JP2023060745A - 受電装置、送電装置、無線電力伝送方法、及び、プログラム - Google Patents
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Abstract
【課題】電力損失に基づいて受電装置とは異なる物体を検出する処理において、受電装置の負荷への出力電圧の変化による精度低下を抑制するための制御を行う受電装置、送電装置、無線電力伝送方法及びプログラムを提供する。【解決手段】受電装置101は、送電を制限する所定期間のうち少なくとも2つの時点における電圧または電流の値に基づいて受電装置とは異なる物体を検出する第1の検出処理を行う送電装置から無線で電力を受電する受電コイル201と、第1の検出処理の結果に応じて電力損失に基づいて受電装置とは異なる物体を検出する第2の検出処理において使用される受電装置の受電電力を表すデータを、送電装置に送信する通信部204と、負荷に出力する出力電圧を変更する電圧制御部203と、データが送信された後に出力電圧が変更された場合、データが第2の検出処理に使用されないように制御する制御部200と、を有する。【選択図】図2
Description
本開示は、無線電力伝送の技術に関する。
無線電力伝送システムの技術開発が広く行われており、標準化団体Wireless Power Consortium(WPC)が策定した規格(WPC規格)が広く知られている。このような無線電力伝送では、送電装置が電力を送電可能な範囲に、送電対象の受電装置とは異なる物体(以下、異物という)が存在する場合に、異物を検出して送受電を制御することが行われる。
特許文献1では、WPC規格に準拠した送受電装置の近傍に異物が存在する場合に、電力損失(パワーロス)に基づいて異物を検出する手法が記載されている。
特許文献1に記載のように、電力損失に基づいて異物の検出が行われる場合、受電装置が負荷へ出力する出力電圧を変化させると、異物検出の精度が低下する場合がありうる。
本開示は上記の課題に鑑みてなされたものである。その目的は、電力損失に基づいて受電装置とは異なる物体を異物検出する処理において、受電装置の負荷への出力電圧の変化による精度低下を抑制するための制御が行われるようにすることである。
本開示に係る受電装置は、送電を制限する所定期間のうち少なくとも2つの時点における電圧または電流の値に基づいて前記受電装置とは異なる物体を検出する第1の検出処理を行う送電装置から無線で電力を受電する受電手段と、前記第1の検出処理の結果に応じて前記送電装置の送電電力と前記受電装置の受電電力とに基づく電力損失に基づいて前記送電装置が前記受電装置とは異なる物体を検出する第2の検出処理に使用される、前記受電装置の受電電力を表すデータを、前記送電装置に送信する送信手段と、
前記受電装置が有する負荷に出力する出力電圧を変更する変更手段と、前記送信手段により前記データが送信された後に前記変更手段により前記出力電圧が変更された場合、前記データが前記第2の検出処理に使用されないように制御する制御手段とを有する。
前記受電装置が有する負荷に出力する出力電圧を変更する変更手段と、前記送信手段により前記データが送信された後に前記変更手段により前記出力電圧が変更された場合、前記データが前記第2の検出処理に使用されないように制御する制御手段とを有する。
本開示によれば、電力損失に基づいて受電装置とは異なる物体を検出する処理において、受電装置の負荷への出力電圧の変化による精度低下を抑制するための制御を行うことができる。
以下、添付図面を参照して実施形態を詳しく説明する。なお、以下の実施形態は特許請求の範囲に係る開示を限定するものでない。実施形態には複数の特徴が記載されているが、これらの複数の特徴の全てが必須のものとは限らず、また、複数の特徴は任意に組み合わせられてもよい。さらに、添付図面においては、同一若しくは同様の構成に同一の参照番号を付し、重複した説明は省略する。
<実施形態1>
(システムの構成)
図1は、本実施形態による無線電力伝送システムの構成例を示す図である。本実施形態に係る無線電力伝送システムの構成例を示す。本無線電力伝送システムは、一例において、送電装置100と受電装置101とを含んで構成される。本実施形態における送電装置100と受電装置101は、Wireless Power Consortium規格(以下、WPC規格という)に準拠しているものとする。送電装置100は、自装置上に載置される受電装置101に対し、電力を送電するものとする。なお、「載置される」とは、受電装置101が送電装置100の送電可能範囲内に含まれる状態を指すものとし、必ずしも送電装置100と受電装置101とが接していなくてもよい。
(システムの構成)
図1は、本実施形態による無線電力伝送システムの構成例を示す図である。本実施形態に係る無線電力伝送システムの構成例を示す。本無線電力伝送システムは、一例において、送電装置100と受電装置101とを含んで構成される。本実施形態における送電装置100と受電装置101は、Wireless Power Consortium規格(以下、WPC規格という)に準拠しているものとする。送電装置100は、自装置上に載置される受電装置101に対し、電力を送電するものとする。なお、「載置される」とは、受電装置101が送電装置100の送電可能範囲内に含まれる状態を指すものとし、必ずしも送電装置100と受電装置101とが接していなくてもよい。
受電装置101と送電装置100は無線電力伝送以外のアプリケーションを実行する機能を有しうる。受電装置101の一例はスマートフォン等の情報処理端末であり、送電装置100の一例はその情報処理端末を充電するためのアクセサリ機器である。例えば、情報端末機器は、受電コイル(アンテナ)から受けた電力が供給される、情報をユーザに表示する表示部(ディスプレイ)を有している。また、受電コイルから受けた電力は蓄電部(バッテリ)に蓄積され、そのバッテリから表示部に電力が供給される。この場合、受電装置101は、送電装置100とは異なる他の装置と通信する通信部を有していてもよい。通信部は、NFC通信や、第5世代移動通信システム(5G)などの通信規格に対応していてもよい。またこの場合、バッテリから通信部に電力が供給されることにより、通信部が通信を行ってもよい。また、受電装置101は、タブレット端末、あるいは、ハードディスク装置及びメモリ装置などの記憶装置であってもよいし、パーソナルコンピュータ(PC)などの情報処理装置であってもよい。また、受電装置101は、例えば、撮像装置(カメラやビデオカメラ等)であってもよい。また、受電装置101は、スキャナ等の画像入力装置であってもよいし、プリンタ、コピー機、プロジェクタ等の画像出力装置であってもよい。また、受電装置101は、ロボット、医療機器等であってもよい。送電装置100は、上述した機器を充電するための装置でありうる。また、送電装置100がスマートフォンであってもよい。この場合、受電装置101は別のスマートフォンでもよいし、無線イヤホンであってもよい。また、送電装置100がバッテリを有し、バッテリに蓄積された電力を使用して受電装置101に無線で送電する構成であってもよい。また、送電装置100が、自動車等の車両、または車両内のコンソール等に設置される充電器であってもよい。また、受電装置101は、表示や音を使用してバッテリの残量を通知する機能を有していてもよい。
また、本実施形態における受電装置101が自動車などの車両であってもよい。例えば、受電装置101である自動車は、駐車場に設置された送電アンテナを介して充電器(送電装置100)から電力を受けとるものであってもよい。また、受電装置101である自動車は、道路に埋め込まれた送電コイル(アンテナ)を介して充電器(送電装置100)から電力を受けとるものでもよい。このような自動車は、受電した電力はバッテリに供給される。バッテリの電力は、車輪を駆動する発動部(モータ、電動部)に供給されてもよいし、運転補助に用いられるセンサの駆動や外部装置との通信を行う通信部の駆動に用いられてもよい。つまり、この場合、受電装置101は、車輪の他、バッテリや、受電した電力を用いて駆動するモータやセンサ、さらには送電装置100以外の装置と通信を行う通信部を有していていもよい。さらに、受電装置101は、人を収容する収容部を有していてもよい。例えば、センサとしては、車間距離や他の障害物との距離を測るために使用されるセンサなどがある。通信部は、例えば、全地球測位システム(Global Positioning System、Global Positioning Satellite、GPS)に対応していてもよい。また、通信部は、第5世代移動通信システム(5G)などの通信規格に対応していてもよい。また、車両としては、自転車や自動二輪車であってもよい。また、受電装置101は、車両に限定されず、バッテリに蓄積された電力を使用して駆動する発動部を有する移動体及び飛行体等であってもよい。また、受電装置101がバッテリを内蔵していなくてもよい。
また、本システムでは、WPC規格に基づいて、無線充電のための電磁誘導方式を用いた無線電力伝送が行われる。すなわち、送電装置100と受電装置101は、送電装置100の送電コイルと受電装置101の受電コイルとの間で、WPC規格に基づく無線充電のための無線電力伝送を行う。なお、本システムでは、無線電力伝送方式としてWPC規格で規定された方式が用いられるものとするが、これに限られず、他の方式が用いられてもよい。例えば、電磁誘導方式、磁界共鳴方式、電界共鳴方式、マイクロ波方式、レーザー等を利用した方式などが用いられてもよい。また、本実施形態では、無線電力伝送が無線充電に用いられるものとするが、無線充電以外の用途で無線電力伝送が行われてもよい。
(装置の構成)
図2に、受電装置101の構成例を示す。本実施形態における受電装置101は、制御部200、受電コイル201、整流部202、電圧制御部203、通信部204、充電部205、バッテリ206、共振コンデンサ207、および、スイッチ208を含んで構成される。以下、各処理部について説明する。
図2に、受電装置101の構成例を示す。本実施形態における受電装置101は、制御部200、受電コイル201、整流部202、電圧制御部203、通信部204、充電部205、バッテリ206、共振コンデンサ207、および、スイッチ208を含んで構成される。以下、各処理部について説明する。
制御部200は、受電装置101の全体を制御する。制御部200は、例えばCPU(Central Processing Unit)やMPU(Micro Processing Unit)等の1つ以上のプロセッサを含んで構成される。なお、制御部200は、例えば、RAM(Random Access Memory)やROM(Read Only Memory)等の1つ以上の記憶装置を含んでもよい。そして、制御部200は、例えば、記憶装置に記憶されたプログラムをプロセッサによって実行することにより、後述の各処理を実行するように構成されうる。
