JP2023060471A - 紙カップ用原紙 - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明の目的は、小口からの液体の吸収に伴う破れや剥離が生じにくい紙カップ用原紙およびその製造方法を提供することである。【解決手段】本発明は、パルプを主成分とする坪量が350g/m2未満である単層抄きの紙カップ用原紙であって、サイズ剤を含み、小口吸水度が0.6g/1000mm2以下であり、β線地合計で測定した地合指数が1.2以下であることを特徴とする紙カップ用原紙に関する。【選択図】なし

Description

本発明は、紙カップに用いる紙カップ用原紙に関する。
紙カップ用の原紙が知られている(例えば、特許文献1~3)。一般的に、紙カップは、紙の表面にポリエチレンを薄くラミネートした紙を使用し、必要に応じて印刷をした後、ポリエチレンがラミネートされた面を内側となるようにカップ成型することで得ることができる。
特開2012-219381号公報 特開2019- 65436号公報 特開2019- 52382号公報
紙カップ用原紙には少なくとも一方の表面にラミネートを施すが、小口(断面)はラミネートされない。したがって、カップの中に注いだ液体やカップ表面の結露水が浸透することがあり原紙の破れや剥離などのトラブルの原因となる。本発明の目的はこのような問題点を解消し、小口からの液体の吸収に伴う破れや剥離が生じにくい紙カップ用原紙およびその製造方法を提供することにある。
本発明者らは、紙カップ用原紙について鋭意検討を重ねた結果、次の構成によって、課題を解決できることを見出した。すなわち、本発明に係る紙カップ用原紙は、パルプを主成分とする坪量が350g/m未満である単層抄きの紙カップ用原紙であって、サイズ剤を含み、小口吸水度が0.6g/1000mm以下であり、β線地合計で測定した地合指数が1.2以下であることを特徴とする。また、本発明においては、パルプ100質量部に対して0.1~0.8質量%のサイズ剤を含むことが好ましく、また、サイズ剤が、強化ロジンサイズ剤、中性ロジンサイズ剤、中性ロジンエマルションサイズ剤、酸性ロジンサイズ剤、酸性ロジンエマルションサイズ剤、弱酸性ロジンサイズ剤、弱酸性ロジンエマルションサイズ剤、AKD(アルキルケテンダイマー)、ASA(アルケニル無水コハク酸)からなる群から選択させる一つ以上であることが好ましい。さらに、本発明は、前記紙カップ用原紙よりなる紙カップに関する。本発明の紙カップ用原紙を用いて成形した紙カップは、カップに液体を注いだ後でも胴部貼り合わせ部の断面からの液体の浸入が抑えられ、破れや剥離が生じにくい紙カップとなる。
さらに、坪量が350g/m未満である単層抄きの紙カップ用原紙の製造方法であって、パルプ100質量部に対して0.1~0.8質量%のサイズ剤を含むパルプを主成分とする抄紙原料を、抄紙機入口濃度であるインレット濃度0.5~1.5質量%により、抄紙機により抄紙することを特徴とする製造方法によって、前記課題を解決できることを見出した。さらに、本発明の製造方法においては、サイズ剤が、強化ロジンサイズ剤、中性ロジンサイズ剤、中性ロジンエマルションサイズ剤、酸性ロジンサイズ剤、酸性ロジンエマルションサイズ剤、弱酸性ロジンサイズ剤、弱酸性ロジンエマルションサイズ剤、AKD(アルキルケテンダイマー)、ASA(アルケニル無水コハク酸)からなる群から選択させる一つ以上であることが好ましい。
本発明の紙カップ用原紙およびその製造方法によれば、成形後の紙カップにおいて胴部貼り合わせ部の断面からの液体の浸入が抑えられ、破れや剥離が生じにくい紙カップを提供することができる。
次に、本発明について実施形態を示して詳細に説明するが、本発明はこれらの記載に限定して解釈されない。本発明の効果を奏する限り、実施形態は種々の変形をしてもよい。
