JP2023066997A - 水性インク、インクカートリッジ、及びインクジェット記録方法 - Google Patents

水性インク、インクカートリッジ、及びインクジェット記録方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 沈降回復性及び固着回復性に優れる、酸化チタンを含有するインクジェット用の水性インクなどの提供。【解決手段】 酸化チタンの表面の少なくとも一部が、アルミナによって被覆されており、そのゼータ電位が0mV超25mV以下である酸化チタン粒子、及び酸化チタン粒子の分散剤としての特定のユニットを有する樹脂を含有するインクジェット用の水性インクである。【選択図】 なし

Description

本発明は、水性インク、インクカートリッジ、及びインクジェット記録方法に関する。
近年、広告や展示物用の記録媒体として、紙や樹脂フィルムなどを用いて出力する際に、インクジェット記録装置が広く利用されるようになってきた。例えば、透明な記録媒体においても鮮明なカラー画像を表現するために、ブラックや基本色のインク(以下、これらをまとめてカラーインクと記載することがある)に加えて、白インクが併用される。具体的には、透明な記録媒体の画像を記録する領域を含む箇所に前もって白インクを付与して下地処理を行い、その上からカラーインクを付与する、又はその逆順で各インクを付与する(いわゆるバックプリント)記録方法が用いられている。
低コストであるとともに、白さや隠ぺい性など白インクとして必要とされる特性に優れるため、白インクの色材としては酸化チタンが用いられている。一方で、酸化チタンを水性インク中で安定に分散させるためには、分散剤が必要である。しかし、金属酸化物である酸化チタンは、他の色のインクで用いられる色材と比べて比重が大きいため、分散剤を用いても沈降しやすい。酸化チタンが一旦沈降しても、酸化チタンを再び分散させる特性である沈降回復性や、記録ヘッドの吐出口近傍などのインク中の液体成分が蒸発しやすい箇所で固着した酸化チタンを除去させる特性である固着回復性などが重視されるようになっている。
これまでにも、インクの成分によって、酸化チタンの分散安定性を向上させるための手法が検討されてきた。酸化チタンの分散剤として、炭素数10乃至36であるアルキル基を有する樹脂を用いたインクが提案されている(特許文献1参照)。
特開2014-43492号公報
本発明者らは、特許文献1で提案された水性インクの各種特性について検討した。その結果、優れた白さや隠ぺい性を求めるために高濃度の酸化チタンを含有するインクが求められる現状においては、沈降回復性及び固着回復性が不十分であり、向上の余地があることがわかった。
したがって、本発明の目的は、沈降回復性及び固着回復性に優れる、酸化チタンを含有するインクジェット用の水性インク、前記水性インクを用いたインクカートリッジ、及びインクジェット記録方法を提供することにある。
上記の目的は、以下の本発明によって解決される。すなわち、本発明にかかる水性インクは、酸化チタン粒子、及び前記酸化チタン粒子を分散させるための樹脂を含有するインクジェット用の水性インクであって、前記酸化チタン粒子が、その表面の少なくとも一部がアルミナによって被覆された酸化チタンであり、前記酸化チタン粒子のゼータ電位が、0mVを超えて25mV以下であり、前記樹脂を構成するユニットが、(メタ)アクリル酸、及びマレイン酸からなる群より選ばれる少なくとも1種のモノマーに由来するユニットA、並びに、ポリアルキレングリコール(メタ)アクリレート、アルコキシポリアルキレングリコール(メタ)アクリレート、鎖状アルキル(メタ)アクリレート、環状アルキル(メタ)アクリレート、ヒドロキシ鎖状アルキル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリロイルモルホリン、(メタ)アクリロニトリル、及び芳香環を有するモノマーからなる群より選ばれる少なくとも1種のモノマーに由来するユニットBを含み、前記樹脂に占める、前記芳香環を有するモノマーに由来するユニットの割合(質量%)が、樹脂全質量を基準として、10.0質量%以下であることを特徴とする。
本発明によれば、沈降回復性及び固着回復性に優れる、酸化チタンを含有するインクジェット用の水性インク、前記水性インクを用いたインクカートリッジ、及びインクジェット記録方法を提供することができる。
本発明のインクカートリッジの一実施形態を模式的に示す断面図である。 本発明のインクジェット記録方法で使用可能なインクジェット記録装置の一実施形態を示す斜視図である。 本発明のインクジェット記録方法で使用可能なインクジェット記録装置の加熱部の一実施形態を示す模式図である。
以下に、好ましい実施の形態を挙げて、さらに本発明を詳細に説明する。本発明においては、化合物が塩である場合は、インク中では塩はイオンに解離して存在しているが、便宜上、「塩を含有する」と表現する。酸化チタンや酸化チタン粒子のことを、単に「顔料」と記載することがある。樹脂の「ユニット」とは、樹脂を構成する最小の繰り返し単位をいい、1の単量体の(共)重合により形成される構造を意味する。また、インクジェット用の水性インクのことを、単に「インク」と記載することがある。物性値は、特に断りのない限り、常温(25℃)における値である。「(メタ)アクリル酸」、「(メタ)アクリレート」と記載した場合は、それぞれ「アクリル酸、メタクリル酸」、「アクリレート、メタクリレート」を表すものとする。
表面処理を施していない酸化チタンは、水性インク中の水性媒体を構成する水分子と反応して、その表面にヒドロキシ基(以下、「表面ヒドロキシ基」と記載することがある)を生ずる。インクジェット用の水性インクにおいては、インクの保存安定性を向上するために、アルミナやシリカなどの無機酸化物で表面処理が施された酸化チタン(酸化チタン粒子)を利用する。酸化チタン粒子の表面ヒドロキシ基は、表面処理に用いた無機化合物に対応した無機酸化物に固有の性質を持ち、無機化合物の種類によって酸としての強さの指標である等電点がそれぞれ異なる。したがって、酸化チタンはそれそのものも無機酸化物ではあるが、酸化チタン粒子の表面は、表面処理に用いた無機化合物に対応した無機酸化物の性質を示し、酸化チタン粒子の表面電荷は、水性媒体のpH、表面処理剤の種類、表面処理剤の使用量に強く依存する。
本発明者らは、まず、特許文献1のように樹脂によって酸化チタン粒子を分散させる場合に、沈降回復性と固着回復性が低下する要因について検討した。インクジェット用の水性インクの一般的な液性であるアルカリ性の条件において、樹脂は、酸化チタン粒子の表面ヒドロキシ基の正電荷、及び樹脂のアニオン性基の負電荷の静電的な相互作用により、酸化チタン粒子に吸着していると考えられる。しかし、酸化チタン粒子と樹脂の静電的な相互作用による吸着は、吸着と脱離との平衡状態にあるため、一部の樹脂は酸化チタン粒子から脱離する。そのため、酸化チタン粒子及び樹脂の静電的な相互作用が十分でない場合は、樹脂が脱離しやすく、酸化チタンの分散状態が不安定になる。その結果、沈降回復性及び固着回復性が低下する。
