜選択して用いた上で、収容空間の金属溶液における固体電解質の上面側端の液圧を所定値以下に調整することにより、金属層の目標厚さ1μm当たりの液体の滲出量を調整する方法などが挙げられる。
形成工程としては、後述する第2態様に係る形成工程と同様に、金属層の横太り量の平均値が0.70以下となるように上記金属層を形成する工程が好ましく、金属層の横太り量は小さいほど好ましい。形成工程としては、金属層の横太り量の平均値が0.30以下となるように金属層を形成する工程がより好ましく、中でも金属層の横太り量の平均値が0.20以下となるように金属層を形成する工程が好ましく、特に金属層の横太り量の平均値が0(ゼロ)となるように金属層を形成する工程が好ましい。配線層の配線パターンの隣接する配線どうしの導通を抑制できる効果が顕著となるからである。
陽極とシード層との間に電圧を印加することで陽極とシード層との間に流れる電流の電流密度としては、特に限定されないが、例えば、金属溶液が硫酸銅(II)水溶液である場合には、5mA/cm以上400mA/cm以下が好ましい。
4.配線基板の製造方法
第1態様に係る配線基板の製造方法は、絶縁性の基材と、上記基材の表面に設けられた所定の配線パターンの配線層とを備え、上記配線層が、上記基材の表面に設けられた、上記配線パターンに応じた所定パターンのシード層と、上記シード層の表面に設けられた金属層とを有する配線基板を製造する方法であって、上記準備工程と、上記配置工程と、上記形成工程とを備える。
形成工程においては、シード層の表面に金属層を形成することにより、基材の表面に設けられた所定パターンのシード層と、シード層の表面に設けられた金属層とを有する所定の配線パターンの配線層を形成する。
配線層の配線パターンは、特に限定されないが、例えば、ラインアンドスペース等が挙げられる。配線層のラインアンドスペースのライン幅(線幅)/スペース幅(線間隔幅)は、特に限定されないが、通常、シード層のライン幅/スペース幅及び金属層のライン幅(線幅)により決まる。
B.第2態様
第2態様に係る配線基板の製造方法は、絶縁性の基材と、上記基材の表面に設けられた所定の配線パターンの配線層とを備え、上記配線層が、上記基材の表面に設けられた、上記配線パターンに応じた所定パターンのシード層と、上記シード層の表面に設けられた金属層とを有する配線基板を製造する方法であって、準備工程と、配置工程と、形成工程とを備える。準備工程及び配置工程については、第1態様に係る準備工程及び配置工程と同様である。形成工程においては、上記配置工程により上記シード層付き基材を配置した状態で、上記陽極と陰極に相当する上記シード層との間に電圧を印加することにより、上記金属溶液の上記金属イオンを含有する液体を上記収容空間から上記固体電解質膜の上面側に滲み出させ、上記液体中の上記金属イオンを上記シード層の表面で還元することで成膜し、上記金属層を形成する。そして、上記シード層の表面に垂直な方向の上記金属層の厚さTfに対する上記シード層の側面の線幅方向の上記金属層の幅Wsの比率(本明細書では、「金属層の横太り量」と略すことがある。)の平均値が0.70以下となるように上記金属層を形成する。第2態様に係る配線基板の製造方法によれば、シード層の表面に当該表面に対し垂直な方向に選択的に金属層を形成できるので、配線層の配線パターンの隣接する配線どうしの導通を抑制できる。
ここで、「シード層の表面に垂直な方向の金属層の厚さTfに対するシード層の側面の線幅方向の金属層の幅Wsの比率の平均値(金属層の横太り量の平均値)」とは、配線パターンの5箇所以上の異なる箇所で、配線の延伸方向に垂直な断面でのシード層の表面に垂直な方向の金属層の厚さTfに対するシード層の側面の線幅方向の金属層の幅Wsの比率(金属層の横太り量)を算出し、平均したものを指す。「シード層の表面に垂直な方向の金属層の厚さTf」とは、例えば、配線の延伸方向に垂直な断面でのシード層の表面から当該表面に対し垂直な方向に存在する金属層の厚さの平均値を指す。「シード層の側面の線幅方向の金属層の幅Ws」とは、例えば、配線の延伸方向に垂直な断面でのシード層の側面の線幅方向に存在する金属層の幅(線幅方向の寸法)の平均値を指す。
