WO2021171973A1 - プロテクタ及びワイヤハーネス - Google Patents

Abstract

本開示の一態様は、電線径に応じて発泡材の層の厚さを変更しなくても、電線との間の隙間を生じにくくすることを可能としたプロテクタを提供する。本開示の一態様に従うプロテクタ１３は、電線１１が通される電線挿通部３０を形成する壁部Ｗ（底壁部２１、側壁部２２，２３及び上壁部２４）と、壁部Ｗの内面から電線挿通部３０内に突出する突出壁部３２と、を備える。電線挿通部３０は、電線１１に巻き付けられた発泡材１２が収容される収容区間を有する。そして、突出壁部３２は、当該収容区間に設けられ、発泡材１２の外周面に当接可能に構成されている。

Description

プロテクタ及びワイヤハーネス

　本開示は、プロテクタ及びワイヤハーネスに関するものである。

　例えば、特許文献１に記載された車両用のワイヤハーネスは、電線が通されるプロテクタを備えている。同プロテクタは、電線の外周を覆うことで電線を外部から保護する。

特開２０１９－４７６０６号公報

　上記のようなワイヤハーネスにおいて、電線のプロテクタ内を通る部位の外周に発泡材を巻き付けることで、その発泡材によってプロテクタと電線との間の隙間を埋める構成が考えられる。しかしながら、プロテクタを通る電線の径は、車のグレードなどによって異なる場合があり、電線の径が小さい場合、発泡材が電線の外周に巻き付けてあったとしても、プロテクタと電線との間の隙間がその発泡材で埋まりきらないおそれがある。この場合、発泡材の巻数を増やすなどして発泡材の層の厚さを厚くすることで当該隙間を埋めることは可能であるが、電線径に応じて発泡材の層の厚さを変更する対応は作業性の悪化に繋がってしまう。

　本開示は、電線径に応じて発泡材の層の厚さを変更しなくても、電線との間の隙間を生じにくくすることを可能としたプロテクタ及びワイヤハーネスを提供することを目的とする。

　本開示のプロテクタは、ワイヤハーネスの電線が通される電線挿通部を形成する壁部と、前記壁部の内面から前記電線挿通部内に突出する突出壁部と、を備え、前記電線挿通部は、前記電線に巻き付けられた発泡材が収容される収容区間を有し、前記突出壁部は、前記収容区間に設けられ、前記発泡材の外周面に当接可能に構成されている。

　また、本開示のワイヤハーネスは、上記のプロテクタと、前記プロテクタの前記電線挿通部に通された電線と、前記電線に巻き付けられ、前記収容区間に収容された発泡材と、を備え、前記プロテクタの前記突出壁部が前記発泡材の外周面に当接している。

　本開示によれば、電線径に応じて発泡材の層の厚さを変更しなくても、電線との間の隙間を生じにくくすることを可能としたプロテクタ及びワイヤハーネスを提供することが可能となる。

図１は、実施形態のワイヤハーネスの平面図である。 図２は、図１における２－２線断面図である。 図３は、図１における３－３線断面図である。

　［本開示の実施形態の説明］
　最初に本開示の実施態様を列記して説明する。
　本開示のプロテクタは、
　［１］ワイヤハーネスの電線が通される電線挿通部を形成する壁部と、前記壁部の内面から前記電線挿通部内に突出する突出壁部と、を備え、前記電線挿通部は、前記電線に巻き付けられた発泡材が収容される収容区間を有し、前記突出壁部は、前記収容区間に設けられ、前記発泡材の外周面に当接可能に構成されている。

　この構成によれば、プロテクタの壁部の内面と発泡材との間の隙間を、壁部の内面から突出する突出壁部によって塞ぐことが可能となる。これにより、電線の径に応じて発泡材の層の厚さを変更しなくても、プロテクタと電線との間の隙間を生じにくくすることが可能となる。そして、プロテクタと電線との間の隙間を発泡材及び突出壁部によって塞ぐことで、当該隙間を通る空気の流れを抑制することが可能となり、その結果、当該隙間を空気が通ることで生じうる異音の発生を抑制することが可能となる。