受電コイル201は、送電装置100の送電コイル303から電力を受電する際に用いられるコイルである。整流部202は、受電コイル201を介して受電した交流電圧および交流電流を、直流電圧および直流電流に変換する。電圧制御部203は、整流部202から入力された直流電圧のレベルを、制御部200および充電部205などが動作するのに適した(過大でもなく過少でもない)直流電圧のレベルに変換する。また、電圧制御部203は、変換されたレベルの電圧を充電部205へ供給する。すなわち、電圧制御部203は、送電装置100から受電した電力を使用して、自装置に含まれる負荷である充電部205、及びバッテリ206に電力を出力する。
充電部205は、電圧制御部203から供給された電圧によりバッテリ206を充電する。通信部204は、送電装置100との間で、WPC規格に基づいた無線電力伝送に係る制御通信を行う。この制御通信は、受電コイル201で受電した交流電圧および交流電流を負荷変調することにより行われる。
また、受電コイル201は、共振コンデンサ207と接続され、特定の周波数F2で共振するように構成される。スイッチ208は、受電コイル201と共振コンデンサ207を短絡するためのスイッチであり、制御部200によって制御される。スイッチ208がオンとされると、受電コイル201と共振コンデンサ207が直列共振回路を構成する。このとき、受電コイル201と共振コンデンサ207およびスイッチ208の閉回路にのみ電流が流れ、整流部202や電圧制御部203には電流が流れなくなる。これに対して、スイッチ208がオフとされると、受電コイル201および共振コンデンサ207を介して、整流部202および電圧制御部203に電流が流れるようになる。
図3に、送電装置100の構成例を示す、本実施形態における送電装置100は、制御部300、電源部301、送電部302、送電コイル303、通信部304、メモリ305、共振コンデンサ306、およびスイッチ307を含んで構成される。以下、各処理部について説明する。
制御部300は、送電装置100の全体を制御する。制御部300は、例えばCPUやMPU等の1つ以上のプロセッサを含んで構成される。なお、制御部300は、例えば、後述のメモリ305や制御部300に内蔵された記憶装置に記憶されたプログラムをプロセッサによって実行することにより、後述の各処理を実行するように構成されうる。電源部301は、各機能ブロックに電源を供給する。電源部301は、例えば、商用電源又はバッテリである。バッテリには、例えば、商用電源から供給される電力が蓄電されうる。
送電部302は、電源部301から入力された直流又は交流電力を、無線電力伝送に用いる周波数帯の交流電力に変換し、その交流電力を送電コイル303へ入力し、これにより受電装置101に受電させるための電磁波を送電コイル303から発生させる。例えば、送電部302は、電源部301により供給される直流電圧を、FET(Field Effect Transister)を使用したハーフブリッジ又はフルブリッジ構成のスイッチング回路で交流電圧に変換する。この場合、送電部302は、FETのON/OFFを制御するゲ-トドライバを含む。
また、送電部302は、送電コイル303に入力する電圧(送電電圧)と電流(送電電流)との少なくともいずれか、または、周波数を調節することにより、出力させる電磁波の強度や周波数を制御する。例えば、送電部302は、送電電圧又は送電電流を大きくすることにより電磁波の強度を強くし、送電電圧又は送電電流を小さくすることにより電磁波の強度を弱くする。ここで、送電部302は、WPC規格に対応した受電装置101の充電部205に対して少なくとも15ワット(W)の電力を出力するだけの電力を供給する能力があるものとする。また、送電部302は、制御部300の指示に基づいて、送電コイル303による電磁波の出力が開始又は停止されるように、交流電力の出力制御を行う。
通信部304は、送電コイル303を介して、受電装置101との間で、WPC規格に基づく送電制御のための通信を行う。通信部304は、送電部302から出力される交流電圧および交流電流を周波数変調(FSK(Frequency Shift Keying))を用いて変調し、受電装置101へ情報を伝送する。また、通信部304は、受電装置101の通信部204による負荷変調で変調された交流電圧および交流電流を復調して、受電装置101が送信した情報を取得する。すなわち、通信部304は、送電部302から送電される電磁波に受電装置101へ送信すべき情報を重畳し、その電磁波に対して受電装置101によって重畳された受信信号を検出することによって、受電装置101と通信する。
なお、通信部304は、送電コイル303とは異なるコイル(又はアンテナ)を用いて、WPC規格とは異なる規格に従って受電装置101と通信を行ってもよい。また、通信部304は、複数の通信機能を選択的に用いて受電装置101と通信してもよい。メモリ305は、例えば、制御部300によって実行される制御プログラムや、送電装置100及び受電装置101の状態などの情報を記憶する。例えば、送電装置100の状態は制御部300により取得される。また、受電装置101の状態は、受電装置101の制御部200により取得されて通信部205から送信され、送電装置100は、通信部304を介してこの状態を示す情報を取得する。
また、送電コイル303は、共振コンデンサ306と接続され、特定の周波数F1で共振するように構成される。スイッチ307は、送電コイル303と共振コンデンサ306とを短絡するためのスイッチであり、制御部300によって制御される。スイッチ307がオンされると、送電コイル303と共振コンデンサ306が直列共振回路を構成する。このとき、送電コイル303と共振コンデンサ306およびスイッチ307の閉回路にのみ電流が流れる。スイッチ208がオフとされると、送電コイル303および共振コンデンサ306には、送電部302から電力が供給される。
図4は、送電装置100の制御部300によって実現される機能構成例を示している。本実施形態における制御部300は、第1測定部400、第2測定部401、Calibration処理部402、第1異物検出処理部403、第2異物検出処理部404、第3異物検出処理部405、および送電処理部406として動作しうる。
第1測定部400は、周波数領域におけるQ値(第1Q値)の測定を行う。第2測定部401は、時間領域におけるQ値(第2Q値)の測定を行う。Calibration処理部402は、Calibration data Pointの取得およびCalibrationカーブの作成処理を行う。これらの処理の詳細については、後述する。
第1異物検出処理部403は、第1測定部400により測定された第1Q値に基づく異物検出処理(第1異物検出処理)を実行する。第2異物検出処理部404は、電力損失(パワーロス)手法に基づく異物検出処理(第2異物検出処理)を実行する。第3異物検出処理部405は、第2測定部401により測定された第2Q値に基づく異物検出処理(第3異物検出処理)を実行する。各異物検出処理の詳細についても、後述する。なお、本実施形態における「異物」とは、送電装置の送電対象である受電装置とは異なる物体を表すものとする。また、異物検出とは、送電装置の送電可能範囲内に異物が存在するかを判定するための処理である。なお、受電装置および受電装置が組み込まれた製品または送電装置および受電装置が組み込まれた製品に不可欠な部分の物体のうち、送電アンテナが送電する無線電力にさらされたときに意図せずに熱を発生する可能性のある物体は、異物には当たらない。
送電処理部406は、送電部302の送電開始、送電停止、送電電力の増減に関する処理を行う。図4に示される各処理部は、例えば、それぞれが独立した複数のプログラムとして構成され、イベント処理等により、これらの複数のプログラム間の同期をとりながら並行して動作しうる。
(異物検出処理の説明)
第1異物検出処理部403、第2異物検出処理部404、第3異物検出処理部405のそれぞれが行う異物検出処理について、説明する。ここでは、送電装置100と受電装置101を例として用いて説明する。なお、送電装置100と受電装置101とが行う処理全体のフローは後述する。ここでは、異物検出処理に係る部分の説明を行う。
第1異物検出処理部403、第2異物検出処理部404、第3異物検出処理部405のそれぞれが行う異物検出処理について、説明する。ここでは、送電装置100と受電装置101を例として用いて説明する。なお、送電装置100と受電装置101とが行う処理全体のフローは後述する。ここでは、異物検出処理に係る部分の説明を行う。
(1)周波数領域で測定されたQ値に基づく異物検出処理(第1異物検出処理)
第1異物検出処理は、第1異物検出処理部403により行われる。ここで説明する第1異物検出処理は、WPC規格に準拠する異物検出処理であるものとする。
第1異物検出処理は、第1異物検出処理部403により行われる。ここで説明する第1異物検出処理は、WPC規格に準拠する異物検出処理であるものとする。
第1異物検出処理では、まず、送電装置100の第1測定部400が、異物の影響によって変化するQ値の周波数領域における測定(第1Q値測定)を行う。この測定は、送電装置100がAnalog Pingを送電してから、Digital Pingを送電するまでの間に実行される。
例えば、送電部302は、Q値を測定するために、送電コイル303が出力する無線電力の周波数を掃引し、第1測定部400は送電コイルと直列(または並列)に接続される共振コンデンサ306の端部の電圧値を測定する。そして、第1測定部400は、その電圧値がピークとなる共振周波数を探索し、共振周波数で測定されるピークの電圧値から3dB下がった電圧値を示す周波数と、その共振周波数とから、送電コイル303のQ値(第1Q値)を算出する。
なお、第1測定部400は、別の方法でQ値を測定してもよい。例えば、送電部302は、送電コイル303が出力する無線電力の周波数を掃引し、第1測定部400は送電コイル303と直列に接続される共振コンデンサ306の端部の電圧値を測定して、その電圧値がピークとなる共振周波数を探索する。そして、第1測定部400は、その共振周波数においてその共振コンデンサ306の両端の電圧値を測定し、その両端の電圧値の比から送電コイル303のQ値を算出する。
また、送電装置100の第1異物検出処理部403は、通信部304を介して、異物検出の判断基準となるQ値を受電装置101から取得する。例えば、第1異物検出処理部403は、WPC規格で規定されたある送電コイル上に受電装置が置かれた場合の送電コイルのQ値(特性値)を、受電装置101から受信する。この特性値は、受電装置101が送信するFOD(Foreign Object Detection) Statusパケットに格納されて、送電装置100は、このFOD Statusパケットを受信することによりこの特性値を取得する。
第1異物検出処理部403は、取得した特性値から、送電装置100上に受電装置101が置かれた場合の、送電コイル303のQ値を推定する。本実施形態では、推定されたQ値を基準Q値と呼ぶ。なお、FOD Statusパケットに格納されるQ値(特性値)は、あらかじめ受電装置101の不揮発メモリ(不図示)に記憶されうる。すなわち、受電装置101は、事前に記憶していたQ値を送電装置100へ通知しうる。
