JP2022124855A - 包装材料 - Google Patents

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淳 中村
Atsushi Nakamura
巨訓 伊賀
Naokuni Iga
香奈子 鳥山
Kanako TORIYAMA
秀樹 高田
Hideki Takada
淳 浦崎
Atsushi Urasaki
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Abstract

【課題】課題は、ヒートシールを施す面の密着性、ヒートシール適性及び耐ブロッキング性を有する包装材料を提供することである。【解決手段】課題は、紙支持体と、前記紙支持体の一方面に1層又は2層以上の塗工層とを有し、前記紙支持体が密度0.83g/cm3以上1.03g/cm3以下及び灰分2.3質量%以下であり、前記塗工層において紙支持体を基準として最外に位置する最外塗工層がエチレン不飽和カルボン酸共重合体のアイオノマー樹脂を少なくとも含有する包装材料によって解決できる。【選択図】なし

Description

本発明は、紙支持体から成るヒートシール適性を有する包装材料に関し、特に、袋型に成る二次包装体に用いる包装材料に関する。
小売店に陳列する製菓等の食品は、食品を収納した一次包装体及び前記一次包装体を1つ以上収納した二次包装体から成る包装体が多い。
通常、一次包装体は食品を保護するために存在し、二次包装体は一次包装体を保護するために存在する。二次包装体には袋型と箱形とが存在する。袋型の二次包装体は、一般的に、包装材料で一次包装体を覆い、包装材料の端面をヒートシールを施して袋型にする。従って、袋型の二次包装に用いる包装材料にはヒートシール適性が必要である。
ヒートシール適性を有する包装材料は公知である。例えば、紙基材の少なくとも一方の面に少なくとも1層のヒートシール層を有する包装用紙であって、前記ヒートシール層がアイオノマーを含み、前記ヒートシール層の乾燥塗工量が全層で2~10g/mである包装用紙が公知である(例えば、特許文献1参照)。
特開2020-117311号公報
近年、マイクロプラスチックに起因する環境汚染問題の理由から、プラスチックフィルムは、包装材料の分野において不使用の傾向にある。プラスチックフィルムの代替品としては、紙支持体が有力である。特許文献1も、プラスチックを紙に置き替えて、プラスチックの使用量低減を目的とした包装用紙を開示する。しかしながら、紙支持体は、プラスチックフィルムに比べて平滑性に欠く。そのため、ヒートシール箇所に隙間が発生しないように又はヒートシール箇所が強度的に均一になるように、包装材料は、ヒートシールを施す面の密着性が良好である必要がある。一方、包装材料においてヒートシールを施す面の密着性の向上は、包装材料の間でブロッキングを引き起こす原因になる。
二次包装体の特有の課題として、ヒートシール時の熱問題が存在する。すなわち、包装材料にヒートシールを施して袋型にする際に、ヒートシール時の熱によって一次包装体中の食品を傷める可能性がある。例えば、食品がチョコレートである場合、ヒートシール時にチョコレートが溶ける場合がある。食品を扱う場合は、ヒートシールが比較的低温かつ短時間で達成する必要がある。
以上から本発明の目的は、下記の品質を有する包装材料を提供することである。
(1)ヒートシールを施す面の密着が良好であること(密着性)。
(2)比較的低温かつ短時間でヒートシールができること(ヒートシール適性)。
(3)包装材料間のブロッキングを抑制できること(耐ブロッキング性)。
本発明者らは鋭意検討を行った結果、本発明の目的は以下によって達成される。
[1]紙支持体と、前記紙支持体の一方面に1層又は2層以上の塗工層とを有し、前記紙支持体が密度0.83g/cm以上1.03g/cm以下及び灰分2.3質量%以下であり、前記塗工層において紙支持体を基準として最外に位置する最外塗工層がエチレン不飽和カルボン酸共重合体のアイオノマー樹脂を少なくとも含有する包装材料。
