JP2023154174A - プロテクタ及びワイヤハーネス - Google Patents

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Abstract

Figure 2023154174000001
【課題】プロテクタに対する電線部材の位置ずれを抑制できるプロテクタ及びワイヤハーネスを提供する。
【解決手段】電線部材(20)の外周を包囲するプロテクタ(30)は、電線部材を保持する筒状の可動部材(31)と、可動部材を回転可能に保持するケース(32)と、を備える。可動部材は、電線部材が貫通する収容部(41)を有する筒状の球状部(40)と、球状部の外周面から外側に突出するとともに電線部材が固定される固定片(42)とを有する。固定片は、バンド(90)が巻き付けられることにより電線部材が固定される構造を有している。
【選択図】図2

Description

本開示は、プロテクタ及びワイヤハーネスに関するものである。
従来、ワイヤハーネスとしては、電線及び電線を囲う外装部材を有する電線部材と、電線部材を囲うプロテクタとを備えたものがある(例えば、特許文献1参照)。この種のプロテクタは、受け部と蓋部との二分割構造にて形成されたケースと、受け部と蓋部との間に回転可能に配置された球状の可動部材とを有している。この可動部材に電線部材が保持されることにより、プロテクタに対して電線部材が可動自在に保持されている。
特開2003-341446号公報
ところで、上記ワイヤハーネスにおいては、プロテクタに対する電線部材の位置ずれを抑制することが望まれている。この点は、電線部材が電線のみによって構成される場合も同様である。
本開示の目的は、プロテクタに対する電線部材の位置ずれを抑制できるプロテクタ及びワイヤハーネスを提供することにある。
本開示のプロテクタは、電線部材の外周を包囲するプロテクタであって、前記電線部材を保持する筒状の可動部材と、前記可動部材を回転可能に保持するケースと、を備え、前記可動部材は、前記電線部材が貫通する収容部を有する筒状の球状部と、前記球状部の外周面から外側に突出するとともに前記電線部材が固定される固定片と、を有し、前記固定片は、バンドが巻き付けられることにより前記電線部材が固定される構造を有している。
本開示のワイヤハーネスは、電線部材と、前記電線部材の外周を包囲するプロテクタと、前記電線部材と前記プロテクタとを結束するバンドと、を備えるワイヤハーネスであって、前記プロテクタは、前記電線部材を保持する筒状の可動部材と、前記可動部材を回転可能に保持するケースと、を有し、前記可動部材は、前記電線部材が貫通する収容部を有する筒状の球状部と、前記球状部の外周面から外側に突出するとともに前記電線部材が固定される固定片と、を有し、前記バンドは、前記電線部材と前記固定片とを囲うように巻き付けられ、前記電線部材を前記固定片に固定している。
本開示のプロテクタ及びワイヤハーネスによれば、プロテクタに対する電線部材の位置ずれを抑制できるという効果を奏する。
図1は、一実施形態のワイヤハーネスを示す概略構成図である。 図2は、一実施形態のワイヤハーネスを示す概略斜視図である。 図3は、一実施形態のワイヤハーネスを示す概略分解斜視図である。 図4は、一実施形態の可動部材を示す概略分解斜視図である。 図5は、一実施形態のワイヤハーネスを示す概略横断面図である。 図6は、一実施形態のワイヤハーネスを示す概略横断面図である。 図7は、一実施形態のワイヤハーネスを示す概略断面図である。 図8は、一実施形態のワイヤハーネスを示す概略断面図である。 図9は、変更例のワイヤハーネスを示す概略分解斜視図である。 図10は、変更例のワイヤハーネスを示す概略横断面図である。
[本開示の実施形態の説明]
最初に本開示の実施形態を列挙して説明する。
[1]本開示のプロテクタは、電線部材の外周を包囲するプロテクタであって、前記電線部材を保持する筒状の可動部材と、前記可動部材を回転可能に保持するケースと、を備え、前記可動部材は、前記電線部材が貫通する収容部を有する筒状の球状部と、前記球状部の外周面から外側に突出するとともに前記電線部材が固定される固定片と、を有し、前記固定片は、バンドが巻き付けられることにより前記電線部材が固定される構造を有している。
この構成によれば、可動部材に、バンドが巻き付けられることにより電線部材が固定される固定片が設けられる。この固定片に電線部材を固定することにより、可動部材に対して電線部材を固定することができる。これにより、可動部材に対する電線部材の相対移動を規制することができる。したがって、可動部材に対する電線部材の位置ずれを好適に抑制できる。また、固定片は、電線部材が貫通する球状部の外側に設けられている。このため、球状部の外側において電線部材を固定することができる。これにより、球状部の収容部の内周面と電線部材の外周面との間に大きな隙間が生じる場合であっても、球状部の外側に設けられた固定片に電線部材を好適に固定することができる。したがって、収容部に貫通可能な大きさの電線部材であれば、種々の大きさの電線部材に対して可動部材を取り付けることが可能である。このため、電線部材のサイズ変更に容易に対応することができる。
ここで、本明細書における「球状」は、真球に限定されるものではなく、楕円球など若干変形した球形や表面に若干の凹凸がある球形も含まれる。本明細書における「筒状」は、周方向全周にわたって連続して周壁が形成されたものだけではなく、複数の部品を組み合わせて筒状をなすものも含まれる。本明細書における「筒状」は、外縁形状が球形のもの、外縁形状が円形のもの、外縁形状が多角形のものを含み、外縁形状が直線又は曲線で結ばれる任意の閉じた形状からなるものを言う。
[2]本開示のワイヤハーネスは、電線部材と、前記電線部材の外周を包囲するプロテクタと、前記電線部材と前記プロテクタとを結束するバンドと、を備えるワイヤハーネスであって、前記プロテクタは、前記電線部材を保持する筒状の可動部材と、前記可動部材を回転可能に保持するケースと、を有し、前記可動部材は、前記電線部材が貫通する収容部を有する筒状の球状部と、前記球状部の外周面から外側に突出するとともに前記電線部材が固定される固定片と、を有し、前記バンドは、前記電線部材と前記固定片とを囲うように巻き付けられ、前記電線部材を前記固定片に固定している。
この構成によれば、上記のプロテクタと同様の作用効果を奏することができる。
[3]前記バンドは、長尺の帯状部と、前記帯状部の長さ方向の端部に前記帯状部と一体に形成されたロック部とを有する結束バンドであり、前記結束バンドは、前記固定片と別部品であることが好ましい。
この構成によれば、結束バンドを用いた簡易な方法によって、電線部材を固定片に固定することができる。また、結束バンドの帯状部を巻き付ける方法であるため、電線部材のサイズ変更に容易に対応することができる。
[4]前記固定片は、前記固定片の長さ方向において前記結束バンドと係合可能である係合部を有していることが好ましい。
この構成によれば、固定片に設けられた係合部が、固定片の長さ方向において、結束バンドと係合可能に形成される。この係合部により、固定片の長さ方向において固定片に対する結束バンドの相対移動を規制することができる。これにより、結束バンドが固定片から外れることを好適に抑制できる。
[5]前記係合部は、前記帯状部が挿入可能であるとともに、前記ロック部が挿入不能である貫通孔を有していることが好ましい。
この構成によれば、結束バンドを固定片に取り付ける際に、帯状部を貫通孔に挿入しつつ、ロック部を貫通孔の開口端を構成する壁部に接触させることができる。これにより、固定片に対して結束バンドを容易に位置決めすることができる。
[6]前記係合部は、前記固定片の長さ方向の先端部に設けられていることが好ましい。
この構成によれば、固定片の長さ方向の先端部において電線部材を固定片に固定することができる。これにより、固定片の長さ方向の基端部において電線部材が固定片に固定される場合に比べて、可動部材の収容部から引き出された電線部材がバタつくことを抑制できる。この結果、収容部から引き出された電線部材が固定片に対して位置ずれすることを好適に抑制できる。
[7]前記固定片は、前記収容部の内周面と連なって形成されるとともに前記電線部材に対向する内面を有する基部と、前記基部の内面から前記固定片の長さ方向と交差する方向に沿って突出する突出壁とを有し、前記係合部は、前記基部に設けられた第1係合部と、前記突出壁に設けられた第2係合部とを有し、前記第2係合部は、前記貫通孔を有していることが好ましい。
この構成によれば、基部に設けられた第1係合部と突出壁に設けられた第2係合部とによって、固定片の長さ方向において固定片に対する結束バンドの相対移動を規制できる。
