JP2023060523A - 車両制御方法及び車両制御装置 - Google Patents

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ダニエル ゴンゴラフロレス
Gongora Flores Daniel
裕史 高田
Yasushi Takada
真知子 平松
Machiko Hiramatsu
崇之 近藤
Takayuki Kondo
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Abstract

Figure 2023060523000001
【課題】自車両の目標走行軌道と交差又は重複する移動上を移動する第1道路利用者と、第1道路利用者の軌道と交差する軌道上を移動する第2道路利用者とが存在する場合に、第2道路利用者の通行を促進する。
【解決手段】自車両1の目標走行経路上で、交差点を含む区間又は自車線上に障害物が存在する区間を対象区間として検出し、自車両1の周囲の道路利用者を検出し、自車両1が対象区間を走行する目標走行軌道Ttと交差又は重複する予測軌道T1上を移動する道路利用者を第1道路利用者U1として識別し、第1道路利用者U1の予測軌道T1と交差する予測軌道T2上を移動する道路利用者を第2道路利用者U2として識別し、第1道路利用者U1が第2道路利用者U2に干渉する前に自車両1が第1道路利用者U1に干渉すると判定した場合に、自車両1が対象区間を通過する通過時間を増加させる。
【選択図】図2B

Description

本発明は、車両制御方法及び車両制御装置に関する。
特許文献1には、自動運転車両の目標走行軌道と交差する他の物体などに応じて、自動運転車両の速度計画を調整する技術が記載されている。
米国特許第10640111号明細書
しかしながら、特許文献1に記載の技術では、自車両の目標走行軌道と交差又は重複する軌道で移動する第1道路利用者の他に、第1道路利用者の軌道と交差する軌道で移動する第2道路利用者が、自車両の周囲に存在する場合に、第2道路利用者の通行を促進することができない。
本発明は、自車両の目標走行軌道と交差又は重複する軌道で移動する第1道路利用者と、第1道路利用者の軌道と交差する軌道で移動する第2道路利用者とが、自車両の周囲に存在する場合に、第2道路利用者の通行を促進することを目的とする。
本発明の一態様による車両制御方法では、自車両の将来の目標走行経路を設定し、目標走行経路上で、交差点を含む区間又は自車線上に障害物が存在する区間を対象区間として検出し、自車両が対象区間を走行する目標走行軌道を算出し、自車両の周囲の他車両又は歩行者を道路利用者として検出し、道路利用者の将来の移動軌道である予測軌道を予測し、自車両の目標走行軌道と交差又は重複する予測軌道上を移動する道路利用者を第1道路利用者として識別し、第1道路利用者の軌道と交差する予測軌道上を移動する道路利用者を第2道路利用者として識別し、第1道路利用者が第2道路利用者に干渉する前に自車両が第1道路利用者に干渉すると判定した場合に、自車両が対象区間を通過する通過時間を増加させる。
本発明によれば、自車両の目標走行軌道と交差又は重複する軌道で移動する第1道路利用者と、第1道路利用者の軌道と交差する軌道で移動する第2道路利用者とが、自車両の周囲に存在する場合に、第2道路利用者の通行を促進できる。
実施形態の車両制御装置の例の概略構成図である。 実施形態の車両制御方法の説明図である。 実施形態の車両制御方法の説明図である。 コントローラの機能構成の一例のブロック図である。 対象区間の一例の説明図である。 対象区間の一例の説明図である。 対象区間の一例の説明図である。 対象区間の一例の説明図である。 対象区間の一例の説明図である。 対象区間の一例の説明図である。 対象区間の一例の説明図である。 対象区間の一例の説明図である。 目標車速プロファイルの第1例の模式図である。 目標車速プロファイルの第2例の模式図である。 目標車速プロファイルの第3例の模式図である。 実施形態の車両制御方法の一例のフローチャートである。 自車両、第1道路利用者、第2道路利用者の干渉の評価方法の一例のフローチャートである。 第1道路利用者が自車両に進路を譲っているか否かを判定する処理の一例のフローチャートである。
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しつつ説明する。なお、各図面は模式的なものであって、現実のものとは異なる場合がある。また、以下に示す本発明の実施形態は、本発明の技術的思想を具体化するための装置や方法を例示するものであって、本発明の技術的思想は、構成部品の構造、配置等を下記のものに特定するものではない。本発明の技術的思想は、特許請求の範囲に記載された請求項が規定する技術的範囲内において、種々の変更を加えることができる。
(構成)
図1は、実施形態の車両制御装置の例の概略構成図である。自車両1は、自車両1の走行を制御する車両制御装置10を備える。車両制御装置10による走行制御は、自車両1の周辺の走行環境に基づいて、運転者が関与せずに自車両1を自動で運転する自律運転制御や、自車両1の駆動、制動及び操舵 の少なくとも1つを制御することにより運転者による自車両1の運転を支援する運転支援制御を含む。運転支援制御は、例えば自動操舵、自動ブレーキ、先行車追従制御、定速走行制御、車線維持制御、合流支援制御などであってよい。
車両制御装置10は、物体センサ11と、車両センサ12と、測位装置13と、地図データベース(地図DB)14と、通信装置15と、ナビゲーション装置16と、アクチュエータ17と、コントローラ18と、警報部19と、を備える。
物体センサ11は、自車両1に搭載されたレーザレーダやミリ波レーダ、カメラ、LIDAR(Light Detection and Ranging、Laser Imaging Detection and Ranging)など、自車両1の周辺の物体を検出する複数の異なる種類の物体検出センサを備える。
車両センサ12は、自車両1に搭載され、自車両1から得られる様々な情報(車両信号)を検出する。車両センサ12には、例えば、自車両1の車速を検出する車速センサ、自車両1のタイヤの回転速度を検出する車輪速センサ、自車両1の3軸方向の加速度及び減速度を検出する3軸加速度センサ、ステアリングホイールの操舵角を検出する操舵角センサ、操向輪の転舵角を検出する転舵角センサ、自車両1の角速度を検出するジャイロセンサ、ヨーレートを検出するヨーレートセンサ、自車両のアクセル開度を検出するアクセルセンサと、運転者によるブレーキ操作量を検出するブレーキセンサが含まれる。
