〔実施形態〕
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しながら説明する。
図1は、パチンコ遊技機(以下、「パチンコ機」と略称する。)1の正面図である。また、図2は、パチンコ機1の背面図である。以下、図1及び図2を参照しつつパチンコ機1の全体構成について説明する。
ここで、本明細書では、パチンコ機1に相対するようにして着席した遊技者から見て左側を左とし、遊技者から見て右側を右とし、遊技者から見て上側を上とし、遊技者から見て下側を下とし、遊技者から見て手前側を前とし、遊技者から見て奥側を後として説明している。
パチンコ機1は、遊技を実行する遊技機であって、遊技媒体としての遊技球を用いて遊技を行うものである。遊技者は、遊技場運営者から遊技球を借り受けてパチンコ機1にて遊技を行う。なお、パチンコ機1における遊技において、遊技球はその1個1個が遊技価値を有した媒体であり、遊技の成果として遊技者が享受する特典(利益)は、例えば遊技者が獲得した遊技球の数に基づいて遊技価値に換算することができる。
〔全体構成〕
パチンコ機1は、外枠ユニット2、一体扉ユニット4(扉枠、開閉可能な扉部材)及び内枠アセンブリ7(プラ枠、遊技機枠、枠部材、開閉可能な扉部材)を備えている。一体扉ユニット4は、パチンコ機1の最も前面側に配置されており、一体扉ユニット4の背面側(奥側)には内枠アセンブリ7が配置されており、内枠アセンブリ7の外側を囲むようにして外枠ユニット2が配置されている。
外枠ユニット2は、木材及び金属材を縦長の矩形状に組み合わせた構造体であり、この外枠ユニット2は、遊技場内の島設備(図示されていない)に対してねじ等の締結具を用いて固定される。
一体扉ユニット4には、その下部位置に受皿ユニット6が配置されている。受皿ユニット6は、一体扉ユニット4の前方に設けられ、遊技球を貯留可能なユニットである。一体扉ユニット4及び内枠アセンブリ7は、外枠ユニット2を介して島設備に取り付けられ、これらはそれぞれ図示しないヒンジ機構を介して開閉式に動作する。図示しないヒンジ機構の開閉軸線は、パチンコ機1の左側端部に沿って垂直方向に延びている。
図1中の正面からみて内枠アセンブリ7の右側縁部には、その内側に不図示の統一錠ユニットが設けられている。また、これに対応して一体扉ユニット4及び外枠ユニット2の右側縁部(裏側)にも、それぞれ図示しない施錠具が設けられている。図1に示すように、外枠ユニット2に対して一体扉ユニット4及び内枠アセンブリ7が閉じた状態で、その裏側にある統一錠ユニットは施錠具とともに一体扉ユニット4及び内枠アセンブリ7の開放を不能にしている。
また、内枠アセンブリ7の右側縁部には鍵穴付きのシリンダ錠6aが設けられている。例えば、遊技場の管理者が専用キーを鍵穴に差し込んでシリンダ錠6aを時計回りに捻ると、統一錠ユニットが作動して内枠アセンブリ7とともに一体扉ユニット4の開放が可能な状態となる。これら全体を外枠ユニット2から前面側へ開放する(扉のように動かす)と、前面側にてパチンコ機1の裏側が露出することになる。
一方、シリンダ錠6aを反時計回りに捻ると、内枠アセンブリ7は施錠されたままで(内枠アセンブリ7が外枠ユニット2に固定されたままで)、一体扉ユニット4の施錠だけが解除され、一体扉ユニット4が開放可能となる。一体扉ユニット4を前面側へ開放すると遊技盤ユニットが露出し、この状態で遊技場の管理者が盤面内での球詰まり等の障害を取り除くことができる。なお、一体扉ユニット4を開放すると、受皿ユニット6も一緒に前面側へ移動する。
また、パチンコ機1は、不図示の遊技盤ユニット(遊技盤、遊技用ユニット)を備えている。遊技盤ユニットは、一体扉ユニット4の背後(内側)で内枠アセンブリ7に支持されており、一体扉ユニット4を前面側へ開放した状態で内枠アセンブリ7に対して着脱可能である。一体扉ユニット4には、その中央部に縦長形状の窓4aが形成されており、この窓4aを一体扉ユニット4の裏側から覆うようにして透明板ユニット600が取り付けられている。透明板ユニット600は、窓4aの形状をカバーできる大きさにカットされた2枚の透明板(例えば、ガラス板)を組み合わせたものである。透明板ユニット600は、一体扉ユニット4の裏側に図示しない取り付け具を介して取り付けられる。また、遊技盤ユニットの前面には遊技領域が形成されており、この遊技領域は窓4aを通じて前面側から遊技者に視認可能である。一体扉ユニット4が閉じられると、透明板ユニット600の内面と盤面との間に遊技球が流下できる空間が形成される。
なお、透明板ユニット600の詳細な構造や、一体扉ユニット4への取り付け態様については、別の図面を参照しながら詳しく後述する。
遊技盤ユニットには、遊技に必要な要素が配置されており、例えば、普通図柄に対応する始動ゲートや特別図柄に対応する始動入賞口(第1特別図柄に対応する上始動入賞口、可変始動入賞装置に含まれる第2特別図柄に対応する下始動入賞口)、一般入賞口(他穴入賞口)、電動役物(普通電動役物及び特別電動役物(第1大入賞口を有する第1可変入賞装置、第2大入賞口及び確変領域を有する第2可変入賞装置))、図柄表示装置(普通図柄表示装置及び特別図柄表示装置)、統合表示基板、演出表示装置(液晶表示器)等が配置されている。流下した遊技球が始動ゲートを通過したり始動入賞口に入球したりすることにより、普通図柄抽選や特別図柄抽選が実行され、抽選結果に応じて特別遊技(大当り遊技、小当り遊技、普通図柄当り遊技等)が実行される。そして、特別遊技によって遊技者は多くの出球を獲得することができる。このような遊技の進行に関する内容は主制御装置が制御し、演出に関する内容は演出制御装置が主制御装置からのコマンドに基づいて制御する。
受皿ユニット6は、一体扉ユニット4から前面側へ突出して配置されており、その上面に球皿6bが形成されている。球皿6bには、遊技者に貸し出された遊技球(貸球)や入賞により獲得した遊技球(賞球)を貯留することができる。遊技者が借り受けた遊技球は、賞球とは別にパチンコ機1の裏側に設けられた払出装置ユニット172(図2参照)から受皿ユニット6(球皿6b)に払い出される。
受皿ユニット6の上面には図示しない貸出操作部が設けられており、この貸出操作部には、球貸ボタン及び返却ボタンが配置されている。図示しないカードユニットに有価媒体(例えば磁気記録媒体、記憶IC内蔵媒体等)を投入した状態で球貸ボタンを遊技者が操作すると、予め決められた度数単位(例えば5度数)に対応する個数(例えば125個)分の遊技球が貸し出される。また、貸出操作部の上面には図示しない度数表示部が配置されており、この度数表示部には、カードユニットに投入されている有価媒体の残存度数が表示される。なお、遊技者は、返却ボタンを操作することで、度数が残存している有価媒体の返却を受けることができる。
また、受皿ユニット6の左方位置には、球抜きボタン6eが設置されている。球皿6bが満杯になった場合、球抜きボタン6eを押し込み操作することで、球抜き孔が開放状態になり、これにより遊技球をパチンコ機1の下方に落下させることができる。球抜きボタン6eを押し込み操作すると、球皿6bに貯留された遊技球は落下して球皿6bからパチンコ機1の外部に排出され、排出された遊技球は、図示しない球受け箱や遊技球計数装置等に受け止められる。
受皿ユニット6の右下部には、ハンドルユニット16が設置されている。遊技者がこのハンドルユニット16を操作すると、パチンコ機1の裏側に配置された発射制御基板セット174(図2参照)が作動し、遊技領域に向けて遊技球を発射することができる(発射装置)。発射された遊技球は、遊技盤ユニットの下縁部から左側縁部に沿って上昇し、図示しない外バンドに案内されて遊技領域内に放り込まれる。遊技領域内には多数の障害釘や風車(いずれも図示されていない)等が配置されており、放り込まれた遊技球は障害釘や風車により誘導・案内されながら遊技領域内を流下する。
パチンコ機1には、透明板ユニット600を取り巻くようにして上ランプ46、左ランプ48、右ランプ50、下ランプ52が設置されている。これらのランプは、例えば内蔵するLEDの発光(点灯や点滅、輝度階調の変化、色調の変化等)により光演出を実行する。
〔スピーカ〕
また、パチンコ機1には、上ランプ46の左側に配置された左上スピーカ54aや、上ランプ46の右側に配置された右上スピーカ54b、受皿ユニット6の左側に配置された左中スピーカ54eや、受皿ユニット6の右側に配置された右中スピーカ54f、一体扉ユニット4の下部に配置された幕板スピーカ54gが組み込まれている。これらのスピーカも、上述したランプ46,48,50,52と同様に透明板ユニット600を取り巻くようにして、正面視で透明板ユニット600と重ならないように配置されている。これらのスピーカは、効果音やBGM、音声等(音響全般)を出力して音演出を実行する。
〔上部アタッチメント〕
