JP2023064995A - 車両用駆動装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】車両の操舵性の悪化を抑制可能であって小型化が容易な車両用駆動装置を提供する。【解決手段】第1遊星歯車機構4は、第1回転要素E1、第2回転要素E2、及び第3回転要素E3を備え、第2遊星歯車機構5は、第4回転要素E4、第5回転要素E5、及び第6回転要素E6を備え、第3遊星歯車機構6は、第7回転要素E7、第8回転要素E8、及び第9回転要素E9を備え、第1回転要素E1は、ロータ12と一体的に回転するように連結され、第2回転要素E2は、第4回転要素E4と一体的に回転するように連結され、第3回転要素E3は、第7回転要素E7と一体的に回転するように連結され、第5回転要素E5は、非回転部材NRに連結され、第6回転要素E6は、第2車輪に駆動連結される第2出力部材3に連結され、第8回転要素E8は、第1車輪に駆動連結される第1出力部材2に連結され、第9回転要素E9は、非回転部材NRに連結されている。【選択図】図1
Description
本発明は、回転電機及び遊星歯車機構を備えた車両用駆動装置に関する。
このような車両用駆動装置の一例が、下記の特許文献1に開示されている。以下、「背景技術」及び「発明が解決しようとする課題」の説明では、特許文献1における符号を括弧内に引用する。
特許文献1の車両用駆動装置(2)は、サンギヤ(10)と、キャリヤ(12)と、リングギヤ(13)と、を備えたシングルピニオン型の遊星歯車機構(5)を備えている。サンギヤ(10)は、回転電機(4)のロータと一体的に回転するように連結されている。キャリヤ(12)は、第1車輪(RF)に駆動連結された第1出力部材(9)と一体的に回転するように連結されている。リングギヤ(13)は、第1ギヤ(6)と一体的に回転するように連結されている。第1ギヤ(6)は、第2車輪(LF)に駆動連結された第2出力部材(8)と一体的に回転するように連結された第2ギヤ(7)に噛み合っている。こうして、遊星歯車機構(5)は、回転電機(4)のロータの回転を減速して、第1出力部材(9)と第2出力部材(8)とに分配する。
特許文献1の車両用駆動装置(2)では、回転電機(4)のロータの減速は、遊星歯車機構(5)による1回のみである。そのため、回転電機(4)から一対の出力部材(8,9)までの動力伝達経路の減速比を大きく確保することが難しい。これに伴い、回転電機(4)の出力トルクを大きく確保する必要があり、回転電機(4)の大型化を招いていた。
また、特許文献1の車両用駆動装置(2)では、一対の出力部材(8,9)を同じ方向に回転させるため、リングギヤ(13)と第2出力部材(8)との間の動力伝達経路に、互いに噛み合う第1ギヤ(6)及び第2ギヤ(7)が設けられている。しかし、このような構成により、一対の出力部材(8,9)が互いに別軸上に配置されるため、車両の操舵性が悪化する可能性があった。
そこで、車両の操舵性の悪化を抑制可能であって小型化が容易な車両用駆動装置の実現が望まれる。
上記に鑑みた、車両用駆動装置の特徴構成は、
ロータを備えた回転電機と、
第1車輪に駆動連結される第1出力部材と、
第2車輪に駆動連結される第2出力部材と、
第1回転要素、第2回転要素、及び第3回転要素を備え、前記第1回転要素、前記第2回転要素、及び前記第3回転要素の回転速度の順が記載の順となるように構成された第1遊星歯車機構と、
第4回転要素、第5回転要素、及び第6回転要素を備え、前記第4回転要素、前記第5回転要素、及び前記第6回転要素の回転速度の順が記載の順となるように構成された第2遊星歯車機構と、
第7回転要素、第8回転要素、及び第9回転要素を備え、前記第7回転要素、前記第8回転要素、及び前記第9回転要素の回転速度の順が記載の順となるように構成された第3遊星歯車機構と、を備えた車両用駆動装置であって、
前記第1回転要素は、前記ロータと一体的に回転するように連結され、
前記第2回転要素は、前記第4回転要素と一体的に回転するように連結され、
前記第3回転要素は、前記第7回転要素と一体的に回転するように連結され、
前記第5回転要素は、非回転部材に連結され、
前記第6回転要素は、前記第2出力部材に連結され、
前記第8回転要素は、前記第1出力部材に連結され、
前記第9回転要素は、前記非回転部材に連結されている点にある。
ロータを備えた回転電機と、
第1車輪に駆動連結される第1出力部材と、
第2車輪に駆動連結される第2出力部材と、
第1回転要素、第2回転要素、及び第3回転要素を備え、前記第1回転要素、前記第2回転要素、及び前記第3回転要素の回転速度の順が記載の順となるように構成された第1遊星歯車機構と、
第4回転要素、第5回転要素、及び第6回転要素を備え、前記第4回転要素、前記第5回転要素、及び前記第6回転要素の回転速度の順が記載の順となるように構成された第2遊星歯車機構と、
第7回転要素、第8回転要素、及び第9回転要素を備え、前記第7回転要素、前記第8回転要素、及び前記第9回転要素の回転速度の順が記載の順となるように構成された第3遊星歯車機構と、を備えた車両用駆動装置であって、
前記第1回転要素は、前記ロータと一体的に回転するように連結され、
前記第2回転要素は、前記第4回転要素と一体的に回転するように連結され、
前記第3回転要素は、前記第7回転要素と一体的に回転するように連結され、
前記第5回転要素は、非回転部材に連結され、
前記第6回転要素は、前記第2出力部材に連結され、
前記第8回転要素は、前記第1出力部材に連結され、
前記第9回転要素は、前記非回転部材に連結されている点にある。
この特徴構成によれば、回転電機のロータの回転が、第1遊星歯車機構により減速されて、第2遊星歯車機構と第3遊星歯車機構とに分配される。そして、第2遊星歯車機構に入力された回転が第2遊星歯車機構において減速されて第2出力部材に伝達されると共に、第3遊星歯車機構に入力された回転が第3遊星歯車機構において減速されて第1出力部材に伝達される。このように、第1出力部材及び第2出力部材のそれぞれについて、ロータの回転を2回減速することができるため、ロータから一対の出力部材までの動力伝達経路の減速比を大きく確保し易い。したがって、必要なトルクを確保しつつ、回転電機の小型化を図り易い。
ところで、上記の構成では、第2遊星歯車機構に伝達される回転と第3遊星歯車機構に伝達される回転とは逆方向の回転となる。しかしながら、第2遊星歯車機構は、入力された回転を減速すると共に逆転させて第2出力部材に伝達する。そして、第3遊星歯車機構は、入力された回転を減速して同じ回転方向のまま第1出力部材に伝達する。そのため、第1出力部材と第2出力部材とを同じ方向に回転させることができる。これにより、回転電機、第1出力部材、第2出力部材、第1遊星歯車機構、第2遊星歯車機構、及び第3遊星歯車機構を、同軸上に配置することができる。したがって、一対の出力部材の配置に起因する車両の操舵性の悪化を抑制することができる。
以上のように、本特徴構成によれば、車両の操舵性の悪化を抑制可能であって小型化が容易な車両用駆動装置を実現できる。
ところで、上記の構成では、第2遊星歯車機構に伝達される回転と第3遊星歯車機構に伝達される回転とは逆方向の回転となる。しかしながら、第2遊星歯車機構は、入力された回転を減速すると共に逆転させて第2出力部材に伝達する。そして、第3遊星歯車機構は、入力された回転を減速して同じ回転方向のまま第1出力部材に伝達する。そのため、第1出力部材と第2出力部材とを同じ方向に回転させることができる。これにより、回転電機、第1出力部材、第2出力部材、第1遊星歯車機構、第2遊星歯車機構、及び第3遊星歯車機構を、同軸上に配置することができる。したがって、一対の出力部材の配置に起因する車両の操舵性の悪化を抑制することができる。