本発明の紙カップ用原紙は、パルプを主成分とする単層抄きの基紙からなる。基紙に用いるパルプのフリーネスは、200ml以上500ml以下であることが好ましい。より好ましくは300ml以上400ml以下である。200ml未満では、基紙が緻密となりすぎるため紙カップの成型の際に硬くなりすぎ、トップカール割れを生じやすくなる。また、500mlを超えると繊維間結合が弱くなり、紙力の低下が生じ容器加工後の諸強度が低く使用に支障をきたすおそれがある。本発明におけるパルプのフリーネスは、カナダ標準形ろ水度試験機(JIS P 8121:1995「パルプのろ水度試験方法」に準拠)で測定することによって得られる。
基紙に用いるパルプとしては、広葉樹漂白クラフトパルプ(LBKP)、針葉樹漂白クラフトパルプ(NBKP)、広葉樹漂白サルファイトパルプ(LBSP)、針葉樹漂白サルファイトパルプ(NBSP)、機械パルプ(GP、TMP、BCTMP)、脱墨パルプ(DIP)など既知のパルプを用いることができる。また、必要に応じて、木材パルプ以外に、非木材パルプ、合成パルプ、合成繊維などを適宜用いてもよい。なお、白色度、清潔感を得るためにはLBKP、NBKPを用いることが好ましい。パルプ繊維が短い方が平滑度を付与しやすく均一になりやすいためLBKPがより好ましい。パルプ配合を、使用するパルプ中において、LBKP90~100%またはLBKP95~100%とすることが好ましく、特にLBKP100%とすることが好ましい。
本実施形態に係る紙カップ用原紙の基紙には填料を配合してもよい。使用する填料としては、例えば、軽質炭酸カルシウム、重質炭酸カルシウム、タルク、クレー、カオリン、焼成クレー、二酸化チタン、水酸化アルミニウムである。しかし填料を配合することにより原紙強度が低下する恐れがあるため基紙中の填料配合率は2質量%以下が好ましく、1質量%以下がより好ましい。
本実施形態に係る紙カップ用原紙においては、基紙にサイズ剤を含有させる。サイズ剤を含有させることにより結露水やカップ中に注いだ液体の原紙小口からの侵入を防ぐことができる。使用するサイズ剤としては、特に限定するものではなく、強化ロジンサイズ剤、中性ロジンサイズ剤、中性ロジンエマルションサイズ剤、酸性ロジンサイズ剤、酸性ロジンエマルションサイズ剤、弱酸性ロジンサイズ剤、弱酸性ロジンエマルションサイズ剤、AKD(アルキルケテンダイマー)、ASA(アルケニル無水コハク酸)など各種公知のものが使用できるが、酸性ロジンエマルションサイズ剤が好ましい。紙カップ用原紙中のサイズ剤の含有量は、特に限定するものではないが、例えば酸性ロジンエマルションサイズ剤を使用した場合、パルプ100質量部に対して0.1~0.8質量%とすることが好ましく、0.2~0.6質量%とすることがより好ましい。0.1質量%未満では、小口からの液体侵入を十分に防止できない可能性がある。また、0.8質量%を超えると、サイズ剤がパルプ繊維の絡みつきを阻害し強度低下につながる可能性があり、抄紙工程の泡立ちまたは定着しきれないサイズ剤が循環するなど、工程汚れによりつながりやすく、実質的に生産できない場合がある。
本実施形態に係る紙カップ用原紙においては、本発明の目的とする効果を損ねない範囲で公知の製紙用添加剤を使用することができる。例えば、抄紙原料に紙力増強剤を添加することが好ましい。紙力増強剤を添加することにより、十分な層間強度の確保ができ、また、ケバや折れじわの発生を抑制することができる。紙力増強剤としては、特に限定するものではないがカチオン澱粉および両性澱粉やポリアクリルアミド系などの内添紙力増強剤が好ましい。例えば、抄紙原料において、紙力増強剤として両性ポリアクリルアミドをパルプ量に対して0.1~1.0質量%含有することが好ましい。さらには、凝集助剤としての硫酸バンド、歩留り向上剤、濾水性向上剤、着色染料、着色顔料、蛍光増白剤、蛍光消色剤、電荷調整剤またはピッチコントロール剤などの各種助剤を配合してもよい。例えば、凝集助剤として硫酸バンドをパルプ量に対して0.1~1.0質量%含有することが好ましい。
