JP2023062277A - ポリトリアリールアミン化合物、並びに発電デバイス及びその製造方法 - Google Patents

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Kazuhiro Harada
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和弘 毛利
Kazuhiro Mori
友徳 上野
Tomonori Ueno
英里 岩▲崎▼
Eri Iwasaki
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Abstract

【課題】有機無機ハイブリッド型半導体化合物を含有する活性層を備えた発電デバイスについて、低照度下における発電効率を向上させること。【解決手段】上部電極と下部電極とにより構成される一対の電極と、前記一対の電極間に位置し、有機無機ハイブリッド型半導体化合物を含有する活性層と、前記活性層と前記一対の電極の少なくとも一方との間に位置する正孔輸送層と、を有する発電デバイスであって、前記正孔輸送層が、特定の化学式で表されるポリトリアリールアミン化合物を含有する、発電デバイス、及び該特定の化学式で表されるポリトリアリールアミン化合物。【選択図】なし

Description

本発明は、ポリトリアリールアミン化合物、並びに発電デバイス及びその製造方法に関する。
発電デバイス(光電変換素子)として、一対の電極の間に、活性層及びバッファ層等が配置されたものが知られている。この活性層の材料として、有機無機ハイブリッド型半導体化合物の開発が進んでおり、なかでもペロブスカイト構造を有する化合物(ペロブスカイト半導体化合物)が注目されている。
一方、正孔輸送層の材料として、例えば、フタロシアニン系の有機半導体化合物等が提案されている(特許文献1)。
特開2017-066096号公報
しかしながら、従来の正孔輸送層では、特に、エネルギーハーベスティング用途で重要な、蛍光灯やLED等を光源とする、室内等の低照度環境下における発電効率が低下することがあった。
本発明は、有機無機ハイブリッド型半導体化合物を含有する活性層を有する発電デバイスについて、低照度下における発電効率を向上させることを目的とする。
本発明者らは、特定のポリトリアリールアミン化合物を含有させた正孔輸送層を採用することによって、屋内等の低照度環境下においても、優れた発電効率を有する発電デバイスが得られることを見出し、本発明を完成させた。すなわち、本発明は以下の態様を有する。
[1]下記式(I)で表される繰り返し単位を含み、全繰り返し単位の80モル%以上が下記式(I)で表される繰り返し単位であることを特徴とする、ポリトリアリールアミン化合物。
Figure 2023062277000001
(式(I)中、Xは、CR、SiR、NR、S、のいずれかを表し、R、R及びRは、各々独立に、水素原子、置換基を有していてもよい芳香族基又は置換基を有していてもよいアルキル基を表し、R及びRは互いに結合して環を形成してもよく、Ar及びArは、各々独立に、直接結合又は非架橋性の置換基を有していてもよい芳香族基を表し、Arは、非架橋性の置換基を有していてもよい芳香族基を表す。)
[2]上部電極と下部電極とにより構成される一対の電極と、前記一対の電極間に位置し、有機無機ハイブリッド型半導体化合物を含有する活性層と、前記活性層と前記一対の電極の少なくとも一方との間に位置する正孔輸送層と、を有する発電デバイスであって、
前記正孔輸送層が、[1]に記載のポリトリアリールアミン化合物を含有する、発電デバイス。
[3]前記活性層のイオン化ポテンシャルが-6.0eV以上-5.7eV以下であり、かつ、前記活性層のバンドギャップが1.6eV以上2.3eV以下であるとともに、前記正孔輸送層のイオン化ポテンシャルが-5.8eV以上-5.2eV以下である、[2]に記載の発電デバイス。
[4]前記有機無機ハイブリッド型半導体化合物が、ペロブスカイト構造を有する化合物である[2]又は[3]に記載の発電デバイス。
[5]前記活性層の厚みが200nm以上800nm以下である、[2]~[4]の何れか一項に記載の発電デバイス。
[6]色温度5000Kの白色LED光を照射し、受光面の照度が200ルクスであるときの光電変換効率が25%以上である、[2]~[5]の何れか一項に記載の発電デバイス。
[7]上部電極と下部電極とにより構成される一対の電極と、前記一対の電極間に位置し、有機無機ハイブリッド型半導体化合物を含有する活性層と、前記活性層と前記一対の電極の少なくとも一方との間に位置する正孔輸送層と、を有する発電デバイスの製造方法であって、前記正孔輸送層を塗布法により形成する工程を有し、前記塗布法において、[1]に記載のポリトリアリールアミン化合物及びドーパントを含有する液を塗布する、発電デバイスの製造方法。
[8]前記ドーパントが、3価のヨウ素を含むジアリールヨードニウム塩である、[7]に記載の発電デバイスの製造方法。
本発明により、有機無機ハイブリッド型半導体化合物を用いた発電デバイスにおいて、特に屋内等の低照度環境下における発電効率を向上させることができる。
本発明の発電デバイスの実施形態の一例を模式的に表す断面図である。 本発明の発電デバイスを備えた太陽電池の実施形態の一例を模式的に表す断面図である。 本発明の発電デバイスを備えた太陽電池モジュールの一例を模式的に表す断面図である。
以下に、本発明の実施形態を詳細に説明する。以下に記載する構成要件の説明は、本発明の実施形態の一例(代表例)であり、本発明はその要旨を超えない限り、これらの内容に限定はされない。
<ポリトリアリールアミン化合物>
本発明のポリトリアリールアミン化合物は、下記式(I)で表される繰り返し単位を含み、全繰り返し単位の80モル%以上が下記式(I)で表される繰り返し単位である高分子化合物(以下「高分子化合物(1)」という。)である。
高分子化合物(1)に含まれる下記式(I)で表される繰り返し単位の割合は、高分子化合物(1)の電荷輸送性が高くなりやすい点では多いことが好ましい。具体的には、高分子化合物(1)は、下記式(I)で表される繰り返し単位を、全繰り返し単位の90モル%以上含むことが好ましく、95モル%以上含むことがより好ましい。特に、全繰り返し単位が式(I)で表される繰り返し単位であることが合成ルートを簡素化できる点から好ましい。
Figure 2023062277000002
式(I)中、Xは、CR、SiR、NR、S、のいずれかを表し、R、R及びRは、各々独立に、水素原子、置換基を有していてもよい芳香族基又は置換基を有していてもよいアルキル基を表し、R及びRは互いに結合して環を形成してもよく、Ar及びArは、各々独立に、直接結合又は非架橋性の置換基を有していてもよい芳香族基を表し、Arは、非架橋性の置換基を有していてもよい芳香族基を表す。
高分子化合物(1)は、有機半導体化合物として有用な化合物である。高分子化合物(1)は、ドーパントにより安定に酸化され、より良好な半導体特性を示し得る。また、高い電気化学的安定性、及び、高い正孔輸送能を有し、湿式成膜法に適している。
一般的に半導体化合物とは、半導体特性を示す半導体材料として使用可能な化合物のことを言う。本明細書において「半導体特性」は、固体状態におけるキャリア移動度の大きさによって定義される。キャリア移動度とは、周知であるように、電荷(電子又は正孔)がどれだけ速く(又は多く)移動され得るかを示す一つの指標である。
具体的には、本明細書における「半導体」は、室温(25℃)におけるキャリア移動度が好ましくは1.0×10-6cm/V・s以上、より好ましくは1.0×10-5cm/V・s以上、さらに好ましくは5.0×10-5cm/V・s以上、特に好ましくは1.0×10-4cm/V・s以上である。なお、キャリア移動度は、例えば、電界効果トランジスタのIV特性の測定、又はタイムオブフライト法等により測定することができる。
式(I)におけるAr及びArは、各々独立に、直接結合又は非架橋性の置換基を有していてもよい芳香族基を表す。
また、式(I)におけるArは、非架橋性の置換基を有していてもよい芳香族基を表す。
但し、本明細書において、芳香族基は、芳香族炭化水素基であってもよいし、芳香族複素環式基であってもよい。また、単環構造又は多環構造の何れでも、縮合環構造を有していてもよいし、これらが任意の2価の連結基又は単結合(直接結合)によって連結された構造を有していてもよい。
Ar~Arの選択肢である芳香族炭化水素基としては、例えば、下記[芳香族炭化水素群P1]に由来する基を挙げることができる。また、Ar~Arの選択肢である芳香族複素環基としては、例えば、下記[芳香族複素環群P2]に由来する基を挙げることができる。
[芳香族炭化水素群P1]