以上のように、本特徴構成によれば、車両の操舵性の悪化を抑制可能であって小型化が容易な車両用駆動装置を実現できる。
以下では、実施形態に係る車両用駆動装置100について、図面を参照して説明する。図1及び図2に示すように、車両用駆動装置100は、ステータ11及びロータ12を備えた回転電機1と、第1車輪W1に駆動連結される第1出力部材2と、第2車輪W2に駆動連結される第2出力部材3と、第1遊星歯車機構4と、第2遊星歯車機構5と、第3遊星歯車機構6と、を備えている。
ここで、本願において「駆動連結」とは、2つの回転要素が駆動力を伝達可能に連結された状態を指し、当該2つの回転要素が一体的に回転するように連結された状態、或いは当該2つの回転要素が1つ又は2つ以上の伝動部材を介して駆動力を伝達可能に連結された状態を含む。このような伝動部材としては、回転を同速で又は変速して伝達する各種の部材、例えば、軸、歯車機構、ベルト、チェーン等が含まれる。なお、伝動部材として、回転及び駆動力を選択的に伝達する係合装置、例えば、摩擦係合装置、噛み合い式係合装置等が含まれていても良い。
以下の説明では、ロータ12の回転軸心に沿う方向を「軸方向L」とする。そして、軸方向Lの一方側を「軸方向第1側L1」とし、軸方向Lの他方側を「軸方向第2側L2」とする。また、ロータ12の回転軸心に直交する方向を「径方向R」とする。そして、径方向Rにおいて、ロータ12の回転軸心側を「径方向内側R1」とし、その反対側を「径方向外側R2」とする。
回転電機1、第1出力部材2、第2出力部材3、第1遊星歯車機構4、第2遊星歯車機構5、及び第3遊星歯車機構6は、同軸上に配置されている。本例では、それらは、軸方向第1側L1から軸方向第2側L2に向けて、第1出力部材2、第3遊星歯車機構6、第1遊星歯車機構4、回転電機1、第2遊星歯車機構5、第2出力部材3の順に配置されている。
本実施形態では、回転電機1、第1出力部材2、第2出力部材3、第1遊星歯車機構4、第2遊星歯車機構5、及び第3遊星歯車機構6は、ケース9に収容されている。なお、第1出力部材2及び第2出力部材3は、それらの一部がケース9の外部に露出した状態で、ケース9に収容されている。
本実施形態では、ケース9は、周壁部91と、第1側壁部92と、第2側壁部93と、第1隔壁部94と、第2隔壁部95と、を備えている。
周壁部91は、回転電機1、第1出力部材2、第2出力部材3、第1遊星歯車機構4、第2遊星歯車機構5、及び第3遊星歯車機構6の径方向外側R2を覆う筒状に形成されている。図1に示す例では、周壁部91は、軸方向Lにおける複数個所(ここでは、2箇所)で分割されている。そして、周壁部91の分割部は、互い接合されていると共に、図示しないボルト等の締結部材により締結されている。
第1側壁部92及び第2側壁部93のそれぞれは、径方向Rに延在するように形成されている。本実施形態では、第1側壁部92は、第3遊星歯車機構6の軸方向第1側L1を覆うように形成されている。そして、第2側壁部93は、第2遊星歯車機構5の軸方向第2側L2を覆うように形成されている。本例では、第1側壁部92は、周壁部91の軸方向第1側L1の開口を塞ぐように、周壁部91と一体的に形成されている。また、第2側壁部93は、周壁部91の軸方向第2側L2の開口を塞ぐように、周壁部91と一体的に形成されている。
第1隔壁部94及び第2隔壁部95のそれぞれは、径方向Rに延在するように形成されている。本実施形態では、第1隔壁部94は、回転電機1と第1遊星歯車機構4との軸方向Lの間に配置されている。そして、第2隔壁部95は、回転電機1と第2遊星歯車機構5との軸方向Lの間に配置されている。
回転電機1は、第1車輪W1及び第2車輪W2(図2参照)の駆動力源として機能する。回転電機1は、電力の供給を受けて動力を発生するモータ(電動機)としての機能と、動力の供給を受けて電力を発生するジェネレータ(発電機)としての機能とを有している。具体的には、回転電機1は、バッテリやキャパシタ等の蓄電装置(図示を省略)と電気的に接続されている。そして、回転電機1は、蓄電装置に蓄えられた電力により力行して駆動力を発生する。また、回転電機1は、第1車輪W1及び第2車輪W2の側から伝達される駆動力により発電を行って蓄電装置を充電する。
回転電機1のステータ11は、円筒状のステータコア11aを備えている。ステータコア11aは、非回転部材NRに固定されている。本実施形態では、ステータコア11aは、非回転部材NRとしてのケース9の周壁部91に固定されている。回転電機1のロータ12は、円筒状のロータコア12aを備えている。ロータコア12aは、ステータコア11aに対して回転可能に支持されている。本実施形態では、ロータ12は、ロータコア12aと一体的に回転するように連結されたロータ軸12bを更に備えている。
本実施形態では、回転電機1はインナロータ型の回転電機である。そのため、ロータコア12aが、ステータコア11aに対して径方向内側R1に配置されている。また、ロータ軸12bが、ロータコア12aに対して径方向内側R1に配置されている。
また、本実施形態では、回転電機1は回転界磁型の回転電機である。そのため、ステータコア11aには、ステータコイルが巻装されている。本実施形態では、ステータコイルは、ステータコア11aに対して軸方向第1側L1に突出した第1コイルエンド部11bと、ステータコア11aに対して軸方向第2側L2に突出した第2コイルエンド部11cとが形成されるように、ステータコア11aに巻装されている。また、図示は省略するが、ロータコア12aには、永久磁石が設けられている。
本実施形態では、ロータ軸12bは、軸方向Lに沿う軸心を有する筒状に形成されている。そして、ロータ軸12bは、ロータコア12aから軸方向Lの両側に突出するように配置されている。また、本実施形態では、ロータ軸12bは、ロータ軸受B1によって軸方向L及び径方向Rの双方に支持されている。本実施形態では、ロータ軸受B1は、第1ロータ軸受B11と、第2ロータ軸受B12と、を含む。
図3に示すように、本実施形態では、ロータ軸12bにおけるロータコア12aから軸方向第1側L1に突出した部分は、ケース9の第1隔壁部94を軸方向Lに貫通するように配置されている。そして、ロータ軸12bにおけるロータコア12aから軸方向第1側L1に突出した部分は、第1ロータ軸受B11を介して、第1隔壁部94に対して回転自在に支持されている。なお、本実施形態では、ロータ12の回転を検出する回転センサ13が、第1ロータ軸受B11と一体的に設けられている。
本実施形態では、第1ロータ軸受B11は、第1インナレースB11aと、第1アウタレースB11bと、第1転動体B11cと、を備えている。
第1インナレースB11aは、ロータ軸12bにおけるロータコア12aから軸方向第1側L1に突出した部分の外周面である第1外周面12cに取り付けられている。そのため、第1インナレースB11aは、ロータ軸12bの第1外周面12cによって、径方向内側R1から径方向Rに支持されている。本実施形態では、第1インナレースB11aは、ロータ軸12bに形成された軸方向第1側L1を向く第1側面12dによって、軸方向第2側L2から軸方向Lに支持されている。
第1アウタレースB11bは、第1隔壁部94に形成された径方向内側R1を向く第1内周面94aに取り付けられている。そのため、第1アウタレースB11bは、第1隔壁部94の第1内周面94aによって、径方向外側R2から径方向Rに支持されている。本実施形態では、第1アウタレースB11bは、第1隔壁部94に形成された軸方向第2側L2を向く第2側面94bによって、軸方向第1側L1から軸方向Lに支持されている。