測位装置13は、全地球型測位システム(GNSS)受信機を備え、複数の航法衛星から電波を受信して自車両1の現在位置を測定する。GNSS受信機は、例えば地球測位システム(GPS)受信機等であってよい。測位装置13は、例えば慣性航法装置であってもよい。
地図データベース14は、道路地図データを記憶している。例えば地図データベース14は、自動運転用の地図情報として好適な高精度地図データ(以下、単に「高精度地図」という)を記憶してよい。地図データベース14は、ナビゲーション用の地図データ(以下、単に「ナビ地図」という)を記憶してもよい。
通信装置15は、自車両1の外部の通信装置との間で無線通信を行う。通信装置15による通信方式は、例えば公衆携帯電話網による無線通信や、車車間通信、路車間通信、又は衛星通信であってよい。
ナビゲーション装置16は、測位装置13により自車両の現在位置を認識し、その現在位置における地図情報を地図データベース14から取得する。ナビゲーション装置16は、乗員が入力した目的地までの目標走行経路を設定し、この目標走行経路に従って乗員に経路案内を行う。また、ナビゲーション装置16は、設定した目標走行経路の情報をコントローラ18へ出力する。自律運転制御の際に、コントローラ18はナビゲーション装置16が設定した目標走行経路に沿って走行するように自車両1を自動で運転する。
アクチュエータ17は、コントローラ18からの制御信号に応じて、自車両のステアリングホイール、アクセル開度及びブレーキ装置を操作して、自車両の車両挙動を発生させる。アクチュエータ17は、ステアリングアクチュエータと、アクセル開度アクチュエータと、ブレーキ制御アクチュエータを備える。ステアリングアクチュエータは、自車両のステアリングの操舵方向及び操舵量を制御する。アクセル開度アクチュエータは、自車両のアクセル開度を制御する。ブレーキ制御アクチュエータは、自車両のブレーキ装置の制動動作を制御する。
警報部19は、自車両1の外面(例えば、屋根、前面及び/又は背面)に設けられ、コントローラ18が出力する視覚的情報を自車両1の車外へ向けて表示する。警報部19は、例えば、コントローラ18が出力する文字、画像情報を表示するディスプレイであってもよい。
コントローラ18は、自車両1の走行制御を行う電子制御ユニットである。コントローラ18は、プロセッサ18aと、記憶装置18b等の周辺部品とを含む。プロセッサ18aは、例えばCPUやMPUであってよい。
記憶装置18bは、半導体記憶装置や、磁気記憶装置、光学記憶装置等を備えてよい。記憶装置18bは、レジスタ、キャッシュメモリ、主記憶装置として使用されるROM及びRAM等のメモリを含んでよい。
以下に説明するコントローラ18の機能は、例えばプロセッサ18aが、記憶装置18bに格納されたコンピュータプログラムを実行することにより実現される。
なお、コントローラ18を、以下に説明する各情報処理を実行するための専用のハードウエアにより形成してもよい。例えば、コントローラ18は、汎用の半導体集積回路中に設定される機能的な論理回路を備えてもよい。例えばコントローラ18はFPGA等のPLD等を有していてもよい。
次に、コントローラ18による走行制御方法の一例を説明する。いま、図2Aに示すように、自車両1が目標走行経路に沿って、自車両1の進路前方の交差点で対向車線を跨がって曲がり(図2Aの例では左折し)、交差道路に進入するシーンを想定する。
自車両1の周囲には、道路上を走行する他車両U1や、道路上を歩行する歩行者U2が存在する。本明細書において、これら道路上を移動する又は移動しようとする車両や歩行者を「道路利用者」と表記する。
図2Aでは、自車両1に後続する他車両U1と、自車両1及び他車両U1が走行している道路を横断しようとしている歩行者U2とを、道路利用者の例として示している。
このようなシーンでは、自車両1の目標走行軌道Ttと他車両U1の軌道T1とが領域R1で重複しているため、自車両1が交差点で曲がるまで他車両U1は交差点を直進できない。また、他車両U1の軌道T1と歩行者U2の軌道T2とが交差しているため、他車両U1が交差点を直進すると、歩行者U2は道路を横断できない。
したがって、自車両1が交差点で曲がることにより、他車両U1が交差点を直進する軌道に自車両1が干渉しなくなると、他車両U1は交差点を直進できるようになる。この結果、歩行者U2が道路を横断できず通行が阻害されることがある。
また、歩行者U2から見て他車両U1が自車両1の死角に入っている場合や、他車両U1から見て歩行者U2が自車両1の死角に入っている場合には、他車両U1と歩行者U2とが互いの接近に気づかず、両者が過度に接近する虞がある。
そこでコントローラ18は、他車両U1が歩行者U2の通行を阻害しないように、自車両1が交差点を通過する通過時間を調整する。
図2Bを参照する。コントローラ18は、自車両の将来の目標走行経路上で、交差点を含む区間を対象区間として検出する。例えば図2Bは、交差点として、T字路を含む対象区間が検出された例を示している。コントローラ18は、自車両1の周囲の道路利用者U1、U2の将来の移動軌道である予測軌道T1、T2を予測する。
そして、自車両1の目標走行軌道Ttと交差又は重複する予測軌道T1上を移動する道路利用者を、第1道路利用者U1として識別する。また、第1道路利用者U1の予測軌道T1と交差する予測軌道T2上を移動する道路利用者を、第2道路利用者U2として識別する。そして第1道路利用者U1が第2道路利用者U2に干渉する前に自車両1が第1道路利用者U1に干渉すると判定した場合に、自車両1が対象区間を通過する通過時間を増加させる。
これにより、第1道路利用者U1が、第2道路利用者U2の予測軌道T2の位置まで到達する時間を遅らせることができる。第2道路利用者U2は、自車両1が第1道路利用者U1を遅らせている間に予測軌道T2上を移動することができるので、第2道路利用者の通行を促進できる。また、第1道路利用者U1と第2道路利用者U2とが過度に接近するのを防止できる。