ベンゼン環、ナフタレン環、アントラセン環、フェナントレン環、ペリレン環、テトラセン環、ピレン環、ベンズピレン環、クリセン環、トリフェニレン環、アセナフテン環、フルオランテン環、フルオレン環などの、6員環の単環又は2~5縮合環。
[芳香族複素環群P2]
フラン環、ベンゾフラン環、チオフェン環、ベンゾチオフェン環、ピロール環、ピラゾール環、イミダゾール環、オキサジアゾール環、インドール環、カルバゾール環、ピロロイミダゾール環、ピロロピラゾール環、ピロロピロール環、チエノピロール環、チエノチオフェン環、フロピロール環、フロフラン環、チエノフラン環、ベンゾイソオキサゾール環、ベンゾイソチアゾール環、ベンゾイミダゾール環、ピリジン環、ピラジン環、ピリダジン環、ピリミジン環、トリアジン環、キノリン環、イソキノリン環、シノリン環、キノキサリン環、フェナントリジン環、ベンゾイミダゾール環、ペリミジン環、キナゾリン環、キナゾリノン環、アズレン環などの、5又は6員環の単環又は2~4縮合環。
Ar~Arは、有機溶剤に対する溶解性及び耐熱性の点から、置換基を有していてもよい芳香族基が好ましく、ベンゼン環、ナフタレン環、アントラセン環、フェナントレン環、トリフェニレン環、ピレン環、チオフェン環、ピリジン環、フルオレン環からなる群より選ばれる環由来の基がより好ましい。また、Ar及びArとしては、前記群から選ばれる1種又は2種以上の環を直接結合、又は-CH=CH-基により連結した2価の基も好ましく、ビフェニレン基及びターフェニレン基、がさらに好ましい。
Ar~Arが有してもよい置換基は、非架橋性の置換基である。非架橋性の置換基とは、架橋性基を含まない基を意味する。すなわち、Ar~Arは、置換基を有してもよいが、架橋性基を含む置換基を有しない。
ここで、架橋性基とは、熱及び/又は活性エネルギー線の照射により近傍に位置するほかの分子の同一又は異なる基と反応して、新規な化学結合を生成する基のことをいう。
非架橋性の置換基としては、特に制限はないが、例えば、下記[置換基群Z1]から選ばれる1種又は2種以上を挙げることができる。
[置換基群Z1]
メチル基、エチル基等の好ましくは炭素数1~24、更に好ましくは炭素数1~12のアルキル基;
フェノキシ基、ナフトキシ基、ピリジルオキシ基等の好ましくは炭素数4~36、更に好ましくは炭素数5~24のアリールオキシ基;
メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基等の好ましくは炭素数2~24、更に好ましくは炭素数2~12のアルコキシカルボニル基;
ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基等の好ましくは炭素数2~24、更に好ましくは炭素数2~12のジアルキルアミノ基;
アセチル基、ベンゾイル基等の好ましくは炭素数2~24 、好ましくは炭素数2~12のアシル基;
フッ素原子、塩素原子等のハロゲン原子;
トリフルオロメチル基等の好ましくは炭素数1~2、更に好ましくは炭素数1~6のハロアルキル基;
メチルチオ基、エチルチオ基等の好ましくは炭素数1~24、更に好ましくは炭素数1~12のアルキルチオ基;
フェニルチオ基、ナフチルチオ基、ピリジルチオ基等の好ましくは炭素数4~36、更に好ましくは炭素数5~24のアリールチオ基;
トリメチルシロキシ基、トリフェニルシロキシ基等の好ましくは炭素数2~36、更に好ましくは炭素数3~24のシロキシ基;
シアノ基;
フェニル基、ナフチル基等の好ましくは炭素数6~36、更に好ましくは炭素数6~24の芳香族炭化水素基;
チエニル基、ピリジル基等の好ましくは炭素数3~36、更に好ましくは炭素数4~24の芳香族複素環基;
上記各置換基は、さらに置換基を有していてもよく、その例としては前記置換基群Z1に例示した基を挙げることができる。
置換基群Z1の式量としては、さらに置換した基を含めて500以下が好ましく、250以下がさらに好ましい。
有機溶媒に対する溶解性が向上する点で、Ar~Arが有してもよい置換基群Z1としては、各々独立に、炭素数1~12のアルキル基及び炭素数1~12のアルコキシ基が好ましい。
式(I)におけるXは、CR、SiR、NR、O、S、のいずれかを表す。
式(I)におけるXは、堅牢性及び製造コストが安価な点でCR及びNRが好ましく、CRがより好ましい。
高分子化合物(1)は、Xが互いに異なる繰り返し単位を含んでいてもよい。
式(I)のXにおけるR、R及びRは、各々独立に、水素原子、置換基を有していてもよい芳香族基又は置換基を有していてもよいアルキル基を表す。R及びRは互いに結合して環を形成してもよい。
、R、及びRの選択肢である芳香族炭化水素基としては、例えば、上記[芳香族炭化水素群P1]に由来する基を挙げることができる。
また、R、R、及びRの選択肢である芳香族複素環基としては、例えば、上記[芳香族複素環群P2]に由来する基を挙げることができる。
、R、及びRの選択肢であるアルキル基としては、炭素数4~20のアルキル基が好ましく、炭素数6~12のアルキル基がより好ましい。
、R、及びRが有してもよい置換基は、非架橋性の置換基でも架橋性の置換基のいずれでもよい。
非架橋性の置換基としては、例えば、上記[置換基群Z1]が挙げられ、好ましい態様も同等である。
架橋性の置換基としては、特に制限はないが、例えば、下記[置換基群Z2]から選ばれる1種又は2種以上を挙げることができる。
[置換基群Z2]
Figure 2023062277000003
式中、R21~R25は、各々独立に、水素原子又はアルキル基を表す。Ar41は置換基を有していてもよい芳香族基を表す。尚、ベンゾシクロブテン環は、置換基を有していてもよい。また、置換基同士が環を形成していてもよい。
架橋性基としてはエポキシ基、オキセタン基などの環状エーテル基、ビニルエーテル基などのカチオン重合性基が、反応性が高く有機溶剤に対する架橋が容易な点で好ましい。中でも、カチオン重合の速度を制御しやすい点でオキセタン基が特に好ましく、カチオン重合の際にヒドロキシル基生成による素子の劣化が起こり難い点でビニルエーテル基が好ましい。
高分子化合物(1)では、式(I)の主鎖にあるトリアリールアミン構造(3つの芳香族炭化水素基又は芳香族複素環基が同じ窒素原子に結合している構造)が2つのベンゼン環に連続することにより、正孔輸送性への関与が強まっている。
また、トリアリールアミン構造に架橋性の官能基が存在しないため、式(I)の繰り返し単位は、正孔輸送性に関与しない構成を殆ど含まない。そのため、高分子化合物(1)は正孔輸送性に強く関与できる。
さらに、トリアリールアミン構造に架橋性の官能基が存在しないため、高分子化合物(1)を合成する際、架橋性基を導入するためのモノマーを使用する必要がない。そのため、製造コストも安価である。
高分子化合物(1)の分子量は、高分子化合物(1)を正孔輸送層に用いた発電デバイスの耐久性(光電変換効率の維持率)が高くなりやすいことから高いことが好ましい。具体的には、高分子化合物(1)の数平均分子量は、8,500以上が好ましく、9,000以上がより好ましく、10,000以上がさらに好ましく、15,000以上が特に好ましく、20,000以上が最も好ましい。また、高分子化合物(1)の重量平均分子量は、15,000以上が好ましく、20,000以上がより好ましく、30,000以上がさらに好ましく、35,000以上が特に好ましく、40,000以上が最も好ましい。
一方で、高分子化合物(1)の分子量は、コスト面、及び溶媒への溶解性が高くなりやすい点では低いことが好ましい。具体的には、高分子化合物(1)の数平均分子量は、500,000以下が好ましく、300,000以下がより好ましく、200,000以下がさらに好ましい。また、高分子化合物(1)の重量平均分子量は、500,000以下が好ましく、300,000以下がより好ましく、200,000以下がさらに好ましい。
高分子化合物(1)が、上記数平均分子量と重量平均分子量の好ましい範囲を同時に満足すると、高分子化合物(1)を正孔輸送層に用いた発電デバイスの光電変換効率の維持率が、さらに向上することがある。
なお、高分子化合物(1)の数平均分子量と重量平均分子量は、GPCによって測定したポリスチレン換算の分子量の数平均値と重量平均値である。
高分子化合物(1)の合成方法は、特に限定されないが、アリールアミン化合物とジブロモ化合物の2種類のモノマーを用いて重合可能である。例えば、特開2009-263665号公報に記載されているような方法で合成することができ、酸化重合や遷移金属触媒を用いたカップリング反応により合成できる。
高分子化合物(1)の数平均分子量及び重量平均分子量は、反応温度、反応時間、触媒などにより調整することができる。
正孔輸送層中の高分子化合物(1)の構造や含有量は、例えば、H-NMR、高効率液体クロマトグラフ(HPLC)、液体クロマトグラフィー質量分析法(LC-MS)等の方法により分析することができる。
