JP2023059423A - 回転電機用固定子 - Google Patents

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Mami Sawada
哲平 津田
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Abstract

【課題】周方向で隣り合うティース部間での漏れ磁束を低減しつつ、漏れ磁束に起因してステータコイルに発生しうる渦電流を低減する。【解決手段】周方向に沿って複数のティース部を有する固定子コアと、断面形状が矩形であり、ティース部に巻回される固定子コイルと、固定子コイルに配置され、ティース部と同じ透磁率又はティース部よりも高い透磁率の材料により形成される薄膜部と、を備え、固定子コイルは、スロット収容部とコイルエンド部とを有し、スロット収容部が、周方向で複数のティース部の間に形成されるスロット内に収容され、スロット収容部は、一のスロット内に径方向に複数並んで配置され、薄膜部は、スロット収容部における径方向を向く第1側に、スロット収容部における周方向を向く第2側よりも配置量が多くなる態様で、配置される、回転電機用固定子が開示される。【選択図】図4

Description

本開示は、回転電機用固定子に関する。
ステータコアのティース部を形成する積層体を保持する絶縁部材に、磁性部材を設ける技術が知られている。
特開2019-161964号公報
しかしながら、上記のような従来技術では、ティース部の径方向内側端部に連続する態様で設けられる磁性部材に起因して、周方向で隣り合うティース部間での漏れ磁束が発生しやすくなるという問題がある。
そこで、1つの側面では、本開示は、周方向で隣り合うティース部間での漏れ磁束を低減しつつ、漏れ磁束に起因してステータコイルに発生しうる渦電流を低減することを目的とする。
1つの側面では、周方向に沿って複数のティース部を有する固定子コアと、
断面形状が矩形であり、前記ティース部に巻回される固定子コイルと、
前記固定子コイルに配置され、前記ティース部と同じ透磁率又は前記ティース部よりも高い透磁率の材料により形成される薄膜部と、を備え、
前記固定子コイルは、スロット収容部とコイルエンド部とを少なくとも有し、前記スロット収容部が、周方向で複数の前記ティース部の間に形成されるスロット内に収容され、
前記スロット収容部は、一の前記スロット内に径方向に複数並んで配置され、
前記薄膜部は、前記スロット収容部における径方向を向く第1側に、前記スロット収容部における周方向を向く第2側よりも配置量が多くなる態様で、配置される、回転電機用固定子が提供される。
1つの側面では、本開示によれば、周方向で隣り合うティース部間での漏れ磁束を低減しつつ、漏れ磁束に起因してステータコイルに発生しうる渦電流を低減することが可能となる。
一実施例によるモータの断面構造を概略的に示す断面図である。 ステータの一部の断面図である。 ステータコイルの一例を示す斜視図である。 他のステータコイルに係る一のコイル辺の一例を示す3面図である。 図2のQ1部の拡大図である。 ステータコイルにおける一のスロット収容部を径方向視で示す概略図である。 第1比較例によるモータにおけるステータコアのティース部周辺の磁束の流れを示す図である。 本実施例によるモータにおけるステータコアのティース部周辺の磁束の流れを示す図である。 第2比較例によるモータにおけるティース部周辺の構成を示す図である。 第3比較例によるモータにおけるティース部周辺の構成を示す図である。 薄膜部の一配置例の説明図である。 薄膜部の他の配置例の説明図である。 薄膜部の他の配置例の説明図である。 薄膜部の他の配置例の説明図である。
以下、添付図面を参照しながら各実施例について詳細に説明する。なお、図面の寸法比率はあくまでも一例であり、これに限定されるものではなく、また、図面内の形状等は、説明の都合上、部分的に誇張している場合がある。