そこで、本発明者らは、酸化チタンと樹脂の静電的な吸着を強くする検討を行った。まず、酸化チタン粒子の多くの表面ヒドロキシ基が正電荷を帯びている状態にすることを検討した。その結果、pH8.0におけるゼータ電位が特定の範囲内であるとともに、その表面の少なくとも一部が、アルミナによって表面処理を施された酸化チタン粒子を用いることで、酸化チタン粒子及び樹脂の吸着を強くすることができるという知見を得た。
次に、本発明者らは、酸化チタン粒子を分散させるために必要な樹脂の条件について検討を行った。カーボンブラックや有機顔料を分散するために一般的に用いられる樹脂は、アニオン性基を有するユニット及びアニオン性基を有しないユニットで構成される。カーボンブラックや有機顔料を分散するための汎用の樹脂は、アニオン性基を有しないユニットとして、芳香環を有するユニットを持つ。この芳香環と、カーボンブラックや有機顔料の芳香環と、でπ-π相互作用によって強く吸着する。そして、アニオン性基を有するユニットによる静電反発力によって、カーボンブラックや有機顔料をインク中において分散させることができる。
カーボンブラックや有機顔料を分散するための汎用の樹脂を、無機顔料である酸化チタン粒子の分散剤として利用する場合を考える。アニオン性基を有するユニットは静電的な相互作用による吸着部位として酸化チタン粒子に作用する。また、酸化チタン粒子はその表面ヒドロキシ基により親水性を持ち、樹脂の芳香環を有するユニットは酸化チタン粒子の表面への吸着に寄与しにくい。このため、芳香環を有するユニットは、樹脂の分子鎖内でπ-π相互作用によって強く吸着し合い、樹脂を収縮した状態にさせる。その結果、アニオン性基を有するユニットによる酸化チタン粒子の表面への樹脂の吸着を阻害してしまい、酸化チタン粒子を分散させることができない。その結果、沈降回復性及び固着回復性が得られないということがわかった。
本発明者らの検討の結果、特定の構造を有する樹脂を用いることで、酸化チタン粒子及び樹脂の吸着力を向上させることができるという知見を得た。すなわち、本発明のインクは以下の特徴を有する。まず、その表面の少なくとも一部がアルミナで被覆された酸化チタンである酸化チタン粒子を用いる。さらに、酸化チタン粒子を分散させるための特定の樹脂を用いる。上記の構成によって、沈降回復性及び固着回復性が向上するメカニズムを、本発明者らは以下のように推測している。
酸化チタン粒子は、その表面の少なくとも一部がアルミナで被覆されている。インクジェット用の水性インクの一般的な液性であるアルカリ性の条件においては、酸化チタン粒子の表面のアルミナは表面ヒドロキシ基を形成する。さらに、アルミナの25℃(常温)における水中での等電点は約9.0であり、アルミナ由来の表面ヒドロキシ基は正電荷を帯びやすい。そのため、アニオン性基に由来する負電荷を帯びている樹脂は、アルミナ由来の表面ヒドロキシ基を介して酸化チタン粒子に静電的な相互作用によって吸着することができる。さらに、樹脂のアニオン性基のうち、酸化チタン粒子の吸着に寄与しないアニオン性基は、負電荷を帯びているため、酸化チタン粒子間で静電的な反発力を生じさせ、分散安定性にも優れる。
酸化チタン粒子のゼータ電位は、0mV超25mV以下である。このゼータ電位は、pHを8.0に調整した水中に酸化チタン粒子を分散させた試料について測定したゼータ電位である。アニオン性基を有する樹脂が酸化チタン粒子に十分吸着するためには、インクジェット用の水性インクの一般的な液性であるpH8.0付近において、表面ヒドロキシ基が正電荷を多く持つ必要がある。そのため、前記ゼータ電位を上記の範囲内とすることで、樹脂が酸化チタン粒子に吸着でき、酸化チタン粒子の分散安定性が向上する。その結果、沈降回復性及び固着回復性が向上する。前記ゼータ電位が0mV以下であると、酸化チタン粒子の表面ヒドロキシ基の多くが負電荷を帯びてしまい、樹脂が吸着することができない。その結果、酸化チタン粒子の分散安定性が得られず、沈降回復性及び固着回復性が得られない。前記ゼータ電位の値が25mV超であると、樹脂のアニオン性基が酸化チタン粒子への吸着に過剰に消費されるため、酸化チタン粒子間の静電的な反発力を得るための負電荷が残らない。その結果、酸化チタン粒子間の静電的な反発力が得られず、酸化チタンの分散安定性が低下する。そのため、沈降回復性及び固着回復性が得られない。
樹脂は、ユニットA及びユニットBで構成される樹脂である。ユニットAは、(メタ)アクリル酸、及びマレイン酸からなる群より選ばれる少なくとも1種のアニオン性基を有するモノマーに由来するユニットである。アニオン性基を有するモノマーは、親水性であり、酸化チタン粒子との静電的な相互作用による吸着の部位として作用する。ユニットBは、ポリアルキレングリコール(メタ)アクリレート、アルコキシポリアルキレングリコール(メタ)アクリレート、鎖状アルキル(メタ)アクリレート、環状アルキル(メタ)アクリレート、ヒドロキシ鎖状アルキル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリロイルモルホリン、(メタ)アクリロニトリル、及び芳香環を有するモノマーからなる群より選ばれる少なくとも1種のモノマーに由来するユニットである。さらに、樹脂に占める、芳香環を有するモノマーに由来するユニットの割合(質量%)が、樹脂全質量を基準として、10.0質量%以下である。前記割合が上記の範囲内であれば、樹脂の主鎖構造が伸長した状態で酸化チタン粒子との吸着が可能となる。そのため、樹脂のアニオン性基が酸化チタン粒子の表面に多点で効率よく吸着し、酸化チタンの分散安定性が向上して、沈降回復性及び固着回復性が得られる。前記割合が、10.0質量%超であると、樹脂の芳香環がπ-π相互作用によって強く吸着し、樹脂が収縮した状態になりやすい。その結果、酸化チタン粒子との吸着部位が制限されてしまい、酸化チタン粒子の分散安定性が得られず、沈降回復性及び固着回復性が得られない。
<水性インク>
本発明のインクは、アルミナによって被覆された酸化チタン粒子、及び前記酸化チタン粒子を分散させるための樹脂を含有するインクジェット用の水性インクである。このインクは、酸化チタンが白色顔料であるため、白インクであることが好ましい。以下、本発明のインクを構成する成分、インクの物性などについて詳細に説明する。
(色材)
インクは色材(顔料)として、アルミナによって酸化チタンに表面処理が施された酸化チタン粒子を含有する。インク中の酸化チタン粒子の含有量(質量%)は、インク全質量を基準として、0.1質量%以上20.0質量%以下であることが好ましく、5.0質量%以上15.0質量%以下であることがさらに好ましい。
酸化チタンは、白色顔料であり、ルチル型、アナターゼ型、ブルッカイト型の3つの結晶形が存在する。なかでも、ルチル型の酸化チタンが好ましい。酸化チタンの工業的製造方法としては、硫酸法及び塩素法が挙げられ、本発明で用いる酸化チタンはいずれの製造方法によるものであってもよい。