形成工程としては、金属層の横太り量の平均値が0.70以下となるように金属層を形成する工程であれば特に限定されず、金属層の横太り量は小さいほど好ましいが、金属層の横太り量の平均値が0.30以下となるように金属層を形成する工程が好ましく、中でも金属層の横太り量の平均値が0.20以下となるように金属層を形成する工程が好ましく、特に金属層の横太り量の平均値が0(ゼロ)となるように金属層を形成する工程が好ましい。配線層の配線パターンの隣接する配線どうしの導通を抑制できる効果が顕著となるからである。
形成工程では、第1態様に係る形成工程と同様に、上記陽極と上記シード層との間に流れる電流の電流密度及び上記電圧を印加する成膜時間を、上記金属層を目標厚さに形成するために必要となる電流密度及び成膜時間とし、上記液体の滲出量(上記液体が上記収容空間から上記固体電解質膜の上面側に滲み出る量)を、上記金属層の上記目標厚さ1μm当たり0.0021g/cm以下とすることが好ましい。さらに、金属層の目標厚さ1μm当たりの液体の滲出量としては、第1態様に係る形成工程と同様に、中でも0.0018g/cm以下が好ましく、特に0.00026g/cm以下が好ましい。
形成工程においては、シード層の表面に金属層を形成することにより、基材の表面に設けられた所定パターンのシード層と、シード層の表面に設けられた金属層とを有する所定の配線パターンの配線層を形成する。配線層の配線パターンについては、第1態様に係る配線層の配線パターンと同様である。
以下、実施例及び比較例を挙げて、実施形態に係る配線基板の製造方法をさらに具体的に説明する。
1.液体の滲出量の効果の確認
上述した第1実施形態に係る配線基板の製造方法で、金属層の目標厚さ1μm当たりの液体の滲出量を変化させた場合において、本発明の効果の確認を行った。
[実施例1]
第1実施形態に係る配線基板の製造方法を実施した。この際には、まず、準備工程において、シード層付き基材として下記の評価用シード層付き基材を準備した。
(評価用シード層付き基材)
絶縁性の基材:キョウデン社製基材
シード層の厚さ:18μm
シード層のライン幅/スペース幅:100μm~500μm/100μm~500μm(シード層は、3通りのライン幅/スペース幅(100μm/100μm、300μm/300μm、及び500μm/500μm)を含むパターンを有する。)
次に、液供給工程において、上部に開口部が設けられ、収容空間の底面に陽極が配置されたハウジングと、ハウジングの開口部を覆い、かつ封止するようにハウジングの上部に配置した下記の固体電解質膜とから構成される溶液収容部を備える上方成膜用の成膜装置を用意した。その上で、成膜装置において、溶液収容部の収容空間に下記の金属溶液Lを供給した。
(固体電解質膜)
種類:A
材質:デュポン社製のナフィオン(登録商標)
(金属溶液)
種類:硫酸銅(II)水溶液
硫酸銅の濃度:1mol/L(硫酸の濃度:0.2mol/L)
次に、配置工程において、溶液収容部における固体電解質膜の上方に、シード層の表面が陽極に対向し、かつ固体電解質膜の上面に接触するように評価用シード層付き基材を配置した。この際には、シード層付き基材を治具で保持せずに単純に固体電解質膜の上面に配置することにより、シード層の表面が固体電解質膜の上面の接触面を押圧する接触圧力をシード層付き基材の自重のみによる圧力となるようにした。