送電装置100の第1異物検出処理部403は、基準Q値と、第1測定部400により測定されたQ値とを比較し、比較結果に基づいて異物の有無を判定する。例えば、第1異物検出処理部403は、基準Q値に対して、a%(所定の割合)低下したQ値を閾値として、測定されたQ値がその閾値より低い場合に、異物が存在する可能性が高いと判定する。また、測定されたQ値が閾値より高い場合は、異物が存在する可能性が低い(異物が存在しない可能性が高い)と判定する。
(2)パワーロス手法に基づく異物検出処理(第2異物検出処理)
第2異物検出処理は、第2異物検出処理部403により行われる。ここで説明する第2異物検出処理は、WPC規格に準拠するパワーロス手法であるものとする。
第2異物検出処理は、第2異物検出処理部403により行われる。ここで説明する第2異物検出処理は、WPC規格に準拠するパワーロス手法であるものとする。
図11は、パワーロス手法による異物検出の概念図であり、横軸は送電装置100の送電電力を示し、縦軸は受電装置101の受電電力を示す。なお、送電装置100の送電部302による送電電力の制御は、送電処理部406により行われうる。まず、異物検出に使用されるデータを取得するための処理(Calibration処理)について説明する。
送電装置100の送電部302は、受電装置101に対してDigital Pingを送電する。そして、送電装置100の通信部304は、受電装置101における受電電力値Pr1(Light Loadという)を、Received Power Packet(mode1)により受信する。なお、以下では、Received Power Packet(mode1)を「RP1」と呼ぶ。RP1は、受電装置101が受電電力を負荷(充電部205とバッテリ206)に供給していない場合の受電電力値である。送電装置100の制御部300は、受信したRP1と、RP1が得られたときの送電電力値Pt1との関係(図11の点1100)を、メモリ305に記憶する。これにより、送電装置100は、送電電力としてPt1を送電したときの、送電装置100と受電装置101との間の電力損失量が、Pt1-RP1(Ploss1)であることを認識することができる。
次に、送電装置100の通信部304は、受電装置101における受電電力値Pr2(Connected Loadという)の値を、Received Power Packet(mode2)で受電装置101から受信する。なお、以下では、Received Power Packet(mode2)を「RP2」と呼ぶ。Pr2は、受電装置101が受電電力を負荷に供給している場合の受電電力値である。そして送電装置100の制御部300は、受信したPr2と、Pr2が得られたときの送電電力値Pt2との関係(図11の点1101)を、メモリ305に記憶する。これにより、送電装置100は、送電電力としてPt2を送電したときの、送電装置100と受電装置101との間の電力損失量がPt2-Pr2(Ploss2)であることを認識することができる。
送電装置100のCalibration処理部402は、点1100と点1101とを直線補間し、直線1102を作成する。直線1102は、送電装置100と受電装置101の周辺に異物が存在しない状態における、送電電力と受電電力の関係に対応する。このため、送電装置100は、送電電力値と直線1102とから、異物がない可能性が高い状態における受電電力を予想することができる。例えば、送電装置100は、送電電力値がPt3の場合について、送電電力値がPt3である場合に対応する直線1102上の点1103から、異物が存在しないときの受電電力値がPr3であると予想することができる。このように、送電装置100と受電装置101の周辺に異物が存在しない状態における、送電電力と受電電力の関係を導出する処理が、Calibration処理である。
Calibration処理により得られたデータに基づいて、異物検出を行う例について、以下で説明する。例えば、送電装置100の送電部302が、Pt3の送電電力で受電装置101に対して送電した場合に、通信部304が受電装置101から受電電力値Pr3’という値を受信したとする。送電装置100の第2異物検出処理部404は、異物が存在しない状態における受電電力値Pr3から、実際に受電装置101から受信した受電電力値Pr3’を引いた値Pr3-Pr3’(=Ploss_FO)を算出する。このPloss_FOは、送電装置100と受電装置101との間に異物が存在する場合に、その異物で消費される電力損失と考えることができる。このため、第2異物検出処理部404は、異物で消費されたであろう電力Ploss_FOがあらかじめ決められた閾値を超えた場合に、異物が存在すると判断することができる。この閾値は、例えば、測定誤差や、点1100と点1101との関係に基づいて導出される。このようにして、パワーロス手法に基づく異物検出(第2異物検出)が実現される。
また、送電装置100の第2異物検出処理部404は、事前に、異物が存在しない状態における受電電力値Pr3から、送電装置100と受電装置101間の電力損失量Pt3-Pr3(Ploss3)を求めておく。そして、第2異物検出処理部404は、異物が存在するか不明な状態において受電装置101から受信した受電電力値Pr3’から、異物が存在する状態での送電装置100と受電装置101間の電力損失量Pt3-Pr3’(Ploss3’)を算出する。そして、第2異物検出処理部404は、Ploss3’-Ploss3を算出し、この値があらかじめ決められた閾値を超えた場合に、異物が存在すると判断することができる。なお、Ploss3’-Ploss3=Pt3-Pr3’-Pt3+Pr3=Pr3-Pr3’である。このため、電力損失量の比較により、異物で消費されたと予測される電力Ploss_FOを推定することもできる。
以上のように、異物で消費されたであろう電力Ploss_FOは、受電電力の差Pr3-Pr3’として算出されてもよいし、電力損失の差Ploss3’-Ploss3(=Ploss_FO)として算出されてもよい。
Calibration処理部402により直線1102が取得されたのち、送電装置100の第2異物検出処理部404は、通信部304を介して、受電装置101から定期的に現在の受電電力値(例えば上記のPr3’)を受信する。受電装置101が定期的に送信する現在の受電電力値は、Received Power Packet(mode0)として送電装置100に送信される。送電装置100の第2異物検出処理部404は、Received Power Packet(mode0)に格納されている受電電力値と、直線1102とに基づいて異物検出を行う。なお、以下では、Received Power Packet(mode0)を「RP0」と呼ぶ。そして、Received Power Packet(RP1、RP2)に格納されている受電電力値と、その受電電力値に対応する送電電力値をCalibrationデータと呼ぶ。
また、送電装置100と受電装置101の周辺に異物が存在しない状態における送電電力と受電電力の関係である直線1102を取得するための点1100および点1101を、本実施形態では「Calibration data Point」と呼ぶ。また、少なくとも2つのCalibration data Pointを補間して取得される線分(直線1102)を「Calibrationカーブ」と呼ぶ。Calibration data PointおよびCalibrationカーブは、第2異物検出処理部404による異物検出処理のために使用される。
(3)時間領域で測定されたQ値に基づく異物検出処理(第3異物検出処理)
第3異物検出処理は、第3異物検出処理部403により行われる。第3異物検出処理について図10(a)及び図10(b)を用いて説明する。
第3異物検出処理は、第3異物検出処理部403により行われる。第3異物検出処理について図10(a)及び図10(b)を用いて説明する。
図10(a)及び図10(b)は、時間領域におけるQ値(第2Q値)の測定方法を説明するための概念図である。本実施形態では、第2Q値に基づく異物検出方法を第3異物検出方法と呼ぶ。第2Q値測定は、第2測定部401により行われる。また、送電装置100の送電部302による送電電力の制御は、送電処理部406により行われる。第2Q値測定では、送電装置100と受電装置101が、同じ期間にスイッチをオンとして、送電を瞬断させたうえで、受電電力を負荷に出力しないようにする。これによれば、例えばコイルに印加される電圧が指数関数的に減少する。そして、この減少の仕方によって第2Q値が算出される。
図10(a)における波形1000は、送電装置100の送電コイル303又は共振コンデンサ306の端部に印加される高周波電圧の値(以下では、単に「送電コイルの電圧値」と呼ぶ)の時間経過を示している。なお、図10(a)及び図10(b)において、横軸は時間を示しており、縦軸は電圧値を示している。時間T0において高周波電圧の印加(送電)が停止される。点1001は、高周波電圧の包絡線上の一点(言い換えれば、極大値の一点)であり、時間T1における高周波電圧である。図10(a)における(T1、A1)は、時間T1における電圧値がA1であることを示す。同様に、点1002は、高周波電圧の包絡線上の一点であり、時間T2における高周波電圧である。図10(a)における(T2、A2)は、時間T2における電圧値がA2であることを示す。
第2Q値測定は、時間T0以降の電圧値の時間変化に基づいて実行される。例えば、Q値は、電圧値の包絡線である点1001および点1002の時間、電圧値、および、高周波電圧の周波数f(以降、fのことを動作周波数と呼ぶ。)に基づいて、数1により算出される。
すなわち、ここでのQ値は、送電が制限された(停止された)後の、送電コイル303の経過時間とその際の電圧の降下量との関係により定まる電気特性である。
次に、本実施形態で送電装置100が時間領域でQ値を測定するための処理について図10(b)を参照して説明する。波形1003は、送電コイル303に印加される高周波電圧の値を示しており、その周波数は、Qi規格で使用される100kHzから148.5kHzの間の周波数である。また、点1004、点1005、点1006、および点1007は、電圧値の包絡線の一部である。送電装置100の送電部302は、時間T0からT5の区間、送電を停止する。送電装置100の第2測定部401は、時間T3における電圧値A3(点1004)、時間T4における電圧値A4(点1005)および高周波電圧の動作周波数と(式1)に基づいて、Q値を測定する。なお、送電装置100の送電部302は、時間T5において送電を再開する。このように、第2Q値測定は、送電装置100が送電を瞬断し時間経過と電圧値および動作周波数に基づいてQ値を測定することにより行われる。なお、受電装置101においても、同様に、送電が制限された(停止された)後の、受電コイル201の経過時間とその際の電圧の降下量との関係により定まる電気特性として、第2Q値が測定されうる。このように、送電が制限される所定期間における少なくとも2つの時点の電圧値に基づいてQ値を測定する方法を、波形減衰法によるQ値測定方法と呼ぶ。なお、所定期間における電圧値は、3以上の時点について測定されてもよい。
また、送電装置100の第3異物検出処理部403は、基準Q値と、第2測定部4001により測定されたQ値とを比較し、比較結果に基づいて異物の有無を判定する。例えば、第3異物検出処理部405は、基準Q値に対して、a%(所定の割合)低下したQ値を閾値として、測定されたQ値がその閾値より低い場合に、異物が存在する可能性が高いと判定する。また、測定されたQ値が閾値より高い場合は、異物が存在する可能性が低い(異物が存在しない可能性が高い)と判定する。