酸化チタン粒子の体積基準の累積50%粒子径(以下、平均粒子径とも表す。)は、200nm以上500nm以下であることが好ましく、200nm以上400nm以下であることがさらに好ましい。酸化チタンの体積基準の累積50%粒子径(D50)は、粒子径積算曲線において、測定された粒子の総体積を基準として、小粒子径側から積算して50%となる粒子の直径である。酸化チタンのD50は、例えば、SetZero:30秒、測定回数:3回、測定時間:180秒、形状:真球形、屈折率:1.59、の条件で測定することができる。粒度分布測定装置としては、動的光散乱法による粒度分析計を使用することができる。勿論、測定条件などは上記に限られない。
酸化チタン粒子のゼータ電位は0mV超25mV以下である。なかでも、5mV以上25mV以下であることが好ましい。ゼータ電位とは、酸化チタン粒子の表面の帯電状態を示す指標であり、電気泳動光散乱法を利用したゼータ電位計で測定することができる。酸化チタン粒子のゼータ電位を0mV超とすることで、酸化チタン粒子の表面のマイナスの電荷量よりもプラスの電荷量が大きくなり、酸化チタンとアニオン性基を有する樹脂の吸着力が向上する。酸化チタン粒子のゼータ電位は、pHを8.0に調整した水中に酸化チタン粒子を分散させた試料について、25℃で測定したゼータ電位である。pHの調整には、アルカリ金属水酸化物やアンモニアなどのpH調整剤を用いることができる。アルカリ金属水酸化物としては、例えば、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、及び水酸化リチウムなどが挙げられる。なかでも、水酸化カリウムが好ましい。
酸化チタンは、アルミナで表面処理が施されているものを用いる。表面処理により光触媒活性能の抑制や分散性の向上が期待される。本明細書において、「アルミナ」は、酸化アルミニウムのようなアルミニウムの酸化物の総称である。表面処理を施していない酸化チタンのゼータ電位は-25mV程度であり、アルミナの被覆量を増やすとゼータ電位が大きくなる傾向にある。また、酸化チタン粒子は、シリカや酸化ジルコニウムなどのその他の無機酸化物によって、表面処理が施されていてもよい。本明細書において、「シリカ」は、二酸化ケイ素、又は二酸化ケイ素によって構成される物質の総称である。酸化チタンを被覆するアルミナ及びシリカの大部分は、酸化アルミニウム及び二酸化ケイ素の形態で存在している。シリカで表面処理が施されている場合、シリカの等電点はアルミナと異なり酸性側にあるため、シリカ由来の表面ヒドロキシ基は負電荷を帯びる、すなわちゼータ電位は小さくなる。そのため、アルミナなどの各種の無機酸化物の被覆量を調整することで、酸化チタン粒子のゼータ電位が0mV超25mV以下の範囲内に調整することができる。酸化亜鉛、酸化ジルコニウムなどの無機酸化物で表面処理を施す際も、同様である。また、沈降回復性及び固着回復性が損なわれない範囲であれば、ポリオールなどの有機物で酸化チタン粒子が被覆されていてもよい。
酸化チタン粒子に占める、アルミナの割合(質量%)は、酸化チタン粒子全質量を基準として、2.0質量%以上であることが好ましく、6.0質量%以下であることが好ましい。前記割合が2.0質量%未満であると、前記アルミナの割合が少なくなりすぎて、インク中で樹脂が十分に吸着できず、樹脂の吸着によって得られるはずの分散安定性が十分に得られない。その結果、沈降回復性及び固着回復性が十分に得られない場合がある。
酸化チタンの表面処理方法としては、湿式処理、乾式処理などが挙げられる。例えば、酸化チタンを液媒体に分散させた後、アルミン酸ナトリウムやケイ酸ナトリウムなどの表面処理剤と反応させて表面処理を行うことができ、これら表面処理剤の比率を適宜変更することによって上述のように所望の特性に調整することもできる。
本発明の効果が損なわれない限り、インクは、酸化チタン以外の、その他の顔料を含有してもよい。この場合、白インク以外の色のインクとすることもできる。インク中のその他の顔料の含有量(質量%)は、インク全質量を基準として、0.1質量%以上5.0質量%以下であることが好ましく、0.1質量%以上1.0質量%以下であることがさらに好ましい。
(樹脂)
インクは、ユニットA及びユニットBを含む樹脂を含有する。この樹脂は、酸化チタン粒子を分散させるための樹脂分散剤である。そして、樹脂に占める、芳香環を有するモノマーに由来するユニットの割合(質量%)は、樹脂全質量を基準として、10.0質量%以下である。なかでも、5.0質量%以下であることが好ましく、1.0質量%以下であることがさらに好ましい。芳香環を有するモノマーに由来するユニットを含まない、つまり前記割合が0.0質量%であってもよい。前記割合が1.0質量%超であると、樹脂間の芳香環のπ-π相互作用による強い相互作用によって、樹脂における酸化チタン粒子との吸着部位の一部が機能しにくくなってしまい、酸化チタン粒子の分散安定性が十分に得られなくなる。その結果、沈降回復性が十分に得られない場合がある。樹脂の形態としては、ブロック共重合体、ランダム共重合体、グラフト共重合体、及びこれらの組み合わせなどが挙げられる。また、樹脂は、水性媒体に水溶性樹脂として溶解した状態であってもよく、水性媒体中に樹脂粒子として分散した状態であってもよいが、樹脂は、水溶性樹脂であることが好ましい。
本明細書において「樹脂が水溶性である」とは、その樹脂を酸価と等量のアルカリで中和した場合に、動的光散乱法により粒子径を測定しうる粒子を形成しない状態で液媒体中に存在することを意味する。樹脂が水溶性であるか否かについては、以下に示す方法にしたがって判断することができる。まず、酸価相当のアルカリ(水酸化ナトリウム、水酸化カリウムなど)により中和された樹脂を含む液体(樹脂固形分:10質量%)を用意する。次いで、用意した液体を純水で10倍(体積基準)に希釈して試料溶液を調製する。そして、試料溶液中の樹脂の粒子径を動的光散乱法により測定した場合に、粒子径を有する粒子が測定されない場合に、その樹脂は水溶性であると判断することができる。この際の測定条件は、例えば、SetZero:30秒、測定回数:3回、測定時間:180秒、とすることができる。粒度分布測定装置としては、動的光散乱法による粒度分析計(例えば、商品名「UPA-EX150」、日機装製)などを使用することができる。勿論、使用する粒度分布測定装置や測定条件などは上記に限られるものではない。
重合によりユニットAとなるモノマーとしては、アクリル酸、メタクリル酸、及びマレイン酸が挙げられ、これらは、無水物や塩であってもよい。塩を構成するカチオンとしては、リチウム、ナトリウム、カリウム、アンモニウム、有機アンモニウムなどのイオンが挙げられる。ユニットAは、アニオン性基を有するモノマーに由来するユニットである。
重合によりユニットBとなるモノマーとしては、ポリアルキレングリコール(メタ)アクリレート、アルコキシポリアルキレングリコール(メタ)アクリレート、鎖状アルキル(メタ)アクリレート、環状アルキル(メタ)アクリレート、ヒドロキシ鎖状アルキル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリロイルモルホリン、(メタ)アクリロニトリル、芳香環を有するモノマーが挙げられる。ユニットBは、アニオン性基を有しないモノマーに由来するユニットであることが好ましい。