<発電デバイス>
本発明の一実施形態である発電デバイスは、上部電極と下部電極とにより構成される一対の電極と、前記一対の電極間に位置し、有機無機ハイブリッド型半導体化合物を含有する活性層と、前記活性層と前記一対の電極の少なくとも一方との間に位置する正孔輸送層と、を有する発電デバイスである。ここで、正孔輸送層は、前述の高分子化合物(1)を含有する。
本発明の発電デバイスは、低照度環境下における発電効率に特に優れる。
なお、本明細書において、低照度環境とは、通常10~5000ルクスの環境を意味し、100~300ルクスの環境が好適であり、200ルクスの環境がより好適である。
本実施形態の発電デバイスにおいて、前記活性層のイオン化ポテンシャルが-6.0eV以上-5.7eV以下であり、かつ、前記活性層のバンドギャップが1.6eV以上2.3eV以下であるとともに、前記正孔輸送層のイオン化ポテンシャルが-5.8eV以上-5.2eV以下であることが好ましい。
イオン化ポテンシャルは、照射エネルギーが光電子をはじき出すのに必要な光の最低エネルギー(eV)である。
本明細書におけるイオン化ポテンシャルは、評価対象となる活性層又は正孔輸送層の表面に光をあてた際に、生成する光電子の数を酸素が必要なオープンカウンターで計測して得られる値である。
オープンカウンターでは、大気下で光電子を酸素分子に捕捉させることで、イオン化された酸素分子が計測される。すなわち、放出された光電子をイオン化された酸素分子として観測できる。
照射する光のエネルギーを上げていき、光電子の放出が始まる閾値が、イオン化ポテンシャル(eV)に相当する値となる。
評価対象の表面に対して、あるエネルギーの光をあてた際に生成する光電子の数は、基本的には、光を当てた最表面近傍の特性にのみ依存し、評価対象の膜厚や、評価対象の膜の下に形成された層の有無や評価対象の膜の下に形成された層の種類には影響されない。
そのため、測定に供する活性層又は正孔輸送層の厚さは厳密に揃える必要はなく、活性層については、例えば400nm~600nmの厚さで成膜して、測定に供すればよい。正孔輸送層については、例えば5nm~100nmの厚さで成膜して、測定に供すればよい。
評価対象の膜の下に形成された層の有無や評価対象の膜の下に形成された層の種類は、実質的に測定結果に影響しないが、薄膜ITO(酸化インジウムスズ)を備えた導電性ガラスに評価対象のみを成膜して測定することは、少しでもノイズを減らし、結果の信頼性を高めるために有効である。
この場合に使用する薄膜ITOを備えた導電性ガラスは市販品を使用することができる。薄膜ITOの抵抗値(表面抵抗率)は特に制限されず、例えば2Ω/sq.~1000Ω/sq.とすることができる。
バンドギャップはバンド構造における電子に占有された最も高いエネルギーバンド(価電子帯)の頂上から、最も低い空のバンド(伝導帯)の底までの間のエネルギー準位(及びそのエネルギーの差)である。
本明細書における活性層のバンドギャップは、活性層を構成する半導体化合物のバンドギャップと同値であるとみなし、その半導体化合物の吸収端波長と吸光度とから算出した値である。
本発明に係る発電デバイス(光電変換素子)の実施形態の一例である発電デバイス100の模式的な断面図を図1に示す。発電デバイス100においては、下部電極101、活性層103、及び上部電極105がこの順に配置されている。下部電極101と活性層103との間にバッファ層102が配置されていてもよい。バッファ層102は、例えば、正孔輸送層とすることができる。また、上部電極105と活性層103との間にバッファ層104が配置されていてもよい。バッファ層104は、例えば、電子輸送層とすることができる。ここで、バッファ層102とバッファ層104が、それぞれ電子輸送層と正孔輸送層であっても構わない。発電デバイス100は、基材106を有していてもよく、絶縁体層、及び仕事関数チューニング層のような図示しないその他の層を有していてもよい。
[活性層]
図1の実施形態において、活性層103は光電変換が行われる層である。発電デバイス100が光を受けると、光が活性層103に吸収されてキャリアが発生し、発生したキャリアは下部電極101及び上部電極105から取り出される。
本実施形態において、活性層は有機無機ハイブリッド型半導体化合物を含有する。有機無機ハイブリッド型半導体化合物とは、有機成分と無機成分とが分子レベル又はナノレベルで組み合わせられた化合物であって、半導体特性を示す化合物のことをいう。
本実施形態において、有機無機ハイブリッド型半導体化合物は、ペロブスカイト構造を有する化合物(以下、ペロブスカイト半導体化合物と呼ぶことがある)であることが好ましい。
ペロブスカイト半導体化合物とは、ペロブスカイト構造を有する半導体化合物のことをいう。ペロブスカイト構造とは灰チタン石(CaTiO;ペロブスカイト)などABXの組成であらわされる結晶構造である。このABX組成をとるペロブスカイト構造では、Bサイトイオンの周りを6個のXイオンが規則的に取り囲み、BX八面体を形成する構造をとる。
ペロブスカイト半導体化合物としては、特段の制限はないが、例えば、Galasso et al. Structure and Properties of Inorganic Solids, Chapter 7 - Perovskite type and related structuresで挙げられているものから選ぶことができる。また、例えば、ペロブスカイト半導体化合物としては、一般式AMXで表されるAMX型のもの、又は一般式AMXで表されるAMX型のものが挙げられる。ここで、Mは2価のカチオンを、Aは1価のカチオンを、Xは1価のアニオンをさす。
1価のカチオンAに特段の制限はないが、上記Galassoの著書に記載されているものを用いることができる。より具体的な例としては、周期表第1族及び第13族乃至第16族元素を含むカチオンが挙げられる。これらの中でも、セシウムイオン、ルビジウムイオン、カリウムイオン、置換基を有していてもよいアンモニウムイオン又は置換基を有していてもよいホスホニウムイオンが好ましい。置換基を有していてもよいアンモニウムイオンの例としては、1級アンモニウムイオン又は2級アンモニウムイオンが挙げられる。置換基にも特段の制限はない。置換基を有していてもよいアンモニウムイオンの具体例としては、アルキルアンモニウムイオン又はアリールアンモニウムイオンが挙げられる。特に、立体障害を避けるために、3次元の結晶構造となるモノアルキルアンモニウムイオンが好ましく、安定性向上の観点からは、一つ以上のフッ素基を置換したアルキルアンモニウムイオンを用いることが好ましい。また、カチオンAとして2種類以上のカチオンを組み合わせて用いてもよい。
1価のカチオンAの具体例としては、メチルアンモニウムイオン、モノフッ化メチルアンモニウムイオン、ジフッ化メチルアンモニウムイオン、トリフッ化メチルアンモニウムイオン、エチルアンモニウムイオン、イソプロピルアンモニウムイオン、n-プロピルアンモニウムイオン、イソブチルアンモニウムイオン、n-ブチルアンモニウムイオン、t-ブチルアンモニウムイオン、ジメチルアンモニウムイオン、ジエチルアンモニウムイオン、フェニルアンモニウムイオン、ベンジルアンモニウムイオン、フェネチルアンモニウムイオン、グアニジウムイオン、ホルムアミジニウムイオン、アセトアミジニウムイオン又はイミダゾリウムイオン等が挙げられる。
2価のカチオンMにも特段の制限はないが、2価の金属カチオン又は半金属カチオンであることが好ましい。具体的な例としては周期表第14族元素のカチオンが挙げられ、より具体的な例としては、鉛カチオン(Pb2+)、スズカチオン(Sn2+)、ゲルマニウムカチオン(Ge2+)が挙げられる。また、カチオンMとして2種類以上のカチオンを組み合わせて用いてもよい。なお、安定な発電デバイスを得る観点からは、鉛カチオン又は鉛カチオンを含む2種以上のカチオンを用いることが特に好ましい。
1価のアニオンXの例としては、ハロゲン化物イオン、酢酸イオン、硝酸イオン、硫酸イオン、ホウ酸イオン、アセチルアセトナートイオン、炭酸イオン、クエン酸イオン、硫黄イオン、テルルイオン、チオシアン酸イオン、チタン酸イオン、ジルコン酸イオン、2,4-ペンタンジオナトイオン又はケイフッ素イオン等が挙げられる。
本発明に係る一実施形態において、Xとしてはハロゲン化物イオン、又はハロゲン化物イオンとその他のアニオンとの組み合わせが挙げられる。Xは、1種類でも任意の組み合わせと比率で2種類以上を用いてもよい。ここで、上述の活性層のバンドギャップは、Xの種類や組み合わせにより調整することができる。活性層のバンドギャップが適度に狭くなりやすいことから、Xは塩化物イオン、臭化物イオン及びヨウ化物イオン等のハロゲン化物イオンが好ましく、臭化物イオン及びヨウ化物イオン等がより好ましい。