[2]上記最外塗工層が無機顔料を実質的に含有しない層である上記[1]に記載の包装材料。
本発明によって、密着性、ヒートシール適性及び耐ブロッキング性を有する包装材料を提供することができる。
包装材料は、紙支持体と、前記紙支持体の一方面に1層又は2層以上の塗工層とを有する。前記塗工層において、紙支持体を基準に最外に位置する塗工層を最外塗工層という。塗工層が1層である場合は該塗工層が最外塗工層になる。塗工層が2層以上である場合、原紙と最外塗工層との間に存在する塗工層は、特に限定されない。いくつかの実施態様において、原紙と最外塗工層との間に存在する塗工層は、包装材料に対して必要に応じて各種機能を付与するために設ける。塗工層は、例えば、ガスバリア剤を含有するガスバリア層、水蒸気バリア剤を含有する水蒸気バリア層、耐油剤を含有する油分バリア層、断熱材を含有する断熱層等を挙げることができる。いくつかの実施態様において、二次包装体に用いる包装材料の場合、最外塗工層を含めて塗工層は1層である。すなわち、塗工層が最外塗工層だけである。この理由は、二次包装体に用いる包装材料として製造コストが有利になるからである。また、塗工層は、紙支持体の片面又は両面に有してよい。いくつかの実施態様において、包装材料は、最外塗工層が紙支持体の一方面のみに有する。いくつかの実施態様において、最外塗工層が紙支持体の一方面のみに有する包装材料では、紙支持体の反対側に対して印刷適性又は寸法安定性を向上する目的として従来公知の印刷用塗工層又はバックコート層を有する。二次包装体に用いる包装材料として、収納物と対向する包装材料の面は、包装材料の前記最外塗工層を有する側の面である。
紙支持体は、木材パルプ及び/又は非木材パルプから成るスラリーに対して、填料、内添サイズ剤、定着剤、歩留り剤及び紙力剤等の各種添加剤を必要に応じて添加した紙料を、酸性、中性又はアルカリ性の条件で、従来公知の抄紙方法によって抄造した原紙、前記原紙に対してカレンダー処理を施した原紙、前記原紙を表面サイズ剤を含むサイズプレス液でサイズプレスした上質紙、又は前記上質紙に対してカレンダー処理を施した上質紙である。
上記紙料には、その他の添加剤として、顔料分散剤、バインダー、増粘剤、流動性改良剤、嵩高剤、消泡剤、抑泡剤、離型剤、発泡剤、浸透剤、着色染料、着色顔料、蛍光増白剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、防腐剤、防バイ剤、耐水化剤等から選ばれる一種又は二種以上を、本発明の所望の効果を損なわない範囲で、適宜添加することができる。
カレンダー処理とは、ロール間に紙を通すことによって平滑性や厚みを平均化する処理である。カレンダー処理の装置としては、例えば、マシンカレンダー、ソフトニップカレンダー、スーパーカレンダー、多段カレンダー、マルチニップカレンダー等を挙げることができる。
サイズプレスは、紙の表面に耐水性を付与する処理である。サイズプレスは、製紙分野で従来公知のサイズプレス装置を用いて行う。サイズプレス装置は、例えば、インクラインドサイズプレス、ホリゾンタルサイズプレス、フィルムトランスファーとしてロッドメタリングサイズプレス、ロールメタリングサイズプレス、ブレードメタリングサイズプレスを、ロッドメタリングサイズプレスとしてシムサイザー、オプティサイザー及びスピードサイザーを、ロールメタリングサイズプレスとしてゲートロールコーターを、ビルブレードコーター、ツインブレードコーター、ベルバパコーター、タブサイズプレス、並びにカレンダーサイズプレス等を挙げることができる。