次に、形成工程において、配置工程により評価用シード層付き基材を配置した状態で、陽極と陰極に相当するシード層との間に電圧を印加した。これにより、上方成膜法により、金属溶液の金属イオン及び他の成分を含有する液体を収容空間から固体電解質膜の上面側に滲み出させ、液体中の金属イオンをシード層の表面で還元することで成膜した。このようにして、シード層の表面に金属層を形成した。この際、金属層の形成条件を下記の通りとした。具体的には、金属層の目標厚さを下記の目標厚さとして、陽極とシード層との間に流れる電流の電流密度及び電圧を印加する成膜時間を、金属層を目標厚さに形成するために必要となる下記の電流密度及び成膜時間とした。
(金属層の形成条件)
成膜温度:室温
金属層の目標厚さ:20μm
電流密度:25mA/cm
成膜時間:47min
以上により、絶縁性の基材と、基材の表面に設けられた所定のラインアンドスペースの配線パターンの配線層とを備え、配線層がシード層と金属層とを有する配線基板を製造した。
[実施例2]
固体電解質膜の種類をBに変更した点を除いて、実施例1と同様に配線基板の製造方法を実施することで配線基板を製造した。
[実施例3]
固体電解質膜の種類をCに変更した点を除いて、実施例1と同様に配線基板の製造方法を実施することで配線基板を製造した。
[金属層の目標厚さ1μm当たりの液体の滲出量の算出]
実施例1~3の各例での形成工程において、液体を収容空間から固体電解質膜の上面側に滲み出させた滲出量を、下記の手順で算出した。
(液体の滲出量の算出手順)
手順1:精密天秤の上に空のビーカーを置く。
手順2:そのビーカーの中に乾いたキムワイプを入れて、重量を測定する。
手順3:形成工程において、固相電析法により、金属層を形成する。
手順4:形成工程後に、液体の滲出液(評価用シード層付き基材に付着した滲出液及び固体電解質膜に付着した液)をキムワイプで拭取る。
手順5:拭取ったキムワイプを手順2で用いたビーカーに入れて、重量を測定する。
手順6:手順2での測定重量と手順5での測定重量との重量差[g]を、シード層の表面の面積[cm]で割ることにより、滲出量[g/cm]を算出する。
続いて、上記の手順で算出した液体の滲出量を金属層の目標厚さで割ることにより、金属層の目標厚さ1μm当たりの液体の滲出量を算出した。下記の表1に、液体の滲出量及び金属層の目標厚さ1μm当たりの液体の滲出量を示す。
[金属層の横太り量の平均値の算出]
実施例1~3の各例で製造した配線基板のラインアンドスペースの配線パターンについて、配線パターンの5箇所以上の異なる箇所で、配線の延伸方向に垂直な断面でのシード層の表面に垂直な方向の金属層の厚さTfに対するシード層の側面の線幅方向の金属層の幅Wsの比率(金属層の横太り量)を算出し、平均することで、金属層の横太り量の平均値を算出した。
具体的には、まず、各例で製造した配線基板のラインアンドスペースの配線パターンで任意の5本の配線(配線1~配線5)を選択した。次に、選択した各配線の延伸方向に垂直な断面写真を撮影した。そして、断面写真を使用し、各配線の延伸方向に垂直な断面において、シード層の左右の側面の箇所について、断面写真が不鮮明で金属層の厚さTf又は幅Wsが計測できない箇所を除き、シード層の表面に垂直な方向の金属層の厚さTfに対するシード層の左の側面の線幅方向の金属層の幅Wsの比率(金属層の横太り量(左))と、シード層の表面に垂直な方向の金属層の厚さTfに対するシード層の右の側面の線幅方向の金属層の幅Wsの比率(金属層の横太り量(右))と、を算出した。次に、選択した5本の配線で算出した金属層の横太り量(左)及び金属層の横太り量(右)を合計し、合計したデータ数で割ることにより、金属層の横太り量の平均値を算出した。
図4は、実施例1~3の各例で製造した配線基板の配線層のラインアンドスペースの配線パターンで選択した5本の配線(配線1~配線5)の断面写真を、各配線で算出した金属層の横太り量(左)及び金属層の横太り量(右)と一緒に示す表である。そして、下記の表1に、実施例1~3の各例で製造した配線基板の配線層のラインアンドスペースの配線パターンで算出した金属層の横太り量の平均値を示す。