ペロブスカイト半導体化合物は、ハライド系有機無機ペロブスカイト半導体化合物が好ましい。ペロブスカイト半導体化合物の具体例としては、CHNHPbI、CHNHPbBr、CHNHPbCl、CHNHSnI、CHNHSnBr、CHNHSnCl、CHNHPbI(3-x)Cl、CHNHPbI(3-x)Br、CHNHPbBr(3-x)Cl、CHNHPb(1-y)Sn、CHNHPb(1-y)SnBr、CHNHPb(1-y)SnCl、CHNHPb(1-y)Sn(3-x)Cl、CHNHPb(1-y)Sn(3-x)Br、及びCHNHPb(1-y)SnBr(3-x)Cl、並びに、上記の化合物においてCHNHの代わりにCFHNH、CFHNH、又はCFNHを用いたもの、等が挙げられる。なお、xは0以上3以下、yは0以上1以下の任意の値を示す。
活性層は、2種類以上の有機無機ハイブリッド型半導体化合物を含有していてもよい。例えば、A、B及びXのうちの少なくとも1つが異なる2種類以上の有機無機ハイブリッド型半導体化合物が活性層に含まれていてもよい。また活性層は、異なる材料を含み又は異なる成分を有する複数の層で形成される積層構造であってもよい。
活性層に含まれる有機無機ハイブリッド型半導体化合物の量は、良好な半導体特性が得られるように、好ましくは50質量%以上であり、より好ましくは70質量%以上であり、さらに好ましくは80質量%以上とすることがよい。活性層に含まれる有機無機ハイブリッド型半導体化合物の量の上限は特にない。また、活性層には、活性層に含まれる有機無機ハイブリッド型半導体化合物以外の添加剤が含まれていてもよい。添加剤の例としては、ハロゲン化物、酸化物、又は硫化物、硫酸塩、硝酸塩若しくはアンモニウム塩等の無機塩のような、無機化合物、又は有機化合物が挙げられる。
活性層のイオン化ポテンシャルは、白色光を与える可視光領域の光源に対し、長波長領域の吸収可能域が充分に満たされ、発電効率が高くなりやすい点では、高いことが好ましい。そこで、具体的には、-6.0eV以上が好ましく、-5.95eV以上がより好ましく、-5.9eV以上がさらに好ましい。
また、一方で、活性層のイオン化ポテンシャルは、可視光領域の光源に対し、得られる電圧のロスを低減でき、発電効率が高くなりやすい点では、低いことが好ましい。そこで、具体的には、-5.7eV以下が好ましく、-5.8eV以下がより好ましい。
活性層のバンドギャップは、屋内光等の低照度光によって半導体中に生成する励起子を正負電荷に分離する際に必要なエネルギーが充分に満たされ、発電効率が高くなりやすい点では、大きいことが好ましい。そこで、具体的には、1.65eV以上が好ましく、1.7eV以上がさらに好ましく、1.75eV以上が特に好ましい。
また、一方で、活性層のバンドギャップは、屋内光等によって生成する励起子に対し適度なエネルギーとなり(エネルギー過剰とならず)、発電効率が高くなりやすい点では、小さいことが好ましい。そこで、具体的には、2.25eV以下が好ましく、2.2eV以下がさらに好ましく、2.15eV以下が最も好ましい。
また、屋内や室内において広範に用いられる可視光光源である蛍光灯やLED灯等の低照度光源に対する、発電効率を特に向上させやすいことから、活性層のイオン化ポテンシャルとバンドギャップが共に上述の好ましい範囲であることが特に好ましい。すなわち、具体的には、活性層のイオン化ポテンシャルが-6.0eV以上-5.7eV以下であり、かつ、そのバンドギャップが1.6eV以上2.3eV以下であることが特に好ましい。
活性層のイオン化ポテンシャルを上記所望の範囲に調整する方法としては、例えば、有機無機ハイブリッド型半導体化合物の種類により調整することができる。具体的には、例えば、上述のペロブスカイト半導体化合物を用いる場合、そのカチオンの種類により調整することができる。より具体的には、後述するペロブスカイト半導体化合物形成のために用いる前駆体である有機もしくは無機アンモニウム塩の組成を、変更成分を含む組成比率で混合し、処理することなどによって適宜調整することが挙げられる。
また、活性層のバンドギャップを上記所望の範囲に調整する方法としては、例えば、有機無機ハイブリッド型半導体化合物の種類により調整することができる。具体的には、例えば、上述のペロブスカイト半導体化合物を用いる場合、そのアニオンの種類や比率により調整することができる。より具体的には、後述するペロブスカイト半導体化合物形成のために前駆体として用いる金属ハロゲン化合物のハロゲン種類比率の選択、あるいは、前駆体として用いる有機もしくは無機アンモニウム塩の組成を、対応するハロゲン組成を、変更成分を含む組成比率で混合し、処理することなどが挙げられる。
活性層の厚さに特段の制限はない。より多くの光を吸収できる点で、活性層の厚さは、厚いことが好ましい。具体的には、10nm以上が好ましく、50nm以上がより好ましく、100nm以上がさらに好ましく、150nm以上が特に好ましく、200nm以上が最も好ましい。一方で、直列抵抗が下がり、電荷の取出し効率が高くなりやすい点では薄いことが好ましい。具体的には、活性層の厚さは、1500nm以下が好ましく、1200nm以下がより好ましく、800nm以下がさらに好ましい。すなわち、活性層の厚さは、200nm以上800nm以下が殊更好ましい。
活性層の形成方法は特に限定されず、任意の方法により形成することができる。具体例としては、塗布法及び蒸着法(又は共蒸着法)が挙げられる。簡易に活性層を形成できる点で、塗布法が好ましい。例えば、有機無機ハイブリッド型半導体化合物又はその前駆体を含有する塗布液を塗布し、必要に応じて加熱乾燥することにより活性層を形成する方法が挙げられる。また、塗布液を塗布した後で、有機無機ハイブリッド型半導体化合物の溶解性が低い溶媒をさらに塗布することにより、有機無機ハイブリッド型半導体化合物を析出させることもできる。
有機無機ハイブリッド型半導体化合物の前駆体とは、塗布液として塗布した後に有機無機ハイブリッド型半導体化合物となる化合物のことをいう。具体的な例として、加熱することにより有機無機ハイブリッド型半導体化合物となる有機無機ハイブリッド型半導体化合物前駆体を用いることができる。
例えば、一般式AXで表される化合物と、一般式MXで表される化合物と、溶媒と、を混合して加熱攪拌することにより、塗布液を作製し、この塗布液を塗布して加熱乾燥を行うことにより、一般式AMXで表されるペロブスカイト半導体化合物を含有する活性層を作製することができる。溶媒としては、有機無機ハイブリッド型半導体化合物及び任意成分の添加剤が溶解するのであれば特に限定されず、例えば、N,N-ジメチルホルムアミドのような有機溶媒が挙げられる。
また、一般式MXで表される化合物と溶媒とを混合して加熱攪拌することにより得た塗布液を塗布し、その後、一般式AXで表される化合物と溶媒とを混合して得た塗布液を塗布することにより、一般式AMXで表されるペロブスカイト半導体化合物を含有する活性層を作製してもよい。
塗布液の塗布方法としては任意の方法により行うことができるが、例えば、スピンコート法、インクジェット法、ドクターブレード法、ドロップキャスティング法、リバースロールコート法、グラビアコート法、キスコート法、ロールブラッシュ法、スプレーコート法、エアナイフコート法、ワイヤーバーバーコート法、パイプドクター法、含浸・コート法又はカーテンコート法等が挙げられる。
本発明の発電デバイスにおける活性層は、ペロブスカイト半導体化合物以外の有機無機ハイブリッド型半導体化合物を含有してもよい。ペロブスカイト半導体化合物以外の有機無機ハイブリッド型半導体化合物としては、有機アルコキシド配位型金属酸化物、有機分子配位型遷移金属錯体などが挙げられる。
[バッファ層]
図1において、バッファ層は、活性層103と一対の電極101、105の少なくとも一方との間に位置する層である。バッファ層は、例えば、活性層103から下部電極101又は上部電極105へのキャリア移動効率を向上させるために用いることができ、正孔輸送層又は電子輸送層であることが好ましく、正孔輸送層であることがより好ましい。
[正孔輸送層]
正孔輸送層は、前述の高分子化合物(1)を含有する。
高分子化合物(1)は、拡張された共役部位成分を有することにより、電子を非局在化させることができ、安定性が高い。このため、本発明の発電デバイスは、正孔輸送層が高分子化合物(1)を含有することにより、イオン化ポテンシャルを後述する好適な範囲とすることができ、低照度下で高い発電効率を発現することができる。
