JP2021164284A - 送電装置、受電装置、制御方法、およびプログラム - Google Patents

送電装置、受電装置、制御方法、およびプログラム Download PDF

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JP2021164284A JP2020064205A JP2020064205A JP2021164284A JP 2021164284 A JP2021164284 A JP 2021164284A JP 2020064205 A JP2020064205 A JP 2020064205A JP 2020064205 A JP2020064205 A JP 2020064205A JP 2021164284 A JP2021164284 A JP 2021164284A
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Abstract

【課題】WPC(Wireless Power Consortium)規格に準拠した送電装置および受電装置において受電装置とは異なる物体の検出をより高精度に実行する。【解決手段】送電コイルを介して、受電装置へ無線で送電することができると共に、受電装置と通信することができる送電装置は、送電を制限している間に、送電コイルと受電コイルとの少なくともいずれかの電気特性に基づいて受電装置とは異なる物体の検出を行う。送電装置は、受電装置から受電装置とは異なる物体の検出の要求F624を受信したことに基づいて、受電装置が送電装置に要求の再送F630を行うべき場合の、受電装置が第3異物検出要求の再送を開始するタイミングt2より後の、ACK F629の後端から時間長702が経過した後の時間タイミングt1で、送電を制限する。【選択図】図7

Description

本発明は、無線電力伝送における異物検出技術に関する。
無線電力伝送システムの技術開発が広く行われており、標準化団体Wireless Power Consortium(WPC)が無線充電規格として策定した規格(WPC規格)が広く知られている。このような無線電力伝送では、送電装置が電力を伝送可能な範囲に異物が存在する場合に、その異物を検出して送受電を制御することが肝要になる。異物とは、受電装置とは異なる物体である。特許文献1では、WPC規格に準拠した送受電装置の近傍に異物が存在する場合に、その異物を検出して送受電を制限する手法が記載されている。特許文献2には、無線電力伝送システムのコイルを短絡させて異物検出を行う技術が開示されている。また、特許文献3には、無線電力伝送システムの送電コイルに一定期間高周波信号を印加して測定したそのコイルのQ値(Quality factor)の変化によって異物を検出する技術が記載されている。
特開2017−070074号公報 特開2017−034972号公報 特開2013−132133号公報
本発明は、WPC規格に準拠した送電装置および受電装置において、受電装置とは異なる物体の検出をより高精度に実行可能とする技術を提供する。
本発明の一態様による送電装置は、送電コイルを介して、受電装置へ無線で送電する送電手段と、前記受電装置と通信する通信手段と、前記送電手段による送電が制限されている間に、前記送電コイルと受電コイルとの少なくともいずれかの電気特性に基づいて異物の検出を行う検出手段と、前記通信手段により前記受電装置から異物の検出の要求を受信したことに基づいて、前記受電装置が前記要求を再送すべき場合のその再送のタイミングより後の所定のタイミングで、送電を制限するように前記送電手段を制御する制御手段と、を有する。
本発明によれば、WPC規格に準拠した送電装置および受電装置において、受電装置とは異なる物体の検出をより高精度に実行することができる。
無線電力伝送システムの構成例を示す図である。 受電装置の構成例を示す図である。 送電装置の構成例を示す図である。 送電装置の制御部の機能構成例を示す図である。 受電装置の制御部の機能構成例を示す図である。 従来の送電装置と受電装置とが実行する処理の流れの例を示す図である。 実施形態に係る送電装置と受電装置とが実行する処理の流れの例を示す図である。 実施形態に係る送電装置と受電装置とが実行する処理の流れの例を示す図である。 第3異物検出に関連する処理のタイミングの例を示す図である。 Calibration処理の流れの例を示す図である。 時間領域におけるQ値(第2Q値)の測定処理の流れの例を示す図である。 送電装置によって実行される第3異物検出処理の流れの例を示す図である。 受電装置によって実行される第3異物検出処理の流れの例を示す図である。 時間領域におけるQ値測定方法を説明する図である。 パワーロス手法による異物検出を説明する図である。 第2基準Q値の生成処理の流れの例を示す図である。
以下、添付図面を参照して実施形態を詳しく説明する。なお、以下の実施形態は特許請求の範囲に係る発明を限定するものでない。実施形態には複数の特徴が記載されているが、これらの複数の特徴の全てが発明に必須のものとは限らず、また、複数の特徴は任意に組み合わせられてもよい。さらに、添付図面においては、同一若しくは同様の構成に同一の参照番号を付し、重複した説明は省略する。
(システム構成)
図1(A)及び図1(B)に、本実施形態に係る無線電力伝送システムの構成例を示す。本無線電力伝送システムは、一例において、送電装置100と受電装置102とを含んで構成される。送電装置100と受電装置102は、WPC(Wireless Power Consortium)規格に準拠しているものとする。送電装置100は、例えば自装置上に載置された受電装置102に対して無線で送電する電子機器である。送電装置100は、送電コイル101を介して受電装置102へ無線で電力を送る。受電装置102は、例えば、送電装置100から受電して内蔵バッテリに充電を行う電子機器である。また、受電装置102は、他の装置(カメラ、スマートフォン、タブレットPC、ラップトップ、自動車、ロボット、医療機器、プリンター)に内蔵され、それらの装置に電力を供給するように構成されてもよい。送電装置100がスマートフォンなどであってもよい。この場合、例えば受電装置102は、別のスマートフォンであってもよいし、無線イヤホンであってもよい。また、受電装置102は自動車等の車両や輸送機であってもよいし、送電装置100は自動車等の車両や輸送機のコンソール等に設置される充電器であってもよい。なお、図1(B)の矢印104は、受電装置102が送電装置100上を移動することを示しており、移動の前後で、送電コイル101と受電装置102の受電コイルの位置関係が変化することを示している。
また、図1(A)及び図1(B)は、導電性の異物103が、送電コイル101から出力される無線電力が影響を及ぼす範囲(送電可能範囲、operating volume)に存在している状況を例示している。このような異物103がoperating volume内に存在すると、送受電の効率が劣化し、場合によっては発熱等の問題が生じうる。このため、送電装置100と受電装置102は、このような異物103を検出して、送受電制御を実行することが重要となる。そこで、本実施形態では、送電装置100および受電装置102が、WPC規格に準拠する制御の範囲内で、送電コイル内部の電圧の時間変化からQ値(Quality factor)を測定して、このような異物103を検出して、送受電の制御を行う。以下では、このような手順を実行する装置の構成と処理の流れの例について詳細に説明する。なお、異物103は、受電装置とは異なる物体である。異物103としては、例えば、金属片やICカードのような導電性の物体である。
(装置の構成)
図2に、受電装置102の構成例を示す。受電装置102は、例えば、制御部200、受電コイル201、整流部202、電圧制御部203、通信部204、充電部205、バッテリ206、共振コンデンサ207、および、スイッチ208を含んで構成される。制御部200は、受電装置102の全体を制御する。制御部200は、例えばCPU(Central Processing Unit)やMPU(Micro Processing Unit)等の1つ以上のプロセッサを含んで構成される。なお、制御部200は、例えば、RAM(Random Access Memory)やROM(Read Only Memory)等の1つ以上の記憶装置を含んでもよい。そして、制御部200は、例えば、記憶装置に記憶されたプログラムをプロセッサによって実行することにより、後述の各処理を実行するように構成されうる。受電コイル201は、送電装置100の送電コイル101から電力を受電する際に用いられるコイルである。整流部202は、受電コイル201を介して受電した交流電圧および交流電流を、直流電圧および直流電流に変換する。電圧制御部203は、整流部202から入力された直流電圧のレベルを、制御部200および充電部205などが動作するのに適した(過大でもなく過少でもない)直流電圧のレベルに変換する。また、電圧制御部203は、変換されたレベルの電圧を充電部205へ供給する。充電部205は、電圧制御部203から供給された電圧によりバッテリ206を充電する。通信部204は、送電装置100との間で、WPC規格に基づいた無線充電の制御通信を行う。この制御通信は、受電コイル201で受電した交流電圧および交流電流を負荷変調することにより行われる。
また、受電コイル201は、共振コンデンサ207と接続され、特定の周波数F2で共振するように構成される。スイッチ208は、受電コイル201と共振コンデンサ207を短絡するためのスイッチであり、制御部200によって制御される。スイッチ208がオンとされると、受電コイル201と共振コンデンサ207が直列共振回路を構成する。このとき、受電コイル201と共振コンデンサ207およびスイッチ208の閉回路にのみ電流が流れ、整流部202や電圧制御部203には電流が流れなくなる。これに対して、スイッチ208がオフとされると、受電コイル201および共振コンデンサ207を介して、整流部202および電圧制御部203に電流が流れるようになる。
図3に、送電装置100の構成例を示す、送電装置100は、例えば、制御部300、電源部301、送電部302、送電コイル303、通信部304、メモリ305、共振コンデンサ306、およびスイッチ307を含んで構成される。制御部300は、送電装置100の全体を制御する。制御部300は、例えばCPUやMPU等の1つ以上のプロセッサを含んで構成される。なお、制御部300は、例えば、後述のメモリ305や制御部300に内蔵された記憶装置に記憶されたプログラムをプロセッサによって実行することにより、後述の各処理を実行するように構成されうる。電源部301は、各機能ブロックに電源を供給する。電源部301は、例えば、商用電源又はバッテリである。バッテリには、例えば、商用電源から供給される電力が蓄電されうる。