[8]前記収容部の内周面は、前記電線部材の外周面に対応した曲面に形成されており、前記基部の内面は、前記電線部材の外周面に対応した曲面に形成されており、前記突出壁は、前記固定片の長さ方向に対して垂直な第1方向に延びており、前記貫通孔の貫通方向は、前記第1方向のみに沿って延びていることが好ましい。
この構成によれば、収容部の内周面と基部の内面とが、電線部材の外周面に対応した曲面に形成される。また、収容部の内周面と基部の内面とが連なって形成される。このため、収容部の内周面と基部の内面との境界部分に段差が形成されることを抑制でき、収容部の内周面及び基部の内面と電線部材の外周面との接触面積を増大させることができる。これにより、固定片に対して電線部材を安定して固定させることができる。また、貫通孔の貫通方向が、固定片の長さ方向に対して垂直な第1方向のみに沿って延びている。このため、貫通孔に結束バンドの帯状部を挿入する際に、第1方向のみに沿って帯状部を貫通孔に挿入することができる。したがって、貫通孔に対して帯状部を容易に挿入できる。
[9]前記可動部材は、第1分割体と、前記第1分割体に合体可能に形成された第2分割体とを有し、前記第1分割体は、第1溝部を有する第1半球状部と、前記第1半球状部の外周面から外側に突出する前記固定片とを有し、前記第2分割体は、第2溝部を有する第2半球状部を有し、前記球状部は、前記第1半球状部と前記第2半球状部とが合体して構成されており、前記収容部は、前記第1溝部と前記第2溝部とが重ね合わされて構成されていることが好ましい。
この構成によれば、可動部材が、第1半球状部及び固定片を有する第1分割体と第2半球状部を有する第2分割体とによって電線部材を包囲する筒状に形成されている。これにより、可動部材を筒状としながらも、可動部材が第1分割体と第2分割体とに分かれていることで、可動部材を電線部材に対して後付け可能となる。すなわち、可動部材が第1分割体と第2分割体とに分かれていることで、例えば電線部材の長さ方向の端部にコネクタを取り付けるなどの端末処理を行った後に、その電線部材に対して可動部材を取り付けることが可能である。この結果、ワイヤハーネスの組立作業性を向上できる。
[10]前記ケースは、前記球状部を回転可能に収容する球状の収容空間を有し、前記ケースは、受け部と、前記受け部に合体可能に形成された蓋部とを有し、前記受け部は、半球状の第1収容凹部を有し、前記蓋部は、半球状の第2収容凹部を有し、前記収容空間は、前記第1収容凹部と前記第2収容凹部とが重ね合わされて構成されており、前記球状部は、前記受け部と前記蓋部とによって挟まれた状態で前記収容空間に収容されていることが好ましい。
この構成によれば、ケースが、第1収容凹部を有する受け部と第2収容凹部を有する蓋部とによって電線部材及び可動部材を包囲する筒状に形成されている。これにより、ケースを筒状としながらも、ケースが受け部と蓋部とに分かれていることで、ケースを電線部材に対して後付け可能となる。この結果、ワイヤハーネスの組立作業性を向上できる。
[本開示の実施形態の詳細]
本開示のプロテクタ及びワイヤハーネスの具体例を、以下に図面を参照しつつ説明する。各図面では、説明の便宜上、構成の一部を誇張又は簡略化して示す場合がある。また、各部分の寸法比率については各図面で異なる場合がある。本明細書における「平行」、「直交」や「全長」は、厳密に平行、直交や全長の場合のみでなく、本実施形態における作用効果を奏する範囲内で概ね平行、直交や全長の場合も含まれる。本明細書における「対向」とは、面同士又は部材同士が互いに正面の位置にあることを指し、互いが完全に正面の位置にある場合だけでなく、互いが部分的に正面の位置にある場合を含む。また、本明細書における「対向」とは、2つの部分の間に、2つの部分とは別の部材が介在している場合と、2つの部分の間に何も介在していない場合の両方を含む。なお、本発明はこれらの例示に限定されるものではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
(車両Vの構成)
図1に示すように、車両Vは、複数の電装品M1,M2と、複数の電装品M1,M2を電気的に接続するワイヤハーネス10とを有している。電装品M1,M2としては、例えば、バッテリ、モータジェネレータ、エアコンディショナ、スライドドアアクチュエータ、バックドアアクチュエータ、シートヒータ及びこれらを制御する制御装置などを挙げることができる。
(ワイヤハーネス10の構成)
ワイヤハーネス10は、電装品M1と電装品M2との間に架け渡されるように形成されている。ワイヤハーネス10は、例えば、車両Vのボディと可動体B1との間に架け渡されるように形成されている。可動体B1としては、例えば、車両Vのシートやスライドドアなどを挙げることができる。電装品M1は、例えば、車両Vのボディに取り付けられた電装品である。電装品M2は、例えば、可動体B1に取り付けられた電装品である。電装品M2は、例えば、可動体B1が移動する場合に(図中一点鎖線参照)、その可動体B1と一緒に移動する。ワイヤハーネス10は、例えば、可動体B1の移動に応じて、ワイヤハーネス10の経路を車両Vのボディや可動体B1と干渉することなく変形させることが可能に構成されている。例えば、ワイヤハーネス10は、スライドドアの開閉動作に応じて、ワイヤハーネス10の経路を車両Vのボディやスライドドアと干渉することなく湾曲変形させることが可能に構成されている。
ワイヤハーネス10は、電線部材20と、電線部材20の外周を包囲するプロテクタ30とを有している。ワイヤハーネス10は、電線部材20の両端部に取り付けられたコネクタC1,C2を有している。電線部材20の長さ方向の一端部はコネクタC1を介して電装品M1と接続されるとともに、電線部材20の長さ方向の他端部はコネクタC2を介して電装品M2と接続されている。
図2に示すように、ワイヤハーネス10は、電線部材20とプロテクタ30とを結束する結束バンド90を有している。電線部材20は、結束バンド90によりプロテクタ30と結束されることで、プロテクタ30に固定される。
(電線部材20の構成)
電線部材20は、例えば、1本又は複数の電線21と、電線21の外周を包囲する外装部材22とを有している。
各電線21は、例えば、導電性を有する芯線と、芯線の外周を囲うとともに電気絶縁性を有する絶縁被覆とを有する被覆電線である。各電線21は、例えば、12V程度の低電圧に対応可能な低圧電線である。各電線21は、例えば、自身に電磁シールド構造を有するシールド電線であってもよいし、自身に電磁シールド構造を有しないノンシールド電線であってもよい。本実施形態の各電線21は、ノンシールド電線である。
外装部材22は、複数の電線21の外周を一括して包囲するように形成されている。外装部材22は、例えば、複数の電線21の外周を周方向全周にわたって包囲する筒状に形成されている。外装部材22は、例えば、電線21の長さ方向に沿って延びるスリットを有するシート状に形成されている。外装部材22は、例えば、可撓性を有する一枚の樹脂シートを電線21に周方向に巻くことによって筒状をなすように形成されている。
外装部材22は、例えば、樹脂シートの幅方向(つまり、電線21の長さ方向と交差する方向)における端部23と、樹脂シートの幅方向において端部23と反対側に設けられた端部24とを有している。外装部材22は、例えば、端部23と端部24とを電線21の径方向に重ね合わせることによって筒状をなすように形成されている。外装部材22は、例えば、端部23と端部24との重なり幅を調整することにより、複数の電線21の外形の大きさに合わせた寸法の筒状に形成することができる。外装部材22は、例えば、複数の電線21の外周を包囲可能な筒状態から、電線21の外周を包囲しないシート状態に戻ることが可能な弾性を有している。
外装部材22は、例えば、端部24の内面に設けられた接着層(図示略)により端部23,24同士が接着されることによって、筒状態が維持されている。なお、外装部材22の筒状態を維持する方法は特に限定されない。例えば、外装部材22の外周に粘着テープを巻き付けることによって、外装部材22の筒状態を維持するようにしてもよい。
外装部材22の材料としては、例えば、絶縁性を有する樹脂材料を用いることができる。外装部材22の材料としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリオレフィン、ポリアミド、ポリエステル、ABS樹脂などの合成樹脂を用いることができる。外装部材22としては、例えば、ツイストチューブを用いることができる。
(プロテクタ30の構成)
