JP2023058176A - ハーネスプロテクタ - Google Patents
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Abstract
【課題】内部への水などの液体の侵入を防ぐことを可能にするハーネスプロテクタを提供する。
【解決手段】ハーネスプロテクタ1はベース本体部11と補助カバー部12と連結部13と有するベース部材2とカバー部材3とを有し、カバー部材3はベース本体部11に配置された状態でベース本体部11に形成される開口部15のうちの一部の開口部分15aを除いた開口部分15bを閉鎖し、補助カバー部12はカバー部材3の一部と一部が重なるようにして開口部分15aを閉鎖し、連結部13はベース本体部11の収納空間14に収納されるワイヤーハーネスが延在する方向を回動軸として、ベース本体部11に対して補助カバー部12を回動可能に連結する。
【選択図】図2
【解決手段】ハーネスプロテクタ1はベース本体部11と補助カバー部12と連結部13と有するベース部材2とカバー部材3とを有し、カバー部材3はベース本体部11に配置された状態でベース本体部11に形成される開口部15のうちの一部の開口部分15aを除いた開口部分15bを閉鎖し、補助カバー部12はカバー部材3の一部と一部が重なるようにして開口部分15aを閉鎖し、連結部13はベース本体部11の収納空間14に収納されるワイヤーハーネスが延在する方向を回動軸として、ベース本体部11に対して補助カバー部12を回動可能に連結する。
【選択図】図2
Description
本発明は、ワイヤーハーネスを収納して外部環境から保護するハーネスプロテクタに関する。
従来から、ワイヤーハーネスは、電装品などへの電力供給及び信号伝達の目的で、エンジンルームやドア内、室内等、車両の隅々に敷設されており、ワイヤーハーネスから発生する不要電磁波が他の部品に干渉したり他の部品が発生する不要電磁波によりワイヤーハーネスが干渉を受けたりなどするのを防ぐために、その一部を例えばメッシュ状にしたアルミニウム素材の編組導体などのシールド部材(シールド用の編組導体)で覆われている。
また、車両の走行中の振動や衝突に起因する他の部品等の接触によるワイヤーハーネスの損傷や、ワイヤーハーネスを被覆するアルミニウム素材の編組導体などのシールド部材の水濡れなどの液体濡れに起因するシールド部材が錆びつくことによるシールド性能の低下などを防ぐために、メッシュ状にしたアルミニウム素材の編組導体などのシールド部材で覆われたワイヤーハーネスをハーネスプロテクタに収納して車両に敷設される。
ワイヤーハーネスを収納するハーネスプロテクタとして、開口部及びワイヤーハーネスの収納空間を有するベース部材と、ベース部材と独立して形成され、ベース部材の底部と対向する開口部を閉じるカバー部材とを有するハーネスプロテクタが、例えば、特許文献1に記載されている。
ところで、ハーネスプロテクタを構成するベース部材の形状を当該ハーネスプロテクタの車内の配置位置での空間形状を考慮して折れ曲がった形状にする場合がある。このような折れ曲がった形状をしたベース部材での開口部においても開口部を隙間なく閉鎖するカバー部材が要望される。このようなカバー部材として、第1のカバー部、第2のカバー部及びヒンジなどの連結部を備え、第1のカバー部に対して第2のカバー部を第1のカバー部の幅方向を軸として回動可能に連結部により連結した構造のカバー部材が考えられる。
しかしながら、第1のカバー部と第2のカバー部との双方を閉じた状態で両者間の例えば連結部両側などに隙間ができ、その隙間からハーネスプロテクタ内部に水などの液体が侵入してハーネスプロテクタ内のワイヤーハーネスを覆うアルミニウム素材の編組導体などのシールド部材にかかってしまい、シールド部材が錆びてシールド性能が低下してしまうという問題が発生する。
本発明の目的は、内部への水などの液体の侵入を防ぐことを可能にするハーネスプロテクタを提供することを目的とする。