送電部302は、電源部301から入力された直流又は交流電力を、無線電力伝送に用いる周波数帯の交流電力に変換し、その交流電力を送電コイル303へ入力し、これにより受電装置102に受電させるための電磁波を送電コイル303から発生させる。例えば、送電部302は、電源部301により供給される直流電圧を、FET(Field Effect Transister)を使用したハーフブリッジ又はフルブリッジ構成のスイッチング回路で交流電圧に変換する。この場合、送電部302は、FETのON/OFFを制御するゲ−トドライバを含む。また、送電部302は、送電コイル303に入力する電圧(送電電圧)と電流(送電電流)との少なくともいずれか、または、周波数を調節することにより、出力させる電磁波の強度や周波数を制御する。例えば、送電部302は、送電電圧又は送電電流を大きくすることにより電磁波の強度を強くし、送電電圧又は送電電流を小さくすることにより電磁波の強度を弱くする。ここで、送電部302は、WPC規格に対応した受電装置102の充電部205に対して少なくとも15ワット(W)の電力を出力するだけの電力を供給する能力があるものとする。また、送電部302は、制御部300の指示に基づいて、送電コイル303による電磁波の出力が開始又は停止されるように、交流電力の出力制御を行う。
通信部304は、送電コイル303を介して、受電装置102との間で、WPC規格に基づく送電制御のための通信を行う。通信部304は、送電部302から出力される交流電圧および交流電流を周波数変調(FSK(Frequency Shift Keying))を用いて変調し、受電装置102へ情報を伝送する。また、通信部304は、受電装置102の通信部204による負荷変調で変調された交流電圧および交流電流を復調して、受電装置102が送信した情報を取得する。すなわち、通信部304は、送電部302から送電される電磁波に受電装置102へ送信すべき情報を重畳し、その電磁波に対して受電装置102によって重畳された受信信号を検出することによって、受電装置102と通信する。また、通信部304は、送電コイル303とは異なるコイル(又はアンテナ)を用いて、WPC規格とは異なる規格に従って受電装置102と通信を行ってもよい。また、通信部304は、複数の通信機能を選択的に用いて受電装置102と通信してもよい。メモリ305は、例えば、制御部300によって実行される制御プログラムや、送電装置100及び受電装置102の状態などの情報を記憶する。例えば、送電装置100の状態は制御部300により取得される。また、受電装置102の状態は、受電装置102の制御部200により取得されて通信部205から送信され、送電装置100は、通信部304を介してこの状態を示す情報を取得する。
また、送電コイル303は、共振コンデンサ306と接続され、特定の周波数F1で共振するように構成される。スイッチ307は、送電コイル303と共振コンデンサ306とを短絡するためのスイッチであり、制御部300によって制御される。スイッチ307がオンとされると、送電コイル303と共振コンデンサ306が直列共振回路を構成する。このとき、送電コイル303と共振コンデンサ306およびスイッチ307の閉回路にのみ電流が流れる。スイッチ208がオフとされると、送電コイル303および共振コンデンサ306には、送電部302から電力が供給される。
図4は、送電装置100の制御部300によって実現される機能構成例を示している。制御部300は、例えば、第1Q値測定部400、第2Q値測定部401、Calibration処理部402、第1異物検出処理部403、第2異物検出処理部404、第3異物検出処理部405、および送電処理部406の各機能部として動作しうる。第1Q値測定部400は、後述のようにして、周波数領域におけるQ値の測定(第1Q値測定)を行う。第2Q値測定部401は、後述のようにして、時間領域におけるQ値の測定(第2Q値測定)を行う。Calibration処理部402は、後述のようにして、Calibration data Pointの取得およびCalibrationカーブの作成処理を行う。第1異物検出処理部403は、第1Q値測定部400により測定された第1Q値に基づく異物検出処理(第1異物検出処理)を実行する。第2異物検出処理部404は、後述するパワーロス手法に基づく異物検出処理(第2異物検出処理)を実行する。第3異物検出処理部405は、第2Q値測定部401により測定された第2Q値に基づく異物検出処理(第3異物検出処理)を実行する。送電処理部406は、送電部302の送電開始、送電停止、送電電力の増減に関する処理を行う。図4に示される各処理部は、例えば、それぞれが独立した複数のプログラムとして構成され、イベント処理等により、これらの複数のプログラム間の同期をとりながら並行して動作しうる。
図5は、受電装置102の制御部200によって実現される機能構成例を示している。制御部200は、例えば、第2Q値測定部500と受電処理部501の各機能部として動作しうる。第2Q値測定部500は、後述のようにして、時間領域におけるQ値の測定(第2Q値測定)を行う。受電処理部501は、受電部303の受電開始、受電停止、送電装置100に対して要求する電力の増減に関する処理を行う。図5に示す各処理部は、それぞれが独立したプログラムとして構成され、イベント処理等によりプログラム間の同期をとりながら並行して動作しうる。
(WPC規格における異物検出方法)
続いて、WPC(Wireless Power Consortium)規格で規定されている異物検出方法について、送電装置100と受電装置102を例として用いて説明する。ここでは、周波数領域で測定されたQ値に基づく異物検出方法(第1異物検出方法)と、パワーロス手法に基づく異物検出方法(第2異物検出方法)について説明する。
(1)周波数領域で測定されたQ値に基づく異物検出方法(第1異物検出方法)
第1異物検出方法では、まず、送電装置100が、異物の影響によって変化するQ値の周波数領域における測定(第1Q値測定)を行う。この測定は、送電装置100がAnalog Pingを送電してから、Digital Pingを送電するまでの間に実行される(図6AのF601を参照)。例えば、送電部302は、Q値を測定するために、送電コイル303が出力する無線電力の周波数を掃引し、第1Q値測定部400は送電コイルと直列(または並列)に接続される共振コンデンサ306の端部の電圧値を測定する。そして、第1Q値測定部400は、その電圧値がピークとなる共振周波数を探索し、共振周波数で測定されるピークの電圧値から3dB下がった電圧値を示す周波数と、その共振周波数とから、送電コイル303のQ値を算出する。
また、別の方法でQ値を測定してもよい。例えば、送電部302は、送電コイル303が出力する無線電力の周波数を掃引し、第1Q値測定部400は送電コイル303と直列に接続される共振コンデンサ306の端部の電圧値を測定して、その電圧値がピークとなる共振周波数を探索する。そして、第1Q値測定部400は、その共振周波数においてその共振コンデンサ306の両端の電圧値を測定し、その両端の電圧値の比から送電コイル303のQ値を算出する。
送電コイル303のQ値を算出した後、送電装置100の第1異物検出処理部403は、通信部304を介して、異物検出の判断基準となるQ値を受電装置102から取得する。例えば、第1異物検出処理部403は、WPC規格で規定された送電コイル上に受電装置が置かれた場合の送電コイルのQ値(第1の特性値)を、受電装置102から受信する。このQ値は、受電装置102が送信するFOD(Foreign Object Detection) Statusパケットに格納されて、送電装置100は、このFOD Statusパケットを受信することによりこのQ値を取得する。第1異物検出処理部403は、取得したQ値から、送電装置100上に受電装置102が置かれた場合の、送電コイル303のQ値を推定する。本実施形態では、推定されたQ値を第1基準Q値と呼ぶ。なお、FOD Statusパケットに格納されるQ値は、あらかじめ受電装置102の不揮発メモリ(不図示)に記憶されうる。すなわち、受電装置102は、事前に記憶していたQ値を送電装置100へ通知しうる。なお、このQ値は、後述するQ1に対応する。
送電装置100の第1異物検出処理部403は、第1基準Q値と、第1Q値測定部400により測定されたQ値とを比較し、比較結果に基づいて異物の有無を判定する。例えば、第1異物検出処理部403は、第1基準Q値に対して、a%(第1の割合)低下したQ値を閾値として、測定されたQ値がその閾値より低い場合に、異物がある可能性が高いと判定し、そうでない場合は異物がない可能性が高いと判定する。
(2)パワーロス手法に基づく異物検出方法(第2異物検出方法)
続いて、WPC規格で規定されているパワーロス手法に基づく異物検出方法について、図13を参照して説明する。図13は、パワーロス手法による異物検出の概念図であり、横軸は送電装置100の送電電力を示し、縦軸は受電装置102の受電電力を示す。なお、送電装置100の送電部302による送電電力の制御は、送電処理部406により行われうる。
まず、送電装置100の送電部302は、受電装置102に対してDigital Pingを送電する。そして、送電装置100の通信部304は、受電装置102における受電電力値RP1(Light Loadという)を、Received Power Packet(mode1)により受信する。なお、以下では、Received Power Packet(mode1)を「RP1」と呼ぶ。RP1は、受電装置102が受電電力を負荷(充電部205とバッテリ206など)に供給していない場合の受電電力値である。送電装置100の制御部300は、受信したRP1と、RP1が得られたときの送電電力値Pt1との関係(図13の点1300)を、メモリ305に記憶する。これにより、送電装置100は、送電電力としてPt1を送電したときの、送電装置100と受電装置102との間の電力損失量がPt1−RP1(Ploss1)であることを認識することができる。
次に、送電装置100の通信部304は、受電装置102における受電電力値Pr2(Connected Loadという)の値を、Received Power Packet(mode2)で受電装置102から受信する。なお、以下では、Received Power Packet(mode2)を「RP2」と呼ぶ。Pr2は、受電装置102が受電電力を負荷に供給している場合の受電電力値である。そして送電装置100の制御部300は、受信したPr2と、Pr2が得られたときの送電電力値Pt2との関係(図13の点1301)を、メモリ305に記憶する。これにより、送電装置100は、送電電力としてPt2を送電したときの、送電装置100と受電装置102との間の電力損失量がPt2−Pr2(Ploss2)であることを認識することができる。
そして送電装置100のCalibration処理部402は、点1300と点1301とを直線補間し、直線1302を作成する。直線1302は、送電装置100と受電装置102の周辺に異物が存在しない状態における、送電電力と受電電力の関係に対応する。このため、送電装置100は、送電電力値と直線1302とから、異物がない可能性が高い状態における受電電力を予想することができる。例えば、送電装置100は、送電電力値がPt3の場合について、送電電力値がPt3である場合に対応する直線1302上の点1303から、受電電力値がPr3であると予想することができる。