ポリアルキレングリコール(メタ)アクリレートとしては、例えば、ジエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレートなどが挙げられる。
アルコキシポリアルキレングリコール(メタ)アクリレートとしては、例えば、メトキシジエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシトリエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシテトラエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレートなどが挙げられる。
ポリアルキレングリコール(メタ)アクリレート、アルコキシポリアルキレングリコール(メタ)アクリレートにおけるアルキレングリコールは、-(C2m-O)-(m及びnは、1以上である)で表される構造である。水への溶解性の観点から、mは、1以上3以下であることが好ましく、2であること、つまりエチレングリコール構造[-(CO)-]を有することがさらに好ましい。また、酸化チタン粒子の分散安定性の観点から、nは、3以上150以下であることが好ましく、3以上15以下であることがさらに好ましい。
鎖状アルキル(メタ)アクリレートは、アルキル部分の炭素数が1乃至22であるものが好ましく、具体的には、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n-プロピル(メタ)アクリレート、イソプロピル(メタ)アクリレート、n-ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、n-ヘキシル(メタ)アクリレート、2-エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ノニル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、セチル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、及びベヘニル(メタ)アクリレートなどが挙げられる。
環状アルキル(メタ)アクリレートは、環状アルキル部分の炭素数が3乃至10であるものが好ましくとしては、具体的には、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、及びイソボルニル(メタ)アクリレートなどが挙げられる。
ヒドロキシ鎖状アルキル(メタ)アクリレートは、アルキル部分の炭素数が1乃至6であるものが好ましく、具体的には、2-ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、及び2-ヒドロキシブチル(メタ)アクリレートなどが挙げられる。
芳香環を有するモノマーとしては、例えば、スチレン、α-メチルスチレン、ベンジル(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレートなどが挙げられる。
樹脂のユニットBは、以下のユニットB1及びユニットB2を含むことが好ましい。ユニットB1は、ポリアルキレングリコール(メタ)アクリレート及びアルコキシポリアルキレングリコール(メタ)アクリレートからなる群より選択される少なくとも1種のモノマーに由来するユニットである。また、ユニットB2は、鎖状アルキル(メタ)アクリレート、及び環状アルキル(メタ)アクリレートからなる群より選択される少なくとも1種のモノマーに由来するユニットである。
ユニットB1は、ポリアルキレングリコールの連なった構造を有するユニットである。ポリアルキレングリコールの連なった構造(ポリアルキレングリコール鎖)は、親水性を有する。そのため、酸化チタン粒子に樹脂が吸着すると、樹脂のポリアルキレングリコール鎖は適度に水性媒体中に伸長することができる。その結果、酸化チタン粒子間に立体障害による反発力が生じ、酸化チタン粒子の分散安定性が向上すると考えられる。ポリアルキレングリコール鎖を有しない樹脂は、立体障害による反発力が十分でないため、固着回復性が十分に得られない場合がある。
ユニットB2は、鎖状又は環状のアルキル基を有するユニットである。ユニットB2は、ユニットB1のポリアルキレングリコール鎖によって高まった樹脂の親水性を緩和することができる。ユニットB2を有しない樹脂は、樹脂の親水性が高まりすぎて、酸化チタン粒子への吸着が十分にできず、結果として沈降回復性が十分に得られない場合がある。
樹脂の酸価は、100mgKOH/g以上320mgKOH/g以下であることが好ましく、140mgKOH/g以上220mgKOH/g以下であることがさらに好ましい。酸価が100mgKOH/g未満であると、樹脂のアニオン性基による負電荷量が少なく、酸化チタン粒子への吸着が十分にできず、酸化チタン粒子間での静電的な反発力が弱くなる。その結果、酸化チタン粒子の分散安定性が十分に得られず、沈降回復性及び固着回復性が十分に得られない場合がある。酸価が320mgKOH/g超であると、樹脂の親水性が高すぎて、酸化チタンの粒子表面に樹脂が吸着しにくくなり、分散安定性が低下する場合がある。その結果、固着回復性が十分に得られない場合がある。樹脂の酸価は、電位差を利用したコロイド滴定により測定できる。
樹脂の重量平均分子量は、1,000以上30,000以下であることが好ましく、5,000以上20,000以下であることがさらに好ましい。前記重量平均分子量が5,000未満であると、樹脂が小さすぎて、沈降してしまった際に酸化チタン粒子間の距離を保つ効果が低くなる。そのため、沈降回復性が十分に得られない場合がある。前記重量平均分子量が20,000超であると、樹脂が大きすぎて、インクが固着してしまった際、酸化チタン粒子へ接近しづらくなる。その結果、固着回復性が十分に得られない場合がある。重量平均分子量(Mw)は、ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)により得られるポリスチレン換算の値である。
インク中の樹脂の含有量(質量%)は、インク全質量を基準として、0.1質量%以上5.0質量%以下であることが好ましい。インク中の樹脂の含有量(質量%)は、酸化チタン粒子の含有量(質量%)に対する質量比率で、0.02倍以上0.15倍以下であることが好ましい。前記含有量が0.02倍未満であると、酸化チタン粒子へと樹脂が十分に吸着できず、酸化チタン粒子間での静電的な反発力が得られないため、酸化チタン粒子の分散状態が安定に保たれにくい場合がある。その結果、特に沈降回復性が十分に得られない場合がある。前記含有量が0.15倍超であると、インク中の樹脂の量が多すぎるため、樹脂同士で凝縮してしまうことが考えられる。その結果、酸化チタン粒子の分散状態が安定に保たれにくく、固着回復性が十分に得られない場合がある。
樹脂で分散した酸化チタン粒子の分散安定性が向上しやすいため、負電荷の導入量は、酸化チタン粒子の正電荷の導入量に対する比率で、5倍以上350倍以下であることが好ましい。なかでも、10倍以上250倍以下であることがさらに好ましい。酸化チタン粒子の正電荷の導入量は、酢酸n-ジブチルエーテル溶液に酸化チタン粒子を分散し、酢酸の吸着量から算出することができる。