第1転動体B11cは、第1インナレースB11aと第1アウタレースB11bとの径方向Rの間において、それらに対して回転自在に配置されている。本例では、第1転動体B11cは、球体である。つまり、本例では、第1ロータ軸受B11は、玉軸受である。
図4に示すように、本実施形態では、ロータ軸12bにおけるロータコア12aから軸方向第1側L1に突出した部分は、第2ロータ軸受B12を介して、第2隔壁部95に対して回転自在に支持されている。本実施形態では、第2ロータ軸受B12は、第2インナレースB12aと、第2アウタレースB12bと、第2転動体B12cと、を備えている。
第2インナレースB12aは、ロータ軸12bにおけるロータコア12aから軸方向第2側L2に突出した部分の外周面である第2外周面12eに取り付けられている。そのため、第2インナレースB12aは、ロータ軸12bの第2外周面12eによって、径方向内側R1から径方向Rに支持されている。本実施形態では、第2インナレースB12aは、ロータ軸12bに形成された軸方向第2側L2を向く第3側面12fによって、軸方向第1側L1から軸方向Lに支持されている。
第2アウタレースB12bは、第2隔壁部95に形成された径方向内側R1を向く第2内周面95aに取り付けられている。そのため、第2アウタレースB12bは、第2隔壁部95の第2内周面95aによって、径方向外側R2から径方向Rに支持されている。本実施形態では、第2アウタレースB12bは、第2隔壁部95に形成された軸方向第1側L1を向く第4側面95bによって、軸方向第2側L2から軸方向Lに支持されている。
第2転動体B12cは、第2インナレースB12aと第2アウタレースB12bとの径方向Rの間において、それらに対して回転自在に配置されている。本例では、第2転動体B12cは、球体である。つまり、本例では、第2ロータ軸受B12は、玉軸受である。
図1及び図2に示すように、第1遊星歯車機構4は、第1回転要素E1、第2回転要素E2、及び第3回転要素E3を備えている。そして、第1遊星歯車機構4は、第1回転要素E1、第2回転要素E2、及び第3回転要素E3の回転速度の順が記載の順となるように構成されている。
第2遊星歯車機構5は、第4回転要素E4、第5回転要素E5、及び第6回転要素E6を備えている。そして、第2遊星歯車機構5は、第4回転要素E4、第5回転要素E5、及び第6回転要素E6の回転速度の順が記載の順となるように構成されている。
第3遊星歯車機構6は、第7回転要素E7、第8回転要素E8、及び第9回転要素E9を備えている。そして、第3遊星歯車機構6は、第7回転要素E7、第8回転要素E8、及び第9回転要素E9の回転速度の順が記載の順となるように構成されている。
ここで、「回転速度の順」とは、各回転要素の回転状態における回転速度の順番のことである。各回転要素の回転速度は、遊星歯車機構の回転状態によって変化するが、各回転要素の回転速度の高低の並び順は、遊星歯車機構の構造によって定まるものであるため一定となる。なお、各回転要素の回転速度の順は、各回転要素の速度線図(図5参照)における配置順に等しい。ここで、「各回転要素の速度線図における配置順」とは、速度線図における各回転要素に対応する軸が、当該軸に直交する方向に沿って配置される順番のことである。速度線図における各回転要素に対応する軸の配置方向は、速度線図の描き方によって異なるが、その配置順は遊星歯車機構の構造によって定まるものであるため一定となる。
第1遊星歯車機構4は、ロータ12の回転を減速して、第2遊星歯車機構5と第3遊星歯車機構6とに分配する差動歯車機構として機能する。第2遊星歯車機構5は、第1遊星歯車機構4から伝達された回転を減速して第2出力部材3に伝達する減速機として機能する。第3遊星歯車機構6は、第1遊星歯車機構4から伝達された回転を減速して第1出力部材2に伝達する減速機として機能する。
本実施形態では、第1遊星歯車機構4は、第1サンギヤS1、第1キャリヤC1、及び第1リングギヤR1を備えたシングルピニオン型の遊星歯車機構である。そして、第2遊星歯車機構5は、第2サンギヤS2、第2キャリヤC2、及び第2リングギヤR2を備えたシングルピニオン型の遊星歯車機構である。また、第3遊星歯車機構6は、第3サンギヤS3、第3キャリヤC3、及び第3リングギヤR3を備えたシングルピニオン型の遊星歯車機構である。本実施形態では、第1サンギヤS1と第1リングギヤR1との歯数比と、第2サンギヤS2と第2リングギヤR2との歯数比と、第3サンギヤS3と第3リングギヤR3との歯数比とが同じである。
第1回転要素E1は、ロータ12と一体的に回転するように連結されている。本実施形態では、ロータ12と第1回転要素E1とが、ロータ軸12bを介して一体的に回転するように連結されている。本例では、ロータ軸12bに、第1回転要素E1としてのギヤが一体的に形成されている。本実施形態では、第1回転要素E1は、第1サンギヤS1である。
第2回転要素E2は、第4回転要素E4と一体的に回転するように連結されている。本実施形態では、第2回転要素E2と第4回転要素E4とが、連結軸7を介して一体的に回転するように連結されている。連結軸7は、ロータ軸12bに対して径方向内側R1に配置されている。
本実施形態では、第2回転要素E2は、第1キャリヤC1である。また、本実施形態では、第4回転要素E4は、第2サンギヤS2である。第1キャリヤC1は、第1サンギヤS1及び第1リングギヤR1に噛み合う第1ピニオンギヤP1を支持している。第1ピニオンギヤP1は、その軸心回りに回転(自転)すると共に、第1キャリヤC1と共に第1サンギヤS1を中心として回転(公転)する。第1ピニオンギヤP1は、その公転軌跡に沿って、互いに間隔を空けて複数設けられている。
第3回転要素E3は、第7回転要素E7と一体的に回転するように連結されている。本実施形態では、第3回転要素E3と第7回転要素E7とが、連結部材10を介して一体的に回転するように連結されている。連結部材10は、第1遊星歯車機構4と第3遊星歯車機構6との軸方向Lの間に配置されている。そして、連結部材10は、径方向Rに沿って延在するように形成されている。
本実施形態では、第3回転要素E3は、第1リングギヤR1である。また、本実施形態では、第7回転要素E7は、第3サンギヤS3である。
第5回転要素E5は、非回転部材NRに連結されている。本実施形態では、第5回転要素E5は、第2キャリヤC2である。第2キャリヤC2は、第2サンギヤS2及び第2リングギヤR2に噛み合う第2ピニオンギヤP2を支持している。第2ピニオンギヤP2は、その軸心回りに回転(自転)すると共に、第2キャリヤC2と共に第2サンギヤS2を中心として回転(公転)する。第2ピニオンギヤP2は、その公転軌跡に沿って、互いに間隔を空けて複数設けられている。図1に示す例では、第2キャリヤC2は、非回転部材NRとしてのケース9の第2隔壁部95に連結されている。
第6回転要素E6は、第2出力部材3に連結されている。本実施形態では、第6回転要素E6は、第2リングギヤR2である。
第8回転要素E8は、第1出力部材2に連結されている。本実施形態では、第8回転要素E8は、第3キャリヤC3である。第3キャリヤC3は、第3サンギヤS3及び第3リングギヤR3に噛み合う第3ピニオンギヤP3を支持している。第3ピニオンギヤP3は、その軸心回りに回転(自転)すると共に、第3キャリヤC3と共に第3サンギヤS3を中心として回転(公転)する。第3ピニオンギヤP3は、その公転軌跡に沿って、互いに間隔を空けて複数設けられている。