一体扉ユニット4の上部には、上部アタッチメント400が取り付けられている。上部アタッチメント400は、上ランプ46、左上スピーカ54a、右上スピーカ54bに加え、これらの部品を制御するIC等や上部表面の意匠をなす意匠カバー部410を含んでいる。上部アタッチメント400は、一体扉ユニット4に取り付け可能(取り外し可能、交換可能)であり、上部アタッチメント認証ID(所定の識別情報)を有する取り付け部材である。上部アタッチメント400は、演出制御装置と通信可能である。
例えば、A機種にはA機種用の上部アタッチメントを取り付ける必要がある。A機種にB機種用の上部アタッチメントを取り付けても、B機種用の上部アタッチメントは正常に動作しない。この点は、下部アタッチメントにおいても同様である。正しい組み合わせであるか否か(アタッチメント認証IDが正常であるか否か)は、アタッチメントから取得するアタッチメント認証IDと、演出制御装置のROM等に記憶されているアタッチメントのID情報とを比較することにより判断することができる。アタッチメント認証IDは、各種センサ(可動体等のセンサ)からの入力信号のように読み込めるようになっている。なお、アタッチメント認証IDは、固定値である。
〔下部アタッチメント〕
一体扉ユニット4の下部中央には、下部アタッチメント500が取り付けられている。下部アタッチメント500は、その中央最上部に設けられたプッシュボタン510(操作手段)、根元からプッシュボタン510までの間を連ねるようにして設けられたレバー部材520(操作手段)、プッシュボタン510の奥側を円弧状に取り囲む操作演出ランプ530等に加え、図示しない駆動機構及びこれらの部品を制御するIC等を含んでいる。下部アタッチメント500は、一体扉ユニット4に取り付け可能(取り外し可能、交換可能)であり、下部アタッチメント認証ID(所定の識別情報)を有する取り付け部材である。
プッシュボタン510及びレバー部材520は、演出上で示される様々な場面で操作を受け付けることが可能である。演出上のある場面ではプッシュボタン510が押し込み操作(1回押下、複数回押下、連打、長押し等)されたり、別の場面ではレバー部材520が遊技者によって手前側に引き込み操作(1回引き込み、長引き等)されたりする。そして、遊技者がプッシュボタン510又はレバー部材520を操作することにより、入力信号が演出制御装置に入力される。これにより、演出制御装置は、演出内容(例えば液晶表示器に表示される演出の内容)を切り替えたり、図柄の変動中や大当り遊技中に何らかの演出(予告演出、確変昇格演出、大役中の昇格演出等)を発生させたりする。なお、レバー部材520は単なる装飾物であってもよい。
操作演出ランプ530は、一定の間隔で区切られてなる複数の部位(個別の発光部)を有しており、プッシュボタン510又はレバー部材520に対する操作に連動して全ての部位が多色で発光したり、或いは、これらの部位の点灯を1つずつ増加又は減少させることにより遊技者に指定された操作を行うことが可能な時間(操作有効時間)を知らせるタイムカウント用ランプとして機能したりする。
下部アタッチメント500(プッシュボタン510、レバー部材520、操作演出ランプ530等)は、正面視で透明板ユニット600と重なる位置に配置されている。
その他に、受皿ユニット6の上面には、貸出操作部に隣接して方向キー(不図示)が設置されている。方向キーは上下左右の方向を示す4つのキースイッチを十字形状に配列したものであり、各方向別のキースイッチは独立して押し込み操作可能である。遊技者は演出上の様々な場面で方向キーを押し込み操作することで、液晶表示器の画面上に表示されるカーソル等を任意に移動させることができる。
〔裏側の構成〕
図2に示すように、パチンコ機1の裏側には、電源制御ユニット162や主制御基板ユニット170、払出装置ユニット172、流路ユニット173、発射制御基板セット174、払出制御基板ユニット176、演出制御基板ユニット178等が設置されている。この他にパチンコ機1の裏側には、パチンコ機1の電源系統や制御系統を構成する各種の電子機器類(図示しない制御コンピュータを含む)や外部端子板160、電源コード(電源プラグ)164、アース線(アース端子)166、図示しない接続配線等が設置されている。なお、電子機器類については別のブロック図を参照しながらさらに後述する。
主制御基板ユニット170には、主制御装置が内蔵されており、主制御装置には、性能表示モニタ200が接続されている。性能表示モニタ200は、パチンコ機1を裏側から見て、主制御基板ユニット170の左上の領域に視認可能な態様で主制御装置に配置されており、4つの7セグメントLEDを備えている。4個の7セグメントLEDは左右方向に並べて配置されており、それぞれの7セグメントLEDは、10進数のアラビア数字を表示することができる7つのセグメントと、その右下に位置するドットセグメントとによって構成されている。性能表示モニタ200は、主制御基板ユニット170を覆っている透明ケースを通じて視認可能である。
また、主制御装置には、RAMクリアスイッチ304及び設定キー用鍵穴306が設けられている。RAMクリアスイッチ304は、RAMクリア、すなわち主制御装置内に装備されているRAM(RWM)の初期化を行う際に用いられるスイッチであり、本実施形態においては、設定変更用のスイッチとしても兼用される。設定キー用鍵穴306は、パチンコ機1の遊技に関する設定を変更又は参照する上で必要とされる設定キーを差し込むための鍵穴である。
RAMクリアスイッチ304は、主制御基板ユニット170を覆っている透明ケースに形成された貫通孔を通じて押下可能に設けられている。なお、RAMクリアスイッチ304は、透明ケース外に配置されていてもよい。また、設定キー用鍵穴306は、キーシリンダが透明ケースを貫通した状態(透明ケースがキーシリンダの周囲を囲んだ状態)で設けられている。したがって、透明ケースが封止されたままの状態で設定キーを差し込み、回転させることが可能である。
なお、性能表示モニタ200やRAMクリアスイッチ304、設定キー用鍵穴306の配設位置は、あくまで一例であり、任意の位置に配置することができる。また、性能表示モニタ200やRAMクリアスイッチ304、設定キー用鍵穴306は、主制御装置の外側に設けられて主制御装置に接続される構成としてもよい。
払出装置ユニット172は、例えば賞球タンク172a及び賞球ケース(参照符号なし)を有しており、このうち賞球タンク172aは内枠アセンブリ7の上縁部(裏側)に設置された状態で、図示しない補給経路から補給された遊技球を蓄えることができる。賞球タンク172aに蓄えられた遊技球は、図示しない上側賞球樋を通じて賞球ケースに導かれる。流路ユニット173は、払出装置ユニット172から送り出された遊技球を前面側の受皿ユニット6に向けて案内する。払出制御基板ユニット176には、払出制御装置が内蔵されており、演出制御基板ユニット178には、演出制御装置が内蔵されている。
また、外部端子板160は、パチンコ機1を外部の電子機器(例えばデータ表示装置、ホールコンピュータ等)に接続するためのものであり、この外部端子板160からは、パチンコ機1の遊技進行状態やメンテナンス状態等を表す各種の外部情報信号(例えば賞球情報、扉開放情報、図柄確定回数情報、大当り情報、始動口情報等)が外部の電子機器に向けて出力されるものとなっている。
電源コード164は、例えば遊技場の島設備に設置された電源装置(例えばAC24V)に接続されることで、パチンコ機1の動作に必要な電源(電力)を確保するものである。また、アース線166は、同じく島設備に設置されたアース端子に接続されることで、パチンコ機1のアース(接地)を確保するものである。
図3は、一体扉ユニットを単独で示す図である。
上述したように、一体扉ユニット4に対しては、その前面側上部に上部アタッチメント400(図1参照)を取り付け可能であり、前面側下部中央に下部アタッチメント500(図1参照)を取り付け可能であり、背面側中央部(窓4aを覆う位置)に透明板ユニット600(図1参照)を取り付け可能である。そして、一体扉ユニット4から、上部アタッチメント400、下部アタッチメント500、透明板ユニット600を取り外すと、図3に示す状態となる。
〔透明板ユニットの構造〕
図4は、透明板ユニット600の正面図である。
透明板ユニット600は、2枚の透明板が接着されるフレーム610と、フレーム610に対し前面側(前方)から接着される第1透明板620と、背面側(後方)から接着される第2透明板622(図4には図示されていない)と、フレーム610の上部に形成された空気孔を覆う空気孔蓋630(蓋部)とを含んでいる。
