以下、本発明の実施形態について、図面を参照しながら説明する。
図1は、パチンコ遊技機(以下、「パチンコ機」と略称する。)1の正面図である。また、図2は、パチンコ機1の背面図である。パチンコ機1は、遊技球を遊技媒体として用いるものであり、遊技者は、遊技場運営者から遊技球を借り受けてパチンコ機1による遊技を行う。なお、パチンコ機1における遊技において、遊技球はその1個1個が遊技価値を有した媒体であり、遊技の成果として遊技者が享受する特典(利益)は、例えば遊技者が獲得した遊技球の数に基づいて遊技価値に換算することができる。以下、図1および図2を参照しつつパチンコ機1の全体構成について説明する。
本実施形態のパチンコ機1は、賞球(入賞口などへの入賞により払い出された遊技球)及びファール球(発射装置により遊技球を発射したものの遊技領域に到達せずに戻ってきた遊技球)の個数から発射球(発射装置により発射された遊技球)の個数を差し引いた差玉が、所定の上限個数(本実施形態では、95000個)以上になった場合に遊技停止状態(打ち止めとも称する)に移行する。具体的には、本実施形態では、電源の投入後に差玉数が最も減少したときから増加した差玉数が最大となったときの差玉数(最大差玉数)が95000個以上になった場合に遊技停止状態に移行する。
なお、賞球とは、入賞口などへの入賞により払い出された遊技球である。ファール球とは、発射装置により遊技球を発射したものの遊技領域に到達せずに戻ってきた遊技球である。発射球とは、ハンドル操作に応答して発射装置により発射された遊技球である。
[全体構成]
パチンコ機1は、その本体として主に外枠ユニット2、一体扉ユニット4(ガラス枠、窓枠)および内枠アセンブリ7(プラ枠、遊技機枠)を備えている。遊技者に相対する正面からみて、その最も前面側には一体扉ユニット4が位置している。一体扉ユニット4の背面側(奥側)には内枠アセンブリ7が位置しており、内枠アセンブリ7の外側を囲むようにして外枠ユニット2が配置されている。
外枠ユニット2は、木材および金属材を縦長の矩形状に組み合わせた構造体であり、この外枠ユニット2は、遊技場内の島設備(図示されていない)に対してねじ等の締結具を用いて固定されるものである。なお、縦長矩形状の外枠ユニット2において、上下の短辺に相当する部位には木材が用いられており、左右の長辺に相当する部位には金属材が用いられている。
一体扉ユニット4は、その下部位置に受皿ユニット6が一体化された構造である。一体扉ユニット4および内枠アセンブリ7は、外枠ユニット2を介して島設備に取り付けられ、これらはそれぞれ図示しないヒンジ機構を介して開閉式に動作する。図示しないヒンジ機構の開閉軸線は、パチンコ機1の正面からみて左側端部に沿って垂直方向に延びている。
図1中の正面からみて内枠アセンブリ7の右側縁部(図2では左側縁部)には、その内側に統一錠ユニット7aが設けられている。また、これに対応して一体扉ユニット4および外枠ユニット2の右側縁部(裏側)にも、それぞれ図示しない施錠具が設けられている。図1に示されるように、外枠ユニット2に対して一体扉ユニット4および内枠アセンブリ7が閉じた状態で、その裏側にある統一錠ユニット7aは施錠具とともに一体扉ユニット4および内枠アセンブリ7の開放を不能にしている。
また、受皿ユニット6の右側縁部には鍵穴付きのシリンダ錠6aが設けられている。例えば、遊技場の管理者が専用キーを鍵穴に差し込んでシリンダ錠6aを時計回りに捻ると、統一錠ユニット7aが作動して内枠アセンブリ7とともに一体扉ユニット4の開放が可能な状態となる。これら全体を外枠ユニット2から前面側へ開放する(扉のように動かす)と、前面側にてパチンコ機1の裏側が露出することになる。
一方、シリンダ錠6aを反時計回りに捻ると、内枠アセンブリ7は施錠されたままで一体扉ユニット4の施錠だけが解除され、一体扉ユニット4が開放可能となる。一体扉ユニット4を前面側へ開放すると遊技盤ユニット8が直に露出し、この状態で遊技場の管理者が盤面内での球詰まり等の障害を取り除くことができる。また、一体扉ユニット4を開放すると、受皿ユニット6も一緒に前面側へ開放される。
また、パチンコ機1は、遊技用ユニットとして上記の遊技盤ユニット8を備えている。遊技盤ユニット8は、一体扉ユニット4の背後(内側)で上記の内枠アセンブリ7に支持されている。遊技盤ユニット8は、例えば一体扉ユニット4を前面側へ開放した状態で内枠アセンブリ7に対して着脱可能である。一体扉ユニット4には、その中央部に縦長円形状の窓4aが形成されており、この窓4a内にガラスユニット(参照符号なし)が取り付けられている。ガラスユニットは、例えば窓4aの形状に合わせてカットされた2枚の透明板(ガラス板)を組み合わせたものである。ガラスユニットは、一体扉ユニット4の裏側に図示しない取り付け具を介して取り付けられる。遊技盤ユニット8の前面には遊技領域9a(盤面、遊技盤)が形成されており、この遊技領域9aは窓4aを通じて前面側から遊技者に視認可能である。一体扉ユニット4が閉じられると、ガラスユニットの内面と盤面との間に遊技球が流下できる空間が形成される。
受皿ユニット6は、全体的に一体扉ユニット4から前面側へ突出した形状をなしており、その上面に上皿6bが形成されている。この上皿6bには、遊技者に貸し出された遊技球(貸球)や入賞により獲得した遊技球(賞球)を貯留することができる。また、受皿ユニット6には、上皿6bの下段位置に下皿6cが形成されている。この下皿6cには、上皿6bが満杯の状態でさらに払い出された遊技球が貯留される。なお、本実施形態のパチンコ機1はカードユニットに接続する機種であり、遊技者が借り受けた遊技球は、賞球とは別に裏側の払出装置ユニット172から受皿ユニット6(上皿6b又は下皿6c)に払い出される。
受皿ユニット6の上面には貸出操作部14が設けられており、この貸出操作部14には、球貸ボタン10および返却ボタン12が配置されている。図示しないカードユニットに有価媒体(例えば磁気記録媒体、記憶IC内蔵媒体等)を投入した状態で球貸ボタン10を遊技者が操作すると、予め決められた度数単位(例えば5度数)に対応する個数(例えば125個)分の遊技球が貸し出される。このため貸出操作部14の上面には度数表示部(図示されていない)が配置されており、この度数表示部には、カードユニットに投入されている有価媒体の残存度数が表示される。なお、遊技者は、返却ボタン12を操作することで、度数が残存している有価媒体の返却を受けることができる。本実施形態ではカードユニットに接続する遊技機を例に挙げているが、パチンコ機1は現金機(カードユニットに接続しない遊技機)であってもよい。
受皿ユニット6の右下部には、ハンドルユニット16が設置されている。遊技者はこのハンドルユニット16を操作することで発射制御基板セット174を作動させ、上皿6bに貯留されている遊技球を遊技領域9a(図3参照)に向けて発射する(打ち込む)ことができる(球発射装置)。発射された遊技球は、遊技盤ユニット8の下縁部から左側縁部に沿って上昇し、図示しない外バンドに案内されて遊技領域9a内に放り込まれる。遊技領域9a内には多数の障害釘や風車(図中参照符号なし)等が配置されており、放り込まれた遊技球は障害釘や風車により誘導・案内されながら遊技領域9a内を流下する。なお、遊技領域9a内(盤面、遊技盤)の構成については、別の図面を参照しながらさらに後述する。
[枠前面の構成]
一体扉ユニット4には、演出用の構成要素としてレンズユニット47および右上電飾ユニット49が設置されている。このうちレンズユニット47には枠ランプ46が組み込まれており、右上電飾ユニット49には右側の枠ランプ50が組み込まれている。
上述した各種枠ランプ46,50は、例えば内蔵するLEDの発光(点灯や点滅、輝度階調の変化、色調の変化等)により演出を実行する。また、一体扉ユニット4にはそれぞれスピーカ54a~54dが組み込まれている。これらスピーカ54a~54dは、効果音やBGM、音声等(音響全般)を出力して演出を実行するものである。
また、受皿ユニット6の中央には、上皿6bの手前位置に演出ボタン45が設置されている。遊技者は、この演出ボタン45を押し込み操作することで演出内容(例えば液晶表示器42に表示される背景画面)を切り替えたり、例えば図柄の変動中や大当りの確定表示中、あるいは大当り遊技中に何らかの演出(予告演出、確変昇格演出、大役中の昇格演出等)を発生させたりすることができる。
さらに、演出ボタン45の周囲には、演出ボタン45を取り囲むようにジョグダイアル45aが設置されている(操作入力受付手段、回転型セレクター)。遊技者は、このジョグダイアル45aを回転させることで、例えば液晶表示器42に表示される演出内容を変化させることができる。
[裏側の構成]
図2に示されているように、パチンコ機1の裏側には、電源制御ユニット162や主制御基板ユニット170、払出装置ユニット172、流路ユニット173、発射制御基板セット174、払出制御基板ユニット176、裏カバーユニット178等が設置されている。この他にパチンコ機1の裏側には、パチンコ機1の電源系統や制御系統を構成する各種の電子機器類(図示しない制御コンピュータを含む)や外部端子板160、電源コード(電源プラグ)164、アース線(アース端子)166、図示しない接続配線等が設置されている。
上記の払出装置ユニット172は、例えば賞球タンク172aおよび賞球ケース(参照符号なし)を有しており、このうち賞球タンク172aは内枠アセンブリ7の上縁部(裏側)に設置された状態で、図示しない補給経路から補給された遊技球を蓄えることができる。賞球タンク172aに蓄えられた遊技球は、図示しない上側賞球樋を通じて賞球ケースに導かれる。流路ユニット173は、払出装置ユニット172から送り出された遊技球を前面側の受皿ユニット6に向けて案内する。
また、上記の外部端子板160は、パチンコ機1を外部の電子機器(例えばデータ表示装置、ホールコンピュータ等)に接続するためのものであり、この外部端子板160からは、パチンコ機1の遊技進行状態やメンテナンス状態等を表す各種の外部情報信号(例えば賞球情報、扉開放情報、図柄確定回数情報、大当り情報、始動口情報等)が外部の電子機器に向けて出力されるものとなっている。
電源コード164は、例えば遊技場の島設備に設置された電源装置(例えばAC24V)に接続されることで、パチンコ機1の動作に必要な電源(電力)を確保するものである。また、アース線166は、同じく島設備に設置されたアース端子に接続されることで、パチンコ機1のアース(接地)を確保するものである。
[遊技盤ユニットの構成]
図3は、遊技盤ユニット8を単独で示す正面図である。遊技盤ユニット8は、ベースとなる遊技盤9を備えており、この遊技盤9の前面側に遊技領域9aが形成されている。遊技盤9は、例えば透明樹脂板で構成されており、遊技盤ユニット8が内枠アセンブリ7に固定された状態で、遊技盤9の前面はガラスユニットに平行となる。遊技盤9の前面には、略円形状に設置された発射レール(参照符号なし)の内側に上記の遊技領域9aが形成されている。
また、遊技領域9a内には、始動ゲート20、普通入賞口22、始動入賞口26、可変始動入賞装置28、可変入賞装置30等が分布して設置されている。
このうち、普通入賞口22は遊技領域9aの左側部分に配置されている。始動入賞口26は、遊技領域9aの下部分の中央に配置されている。始動ゲート20、可変始動入賞装置28、可変入賞装置30は、遊技領域9aの右側部分に配置されている。
遊技領域9a内に発射された遊技球は、その流下の過程で始動入賞口26や始動入賞口28aや普通入賞口22に入球したり、始動ゲート20を通過したり、開放動作時の可変入賞装置30(すなわち大入賞口30a)に入球したりする。
なお、各入賞口や入賞装置に遊技球が入球(進入)することを「入賞」ともいう。特に、始動入賞口への入賞を始動入賞ともいう。
始動ゲート20を遊技球が通過すると作動抽選(普通図柄抽選)が行われる。そして、可変始動入賞装置28は、所定の作動条件が満たされた場合(普通図柄抽選で当選し、普通図柄が当りの態様で所定の停止表示時間にわたり停止表示された場合)に作動する。可変始動入賞装置28が作動すると始動入賞口28aに遊技球を入賞させることが可能になる。
可変入賞装置30は、規定の条件が満たされた場合(特別図柄が大当りの態様で停止表示された場合)に作動する。可変入賞装置30が作動すると大入賞口30aへ遊技球を入賞させることが可能になる。
そして、本実施形態では、普通入賞口22に遊技球が入賞すると「6個」の賞球が払い出される。また、始動入賞口26や始動入賞口28aに遊技球が入賞すると「1個」の賞球が払い出される。また、大入賞口30aに遊技球が入賞すると「15個」の賞球が払い出される。
また、始動ゲート20を通過した遊技球、普通入賞口22、始動入賞口26、始動入賞口28a、大入賞口30aに入球した遊技球は遊技板(遊技盤ユニット8を構成する合板材、透明板等)に形成された貫通孔を通じて遊技盤ユニット8の裏側へ回収される。
また、遊技盤ユニット8には、液晶表示器42(画像表示器)が設置されており、この液晶表示器42には特別図柄に対応させた演出図柄をはじめ、各種の演出画像が表示される。
例えば、液晶表示器42の画面上では、第1特別図柄の変動表示や第2特別図柄の変動表示と同期して、特別図柄とは異なる複数種類の演出図柄(数字などを示す図柄など)の変動表示が行われる。また、例えば、液晶表示器42の画面上には、実行が保留されている変動表示に対応する保留表示を表示するための表示エリアが設けられている。
そして、液晶表示器42の前方で移動自在な演出用の可動体40が設けられている。具体的には、可動体40は初期位置(図中実線で示す位置)と、初期位置から下降する可動位置(図中破線で示す位置)との間で上下方向に昇降可能である。可動体40は、大当りや小当りとするかを決定する内部抽選の結果に基づいて昇降可能である。そして、可動体40を移動させることにより、内部抽選での抽選結果が示唆される。
その他、遊技領域9a内にはアウト口32が形成されており、各種入賞口に入球(入賞)しなかった遊技球は最終的にアウト口32を通じて遊技盤ユニット8の裏側へ回収される。なお、始動ゲート20を通過した遊技球も遊技盤ユニット8の裏側へ回収される。
図4は、遊技盤ユニット8の一部(窓4a内の右下位置)を拡大して示す正面図である。
遊技盤ユニット8には、例えば窓4a内の右下位置に普通図柄表示装置33および普通図柄作動記憶ランプ33aが設けられている他、第1特別図柄表示装置34、第2特別図柄表示装置35、第1特別図柄作動記憶ランプ34a、第2特別図柄作動記憶ランプ35aおよび遊技状態表示装置38が設けられている。
このうち普通図柄表示装置33は、例えば2つのランプ(LED)を交互に点灯させて普通図柄を変動表示し、そして、ランプの点灯又は消灯により普通図柄を停止表示する。なお、本実施形態では1分の1の確率で当りとなるので必ず当り図柄が停止する。普通図柄作動記憶ランプ33aは、例えば2つのランプ(LED)の消灯又は点灯、点滅の組み合わせによって0~4個の記憶数を表示する。例えば、2つのランプをともに消灯させた表示態様では記憶数0個を表示し、1つのランプを点灯させた表示態様では記憶数1個を表示し、同じ1つのランプを点滅させた表示態様では記憶数2個を表示し、1つのランプの点滅に加えてもう1つのランプを点灯させた表示態様では記憶数3個を表示し、そして2つのランプをともに点滅させた表示態様では記憶数4個を表示する、といった具合である。なお、ここでは2つのランプ(LED)を使用することとしているが、4つのランプ(LED)を使用して普通図柄作動記憶ランプ33aを構成してもよい。この場合、点灯するランプの個数で作動記憶数を表示することができる。