プロテクタ30は、例えば、外装部材22の外周を包囲するように設けられている。図1に示すように、プロテクタ30は、例えば、電線部材20の長さ方向の一部に設けられている。プロテクタ30は、例えば、電線部材20の長さ方向の中間部に設けられている。プロテクタ30は、例えば、車両Vの車体パネル等に固定されている。
図2及び図3に示すように、プロテクタ30は、電線部材20を保持する筒状の可動部材31と、可動部材31を回転可能に保持するケース32とを有している。可動部材31とケース32とは別体に形成されている。すなわち、可動部材31とケース32とは別部品である。可動部材31及びケース32は、例えば、金属製又は樹脂製である。本実施形態の可動部材31及びケース32は、樹脂製である。可動部材31及びケース32の材料としては、例えば、ポリプロピレン、ポリアミド、ポリアセタールなどの合成樹脂を用いることができる。可動部材31の材料とケース32の材料とは、互いに異なる材料であってもよいし、互いに同種の材料であってもよい。可動部材31及びケース32は、例えば、射出成形などの周知の製造方法によって製造できる。
(可動部材31の構成)
可動部材31は、電線部材20が貫通する収容部41を有する筒状の球状部40と、球状部40の外周面から外側に突出する固定片42とを有している。球状部40は、全体として球状に形成されている。球状部40の外周面は、例えば、球面状に形成されている。球状部40は、例えば、電線部材20の外周を周方向全周にわたって包囲する筒状に形成されている。
図4及び図5に示すように、可動部材31は、例えば、第1分割体31Aと、第1分割体31Aに合体可能に形成された第2分割体31Bとを有している。第1分割体31Aと第2分割体31Bとは、例えば、別部品である。第1分割体31Aと第2分割体31Bとは、互いに着脱可能に形成されている。可動部材31は、例えば、第1分割体31Aと第2分割体31Bとが合体して構成されている。図5に示すように、可動部材31は、第1分割体31Aと第2分割体31Bとを合体させることにより、電線部材20の外周を包囲する筒状に形成されている。すなわち、可動部材31は、第1分割体31A及び第2分割体31Bの複数の分割体により構成されており、それら分割体同士を合体させることにより収容部41を有する筒体に形成されている。ここで、可動部材31は、電線部材20の長さ方向に沿って延びる長さ方向と、その長さ方向と直交する幅方向と、それら長さ方向及び幅方向の双方と直交する高さ方向とを有している。可動部材31の高さ方向は、例えば、第1分割体31Aと第2分割体31Bとが合体する方向と一致している。
図4に示すように、第1分割体31Aは、例えば、第1溝部41Aを有する第1半球状部40Aと、第1半球状部40Aの外周面から外側に突出する固定片42とを有している。第1分割体31Aは、例えば、第1半球状部40Aと固定片42とが一体に形成された単一部品である。第2分割体31Bは、例えば、第2溝部41Bを有する第2半球状部40Bを有している。第2半球状部40Bは、例えば、第1半球状部40Aに着脱可能に形成されている。例えば、第1半球状部40Aと第2半球状部40Bとは、互いに同じ構造を有している。このため、以下の説明では、第1半球状部40Aの構造について詳述し、第2半球状部40Bの構造については説明を割愛する。具体的には、第2半球状部40Bの構造については、第1半球状部40Aの対応する構成の符号の末尾の「A」を「B」に変更した符号を付すことにより、重複する説明を省略する。
第1半球状部40Aは、例えば、全体として半球状に形成されている。第1半球状部40Aの外周面は、例えば、半球面状に形成されている。第1半球状部40Aは、例えば、全体として半割筒状に形成されている。第1溝部41Aは、例えば、第2半球状部40Bと対向する端面に形成されている。第1溝部41Aは、例えば、第1半球状部40Aのうち第2半球状部40Bと対向する端面から第2半球状部40Bから離れる方向に凹むように形成されている。第1溝部41Aは、例えば、電線部材20(図3参照)の長さ方向に沿って延びている。第1溝部41Aは、例えば、第1分割体31Aの長さ方向に沿って第1分割体31Aの長さ方向の全長にわたって延びている。第1溝部41Aは、例えば、第1分割体31Aの長さ方向と直交する方向に開口するとともに、第1半球状部40Aの長さ方向の両端に開口するように形成されている。図5に示すように、第1溝部41Aの内面は、例えば、円弧状に湾曲した曲面に形成されている。第1溝部41Aの内面は、例えば、電線部材20の外周面に対応する曲面に形成されている。第1溝部41Aは、例えば、第1溝部41Aの幅方向の中央ほど底が深くなるように湾曲している。第1溝部41Aは、例えば、電線部材20の長さ方向の一部を収容可能な大きさに形成されている。
図4に示すように、第1半球状部40Aは、例えば、底壁43Aと、底壁43Aの両側縁から第2分割体31Bに向かって突出するとともに互いに対向する2つの側壁44A,45Aとを有している。底壁43Aは、例えば、第1溝部41Aの底部に形成されている。底壁43Aの内面は、例えば、第1溝部41Aの底面を構成している。各側壁44A,45Aの内面は、例えば、第1溝部41Aの内側面を構成している。各側壁44A,45Aは、例えば、底壁43Aの幅方向の両端縁のそれぞれから第2分割体31Bに向かって突出している。2つの側壁44A,45Aは、例えば、第1分割体31Aの幅方向において互いに対向している。各側壁44A,45Aは、底壁43Aと連続して一体に形成されている。底壁43Aの内面及び側壁44A,45Aの内面は、例えば、円弧状に湾曲した曲面に形成されている。側壁44Aの内面と底壁43Aの内面と側壁45Aの内面とは、例えば、同じ曲率で連続して湾曲するように形成されている。
底壁43Aは、例えば、1以上の凹部46Aを有している。本実施形態の底壁43Aは、複数の凹部46Aを有している。図5に示すように、各凹部46Aは、底壁43Aの内面から収容部41の径方向外側に向かって凹むように形成されている。各凹部46Aは、例えば、底壁43Aを貫通しないように形成されている。複数の凹部46Aは、例えば、収容部41の周方向において間隔を空けて設けられている。複数の凹部46Aは、例えば、第1分割体31Aの長さ方向において間隔を空けて設けられている。
各側壁44A,45Aは、例えば、1以上の凹部47Aを有している。本実施形態の各側壁44A,45Aは、複数の凹部47Aを有している。各凹部47Aは、側壁44A,45Aの内面から収容部41の径方向外側に向かって凹むように形成されている。各凹部47Aは、例えば、側壁44A,45Aを貫通しないように形成されている。各凹部47Aは、例えば、収容部41の周方向に沿って延びるように形成されている。複数の凹部47Aは、例えば、第1分割体31Aの長さ方向において間隔を空けて設けられている。例えば、側壁44A,45Aに設けられた凹部47Aと、底壁43Aに設けられた凹部46Aとは、収容部41の周方向に沿って並んで設けられている。
図4及び図5に示すように、第1半球状部40Aは、例えば、係合部48Aと係合部49Aとを有している。係合部48Aは、例えば、側壁44Aに設けられている。係合部48Aは、例えば、第2半球状部40Bに設けられた係合部49Bと係合可能に設けられている。係合部48Aは、例えば、側壁44Aの周方向における端面、つまり第2半球状部40Bと対向する端面から第2半球状部40Bに向かって突出するように形成されている。係合部48Aの先端部には、例えば、収容部41の径方向外側に向かって突出する係合凸部48Cが形成されている。係合部48Aは、例えば、側壁44Aの周方向の端面に接続された基端部を固定端とし、基端部とは反対側の先端部を自由端とする片持ち状に形成されている。係合部48Aは、例えば、弾性変形による第1分割体31Aの幅方向への撓みが可能に構成されている。
図4に示すように、係合部49Aは、例えば、側壁45Aに設けられている。係合部49Aは、例えば、側壁45Aの外周面に設けられている。係合部49Aは、例えば、第2半球状部40Bに設けられた係合部48Bが係合される係合枠部である。係合部49Aは、例えば、U字状の枠体に形成されており、その枠体の中央に係合部48Bが係合可能な係合孔49Cを有している。係合部48A,48Bと係合部49B,49Aとは、例えば、スナップフィット方式により互いに係合される。
固定片42は、例えば、第1溝部41Aの長さ方向の端面から第1分割体31Aの長さ方向に沿って延びている。固定片42は、第1半球状部40Aから離れる方向に突出している。固定片42は、例えば、第1分割体31Aの長さ方向に沿って直線状に延びている。固定片42は、例えば、第1溝部41Aの周方向の一部のみに形成されている。