なお、図2A及び図2Bの例では、交差点を含む区間を対象区間として検出したが、後述するように自車両の将来の目標走行経路上で自車線上に障害物が存在する区間を対象区間として検出してもよい。
図3を参照してコントローラ18を詳しく説明する。コントローラ18は、物体検出部30と、自車両位置推定部31と、地図取得部32と、検出統合部33と、物体追跡部34と、地図内位置演算部35と、目標走行軌道生成部36と、車両制御部37を備える。
物体検出部30は、物体センサ11の検出信号に基づいて、自車両1の周辺の物体、例えば車両やバイク、歩行者、障害物などの位置、姿勢、大きさ、速度などを検出する。物体検出部30は、通信装置15による車車間通信、路車間通信を介して他車両やインフラストラクチャーから自車両1の周辺の物体の情報を取得してもよい。
自車両位置推定部31は、測位装置13による測定結果や、車両センサ12からの検出結果を用いたオドメトリに基づいて、自車両1の絶対位置、すなわち、所定の基準点に対する自車両1の位置、姿勢及び速度を計測する。
地図取得部32は、地図データベース14から自車両1が走行する道路の構造を示す地図情報を取得する。地図取得部32は、通信装置15により外部の地図データサーバから地図情報を取得してもよい。
検出統合部33は、複数の物体検出センサの各々から物体検出部30が得た複数の検出結果を統合して、各物体に対して一つの検出結果を出力する。
具体的には、物体検出センサの各々から得られた物体の挙動から、各物体検出センサの誤差特性などを考慮した上で、最も誤差が少なくなる最も合理的な物体の挙動を算出する。例えば、センサ・フュージョン技術を用いて、複数種類のセンサの検出結果を総合的に評価して、より正確な検出結果を取得する。
物体追跡部34は、物体検出部30によって検出された物体を追跡する。具体的には、検出統合部33により統合された検出結果に基づいて、異なる時刻に出力された物体の挙動から、異なる時刻間における物体の同一性の検証(対応付け)を行い、かつ、その対応付けを基に、物体の速度などの挙動を予測する。
地図内位置演算部35は、自車両位置推定部31により得られた自車両1の絶対位置、及び地図取得部32により取得された地図情報から、地図上における自車両1の位置及び姿勢を推定する。また、地図内位置演算部35は、自車両1が走行している走行道路を特定する。さらに自車両1が走行する車線を特定する。
目標走行軌道生成部36は、自車両1を走行させる目標走行軌道Ttを生成する。目標走行軌道Ttは、例えば自車両1を走行させる目標軌道上の地点の点列と、これら点列の各々の地点における自車両1の車速の目標値とを含む情報であってよい。以下の説明において、目標走行軌道Tt上の自車両1の車速の目標値(すなわち車速計画)を「目標車速プロファイル」と表記する。
例えば目標走行軌道生成部36は、自車両1の現在位置及び姿勢と、ナビゲーションシステム等(図示せず)によって設定された目的地までの目標走行経路と、自車両1の周囲環境とに基づいて、自車両1を走行させる目標走行軌道Ttを算出する。例えば、自車両1の周辺の経路や物体の有無を表現する経路空間マップと、走行場の危険度を数値化したリスクマップとを生成し、自車両1の運動特性、経路空間マップと、リスクマップとに基づいて目標走行軌道を生成する。
特に、目標走行軌道生成部36は、自車両1の将来の目標走行経路上に、交差点を含む区間や自車線上に障害物が存在する区間である対象区間を検出した場合に、自車両1の周囲に存在する道路利用者が移動する将来の予測軌道と道路利用者の位置とに応じて、対象区間を通過する自車両1の通過速度を増加させる。
このため目標走行軌道生成部36は、対象区間検出部40と、道路利用者検出部41と、干渉評価部42と、通過速度設定部43と、を備える。
対象区間検出部40は、自車両1の将来の目標走行経路上に存在する対象区間を検出する。対象区間検出部40は、地図データベース14、物体センサ11の検出結果、通信装置15による車車間通信、路車間通信を介して他車両やインフラストラクチャーから取得した自車両1の周辺の情報に基づいて、対象区間を検出してよい。
対象区間の一例を図4A~図4Dに示す。対象区間は、例えば自車両1が走行する自車道路Roと交差道路Rcとが交差する交差点を含む区間であってよい。図4A~図4Dでは、T字路を含む対象区間を例示しているが、対象区間は、十字路や五叉路のような他の形状の交差点を含む区間であってもよい。
また例えば対象区間は、図5A~図5Dに示すように、自車線上に障害物が存在する区間であってもよい。図5A~図5Dでは、道路上に駐車車両が存在する対象区間を例示するが、対象区間は、他の種類の障害物が自車線上に存在する区間であってもよい。
図5A~図5Dの例では、自車両1の前方に駐車車両V5及びV6が駐車している区間を対象区間として検出してよい。
道路利用者検出部41は、自車両1の周囲の道路利用者を検出する。例えば道路利用者検出部41は、自車両1の将来の目標走行経路上に存在する交差点から所定距離(例えば50m)手前の地点に到達した時点で道路利用者の検出を開始してよい。
また例えば、自車両1の将来の目標走行経路の自車線上に存在する障害物のうち最も自車両1に近い障害物(図5A~図5Dの例では駐車車両V1)から所定距離(例えば15m)手前の地点に到達した時点で道路利用者の検出を開始してよい。
次に、道路利用者検出部41は、道路利用者の将来の移動軌道である予測軌道を予測する。例えば、道路利用者検出部41は、物体追跡部34が予測した道路利用者の挙動に基づいて道路利用者の予測軌道を予測してよい。
そして、自車両1の目標走行軌道Ttと交差又は重複する予測軌道T1上を移動する道路利用者を、第1道路利用者U1として識別する。また、第1道路利用者U1の予測軌道T1と交差する予測軌道T2上を移動する道路利用者を、第2道路利用者U2として識別する。
図4A~4Cの例は、自車両1が、進路前方の交差点で自車線の対向車線を横切って曲がり(図4Aの例では右折し)、交差道路Rcに進入するシーンである。図4Dの例は、自車両1が、進路前方の交差点で自車線の対向車線と反対側に曲がり(図4Aの例では左折し)、交差道路Rcに進入するシーンである。
