JP2023062565A - 管部材の継手構造 - Google Patents
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Abstract
【課題】シール性を向上させることができる管部材の継手構造を提案する。【解決手段】第1管部材2の端部2a内に、第2管部材3の端部3aを差込み、第1管部材2と前記第2管部材3との重なり合う部分を、相互に結合する管部材の継手構造1であって、第1管部材2の外面に外装するとともに端部間が離間する外装部16と、外装部16の端部間を近接方向に締め付けることができる締め付け部10を有する結合部材5を有し、第1管部材2と外装部16を、周方向の2カ所で係止させ、第1管部材2に、2カ所の係止間で、かつ、締め付け部10が位置する側に、第1管部材2の第2管部材3の差込み側端部が開口するスリット7を形成し、結合部材5の締め付け部10を締め付けることにより、第1管部材2と、第2管部材3を相互に結合させる。【選択図】 図1
Description
本発明は、管部材の継手構造に関する。
一般に、インナーパイプの端部を、アウターパイプの端部内に挿入し、相互の重なり合い部を、インナーパイプの外側からクランプにより締め付けて、インナーパイプとアウターパイプを相互に結合することが行われている。
従来、アウターパイプに、その軸芯方向に沿って延びるアウターパイプ端が開口する開放スリットと、軸芯方向に沿って延びるとともに両端が閉塞する閉塞スリットを形成し、クランプにより締め付けた際に、開放スリットと閉塞スリットが変形することにより、インナーパイプとアウターパイプ相互の締結性とシール性を高めることが提案されている(特許文献1参照)。
しかし、上記特許文献1記載の継手構造においては、開放スリットと閉塞スリットの開口面積が大きいため、クランプにより締め付けた際に、開放スリットと閉塞スリットを形成した部分に隙間が生じやすく、シール性に問題がある。
そこで、本発明は、上記特許文献1記載の継手構造よりシール性を向上させることができる管部材の継手構造を提供することを目的とするものである。
前記の課題を解決するために、第1管部材の端部内に、第2管部材の端部を差込み、前記第1管部材と前記第2管部材との重なり合う部分を、相互に結合する管部材の継手構造であって、前記第1管部材の外面に外装するとともに端部間が離間する外装部と、該外装部の端部間を近接方向に締め付けることができる締め付け部を有する結合部材を有し、前記第1管部材と前記外装部を、周方向の2カ所で相互に係止させ、前記第1管部材には、その周方向における2カ所の係止間で、かつ、前記締め付け部が位置する側に、前記第1管部材の前記第2管部材の差込み側端部が開口するスリットを形成し、前記結合部材の前記締め付け部を締め付けることにより、前記第1管部材と、前記第2管部材を相互に結合させることを特徴とするものである。
また、前記外装部は、端部間が離間する円弧状に形成された1個のバンド部材で構成され、該バンド部材の端部に、径方向の外側方向に突出する突出部を夫々形成し、前記第1管部材における重なり合う部分の軸方向と直交方向に、前記締め付け部により締め付けることにより、前記突出部を相互に近接する方向に移動させ、前記第1管部材と、前記第2管部材を相互に結合させてもよい。
また、前記第1管部材に、その外周面から、径方向の外側に向かって突出する管側係止部を形成し、前記外装部に前記管側係止部と係合する係止孔を形成し、前記第1管部材の係止部を、前記外装部の係止孔内に挿入することにより、前記第1管部材と前記結合部材の前記外装部を相互に係止させてもよい。
また、前記第1管部材と前記結合部材の前記外装部を、溶接により相互に係止させてもよい。
本発明は、第1管部材と結合部材を、周方向の2カ所で係止させ、第1管部材に、2カ所の係止間で、かつ、締め付け部が位置する側に、第1管部材の第2管部材の差込み側端部が開口するスリットを形成し、結合部材の締め付け部を締め付けることで、第1管部材と第2管部材を相互に結合させたことにより、締め付け部を締め付けた際に、係止部が締め付け部側に移動するため、スリットを効果的に変形させ、上記従来技術のものより、管部材相互の結合時における締結性とシール性を高めることができる。
本発明の実施の形態を図に示す実施例に基づいて説明する。
[実施例1]
図1は、本発明における実施例1の管部材の継手構造1を示す斜視図である。管部材の継手構造1は、第1管部材2の端部2a内に、第2管部材3の端部3aを差込み、第1管部材2と第2管部材3との重なり合う部分である篏合部4を、結合部材5等を用いて相互に結合させるものである。管部材の継手構造1は、金属で形成された排気管同士や配管同士等の任意の管同士の結合に適用することができる。