木材パルプは、製紙分野で従来公知のものである。木材パルプは、例えば、LBKP(Leaf Bleached Kraft Pulp)及びNBKP(Needle Bleached Kraft Pulp)等の化学パルプ、GP(Groundwood Pulp)、PGW(Pressure GroundWood pulp)、RMP(Refiner Mechanical Pulp)、TMP(ThermoMechanical Pulp)、CTMP(ChemiThermoMechanical Pulp)、CMP(ChemiMechanical Pulp)及びCGP(ChemiGroundwood Pulp)等の機械パルプ、並びにDIP(DeInked Pulp)等の古紙パルプを挙げることができる。
非木材パルプは、製紙分野で従来公知の非木材繊維からなるパルプである。非木材繊維の原料は、例えば、コウゾ、ミツマタ及びガンピ等の木本靭皮、亜麻、大麻及びケナフ等の草本靭皮、マニラ麻、アバカ及びサイザル麻等の葉繊維、イネわら、ムギわら、サトウキビバガス、タケ及びエスパルト等の禾本科植物、並びにワタ及びリンター等の種毛を挙げることができる。
木材パルプ及び/又は非木材パルプは、前記木材パルプ及び前記非木材パルプから成る群から選ばれる一種又は二種以上である。
いくつかの実施態様において、紙支持体に係る原紙は、パルプとしてNBKP及びLBKPを少なくとも含有する。いくつかの実施態様において、紙支持体に係る原紙は、原紙中のNBKP及びLBKPの総含有量が原紙中のパルプに対して90質量%以上である。この理由は、原紙の紙力が良化するからである。二次包装体に使用する包装材料は、輸送時に一次包装体を保護する目的を含むために、紙力が重要である。
填料は、製紙分野で従来公知の無機顔料である。無機顔料の例としては、軽質炭酸カルシウム、重質炭酸カルシウム、カオリン、タルク、硫酸バリウム、二酸化チタン、酸化亜鉛、硫化亜鉛、炭酸亜鉛、サチンホワイト、シリカ、珪酸アルミニウム、珪藻土、活性白土、アルミナ、アルミナ水和物、水酸化アルミニウム、リトポン、ゼオライト、炭酸マグネシウム及び水酸化マグネシウム等を挙げることができる。填料は、前記無機顔料から成る群から選ばれる一種又は二種以上である。
いくつかの実施態様において、紙支持体に係る原紙は填料を実質的に含有しない。この理由は、原紙の紙力が良化するからである。この「実質的に含有しない」とは、原紙の紙力を悪化しない程度の填料の含有量であれば填料を含有しないに該当する、という意味である。少なくとも一つの実施対応において、原紙中の填料の含有量は、原紙中のパルプに対して3質量%以下である。この理由は、填料の含有量がパルプに対して3質量%以下であれば紙力を悪化しないからである。
サイズ剤は、製紙分野で従来公知のサイズ剤である。
紙料に添加する内添サイズ剤は、例えば、酸性紙であればロジン系サイズ剤、中性紙であればアルケニル無水コハク酸、アルキルケテンダイマー、中性ロジン系サイズ剤及びカチオン性スチレンアクリル系サイズ剤等を挙げることができる。
また、サイズプレス液に用いる表面サイズ剤は、製紙分野で従来公知のものである。表面サイズ剤は、例えば、澱粉系サイズ剤、セルロース系サイズ剤、ポリビニルアルコール系サイズ剤、スチレンアクリル系サイズ剤、オレフィン系サイズ剤、スチレンマレイン酸系サイズ剤、及びアクリルアミド系サイズ剤等を挙げることができる。
いくつかの実施態様において、紙支持体は、原紙を表面サイズ剤を含むサイズプレス液でサイズプレスした上質紙である。この理由は、密着性及びヒートシール適性が良化するからである。
定着剤は、製紙分野で従来公知の定着剤である。定着剤は、サイズ剤の定着性を向上する。定着剤は、例えば、硫酸アルミニウム等の無機塩類を挙げることができる。
歩留り剤は、製紙分野で従来公知の歩留り剤である。歩留り剤は、紙料に添加した各種添加剤の歩留りを向上する。歩留り剤は、例えば、ポリアクリルアミド、ポリアミド及びポチエチレンイミン等の有機高分子電解質、並びにポリエチレンオキサイド等を挙げることができる。
紙力剤は、製紙分野で従来公知の紙力剤である。紙力剤は、原紙の紙力を向上する。紙力剤は、例えば、カチオン化澱粉、ジアルデヒド澱粉、植物系ガム、尿素ホルムアルデヒド樹脂、ポリアミドポリアミンエピクロルヒドリン重縮合物及びグリオキザール変性ポリアクリルアミド等を挙げることができる。