図4Aのシーンでは、第1道路利用者U1は、自車両1が走行する自車線の対向車線を走行する対向車両であり、自車両1から見て交差点の反対側を走行している。第2道路利用者U2は、交差道路Rcを走行する車両であり、交差点において第2道路利用者U2の走行車線の対向車線と反対側に曲がり(図4Cの例では左折し)、自車道路Roへ進入しようとしている車両である。
図4Bのシーンでは、第1道路利用者U1は、自車両1が走行する自車線の対向車線を走行する対向車両であり、自車両1から見て交差点の反対側を走行している。第2道路利用者U2は、自車両1から見て交差点の反対側に設置された横断歩道上を移動して、自車道路Roを横断しようとしている歩行者である。
図4Cのシーンでは、第1道路利用者U1は、自車両1の後方を走行し且つ交差点を直進する予定の後続車両であり、第2道路利用者U2は、自車両1から見て交差点の反対側に設置された横断歩道上を移動して、自車道路Roを横断しようとする歩行者である。
図4Dのシーンでは、第1道路利用者U1は、自車両1の後方を走行し且つ交差点を直進する予定の後続車両であり、第2道路利用者U2は、交差道路Rcを走行する車両であり、交差点において第2道路利用者U2の走行車線の対向車線と反対側に曲がり、自車道路Roへ進入しようとしている車両である。
図5A~図5Dの例は、自車両1が、進路前方の障害物である駐車車両V5、V6が駐車している区間において自車線と対向車線との間の車線区分線を越えて、対向車線にはみ出して走行するシーンである。第1道路利用者U1は、対向車線を走行する対向車両である。
図5Aのシーンにおける第2道路利用者U2は、自車両1の後方を走行し、自車両1の後方において駐車車両V1~V4が駐車している区間において自車線と対向車線との間の車線区分線を越えて、対向車線にはみ出して走行しようとしている後続車両である。
図5Bのシーンにおける第2道路利用者U2は、駐車車両V1とV2の間の位置から発車し、駐車車両V1~V4が駐車している区間において自車線と対向車線との間の車線区分線を越えて、対向車線にはみ出して走行しようとしている駐車車両である。
図5Cのシーンにおける第2道路利用者U2は、駐車車両V7とV8との間、及び駐車車両V3とV4との間を通って、自車両1及び第1道路利用者U1が走行している道路を横断しようとしている歩行又は車両である。
図5Dのシーンにおける第2道路利用者U2は、対向車線に停車している駐車車両V7から降車しようとしている駐車車両V7の乗員である。駐車車両V7から降車する第2道路利用者U2は、図示のよう道路を横断するか、道路を横断せずに路肩へ移動すると予測される。
なお、図4A~図4D及び図5A~図5Dの例では、自車両1の目標走行軌道Ttと交差しない予測軌道上を移動する道路利用者を第2道路利用者U2として検出したが、道路利用者検出部41は、自車両1の目標走行軌道Ttと交差する予測軌道上を移動する道路利用者を第2道路利用者U2として検出してもよい。
図3を参照する。干渉評価部42は、自車両1と第1道路利用者U1との間の干渉と、第1道路利用者U1と第2道路利用者U2との間の干渉とを評価する。具体的には、第1道路利用者U1が第2道路利用者U2に干渉する前に、自車両1が第1道路利用者U1に干渉するか否かを判定する。
図4Aを参照する。例えば、干渉評価部42は、自車両1の目標走行軌道Ttと第1道路利用者U1の予測軌道T1とが交差又は重複する地点P1と、第1道路利用者U1の現在の位置との間の距離L1が、所定の閾値Lthより長いか否かを判定する。
距離L1が閾値Lthより長い場合には、干渉評価部42は、自車両1と第1道路利用者U1とが干渉しないと判定する。目標走行軌道Ttと予測軌道T1とが交差又は重複する地点P1から第1道路利用者U1が離れすぎている場合は、自車両1が第1道路利用者U1と干渉しにくく、また、自車両1が対象区間(図4Aの例では交差点)をゆっくり通過しても、第1道路利用者U1が第2道路利用者U2の予測軌道T2と交差する位置P2に第1道路利用者U1が到達するのを遅らせる効果がないからである。
距離L1が閾値Lth以下であり、且つ第1道路利用者U1が自車両1の後続車両である場合(例えば図4C及び図4Dの場合)には、干渉評価部42は、第1道路利用者U1が第2道路利用者U2に干渉する前に、自車両1が第1道路利用者U1に干渉すると判定する。
一方で、距離L1が閾値Lth以下であり、且つ第1道路利用者U1が自車両1の後続車両でない場合(例えば図4A、図4B、図5A~図5Bのように、第1道路利用者U1が自車両1の対向車両である場合)には、干渉評価部42は、第1道路利用者U1の予測軌道T1と第2道路利用者U2の予測軌道T2との交差地点P2の位置を評価する。
具体的には、交差地点P2と第1道路利用者U1の現在の位置との間の距離L2が、距離L1よりも長いか否かを判定する。
距離L2が距離L1以下である場合には、第1道路利用者U1は、自車両1の目標走行軌道Ttと交差する前に、第2道路利用者U2の予測軌道T2と交差する。このため、自車両1は、第1道路利用者U1が予測軌道T2と交差する前に第1道路利用者U1に干渉することができない。この場合、干渉評価部42は、自車両1と第1道路利用者U1との干渉は範囲外であり、第1道路利用者U1が第2道路利用者U2に干渉する前に自車両1が第1道路利用者U1に干渉しないと判定する。
例えば図4Bの例では、第1道路利用者U1は、目標走行軌道Ttと交差する前に、第2道路利用者U2の予測軌道T2と交差する。したがって、自車両1が第1道路利用者U1に干渉する前に、第1道路利用者U1が第2道路利用者U2に干渉してしまう。
距離L2が距離L1より長い場合には、干渉評価部42は、自車両1が対象区間をゆっくり通過することによって第1道路利用者U1を減速させる可能性を評価する。第1道路利用者U1を減速させる可能性がある場合に、第1道路利用者U1が第2道路利用者U2に干渉する前に自車両1が第1道路利用者U1に干渉すると判定する。
例えば干渉評価部42は、第1道路利用者U1の通行が自車両1の通行よりも優先されるか否かを判定する。第1道路利用者U1の通行が自車両1の通行よりも優先されない場合には、自車両1が対象区間をゆっくり通過することによって第1道路利用者U1を減速させる可能性があると判定する。自車両1が第1道路利用者U1よりも優先される場合には、第1道路利用者U1は、自車両1が対象区間を通過するのを待つと予測できるからである。