第9回転要素E9は、非回転部材NRに連結されている。本実施形態では、第9回転要素E9は、第3リングギヤR3である。図1に示す例では、第3リングギヤR3は、非回転部材NRとしてのケース9の周壁部91に連結されている。より具体的には、第3リングギヤR3の外周面に形成されたスプライン係合部と、周壁部91の内周面に形成されたスプライン係合部とが係合することにより、第3リングギヤR3がケース9に対して回転しないように連結されている。
以上のように、車両用駆動装置100は、
ロータ12を備えた回転電機1と、
第1車輪W1に駆動連結される第1出力部材2と、
第2車輪W2に駆動連結される第2出力部材3と、
第1回転要素E1、第2回転要素E2、及び第3回転要素E3を備え、第1回転要素E1、第2回転要素E2、及び第3回転要素E3の回転速度の順が記載の順となるように構成された第1遊星歯車機構4と、
第4回転要素E4、第5回転要素E5、及び第6回転要素E6を備え、第4回転要素E4、第5回転要素E5、及び第6回転要素E6の回転速度の順が記載の順となるように構成された第2遊星歯車機構5と、
第7回転要素E7、第8回転要素E8、及び第9回転要素E9を備え、第7回転要素E7、第8回転要素E8、及び第9回転要素E9の回転速度の順が記載の順となるように構成された第3遊星歯車機構6と、を備えた車両用駆動装置100であって、
第1回転要素E1は、ロータ12と一体的に回転するように連結され、
第2回転要素E2は、第4回転要素E4と一体的に回転するように連結され、
第3回転要素E3は、第7回転要素E7と一体的に回転するように連結され、
第5回転要素E5は、非回転部材NRに連結され、
第6回転要素E6は、第2出力部材3に連結され、
第8回転要素E8は、第1出力部材2に連結され、
第9回転要素E9は、非回転部材NRに連結されている。
ロータ12を備えた回転電機1と、
第1車輪W1に駆動連結される第1出力部材2と、
第2車輪W2に駆動連結される第2出力部材3と、
第1回転要素E1、第2回転要素E2、及び第3回転要素E3を備え、第1回転要素E1、第2回転要素E2、及び第3回転要素E3の回転速度の順が記載の順となるように構成された第1遊星歯車機構4と、
第4回転要素E4、第5回転要素E5、及び第6回転要素E6を備え、第4回転要素E4、第5回転要素E5、及び第6回転要素E6の回転速度の順が記載の順となるように構成された第2遊星歯車機構5と、
第7回転要素E7、第8回転要素E8、及び第9回転要素E9を備え、第7回転要素E7、第8回転要素E8、及び第9回転要素E9の回転速度の順が記載の順となるように構成された第3遊星歯車機構6と、を備えた車両用駆動装置100であって、
第1回転要素E1は、ロータ12と一体的に回転するように連結され、
第2回転要素E2は、第4回転要素E4と一体的に回転するように連結され、
第3回転要素E3は、第7回転要素E7と一体的に回転するように連結され、
第5回転要素E5は、非回転部材NRに連結され、
第6回転要素E6は、第2出力部材3に連結され、
第8回転要素E8は、第1出力部材2に連結され、
第9回転要素E9は、非回転部材NRに連結されている。
この構成によれば、回転電機1のロータ12の回転が、第1遊星歯車機構4により減速されて、第2遊星歯車機構5と第3遊星歯車機構6とに分配される。そして、第2遊星歯車機構5に入力された回転が第2遊星歯車機構5において減速されて第2出力部材3に伝達されると共に、第3遊星歯車機構6に入力された回転が第3遊星歯車機構6において減速されて第1出力部材2に伝達される。このように、第1出力部材2及び第2出力部材3のそれぞれについて、ロータ12の回転を2回減速することができるため、ロータ12から一対の出力部材2,3までの動力伝達経路の減速比を大きく確保し易い。したがって、必要なトルクを確保しつつ、回転電機1の小型化を図り易い。
ところで、上記の構成では、第2遊星歯車機構5に伝達される回転と第3遊星歯車機構6に伝達される回転とは逆方向の回転となる。しかしながら、第2遊星歯車機構5は、入力された回転を減速すると共に逆転させて第2出力部材3に伝達する。そして、第3遊星歯車機構6は、入力された回転を減速して同じ回転方向のまま第1出力部材2に伝達する。そのため、第1出力部材2と第2出力部材3とを同じ方向に回転させることができる。これにより、回転電機1、第1出力部材2、第2出力部材3、第1遊星歯車機構4、第2遊星歯車機構5、及び第3遊星歯車機構6を、同軸上に配置することができる。したがって、一対の出力部材2,3の配置に起因する車両の操舵性の悪化を抑制することができる。
以上のように、本構成によれば、車両の操舵性の悪化を抑制可能であって小型化が容易な車両用駆動装置100を実現できる。
ところで、上記の構成では、第2遊星歯車機構5に伝達される回転と第3遊星歯車機構6に伝達される回転とは逆方向の回転となる。しかしながら、第2遊星歯車機構5は、入力された回転を減速すると共に逆転させて第2出力部材3に伝達する。そして、第3遊星歯車機構6は、入力された回転を減速して同じ回転方向のまま第1出力部材2に伝達する。そのため、第1出力部材2と第2出力部材3とを同じ方向に回転させることができる。これにより、回転電機1、第1出力部材2、第2出力部材3、第1遊星歯車機構4、第2遊星歯車機構5、及び第3遊星歯車機構6を、同軸上に配置することができる。したがって、一対の出力部材2,3の配置に起因する車両の操舵性の悪化を抑制することができる。
以上のように、本構成によれば、車両の操舵性の悪化を抑制可能であって小型化が容易な車両用駆動装置100を実現できる。
また、本実施形態では、第1遊星歯車機構4は、第1回転要素E1としての第1サンギヤS1と、第2回転要素E2としての第1キャリヤC1と、第3回転要素E3としての第1リングギヤR1と、を備えたシングルピニオン型の遊星歯車機構であり、
第2遊星歯車機構5は、第4回転要素E4としての第2サンギヤS2と、第5回転要素E5としての第2キャリヤC2と、第6回転要素E6としての第2リングギヤR2と、を備えたシングルピニオン型の遊星歯車機構であり、
第3遊星歯車機構6は、第7回転要素E7としての第3サンギヤS3と、第8回転要素E8としての第3キャリヤC3と、第9回転要素E9としての第3リングギヤR3と、を備えたシングルピニオン型の遊星歯車機構であり、
第1サンギヤS1と第1リングギヤR1との歯数比と、第2サンギヤS2と第2リングギヤR2との歯数比と、第3サンギヤS3と第3リングギヤR3との歯数比とが同じである。
第2遊星歯車機構5は、第4回転要素E4としての第2サンギヤS2と、第5回転要素E5としての第2キャリヤC2と、第6回転要素E6としての第2リングギヤR2と、を備えたシングルピニオン型の遊星歯車機構であり、
第3遊星歯車機構6は、第7回転要素E7としての第3サンギヤS3と、第8回転要素E8としての第3キャリヤC3と、第9回転要素E9としての第3リングギヤR3と、を備えたシングルピニオン型の遊星歯車機構であり、
第1サンギヤS1と第1リングギヤR1との歯数比と、第2サンギヤS2と第2リングギヤR2との歯数比と、第3サンギヤS3と第3リングギヤR3との歯数比とが同じである。
この構成によれば、例えば、各遊星歯車機構のサンギヤとリングギヤとを入れ替えた場合や、第1遊星歯車機構4、第2遊星歯車機構5、及び第3遊星歯車機構6の少なくとも1つをダブルピニオン型にした場合等と比べて、ロータ12から一対の出力部材2,3までの動力伝達経路の減速比を大きく確保し易い。
また、本構成によれば、各遊星歯車機構のサンギヤとリングギヤとの歯数比が同じである。これにより、ロータ12から第1出力部材2までの動力伝達経路の減速比と、ロータ12から第2出力部材3までの動力伝達経路の減速比とを同じにすることができる。また、各遊星歯車機構を構成するギヤの諸元が同じになるので、当該ギヤの加工費を低く抑えることができる。