前記の目的を達成するため、本発明に係るハーネスプロテクタは、ワイヤーハーネスを収納する収納空間を形成するベース本体部を有するベース部材と、当該ベース部材と独立して形成されるカバー部材とを有するハーネスプロテクタであって、前記カバー部材は、前記ベース部材の前記ベース本体部に配置された状態で、前記収納空間に対応して前記ベース本体部に形成される開口部のうち、当該収納空間に収納される前記ワイヤーハーネスが延在する方向の一端側の所定範囲に当る第1の開口部分を除いた第2の開口部分を閉鎖するためのものであり、前記ベース部材は、前記ベース本体部、前記カバー部材の一部と一部が重なるようにして前記第1の開口部分を閉鎖するための補助カバー部、及び、前記収納空間に収納される前記ワイヤーハーネスが延在する方向を回動軸として、前記ベース本体部に対して前記補助カバー部を回動可能に連結する連結部を有し、前記補助カバー部は、前記回動軸の一の回動方向へ前記連結部と連動して回動することにより前記第1の開口部分を閉鎖可能であり、前記回動軸の他の回動方向へ前記連結部と連動して回動することにより前記第1の開口部分を開放可能であることを特徴としている。
これによれば、ベース部材のベース本体部に形成される開口部を、当該開口部の一部である第2の開口部分をカバー部材で閉鎖し、その残りである第1の開口部分をベース部材の補助カバー部の一部がカバー部材の一部と重なるように補助カバー部で閉鎖し、補助カバー部は収納空間に収納されるワイヤーハーネスが延在する方向を回動軸とする連結部によりベース本体部に回動可能に連結されている。このため、カバー部材と補助カバー部との境界に隙間ができないように開口部を閉鎖することが可能になって、ハーネスプロテクタ内部に水などの液体が侵入するのを防ぐことができる。これにより、ハーネスプロテクタ内部に侵入した水などの液体がワイヤーハーネスを覆うアルミニウム素材の編組導体などのシールド部材にかかってシールド部材が錆びるのを防いで、シールド性能の低下を防止できる。
また、所望の箇所に配置された状態の前記ハーネスプロテクタにおける前記補助カバー部では、前記収納空間に収納される前記ワイヤーハーネスが延在する方向における前記カバー部材が延在しない第1の側が、前記カバー部材が延在する第2の側より高くなっており、前記補助カバー部の前記開口部に対向する面と反対側の面に堰部が設けられており、前記堰部は、前記第1の側より前記第2の側の方が、前記対向する面から前記反対側の面に向かう外側方向に突出し、前記堰部の堰面が前記反対側の面における前記第1の側から前記第2の側へ向かう方向と交わる方向の夫々の当該反対側の面の端部に近づくにつれて前記反対側の面における前記第1の側から前記第2の側へ向かう方向の前記第2の側の端部に近づくように、形成されているとしてもよい。
これによれば、補助カバー部の反対側の面のうちの第1の側の部分(補助カバー部の反対側の面のうちの高い位置の部分)に落下してきて、当該反対側の面を伝って第1の側から第2の側へ流れる水などの液体を堰部で堰き止めることで、水などの液体が補助カバー部とカバー部との境界からハーネスプロテクタ内部へ侵入するのを防止できる。また、堰部で堰き止められた水などの液体を堰部に沿って反対側の面の端部方向に流すことができ、水などの液体が堰部付近で滞留して車両の振動などで堰部を乗り越えて補助カバー部とカバー部との境界からハーネスプロテクタ内部へ侵入するのを防止できる。
また、前記堰部は、当該堰部の堰面が前記反対側の面のうちの前記第1の側の面から、前記対向する面から前記反対側の面に向かう外側方向へ離れるにつれて、前記反対側の面における前記第1の側から前記第2の側へ向かう方向の前記第2の側の端部に近づくように、形成されているとしてもよい。
これによれば、水などの液体は堰部で堰き止められてそのまま滞留せずに堰部に沿って反対側の面の端部方向により流れやすくできる。
また、前記補助カバー部の前記開口部に対向する面には、前記補助カバー部で前記第1の開口部分を閉鎖する際に、前記カバー部材を収納する凹状をしたカバー収納部が形成されているとしてもよい。