固定片42は、例えば、基部50と、基部50の長さ方向と直交する幅方向の一端部から第2分割体31Bに向かって突出する突出壁51と、係合部53とを有している。固定片42は、例えば、基部50と突出壁51と係合部53とが一体に形成されている。
基部50は、例えば、板状に形成されている。基部50は、例えば、電線部材20と対向する内面と、基部50の厚み方向(板厚方向)において内面と反対側に設けられた外面とを有している。基部50の内面は、例えば、電線部材20の外周面と接触可能に設けられている。基部50の内面及び外面は、例えば、電線部材20の外周面に対応した形状に形成されている。基部50の内面及び外面は、例えば、円弧状に湾曲した曲面に形成されている。基部50の内面は、例えば、第1溝部41Aの内面と連続して一体に形成されている。基部50の内面は、例えば、第1溝部41Aの内面と段差無く連続して一体に形成されている。基部50の内面は、例えば、底壁43Aにより構成される第1溝部41Aの内面と段差無く連続して一体に形成されている。基部50の内面と第1溝部41Aの内面とは、例えば、同じ曲率で湾曲するように形成されている。
図6に示すように、突出壁51は、例えば、基部50の幅方向(図中左右方向)の一端部のみに設けられている。突出壁51は、基部50の内面から固定片42の長さ方向と交差する方向に沿って突出している。突出壁51は、例えば、固定片42の長さ方向に対して垂直な第1方向D1(図中上下方向)に延びている。第1方向D1は、例えば、固定片42の長さ方向及び幅方向の両方に対して垂直な方向である。突出壁51は、例えば、板状に形成されている。突出壁51は、例えば、電線部材20と対向する内面と、突出壁51の厚み方向(板厚方向)において内面と反対側に設けられた外面とを有している。突出壁51の内面は、例えば、電線部材20の外周面と接触可能に設けられている。突出壁51の内面は、例えば、基部50の内面と連続して一体に形成されている。突出壁51の内面及び外面は、第1方向D1に延びている。図4に示すように、突出壁51は、例えば、固定片42の長さ方向に沿って延びている。突出壁51は、例えば、固定片42の長さ方向に沿って固定片42の長さ方向の全長にわたって延びている。突出壁51の長さ方向の基端部は、その基端部と第1溝部41Aの開口端とを連結する連結壁52に接続されている。連結壁52は、例えば、第1溝部41Aの開口の一部を塞ぐように形成されている。突出壁51及び連結壁52は、例えば、固定片42の長さ方向から見た平面視において、収容部41の一部と重なるように設けられている。
図3に示すように、係合部53は、固定片42の長さ方向において結束バンド90と係合可能に設けられている。係合部53は、例えば、固定片42の長さ方向の先端部に設けられている。係合部53は、例えば、基部50に設けられた第1係合部53Aと、突出壁51に設けられた第2係合部53Bとを有している。
第1係合部53Aは、例えば、基部50の長さ方向の先端部における外面から基部50の内面から離れる方向に向かって突出するように形成されている。第1係合部53Aは、例えば、固定片42の厚み方向に沿って延びている。第1係合部53Aは、例えば、基部50の幅方向に沿って延びている。第1係合部53Aは、例えば、基部50の幅方向の全長にわたって延びている。
図4に示すように、第2係合部53Bは、例えば、突出壁51の外面から外側に向かって突出する第1壁54及び第2壁55と、第1壁54と第2壁55とを接続する第3壁56とを有している。第1壁54と第2壁55とは、突出壁51の長さ方向において互いに離れて設けられている。第1壁54及び第2壁55は、例えば、突出壁51の外面に対して垂直に延びている。第1壁54及び第2壁55は、例えば、第1方向D1に沿って延びている。第1壁54及び第2壁55は、例えば、第1方向D1に沿って突出壁51の高さ方向の全長にわたって延びている。第1壁54は、例えば、第1係合部53Aと連続して形成されている。すなわち、固定片42の先端部には、第1係合部53Aと第1壁54とが連続して延びるように設けられている。
図2に示すように、第3壁56は、例えば、第1壁54の突出先端と第2壁55の突出先端とを接続している。第3壁56は、例えば、固定片42の幅方向において、突出壁51と離れて設けられている。第3壁56は、例えば、突出壁51の長さ方向に沿って延びている。第3壁56は、例えば、第1方向D1に沿って延びている。第3壁56は、例えば、第1方向D1に沿って突出壁51の高さ方向の全長にわたって延びている。第3壁56は、例えば、突出壁51と平行に延びるように形成されている。
第2係合部53Bは、例えば、貫通孔57を有している。貫通孔57は、例えば、突出壁51の外面と、第1壁54と、第2壁55と、第3壁56とによって囲まれた空間により形成されている。図6に示すように、貫通孔57の貫通方向は、例えば、第1方向D1に沿って延びている。すなわち、貫通孔57の貫通方向は、固定片42の長さ方向に対して垂直に延びている。貫通孔57の貫通方向は、例えば、第1方向D1のみに沿って延びている。すなわち、貫通孔57は、第1方向D1の両端に開口している。換言すると、貫通孔57は、例えば、突出壁51のみに対応して形成されており、基部50まで延びるように形成されていない。例えば、第2壁55及び第3壁56は、基部50まで延びてない。このため、基部50における係合部53は、第2壁55及び第3壁56に囲まれた閉塞空間を有しておらず、基部50の先端に設けられた第1係合部53A(図2参照)のみによって構成されている。ここで、貫通孔57の一方(図中上側)の開口端を構成する壁部は、例えば、突出壁51の突出先端面(ここでは、上面)と面一に形成されている。例えば、図2に示すように、第1壁54の上面と第2壁55の上面と第3壁56の上面とは、例えば、突出壁51の上面と面一に形成されている。
固定片42は、例えば、可動部材31がケース32に保持された状態において、ケース32の外部に設けられている。固定片42は、例えば、ケース32の長さ方向の端面よりも外側に突出するように形成されている。
図4に示すように、本実施形態の第2分割体31Bは、第2半球状部40Bのみを有している。第2半球状部40Bは、例えば、全体として半球状に形成されている。第2半球状部40Bは、例えば、全体として半割筒状に形成されている。第2溝部41Bは、例えば、第2半球状部40Bのうち第1半球状部40Aと対向する端面に形成されている。第2溝部41Bは、例えば、第1溝部41Aと対向するように形成されている。第2半球状部40Bは、例えば、底壁43Bと、底壁43Bの両側縁から第1分割体31Aに向かって突出するとともに互いに対向する2つの側壁44B,45Bとを有している。底壁43Bは、例えば、1以上の凹部46Bを有している。各側壁44B,45Bは、例えば、1以上の凹部47Bを有している。第1半球状部40Aは、例えば、係合部48Bと係合部49Bとを有している。
図5に示すように、第1分割体31Aと第2分割体31Bとは、第1半球状部40Aと第2半球状部40Bとを重ね合わせるようにして合体されている。第1半球状部40Aと第2半球状部40Bとは、第1溝部41Aと第2溝部41Bとを重ね合わせるようにして合体されている。すなわち、第1半球状部40Aと第2半球状部40Bとは、第1溝部41Aと第2溝部41Bとが互いに連通するように合体されている。また、第1半球状部40Aと第2半球状部40Bとは、係合部48Aと係合部49Bとが互いに係合されるように、且つ係合部49Aと係合部48Bとが互いに係合されるように合体されている。これら係合部48A,48Bと係合部49B,49Aとの係合により、第1半球状部40Aと第2半球状部40Bとが合体した状態、つまり第1半球状部40Aと第2半球状部40Bとにより筒体が形成された状態が維持される。このように第1分割体31Aと第2分割体31Bとが合体された可動部材31では、第1半球状部40Aと第2半球状部40Bとにより球状部40が構成され、第1溝部41Aと第2溝部41Bとにより収容部41が構成されている。
(結束バンド90の構成)
図2に示すように、結束バンド90は、電線部材20と固定片42とを囲うように巻き付けられ、電線部材20を固定片42に固定するように設けられている。結束バンド90は、例えば、電線部材20の外周と固定片42の外周とを覆いつつ電線部材20と固定片42とを結束している。結束バンド90は、可動部材31の収容部41から引き出された電線部材20を固定片42に固定している。