Figure 2023067422000002
[評価]
上記の表1及び図4に示すように、金属層の目標厚さ1μm当たりの液体の滲出量が0.0021g/cm以下である場合には金属層の横太り量の平均値が0.70以下となった。また、金属層の目標厚さ1μm当たりの液体の滲出量が0.0018g/cm以下である場合には金属層の横太り量の平均値が0.30以下となった。金属層の目標厚さ1μm当たりの液体の滲出量が0.00026g/cm以下である場合には金属層の横太り量の平均値が0.20以下となった。
なお、比較のために、実施例1~3の各例で使用したシード層付き基材及び金属溶液を使用し、シード層付き基材を金属溶液に直接浸漬することで、実施例1~3の各例と同様の金属層の形成条件で、金属層をシード層の表面に形成する浸漬めっきを行い、配線層がシード層と金属層とを有する配線基板を製造した。その結果、配線層の配線パターンで選択した5本の配線での金属層の横太り量は、それぞれ「0.95」、「0.99」、「0.95」、「0.95」、及び「0.99」となり、それらの平均値は約1となった。通常の浸漬めっきでは、金属層がシード層の表面に垂直な方向及び側面の線幅方向に等方的に形成されることが確認できた。
2.上方成膜法の効果の確認
第1実施形態のように、上方成膜用の成膜装置において、金属溶液の金属イオン及び他の成分を含有する液体を収容空間から固体電解質膜の上面側に滲み出させ、液体中の金属イオンをシード層の表面で還元することで成膜する方法(上方成膜法)を実施するとともに、後述する下方成膜用の成膜装置において、金属溶液の金属イオン及び他の成分を含有する液体を収容空間から固体電解質膜の下面側に滲み出させ、液体中の金属イオンをシード層の表面で還元することで成膜する方法(下方成膜法)を実施した。それらの結果から、上方成膜法の効果を確認した。
[実施例4]
シード層付き基材として下記の評価用シード層付き基材を使用し、固体電解質膜の種類をDに変更し、金属溶液として下記の金属溶液を使用し、金属層の形成条件を下記の通りとした点を除いて、実施例1と同様に配線基板の製造方法を実施することで配線基板を製造した。
(評価用シード層付き基材)
絶縁性の基材:キョウデン社製基材
シード層の厚さ:18μm
シード層のライン幅/スペース幅:100μm~500μm/100μm~500μm(シード層は、3通りのライン幅/スペース幅(100μm/100μm、300μm/300μm、及び500μm/500μm)を含むパターンを有する。)
(金属溶液)
種類:硫酸銅(II)水溶液
硫酸銅の濃度:1mol/L(硫酸の濃度:0.2mol/L)
(金属層の形成条件)
成膜温度:室温
金属層の目標厚さ:20μm
電流密度:25mA/cm
成膜時間:47min
[比較例1]
固体電解質膜の種類をEに変更した点を除いて、実施例4と同様に配線基板の製造方法を実施することで配線基板を製造した。
[比較例2]
固体電解質膜の種類をFに変更した点を除いて、実施例4と同様に配線基板の製造方法を実施することで配線基板を製造した。
[比較例3]
固体電解質膜の種類をGに変更した点を除いて、実施例4と同様に配線基板の製造方法を実施することで配線基板を製造した。
[比較例4]
固体電解質膜の種類をHに変更した点を除いて、実施例4と同様に配線基板の製造方法を実施することで配線基板を製造した。
[比較例5]
固体電解質膜の種類をIに変更した点を除いて、実施例4と同様に配線基板の製造方法を実施することで配線基板を製造した。
[比較例6]
まず、準備工程において、シード層付き基材として実施例4と同様の評価用シード層付き基材を準備した。次に、液供給工程において、下部に開口部が設けられ、収容空間の上面に陽極が配置されたハウジングと、ハウジングの開口部を覆い、かつ封止するようにハウジングの下部に配置した固体電解質膜とから構成される溶液収容部を備える下方成膜用の成膜装置を用意した。この際、固体電解質膜として、種類がJである点を除いて実施例4と同様の固体電解質膜を用いた。その上で、成膜装置において、溶液収容部の収容空間に実施例4と同様の金属溶液Lを供給した。