なお、上記の例では、送電装置100が送電を瞬断(停止)することにより第2Q値の測定が行われたが、これに限定されない。例えば、送電装置100が送電を所定値以上小さい値に変化させるように送電を制限することによって、第2Q値を測定する構成でもよい。また、上述した例では。第2Q値の算出に電圧値を用いていたが、電流値が私用されてもよい。この場合、図10(a),(b)のグラフにおける縦軸が電流値であるものとし、電流値の減少の仕方に基づいて、第2Q値が測定される。
(本実施形態における処理フロー)
本実施形態における送電装置100と受電装置101は、WPC規格に準拠した処理と、第3異物検出処理とを組み合わせた処理を行う。図6(a)を用いて、処理フローについて説明する。
本実施形態における送電装置100と受電装置101は、WPC規格に準拠した処理と、第3異物検出処理とを組み合わせた処理を行う。図6(a)を用いて、処理フローについて説明する。
送電装置100は、送電コイル303の近傍に存在する物体を検出する為にAnalog Pingを送電する(F600)。Analog Pingは、パルス状の電力で、物体を検出するための電力である。また、Analog Pingは、受電装置101がこれを受電したとしても、制御部200を起動することができない程度の微小な電力である。
送電装置100は、Analog Pingにより、送電コイル303の近傍に存在する物体に起因する送電コイル303内部の電圧値の共振周波数のシフトや、送電コイル303を流れる電圧値・電流値の変化によって物体を検出する。送電装置100は、Analog Pingにより物体を検出すると、上述の第1Q値測定により送電コイル303のQ値を測定する(F601)。そして、送電装置100は、第1Q値測定に続いて、Digital Pingの送電を開始する(F602)。Digital Pingは、受電装置101の制御部200を起動させるための電力であり、Analog Pingよりも大きい電力である。また、Digital Pingは、以降、連続的に送電される。すなわち、送電装置100は、Digital Pingの送電を開始してから(F602)、受電装置101から後述のEPT(End Power Transfer)パケットの受信(F633)まで、Digital Ping以上の電力を送電し続ける。
受電装置101は、Digital Pingを受電して起動すると、受電したDigital Pingの電圧値をSignal Strengthパケットに格納して送電装置100へ送信する(F603)。続いて、受電装置101は、受電装置101が準拠しているWPC規格のバージョン情報やデバイス識別情報を含むIDを格納したIDパケットを送電装置100へ送信する(F604)。さらに、受電装置101は、電圧制御部203が負荷(充電部205)へ供給する電力の最大値等の情報を含んだConfigurationパケットを送電装置100へ送信する(F605)。ここで、本実施例の受電装置101は、負荷へ最大15ワットの電力を供給する能力を持つものとする。
送電装置100は、IDパケットおよびConfigurationパケットを受信する。そして、送電装置100は、これらのパケットによって受電装置101がWPC規格v1.2以降の(後述のNegotiationを含む)拡張プロトコルに対応していると判定すると、ACK(肯定応答)で応答する(F606)。
受電装置101は、ACKを受信すると、送受電する電力の交渉などを行うNegotiationフェーズに遷移する。まず、受電装置101は、送電装置100に対してFOD Statusパケットを送信する(F607)。本実施形態では、このFOD Statusパケットを「FOD(Q1)」と呼ぶ。送電装置100は、受信したFOD(Q1)に格納されているQ値(前記特性値)と第1Q値測定で測定したQ値とに基づいて、第1異物検出方法により異物検出を行う。そして、送電装置100は、異物がない可能性が高いと判定した場合に、その判定結果を示すACKを受電装置101に送信する(F608)。
受電装置101は、ACKを受信すると、受電装置101が受電を要求する電力値の最大値であるGuaranteed Power(GP)の交渉を行う。Guaranteed Powerは、送電装置100との間で合意された、受電装置101の負荷電力(バッテリ206が消費する電力)、あるいは、受電装置101が負荷に供給可能であることを保証する電力値を示す。この交渉は、WPC規格で規定されているSpecific Requestのうち、受電装置101が、要求するGuaranteed Powerの値を格納したパケットを送電装置100へ送信することにより実現される(F609)。本実施形態では、このパケットを「SRQ(GP)」と呼ぶ。送電装置100は、自装置の送電能力等を考慮して、SRQ(GP)に応答する。送電装置100は、Guaranteed Powerを受け入れ可能であると判断した場合、その要求を受入れたことを示すACKを送信する(F610)。本実施形態では、受電装置101は、後述するAuthenticationにより送電装置100の正当性を確認できていない為、SRQ(GP)を使ってGuaranteed Powerとして15ワットではなく5ワットを要求したものとする。
受電装置101は、Guaranteed Powerを含む複数のパラメータの交渉が終了すると、Specific Requestのうち、交渉の終了(End Negotiation)を要求する「SRQ(EN)」を送電装置に送信する(F611)。そして、送電装置100は、SRQ(EN)に対してACKを送信し(F612)、Negotiationを終了して、Guaranteed Powerで定められた電力の送受電を行うPower Transferフェーズに遷移する。
続いて、送電装置100は、上述したパワーロス手法に基づく異物検出(第2異物検出方法)を実行するためのCalibrationカーブを作成する。
ここで、Calibration処理において第3異物検出を実施する場合について説明する。受電装置101が送信するReceived Power Packetの予約(Reserved)領域に第2Q値測定の実行を送電装置100には、第3異物検出を要求する情報要素が含まれる。例えば、予約領域に第2Q値測定を要求するか否かを示す1ビットのフィールドが設けられる。そして、受電装置101は、第2Q値測定を要求する場合に「1」を、第2Q値測定を要求しない場合に「0」を、そのビットに格納する。本実施形態では、このビットを「要求ビット」と呼ぶ。本実施形態では、要求ビットに「1」が格納されたRP1をRP1(FOD)と表現する。なお、第2Q値測定を要求する場合に「0」、第2Q値測定を要求しない場合に「1」が格納される構成でもよい。
受電装置101は送電装置100に対してRP1(FOD)を送信する(F613)。送電装置100はRP1(FOD)を受信すると、第2Q値測定を実施する(F614)。
送電装置100はReceived Power Packetの先頭を受信した時刻から時間Toffsetより前に終わる期間Twindowの期間内の送電電力値が安定している(変動が特定の閾値以下である)か否かを判定する。また、送電装置100は、CEに格納された整数が特定の値よりも小さいか否かを判定する。また、送電装置100は、測定した第2Q値の値に基づく第3異物検出処理の結果を取得する。送電装置100は、これらの判定結果及び第3異物検出処理の結果の少なくともいずれかに基づいて、RP1や後述するRP2に対する応答を決定する。
ここでは、送電装置100は、送電電力値は安定しており、第3異物検出によって異物がない可能性が高いと判定したとする。その場合、送電装置100はRP1(FOD)に格納されている受電電力値と、その受電電力が得られたときの送電電力値を、Calibration data Point(図11の点1100に対応)として受け入れる(利用する)と判定する。利用すると判定した場合、送電装置100は、ACKを受電装置101へ送信する(F619)。なお、利用しない(受け入れない)と判定した場合は、送電装置100は、NAK(否定応答)を受電装置101へ送信する。
受電装置101は、送電装置100に対して受電電圧(または受電電流、受電電力)の増減を要求するControl Error Packet(以後、CEと表現する)を送電装置100に送信する(F616)。CEには受電電圧を増加することを要求する場合は+の符号がついた整数が、減少することを要求する場合は-の符号がついた整数が、現在の受電電圧を維持したいときには「0」が格納される。送電装置100はCEに格納された符号および整数に基づいて、速やかに送電制御を行う。具体的には、+の符号がついた整数が格納されている場合は送電電圧を速やかに増加させ、-の符号がついた整数が格納されている場合は送電電圧を速やかに減少させ、「0」が格納されている場合は送電電圧を維持する。また、本実施形態では+の符号がついた整数が格納されたCEをCE(+)、―の符号がついた整数が格納されたCEをCE(―)。「0」が格納されたCEをCE(0)と呼ぶ。
受電装置101は、電力を上げることを示すCE(+)を、送電装置100に送信する(F616)。送電装置100は、CE(+)を受信すると、送電部302の設定値を変更して、送電電力を上げる。受電装置101は、CE(+)に応答して受電電力が上昇すると、受電した電力を負荷(充電部205やバッテリ206)に供給する。
続いて受電装置101は要求ビットに「1」が格納されたRP2(FOD)を送電装置100に送信する(F617)。送電装置100は第2Q値測定を実施し(F618)、第3異物検出によって異物がない可能性が高いと判定したとする。そして、送電装置100はRP2(FOD)に格納されている受電電力値と、その受電電力が得られたときの送電装置100の送電電力値を、Calibration data Point(図11の点1101に対応)として受け入れる(利用する)と判定する。送電装置100は、ACKを受電装置101へ送信する(F619)。
受電装置101はCE(+)を、送電装置100に送信する(F620)。送電装置100は、CE(+)を受信すると、送電部302の設定値を変更して、送電電力を上昇させる。受電装置101は要求ビットに「0」が格納されたRP0を送電装置100に送信する(F621)。
送電装置100はRP0を受信すると、要求ビットが0のため、第3異物検出処理は行わず、図11のCalibrationカーブに基づいて第2異物検出処理を実施する。その結果異物がない可能性が高いと判定すれば、送電装置100はACKを送信する(F622)。