結束バンド90は、例えば、長尺の帯状部91と、帯状部91の長さ方向の基端部に帯状部91と一体に形成されたロック部92とを有している。帯状部91は、可撓性を有している。ロック部92は、帯状部91が通された状態で、その通す方向の反対方向である抜き方向への帯状部91の移動を規制して、帯状部91をロックするものである。結束バンド90は、例えば、樹脂製である。結束バンド90の材料としては、例えば、ポリプロピレン、ポリエーテルエーテルケトンやフッ素樹脂などを用いることができる。
図3に示すように、帯状部91は、例えば、横断面形状が長方形をなす細長い平板形状に形成されている。ロック部92は、例えば、帯状部91よりも横断面形状が大きく形成されている。ロック部92は、例えば、帯状部91の外周面から外方に突出するように形成されている。ロック部92は、第2係合部53Bの貫通孔57に挿入不能な大きさに形成されている。換言すると、貫通孔57は、例えば、帯状部91が挿入可能な大きさに形成されるとともに、ロック部92が挿入不能な大きさに形成されている。ロック部92は、例えば、直方体状に形成されている。ロック部92は、例えば、帯状部91が挿入可能な挿入口93を有している。挿入口93の内面には、例えば、図示しない係合爪が設けられている。帯状部91の長さ方向の先端部の外周面には、例えば、帯状部91の幅方向に沿って延びる複数の係合溝(図示略)が帯状部91の長さ方向において所定の間隔を空けて設けられている。結束バンド90では、例えば、帯状部91に設けられた複数の係合溝のうちの1つの係合溝にロック部92の係合爪を係合させることにより、ロック部92に対して帯状部91をロックする。
図6に示すように、帯状部91は、その帯状部91の先端部がロック部92の挿入口93に挿入された状態で、電線部材20の周方向全周にわたって電線部材20及び固定片42の外側に巻き付けられている。帯状部91は、例えば、電線部材20の外周面と基部50の外面と突出壁51の外面とに接触するように巻き付けられている。帯状部91は、例えば、電線部材20と固定片42とを互いに接近する方向に締め付けるように形成されている。このように、固定片42は、帯状部91が巻き付けられることにより電線部材20が固定される構造を有している。ここで、帯状部91は、例えば、固定片42の長さ方向において係合部53と係合可能である。
結束バンド90によって固定片42に電線部材20が固定されると、電線部材20の長さ方向において電線部材20に対する可動部材31の相対移動が規制される。これにより、可動部材31に対する電線部材20の位置ずれを抑制することができる。
(ケース32の構成)
図2に示すように、ケース32は、受け部61と、受け部61に合体可能に形成された蓋部62とを有している。受け部61と蓋部62とは、例えば、別部品である。受け部61と蓋部62とは、例えば、互いに着脱可能に形成されている。ケース32は、受け部61と蓋部62とを合体させることにより、電線部材20の外周を包囲する筒体に形成されている。すなわち、ケース32は、受け部61及び蓋部62の複数の分割体により構成されており、それら分割体同士を合体させることにより筒体に形成されている。受け部61と蓋部62とを合体させて構成された筒体(つまり、ケース32)は、可動部材31の球状部40を回転可能に収容する球状の収容空間63を有している。収容空間63は、例えば、収容空間63に対して自由に回転可能な状態で球状部40を収容できる大きさに形成されている。収容空間63は、例えば、収容空間63に対して球状部40が回転する際にその球状部40が収容空間63から抜けない大きさに設定されている。収容空間63は、例えば、球状部40の外形よりも僅かに大きく形成されている。収容空間63の内径は、例えば、球状部40の外径よりも僅かに大きく形成されている。ここで、ケース32は、電線部材20の長さ方向に沿って延びる長さ方向と、その長さ方向と直交する幅方向と、それら長さ方向及び幅方向の双方と直交する高さ方向とを有している。ケース32の高さ方向は、例えば、受け部61と蓋部62とが合体する方向と一致している。
図3に示すように、受け部61は、例えば、全体として半割筒状に形成されている。受け部61は、例えば、蓋部62と対向する底壁71Aと、底壁71Aの両側縁から蓋部62に向かって突出するとともに互いに対向する2つの側壁72Aとを有している。底壁71Aは、例えば、電線部材20の長さ方向に沿って延びている。各側壁72Aは、底壁71Aと連続して一体に形成されている。各側壁72Aは、例えば、底壁71Aの幅方向の両端縁のそれぞれから蓋部62に向かって突出している。各側壁72Aは、例えば、受け部61の高さ方向に沿って延びている。2つの側壁72Aは、例えば、受け部61の幅方向において互いに対向している。
受け部61は、受け部61の長さ方向の一端部に設けられた導出口73Aと、受け部61の長さ方向の他端部に設けられた導出口74Aとを有している。受け部61では、導出口73Aから電線部材20がケース32の外部に引き出されるとともに、導出口73Bから電線部材20がケース32の外部に引き出される。換言すると、電線部材20は、受け部61の内部を貫通している。
図5~図7に示すように、受け部61は、半球状の第1収容凹部63Aを有している。第1収容凹部63Aは、受け部61と蓋部62とが合体した状態において、球状の収容空間63を構成する。図7に示すように、受け部61は、例えば、受け部61の長さ方向において、第1収容凹部63Aと導出口74Aとの間に設けられた収容凹部75Aを有している。第1収容凹部63Aは、導出口73Aと直接連通している。換言すると、第1収容凹部63Aは、例えば、受け部61の長さ方向の端部に設けられている。第1収容凹部63Aは、例えば、収容凹部75Aと連通している。第1収容凹部63Aは、例えば、収容凹部75Aを介して導出口74Aと連通している。
第1収容凹部63Aは、半球状に凹むように形成されている。第1収容凹部63Aの内面は、半球面状に形成されている。第1収容凹部63Aにおける底壁71Aは、第1収容凹部63Aにおける底壁71Aの長さ方向の中央ほど底が深くなるように湾曲している。図5に示すように、第1収容凹部63Aにおける底壁71Aは、底壁71Aの幅方向の中央ほど底が深くなるように湾曲している。第1収容凹部63Aにおける各側壁72Aは、側壁72Aの高さ方向において蓋部62に近づくほど径方向外側に凹むように湾曲している。図8に示すように、第1収容凹部63Aにおける各側壁72Aは、第1収容凹部63Aにおける側壁72Aの長さ方向の中央ほど径方向外側に凹むように湾曲している。第1収容凹部63Aは、第1収容凹部63Aの長さ方向の中央から離れるに連れて、第1収容凹部63Aの開口幅が狭くなるように形成されている。すなわち、第1収容凹部63Aは、受け部61の長さ方向において、導出口73Aに接続される端部と収容凹部75Aに接続される端部とにおける開口幅が最も狭くなるように形成されている。第1収容凹部63Aの長さ方向の各端部における開口幅は、例えば、球状部40の直径よりも小さく形成されている。
図7及び図8に示すように、導出口73Aは、例えば、第1収容凹部63Aとプロテクタ30の外部とを連通するように形成されている。導出口73Aは、例えば、受け部61の長さ方向において、第1収容凹部63Aから離れるに連れて開口幅が広がるように形成されている。導出口73Aの内面は、受け部61の長さ方向において、第1収容凹部63Aから離れるに連れて径方向外側に広がるように傾斜して形成されている。導出口73Aの開口端は、例えば、ケース32の中心軸と平行な平面で切った断面において、円弧状に湾曲した曲面に形成されている。導出口73Aの開口端は、例えば、導出口73Aの内面と受け部61の長さ方向の端面との角部をR面取り又はC面取りした形状に形成されている。本実施形態の導出口73Aの開口端は、導出口73Aの内面と受け部61の長さ方向の端面との角部をR面取りした形状に形成されている。
収容凹部75Aは、例えば、第1収容凹部63Aと導出口74Aとを連通するように形成されている。収容凹部75Aは、例えば、可動部材31の収容部41から引き出された電線部材20の外周を包囲するように形成されている。収容凹部75Aは、例えば、第1収容凹部63Aよりも開口幅が広くなるように形成されている。
収容凹部75Aと第1収容凹部63Aとの境界部分には、プロテクタ30の径方向に延びる段差面76Aが設けられている。段差面76Aと収容凹部75Aの内面との角部は、例えば、ケース32の中心軸と平行な平面で切った断面において、円弧状に湾曲した曲面に形成されている。段差面76Aと第1収容凹部63Aの内面との角部は、例えば、R面取り又はC面取りされた形状に形成されている。本実施形態の段差面76Aと第1収容凹部63Aの内面との角部は、R面取りされた形状に形成されている。