また、本構成によれば、各遊星歯車機構のサンギヤとリングギヤとの歯数比が同じである。これにより、ロータ12から第1出力部材2までの動力伝達経路の減速比と、ロータ12から第2出力部材3までの動力伝達経路の減速比とを同じにすることができる。また、各遊星歯車機構を構成するギヤの諸元が同じになるので、当該ギヤの加工費を低く抑えることができる。
また、本実施形態では、ロータ12と第1回転要素E1とが、ロータ軸12bを介して一体的に回転するように連結され、
ロータ軸12bが、ロータ軸受B1によって軸方向L及び径方向Rの双方に支持され、
ロータ軸12bに、第1回転要素E1としてのギヤ(ここでは、第1サンギヤS1)が一体的に形成されている。
ロータ軸12bが、ロータ軸受B1によって軸方向L及び径方向Rの双方に支持され、
ロータ軸12bに、第1回転要素E1としてのギヤ(ここでは、第1サンギヤS1)が一体的に形成されている。
この構成によれば、第1回転要素E1としてのギヤがロータ軸12bとは別部材に形成された構成と比べて、当該ギヤの支持構造を簡素化することができる。これにより、車両用駆動装置100の小型化を図り易い。
図1及び図2に示すように、連結軸7は、第1連結部材71と、第2連結部材72と、を備えている。
第1連結部材71は、第2回転要素E2と一体的に回転するように連結されている。本実施形態では、第1連結部材71は、第1遊星歯車機構4を軸方向Lに貫通するように配置されている。そして、第1連結部材71は、第2回転要素E2としての第1キャリヤC1を支持する第1支持部711を備えている。第1支持部711は、第1遊星歯車機構4に対して軸方向第1側L1に配置されている。そして、第1支持部711は、径方向Rに沿って延在するように形成されている。図1に示す例では、第1支持部711は、第1キャリヤC1と一体的に形成されている。
第2連結部材72は、第4回転要素E4と一体的に回転するように連結されている。本実施形態では、第2連結部材72は、第2隔壁部95及び第2遊星歯車機構5を軸方向Lに貫通するように配置されている。そして、第2連結部材72は、第4回転要素E4としての第2サンギヤS2を支持する第2支持部721を備えている。第2支持部721は、軸方向Lに沿う軸心を有する筒状に形成されている。そして、第2支持部721は、第2サンギヤS2を径方向内側R1から支持するように配置されている。図1に示す例では、第2支持部721は、第2サンギヤS2と一体的に形成されている。
図3に示すように、第1連結部材71は、第1連結軸受B21によって軸方向第1側L1から軸方向Lに支持されている。本実施形態では、第1連結軸受B21は、第1連結部材71の第1支持部711と、第3サンギヤS3との軸方向Lの間に配置されたスラスト軸受である。
本実施形態では、第1出力部材2は、第1筒状部21と、第1フランジ部22と、を備えている。
第1筒状部21は、軸方向Lに沿う軸心を有する筒状に形成されている。本実施形態では、第1筒状部21は、ケース9の第1側壁部92を軸方向Lに貫通するように配置されている。そして、第1筒状部21は、第1車輪W1に駆動連結された第1ドライブシャフトDS1と一体的に回転するように連結されている。図3に示す例では、第1筒状部21に対して径方向内側R1に第1ドライブシャフトDS1が位置するように、第1筒状部21に対して第1ドライブシャフトDS1が軸方向第1側L1から挿入された状態で、それらがスプライン係合によって互いに連結されている。
第1フランジ部22は、径方向Rに沿って延在するように形成されている。本実施形態では、第1フランジ部22は、ケース9の第1側壁部92と第3遊星歯車機構6との軸方向Lの間に位置するように、第1筒状部21から径方向外側R2に向けて延在している。そして、第1フランジ部22は、第8回転要素E8としての第3キャリヤC3と一体的に回転するように連結されている。図3に示す例では、第1フランジ部22は、第3キャリヤC3と一体的に形成されている。
本実施形態では、第3サンギヤS3は、中間軸受B3によって軸方向第1側L1から軸方向Lに支持されている。本実施形態では、中間軸受B3は、第3サンギヤS3と、第1出力部材2の第1フランジ部22との軸方向Lの間に配置されたスラスト軸受である。
また、本実施形態では、第1フランジ部22は、第1出力軸受B41によって軸方向第1側L1から軸方向Lに支持されている。本実施形態では、第1出力軸受B41は、第1フランジ部22と、ケース9の第1側壁部92との軸方向Lの間に配置されたスラスト軸受である。
図4に示すように、本実施形態では、第2出力部材3は、第2筒状部31と、第2フランジ部32と、を備えている。
第2筒状部31は、軸方向Lに沿う軸心を有する筒状に形成されている。本実施形態では、第2筒状部31は、ケース9の第2側壁部93を軸方向Lに貫通するように配置されている。そして、第2筒状部31は、第2車輪W2に駆動連結された第2ドライブシャフトDS2と一体的に回転するように連結されている。図4に示す例では、第2筒状部31に対して径方向内側R1に第2ドライブシャフトDS2が位置するように、第2筒状部31に対して第2ドライブシャフトDS2が軸方向第2側L2から挿入された状態で、それらがスプライン係合によって互いに連結されている。
第2フランジ部32は、径方向Rに沿って延在するように形成されている。本実施形態では、第2フランジ部32は、ケース9の第2側壁部93と第2遊星歯車機構5との軸方向Lの間に位置するように、第2筒状部31から径方向外側R2に向けて延在している。そして、第2フランジ部32は、第6回転要素E6としての第2リングギヤR2と一体的に回転するように連結されている。
本実施形態では、第2フランジ部32は、第2出力軸受B42によって軸方向第2側L2から軸方向Lに支持されている。本実施形態では、第2出力軸受B42は、第2フランジ部32と、ケース9の第2側壁部93との軸方向Lの間に配置されたスラスト軸受である。
第2連結部材72は、第2連結軸受B22によって軸方向第2側L2から軸方向Lに支持されている。本実施形態では、第2連結軸受B22は、第2連結部材72の第2支持部721と、第2出力部材3の第2フランジ部32との軸方向Lの間に配置されたスラスト軸受である。
図4に示すように、本実施形態では、第1連結部材71は、軸方向第2側L2を向く第1当接面71aを備えている。そして、第2連結部材72は、軸方向第1側L1を向く第2当接面72aを備えている。
本実施形態では、第1連結部材71と第2連結部材72とは、第1当接面71aと第2当接面72aとが軸方向Lに当接した状態で、互いに連結されている。図4に示す例では、第2連結部材72に対して径方向内側R1に第1連結部材71が位置するように、第2連結部材72に対して第1連結部材71が軸方向第1側L1から挿入された状態で、第1連結部材71の外周面に形成された第1スプライン係合部71bと、第2連結部材72の内周面に形成された第2スプライン係合部72bとが互い係合されている。本例では、第1当接面71aは、第1スプライン係合部71bと、当該第1スプライン係合部71bに対して軸方向第2側L2に隣接すると共に第1スプライン係合部71bよりも小径に形成された外周面との間に形成された、軸方向第2側L2を向く段差面である。また、第2当接面72aは、第2スプライン係合部72bと、当該第2スプライン係合部72bに対して軸方向第2側L2に隣接すると共に第2スプライン係合部72bよりも小径に形成された内周面との間に形成された、軸方向第1側L1を向く段差面である。
このように、本実施形態では、第1遊星歯車機構4及び第3遊星歯車機構6は、ロータ12に対して軸方向第1側L1に配置され、