ここで、送電装置100の送電部302が、Pt3の送電電力で受電装置102に対して送電した場合に、通信部304が受電装置102から受電電力値Pr3’という値を受信したとする。送電装置100の第2異物検出処理部404は、異物が存在しない状態における受電電力値Pr3から、実際に受電装置102から受信した受電電力値Pr3’を引いた値Pr3−Pr3’(=Ploss_FO)を算出する。このPloss_FOは、送電装置100と受電装置102との間に異物が存在する場合に、その異物で消費される電力損失と考えることができる。このため、第2異物検出処理部404は、異物で消費されたであろう電力Ploss_FOがあらかじめ決められた閾値を超えた場合に、異物が存在すると判断することができる。この閾値は、例えば、点1300と点1301との関係に基づいて導出される。なお、異物はTXとRXの間に存在しなくても、送電可能範囲に存在することで、電力を受けて発熱してしまう。
また、送電装置100の第2異物検出処理部404は、事前に、異物が存在しない状態における受電電力値Pr3から、送電装置100と受電装置102間の電力損失量Pt3−Pr3(Ploss3)を求めておく。そして、第2異物検出処理部404は、異物が存在するか不明な状態において受電装置102から受信した受電電力値Pr3’から、異物が存在する状態での送電装置100と受電装置102間の電力損失量Pt3−Pr3’(Ploss3’)を算出する。そして、第2異物検出処理部404は、Ploss3’−Ploss3を算出し、この値があらかじめ決められた閾値を超えた場合に、異物が存在すると判断することができる。なお、Ploss3’−Ploss3=Pt3−Pr3’−Pt3+Pr3=Pr3−Pr3’である。このため、電力損失量の比較により、異物で消費されたと予測される電力Ploss_FOを推定することもできる。
以上のように、異物で消費されたであろう電力Ploss_FOは、受電電力の差Pr3−Pr3’として算出されてもよいし、電力損失の差Ploss3’−Ploss3(=Ploss_FO)として算出されてもよい。
Calibration処理部402により直線1302が取得されたのち、送電装置100の第2異物検出処理部404は、通信部304を介して、受電装置102から定期的に現在の受電電力値(例えば上記のPr3’)を受信する。受電装置102が定期的に送信する現在の受電電力値は、Received Power Packet(mode0)として送電装置100に送信される。送電装置100の第2異物検出処理部404は、Received Power Packet(mode0)に格納されている受電電力値と、直線1302とに基づいて異物検出を行う。なお、以下では、Received Power Packet(mode0)を「RP0」と呼ぶ。
なお、送電装置100と受電装置102の周辺に異物が存在しない状態における送電電力と受電電力の関係である直線1302を取得するための点1300および点1301を、本実施形態では「Calibration data Point」と呼ぶ。また、少なくとも2つのCalibration data Pointを補間して取得される線分(直線1302)を「Calibrationカーブ」と呼ぶ。Calibration data PointおよびCalibrationカーブ(第2の基準)は、第2異物検出処理部404による異物検出処理のために使用される。
(時間領域におけるQ値測定方法)
時間領域におけるQ値の測定方法について、図12(A)及び図12(B)を用いて説明する。図12(A)及び図12(B)は、時間領域におけるQ値の測定(第2Q値測定)の方法を説明するための概念図である。本実施形態では、第2Q値に基づく異物検出方法を第3異物検出方法と呼ぶ。第2Q値測定は、第2Q値測定部401により行われる。また、送電装置100の送電部302による送電電力の制御は、送電処理部406により行われる。第2Q値測定では、送電装置100と受電装置102が、同じ期間にスイッチをオンとして、送電を瞬断させたうえで、受電電力を負荷に届けないようにする。これによれば、例えばコイルに印加される電圧が徐々に減少する。そして、この減少の仕方によって第2Q値が算出される。
図12(A)における波形1200は、送電装置100の送電コイル303又は共振コンデンサ306の端部に印加される高周波電圧の値(以下では、単に「送電コイルの電圧値」と呼ぶ。)の時間経過を示している。なお、図12(A)及び図12(B)において、横軸は時間を示しており、縦軸は電圧値を示している。時間T0において高周波電圧の印加(送電)が停止される。点1201は、高周波電圧の包絡線上の一点であり、時間T1における高周波電圧である。図12(A)における(T1、A1)は、時間T1における電圧値がA1であることを示す。同様に、点1202は、高周波電圧の包絡線上の一点であり、時間T2における高周波電圧である。図12(A)における(T2、A2)は、時間T2における電圧値がA2であることを示す。
Q値測定は、時間T0以降の電圧値の時間変化に基づいて実行される。例えば、Q値は、電圧値の包絡線である点1201および点1202の時間、電圧値、および、高周波電圧の周波数f(以降、fのことを動作周波数と呼ぶ。)に基づいて、(式1)により算出される。
Figure 2021164284
(式1)
すなわち、ここでのQ値は、送電が制限された(停止された)後の、送電コイル303の経過時間とその際の電圧の降下量との関係により定まる電気特性である。
次に、本実施形態で送電装置100が時間領域でQ値を測定するための処理について図12(B)を参照して説明する。波形1203は、送電コイル303に印加される高周波電圧の値を示しており、その周波数は、Qi規格で使用される110kHzから148.5kHzの間の周波数である。また、点1204および点1205は、電圧値の包絡線の一部である。送電装置100の送電部302は、時間T0からT5の区間、送電を停止する。送電装置100の第2Q値測定部401は、時間T3における電圧値A3(点1204)、時間T4における電圧値A4(点1205)および高周波電圧の動作周波数と(式1)に基づいて、Q値を測定する。なお、送電装置100の送電部302は、時間T5において送電を再開する。このように、第2Q値測定は、送電装置100が送電を瞬断し時間経過と電圧値および動作周波数に基づいてQ値を測定することにより行われる。なお、受電装置102においても、同様に、送電が制限された(停止された)後の、受電コイル201の経過時間とその際の電圧の降下量との関係により定まる電気特性として、第2Q値が測定されうる。
なお、第3異物検出方法において、(T3、A3)、(T4、A4)を測定すればよく、第2Q値を測定しなくてもよい。すなわち、(式1)で示すように、T4−T3の値と、A3に対するA4の比率(A4/A3)またはA3のA4に対する比率(A3/A4)の値に基づく指標を用いることで、異物の有無を検出するようにしてもよい。具体的には、その指標と閾値とを比較することにより、異物の有無を検出すればよい。
また、第3異物検出方法において、電圧値の代わりに電流値を測定し、その電流値の比に基づく指標を用いて、異物の有無を検出してもよい。すなわち、T3における電流値、及び、時間T4における電流値を測定すればよい。また、電流値に基づいて第2Q値を取得してもよい。
(従来の送電装置および受電装置の動作)
従来の送電装置100と受電装置102の動作について図6Aを用いて説明する。図6Aの説明では、送電装置100と受電装置102は、それぞれ、WPC規格v1.2.3に準拠した送電装置および受電装置であるとする。
送電装置100は、送電コイル303の近傍に存在する物体を検出する為にAnalog Pingを送電する(F600)。Analog Pingは、パルス状の電力で、物体を検出するための電力である。また、Analog Pingは、受電装置102がこれを受電したとしても、制御部200を起動することができない程度の微小な電力である。送電装置100は、Analog Pingにより、送電コイル303の近傍に存在する物体に起因する送電コイル303内部の電圧値の共振周波数のシフトや、送電コイル303を流れる電圧値・電流値の変化によって物体を検出する。送電装置100は、Analog Pingにより物体を検出すると、上述の第1Q値測定により送電コイル303のQ値を測定する(F601)。そして、送電装置100は、第1Q値測定に続いて、Digital Pingの送電を開始する(F602)。Digital Pingは、受電装置102の制御部200を起動させるための電力であり、Analog Pingよりも大きい電力である。また、Digital Pingは、以降、連続的に送電される。すなわち、送電装置100は、Digital Pingの送電を開始してから(F602)、受電装置102から後述のEPT(End Power Transfer)パケットの受信(F622)まで、Digital Ping以上の電力を送電し続ける。
受電装置102は、Digital Pingを受電して起動すると、受電したDigital Pingの電圧値をSignal Strengthパケットに格納して送電装置100へ送信する(F603)。続いて、受電装置102は、受電装置102が準拠しているWPC規格のバージョン情報やデバイス識別情報を含むIDを格納したIDパケットを送電装置100へ送信する(F604)。さらに、受電装置102は、電圧制御部203が負荷(充電部205)へ供給する電力の最大値等の情報を含んだConfigurationパケットを送電装置100へ送信する(F605)。送電装置100は、IDパケットおよびConfigurationパケットを受信する。そして、送電装置100は、これらのパケットによって受電装置102がWPC規格v1.2以降の(後述のNegotiationを含む)拡張プロトコルに対応していると判定すると、ACK(肯定応答)で応答する(F606)。
受電装置102は、ACKを受信すると、送受電する電力の交渉などを行うNegotiationフェーズに遷移する。まず、受電装置102は、送電装置100に対してFOD Statusパケットを送信する(F607)。本実施形態では、このFOD Statusパケットを「FOD(Q1)」と呼ぶ。送電装置100は、受信したFOD(Q1)に格納されているQ値(周波数領域で測定されたQ値)と第1Q値測定で測定したQ値とに基づいて、第1異物検出方法により異物検出を行う。そして、送電装置100は、異物がない可能性が高いと判定した場合に、その判定結果を示すACKを受電装置102に送信する(F608)。
受電装置102は、ACKを受信すると、受電装置102が受電を要求する電力値の最大値であるGuaranteed Power(GP)の交渉を行う。Guaranteed Powerは、送電装置100との間で合意された、受電装置102の負荷電力(バッテリ206が消費する電力)を示す。この交渉は、WPC規格で規定されているSpecific Requestのうち、受電装置102が、要求するGuaranteed Powerの値を格納したパケットを送電装置100へ送信することにより実現される(F609)。本実施形態では、このパケットを「SRQ(GP)」と呼ぶ。送電装置100は、自装置の送電能力等を考慮して、SRQ(GP)に応答する。送電装置100は、Guaranteed Powerを受け入れ可能であると判断した場合、その要求を受入れたことを示すACKを送信する(F610)。本実施形態では、受電装置102が、SRQ(GP)により、Guaranteed Powerとして15ワットを要求したものとする。受電装置102は、Guaranteed Powerを含む複数のパラメータの交渉が終了すると、Specific Requestのうち、交渉の終了(End Negotiation)を要求する「SRQ(EN)」を送電装置に送信する(F611)。そして、送電装置100は、SRQ(EN)に対してACKを送信し(F612)、Negotiationを終了して、Guaranteed Powerで定められた電力の送受電を行うPower Transferフェーズに遷移する。