紙支持体は、密度が0.83g/cm以上1.03g/cm以下である。紙支持体の密度は、紙支持体の平滑性に関係するために、紙支持体に対して塗工層塗工液を塗工する塗工層の形成に影響する。密度が高いと平滑性が増大し、密度が低いと平滑性が減少する。一方で、紙支持体の密度が高過ぎると耐ブロッキング性に悪影響する。密度は、ISO534:2011「Paper and board-Determination of thickness, density and specific volume」に準じて測定した値である。紙支持体の密度は、製紙分野で従来公知のパラメーターであって例えば、プレスパート条件等の抄造条件、パルプの種類及び叩解度、填料の種類及び含有量、並びにカレンダー処理の有無及び条件等によって調整できる。一般に、プレスパートのニップ圧を高める、パルプの叩解を強くする、填料を配合する、サイズプレスを行う、及びカレンダー処理を行う等の行為は紙支持体の密度を高める。いくつかの実施態様において、紙支持体は、サイズプレス及びカレンダー処理によって密度を調整する。この理由は、紙支持体の平滑性が良化するために密着性及びヒートシール適性へ良い影響を与えるからである。
紙支持体は、灰分が2.3質量%以下である。紙支持体の灰分は、紙支持体に含まれる填料及び無機塩類に由来する金属成分等の含有量を示す。紙支持体の灰分は、紙支持体の浸透性に関係するために、紙支持体に対して塗工層塗工液を塗工する塗工層の形成に影響する。灰分が高いと浸透性が増大し、灰分が低いと浸透性が減少する。灰分は、ISO1762:2019「Paper, board,pulps and cellulose nanomaterials-Determination of residue (ash content) on ignition at 525 degree C」に準じて測定した値である。紙支持体の灰分は、製紙分野で従来公知のパラメーターであって例えば、填料及び/又は無機塩類である定着剤の種類及び含有量等によって調整できる。いくつかの実施態様において、紙支持体に係る原紙は填料を実質的に含有しない。この理由は、灰分が2.3質量%以下に調整し易いからである。
紙支持体は、密度が0.83g/cm以上1.03g/cm以下及び灰分が2.3質量%以下である。密度及び灰分が前記範囲にある紙支持体は、適度な平滑性及び浸透性を有する。包装材料は、前記物性を有する紙支持体と下記する最外塗工層との相乗効果によって密着性、ヒートシール適性及び耐ブロッキング性を発現する。包装材料は、密度ないし灰分が前記範囲を外れると、本発明に係る効果の少なくとも1つを満足できない。
いくつかの実施態様において、紙支持体は、不透明度70%以上85%以下である。この理由は、密着性、ヒートシール適性及び/又は耐ブロッキング性が良化するからである。不透明度は、ISO2471:2008「Paper and board-Determination of opacity (paper backing) -Difuse reflectance method」に準じて測定した値である。
紙支持体の不透明度は、製紙分野で従来公知のパラメーターであって例えば、パルプの種類及び叩解度、填料の種類及び含有量、並びにカレンダー処理の有無及び条件等によって調整できる。一般に、パルプの叩解を弱くする、填料を配合する、及びサイズプレスを行う等の行為は紙支持体の不透明度を増し、カレンダー処理を行う行為は紙支持体の不透明度を下げる。紙支持体の不透明度は、紙支持体の空隙状態を間接的に表す。光散乱を発現する空隙が紙支持体に存在すると、紙支持体の不透明度は増す。一方、光散乱を発現する紙支持体の空隙が潰れるないし埋まると、紙支持体の不透明度は下がる。また、紙支持体の厚みが減ると、紙支持体の不透明度は下がる。
最外塗工層は、エチレン不飽和カルボン酸共重合体のアイオノマー樹脂を含有する。エチレン不飽和カルボン酸共重合体のアイオノマー樹脂は、下記一般式で表される化合物である。