次に、配置工程において、溶液収容部における固体電解質膜の下方に、シード層の表面が陽極に対向するように、かつ固体電解質膜の下面に接触するように評価用シード層付き基材を配置した。
次に、形成工程において、配置工程により評価用シード層付き基材を配置した状態で、陽極と陰極に相当するシード層との間に電圧を印加した。これにより、下方成膜法により、金属溶液の金属イオン及び他の成分を含有する液体を収容空間から固体電解質膜の下面側に滲み出させ、液体中の金属イオンをシード層の表面で還元することで成膜した。このようにして、シード層の表面に金属層を形成した。この際、金属層の形成条件を実施例4と同様とした。
以上により、絶縁性の基材と、基材の表面に設けられた所定のラインアンドスペースの配線パターンの配線層とを備え、配線層がシード層と金属層とを有する配線基板を製造した。
[比較例7]
固体電解質膜の種類をKに変更した点を除いて、比較例6と同様に配線基板の製造方法を実施することで配線基板を製造した。
[比較例8]
固体電解質膜の種類をLに変更した点を除いて、比較例6と同様に配線基板の製造方法を実施することで配線基板を製造した。
[比較例9]
固体電解質膜の種類をMに変更した点を除いて、比較例6と同様に配線基板の製造方法を実施することで配線基板を製造した。
[比較例10]
固体電解質膜の種類をNに変更した点を除いて、比較例6と同様に配線基板の製造方法を実施することで配線基板を製造した。
[比較例11]
固体電解質膜の種類をO(オ―)に変更した点を除いて、比較例6と同様に配線基板の製造方法を実施することで配線基板を製造した。
[金属層の目標厚さ1μm当たりの液体の滲出量の算出]
実施例4及び比較例1~11の各例での形成工程において、液体を収容空間から固体電解質膜の上面側又は下面側に滲み出させた滲出量を、上記「1.液体の滲出量の効果の確認 [金属層の目標厚さ1μm当たりの液体の滲出量の算出]」の項目での手順と同様の手順で算出した。続いて、上記の手順で算出した液体の滲出量を金属層の目標厚さで割ることにより、金属層の目標厚さ1μm当たりの液体の滲出量を算出した。下記の表2に、液体の滲出量及び金属層の目標厚さ1μm当たりの液体の滲出量を示す。
[金属層の横太り量の算出]
実施例4及び比較例1~11の各例で製造した配線基板のラインアンドスペースの配線パターンの任意の1箇所で、配線の延伸方向に垂直な断面でのシード層の表面に垂直な方向の金属層の厚さTfに対するシード層の側面の線幅方向の金属層の幅Wsの比率(金属層の横太り量)を算出した。具体的には、まず、各例で製造した配線基板のラインアンドスペースの配線パターンで任意の1本の配線を選択した。次に、選択した1本の配線の延伸方向に垂直な断面写真を撮影した。そして、断面写真を使用し、配線の延伸方向に垂直な断面において、シード層の左右の一方の側面の箇所について、シード層の表面に垂直な方向の金属層の厚さTfに対するシード層の側面の線幅方向の金属層の幅Wsの比率(金属層の横太り量)を算出した。図5は、実施例4及び比較例1~11の各例で製造した配線基板のラインアンドスペースの配線パターンで選択した1本の配線の断面写真を示す表である。下記の表2に、実施例4及び比較例1~11の各例で製造した配線基板のラインアンドスペースの配線パターンで選択した1本の配線の1箇所で算出した金属層の横太り量を示す。そして、図6は、実施例4及び比較例1~11について算出された金属層の目標厚さ1μm当たりの液体の滲出量及び金属層の横太り量の関係を示すグラフである。
Figure 2023067422000003
[評価]