例えば、後述する実施例で使用した酸化チタン粒子である、アルミナで表面処理された酸化チタン粒子(商品名「JR-600A」、テイカ製)を上記手法で測定すると、正電荷の導入量は25μmol/gであった。つまり、「JR-600A」を用いた場合、樹脂のアニオン性基の負電荷の導入量は、125μmol/g以上8750μmol/g以下であることが好ましい。樹脂のアニオン性基の負電荷の導入量は、樹脂の酸価から算出できる。後述する実施例で使用した樹脂1は、酸価が200mgKOH/gであるので、アニオン性基の負電荷の導入量は、3571μmol/gとなる。アニオン性基を有する樹脂の負電荷の導入量を所定の値とするためには、樹脂の酸価、樹脂添加量、アニオン性基の中和量を適宜調整すればよい。樹脂のアニオン性基の負電荷の導入量が上記の範囲外であると、酸化チタン粒子の分散安定性が十分に得られず、沈降回復性及び固着回復性が十分に得られない場合がある。
(その他の樹脂)
インクには、酸化チタン粒子を分散させるための樹脂とは異なる樹脂(その他の樹脂)を含有させることができる。インク中のその他の樹脂の含有量(質量%)は、インク全質量を基準として、0.1質量%以上5.0質量%以下であることが好ましい。
その他の樹脂は、(i)顔料の分散状態を安定にする、すなわち顔料の樹脂補助として、(ii)記録される画像の各種特性を向上させる、などの用途でインクに含有させることができる。樹脂の形態としては、ブロック共重合体、ランダム共重合体、グラフト共重合体、及びこれらの組み合わせなどが挙げられる。また、その他の樹脂は、液媒体に溶解しうる水溶性樹脂であってもよく、液媒体中に分散する樹脂粒子であってもよい。なかでも、樹脂粒子であることが好ましい。インク中に樹脂粒子を含有させることで、酸化チタン粒子の沈降を抑制する効果が期待できる。樹脂粒子は、色材を内包する必要はない。
インク中の樹脂粒子の含有量(質量%)は、インク全質量を基準として、1.0質量%以上50.0質量%以下が好ましく、3.0質量%以上15.0質量%以下であることがより好ましい。また、樹脂粒子の含有量(質量%)は、酸化チタン粒子の含有量(質量%)に対する質量比率で、0.3倍以上1.5倍以下であることが好ましい。
本発明において、その他の樹脂が樹脂粒子であることは、その樹脂を酸価と当量のアルカリで中和した場合に、上記の動的光散乱法により粒子径を測定しうる粒子を形成するものであることとする。中和した樹脂を用いて粒子径を測定するのは、十分に中和されて粒子をより形成しにくい状態となっても、粒子が形成されていることを確認するためである。このような条件であっても粒子の形状を持つ樹脂は、水性インク中でも粒子の状態で存在する。
樹脂粒子の材質としては、公知の樹脂を好適に用いることができる。具体的には、オレフィン系、ポリスチレン系、ウレタン系、アクリル系などの各種の材料で構成される樹脂粒子が挙げられる。樹脂粒子の重量平均分子量(Mw)は、1,000以上2,000,000以下の範囲が好適である。樹脂粒子の平均粒子径は、10nm以上1,000nm以下であることが好ましく、100nm以上500nm以下であることがより好ましい。
樹脂粒子は、水溶性樹脂と比較するとアニオン性基が少ない傾向にある。したがって、精度よく樹脂粒子の特性を把握するため、「酸価(mgKOH/g)」に代えて、「酸基の導入量(μmol/g)」を利用することが好ましい。樹脂粒子の酸基の導入量は、250μmol/g以下であることが好ましく、120μmol/g以上250μmol/g以下であることがさらに好ましい。
(水性媒体)
インクは、水性媒体として水を含有する水性のインクである。インクには、水、又は水及び水溶性有機溶剤の混合溶媒である水性媒体を含有させることができる。水としては、脱イオン水(イオン交換水)を用いることが好ましい。インク中の水の含有量(質量%)は、インク全質量を基準として、50.0質量%以上95.0質量%以下であることが好ましい。
水溶性有機溶剤としては、水溶性(好ましくは、25℃において水に任意の割合で溶解するもの)であれば特に制限はない。具体的には、1価又は多価のアルコール類、アルキレングリコール類、グリコールエーテル類、含窒素極性化合物類、含硫黄極性化合物類などを用いることができる。インク中の水溶性有機溶剤の含有量(質量%)は、インク全質量を基準として、3.0質量%以上50.0質量%以下であることが好ましく、10.0質量%以上40.0質量%以下であることがさらに好ましい。水溶性有機溶剤の含有量(質量%)が3.0質量%未満であると、インクの吐出安定性が十分に得られない場合がある。水溶性有機溶剤の含有量(質量%)が50.0質量%超であると、インクの供給不良が起きる場合がある。
(その他の添加剤)
インクには、上記の添加剤以外に、必要に応じて、界面活性剤、pH調整剤、防錆剤、防腐剤、防黴剤、酸化防止剤、還元防止剤、蒸発促進剤、及びキレート化剤などの種々の添加剤を含有させることができる。なかでも、インクは界面活性剤を含有することが好ましい。インク中の界面活性剤の含有量(質量%)は、インク全質量を基準として、0.1質量%以上5.0質量%以下であることが好ましく、0.1質量%以上2.0質量%以下であることがさらに好ましい。界面活性剤としては、アニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、ノニオン性界面活性剤などが挙げられる。なかでも、インクの各種物性の調整に用いるため、酸化チタン粒子との親和性が低く、少量で効果をもたらすノニオン性界面活性剤が好ましい。
(インクの物性)
インクは、インクジェット方式に適用するインクであるので、その物性を適切に制御することが好ましい。25℃におけるインクの表面張力は、10mN/m以上60mN/m以下であることが好ましく、20mN/m以上40mN/m以下であることがさらに好ましい。インクの表面張力は、インク中の界面活性剤の種類や含有量を適宜決定することで、調整できる。また、25℃におけるインクの粘度は、1.0mPa・s以上10.0mPa・s以下であることが好ましい。25℃におけるインクのpHは、7.0以上9.0以下であることが好ましく、7.5以上9.0以下であることがさらに好ましく、7.5以上8.5以下であることが特に好ましい。インクのpHはガラス電極などを搭載した一般的なpHメータで測定することができる。
<インクカートリッジ>
本発明のインクカートリッジは、インクと、このインクを収容するインク収容部とを備える。そして、このインク収容部に収容されているインクが、上記で説明した本発明の水性インクである。図1は、本発明のインクカートリッジの一実施形態を模式的に示す断面図である。図1に示すように、インクカートリッジの底面には、記録ヘッドにインクを供給するためのインク供給口12が設けられている。インクカートリッジの内部はインクを収容するためのインク収容部となっている。インク収容部は、インク収容室14と、吸収体収容室16とで構成されており、これらは連通口18を介して連通している。また、吸収体収容室16はインク供給口12に連通している。インク収容室14には液体のインク20が収容されており、吸収体収容室16には、インクを含浸状態で保持する吸収体22及び24が収容されている。インク収容部は、液体のインクを収容するインク収容室を持たず、収容されるインク全量を吸収体により保持する形態であってもよい。また、インク収容部は、吸収体を持たず、インクの全量を液体の状態で収容する形態であってもよい。さらには、インク収容部と記録ヘッドとを有するように構成された形態のインクカートリッジとしてもよい。