これによれば、補助カバー部で第1の開口部分を閉鎖する際にカバー部材が邪魔にならず、補助カバー部をカバー部材に隙間なく沿わすことが可能になって、ハーネスプロテクタ内部への水などの液体の侵入を効果的に防止できる。
本発明によれば、ベース部材のベース本体部に形成される開口部を、当該開口部の一部である第2の開口部分をカバー部材で閉鎖し、その残りである第1の開口部分をベース部材の補助カバー部の一部がカバー部材の一部と重なるように補助カバー部で閉鎖し、補助カバー部は収納空間に収納されるワイヤーハーネスが延在する方向を回動軸とする連結部によりベース本体部に回動可能に連結されている。このため、カバー部材と補助カバー部との境界に隙間ができないように開口部を閉鎖することが可能になって、ハーネスプロテクタ内部に水などの液体が侵入するのを防ぐことができる。これにより、ハーネスプロテクタ内部に侵入した水などの液体がワイヤーハーネスを覆うアルミニウム素材の編組導体などのシールド部材にかかってシールド部材が錆びるのを防いで、シールド性能の低下を防止できる。
以下では、本発明の実施形態について、添付図面を参照しつつ詳細に説明する。
本発明の一実施形態に関わるハーネスプロテクタ1の構成について図1~図4を参照して説明する。
本実施形態のハーネスプロテクタ1は、電装品などへの電力供給及び信号伝達の目的で、エンジンルームやドア内、室内等、車両の隅々に敷設されるワイヤーハーネス(不図示)を、その一部の外周を囲んで収納し、当該ワイヤーハーネスを機械的に保護するものである。
本実施形態のハーネスプロテクタ1を例えば水などの液体が落下してきやすい位置やその近傍でワイヤーハーネスの一部を収納して当該ワイヤーハーネスの一部を機械的に保護するのに利用することが、当該ハーネスプロテクタ1の機能面から見て好適である。
ハーネスプロテクタ1に収納するワイヤーハーネスとして構造等が既知なワイヤーハーネスを用いるものとし、ワイヤーハーネスの構造等の詳細な説明を省略する。
ワイヤーハーネスは、当該ワイヤーハーネスの外周にアルミニウム素材の編組導体などのシールド部材がメッシュ状に配置されて覆われている。アルミニウム素材の編組導体などのシールド部材は、ワイヤーハーネスから発生する不要電磁波が他の部品に干渉したり、他の部品が発生する不要電磁波によりワイヤーハーネスが干渉を受けたりなどするのを防ぐためのものである。アルミニウム素材の編組導体などのシールド部材は水などの液体がかかり錆びるとシールド性能が低下する。
ハーネスプロテクタ1は、図1及び図2に示すように、夫々が樹脂などで作成された、ベース部材2と、当該ベース部材2と独立して形成されたカバー部材3とを有し、例えば、アルミニウム素材の編組導体などのシールド部材で外周がメッシュ状に覆われたワイヤーハーネスの一部を収納する。後述する収納空間14に収納されたワイヤーハーネスは、ハーネスプロテクタ1の長手方向の開口部1a(図1(a)~(c)参照)から外部に延び、開口部1b(図1(d)参照)から外部に延びた状態になる。
ベース部材2は、図2及び図3に示すように、一体的に形成されたベース本体部11、補助カバー部12、及び、連結部13を含むように構成されている。
ベース部材2を構成するベース本体部11は、図2(c)の矢印Dで指し示す部分などで折れ曲がった構造を有する。ベース本体部11には、図3に示すように、ベース本体部11の一端11a側から他端11b側にかけてシールド部材で被覆されたワイヤーハーネスなどを収納するための収納空間14を有する。この収納空間14は、ベース本体部11の一端11a側から他端11b側にかけて存在する底部11cと、ベース本体部11の一端11a側から他端11b側にかけて存在する側部11dと、ベース本体部11の一端11a側から他端11b側にかけて存在する側部11eとで囲まれた空間である(図1~図3を参照)。ベース本体部11には、図3に示すように、収納空間14に対応して、ベース本体部11の一端11a側から他端11b側にかけて開口部15が形成されている。
ここで、ベース部材2を構成する補助カバー部12及び連結部13を説明する前に、カバー部材3について説明する。