普通図柄作動記憶ランプ33aは、上記の始動ゲート20を遊技球が通過すると、その都度、作動抽選の契機となる通過が発生したことを記憶する意味で1個ずつ増加後の表示態様へと変化していき(最大4個まで)、その通過を契機として普通図柄の変動が開始されるごとに1個ずつ減少後の表示態様へと変化していく。なお、本実施形態では、普通図柄作動記憶ランプ33aが未点灯(記憶数が0個)の場合、普通図柄が既に変動開始可能な状態(停止表示時)で始動ゲート20を遊技球が通過しても表示態様は変化しない。すなわち、普通図柄作動記憶ランプ33aの表示態様によって表される記憶数(最大4個)は、その時点で未だ普通図柄の変動が開始されていない通過の回数を表している。
また、第1特別図柄表示装置34および第2特別図柄表示装置35は、例えば7セグメントLED(ドット付き)により特別図柄の変動状態と停止状態とを表示することができる(図柄表示手段、第1図柄表示手段、第2図柄表示手段)。その他、特別図柄表示装置34,35は複数のドットLEDを幾何学的(例えば円形状)に配列した形態であってもよい。なお、本実施形態では、第1特別図柄と第2特別図柄の同時変動が行われないので、特別図柄の変動表示には第1特別図柄表示装置34が用いられる。そして、第2特別図柄表示装置35は普通図柄の変動表示に用いられる。そして、抽選により決定された種類の普通図柄が第2特別図柄表示装置35により停止表示される。第2特別図柄表示装置35による変動表示は普通図柄表示装置33での変動表示に同期して行われる。
また、第1特別図柄作動記憶ランプ34aおよび第2特別図柄作動記憶ランプ35aは、例えばそれぞれ2つのランプ(LED)の消灯又は点灯、点滅の組み合わせで構成される表示態様により、それぞれ0~4個の記憶数を表示する(記憶数表示手段)。例えば、2つのランプをともに消灯させた表示態様では記憶数0個を表示し、1つのランプを点灯させた表示態様では記憶数1個を表示し、同じ1つのランプが点滅させた表示態様では記憶数2個を表示し、1つのランプの点滅に加えてもう1つのランプを点灯させた表示態様では記憶数3個を表示し、そして、2つのランプをともに点滅させた表示態様では記憶数4個を表示する、といった具合である。
第1特別図柄作動記憶ランプ34aは、上記の始動入賞口26に遊技球が入球するごとに、入球が発生したことを記憶する意味で1個ずつ増加後の表示態様へと変化していき(最大4個まで)、その入球を契機として特別図柄の変動が開始されるごとに1個ずつ減少後の表示態様へと変化していく。また、第2特別図柄作動記憶ランプ35aは、上記の始動入賞口28aに遊技球が入球するごとに、入球が発生したことを記憶する意味で1個ずつ増加後の表示態様へと変化し(最大4個まで)、その入球を契機として特別図柄の変動が開始されるごとに1個ずつ減少後の表示態様へと変化する。なお、本実施形態では、第1特別図柄作動記憶ランプ34aが未点灯(記憶数が0個)の場合、第1特別図柄が既に変動開始可能な状態(停止表示時)で始動入賞口26に遊技球が入球しても表示態様は変化しない。また、第2特別図柄作動記憶ランプ35aが未点灯(記憶数が0個)の場合、第2特別図柄が既に変動開始可能な状態(停止表示時)で始動入賞口28aに遊技球が入球しても表示態様は変化しない。すなわち、各特別図柄作動記憶ランプ34a,35aの表示態様により表される記憶数(最大4個)は、その時点で未だ第1特別図柄又は第2特別図柄の変動が開始されていない入球の回数を表している。
また、遊技状態表示装置38には、例えば、大当り種別表示ランプ38a,38b、小当り表示ランプ38c、時短状態表示ランプ38e、発射位置指定ランプ38fにそれぞれ対応する5つのLEDが含まれている。なお、本実施形態では、上述した普通図柄表示装置33や普通図柄作動記憶ランプ33a、第1特別図柄表示装置34、第2特別図柄表示装置35、第1特別図柄作動記憶ランプ34a、第2特別図柄作動記憶ランプ35aおよび遊技状態表示装置38が1枚の統合表示基板90に実装された状態で遊技盤ユニット8に取り付けられている。
なお、特別図柄の「可変表示」とは、例えば、複数種類の特別図柄を変動可能に表示することである(普通図柄についても同じ)。変動としては、複数の図柄の更新表示、複数の図柄のスクロール表示、1以上の図柄の変形、1以上の図柄の拡大/縮小などがある。特別図柄や後述の普通図柄の変動では、複数種類の特別図柄又は普通図柄が更新表示される。後述の演出図柄の変動では、複数種類の演出図柄がスクロール表示又は更新表示されたり、1以上の演出図柄が変形や拡大/縮小されたりする。なお、変動には、ある図柄を点滅表示する態様も含まれる。可変表示の最後には、表示結果として所定の特別図柄が停止表示(導出又は導出表示などともいう)される(後述の他の図柄の可変表示についても同じ)。なお、可変表示を変動表示、変動と表現する場合がある。
[遊技の進行の概略]
パチンコ機1の遊技状態には、通常状態(非時短状態)と、通常状態と大当りの確率は同一であるが通常状態よりも特別図柄の変動効率が向上する時短状態とがある。なお、本実施形態において、特別図柄を特図と省略し、普通図柄を普図と省略することがある。また、第1特別図柄を特図1、第2特別図柄を特図2と省略することがある。
パチンコ機1では、遊技状態が通常状態である場合には、遊技者は遊技領域9aの左方を狙って発射操作(いわゆる左打ち操作)を行うのが有利である。通常状態は、パチンコ機1の初期設定状態(例えばシステムリセットが行われた場合のように、電源投入後に所定の復帰処理を実行しなかったとき)と同一に制御される状態である。通常状態において、パチンコ機1が備えるハンドルユニット16への遊技者による回転操作により、左打ち操作を行い、始動入賞口26に遊技球が進入すると、第1特別図柄表示装置34による第1特別図柄の変動表示が開始される。
なお、特別図柄の変動表示の実行中の期間、大当り遊技状態、小当り遊技状態に制御されている期間に、遊技球が始動入賞口へ入賞した場合(始動入賞が発生したが当該始動入賞に基づく特別図柄の変動表示を直ちに実行できない場合)には、当該入賞に基づく特別図柄の変動表示は所定の上限数(例えば4)までその実行が保留される。
第1特別図柄の変動表示において大当り図柄が停止表示されれば、「大当り」となる。また、はずれ図柄が停止表示されれば「はずれ」となる。
第1特別図柄の変動表示での表示結果が「大当り」になった後には、遊技者にとって有利な有利状態として大当り遊技状態に制御される。大当り遊技状態ではパチンコ機1が備えるハンドルユニット16への遊技者による回転操作により、右打ち操作が行われる。
大当り遊技状態では、可変入賞装置30により形成される大入賞口30aが所定の態様で開放状態となる。当該開放状態は、所定期間(例えば29秒間)の経過タイミングと、大入賞口30aに進入した遊技球の数が所定個数(例えば10個)に達するまでのタイミングと、のうちのいずれか早いタイミングまで継続される。前記所定期間は、1ラウンドにおいて大入賞口30aを開放することができる上限期間であり、以下、開放上限期間ともいう。このように大入賞口30aが開放状態となる1のサイクルをラウンド(ラウンド遊技)という。大当り遊技状態では、当該ラウンドが所定の上限回数に達するまで繰り返し実行可能となっている。
大当り遊技状態においては、遊技者は、遊技球を大入賞口30aに進入させることで、賞球(例えば、15個)を得ることができる。従って、大当り遊技状態は、遊技者にとって有利な状態である。大当り遊技状態におけるラウンド数が多い程、また、開放上限期間が長い程遊技者にとって有利となる。
なお、「大当り」には、大当り種別が設定されている。例えば、大入賞口の開放態様(ラウンド数や開放上限期間)や、大当り遊技状態後の遊技状態(通常状態、時短状態など)を複数種類用意し、これらに応じて大当り種別が設定されている。大当り種別として、多くの賞球を得ることができる大当り種別や、賞球の少ないまたはほとんど賞球を得ることができない大当り種別が設けられていてもよい。
大当り遊技状態が終了した後は、上記大当り種別に応じて、時短状態に制御されることがある。大当り遊技を終了し、遊技状態が時短状態に制御されると、遊技者は遊技領域の右方を狙って発射操作(右打ち操作)を行うのが有利である。時短状態では、時短制御の実行により、通常状態と比較して平均的な特図変動時間(本実施形態では、第2特別図柄)が短縮されるとともに、通常状態と比較して平均的な普図変動時間が短縮される。
パチンコ機1が備えるハンドルユニット16への遊技者による回転操作により、右打ち操作を行い、遊技球が始動ゲート20を通過すると、普通図柄表示装置33による普通図柄の変動表示が開始される。なお、前回の普通図柄の変動表示の実行中の期間等に遊技球が始動ゲート20を通過した場合(遊技球が始動ゲート20を通過したが当該通過に基づく普通図柄の変動表示を直ちに実行できない場合)には、当該通過に基づく普通図柄の変動表示は所定の上限数(例えば4)まで保留される。
この普通図柄の変動表示では、普図当り図柄が停止表示されれば、普通図柄の表示結果が「普図当り」となる。その一方、普図当り図柄以外の普通図柄(普図はずれ図柄)が停止表示されれば、普通図柄の表示結果が「普図はずれ」となる。「普図当り」となると、可変始動入賞装置28を所定期間作動させる制御が行われる。
そして、通常状態では普図当りとなってもショート開放のみが行われるが、時短状態では普図当りとなるとロング開放が行われる。これにより、通常状態で始動入賞口28aに遊技球を進入させることは不可能であるが、時短状態では始動入賞口28aに遊技球を進入させることが可能になる。
時短状態は、所定回数の特別図柄の変動表示が実行されるといった、所定の終了条件が成立するまで継続する。そして、所定回数の特別図柄の変動表示が実行されたこと、が終了条件となるものを、回数切り(回数切り確変等)ともいう。
また、パチンコ機1が備えるハンドルユニット16への遊技者による回転操作により、右打ち操作を行い、始動入賞口28aに遊技球が進入すると、第2特別図柄表示装置35による第2特別図柄の変動表示が開始される。第2特別図柄の変動表示において、大当り図柄が停止表示されれば、「大当り」となる。第2特別図柄の変動表示において、小当り図柄が停止表示されれば、「小当り」となる。また、大当り図柄とは異なるはずれ図柄が停止表示されれば「はずれ」となる。
第2特別図柄の変動表示での表示結果が「大当り」になった後には、遊技者にとって有利な有利状態として大当り遊技状態に制御される。大当り遊技状態では上記と同様の遊技が行われる。
また、第2特別図柄の変動表示での表示結果が「小当り」になった後には、遊技者にとって有利な有利状態として小当り遊技状態に制御される。
小当り遊技状態では、可変入賞装置30により形成される大入賞口30aが所定の態様で開放状態となる。当該開放状態は、所定期間(例えば29秒間)の経過タイミングと、大入賞口30aに進入した遊技球の数が所定個数(例えば10個)に達するまでのタイミングと、のうちのいずれか早いタイミングまで継続される。小当り遊技状態では、1ラウンドのみ実行可能となっている。
そして、小当り遊技状態において、大入賞口30aに進入した遊技球が特定領域を通過すると、小当り遊技状態の終了後に大当り遊技状態に制御される。このとき、小当り遊技状態が1ラウンド目とされ、2ラウンド目から大当り遊技状態が開始される。
一方で、大入賞口30aに進入した遊技球が非特定領域を通過すると、大当り遊技状態に発展することなく小当り遊技状態は終了する。
大当り遊技状態に制御されることなく小当り遊技状態が終了した後は、遊技状態の変更が行われず、特別図柄の変動表示の表示結果が「小当り」となる以前の遊技状態に継続して制御される。
そして、本実施形態では、通常状態で第1特別図柄が大当りとなると時短状態Aに移行する。また、時短状態Aで、大当りとなるか、時短はずれとなると時短状態Bに移行する。なお、時短はずれとは、はずれの一種であり、時短はずれの当選により大当り遊技状態を経由しなくても時短状態に移行させることができる。
[演出の進行など]
パチンコ機1では、遊技の進行に応じて種々の演出が実行される。当該演出は、液晶表示器42に各種の演出画像を表示することによって行われる。
遊技の進行に応じて実行される演出として、液晶表示器42に設けられた「左」、「中」、「右」の演出図柄表示エリアでは、第1特別図柄の変動表示または第2特別図柄の変動表示、普通図柄の変動表示が開始されることに対応して、演出図柄の変動表示が開始される。第1特別図柄の変動表示や第2特別図柄の変動表示において表示結果(確定特別図柄ともいう。)が停止表示されるタイミングでは、演出図柄の変動表示の表示結果となる確定演出図柄(3つの演出図柄の組合せ)も停止表示される。同様に、普通図柄の変動表示において表示結果(確定普通図柄ともいう。)が停止表示されるタイミングでは、演出図柄の変動表示の表示結果となる確定演出図柄(3つの演出図柄の組合せ)も停止表示される。
演出図柄の変動表示が開始されてから終了するまでの期間では、演出図柄の変動表示の態様が所定のリーチ態様となることがある。ここで、リーチ態様とは、液晶表示器42の画面上にて停止表示された演出図柄が後述の大当り組合せや小当り組合せの一部を構成しているときに未だ停止表示されていない演出図柄については変動表示が継続している態様などのことである。
また、演出図柄の変動表示中に上記リーチ態様となったことに対応してリーチ演出が実行される。パチンコ機1では、演出態様に応じて表示結果(特別図柄の変動表示の表示結果や演出図柄の変動表示の表示結果)が「大当り」となる割合(大当り信頼度、大当り期待度とも呼ばれる。)や「小当り」となる割合(小当り信頼度、小当り期待度とも呼ばれる。)が異なる複数種類のリーチ演出が実行される。リーチ演出には、例えば、ノーマルリーチと、ノーマルリーチよりも大当り信頼度の高いスーパーリーチと、がある。
なお、本実施形態では、第1特別図柄の変動表示と第2特別図柄の変動表示とを同時に並行して実行することが可能であるが、通常状態では第1特別図柄に対応する演出図柄の変動表示が行われ、時短状態では第2特別図柄に対応する演出図柄の変動表示が行われる。また、ミニ図柄や第4図柄は遊技状態に関わらず変動表示が行われる。
特別図柄の変動表示の表示結果が「大当り」となるときには、液晶表示器42の画面上において、演出図柄の変動表示の表示結果として、予め定められた大当り組合せとなる確定演出図柄が導出される(演出図柄の変動表示の表示結果が「大当り」となる)。例えば、「左」、「中」、「右」の演出図柄表示エリア4における所定の有効ライン上に同一の演出図柄(例えば、「7」等)が揃って停止表示される。
特別図柄の変動表示の表示結果が「小当り」となるときには、液晶表示器42の画面上において、演出図柄の変動表示の表示結果として、予め定められた小当り組合せとなる確定演出図柄(例えば、「1 3 5」等)が導出される(演出図柄の変動表示の表示結果が「小当り」となる)。例えば、「左」、「中」、「右」の演出図柄表示エリア42L、42C、42Rにおける所定の有効ライン上にチャンス目を構成する演出図柄が停止表示される。