<インクジェット記録方法>
本発明のインクジェット記録方法は、上記で説明した本発明の水性インクをインクジェット方式の記録ヘッドから吐出して記録媒体に画像を記録する方法である。インクを吐出する方式としては、インクに力学的エネルギーを付与する方式や、インクに熱エネルギーを付与する方式が挙げられる。本発明においては、インクに熱エネルギーを付与してインクを吐出する方式を採用することが特に好ましい。本発明のインクを用いること以外、インクジェット記録方法の工程は公知のものとすればよい。例えば、白インクによる画像を記録する場合は一般的なインクジェット記録方法にそのまま適用することができる。また、カラーインクの下地処理として白インクを用いる場合は、白インクを付与した領域の少なくとも一部に重なるように、カラーインク(ブラック、シアン、マゼンタ、イエローなどのインク)を付与して画像を記録すればよい。
インクジェット記録装置について、一例を挙げて具体的に説明する。図2は、本発明の一実施形態のインクジェット記録装置(以下、単に記録装置と記載することがある。)の一例を表す斜視図である。この記録装置1は、本発明の一実施形態のインクジェット記録方法に好適に用いることができる。記録装置1は、いわゆるシリアル走査型の記録装置であり、記録媒体Pの搬送方向Yに対して直交する走査方向Xに記録ヘッド(不図示)を走査して画像を記録する装置である。
図2を用いて記録装置1の構成及び記録時の動作の概略を説明する。まず不図示の搬送モータによりギヤを介して駆動される搬送ローラによって記録媒体Pを保持しているスプール6より記録媒体Pが図中Y方向(搬送方向)に搬送される。一方、所定の搬送位置において不図示のキャリッジモータによりキャリッジユニット2を図中X方向(走査方向)に延在するガイドシャフト8に沿って往復移動させる。そして、この移動の過程で、エンコーダ7によって得られる位置信号に基づいたタイミングでキャリッジユニット2に装着可能な記録ヘッド(不図示)の吐出口から吐出動作を行わせ、吐出口の配列範囲に対応した一定のバンド(幅)の画像を記録する。
記録装置1は、記録動作完了後の記録媒体Pに付与されたインクを加熱させ、記録媒体Pに加熱処理を行う加熱手段としてのヒータ25を備える(図3参照)。記録装置1では、記録媒体Pの搬送方向Yにおいて、キャリッジユニット2が走査方向Xに往復走査する位置より下流側の位置に、図示しないフレームに支えられたヒータ25が配置されている。ヒータ25はヒータカバー26に覆われており、ヒータカバー26はヒータ25の熱を記録媒体Pに効率よく照射する機能と、ヒータ25の保護の機能を担っている。ヒータ25は具体的には、シーズヒータやハロゲンヒータなどが挙げられる。記録ヘッド(不図示)から吐出されたインクは、記録媒体Pの記録面に付与された後に、ヒータ25からの熱と加熱された記録媒体Pからの熱により乾燥され、定着される。その後、記録媒体Pは巻き取られ、ロール状の巻き取り媒体6を形作る。
インクが付与された記録媒体を加熱すること(加熱工程)で、記録媒体への画像の定着を促進することができる。加熱工程により、記録媒体に付与されたインク中の液体成分の蒸発を促進するため、均一性や耐擦過性などの画像品位を向上することができる。
加熱手段は、記録ヘッド(不図示)よりも鉛直方向上側に設けられ、インクが付与された記録媒体を上方(表面)から加熱する構成であってもよい。また、加熱手段は、プラテン4の鉛直方向下側に設けられ、インクが付与された記録媒体を下方(裏面)から加熱する構成であってもよい。また、加熱とともに、送風などの定着を促進する手段を併用することもできる。
記録媒体Pとしては、浸透性を有するような、紙を基材とした記録媒体(吸収媒体)であってもよいし、非吸収媒体であってもよい。吸収媒体としては、普通紙などのコート層を有しない記録媒体、光沢紙、アート紙、マット紙などのコート層を有する記録媒体が挙げられる。なかでも、非吸収媒体を用いることが好ましい。非吸収媒体としては、例えば、アート紙、コート紙、ポリ塩化ビニルフィルム、ポリプロピレンフィルム、PETフィルム、ターポリン、ポリエステル製布などを用いることができる。
以下、実施例及び比較例を挙げて本発明をさらに詳細に説明するが、本発明は、その要旨を超えない限り、下記の実施例によって何ら限定されるものではない。成分量に関して「部」及び「%」と記載しているものは特に断らない限り質量基準である。また、酸化チタン粒子の分散液を、「顔料分散液」と記載する。
<ゼータ電位測定>
酸化チタン粒子のゼータ電位は、以下の手法で測定した。具体的には、顔料分散液を顔料の含有量が0.01%となるように、イオン交換水で希釈した。そして、ゼータ電位・粒径測定システム(商品名「ELS-Z2」、大塚電子製)を用いて、酸化チタン粒子のゼータ電位を測定した。測定範囲はpH3~11で、0.1mol/L塩酸水溶液及び0.1mol/L水酸化ナトリウム水溶液を用いてpH調整を行いながら測定した。本実施例では、顔料分散液を用いて酸化チタン粒子のゼータ電位を測定したが、インクから常法によって分取した酸化チタン粒子を用いても、上記の方法と同様にゼータ電位を測定することができる。
<酸化チタンの準備>
あらかじめ表面処理が施された市販の酸化チタン粒子、及び、未処理の酸化チタンを表面処理して調製した酸化チタン粒子を用いた。酸化チタン粒子の体積基準の累積50%粒子径(D50)は、顔料の粒子径は、動的光散乱法による粒度分析計(商品名「Nanotrac WaveII-EX150」、マイクロトラック・ベル製)を使用して測定した。酸化チタン粒子の特性を表1に示す。表1中、TITANIX:JR-600A、JR-301、JR、JR-405、JR-603は、テイカ製のルチル型酸化チタンの商品名である。また、タイペーク CR-60-2は、石原産業製のルチル型酸化チタンの商品名である。
(アルミナの被覆量の測定)
酸化チタン粒子に占める、アルミナの割合、すなわち、アルミナの被覆量は以下のようにして測定した。準備した酸化チタン粒子を硝酸に添加した液体を試料として、誘導結合プラズマ(ICP)発光分光装置によるアルミニウム元素の定量分析を行った。この際、表面に被覆している原子がすべて酸化物になっていると仮定し、得られたアルミニウムの値をその酸化物、つまりアルミナに換算して質量比率を算出した。
(酸化チタン粒子3~6、11)
酸化チタンの表面処理を湿式法により行い、各酸化チタン粒子を製造した。湿式法による表面処理は、未処理の酸化チタンに、表面処理剤(アルミン酸ナトリウムやケイ酸ナトリウムなど)を接触させるもので、表面処理剤の使用量や比率を適宜調整することで、任意の比率に表面処理を施した。