カバー部材3は、図4に示す構造をしており、図2(b)に示すように、ベース部材2の開口部15(図3参照)のうち、ベース部材2の一端11a側の開口部分15a(図2(b)、図3参照)を除く開口部分15b(図3参照)を閉鎖する(図2参照)ためのものである。ここで、収納空間14に収納されるワイヤーハーネスが延在する方向の一端側の所定範囲が開口部分15aに当り、本実施形態では、開口部分15aはベース本体部11が折れ曲がる図2(c)の矢印Dで示す付近より左側の部分が相当し、開口部分15bは図2(c)の矢印Dで示す付近より右側の部分が相当する。なお、開口部分15aが本発明の「第1の開口部分」に相当し、開口部分15bが本発明の「第2の開口部分」に相当する。
図1(e)、図2(b),(c)に示すように、カバー部材3に形成された嵌合部32a,32bなどをベース部材2のベース本体部11の側部11dの外側に設けられた被嵌合部16a,16bなどに嵌合させ、図1(a)に示すように、カバー部材3に形成された嵌合部32cなどをベース部材2のベース本体部11の側部11eの外側に設けられた被嵌合部16cなどに嵌合させることで、カバー部材3をベース部材2のベース本体部11に固定することが可能になっている。
カバー部材3をベース部材2のベース本体部11に対して正規の位置で取り付けた場合、図2(b)に示すように、カバー部材3は開口部15のうちの開口部分15bを閉塞することになるが、開口部15のうちの開口部分15aはカバー部材3では閉鎖されないようになっている。
ベース部材2の説明に戻る。図3に示す補助カバー部12は、カバー部材3の一部と一部が重なるようにして(図1(f)参照)、開口部分15aを閉鎖するためのものである。
図3に示す連結部13は、例えばベース部材2やカバー部材3の厚みより薄くなっており、収納空間14に収納されるワイヤーハーネスが延在する方向(連結部13が形成されるベース本体部11の側部11eの部分で当該側部11eと平行な方向)を回動軸として、ベース本体部11に対して補助カバー部12を回動可能に連結する、ヒンジ構造をしている(ヒンジの機能を有する)。
補助カバー部12は、回動軸の一の回動方向へ連結部13と連動して回動することにより開口部分15aを閉鎖可能であり(図2(a)参照)、回動軸の他の回動方向へ連結部13と連動して回動することにより開口部分15aを開放可能である(図2(b)参照)。補助カバー部12は、ベース本体部11にカバー部材3が固定された後に、開口部分15aを閉鎖するように閉じられる。
補助カバー部12に形成された嵌合部17a(図2(c)、図3参照)をベース部材2のベース本体部11の側部11dの外側に設けられた被嵌合部17bに、図2(c)に示すように、嵌合させることで、補助カバー部12をベース本体部11に開口部分15aを閉鎖した状態で固定可能になっている。
ハーネスプロテクタ1は、通常、図1(e)及び図2(c)の下側が下になるように所望の箇所に配置される。図1(e)及び図2(c)の下側が下になるように所望の箇所に配置された状態のハーネスプロテクタ1における補助カバー部12では、収納空間14に収納されるワイヤーハーネスが延在する方向におけるカバー部材3が延在しない第1の側(図1(e)及び図2(c)の矢印Aで示す部分)が、カバー部材3が延在する第2の側(図1(e)及び図2(c)の矢印Bで示す部分)より高くなっている。このため、補助カバー部12の例えば図1(e)の矢印Cで示す部分に落下してきた水などの液体は、補助カバー部12をつたってカバー部材3が延在する下方に流れていくことになる。
補助カバー部12は、収納空間14に収納されるワイヤーハーネスが延在する方向におけるカバー部材3が延在する第2の側(図1(e)及び図2(c)の矢印Bで示す部分)が、カバー部材3が延在しない第1の側(図1(e)及び図2(c)の矢印Aで示す部分)より、補助カバー部12の開口部分15aに対向する面12b(図2(b)、図3参照)から補助カバー部12の開口部分15aに対向する面12bと反対側の面12a(図2(a)参照)へ向かう方向(外側方向)に突出する形状を有している。さらに記載すると、補助カバー部12は、図2(a)において、補助カバー部12の面12aのうち、カバー部材3が延在しない第1の側(図1(e)及び図2(c)の矢印Aで示す部分)の面12a1より、カバー部材3が延在する第2の側(図1(e)及び図2(c)の矢印Bで示す部分)の面12a2の方が、紙面手前に存在する形状を有している。