特別図柄の変動表示の表示結果が「はずれ」となる場合には、演出図柄の変動表示の態様がリーチ態様とならずに、演出図柄の変動表示の表示結果として、非リーチ組合せの確定演出図柄(「非リーチはずれ」ともいう。)が停止表示される(演出図柄の変動表示の表示結果が「非リーチはずれ」となる)ことがある。また、表示結果が「はずれ」となる場合には、演出図柄の変動表示の態様がリーチ態様となった後に、演出図柄の変動表示の表示結果として、大当り組合せでない所定のリーチ組合せ(「リーチはずれ」ともいう)の確定演出図柄が停止表示される(演出図柄の変動表示の表示結果が「リーチはずれ」となる)こともある。
パチンコ機1が実行可能な演出には、保留表示や変動表示中表示を表示することも含まれる。また、他の演出として、例えば、大当り信頼度を予告する予告演出等が演出図柄の変動表示中に実行される。予告演出には、実行中の変動表示における大当り信頼度を予告する予告演出や、実行前の変動表示(実行が保留されている変動表示)における大当り信頼度を予告する先読み予告演出がある。先読み予告演出(以下、先読み演出と称することもある)として、変動表示対応表示(保留表示やアクティブ表示)の表示態様を通常とは異なる態様に変化させる演出が実行されるようにしてもよい。
また、液晶表示器42において、演出図柄の変動表示中に演出図柄を一旦仮停止させた後に変動表示を再開させることで、1回の変動表示を擬似的に複数回の変動表示のように見せる擬似連演出を実行するようにしてもよい。
大当り遊技状態中にも、大当り遊技状態を報知する大当り中演出が実行される。大当り中演出としては、ラウンド数を報知する演出や、大当り遊技状態の価値が向上することを示す昇格演出が実行されてもよい。また、小当り遊技状態中にも、小当り遊技状態を報知する小当り中演出が実行される。なお、小当り遊技状態中と、一部の大当り種別(小当り遊技状態と同様の態様の大当り遊技状態の大当り種別で、例えばその後の遊技状態を高確状態とする大当り種別)での大当り遊技状態とで、共通の演出を実行することで、現在が小当り遊技状態中であるか、大当り遊技状態中であるかを遊技者に分からないようにしてもよい。そのような場合であれば、小当り遊技状態の終了後と大当り遊技状態の終了後とで共通の演出を実行することで、高確状態であるか低確状態であるかを識別できないようにしてもよい。
また、例えば特別図柄の変動表示等が実行されていないときには、液晶表示器42にデモ(デモンストレーション)画像が表示される。
[制御上の構成]
次に、パチンコ機1の制御に関する構成について説明する。図5は、パチンコ機1に装備された各種の電子機器類を示すブロック図である。パチンコ機1は、制御動作の中枢となる主制御基板70(主制御用コンピュータ)を備えており、この主制御基板70は主に、パチンコ機1における遊技の進行を制御する機能を有している。なお、主制御基板70は、主制御基板ユニット170に内蔵されている。
また、主制御基板70には、中央演算処理装置である主制御CPU72を実装した回路基板(主制御基板)が装備されており、主制御CPU72は、図示しないCPUコアやレジスタとともにROM74、RAM(RWM)76等の半導体メモリを集積したLSIとして構成されている。また、主制御基板70には、乱数発生器75やサンプリング回路77が装備されている。このうち乱数発生器75は、特別図柄抽選の大当り判定用や普通図柄抽選の当り判定用にハードウェア乱数(例えば10進数表記で0~65535)を発生させるものであり、ここで発生された乱数は、サンプリング回路77を通じて主制御CPU72に入力される。その他にも主制御基板70には、入出力(I/O)ポート79や図示しないクロック発生回路、カウンタ/タイマ回路(CTC)等の周辺ICが装備されており、これらは主制御CPU72とともに回路基板上に実装されている。なお、回路基板上(又は内層部分)には、信号伝送経路や電源供給経路、制御用バス等が配線パターンとして形成されている。
上述した始動ゲート20には、遊技球の通過を検出するためのゲートスイッチ78が一体的に設けられている。また、遊技盤ユニット8には、始動入賞口26に対応する第1始動入賞口スイッチ80、始動入賞口28aに対応する第2始動入賞口スイッチ82、可変入賞装置30に対応する大入賞口スイッチ83、可変入賞装置30の特定領域に対応する特定領域スイッチ85a、可変入賞装置30の非特定領域に対応する非特定領域スイッチ85bが設けられている。
第1始動入賞口スイッチ80は始動入賞口26への遊技球の入球を検出し、第2始動入賞口スイッチ82は始動入賞口28aへの遊技球の入球を検出するためのものである。第1始動入賞口スイッチ80や第2始動入賞口スイッチ82によって遊技球が検出された場合には、この検出情報に基づき、所定個数(1個)の遊技球が賞球として払い出される。
また、大入賞口スイッチ83は、可変入賞装置30(大入賞口30a)へ入球した数をカウントするためのものである。大入賞口スイッチ83によって遊技球が検出された場合には、この検出情報に基づき、所定個数(例えば15個)の遊技球が賞球として払い出される。
特定領域スイッチ85aは、可変入賞装置30の特定領域に遊技球が入球したことを検出するためのものである。また、非特定領域スイッチ85bは、可変入賞装置30に遊技球が入球したことを検出するためのものである。
同様に遊技盤ユニット8には、普通入賞口22への遊技球の入球を検出する普通入賞口スイッチ81が設けられている。普通入賞口スイッチ81によって遊技球が検出された場合には、この検出情報に基づき、所定個数(6個)の遊技球が賞球として払い出される。
主制御CPU72は、第1始動入賞口スイッチ80、普通入賞口スイッチ81、第2始動入賞口スイッチ82、大入賞口スイッチ83からの検出信号が入力された場合に、各種入賞口に対応する賞球をRAM76に設定(記憶)する。信号が複数入力された場合は、賞球数に合算値を設定する。
また、主制御CPU72には性能表示モニタ95が接続されている。性能表示モニタ95は遊技盤9の背面に設けられている。主制御CPU72により、性能表示モニタ95では登録設定値やベース比率、エラーの種類に応じたエラー番号が表示される。
また、遊技盤9の背面には、RAMクリアボタンが押下操作可能に設けられており、このRAMクリアボタンの押下操作が主制御CPU72に接続されているRAMクリアスイッチ73aによって検出される。そして、RAMクリアスイッチ73aから主制御CPU72にRAMクリア操作信号が入力される。電源投入時にRAMクリアスイッチ73aからRAMクリア操作信号が入力されている場合、主制御CPU72は、RAM130をクリアする。
さらに、主制御CPU72には設定変更スイッチ73bが接続されている。設定変更スイッチ73bは、専用の鍵によってアクセス可能に構成されている。設定変更スイッチ73bがオンしていることを条件として、設定値を変更、確認する操作が可能となる。本実施形態では、有利度合いが異なる6段階の設定値のいずれかが設定値バッファに登録設定値として記憶され、記憶されている登録設定値に応じて遊技が進行する。
これらスイッチ類の入賞検出信号は、図示しない入出力ドライバを介して主制御CPU72に入力される。なお、遊技盤ユニット8の構成上、本実施形態ではゲートスイッチ78、普通入賞口スイッチ81、大入賞口スイッチ83、特定領域スイッチ85a、非特定領域スイッチ85bからの検出信号は、パネル中継端子板87を経由して送信され、パネル中継端子板87には、それぞれの入賞検出信号を中継するための配線パターンや接続端子等が設けられている。
上述した普通図柄表示装置33や普通図柄作動記憶ランプ33a、第1特別図柄表示装置34、第2特別図柄表示装置35、第1特別図柄作動記憶ランプ34a、第2特別図柄作動記憶ランプ35aおよび遊技状態表示装置38は、主制御CPU72からの制御信号に基づいて表示動作を制御されている。主制御CPU72は、遊技の進行状況に応じてこれら表示装置33,34,35,38およびランプ33a,34a,35aに対する制御信号を出力し、各LEDの点灯状態を制御している。また、これら表示装置33,34,35,38およびランプ33a,34a,35aは、上述したように1枚の統合表示基板90に実装された状態で遊技盤ユニット8に設置されており、この統合表示基板90にはパネル中継端子板87を中継して主制御CPU72から制御信号が送信される。
また、遊技盤ユニット8には、可変始動入賞装置28に対応する普通電動役物ソレノイド88、可変入賞装置30に対応する大入賞口ソレノイド89が設けられている。これらソレノイド88,89は、主制御CPU72からの制御信号に基づいて動作(励磁)し、それぞれ、可変始動入賞装置28、可変入賞装置30を開閉動作(作動)させる。なお、これらソレノイド88,89についてもパネル中継端子板87を中継して主制御CPU72から制御信号が送信される。
その他に一体扉ユニット4にはガラス枠開放スイッチ91が設置されており、また、内枠アセンブリ7にはプラ枠開放スイッチ93が設置されている。一体扉ユニット4が単独で閉鎖されると、ガラス枠開放スイッチ91からの接点信号(閉鎖信号)が主制御基板70(主制御CPU72)に入力され、また、外枠ユニット2から内枠アセンブリ7が閉鎖されると、プラ枠開放スイッチ93からの接点信号(閉鎖信号)が主制御基板70(主制御CPU72)に入力される。主制御CPU72は、これら接点信号(閉鎖信号)から一体扉ユニット4や内枠アセンブリ7の閉鎖状態を検出することができる。
なお、主制御CPU72は、閉鎖信号が入力されず、一体扉ユニット4又は内枠アセンブリ7のいずれかの開放状態を検出すると、外部情報信号として扉開放情報信号を生成するとともに、演出制御CPU126に送信する開放コマンドを生成する。また、主制御CPU72は、閉鎖信号の入力により、一体扉ユニット4および内枠アセンブリ7の両方の閉鎖状態を検出すると、外部情報信号として扉閉鎖情報信号を生成するとともに演出制御CPU126に送信する閉鎖コマンドを生成する。
また、主制御CPU72には磁気センサ86が接続されている。本実施形態の磁気センサ86はパチンコ機1の周囲の磁場の強さを検出し、検出した磁場の強さが初期設定された閾値を超えた場合に、主制御CPU72は、いわゆる磁石ゴト(磁石を用いて遊技球を操作する不正行為)が行われたことを検出する。
本実施形態において、磁気センサ86は、遊技盤9の裏側に設けられている。また、磁気センサ86を遊技盤9の裏側に設ける場合、遊技盤9を構成する板材(例えば、ベニヤ板やアクリル板)の近傍に配設することで、遊技盤9に近づけられた磁石等の磁気を検知し易くできる。例えば、遊技盤9の裏側に磁気センサ86を設ける場合、遊技盤9を構成する板材に直接磁気センサ86を設けることにより、遊技盤9を構成する板材から所定距離離れた場所に磁気センサ86を設ける場合と比べて遊技盤9の表側の磁気を検知し易くなる。
本実施形態の磁気センサ86は、主制御CPU72が電源投入時に初期設定を実行して周囲の磁場を加味した基準値(例えば「0」)を設定する。そして、この基準値から変化した値が一定値(閾値)を超えた場合にエラーとする。よって、電源投入時の周囲の磁場環境が初期設定で設定される基準値の設定に影響を及ぼす。このため、後述するように、周囲の磁場環境(例えば、地磁気、モータ、ソレノイド)を一定の状態で初期設定を行うようにしている。具体的には、一体扉ユニット4および内枠アセンブリ7の両方が閉鎖された状態が所定時間(本例では、2.5s)継続した場合に初期設定を行って基準値を設定している。また、磁気センサ86の初期設定が終了した後にさらに0.5s経過した場合、すなわち一体扉ユニット4および内枠アセンブリ7の両方が閉鎖された状態が特定時間(本例では、3.0s)継続した場合に演出制御CPU126が可動体40の初期動作を行う。
また、主制御CPU72には、ファール球センサ71a、アウトスイッチ71b、発射球センサ71cが接続されている。
ファール球センサ71aは、発射装置により遊技球を発射したものの遊技領域に到達せずに戻ってきた遊技球を検出する。この戻ってきた遊技球をファール球(戻り球)と称する。
アウトスイッチ71bは、遊技盤9の裏面側のアウト通路に配置されており、各種入賞口やアウト口32に入球した遊技球がアウト通路に導かれ、アウトスイッチ71bにより検出される。
発射球センサ71cは、発射装置により発射された遊技球を検出する。
パチンコ機1の裏側には、払出制御装置92が装備されている。この払出制御装置92(払出制御コンピュータ)は、上述した払出装置ユニット172の動作を制御する。払出制御装置92には、払出制御CPU94を実装した回路基板(払出制御基板)が装備されており、この払出制御CPU94もまた、図示しないCPUコアとともにROM96、RAM98等の半導体メモリを集積したLSIとして構成されている。払出制御装置92(払出制御CPU94)は、主制御CPU72からの賞球指示コマンドに基づいて払出装置ユニット172の動作を制御し、要求された個数の遊技球の払出動作を実行させる。なお、主制御CPU72は賞球指示コマンドとともに、外部情報信号として賞球情報信号を生成する。
払出装置ユニット172の図示しない賞球ケース内には、払出モータ102(例えばステッピングモータ、払出手段)とともに払出装置基板100が設置されており、この払出装置基板100には払出モータ102の駆動回路が設けられている。払出装置基板100は、払出制御装置92(払出制御CPU94)からの払出数指示信号に基づいて払出モータ102の回転角度を具体的に制御し、指示された数の遊技球を賞球ケースから払い出させる。払い出された遊技球は、流路ユニット173内の払出流路を通って受皿ユニット6に送られる。
また、例えば賞球ケースの上流位置には払出路球切れスイッチ104が設置されている他、払出モータ102の下流位置には払出計数スイッチ106が設置されている。払出モータ102の駆動により実際に賞球が払い出されると、その都度、払出計数スイッチ106からの計数信号が払出装置基板100に入力される。また、賞球ケースの上流位置で球切れが発生すると、払出路球切れスイッチ104からの接点信号が払出装置基板100に入力される。払出装置基板100は、入力された計数信号や接点信号を払出制御装置92(払出制御CPU94)に送信する。払出制御CPU94は、払出装置基板100から受信した信号に基づき、実際の払出数や球切れ状態を検知することができる。
また、パチンコ機1には、例えば下皿6cの内部(パチンコ機1の正面からみて奧の位置)に満タンスイッチ161が設置されている。実際に払い出された賞球(遊技球)は流路ユニット173を通じて上皿6bに放出されるが、上皿6bが遊技球で満杯になると、それ以上に払い出された遊技球は上述したように下皿6cへ流れ込む。さらに、下皿6cが遊技球で満杯になると、それによって満タンスイッチ161がONになり、満タン検出信号が払出制御CPU94に入力される。これを受けて払出制御CPU94は、主制御CPU72から賞球指示コマンドを受信してもそれ以上の賞球動作を一旦保留とし、未払出の賞球残数をRAM98に記憶させておく。なお、RAM98の記憶は電源断時にもバックアップが可能であり、遊技中に停電(瞬間的な停電を含む)が発生しても、未払出の賞球残数情報が消失してしまうことはない。