具体的には、表面処理が施されていない、ルチル型の酸化チタン(商品名「TITANIX JR」、テイカ製)300部、及び、純水700部をホモジナイザーで混合した。そして、撹拌しながら90℃に昇温し、水酸化カリウム(pH調整剤)を添加して、pHを10.5に調整した。次に、ケイ酸ナトリウムを添加して、希硫酸(pH調整剤)を約1時間かけて添加することで、pHを5.0に調整した。約1時間反応を継続させた。その後、90℃で、アルミン酸ナトリウムを少量ずつ添加した。この際、pHを維持するために、希硫酸を併用してpHを6.0以上8.0以下に維持した。アルミン酸ナトリウムの添加後、約1時間反応を継続し、分散液を得た。前記分散液を25℃まで冷却した後、遠心分離機による沈降と、イオン交換水への再分散を繰り返すことで精製し、120℃で乾燥させることで、アルミナ及び/又はシリカで表面処理が施された各酸化チタン粒子を得た。
(酸化チタン粒子1、2、7~10)
市販の酸化チタン粒子(アルミナやシリカにより予め表面処理が施されているものを含む)を酸化チタン粒子1、2、7~10として用いた。表1に各酸化チタン粒子の特性を合わせて示す。
Figure 2023066997000001
<樹脂の分析>
(重量平均分子量)
樹脂の重量平均分子量(Mw)は、ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)により測定されるポリスチレン換算の値として測定した。具体的には、温度25℃で24時間かけて、樹脂を溶媒(テトラヒドロフラン)に溶解した。得られた溶液を、メンブレンフィルターでろ過して、サンプル溶液を得た。サンプル溶液は、溶媒に可溶な成分の濃度が約0.3%となるように調整した。このサンプル溶液を用いて、以下の条件で樹脂の重量平均分子量を測定した。
・装置:分子量測定装置(商品名「Waters2695 Separations Module」、Waters製)を用いることができる。
・カラム:「KF-806M」(商品名、昭和電工製)を直列に接続したもの(4連)
・溶離液:テトラヒドロフラン
・流速:1.0mL/min
・試薬注入量:0.100mL
・オーブン温度:40℃
・検出器:RI検出器(商品名「2414detector」、Waters製)
重量平均分子量の算出に当たっては、標準ポリスチレン樹脂を用いて作成した分子量校正曲線を使用した。使用した樹脂は、TSKスタンダード ポリスチレン:F-850、F-450、F-288、F-128、F-80、F-40、F-20、F-10、F-4、F-2、F-1、A-5000、A-2500、A-1000、及びA-500である(以上、商品名、東ソー製)。
(酸価)
樹脂の酸価は、JIS K-0070に基づき、滴定法により測定した。0.5~2.0gの樹脂を精秤し、これを測定対象の試料とした。50.0mLのビーカーに試料を入れ、テトラヒドロフラン及びエタノール(体積比=2:1)の混合液25.0mLを加え、試料を溶解させた。滴定液として0.1mol/Lの水酸化カリウムのエタノール溶液を用い、電位差滴定により滴定し、滴定液の使用量をS(mL)とした。また、試料を含まないブランクについても同様に滴定し、水酸化カリウムのエタノール溶液の使用量をB(mL)とした。測定装置としては、自動滴定装置(商品名「COM-2500」、平沼産業製)を用いた。得られたS及びBから、次式により酸価を計算した。fは水酸化カリウムのエタノール溶液のファクター(力価)であり、M(g)は試料の精秤値である。
酸価[mgKOH/g]=(S-B)×f×5.61/M
<樹脂の合成>
表2に記載の各モノマー(単位:部)を用いて、常法により各樹脂を合成した。重合の際の加熱の温度及び時間を調整することで、重量平均分子量を調整した。各樹脂10.0部を、その酸価と等モルの水酸化カリウムで中和するとともに、適量のイオン交換水を加え、樹脂の含有量が10.0%である各樹脂を含む液体を調製した。上記の手法で測定した樹脂の酸価及び重量平均分子量を表2にまとめて示す。
また、表2中の各モノマーの略記号は、AA:アクリル酸、MAA:メタクリル酸、nBA:n-ブチルアクリレート、PE-200:ポリエチレングリコールモノメタクリレート(n=4.5)(商品名「ブレンマー PE-200」、日油製)、2-HEMA:2-ヒドロキシエチルメタクリレート、PME-200:メトキシポリエチレングリコールメタクリレート(n=4)(商品名「ブレンマー PE-200」、日油製)、CHMA:シクロヘキシルメタクリレート、ACMO:アクリロイルモルホリン、nBMA:n-ブチルメタクリレート、PME-1000:メトキシポリエチレングリコールメタクリレート(n=23)(商品名「ブレンマー PE-1000」、日油製)、LMA:ラウリルメタクリレート、St:スチレン、BzMA:ベンジルメタクリレートを表す。
Figure 2023066997000002
<樹脂粒子の合成>
撹拌機、還流冷却装置、及び窒素ガス導入管を備えた四つ口フラスコに、過硫酸カリウム0.2部、及びイオン交換水82.6部を入れ、窒素ガスを導入した。さらに、エチルメタクリレート15.7部、メタクリル酸1.2部、界面活性剤(商品名「アクアロンKH-05」、第一工業製薬製)0.3部を混合し、混合物を得た。得られた混合物を、四つ口フラスコに撹拌下で1時間かけて滴下した後、温度80℃で2時間反応させた。その後、内容物を室温まで冷却した後、樹脂の酸価と等モルの水酸化カリウム、及び適量のイオン交換水を加え、樹脂粒子の含有量が25.0%であり、体積基準の累積50%粒子径が160nmである樹脂粒子の水分散液を調製した。樹脂粒子の酸基の導入量は200μmol/gであった。
<顔料分散液の調製>
下記の手順で顔料分散液を製造した。顔料分散液の製造条件を表3に示す。表3に示す酸化チタン粒子40.0部、樹脂を含む液体、及び成分の合計が100.0部となるイオン交換水を混合し、ホモジナイザーを用いて予備分散を行った。その後、0.5mmジルコニアビーズを用いて25℃、ペイントシェーカーで12時間分散処理(本分散)を行った。ジルコニアビーズをろ別し、必要に応じてイオン交換水を適量加え、酸化チタン粒子の含有量が40.0%の各顔料分散液を調製した。顔料分散液中の酸化チタン粒子の含有量T(%)、樹脂分散剤である樹脂の含有量B(%)、及びB/Tの値(倍)を表3にまとめて示す。顔料分散液28~30の調製においては、表2に示す各樹脂を含む液体のイオン交換水を濃縮することによって、樹脂の含有量を20.0%とした各樹脂を含む液体を用いた。
Figure 2023066997000003
<インクの調製>
表4~表7の上段に示す種類及び量の各成分を混合し、撹拌した。PEG1000は、数平均分子量1000のポリエチレングリコールである。アセチレノールE100(商品名)は、川研ファインケミカル製のノニオン性界面活性剤である。プロキセルGXL(S)(商品名)は、LONZA製の防腐剤である。その後、ポアサイズ5.0μmのメンブレンフィルタ(ザルトリウス製)にて加圧ろ過を行い、各インクを調製した。各インクの特性を表4~表7の下部にまとめて示す。調製した各インクのpHを、pHメータ(商品名「ポータブル型pHメータD-74」、堀場製作所製)で測定したところ、いずれも7.5~8.5の範囲内であった。