また、フレーム610は、左右の下部に脚部618a,618b(第2係合部)を有しているとともに、左右の肩部に係合孔619a,619b(第1係合部)を有している。脚部618a,618b及び係合孔619a,619bは、透明板ユニット600を一体扉ユニット4に取り付ける際に用いられる。脚部618aと脚部618bとの間隔は、係合孔619aと係合孔619bとの間隔よりも狭い間隔とされている。脚部618aと脚部618bとの間隔を狭くすることにより、比較的重量のある透明板ユニット600の位置決め作業を容易に行うことができる。
図5は、透明板ユニット600の分解斜視図であり、図6は、透明板ユニット600の一部を拡大して示す図である。以下、図5及び図6を参照しながら、透明板ユニット600の組み立て態様を説明する。なお、図5においては、説明の便宜のため、透明板620,622のそれぞれ上下2か所ずつ合計4か所を一点鎖線でフレーム610に接続させているが、実際には、透明板620,622の外周よりやや内側に沿う位置全体がフレーム610に接続する。
フレーム610は、透明板620,622より大きい開口を形成する外周枠611と、外周枠611の内側に透明板620,622より小さい開口を形成し、外周枠611よりも前後方向の寸法が小さい内周枠612とを有している。第1透明板620は、その背面の外周よりもやや内側の位置が内周枠612の前面側端部に接着され、第2透明板622は、その前面の外周よりもやや内側の位置(図中に破線で示した位置)が内周枠612の背面側端部に接着される。2枚の透明板620,622は、内周枠612に接着されることで外周枠611の開口内部に収まった状態となる。
2枚の透明板620,622は、内周枠612に対し接着剤等を用いて1枚ずつ接着されて固定される。図5に示されるように、フレーム610の上部は円弧状の形状をなしており、また図6中(A)に示されるように、その頂部付近には、外周枠611の前後方向における略中央の位置に3個の空気孔614a,614b,614c(以下、これらを総括して「空気孔614」と称する場合がある。)が略等間隔で形成されている。空気孔614a,614b,614cは、円弧面の接線に対して垂直方向に孔が貫通するように配置されている。
このような構造により、2枚の透明板620,622のうち一方を内周枠612に接着した後に他方を内周枠612に接着する際に、空気が内部に閉じ込められることがなく、内部の空気を空気孔614a,614b,614cを介して外部に逃がすことができるため、後から接着する透明板を内周枠612に対して容易に密着させることができる。また、空気孔614a,614b,614cをフレーム610の上部に設けることにより、透明板ユニット600を一体扉ユニット4に取り付ける際の空間上の制約を受けにくくすることができる。
また、空気孔614a,614b,614cは、左右方向でみると脚部618aと脚部618bとの間隔よりも狭い範囲内に設けられており、上下方向でみると係合孔619a,619bの位置よりも上方に配置されている。空気孔614a,614b,614cの左右方向における配置範囲を狭くして透明板ユニット600の上部に配置することにより、複数の空気孔が上部の狭い範囲内に集約されるため、個々の空気孔の径が小さくても空気を循環させ易くなり、内部に湿気が溜まるのを防止することができる。
なお、空気孔614の上端(外部側の端縁)は、外周枠611の枠面上に設けられているが、外周枠面よりも窪んだ位置に設けてもよい。また、フレーム610の頂部での通気を可能とするために、複数の空気孔のうち少なくとも1つが頂部に配置されていれば、空気孔614の数はいくつであってもよいが、奇数であることが好ましい。さらに、複数の空気孔614の間隔は、フレーム610の強度を確保するために、少なくとも遊技球の直径(11.0mm)を超える大きさとすることが好ましい。
空気孔蓋630は、2枚の透明板620,622がフレーム610に対して接着された後にフレーム610の上部に取り付けられる。図6中(A)に示されるように、フレーム610の上部には、空気孔614a,614b,614cが形成された部位の背面側及び左右両側に壁が起立している。また、背面側の壁にはピン受け孔616a,616bが形成されており、背面側の壁と左右両側の各壁の境界部にはツメ受け部617a,617bが形成されている。また、図6中(B)に示されるように、空気孔蓋630は、その上面をなす上板632と、その前面をなす前板634とを有しており、上板632の下方には位置決めピン636a,636bが形成されており、前板634の左右両側に嵌合ツメ637a,637bが形成されている。空気孔蓋630は、位置決めピン636a,636bをそれぞれピン受け孔616a,616bに合わせるようにして、嵌合ツメ637a,637bをそれぞれツメ受け部617a,617bに嵌め合わせることで、フレーム610に対して取り付けられて固定される。
ところで、フレーム610に取り付けられた空気孔蓋630は、上板632が空気孔614a,614b,614cの上方を覆うが、上板632には空気孔蓋630の着脱を容易とするための切欠き部638が設けられており、また、嵌合ツメ637a,637bとツメ受け部617a,617bとの嵌合部にも多少の空隙がある。このように、空気孔蓋630は、フレーム610の上部を密閉するものではない。
なお、空気孔蓋630又はこれを受け入れるためにフレーム610の上部に起立する壁部には、通気性をより良くするために、遊技盤ユニットに対向する側の位置、すなわち、透明板ユニット600の取り付け先となる一体扉ユニット4の背面に設けられた透明板ユニット着脱部材に対向しない側の位置に設けてもよい。或いは、これとは別の位置に空隙を設けてもよいし、空気孔蓋630に設けられた空隙と重ならない位置に別の空気孔をさらに設けてもよい。透明板ユニット着脱部材については、別の図面を用いて詳しく後述する。
図7は、組み立て過程における透明板ユニット600の一部を拡大して示す垂直断面図(図4中のVII-VII線に沿う断面図)である。図示の例においては、2枚の透明板620,622のうち、先に第2透明板622がフレーム610(内周枠の背面側端部612b)に対して接着され、この後で第1透明板620がフレーム610(内周枠の前面側端部612a)に接着されるという段階での状態を表している。
断面の位置には、3個の空気孔614a,614b,614cのうち中央の空気孔614bが形成されており、その奥には左側に形成された空気孔614cが見えている。第1透明板620をフレーム610に接着させる際には、第1透明板620が図中の黒塗り矢印の方向に移動されることでフレーム610と2枚の透明板620,622とによって空気が挟まれる。このとき、フレーム610の上部には空気孔614が形成されているため、挟まれた空気は内部に閉じ込められることなく、空気孔を通過して図中の白抜き矢印の方向に逃がされる。したがって、後から接着する透明板をフレーム610に対して容易に密着させることができ、透明板を2枚とも確実にフレーム610に対して密着させることができる。
なお、上記の例においては、フレーム610に対して第2透明板622を接着した後に第1透明板620を接着しているが、2枚の透明板620,622を接着する順序はこれに限定されない。
図8は、完成した状態の透明板ユニット600の一部を拡大して示す垂直断面図(図4中のVII-VII線に沿う断面図)である。
第1透明板620が内周枠の前面側端部612aに接着され、第2透明板622が内周枠の背面側端部612bに接着されると、2枚の透明板620,622の間には遊技球の直径(11.0mm)よりも狭い8.9mmの間隔が保持される。これにより、透明板ユニット600の内部には、フレーム610及び2枚の透明板620,622により区画された内部空間640が形成されている。
断面の位置には、3個の空気孔614a,614b,614cのうち中央の空気孔614bが形成されており、その奥には左側に形成された空気孔614cが見えている。空気孔は、内部空間640とその外部の空間とを連通させる。また、これらの空気孔614の上方は空気孔蓋630に覆われているが、上述したように、空気孔蓋630はフレーム610の上部を密閉するものではなく、空気孔614を介して放出された内部空間の空気を空気孔蓋630の外部に逃がすことができ、内部空間640の通気性を確保して内部空間に湿気が溜まって透明板が曇ったり結露したりするのを防止することができる。
また、空気孔614bの断面に示されるように、各空気孔614a,614b,614cは、上側が先細りになった(フレーム610の内側から外側に向かって先細りになった)テーパー形状をなしており、その最上部の直径は2.5mmに設計されている。この寸法は、遊技盤ユニットに設置された遊技釘の頭部の直径が4.3mmであることを踏まえ、それより小さく設計されたものである。空気孔614の最上部の直径をこのような寸法とすることにより、万一遊技釘が折損して頭部側が落下したり遊技釘が遊技盤ユニットから外れたりした場合でも、こうした遊技釘やごみ等が内部空間640に進入するのを防止することができる。なお、空気孔614の形状は、最上部の直径が4.3mm未満であれば、先細りになる方向を逆にしてもよいし、或いは、一定の直径を有する筒状の形状としてもよい。