図1は、一実施例によるモータ1(回転電機の一例)の断面構造を概略的に示す断面図である。図2は、ステータ21の一部の断面図(軸方向に垂直な平面による断面図)である。なお、図2等では、見易さのために、複数存在する同一属性の部位には、一部のみしか参照符号が付されていない場合がある。
図1には、モータ1の回転軸12が図示されている。以下の説明において、軸方向とは、モータ1の回転軸(回転中心)12が延在する方向を指し、径方向とは、回転軸12を中心とした径方向を指す。従って、径方向外側とは、回転軸12から離れる側を指し、径方向内側とは、回転軸12に向かう側を指す。また、周方向とは、回転軸12まわりの回転方向に対応する。
モータ1は、例えばハイブリッド車両や電気自動車で使用される車両駆動用のモータであってよい。ただし、モータ1は、他の任意の用途に使用されるものであってもよい。
モータ1は、インナロータタイプであり、ステータ21がロータ30の径方向外側を囲繞するように設けられる。ステータ21は、径方向外側がモータハウジング10に固定される。本実施例では、ステータ21は、円環状の磁性体の積層鋼板からなるステータコア211を備える。すなわち、ステータコア211は、複数の鋼板を積層した積層体の形態である。なお、変形例ではステータコア211は、磁性粉末が圧縮して固められた圧粉体により形成されてもよい。また、ステータコア211は、複数の分割コアを周方向に接続してなる形態であってもよい。
ステータコア211は、径方向内側に、周方向に沿って複数のティース部2110を有する。複数のティース部2110には、ステータコイル22が巻回される。ステータコイル22の巻回方法に係る形態は、任意であり、例えば分布巻の形態であってよい。
複数のティース部2110のそれぞれは、好ましくは、径方向内側の端部の周方向幅が拡大する形態である。なお、この場合、周方向で複数のティース部2110の間に形成されるスロット2111は、径方向内側の端部の周方向幅が低減する。これにより、スロット2111内への漏れ磁束を低減し、複数のティース部2110を通る磁束(ステータコイル22を貫く鎖交磁束)の最大化を図ることができる。
本実施例では、複数のティース部2110は、図2に示すように、径方向内側の端部を除き、径方向内側になるにつれて周方向幅が小さくなる形態である。この場合、スロット2111は、長方形の形態である。ただし、複数のティース部2110は、径方向内側の端部を除き、一定の周方向幅を有してもよい。この場合、スロット2111は、軸方向に視て台形の形態である。この場合、後述するステータコイル22の断面形状は、台形(矩形状の一例)であってもよい。
なお、図1には、特定の構造を有するモータ1が示されるが、モータ1の構造は、かかる特定の構造に限定されない。例えば、図1では、ロータ30のロータシャフト34は、中空であるが、中実であってもよい。
図3は、ステータコイル22の一例を示す斜視図である。
ステータコイル22は、例えば、図3に示すような、いわゆる同芯巻きコイル20の形態であり、それぞれ、所定巻回数で巻回された平角線が曲げ加工されることにより成形されるカセットコイルである。ステータコイル22は、断面が矩形状(例えば長方形や台形)に形成された平角線(図4の導体部22A)を含む。この平角線は、導電性の高い例えば銅やアルミニウム等の金属により構成されてよい。ステータコイル22は、平角線が絶縁性の被覆(図4の絶縁被覆22B参照)により覆われてよい。
図3に示す例では、周方向に90度ずつ離れた4つの同芯巻きコイル20が、一の同芯巻きコイル20の第2渡り線240が、当該一の同芯巻きコイル20に隣接する他の一の同芯巻きコイル20の第3渡り線250に接合する関係で、互いに接続されている。
各同芯巻きコイル20はそれぞれ、所定巻回数(図2では4周)で巻回された平角線が曲げ加工されることにより成形されるカセットコイルである。