　［２］前記壁部は、前記電線の周方向全体を囲うように筒状に構成され、前記壁部及び前記電線挿通部は、前記電線の挿通方向に沿って延びた形状をなし、前記収容区間は、前記電線挿通部の前記挿通方向の端部に設定されている。

　この構成によれば、プロテクタの壁部が電線の周方向全体を囲う構成であっても、発泡材が収容される収容区間が電線挿通部の挿通方向の端部に設定されるため、収容区間に収容される発泡材の目視確認を容易に行うことができる。

　［３］前記突出壁部は、前記収容区間内において前記電線の挿通方向に沿って複数並設されている。
　この構成によれば、発泡材の位置が電線の長さ方向にずれた場合であっても、複数の突出壁部のうちのいずれかによってプロテクタの壁部の内面と発泡材との間の隙間を塞ぐことが可能となる。

　［４］前記電線挿通部は、前記電線の挿通方向に直交する断面形状が四角形をなし、前記突出壁部は、前記電線挿通部の４つの角部にそれぞれ設けられている。
　電線に巻き付けられた発泡材の断面形状が円形の場合、電線挿通部の４つの角部において発泡材との間に隙間が生じやすいが、上記の構成によれば、電線挿通部の４つの角部にそれぞれ設けられた突出壁部によって各角部における発泡材との間の隙間を塞ぐことが可能となる。

　［５］前記突出壁部の先端部は、前記電線の挿通方向から見て円弧状をなしている。
　この構成によれば、断面円形状の発泡材の外周面に対して、突出壁部を好適に当接させることが可能となる。

　［６］また、本開示のワイヤハーネスは、上記のプロテクタと、前記プロテクタの前記電線挿通部に通された電線と、前記電線に巻き付けられ、前記収容区間に収容された発泡材と、を備え、前記プロテクタの前記突出壁部が前記発泡材の外周面に当接している。

　この構成によれば、プロテクタの壁部の内面と発泡材との間の隙間を、壁部の内面から突出する突出壁部によって塞ぐことが可能となる。これにより、電線の径に応じて発泡材の層の厚さを変更しなくても、プロテクタと電線との間の隙間を生じにくくすることが可能となる。そして、プロテクタと電線との間の隙間を発泡材及び突出壁部によって塞ぐことで、当該隙間を通る空気の流れを抑制することが可能となり、その結果、当該隙間を空気が通ることで生じうる異音の発生を抑制することが可能となる。

　［７］前記発泡材は、半独立気泡発泡体にて形成されている。
　この構成によれば、半独立気泡発泡体からなる発泡材によってプロテクタと電線との間の隙間を好適に埋めることが可能となり、その結果、当該隙間を空気が通ることで生じうる異音の発生を好適に抑制することが可能となる。

　［本開示の実施形態の詳細］
　本開示のプロテクタ及びワイヤハーネスの具体例を、以下に図面を参照しつつ説明する。なお、本発明はこれらの例示に限定されるものではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。

　図１及び図２に示すように、本実施形態の車両用のワイヤハーネス１０は、電線１１と、電線１１の外周に巻き付けられた発泡材１２と、発泡材１２及び電線１１の一部を覆うプロテクタ１３と、を備えている。プロテクタ１３は、図示しない車体に固定される。プロテクタ１３は、電線１１を外部から保護するとともに、電線１１を所定の経路に沿って案内する役割をなす。

　電線１１は、例えば、少なくとも１本の電線が筒状の外装部材などに通された構成をなしている。
　発泡材１２は、シート状の発泡材を電線１１の外周面に巻き付けて構成されている。なお、発泡材１２は、シート状の発泡材の片面に図示しない粘着層を有し、その粘着層によって電線１１に固定される。電線１１は、長さ方向と直交する断面形状が略円形をなすように形成され、その電線１１に巻き付けられた発泡材１２の断面形状も略円形をなしている。