フレーム610の前面側端部には、空気孔蓋630の前板より少し前に突出した凸部610p(不正防止部)が形成されており、フレーム610と第1透明板620の前面との間には空気孔614の最上部の直径(2.5mm)よりも小さい段差(2.0mm)が存在する。これに対し、フレーム610の背面側には突出した部位は形成されておらず、フレーム610と第2透明板622の背面との間には段差がほとんど無くフラットな状態(いわゆる面一)となっている。
なお、上述したように、空気孔614は外周枠611の前後方向における略中央の位置に形成されているが、より正確には、凸部610pが設けられることにより、空気孔614は図8に示されるように前後方向における中央よりも少し後方に形成されている。すなわち、内部空間640の前後方向における略中央に空気孔614を位置させるようにするものである。こうすることで、フレーム610を上から見ただけで空気孔614がどちら側に寄っているか(凸部610pがどちら側に設けられているか)を判別可能となり、透明板ユニット600の誤装着を防止することができる。とはいえ、空気孔614は、内部空間640の上方に配置されていればよく、外周枠611の前後方向における略中央の位置であってもよいし、前方寄りの位置であってもよい。
〔透明板ユニットの取り付け態様〕
図9は、透明板ユニット600が一体扉ユニット4に取り付けられた状態を示す背面図である。
上述したように、透明板ユニット600には、一体扉ユニット4に取り付ける際に用いられる脚部618a,618b及び係合孔619a,619b(図4参照)が設けられている。一方、一体扉ユニット4には、透明板ユニット600の取り付け先となる透明板ユニット着脱部材650(着脱部)が設けられている。透明板ユニット着脱部材650には、透明板ユニット600に設けられた上記の各部位を受け入れるために、左右の肩部に突出部652a,652b及び回転留め具654a,654bが設けられているとともに、左右の下部に脚受け部651a,651bが設けられている。透明板ユニット600が有する取り付け用の部位と透明板ユニット着脱部材650が有する部位とを係合させることで、透明板ユニット600は一体扉ユニット4の中央部に形成された窓4aの全域を背面側から塞ぐようにして取り付けられる。
図10は、透明板ユニット600の一体扉ユニット4への取り付け態様を示す分解斜視図である。
透明板ユニット600を一体扉ユニット4に取り付ける際には、先ず、透明板ユニット600に設けられた脚部618a,618bを透明板ユニット着脱部材650に設けられた脚受け部651a,651bに挿入することで透明板ユニット600の位置決めがなされる。その上で、透明板ユニット600の上部を前方に押し込むと、透明板ユニット着脱部材650の外周をなす外周縁656の内部に透明板ユニット600の前面側の一部が収まり、透明板ユニット600に設けられた係合孔619a,619bを透明板ユニット着脱部材650に設けられた突出部652a,652bが貫通する。この状態で、透明板ユニット着脱部材650に設けられた回転留め具654a,654bをそれぞれの軸回りに回転させてフレーム610の左右の肩部を押さえ込むことで、透明板ユニット600が透明板ユニット着脱部材650(一体扉ユニット4)に対して固定される。
図11は、透明板ユニット600の取り付け過程における一体扉ユニット4の一部を拡大して示す垂直断面図(図9中のXI-XI線に沿う断面図)である。
意匠カバー部410の第1透明板620に対向する位置(背面側端部)には、凸部410pが形成されている。また、フレーム610の一体扉ユニット4に対向する位置(前面側端部)には、凸部610pが形成されている。なお、説明の便宜のため、図11においては透明板ユニット600の上部及びこれに対抗する一体扉ユニット4の一部のみを示しているが、凸部410pは、意匠カバー部410が第1透明板620に対向する周方向の全域にわたって形成されており、凸部610pは、フレーム610が一体扉ユニット4に対向する周方向の全域にわたって形成されている。
図12は、一体扉ユニット4の一部を拡大して示す垂直断面図(図9中のXI-XI線に沿う断面図)である。このうち、(A)は、実施形態の透明板ユニット600及び意匠カバー部410(上部アタッチメント400)が取り付けられた状態の一体扉ユニット4を示しており、(B)は、比較例として、実施形態の透明板ユニット600から凸部610pをなくした透明板ユニット600´、及び、実施形態の意匠カバー部410から凸部410pをなくした意匠カバー部410´が取り付けられた状態の一体扉ユニット4を示している。
透明板ユニット600が一体扉ユニット4に取り付けられた状態においては、内部空間640とその外部の空間とが良好に連通可能となるように、一体扉ユニット4の背面に設けられた外周縁656(透明板ユニット着脱部材650)が複数の空気孔614の直上方向を覆わないようになっている。このような構造により、内部空間640の通気性を一段と確実に確保することができる。また、透明板ユニット600の配置領域を区画可能となるため、その領域に進入しないように配線を引き回すことができ、組み立て時の作業効率を向上させることができる。
また、本実施形態においては上述したように、意匠カバー部410の背面側端部に凸部410pが形成されているとともに、フレーム610の前面側端部に凸部610pが形成されている。透明板ユニット600が一体扉ユニット4に取り付けられると、図12中(A)に示されるように、凸部410pが第1透明板620の前面に接触することで意匠カバー部410と透明板ユニット600との間に隙間がない状態となるとともに、凸部610pが一体扉ユニット4の背面に接触することで透明板ユニット600と一体扉ユニット4との間に隙間がない状態となる。
そのため、遊技者が針金等のゴト部材を隙間から挿入し透明板ユニット600の後方に位置する遊技盤ユニット8まで進入させて不正行為を行おうと試みると、意匠カバー部410と透明板ユニット600との接触部が先ず第1関門となる。この位置には隙間がなく、凸部410pが返しとなるため、ゴト部材を挿入することが極めて困難である。ここで仮に、第1関門を辛うじて通過できたとしても、その後には透明板ユニット600と一体扉ユニットとの接触部が第2関門として待ち受けている。この位置にも隙間がなく、凸部610pが返しとなるため、やはりゴト部材を通過させることはほぼ不可能である。したがって、実施形態の構造によれば、ゴト部材を用いた遊技盤ユニット8に対する不正行為を未然に回避することができる。
これに対し、図12中(B)に示されるように、比較例においては意匠カバー部410´の背面側端部に凸部が形成されておらず、また、フレーム610´の前面側端部に凸部が形成されていないため、意匠カバー部410´と透明板ユニット600´との間に隙間が生じており、また、透明板ユニット600´と一体扉ユニット4との間にも隙間が生じている。そのため、遊技者がゴト部材を隙間から挿入し透明板ユニット600の後方に位置する遊技盤ユニット8まで進入させることが不可能ではない。したがって、比較例の構造では、ゴト部材を用いた遊技盤ユニット8に対する不正行為を回避することが困難である。以上の比較から、実施形態の優位性は明らかである。
なお、実施形態においては、フレーム610が一体扉ユニット4に対向する周方向の全域にわたって凸部610pが形成されているが、これとは反対側、すなわち遊技盤ユニット8に対向する側の周方向の全域にわたって凸部610pが形成されてもよいし、一体扉ユニット4に対向する側及び遊技盤ユニット8に対向する側の両側の周方向の全域にわたって凸部610pが形成されてもよい。遊技盤ユニット8に対向する側に凸部610pを形成することにより、ゴト部材が遊技盤ユニット8に進入する直前の段階において不正行為を未然に回避することが可能となる。
図13は、統合表示基板89を示す図である。統合表示基板89は、遊技盤ユニット8の所定位置(遊技者が視認可能な位置)に配置されており、主制御装置70により点灯制御される。統合表示基板89には、窓4a内の左下位置に普通図柄表示装置33及び普通図柄作動記憶ランプ33aが設けられている他、第1特別図柄表示装置34、第2特別図柄表示装置35及び遊技状態表示装置38が設けられている。
このうち普通図柄表示装置33は、例えば2つのランプ(LED)を交互に点灯させて普通図柄を変動表示し、そしてランプの点灯又は消灯により普通図柄を停止表示する。普通図柄作動記憶ランプ33aは、例えば2つのランプ(LED)の消灯又は点灯、点滅の組み合わせによって0~4個の記憶数を表示する。例えば、2つのランプをともに消灯させた表示態様では記憶数0個を表示し、1つのランプを点灯させた表示態様では記憶数1個を表示し、同じ1つのランプを点滅させた表示態様では記憶数2個を表示し、1つのランプの点滅に加えてもう1つのランプを点灯させた表示態様では記憶数3個を表示し、そして2つのランプをともに点滅させた表示態様では記憶数4個を表示する、といった具合である。なお、ここでは2つのランプ(LED)を使用することとしているが、4つのランプ(LED)を使用して普通図柄作動記憶ランプ33aを構成してもよい。この場合、点灯するランプの個数で作動記憶数を表示することができる。