各同芯巻きコイル20はそれぞれ、図3に示すように、スロット収容部230、232と、第1渡り線234、236と、第2渡り線240と、第3渡り線250とを有している。なお、スロット収容部230、232及び第1渡り線234、236は、同芯巻きコイル20の本体部(略六角形状の閉ループ部)を形成する。第1渡り線236は、第2渡り線240及び第3渡り線250ともに、軸方向一方側(リード側)のコイルエンドを形成し、第1渡り線234は、軸方向一方側(反リード側)のコイルエンドを形成する。なお、図3に示す例では、一の同芯巻きコイル20は、スロット収容部230、232、第1渡り線234、236をそれぞれ複数含むのに対して、第2渡り線240及び第3渡り線250をそれぞれ1つだけ含む。
スロット収容部230、232はそれぞれ、ステータコア211のスロット2111内に挿入(収容)され、そのスロット2111を軸方向に貫くように略直線状に延びる部位である。同一の同芯巻きコイル20において、スロット収容部230とスロット収容部232とは、ステータコア211の周方向に所定距離離れた互いに異なるスロット2111に収容される。なお、スロット収容部230、232はそれぞれ、スロット2111内において、軸方向に視て径方向に複数(本実施例では4つ)並んで配置される(図2参照)。なお、図3には、特定の構成を有するステータコイル22が示されるが、ステータコイル22の構成は、かかる特定の構成に限定されない。例えば、ステータコイル22は、図3に示すようなセグメントコイルの形態よりも細分化されたセグメントコイルの形態として、複数のコイル片により形成されてもよい。図3Bに示す例では、一のコイル片52は、軸方向の一方側のセグメント導体52Aと、軸方向の他方側のセグメント導体52Bとを結合してなる。セグメント導体52A及びセグメント導体52Bは、それぞれ、一対の直線状のスロット収容部50と、当該一対のスロット収容部50を連結するコイルエンド部(渡り部)54と、を有したU字状に成形されてよい。コイル片52をステータコア211に組み付ける際、一対のスロット収容部50は、それぞれ、スロット2111に挿入される。この場合、コイル片52は、例えば軸方向に組み付けることができる。図3Bに示す例では、一のスロット2111には、コイル片52のスロット収容部50が複数、径方向に並んで挿入される。従って、ステータコア211の軸方向の両端には、周方向に延びるコイルエンド部54が複数、径方向に並ぶ。なお、一のスロット2111には、同相の相コイルを形成するコイル片52のスロット収容部50だけが挿入される。なお、コイル片52は、重ね巻の形態でステータコア211に巻装されてよい。この場合、一のコイル片52を構成するセグメント導体52A及びセグメント導体52Bは、図3Bに示すように、それぞれ、周方向両側のスロット収容部50のうちの、一方側のスロット収容部50の結合部40同士(すなわち開放側端部同士)が結合される。この場合、他方側のスロット収容部50は、他の一のコイル片52に結合される。この際、結合部40は、互いに全体が径方向で対向して面接触する対向面42を有し、対向面42同士が重なる状態で結合部40同士が結合される。
次に、図4以降を参照して、ステータコア211におけるステータコイル22の構造について説明する。以下では、ステータコイル22への適用例を説明するが、図3Bに示したようなコイル片52や他の形態のコイルにも適用可能である。
図4は、図2のQ1部の拡大図である。図5は、ステータコイル22における一のスロット収容部230を径方向視で示す概略図である。なお、図4では図示されていないが、スロット2111内には絶縁紙のような絶縁部材がスロット収容部230まわりに設けられてもよい。なお、以下では、主にスロット収容部230に対する構成を説明するが、スロット収容部232についても同様である。
本実施例では、ステータコイル22は、断面矩形の導体部22Aが絶縁被覆22Bにより覆われた形態であり、薄膜部70を有する。
薄膜部70は、ステータコイル22に配置される。薄膜部70は、ステータコイル22の表面又は内層に配置されてもよい。例えば、薄膜部70は、貼り付け等の任意の方法によりステータコイル22に一体化されてもよい。一体化の方法の好ましい例は、後述する。