続いて、送電装置100は、上述したパワーロス手法に基づく異物検出(第2異物検出方法)を実行する。まず、送電装置100は、RP1を受電装置102から受信する(F613)。送電装置100は、RP1に格納されている受電電力値と、その受電電力が得られたときの送電装置100の送電電力値を、Calibration data Point(図13の点1300に対応)として受け入れる。そして、送電装置100は、Calibration data Pointの受け入れを示すACKを、受電装置102へ送信する(F614)。
受電装置102は、ACKを受信後、送電装置100に対して受電電圧(または受電電流、受電電力)の増減を要求するControl Error(以後、CEと表現する)を送電装置100に送信する。CEには、符号および数値が格納され、符号がプラスであれば、電力を上げることを要求することを、マイナスであれば電力を下げることを要求することを、数値がゼロであれば電力の維持を要求することを、それぞれ意味する。ここでは、受電装置102は、電力を上げることを示すCE(+)を、送電装置100に送信する(F615)。
送電装置100は、CE(+)を受信すると、送電部302の設定値を変更して、送電電力を上げる(F616)。受電装置102は、CE(+)に応答して受電電力が上昇すると、受電した電力を負荷(充電部205やバッテリ206)に供給し、RP2を送電装置100に送信する(F617)。送電装置100は、RP2に格納されている受電電力値とその時の送電装置100の送電電力値を、Calibration data Point(図13の点1301に対応)として受け入れる。そして、送電装置100は、Calibration data Pointの受け入れを示すACKを、受電装置102へ送信する(F618)。この時点で、送電装置100は、2つのCalibration data Point(図13の点1300と点1301)を取得しているため、Calibrationカーブ(図13の直線1302)を導出することができる。
送電装置100および受電装置102は、この時点でPower Transferフェーズに遷移しており、送電装置100は、受電装置102がNegotiationフェーズで交渉した最大15ワットを受電可能な電力を送電している。受電装置102は、送電装置100に対して、送電電力の維持を要求するCEおよび現在の受電電力値を格納したRP0を送電装置100に定期的に送信する(F619、F620)。送電装置100は、受電装置102からRP0を受信すると、上述の第2異物検出方法に基づいて、異物検出を行う。送電装置100は、異物検出の結果、異物がない可能性が高いと判定した場合、ACKを受電装置102に送信する(F621)。その後、受電装置102は、バッテリ206への充電が終了すると、送電装置100に対して送電を停止することを要求するEPT(End Power Transfer)パケットを送信する(F622)。
以上のようにして、WPC規格v1.2.3に準拠した送電装置100と受電装置102との間で無線電力伝送が行われる。
上述のようにして、第1異物検出方法では、送電装置100がF601において第1Q値の測定を行った時点の異物が検出される。一方で、第1Q値の測定後、Calibration data Pointを取得するまで(例えばF614のACKの送信まで)の間にOperating Volumeに異物103が載置されても、その異物103は検出されない。第1異物検出方法では、送電装置100は、F601の第1Q値の測定時点の異物の有無を、FOD(Q1)を受信した時点で判定するのみだからである。
また、第2異物検出方法では、Calibrationカーブ(直線1302)が生成されていない間は、Operating Volumeに異物103が載置されても、異物検出を行うことができない。すなわち、送電装置100がF614で最初のCalibration data Point(点1300)を取得した段階では異物検出を行うことができない。そして、送電装置100は、その後にF618でACKを送信して次のCalibration data Point(点1301)を取得してCalibrationカーブ(直線1302)を生成してから、異物103を検出できるようになる。例えば、受電装置102がF615でCE(+)を送信した直後に、Operating Volumeに異物103が載置された場合、この時点ではCalibrationカーブが生成されていないため、この異物103は検出されない。また、この時点においては、当然に第1異物検出処理も行われない。
また、送電装置100は、例えばF615でCE(+)を送信した直後に異物103が載置された場合などでは、異物103が存在する状態でCalibration data Pointを取得することとなる。この場合、送電装置100は、その後に正確な第2異物検出処理を行うことができなくなる。例えば、異物103がOperating Volume内に存在することにより、送電装置100の送電電力がその異物103によって消費されてしまう。その結果、図13に示すように、受電装置102において受電電力Pr2が得られる時点での送電装置100の送電電力は、受電装置102に対して提供される電力(Pt2)に異物で消費される電力が加算された値であるPt2’(≠Pt2)となる。このため、送電装置100は、Calibration data Pointとして点1304を取得し、その結果、Calibrationカーブとして直線1305を作成する。第2異物検出方法は、上述のように、異物が載置されていない状態でCalibrationカーブが作成され、そのカーブと実測の送電電力及び受電電力の組み合わせとの乖離を調べて異物の存在を検出する方法である。これに対して、直線1305は異物の影響を受けた状態で作成されたCalibrationカーブであるため、正確な異物検出を行うことはできないことになる。また、送電装置100がF601で第1Q値を測定してからF614でACKを送信するまでに異物103がOperating Volumeに載置された場合にも、第2異物検出方法による正確な異物検出ができなくなる。点1300が、異物がある状態で取得されたCalibration data Pointとなるからである。
このように、第1Q値の測定から、Calibrationカーブの生成までの間に異物103が載置された場合、その異物103の検出ができず、また、その後の第2異物検出方法の使用が困難となりうる。
(第3異物検出方法をWPC規格に適用した場合の動作説明)
周波数領域において測定されたQ値(第1Q値)に基づく異物検出(第1異物検出方法)は、測定のたびに共振周波数を探すために周波数を掃引する。送電装置100がDigital PingやPower Transferフェーズのなど比較的大きな電力を送電中にこのような掃引が実行されると、送電部302のスイッチングノイズの増大の原因となりうる。一方で、時間領域において測定されたQ値(第2Q値)に基づく異物検出(第3異物検出方法)は、単一の周波数で実行可能であり、周波数を掃引する必要がない。このため、Digital PingやPower Transferフェーズの送電時の動作周波数で実行可能であり、スイッチングノイズへの影響が少ない。このため、本実施形態では、第3異物検出方法をWPC規格に適用し、第1Q値の測定後の異物検出を実行可能とし、さらに、その後の異物検出制度の向上を図る。以下では、この処理の流れの例について説明する。
(基準設定処理)
第2Q値に基づく第3異物検出方法をWPC規格に適用する場合、異物の有無を判定するための基準Q値を設定することが必要となる。そこで、まず、第3異物検出方法における基準Q値の設定処理について、図14を参照して説明する。図14は、送電装置100により実行される、第3異物検出方法のための基準Q値の設定処理の流れの例を示している。図14の処理は、例えば、送電装置100の制御部300が、事前に記憶されたプログラムを読み出して実行して、各機能部を制御することによって実現されうる。ただし、これに限られず、これらの処理の少なくとも一部が、ハードウェアにより実現されてもよい。ハードウェアにより実現する場合、例えば、所定のコンパイラを用いることにより、各処理ステップを実現するためのプログラムからFPGA上に自動的に専用回路が生成されうる。ここで、FPGAとは、Field Programmable Gate Arrayの頭字語である。また、FPGAと同様にして、Gate Array回路を形成し、上述の処理の少なくとも一部を実行するハードウェアが実現されるようにしてもよい。
送電装置100の送電部302は、まず、Analog Pingを送電する(S1401)。送電装置100は、このAnalog PingによってOperating Volumeに物体(例えば受電装置102)が存在することを検出すると、第1Q値測定部400によって第1Q値測定を行う(S1402)。そして、送電装置100の送電部302は、Digital Pingを送電する(S1403)。そして、送電装置100は、通信部304により、受電装置102から送信されたSignal Strengthを待ち受ける(S1404)。そして、送電装置100は、通信部304においてSignal Strengthを受信すると(S1404でYES)、第2Q値測定部401により第2Q値測定を実行する(S1405)。
ここで、第2Q値測定の処理について、図9及び図12(B)を参照して説明する。図9は、送電装置100により実行される第2Q値の測定処理の流れの例を示している。図9の処理も、例えば、送電装置100の制御部300が、事前に記憶されたプログラムを読み出して実行して、各機能部を制御することによって実現されうる。ただし、これに限られず、これらの処理の少なくとも一部が、ハードウェアにより実現されてもよい。ハードウェアにより実現する場合、例えば、所定のコンパイラを用いることにより、各処理ステップを実現するためのプログラムからFPGA上に自動的に専用回路が生成されうる。ここで、FPGAとは、Field Programmable Gate Arrayの頭字語である。また、FPGAと同様にして、Gate Array回路を形成し、上述の処理の少なくとも一部を実行するハードウェアが実現されるようにしてもよい。
