JP2023057816A - 真空乾燥装置 - Google Patents

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博 菊地
Hiroshi Kikuchi
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Abstract

Figure 2023057816000001
【課題】基板の撓みと乾燥ムラの発生とを防止する。
【解決手段】排気可能なチャンバ101内で基板10に塗布された溶剤を乾燥する真空乾燥装置100であって、チャンバ内の下整流板102に立設された複数の支持ピン120に、基板を載置して溶剤を乾燥する際に、下整流板から前記基板に向かう方向での温度降下が、支持ピンが接していない輻射領域10rにおける温度降下ΔTrに対する、支持ピンが接している支持領域10pにおける温度降下ΔTpが、
(ΔTr-ΔTp)/ΔTr≦((25+3.75)-(25+3.16))/(25+3.75)
となる支持ピンを有する。
【選択図】図3

Description

本発明は真空乾燥装置に関する。
従来、有機EL(Electroluminescence)の発光を利用した発光ダイオードである有機発光ダイオード(OLED:Organic Light Emitting Diode)が知られている。有機発光ダイオードを用いた有機ELディスプレイは、薄型軽量かつ低消費電力であるうえ、応答速度や視野角、コントラスト比の面で優れているといった利点を有している。このため、次世代のフラットパネルディスプレイ(FPD)として近年注目されている。
有機発光ダイオードは、基板上に形成される陽極と、陽極を基準として基板とは反対側に設けられる陰極と、これらの間に設けられる有機層とを有する。有機層は、例えば陽極側から陰極側に向けて、正孔注入層、正孔輸送層、発光層、電子輸送層、および電子注入層をこの順で有する。
正孔注入層や正孔輸送層、発光層などの形成には、インクジェット方式の塗布装置が用いられる。塗布装置は、有機材料および溶剤を含む塗布液を基板上に塗布することで、塗布層を形成する。その塗布層を減圧乾燥、焼成することで、正孔注入層などが形成される。
特許文献1には、基板の面内で、塗布層の減圧乾燥速度のムラを低減することが記載されている。
特開2016-188735号公報
特許文献1記載の技術では、乾燥時に、載置された基板において、デバイス形成領域における基板裏面への接触を減らすことが好ましい。このため、隣接するデバイス領域間に支持ピンが接触するタイプの乾燥装置が用いられる。
ここで、基板サイズが大型化すると、ガラス基板の撓みが大きくなり、乾燥ムラの発生が拡大するため好ましくない。さらに、基板大型化に伴い、デバイス形成領域が大きくなり、そのままでは撓みが無視できなくなるため、デバイス形成領域の基板裏面に支持ピンを接触させることが避けられなくなる。
この場合、接触した部分にムラができるという問題が解決されていない。
本発明は、上記の事情に鑑みてなされたもので、以下の目的を達成しようとするものである。
1.基板の大型化に対応した乾燥を可能とすること。
2.支持ピンによる温度ムラの発生を抑制すること。
3.基板の撓みに対応可能とすること。
本発明の真空乾燥装置は、
排気可能なチャンバ内で基板に塗布された溶剤を乾燥する真空乾燥装置であって、
前記チャンバ内の下整流板に立設された複数の支持ピンに、前記基板を載置して前記溶剤を乾燥する際に、
前記下整流板から前記基板に向かう方向での温度降下が、前記支持ピンが接していない輻射領域における温度降下ΔTrに対する、前記支持ピンが接している支持領域における温度降下ΔTpが、
(ΔTr-ΔTp)/ΔTr≦((25+3.75)-(25+3.16))/(25+3.75)
となる支持ピンを有する、
ことにより上記課題を解決した。
本発明の真空乾燥装置は、
前記支持ピンが、前記基板裏面に当接する部分において縮径された縮径部を有し、
前記下整流板から前記基板に向かう方向での温度降下において、
前記縮径部での温度降下ΔTpφと、前記縮径部よりも前記下整流板に近接する部分での温度降下ΔTppとの比ΔTpp/ΔTpφが、
ΔTpp/ΔTpφ≧(25-18)/(18+3.16))
である、
ことができる。
本発明の真空乾燥装置は、
前記縮径部の長さが1mm以下である、
ことができる。
本発明の真空乾燥装置は、
前記縮径部の径寸法Φφが0.5mm以下である、
ことができる。
本発明の真空乾燥装置は、
前記縮径部の先端には球面部を有し、
前記球面部の曲率半径SRが0.25mm以下である、