ここで、送電装置100と受電装置101間で行われるAuthentication処理(F634)について説明する。Authentication処理は、受電装置101が送電装置100の正当性を、電子証明書を用いて認証する処理である。また、Authentication処理は、送電装置100が受電装置101の正当性を、電子証明書を用いて認証する処理である。Authentication処理は、図2、3に示す受電装置101および送電装置100のAuthentication処理部209、308によって実施される。また、Authentication処理は、F600からF633のフローとは独立して非同期で受電装置101と送電装置100間で実施される。ゆえに、図6(a)に図示したように、F619からF622のフローとAuthentication処理(F634)が並列に記載されうる。受電装置101は送電装置100が正当であると確認すると、送電装置100に対して所定の電力(例えばGPが5ワット、F609)よりも大きな電力を要求できる。同様に、送電装置100は受電装置101が正当であると確認すると、送電装置100に対して所定の電力(例えばGPが5ワット、F609)よりも大きな電力をGPとして受け入れることができる。更に、受電装置101はGPの大きさによって電圧制御部203の出力電圧を変更する場合がある。例えば、GPが5ワットであれば出力電圧は5ボルトだが、GPが5ワットを超えると出力電圧を9ボルトに変更するなどが考えられる。また、出力電圧の変更は、Authentication処理と同様に、送電装置100と受電装置101間の通信とは独立して非同期で実施される。すなわち、受電装置100は、Authentication処理に応じて、負荷に出力する出力電力を変更し、これに伴い出力電圧を変更する。
フローの説明に戻る。受電装置101はAuthentication処理で送電装置100が正当であると確認すると(F634)、送電装置100に対して再交渉(Renegotiation)の要求を送信する(F623)。そして送電装置100は再交渉要求を承諾するACKを受電装置101に送信する(F624)。
受電装置101はSRQ(GP)を使ってGuaranteed Powerとして15ワットを要求し(F625)、送電装置100はこれを承諾する(F626)。そして受電装置101はSRQ(EN)を送信する(F627)。送電装置100はACKを送信し再交渉を終了する(F628)。
ここで、電圧制御部203が出力電圧を変更したとする(F635)。出力電圧が変更されると電圧制御部203の損失が変わる為、既に作成したCalibrationカーブを破棄し、新たに作成しなおす必要がある。この処理を本実施形態では再Calibration処理と呼ぶ。送電装置100及び受電装置101はすでに説明したF613からF619のフローに基づいて、再Calibration処理を実施する(F629)。ここで、図11において再Calibration処理のRP1(FOD)によって作成されたCalibration data Point(点1104)、RP2(FOD)によってCalibration data Point(点1105)が作成される。以降送電装置100は、点1104と点1105を結ぶ線分(Calibrationカーブ)に基づいて第2異物検出処理を実施する。
再Calibration処理が終了すると、受電装置101はCE(+)を送電装置100に送信し(F630)、出力電力を5ワット以上にあげて充電を行う。そして、受電装置101は送電装置100にRP0を送信する(F631)。送電装置100は第2異物検出処理を実施し、異物がない可能性が高いと判断してACKを送信する(F632)。
充電が終了すると、受電装置101は送電装置100に対して送電を停止することを要求するEPT(End Power Transfer)パケットを送信する(F633)。
以上のようにして、第1異物検出処理、第2異物検出処理、第3異物検出処理、Authentication処理および出力電圧変更に基づいて送電装置100と受電装置101の間で無線電力伝送が行われる。
(複数回の第2Q値測定に基づく第3異物検出処理)
図6(a)のシーケンスでは、送電装置100は第2Q値測定を一回実施し、その結果に基づいて第3異物検出処理を行った。ここで、送電装置100は第2Q値測定を複数回行い、その結果に基づいて第3異物検出処理を実施する場合がありうる。複数の第2Q値測定の結果に基づいて第3異物検出を行う処理について、図6(b)を用いて説明する。なお、図6(b)では送電装置100は第2Q値測定を2回実施し、その結果に基づいて第3異物検出処理を実施するものとする。
図6(a)のシーケンスでは、送電装置100は第2Q値測定を一回実施し、その結果に基づいて第3異物検出処理を行った。ここで、送電装置100は第2Q値測定を複数回行い、その結果に基づいて第3異物検出処理を実施する場合がありうる。複数の第2Q値測定の結果に基づいて第3異物検出を行う処理について、図6(b)を用いて説明する。なお、図6(b)では送電装置100は第2Q値測定を2回実施し、その結果に基づいて第3異物検出処理を実施するものとする。
まず、受電装置101は送電装置100に対してRP1(FOD)を送信する(F636)。送電装置100はRP1(FOD)を受信すると、第2Q値測定を実施する(F637)。ここで、送電装置100は実施した第2Q値測定(F637)は2回実施するうちの1回目であることがわかる。よって送電装置100はRP1(FOD)(F636)の応答として、受信したRP1(FOD)に含まれるCalibrationデータをCalibration data Pointとして受け入れるかどうかの判断(判定)を行わないことを示す「判断しない」を受電装置101に送信する(F638)。
受電装置101は送電装置100に対して、受電電圧を維持することを要求するCE(0)を送信する(F639)。受電装置101は、送電装置100に対して、再度RP1(FOD)を送信する(F640)。
送電装置100はRP1(FOD)を受信すると、第2Q値測定を実施する(F641)。
ここで、送電装置100は実施した第2Q値測定(F641)は2回実施するうちの2回目であることがわかる。送電装置100は、Twindowの期間内の送電電力値は安定しており、第3異物検出によって異物がない可能性が高いと判定したとする。その場合、送電装置100はRP1(FOD)に格納されている受電電力値と、その受電電力が得られたときの送電電力値(Twindowの期間内の送電電力値)を、Calibration data Point(図11の点1100に対応)として受け入れると判定し、ACKを受電装置101へ送信する(F642)。
ここで、送電装置100が、複数回の第2Q値測定の結果に基づいて、異物の有無を判定する方法の一例について説明する。送電装置100が第2Q値測定を2回実施する場合、送電装置100は、まず、1回目の測定により得られた第2Q値が所定の閾値より低い場合に、異物が存在する可能性が高いと判定する。また、得られた第2Q値が所定の閾値より高い場合は、異物が存在する可能性が低い(異物が存在しない可能性が高い)と判定する。送電装置100は、1回目の判定結果を記憶しておき、受電装置101に対し、「判断しない」旨の通知を送信する。続いて、送電装置100は、2回目の測定により得られた第2Q値についても、同様に判定を行う。ここで、送電装置100は、1回目と2回目の判定結果の両方が、「異物が存在する可能性が低い(異物が存在しない可能性が高い)」であった場合に、ACKを受電装置101に送信するものとする。また、送電装置100は、1回目と2回目の判定結果の少なくとも一方が「異物が存在する可能性が高い」であった場合は、NAKを受電装置101に送信するものとする。
なお、複数の第2Q値に基づく判定方法は上記に限定されない。例えば、送電装置100は、1回目と2回目の判定結果の少なくとも一方が「異物が存在する可能性が低い(異物が存在しない可能性が高い)」であった場合に、ACKを受電装置101に送信する構成でもよい。また例えば、送電装置100は、少なくとも2回目の判定結果が「異物が存在する可能性が低い(異物が存在しない可能性が高い)」であった場合に、ACKを受電装置101に送信する構成でもよい。
(本実施形態の課題)
本実施形態の課題について、図6(c)および図11を使用して説明する。すでに図6(a)及び図11で説明したように、出力電圧の変更が、RP1(FOD)が送信される前に行われた場合は、再Calibrationにより、正しいCalibrationデータである点1104と点1105とを結んだ直線が得られる。
本実施形態の課題について、図6(c)および図11を使用して説明する。すでに図6(a)及び図11で説明したように、出力電圧の変更が、RP1(FOD)が送信される前に行われた場合は、再Calibrationにより、正しいCalibrationデータである点1104と点1105とを結んだ直線が得られる。
図6(c)では、受電装置101がRP1(FOD)を送信し(F636)、送電装置100が第2Q値測定を実施した後で(F637)、受電装置101は判断しない旨を送信する(F638)。ここで、並列して行われるAuthentication処理に伴い、受電装置101の電圧制御部203の出力電圧が変更されたとする(F643)。
すでに説明したように、受電装置101は再Calibrationするべきである。しかしながら、送電装置100および受電装置101は複数の第2Q値測定に基づく第3異物検出処理を行っているため再Calibrationすることができない。なぜなら、受電装置101が再CalibrationのためにF640において1回目のRP1(FOD)を送信したとしても、送電装置100は2回目のRP1(FOD)と区別できないためF642でACKを送信する。
よって、送電装置100はF636とF640に格納されている受電電力値と、その受電電力が得られたときの送電装置100の送電電力値(Twindowの期間内の送電電力値)を使ってCalibration data Pointを作成する。ここで、出力電圧が変更されているため、電圧制御部203の消費電力はF636とF640では変化しており、その結果送電電力も変化している。よって、図11におけるCalibration data Pointは点1104と異なる点1106となる。すると送電装置100は点1104と点1105を結んだ線分とは異なる、点1106と点1105を結んだ線分に基づいて第2異物検出処理を行うことになる。この線分は、異物が存在しない場合の送電電力と受電電力との関係を正しく表していない可能性があり、結果として異物検出の精度が低下し、異物の誤検出が発生しうるという課題がある。なお、異物の誤検出とは、異物が存在する場合に「異物なし」と判定されたり、異物が存在しない場合に「異物あり」と判定されることを指す。
(異物検出の精度低下を抑制するための制御)
本実施形態の受電装置101は、不正確なCalibration data Point(点1106)が作成されたと判断した場合に、速やかに再Calibration処理を行う。図7(a)を使用して本実施形態の受電装置101および送電装置100の動作について説明する。
本実施形態の受電装置101は、不正確なCalibration data Point(点1106)が作成されたと判断した場合に、速やかに再Calibration処理を行う。図7(a)を使用して本実施形態の受電装置101および送電装置100の動作について説明する。