図9において、送電装置100の送電制御部406は、送電部302による送電を制限する(S901)。ここでの制限は、例えば、送電を一時停止することでありうるが、送電電力を十分小さい所定値以下とすること等の他の動作であってもよい。例えば、Digital Ping相当の電力など、受電装置102の通信部304を起動させることができる程度の電力に送電電力が低減されるような制限が行われてもよい。そして、第2Q値測定部401は、スイッチ307をオンとすることによって、送電コイル303と共振コンデンサ306の短絡処理を実行する(S902)。第2Q値測定部401は、時間T3で送電コイルの電圧値A3を測定し(S903)、また、時間T4で送電コイルの電圧値A4を測定する(S904)。そして、第2Q値測定部401は、送電電力(波形1203)の周波数と、時間および電圧値とから、上述の(式1)に基づいてQ値を算出する(S905)。ここで、この周波数は、送電コイル303と共振コンデンサ306の共振周波数F1である。その後、第2Q値測定部401は、スイッチ307をオフとすることによって上述の短絡処理を解除し(S906)、送電の制限を解除する(S907)。この制限の解除により、送電電力が、S901で制限される前の電力量に戻される。
なお、図9の第2Q値測定401によって実行される処理は、受電装置102の第2Q値測定部500においても実行される。ここで、受電装置102の第2Q値測定部500の処理は、図9とほぼ同様である。ただし、受電装置102の第2Q値測定部500は、S901において送電が制限されたこと、すなわち、送電が一次停止されたことを検出する。すなわち、受電装置102は、送電が一時停止されたことに応じて、スイッチ208をオンにして、受電コイル201と共振コンデンサ207との短絡処理を実行する。また、受電装置102の第2Q値測定部500は、S907において送電の制限が解除されたこと、すなわち、送電電力がS901で制限される前の電力量に戻ったことを検出する。なお、受電装置102の第2Q値測定部500は、例えば、送電電力が制限される前の電力量に戻る前に、スイッチ208をオフとして、短絡処理を解除するようにしうる。これにより、共振コンデンサ207等に過大な電力が流れることを防ぐことができる。なお、受電装置102がS905の計算において用いる周波数は、受電コイル201と共振コンデンサ207の共振周波数F2であり、送電装置100で用いられる周波数とは異なりうる。
図14の説明に戻り、送電装置100の通信部304は、第2Q値測定部401において第2Q値の測定を終了すると、受電装置102からIDおよびConfigurationパケットを受信する(S1406、S1407)。ここで、制御部300は、Configurationパケット内に格納されている所定の情報(Negビット)を確認することにより、受電装置102がNegotiationに対応しているかを判定する(S1408)。そして、受電装置102がNegotiationに対応している場合(S1408でYES)、通信部304は、受電装置102へACKを送信する(S1409)。続いて、通信部304は、受電装置102からFOD(Q1)を受信する(S1410)。そして、第1異物検出処理部403は、FOD(Q1)に格納されているQ値に基づいて、第1異物検出における基準Q値(第1基準Q値)を決定する。そして、第1異物検出処理部403は、その第1基準Q値とS1401で測定した第1Q値とを比較し、測定した第1Q値が、第1基準Q値によって定まる所定範囲内か否かを判定する(S1411)。ここで、「所定範囲」は、例えば、第1基準Q値に対してa%低下したQ値を閾値とし、その閾値以上で第1基準Q値以下の範囲でありうる。すなわち、S1411では、測定された第1Q値が、閾値と第1基準Q値との間の値であるかが判定される。
測定した第1Q値が所定範囲内の場合(S1411でYES)、第1異物検出処理部403は、第1異物検出処理においては異物がない可能性が高いと判定し、通信部304を介してACKを受電装置102へ送信する(S1412)。この時点で、送電装置100は、S1402の第1Q値の測定時にOperating Volumeに異物は存在しないと判定できているため、S1402の直後にS1405で実行した第2Q値測定時も異物が存在する可能性は極めて低い。このため、第3異物検出処理部405は、S1405において測定した第2Q値を第3異物検出処理における基準Q値(第2基準Q値)に決定(設定)する(S1413)。そして、送電装置100は、通信部304を介して受電装置102からSRQ(EN)を受信して(S1414)、ACKを送信し(S1415)、Negotiationフェーズを終了する。
以上のように送電装置100は、第1異物検出処理によって異物がない可能性が高いと判定される状況において、第2Q値測定によって得られた第2Q値を、第3異物検出処理のための基準Q値(第2基準Q値)として決定する。これにより、異物がある状況で測定された第2Q値が誤って第2基準Q値として用いられることを防ぐことができる。また、第2基準Q値を、WPC規格において規定されたシーケンスの中で設定することができる。さらに、第2基準Q値を異物がない可能性が高い状態で決定することにより、第3異物検出処理に基づいて正確な異物検出を行うことが可能となる。
なお、S1404において、送電装置100の通信部304がSignal Strengthを受信しなかった場合(S1404でNO)、送電部302はDigital Pingの送電を停止し、再びAnalog Pingを送電する(S1401)。また、S1411において、測定された第1Q値が所定範囲内になく、異物が載置されている可能性が高いと判定される場合は(S1411でNO)、例えば不図示の通知部により、ユーザに対してエラーを通知して(S1417)、処理を終了する。なお、エラー通知は、例えば、画面表示や、ユーザが有する端末装置へのメッセージの通知、受電装置102へエラーメッセージを通知して、受電装置102の表示部にエラーメッセージを表示させるなど、様々な態様により実行されうる。これにより、例えば異物の除去をユーザに促し、その後、図14の処理を再実行することにより、異物がない状態で第3異物検出処理の基準Q値(第2基準Q値)を決定することができる。
また、S1408において、受電装置102がNegotiationに対応していないと判定した場合は(S1408でNO)、送電装置100は、第3異物検出処理部405において第2基準Q値を設定しない。そして、送電装置100は、制御部300による制御によってPower Transferフェーズへ遷移して、送電部302によって受電装置102に送電する(S1416)。なお、送電装置100は、この場合、Guaranteed Powerを例えば5ワットに制限しうる。すなわち、送電装置100は、受電装置102が、Negotiation機能を持たず、Guaranteed Powerが5ワットのWPC規格で規定されたBasic Power Profileにのみ準拠していると捉えて、送電制御を行ってもよい。なお、受電装置102がNegotiationに対応していない場合は、受電装置102がFOD(Q1)を送信する機能を有さず、第1異物検出処理の機能を有しない。したがって、送電装置100は、第2基準Q値を決定する際に、異物がない可能性が高い状態であるという判定を行うことができないため、第3異物検出処理を実行しないようにしうる。
なお、本実施形態では、送電装置100の第2Q値測定部401がS1405において第2Q値測定を実行している間に、受電装置102の第2Q値測定部500も第2Q値測定を実行しうる。この場合、受電装置102の第2Q値測定部500は、受電コイル201および共振コンデンサ207から構成される共振回路(共振周波数F2)についての第2Q値を測定する。このとき、受電装置102は、測定したQ値を送電装置100に通知しうる。また、送電装置100は、通知された第2Q値と、自装置において測定された第2Q値とに基づいて、S1413において第2基準Q値を決定してもよい。
なお、第1Q値の測定の後に第2Q値に関する第2基準Q値が決定される場合の例を示しているが、例えば、第2基準Q値が先に決定され、その後に第1Q値が測定されるようにしてもよい。この場合、例えば、第2基準Q値に基づいて、異物がない可能性が高いと判定された場合に、第1Q値を測定し、その測定結果に基づいて、第1基準Q値が設定されてもよい。
(第3異物検出を行う場合のCalibration処理)
次に、Negotiationフェーズが終了した後のCalibration処理について説明する。図8は、Negotiationフェーズが終了した後に送電装置100により実行されるCalibration処理の流れの例を示している。本処理では、まず、送電装置100の通信部304が、受電装置102から送信されたRP1を受信する(S801)。ここで、このRP1パケットには、受電装置102が第2Q値測定の実行を送電装置100に要求する情報要素が含まれる。例えば、Received Power Packetの予約(Reserved)領域に第2Q値測定を要求するか否かを示す1ビットのフィールドが設けられる。そして、受電装置102は、第2Q値測定を要求する場合に「1」を、第2Q値測定を要求しない場合に「0」を、そのフィールドに格納する。本実施形態では、このビットを「要求ビット」と呼ぶ。
ここで、受電装置102は要求ビットに「1」を格納したとする。この場合、送電装置100の第2Q値測定部401は、第2Q値の測定が要求されたことを認識し、第2Q値の測定を実行する(S802)。第2Q値の測定処理については、図9に関連して上述した通りであるため、ここでは説明を省略する。その後、測定された第2Q値が、第2基準Q値によって定まる所定範囲内か否かを判定する(S803)。ここで、「所定範囲」は、例えば、第2基準Q値に対してb%低下したQ値を閾値とし、その閾値以上で第2基準Q値以下の範囲でありうる。すなわち、S803では、測定された第2Q値が、閾値と第2基準Q値との間の値であるかが判定される。送電装置100は、第2Q値が所定範囲内の値である場合(S803でYES)、RP1で通知された受電電力が受電装置102によって測定された時点で、Operating Volumeに異物がない可能性が高いと判定する。第3異物検出方法において異物がない可能性が高いと判定された場合、通信部304は、受信したRP1に対してACKで応答する(S804)。また、Calibration処理部402は、RP1に相当するCalibration data Pointを生成する。送電装置100は、要求ビットが「1」であるRP2を受信した際も同様の処理を行う。すなわち、第2Q値測定部401は、RP2が受信されると(S805)、第2Q値を測定する(S806)。そして、第3異物検出処理部405は、測定した第2Q値が所定範囲内の値であるかを判定する(S807)。第2Q値が所定範囲内の値であると第3異物検出処理部405が判定した場合(S807でYES)、通信部304が、RP2に対してACKで応答する(S808)。また、Calibration処理部402は、RP2に相当するCalibration data Pointを作成する。そして、送電装置100は、Calibrationの処理を終了する。一方、S803またはS807において、第2Q値が所定範囲外の値である場合、第3異物検出処理部405は、異物がある可能性が高いと判定しうる(S803でNO、S807でNO)。この場合、通信部304は、Calibration data Pointを生成しないことを示すNAK(否定応答)を送信し(S809)、Calibrationの処理を終了する。