導出口74Aは、例えば、収容凹部75Aとプロテクタ30の外部とを連通するように形成されている。導出口74Aは、例えば、可動部材31から引き出された電線部材20の外周を包囲するように形成されている。導出口74Aは、例えば、収容凹部75Aと連続した形状に形成されている。すなわち、導出口74Aは、例えば、収容凹部75Aと同様の形状に形成されている。
図3及び図5に示すように、受け部61は、1以上の係合部77を有している。本実施形態の受け部61は、2つの係合部77を有している。各係合部77は、例えば、各側壁72Aの外側面に設けられている。各係合部77は、例えば、各側壁72Aの外側面から外方に突出するように形成されている。各係合部77は、例えば、蓋部62に設けられた係合部79が係合される係合枠部である。各係合部77は、例えば、U字状の枠体に形成されており、その枠体の中央に係合部79が係合可能な係合孔77Cを有している。
図3に示すように、蓋部62は、例えば、全体として半割筒状に形成されている。蓋部62は、例えば、受け部61と同様の構造を有している。このため、蓋部62のうち受け部61と共通の構造を有する部分については、受け部61の対応する構成の符号の末尾の「A」を「B」に変更した符号を付すことにより、その詳細な説明を省略する。
蓋部62は、例えば、受け部61と対向する底壁71Bと、底壁71Bの両側縁から受け部61に向かって突出するとともに互いに対向する2つの側壁72Bとを有している。蓋部62は、蓋部62の長さ方向の一端部に設けられた導出口73Bと、蓋部62の長さ方向の他端部に設けられた導出口74Bとを有している。
蓋部62は、半球状の第2収容凹部63Bと、第2収容凹部63Bと導出口74Bとの間に設けられた収容凹部75Bと、段差面76Bとを有している。第2収容凹部63Bは、半球状に凹むように形成されている。第2収容凹部63Bの内面は、半球面状に形成されている。図5に示すように、第2収容凹部63Bは、受け部61と蓋部62とが合体した状態において、球状の収容空間63を構成する。すなわち、受け部61と蓋部62とが合体した状態では、受け部61の第1収容凹部63Aと蓋部62の第2収容凹部63Bとが重ね合わされて球状の収容空間63が形成されている。
図3に示すように、蓋部62は、例えば、1以上の延出壁78と、1以上の係合部79とを有している。本実施形態の蓋部62は、2つの延出壁78と、2つの係合部79とを有している。各延出壁78は、例えば、各側壁72Bの高さ方向の端面から受け部61に向かって突出するように形成されている。各延出壁78は、例えば、蓋部62の長さ方向に沿って蓋部62の長さ方向の全長にわたって延びるように形成されている。2つの延出壁78は、例えば、蓋部62の幅方向において互いに対向している。図2に示すように、各延出壁78は、受け部61と蓋部62とが合体した状態において、受け部61の側壁72Aの外側面の一部を覆うように形成されている。
図3に示すように、2つの係合部79は、受け部61の2つの係合部77にそれぞれ対向して設けられている。各係合部79は、例えば、各延出壁78に設けられている。各係合部79は、例えば、各延出壁78の先端面から受け部61に向かって突出するように形成されている。各係合部79の先端部には、例えば、蓋部62の径方向外側に向かって突出する係合凸部79Cが形成されている。各係合部79は、例えば、延出壁78の先端面に接続された基端部を固定端とし、基端部とは反対側の先端部を自由端とする片持ち状に形成されている。各係合部79は、例えば、弾性変形による蓋部62の幅方向への撓みが可能に構成されている。各係合部79は、例えば、各係合部77に係合される。各係合部77と各係合部79とは、例えば、スナップフィット方式により互いに係合される。
図7に示すように、受け部61と蓋部62とは、例えば、導出口73A,73B同士、第1収容凹部63A及び第2収容凹部63B同士、収容凹部75A,75B同士、導出口74A,74B同士を重ね合わせるようにして合体されている。受け部61と蓋部62とは、電線部材20とその電線部材20の長さ方向の一部に固定された可動部材31とを間に挟んだ状態で合体されている。図5に示すように、受け部61と蓋部62とは、係合部77と係合部79とが互いに係合されるように合体されている。これら係合部77と係合部79との係合により、受け部61と蓋部62とが合体した状態、つまり受け部61と蓋部62とにより筒体が形成された状態が維持される。図7に示すように、受け部61と蓋部62とが合体した状態では、第1収容凹部63Aと第2収容凹部63Bにより構成される球状の収容空間63に可動部材31の球状部40が収容されるとともに、可動部材31の固定片42がケース32の外側に配置される。このとき、可動部材31は、結束バンド90により電線部材20が固定片42に固定された状態でケース32に保持される。また、収容空間63に収容された球状部40は、受け部61と蓋部62との間に設けられ、受け部61と蓋部62とによって挟まれている。さらに、球状部40は、球状の収容空間63に対して自由に回転可能に収容空間63内に保持されている。例えば、球状部40は、電線部材20の周方向において回転可能に収容空間63内に保持されている。例えば、球状部40は、電線部材20の横断面における各方向にスライド可能に収容空間63内に保持されている。すなわち、球状部40は、電線部材20の横断面における上下左右及び斜め方向に可動自在にケース32に保持されている。このような球状部40を有する可動部材31に電線部材20が固定されているため、電線部材20はケース32に対して可動自在にプロテクタ30(ケース32及び可動部材31)に保持されている。例えば、電線部材20は、ケース32に対して電線部材20の周方向に回転可能にプロテクタ30に保持されている。例えば、電線部材20は、ケース32に対して電線部材20の横断面における上下左右及び斜め方向に可動自在にプロテクタ30に保持されている。これにより、図8に示すように、ケース32の導出口73Aからの電線部材20の引き出し方向を容易に可変することができる。換言すると、例えば可動体B1(図1参照)の移動に伴ってワイヤハーネス10の経路が変更される場合であっても、その経路変更に対応するように電線部材20の引き出し方向を容易に可変させることができる。このとき、電線部材20が結束バンド90により可動部材31の固定片42に固定されているため、可動部材31に対する電線部材20の相対移動が規制されている。このため、電線部材20の引き出し方向が可変される際に、可動部材31に対して電線部材20が位置ずれすることを好適に抑制できる。
ここで、収容部41から引き出される電線部材20の可動範囲は、例えば、ケース32、具体的には導出口73A,73Bと固定片42又は電線部材20との接触により規制される。このとき、図7に示すように、導出口73A,73Bは、収容空間63から導出口73A,73Bの開口端に向かうに連れて開口幅が広がるように形成されている。これにより、導出口73A,73Bから引き出される電線部材20の可動範囲を広く設定することができる。さらに、電線部材20と接触する可能性のある導出口73A,73Bの開口端が円弧状に湾曲した曲面に形成されている。このため、導出口73A,73Bの開口端に電線部材20が接触した場合であっても、電線部材20が損傷することを好適に抑制できる。
次に、本実施形態の作用効果を説明する。
(1)プロテクタ30は、電線部材20を保持する筒状の可動部材31と、可動部材31を回転可能に保持するケース32とを有する。可動部材31は、電線部材20が貫通する収容部41を有する筒状の球状部40と、球状部40の外周面から外側に突出するとともに電線部材20が固定される固定片42とを有する。固定片42は、結束バンド90が巻き付けられることにより電線部材20が固定される構造を有する。この構成によれば、結束バンド90により電線部材20が固定される固定片42が可動部材31に設けられる。この固定片42に電線部材20を固定することにより、可動部材31に対して電線部材20を固定することができる。これにより、可動部材31に対する電線部材20の相対移動を規制することができる。したがって、可動部材31に対する電線部材20の位置ずれを好適に抑制できる。
(2)ところで、従来の可動部材では、電線部材が貫通する収容部の内周面に凸条を設け、その凸条をコルゲートチューブの凹溝に係合させることにより、可動部材に対する電線部材の相対移動を規制している。しかし、このような構成では、コルゲートチューブのサイズが変更されると、可動部材の凸条をコルゲートチューブの凹溝に係合させることができなくなるため、可動部材に対する電線部材の相対移動を規制できなくなる。また、従来の構成では、外装部材がコルゲートチューブ以外の外装部材に変更された場合には、可動部材に対する電線部材の相対移動を規制できなくなる。