一方で、第1道路利用者U1の通行が自車両1の通行よりも優先される場合には、干渉評価部42は、第1道路利用者U1が自車両1に進路を譲っているか否かを判定する。第1道路利用者U1が自車両1に進路を譲っている場合には、自車両1が対象区間をゆっくり通過することによって第1道路利用者U1を減速させる可能性があると判定する。
例えば干渉評価部42は、第1道路利用者U1が目標走行軌道Ttと交差する前に停止した(すなわち目標走行軌道Ttを妨害しないように停止した)場合に、第1道路利用者U1が自車両1に進路を譲っていると判定してよい。第1道路利用者U1が減速していない場合には、第1道路利用者U1が自車両1に進路を譲っていないと判定してよい。
第1道路利用者U1が減速している場合に干渉評価部42は、第1道路利用者U1が目標走行軌道Ttと交差する前に停止できるか否かを予測する。第1道路利用者U1が目標走行軌道Ttと交差する前に停止できると予測した場合に、第1道路利用者U1が自車両1に進路を譲っていると判定してよい。
例えば干渉評価部42は、次式(1)に基づいて第1道路利用者U1が停止するまでの走行距離dsを予測することにより第1道路利用者U1の停止位置を予測し、が第1道路利用者U1目標走行軌道Ttと交差する前に停止できるか否かを予測してよい。
ds=dr-V1/(2×ar) …(1)
上式(1)において、drは空走距離であり、V1は第1道路利用者U1の車速であり、arは所定の減速度である。例えば減速度arは乗員に違和感を与えない値(例えば-3.4[m/s]程度)に設定してよい。
通過速度設定部43は、自車両1が対象区間を通過する際の目標車速プロファイルを設定する。
まず、通過速度設定部43は、対象区間において目標走行軌道Tt上を自車両が走行する目標車速プロファイルの初期値である初期目標車速プロファイルを設定する。通過速度設定部43は、目標走行軌道Ttの曲率と自車両1の車両諸元、自車両1の現在速度、自車両1の周囲の物体の位置及び速度、制限速度等に基づいて初期目標車速プロファイルを設定してよい。
第1道路利用者U1が第2道路利用者U2に干渉する前に、自車両1が第1道路利用者U1に干渉すると判定した場合、通過速度設定部43は、自車両1が対象区間を通過する通過時間が増加するように、初期目標車速プロファイルを更新することにより、自車両1が対象区間を通過する際の目標車速プロファイルを設定する。
例えば通過速度設定部43は、自車両1が対象区間を通過する通過時間が所定時間T増加するように初期目標車速プロファイルを更新してよい。所定時間Tは、固定値であってもよく、第2道路利用者U2に応じて異なる値に設定してよい。例えば、第2道路利用者U2が歩行者である場合に所定時間Tを3[秒]に設定し、第2道路利用者U2が車両である場合に所定時間Tを2[秒]に設定してよい。
目標車速プロファイルを更新する際に、通過速度設定部43は、走行状況(走行シーン)に応じて減速度や通過速度を演算してよい。
例えば、第1道路利用者U1が停車して自車両1に進路を譲っている場合には、通過速度設定部43は、通過時間が所定時間T増加するように減速度又は通過速度の少なくとも一方を変更してよい。
一方で、第1道路利用者U1が自車両1の後続車両である場合には、自車両1の減速により第1道路利用者U1の減速度が過大になって第1道路利用者U1の快適性や安全性が損なわれるのを回避することが望ましい。
したがって例えば通過速度設定部43は、通過時間を増加させる減速度を許容範囲内に制限すると共に、通過時間が所定時間T増加するように通過時間を所定時間T増加させるのに必要な最も低い減速度に設定する。
図4Cに例示した走行シーンを用いて、第1道路利用者U1が自車両1の後続車両である場合における減速度の算出方法を説明する。地点Pa、Pb及びPcは、それぞれ初期目標車速プロファイルにおいて、第1道路利用者U1が減速を開始する地点、減速を停止して目標通過速度Vtで定速走行を開始する地点、加速を開始する地点をそれぞれ示している。
目標通過速度Vtは、例えば第1道路利用者U1が存在せず初期目標車速プロファイルに従う速度で対象区間を通過する自車両1の最低速度の目標値である。目標通過速度Vtは、例えば目標通過速度Vtは、対象区間の曲率や自車両1の車両諸元に基づいて設定してよい。
図6Aは、目標区間における目標車速プロファイルの一例の模式図である。時刻Ta、Tb及びTcは、それぞれ初期目標車速プロファイルで走行した場合に自車両1が地点Pa、Pb及びPcを通過する通過時刻を示す。
図6Aの細い実線は、初期目標車速プロファイルを示す。初期目標車速プロファイルにおいて、時刻Taから時刻Tbまでの車速は減速度anで減速している。破線は、最大許容減速度atで減速した場合の車速プロファイルを示し、網掛けが施された範囲は、最大許容減速度at以下の減速度で減速した場合の車速プロファイルの範囲を示している。図6B及び図6Cにおいても同様である。最大許容減速度atは、対象区間を走行する自車両1の旋回半径に応じて決定してよい。例えば旋回半径が大きいほど最大許容減速度atを大きくしてもよい。また例えば、自車両の乗員の快適性、又は自車両の後続車両の快適性や快適性を損なわないように適度な減速度(例えば-3.4m/s程度)に設定してもよい。
通過速度設定部43は、自車両1が地点Paの手前又は地点Paで第1道路利用者U1を検出した場合には、図6Aの太実線で示すように、初期目標車速プロファイルの減速度anよりも大きく、最大許容減速度at以下に制限された減速度asで、地点Paから減速を開始する車速プロファイルを算出し、新しい目標車速プロファイルとして設定する。
通過速度設定部43は、時刻Tbよりも早い時刻で目標通過速度Vtに達して、その後に地点Pcで加速を開始するまで目標通過速度Vtで走行した場合に、通過時間の増加量が所定時間T以上となる最も小さな減速度asを算出する。
図6Bは、地点Paと地点Pbとの間を自車両1が走行中に第1道路利用者U1を検出した場合の目標車速プロファイルを示す。
この場合には、初期目標車速プロファイルの減速度anよりも大きく、最大許容減速度at以下に制限された減速度asで、第1道路利用者U1を検出した時点から減速を開始する車速プロファイル(太実線)を算出して、新しい目標車速プロファイルとして設定する。
通過速度設定部43は、時刻Tbよりも早い時刻で目標通過速度Vtに達して、その後に地点Pcで加速を開始するまで目標通過速度Vtで走行した場合に、通過時間の増加量が所定時間T以上となる最も小さな減速度asを算出する。