なお、第2基準Q値は、上述のように、第1異物検出方法によって測定された第1Q値が第1基準Q値に関連する所定範囲内である場合に設定される。このため、S803で第2Q値が存在するには、第1異物検出方法によって異物がない可能性が高いと判定されていることが前提となる。このため、S803において、異物がない可能性が高いと判定される場合、第1異物検出方法と第3異物検出方法との両方において、異物がない可能性が高いと判定されたと考えることができる。一方で、第1異物検出方法によって異物があると判定された場合には、第2基準Q値が存在せず、仮にS803やS807の判定が行われたとして、その判定において第2Q値が所定範囲内に含まれることはない。このように、第1異物検出方法と第3異物検出方法の両方において異物がない可能性が高いと判定された場合に、第2異物検出方法のCalibration data Pointを生成することとなる。
このように、本実施形態に係る送電装置100は、受電装置102が送信するRP1又はRP2パケットの要求ビットを参照し、Calibration data Pointを生成する度に第3異物検出処理を行う。そして、送電装置100は、異物がない可能性が高いと判定した場合に、Calibration data Pointを生成し、異物がある可能性が高いと判断した場合にはCalibration data Pointを生成しない。これにより、異物がある可能性が高い状態でCalibration data Pointが生成されること、および、それに基づいてCalibrationカーブが生成されることを防ぐことができる。この結果、第2異物検出処理において不正確な基準値を用いることによって低精度な異物検出が行われることを防ぐことができる。さらに、受電装置102が測定する第2Q値も考慮して第3異物検出の閾値を決定することにより、より高精度な異物検出を実行し、それにより第2異物検出の精度をさらに高精度化することができる。また、図8の処理によれば、送電装置100が第1Q値測定(F601)を実行してからCalibration data Pointを生成するまで(例えばF614でACKを送信するまで)の間に、載置された異物103を検出することができる。
(Power Transferフェーズにおける送電装置の第3異物検出処理)
続いて、Power Transferフェーズにおいて送電装置100が実行する第3異物検出処理について図10を用いて説明する。また、並行して、Power Transferフェーズにおいて受電装置102が実行する第3異物検出処理について図11を用いて説明する。
まず、受電装置102は送電装置100へRP0を送信し(S1101)、送電装置100は受電装置102からRP0を受信する(S1001)。ここで、送電装置100は、異物が存在する可能性が高いと判断し、RP0に対する応答としてNAKを送信し(S1002)、受電装置102は、このNAKを受信する(S1102)。ここで、受電装置102は、第3異物検出方法に基づく異物検出処理を送電装置100に要求することを示す第3異物検出要求データを、その送電装置100へ送信したとする(S1103)。そして、送電装置100は、この第3異物検出要求データを受信する(S1003)。なお、ここでは、第2異物検出方法によって異物が存在する可能性が高い状態であったものとし、それに伴って第3異物検出要求データが受電装置102から送電装置100へ送信される場合の例について説明しているが、これに限られない。例えば、定期的に第3異物検出要求データが受電装置102から送電装置100へ送信されてもよい。この場合、S1001〜S1002、および、S1101〜S1102の処理は省略されてもよい。
送電装置100は、この要求データを受信すると、第3異物検出を実行可能であるかを判定するモードに遷移する(S1004)。送電装置100は、第3異物検出を実行可能であると判定すると(S1005でYES)、受電装置102へACKを送信する(S1006)。そして、送電装置100は、第3異物検出のために送電を制限するモードへ遷移する(S1007)。一方、S1006のACKが、受電装置102において正しく受信できない場合がありうる。この場合、受電装置102は、ACKの受信前に送電装置100において送電の制限が行われていることを検出することとなる(S1104でYES、S1105でNO)。この場合、受電装置102は、再度、第3異物検出要求データを送信する(S1106)。また、受電装置102は、ACK受信後に送電の制限が行われないまま、送電の制限が解除されてしまった場合(S1104でNO、S1116でYES)も、第3異物検出要求データを再送する(S1106)。なお、送電装置100は、第3異物検出要求データを再度受信した場合(S1008でYES)、処理をS1004に戻す。
送電装置100は、第3異物検出要求データを再度受信しなかった場合(S1008でNO)、第2Q値を測定する(S1009)。このとき、受電装置102は、短絡処理を実行して、受電コイル201および共振コンデンサ207からなる閉回路を構成して、第2Q値を測定可能な状態とする(S1107)。なお、ここでは、受電装置102も受電コイルに関して第2Q値を測定するものとする(S1108)。受電装置102は、例えば送電装置100における送電の制限解除前の所定のタイミングにおいて短絡処理を終了して(S1109)、受電コイル201が負荷に接続されるようにする。受電装置102は、その後、送電装置100において送電の制限が解除されたことを検出すると(S1110でYES)、S1108で測定した第2Q値を送電装置100へ送信する(S1111)。送電装置100は、Q値測定結果を受信すると(S1010でYES)、自装置で測定した第2Q値と受電装置102から受信した第2Q値とに基づいて、異物の有無を判定する(S1011)。送電装置100は、異物がない可能性が高いと判定した場合(S1012でYES)、受電装置102に対してACKを送信する(S1013)。受電装置102は、ACKを受信した場合(S1112でYES)、異物がないと判定することができる。このとき、受電装置102は、第2異物検出で使用するCalibrationカーブが、温度上昇や受電装置102の移動等により、基準としてふさわしくない状態になった結果、S1101で送信したRP0においてNAKを受信したと判定しうる。このため、受電装置102は、例えば、Calibrationの再実行を送電装置100へ要求しうる(S1113)。送電装置100がこの要求を受信すると(S1014でYES)、送電装置100および受電装置102は、再Calibration処理を実行し(S1015、S1114)、処理を終了する。なお、例えば定期的にS1103の第3異物検出要求データの送信が行われる場合、再Calibration処理の要求が発行されないことがありうる。この場合は、S1014以降の処理およびS1113以降の処理は実行されなくてもよい。また、送電装置100は、例えば、第2異物検出方法と第3異物検出方法との判定結果が繰り返し一致しない場合に、受電装置102に対して、再キャリブレーションを実行するように促すメッセージを送信してもよい。このメッセージは、例えば、ACKやNAKとデータ長が同じであるが、異なるパターンのメッセージでありうる。なお、送電装置100は、例えば受電装置102が再キャリブレーションを実行可能である場合に再キャリブレーションを促すメッセージを送信しうる。
なお、受電装置102は、第2Q値を送信後にACKを受信しなかった場合は、その第2Q値を再送しうる(S1115)。なお、第2Q値が所定回数送信されたにも関わらず、ACKを受信しなかった場合、受電装置102は、図11の処理を終了してもよい。また、受電装置102は、第2Q値を送信後に、送電の制限が解除されなかった場合(S1110でNO)、そのまま処理を終了する。
また、送電装置100は、第3異物検出を実行できないと判定した場合(S1005でNO)は、受電装置102へNAKを送信し(S1016)、受電装置102から受信されたRP0に対して繰り返しNAKを送信して、送電電力を制限する(S1017)。また、送電装置100は、第2Q値の測定結果を受信しなかった場合(S1010でNO)や、異物がある可能性が高いと判定した場合(S1012でNO)、受電装置102からのRP0に対して繰り返しNAKを送信して、送電電力を制限する(S1017)。さらに、送電装置100は、第2異物検出で異物がある可能性が高いと判定され、第3異物検出で異物がない可能性が高いと判定された場合に、再Calibration要求を受信しなかった場合(S1014でNO)も、送電電力を制限しうる(S1017)。
以上のように、第2異物検出による結果と第3異物検出の結果が異なる場合は、受電装置102は再Calibrationを送電装置100に要求しうる。これにより、温度上昇や受電装置102の移動が発生した場合に、パワーロス手法に基づく異物検出の精度を高めることができる。なお、上述の例では、第2異物検出において異物がある可能性が高いと判定された場合に、その判定の正確性判定のために第3異物検出が用いられる場合の処理について説明したが、これらの関係は逆転してもよい。すなわち、第3異物検出において異物がある可能性が高いと判定された場合に、その判定の正確性判定のために、第2異物検出の結果が用いられてもよい。また、送電装置100が第2異物検出で異物がない可能性が高いと判定したにもかかわらず、第3異物検出で異物がある可能性が高いと判定した場合に、受電装置102は再Calibrationを送電装置100に要求してもよい。
(無線電力伝送システムで実行される処理の流れ)
続いて、本実施形態に係る無線電力伝送システムにおける送電装置100と受電装置102の動作について図6B及び図6Cを参照して説明する。なお、図6Aと同様の処理については、同じ符号を付してその説明を省略する。
送電装置100は、Signal Strengthを受信すると(F603)、第2Q値を測定する(F623)。同様に、受電装置102は、Signal Strengthを送信すると、第2Q値を測定し(F623)、測定した第2Q値を送電装置100に通知する。その後、受電装置はIDを送信する(F604)。その後、F605〜F612は、図6Aと同様である。その後、受電装置102は、Calibration data pointを生成する前に、第3異物検出を送電装置に要求する。例えば、受電装置102は、F613においてRP1を送信する前に、送電装置100へ第3異物検要求データを送信する(F624)。送電装置100は、第3異物検出の実行を受け付けて、この要求に対してACKを送信する(F625)。そして、送電装置100および受電装置102は、第2Q値を測定する(F623)。そして、受電装置102は、測定した第2Q値を送電装置100へ送信する(F626)。この第2Q値は、FOD Statusパケットで送信されうる。このとき、送電装置100は、Signal Strengthを受信した後(IDを受信する前)に測定した第2Q値に基づいて、異物検出を行う。そして、送電装置100は、異物がない可能性が高いと判定した場合には、受電装置102へACKを送信する(F627)。受電装置102は、ACKを受信すると、RP1を送電装置へ送信する(F613)。なお、F627で受電装置102がNAKを受信した場合、例えば、受電装置102がEPTを送電装置100へ送信して電力伝送を終了してもよいし、送電装置100が、受電装置102における受電電力を5ワット以下となるように送電電力を制限してもよい。