上記の表2、図5、及び図6に示すように、上方成膜法では、金属層の目標厚さ1μm当たりの液体の滲出量が約0.001g/cm以下となる場合には、金属層の横太り量が顕著に低減して0となっており、金属層がシード層の表面に垂直な方向に選択的に形成されることが確認できた。一方、下方成膜法では、金属層の目標厚さ1μm当たりの液体の滲出量にかかわらず、金属層の横太り量は約1となっており、金属層がシード層の表面に垂直な方向及び側面の線幅方向に等方的に形成されることが確認できた。これは、下方成膜法では、金属溶液の金属イオンを含有する液体を収容空間から固体電解質膜の下面側に滲み出させるため、液体がシード層の側面に供給され易いためであると考えられる。
3.参考:液体の滲出量の算出方法の精度の評価
上記「1.液体の滲出量の効果の確認 [金属層の目標厚さ1μm当たりの液体の滲出量の算出]」の項目での手順によって、液体の滲出量を算出する方法での精度を評価した。具体的には、以下の手順で評価した。
手順1:マイクロピペットで60μLの純水を採取し、ビーカーに滴下する。
手順2:ビーカーに滴下された純水の重量を計量器により測定する。
手順3:手順1及び2の操作を10回繰り返して、マイクロピペットによる採取純水の計量器による測定重量の平均を求め、マイクロピペットで採取される純水の重量のばらつきを評価する。
手順4:マイクロピペットで60μLの純水を採取し、キョウデン基板に滴下する。
手順5:予め重量を測定したキムワイプにより、キョウデン基板に滴下された純水を拭取る。
手順6:拭取ったキムワイプの重量を測定する。
手順7:キムワイプの予め測定した重量と手順6での測定重量との重量差から採取純水の重量を測定する。
手順8:手順4~7の操作を10回繰り返して、マイクロピペットによる採取純水のキムワイプによる測定重量の平均を求め、キムワイプによる純水の重量の測定方法のばらつきを評価する。
図7は、マイクロピペットによる採取純水の計量器による測定重量の平均、及びマイクロピペットによる採取純水のキムワイプによる測定重量の平均を示すグラフである。図7に示すように、マイクロピペットによる採取純水の計量器による測定重量の平均、及びマイクロピペットによる採取純水のキムワイプによる測定重量の平均にはほとんど差がないため、上記手順によって、液体の滲出量を算出する方法での精度には問題がないことを確認できた。
4.参考:シード層の表面の面積及び液体の滲出量の関係の確認
実施形態に係る配線基板の製造方法を、シード層の表面の面積を変化させて実施し、シード層の表面の面積と、金属溶液の金属イオンを含有する液体が収容空間から固体電解質膜の上面側に滲み出る滲出量との関係を確認した。図8は、シード層の表面の面積及び液体の滲出量の関係を示すグラフである。
5.参考:金属溶液を加圧する加圧力及び液体の滲出量の関係の確認
実施形態に係る溶液収容部を用いて、収容空間の金属溶液を加圧する加圧力を変化させて、収容空間の金属溶液を加圧する加圧力と、金属溶液の金属イオンを含有する液体が収容空間から固体電解質膜の上面側に滲み出る滲出量の関係を確認した。図9は、収容空間の金属溶液を加圧する加圧力及び液体の滲出量の関係を示すグラフである。
以上、本発明の実施形態に係る配線基板の製造方法について詳述したが、本発明は、上記の実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の精神を逸脱しない範囲で、種々の設計変更を行うことができるものである。
1 シード層付き基材
2 絶縁性の基材
2f 表面
2r 裏面
4 シード層
4f 表面
4s 側面
5 金属層
6 導体層
8 ビア導体
9 配線層
10 配線基板
100 成膜装置
13 陽極
15 ハウジング
15a 開口部
15f 供給口
15d 排出口
17 固体電解質膜
17t 上面
20 溶液収容部
G 収容空間
L 金属溶液
101 タンク
102 ポンプ
103 圧力調整弁