　また、発泡材１２は、例えば、ＥＰＤＭ（エチレンプロピレンジエンゴム）を主成分とした半独立気泡発泡体にて形成されている。ＥＰＤＭは、水に対する耐性が強く、水が掛かる環境下にあっても劣化しにくい特性を有する。また、半独立気泡発泡体は、内部の気泡の一部が連続して構成されることから止水性に欠ける部位が存在するが、圧縮により連続して構成されている気泡が潰されることで、十分な止水性を確保することができるようになっている。

　（プロテクタ１３）
　図１～図３に示すように、プロテクタ１３は、例えば合成樹脂材からなる射出成形品である。プロテクタ１３は、本体部１４と、本体部１４の上部開口１４ａを塞ぐカバー部１５とを備えている。なお、図面中の互いに直交するＸＹＺ軸におけるＸ軸は、プロテクタ１３の長さ方向Ｘを表し、Ｙ軸はプロテクタ１３の幅方向Ｙを表し、Ｚ軸はプロテクタ１３の高さ方向Ｚを表している。プロテクタ１３の長さ方向Ｘは、電線１１の挿通方向と一致している。

　プロテクタ１３の本体部１４は、底壁部２１と、底壁部２１から延出する一対の側壁部２２，２３とを備えている。底壁部２１は、プロテクタ１３の高さ方向Ｚに直交する平板状をなしている。一対の側壁部２２，２３は、プロテクタ１３の高さ方向Ｚに沿って互いに同方向に延出している。また、一対の側壁部２２，２３は、プロテクタ１３の幅方向Ｙにおいて互いに対向している。なお、本実施形態の側壁部２２，２３は、幅方向Ｙに直交する平板状をなしている。

　本体部１４の上部開口１４ａは、側壁部２２，２３における高さ方向Ｚの開放端の間の開口である。カバー部１５は、本体部１４の上部開口１４ａを塞ぐ上壁部２４を有している。上壁部２４は、底壁部２１に対して高さ方向Ｚに対向している。上壁部２４は、プロテクタ１３の高さ方向Ｚに直交する平板状をなしている。

　本実施形態のカバー部１５は、本体部１４に一体に形成されている。詳しくは、カバー部１５の上壁部２４は、ヒンジ部２５を介して本体部１４の側壁部２２に繋がっている。そして、上壁部２４は、図２に示す本体部１４の上部開口１４ａを塞ぐ位置と、上部開口１４ａを開放する開放位置との間を、ヒンジ部２５を中心として回動可能とされている。また、カバー部１５は、上壁部２４が上部開口１４ａを塞ぐ位置にある状態で側壁部２３の被係止部２６に係止する係止部２７を備えている。係止部２７と被係止部２６の係止によって、上壁部２４が上部開口１４ａを塞ぐ位置で本体部１４に対して固定されるようになっている。

　（電線挿通部３０）
　底壁部２１、側壁部２２，２３及び上壁部２４は、電線１１が通される電線挿通部３０を形成する壁部Ｗを構成している。底壁部２１、側壁部２２，２３及び上壁部２４からなる壁部Ｗは、プロテクタ１３の長さ方向Ｘの略全体亘って形成されている。また、壁部Ｗは、長さ方向Ｘから見て四角筒状をなし、電線１１の周方向全体を囲うように構成されている。つまり、壁部Ｗの内側の空間が電線挿通部３０として構成されている。電線挿通部３０には、電線１１が長さ方向Ｘに沿って挿通されている。すなわち、電線挿通部３０は、電線１１の挿通方向（長さ方向Ｘ）に直交する断面形状が四角形をなしている。また、壁部Ｗ及び電線挿通部３０は、電線１１の挿通方向に沿って延びた形状をなしている。