第2遊星歯車機構5は、ロータ12に対して軸方向第2側L2に配置され、
ロータ12と第1回転要素E1とが、ロータ軸12bを介して一体的に回転するように連結され、
ロータ軸12bは、軸方向Lに沿う軸心を有する筒状に形成され、
第2回転要素E2と第4回転要素E4とが、ロータ軸12bに対して径方向内側R1に配置された連結軸7を介して、一体的に回転するように連結され、
連結軸7は、第2回転要素E2と一体的に回転するように連結された第1連結部材71と、第4回転要素E4と一体的に回転するように連結された第2連結部材72と、を備え、
第1連結部材71は、軸方向第2側L2を向く第1当接面71aを備え、
第2連結部材72は、軸方向第1側L1を向く第2当接面72aを備え、
第1連結部材71と第2連結部材72とは、第1当接面71aと第2当接面72aとが軸方向Lに当接した状態で、互いに連結され、
第1連結部材71は、第1連結軸受B21によって軸方向第1側L1から軸方向Lに支持され、
第2連結部材72は、第2連結軸受B22によって軸方向第2側L2から軸方向Lに支持されている。
第2遊星歯車機構5は、ロータ12に対して軸方向第2側L2に配置され、
ロータ12と第1回転要素E1とが、ロータ軸12bを介して一体的に回転するように連結され、
ロータ軸12bは、軸方向Lに沿う軸心を有する筒状に形成され、
第2回転要素E2と第4回転要素E4とが、ロータ軸12bに対して径方向内側R1に配置された連結軸7を介して、一体的に回転するように連結され、
連結軸7は、第2回転要素E2と一体的に回転するように連結された第1連結部材71と、第4回転要素E4と一体的に回転するように連結された第2連結部材72と、を備え、
第1連結部材71は、軸方向第2側L2を向く第1当接面71aを備え、
第2連結部材72は、軸方向第1側L1を向く第2当接面72aを備え、
第1連結部材71と第2連結部材72とは、第1当接面71aと第2当接面72aとが軸方向Lに当接した状態で、互いに連結され、
第1連結部材71は、第1連結軸受B21によって軸方向第1側L1から軸方向Lに支持され、
第2連結部材72は、第2連結軸受B22によって軸方向第2側L2から軸方向Lに支持されている。
この構成によれば、例えば、第1遊星歯車機構4の第2回転要素E2に作用した軸方向第2側L2へのスラスト荷重を、第1連結部材71を介して、第2連結部材72を軸方向第2側L2から軸方向Lに支持する第2連結軸受B22によって受け止めることができる。また、第2遊星歯車機構5の第4回転要素E4に作用した軸方向第1側L1へのスラスト荷重を、第2連結部材72を介して、第1連結部材71を軸方向第1側L1から軸方向Lに支持する第1連結軸受B21により受け止めることができる。これにより、第2回転要素E2及び第4回転要素E4のそれぞれに作用するスラスト荷重を直接受け止める軸受を設ける必要がない。これにより、車両用駆動装置100の小型化を図り易い。
図3及び図4に示すように、本例では、第2回転要素E2としての第1キャリヤC1に作用した軸方向第2側L2へのスラスト荷重は、第1連結部材71、第2連結部材72、第2連結軸受B22、第2フランジ部32、及び第2出力軸受B42を介して、ケース9の第2側壁部93により受け止められる。また、第4回転要素E4としての第2サンギヤS2に作用した軸方向第1側L1へのスラスト荷重は、第2連結部材72、第1連結部材71、第1連結軸受B21、第3サンギヤS3、中間軸受B3、第1フランジ部22、及び第1出力軸受B41を介して、ケース9の第1側壁部92により受け止められる。
図3及び図4に示すように、本実施形態では、連結軸7の内部には、第1油路81が形成されている。第1油路81は、「軸内油路」に相当する。第1油路81は、軸方向油路81aと、第1径方向油路81bと、第2径方向油路81cと、第3径方向油路81dと、を含む。
軸方向油路81aは、連結軸7の内部を軸方向Lに沿って延在するように形成されている。本実施形態では、軸方向油路81aは、連結軸7の第1連結部材71の内部に形成されている。
第1径方向油路81b、第2径方向油路81c、及び第3径方向油路81dは、軸方向油路81aから径方向外側R2に向けて延在するように形成されている。
図4に示すように、本実施形態では、第1径方向油路81bは、径方向Rに沿う径方向視で、ケース9の第2隔壁部95と重複するように配置されている。そして、第1径方向油路81bは、第1連結部材71の内部に形成された軸方向油路81aと、第1連結部材71に対して径方向外側R2に配置された第2連結部材72の外周面とを連通するように、連結軸7の第1連結部材71と第2連結部材72とに亘って形成されている。また、本実施形態では、複数の第1径方向油路81bが、連結軸7の周方向に間隔を空けて配置されている。ここで、2つの要素の配置に関して、「特定方向視で重複する」とは、その視線方向に平行な仮想直線を当該仮想直線と直交する各方向に移動させた場合に、当該仮想直線が2つの要素の双方に交わる領域が少なくとも一部に存在することを指す。
図3に示すように、本実施形態では、第2径方向油路81cは、径方向Rに沿う径方向視で、第2連結部材72と重複せず、ロータ軸12bと重複するように配置されている。そして、第2径方向油路81cは、軸方向油路81aと第1連結部材71の外周面とを連通するように形成されている。また、本実施形態では、複数の第2径方向油路81cが、軸方向L及び連結軸7の周方向に間隔を空けて配置されている。
本実施形態では、第3径方向油路81dは、第1連結部材71の第1支持部711の内部に形成されている。そして、第3径方向油路81dは、第1キャリヤC1の内部に形成された油路、及び、第1ピニオンギヤP1を回転自在に支持する第1ピニオン軸PS1の内部に形成された油路に連通している。また、本実施形態では、複数の第3径方向油路81dが、連結軸7の周方向に間隔を空けて配置されている。
図4に示すように、本実施形態では、第1油路81に油を供給する第2油路82が設けられている。第2油路82は、軸内油路に油を供給する「供給油路」に相当する。第2油路82は、ロータ12と第2遊星歯車機構5との軸方向Lの間に配置されている。そして、第2油路82は、径方向Rに延在するように形成されている。本実施形態では、第2油路82は、ケース9の第2隔壁部95の内部に形成されている。そして、第2油路82は、第1径方向油路81bに連通するように形成されている。また、第2油路82は、第2ピニオンギヤP2を回転自在に支持する第2ピニオン軸PS2の内部に形成された油路にも連通している。
図4に示すように、本実施形態では、車両用駆動装置100に設けられた油圧ポンプ(図示を省略)が吐出した油が、第2油路82に供給される。そして、第2油路82に供給された油は、第2ピニオン軸PS2の内部に形成された油路を通って、第2ピニオンギヤP2等に供給される。また、第2油路82に供給された油は、第1径方向油路81bを通って、軸方向油路81aに供給される。図3に示すように、軸方向油路81aに供給された油は、第2径方向油路81cを通って、ロータ軸12bの内周面に供給される。また、軸方向油路81aに供給された油は、第3径方向油路81d、第1キャリヤC1の内部に形成された油路、及び、第1ピニオン軸PS1の内部に形成された油路を通って、第1ピニオンギヤP1等に供給される。上記の通り、本実施形態では、油圧ポンプが吐出した油が比較的上流側でロータ軸12bの内周面に供給されるため、ロータ軸12bの内周面を介する回転電機1の冷却性能を高め易い。
このように、本実施形態では、第1遊星歯車機構4及び第3遊星歯車機構6は、ロータ12に対して軸方向第1側L1に配置され、