薄膜部70は、ステータコア211よりも高い透磁率の材料により形成される。なお、ステータコア211は、ティース部2110がバックヨーク部とは別に形成されてもよく、この場合、薄膜部70は、ティース部2110よりも高い透磁率の材料により形成されてよい。なお、変形例では、薄膜部70は、ティース部2110と同じ透磁率の材料により形成されてもよい。
薄膜部70の材料は、上述した透磁率を有する限り任意であるが、例えば、一般的なフェライトと比較して高い比透磁率と高い飽和磁束密度(例えば1.5テスラ以上)を有するナノ結晶合金であってよい。あるいは、薄膜部70の材料は、アモルファスや、軟磁性フェライト、硬磁性フェライト、希土類磁石粉末等であってもよい。また、薄膜部70の材料は、ティース部2110と同じ透磁率の材料として、電磁鋼板であってもよい。
薄膜部70は、後述するように、ステータコア211における漏れ磁束に起因してステータコイル22に発生しうる渦電流を低減する機能(以下、「渦電流低減機能」とも称する)等を有する。
薄膜部70は、好ましくは、スロット2111内におけるコイル占積率を高めるために、後述する渦電流低減機能を実現できるような最小厚さの厚みで形成されてよく、例えば、ステータコア211の一の鋼板よりも厚みが薄い。薄膜部70は、0.5mm以下の厚みであり、より好ましくは、0.3mm以下である。
薄膜部70は、ステータコイル22全体に設けられてもよいが、好ましくは、ステータコイル22のうちの、スロット収容部230、232にのみ設けられる。これは、第1渡り線234、236、第2渡り線240、及び第3渡り線250に同様の薄膜部70を設けても、後述する渦電流低減機能に寄与しないためである。また、第1渡り線234、236、第2渡り線240、及び第3渡り線250に同様の薄膜部70を設けると、軸方向の磁束漏れ等による磁気特性の低下のおそれもあるためである。
薄膜部70は、例えば、図5に示すように、軸方向に分断される態様で設けられてもよい。なお、図5では、薄膜部70は、等間隔(等ピッチ)で軸方向に配列されているが、ランダムな態様で設けられてもよい。例えば、薄膜部70は、ナノ結晶合金の割れた破片の集合により形成されてよく、この場合、薄膜部70は、破片の多様な形状に応じた形態となる。
薄膜部70は、スロット収容部230における径方向を向く第1側(以下、「径方向側面2301」と称する)に、スロット収容部230における周方向を向く第2側(以下、「周方向側面2302」と称する)よりも配置量が多くなる態様で、配置される。すなわち、スロット収容部230は、図4に示すように、軸方向に視て、矩形の4辺のそれぞれに対応した4つの側面を有し、4つの側面は、2つの径方向側面2301と、2つの周方向側面2302からなる。そして、薄膜部70は、2つの径方向側面2301に、2つの周方向側面2302よりも配置量が多くなる態様で、配置される。ここで、配置量の比較は、質量や体積(容積)、面積等の任意の物理量に基づき実現されてもよい。例えば、一のスロット2111における4つのスロット収容部230のすべての径方向側面2301に付与された薄膜部70の材料の質量をα1とし、同4つのスロット収容部230のすべての周方向側面2302に付与された薄膜部70の材料の質量をα2とした場合、α1>α2となる。ただし、本実施例では、α1はα2よりも有意に大きく、例えば、α2は、実質的に0であってよい。
図4に示す例では、薄膜部70は、4つのスロット収容部230のそれぞれに同様の態様で設けられる。具体的には、薄膜部70は、一のスロット収容部230における2つの径方向側面2301のそれぞれに設けられ、周方向側面2302には設けられない。
ここで、図6A及び図6B並びに図7A及び図7Bを参照して、薄膜部70の渦電流低減機能について説明する。