また、パチンコ機1の裏側には、発射制御基板108とともに発射ソレノイド110が設置されている。また、受皿ユニット6内には球送りソレノイド111が設けられている。これら発射制御基板108、発射ソレノイド110および球送りソレノイド111は上述した発射制御基板セット174を構成しており、このうち発射制御基板108には発射ソレノイド110および球送りソレノイド111の駆動回路が設けられている。このうち球送りソレノイド111は、受皿ユニット6内に蓄えられた遊技球を1個ずつ、発射機ケース内で所定の発射位置に送り出す動作を行う。また、発射ソレノイド110は、発射位置に送り出された遊技球を打撃し、上述したように遊技領域9aに向けて遊技球を1個ずつ連続的(間欠的)に打ち出す動作を行う。なお、遊技球の発射間隔は、例えば0.6秒程度の間隔(1分間で100個以内)である。
一方、パチンコ機1の表側に位置するハンドルユニット16には、発射レバーボリューム112、タッチセンサ114および発射停止スイッチ116が設けられている。このうち発射レバーボリューム112は、遊技者による発射ハンドルの操作量(いわゆるストローク)に比例したアナログ信号を生成する。また、タッチセンサ114は、静電容量の変化から遊技者の身体がハンドルユニット16(発射ハンドル)に触れていることを検出し、その検出信号を出力する。そして、発射停止スイッチ116は、遊技者の操作に応じて発射停止信号(接点信号)を生成する。
受皿ユニット6には発射中継端子板118が設置されており、発射レバーボリューム112やタッチセンサ114、発射停止スイッチ116からの各信号は、発射中継端子板118を経由して発射制御基板108に送信される。また、発射制御基板108からの駆動信号は、発射中継端子板118を経由して球送りソレノイド111に印加される。遊技者が発射ハンドルを操作すると、その操作量に応じて発射レバーボリューム112でアナログ信号(エンコードされたデジタル信号でもよい)が生成され、このときの信号に基づいて発射ソレノイド110が駆動される。これにより、遊技者の操作量に応じて遊技球を打ち出す強さが調整されるものとなっている。なお、発射制御基板108の駆動回路は、タッチセンサ114からの検出信号がオフ(ローレベル)の場合か、もしくは発射停止スイッチ116から発射停止信号が入力された場合は発射ソレノイド110の駆動を停止する。この他に、発射中継端子板118には遊技球等貸出装置接続端子板120が接続されており、この遊技球等貸出装置接続端子板120にカードユニットが接続されていない場合、同じく発射制御基板108の駆動回路は発射ソレノイド110の駆動を停止する。
また、受皿ユニット6には度数表示基板122および貸出および返却スイッチ基板123が内蔵されている。このうち度数表示基板122には、度数表示部の表示器(3桁分の7セグメントLED)が設けられている。また、貸出および返却スイッチ基板123には球貸ボタン10や返却ボタン12にそれぞれ接続されるスイッチモジュールが実装されており、球貸ボタン10又は返却ボタン12が操作されると、その操作信号が貸出および返却スイッチ基板123から遊技球等貸出装置接続端子板120を経由してカードユニットに送信される。また、カードユニットからは、有価媒体の残り度数を表す度数信号が遊技球等貸出装置接続端子板120を経由して度数表示基板122に送信される。度数表示基板122上の図示しない表示回路は、度数信号に基づいて表示器を駆動し、有価媒体の残り度数を数値表示する。また、カードユニットに有価媒体が投入されていなかったり、あるいは投入された有価媒体の残り度数が0になったりした場合、度数表示基板122の表示回路は表示器を駆動してデモ表示(有価媒体の投入を促す表示)を行うこともできる。
また、パチンコ機1は制御上の構成として、演出制御基板124(演出制御用コンピュータ)を備えている。この演出制御基板124は、パチンコ機1における遊技の進行に伴う演出の制御を行う。演出制御基板124にもまた、中央演算処理装置である演出制御CPU126を実装した回路基板(複合サブ制御基板)が装備されている。演出制御CPU126には、図示しないCPUコアとともにメインメモリとしてROM128やRAM130等の半導体メモリが内蔵されている。なお、演出制御基板124は、パチンコ機1の裏側で裏カバーユニット178に覆われる位置に設けられている。
また、演出制御基板124には、図示しない入出力ドライバや各種の周辺ICが装備されている他、ランプ駆動回路132や音響駆動回路134が装備されている。演出制御CPU126は、主制御CPU72から送信される演出用のコマンドに基づいて演出の制御を行い、ランプ駆動回路132や音響駆動回路134に指令を与えて枠ランプ46,50を発光させたり、スピーカ54a~54dから実際に効果音や音声等を出力させたりする処理を行う。
演出制御基板124と主制御基板70とは、例えば図示しない通信用ハーネスを介して相互に接続されている。ただし、これらの間の通信は、主制御基板70から演出制御基板124への一方向のみで行われ、逆方向への通信は行われない。なお、通信用ハーネスには、主制御基板70から演出制御基板124に対して送信される各種コマンドのバス幅に応じてパラレル形式を採用してもよいし、それぞれのドライバIC(I/O)のハード構成に合わせてシリアル形式を採用してもよい。
ランプ駆動回路132は、例えば図示しないPWM(パルス幅変調)ICやMOSFET等のスイッチング素子を備えており、このランプ駆動回路132は、LEDを含む各種ランプに印加する駆動電圧をスイッチング(又はデューティ切替)して、その発光・点滅等の動作を管理する。なお、各種ランプには、枠ランプ46,50が含まれる。
また、音響駆動回路134は、例えば図示しないサウンドROMや音響制御IC、アンプ等を内蔵したサウンドジェネレータであり、この音響駆動回路134は、スピーカ54a~54dを駆動して音響出力を行う。
本実施形態では一体扉ユニット4の内面にガラス枠電飾基板136が設置されており、ランプ駆動回路132や音響駆動回路134からの駆動信号はガラス枠電飾基板136を経由して各種枠ランプ46,50やスピーカ54a~54dに印加されている。また、ガラス枠電飾基板136には、演出ボタン45が接続されており、遊技者が演出ボタン45を操作すると、その接点信号がガラス枠電飾基板136を通じて演出制御基板124に入力される。さらに、ガラス枠電飾基板136には、ジョグダイアル45aが接続されており、遊技者がジョグダイアル45aを回転させると、その回転信号がガラス枠電飾基板136を通じて演出制御基板124に入力される。なお、ここではガラス枠電飾基板136に演出ボタン45およびジョグダイアル45aを接続した例を挙げているが、受皿電飾基板を設置する場合、演出ボタン45およびジョグダイアル45aは受皿電飾基板に接続されていてもよい。
その他、遊技盤ユニット8にはパネル電飾基板138が設置されており、このパネル電飾基板138には可動体モータ57が接続されている。可動体モータ57は、例えば図示しないリンク機構を介して可動体40(図2参照)を駆動する。演出制御CPU126からの駆動信号は、パネル電飾基板138を経由して可動体モータ57に印加される。
液晶表示器42は遊技盤ユニット8の裏側に設置されており、遊技盤ユニット8に形成された略矩形の開口を通じてその表示画面が視認可能となっている。また、遊技盤ユニット8の裏側にはインバータ基板158が設置されており、このインバータ基板158は液晶表示器42のバックライト(例えば冷陰極管)に印加される交流電源を生成している。さらに、遊技盤ユニット8の裏側には演出表示制御装置144が設置されており、液晶表示器42による表示動作は、演出表示制御装置144により制御されている。演出表示制御装置144には、汎用の中央演算処理装置である表示制御CPU146とともに、表示プロセッサであるVDP152を実装した回路基板(演出表示制御基板)が装備されている。このうち表示制御CPU146は、図示しないCPUコアとともにROM148、RAM150等の半導体メモリを集積したLSIとして構成されている。また、VDP152は、図示しないプロセッサコアとともに画像ROM154やVRAM156等の半導体メモリを集積したLSIとして構成されている。なお、VRAM156は、その記憶領域の一部をフレームバッファとして利用することができる。
演出制御CPU126のROM128には、演出の制御に関する基本的なプログラムが格納されており、演出制御CPU126は、このプログラムに沿って演出の制御を実行する。演出の制御には、上述したように枠ランプ46,50やスピーカ54a~54dを用いた演出の制御が含まれる他、液晶表示器42を用いた画像表示による演出の制御が含まれる。演出制御CPU126は、表示制御CPU146に対して演出に関する基本的な情報(例えば演出番号)を送信し、これを受け取った表示制御CPU146は、基本的な情報に基づいて具体的に演出用の画像を表示する制御を行う。
表示制御CPU146は、VDP152に対してさらに詳細な制御信号を出力する。これを受け取ったVDP152は、制御信号に基づいて画像ROM154にアクセスし、そこから必要な画像データを読み出してVRAM156に転送する。さらに、VDP152は、VRAM156上で画像データを1フレーム(単位時間あたりの静止画像)ごとにフレームバッファに展開し、ここでバッファされた画像データに基づき液晶表示器42の各画素(フルカラー画素)を個別に駆動する。
その他、内枠アセンブリ7の裏側には電源制御ユニット162(電源制御手段)が装備されている。この電源制御ユニット162はスイッチング電源回路を内蔵し、電源コード164を通じて島設備から外部電力(例えばAC24V等)を取り込むと、そこから必要な電力(例えばDC+34V、+12V等)を生成することができる。電源制御ユニット162で生成された電力は、主制御基板70や払出制御装置92、演出制御基板124、インバータ基板158に分配されている。さらに、払出制御装置92を経由して発射制御基板108に電力が供給されている他、遊技球等貸出装置接続端子板120を経由してカードユニットに電力が供給されている。なお、ロジック用の低電圧電力(例えばDC+5V)は、各装置に内蔵された電源用IC(3端子レギュレータ等)で生成される。また、上述したように電源制御ユニット162は、アース線166を通じて島設備にアース(接地)されている。
外部端子板160は払出制御装置92に接続されており、主制御基板70(主制御CPU72)にて生成された各種の外部情報信号は、払出制御装置92を経由して外部端子板160から外部に出力されるものとなっている。主制御基板70(主制御CPU72)および払出制御装置92(払出制御CPU94)は、外部端子板160を通じてパチンコ機1の外部に向けて外部情報信号を出力することができる。外部端子板160から出力される信号は、例えば遊技場のホールコンピュータ(図示していない)で集計される。なお、ここでは払出制御装置92を経由する構成を例に挙げているが、主制御基板70からそのまま外部情報信号が外部端子板160に出力される構成であってもよい。
以上がパチンコ機1の制御に関する構成例である。続いて、主制御基板70の主制御CPU72により実行される制御上の処理について説明する。
[遊技停止装置作動管理フェーズ]
図6(a)は、遊技停止装置作動管理フェーズを説明する図である。主制御基板70においては、差玉数の状況が遊技停止装置作動管理フェーズ(以下、「管理フェーズ」と略すことがある)により管理される。管理フェーズには、00H~03Hの3種類のフェーズ値のいずれかがセットされる。管理フェーズのフェーズ値=00Hは差玉数が90000個未満を示している。管理フェーズのフェーズ値=01Hは差玉数が90000個以上95000個未満(すなわち、90000個~94999個)を示している。管理フェーズのフェーズ値=02Hは差玉数が95000個以上であり、かつ遊技状態が大当り中又は小当り中であることを示している。管理フェーズのフェーズ値=03Hは差玉数が95000個以上であり、かつ遊技状態が大当り中又は小当り中以外の状態(本例では、通常状態、時短状態)ことを示している。
[遊技機状態フラグ]
図6(b)は、遊技機状態フラグを説明する図である。主制御基板70においては、遊技を進行可能な状態であるか否かが遊技機状態フラグにより管理される。遊技機状態フラグには、00H~07Hの8種類のフラグ値のいずれかがセットされる。遊技機状態フラグのフラグ値=00Hは遊技可能状態を示しており、遊技機状態フラグが00Hである場合に、遊技が進行制御され、遊技機状態フラグが00H以外である場合には、遊技が停止される。
遊技機状態フラグのフラグ値=01Hは設定変更状態を示しており、遊技機状態フラグが01Hである場合には、登録設定値の変更操作が可能となる。遊技機状態フラグのフラグ値=02Hは設定確認状態を示しており、遊技機状態フラグが02Hである場合には、登録設定値が性能表示モニタ95に表示される等して、登録設定値を確認することが可能となる。遊技機状態フラグのフラグ値=03Hは設定異常状態を示しており、遊技機状態フラグが03Hである場合には、登録設定値が異常であるとして遊技が停止される。遊技機状態フラグのフラグ値=04HはRAM異常状態を示しており、遊技機状態フラグが04Hである場合には、遊技が停止される。遊技機状態フラグのフラグ値=05Hはチェックサム異常状態を示しており、遊技機状態フラグが05Hである場合には、遊技が停止される。遊技機状態フラグのフラグ値=06Hは不正検出状態を示しており、遊技機状態フラグが06Hである場合には、遊技が停止される。電源が投入されると、遊技機状態フラグがいずれかのフラグ値にセットされ、遊技機状態フラグに応じた処理が行われる。遊技機状態フラグのフラグ値=07Hは遊技停止装置作動状態を示しており、遊技機状態フラグが07Hである場合には、遊技が停止される。電源が投入されると、遊技機状態フラグがいずれかのフラグ値にセットされ、遊技機状態フラグに応じた処理が行われる。
[CPU初期化処理]
図7は、主制御基板70におけるCPU初期化処理を説明する第1のフローチャートであり、図8は、主制御基板70におけるCPU初期化処理を説明する第2のフローチャートである。
電源基板より電源が供給されると、主制御CPU72にシステムリセットが発生し、主制御CPU72は、以下のCPU初期化処理(S100)を行う。
(ステップS100-1)
主制御CPU72は、電源投入に応じて、初期設定処理として、ROM74から起動プログラムを読み込むとともに、各種処理を実行するために必要な設定処理を行う。
(ステップS100-3)
主制御CPU72は、タイマカウンタにウェイト処理時間を設定する。
(ステップS100-5)
主制御CPU72は、電源断予告信号を検出しているかを判定する。なお、主制御基板70には、電源断検知回路が設けられており、電源電圧が所定値以下になると、電源断検知回路から電源断予告信号が出力される。電源断予告信号を検出している場合には、上記ステップS100-3に処理を移し、電源断予告信号を検出していない場合には、ステップS100-7に処理を移す。
(ステップS100-7)
主制御CPU72は、上記ステップS100-3で設定したウェイト時間が経過したか否かを判定する。その結果、ウェイト時間が経過したと判定した場合にはステップS100-9に処理を移し、ウェイト時間は経過していないと判定した場合には上記ステップS100-5に処理を移す。
(ステップS100-9)
主制御CPU72は、RAM76へのアクセスを許可するために必要な処理を実行する。