200 保持用治具

Claims (6)

  1. 絶縁性の基材と、前記基材の表面に設けられた所定の配線パターンの配線層とを備え、前記配線層が、前記基材の表面に設けられた、前記配線パターンに応じた所定パターンのシード層と、前記シード層の表面に設けられた金属層とを有する配線基板を製造する方法であって、
    前記基材と、前記基材の表面に設けられた前記シード層とを備えるシード層付き基材を準備する準備工程と、
    陽極とその上方に配置された固体電解質膜との間に金属イオンを含有する金属溶液が収容された収容空間が設けられた溶液収容部における前記固体電解質膜の上方に、前記シード層の表面が前記陽極に対向し、かつ前記固体電解質膜の上面に接触するように前記シード層付き基材を配置する配置工程と、
    前記配置工程により前記シード層付き基材を配置した状態で、前記陽極と陰極に相当する前記シード層との間に電圧を印加することにより、前記金属溶液の前記金属イオンを含有する液体を前記収容空間から前記固体電解質膜の上面側に滲み出させ、前記液体中の前記金属イオンを前記シード層の表面で還元することで成膜し、前記金属層を形成する形成工程と、を備え、
    前記形成工程において、前記陽極と前記シード層との間に流れる電流の電流密度及び前記電圧を印加する成膜時間を、前記金属層を目標厚さに形成するために必要となる電流密度及び成膜時間とし、
    前記形成工程において、前記液体の滲出量を、前記金属層の前記目標厚さ1μm当たり0.0021g/cm以下とすることを特徴とする配線基板の製造方法。
  2. 前記形成工程において、前記液体の前記滲出量を、前記金属層の前記目標厚さ1μm当たり0.0018g/cm以下とすることを特徴とする請求項1に記載の配線基板の製造方法。
  3. 前記形成工程において、前記液体の前記滲出量を、前記金属層の前記目標厚さ1μm当たり0.00026g/cm以下とすることを特徴とする請求項2に記載の配線基板の製造方法。
  4. 絶縁性の基材と、前記基材の表面に設けられた所定の配線パターンの配線層とを備え、前記配線層が、前記基材の表面に設けられた、前記配線パターンに応じた所定パターンのシード層と、前記シード層の表面に設けられた金属層とを有する配線基板を製造する方法であって、
    前記基材と、前記基材の表面に設けられた前記シード層とを備えるシード層付き基材を準備する準備工程と、
    陽極とその上方に配置された固体電解質膜との間に金属イオンを含有する金属溶液が収容された収容空間が設けられた溶液収容部における前記固体電解質膜の上方に、前記シード層の表面が前記陽極に対向し、かつ前記固体電解質膜の上面に接触するように前記シード層付き基材を配置する配置工程と、
    前記配置工程により前記シード層付き基材を配置した状態で、前記陽極と陰極に相当する前記シード層との間に電圧を印加することにより、前記金属溶液の前記金属イオンを含有する液体を前記収容空間から前記固体電解質膜の上面側に滲み出させ、前記液体中の前記金属イオンを前記シード層の表面で還元することで成膜し、前記金属層を形成する形成工程と、を備え、
    前記形成工程において、前記シード層の表面に垂直な方向の前記金属層の厚さTfに対する前記シード層の側面の線幅方向の前記金属層の幅Wsの比率の平均値が0.70以下となるように前記金属層を形成することを特徴とする配線基板の製造方法。
  5. 前記形成工程において、前記Tfに対する前記Wsの比率の平均値が0.30以下となるように前記金属層を形成することを特徴とする請求項4に記載の配線基板の製造方法。
  6. 前記形成工程において、前記Tfに対する前記Wsの比率の平均値が0.20以下となるように前記金属層を形成することを特徴とする請求項5に記載の配線基板の製造方法。
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