地点Paと地点Pbとの間を自車両1が走行中に第1道路利用者U1を検出した場合、第1道路利用者U1の検出が遅いと、第1道路利用者U1を検出した時点から最大許容減速度atで減速しても、対象区間を走行する最低速度が目標通過速度Vtである限り通過時間を所定時間T増加できないことがある。
この場合に通過速度設定部43は、図6Cに示すように、対象区間を走行する最低速度が目標通過速度Vtよりも低い第2目標通過速度Vt2に変更された目標プロファイル(太実線)を算出して、新しい目標車速プロファイルとして設定する。
第2目標通過速度Vtは、例えば、第1道路利用者U1を検出した時点から最大許容減速度atで第2目標通過速度Vt2まで減速し、その後に地点Pcで加速を開始するまで第2目標通過速度Vt2で走行した場合に、通過時間の増加量が所定時間T以上となるように算出してよい。
図3を参照する。通過速度設定部43は、自車両1の乗員又は第1道路利用者U1の乗員の快適性及び安全性に関する所定の制約条件に違反せずに通過時間を所定時間T増加させる目標車速プロファイルを生成できるか否かを確認する。
所定の制約条件は、例えば自車両1の減速度の上限値であってよい。また自車両1の減速に伴う後続車両である第1道路利用者U1の減速度の上限値であってよい。減速度の上限値は、例えば-3.4[m/s]であってもよい。また例えば、所定の制約条件は自車両1と第1道路利用者U1とが最も接近する距離の下限値であってもよい。
自車両1又は第1道路利用者U1の快適性及び安全性に関する所定の制約条件に違反せずに通過時間を所定時間T増加させる目標車速プロファイルを生成できない場合、通過速度設定部43は、第1道路利用者U1又は第2道路利用者U2に視覚的な警報を提示する。例えば通過速度設定部43は、第1道路利用者U1及び第2道路利用者U2の存在を知らせる文字、メッセージ、画像を警報部19に表示させてもよい。また、第1道路利用者U1や第2道路利用者U2が客室内に表示装置を有する車両である場合、通過速度設定部43は、通信装置15を介して第1道路利用者U1や第2道路利用者U2に警報信号を送信し、これらの客室内の表示装置に視覚的な警報を表示させてもよい。
車両制御部37は、目標走行軌道生成部36が生成した目標車速プロファイルに従う速度で自車両1が目標走行軌道Ttを走行するように、アクチュエータ17を駆動する。
(動作)
図7は、実施形態の車両制御方法の一例のフローチャートである。
ステップS1において対象区間検出部40は、自車両1の将来の目標走行経路上に、交差点を含む区間や自車線上に障害物が存在する区間を対象区間として検出する。
ステップS2において目標走行軌道生成部36は、対象区間を走行する自車両1の目標走行軌道Ttを生成する。その際に通過速度設定部43は、目標走行軌道Tt上を自車両が走行する目標車速プロファイルの初期値である初期目標車速プロファイルを設定する。
ステップS3において道路利用者検出部41は、自車両1の周囲の道路利用者を検出する。
ステップS4において道路利用者検出部41は、自車両1の目標走行軌道Ttと交差又は重複する予測軌道T1上を移動する第1道路利用者U1を識別する。
ステップS5において道路利用者検出部41は、第1道路利用者U1の予測軌道T1と交差する予測軌道T2上を移動する第2道路利用者U2を識別する。
ステップS6において干渉評価部42は、自車両1と第1道路利用者U1との間の干渉と、第1道路利用者U1と第2道路利用者U2との間の干渉と、を評価する。
例えば、自車両1の目標走行軌道Ttと第1道路利用者U1の予測軌道T1とが交差又は重複する地点P1と、第1道路利用者U1の現在の位置との間の距離L1が、所定の閾値Lthより長く、第1道路利用者U1が自車両1の後続車両である場合には、干渉評価部42は、第1道路利用者U1が第2道路利用者U2に干渉する前に、自車両1が第1道路利用者U1に干渉すると判定する。
一方で、第1道路利用者U1が後続車両でない場合に干渉評価部42は、例えば図8に示すような処理で、自車両1、第1道路利用者U1、第2道路利用者U2の干渉を評価する。
ステップS10において干渉評価部42は、距離L1が閾値Lthより長いか否かを判定する。距離L1が閾値Lthより長い場合(ステップS10:Y)に処理はステップS11へ進む。距離L1が閾値Lth以下である場合(ステップS10:N)に処理はステップS12へ進む。
ステップS11において干渉評価部42は、自車両1と第1道路利用者U1とが干渉しないと判定する。その後に処理は図7のステップS7へ進む。
ステップS12において干渉評価部42は、第1道路利用者U1の予測軌道T1と第2道路利用者U2の予測軌道T2との交差地点P2と第1道路利用者U1の現在の位置との間の距離L2が、距離L1よりも長いか否かを判定する。距離L2が距離L1よりも長い場合(ステップS12:Y)に処理はステップS14へ進む。距離L2が距離L1以下である場合(ステップS12:N)に処理はステップS13へ進む。
ステップS13において干渉評価部42は、自車両1と第1道路利用者U1との干渉は範囲外であり、第1道路利用者U1が第2道路利用者U2に干渉する前に自車両1が第1道路利用者U1に干渉しないと判定する。その後に処理は図7のステップS7へ進む。
ステップS14において干渉評価部42は、第1道路利用者U1の通行が自車両1の通行よりも優先されるか否かを判定する。第1道路利用者U1の通行が自車両1の通行よりも優先される場合(ステップS14:Y)に処理はステップS15へ進む。第1道路利用者U1の通行が自車両1の通行よりも優先されない場合(ステップS14:N)に処理はステップS16へ進む。
ステップS15において干渉評価部42は、第1道路利用者U1が自車両1に進路を譲っているか否かを判定する。
図9は、第1道路利用者U1が自車両1に進路を譲っているか否かを判定する処理の一例のフローチャートである。
ステップS20において干渉評価部42は、第1道路利用者U1が目標走行軌道Ttと交差する前に停止したか否かを判定する。第1道路利用者U1が停止した場合(ステップS20:Y)に処理はステップS24へ進む。第1道路利用者U1が停止していない場合(ステップS20:N)に処理はステップS21へ進む。