(ステップS100-11)
主制御CPU72は、Dレジスタに電源断前の遊技機状態フラグのフラグ値をロードする。
(ステップS100-12a)
主制御CPU72は、Dレジスタに02H(設定確認状態)がセットされているかを判定する。その結果、02Hがセットされていると判定した場合にはステップS100-12fに処理を移し、02Hはセットされていないと判定した場合にはステップS100-12bに処理を移す。
(ステップS100-12b)
主制御CPU72は、Dレジスタに07H(遊技停止装置作動状態)がセットされているかを判定する。その結果、07Hがセットされていると判定した場合にはステップS100-12fに処理を移し、07Hはセットされていないと判定した場合にはステップS100-12cに処理を移す。
(ステップS100-12c)
主制御CPU72は、Dレジスタに06H(不正検出状態)がセットされているかを判定する。その結果、06Hがセットされていると判定した場合にはステップS100-12dに処理を移し、06Hはセットされていないと判定した場合にはステップS100-12fに処理を移す。
(ステップS100-12d)
主制御CPU72は、電断前の差玉数をロードする。電断前の差玉数は図10のS300-6aで保存される。
(ステップS100-12e)
主制御CPU72は、ロードした電断前の差玉数を差玉保存カウンタに加算する。よって、Dレジスタに06H(不正検出状態)がセットされた状態で電断復帰された場合は電断前の差玉数が加算された状態で差玉の算出が行われる。
(ステップS100-12f)
主制御CPU72は、Dレジスタに00H(遊技可能状態)をセットする。
(ステップS100-13)
主制御CPU72は、チェックサムを算出するとともに、算出したチェックサムが、電源断時に保存されたチェックサムと一致する(正常である)か、ならびに、バックアップフラグが正常であるかを判定する。その結果、バックアップフラグおよびチェックサムが正常であると判定した場合にはステップS100-15に処理を移し、いずれか一方または双方が正常ではないと判定した場合にはステップS100-25に処理を移す。
(ステップS100-15)
主制御CPU72は、RAM76のクリア対象の先頭アドレスに、設定値および遊技機状態フラグを含まない番地をセットする。
(ステップS100-17)
主制御CPU72は、RAMクリアスイッチ73aからRAMクリア操作信号が入力されているか(RAMクリアボタンが押下操作されているか)を判定する。その結果、RAMクリア操作信号が入力されていると判定した場合にはステップS100-31に処理を移し、RAMクリア操作信号は入力されていないと判定した場合にはステップS100-19に処理を移す。
(ステップS100-19)
主制御CPU72は、上記ステップS100-11でロードした遊技機状態フラグのフラグ値が00H(遊技可能状態)であり、設定変更スイッチ180sがオンしており、かつ、内枠アセンブリ7が開放しているかを判定する。その結果、3つの条件をすべて満たすと判定した場合にはステップS100-21に処理を移し、3つの条件の1つでも満たされないと判定した場合にはステップS100-22aに処理を移す。
(ステップS100-21)
主制御CPU72は、Dレジスタに02H(設定確認状態)をセットする。すなわち、内枠アセンブリ7が開放されており、設定変更スイッチ180sがオンしており、RAMクリアボタンが押下されていない状態で正常に電源投入がなされると、設定確認状態となる。
(ステップS100-22a)
主制御CPU72は、差玉保存カウントのカウント値をセーブする。具体的には、ステップS100-12a~ステップS100-12eの処理により、Dレジスタに06H(不正検出状態)がセットされている場合は電断前の差玉数、Dレジスタに02H(設定確認状態)や07H(遊技停止装置作動状態)がセットされていた場合には0が保存される。
(ステップS100-22b)
主制御CPU72は、Dレジスタにセットされている値を遊技機状態フラグにセーブする。
(ステップS100-23)
主制御CPU72は、RAM76のうち、上記ステップS100-15でセットされた先頭アドレス以降の領域である電源復帰時のクリア対象をクリアする初期化処理を実行し、ステップS120に処理を移す。
(ステップS100-25)
主制御CPU72は、Dレジスタに05H(チェックサム異常状態)をセットする。
(ステップS100-27)
主制御CPU72は、使用外領域のリードライトメモリのチェックおよびクリアを行う領域外リードライトチェック処理を行う。
(ステップS100-29)
主制御CPU72は、RAM76のクリア対象の先頭アドレスに、設定値および遊技機状態フラグを含む番地をセットする。
(ステップS100-31)
主制御CPU72は、使用領域のリードライトメモリのチェックおよびクリアを行う。なお、RAMクリアスイッチ73aからRAMクリア操作信号が入力された場合(RAMクリアボタンが押下操作された場合)に本処理が実行されるが、管理フェーズが02H又は03Hの場合は本処理において管理フェーズがクリアされる(00Hにする)。よって、遊技停止状態に移行している場合はRAMクリアを行うことにより、遊技を行うことが可能になる。
(ステップS100-33)
主制御CPU72は、上記ステップS100-31におけるリードライトメモリのチェック結果が正常であるかを判定する。その結果、正常であると判定した場合にはステップS100-41に処理を移し、正常ではないと判定した場合にはステップS100-35に処理を移す。
(ステップS100-35)
主制御CPU72は、Dレジスタに04H(RAM異常状態)をセットし、ステップS100-45に処理を移す。
(ステップS100-41)
主制御CPU72は、設定変更条件を満たしているかを判定する。その結果、設定変更条件を満たしていると判定した場合にはステップS100-43に処理を移し、設定変更条件は満たしていないと判定した場合にはステップS100-45に処理を移す。なお、ここでは、設定変更条件に、設定変更スイッチ180sがオンしていること、内枠アセンブリ7が開放していること、および、RAMクリアスイッチ73aからRAMクリア操作信号が入力されていることが少なくとも含まれる。
(ステップS100-43)
主制御CPU72は、Dレジスタに01H(設定変更状態)をセットする。
(ステップS100-45)
主制御CPU72は、Dレジスタにセットされている値を遊技機状態フラグにセーブする。
(ステップS100-47)
主制御CPU72は、RAM76のうち、RAMクリア時のクリア対象をクリアする初期化処理を実行し、ステップS100-49に処理を移す。
(ステップS120)
主制御CPU72は、電源投入時設定処理を実行する。電源投入時設定処理では、管理フェーズをクリアするための処理を実行する。なお、電源投入時設定処理の詳細については後述する。
(ステップS100-49)
主制御CPU72は、RAM76がクリアされたことを払出制御基板310に伝達するための払出コマンド(RAMクリア指定コマンド)の送信処理(RAMクリア指定コマンドを送信バッファに格納)を行う。
(ステップS100-51)
主制御CPU72は、遊技機状態フラグをロードする。
(ステップS100-53)
主制御CPU72は、上記ステップS100-51でロードした遊技機状態フラグが00H(遊技可能状態)であるかを判定する。その結果、00Hであると判定した場合にはステップS110に処理を移し、00Hではないと判定した場合にはステップS100-55に処理を移す。
(ステップS110)
主制御CPU72は、サブコマンド群セット処理を行う。
(ステップS100-55)
主制御CPU72は、所定のコマンドを演出制御基板124に送信するためのサブコマンドセット処理を行う。
(ステップS100-57)
主制御CPU72は、タイマ割込みの周期を設定する。
(ステップS100-59)
主制御CPU72は、割込みを禁止するための処理を行う。
(ステップS100-61)
主制御CPU72は、当り図柄乱数用初期値更新乱数を更新する。なお、当り図柄乱数用初期値更新乱数は、当り図柄乱数の初期値および終了値を決定するためのものである。つまり、後述する当り図柄乱数の更新処理によって当り図柄乱数が、当り図柄乱数用初期値更新乱数から、当該当り図柄乱数用初期値更新乱数-1まで1周すると、当り図柄乱数は、そのときの当り図柄乱数用初期値更新乱数に更新されることとなる。
(ステップS100-63)
主制御CPU72は、払出制御基板310から受信した受信データ(主コマンド)を解析し、受信データに応じた種々の処理を実行する。
(ステップS100-65)
主制御CPU72は、送信バッファに格納されているサブコマンドを演出制御基板124に送信するための処理を行う。
(ステップS100-67)
主制御CPU72は、割込みを許可するための処理を行う。
(ステップS100-69)
主制御CPU72は、リーチグループ決定乱数、リーチモード決定乱数、変動パターン乱数を更新し、以後、上記ステップS100-59から処理を繰り返す。なお、以下では、変動演出パターンを決定するためのリーチグループ決定乱数、リーチモード決定乱数、変動パターン乱数を総称して変動演出用乱数と呼ぶ。
なお、以上の処理により、電断前に06H(不正検出状態)であっても電断復帰を2度連続で行うことにより、2度目の電断復帰ではステップS100-12cの後にS100-12fを通るので00H(遊技可能状態)にすることができる。このため、利便性を高めることができる。
図9は、主制御基板70における電源投入時設定処理(S120)を説明するフローチャートである。
(ステップS120-1)
主制御CPU72は、RAM76の使用外領域をクリアする。使用領域には電断前の差玉数が記憶されている。
(ステップS120-3)
主制御CPU72は各種設定を行う。
(ステップS120-5)
主制御CPU72は、管理フェーズが02H又は03Hか否かを判定する。その結果、02H又は03Hではない(すなわち、00H又は01H)と判定した場合にはステップS120-7に処理を移し、02H又は03Hである(すなわち、遊技停止状態)と判定した場合には電源投入時設定処理を終了する。
(ステップS120-7)
主制御CPU72は、差玉保存カウンタのカウント値が0であるか否かを判定する。その結果、差玉保存カウンタのカウント値が0であると判定した場合にはステップS120-9に処理を移し、差玉保存カウンタのカウント値が0ではないと判定した場合には電源投入時設定処理を終了する。
(ステップS120-9)
主制御CPU72は、管理フェーズをクリアする。これにより、管理フェーズが00Hになる。そして、電源投入時設定処理を終了する。
本実施形態では、Dレジスタに06H(不正検出状態)がセットされた状態で電断復帰された場合は、図8のステップS100-12eにおいて、差玉保存カウンタに電断前の差玉数が加算される。よって、ステップS120-7で差玉保存カウンタのカウント値が0ではないと判定される場合は、Dレジスタに06H(不正検出状態)がセットされた状態で電断復帰された場合である。よって、Dレジスタに06H(不正検出状態)がセットされた状態で電断復帰された場合は、ステップS120-9で管理フェーズがクリアされない。
次に、主制御基板70における割込み処理について説明する。ここでは、電源断時退避処理(XINT割込み処理)およびタイマ割込み処理について説明する。
[主制御基板70の電源断時退避処理(XINT割込み処理)]
図10は、主制御基板70における電源断時退避処理(XINT割込み処理)を説明するフローチャートである。主制御CPU72は、電源断検知回路を監視しており、電源電圧が所定値以下になると、CPU初期化処理に割り込んで電源断時退避処理を実行する。
(ステップS300-1)
電源断予告信号が入力されると、主制御CPU72は、レジスタを退避する。
(ステップS300-3)
主制御CPU72は、電源断予告信号をチェックする。
(ステップS300-5)
主制御CPU72は、電源断予告信号を検出しているかを判定する。その結果、電源断予告信号を検出していると判定した場合にはステップS300-11に処理を移し、電源断予告信号を検出していないと判定した場合にはステップS300-6aに処理を移す。
(ステップS300-6a)
主制御CPU72は、差玉保存カウンタのカウント値をRAM76に保存する。
(ステップS300-6b)
主制御CPU72は、差玉保存カウンタのカウント値をクリアする。
(ステップS300-7)
主制御CPU72は、レジスタを復帰させる。
(ステップS300-9)
主制御CPU72は、割込みを許可するための処理を行い、当該電源断時退避処理を終了する。
(ステップS300-11)
主制御CPU72は、出力ポートの出力を停止する出力ポートクリア処理を実行する。
(ステップS300-13)
主制御CPU72は、チェックサムを算出して保存するチェックサム設定処理を実行する。
(ステップS300-15)
主制御CPU72は、RAM76へのアクセスを禁止するために必要なRAMプロテクト設定処理を実行する。
(ステップS300-17)
主制御CPU72は、電源断発生監視時間を設定すべく、ループカウンタのカウンタ値に所定の電源断検出信号検出回数をセットする。
(ステップS300-19)
主制御CPU72は、電源断予告信号をチェックする。
(ステップS300-21)
主制御CPU72は、電源断予告信号を検出しているかを判定する。その結果、電源断予告信号を検出していると判定した場合にはステップS300-17に処理を移し、電源断予告信号を検出していないと判定した場合にはステップS300-23に処理を移す。
(ステップS300-23)
主制御CPU72は、上記ステップS300-17でセットしたループカウンタの値を1減算する。
(ステップS300-25)
主制御CPU72は、ループカウンタのカウンタ値が0でないかを判定する。その結果、カウンタ値が0ではないと判定した場合にはステップS300-19に処理を移し、カウンタ値が0であると判定した場合には上記したCPU初期化処理(ステップS100)に移行する。
なお、実際に電源断が生じた場合には、ステップS300-17~ステップS300-25をループしている間にパチンコ機1の稼働が停止する。
[主制御基板70のタイマ割込み処理]
図11は、主制御基板70におけるタイマ割込み処理を説明するフローチャートである。主制御基板70には、所定の周期(本実施形態では4ミリ秒、以下「4ms」という)毎にクロックパルスを発生させるリセット用クロックパルス発生回路が設けられている。そして、リセット用クロックパルス発生回路によって、クロックパルスが発生すると、CPU初期化処理(ステップS100)に割り込んで、以下のタイマ割込み処理が実行される。
(ステップS400-1)
主制御CPU72は、レジスタを退避する。
(ステップS400-3)
主制御CPU72は、割込みを許可するための処理を行う。
(ステップS400-5)
主制御CPU72は、コモン出力バッファにセットされたコモンデータを出力ポートに出力し、第1特別図柄表示装置34、第2特別図柄表示装置35、第1特別図柄作動記憶ランプ34a、第2特別図柄作動記憶ランプ35a、普通図柄表示装置33、普通図柄作動記憶ランプ33a、遊技状態表示装置38、性能表示モニタ95を点灯制御するダイナミックポート出力処理を実行する。