本実施形態に係る紙カップ用原紙では、単層抄紙であれば、基紙の製造方法は特に限定されるものではないが、例えば、長網抄紙機、円網抄紙機などの抄紙機を用いた単層抄紙とする。2層以上の多層抄きの場合、層間と層内を比較すると層間は明らかに繊維の絡みつきが小さく結果としてその部位は密度が小さくなる。このことより水の侵入を起こしやすく剥がれる可能性があるため本発明においては好ましくない。
本実施形態に係る紙カップ用原紙では、基紙の表面に表面サイズ液を塗布してもよい。表面サイズ液としては、例えば、澱粉、ポリビニルアルコール、ポリアクリルアミド系樹脂、アクリル系樹脂、ポリアミド系樹脂などの公知の水溶性高分子が上げられる。基紙片面当たり固形で0.1~2.0g/mとすることが好ましい。例えば、酸化澱粉を基紙片面当たり固形で0.2~1.5g/mと塗布することができる。表面サイズ液として塗布する表面紙力増強剤は、紙の横方向の引張破断伸びに影響を与えにくいため、本発明の目的とする効果を損なわない範囲で、一般的な表面紙力増強剤なども使用することができる。
表面サイズ液の塗布方法は、サイズプレスのようなポンドを設けるタイプ、ゲートロールサイズプレス若しくはシムサイザーのようなフィルムメタリングタイプ、ロッドコーターまたはエアーナイフコーターなどの公知の塗布機を用いることができるが、特に限定されるものではない。
本実施形態に係る紙カップ用原紙においては、基紙の表面に顔料を含有する塗工層を設けてもよい。塗工層は、基紙の一方の面に設けるかまたは基紙の両面に設けてもよい。塗工層に用いる顔料は、カオリンクレー、重質炭酸カルシウム、軽質炭酸カルシウム、酸化チタン、タルク、サチンホワイト、リトポン、シリカ、アルミナ、水酸化アルミニウム、酸化亜鉛、炭酸マグネシウム、焼成カオリンなどを用いることができる。また有機顔料も用いることができる。これらは単独で使用するか、または2種以上を組み合わせて使用してもよい。塗工層を基紙の両面に設ける場合は、一方の面に設ける塗工層と他方の面に設ける塗工層とは、同一の組成とするか、または異なる組成としてもよい。
本実施形態に係る紙カップ用原紙において、塗工層形成用の塗料には、必要に応じて、接着剤、分散剤、消泡剤、耐水化剤、着色染料、着色顔料、増粘剤などの通常使用されている各種助剤を用いてもよい。
本実施形態に係る紙カップ用原紙においては、基紙に塗工層形成用の塗料を塗工することで塗工層を設けることができる。基紙に塗工層形成用の塗料を塗工する方法は特に限定されるものではなく、メタリングサイズプレス、ゲートロールまたはシムサイザーなどの各種フィルムトランスファーコーター、エアーナイフコーター、ロッドコーター、ブレードコーター、ダイレクトファウンテンコーター、スプレーコーター、カーテンコーターなどの各方式を適宜使用する。塗工層の片面当たり乾燥塗工量は本発明の目的とする効果を損ねない範囲であれば制限はないが、塗工量が多すぎるとトップカール割れが生じやすくなるため、例えば、7~30g/mの範囲が好ましい。
本実施形態においては、紙カップ用原紙の小口吸収量を0.6g/1000mm以下とする。0.5g/1000mm以下が好ましく、0.4g/1000mm以下がより好ましい。0.6g/1000mmを超えると小口からの液体侵入を防止できない可能性がある。下限については特に設けるものではないが、0.1g/1000mm未満とするにはサイズ剤を多用するため結果として後述する繊維間結合の阻害に繋がり、原紙の破れにつながる可能性がある。ここで小口吸水量とは、小口からの水の吸収量の測定値である。小口吸水度の測定方法は紙カップ用原紙の表面および裏面より純水が浸透しないよう両面にセロテープを貼って表裏面全体を覆った後、原紙全体を一時間水に浸漬し小口断面積(サンプル小口総長さ×紙厚)あたりの重量増加量を測定するものである。小口吸水度A(g/1000mm)=重量増加量(g)×1000÷小口断面積(紙厚(mm)×小口総長さ(mm))で算出される。