普通図柄作動記憶ランプ33aは、始動ゲートを遊技球が通過すると、その都度、作動抽選の契機となる通過が発生したことを記憶する意味で1個ずつ増加後の表示態様へと変化していき(最大4個まで)、その通過を契機として普通図柄の変動が開始されるごとに1個ずつ減少後の表示態様へと変化していく。なお、本実施形態では、普通図柄作動記憶ランプ33aが未点灯(記憶数が0個)の場合、普通図柄が既に変動開始可能な状態(停止表示時)で始動ゲートを遊技球が通過しても表示態様は変化しない。すなわち、普通図柄作動記憶ランプ33aの表示態様によって表される記憶数(最大4個)は、その時点で未だ普通図柄の変動が開始されていない通過の回数を表している。
また、第1特別図柄表示装置34及び第2特別図柄表示装置35は、例えばそれぞれ7セグメントLED(ドット付き)により、対応する第1特別図柄又は第2特別図柄の変動状態と停止状態とを表示することができる(図柄表示手段)。なお、第1特別図柄表示装置34や第2特別図柄表示装置35は、複数のドットLEDを幾何学的(例えば円形状)に配列した形態であってもよい。
また、第1特別図柄作動記憶ランプ34a及び第2特別図柄作動記憶ランプ35aは、例えばそれぞれ2つのランプ(LED)の消灯又は点灯、点滅の組み合わせで構成される表示態様により、それぞれ0~4個の記憶数を表示する(記憶数表示手段)。例えば、2つのランプをともに消灯させた表示態様では記憶数0個を表示し、1つのランプを点灯させた表示態様では記憶数1個を表示し、同じ1つのランプを点滅させた表示態様では記憶数2個を表示し、1つのランプの点滅に加えてもう1つのランプを点灯させた表示態様では記憶数3個を表示し、そして、2つのランプをともに点滅させた表示態様では記憶数4個を表示する、といった具合である。
第1特別図柄作動記憶ランプ34aは、第1特別図柄に対応する上始動入賞口に遊技球が入球するごとに、上始動入賞口に遊技球が入球したことを記憶する意味で1個ずつ増加後の表示態様へと変化していき(最大4個まで)、その入球を契機として特別図柄の変動が開始されるごとに1個ずつ減少後の表示態様へと変化していく。また、第2特別図柄作動記憶ランプ35aは、第2特別図柄に対応する下始動入賞口(可変始動入賞装置)に遊技球が入球するごとに、下始動入賞口に遊技球が入球したことを記憶する意味で1個ずつ増加後の表示態様へと変化し(最大4個まで)、その入球を契機として特別図柄の変動が開始されるごとに1個ずつ減少後の表示態様へと変化する。なお、本実施形態では、第1特別図柄作動記憶ランプ34aが未点灯(記憶数が0個)の場合、第1特別図柄が既に変動開始可能な状態(停止表示時)で上始動入賞口に遊技球が入球しても表示態様は変化しない。また、第2特別図柄作動記憶ランプ35aが未点灯(記憶数が0個)の場合、第2特別図柄が既に変動開始可能な状態(停止表示時)で下始動入賞口に遊技球が入球しても表示態様は変化しない。すなわち、各特別図柄作動記憶ランプ34a,35aの表示態様により表される記憶数(最大4個)は、その時点で未だ第1特別図柄又は第2特別図柄の変動が開始されていない入球の回数を表している。
また、遊技状態表示装置38には、例えば大当り種別表示ランプ38a,38b,38c、確率変動状態表示ランプ38d、時短状態表示ランプ38e、発射位置指定ランプ38fにそれぞれ対応するLEDが含まれている。なお、本実施形態では、上述した普通図柄表示装置33や普通図柄作動記憶ランプ33a、第1特別図柄表示装置34、第2特別図柄表示装置35、第1特別図柄作動記憶ランプ34a、第2特別図柄作動記憶ランプ35a及び遊技状態表示装置38が1枚の統合表示基板89(第2の表示手段)に実装された状態で遊技盤ユニット8に取り付けられている。
統合表示基板89に実装されたこれらのLEDランプは、その点灯又は消灯の切り替えを制御する目的で、異なる4つの制御領域(以下、「コモン」と称する)に区分けされている。見方を変えると、統合表示基板89には4つのコモンが存在し、個々のランプはいずれか1つのコモンに属している。本実施形態においてはダイナミック点灯方式が採用されており、ランプの駆動は割込周期(例えば4ms)の間隔をおいてコモン単位で順に行われる。したがって、統合表示基板89に実装された全てのランプが同時に駆動されることはない。
〔制御上の構成〕
次に、パチンコ機1の制御に関する構成について説明する。図14は、パチンコ機1に装備された各種の電子機器類を示すブロック図である。パチンコ機1は、制御動作の中枢となる主制御装置70(主制御用コンピュータ)を備えており、この主制御装置70は主に、パチンコ機1における遊技の進行を制御する機能を有している。なお、主制御装置70は、主制御基板ユニット170に内蔵されている。
また、主制御装置70には、中央演算処理装置である主制御CPU72を実装した回路基板(主制御基板)が装備されており、主制御CPU72は、図示しないCPUコアやレジスタとともにROM74、RAM(RWM)76等の半導体メモリを集積したLSIとして構成されている。また、主制御装置70には、乱数回路75や割込コントローラ(割込CTR)192、パラレルI/Oポート79、タイマ回路(PTC)194、シリアル通信回路(SCU)196が装備されている。このうち乱数回路75は、特別図柄抽選の大当り判定用や普通図柄抽選の当り判定用にハードウェア乱数(例えば10進数表記で0~65535)を発生させるものであり、ここで発生された乱数は主制御CPU72に入力される。また、割込コントローラ192は、パラレルI/Oポート79、タイマ回路194、シリアル通信回路196から各割込要求(XINT割込、PTC割込、SCU割込)を受け付け、これらの割込要求を優先順位に基づき制御する。その他にも主制御装置70には、図示しないクロック発生回路、様々な状態を監視し必要に応じてリセットを発生させるリセットコントローラ等の周辺ICが装備されており、これらは主制御CPU72とともに回路基板上に実装されている。なお、回路基板上(又は内層部分)には、信号伝送経路や電源供給経路、制御用バス等が配線パターンとして形成されている。なお、主制御装置70のI/Oポートはシリアル形式としてもよい。
さらに、主制御装置70には、設定変更装置300、設定キースイッチ302、RAMクリアスイッチ304が設けられている。主制御装置70(主制御CPU72)は、設定変更装置300を動作させることにより設定を変更する。設定変更装置300は、設定(少なくとも特別図柄抽選の当選確率に関する複数段階の設定値)を切り替える装置であり(設定変更手段)、RAMクリアスイッチ304等の操作により作動する。また、設定とは、作動確率の組み合わせをいう。さらに、作動確率とは、条件装置が作動することとなる(大当り遊技が実行されることとなる)特別図柄の組み合わせが表示される確率をいう。設定キースイッチ302は、設定を切り替える上で必須となる設定キーの回転に伴い、その回転状態を示す信号(ON/OFF)を入力する入力装置である。設定の変更の手順は、様々な手法を採用することができるが、例えば、以下の手順で行うことができる。
(1)まず、パチンコ機1の電源をOFFにする。
(2)次いで、専用キー(ドアキー)でパチンコ機1の扉を開ける。具体的には、専用キーをシリンダ錠6aの鍵穴に差し込んで右方向に回転し、内枠アセンブリ7とともに一体扉ユニット4を開放する。
(3)パチンコ機1の裏側には、設定キーを挿入するための設定キー用鍵穴306と、RAMクリアスイッチ304とが設けられているため、設定キー用鍵穴306に設定キーを挿入し、設定キーを右方向に回転する。
(4)そして、パチンコ機1の電源をONにする。
(5)これにより、設定キーが変更位置に回転されたことを示す信号(ON)が設定キースイッチ302により入力され、この入力信号に基づいて設定の変更が可能な状態となる。このとき、図示しないロック機構により安全ロックが掛けられる。したがって、設定キーは、元の位置に戻されない限りは抜き取ることが不可能となる。
ここで、設定キーを右方向に回転した状態で、RAMクリアスイッチ304をONにしながら、電源をONにすると、設定の変更が可能な状態となる。一方、設定キーを右方向に回転した状態で、RAMクリアスイッチ304をONにせずに、電源をONにすると、設定の参照が可能な状態となる。
(6)設定の変更が可能な状態において、RAMクリアスイッチ304を任意の回数だけ押下することにより、予め設けられた複数段階のうちいずれかの段階に設定を変更することができる。