　電線挿通部３０は、電線１１に巻き付けられた発泡材１２が収容される収容区間Ｓを有している。収容区間Ｓは、電線挿通部３０の長さ方向Ｘの端部３０ａに設定されている。プロテクタ１３は、収容区間Ｓにおいて２つの突出壁部群３１を備えている。なお、電線挿通部３０の端部３０ａには、長さ方向Ｘに延びる固定片２８が形成されている。電線挿通部３０の端部３０ａから引き出された電線１１は、図示しない結束バンドまたは粘着テープなどによって固定片２８に固定されるようになっている。

　（突出壁部３２）
　２つの突出壁部群３１は、収容区間Ｓ内において、電線１１の挿通方向（長さ方向Ｘ）に沿って並設されている。一方の突出壁部群３１は、電線挿通部３０の長さ方向Ｘの端部３０ａ（すなわち、壁部Ｗの長さ方向Ｘの端部）に設けられ、他方の突出壁部群３１は、電線挿通部３０の端部３０ａよりも長さ方向Ｘの内側の位置に設けられている。２つの突出壁部群３１はそれぞれ４つの突出壁部３２を備えている。

　各突出壁部群３１において、４つの突出壁部３２は、長さ方向Ｘ視で四角形状をなす電線挿通部３０の４つの角部３３，３４にそれぞれ設けられている。また、各突出壁部３２は、壁部Ｗの内面から電線挿通部３０内に突出するように形成されている。

　詳述すると、各突出壁部群３１における４つの突出壁部３２のうち、２つの突出壁部３２は、底壁部２１と側壁部２２，２３とによって形成される２つの角部３３にそれぞれ設けられている。各角部３３に設けられた突出壁部３２の一方は、底壁部２１及び側壁部２２に対して一体に形成されており、他方は底壁部２１及び側壁部２３に対して一体に形成されている。

　各突出壁部群３１における残りの２つの突出壁部３２は、上壁部２４と各側壁部２２，２３とによって形成される２つの角部３４にそれぞれ設けられている。各角部３４に設けられた突出壁部３２は、上壁部２４に一体に形成され、上壁部２４の内側面から電線挿通部３０内に突出している。また、各突出壁部群３１において、４つの突出壁部３２の長さ方向Ｘにおける形成位置は互いに同位置となっている。

　各突出壁部３２は、長さ方向Ｘに対して略直交する板状をなしている。各突出壁部３２の径方向内側（電線挿通部３０の中心側）の端部である先端部３２ａは、長さ方向Ｘから見て円弧状をなしている。また、各突出壁部３２の先端部３２ａにおける板厚（長さ方向Ｘの厚さ）は、先端（径方向内側端）に向かうにつれて薄くなるように形成されている。そして、各突出壁部３２の先端部３２ａは、電線１１に巻き付けられた発泡材１２の外周面に食い込むように密着している。各突出壁部３２は、発泡材１２と壁部Ｗの内面との間の隙間を塞ぐように設けられている。

　本実施形態の作用について説明する。
　電線１１と壁部Ｗの内面との間の隙間が発泡材１２によって埋められている。これにより、当該隙間を通る空気の流れが抑制され、その結果、当該隙間を空気が通ることで生じうる異音（風切り音）の発生が抑制されている。

　ここで、車両のグレードなどによって電線１１の径（電線１１に含まれる線の本数）が異なることがあるが、同一形状のプロテクタ１３をグレードによらず汎用的に使用したい要望がある。また、良好な作業性のために、電線１１の径によらず発泡材１２の層の厚さ（発泡材１２の巻数など）を一様にしたい要望がある。そこで、本実施形態のプロテクタ１３では、電線１１の径が小さい場合でも、プロテクタ１３や発泡材１２の変更をせずとも、突出壁部３２が発泡材１２の外周面に当接することで、突出壁部３２によって壁部Ｗの内面と発泡材１２との間の隙間を塞ぐことができる。また、突出壁部３２が発泡材１２の外周面に食い込んでいるため、発泡材１２を含む電線１１の長さ方向Ｘへの位置ずれを各突出壁部３２によって抑制可能となっている。