以後も同様に、受電装置102は、F617でRP2を送信するのに先立って、送電装置100へ第3異物検出を要求し(F624)、送電装置100は、この要求に対して受電装置102へACKを送信する(F625)。そして、送電装置100および受電装置102は、第2Q値を測定する(F623)。受電装置102は、測定した第2Q値を送電装置100へ送信し(F626)、送電装置100は、Signal Strengthを受信した後(IDを受信する前)に測定した第2Q値に基づいて、異物検出を行う。そして、送電装置100は、異物がない可能性が高いと判定した場合に、受電装置102へACKを送信する(F627)。受電装置102は、ACKを受信すると、RP2を送電装置100に送信する(F617)。
その後、受電装置102は、RP0に対してNAKを受信すると(F628)、第3異物検出を送電装置100に対して要求する(F624)。この場合も、送電装置100は、その要求に対してACKで応答する。ただし、ここでは、受電装置102がこのACKを正しく受信できなかったものとする(F629)。
ここで、第3異物検出要求に対するACKを受電装置102が受信できなかった場合の第2Q値の測定までの各信号のタイミングについて図7(A)〜図7(C)を用いて説明する。なお、図7(A)〜図7(C)において、横軸は時間を示している。
図7(A)において、時間長700は、第3異物検出要求(F624)の後端から、送電装置100がACK(F629)の送信を開始するまでの応答時間の長さである。時間長701は、ACKパケットの先端から後端までの時間長(ACK時間という)である。時間長702は、ACKパケットの後端から、送電装置100が送電電力を停止するまでの時間長である(電力停止遅延時間という)。時間長703は、受電装置102が第3異物検出要求を再送するまでの時間長(応答タイムアウト時間という)であり、先行する第3異物検出要求の後端からの時間によって定義される。受電装置102は、第3異物検出要求を送信し(F624)、送電装置100は、この要求の後端から時間700の範囲内で、時間長701のACKを送信する。送電装置100は、ACKの後端から時間長702の時間が経過した後の時間t1において送電を停止して、第2Q値を測定する。
一方、受電装置102は、ACKを正しく受信していない場合、時間t1で第2Q値の測定を開始せず、時間t2で第3異物検出要求を再送する。このように、受電装置102がACKを正しく受信できなった場合は、送電装置100と受電装置102との間で状態の不一致が発生する。これにより、送電装置100が第2Q値測定を行う際に、受電装置102が上述の短絡処理を行っていないため、送電装置100が正確な第2Q値の測定を行うことができない。また、送電装置100は、第2Q値の測定の後、受電装置102から第2Q値の測定結果を受信することもできない。また、受電装置102は、送電装置100からACKを受信できないにも関わらず、送電装置100からの送電が停止してしまう。
これに対して、送電装置100は、受電装置102が第3異物検出要求の再送を開始するタイミング(時間t2)まで、送電電力を停止(時間t1)しないようにする。すなわち、応答時間(時間長700)とACK時間(時間長701)と電力停止遅延時間(時間長702)を足した時間長の和が、応答タイムアウト時間(時間長703)よりも長くなるように設定する。すなわち、応答タイムアウト時間(時間長703)から応答時間(時間長700)とACK時間(時間長701)とを減じた時間よりも、電力停止遅延時間(時間長702)を長く設定する。例えば、WPC規格によれば、応答タイムアウト時間は15ミリ秒、応答時間は最小3ミリ秒から最大10ミリ秒と規定されている。また、ACKパケットは8ビット長であり、各ビットは2kHz(周期0.5ミリ秒)のクロックで変調されるため、ACK時間は8×0.5ミリ秒=4ミリ秒である。このため、電力停止遅延時間が、15−(3+4)=8ミリ秒よりも長く設定されうる。これによれば、送電装置100が第2Q値測定のために電力を停止する前に、送電装置100は、第3異物検出要求の再送の受信を開始することができるため、上述のような状態の不一致が発生しなくなる。
電力停止遅延時間をそのように設定した場合のタイミングチャートを図7(B)に示す。図7(B)に示すように、第3異物検出要求の再送(F630)が開始される時間t2より後に、送電電力の制限が開始される時間t1が到来するように電力停止遅延時間が設定される。
さらに、送電装置100は、第3異物検出要求の再送(F630)を検出した場合、送電電力の制限を開始しないように制御しうる。これにより、受電装置102がパケットを送信中に送電電力が停止されることを防ぎ、データ受信エラーなどの発生を抑制することができる。送電装置100が、第3異物検出要求の再送(F630)を検出した場合には送電電力の制限を開始しない場合のタイミングチャートを図7(C)に示す。図7(C)では、送電装置100は、時間t2において第3異物検出要求の再送(F630)を検出すると、送電電力の制限を開始せず、その再送に対してACKで応答する(F625)。そして、送電装置100は、再送された第3異物検出要求(F630)の後端から、応答タイムアウト時間(時間長702)より後の時間t1まで、第3異物検出要求の再送を待ち受ける。送電装置100は、時間t1まで第3異物検出要求の再送を検出しなかったことに基づいて、受電装置102がACKを正しく受信したと判定する。そして、送電装置100は、時間t1において送電を停止して、第2Q値測定を行う。
この処理は、図10のS1006〜S1008の処理に対応する。すなわち、送電装置100は、受信した第3異物検出要求に対してACKを送信し(S1006)、送電を制限するモードに遷移する(S1007)が、第3異物検出要求を再度受信した場合は(S1008でYES)には、第2Q値測定を行わない。そして、送電装置100は、第3異物検出の実行可否を判定するモードに遷移する(S1004)。この処理により、送電装置100と受電装置102との状態を一致させることができる。なお、送電装置100は、送電装置が第3異物検出要求を受信した場合に、送電の制限を開始せず、第3異物検出の実行可否を判定するモードに遷移するとした。しかしながら、これに限定されない。例えば、送電装置100は、第3異物検出要求パケットの先頭を検出した場合や、第3異物検出要求に限らず受電装置102が送信するパケットの先頭を検出した場合などに、送電の制限を開始せず、第3異物検出の実行可否を判定するモードに遷移してもよい。
図6B及び図6Cに戻り、受電装置102は、F629において送電装置100が送信したACKを受信できなかった場合は、第3異物検出要求を再送する(F630)。送電装置100は、この再送された第3異物検出要求に対してACKを送信し(F625)、送電装置100および受電装置102は、第2Q値を測定する(F623)。そして、受電装置102は、測定した第2Q値を、送電装置100へ通知する(F626)。送電装置100は、自装置による第2Q値の測定結果と、受電装置102から取得した第2Q値とに基づいて異物の有無を判定し、例えば異物がない可能性が高いことを示すACKを送信する(F631)。そして、受電装置102は、第2異物検出では異物が検出された一方で、第3異物検出では異物が検出されなかったため、再Calibrationを送電装置100に対して要求する(F632)。そして、送電装置100は、その要求に対してACKを送信した後(F633)に、受電装置102との間で、再Calibration処理を実行する(F634)。
なお、上述の第2Q値の測定に代えて、異物の存在によって変化する他の物理量の測定が行われるようにしてもよい。例えば、電圧値や電流値の時間経過による変化や、電圧値や電流値の減衰率などが測定されてもよく、また、コイル間の結合係数が測定されてもよい。このように、第2Q値や、その他の値など、送電コイルと受電コイルとの少なくともいずれかに関する電気特性に基づいて、上述の第3異物検出方法による異物の検出が行われうる。なお、送電コイルの電気特性と受電コイルの電気特性の両方に基づいて異物検出が行われなくてもよく、送電コイルの電気特性のみに基づいて異物検出が行われてもよいし、受電コイルの電気特性のみに基づいて異物検出が行われてもよい。
本実施形態の送電装置100は受電装置102を起動させて、相対的に大きい電力の伝送を開始してからは、周波数領域における第1Q値測定(第1異物検出処理)を行わずに、時間領域における第2Q値測定(第3異物検出処理)を行う。これにより、その大きな電力を伝送中に動作周波数を掃引する必要がなくなるため、低ノイズ環境での制御が可能となる。また、動作周波数を掃引する場合には、動作周波数を切り替えた際に周波数が安定するまでの待ち時間が必要になるが、時間領域における第2Q値の測定は、動作周波数が固定されるため、そのような待ち時間が必要ないため、高速に異物検出を行うことができる。なお、上述の第2基準Q値の設定は、第1Q値の測定に基づいて異物がない可能性が高いと判定された際に、複数の周波数において実行してもよい。この場合、何らかの理由で動作周波数を変更することとなった場合に、その変更後の動作周波数において第2Q値を用いた異物検出を迅速に実行することが可能となる。
本発明は、上述の実施形態の1以上の機能を実現するプログラムを、ネットワーク又は記憶媒体を介してシステム又は装置に供給し、そのシステム又は装置のコンピュータにおける1つ以上のプロセッサがプログラムを読出し実行する処理でも実現可能である。また、1以上の機能を実現する回路(例えば、ASIC)によっても実現可能である。
300:制御部、303:送電コイル、304:通信部、406:第3異物検出処理部、406:送電処理部

Claims (39)

  1. 送電コイルを介して、受電装置へ無線で送電する送電手段と、
    前記受電装置と通信する通信手段と、
    前記送電手段による送電が制限されている間に、前記送電コイルと受電コイルとの少なくともいずれかの電気特性に基づいて前記受電装置とは異なる物体の検出を行う検出手段と、
    前記通信手段により前記受電装置から前記受電装置とは異なる物体の検出の要求を受信したことに基づいて、前記受電装置が前記要求の再送を行うべき場合の当該再送のタイミングより後の所定のタイミングで、送電を制限するように前記送電手段を制御する制御手段と、
    を有することを特徴とする送電装置。
  2. 前記制御手段は、前記受電装置とは異なる物体の検出の要求に対する応答の後端から所定の時間の後に送電を制限し、
    前記所定の時間は、前記受電装置が前記物体の検出の要求を行ってから前記要求の再送が行われるまでの時間から、前記要求の後端から前記要求に対する応答の後端までの時間を減じた時間よりも長いことを特徴とする請求項1に記載の送電装置。
  3. 前記制御手段は、前記再送のタイミングにおいて前記要求が再送されたことを前記通信手段が検出した場合に、前記所定のタイミングでの送電の制限を行わないように前記送電手段を制御する、ことを特徴とする請求項1又は2に記載の送電装置。
  4. 前記制御手段は、前記再送された前記要求の受信が終わるまで、送電の制限を行わないように前記送電手段を制御する、ことを特徴とする請求項3に記載の送電装置。