図6Aは、第1比較例によるモータ1’におけるステータコア211のティース部2110周辺の磁束の流れを示す図であり、図6Bは、本実施例によるモータ1におけるステータコア211のティース部2110周辺の磁束の流れを示す図である。なお、図6A及び図6Bでは、磁束の流れの線が分かりやすくなるように、引出線を伴う符号の図示は省略されている。図7Aは、第2比較例によるモータ1A”におけるティース部2110A”周辺の構成を示す図であり、図2のQ1部と同じ範囲の拡大図である。図7Bは、第3比較例によるモータ1B”におけるティース部2110周辺の構成を示す図であり、図2のQ1部と同じ範囲の拡大図である。なお、図6A及び図6Bにおいては、磁束の流れを示す線(磁束線)がわかりやすくなるように、ステータコア211及びステータコイル22にはハッチングが付与されていない。
第1比較例によるモータ1’は、薄膜部70を有さない点だけが本実施例によるモータ1と異なる。第1比較例によるモータ1’では、図6AにてP1、P2部で示すように、周方向で隣り合うティース部2110間での漏れ磁束(スロット2111内に漏れる磁束)は、ステータコイル22の導体部22Aを通ることで、ステータコイル22に渦電流を発生させる。漏れ磁束に起因してステータコイル22に発生する渦電流は、損失(渦電流損失)の原因となる。
これに対して、本実施例によれば、上述したように薄膜部70が設けられるので、比較例によるモータ1において生じる渦電流を低減できる。すなわち、図6BにてP3、P4部で示すように、周方向で隣り合うティース部2110間での漏れ磁束は、高い透磁率の薄膜部70へと誘導される。この際、薄膜部70がステータコイル22の径方向側面2301において周方向に延在するので、薄膜部70の周方向端部からティース部2110へと磁束を誘導できる。このようにして、本実施例によれば、薄膜部70をステータコイル22の径方向側面2301に設けることで、ステータコイル22の導体部22Aを通る漏れ磁束を低減でき、渦電流損失を低減できる。
図7Aに示す第2比較例によるモータ1A”では、ティース部2110A”の径方向内側端部が拡径しておらず、それに代えて、磁性部材70A”が、周方向で隣り合う各ティース部2110A”の径方向内側端部間に延在する。磁性部材70A”は、例えば薄膜部70と同じ材料により形成されてよい。このような磁性部材70A”は、ティース部2110A”に設けられるボビンのような絶縁部材と一体化されてもよい。
このような第2比較例によるモータ1A”では、磁性部材70A”がロータ30からの径方向の吸引力(例えばロータ30の永久磁石からの吸引力)を受けるため、磁性部材70A”が疲労により破損又は脱落してしまうおそれもある。また、ロータ30から磁性部材70A”へと向かう磁束が増加し、周方向で隣り合うティース部2110A”間での漏れ磁束が磁性部材70A”により促進されるという問題がある。特に磁性部材70A”の板厚(径方向の寸法)が比較的大きい場合に、当該問題が顕著となる。なお、図7Aでは、磁性部材70A”は周方向で隣り合うティース部2110A”間で連続しているが、周方向で離れた形態であっても実質的に同様である。
これに対して、本実施例によれば、上述したように、薄膜部70は、ステータコイル22に配置(一体化)されるので、ティース部2110の径方向内側の端部(拡径する部位)よりも径方向外側に位置する。従って、本実施例によれば、薄膜部70がロータ30から受ける径方向の吸引力(例えばロータ30の永久磁石からの吸引力)は大きくならない。また、本実施例によれば、薄膜部70の板厚(径方向の寸法)が比較的小さいため、薄膜部70がロータ30から受ける径方向の吸引力は大きくならない。これにより、薄膜部70の疲労による破損や脱落の可能性を低減できる。また、薄膜部70はティース部2110の径方向内側の端部(拡径する部位)よりも径方向外側に位置するので、周方向で隣り合うティース部2110間での漏れ磁束が薄膜部70により促進されることもない。