　また、本実施形態の電線挿通部３０は、電線１１の挿通方向に直交する断面形状が四角形をなす一方、電線１１に巻き付けられた発泡材１２の断面形状は円形である。従って、電線１１の径が小さい場合、電線挿通部３０の４つの角部３３，３４において発泡材１２との間に隙間が生じやすい。そこで、電線挿通部３０の４つの角部３３，３４の各々に突出壁部３２を設けることで、各角部３３，３４における発泡材１２との間の隙間を突出壁部３２によって好適に塞ぐことが可能となっている。また、本実施形態の構成によれば、電線挿通部３０のサイズ自体が小さい構成と比較して、大径の電線１１を電線挿通部３０に組み付ける際の組付性が良好なものとなっている。

　本実施形態の効果について説明する。
　（１）プロテクタ１３の壁部Ｗの内面から電線挿通部３０内に突出する突出壁部３２が、電線１１に巻き付けられた発泡材１２の外周面に当接するように構成されている。この構成によれば、プロテクタ１３の壁部Ｗの内面と発泡材１２との間の隙間を、各突出壁部３２によって塞ぐことが可能となる。これにより、電線１１の径に応じて発泡材１２の巻数を増やすなどして発泡材１２の層の厚さを変更しなくても、プロテクタ１３と電線１１との間の隙間を生じにくくすることが可能となる。そして、プロテクタ１３と電線１１との間の隙間を発泡材１２及び突出壁部３２によって塞ぐことで、当該隙間を通る空気の流れを抑制することが可能となり、その結果、当該隙間を空気が通ることで生じうる異音の発生を抑制することが可能となる。

　（２）底壁部２１、各側壁部２２，２３及び上壁部２４からなる壁部Ｗは、電線１１の周方向全体を囲うように筒状に構成されている。壁部Ｗ及び電線挿通部３０は、電線１１の挿通方向に沿って延びた形状をなす。そして、電線挿通部３０の収容区間Ｓは、電線挿通部３０の挿通方向の端部３０ａに設定されている。この構成によれば、プロテクタ１３の壁部Ｗが電線１１の周方向全体を囲う構成であっても、発泡材１２が収容される収容区間Ｓが電線挿通部３０の挿通方向の端部３０ａに設定されるため、収容区間Ｓに収容される発泡材１２の目視確認を容易に行うことができる。

　（３）突出壁部３２は、収容区間Ｓ内において電線１１の挿通方向に沿って複数並設されている。この構成によれば、発泡材１２の位置が電線１１の長さ方向にずれた場合であっても、電線１１の長さ方向に並ぶ複数の突出壁部３２のうちのいずれかによって壁部Ｗの内面と発泡材１２との間の隙間を塞ぐことが可能となる。

　（４）電線挿通部３０は、電線１１の挿通方向に直交する断面形状が四角形をなし、突出壁部３２は、電線挿通部３０の４つの角部３３，３４にそれぞれ設けられている。電線１１に巻き付けられた発泡材１２の断面形状が円形の場合、電線挿通部３０の４つの角部３３，３４において発泡材１２との間に隙間が生じやすいが、４つの角部３３，３４にそれぞれ設けられた各突出壁部３２によって各角部３３，３４における発泡材１２との間の隙間を塞ぐことが可能となる。

　（５）突出壁部３２の先端部３２ａは、電線１１の挿通方向から見て円弧状をなしている。この構成によれば、断面円形状の発泡材１２の外周面に対して、突出壁部３２を好適に当接させることが可能となる。

　（６）発泡材１２は、半独立気泡発泡体にて形成されている。この構成によれば、半独立気泡発泡体からなる発泡材１２によってプロテクタ１３と電線１１との間の隙間を好適に埋めることが可能となり、その結果、当該隙間を空気が通ることで生じうる異音の発生を好適に抑制することが可能となる。