第2遊星歯車機構5は、ロータ12に対して軸方向第2側L2に配置され、
ロータ12と第1回転要素E1とが、ロータ軸12bを介して一体的に回転するように連結され、
ロータ軸12bは、軸方向Lに沿う軸心を有する筒状に形成され、
第2回転要素E2と第4回転要素E4とが、ロータ軸12bに対して径方向内側R1に配置された連結軸7を介して、一体的に回転するように連結され、
連結軸7の内部に、軸内油路としての第1油路81が形成され、
軸内油路に油を供給する供給油路としての第2油路82が、ロータ12と第2遊星歯車機構5との軸方向Lの間において、径方向Rに延在するように配置されている。
第2遊星歯車機構5は、ロータ12に対して軸方向第2側L2に配置され、
ロータ12と第1回転要素E1とが、ロータ軸12bを介して一体的に回転するように連結され、
ロータ軸12bは、軸方向Lに沿う軸心を有する筒状に形成され、
第2回転要素E2と第4回転要素E4とが、ロータ軸12bに対して径方向内側R1に配置された連結軸7を介して、一体的に回転するように連結され、
連結軸7の内部に、軸内油路としての第1油路81が形成され、
軸内油路に油を供給する供給油路としての第2油路82が、ロータ12と第2遊星歯車機構5との軸方向Lの間において、径方向Rに延在するように配置されている。
この構成によれば、第1遊星歯車機構4と第3遊星歯車機構6とを隣接して配置し易い。これにより、第1遊星歯車機構4と第3遊星歯車機構6との連結構造を簡素化し易い。
また、本構成によれば、ロータ12に対して軸方向Lの両側に分かれて配置された第1遊星歯車機構4と第2遊星歯車機構5とが、ロータ軸12bに対して径方向内側R1に配置された連結軸7を介して連結されている。これにより、第1遊星歯車機構4の第2回転要素E2と、第2遊星歯車機構5の第4回転要素E4とを、ロータ12に妨げられることなく、適切に連結させることができる。
また、本構成によれば、連結軸7の内部に、軸内油路としての第1油路81が形成されている。そして、軸内油路に油を供給する供給油路としての第2油路82が、ロータ12と第2遊星歯車機構5との軸方向Lの間において、径方向Rに延在するように配置されている。これにより、ロータ12に妨げられることなく、軸内油路としての第1油路81と供給油路としての第2油路82とを適切に接続することができる。
また、本構成によれば、ロータ12に対して軸方向Lの両側に分かれて配置された第1遊星歯車機構4と第2遊星歯車機構5とが、ロータ軸12bに対して径方向内側R1に配置された連結軸7を介して連結されている。これにより、第1遊星歯車機構4の第2回転要素E2と、第2遊星歯車機構5の第4回転要素E4とを、ロータ12に妨げられることなく、適切に連結させることができる。
また、本構成によれば、連結軸7の内部に、軸内油路としての第1油路81が形成されている。そして、軸内油路に油を供給する供給油路としての第2油路82が、ロータ12と第2遊星歯車機構5との軸方向Lの間において、径方向Rに延在するように配置されている。これにより、ロータ12に妨げられることなく、軸内油路としての第1油路81と供給油路としての第2油路82とを適切に接続することができる。
図5に、本実施形態に係る、第1遊星歯車機構4、第2遊星歯車機構5、及び第3遊星歯車機構6の速度線図を示す。図5の速度線図において、縦線は、遊星歯車機構4,5,6の各回転要素の回転速度に対応している。そして、並列配置された複数本の縦線のそれぞれは、遊星歯車機構4,5,6の各回転要素に対応している。また、図5の速度線図において、複数本の縦線の上方に示された符号は、対応する回転要素の符号である。そして、複数本の縦線の下方に示された符号は、上方に示された符号に対応する回転要素と一体的に回転する要素の符号である。また、図5の速度線図において、複数本の縦線上の黒塗りの円は、対象の縦線に対応する回転要素同士が一体的に回転することを示している。また、図5の速度線図において、複数本の縦線上のバツ印は、対象の縦線に対応する回転要素が非回転部材NRに固定されていることを示している。
図5に示すように、本実施形態では、回転電機1のロータ12から第1サンギヤS1に伝達された回転は、第1遊星歯車機構4において第1キャリヤC1と第1リングギヤR1とに分配される。このとき、第1サンギヤS1の回転は、同じ回転方向のまま減速されて第1キャリヤC1に伝達されると共に、反転しつつ減速されて第1リングギヤR1に伝達される。
そして、第1キャリヤC1から第2遊星歯車機構5の第2サンギヤS2に伝達された回転は、第2遊星歯車機構5において反転しつつ減速されて、第2リングギヤR2に連結された第2出力部材3に伝達される。また、第1リングギヤR1から第3遊星歯車機構6の第3サンギヤS3に伝達された回転は、第3遊星歯車機構6において同じ回転方向のまま減速されて、第3キャリヤC3に連結された第1出力部材2に伝達される。
〔その他の実施形態〕
(1)上記の実施形態では、第1遊星歯車機構4、第2遊星歯車機構5、及び第3遊星歯車機構6のそれぞれがシングルピニオン型の遊星歯車機構である構成を例として説明した。しかし、そのような構成に限定されることなく、例えば、第1遊星歯車機構4、第2遊星歯車機構5、第3遊星歯車機構6の少なくとも1つがダブルピニオン型の遊星歯車機構であっても良い。
(1)上記の実施形態では、第1遊星歯車機構4、第2遊星歯車機構5、及び第3遊星歯車機構6のそれぞれがシングルピニオン型の遊星歯車機構である構成を例として説明した。しかし、そのような構成に限定されることなく、例えば、第1遊星歯車機構4、第2遊星歯車機構5、第3遊星歯車機構6の少なくとも1つがダブルピニオン型の遊星歯車機構であっても良い。
(2)上記の実施形態では、第1サンギヤS1と第1リングギヤR1との歯数比と、第2サンギヤS2と第2リングギヤR2との歯数比と、第3サンギヤS3と第3リングギヤR3との歯数比とが同じである構成を例として説明した。しかし、そのような構成に限定されることなく、各遊星歯車機構のサンギヤとリングギヤとの歯数比が互いに異なっていても良い。また、各遊星歯車機構のサンギヤとリングギヤとの歯数比が同じである構成において、各遊星歯車機構のサンギヤの歯数及びリングギヤの歯数は互いに異なっていても良い。
(3)上記の実施形態では、第2油路82がロータ12と第2遊星歯車機構5との軸方向Lの間に配置された構成を例として説明した。しかし、そのような構成に限定されることなく、例えば、第2油路82がロータ12と第1遊星歯車機構4との軸方向Lの間に配置されていても良い。
(4)上記の実施形態では、ロータ軸受B1が第1ロータ軸受B11及び第2ロータ軸受B12から成る構成を例として説明した。しかし、そのような構成に限定されることなく、例えば、ロータ軸受B1が、ロータ軸12bを径方向Rに支持する一対のラジアル軸受、及び、ロータ軸12bを軸方向Lに支持する一対のスラスト軸受から構成されていても良い。
(5)上記の実施形態では、第1当接面71aと第2当接面72aとが軸方向Lに当接した状態で、第1連結部材71と第2連結部材72とが互いに連結された構成を例として説明した。しかし、そのような構成に限定されることなく、例えば、第1当接面71a及び第2当接面72aを備えていない構成としても良い。この構成では、第2回転要素E2及び第4回転要素E4のそれぞれに作用するスラスト荷重を直接受け止める軸受を設けると好適である。
(6)なお、上述した各実施形態で開示された構成は、矛盾が生じない限り、他の実施形態で開示された構成と組み合わせて適用することも可能である。その他の構成に関しても、本明細書において開示された実施形態は全ての点で単なる例示に過ぎない。したがって、本開示の趣旨を逸脱しない範囲内で、適宜、種々の改変を行うことが可能である。