上記形状の補助カバー部12の面12aには堰部20が形成され、面12bには面12aで堰部20が形成される箇所に対応してカバー収納部25が形成される。なお、以下では、面12aを適宜「堰部形成面12a」と記載し、面12bを適宜「カバー収納部形成面12b」と記載する。
図2(a)に示す堰部20は、収納空間14に収納されるワイヤーハーネスが延在する方向におけるカバー部材3が延在しない第1の側(図2(a)の矢印Aで示す部分)より、カバー部材3が延在する第2の側(図2の矢印Bで示す部分)の方が、カバー収納部形成面12bから堰部形成面12aに向かう方向(外側方向)に突出するように形成される。つまり、面12a1より面12a2の方がカバー収納部形成面12bから堰部形成面12aに向かう方向(外側方向)の位置になるように形成される。
また、図2(a)に示す堰部20は、堰部形成面12aにおける幅方向での中央付近の中央部20aから、当該幅方向の両方の端部20b,20c夫々に近づくにつれて、面12a1と面12a2とをつなぐ堰部20の面20d(図2(a)参照:本発明の「堰面」に相当)が、堰部形成面12aにおけるカバー部材3が延在する第2の側(図2(a)の矢印Bで示す部分)の端部B1に近づくように形成される。当該幅方向は、収納空間14に収納されるワイヤーハーネスが延在する方向におけるカバー部材3が延在しない第1の側(図2(a)の矢印Aで示す部分)から、カバー部材3が延在する第2の側(図2(a)の矢印Bで示す部分)へ向かう方向と交わる方向である。なお、堰部20は、中央部20aから端部20b,20cのそれぞれにかけて直線状になっているが、これに限定されるものではなく、例えば円弧状などの曲線状などになっていてもよい。
また、図2(a)に示す堰部20は、堰部形成面12aのうちの面12a1から、カバー収納部形成面12bから堰部形成面12aに向かう方向(外側方向)へ離れるにつれて、堰部形成面12aにおけるカバー部材3が延在する第2の側(図2(a)の矢印Bで示す部分)の端部B1に近づくように形成される。つまり、面12a1と面12a2とをつなぐ堰部20の面20d(図2(a)参照)と面12a1とのなす角が90度より大きい角度となるように堰部20は形成されている。
図2(b)に示すカバー収納部25は、収納空間14に収納されるワイヤーハーネスが延在する方向におけるカバー部材3が延在しない第1の側(図2(b)の矢印Aで示す部分)より、カバー部材3が延在する第2の側(図2(b)の矢印Bで示す部分)の方が、カバー収納部形成面12bから堰部形成面12aに向かう方向(内側方向と反対方向)に凹むように形成される。つまり、カバー収納部形成面12bのうちの、第1の側(図2(b)の矢印Aで示す部分)の面12b1より、第2の側(図2(b)の矢印Bで示す部分)の面12b2の方が、カバー収納部形成面12bから堰部形成面12aに向かう方向(内側方向と反対方向)の位置になるように形成される。
また、図2(b)に示すカバー収納部25は、カバー収納部形成面12bにおける幅方向での中央付近の中央部25aから、当該幅方向の両方の端部25b,25c夫々に近づくにつれて、面12a1と面12a2とをつなぐカバー収納部25の面25d(図2(a)参照)が、カバー収納部形成面12bにおけるカバー部材3が延在する第2の側(図2(b)の矢印Bで示す部分)の端部B2に近づくように形成される。当該幅方向は、収納空間14に収納されるワイヤーハーネスが延在する方向におけるカバー部材3が延在しない第1の側(図2(b)の矢印Aで示す部分)から、カバー部材3が延在する第2の側(図2(b)の矢印Bで示す部分)へ向かう方向と交わる方向である。なお、カバー収納部25は、中央部25aから端部25b,25cのそれぞれにかけて直線状になっているが、これに限定されるものではなく、例えば円弧状などの曲線状などになっていてもよい。