　（７）突出壁部３２が電線１１の挿通方向と交差する板状をなしている。これにより、発泡材１２と壁部Ｗの内面との間の隙間を突出壁部３２によって好適に塞ぐことができる。また、これにより、突出壁部３２を発泡材１２の外周面に好適に食い込ませることができ、その結果、カバー部１５を閉じるのに必要な荷重を軽減することが可能となる。

　（８）突出壁部３２の先端部３２ａにおける板厚（長さ方向Ｘの厚さ）は、先端（径方向内側端）に向かうにつれて薄くなるように形成されている。これにより、突出壁部３２を発泡材１２の外周面に好適に食い込ませることができ、その結果、カバー部１５を閉じるのに必要な荷重を軽減することが可能となる。

　本実施形態は、以下のように変更して実施することができる。本実施形態及び以下の変更例は、技術的に矛盾しない範囲で互いに組み合わせて実施することができる。
　・上記実施形態では、ＥＰＤＭを主成分とした半独立気泡発泡体にて発泡材１２を形成したが、これ以外に例えば、ＥＰＤＭを主成分とした独立気泡発泡体にて発泡材１２を形成してもよい。また、発泡材１２をウレタンにて形成してもよい。

　・突出壁部群３１の数や、各突出壁部群３１における突出壁部３２の数は上記実施形態に限定されるものではなく、電線挿通部３０（壁部Ｗ）の形状などの構成や、収容区間Ｓの長さ（発泡材１２の長さ）などに応じて適宜変更してもよい。

　・上記実施形態のカバー部１５は、プロテクタ１３の本体部１４に一体に形成されているが、これに特に限定されるものではなく、カバー部１５を本体部１４とは別体としてもよい。

　本開示は以下の実装例を包含する。限定のためでなく理解の補助として実施形態の構成要素の参照符号を付した。
　［付記１］本開示の実装例に従うプロテクタ（１３）は、ワイヤハーネス（１０）の電線（１１）が通される溝を画定する本体部（１４）であって、前記溝の長手方向の少なくとも一部は、前記電線（１１）の外周を囲む発泡材（１２）が収容される収容区間（Ｓ）であり、少なくとも前記収容空間（Ｓ）を外部に連通させる開口（１４ａ）を有する、本体部（１４）と、
　前記開口（１４ａ）を開閉可能なカバー部（１５）と、を備え、
　前記本体部（１４）および前記カバー部（１５）の少なくとも一方は、前記収容区間（Ｓ）内に突出する１以上の突出壁部（３２）を有してもよい。

　［付記２］本開示の一または複数の実装例では、前記電線挿通部（３０）は、電線（１１）を収容する通路であってもよい。
　［付記３］本開示の一または複数の実装例では、前記突出壁部（３２）は、前記電線挿通部（３０）の長手方向における端部領域に少なくとも配置された１以上のリブであってもよい。

　［付記４］本開示の一または複数の実装例では、前記電線挿通部（３０）は、開口（１４ａ）を有する溝状の本体部（１４）と、前記開口（１４ａ）を開閉可能に覆うカバー部（１５）と、を有してもよい。

　［付記５］本開示の一または複数の実装例では、前記カバー部（１５）は、１以上の前記突出壁部（３２）を有してもよい。
　［付記６］本開示の一または複数の実装例では、前記本体部（１４）は、２つの側壁部（２２，２３）と、底壁部（２１）と、を有し、
　前記各側壁部（２２，２３）と前記底壁部（２１）とが交差する部分に前記突出壁部（３２）を有してもよい。

　［付記７］本開示の一または複数の実装例では、前記本体部（１４）は、第１および第２側壁部（２２，２３）と、底壁部（２１）と、前記第１側壁部（２２）の端部に配置されたヒンジ部（２５）と、を有し、
　前記カバー部（１５）は、前記ヒンジ部（２５）を介して前記第１側壁部（２２）に回動可能に取り付けられていてもよい。