図1は、本発明における実施例1の管部材の継手構造1を示す斜視図である。管部材の継手構造1は、第1管部材2の端部2a内に、第2管部材3の端部3aを差込み、第1管部材2と第2管部材3との重なり合う部分である篏合部4を、結合部材5等を用いて相互に結合させるものである。管部材の継手構造1は、金属で形成された排気管同士や配管同士等の任意の管同士の結合に適用することができる。
第1管部材2と第2管部材3は金属で構成され、第1管部材2と第2管部材3との篏合部4において、第2管部材3の外径は、第1管部材2の内径より小さく設定されている。なお、第1管部材2と第2管部材3の篏合部4以外の構造、形状、長さ等は、図に記載したもの以外にも任意に設定することができる。
第1管部材2は、第2管部材3との重なり合う部分である篏合部4が、円筒状に形成され、図1~図6に示すように、スリット7が周方向に2個形成されている。各スリット7は、第2管部材3の差込み側端が開口する開放側端7aに、その反対側は閉塞する閉塞側端7bで形成されている。本実施例においては、スリット7を、夫々、図4の上下方向の中央部に位置するように形成したが、スリット7は任意の位置に形成することができる。
図1~図3に示すように、結合部材5を第1管部材2に取付けた際に、スリット7の閉塞側端7bは、結合部材5により覆われるようになっている。スリット7の幅、延在方向の長さは、第1管部材2と第2管部材3の形状等に応じて任意に設定することができる。
第1管部材2の周方向における両スリット7,7間で、後述する結合部材5の締め付け部10が位置する側と反対側には、第1管部材2を切り起こして形成された管側係止部11が2個形成されている。各管側係止部11は、第1管部材2の径方向の外側に向かって突出するように形成されている。すなわち、管側係止部11,11の間で、かつ、結合部材5の締め付け部10が位置する側にスリット7,7が形成されている。
2カ所の管側係止部11は、両スリット7,7間で、かつ、結合部材5の締め付け部10が位置する側と反対側であれば任意の位置に形成することができるが、管側係止部11を、スリット7の周方向における近傍に形成することが好ましい。
結合部材5は、図1~図4,図7に示すように、切り欠き部12aにより端部間が離間する円弧状に形成されるとともに、可撓性を有する1個のバンド部材12を有している。バンド部材12における第1管部材2の篏合部4の軸芯方向の両端部は開口している。バンド部材12は、第1管部材2の外側に結合部材5を取り付けた際に、第1管部材2の外面に外装される外装部16を構成している。
バンド部材12における周方向の両端部には、それぞれ、径方向の外側に向かって突出する突出部13が形成されている。バンド部材12と突出部13は一体となるように金属で形成されている。
両突出部13,13間は、離間し、その離間距離は、スリット7の幅より狭くなるように形成されている。突出部13には、取付孔14が形成されている。この取付孔14内にボルト15を挿通し、ボルト15に図示しないナットを螺合し、ボルト15とナットを相互に締め付けることにより、突出部13,13間を近接させることができるようになっている。本実施例では、結合部材5を、図1~図4,図7に示すようにクランプ状の部材で構成した。
図1に示すように、結合部材5を、第1管部材2の外側に取付けた状態で、ボルト15とナットを相互に、第1管部材2における篏合部4の軸芯と直交する方向に締め付けることにより、結合部材5を第1管部材2に締め付けることができる。
突出部13,13,取付孔14,ボルト15,ナットにより、外装部16の端部間を近接方向に締め付けることができる締め付け部10を構成している。なお、締め付け部10は、上記以外にも、外装部16の端部間を近接方向に締め付けることができれば任意のものを用いることができる。
バンド部材12には、第1管部材2の各管側係止部11が挿通し、相互に係合できる係止孔18が計2カ所形成されている。
第2管部材3の端部3aは、は、図1,図3に示すように、円筒状に形成されている。
次に、第1管部材2と、第2管部材3の結合方法を説明する。
先ず、図2,図4に示すように、第1管部材2の各管側係止部11を、結合部材5の係止孔18内に挿通するようにして、結合部材5を第1管部材2の外側に取付けて、相互を周方向の2カ所で係止させる。
次に、図1に示すように、第2管部材3の端部3aを、第1管部材2における第2管部材3の差込み側から、第1管部材2の端部2a内に所定量差込む。