(ステップS400-7)
主制御CPU72は、各種の入力ポート情報を読み込み、最新のスイッチ状態を正確に取得するためのポート入力処理を実行する。
(ステップS400-9)
主制御CPU72は、上記ステップS100-61と同様、当り図柄乱数用初期値更新乱数の更新処理を実行する。
(ステップS400-11)
主制御CPU72は、当り図柄乱数を更新する処理を行う。具体的には、乱数カウンタを1加算して更新し、加算した結果が乱数範囲の最大値を超えた場合には、乱数カウンタを0に戻し、乱数カウンタが1周した場合には、その時の当り図柄乱数用初期値更新乱数の値から乱数を更新する。
なお、詳しい説明は省略するが、本実施形態では、大当り決定乱数および当り決定乱数は、主制御基板70に内蔵されたハードウェア乱数生成部によって更新されるハードウェア乱数を用いている。ハードウェア乱数生成部は、大当り決定乱数および当り決定乱数を、いずれも一定の規則にしたがって更新し、乱数列が一巡するごとに自動的に乱数列を変更するとともに、システムリセット毎にスタート値を変更している。
(ステップS400-13)
主制御CPU72は、遊技機状態フラグのフラグ値をロードする。
(ステップS400-15)
主制御CPU72は、上記ステップS400-13でロードしたフラグ値が00H(遊技可能状態)であるかを判定する。その結果、00Hであると判定した場合にはステップS400-19に処理を移し、00Hではないと判定した場合にはステップS400-17に処理を移す。
(ステップS400-17)
主制御CPU72は、上記ステップS400-13でロードしたフラグ値が03H(設定異常状態)以上であるかを判定する。その結果、03H以上であると判定した場合にはステップS400-27に処理を移し、03H以上ではないと判定した場合にはステップS450に処理を移す。
(ステップS450)
主制御CPU72は、設定関連処理を実行し、ステップS400-27に処理を移す。なお、設定関連処理については後述する。
(ステップS400-19)
主制御CPU72は、各種タイマカウンタを更新するタイマ更新処理を行う。ここで、各種タイマカウンタは、特に断る場合を除き、当該主制御基板70のタイマ割込み処理の度に減算され、0になると減算を停止する。
(ステップS500)
主制御CPU72は、第1始動入賞口スイッチ80、普通入賞口スイッチ81、第2始動入賞口スイッチ82、ゲートスイッチ78、大入賞口スイッチ83、特定領域スイッチ85a、ファール球センサ71a、アウトスイッチ71b、発射球センサ71cから信号の入力があったか否か判定するスイッチ管理処理を実行する。なお、このスイッチ管理処理の詳細については後述する。
(ステップS600)
主制御CPU72は、上記の特別遊技を進行制御するための特別遊技管理処理を実行する。また、大入賞口ソレノイド89を駆動させる場合には、大入賞口ソレノイド89を駆動させるためのソレノイド出力イメージを作成する。
(ステップS700)
主制御CPU72は、上記の普通遊技を進行制御するための普通遊技管理処理を実行する。また、を駆動させる場合には、普通電動役物ソレノイド88を駆動させるためのソレノイド出力イメージを作成する。なお、この普通遊技管理処理の詳細については後述する。
(ステップS400-21)
主制御CPU72は、可動部材駆動ソレノイドを駆動させる場合には、可動部材駆動ソレノイドを駆動させるためのソレノイド出力イメージを作成する。なお、可動部材駆動ソレノイドは、上記した小当り遊技が実行される場合に、可動部材の開閉を行う。なお、本実施形態では本処理は省略される。
すなわち、遊技機状態フラグのフラグ値が00H(遊技可能状態)ではない場合には、普通電動役物ソレノイド88、大入賞口ソレノイド89のソレノイド出力イメージは作成されない。
(ステップS400-23)
主制御CPU72は、普通入賞口スイッチ81、第1始動入賞口スイッチ80、第2始動入賞口スイッチ82、大入賞口スイッチ83のチェックを行い、該当する賞球制御用のカウンタ等を加算するための入賞口スイッチ処理を実行する。
(ステップS400-25)
主制御CPU72は、上記ステップS400-23でセットされた賞球制御用のカウンタのカウンタ値等に基づく払出コマンドの作成および送信を行うための払出制御管理処理を実行する。
(ステップS400-27)
主制御CPU72は、常時可動体を作動させる常時可動体モータを駆動させるためのソレノイド出力イメージを作成する。すなわち、遊技機状態フラグのフラグ値によらず、常時可動体モータを駆動させるためのソレノイド出力イメージが作成されることとなるため、常時可動体は、遊技機の電源投入中においては、常時、作動することとなる。これにより、エラーをわざと発生させ、常時可動体に対して何らかの不正を施すような、所謂、ゴト行為(不正行為)を抑制することが可能となる。例えば、常時可動体が止まっている間に、常時可動体に対して細工を施すゴト行為や、常時可動体が有利な位置で止まることで残存球が有利になるといったゴト行為も防止することができる。なお、本実施形態では、常時可動体が設けられていないため本処理は省略される。
(ステップS460)
主制御CPU72は、上記ステップS400-7において取得した入力ポート情報に基づいて、各種エラーの判定および判定結果に応じた設定を行うための状態管理処理を実行する。なお、この状態管理処理の詳細については後述する。
(ステップS800)
主制御CPU72は、遊技停止装置関連コマンドセット処理を実行する。遊技停止装置関連コマンドセット処理では管理フェーズを更新する処理を実行する。なお、この遊技停止装置関連コマンドセット処理の詳細については後述する。
(ステップS810)
主制御CPU72は、各種エラーの発生に基づいて遊技を停止させるための遊技機状態フラグ設定処理を実行する。なお、この遊技機状態フラグ設定処理の詳細については後述する。
(ステップS400-29)
主制御CPU72は、外部端子板160から外部へ出力する外部情報用の出力データをセットするための外部情報管理処理を実行する。
(ステップS400-31)
主制御CPU72は、普通図柄表示装置33や普通図柄作動記憶ランプ33a、第1特別図柄表示装置34、第2特別図柄表示装置35、第1特別図柄作動記憶ランプ34a、第2特別図柄作動記憶ランプ35aおよび遊技状態表示装置38等の各種表示器(LED)を点灯制御するための表示データを、各コモンに対応した出力バッファにセットするLED表示設定処理を実行する。
(ステップS400-33)
主制御CPU72は、大入賞口ソレノイド89、普通電動役物ソレノイド88のソレノイド出力イメージを合成し、出力ポートバッファに格納するためのソレノイド出力イメージ合成処理を実行する。なお、上記したように、遊技機状態フラグのフラグ値が00H(遊技可能状態)ではない場合には、大入賞口ソレノイド89、普通電動役物ソレノイド88のソレノイド出力イメージは作成されない。したがって、遊技機状態フラグのフラグ値が00H(遊技可能状態)ではない場合には、当該ステップS400-33において、常時可動体モータのソレノイド出力イメージのみが出力ポートバッファに格納されることとなる。
(ステップS400-35)
主制御CPU72は、各出力ポートバッファに格納されたコモン出力バッファの値を出力ポートに出力するためのポート出力処理を実行する。
(ステップS820)
主制御CPU72は、差玉を算出する差玉算出処理を実行する。差玉算出処理の詳細については後述する。
(ステップS830)
主制御CPU72は、管理フェーズを更新するための差玉確認処理を実行する。差玉確認処理の詳細については後述する。
(ステップS840)
主制御CPU72は、管理フェーズに03Hをセットするための遊技停止装置作動管理フェーズ設定処理を実行する。遊技停止装置作動管理フェーズ設定処理の詳細については後述する。
(ステップS400-37)
主制御CPU72は、割込みを禁止するための処理を行う。
(ステップS400-39)
主制御CPU72は、RAM76の使用外領域を用いて、性能表示モニタ95に表示するベース比率を算出するための処理を行い、算出したベース比率を性能表示モニタ95に表示するためのコモンデータをコモン出力バッファにセットする性能表示モニタ制御処理を実行する。なお、性能表示モニタ制御処理においては、所定期間ごとにベース比率が算出される。ここで、性能表示モニタ95には、現在の期間のベース比率と、それ以前の期間のベース比率とが所定時間ごとに切り替え表示されてもよい。また、所定の操作に応じて、性能表示モニタ95に表示されるベース比率が切り替わってもよい。
(ステップS400-41)
主制御CPU72は、レジスタを復帰してタイマ割込み処理を終了する。
図26は、上記の設定関連処理(S450)を説明するフローチャートである。
(ステップS450-1)
主制御CPU72は、遊技機状態フラグのフラグ値が01H(設定変更状態)であるかを判定する。その結果、01Hであると判定した場合にはステップS450-3に処理を移し、01Hではないと判定した場合にはステップS450-15に処理を移す。
(ステップS450-3)
主制御CPU72は、設定値バッファに記憶されている登録設定値を所定の処理領域にロードする。
(ステップS450-5)
主制御CPU72は、RAMクリアスイッチ73aが押下されたか(RAMクリア操作信号が入力されているか)を判定する。その結果、RAMクリアスイッチ73aが押下されていると判定した場合にはステップS450-7に処理を移し、RAMクリアスイッチ73aが押下されていないと判定した場合にはステップS450-9に処理を移す。
(ステップS450-7)
主制御CPU72は、処理領域の設定値に1を加算する。
(ステップS450-9)
主制御CPU72は、処理領域の設定値が1~6の範囲であるかを判定する。その結果、設定値が1~6の範囲であると判定した場合にはステップS450-13に処理を移し、設定値が1~6の範囲ではないと判定した場合にはステップS450-11に処理を移す。
(ステップS450-11)
主制御CPU72は、処理領域の設定値を1にセットする。
(ステップS450-13)
主制御CPU72は、処理領域の設定値を設定値バッファにセットする。
(ステップS450-15)
主制御CPU72は、設定変更スイッチ73bがオンしているかを判定する。その結果、設定変更スイッチ73bがオンしていると判定した場合には当該設定関連処理を終了し、設定変更スイッチ73bはオンしていないと判定した場合にはステップS450-17に処理を移す。
(ステップS450-17)
主制御CPU72は、設定関連処理の終了を示す設定関連終了指定コマンドを送信バッファにセットする。
(ステップS110)
主制御CPU72は、サブコマンド群セット処理を実行する。すなわち、設定関連処理が実行された場合、その終了時に、機種コマンド、設定値指定コマンド、特図1保留指定コマンド、特図2保留指定コマンド、回数コマンド、変動パターン選択状態指定コマンド、特図フェーズ指定コマンド、客待ち指定コマンドが演出制御基板124に送信されることとなる。
(ステップS450-19)
主制御CPU72は、遊技機状態フラグに00H(遊技可能状態)をセットし、当該設定関連処理を終了する。
以上のように、本実施形態によれば、内枠アセンブリ7が開放され、設定変更スイッチ73bがオンされ、RAMクリアボタンが押下操作された状態で、正常に電源投入がなされると、CPU初期化処理(図7)において、遊技機状態フラグに01H(設定変更状態)がセットされる。その後、タイマ割込み処理が実行されるが、遊技機状態フラグに01H(設定変更状態)がセットされているため、遊技の進行に係る全ての処理(図11のステップS400-19~ステップS400-25)が停止され、設定関連処理が実行される。
設定関連処理は、設定変更スイッチ73bがオンしている間、繰り返し実行され、この設定関連処理中は、RAMクリアボタンの押下操作が、登録設定値の設定変更操作として受け付けられる。すなわち、設定変更操作を受け付ける設定変更処理(S450-1~S450-13)中は、設定変更操作に応じて、設定値バッファに記憶する登録設定値が、複数段階設けられた設定値のいずれかに切り替えられる。
そして、遊技機状態フラグに01H(設定変更状態)がセットされている状態で、設定変更スイッチ180sがオフに切り替わると、設定変更処理が終了となり、遊技機状態フラグに00H(遊技可能状態)がセットされる。これにより、次のタイマ割込み処理から、遊技の進行に係る処理が実行可能となる。
ここで、本実施形態の設定関連処理では、RAMクリアボタンの押下操作、すなわち、登録設定値の設定変更操作の受け付け終了後に、サブコマンド群セット処理において、登録設定値に対応する設定値指定コマンドが演出制御基板124に送信される。一方で、設定変更操作の受け付け中は、設定値指定コマンドが演出制御基板124に送信されることはない。このように、設定変更操作の受け付け中は、設定値指定コマンドを送信せずに、設定変更操作の受け付けが終了し、遊技の進行が可能な状態に移行する場合に、設定値指定コマンドを送信することで、登録設定値が不正に取得されるリスクを低減することができる。
また、本実施形態では、01H(設定変更状態)を少なくとも含む複数のフラグ値が切り替えられる。そして、遊技機状態フラグに01H(設定変更状態)がセットされている場合に設定関連処理が実行可能となり、かつ、遊技の進行が停止される。このように、遊技の進行中に設定関連処理が実行されることがないため、遊技の進行中に設定値指定コマンドが送信されることもなく、登録設定値が不正に取得されるリスクが低減される。
次に、上記したタイマ割込み処理のうち、ステップS460の状態管理処理、ステップS800の遊技停止装置関連コマンドセット処理、ステップS810の遊技機状態フラグ設定処理、ステップS820の差玉算出処理、ステップS830の差玉確認処理、ステップS840の遊技停止装置作動管理フェーズ設定処理について、詳細に説明する。
[状態管理処理]
図12は、主制御基板70における状態管理処理(S460)を説明するフローチャートである。主制御CPU72は、上記ステップS400-7において取得した入力ポート情報に基づいて、各種異常(エラー)判定および判定結果に応じた設定を行うための状態管理処理を実行する。
具体的には、扉開放検出センサによってガラス枠開放スイッチ91により一体扉ユニット4の開放が検出された場合、プラ枠開放スイッチ93により内枠アセンブリ7の開放が検出された場合、磁気センサ86によって外部からの磁気を検出した場合、主制御CPU72に接続されている振動センサ(図示せず)によって振動を検知した場合、主制御CPU72に接続されている電波検出センサ(図示せず)により電波を検出した場合等を含む不正なエラーの発生を判定する。なお、その他のスイッチに関するエラー(スイッチエラー)の判定は、スイッチ管理処理(ステップS500)において行われることとなる。
状態管理処理では、各種の不正なエラーの判定に対して、不図示の状態管理処理テーブルを参照して、順に共通処理(S460-5~S460-17)を実行する。状態管理処理テーブルには、各種エラーの判定に対する共通処理で用いられるデータが記憶されている。具体的には、例えば、対応するセンサの状態が示される入力ポート情報が記憶されたアドレスや、エラーが検出された場合に後述する遊技機エラー状態フラグをオンするか否かが、それぞれ記憶されている。