　［付記８］本開示の一または複数の実装例では、前記カバー部（１５）が１以上の前記突出壁部（３２）を有してもよい。
　［付記９］本開示の一または複数の実装例では、前記カバー部（１５）が、前記本体部（１４）の長手方向に並ぶ複数の前記突出壁部（３２）を有してもよい。

　［付記１０］本開示の一または複数の実装例では、前記カバー部（１５）は、前記開口（１４ａ）を塞ぐ位置で、前記本体部（１４）に対して固定されるように構成されてもよい。

　［付記１１］本開示の一または複数の実装例では、前記発泡材（１２）は、前記電線（１１）の外周を筒状に覆っていてもよい。
　［付記１２］本開示の一または複数の実装例では、前記本体部（１４）の長手方向と直交する断面に並ぶ１以上の前記突出壁部（３２）は、全体として円弧状または円状の先端縁を有してもよい。

　［付記１３］本開示の一または複数の実装例では、前記カバー部（１５）が前記開口（１４ａ）を塞ぐ位置にあるときに、前記断面に並ぶ前記１以上の突出壁部（３２）が前記先端縁を介して発泡材（１２）を圧縮させてもよい。

　本発明がその技術的思想から逸脱しない範囲で他の特有の形態で具体化されてもよいということは当業者にとって明らかであろう。例えば、実施形態（あるいはその１つ又は複数の態様）において説明した部品のうちの一部を省略してもよいし、いくつかの部品を組合せてもよい。本発明の範囲は、添付の請求の範囲を参照して、請求の範囲が権利を与えられる均等物の全範囲と共に確定されるべきである。

　１０　ワイヤハーネス
　１１　電線
　１２　発泡材
　１３　プロテクタ
　１４　本体部
　１４ａ　上部開口
　１５　カバー部
　２１　底壁部
　２２，２３　側壁部
　２４　上壁部
　２５　ヒンジ部
　２６　被係止部
　２７　係止部
　２８　固定片
　３０　電線挿通部
　３０ａ　端部
　３１　突出壁部群
　３２　突出壁部
　３２ａ　先端部
　３３，３４　角部
　Ｓ　収容区間
　Ｗ　壁部
　Ｘ　長さ方向
　Ｙ　幅方向
　Ｚ　高さ方向

Claims (7)

1. 　ワイヤハーネスの電線が通される電線挿通部を形成する壁部と、
   　前記壁部の内面から前記電線挿通部内に突出する突出壁部と、を備え、
   　前記電線挿通部は、前記電線に巻き付けられた発泡材が収容される収容区間を有し、
   　前記突出壁部は、前記収容区間に設けられ、前記発泡材の外周面に当接可能に構成されている、プロテクタ。
2. 　前記壁部は、前記電線の周方向全体を囲うように筒状に構成され、
   　前記壁部及び前記電線挿通部は、前記電線の挿通方向に沿って延びた形状をなし、
   　前記収容区間は、前記電線挿通部の前記挿通方向の端部に設定されている、請求項１に記載のプロテクタ。
3. 　前記突出壁部は、前記収容区間内において前記電線の挿通方向に沿って複数並設されている、請求項１又は請求項２に記載のプロテクタ。
4. 　前記電線挿通部は、前記電線の挿通方向に直交する断面形状が四角形をなし、
   　前記突出壁部は、前記電線挿通部の４つの角部にそれぞれ設けられている、請求項１から請求項３のいずれか１項に記載のプロテクタ。
5. 　前記突出壁部の先端部は、前記電線の挿通方向から見て円弧状をなしている、請求項１から請求項４のいずれか１項に記載のプロテクタ。
6. 　請求項１から請求項５のいずれか１項に記載のプロテクタと、
   　前記プロテクタの前記電線挿通部に通された電線と、
   　前記電線に巻き付けられ、前記収容区間に収容された発泡材と、を備え、
   　前記プロテクタの前記突出壁部が前記発泡材の外周面に当接しているワイヤハーネス。
7. 　前記発泡材は、半独立気泡発泡体にて形成されている、請求項６に記載のワイヤハーネス。

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