設定値は、例えば、専用の7セグメントLED、遊技状態表示装置38(特別図柄表示装置等)、性能表示モニタ200に表示することができる。
(7)スロット機の場合、目的の設定に達したら、レバーON処理が必要になるが、パチンコ機1にはレバーが存在しないため、レバーON処理の代わりの代替処理(例えば、設定キーを左方向に回転する処理、不図示の設定変更確定ボタンをONにする処理等)を実行したり、レバーON処理を省略したりしてもよい。本実施形態では、目的の設定に達したら、設定キーを反時計回りに回転させて元の位置に戻す。この操作により、設定キーが元の位置に戻されたことを示す信号(OFF)が設定キースイッチ302により入力され、この入力信号に基づいて設定の変更が確定する。
(8)そして、設定の変更が確定すると、設定キー用鍵穴306から設定キーを抜き取ることができる状態となる。また、設定の変更が確定したことに伴い、専用の7セグメントLED、遊技状態表示装置38、性能表示モニタ200に設定値を表示している場合には、その表示が消える。
(9)最後に、パチンコ機1の扉を閉める。これにより、設定の変更が完了する。設定の変更が完了すると、通常の遊技が開始される。
設定が変更された場合、主制御CPU72は、変更後の設定値をRAM76の設定値バッファに記憶する。設定値バッファは、バックアップの対象となるメモリ領域とすることができる。
〔設定変更状態〕
「設定キーON」、「内枠開放状態」、かつ、「RAMクリアスイッチ押下状態」で電源が投入されると、RAMクリア後、設定変更中の状態(設定変更状態、設定変更モード)に移行する。
設定変更中の状態では、メイン表示器(遊技状態表示装置38に含まれる各種ランプ)への表示はなされず、遊技球の発射や遊技球の賞球等は一切できない状態となる。また、性能表示モニタ200において、左側2つの7セグメントLED(識別セグ)に「rn.」が表示されるとともに、右側2つの7セグメントLED(比率セグ)に「-1」のように設定値が表示される。また、RAMクリアスイッチ304が押下されると、設定値が1~6の範囲で変化する。そして、「設定キーOFF」となると、設定が確定され、比率セグの表示は「空欄(非表示)1」のように「-」のセグが消灯する(非表示となる)。
この状態で、「内枠閉鎖状態」となった場合(実際には閉鎖状態が100ms継続した場合)には、設定変更中の状態が終了し、一旦、電源断前の状態に移行してから、遊技可能状態に移行する。
なお、本実施形態では、RAMクリアスイッチ304が設定変更スイッチを兼ねる構成としているが、RAMクリアスイッチ304を兼用せずに設定変更スイッチを別途設ける構成としてもよい。
〔設定確認状態〕
一方、「設定キーON」、「内枠開放状態」、かつ、「RAMクリアスイッチ押下でない状態」で電源が投入されると、設定確認中の状態(設定確認状態、設定確認モード)に移行する。
設定変更中の状態と同様に、設定確認中の状態では、メイン表示器への表示はなされず、遊技球の発射や遊技球の賞球等は一切できない状態となる。また、性能表示モニタにおいて、左側2つの7セグメントLED(識別セグ)に「rn.」が表示されるとともに、右側2つの7セグメントLED(比率セグ)に「空欄(非表示)1」のように設定値が表示される。なお、設定確認中の状態では、RAMクリアスイッチ304が押下されても設定値は変化しない。
この状態で、「設定キーOFF」、かつ、「内枠閉鎖状態」となった場合(実際には閉鎖状態が100ms継続した場合)には、設定確認中の状態が終了し、一旦、電源断前の状態に移行してから、遊技可能状態に移行する。
なお、本実施形態では、遊技可能状態で設定確認を行うことはできないが、遊技可能状態で設定確認を実行可能にしてもよい。
始動ゲートには、遊技球の通過を検出するためのゲートスイッチ78が一体的に設けられている。また、遊技盤ユニット8には、上始動入賞口、可変始動入賞装置(下始動入賞口)、第1可変入賞装置(第1大入賞口)及び第2可変入賞装置(第2大入賞口)のそれぞれに対応して上始動入賞口スイッチ80、下始動入賞口スイッチ82、第1カウントスイッチ84及び第2カウントスイッチ85が装備されている。各始動入賞口スイッチ80,82は、上始動入賞口、可変始動入賞装置(下始動入賞口)への遊技球の入球を検出し、その数をカウントするためのものである。また、第1カウントスイッチ84は、第1可変入賞装置(第1大入賞口)への遊技球の入球を検出し、その数をカウントするためのものである。さらに、第2カウントスイッチ85は、第2可変入賞装置(第2大入賞口)への遊技球の入球を検出し、その数をカウントするためのものである。さらに、確変領域スイッチ95は、第2可変入賞装置の内部に配置された確変領域を遊技球が通過したことを検出するためのスイッチである(検出手段)。
同様に遊技盤ユニット8には、ある普通入賞口への遊技球の入球を検出する第1入賞口スイッチ86と、別の普通入賞口への遊技球の入球を検出する第2入賞口スイッチ81とが装備されている。
いずれにしても、これらスイッチ類の入賞検出信号は、図示しない入出力ドライバを介して主制御CPU72に入力される。なお、遊技盤ユニット8の構成上、本実施形態ではゲートスイッチ78、第1カウントスイッチ84、第2カウントスイッチ85、第1入賞口スイッチ86、第2入賞口スイッチ81、確変領域スイッチ95からの入賞検出信号は、パネル中継端子板87を経由して送信され、パネル中継端子板87には、それぞれの入賞検出信号を中継するための配線パターンや接続端子等が設けられている。
上述した普通図柄表示装置33や普通図柄作動記憶ランプ33a、第1特別図柄表示装置34、第2特別図柄表示装置35、第1特別図柄作動記憶ランプ34a、第2特別図柄作動記憶ランプ35a及び遊技状態表示装置38は、主制御CPU72からの制御信号に基づいて表示動作を制御されている。主制御CPU72は、遊技の進行状況に応じてこれら表示装置33,34,35,38及びランプ33a,34a,35aに対する制御信号を出力し、各LEDの点灯状態を制御している。また、これら表示装置33,34,35,38及びランプ33a,34a,35aは、上述したように1枚の統合表示基板89に実装された状態で遊技盤ユニット8に設置されており、この統合表示基板89にはパネル中継端子板87を中継して主制御CPU72から制御信号が送信される。
また、主制御装置70には、パネル中継端子板87を介して、性能表示モニタ200が接続されている。性能表示モニタ200は、遊技球が各入賞口(始動入賞口、普通入賞口)に入球することによって払い出される賞球数を、遊技領域に発射した遊技球の数を示すアウト数(アウトスイッチ99で検出された遊技球の数)で除算して算出されるベースを表示するためのモニタである。ベースは、遊技を進行させる制御に用いられる使用領域とは別の領域(使用外領域)を用いて予め設定された区間ごとに算出され、現在の区間のベースと、前回の区間のベースとが、予め設定された間隔ごとに切り替わって表示される。性能表示モニタ200は、主制御CPU72からの制御信号に基づいてその表示動作が制御される。主制御CPU72は、ベースの算出状況に応じて性能表示モニタ200に対する制御信号を出力し、各7セグメントの点灯状態を制御する。
なお、性能表示モニタ200は、パネル中継端子板87を介して主制御装置70に接続する例で説明しているが、パネル中継端子板87を介さずに主制御装置70に接続してもよく、主制御装置70の内部の構成として性能表示モニタ200を配置してもよい。
また、遊技盤ユニット8には、可変始動入賞装置、第1可変入賞装置、第2可変入賞装置及び確変領域の上流にそれぞれ対応して普通電動役物ソレノイド88、第1大入賞口ソレノイド90、第2大入賞口ソレノイド97及び確変領域用ソレノイド99が設けられている。これらソレノイド88,90,97,99は主制御CPU72からの制御信号に基づいて動作(励磁)し、それぞれ可変始動入賞装置28、第1可変入賞装置及び第2可変入賞装置を開閉動作(作動)させたり、確変領域を開閉するための羽根部材を可動させたりする。なお、これらソレノイド88,90,97,99についてもパネル中継端子板87を中継して主制御CPU72から制御信号が送信される。
その他に一体扉ユニット4にはガラス枠開放スイッチ91が設置されており、また、内枠アセンブリ7にはプラ枠開放スイッチ93が設置されている。一体扉ユニット4が単独で開放されると、ガラス枠開放スイッチ91からの接点信号が主制御装置70(主制御CPU72)に入力され、また、外枠ユニット2から内枠アセンブリ7が開放されると、プラ枠開放スイッチ93からの接点信号が主制御装置70(主制御CPU72)に入力される。主制御CPU72は、これら接点信号から一体扉ユニット4や内枠アセンブリ7の開放状態を検出することができる。なお、主制御CPU72は、一体扉ユニット4や内枠アセンブリ7の開放状態を検出すると、外部情報信号として扉開放情報信号を生成する。