これに対し、本実施形態の可動部材31では、電線部材20が固定される固定片42が、電線部材20が貫通する球状部40の外側に設けられている。このため、球状部40の外側において電線部材20を固定することができる。これにより、球状部40の収容部41の内周面と電線部材20の外周面との間に大きな隙間が生じる場合であっても、球状部40の外側に設けられた固定片42に電線部材20を好適に固定できる。したがって、収容部41に貫通可能な大きさの電線部材20であれば、種々の大きさの電線部材20に対して可動部材31を取り付けることが可能である。このため、電線部材20のサイズ変更に容易に対応することができる。さらに、従来の凸条のようなコルゲートチューブのみに特化した構造ではなく、汎用性の高い結束バンド90によって電線部材20を固定片42に固定することができる。このため、外装部材22が種々の外装部材に変更になった場合であっても、電線部材20を固定片42に好適に固定することができる。
(3)固定片42に設けられた係合部53は、固定片42の長さ方向において、結束バンド90と係合可能に形成される。この係合部53により、固定片42の長さ方向において固定片42に対する結束バンド90の相対移動を規制することができる。これにより、結束バンド90が固定片42から外れることを好適に抑制できる。また、係合部53を設けたことにより、固定片42の長さ方向において結束バンド90を容易に位置決めすることができる。
(4)係合部53は、帯状部91が挿入可能であるとともに、ロック部92が挿入不能である貫通孔57を有する。この構成によれば、結束バンド90を固定片42に取り付ける際に、帯状部91を貫通孔57に挿入しつつ、ロック部92を貫通孔57の開口端を構成する第2係合部53Bに接触させることができる。これにより、結束バンド90を固定片42に取り付ける際に、固定片42に対して結束バンド90を容易に位置決めできる。
(5)収容部41の内周面と基部50の内面とが、電線部材20の外周面に対応した曲面に形成される。また、収容部41の内周面と基部50の内面とが連なって形成される。このため、収容部41の内周面と基部50の内面との境界部分に段差が形成されることを抑制でき、収容部41の内周面及び基部50の内面と電線部材20の外周面との接触面積を増大させることができる。これにより、固定片42に対して電線部材20を安定して固定させることができる。
(6)貫通孔57の貫通方向は、固定片42の長さ方向に対して垂直な第1方向D1のみに沿って延びている。このため、貫通孔57に結束バンド90の帯状部91を挿入する際に、第1方向D1のみに沿って帯状部91を貫通孔57に挿入することができる。したがって、貫通孔57に対して帯状部91を容易に挿入することができる。
(7)可動部材31は、第1半球状部40A及び固定片42を有する第1分割体31Aと第2半球状部40Bを有する第2分割体31Bとによって電線部材20を包囲する筒状に形成されている。これにより、可動部材31を筒状としながらも、可動部材31が第1分割体31Aと第2分割体31Bとに分かれていることで、可動部材31を電線部材20に対して後付け可能となる。すなわち、可動部材31が第1分割体31Aと第2分割体31Bとに分かれていることで、例えば電線部材20の長さ方向の端部にコネクタC1,C2を取り付ける等の端末処理を行った後に、その電線部材20に対して可動部材31を取り付けることが可能である。この結果、ワイヤハーネス10の組立作業性を向上できる。
(8)ケース32は、第1収容凹部63Aを有する受け部61と収容凹部75Aを有する蓋部62とによって電線部材20及び可動部材31を包囲する筒状に形成されている。これにより、ケース32を筒状としながらも、ケース32が受け部61と蓋部62とに分かれていることで、ケース32を電線部材20に対して後付け可能となる。この結果、ワイヤハーネス10の組立作業性を向上できる。
(他の実施形態)
上記実施形態は、以下のように変更して実施することができる。上記実施形態及び以下の変更例は、技術的に矛盾しない範囲で互いに組み合わせて実施することができる。
・上記実施形態の第1半球状部40Aにおける凹部46A,47Aを省略してもよい。
・上記実施形態の第2半球状部40Bにおける凹部46B,47Bを省略してもよい。
・上記実施形態の可動部材31では、第1半球状部40Aと第2半球状部40Bとを互いに同一の構造に形成するようにしたが、これに限定されない。例えば、第1半球状部40Aと第2半球状部40Bとを互いに異なる構造に形成してもよい。例えば、第1半球状部40Aが2つの係合部48Aを有し、第2半球状部40Bが2つの係合部49Bを有する構造としてもよい。この場合には、第1半球状部40Aの有する2つの係合部48Aが、第2半球状部40Bの有する2つの係合部49Bにそれぞれ係合されることにより、第1分割体31Aと第2分割体31Bとの合体状態が維持される。
・上記実施形態の固定片42では、基部50の内面を曲面に形成し、突出壁51の内面を固定片42の長さ方向に対して垂直な第1方向D1に延びる平面に形成したが、これに限定されない。例えば、突出壁51の内面を曲面に形成してもよい。
・上記実施形態の係合部53では、貫通孔57を、第1方向D1のみに延びるように形成したが、これに限定されない。例えば、貫通孔57を、第1方向D1と基部50の幅方向とに沿って延びるように形成してもよい。この場合には、例えば、第2壁55と第3壁56とが、基部50の外面まで延びるように形成される。
・上記実施形態では、第2係合部53Bを、第1壁54と、第2壁55と、第3壁56と、貫通孔57とを有する構造としたが、これに限定されない。例えば、第2係合部53Bから第3壁56を省略してもよい。例えば、第2係合部53Bを第1壁54のみで構成するようにしてもよい。
・上記実施形態の固定片42の長さ方向における係合部53の位置を適宜変更してもよい。例えば、固定片42の長さ方向の基端部に係合部53を設けてもよい。
・上記実施形態の固定片42における第1係合部53Aを省略してもよい。
・上記実施形態の固定片42における第2係合部53Bを省略してもよい。
・上記実施形態では、固定片42を直線状に延びる形状に形成したが、これに限定されない。固定片42は、例えば、導出口73A,73Bから引き出された先の電線部材20の経路に応じて任意の形状に形成することができる。例えば、固定片42を、湾曲した形状や屈曲部を有する形状に形成してもよい。
・上記実施形態では、可動部材31に1つの固定片42を設けるようにしたが、これに限定されない。例えば、可動部材31に2つ以上の固定片42を設けるようにしてもよい。
例えば図9に示すように、可動部材31に2つの固定片42を設けるようにしてもよい。例えば、第1半球状部40Aと固定片42とを有する2つの第1分割体31A同士を合体させて可動部材31を構成するようにしてもよい。2つの固定片42は、例えば、互いに対向するように設けられる。本変更例の可動部材31では、2つの第1半球状部40A同士が合体して球状部40が形成されるとともに、2つの第1溝部41A同士が重ね合わされて収容部41が形成されている。本変更例の可動部材31の収容部41には、例えば、2つの電線部材20が収容されている。2つの電線部材20は、例えば、2つの固定片42にそれぞれ固定されている。2つの電線部材20の各々は、2つの結束バンド90によって2つの固定片42に個別に固定されている。
この構成によれば、可動部材31に複数の固定片42が設けられる。このため、可動部材31の収容部41に複数の電線部材20が貫通される場合に、それら複数の電線部材20を複数の固定片42にそれぞれ個別に固定することができる。これにより、複数の電線部材20を互いに異なる経路に分岐させる場合に、その分岐経路を結束バンド90及び固定片42によって好適に規制することができる。
・図9に示した変更例において、複数の固定片42の形状を互いに異なる形状に形成してもよい。
・上記実施形態では、バンドとして、帯状部91とロック部92とを有する結束バンド90に具体化したが、電線部材20と固定片42とを結束することができる他のバンドに変更してもよい。