  5. 前記制御手段は、前記再送のタイミングにおいて前記要求の再送を前記通信手段が検出しなかった場合に、前記所定のタイミングで送電を制限するように前記送電手段を制御する、ことを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の送電装置。
  6. 前記検出手段は、前記送電装置において前記送電コイルと共振コンデンサとからなる閉回路が構成され、前記受電装置において前記受電コイルと共振コンデンサとからなる閉回路が構成された状態において、前記電気特性を測定する、ことを特徴とする請求項1から5のいずれか1項に記載の送電装置。
  7. 前記受電装置とは異なる物体の検出を行う第2の検出手段を有し、
    前記第2の検出手段は前記検出手段と異なり、
    前記検出手段は、前記第2の検出手段によって前記受電装置とは異なる物体がない可能性が高いと判定された際に測定した前記電気特性を基準として設定し、設定された基準に基づいて、前記受電装置とは異なる物体の検出を行う、ことを特徴とする請求項1から6のいずれか1項に記載の送電装置。
  8. 前記検出手段は、前記第2の検出手段によって前記受電装置とは異なる物体がある可能性が高いと判定された際に測定した前記電気特性については基準として設定しない、ことを特徴とする請求項7に記載の送電装置。
  9. 前記検出手段は、複数の周波数において、前記第2の検出手段によって前記受電装置とは異なる物体がない可能性が高いと判定された際に測定した前記電気特性を基準として設定し、前記第2の検出手段によって前記受電装置とは異なる物体がある可能性が高いと判定された際に測定した前記電気特性については基準として設定しない、ことを特徴とする請求項7又は8に記載の送電装置。
  10. 前記第2の検出手段は、周波数領域におけるQ値に基づいて前記受電装置とは異なる物体の検出を行い、前記検出手段は、時間領域におけるQ値に基づいて前記受電装置とは異なる物体の検出を行う、ことを特徴とする請求項7から9のいずれか1項に記載の送電装置。
  11. 前記第2の検出手段による前記受電装置とは異なる物体の検出は、前記受電装置を起動させない大きさの電力を前記送電手段が出力している間に実行され、前記検出手段による前記受電装置とは異なる物体の検出は、前記受電装置を起動させる大きさの電力を前記送電手段が出力するようになってから実行される、ことを特徴とする請求項7から10のいずれか1項に記載の送電装置。
  12. 前記受電装置とは異なる物体の検出を行う第3の検出手段を有し、
    前記第3の検出手段は前記検出手段と異なり、
    前記第3の検出手段は、前記送電装置における送電電力と前記受電装置における受電電力との関係に基づいて前記受電装置とは異なる物体の検出を行い、
    前記第3の検出手段は、前記第2の検出手段によって前記受電装置とは異なる物体がない可能性が高いと判定され、前記検出手段によって前記受電装置とは異なる物体がない可能性が高いと判定された際の前記送電電力と前記受電電力との関係を基準として設定し、設定された基準に基づいて、前記受電装置とは異なる物体の検出を行う、
    ことを特徴とする請求項7から11のいずれか1項に記載の送電装置。
  13. 前記第3の検出手段は、前記第2の検出手段によって前記受電装置とは異なる物体がある可能性が高いと判定され、または、前記検出手段によって前記受電装置とは異なる物体がある可能性が高いと判定された際の前記送電電力と前記受電電力との関係を基準として設定しない、ことを特徴とする請求項12に記載の送電装置。
  14. 前記受電装置とは異なる物体の検出を行う第3の検出手段を有し、
    前記第3の検出手段は前記検出手段と異なり、
    前記第3の検出手段は、前記送電装置における送電電力と前記受電装置における受電電力との関係に基づいて前記受電装置とは異なる物体の検出を行う、ことを特徴とする請求項1から13のいずれか1項に記載の送電装置。
  15. 前記第3の検出手段は、前記検出手段によって前記受電装置とは異なる物体がない可能性が高いと判定された際の前記送電電力と前記受電電力との関係を基準として設定し、設定された基準に基づいて、前記受電装置とは異なる物体の検出を行う、ことを特徴とする請求項14に記載の送電装置。
  16. 前記第3の検出手段は、前記検出手段によって前記受電装置とは異なる物体がある可能性が高いと判定された際の前記送電電力と前記受電電力との関係については基準として設定しない、ことを特徴とする請求項15に記載の送電装置。
  17. 前記第3の検出手段による判定と前記検出手段による判定とが異なる場合に、前記第3の検出手段が基準の設定を再び実行する、ことを特徴とする請求項12から16のいずれか1項に記載の送電装置。
  18. 前記通信手段が、前記検出手段による判定の結果を前記受電装置へ通知し、当該通知に基づいて前記受電装置から前記第3の検出手段の基準の設定の要求を受信したことに基づいて、前記第3の検出手段は、基準の設定を再び実行する、ことを特徴とする請求項17に記載の送電装置。
  19. 前記通信手段が、前記第3の検出手段の基準の設定を促すメッセージを前記受電装置へ送信する、ことを特徴とする請求項17又は18に記載の送電装置。
  20. 前記通信手段は、前記受電装置が前記第3の検出手段の基準の設定することができる場合に、前記メッセージを前記受電装置へ送信する、ことを特徴とする請求項19に記載の送電装置。
  21. 前記メッセージは、前記受電装置からの信号に対する肯定応答または否定応答と同じデータ長を有し、前記肯定応答および前記否定応答と異なるパターンを有する、ことを特徴とする請求項19又は20に記載の送電装置。
  22. 前記第3の検出手段の基準の設定は、Wireless Power Consortiumの規格におけるCalibrationである、ことを特徴とする請求項17から21のいずれか1項に記載の送電装置。
  23. 前記第3の検出手段によって前記受電装置とは異なる物体がある可能性が高いと判定され、かつ、前記検出手段によって前記受電装置とは異なる物体がある可能性が高いと判定された場合に、前記制御手段は、送電を制限するように前記送電手段を制御する、ことを特徴とする請求項12から22のいずれか1項に記載の送電装置。
  24. 前記通信手段は、前記受電コイルにおける前記電気特性の情報を前記受電装置から取得する、ことを特徴とする請求項1から23のいずれか1項に記載の送電装置。
  25. 前記受電コイルにおける前記電気特性の情報が、前記受電装置から送信されたWireless Power Consortiumの規格におけるFOD Statusパケットによって取得される、ことを特徴とする請求項24に記載の送電装置。
  26. 前記送電コイルの前記電気特性は、前記送電装置が送電を制限した後に経過した時間と当該時間の経過に伴う当該送電コイルの電圧の降下量に基づき、前記受電コイルの前記電気特性は、前記送電装置が送電を制限した後に経過した時間と当該時間の経過に伴う当該受電コイルの電圧の降下量に基づく、ことを特徴とする請求項1から25のいずれか1項に記載の送電装置。
  27. 前記電気特性は、前記送電コイルと前記受電コイルとの結合係数である、ことを特徴とする請求項1から25のいずれか1項に記載の送電装置。
  28. 受電装置であって
    受電コイルを介して、送電装置から無線で受電する受電手段と、
    前記送電装置と通信する通信手段と、
    前記通信手段が前記送電装置へ、前記受電装置とは異なる物体の検出の要求を送信し、前記要求への応答を受信すると共に前記送電装置が送電を制限した場合、前記受電コイルと共振コンデンサとからなる閉回路を構成する構成手段と、
    を有し、
    前記要求への応答を受信しなかった場合、前記通信手段は所定の再送のタイミングにおいて前記要求を再送し、前記構成手段は前記閉回路を構成しない、
    ことを特徴とする受電装置。
  29. 前記構成手段が前記閉回路を構成しており、かつ、前記送電装置において送電コイルと共振コンデンサとからなる閉回路が構成されている状態において、前記受電コイルの電気特性を測定する測定手段をさらに有する、ことを特徴とする請求項28に記載の受電装置。
  30. 前記通信手段は、前記測定の結果を示す情報を前記送電装置へ通知する、ことを特徴とする請求項29に記載の受電装置。
  31. 前記通信手段は、前記測定の結果を示す情報を、Wireless Power Consortiumの規格におけるFOD Statusパケットによって送信する、ことを特徴とする請求項30に記載の受電装置。
  32. 前記電気特性は、時間領域におけるQ値である、ことを特徴とする請求項29から31のいずれか1項に記載の受電装置。
  33. 前記電気特性は、前記送電装置が送電を制限した後に経過した時間と当該時間の経過に伴う当該受電コイルの電圧の降下量に基づく、ことを特徴とする請求項29から32のいずれか1項に記載の受電装置。
  34. 前記電気特性は、前記送電コイルと前記受電コイルとの結合係数である、ことを特徴とする請求項29から33のいずれか1項に記載の受電装置。
  35. 前記送電装置における、送電を制限して前記受電装置とは異なる物体を検出する第1の方法による前記受電装置とは異なる物体の検出の結果と、送電を制限せずに前記受電装置とは異なる物体を検出する第2の方法による前記受電装置とは異なる物体の検出の結果とが一致しない場合に、前記通信手段は、前記第2の方法の基準の設定を実行することを要求する信号を前記送電装置へ送信する、ことを特徴とする請求項28から34のいずれか1項に記載の受電装置。
  36. 前記第2の方法の基準の設定は、Wireless Power Consortiumの規格におけるCalibrationである、ことを特徴とする請求項35に記載の受電装置。
  37. 送電コイルを介して、受電装置へ無線で送電することができ、前記受電装置と通信することができる送電装置によって実行される制御方法であって、
    前記受電装置から前記受電装置とは異なる物体の検出の要求を受信したことに基づいて、前記受電装置が前記要求の再送を行うべき場合の当該再送のタイミングより後の所定のタイミングで、送電を制限することと、
    前記送電を制限している間に、前記送電コイルと受電コイルとの少なくともいずれかの電気特性に基づいて前記受電装置とは異なる物体の検出を行うことと、
    を含むことを特徴とする制御方法。
  38. 受電コイルを介して、送電装置から無線で受電することができ、前記送電装置と通信することができる受電装置によって実行される制御方法であって、
    前記送電装置へ前記受電装置とは異なる物体の検出の要求を送信することと、
    前記要求への応答を受信すると共に前記送電装置が送電を制限した場合、前記受電コイルと共振コンデンサとからなる閉回路を構成することと、
    前記要求への応答を受信しなかった場合、前記閉回路を構成せずに、所定の再送のタイミングにおいて前記要求を再送することと、
    を含むことを特徴とする制御方法。
  39. コンピュータを、請求項1から請求項27のいずれか1項に記載の送電装置または請求項28から請求項36のいずれか1項に記載の受電装置として機能させるためのプログラム。
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