パチンコ機1の裏側には、払出制御装置92が装備されている。この払出制御装置92(払出制御コンピュータ)は、上述した払出装置ユニット172の動作を制御する。払出制御装置92には、払出制御CPU94を実装した回路基板(払出制御基板)が装備されており、この払出制御CPU94もまた、図示しないCPUコアとともにROM96、RAM98等の半導体メモリを集積したLSIとして構成されている。払出制御装置92(払出制御CPU94)は、主制御CPU72からの賞球指示コマンドに基づいて払出装置ユニット172の動作を制御し、要求された個数の遊技球の払出動作を実行させる。なお、主制御CPU72は賞球指示コマンドとともに、外部情報信号として賞球情報信号を生成する。
払出装置ユニット172の図示しない賞球ケース内には、払出モータ102(例えばステッピングモータ)とともに払出装置基板100が設置されており、この払出装置基板100には払出モータ102の駆動回路が設けられている。払出装置基板100は、払出制御装置92(払出制御CPU94)からの払出数指示信号に基づいて払出モータ102の回転角度を具体的に制御し、指示された数の遊技球を賞球ケースから払い出させる。払い出された遊技球は、流路ユニット173内の払出流路を通って受皿ユニット6に送られる。
また、例えば賞球ケースの上流位置には払出路球切れスイッチ104が設置されている他、払出モータ102の下流位置には払出計数スイッチ106が設置されている。払出モータ102の駆動により実際に賞球が払い出されると、その都度、払出計数スイッチ106からの計数信号が払出装置基板100に入力される。また、賞球ケースの上流位置で球切れが発生すると、払出路球切れスイッチ104からの接点信号が払出装置基板100に入力される。払出装置基板100は、入力された計数信号や接点信号を払出制御装置92(払出制御CPU94)に送信する。払出制御CPU94は、払出装置基板100から受信した信号に基づき、実際の払出数や球切れ状態を検知することができる。
また、パチンコ機1には、例えば球皿6bの内部(パチンコ機1の正面からみて奧の位置)に満タンスイッチ161が設置されている。実際に払い出された賞球(遊技球)は流路ユニット173を通じて球皿6bに放出され、球皿6bが遊技球で満杯になると、それによって満タンスイッチ161がONになり、満タン検出信号が払出制御装置92(払出制御CPU94)に入力される。これを受けて払出制御CPU94は、主制御CPU72から賞球指示コマンドを受信してもそれ以上の賞球動作を一旦保留とし、未払出の賞球残数をRAM98に記憶させておく。なお、RAM98の記憶は電源断時にもバックアップが可能であり、遊技中に停電(瞬間的な停電を含む)が発生しても、未払出の賞球残数情報が消失してしまうことはない。
また、パチンコ機1の裏側には、発射制御基板108とともに発射ソレノイド110が設置されている(球発射手段)。また、受皿ユニット6内には球送りソレノイド111が設けられている。これら発射制御基板108、発射ソレノイド110及び球送りソレノイド111は上述した発射制御基板セット174を構成しており、このうち発射制御基板108には発射ソレノイド110及び球送りソレノイド111の駆動回路が設けられている。このうち球送りソレノイド111は、受皿ユニット6内に蓄えられた遊技球を1個ずつ、発射機ケース内で所定の発射位置に送り出す動作を行う。また、発射ソレノイド110は、発射位置に送り出された遊技球を打撃し、上述したように遊技領域8aに向けて遊技球を1個ずつ連続的(間欠的)に打ち出す動作を行う。なお、遊技球の発射間隔は、例えば0.6秒程度の間隔(1分間で100個以内)である。
一方、パチンコ機1の表側に位置するハンドルユニット16には、発射レバーボリューム112、タッチセンサ114及び発射停止スイッチ116が設けられている。このうち発射レバーボリューム112は、遊技者による発射ハンドルの操作量(いわゆるストローク)に比例したアナログ信号を生成する。また、タッチセンサ114は、静電容量の変化から遊技者の身体がハンドルユニット16(発射ハンドル)に触れていることを検出し、その検出信号を出力する。そして、発射停止スイッチ116は、遊技者の操作に応じて発射停止信号(接点信号)を生成する。
受皿ユニット6には発射中継端子板118が設置されており、発射レバーボリューム112やタッチセンサ114、発射停止スイッチ116からの各信号は、発射中継端子板118を経由して発射制御基板108に送信される。また、発射制御基板108からの駆動信号は、発射中継端子板118を経由して球送りソレノイド111に印加される。遊技者が発射ハンドルを操作すると、その操作量に応じて発射レバーボリューム112でアナログ信号(エンコードされたデジタル信号でもよい)が生成され、このときの信号に基づいて発射ソレノイド110が駆動される。これにより、遊技者の操作量に応じて遊技球を打ち出す強さが調整されるものとなっている。なお、発射制御基板108の駆動回路は、タッチセンサ114からの検出信号がオフ(ローレベル)の場合か、もしくは発射停止スイッチ116から発射停止信号が入力された場合は発射ソレノイド110の駆動を停止する。この他に、発射中継端子板118には遊技球等貸出装置接続端子板120が接続されており、この遊技球等貸出装置接続端子板120にCRユニットが接続されていない場合、同じく発射制御基板108の駆動回路は発射ソレノイド110の駆動を停止する。
また、受皿ユニット6には度数表示基板122及び貸出及び返却スイッチ基板123が内蔵されている。このうち度数表示基板122には、度数表示部の表示器(3桁分の7セグメントLED)が設けられている。また、貸出及び返却スイッチ基板123には球貸ボタン10や返却ボタン12にそれぞれ接続されるスイッチモジュールが実装されており、球貸ボタン10又は返却ボタン12が操作されると、その操作信号が貸出及び返却スイッチ基板123から遊技球等貸出装置接続端子板120を経由してCRユニットに送信される。また、CRユニットからは、有価媒体の残り度数を表す度数信号が遊技球等貸出装置接続端子板120を経由して度数表示基板122に送信される。度数表示基板122上の図示しない表示回路は、度数信号に基づいて表示器を駆動し、有価媒体の残り度数を数値表示する。また、CRユニットに有価媒体が投入されていなかったり、あるいは投入された有価媒体の残り度数が0になったりした場合、度数表示基板122の表示回路は表示器を駆動してデモ表示(有価媒体の投入を促す表示)を行うこともできる。
また、パチンコ機1は制御上の構成として、演出制御装置124(演出制御用コンピュータ)を備えている。この演出制御装置124は、パチンコ機1における遊技の進行に伴う演出の制御を行う。演出制御装置124にもまた、中央演算処理装置である演出制御CPU126が回路基板(複合サブ制御基板)上に装備されている。演出制御CPU126は、図示しないCPUコアとともにRAM(RWM)130やeDRAM131等の半導体メモリを内蔵したLSIとして構成されており、制御ROM180に格納されたプログラムを実行することにより演出を制御する。なお、演出制御装置124は、パチンコ機1の裏側に配置されている。
演出制御装置124には、演出を実現する上で必要となる様々な機能や部品が搭載されている。例えば、演出制御装置124で実行される制御が正常になされているか(想定時間内に処理が完了しているか)を監視するWDTIC(ウォッチドッグタイマIC)188、バックアップデータ用の記憶領域であるSRAM182、所定周波数のクロック信号を生成する水晶発振器181、時刻管理を行うRTC(リアルタイムクロック)184、SRAM182及びリアルタイムクロック184に対しバックアップ電源を供給するリチウム電池186、液晶表示器42の画面上で再生される演出画面の描画を担うVDP152、ランプやモータ、操作部材等の演出デバイスを制御するドライバIC132、演出に伴う音を生成しスピーカの駆動を制御する音声IC134、演出に用いられる画像や音声を予め記憶するCGROM(画像・音声ROM)190、CGROM190に記憶されているデータのロード先として用いられるDRAM191の他、図示しない入出力ドライバやカウンタ/タイマ回路等の周辺IC等が装備されている。
演出制御装置124と主制御装置70とは、例えば図示しない通信用ハーネスを介して相互に接続されている。ただし、これらの間の通信は、主制御装置70から演出制御装置124への一方向のみで行われ、逆方向への通信は行われない。なお、通信用ハーネスには、主制御装置70から演出制御装置124に対して送信される各種演出用のコマンド(以下、「演出コマンド」と称する。)のバス幅に応じてパラレル形式を採用してもよいし、それぞれのドライバ(I/O)のハード構成に合わせてシリアル形式を採用してもよい。