Figure 2023066997000004
Figure 2023066997000005
Figure 2023066997000006
Figure 2023066997000007
<評価>
上記で得られた各インクについて、以下の項目の評価を行った。本発明においては、以下に示す各項目の評価基準で、「AA」、「A」、及び「B」を許容できるレベルとし、「C」を許容できないレベルとした。評価結果を表8に示す。比較例3のインクは、酸化チタン粒子を安定に分散させることができなかったため、以下の評価を行わなかった。そのため、評価結果の欄を「-」と表記した。
(沈降回復性)
上記で得られたインク8.0部を10mLのポリテトラフルオロエチレン製の遠心チューブに入れた。遠心チューブの液面から約0.2mLのインクをサンプリングし、イオン交換水で1000倍(体積基準)に希釈した後、550nmにおける吸光度を測定した(沈降回復前の吸光度とする)。吸光度の測定には、分光光度計(商品名「U-3011」、日立ハイテクサイエンス製)を用いた。遠心分離機(商品名「HIMAC CR22E」、日立工機製)を用いて、700rpmで120分間遠心分離を行った。そして、遠心チューブを振とう機(商品名「ラボシェイカーワイド SR-5」、AS One製)にセットして、180rpm、300秒間の条件で撹拌した。その後、遠心チューブの液面から約0.2mLのインクをサンプリングし、イオン交換水で1000倍(体積基準)に希釈した後、550nmにおける吸光度を測定した(沈降回復後の吸光度とする)。「沈降回復率」=100×(沈降回復後の吸光度)/(沈降回復前の吸光度)の式に基づいて、沈降回復率を算出し、以下に示す評価基準にしたがって、インクの沈降回復性を評価した。沈降回復率の値が大きいほど、インクジェット記録装置の沈降回復操作を行った際の沈降回復の効果が大きいことを意味する。
AA:沈降回復率が、80%以上であった。
A:沈降回復率が、70%以上80%未満であった。
B:沈降回復率が、60%以上70%未満であった。
C:沈降回復率が、60%未満であった。
(固着回復性)
上記で得られたインク2.0gを開放系の容器に入れ、温度30℃、相対湿度10%の環境で20時間乾燥した。その後、容器中のインクの残留物の質量を測定した(初期の残留物の質量とする)。インクの残留物に同じ種類のインクを3.0g滴下し、30秒撹拌を行い1分静置した。その後、残留物を含むインクをろ過し、残留物の質量を再度測定した(1回目の再溶解後の残留物の質量)。「1回目の再溶解後の残留率」を100×(「1回目の再溶解後の残留物の質量」)/(「初期の残留物の質量」)の式に基づいて、1回目の再溶解後の残留率を算出した。さらに、同様の操作を繰り返し、上記の式に基づいて2回目の再溶解後の残留率を同様に算出し、以下に示す評価基準にしたがって、インクの固着回復性を評価した。再溶解後の残留率が低いほど、記録ヘッドで乾燥したインクの固着物を容易に除去できる、つまり固着回復性がよいことを意味する。
AA:1回目の再溶解後の残存率が、60%未満であった。
A:1回目の再溶解後の残存率が、60%以上80%未満であった。
B:1回目の再溶解後の残存率が、80%以上であり、かつ、2回目の再溶解後の残留率が、80%未満であった。
C:1回目の再溶解後の残存率が、80%以上であり、かつ、2回目の再溶解後の残留率が、80%以上であった。
Figure 2023066997000008
実施例8の沈降回復性の評価は、実施例1と同じAAであったが、実施例8の沈降回復性は、実施例1よりも劣っていた。

Claims (10)

  1. 酸化チタン粒子、及び前記酸化チタン粒子を分散させるための樹脂を含有するインクジェット用の水性インクであって、
    前記酸化チタン粒子が、その表面の少なくとも一部がアルミナによって被覆された酸化チタンであるとともに、そのゼータ電位が、0mV超25mV以下であり、
    前記樹脂を構成するユニットが、(メタ)アクリル酸、及びマレイン酸からなる群より選ばれる少なくとも1種のモノマーに由来するユニットA、並びに、ポリアルキレングリコール(メタ)アクリレート、アルコキシポリアルキレングリコール(メタ)アクリレート、鎖状アルキル(メタ)アクリレート、環状アルキル(メタ)アクリレート、ヒドロキシ鎖状アルキル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリロイルモルホリン、(メタ)アクリロニトリル、及び芳香環を有するモノマーからなる群より選ばれる少なくとも1種のモノマーに由来するユニットBを含み、
    前記樹脂に占める、前記芳香環を有するモノマーに由来するユニットの割合(質量%)が、前記樹脂全質量を基準として、10.0質量%以下であることを特徴とする水性インク。
  2. 前記樹脂の酸価が、100mgKOH/g以上320mgKOH/g以下である請求項1に記載の水性インク。
  3. 前記樹脂の酸価が、140mgKOH/g以上220mgKOH/g以下である請求項1又は2に記載の水性インク。
  4. 前記樹脂に占める、前記芳香環を有するモノマーに由来するユニットの割合(質量%)が、前記樹脂全質量を基準として、1.0質量%以下である請求項1乃至3のいずれか1項に記載の水性インク。
  5. 前記ユニットBが、ポリアルキレングリコール(メタ)アクリレート、及びアルコキシポリアルキレングリコール(メタ)アクリレートからなる群より選ばれる少なくとも1種のモノマーに由来するユニットB1、並びに、鎖状アルキル(メタ)アクリレート、及び環状アルキル(メタ)アクリレートからなる群より選ばれる少なくとも1種のモノマーに由来するユニットB2を含む請求項1乃至4のいずれか1項に記載の水性インク。
  6. 前記酸化チタン粒子に占める、前記アルミナの割合(質量%)が、前記酸化チタン粒子全質量を基準として、2.0質量%以上である請求項1乃至5のいずれか1項に記載の水性インク。
  7. 前記樹脂の重量平均分子量が、5,000以上20,000以下である請求項1乃至6のいずれか1項に記載の水性インク。
  8. 前記水性インク中の、前記樹脂の含有量(質量%)が、前記酸化チタン粒子の含有量(質量%)に対する質量比率で、0.02倍以上0.15倍以下である請求項1乃至7のいずれか1項に記載の水性インク。
  9. インクと、前記インクを収容するインク収容部とを備えたインクカートリッジであって、
    前記インクが、請求項1乃至8のいずれか1項に記載の水性インクであることを特徴とするインクカートリッジ。
  10. インクをインクジェット方式の記録ヘッドから吐出して記録媒体に画像を記録するインクジェット記録方法であって、
    前記インクが、請求項1乃至8のいずれか1項に記載の水性インクであることを特徴とするインクジェット記録方法。
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