本開示に係る技術は、回転電機及び遊星歯車機構を備えた車両用駆動装置に利用することができる。
100:車両用駆動装置、1:回転電機、12:ロータ、2:第1出力部材、3:第2出力部材、4:第1遊星歯車機構、5:第2遊星歯車機構、6:第3遊星歯車機構、E1:第1回転要素、E2:第2回転要素、E3:第3回転要素、E4:第4回転要素、E5:第5回転要素、E6:第6回転要素、E7:第7回転要素、E8:第8回転要素、E9:第9回転要素、NR:非回転部材、W1:第1車輪、W2:第2車輪
Claims (5)
- ロータを備えた回転電機と、
第1車輪に駆動連結される第1出力部材と、
第2車輪に駆動連結される第2出力部材と、
第1回転要素、第2回転要素、及び第3回転要素を備え、前記第1回転要素、前記第2回転要素、及び前記第3回転要素の回転速度の順が記載の順となるように構成された第1遊星歯車機構と、
第4回転要素、第5回転要素、及び第6回転要素を備え、前記第4回転要素、前記第5回転要素、及び前記第6回転要素の回転速度の順が記載の順となるように構成された第2遊星歯車機構と、
第7回転要素、第8回転要素、及び第9回転要素を備え、前記第7回転要素、前記第8回転要素、及び前記第9回転要素の回転速度の順が記載の順となるように構成された第3遊星歯車機構と、を備えた車両用駆動装置であって、
前記第1回転要素は、前記ロータと一体的に回転するように連結され、
前記第2回転要素は、前記第4回転要素と一体的に回転するように連結され、
前記第3回転要素は、前記第7回転要素と一体的に回転するように連結され、
前記第5回転要素は、非回転部材に連結され、
前記第6回転要素は、前記第2出力部材に連結され、
前記第8回転要素は、前記第1出力部材に連結され、
前記第9回転要素は、前記非回転部材に連結されている、車両用駆動装置。 - 前記第1遊星歯車機構は、前記第1回転要素としての第1サンギヤと、前記第2回転要素としての第1キャリヤと、前記第3回転要素としての第1リングギヤと、を備えたシングルピニオン型の遊星歯車機構であり、
前記第2遊星歯車機構は、前記第4回転要素としての第2サンギヤと、前記第5回転要素としての第2キャリヤと、前記第6回転要素としての第2リングギヤと、を備えたシングルピニオン型の遊星歯車機構であり、
前記第3遊星歯車機構は、前記第7回転要素としての第3サンギヤと、前記第8回転要素としての第3キャリヤと、前記第9回転要素としての第3リングギヤと、を備えたシングルピニオン型の遊星歯車機構であり、
前記第1サンギヤと前記第1リングギヤとの歯数比と、前記第2サンギヤと前記第2リングギヤとの歯数比と、前記第3サンギヤと前記第3リングギヤとの歯数比とが同じである、請求項1に記載の車両用駆動装置。 - 前記ロータの回転軸心に直交する方向を径方向とし、前記ロータの回転軸心に沿う方向を軸方向とし、前記軸方向の一方側を軸方向第1側とし、前記軸方向の他方側を軸方向第2側として、
前記第1遊星歯車機構及び前記第3遊星歯車機構は、前記ロータに対して前記軸方向第1側に配置され、
前記第2遊星歯車機構は、前記ロータに対して前記軸方向第2側に配置され、
前記ロータと前記第1回転要素とが、ロータ軸を介して一体的に回転するように連結され、
前記ロータ軸は、前記軸方向に沿う軸心を有する筒状に形成され、
前記第2回転要素と前記第4回転要素とが、前記ロータ軸に対して前記径方向の内側に配置された連結軸を介して、一体的に回転するように連結され、
前記連結軸の内部に、軸内油路が形成され、
前記軸内油路に油を供給する供給油路が、前記ロータと前記第2遊星歯車機構との前記軸方向の間において、前記径方向に延在するように配置されている、請求項1又は2に記載の車両用駆動装置。 - 前記ロータの回転軸心に直交する方向を径方向とし、前記ロータの回転軸心に沿う方向を軸方向として、
前記ロータと前記第1回転要素とが、ロータ軸を介して一体的に回転するように連結され、
前記ロータ軸が、ロータ軸受によって前記軸方向及び前記径方向の双方に支持され、
前記ロータ軸に、前記第1回転要素としてのギヤが一体的に形成されている、請求項1から3のいずれか一項に記載の車両用駆動装置。 - 前記ロータの回転軸心に直交する方向を径方向とし、前記ロータの回転軸心に沿う方向を軸方向とし、前記軸方向の一方側を軸方向第1側とし、前記軸方向の他方側を軸方向第2側として、
前記第1遊星歯車機構及び前記第3遊星歯車機構は、前記ロータに対して前記軸方向第1側に配置され、
前記第2遊星歯車機構は、前記ロータに対して前記軸方向第2側に配置され、
前記ロータと前記第1回転要素とが、ロータ軸を介して一体的に回転するように連結され、
前記ロータ軸は、前記軸方向に沿う軸心を有する筒状に形成され、
前記第2回転要素と前記第4回転要素とが、前記ロータ軸に対して前記径方向の内側に配置された連結軸を介して、一体的に回転するように連結され、
前記連結軸は、前記第2回転要素と一体的に回転するように連結された第1連結部材と、前記第4回転要素と一体的に回転するように連結された第2連結部材と、を備え、
前記第1連結部材は、前記軸方向第2側を向く第1当接面を備え、
前記第2連結部材は、前記軸方向第1側を向く第2当接面を備え、
前記第1連結部材と前記第2連結部材とは、前記第1当接面と前記第2当接面とが前記軸方向に当接した状態で、互いに連結され、
前記第1連結部材は、第1連結軸受によって前記軸方向第1側から前記軸方向に支持され、
前記第2連結部材は、第2連結軸受によって前記軸方向第2側から前記軸方向に支持されている、請求項1から4のいずれか一項に記載の車両用駆動装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2021175518A JP2023064995A (ja) | 2021-10-27 | 2021-10-27 | 車両用駆動装置 |
Applications Claiming Priority (1)
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JP2021175518A JP2023064995A (ja) | 2021-10-27 | 2021-10-27 | 車両用駆動装置 |
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JP2023064995A true JP2023064995A (ja) | 2023-05-12 |
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Family Applications (1)
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JP2021175518A Pending JP2023064995A (ja) | 2021-10-27 | 2021-10-27 | 車両用駆動装置 |
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Country | Link |
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JP (1) | JP2023064995A (ja) |
-
2021
- 2021-10-27 JP JP2021175518A patent/JP2023064995A/ja active Pending
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