図7(a)において、受電装置101はAuthentication処理が終了し(S701でYES)、Authenticationが成功すると(S701でYES)送電装置100が正当であると認識する。そして、GPを例えば5ワットから15ワットへ再交渉した際に、電圧制御部203の出力電圧を変更するかを確認する(S702)。ここで、受電装置101は出力電圧を5ボルトから9ボルトに変更すると判断する(S702でYES)。
受電装置101は出力電圧を変更したのちに、複数回の第2Q値測定に基づいて第3異物検出処理を行うかどうかを判定する。受電装置101は2回の第2Q値測定に基づいて第3異物検出処理を行うので(S704でYES)、現在、Calibration処理中かどうかを判定する。ここで、Calibration処理中とは、RP1(FOD)もしくはRP2(FOD)を送信したが、送電装置100からその応答であるACKもしくはNAKを受信していないことを意味する。図6(c)で説明したように、Calibration処理中に電圧変更がされた場合は不正確なCalibration data Pointを作成する可能性がある。よって受電装置101は続く処理により早期に再Calibration処理を実施する。
受電装置101は、RP1(FOD)、RP2(FOD)およびCEのパケットを、所定の間隔で送信しているものとする。なお、所定の間隔は、完全に同一の間隔でなくてもよく、略同一の間隔であってもよい。受電装置101は、S704でYESの場合、再Calibration処理が終了するまで、所定の間隔で送信されるRP1(FOD)、RP2(FOD)およびCEの送信間隔を短縮する(S706)。具体的には、例えば、WPC規格で規定されているRP1(FOD)およびRP2(FOD)の送信間隔であるTreceivedを、これまで500ミリ秒だったところを、100ミリ秒に短縮する。そしてWPC規格で規定されているCEの送信間隔であるTintervalを例えば250ミリ秒から50ミリ秒に短縮する。
これにより、送電装置100からACKおよびNAKを受信し(S707でYES)、Calibration data Point(点1106)を作成する(Calibation処理を終了する)までの時間を短縮することができる。そして、受電装置101は再Calibration処理を実施する(S708)。
また、受電装置101はAuthentication処理が成功しない(送電装置100が正当であることを確認できない)場合(S701でNO)や、出力電圧の変更を行わない場合(S702でNO)は処理を終了する。第2Q値測定を複数回実施しない場合(S704でNO)も同様に処理を終了する。
また、第2Q値測定を複数回実施しない場合や(S704でNO)、出力電圧を変更した時点ですでにACKまたはNAKを受信し、Calibration data Pointを作成している場合は(S705でNO)、再Calibration処理を行う。
(本実施形態の送電装置100および受電装置101の動作の流れ)
本実施形態の送電装置100および受電装置101の動作の流れについて、図6(d)を使用して説明する。受電装置101はRP1(FOD)を送信する(F636)。送電装置100はRP1(FOD)を受信すると、第2Q値測定を実施し(F637)、判断しない旨を応答として受電装置101に送信する(F638)。
本実施形態の送電装置100および受電装置101の動作の流れについて、図6(d)を使用して説明する。受電装置101はRP1(FOD)を送信する(F636)。送電装置100はRP1(FOD)を受信すると、第2Q値測定を実施し(F637)、判断しない旨を応答として受電装置101に送信する(F638)。
そして、受電装置101は電圧制御部203の出力電圧を変更する(F643)。この時、受電装置101はCE(0)(F639)および後続するRP1(FOD)の送信間隔を、所定の間隔よりも短くなるようにする。受電装置101はCE(0)(もしくはCE(+)、CE(―))およびRP1(FOD)を送電装置100に送信し(F639、F640)、送電装置100からACKを受信する(F643)。この時点で不正確なCalibration data Point(点1106)が作成される。受電装置101はRP1(FOD)を送信し(F643)、再Calibration処理を開始する。
送電装置100はRP1(FOD)を受信すると、第2Q値測定を実施し(S644)、判断しない旨を応答として受電装置101に送信する(F645)。続いて受電装置101はRP1(FOD)を送電装置100に送信する(F645)。送電装置100はF644およびF647の2回の第2Q値測定に基づく第3異物検出処理に基づいて、ACKを受信する(F648)。なお、再Calibration処理中に送信されるパケットの送信間隔も、所定の間隔よりも短い間隔で送信されるものとするが、これに限定されず、短縮されない所定の間隔で送信されてもよい。
受電装置101は以上の動作により、不正確なCalibration data Point(点1106)が作成されたと判定した場合に、速やかに再Calibration処理を行うことができる。再Calibration処理で作成したCalibrationカーブは、図11における点1104と点1105を結んだ線分となる。
なお、図6(d)では、F638の後で出力電圧が変更される例について説明したが、出力電圧変更は任意のタイミングで発生してもよい。具体的にはRP1(FOD)(F636)と、「判断しない」(F638)との間や、F640とF641の間で発生してもよい。
なお、例えば送電装置100が第2Q値の測定を行うために送電を所定の期間制限する前に出力電圧が変更されることにより、送電コイル303の電圧及び電流の減衰波形が、出力電圧が変更されない場合と異なる可能性がある。これにより、第3異物検出処理の結果が、本来であれば異物が存在しないにも関わらす、「異物あり」と誤検出されることがありうる。この場合、送電装置100は、RP1に対する応答としてNAKを受電装置101に送信する。この場合も、受電装置101は再Calibrationのために、RP1を再度送信する。したがって、受電装置101は、RP1及びRP2が送信された後に出力電圧の変更が行われた場合は、送電装置100からACK及びNAKのいずれが送信された場合であっても、RP1及びRP2を再度送信するという動作になる。
また、実際に異物が存在する場合は、送電装置100は「異物あり」と判定し、RP1に対する応答としてNAKを受電装置101に送信することになる。この場合、受電装置101は、電圧変更をしていなくてもNAKを受信したら、再CalibrationのためにRP1を再度送信してもよい。この構成により、直ちに送電停止されることを抑制し、送電装置100に再度異物検出処理を行わせることができる。これにより誤検出の可能性を抑制することができる。
<実施形態2>
実施形態1の受電装置101はCalibration処理中に出力電圧の変更が発生した場合に、速やかに再Calibration処理を実施する為に、受電装置101はCEおよびReceived Power Packetの送信間隔を短縮した。本実施形態では速やかに再Calibration処理を実施する別の構成について説明する。なお、本実施形態における送電装置100及び受電装置101の構成は、実施形態1と同様であるものとし、説明を省略する。
実施形態1の受電装置101はCalibration処理中に出力電圧の変更が発生した場合に、速やかに再Calibration処理を実施する為に、受電装置101はCEおよびReceived Power Packetの送信間隔を短縮した。本実施形態では速やかに再Calibration処理を実施する別の構成について説明する。なお、本実施形態における送電装置100及び受電装置101の構成は、実施形態1と同様であるものとし、説明を省略する。
(本実施形態の受電装置および送電装置の動作説明)
図7(b)を使用して、本実施形態における受電装置101の動作について説明する。なお、図7(a)の処理と同様の処理については、同じ符号を付し、説明は省略する。
図7(b)を使用して、本実施形態における受電装置101の動作について説明する。なお、図7(a)の処理と同様の処理については、同じ符号を付し、説明は省略する。
受電装置101はCalibration処理中に出力電圧を変更し、かつ送電装置からACKまたはNAKを受信していない場合に(S705でNO)、送電装置100が保有しているCalibrationデータを破棄させると判定する(S709)。ここで、破棄されるCalibrationデータは、出力電圧を変更する前に送信したRP1(FOD)に格納されている受電電力値と、その受電電力値に対応する送電電力値を指す。
受電装置101は送電装置100にCalibrationデータおよびCalibration処理を破棄させるための情報要素を格納したReceived Packetを送電装置100に送信する。図9にWPC規格で規定されているReceived Power Packetのフレームフォーマットを示す。図9によれば、Bank1およびBank2のbit0(b0)からbit7(b7)は受電電力値であるReceived Power Valueが格納される。またBank0のbit0(b0)からbit2(b2)はModeフィールドである。Modeフィールドでは、Received Power Packetが前述のmode0、mode1、mode2のいずれであるかという情報が格納される。そしてBank0のbit3(b3)からbit7(b7)までは予約領域(Reserve)である。本実施形態では、Calibrationデータを破棄させるための情報要素を、予約領域であるBank0のbit7に割り当てるものとする。具体的には、受電装置101はRP1(FOD)のBank0 Bit7に「1」を格納し、送電装置100に送信する(S710)。また、Bank0 Bit7に「1」が格納されたRP1(FOD)は、Calibrationデータを破棄し、再Calibration処理を開始することを意味する。そして、受電装置101と送電装置100は再Calibration処理を実施する(F708)。
図8に本実施形態の送電装置100のフローを示す。装置100はRP1を受信すると(S800)、Bank0のbit7が「1」であるかを判定する。Bank0のBit7が「1」であれば、送電装置100は応答を予定しているCalibrationデータを破棄し、Calibration処理を停止する(S802)。ここでCalibrationデータを破棄するとは、応答の為に測定した第2Q値の値およびRP1に格納されている受電電力値を破棄することを含む。そして、Calibration処理を停止するとは、RP1(FOD)に応じて第2Q値測定を実施し、RP1(FOD)の回数に応じて「判断しない」という応答やACKもしくはNAK応答を送信するという処理を中断することを意味する。送電装置100はBank0のBit7が「1」のRP1(FOD)を受信すると、パケットに格納されている受電電力値や、後続する第2Q値測定の結果を記憶し、再Calibration処理に使用する。