また、高分子化合物(1)では、少なくとも4つの芳香族環がアリールアミンのアミノ窒素原子Nを介して直線状に位置し、かつN原子に直接結合していない2つの芳香族環がX部位を介して連結された構造とるポリトリアリールアミンであるため、他のポリトリアリールアミンと比較して電子的に堅牢であり、適度な正孔輸送層を保持できるために好ましい。また、同様の理由で深いイオン化ポテンシャル(Ip)を取り易い点でも極めて好ましい。
正孔輸送層に含まれる高分子化合物(1)の含有量は、正孔輸送層のイオン化ポテンシャルを後述する好適な範囲にすることが容易である点から多いことが好ましい。そこで、具体的には、正孔輸送層中(総質量:100質量%)に、40質量%以上含有されることが好ましく、50質量%以上含有されることがより好ましく、60質量%以上含有されることがさらに好ましい。ここで、上限は100質量%であるが、正孔輸送層へのドーパント添加によりキャリア移動度を高める場合は、ドーパントとの合計量が100質量%であることが上限となる。
正孔輸送層は、本発明の効果が奏される範囲で、高分子化合物(1)以外の半導体化合物を含有しても構わない。その他の半導体化合物としては、例えば、従来公知の半導体化合物を用いてもよい。その他の有機半導体化合物としては、種々の低分子化合物及び高分子化合物が知られている。低分子の有機半導体化合物としては、多環芳香族化合物が挙げられ、具体例としてはテトラセン若しくはペンタセン等のアセン類化合物、オリゴチオフェン類化合物、フタロシアニン類化合物、ペリレン類化合物、ルブレン類化合物、又はトリアリールアミン化合物等のアリールアミン化合物、カルバゾール化合物等が挙げられる。また、高分子の有機半導体化合物としては、ポリチオフェン系ポリマー、ポリアセチレン系ポリマー、ポリアニリン系ポリマー、ポリフェニレン系ポリマー、ポリフェニレンビニレン系ポリマー、ポリフルオレン系ポリマー、若しくはポリピロール系ポリマーのような共役ポリマー、又は前記高分子化合物(1)以外のアリールアミンポリマーが挙げられる。
正孔輸送層を形成する際は、前述の高分子化合物(1)等の半導体化合物以外に、ドーパントを用いることが好ましい。ドーパントを用いることにより、その導電性や正孔輸送能力等の特性をコントロールすることができる。
ドーパントの量は、正孔輸送層の導電性や正孔輸送能力が向上しやすいことから多いことが好ましい。そこで、具体的には、ドーパントの量は、半導体化合物100質量部に対し、0.001質量部以上が好ましく、0.01質量部以上がより好ましく、0.05質量部以上がさらに好ましく、0.1質量部以上が特に好ましい。
また、一方で、ドーパントの量は、発電デバイスのリーク電流の発生を抑制し、特に低照度環境下における発電効率が向上しやすいことから少ないことが好ましい。そこで、具体的には、半導体化合物100質量部に対し、20質量部以下が好ましく、15質量部以下がより好ましく、12質量部以下がさらに好ましい。
すなわち、正孔輸送層の形成にドーパントを用いる場合におけるドーパントの量は、半導体化合物100質量部に対し、0.001~12質量部とすることが特に好ましい。
正孔輸送層の形成にドーパントを用いると、正孔輸送層の導電性や正孔輸送能力を活性層に対してより最適化することができる。
ドーパントとして使用できる物質としては、例えば、超原子価ヨウ素化合物、テトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボラートなどのホウ素化合物、トリス[1-(メトキシカルボニル)-2-(トリフルオロメチル)-エタン-1,2-ジチオレン]モリブデンなどのモリブデン化合物、2,3,4,6-テトラフルオロ-7,7,8,8-テトラシアノキノジメタンといったテトラシアノキノジメタン骨格を有する有機化合物などが挙げられる。
ドーパントは、正孔輸送層の成膜前又は成膜後に、少なくとも何れかの有機半導体化合物との間で電荷移動反応を起こすことが好ましい。ドーパントとしては、溶解性に優れ、加熱等により酸化剤として機能する電子受容活性部位を産生しやすい点で、超原子価ヨウ素化合物が好ましい。
超原子価ヨウ素化合物は、有機半導体化合物に対するドーパントとして働き、電子受容性(すなわち酸化剤としての働き)を示すことが知られている。また、電子受容性のドーパントは、有機半導体化合物から電子を奪うことにより、有機半導体化合物の導電性又は正孔輸送能力を向上させることができる。
超原子価ヨウ素化合物は、超原子価ヨウ素を含む化合物であり、酸化数が3価以上となっているヨウ素を含む化合物と定義される。例えば、ドーパントは、ヨウ素(III)化合物又はヨウ素(V)化合物が好ましい。5価のヨウ素を含むヨウ素(V)化合物は、例えば、デス・マーチン・ペルヨージナンのようなペルヨージナン化合物が挙げられる。また、3価のヨウ素を含むヨウ素(III)化合物としては、(ジアセトキシヨード)ベンゼンのようなヨードベンゼンが酸化された構造を有する化合物、又はジアリールヨードニウム塩が挙げられる。良好な電子受容性を示し、また酸化過程において分子が破壊されると逆反応が起こりにくい点で、ドーパントは、3価のヨウ素を含む有機化合物が好ましく、中でもジアリールヨードニウム塩を用いるのがより好ましい。
ジアリールヨードニウム塩とは、[Ar-I-Ar]X構造を有する塩のことである。ここで、2つのArはそれぞれ芳香族基を表す。芳香族基は特に限定されず、例えば芳香族炭化水素群P1で例示したような芳香族炭化水素基、芳香族複素環群P2で例示したような芳香族複素環式基等が挙げられる。Xは、任意のアニオンを表す。Xとしては、例えば、ハロゲン化物イオン、トリフルオロ酢酸イオン、テトラフルオロホウ酸イオン、又はテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ホウ酸イオン等が挙げられる。溶解性が高く、塗布液の生成反応が円滑に進行し得る点で、Xはフッ素原子を有するアニオンであることが好ましい。
ドーパントの好ましい例としては、下記式(II)に表されるものが挙げられる。式(II)において、Xは、任意のアニオンを表し、具体例としては上記の通りである。
[R11-I-R12]X (II)
式(II)において、R11及びR12は、それぞれ独立に1価の有機基である。1価の有機基の例としては、脂肪族基及び芳香族基が挙げられる。脂肪族基の例としては、炭素数1~20の脂肪族炭化水素基又は炭素数4~20の脂肪族複素環式基が挙げられる。
具体的には、例えば、脂肪族基としては、シクロアルキル基を含むアルキル基、アルケニル基、又はアルキニル基等が挙げられ、具体例としてはメチル基、エチル基、ブチル基、シクロヘキシル基、又はテトラヒドロフリル基等が挙げられる。
芳香族基としては、例えば、炭素数6~20の芳香族炭化水素基又は炭素数2~20の芳香族複素環基が挙げられる。具体的には、例えば、フェニル基、ナフチル基、ビフェニル基、チエニル基、又はピリジル基等が挙げられる。
なお、上記の脂肪族基及び芳香族基は、置換基を有していてもよい。置換基としては、例えば、ハロゲン原子、水酸基、シアノ基、アミノ基、カルボキシル基、エステル基、アルキルカルボニル基、アセチル基、スルホニル基、シリル基、ボリル基、ニトリル基、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アルコキシ基、チオ基、セレノ基、芳香族炭化水素基、芳香族複素環基等が挙げられる。
11及びR12は、好ましくは炭素数6~20の芳香族炭化水素基であり、より好ましくはフェニル基である。ここで、芳香族炭化水素基は置換基を有さない又は炭素数1~6のアルキル基を有することが好ましい。R11及びR12は、特に、パラ位にアルキル基を有するフェニル基であることが好ましい。
正孔輸送層のイオン化ポテンシャルは、活性層で生成する正孔に対するマッチングが良好となり、エネルギー損失を抑制しやすい点で特定の範囲であることが好ましい。具体的には、-5.8eV以上が好ましく、-5.75eV以上がより好ましく、-5.70eV以上がさらに好ましい。また、一方で、正孔輸送層のイオン化ポテンシャルは、-5.2eV以下が好ましく、-5.4eV以下がより好ましく、-5.45eV以下がさらに好ましく、-5.5eV以下が特に好ましい。すなわち、正孔輸送層のイオン化ポテンシャルは、-5.8eV以上-5.2eV以下であることが特に好ましい。
正孔輸送層のイオン化ポテンシャルは、上述のとおり、高分子化合物(1)を用いることにより、調整することができる。イオン化ポテンシャルを上記所望の範囲とするためのより詳細な方法としては、例えば、高分子化合物(1)において、芳香族化合物の置換基の種類や位置を適切に配置することにより、化合物の電子状態を制御することが挙げられる。また、正孔輸送層に後述するドーパントなどを併用することなどによって、正孔輸送層に含有される化合物の電子状態を調整する、すなわち化合物の全体もしくは一部を酸化もしくは還元することなどが挙げられる。