ステップS21において干渉評価部42は、第1道路利用者U1が減速中であるか否かを判定する。第1道路利用者U1が減速中である場合(ステップS21:Y)に処理はステップS22へ進む。第1道路利用者U1が減速中でない場合(ステップS21:N)に処理はステップS23へ進む。
ステップS22において干渉評価部42は、第1道路利用者U1が目標走行軌道Ttと交差する前に停止できるか否かを判定する。第1道路利用者U1が停止できる場合(ステップS22:Y)に処理はステップS24へ進む。第1道路利用者U1が停止できない場合(ステップS22:N)に処理はステップS23へ進む。
ステップS23において干渉評価部42は、第1道路利用者U1が自車両1に進路を譲っていないと判定する。その後に処理は図8のステップS13へ進む。
ステップS24において干渉評価部42は、第1道路利用者U1が自車両1に進路を譲っていないと判定する。その後に処理は図8のステップS16へ進む。
図8を参照する。ステップS16において干渉評価部42は、第1道路利用者U1が第2道路利用者U2に干渉する前に自車両1が第1道路利用者U1に干渉すると判定する。その後に処理は図7のステップS7へ進む。
図7を参照する。第1道路利用者U1が第2道路利用者U2に干渉する前に、自車両1が第1道路利用者U1に干渉する場合(ステップS7:Y)に処理はステップS8へ進む。そうでない場合(ステップS7:N)に目標車速プロファイルを更新せずに処理は終了する。
ステップS8において通過速度設定部43は、自車両1が対象区間を通過する通過時間が増加するように、目標車速プロファイルを更新する。車両制御部37は、更新後の目標速度プロファイルに従う速度で自車両1が目標走行軌道を走行するように、アクチュエータ17を駆動する。その後に処理は終了する。
(実施形態の効果)
(1)コントローラ18は、自車両1の将来の目標走行経路を設定し、目標走行経路上で、交差点を含む区間又は自車線上に障害物が存在する区間を対象区間として検出し、自車両1が対象区間を走行する目標走行軌道Ttを算出し、自車両1の周囲の他車両又は歩行者を道路利用者として検出し、道路利用者の将来の移動軌道である予測軌道を予測し、自車両1の目標走行軌道Ttと交差又は重複する予測軌道T1上を移動する道路利用者を第1道路利用者U1として識別し、第1道路利用者U1の予測軌道T1と交差する予測軌道T2上を移動する道路利用者を第2道路利用者U2として識別し、第1道路利用者U1が第2道路利用者U2に干渉する前に自車両1が第1道路利用者U1に干渉するか否かを判定し、第1道路利用者U1が第2道路利用者U2に干渉する前に自車両1が第1道路利用者U1に干渉すると判定した場合に、自車両1が対象区間を通過する通過時間を増加させる。
これにより、第1道路利用者U1が、第2道路利用者U2の予測軌道T2の位置まで到達する時間を遅らせることができる。第2道路利用者U2は、自車両1が第1道路利用者U1を遅らせている間に予測軌道T2上を移動することができるので、第2道路利用者の通行を促進できる。また、第1道路利用者U1と第2道路利用者U2とが過度に接近するのを防止できる。
(2)第1道路利用者U1が第2道路利用者U2に干渉する前に自車両1が第1道路利用者U1に干渉するか否かを判定することは、第1道路利用者U1が、目標走行軌道Ttと第1道路利用者U1の予測軌道T1とが交差又は重複する地点P1から所定距離以内にある場合に、第1道路利用者U1の予測軌道T1と第2道路利用者U2の予測軌道T2との交差地点P2の位置を評価することと、対象区間を自車両1がゆっくり通過することによって第1道路利用者U1を減速させる可能性を評価することと、を含んでもよい。
これにより、自車両1が対象区間を通過する通過時間を増加させることによって、第2道路利用者の通行を促進できるか否かを判定できる。
(3)交差地点P2の位置を評価することは、目標走行軌道Ttと第1道路利用者U1の予測軌道T1とが交差又は重複する地点P1が、交差地点P2よりも第1道路利用者U1に近いか否かを判定することを含んでもよい。
これにより、自車両1が第1道路利用者U1を減速させることができるか否かを判定できる。
(4)第1道路利用者U1を減速させる可能性を評価することは、第1道路利用者U1の通行が自車両1の通行よりも優先される場合に、第1道路利用者U1が目標走行軌道Ttを妨害しないように停止した又は停止できるか否かを判定することを含んでもよい。
これにより、自車両1が第1道路利用者U1を減速させることができるか否かを判定できる。
(5)コントローラ18は、第1道路利用者U1が所定の減速度未満で減速した場合の第1道路利用者U1の停止位置を予測することにより、第1道路利用者U1が目標走行軌道Ttを妨害せずに停止できるか否かを判定してもよい。
これにより、目標走行軌道Ttと干渉する軌道T1で走行する第1道路利用者U1が目標走行軌道Ttを妨害せずに停止できるか否かを判定できる。
(6)自車両1が対象区間を通過する通過時間を増加させることは、第1道路利用者U1が停止して自車両1に進路を譲った場合に、通過時間が所定時間増加させるのに要する減速度又は通過速度の少なくとも一方を算出することを含んでもよい。または、第1道路利用者U1が自車両1の後続車両である場合に、通過時間を所定時間増加させるのに要する最低減速度を所定の許容範囲内において算出することを含んでもよい。または、第1道路利用者U1が自車両1の後続車両である場合に、通過時間を所定時間増加させるのに要する最低減速度を所定の許容範囲内において算出するとともに通過速度を低下させることを含んでもよい。
これにより、走行状況(走行シーン)に応じて減速度や通過速度を設定できる。例えば、自車両1の後続車両である場合に、自車両1の減速により第1道路利用者U1の減速度が過大になって第1道路利用者U1の快適性や安全性が損なわれるのを回避できる。
(7)コントローラ18は、第1道路利用者U1が自車両1の後続車両である場合に、自車両1を減速させる減速度の許容範囲を、対象区間を走行する自車両1の旋回半径、自車両1の乗員の快適性、又は自車両1の後続車両の安全性若しくは快適性に応じて、決定してもよい。これにより、自車両1を減速させる減速度が過大にならないように制限できる。
(8)コントローラ18は、通過時間の増加量を第2道路利用者U2の種類に応じて決定してもよい。これにより、第1道路利用者U1が第2道路利用者U2の通行を妨げないように、自車両1が対象区間を通過する時間を十分に増加させることができる。