例えば図10に示すように、バンド95を、固定片42の周方向の一方の端部から延びて他方の端部で固定されて電線部材20と固定片42とを結束するものに変更してもよい。本変更例のバンド95は、固定片42と一体に形成されている。すなわち、バンド95は、固定片42と一体成形品である。バンド95は、固定片42の周方向の一端部、ここでは基部50の幅方向の一端部から延びている。バンド95は、基部50よりも薄肉とされており、柔軟に形成されている。固定片42の周方向の他端部、ここでは突出壁51の高さ方向の一端部には、バンドロック部96が設けられている。バンドロック部96は、バンド95が通された状態で、その通す方向の反対方向である抜き方向へのバンド95の移動を規制して、バンド95をロックするものである。そして、バンド95は、固定片42と共に電線部材20の外周を覆いつつバンドロック部96に通されて、電線部材20と固定片42とを結束している。
このようにすると、バンド95は、短い長さで電線部材20と固定片42とを結束することができる。すなわち、上記実施形態の結束バンド90等に比べて、必要な長さを短くすることができる。また、バンド95と固定片42とを一体成形品としたため、それらが別部品である場合に比べて、部品点数を少なくすることができる。
・上記実施形態の可動部材31では、第1分割体31Aと第2分割体31Bとを別部品で構成するようにしたが、これに限定されない。例えば、第1分割体31Aと第2分割体31Bとを一体に形成するようにしてもよい。例えば、第1半球状部40Aと第2半球状部40Bとをヒンジ等を介して一体に形成するようにしてもよい。
・上記実施形態の収容凹部75A,75Bの形状は特に限定されない。
・上記実施形態の収容凹部75A,75Bを省略してもよい。
・上記実施形態のケース32では、受け部61と蓋部62とを別部品で構成するようにしたが、これに限定されない。例えば、受け部61と蓋部62とを一体に形成するようにしてもよい。例えば、受け部61と蓋部62とをヒンジ等を介して一体に形成するようにしてもよい。
・上記実施形態では、外装部材22を、樹脂シートにより構成するようにしたが、これに限定されない。例えば、外装部材22としては、金属製又は樹脂製のパイプ、コルゲートチューブやゴム製の防水カバー又はこれらを組み合わせて用いることができる。
・上記実施形態では、電線部材20を、電線21と外装部材22とにより構成するようにしたが、これに限定されない。例えば、電線部材20を、電線21のみで構成するようにしてもよい。
・上記実施形態では、車両Vのボディに取り付けられた電装品M1と可動体B1に取り付けられた電装品M2との間に架け渡されるワイヤハーネス10に具体化したが、これに限定されない。例えば、可動しない対象物に取り付けられた電装品M1と可動しない対象物に取り付けられた電装品M2との間に架け渡されるワイヤハーネス10に具体化してもよい。
・上記実施形態では、プロテクタ30を、電線部材20の長さ方向の中間部に設けるようにしたが、これに限定されない。例えば、プロテクタ30を、電線部材20の長さ方向の端部に設けるようにしてもよい。この場合には、プロテクタ30がコネクタC1,C2等の近傍に設けられることになる。このとき、プロテクタ30から引き出された電線部材20の引き出し方向を容易に変更することができるため、コネクタC1,C2を容易に移動させることができる。これにより、コネクタC1,C2と電装品M1,M2との接続作業性を向上させることができる。
・今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した意味ではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
10 ワイヤハーネス
20 電線部材
21 電線
22 外装部材
23,24 端部
30 プロテクタ
31 可動部材
31A 第1分割体
31B 第2分割体
32 ケース
40 球状部
40A 第1半球状部
40B 第2半球状部
41 収容部
41A 第1溝部
41B 第2溝部
42 固定片
43A,43B 底壁
44A,44B,45A,45B 側壁
46A,46B,47A,47B 凹部
48A,48B,49A,49B 係合部
48C 係合凸部
49C 係合孔
50 基部
51 突出壁
52 連結壁
53 係合部
53A 第1係合部
53B 第2係合部
54 第1壁
55 第2壁
56 第3壁
57 貫通孔
61 受け部
62 蓋部
63 収容空間
63A 第1収容凹部
63B 第2収容凹部
71A,71B 底壁
72A,72B 側壁
73A,73B,74A,74B 導出口
75A,75B 収容凹部
76A,76B 段差面
77,79 係合部
77C 係合孔
78 延出壁
79C 係合凸部
90 結束バンド(バンド)
91 帯状部
92 ロック部
93 挿入口
95 バンド
96 バンドロック部
B1 可動体
C1,C2 コネクタ
D1 第1方向
M1,M2 電装品
V 車両

Claims (10)

  1. 電線部材の外周を包囲するプロテクタであって、
    前記電線部材を保持する筒状の可動部材と、
    前記可動部材を回転可能に保持するケースと、を備え、
    前記可動部材は、前記電線部材が貫通する収容部を有する筒状の球状部と、前記球状部の外周面から外側に突出するとともに前記電線部材が固定される固定片と、を有し、
    前記固定片は、バンドが巻き付けられることにより前記電線部材が固定される構造を有しているプロテクタ。
  2. 電線部材と、
    前記電線部材の外周を包囲するプロテクタと、
    前記電線部材と前記プロテクタとを結束するバンドと、を備えるワイヤハーネスであって、
    前記プロテクタは、
    前記電線部材を保持する筒状の可動部材と、
    前記可動部材を回転可能に保持するケースと、を有し、
    前記可動部材は、前記電線部材が貫通する収容部を有する筒状の球状部と、前記球状部の外周面から外側に突出するとともに前記電線部材が固定される固定片と、を有し、
    前記バンドは、前記電線部材と前記固定片とを囲うように巻き付けられ、前記電線部材を前記固定片に固定しているワイヤハーネス。
  3. 前記バンドは、長尺の帯状部と、前記帯状部の長さ方向の端部に前記帯状部と一体に形成されたロック部とを有する結束バンドであり、
    前記結束バンドは、前記固定片と別部品である請求項2に記載のワイヤハーネス。
  4. 前記固定片は、前記固定片の長さ方向において前記結束バンドと係合可能である係合部を有している請求項3に記載のワイヤハーネス。
  5. 前記係合部は、前記帯状部が挿入可能であるとともに、前記ロック部が挿入不能である貫通孔を有している請求項4に記載のワイヤハーネス。
  6. 前記係合部は、前記固定片の長さ方向の先端部に設けられている請求項5に記載のワイヤハーネス。
  7. 前記固定片は、前記収容部の内周面と連なって形成されるとともに前記電線部材に対向する内面を有する基部と、前記基部の内面から前記固定片の長さ方向と交差する方向に沿って突出する突出壁とを有し、
    前記係合部は、前記基部に設けられた第1係合部と、前記突出壁に設けられた第2係合部とを有し、
    前記第2係合部は、前記貫通孔を有している請求項5に記載のワイヤハーネス。
  8. 前記収容部の内周面は、前記電線部材の外周面に対応した曲面に形成されており、
    前記基部の内面は、前記電線部材の外周面に対応した曲面に形成されており、
    前記突出壁は、前記固定片の長さ方向に対して垂直な第1方向に延びており、
    前記貫通孔の貫通方向は、前記第1方向のみに沿って延びている請求項7に記載のワイヤハーネス。
  9. 前記可動部材は、第1分割体と、前記第1分割体に合体可能に形成された第2分割体とを有し、
    前記第1分割体は、第1溝部を有する第1半球状部と、前記第1半球状部の外周面から外側に突出する前記固定片とを有し、
    前記第2分割体は、第2溝部を有する第2半球状部を有し、
    前記球状部は、前記第1半球状部と前記第2半球状部とが合体して構成されており、
    前記収容部は、前記第1溝部と前記第2溝部とが重ね合わされて構成されている請求項2に記載のワイヤハーネス。
  10. 前記ケースは、前記球状部を回転可能に収容する球状の収容空間を有し、
    前記ケースは、受け部と、前記受け部に合体可能に形成された蓋部とを有し、
    前記受け部は、半球状の第1収容凹部を有し、
    前記蓋部は、半球状の第2収容凹部を有し、
    前記収容空間は、前記第1収容凹部と前記第2収容凹部とが重ね合わされて構成されており、
    前記球状部は、前記受け部と前記蓋部とによって挟まれた状態で前記収容空間に収容されている請求項2に記載のワイヤハーネス。
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