カバー部材3の説明に戻って、カバー部材3の図4の点線35で囲む部分の形状について説明する。
カバー部材3の図4の点線35で囲む部分は、ベース部材2の補助カバー部12の内側の面(カバー収納部形成面12b)に形成されるカバー収納部25に収納される部分であり、ここでは、カバー収納部25に収納される部分をカバー被収納部31と記載する。カバー被収納部31は、図1(f)の断面図に示すように、補助カバー部12のカバー収納部25に収納される。
カバー被収納部31は、カバー部材3をベース本体部11に取り付けた後に補助カバー部12を閉めた場合に、カバー収納部25にちょうど(ぴったり)収まる形状及び寸法になっている。つまり、カバー被収納部31は、カバー部材3をベース本体部11に取り付けた後に補助カバー部12を閉めた場合に、カバー被収納部31が邪魔にならずに補助カバー部12をベース本体部11に対して正規の位置に固定可能になり、且つ、カバー部材3のカバー被収納部31の面31a,31b,31cが面31a,31b,31cと対向するカバー収納部25の面に接することになる、形状及び寸法になっている。
上記した実施形態によれば、ベース部材2のベース本体部11に形成される開口部15を、当該開口部15の一部である開口部分15bをカバー部材3で閉鎖し、その残りである開口部分15aをベース部材2の補助カバー部12の一部がカバー部材3の一部と重なるように補助カバー部12で閉鎖し、補助カバー部12は収納空間14に収納されるワイヤーハーネスが延在する方向を回動軸とする連結部13によりベース本体部11に回動可能に連結されている。このため、カバー部材3と補助カバー部12との境界に隙間できないように開口部15を閉鎖することが可能になって、ハーネスプロテクタ1内部に水などの液体が侵入するのを防ぐことができる。これにより、ハーネスプロテクタ1内部に侵入した水などの液体がワイヤーハーネスを覆うアルミニウム素材の編組導体などのシールド部材にかかってシールド部材が錆びるのを防いで、シールド性能の低下を防止できる。
また、補助カバー部12の堰部形成面12aのうちの高い位置にある面12a1(図1(e)参照)に落下してきて、面12a1を伝って下方へ流れる水などの液体を堰部20で堰き止めることで、水などの液体が補助カバー部12とカバー部材3との境界からハーネスプロテクタ1内部へ侵入するのを防止できる。
また、堰部20の面20d(堰部20の堰面)が中央部20aから端部20b,20cに近づくにつれて堰部形成面12aにおける端部B1に近づく構成になっている(図2(a)参照)ので、堰部20で堰き止められた水などの液体を堰部20に沿って堰部形成面12aの端部方向に流すことができ、水などの液体が堰部20付近で滞留して車両の振動などで堰部20を乗り越えて補助カバー部12とカバー部材2との境界からハーネスプロテクタ1内部へ侵入するのを防止できる。
また、堰部20の面20d(堰部20の堰面)と当該面20dより高い位置の面12a1とのなす角が90度より大きくなるように面12a1に対して面20dを傾斜させることで、水などの液体が堰部20で堰き止められてそのまま滞留せずに堰部20に沿って堰部形成面12aの端部方向により流れやすくできる。
また、カバー部材3のカバー被収納部31が補助カバー部12のカバー収納部25にちょうど(ぴったり)収まるように、カバー被収納部31とカバー収納部25を形成しているため、補助カバー部12で開口部分15aを閉鎖する際にカバー部材3が邪魔にならず、且つ、補助カバー部12をカバー部材3に隙間なく沿わすことが可能になって、ハーネスプロテクタ1内部への水などの液体の侵入を効果的に防止できる。
その他、前述の構成には、特許請求の範囲に記載された事項の範囲で種々の設計変更を施すことが可能である。
本発明は、ワイヤーハーネスを収納して外部環境から保護するハーネスプロテクタに広く適用可能である。
1:ハーネスプロテクタ
2:ベース部材
3:カバー部材