(ステップS460-1)
主制御CPU72は、状態管理処理テーブルのアドレスをセットする。ここでは、状態管理処理テーブルのうち、対象となるエラー判定用のデータが記憶されたアドレスがセットされる。
(ステップS460-3)
主制御CPU72は、エラー判定の検知対象となるセンサの数に対応し、下記ステップS460-5~S460-17の共通処理をループさせるためのループ回数をセットする。例えば、1回目の共通処理では、磁気センサ86に関するエラー判定を行い、2回目以降の共通処理において、ガラス枠開放スイッチ91、プラ枠開放スイッチ93、振動センサ、電波検出センサ等に関するエラー判定および判定結果に対する処理を順次実行する。
(ステップS460-5)
主制御CPU72は、エラー判定の検知対象となるセンサにおいてエラーが発生しているかを判定する。その結果、エラーが発生している場合には、ステップS460-7に処理を移し、エラーが発生していない場合には、ステップS460-15に処理を移す。
(ステップS460-7)
主制御CPU72は、エラー指定コマンドを送信バッファにセットする。なお、エラー指定コマンドは、発生したエラーの種別を識別可能となっている。ここでセットされたエラー指定コマンドは、上記ステップS100-65において演出制御基板124に送信されることになる。なお、詳しくは後述するが、演出制御基板124は、エラー指定コマンドを受信すると、エラー履歴情報を記憶する。
(ステップS460-9)
主制御CPU72は、エラーが発生したことを示す外部情報用の出力データをセットする。この外部情報用の出力データは、遊技情報出力端子板312から外部へ出力されることとなる。
(ステップS460-11)
主制御CPU72は、遊技機状態フラグの設定のために用いる遊技機エラー状態フラグをオンするか否かを判断する。上記したように、状態管理処理テーブルには、エラーが検出された場合に遊技機エラー状態フラグをオンするか否かが、対応するセンサごとにそれぞれ記憶されている。本実施形態では、振動センサおよび磁気センサ86に基づいてエラー(振動エラーおよび磁気エラー)が検出された場合には、遊技機エラー状態フラグをオンすることが予め設定され、一方で、ガラス枠開放スイッチ91やプラ枠開放スイッチ93に基づいてエラー(扉開放エラー)、電波センサに基づいてエラーが検出された場合には、遊技機エラー状態フラグをオンしないことが予め設定されている。
(ステップS460-13)
主制御CPU72は、遊技機エラー状態フラグをオンする。
(ステップS460-15)
主制御CPU72は、上記ステップS460-3において設定したループ回数のループが終了したかを判定する。その結果、ループが終了した場合には当該状態管理処理を終了し、ループが終了していない場合にはステップS460-17に処理を移す。
(ステップS460-17)
主制御CPU72は、次の共通処理の対象となるエラー判定を選択し、ステップS460-5に処理を戻す。
なお、上記の状態管理処理は、遊技機状態フラグのフラグ値によらず、タイマ割込み処理のたびに実行されることとなる。したがって、遊技機状態フラグが01H(設定変更状態)あるいは02H(設定確認状態)である場合であっても、上記ステップS460-5においてエラーが発生しているかを判定されると、エラー指定コマンドが演出制御基板124に送信されることとなる。そのため、遊技可能状態以外の場合、例えば、設定変更処理中および設定確認処理中においてエラーが発生したとしても、演出制御基板124において履歴情報を記憶しておくことが可能となるため、不正行為が仮に行われたとしても、不正行為が行われたことを早期に発見することができる。これにより、不正行為に対する対策を向上させることが可能となる。
[遊技停止装置関連コマンドセット処理]
図14は、上記の遊技停止装置関連コマンドセット処理(S800)を説明するフローチャートである。
(ステップS800-1)
主制御CPU72は、遊技機状態フラグのフラグ値が00H(遊技可能状態)であるかを判定する。その結果、00Hであると判定した場合にはステップS800-3に処理を移し、00Hではないと判定した場合には当該遊技停止装置関連コマンドセット処理を終了する。
(ステップS800-3)
主制御CPU72は、管理フェーズと、RAM76に格納されている管理フェーズコマンドの値が一致するか判定する。その結果、管理フェーズと管理フェーズコマンドの値が一致する場合にはステップS800-5に処理を移し、管理フェーズと管理フェーズコマンドの値が一致しないと判定した場合には当該遊技停止装置関連コマンドセット処理を終了する。
(ステップS810-5)
主制御CPU72は、管理フェーズの値と一致するように管理フェーズコマンドの値を更新する。
(ステップS810-7)
主制御CPU72は、管理フェーズコマンドを生成し、当該遊技停止装置関連コマンドセット処理を終了する。管理フェーズコマンドはタイマ割り込み処理内で実行されるコマンド送信処理(図示せず)において演出制御基板124に送信される。演出制御CPU126は、管理フェーズコマンドから識別した管理フェーズの値(すなわち、差玉数)に応じた演出を実行する。
[遊技機状態フラグ設定処理]
図14は、上記の遊技機状態フラグ設定処理(S810)を説明するフローチャートである。
(ステップS810-1)
主制御CPU72は、遊技機状態フラグのフラグ値が00H(遊技可能状態)であるかを判定する。その結果、00Hであると判定した場合にはステップS810-3に処理を移し、00Hではないと判定した場合にはステップS810-9に処理を移す。
(ステップS810-3)
主制御CPU72は、大当り中又は小当り中であるか判定する。その結果、大当り中又は小当り中でないと判定した場合にはステップS810-5に処理を移し、大当り中又は小当り中ではあると判定した場合にはステップS810-9に処理を移す。
(ステップS810-5)
主制御CPU72は、遊技機エラー状態フラグがオンであるか判定する。その結果、遊技機エラー状態フラグがオンであると判定した場合にはステップS810-7に処理を移し、遊技機エラー状態フラグがオンではないと判定した場合にはステップS810-9に処理を移す。
(ステップS810-7)
主制御CPU72は、遊技機状態フラグに06H(不正検出状態)をセットする。
(ステップS810-9)
主制御CPU72は、管理フェーズのフェーズ値が03Hであるか否かを判定する。その結果、管理フェーズのフェーズ値が03Hである場合にはステップS810-11に処理を移し、遊技機エラー状態フラグがオンではないと判定した場合には当該遊技機状態フラグ設定処理を終了する。
(ステップS810-11)
主制御CPU72は、遊技機状態フラグに07H(遊技停止装置作動状態)をセットし、当該遊技機状態フラグ設定処理を終了する。
上記のように、本実施形態では、遊技機状態フラグのフラグ値が00H(遊技可能状態)であり、さらに大当り中又は小当り中でない場合に、遊技機エラー状態フラグがオンされると、遊技機状態フラグに06H(不正検出状態)がセットされ遊技が停止される。したがって、例えば、遊技機状態フラグが01H(設定変更状態)である場合や、02H(設定確認状態)である場合に各種エラーが発生したとしても、設定変更や設定確認が中断されないため、設定変更や設定確認を行う際の作業性を向上させることができる。なお、設定変更中または設定確認中に遊技機エラー状態フラグがオンされた場合、当該設定変更または当該設定確認が終了すると、遊技状態が遊技可能状態(00H)に一瞬移行するものの、タイマ割込み処理における遊技機状態フラグ設定処理(ステップS470)によって不正検出状態(06H)に移行する。そのため、結果的には設定処理中に所定のエラーが発生した(遊技機エラー状態フラグがオンされた)場合には、遊技機状態フラグが01Hや02Hから一気に06Hに設定されることになる。
また、管理フェーズの値が03Hの場合は、差玉数が950000個以上であり、大当り中又は小当り中でないので、遊技機状態フラグに07H(遊技停止装置作動状態)がセットされ、遊技停止状態に移行する。遊技停止状態へ移行することにより、打ち止めとなる。
遊技停止状態では、遊技停止(図柄の変動もせず、保留消化もせず、賞球も行われない状態)及び発射停止(遊技球の発射ができない状態)となる。また、主制御CPU72は、遊技停止状態に移行させたときに、統合表示基板90での普通図柄表示装置33や普通図柄作動記憶ランプ33a、第1特別図柄表示装置34、第2特別図柄表示装置35、第1特別図柄作動記憶ランプ34a、第2特別図柄作動記憶ランプ35aおよび遊技状態表示装置38を全消灯し、これらの表示を表示休止状態にする。
また、主制御CPU72は、性能表示モニタ95から遊技停止状態に移行したことを示す「ER5」を表示する。
なお、本実施形態では、遊技停止状態に移行しているときにRAMクリアを伴う電断復帰が行われると、主制御CPU72は、管理フェーズがクリアされて遊技可能な状態に復帰させる。
このとき、主制御CPU72は、統合表示基板90での普通図柄表示装置33や普通図柄作動記憶ランプ33a、第1特別図柄表示装置34、第2特別図柄表示装置35、第1特別図柄作動記憶ランプ34a、第2特別図柄作動記憶ランプ35aおよび遊技状態表示装置38を点灯し、これらの表示の表示休止状態を解除する。なお、このとき、主制御CPU72は、表示内容をリセットするので、電断前の図柄の変動表示や遊技状態の表示が引き継がれない。
以上のような構成とすることにより、統合表示基板90の各表示が休止されるので遊技停止状態に移行したことを明確に表示できる。これにより、遊技停止状態に移行しているにも関わらず、遊技者が遊技を開始しようとする不便さを解消できる。さらに、性能表示モニタ95での表示により、遊技場の店員に対しても遊技停止状態に移行したことを明確に表示できる。
なお、上記処理を行うことにより、大当り中又は小当り中に差玉数が95000個以上になったが大当り又は小当り終了後までに差玉数が950000個未満になった場合でも遊技停止状態に移行させるように構成することが可能である。
[差玉算出処理]
図15は、差玉算出処理(ステップS820)の手順例を示すフローチャートである。
(ステップS820-1)
主制御CPU72は、以下の演算式により、演算用差玉を算出する処理を実行する。
(演算式)演算用差玉=演算用差玉+賞球数カウンタ-発射球数カウンタ+ファール球数カウンタ
例えば、「演算用差玉数」が「0」であり、「賞球数カウンタ」が「10」であり、「発射球数カウンタ」が「1」であり、「ファール球数カウンタ」が「2」である場合、算出される「演算用差玉数」は、「11(=0+10-1+2)」となる。なお、本実施形態では、「発射球数カウンタ」の値が減少していくと演算用差玉数が減少していくが、演算用差玉が0になるとそれ以上減少することはない。すなわち、演算用差玉数がマイナスになることはない。
(ステップS820-3)
ステップS820-1で算出した演算用差玉数が最大差玉数(最も差玉が減少したときから差玉が増加したときに増加分の差玉が最も大きくなったときの差玉数)より大きいかを判定する。その結果、演算用差玉数が最大差玉数より大きい場合はステップS820-5に処理を移し、演算用差玉数が最大差玉数以下の場合は差玉算出処理を終了する。
(ステップS820-4)
最大差玉数を記憶している最大差玉数カウンタの値を更新する。
(ステップS820-5)
差玉保存カウンタに演算用差玉数をセットする。
このような処理を実行することにより、主制御CPU72は、最も差玉が減少したときから差玉が増加したときに増加分の差玉が最も大きくなったときの最大差玉数を更新することができる。
[最大差玉数]
図16に示すように、最大差玉数について説明すると、電源が投入されてから遊技が開始され、遊技球が発射されたとする。このときは差玉保存カウンタの値は0である。
そして、大当りが発生して賞球が払い出されると最大差玉数が更新されていき、これに伴い、差玉保存カウンタの値が更新されていく。大当りが終了すると、遊技球の発射に伴い、差玉保存カウンタの値が減少していく。そして、再度大当りが発生して賞球が払い出されると1回目の大当りでの最大差玉数を超えると差玉保存カウンタの値が更新される。
以上のような処理により、最大差玉数が更新されるとともに差玉保存カウンタの値が更新されていく。
[差玉確認処理]
図17は、主制御基板70における差玉確認処理(S830)を説明するフローチャートである。
(ステップS830-1)
主制御CPU72は、差玉保存カウンタのカウント値と比較値が一致するかを判定する。比較値は、更新前の差玉保存カウンタの値である。その結果、差玉保存カウンタのカウント値と比較値が一致しないと判定した場合にはステップS830-3に処理を移し、差玉保存カウンタのカウント値と比較値が一致すると判定した場合には当該差玉確認処理を終了する。
(ステップS830-3)
主制御CPU72は比較値を更新してRAM76に保存する。
(ステップS830-5)
主制御CPU72は、遊技機状態フラグのフラグ値が00H(遊技可能状態)であるかを判定する。その結果、00Hであると判定した場合にはステップS830-7に処理を移し、00Hではないと判定した場合には当該差玉確認処理を終了する。
(ステップS830-7)
主制御CPU72は、管理フェーズが02H(差玉が95000個以上かつ大当り中又は小当り中)かを判定する。その結果、02Hでない(すなわち00H又は01H)と判定した場合にはステップS830-9に処理を移し、02Hあると判定した場合には当該差玉確認処理を終了する。なお、03Hの場合は07H(遊技停止装置作動状態)なのでステップS830-7でNOとなる。
(ステップS830-9)
主制御CPU72は、差玉保存カウンタのカウント値に基づいて差玉情報をセットする。
(ステップS830-11)
主制御CPU72は、差玉判定テーブルのアドレスをセットし、差玉判定テーブルを参照する。差玉判定テーブルでは、差玉数が95000個(05FH)に対して判定値「1」が対応付けられており、差玉数が90000個(05AH)に対して判定値「2」が対応付けられている。
(ステップS830-13)
主制御CPU72は、判定回数(ループ回数)をセットする。本実施形態では、判定回数に「2」がセットされている。
(ステップS830-15)
主制御CPU72は、差玉情報が示す差玉数は判定値が示す差玉数以上かを判定する。その結果、差玉情報が示す差玉数は判定値が示す差玉数以上である場合にはステップS830-21に処理を移し、差玉情報が示す差玉数は判定値が示す差玉数以上でない場合にはステップS830-17に処理を移す。
(ステップS830-17)
主制御CPU72は、判定回数を1減算する。
(ステップS830-19)
主制御CPU72は判定回数が0かを判定する。その結果、判定回数が0である場合にはステップS830-21に処理を移し、判定回数が0でない場合にはステップS830-15に処理を移す。
(ステップS830-21)
主制御CPU72は管理フェーズの値と判定回数が一致するかを判定する。このとき、管理フェーズは00Hが「0」、01Hが「1」、02Hが「2」として判定回数と比較される。
(ステップS830-23)