上述した処理により、Calibration処理中に出力電圧が変更された場合に、不正確なCalibration data Point(点1106)を作成することなしに、速やかに再Calibration処理を実施することができる。
なお、受電装置101は、Calibrationデータを破棄させるための情報を含むRP1、RP2を、実施形態1で説明したように、所定の間隔よりも短い間隔で送信する構成であってもよい。
(本実施形態の送電装置100および受電装置101の動作の流れ)
本実施形態の送電装置100および受電装置101の動作の流れについて図6(e)を使用して説明する。受電装置101はRP1(FOD)を送信する(F649)。送電装置100はRP1(FOD)を受信すると、第2Q値測定を実施し(S650)、判断しない旨を応答として受電装置101に送信する(F651)。
本実施形態の送電装置100および受電装置101の動作の流れについて図6(e)を使用して説明する。受電装置101はRP1(FOD)を送信する(F649)。送電装置100はRP1(FOD)を受信すると、第2Q値測定を実施し(S650)、判断しない旨を応答として受電装置101に送信する(F651)。
そして、受電装置101は電圧制御部203の出力電圧を変更する(F652)。出力電圧が変更されると、受電装置101はBank0のbit7が「1」であるPR1を送信する(F653)。図7(e)では,Bank0のbit7が「1」であるRP1を,RP1(FOD, Bit7:1)と表現する。送電装置100はRP1(FOD, Bit7:1)を受信すると、F649で受信した受電電力値およびF650で測定した第2Q値を破棄する。また、送電装置100は、RP1(FOD, Bit7:1)および第2Q測定(F654)で測定した第2Q値を使用した新たなCalibration処理を開始する。
本来であれば、F653において受信されるRP1(FOD, Bit7:1)に応じて行われるQ値測定(F654)は、2回目の測定である。しかし、RP1(FOD, Bit7:1)により、1回目のQ値測定の結果及びCalibrationデータは破棄される。すなわち、送電装置100は、F653におけるRP1(FOD, Bit7:1)および第2Q値測定(F654)は2回の測定のうちの1回目であると判定し、判断しない旨を応答として受電装置101に送信する(F655)。
続いて受電装置101は2回目のRP1(FOD)を送電装置100に送信する(F656)。
送電装置100はF654およびF657の2回の第2Q値測定に基づく第3異物検出処理に基づいて、ACKを受信する(F648)。
続いて送電装置100および受電装置101はすでに説明したシーケンスに基づいてF659からF644の動作を行い、Calibrationカーブを作成する。なお、再Calibration処理で作成したCalibrationカーブは、図11における点1104と点1105を結んだ線分となる。
以上説明したように、送電装置100および受電装置101は、Calibration処理中に出力電圧の変更が発生し、不正確なCalibration data Point(点1106)が作成されうると判定する。そして、不正確なCalibration data Point(点1106)を作成することなく、再Calibration処理を実施することができる。
<実施形態3>
実施形態1および実施形態2では受電装置101はCalibration処理中に出力電圧の変更が発生した場合に、速やかに再Calibration処理を実施するようにした。本実施形態では、受電装置101はCalibration処理中に電圧変更を行わないように動作する。なお、送電装置100及び受電装置101の構成は、実施形態1、2と同様であるものとし、説明を省略する。
実施形態1および実施形態2では受電装置101はCalibration処理中に出力電圧の変更が発生した場合に、速やかに再Calibration処理を実施するようにした。本実施形態では、受電装置101はCalibration処理中に電圧変更を行わないように動作する。なお、送電装置100及び受電装置101の構成は、実施形態1、2と同様であるものとし、説明を省略する。
(本実施形態の受電装置および送電装置の動作説明)
図7(c)の本実施形態の受電装置101のフローを使用して受電装置101の動作について説明する。なお、図7(a)、(b)と同様の処理については、同じ番号を付し、説明を省略する。
図7(c)の本実施形態の受電装置101のフローを使用して受電装置101の動作について説明する。なお、図7(a)、(b)と同様の処理については、同じ番号を付し、説明を省略する。
受電装置101はDigital Pingを受電した後、WPC規格で規定するBasic Power Profile(BPP)の受電装置として動作し、充電を開始する(S711)。BPPの受電装置は、前述のNegotiation処理やCalibration処理を行わないかわりに、GPが5ワットに制限される。
Authentication処理が終了し(S700でYES)、Autenticationが成功しており(S701でYES)、電圧変更を行うと判定した場合(S702でYES)、複数回の第2Q値測定に基づいて第3異物検出処理を行うか判定する。そして、複数回の第2Q値測定に基づいて第3異物検出処理を行う場合は(S704でYES)、Calibration処理を保留する(S711)。
その後、受電装置101は出力電圧を変更したのちに(S703)、Calibration処理を実施する(S713)。以上の処理により、Calibration処理中に電圧変更がされないため、不正確なCalibrationデータが得られることを抑制することができる。
(本実施形態の送電装置100および受電装置101の動作の流れ)
本実施形態の送電装置100および受電装置101の動作の流れについて図6(f)を使用して説明する。
本実施形態の送電装置100および受電装置101の動作の流れについて図6(f)を使用して説明する。
受電装置101はIDパケットを送信する際に、自身がBPPとして動作することを送電装置100に通知する。具体的にはIDパケットの情報要素のうち、Negotiation処理に対応していることを示すNegビットに「0」を格納し、送電装置に通知する(S665)。その後はGPを5ワットとして充電を開始する。
受電装置101のAuthentication処理部209によるAutentication処理が終了すると(F634)、F607からF612の処理に基づいてGPを15ワットとし、出力電圧を変更する(F635)。そして出力電圧の変更が終了すると、受電装置101はF613およびF654からF664で説明した処理に基づいてCalibration処理を実施する。
以上説明した処理により、送電装置100および受電装置101は、不正確なCalibration data Point(点1106)が取得されることを抑制することができる。
<その他の実施形態>
送電装置100および受電装置101は、実施形態1から実施形態3の構成に限定されず、下記に記載する構成の一部もしくは複数を含んでいてもよい。
送電装置100および受電装置101は、実施形態1から実施形態3の構成に限定されず、下記に記載する構成の一部もしくは複数を含んでいてもよい。
図6(d)および図6(e)では、受電装置101は判断しない旨を受信(F651)したのちに出力電圧を変更する構成として説明した。しかし出力電圧を変更するタイミングはこれに限定されず、任意のタイミングで実施してもよい。具体的にはRP1(FOD)(F636)と判断しない(F638)の間や、F640とF641の間で実施してもよい。 また、出力電圧の変更はRP1(FOD)のCalibration data Pointを作成する時を例に説明したが、これはRP2(FOD)のCalibration data Pointを作成するときに実施してもよい。さらにCalibration処理中でなくてもよい。具体的にはRP0(FOD)を実施中に出力電圧を変更する場合であっても同様の効果があることは明らかである。
また本実施形態では受電装置101が出力電圧を変更するものとして説明したが、その構成に限定されない。例えば、電圧制御部203を図示しない他の制御部(例えば受電装置101が実装された製品の他の制御部)が制御してもよい。その場合、受電装置101は前記他の制御部と制御部200間の通信によって、出力電圧の変更を検出してよい。その場合は、前記他の制御部が制御部200に出力電圧の変更を通知してもよい。通知はGPIOやI2Cを介した通信によって実現されうる。
また、出力電圧の変更は、制御部200が電圧制御部203の出力電圧を常時測定し、変更を検出する構成であってもよい。また、送電装置100および受電装置101は第2Q測定処理においてQ値を測定したが、これは結合係数kを測定する構成であってもよい。第3異物検出処理は結合係数kに基づく異物検出処理であってもよい。
また、上述した実施形態では、複数回の第2Q値測定に基づいて第3異物検出処理を行う場合について説明した。しかし上述した実施形態は、1回の第2Q値測定に基づいて第3異物検出処理を行う場合であっても適用可能である。例えば、1回の第2Q値測定に基づいて第3異物検出処理が行われる場合、送電装置100は、受電装置101からRP1またはRP2を受信し、第2Q値測定を行い、ACKまたはNAKの応答を送信する。このとき、RP1またはRP2を受信してから、応答を送信するまでの間に電圧変更が行われる可能性がある。このような場合にも、実施形態1を適用して再Calibrationを行う、あるいは実施形態2を適用して、Calibrationデータを破棄させることが可能である。もしくは、実施形態3を適用し、電圧変更がされた後に、Calibration処理が行われるように制御することが可能である。
さらに、上述した実施形態では、第2Q値測定及び第3異物検出処理が行われる場合について説明したが、これに限定されない。すなわち、送電装置100が第2Q値測定及び第3異物検出処理を行わない場合においても、上述した実施形態を適用することができる。例えば、送電装置100は、RP1またはRP2を受信すると、送電電力値が安定しているか等に基づいて、ACKまたはNAKの応答を送信する。このとき、RP1またはRP2を受信してから、応答を送信するまでの間に電圧変更が行われる可能性がある。このような場合にも、実施形態1を適用して再Calibrationを行う、あるいは実施形態2を適用して、Calibrationデータを破棄させることが可能である。もしくは、実施形態3を適用し、電圧変更がされた後に、Calibration処理が行われるように制御することが可能である。
また、実施形態2では、受電装置101はCalibrationデータおよびCalibration処理を破棄させるための情報要素を、Received Power Pacektの予約領域であるBank0のbit7に割り当てた例について説明した。しかしこれに限定されず、他のbitに割り当てられてもよい。具体的にはBank0のbit6、Bit5、bit4,bit3であってもよい。またModeフィールドのbit2であってもよい。