11:ベース本体部
12:補助カバー部
13:連結部
20:堰部
20d:堰面
25:カバー収納部
31:カバー被収納部
2:ベース部材
3:カバー部材
11:ベース本体部
12:補助カバー部
13:連結部
20:堰部
20d:堰面
25:カバー収納部
31:カバー被収納部
Claims (4)
- ワイヤーハーネスを収納する収納空間を形成するベース本体部を有するベース部材と、当該ベース部材と独立して形成されるカバー部材とを有するハーネスプロテクタであって、
前記カバー部材は、前記ベース部材の前記ベース本体部に配置された状態で、前記収納空間に対応して前記ベース本体部に形成される開口部のうち、当該収納空間に収納される前記ワイヤーハーネスが延在する方向の一端側の所定範囲に当る第1の開口部分を除いた第2の開口部分を閉鎖するためのものであり、
前記ベース部材は、前記ベース本体部、前記カバー部材の一部と一部が重なるようにして前記第1の開口部分を閉鎖するための補助カバー部、及び、前記収納空間に収納される前記ワイヤーハーネスが延在する方向を回動軸として、前記ベース本体部に対して前記補助カバー部を回動可能に連結する連結部を有し、
前記補助カバー部は、前記回動軸の一の回動方向へ前記連結部と連動して回動することにより前記第1の開口部分を閉鎖可能であり、前記回動軸の他の回動方向へ前記連結部と連動して回動することにより前記第1の開口部分を開放可能である
ことを特徴とするハーネスプロテクタ。 - 所望の箇所に配置された状態の前記ハーネスプロテクタにおける前記補助カバー部では、前記収納空間に収納される前記ワイヤーハーネスが延在する方向における前記カバー部材が延在しない第1の側が、前記カバー部材が延在する第2の側より高くなっており、
前記補助カバー部の前記開口部に対向する面と反対側の面に堰部が設けられており、
前記堰部は、
前記第1の側より前記第2の側の方が、前記対向する面から前記反対側の面に向かう外側方向に突出し、
前記堰部の堰面が前記反対側の面における前記第1の側から前記第2の側へ向かう方向と交わる方向の夫々の当該反対側の面の端部に近づくにつれて前記反対側の面における前記第1の側から前記第2の側へ向かう方向の前記第2の側の端部に近づくように、
形成されている
ことを特徴とする請求項1に記載のハーネスプロテクタ。 - 前記堰部は、当該堰部の堰面が前記反対側の面のうちの前記第1の側の面から、前記対向する面から前記反対側の面に向かう外側方向へ離れるにつれて、前記反対側の面における前記第1の側から前記第2の側へ向かう方向の前記第2の側の端部に近づくように、形成されていることを特徴とする請求項2に記載のハーネスプロテクタ。
- 前記補助カバー部の前記開口部に対向する面には、前記補助カバー部で前記第1の開口部分を閉鎖する際に、前記カバー部材を収納する凹状をしたカバー収納部が形成されていることを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1項に記載のハーネスプロテクタ。
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JP2021168000A JP2023058176A (ja) | 2021-10-13 | 2021-10-13 | ハーネスプロテクタ |
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JP2021168000A JP2023058176A (ja) | 2021-10-13 | 2021-10-13 | ハーネスプロテクタ |
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Family
ID=86068944
Family Applications (1)
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2021
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