Figure 2022124855000001
x、y及びzは、樹脂中の各単量体の構成比を表す。R1及びR2は水素原子又はアルキル基を表す。いくつかの実施態様において、前記アルキル基は、炭素数1以上4以下のアルキル基である。Mはカルボキシル基と塩を形成する金属を表す。前記Mは、例えば、ナトリウム、カリウム、カルシウム、マグネシウム、亜鉛等である。いくつかの実施態様において、前記Mは、アルカリ金属及びアルカリ土類金属から成る群から選ばれる一種又は二種以上である。エチレン不飽和カルボン酸共重合体のアイオノマー樹脂は、例えば、三井化学社、三井・ダウポリケミカル社及び丸芳化学社等から市販される。
エチレン不飽和カルボン酸共重合体のアイオノマー樹脂は、熱によって金属イオンの架橋結合が拡散するために接着性が得られ、結果、ヒートシール適性に優れる。なおかつ、エチレン不飽和カルボン酸共重合体のアイオノマー樹脂は、塗工及び乾燥して形成した最外塗工層ではMを核とするミクロ結晶構造を形成し、前記ミクロ結晶構造が耐ブロッキングに寄与する、と本発明者らは推定する。そして本発明者らは、密度が0.83g/cm以上1.03g/cm以下及び灰分が2.3質量%以下である紙支持体であると前記ミクロ結晶構造が上手く形成されて耐ブロッキング性を発現できる、と考える。
最外塗工層は、エチレン不飽和カルボン酸共重合体のアイオノマー樹脂以外に従来公知の樹脂を含有することができる。樹脂は、例えば、スチレンブタジエン共重合系樹脂及びアクリロニトリルブタジエン共重合系樹脂等の共役ジエン系樹脂、アクリル酸エステル又はメタクリル酸エステルの重合系樹脂若しくはメタクリル酸エステルブタジエン共重合系樹脂等のアクリル系樹脂、塩化ビニル系樹脂、塩化ビニリデン系樹脂、エチレン酢酸ビニル共重合系樹脂及び塩化ビニル酢酸ビニル共重合系樹脂等のビニル系樹脂、ポリウレタン系樹脂、アルキド系樹脂、ポリエステル系樹脂、メラミン系樹脂及び尿素系樹脂等の熱硬化合成樹脂、天然ゴム、澱粉、各種加工澱粉及び各種変性澱粉等の澱粉類、カルボキシメチルセルロース及びヒドロキシエチルセルロース等のセルロース類、カゼイン、ゼラチン及び大豆蛋白等の天然高分子樹脂若しくはその誘導体、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコール及び変性ポリビニルアルコール、ポリプロピレングリコール、並びにポリエチレングリコール等を挙げることができる。いくつかの実施態様において、最外塗工層は、エチレン不飽和カルボン酸共重合体のアイオノマー樹脂以外に従来公知の各種助剤を含有することができる。助剤は、例えば、粘度調整剤、消泡剤、界面活性剤、レベリング剤及び着色剤等を挙げることができる。
いくつかのの実施態様において、最外塗工層は、最外塗工層の乾燥固形分に対してエチレン不飽和カルボン酸共重合体のアイオノマー樹脂が90質量%以上である。この理由は、密着性、ヒートシール適性及び/又は耐ブロッキング性が良化するからである。
いくつかの実施態様において、最外塗工層は、無機顔料を実質的に含有しない。この理由は、ヒートシール適性が良化するからである。ここの「実質的に含有しない」とは、最外塗工層の乾燥固形分に対して無機顔料の含有量が2質量%以下の範囲を指す。無機顔料は、製紙分野で従来公知のものであって、上記填料で例示した無機顔料と同様である。
最外塗工層を含む塗工層は、紙支持体に対して、塗工層塗工液を塗工及び乾燥することによって設けることができる。塗工及び乾燥する方法は、例えば、塗工紙分野で従来公知の塗工装置及び乾燥装置を用いて塗工層塗工液を塗工及び乾燥する方法を挙げることができる。塗工装置の例としては、フィルムプレスコーター、エアナイフコーター、ロッドブレードコーター、バーコーター、ブレードコーター、グラビアコーター、カーテンコーター、Eバーコーター、及びフィルムトランスファーコーター等を挙げることができる。乾燥装置の例としては、直線トンネル乾燥機、アーチドライヤー、エアループドライヤー、サインカーブエアフロートドライヤー等の熱風乾燥機、赤外線加熱ドライヤー、及びマイクロ波を利用した乾燥機等の各種乾燥装置を挙げることができる。