水に対する耐久性を測定する方法として一般にステキヒトサイズやコブ吸水度がある。ステキヒトサイズ度は紙を水に浮かべると同時に上方より水滴を垂らし両者が接するまでの時間を測定するものである。コブ吸水度は紙表面の片面に水で覆い水の吸収量を測定するものである。いずれも大きい面積の紙表面からの水吸収量または吸収時間で測定されるが、本発明で課題としているカップ原紙断面からの水の侵入量を評価するには適していない。そこで、本発明においては、カップ原紙断面からの水の侵入量を評価するのに適している小口吸水度を使用する。当該小口吸水度であれば液体の表面張力の影響も的確に測定値に反映される。
本実施形態に係る紙カップ用原紙は、β線地合計で測定した地合指数が1.2以下である。地合指数は1.0以下が好ましく、0.8以下がより好ましい。地合指数の下限値は特に限定されないが、0.3以上であることが好ましく、0.5以上であることがより好ましい。地合指数が1.2を超えると微視的な坪量のばらつきが大きくなり疎密が生じる。本発明の紙カップ用原紙は、前述したようにサイズ剤を含有させて原紙の小口からの液体の浸入を防ぐものであるが、サイズ剤はパルプ繊維の繊維間結合を阻害する方向に働くため、紙が嵩高になりやすい傾向となる。そのような嵩高な紙において、微視的な坪量のばらつきが大きくなり疎密が生じる(地合が悪い)と、疎の部分から液体が浸入しやすく、更に液体が浸入した後の層間強度等の紙力の低下も著しくなると考えられる。また、カップに注いだ液体が小口から侵入される分には液体の表面張力によっては前述した疎の部分からの侵入を防ぐことは可能であるとも考えられるが、結露水は原紙の小口からの侵入だけでなく、紙が内包する空気中の水分が液体となって現れることもあり、これが前述の疎の部分に集中すると紙力の低下が著しくなる可能性がある。従って、本発明ではサイズ剤を含有させつつ、β線地合計で測定した地合指数を一定以下とする必要がある。
本実施形態における地合指数の測定で使用する地合計はβ線地合計、すなわちβ線放射線源を使用した地合計であり坪量(米坪量と呼ばれることもある。)の分布を示すものである。広く使用される地合計は光透過によるものであるが、パルプ成分、填料の種類および量、色相、白色度、パルプの叩解度合なども変動要素となり地合評価としては適していない。紙カップ用原紙は、前述のとおり、坪量の粗密の疎の部分より原紙小口からの液体吸収がしやすくなり、結果として破れ等につながる。β線地合計を用いて測定した地合指数は、カップ原紙の直径1mmで測定された坪量(単位坪量という。)の隔たりを指数化したものである。β線地合計は350g/m以上の坪量については精度に欠くため、本実施形態では基紙の坪量が350g/m未満の紙カップ用原紙を対象としている。
β線地合計で測定した地合指数を1.2以下とする方法としては、例えば、抄紙機入口原料の濃度(以降、原料濃度ということもある。)を低くすることがあげられる。したがって、本発明の坪量が350g/m未満である単層抄きの紙カップ用原紙の製造方法においては、パルプを主成分とする抄紙原料を、抄紙機入口濃度であるインレット濃度0.5~1.5質量%により、抄紙機により抄紙する。原料濃度を低くすることで紙カップ用原紙の地合を良くし、結果として地合指数を減少させることができる。長網抄紙機の場合、ヘッドボックスのインレット濃度は1.5質量%以下が好ましく、より好ましくは1.3質量%以下、1.1質量%以下が更に良い。1.5質量%を超えると地合指数が所望する範囲に入らず、疎密のバラツキが大きくなりやすい。上記原料濃度が0.5質量%未満となるとワイヤーからシートが剥がれづらくなりまたワイヤー上の歩留りも低下するため、0.5質量%が実質の下限値となる。また、紙カップ用原紙の坪量が150g/m以上の場合、原紙を均一にするために抄紙機に振動を与えるシェーキング装置を使用することが好ましい。シェーキング装置を用いて地合をコントロールする場合、例えばシェーキング条件としてはシェーキング幅10~20mmが好ましく、振動数2~4回/秒が好ましい。また同時に、抄紙機入口濃度であるインレット濃度を0.7~1.5質量%とすることが好ましい。