(9)コントローラ18は、自車両1の乗員又は第1道路利用者U1の乗員の快適性及び安全性に関する所定の制約条件に違反せずに通過時間を所定時間増加させることができないと判定した場合に、第1道路利用者U1又は第2道路利用者U2に視覚的な警報を提示してもよい。
これにより、自車両1が第1道路利用者U1を十分に遅らせることができず第1道路利用者U1が第2道路利用者U2の通行を阻害する虞があることを、第1道路利用者U1と第2道路利用者U2とに知らせることができる。
1…自車両、10…車両制御装置、11…物体センサ、12…車両センサ、13…測位装置、14…地図データベース、15…通信装置、16…ナビゲーション装置、17…アクチュエータ、18…コントローラ、18a…プロセッサ、18b…記憶装置、30…物体検出部、31…自車両位置推定部、32…地図取得部、33…検出統合部、34…物体追跡部、35…地図内位置演算部、36…目標走行軌道生成部、37…車両制御部、40…対象区間検出部、41…道路利用者検出部、42…干渉評価部、43…通過速度設定部

Claims (10)

  1. 自車両の将来の目標走行経路を設定し、
    前記目標走行経路上で、交差点を含む区間又は自車線上に障害物が存在する区間を対象区間として検出し、
    前記自車両が前記対象区間を走行する目標走行軌道を算出し、
    前記自車両の周囲の他車両又は歩行者を道路利用者として検出し、
    前記道路利用者の将来の移動軌道である予測軌道を予測し、
    前記自車両の目標走行軌道と交差又は重複する予測軌道上を移動する前記道路利用者を第1道路利用者として識別し、
    前記第1道路利用者の予測軌道と交差する予測軌道上を移動する前記道路利用者を第2道路利用者として識別し、
    前記第1道路利用者が前記第2道路利用者に干渉する前に前記自車両が前記第1道路利用者に干渉するか否かを判定し、
    前記第1道路利用者が前記第2道路利用者に干渉する前に前記自車両が前記第1道路利用者に干渉すると判定した場合に、前記自車両が前記対象区間を通過する通過時間を増加させる、
    ことを特徴とする車両制御方法。
  2. 前記第1道路利用者が前記第2道路利用者に干渉する前に前記自車両が前記第1道路利用者に干渉するか否かを判定することは、
    前記第1道路利用者が、前記目標走行軌道と前記第1道路利用者の予測軌道とが交差又は重複する地点から所定距離以内にある場合に、前記第1道路利用者の予測軌道と前記第2道路利用者の予測軌道との交差地点の位置を評価することと、
    前記対象区間を前記自車両がゆっくり通過することによって前記第1道路利用者を減速させる可能性を評価することと、
    を含むことを特徴とする請求項1に記載の車両制御方法。
  3. 前記交差地点の位置を評価することは、前記目標走行軌道と前記第1道路利用者の予測軌道とが交差又は重複する地点が、前記交差地点よりも前記第1道路利用者に近いか否かを判定することを含むことを特徴とする請求項2に記載の車両制御方法。
  4. 前記第1道路利用者を減速させる可能性を評価することは、前記第1道路利用者の通行が前記自車両の通行よりも優先される場合に、前記第1道路利用者が前記目標走行軌道を妨害しないように停止した又は停止できるか否かを判定することを含むこと特徴とする請求項2又は3に記載の車両制御方法。
  5. 前記第1道路利用者が所定の減速度未満で減速した場合の前記第1道路利用者の停止位置を予測することにより、前記第1道路利用者が前記目標走行軌道を妨害せずに停止できるか否かを判定することを特徴とする請求項4に記載の車両制御方法。
  6. 前記通過時間を増加させることは、
    前記第1道路利用者が停止して前記自車両に進路を譲った場合に、前記通過時間が所定時間増加させるのに要する減速度又は通過速度の少なくとも一方を算出すること、
    前記第1道路利用者が前記自車両の後続車両である場合に、前記通過時間を所定時間増加させるのに要する最低減速度を所定の許容範囲内において算出すること、又は
    前記第1道路利用者が前記自車両の後続車両である場合に、前記通過時間を所定時間増加させるのに要する最低減速度を所定の許容範囲内において算出するとともに前記通過速度を低下させること、
    のいずれかを含むことを特徴とする請求項1に記載の車両制御方法。
  7. 前記許容範囲を、前記対象区間を走行する自車両の旋回半径、前記自車両の乗員の快適性、又は前記自車両の後続車両の安全性若しくは快適性に応じて決定することを特徴とする請求項6に記載の車両制御方法。
  8. 前記通過時間の増加量を前記第2道路利用者の種類に応じて決定することを特徴とする請求項6に記載の車両制御方法。
  9. 前記自車両の乗員又は前記第1道路利用者の乗員の快適性及び安全性に関する所定の制約条件に違反せずに前記通過時間を所定時間増加させることができないと判定した場合に、前記第1道路利用者又は前記第2道路利用者に視覚的な警報を提示することを特徴とする請求項6に記載の車両制御方法。
  10. 自車両の将来の目標走行経路を設定する処理と、前記目標走行経路上で、交差点を含む区間又は自車線上に障害物が存在する区間を対象区間として検出する処理と、前記自車両が前記対象区間を走行する目標走行軌道を算出する処理と、前記自車両の周囲の他車両又は歩行者を道路利用者として検出する処理と、前記道路利用者の将来の移動軌道である予測軌道を予測する処理と、前記自車両の目標走行軌道と交差又は重複する予測軌道上を移動する前記道路利用者を第1道路利用者として識別する処理と、前記第1道路利用者の予測軌道と交差する予測軌道上を移動する前記道路利用者を第2道路利用者として識別する処理と、前記第1道路利用者が前記第2道路利用者に干渉する前に前記自車両が前記第1道路利用者に干渉するか否かを判定し、前記第1道路利用者が前記第2道路利用者に干渉する前に前記自車両が前記第1道路利用者に干渉すると判定した場合に、前記自車両が前記対象区間を通過する通過時間を増加させる処理と、を実行するコントローラを備えることを特徴とする車両制御装置。
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