いくつかの実施態様において、最外塗工層中、エチレン不飽和カルボン酸共重合体のアイオノマー樹脂の塗工量は、乾燥固形分で紙支持体の片面あたり3g/m以上である。この理由は、密着性及びヒートシール適性が良化するからである。塗工量の上限は特に限定がない。いくつかの実施態様において、密着性及びヒートシール適性と材料コストとの関係から塗工量の上限は8g/m以下である。
以下、実施例によって本発明をさらに詳細に説明する。なお、本発明は、これらの実施例に限定されない。ここで「質量部」及び「質量%」は、乾燥固形分量あるいは実質成分量の各々「質量部」及び「質量%」を表す。各層の塗工量は乾燥固形分量を表す。
<紙支持体>
以下の紙料を調成した。
LBKP(濾水度630mlcsf) 500質量部
NBKP(濾水度470mlcsf) 500質量部
硫酸アルミニウム 部数は表1に記載
軽質炭酸カルシウム 部数は表1に記載
カチオン化澱粉 12質量部
ロジン系サイズ剤 5質量部
ポリアクリルアミド系歩留り剤 0.1質量部
上記配合の紙料を長網抄紙機で抄造し、抄紙機のプレスパート条件を調整しながら坪量54g/mの原紙を得た。これに、表面サイズ剤として酸化澱粉を用いてサイズプレスを行った。酸化澱粉の塗工量は0.8g/m~1.8g/mの範囲で調整した。次に、条件を調整しながらスーパーカレンダー処理を施して紙支持体を得た。得た紙支持体の密度、灰分及び不透明度は表1に記載する。
<最外塗工層の塗工層塗工液>
水を媒体として以下を含有する最外塗工層の塗工層塗工液を調製した。
樹脂 100質量部
炭酸カルシウム 部数は表1に記載
塗工層塗工液の固形分濃度は28質量%に調整した。樹脂は表1に記載する。
表1に記載した各樹脂は以下である。
樹脂1:エチレン不飽和カルボン酸共重合体のアイオノマー樹脂(三井化学社、ケミパール(登録商標)S100、マイクロトラック法平均粒子径0.1μm)
樹脂2:エチレン不飽和カルボン酸共重合体のアイオノマー樹脂(丸芳化学社、MYE-30MAZ、マイクロトラック法平均粒子径0.3μm)
樹脂3:エチレン不飽和カルボン酸共重合体のアイオノマー樹脂(三井化学社、ケミパールS300、マイクロトラック法平均粒子径0.5μm)
樹脂4:エチレン不飽和カルボン酸共重合体のアイオノマー樹脂(三井化学社、ケミパールS500、マイクロトラック法平均粒子径0.7μm)
樹脂5:ポリエチレン系樹脂(サンノプコ社、SNコート287)
樹脂6:エチレンメタクリル酸メチル共重合系樹脂(住友化学社、アクリフト(登録商標)WK307)
<包装材料>
紙支持体の一方面に対して最外塗工層の塗工層塗工液をエアナイフコーターで塗工及び熱風乾燥機で乾燥して、最外塗工層を設けた包装材料を得た。塗工量は表1に記載する。
Figure 2022124855000002
得られた包装材料について下記の評価を行った。
<密着性>
包装材料を用いて、最外塗工層を有する面どうしを対向させてヒートシーラーにより圧力2.0kg/cm、130℃、1秒間の条件によってヒートシールを施した。
ヒートシールした包装材料を15mm幅で10点切り出し、20℃、65%RHで24時間静置後、ヒートシール箇所を解くように包装材料の端を軽く手で数回引っ張り、ヒートシール箇所を観察した。観察結果から、密着性を下記の基準で評価した。本発明において、包装材料は、評価A、B又はCであればヒートシールを施す面での密着性を有するものとする。
A:ヒートシール箇所に隙間が無い。
及び10点のヒートシール箇所で強度的に均一である。
B:ヒートシール箇所に隙間が無い。
及び10点のヒートシール箇所で強度的に極僅かに不均一である。
C:ヒートシール箇所に隙間が無い。
及び10点のヒートシール箇所で強度的に僅かに不均一である。
D:ヒートシール箇所に隙間がある。
及び/又は10点のヒートシール箇所で強度的に不均一である。