本発明に係る発電デバイスの正孔輸送層の厚みは、上下の電極間に位置する活性層が高い電荷輸送能を有する場合に、上下の電極と活性層とを介した導通パスの形成による電流のリークが起こり難い点では厚いことが好ましい。そこで、具体的には、20nm以上が好ましく、40nm以上がより好ましく、60nm以上がさらに好ましい。また、一方で、正孔輸送層による電荷輸送における抵抗が起こり難く、正孔輸送層に含有される化合物の量の節約による低コスト化の点では、薄いことが好ましい。具体的には、1000nm以下が好ましく、750nm以下がより好ましく、500nm以下がさらに好ましい。
[電極]
図1において、電極は、活性層103における光吸収により生じた正孔及び電子を捕集する機能を有する。本発明の一実施形態に係る発電デバイス100は一対の電極を有し、一対の電極のうち一方を上部電極と呼び、他方を下部電極と呼ぶ。発電デバイス100が基材を有する又は基材上に設けられている場合、通常、基材により近い電極を下部電極と、基材からより遠い電極を上部電極と、それぞれ呼ぶことができる。また、透明電極を下部電極と、下部電極よりも透明性が低い電極を上部電極と、それぞれ呼ぶこともできる。図1に示す発電デバイス100は、下部電極101及び上部電極105を有している。
一対の電極としては、正孔の捕集に適したアノードと、電子の捕集に適したカソードとを用いることができる。この場合、発電デバイス100は、下部電極101がアノードであり、上部電極105がカソードである順型構成を有していてもよいし、下部電極101がカソードであり、上部電極105がアノードである逆型構成を有していてもよい。
一対の電極は、いずれか一方が透光性であればよく、両方が透光性であってもよい。透光性があるとは、通常太陽光(波長350~700nm)の透過率が40%以上であることをいう。電極の太陽光の透過率は、より多くの光が透明電極を透過して活性層に到達することから高いことが好ましく、70%以上であることが特に好ましい。太陽光の透過率は、分光光度計(例えば、日立ハイテク社製U-4100)で測定することができる。
下部電極101及び上部電極105、又はアノード及びカソードの構成部材及びその製造方法について特段の制限はなく、公知の技術を用いることができる。例えば、国際公開第2013/171517号、国際公開第2013/180230号又は特開2012-191194号公報等の公知文献に記載された部材及びその製造方法を用いることができる。
[電子輸送層]
本発明に係る発電デバイスは、電子輸送層を有していてもよい。電子輸送層の材料としては、活性層からカソードへの電子の取り出し効率を向上させることが可能な任意の材料を用いることができる。具体的には、国際公開第2013/171517号、国際公開第2013/180230号又は特開2012-191194号公報等の公知文献に記載の無機化合物、有機化合物、又はペロブスカイト半導体化合物が挙げられる。例えば、無機化合物としては、リチウム、ナトリウム、カリウム又はセシウム等のアルカリ金属の塩、酸化亜鉛、酸化チタン、酸化アルミニウム又は酸化インジウム等の金属酸化物が挙げられる。有機化合物としては、バソキュプロイン(BCP)、バソフェナントレン(Bphen)、(8-ヒドロキシキノリナト)アルミニウム(Alq)、ホウ素化合物、オキサジアゾール化合物、ベンゾイミダゾール化合物、ナフタレンテトラカルボン酸無水物(NTCDA)、ペリレンテトラカルボン酸無水物(PTCDA)、フラーレン化合物、又はホスフィンオキシド化合物若しくはホスフィンスルフィド化合物等の周期表第16族元素と二重結合を有するホスフィン化合物が挙げられる。
本発明に係る発電デバイスが電子輸送層を備える場合、その厚みは、上下の電極間に位置する活性層が高い電荷輸送能を有する場合に、上下の電極と活性層とを介した導通パスの形成による電流のリークが起こり難く、下部電極の凹凸の影響をカバーでき、かつ、活性層の塗れ性を制御しやすいことから、厚いことが好ましい。そこで、具体的には、1nm以上が好ましく、5nm以上がより好ましく、10nm以上がさらに好ましい。また、一方で、電子輸送層による電荷輸送における抵抗が起こり難く、電子輸送層に含有される化合物の量の節約による低コスト化の点では、薄いことが好ましい。具体的には、200nm以下が好ましく、150nm以下がより好ましく、10nm以下がさらに好ましい。
[基材]
本発明に係る発電デバイスは、基材を有していてもよい。図1において、発電デバイス100は支持体となる基材106を有しているが、本発明に係る発電デバイスは基材106を有さなくてもよい。基材を有する場合における基材106の材料は、本発明の効果を著しく損なわない限り特に限定されず、例えば、国際公開第2013/171517号、国際公開第2013/180230号又は特開2012-191194号公報等の公知文献に記載の材料を使用することができる。
[発電デバイスの製造方法]
本発明の発電デバイスの製造方法としては、上述の高分子化合物(1)を正孔輸送層に含有させることができる方法であれば特に制限されず、公知のペロブスカイト半導体化合物を用いた発電デバイスの製造方法を適用することができる。例えば、前記高分子化合物(1)、ドーパント、及び溶媒を含有する塗布液を作製し、スピンコート法やインクジェット法等の湿式成膜法を用いることにより、正孔輸送層を形成することができる。同様の塗布方法により電子輸送層を形成することもできる。また、真空蒸着法等の乾式成膜法により、これらのバッファ層を形成することもできる。
但し、正孔輸送層は、塗布法により形成することが好ましく、前述の高分子化合物(1)及びドーパントを含有する液を塗布することがより好ましい。すなわち、本発明の発電デバイスの製造方法としては、正孔輸送層を塗布法により形成する工程を有し、この塗布法において、前述のポリトリアリールアミン化合物及びドーパントを含有する液を塗布することがより好ましい。
図1において、発電デバイス100を構成する各層を積層することにより、発電デバイス100を製造することができる。例えば、シートツゥーシート(枚葉)方式、又はロールツゥーロール方式等の公知方法を適用することができる。
なお、ロールツゥーロール方式とは、ロール状に巻かれたフレキシブルな基材を繰り出して、間欠的或いは連続的に搬送しながら、巻き取りロールにより巻き取られるまでの間に加工を行う方式である。ロールツゥーロール方式によれば、kmオーダの長尺基板を一括処理することが可能であるため、ロールツゥーロール方式はシートツゥーシート方式に比べて量産化に適している。
ロールツゥーロール方式に用いることのできるロールの大きさは、ロールツゥーロール方式の製造装置で扱える限り特に限定されないが、外径は、好ましくは5m以下、より好ましくは3m以下、さらに好ましくは1m以下である。一方、好ましくは10cm以上、より好ましくは20cm以上、さらに好ましくは30cm以上である。ロール芯の外径は、好ましくは4m以下、より好ましくは3m以下、さらに好ましくは0.5m以下である。一方、好ましくは1cm以上、より好ましくは3cm以上、さらに好ましくは5cm以上、特に好ましくは10cm以上、最も好ましくは20cm以上である。
これらの径であることにより、ロールが取り扱いやすく、各工程で成膜される層が曲げ応力により破壊され難くなる。ロール幅は、好ましくは5cm以上、より好ましくは10cm以上、さらに好ましくは20cm以上である。一方、好ましくは5m以下、より好ましくは3m以下、さらに好ましくは2m以下である。幅が大きいことにより、ロールが取り扱いやすく、発電デバイスの大きさの自由度が高くなる。
発電デバイス100を製造する際、上部電極105を積層した後に、発電デバイス100を加熱してもよい(この加熱工程をアニーリング処理工程と称する場合がある)。
アニーリング処理工程は、発電デバイス100の各層間の密着性、例えば、バッファ層102と下部電極101、バッファ層102と活性層103等の層間の密着性が高くなり、発電デバイスの熱安定性や耐久性等が向上し得る点では高温で行うことが好ましい。具体的には、50℃以上が好ましく、80℃以上がより好ましい。また、一方で、発電デバイス100に含まれる有機化合物が熱分解し難い点では低温で行うことが好ましい。具体的には、300℃以下が好ましく、280℃以下がより好ましく、250℃以下がさらに好ましい。アニーリング処理工程においては、上記の温度範囲内において異なる温度を用いた段階的な加熱を行ってもよい。
上記の好適な温度範囲における加熱時間としては、熱分解を抑えながら密着性を向上させるために、1分以上が好ましく、3分以上がより好ましい。また、180分以下が好ましく、60分以下がより好ましい。