本実施形態では一体扉ユニット4の内面にサブ接続基板136が設置されており、ドライバIC132や音声IC134からの駆動信号はサブ接続基板136を経由してランプ(各種ランプ48、50、52)や各種スピーカ(スピーカ54e~54g)に印加されている。また、サブ接続基板136には、方向キー66の他に図示しない音量調整スイッチや光量調整スイッチが接続されており、遊技者がこれらの操作部材を操作すると、それらの接点信号がサブ接続基板136を通じて演出制御装置124に入力される。なお、方向キー66や音量調整スイッチや光量調整スイッチは、下部アタッチメント500に接続するようにしてもよい。
その他、遊技盤ユニット8にはドライバ部138が設置されている。ドライバ部138は1つの基板により構成されていてもよく、拡張性を持たせるために複数の基板により構成されていてもよい。ドライバ部138には盤面ランプ53の他に可動体モータ57が接続されている。可動体モータ57は、例えば図示しないリンク機構を介して遊技盤ユニット8に設けられた可動体を駆動する。また、ドライバ部138には、上部アタッチメント400及び下部アタッチメント500が接続されている。ドライバIC132からの駆動信号は、ドライバ部138を経由して盤面ランプ53、可動体モータ57、ランプモータ62、上部アタッチメント400及び下部アタッチメント500に送信される。
上部アタッチメント400には、上ランプ46、左上スピーカ54a、右上スピーカ54b等が接続されている。また、下部アタッチメント500には、下部アタッチメント500に内蔵されたランプ61、ボタンモータ63、プッシュボタン510、レバー部材520、操作演出ランプ530等が接続されている。ボタンモータ63は、プッシュボタン510を昇降させるためのステッピングモータである。ボタンモータ63は、演出制御装置124から送信される駆動信号に基づいて駆動され、プッシュボタン510を通常の状態(初期位置)又は突出した状態(最大可動位置)のいずれかに切り替えることができる。遊技者がプッシュボタン510やレバー部材520を操作すると、これらの接点信号がドライバ部138を通じて演出制御装置124に入力される。
また、上部アタッチメント400から入力される上部アタッチメント認証IDや、下部アタッチメント500から入力される下部アタッチメント認証IDは、ドライバIC132を介して演出制御CPU126に転送される。
液晶表示器42は遊技盤ユニット8の裏側に設置されており、遊技盤ユニット8に形成された略矩形の開口を通じてその表示画面が視認可能となっている。また、遊技盤ユニット8の裏側にはインバータ基板158が設置されており、このインバータ基板158は液晶表示器42のバックライト(例えば冷陰極管)に印加される交流電源を生成している。
その他、内枠アセンブリ7の裏側には電源制御ユニット162(電源制御手段)が装備されている。この電源制御ユニット162はスイッチング電源回路を内蔵し、電源コード164を通じて島設備から外部電力(例えばAC24V等)を取り込むと、そこから必要な電力(例えばDC+34V、+12V等)を生成することができる。電源制御ユニット162で生成された電力は、主制御装置70や払出制御装置92、演出制御装置124、インバータ基板158に分配されている。さらに、払出制御装置92を経由して発射制御基板108に電力が供給されている他、遊技球等貸出装置接続端子板120を経由してCRユニットに電力が供給されている。なお、ロジック用の低電圧電力(例えばDC+5V)は、各装置に内蔵された電源用IC(3端子レギュレータ等)で生成される。また、上述したように電源制御ユニット162は、アース線166を通じて島設備にアース(接地)されている。
外部端子板160は払出制御装置92に接続されており、主制御装置70(主制御CPU72)にて生成された各種の外部情報信号は、払出制御装置92を経由して外部端子板160から外部に出力されるものとなっている。主制御装置70(主制御CPU72)及び払出制御装置92(払出制御CPU94)は、外部端子板160を通じてパチンコ機1の外部に向けて外部情報信号を出力することができる。外部端子板160から出力される信号は、例えば遊技場のホールコンピュータ(図示していない)で集計される。なお、ここでは払出制御装置92を経由する構成を例に挙げているが、主制御装置70からそのまま外部情報信号が外部端子板160に出力される構成であってもよい。
以上説明したように、本実施形態によれば、以下のような効果がある。
(1)本実施形態よれば、フレーム610の上部に複数の空気孔614a,614b,614cが形成されているため、フレーム610に対し2枚の透明板620,622のうち一方の透明板を接着した後で他方の透明板を接着する際に、フレーム610と2枚の透明板620,622とに挟まれる空気は内部に閉じ込められることなく、空気孔を通して外部に逃がされるため、後から接着する透明板をフレーム610に容易に密着させることができ、透明板をフレーム610に密着させることができない場合に生じうる視認性の低下を未然に防止することができ、結果として透明板の視認性を確保することができる。
(2)本実施形態よれば、空気孔614の最上部の直径が遊技盤ユニット8に設置された遊技釘の頭部径4.3mmより小さい2.5mmに設計されており、さらに複数の空気孔614の上方を覆うようにして空気孔蓋630が取り付けられるため、折損した遊技釘やごみ等が内部空間640に進入するのを防止することができる。
(3)本実施形態よれば、透明板ユニット600が一体扉ユニット4に取り付けられた状態において、一体扉ユニット4の背面に設けられた透明板ユニット着脱部材650(外周縁656)が空気孔614の直上方向を覆わず、透明板ユニット着脱部材650(外周縁656)が空気孔614を介した通気を阻害しないため、内部空間640の通気性を確保して湿気が溜まるのを防止することができる。
(4)本実施形態によれば、意匠カバー部410の背面側端部に凸部410pが形成され、フレーム610の前面側端部に凸部610pが形成されており、透明板ユニット600が一体扉ユニット4に取り付けられると、凸部410pが第1透明板620に接触して意匠カバー部410と透明板ユニット600との間に隙間がない状態となり、凸部610pが一体扉ユニット4に接触して透明板ユニット600と一体扉ユニット4との間に隙間がない状態となるため、針金等のゴト部材を挿入することが極めて困難であり、透明板ユニット600の後方に位置する遊技盤ユニット8までゴト部材を進入させることは到底不可能であるため、遊技盤ユニット8に対するゴト部材を用いた不正行為を未然に回避することができる。
本発明は上述した実施形態に制約されることなく、種々に変形して実施することができる。また、上述した実施形態で挙げた各種の数値はあくまで好ましい例示であり、これに限定されず適宜変更が可能である。
上述した実施形態では、2枚の透明板620,622としてガラス板を採用しているが、ガラス板に代えて、ガラス以外の透明な材料(例えば樹脂)で形成された透明板を採用してもよい。
上述した実施形態では、フレーム610上部の外周枠611の前後方向における略中央の位置に3個の空気孔614a,614b,614cが左右方向に略等間隔に配置されているが、空気孔614の数はこれに限定されず、より多くの数(例えば、5個又は6個)としてもよい。また、空気孔614が配置される位置は、外周枠611における係合孔619a,619bよりも上方の位置で、左右方向に略均等の間隔とするのであれば、どの位置に配置してもよい。或いは、フレーム610の左右方向における中心を基準として左右均等(対称)となるように配置してもよい。
上述した実施形態においては、複数の空気孔614を覆うようにして空気孔蓋630が設けられており、フレーム610の上部には、空気孔蓋630を受け入れる機構を形成するために、複数の空気孔614が形成された部位の背面側及び左右両側に壁が起立しているが、空気孔蓋630は設けなくてもよく、その場合には、フレーム610の上部に起立する背面側及び左右両側の壁も形成不要となる。
上述した実施形態においては、外周縁656(透明板ユニット着脱部材650)が空気孔614の直上方向を覆わない構造とされているが、空気孔614の通気を阻害しないように空気孔614の直上に空隙を設けてもよく、その場合には、外周縁656(透明板ユニット着脱部材650)が空気孔614の直上方向を覆うような構造としてもよい。
上述した実施形態においては、フレーム610の前面側端部に凸部610pが形成されており、一体扉ユニット4に凸部610pが接触することで返し構造をなすが、これに代えて、フレーム610の背面側端部に凸部を形成し、この凸部を透明板ユニット600の後方に配置される遊技盤ユニット8の前面に接触させてもよい。この場合には、フレーム610の前面側には突出した部位が形成されないため、フレーム610と第1透明板620の前面との間が面一となる。