<ヒートシール適性>
包装材料を用いて、最外塗工層を有する面どうしを対向させてヒートシーラーにより圧力2.0kg/cm、比較的低温である90℃、1秒間の条件によってヒートシールを施した。
ヒートシールした包装材料を15mm幅で切り出し、20℃、65%RHで24時間静置後、引張り試験機を用い、引張り速度200mm/分、引張り角度180度でヒートシール箇所の剥離強度を測定することによってヒートシール適性を評価した。測定は、サンプル数5部で行い、5部の平均値とした。測定値から、ヒートシール適性を下記の基準で評価した。本発明において、包装材料は、評価A又はBであればヒートシール適性を有するものとする。
A:値が、16N/15mm以上。
B:値が、10N/15mm以上16N/15mm未満。
C:値が、4N/15mm以上10N/15mm未満。
D:値が、4N/15mm未満。
<耐ブロッキング性>
包装材料を、画像記録層を外側にして直径150mmの紙管にロール状(長さ500m)に巻き取った。当該ロールを、直置き及び宙づりの2種類の方法で20℃、65%RHで24時間静置した。静置後に巻取りから包装材料を繰り出す操作(アンワインダー)を行った。この時、包装材料のブロッキングの状態を目視で観察した。観察結果から、耐ブロッキング性を下記の基準で評価した。本発明において、包装材料は、評価A又はBであれば耐ブロッキング性を有するものとする。
A:直置き及び宙づりの2種類の方法でブロッキングが認められない。
B:直置きの方法で極弱いブロッキングが認められる。
宙づりの方法でブロッキングが認められない。
C:直置きの方法で弱いブロッキングが認められる。
宙づりの方法でブロッキングが認められない。
D:宙づりの方法でブロッキングが認められる。
評価結果を表1に示す。
表1から、本発明に該当する実施例1~15は、密着性、ヒートシール適性及び耐ブロッキング性を有する包装材料であると分かる。一方、本発明の構成を満足しない比較例1~6は、密着性、ヒートシール適性及び耐ブロッキング性の少なくとも一つを満足できない包装材料であると分かる。
主に実施例3、14及び15の間の対比から、最外塗工層が無機顔料を実質的に含有しないと、包装材料は、ヒートシール適性が良化すると分かる。
主に実施例3、5、6、7及び8と実施例9及び10と対比から、紙支持体の不透明度が70%以上85%以下であると、包装材料は、密着性、ヒートシール適性及び/又は耐ブロッキング性が良化すると分かる。
前述した本発明の実施形態に関し、さらに以下の付記を開示する。
<1>
紙支持体と、前記紙支持体の一方面に1層又は2層以上の塗工層とを有し、前記紙支持体が密度0.83g/cm以上1.03g/cm以下及び灰分2.3質量%以下であり、前記塗工層において紙支持体を基準として最外に位置する最外塗工層がエチレン不飽和カルボン酸共重合体のアイオノマー樹脂を少なくとも含有する包装材料。
<2>
上記最外塗工層が、無機顔料を実質的に含有しない層である上記<1>に記載の包装材料。
<3>
最外塗工層を含めて上記塗工層が、1層である上記<1>に記載の包装材料。
<4>
上記最外塗工層が、無機顔料を実質的に含有しない層であって、前記最外塗工層を含めて塗工層が1層である上記<1>に記載の包装材料。
<5>
上記紙支持体の不透明度が70%以上85%以下である上記<1>又は<4>に記載の包装材料。

Claims (2)

  1. 紙支持体と、前記紙支持体の一方面に1層又は2層以上の塗工層とを有し、前記紙支持体が密度0.83g/cm以上1.03g/cm以下及び灰分2.3質量%以下であり、前記塗工層において紙支持体を基準として最外に位置する最外塗工層がエチレン不飽和カルボン酸共重合体のアイオノマー樹脂を少なくとも含有する包装材料。
  2. 前記最外塗工層が無機顔料を実質的に含有しない層である請求項1に記載の包装材料。
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