本実施形態において、地合指数は、例えば次のようにして求める。紙カップ用原紙の直径1mmで測定された坪量(単位坪量という。)を、70mm×70mmの測定面積について3.5mm×3.5mmのピッチで測定し、得られた400個の単位坪量の値について坪量の標準偏差、坪量の加重平均値を求める。そして、下記の計算式(数1)にしたがって算出した坪量規格化標準偏差(n.s.d=normalized standard deviation)を地合指数とする。
(数1)坪量規格化標準偏差(g/m)=坪量の標準偏差(g/m)/坪量の加重平均値(g/m1/2
本実施形態に係る紙カップ用原紙においては、含有水分率が6%~9%程度、例えば、9%以下であることが好ましい。含有水分率が9%を超えると内包する水分が液体となる量が多くなり紙力低下につながりやすい。6%未満では内包する水分は少なくなるが反面紙が硬く脆くなり割れなどの紙力低下につながりやすい。なお、含有水分率はJIS P8127:2010紙および板紙-ロットの水分試験方法-乾燥機による方法により測定を行った。
次に、実施例を挙げて本発明をより具体的に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。また、例中の「部」、「%」は、特に断らない限りそれぞれ「質量部」、「質量%」を示す。なお、添加部数は、固形分換算の値である。
以下に示す各実施例および各比較例で得られた紙カップ用原紙について次の評価を行った。評価結果を表1に示す。また、評価方法については次に示す。
<小口破れ>
各実施例および各比較例で得られた紙カップ用原紙の両面にエクストリュージョンコーター(溶融押出し機)にて低密度ポリエチレン(東ソー社製、ペトロセンDLZ19A)を塗工量が30g/mになるようにポリエチレンラミネートを施し、カップ成形機にて紙コップを成型し、成型した紙コップを純水中に1時間浸漬し、余分な水分を取り除き、小口部分を指でめくり、剥離具合で評価した。
◎:全くめくれず良好。(合格)
○:めくれず良好。(合格)
△:僅かにめくれる程度。(使用下限)
×:めくれが大きく破れる。(不合格)
<小口吸水度>
各実施例および各比較例で得られた紙カップ用原紙について下記の手順で測定した。
・表面および裏面より純粋が浸透しないよう両面に75mm巾セロテープを貼る。
・縦目50mm、横目125mmに断裁する。ここで浸漬前重量aを測定する。
・純水に1時間浸漬する。
・余分な水分をふき取り、浸漬後重量bを測定する。
・小口吸水度g/1000mm=(b-a)×1000÷(B×D)
B:紙厚mm、D:小口総長さmm=350mm
<地合指数>
紙カップ用原紙の直径1mmで測定された坪量(単位坪量という。)を、70mm×70mmの測定面積について3.5mm×3.5mmのピッチで地合計によって測定し、得られた400個の単位坪量の値について坪量の標準偏差、坪量の加重平均値を求める。そして、下記の計算式(数1)にしたがって算出した坪量規格化標準偏差(n.s.d=normalized standard deviation)を地合指数とする。地合計としては、アンバーテック社製 β線地合計(形式BFT-1)を使用し測定した。
(数1)
坪量規格化標準偏差(g/m)=坪量の標準偏差(g/m)/坪量の加重平均値(g/m1/2
(実施例1)
<基紙の作製>