次に、ボルト15を取付孔14に挿通した後に、ボルト15の雄ネジにナットを螺号させ、相互を締め付ける。
これにより、突出部13,13は、相互に近接する方向に移動するとともに、係止孔18,18が締め付け部10側方向に移動する。同時に、係止孔18内の第1管部材2の各管側係止部11は、図6の2点鎖線に示すように、締め付け部10方向に移動する(図4の上側方向に持ち上げられる)。係止孔18の移動により、スリット7と管側係止部11は図6の2点鎖線に示すように変形し、各スリット7,7の幅が狭くなるとともに、第1管部材2の内径は縮径し、第1管部材2の内周面が、第2管部材3の外周面に密着し、第1管部材2と第2管部材3を相互に結合することができる。
上記のように、第1管部材2と結合部材5を、周方向の2カ所において相互に係止するように第1管部材2に結合部材5を取り付けた後に、締め付け部10で締め付け、係止孔18と各管側係止部11が、締め付け部10側方向に移動させることでスリット7の幅が狭くなるように変形し、第1管部材2の内周面が、第2管部材3の外周面に密着するため、上記従来技術の継手構造と比較して、スリット7の開口面積を減らすことができるとともに、第1管部材2の内周面と、第2管部材3の外周面との接触面積を増やし、第1管部材2と第2管部材3の締結性や、シール性を高め、安定した締結力を発揮することができる。
[実施例2]
上記実施例1においては、第1管部材2を切り起こして管側係止部11を、バンド部材12の係止孔18に挿通して、結合部材5の外装部16を、第1管部材2の外周面に、周方向の2カ所で相互に係止するようにしたが、第1管部材と結合部材の外装部との係止方法は任意に設定することができる。
上記実施例1においては、第1管部材2を切り起こして管側係止部11を、バンド部材12の係止孔18に挿通して、結合部材5の外装部16を、第1管部材2の外周面に、周方向の2カ所で相互に係止するようにしたが、第1管部材と結合部材の外装部との係止方法は任意に設定することができる。
例えば、図8~図13に示すように、第1管部材20の外周面から、その径方向の外側に向かって突出する球状の凸部で構成された管側係止部21を2個形成する。また、結合部材22のバンド部材23には、夫々の第1管部材20の管側係止部21が、挿通できる係止孔24を2個形成する。バンド部材23が外装部25を構成する。
各管側係止部21を、各係止孔24内に挿通して、第1管部材2の外周面に、結合部材22を、周方向の2カ所で係止するようにして、管部材の継手構造27を構成してもよい。
第1管部材20には、上記実施例1と同様のスリット7が2個形成され、管側係止部21をスリット7の周方向における締め付け部10と反対側の近傍に形成することが好ましい。
また、例えば、図14に示すように、第1管部材30には管側係止部11,21を形成しないとともに、結合部材31のバンド部材32からなる外装部33に係止孔18,24を形成せず、第1管部材30の外側に結合部材31を取り付けた後に、第1管部材30と結合部材31のバンド部材32を、周方向の2カ所において、溶接35により相互を係止するようにして、管部材の継手構造37を構成してもよい。
なお、第1管部材30には、上記実施例1と同様のスリット7が2個形成され、溶接35による係止箇所をスリット7の周方向における締め付け部10と反対側の近傍に形成することが好ましい。
それ以外の構造は、前記実施例1と同様であるのでその説明を省略する。
実施例2においても前記実施例1と同様の効果を奏する。
[実施例3]
上記実施例1,2においては、第1管部材2,20,30にスリット7を2個形成したが、スリットは1個でもよい。また、結合部材5,22,31は、円弧状に形成された1個のバンド部材12からなる外装部16を備えるようにしたが、外装部を2個備えるようにしてもよい。
上記実施例1,2においては、第1管部材2,20,30にスリット7を2個形成したが、スリットは1個でもよい。また、結合部材5,22,31は、円弧状に形成された1個のバンド部材12からなる外装部16を備えるようにしたが、外装部を2個備えるようにしてもよい。
例えば、図15~図17に示すように、第1管部材40には、上記実施例1のスリット7と同様に形成された1個のスリット41が形成されている。
スリット41における周方向の外側の近傍には、管側係止部11が、第1管部材40を切り起こして2個形成されている。
結合部材42は、図15~図16,図18に示すように、2個の円弧状の外装部43,43を備えている。外装部43,43における周方向の近接部位での端部は、相互に離間するように形成され、それぞれの端部には、上記実施例1の突出部13と同様の突出部13が形成され、突出部13には、取付孔14が形成されている。