図7Bに示す第3比較例によるモータ1B”では、磁性部材70B”がスロット2111内におけるステータコイル22まわりの全体に延在する。すなわち、磁性部材70B”は、ステータコイル22の径方向側面2301だけではなく、周方向側面2302にも延在する。この場合、磁性部材70B”は、スロット2111内におけるステータコイル22まわりの全体を埋める態様で延在してもよい。このような磁性部材70B”は、例えばボビンを、磁性粉末を含む材料により形成することで実現できる。このような第3比較例では、ステータコイル22の導体部22Aを通る漏れ磁束を低減して渦電流損失を低減できるものの、周方向で隣り合うティース部2110間での漏れ磁束が促進される。すなわち、周方向で隣り合うティース部2110間を接続する態様で磁性部材70B”が延在するので、周方向で隣り合うティース部2110間での漏れ磁束が促進される。周方向で隣り合うティース部2110間での漏れ磁束が増加すると、モータ1B”の特性の低下(トルク特性の低下)を起こす。
これに対して、本実施例によれば、上述したように、薄膜部70は、スロット収容部230における径方向側面2301に、周方向側面2302よりも多い配置量で設けられる。これにより、図7Bに示す第3比較例において生じる磁束漏れを防止できる。
このようにして、本実施例によれば、周方向で隣り合うティース部2110間での漏れ磁束を低減しつつ、漏れ磁束に起因してステータコイル22に発生しうる渦電流を低減することが可能となる。
次に、図8から図11を参照して、薄膜部70の配置例のいくつかのバリエーションについて説明する。
図8は、薄膜部70の一配置例の説明図であり、左側は、一のスロット収容部230に対する薄膜部70の配置例を示し、右側は、一のスロット2111内における4つのスロット収容部230の配置状態を軸方向視で概略的に示す図である。
図8に示す例では、薄膜部70は、一のスロット収容部230における径方向外側の径方向側面2301に対してのみ設けられ、径方向内側の径方向側面2301及び2つの周方向側面2302には設けられない。このような配置例によっても、上述した効果を得ることができる。なお、図8に示す例では、薄膜部70は、一のスロット収容部230における径方向外側の径方向側面2301に対してのみ設けられるが、一のスロット収容部230における径方向内側の径方向側面2301に対してのみ設けられてもよい。
図9は、薄膜部70の他の配置例の説明図であり、一のスロット2111内における4つのスロット収容部230の配置状態を軸方向視で概略的に示す図である。
図9に示す例では、薄膜部70は、一のスロット2111内に収容される複数のスロット収容部230のうちの、一部のスロット収容部230には設けられない。一部のスロット収容部230は、任意であるが、好ましくは、径方向外側のスロット収容部230を含む。図9に示す例では、4つのスロット収容部230のうちの、最も径方向外側のスロット収容部230に対しては、薄膜部70が設けられない。このような配置例によっても、上述した効果を得ることができる。
ここで、図6A及び図6Bに示したように、スロット2111内に漏れる磁束は、スロット2111における径方向内側で生じやすい。従って、図9に示す例によれば、スロット2111内に漏れる磁束を確実に誘導(すなわち薄膜部70を介してティース部2110へと誘導)しつつ、スロット2111内における薄膜部70の配置量の低減を図ることができる。
なお、図9に示す例では、4つのスロット収容部230のうちの、最も径方向外側のスロット収容部230に対して薄膜部70が設けられないが、これに限られない。例えば、一のスロット2111内の複数のスロット収容部230のうちの、最も径方向内側のスロット収容部230に対してのみ薄膜部70が設けられてもよい。この場合、最も径方向内側のスロット収容部230に対しては、薄膜部70は、2つの径方向側面2301に設けられてもよいし、一方だけ(例えば径方向内側の径方向側面2301だけ)に設けられてもよい。
図10は、薄膜部70の他の配置例の説明図であり、一のスロット収容部230に対する薄膜部70の配置範囲を示す断面図である。
図10に示す例では、薄膜部70は、スロット収容部230の径方向側面2301に加えて、径方向側面2301と周方向側面2302との間の角R部2303に、設けられる。なお、この場合も、薄膜部70は、2つの径方向側面2301に、2つの周方向側面2302よりも配置量が多くなる態様で、配置されることになる。なお、図10に示す例では、薄膜部70は、2つの径方向側面2301のうちの、径方向内側の径方向側面2301とそれに係る角R部2303だけに設けられるが、これに代えて又は加えて、径方向外側の径方向側面2301とそれに係る角R部2303に設けられてもよい。