広葉樹パルプ(L-BKP)100%からなるCSF350mlに調整したパルプを用い、トップワイヤーを装備した長網抄紙機によって坪量230g/mの基紙を抄速150m/minで単層で抄紙した。抄紙原料には紙力増強剤として両性ポリアクリルアミド(荒川化学工業社製、ポリストロン387)をパルプ量に対して0.5%、凝集助剤として硫酸バンドをパルプ量に対して0.6%、サイズ剤として酸性ロジンエマルジョンサイズ剤(星光PMC社製、AL-1203)をパルプ量に対して0.4%、を添加した。抄紙機のシェーキング条件は3回/秒、振幅幅は12mm、インレット濃度1.1%であった。
<サイズプレス>
基紙に酸化澱粉(日本食品化工社製 MS3800)の5%水溶液となるサイズ液をポンド式サイズプレスによって片面当たりの付着量が固形分換算で1.0g/mとなるように両面に塗布、乾燥した。
<平滑加工処理>
乾燥させた基紙を線圧50kg/cmにてキャレンダー処理を行い、紙カップ用原紙を得た。この時の紙カップ用原紙の含有水分率は7.2%であった。
(実施例2)
実施例1において、インレット濃度を1.1%から0.9%へ変更した以外は実施例1と同様にして紙カップ用原紙を得た。
(実施例3)
実施例1において、インレット濃度を1.1%から1.3%へ変更した以外は実施例1と同様にして紙カップ用原紙を得た。
(実施例4)
実施例1において、酸性ロジンエマルジョンサイズ剤の含有量を0.4%から0.2%に変更した以外は実施例1と同様にして紙カップ用原紙を得た。
(実施例5)
実施例1において、酸性ロジンエマルジョンサイズ剤の含有量を0.4%から0.6%に変更した以外は実施例1と同様にして紙カップ用原紙を得た。
(比較例1)
実施例1において、酸性ロジンエマルジョンサイズ剤の含有量を0.4%から無添加に変更した以外は実施例1と同様にして紙カップ用原紙を得た。
(比較例2)
実施例1において、インレット濃度を1.1%から1.6%へ変更した以外は実施例1と同様にして紙カップ用原紙を得た。
Figure 2023060471000001
表1から明らかなように、実施例1~5で得られた紙カップ用原紙は、いずれも小口からの液体吸収が少なく小口破れもほとんど発生しなかった。
一方、基紙にサイズ剤を添加していない比較例1、2で得られた紙カップ用原紙は、小口からの液体吸収が多く小口破れが発生し使用できなかった。

Claims (6)

  1. パルプを主成分とする坪量が350g/m未満である単層抄きの紙カップ用原紙であって、サイズ剤を含み、小口吸水度が0.6g/1000mm以下であり、β線地合計で測定した地合指数が1.2以下であることを特徴とする紙カップ用原紙。
  2. パルプ100質量部に対して0.1~0.8質量%のサイズ剤を含むことを特徴とする、請求項1に記載の紙カップ用原紙。
  3. サイズ剤が、強化ロジンサイズ剤、中性ロジンサイズ剤、中性ロジンエマルションサイズ剤、酸性ロジンサイズ剤、酸性ロジンエマルションサイズ剤、弱酸性ロジンサイズ剤、弱酸性ロジンエマルションサイズ剤、AKD(アルキルケテンダイマー)、ASA(アルケニル無水コハク酸)からなる群から選択させる一つ以上であることを特徴とする、請求項1または2に記載の紙カップ用原紙。
  4. 請求項1~3のいずれか一つに記載の紙カップ用原紙よりなる紙カップ。
  5. 坪量が350g/m未満である単層抄きの紙カップ用原紙の製造方法であって、
    パルプ100質量部に対して0.1~0.8質量%のサイズ剤を含むパルプを主成分とする抄紙原料を、抄紙機入口濃度であるインレット濃度0.5~1.5質量%により、抄紙機により抄紙することを特徴とする前記製造方法。
  6. サイズ剤が、強化ロジンサイズ剤、中性ロジンサイズ剤、中性ロジンエマルションサイズ剤、酸性ロジンサイズ剤、酸性ロジンエマルションサイズ剤、弱酸性ロジンサイズ剤、弱酸性ロジンエマルションサイズ剤、AKD(アルキルケテンダイマー)、ASA(アルケニル無水コハク酸)からなる群から選択させる一つ以上であることを特徴とする、請求項5に記載の紙カップ用原紙の製造方法。
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