また、情報要素はReceived Power Pacekt以外を使って通知されてもよい。例えば、WPC規格で規定されているSpecific Requestのうち、Packet typeが未定義のReserved PacketやProprietary Packetパケットが用いられてもよい。また、WPC規格で規定されているGeneral Requestのうち、Packet typeが未定義のReserved PacketやProprietary Packetが用いられてもよい。また、WPC規格で規定されているパケットのうち、Specific RequestやGeneral Request以外のパケットが、用いられてもよい。例えば、Specific RequestやGeneral Request以外のPacket typeが未定義のReserved PacketやProprietary Packetが用いられうる。
また、上述した実施形態では、第2Q値測定、及び、第2Q値に基づく第3異物検出処理が、送電装置100により行われる場合について説明した。しかし、これに限定されない。すなわち、第2Q値測定、及び、第2Q値に基づく第3異物検出処理の少なくともいずれかが、受電装置101側で行われる構成でもよい。
第2Q値測定、及び、第2Q値に基づく第3異物検出処理が受電装置101で行われる場合の、受電装置101の構成の一例について説明する。図5は、受電装置101の制御部200によって実現される機能構成例を示している。本実施形態における制御部200は、第2測定部501と第3異物検出処理部500の各機能部として動作しうる。
測定部501は、時間領域におけるQ値の測定(第2Q値測定)を行う。異物検出処理部500は測定部501により測定された第2Q値に基づく異物検出処理(第3異物検出処理)を実行する。図5に示す各処理部は、それぞれが独立したプログラムとして構成され、イベント処理等によりプログラム間の同期をとりながら並行して動作しうる。
図6(a)を使用して、受電装置100が第3異物検出処理を行う場合について説明する。例えば、受電装置101は、第2Q値を測定するために送電装置100が送電を制限する期間を、あらかじめ送電装置100と共有しておく。測定部501は、送電装置100が送電を制限する所定の期間において、上述した方法により第2Q値を測定する。すなわち、F614及びF618において、送電装置100の代わりに、受電装置101により第2Q値測定が行われる。異物検出処理部500は、取得された第2Q値に基づいて、第3異物検出処理を行い、異物の有無の判定結果を、所定のパケットを使用して送電装置100に通知する(不図示)。送電装置100は、受電装置101からの判定結果に応じて、ACKまたはNAKを受電装置101に送信する(F615、F619)。これにより、送電装置100に第3異物検出処理の機能がない場合であっても、受電装置101により第3異物検出処理が可能となる。なお、受電装置101が測定部501のみを有する場合は、受電装置101は、測定部501により測定された第2Q値を、所定のパケットを使用して送電装置100に通知する(不図示)。送電装置100は、受電装置101から送信される第2Q値に基づいて第3異物検出処理を行い、異物の有無の判定を行う。送電装置100は、判定結果に応じて、ACKまたはNAKを受電装置101に送信する(F615、F619)。
本開示は、上述の実施形態の1以上の機能を実現するプログラムを、ネットワーク又は記憶媒体を介してシステム又は装置に供給し、そのシステム又は装置のコンピュータにおける1つ以上のプロセッサがプログラムを読出し実行する処理でも実現可能である。また、1以上の機能を実現する回路(例えば、ASIC)によっても実現可能である。また、各図のフローチャ-トで示される処理の少なくとも一部がハードウェアにより実現されてもよい。ハードウェアにより実現する場合、例えば、所定のコンパイラを用いることで、各ステップを実現するためのプログラムからFPGA上に自動的に専用回路を生成すればよい。また、FPGAと同様にしてGate Array回路を形成し、ハードウェアとして実現するようにしてもよい。
100 送電装置
101 受電装置
200 制御部
201 受電コイル
203 電圧制御部
204 通信部
300 制御部
101 受電装置
200 制御部
201 受電コイル
203 電圧制御部
204 通信部
300 制御部
Claims (20)
- 受電装置であって、
送電を制限する所定期間のうち少なくとも2つの時点における電圧または電流の値に基づいて前記受電装置とは異なる物体を検出する第1の検出処理を行う送電装置から無線で電力を受電する受電手段と、
前記第1の検出処理の結果に応じて前記送電装置の送電電力と前記受電装置の受電電力とに基づく電力損失に基づいて前記送電装置が前記受電装置とは異なる物体を検出する第2の検出処理に使用される、前記受電装置の受電電力を表すデータを、前記送電装置に送信する送信手段と、
前記受電装置が有する負荷に出力する出力電圧を変更する変更手段と、
前記送信手段により前記データが送信された後に前記変更手段により前記出力電圧が変更された場合、前記データが前記第2の検出処理に使用されないように制御する制御手段と
を有することを特徴とする受電装置。 - 前記制御手段は、前記送信手段により前記データが送信された後に前記変更手段により前記出力電圧が変更された場合、他の前記受電装置の受電電力を表すデータが前記送信手段により送信されるように制御し、且つ、前記送信手段により前記データが送信されてから他の前記受電装置の受電電力を表すデータが送信されるまでの時間が、所定の時間よりも短くなるように制御することを特徴とする請求項1に記載の受電装置。
- 前記所定の時間は、前記送信手段が前記受電装置の受電電力を表すデータを所定の間隔で送信する場合において、データを送信してから次のデータが送信されるまでの時間であることを特徴とする請求項2に記載の受電装置。
- 前記制御手段は、前記送信手段により前記データが送信された後に前記変更手段により前記出力電圧が変更された場合、他の前記受電装置の受電電力を表すデータが前記送信手段により送信されるように制御し、且つ、前記送信手段により送信された前記データを前記送電装置に破棄させるための情報が前記送電装置に送信されるように制御することを特徴とする請求項1に記載の受電装置。
- 前記データを前記送電装置に破棄させるための情報は、他の前記受電装置の受電電力を表すデータに含まれる情報であることを特徴とする請求項4に記載の受電装置。
- 受電装置であって、
送電を制限する所定期間のうち少なくとも2つの時点における電圧または電流の値に基づいて前記受電装置とは異なる物体を検出する第1の検出処理を行う送電装置から無線で電力を受電する受電手段と、
前記第1の検出処理の結果に応じて前記送電装置の送電電力と前記受電装置の受電電力とに基づく電力損失に基づいて前記送電装置が前記受電装置とは異なる物体を検出する第2の検出処理に使用される、前記受電装置の受電電力を表すデータを、前記送電装置に送信する送信手段と、
前記受電装置が有する負荷に出力する出力電圧を変更する変更手段と、
前記変更手段により前記出力電圧が変更された後に、前記送信手段により前記データが送信されるように制御する制御手段と
を有することを特徴とする受電装置。 - 前記変更手段により前記出力電圧が変更されたことを検出する検出手段を有し、
前記制御手段は、前記検出手段により、前記出力電圧が変更されたことが検出されたことに応じて、前記送信手段により前記データが送信されるように制御する
ことを特徴とする請求項6に記載の受電装置。 - 前記送電装置は、送電を制限する所定期間のうち少なくとも2つの時点における電圧または電流の値を取得する処理を複数回行なうことにより、前記第1の検出処理を行う
ことを特徴とする請求項1乃至7のいずれか1項に記載の受電装置。 - 前記データは、Wireless Power Consortium規格におけるReceived Power Valueであることを特徴とする請求項1乃至8のいずれか1項に記載の受電装置。
- 前記送信手段により送信されるデータが前記第2の検出処理に利用される、または利用されないことを表す応答を受信する受信手段を有することを特徴とする請求項1乃至9のいずれか1項に記載の受電装置。
- 前記応答は、Wireless Power Consortium規格におけるACKまたはNAKであることを特徴とする請求項10に記載の受電装置。
- 前記受電手段により受電された電力を蓄積するバッテリと、
前記バッテリに蓄積された電力を使用して駆動するモータと
を有することを特徴とする請求項1乃至11のいずれか1項に記載の受電装置。 - 前記受電手段により受電された電力を蓄積するバッテリと、
前記バッテリに蓄積された電力が供給される表示部と
を有することを特徴とする請求項1乃至12のいずれか1項に記載の受電装置。 - 前記受電手段により受電された電力を蓄積するバッテリと、
前記バッテリの残量を通知する通知手段と
を有することを特徴とする請求項1乃至13のいずれか1項に記載の受電装置。 - 送電装置であって、
受電装置に無線で電力を送電する送電手段と、
前記受電装置と通信を行う通信手段と、
前記送電手段が送電を制限する所定期間のうち少なくとも2つの時点における電圧または電流の値に基づいて前記受電装置とは異なる物体を検出する第1の検出処理を行う処理手段と
前記第1の検出処理の結果に応じて、前記送電装置の送電電力と前記受電装置の受電電力とに基づく電力損失に基づいて前記送電装置が前記受電装置とは異なる物体を検出する第2の検出処理に使用される、前記受電装置の受電電力を表すデータが、前記通信手段により前記受電装置から受信された後に、所定の情報が受信された場合、前記データが破棄されるように制御する制御手段と
を有することを特徴とする送電装置。 - 前記所定の情報は、前記受電装置に前記データを破棄させるための情報であることを特徴とする請求項15に記載の送電装置。
- 車輪と、バッテリと、を有し、
前記送電手段は、前記バッテリの電力を用いて、前記受電装置に無線で送電することを特徴とする請求項15または16に記載の送電装置。 - 車両内に設置されることを特徴とする請求項15または16に記載の送電装置。
- 無線電力伝送方法であって、
送電が制限される所定期間のうち少なくとも2つの時点における電圧または電流の値に基づいて受電装置とは異なる物体を検出する第1の検出処理を行う送電装置の送電電力と、前記第1の検出処理の結果に応じて受電装置の受電電力とに基づく電力損失に基づいて前記送電装置が前記受電装置とは異なる物体を検出する第2の検出処理に使用される、前記受電装置が受電した受電電力を表すデータを、前記受電装置から前記送電装置に送信する送信工程と、
前記受電装置が有する負荷に出力する出力電圧を変更する変更工程と、
前記送信工程において前記データが送信された後に前記変更工程において前記出力電圧が変更された場合、前記データが前記第2の検出処理に使用されないように制御する制御工程と
を有することを特徴とする無線電力伝送方法。 - コンピュータを、請求項1乃至14のいずれか1項に記載の受電装置、または、請求項15乃至17のいずれか1項に記載の送電装置として機能させるためのプログラム。
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