アニーリング処理工程は、太陽電池の光電変換特性である開放電圧、短絡電流及びフィルファクターが一定の値になったところで終了させることが好ましい。また、アニーリング処理工程は、構成材料の熱酸化を防ぐ上でも、常圧下、かつ不活性ガス雰囲気中で実施することが好ましい。加熱方法としては、ホットプレート等の熱源に発電デバイスを載せてもよいし、オーブン等の加熱雰囲気中に発電デバイスを入れてもよい。また、加熱はバッチ式で行っても連続方式で行ってもよい。
[光電変換特性]
発電デバイス100の光電変換特性は、次のようにして求めることができる。発電デバイス100に適当なスペクトルの光をある照射強度で照射して、電流-電圧特性を測定する。得られた電流-電圧曲線から、光電変換効率(PCE)、短絡電流密度(Jsc)、開放電圧(Voc)、フィルファクター(FF)、直列抵抗、シャント抵抗といった光電変換特性を求めることができる。
ここで、短絡電流密度(Jsc)とは電圧値=0(V)の際の電流密度であり、開放電圧(Voc)とは電流値=0(mA/cm)の際の電圧値である。フィルファクター(FF)とは内部抵抗を表すファクターである。
フィルファクター(FF)は、最大出力をPmaxとすると次式で表される。
FF=Pmax/(Voc×Jsc)
また、光電変換効率(PCE)は、入射エネルギーをPinとすると次式で与えられる。
PCE=(Pmax/Pin)×100
=(Voc×Jsc×FF/Pin)×100
本発明に係る発電デバイスの一実施形態は、低照度(10~5000ルクス)における発電効率に優れ、例えば、色温度5000Kの白色LED光等の白色光源を用いて、光電変換効率を20%以上とすることが可能である。さらに、色温度5000Kの白色LED光が照射され、受光面の照度が200ルクスであるときの光電変換効率を25%以上とすることが可能である。
上記の入射エネルギーPinは、例えば、強度AM1.5Gの太陽光であれば100mW/cmであり、色温度5000Kの白色LED光が照射され、受光面の照度が200ルクスであれば100μW/cmである。
なお、本明細書における色温度5000Kとは、JIS Z8725:2015の規格で定められたものである。
<太陽電池>
本発明に係る発電デバイスは、低照度下における光電変換効率に優れるので、屋内用の太陽電池として好適である。図2は本発明の発電デバイスを備えた太陽電池の一例であって、前述の発電デバイス100を備えた薄膜太陽電池14であり、耐候性保護フィルム1と、紫外線カットフィルム2と、ガスバリアフィルム3と、ゲッター材フィルム4と、封止材5と、発電デバイス100(不図示)を有する太陽電池素子6と、封止材7と、ゲッター材フィルム8と、ガスバリアフィルム9と、バックシート10と、をこの順に備える。薄膜太陽電池14の保護フィルム1が形成された側(図2中下方)から光が照射されて、太陽電池素子6が発電するように構成されている。なお、薄膜太陽電池14は、これらの構成部材を全て有する必要はなく、必要な構成部材を任意に選択することができる。
薄膜太陽電池14は単独で使用されてもよいし、複数の薄膜太陽電池14が連結されて使用されたり、更に他の構成部材と組み合わせた太陽電池モジュールの構成要素として用いられたりしてもよい。例えば、図3に示すように、薄膜太陽電池14を基材12上に備える太陽電池モジュール13を作製し、この太陽電池モジュール13を使用場所に設置して用いることができる。
上述の各構成部材の選定及びその製造方法は周知技術を適用すればよく、例えば、国際公開第2013/171517号、国際公開第2013/180230号又は特開2012-191194号公報等の公知文献に記載の技術が挙げられる。
本発明の発電デバイス及びこれを備えた太陽電池若しくは太陽電池モジュールの用途に制限はなく、例えば、建材用太陽電池、自動車用太陽電池、インテリア用太陽電池、鉄道用太陽電池、船舶用太陽電池、飛行機用太陽電池、宇宙機用太陽電池、家電用太陽電池、携帯電話用太陽電池又は玩具用太陽電池等の用途が挙げられる。
本発明の発電デバイス及びこれを備えた太陽電池若しくは太陽電池モジュールは、低照度環境下で優れた光電変換効率を示すことから、特にエネルギーハーベスティング用途に好適である。
以下、実施例により本発明の実施形態の一例を詳細に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されない。
<測定方法等>
[分子量]
数平均分子量Mnと重量平均分子量Mwは、下記条件によるGPCによって行い、ポリスチレン換算で算出した。
(測定条件)
ポンプ:LC-10AT(島津製作所社製)、オーブン:CTO-10A(島津製作所社製)、解析:Lab-Solution(島津製作所社製)、
カラム:Agilent Technologies GPC用カラム(PLgel MIXED-B 10μm 内径7.5mm,長さ30cm)2本直列に接続して使用、
移動相:テトラヒドロフラン、
流速:1.0mL/min、
オーブン温度:40℃、
試料濃度:0.01~5質量%、
注入量:5μL、
検出器:示差屈折率検出器(島津製作所社製,RID-10A)及びUV-vis検出器(島津製作所社製,RID-10A)、
分子量標準:ポリスチレン。
[イオン化ポテンシャルの測定]
活性層のイオン化ポテンシャルについては、薄膜ITO(酸化インジウムスズ、表面抵抗率:7~10Ω/sq.)が形成されたガラス基板上に、後述の発電デバイスの作製方法における活性層の形成方法と同様にして、後述の活性層用塗布液1の150μLと活性層用塗布液2の120μLを順次塗布し、厚さ650nmのペロブスカイト半導体化合物の活性層を、薄膜ITOが形成されたガラス基板上に直接形成した。
形成した活性層の表面に光をあてることによって生成する光電子の数に基づき求めた。装置としては、理研計器(株)のAC-3を用いた。
正孔輸送層のイオン化ポテンシャルについては、薄膜ITO(表面抵抗率:7~10Ω/sq.)が形成されたガラス基板上に、後述の発電デバイスの作製方法における正孔輸送層の形成方法と同様にして、後述の正孔輸送層塗布液の120μLを塗布し、厚さ100nmの正孔輸送層を、薄膜ITOが形成されたガラス基板上に直接形成した。
形成した正孔輸送層の表面に光をあてることによって生成する光電子の数に基づき求めた。装置としては、理研計器(株)のAC-3を用いた。
[バンドギャップの算出]
活性層のバンドギャップについては、透明ガラス基板上に、後述の発電デバイスの作製方法における活性層の形成方法と同様に、後述の活性層用塗布液1の150μLと活性層用塗布液2の120μLを順次塗布して、厚さ650nmのペロブスカイト半導体化合物の活性層をガラス基板上に直接形成した。
形成した活性層の透過スペクトルを測定し、横軸波長をeVに、縦軸透過率を√(ahν)に変換した(ここで、αは吸光係数を意味し、hはプランク定数を意味し、νは振動数を意味する)。この吸収の立ち上がりを直線としてフィッティングし、ベースラインと交わるeV値をバンドギャップとして算出した。この透過スペクトルは、分光光度計(日立ハイテク製U-4100)を使用して測定した。
上記のフィッティング及びバンドギャップの算出は、文献(山下大輔、石崎温史:分析化学 66,333(2017))に記載の方法に準じて行った。
[発電デバイスの評価]
各例で得られた発電デバイスに、1mm角のメタルマスクを付け、ITO透明導電膜と上部電極との間における電流-電圧特性を測定した。測定にはソースメーター(ケイスレー社製,2400型)を用いた。
照射光源としては分光計器社製屋内光評価用LED光源BLD-100を用い、色温度5000Kの白色LED光を発電デバイスに照射した。この際、照度計を用いて発電デバイスの受光面が200ルクスの照度となるように照射強度を調整した。
この測定結果から、短絡電流密度Jsc(mA/cm)、開放電圧Voc(V)、フィルファクターFF、及び光電変換効率PCE(%)を算出した。発電デバイスを作製した直後の測定結果に基づいて算出されたこれらの値を表1に示す。
<実施例1>
下記化合物1(174.4mg、0.50mmol)と下記化合物2(306mg、0.48mmol)を用い、反応条件として、特許文献(特開2019-175970)に記載の方法を参考にして、高分子化合物(1)である下記高分子化合物1を168mg得た。得られた高分子化合物1の重量平均分子量は108,000であり、PDI(重量平均分子量/数平均分子量)は1.4であった。
Figure 2023062277000004
<実施例2>
下記化合物1(349.4mg、1.0mmol)と下記化合物3(638.6mg、0.95mmol)を用い、反応条件として、特許文献(特開2019-175970)に記載の方法を参考にして、高分子化合物(1)である下記高分子化合物2を250mg得た。得られた高分子化合物2の重量平均分子量は55,300であり、PDIは1.3であった。
Figure 2023062277000005
<実施例3>