各外装部43には、管側係止部11を挿通できる係止孔18が計2個形成されている。
第1管部材40の管側係止部11を、結合部材42の係止孔18内に挿通して、第1管部材40の外側に結合部材42を取り付けた後に、締め付け部10で締め付け、係止孔18と各管側係止部11を締め付け部10側方向に移動させるとともに、スリット41の幅が狭くなるように変形させる。これにより、第1管部材40の内周面が、第2管部材3の外周面に密着され、第1管部材40と第2管部材3を結合することができ、これらにより管部材の継手構造47を構成してもよい。
なお、第1管部材40と結合部材42との係止方法は、上記以外にも前記実施例2の係止方法で行うようにしてもよい。
それ以外の構造は、前記実施例1,2と同様であるのでその説明を省略する。
実施例3においても前記実施例1,2と同様の効果を奏する。
[その他の実施例]
上記実施例1乃至3において、第1管部材2,20,30, 40と第2管部材3との結合時において、相互のシール性を高めるために、第1管部材2,20,30 40と第2管部材3との間に、ガスケット等のシール部材を設けるようにしてもよい。シール部材は、少なくとも、スリット7,41の外側に設けることが好ましい。
上記実施例1乃至3において、第1管部材2,20,30, 40と第2管部材3との結合時において、相互のシール性を高めるために、第1管部材2,20,30 40と第2管部材3との間に、ガスケット等のシール部材を設けるようにしてもよい。シール部材は、少なくとも、スリット7,41の外側に設けることが好ましい。
また、上記実施例1乃至3においては、突出部13,13間の離間距離を、スリット7,41の幅より狭くなるように形成したが、突出部13,13間の離間距離を、スリット7,41の幅より大きく形成してもよい。
それ以外の構造は、前記実施例1乃至3と同様であるのでその説明を省略する。
その他の実施例においても前記実施例1乃至3と同様の効果を奏する。
1,27,37,47 管部材の継手構造
2,20,30,40 第1管部材
3 第2管部材
5,22,31,42 結合部材
7,41 スリット
10 締め付け部
11,21 管側係止部
12,23,32 バンド部材
13 突出部
16,25,33,43 外装部
18,24 係止孔
35 溶接
2,20,30,40 第1管部材
3 第2管部材
5,22,31,42 結合部材
7,41 スリット
10 締め付け部
11,21 管側係止部
12,23,32 バンド部材
13 突出部
16,25,33,43 外装部
18,24 係止孔
35 溶接
Claims (4)
- 第1管部材の端部内に、第2管部材の端部を差込み、前記第1管部材と前記第2管部材との重なり合う部分を、相互に結合する管部材の継手構造であって、
前記第1管部材の外面に外装するとともに端部間が離間する外装部と、該外装部の端部間を近接方向に締め付けることができる締め付け部を有する結合部材を有し、
前記第1管部材と前記外装部を、周方向の2カ所で相互に係止させ、
前記第1管部材には、その周方向における2カ所の係止間で、かつ、前記締め付け部が位置する側に、前記第1管部材の前記第2管部材の差込み側端部が開口するスリットを形成し、
前記結合部材の前記締め付け部を締め付けることにより、前記第1管部材と、前記第2管部材を相互に結合させることを特徴とする管部材の継手構造。 - 前記外装部は、端部間が離間する円弧状に形成された1個のバンド部材で構成され、
該バンド部材の端部に、径方向の外側方向に突出する突出部を夫々形成し、
前記第1管部材における重なり合う部分の軸方向と直交方向に、前記締め付け部により締め付けることにより、前記突出部を相互に近接する方向に移動させ、前記第1管部材と、前記第2管部材を相互に結合させることを特徴とする請求項1記載の管部材の継手構造。 - 前記第1管部材に、その外周面から、径方向の外側に向かって突出する管側係止部を形成し、
前記外装部に前記管側係止部と係合する係止孔を形成し、
前記第1管部材の係止部を、前記外装部の係止孔内に挿入することにより、前記第1管部材と前記結合部材の前記外装部を相互に係止させることを特徴とする請求項1又は2記載の管部材の継手構造。 - 前記第1管部材と前記結合部材の前記外装部を、溶接により相互に係止させることを特徴とする請求項1又は2記載の管部材の継手構造。
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