主制御CPU72は管理フェーズの値を判定回数の値に更新する。すなわち、判定回数が0の場合は管理フェーズが「00H」、判定回数が1の場合は管理フェーズが「01H」、判定回数が2の場合は管理フェーズが「02H」に更新される。
以上のステップS830-15~ステップS830-23の処理を具体的に説明すると、まず、1回目のステップS830-15で差玉情報が示す差玉数が95000個(判定値「1」)以上であるかを判定する。すなわち、差玉数が90000個以上95000個未満から95000個以上に変化したか否かを判定する。そして、差玉情報が示す差玉数が95000個以上であると判定した場合は、ステップS830-17を通らないので判定回数が2のままである。よって、管理フェーズの値が01H(差玉数が90000個以上95000個未満)から判定回数2に基づき02Hに更新される。
また、ステップS830-15で差玉情報が示す差玉数が95000個未満であると判定した場合は、ステップS830-17を通るので判定回数を1に減算し、2回目のステップS830-15で差玉情報が示す差玉数が90000個(判定値「2」)以上であるかを判定する。すなわち、差玉数が90000個未満から90000個以上に変化したか否かを判定する。そして、差玉情報が示す差玉数が90000個以上であると判定した場合は、再度ステップS830-17を通らないので判定回数が1である。よって、管理フェーズの値が00H(差玉数が90000個未満)から01Hに更新される。
また、2回目のステップS830-15で差玉情報が示す差玉数が90000個(判定値「2」)以上でないと判定された場合は、再度ステップS830-17を通るので判定回数が0に減算される。この場合は、判定回数が0なので、管理フェーズの値が00H(差玉数が90000個未満)に更新される。なお、この処理により、差玉数が90000個以上から90000個未満に変化した場合には、管理フェーズの値が01H(差玉数が90000個以上95000個未満)から00H(差玉数が90000個未満)に更新される。
すなわち、管理フェーズが更新される場合は、管理フェーズのフェーズ値が00H→01H、01H→02H、01H→00Hのいずれか変化する処理が行われる。
[遊技停止装置管理フェーズ設定処理]
図18は、上記の遊技停止装置管理フェーズ設定処理(S840)を説明するフローチャートである。
(ステップS840-1)
主制御CPU72は、管理フェーズが02H(差玉が95000個以上かつ大当り中又は小当り中)かを判定する。その結果、02Hあると判定した場合にはステップS840-3に処理を移し、02Hでない(すなわち00H又は01H又は03H)と判定した場合にはステップS840-7に処理を移す。
(ステップS840-3)
主制御CPU72は、大当り中又は小当り中であるか判定する。その結果、大当り中又は小当り中であると判定した場合にはステップS840-7に処理を移し、大当り中又は小当り中ではないと判定した場合にはステップS840-5に処理を移す。
(ステップS840-5)
主制御CPU72は、管理フェーズのフェーズ値を03H(差玉が95000個以上かつ大当り中又は小当り中以外)する。
(ステップS840-7)
主制御CPU72は、遊技機状態フラグが07H(遊技停止装置作動状態)であるかを判定する。その結果、07Hであると判定した場合にはステップS840-9に処理を移し、07Hでないと判定した場合には当該遊技停止装置管理フェーズ設定処理を終了する。
(ステップS840-9)
主制御CPU72は、遊技機状態フラグが07H(遊技停止装置作動状態)に対応する外部出力信号を出力し、当該遊技停止装置管理フェーズ設定処理を終了する。
なお、本実施形態では、管理フェーズが01Hの場合(差玉が90000個以上950000個未満)の場合には、主制御CPU72は、試験信号を外部出力する。
以上のように、図17のステップS830-23で管理フェーズが02Hに更新されると、大当り中又は小当り中でなければ03Hに更新される。
上記のように、管理フェーズのフェーズ値が03Hに更新されると、図14のステップS810-11で遊技機状態フラグが07H(遊技停止装置作動状態)に更新される。これにより、遊技停止状態に移行する。
[電断復帰時の差玉保存カウンタ及び管理フェーズの処理内容]
図19は、電断復帰時の差玉保存カウンタ及び管理フェーズの処理内容を示す。
図19(a)に示すように、遊技機状態フラグが00H(遊技可能状態)のときに電断復帰が行われた場合は差玉保存カウンタ及び管理フェーズがクリアされる。
図19(b)に示すように、遊技機状態フラグが06H(不正検出状態)のときに電断復帰が行われた場合は差玉保存カウンタ及び管理フェーズがクリアされず、電断前の値が維持される。
以上のような構成とすることにより、例えば、磁気センサ86を反応させるなど、故意にエラーを発生させて電断復帰によりエラー解除を行わせることにより、差玉保存カウンタ及び管理フェーズをクリアさせて遊技停止状態への移行を防ぐ不正な行為を防止できる。
[演出の具体例]
図20は、(a)管理フェーズコマンドが01Hのときに実行する第1演出、(b)管理フェーズコマンドが02Hのときに実行する第2演出、(c)管理フェーズコマンドが03Hのときに実行する第3演出の具体例を示す図である。
図20(a)では、大当り中の1ラウンド目の演出が実行されている。画面にはラウンド数と右打ちを促す右打ちの文字情報及び矢印の画像も表示されている。そして、この時点で差玉が90000発に到達したものとする。この場合、第1演出が実行される。
図20(a)に示すように、具体的には、第1演出として、液晶表示器42の表示画面の下部に第1演出画像E1を表示する。第1演出画像E1は、「打ち止めまで残り5000発です」という文字情報を含む画像である。なお、第1演出画像E1は、ラウンド数と右打ちを促す右打ちの文字情報及び矢印の画像と重ならない位置に表示される。
なお、演出制御CPU126は、第1演出の実行中にデモ状態に移行した場合にも第1演出を実行する。そして、演出制御CPU126は、デモ状態に移行したときに第1演出を実行する場合は、注意表示(のめり込み防止表示、スマスロ/スマパチである旨の表示、カード取り忘れ防止表示)と重ならないように第1演出画像E1を表示する。なお、デモ画面と表示時期を異ならせることも可能である。
図20(b)では、大当り中の5ラウンド目の演出が実行されている。なお、この5ラウンド目は、図20(a)の続きの5ラウンド目ではなく、別の大当りの5ラウンド目である。画面にはラウンド数と右打ちを促す右打ちの文字情報及び矢印の画像も表示されている。そして、この時点で差玉が95000発に到達したものとする。この場合、第2演出が実行される。
図20(b)に示すように、具体的には、第2演出として、液晶表示器42の表示画面の下部に第2演出画像E2を表示する。第2演出画像E2は、「当り遊技終了後に打ち止めとなります」という文字情報を含む画像である。
図20(c)では、通常状態の演出が表示されている。そして、この時点で差玉が95000発に到達した、あるいは、大当り中に差玉が95000発に到達して大当り遊技が終了し、通常状態に移行したものとする。この場合、第3演出が実行される。
図20(c)に示すように、具体的には、第3演出として、液晶表示器42の表示画面の上部に第3演出画像E3を表示する。第3演出画像E3は、「遊技停止中」及び「差玉が上限に達したので打ち止めとなります」という文字情報を含む画像である。このとき、遊技停止により各図柄(特別図柄、普通図柄、演出図柄)が変動しないため、液晶表示器42の表示画面の左演出図柄、中演出図柄、右演出図柄が非表示となり、また、第4図柄やミニ図柄も非表示になる。さらに、保留表示も非表示になる。
なお、遊技停止状態に移行した場合に、演出制御CPU126は、可動体40が液晶表示器42に重なる可動位置にある場合に初期位置に復帰させる。
なお、図柄の変動中に、差玉が95000発に到達した場合には、その時点で変動を強制的に終了させて遊技停止とすることができる。
[変形例]
次に変形例について説明するが、変形例の内容を上記実施形態に適用しても本発明を実施することができる。
本実施形態では、差玉保存カウンタの値は電断でクリアする構成としたが、例えば、下記の条件(1)~(3)を満たした場合は差玉保存カウンタの値を維持してもよい。
(1)一体扉ユニット4又は内枠アセンブリ7のいずれかの開放を伴って電断した場合。
(2)特定のエラー(電断するまで警告が継続するエラー)が発生した状態で電断した場合。
(3)差玉保存カウンタの値が特定値(例:90000個)を超えた場合。
また、演出制御CPU126によって表示制御が行われ、遊技状態を示すランプ(例えば、特図の保留表示、特図の変動表示、普図変動表示、普図保留数、右打ちランプのLED群など)を設けてもよい。例えば、統合表示基板90のランプと同一内容を報知するランプを設け、演出制御CPU126が表示制御を行うように構成する。この場合、遊技停止状態に移行した場合に、主制御CPU72は統合表示基板90のランプを全消灯する一方で、演出制御CPU126は遊技停止状態前の点灯状態を維持することが可能である。これにより、遊技停止状態に移行したことを明確に表示できる一方で、遊技停止状態に移行する前の状態を把握できる。
また、演出ボタン45やジョグダイアル45aを使用して音量やランプの輝度を調整可能な構成とすることができる。この場合に、演出制御CPU126は、遊技停止状態に移行したときはこれらの調整を不可能とする。
なお、エラーに優先度を設けることも可能である。この場合、不正入賞エラー(磁石などを用いて入賞させたときのエラー)と扉開放エラー(一体扉ユニット4又は内枠アセンブリ7が開放状態であるときのエラー)を設け、不正入賞エラーの優先度を扉開放エラーよりも優先度を高くすることが可能である。そして、不正入賞エラーが発生しているときに遊技停止状態に移行した場合に、不正入賞エラーのエラー報知を行わない一方で、扉開放エラーは報知することが可能である。
なお、上記実施形態では、管理フェーズを00H~03Hで構成しているが、この例に限らなくてもよい。例えば、管理フェーズを00H~07Hで構成することが可能である。具体的には、管理フェーズのフェーズ値=00Hは差玉数が90000個未満を示している。管理フェーズのフェーズ値=01Hは差玉数が90000個以上91000個未満(すなわち、90000個~90999個)を示している。管理フェーズのフェーズ値=02Hは差玉数が91000個以上92000個未満(すなわち、91000個~91999個)を示している。管理フェーズのフェーズ値=03Hは差玉数が92000個以上93000個未満(すなわち、92000個~92999個)を示している。管理フェーズのフェーズ値=04Hは差玉数が93000個以上94000個未満(すなわち、93000個~93999個)を示している。管理フェーズのフェーズ値=05Hは差玉数が94000個以上95000個未満(すなわち、94000個~94999個)を示している。管理フェーズのフェーズ値=06Hは差玉数が95000個以上であり、かつ遊技状態が大当り中又は小当り中であることを示している。管理フェーズのフェーズ値=07Hは差玉数が95000個以上であり、かつ遊技状態が大当り中又は小当り中以外の状態(本例では、通常状態、時短状態)ことを示している。
上記実施形態では、最大差玉数に基づいて遊技停止状態に移行する例を挙げて説明したが、例えば、基準値(例えば100000個)から増加した差玉数が950000個以上になった場合に遊技停止状態に移行させるなど、遊技停止状態に移行させるための差玉の算出方法は上記実施形態と異なる方法でもよい。
上記実施形態では、遊技球を用いるパチンコ機に本発明を適用する例について説明したが、遊技用価値としてメダル並びにクレジットを用いて賭数を設定し、スタートレバーの操作によりリールを回転させ、回転するリールをストップボタンによる停止操作により停止させ、リールが停止したときの図柄の種類や図柄の組み合わせにより入賞が発生可能なスロットマシンに適用してもよい。
本実施形態では、貸与を受けた遊技球を上皿6bに貯留させ、上皿6bに貯留された遊技球を発射させて遊技を行うパチンコ機1を例に挙げて説明したが管理遊技機に本発明を適用してもよい。
管理遊技機は、例えば、管理遊技機遊技盤と、管理遊技機枠とを備えており、機械単体内で一定数の遊技球を循環させ、遊技に用いる遊技球や遊技者に遊技球を直接払い出すことを不要とした封入式の遊技機である。管理遊技機は、管理遊技機専用の専用ユニット(ICカードユニット)と接続することで遊技が可能になる。そして、例えば、管理遊技機枠で発射球数及びファール球数を管理するとともに主制御CPU72から管理遊技機枠に賞球数の情報を送信し、管理遊技機枠が賞球数、発射球数及びファール球数に基づいて差球を算出する。
また、管理遊技機として、遊技を行うに際してメダルを必要としない所謂「メダルレス遊技機」を例に挙げることができる。メダルレス遊技機では、貸出操作等に応じて遊技価値が直接クレジット(ゲームに使用可能な遊技点(遊技メダル))に加算され、加算されたクレジット数(遊技メダル数)が、遊技メダル数表示装置に表示されるようになっている。そして、加算されたクレジット数のうちから賭数を設定して遊技が行われる。そして、例えば、入賞の発生により付与されたクレジット数と、賭数の設定に使用されたクレジット数に基づいてクレジット数の差数を算出する。
[上記実施形態の効果]
(a)上記実施形態では、遊技の実行に伴って増減する数に関連する情報(本例では、最大差玉数、管理フェーズのフェーズ値)を更新する更新手段(本例では、図15のステップS820-7、図17のステップS830-23)と、
前記更新手段の更新結果に基づいて遊技停止状態に移行させることが可能な移行手段(本例では、図14のステップS810-11)と、を備え、
電断後に電源が再投入されたときに所定条件が成立している場合は(本例では、(本例では、06H(不正検出状態)がセットされており、図7のステップS100-12cでYES)、電断前の前記更新手段の更新結果を維持し(本例では、図10のステップS300-6bを行うが図7のステップS100-12eを行う部分、図9のステップS120-9を行わない部分、図19)、
電断後に電源が再投入されたときに所定条件が成立していない場合は(本例では、(本例では、06H(不正検出状態)がセットされておらず、図7のステップS100-12cでNO)、電断前の前記更新手段の更新結果をクリアする(本例では、図10のステップS300-6bを行い、図7のステップS100-12eを行わない部分、図9のステップS120-9を行う部分、図19)。
よって、故意に所定条件を成立させても差分が維持されるので、遊技停止状態への移行を防ぐ不正行為を防止することができる。
(b)また、エラーの発生条件が成立したときにエラーを発生させるエラー発生手段(本例では、図14のステップS810-7)を備え、
前記エラーは電断が行われると解除可能な特定エラーを含み(本例では、磁気センサ86によって外部からの磁気を検出した場合のエラー、振動センサによって振動を検知した場合のエラー)、
前記所定条件は、前記特定エラーが発生しているときに電断が行われたことである(本例では、図7のステップS100-12cでYES)。
よって、故意にエラーを発生させても差分が維持されるので、遊技停止状態への移行を防ぐ不正行為を防止することができる。