下記化合物1(349.4mg、1.0mmol)と下記化合物4(505.7mg、0.90mmol)を用い、反応条件として、特許文献(特開2019-175970)に記載の方法を参考にして、高分子化合物(1)である下記の高分子化合物3を130mg得た。得られた高分子化合物3の重量平均分子量は30,800であり、PDIは1.3であった。
Figure 2023062277000006
<実施例4>
下記化合物1(349.4mg、1mmol)と下記化合物5(783.7mg、0.98mmol)を用い、反応条件として、特許文献(特開2019-175970)に記載の方法を参考にして、高分子化合物(1)である下記の高分子化合物4を570mg得た。得られた高分子化合物4の重量平均分子量は37,500であり、PDIは1.4であった。
Figure 2023062277000007
<実施例5>
[電子輸送層用塗布液の調製]
酸化スズ(IV)15質量%水分散液(Alfa Aesar社製)に超純水を加えることにより、7.5質量%の酸化スズ水分散液を調製した。
[活性層用塗布液の調製]
ヨウ化鉛(II)をバイアル瓶に量りとり、グローブボックス内に導入した。ヨウ化鉛(II)の濃度が1.3mol/Lとなるように溶媒としてN,N-ジメチルホルムアミドを加え、その後、100℃で1時間加熱撹拌することにより活性層用塗布液1を調製した。
次に、別のバイアル瓶にホルムアミジン臭化水素酸塩(FABr)、メチルアミン臭化水素酸塩(MABr)、及びメチルアミン塩化水素酸塩(MACl)を7.25:1:1.5の質量比となるよう量りとり、グローブボックス内に導入した。これに溶媒としてイソプロピルアルコールを加えることにより、FABr、MABr、及びMAClの合計濃度が0.49mol/Lである活性層用塗布液2を調製した。
[正孔輸送層用塗布液の調製]
実施例1で得られた高分子化合物1の64mgと、2.6mgの4-イソプロピル-4’-メチルジフェニルヨードニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボラート(TPFB,TCI社製)とをバイアル瓶に量りとり、グローブボックス内に導入した。これに溶媒として1.6mLのオルトジクロロベンゼンを加えた。次に、得られた混合液を150℃で1時間加熱撹拌することにより、正孔輸送層用塗布液を調製した。
[発電デバイスの作製]
パターニングされたITO透明導電膜を備えるガラス基板(ジオマテック社製)に対して、超純水を用いた超音波洗浄、窒素ブローによる乾燥、及びUV-オゾン処理を行った。
この上に、上述の電子輸送層用塗布液を、室温(25℃)で上記のガラス基板上に2000rpmの速度で厚さ35nmとなるようにスピンコートした後にホットプレート上150℃で10分間加熱することにより、電子輸送層を形成した。
この電子輸送層が形成されたガラス基板をグローブボックスに導入し、100℃に加熱した活性層用塗布液1(150μL)を電子輸送層上に滴下し、2000rpmの速度でスピンコートし、ホットプレート上100℃で10分間加熱アニールすることにより、ヨウ化鉛層を形成した。さらに、ヨウ化鉛層が形成されたガラス基板を室温に戻した後、ヨウ化鉛層上に活性層用塗布液2(120μL)を2000rpmの速度でスピンコートし、ホットプレート上150℃で20分間加熱し、その後室温まで冷却することにより、ペロブスカイト半導体化合物の活性層(厚さ650nm)を形成した。
この活性層上に、正孔輸送層塗布液(120μL)を2000rpmの速度でスピンコートし、さらにホットプレート上90℃で5分間加熱し、その後室温(25℃)まで冷却することにより、正孔輸送層(厚さ100nm)を形成した。
この正孔輸送層上に、抵抗加熱型真空蒸着法により、厚さ10nmのMoO、厚さ30nmのIZO(酸化インジウム亜鉛)及び厚さ100nmの銀をこの順に蒸着し、上部電極を形成した。
以上のようにして、発電デバイスを作製した。
この発電デバイスにおける、活性層のイオン化ポテンシャルとバンドギャップ、正孔輸送材料のイオン化ポテンシャル、及び色温度5000Kの白色LED光を照射し、受光面の照度が200ルクスであるときの光電変換特性の測定結果を表1に示す。
<実施例6>
実施例1で得られた高分子化合物1の代わりに、実施例2で得られた高分子化合物2を用いた以外は、実施例5と同様にして発電デバイスを作製した。各測定結果を表1に示す。
<実施例7>
実施例1で得られた高分子化合物1の代わりに、実施例3で得られた高分子化合物3を用いた以外は、実施例5と同様にして発電デバイスを作製した。各測定結果を表1に示す。
<実施例8>
実施例1で得られた高分子化合物1の代わりに、実施例4で得られた高分子化合物4を用いた以外は、実施例5と同様にして発電デバイスを作製した。各測定結果を表1に示す。
<比較例1>
実施例1で得られた高分子化合物1の代わりに、ポリ[ビス(4-フェニル)(2,4,6-トリメチルフェニル)アミン](PTAA,シグマアルドリッチ社製)を用いた以外は、実施例5と同様にして発電デバイスを作製した。各測定結果を表1に示す。
Figure 2023062277000008
表1の結果より、高分子化合物(1)を含有する正孔輸送層を備えた実施例5~8の発電デバイスは、低照度白色LEDを光源とする変換効率において、比較例1よりも優れていることが裏付けられた。各実施例の発電デバイスにおける活性層のイオン化ポテンシャルは-6.0eV以上-5.7eV以下であり、活性層のバンドギャップが1.6eV以上2.3eV以下であり、かつ、正孔輸送材料のイオン化ポテンシャルが-5.8eV以上-5.2eV以下であったことから、これらの組み合わせが低照度下において優れた変換効率を実現させたと考えられる。
1 耐候性保護フィルム
2 紫外線カットフィルム
3,9 ガスバリアフィルム
4,8 ゲッター材フィルム
5,7 封止材
6 太陽電池素子(発電デバイス)
10 バックシート
12 基材
13 太陽電池モジュール
14 薄膜太陽電池
100 発電デバイス
101 下部電極
102 バッファ層
103 活性層
104 バッファ層
105 上部電極
106 基材

Claims (8)

  1. 下記式(I)で表される繰り返し単位を含み、全繰り返し単位の80モル%以上が下記式(I)で表される繰り返し単位であることを特徴とする、ポリトリアリールアミン化合物。
    Figure 2023062277000009
    (式(I)中、Xは、CR、SiR、NR、S、のいずれかを表し、R、R及びRは、各々独立に、水素原子、置換基を有していてもよい芳香族基又は置換基を有していてもよいアルキル基を表し、R及びRは互いに結合して環を形成してもよく、Ar及びArは、各々独立に、直接結合又は非架橋性の置換基を有していてもよい芳香族基を表し、Arは、非架橋性の置換基を有していてもよい芳香族基を表す。)
  2. 上部電極と下部電極とにより構成される一対の電極と、前記一対の電極間に位置し、有機無機ハイブリッド型半導体化合物を含有する活性層と、前記活性層と前記一対の電極の少なくとも一方との間に位置する正孔輸送層と、を有する発電デバイスであって、
    前記正孔輸送層が、請求項1に記載のポリトリアリールアミン化合物を含有する、発電デバイス。
  3. 前記活性層のイオン化ポテンシャルが-6.0eV以上-5.7eV以下であり、かつ、前記活性層のバンドギャップが1.6eV以上2.3eV以下であるとともに、前記正孔輸送層のイオン化ポテンシャルが-5.8eV以上-5.2eV以下である、請求項2に記載の発電デバイス。
  4. 前記有機無機ハイブリッド型半導体化合物が、ペロブスカイト構造を有する化合物である、請求項2又は3に記載の発電デバイス。
  5. 前記活性層の厚みが200nm以上800nm以下である、請求項2~4の何れか一項に記載の発電デバイス。
  6. 色温度5000Kの白色LED光を照射し、受光面の照度が200ルクスであるときの光電変換効率が25%以上である、請求項2~5の何れか一項に記載の発電デバイス。
  7. 上部電極と下部電極とにより構成される一対の電極と、前記一対の電極間に位置し、有機無機ハイブリッド型半導体化合物を含有する活性層と、前記活性層と前記一対の電極の少なくとも一方との間に位置する正孔輸送層と、を有する発電デバイスの製造方法であって、前記正孔輸送層を塗布法により形成する工程を有し、前記塗布法において、請求項1に記載のポリトリアリールアミン化合物及びドーパントを含有する液を塗布する、発電デバイスの製造方法。
  8. 前記ドーパントが、3価のヨウ素を含むジアリールヨードニウム塩である、請求項7に記載の発電デバイスの製造方法。
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