このような図10に示す配置範囲によっても、上述した効果を得ることができる。特に図10に示す配置範囲の薄膜部70によれば、スロット収容部230の角R部2303にも薄膜部70が延在するので、渦電流低減機能を効果的に高めることができる。
図11は、薄膜部70の他の配置例の説明図であり、一のスロット収容部230に対する薄膜部70の配置範囲を示す断面図である。
図11に示す例では、薄膜部70は、スロット収容部230における絶縁被覆22Bと導体部22Aとの間に位置する態様で、ステータコイル22に配置(一体化)される。このような薄膜部70の配置は、絶縁被覆22Bにより導体部22Aを被覆する前に、薄膜部70を導体部22Aに配置することで、実現できる。
このような図11に示す配置例によっても、上述した効果を得ることができる。特に図11に示す配置例の薄膜部70によれば、絶縁被覆22Bにより覆われることで、脱落等の可能性を効果的に低減できる。
以上、各実施例について詳述したが、特定の実施例に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された範囲内において、種々の変形及び変更が可能である。また、前述した実施例の構成要素を全部又は複数を組み合わせることも可能である。また、各実施例の効果のうちの、従属項に係る効果は、上位概念(独立項)とは区別した付加的効果である。
例えば、上述した実施例では、スロット収容部230は、一列をなしてスロット2111内に径方向に並んで配置されているが、2列以上をなしてスロット2111内に径方向に並んで配置されてもよい。
1・・・モータ(回転電気)、21・・・ステータ(回転電機用固定子)、211・・・ステータコア(固定子コア)、2110・・・ティース部、2111・・・スロット、22・・・ステータコイル(固定子コイル)、230・・・スロット収容部、2301・・・径方向側面(第1側)、2302・・・周方向側面(第2側)、2303・・・角R部、22B・・・絶縁被覆、22A・・・導体部、70・・・薄膜部

Claims (5)

  1. 周方向に沿って複数のティース部を有する固定子コアと、
    断面形状が矩形であり、前記ティース部に巻回される固定子コイルと、
    前記固定子コイルに配置され、前記ティース部と同じ透磁率又は前記ティース部よりも高い透磁率の材料により形成される薄膜部と、を備え、
    前記固定子コイルは、スロット収容部とコイルエンド部とを少なくとも有し、前記スロット収容部が、周方向で複数の前記ティース部の間に形成されるスロット内に収容され、
    前記スロット収容部は、一の前記スロット内に径方向に複数並んで配置され、
    前記薄膜部は、前記スロット収容部における径方向を向く第1側に、前記スロット収容部における周方向を向く第2側よりも配置量が多くなる態様で、配置される、回転電機用固定子。
  2. 前記薄膜部は、前記スロット収容部における前記第1側のみに、又は、前記第1側に加えて、前記第1側と前記第2側との間の角R部に、設けられる、請求項1に記載の回転電機用固定子。
  3. 前記ティース部は、径方向内側の端部の周方向幅が拡大する形態を有する、請求項1又は2に記載の回転電機用固定子。
  4. 前記固定子コアは、複数の鋼板を積層した積層体の形態であり、
    前記薄膜部は、一の前記鋼板よりも厚みが薄い、請求項1から3のうちのいずれか1項に記載の回転電機用固定子。
  5. 前記固定子コイルは、導体部が絶縁被覆で覆われたセグメントコイルの形態であり、
    前記薄膜部は、前記スロット収容部における前記絶縁被覆と前記導体部との間に位置する態様で、前記固定子コイルに一体化されている、請求項1から4のうちのいずれか1項に記載の回転電機用固定子。
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