ことができる。
本発明の真空乾燥装置は、
前記支持ピンが、前記下整流板に近接する基端となる支柱部と、前記基板裏面に当接する前記縮径部に接続されたピン部と、を有し、
前記下整流板から前記基板に向かう方向での温度降下において、
前記支柱部での温度降下ΔTpdと、前記ピン部での温度降下ΔTpuとの比ΔTpd/ΔTpuが、
ΔTpd/ΔTpu≧(25-20)/(20-18)
である、
ことができる。
本発明の真空乾燥装置は、
前記ピン部が、前記支柱部から前記縮径部に向かって縮径する、
ことができる。
本発明の真空乾燥装置は、
前記ピン部および前記縮径部が、前記支柱部から分離可能である、
ことができる。
本発明の真空乾燥装置は、
前記縮径部が、熱伝導率0.3W/mk以下の材質からなる、
ことができる。
本発明の真空乾燥装置は、
前記支持ピンが、熱伝導率0.5W/mk以下の材質からなる、
ことができる。
本発明の真空乾燥装置は、
前記支持ピンが、
前記下整流板から前記基板に向かう方向での断面積の分布を設定することで、
前記下整流板から前記基板に向かう方向での温度降下を設定される、
ことができる。
本発明の真空乾燥装置は、
前記支持ピンが、断面積を削減するための内部空間部を有する、
ことができる。
本発明の真空乾燥装置は、
前記内部空間部が、前記支持ピンの軸方向に形成される、
ことができる。
本発明の真空乾燥装置は、
前記内部空間部が、前記支持ピンの径方向に形成される、
ことができる。
本発明の真空乾燥装置は、
前記支持ピンの径方向に形成された前記内部空間部が外部に開口する、
ことができる。
本発明の真空乾燥装置は、
排気可能なチャンバ内で基板に塗布された溶剤を乾燥する真空乾燥装置であって、
前記チャンバ内の下整流板に立設された複数の支持ピンに、前記基板を載置して前記溶剤を乾燥する際に、
前記下整流板から前記基板に向かう方向での温度降下が、前記支持ピンが接していない輻射領域における温度降下ΔTrに対する、前記支持ピンが接している支持領域における温度降下ΔTpが、
(ΔTr-ΔTp)/ΔTr≦((25+3.75)-(25+3.16))/(25+3.75)
となる支持ピンを有する。
これにより、基板の輻射領域における温度低下と、支持領域における温度低下との差を所定の範囲内に設定することができる。これにより、基板の輻射領域における溶剤の蒸発速度と、支持領域における溶剤の蒸発速度との差を所定の範囲内に設定することができる。したがって、溶剤の蒸発速度の差によって生じるムラを抑制して、基板面における位置で塗布層の乾燥状態に生じるムラを防止することができる。
同時に、支持ピンが基板の裏面に当接した状態で乾燥をおこなうことができるため、基板の撓みに起因する不具合を生じることがない。
本発明の真空乾燥装置は、
前記支持ピンが、前記基板裏面に当接する部分において縮径された縮径部を有し、
前記下整流板から前記基板に向かう方向での温度降下において、
前記縮径部での温度降下ΔTpφと、前記縮径部よりも前記下整流板に近接する部分での温度降下ΔTppとの比ΔTpp/ΔTpφが、
ΔTpp/ΔTpφ≧(25-19)/(19+3.16))
である。
これにより、下整流板から基板に向かう温度降下において、基板裏面に当接する縮径部に至るまでの部分において、充分な温度低下を呈することができるため、基板の輻射領域における温度低下と、支持領域における温度低下と、の差が所定の範囲内となるように設定することができる。
本発明の真空乾燥装置は、
前記縮径部の長さが1mm以下である。
これにより、基板が撓まないように支持するために充分な強度と、ムラを生じない充分な温度降下とを両立することが可能となる。
本発明の真空乾燥装置は、
前記縮径部の径寸法Φφが0.5mm以下である。
これにより、基板が撓まないように支持するために充分な強度と、ムラを生じない充分な温度降下とを両立することが可能となる。
本発明の真空乾燥装置は、
前記縮径部の先端には球面部を有し、
前記球面部の曲率半径SRが0.25mm以下である。
これにより、基板が撓まないように支持するために充分な強度と、ムラを生じない充分な温度降下とを両立することが可能となる。
本発明の真空乾燥装置は、
前記支持ピンが、前記下整流板に近接する基端となる支柱部と、前記基板裏面に当接する前記縮径部に接続されたピン部と、を有し、
前記下整流板から前記基板に向かう方向での温度降下において、
前記支柱部での温度降下ΔTpdと、前記ピン部での温度降下ΔTpuとの比ΔTpd/ΔTpuが、
ΔTpd/ΔTpu≧(25-20)/(20-19)
である。
これにより、支柱部において充分な温度低下を呈し、基板での溶剤蒸発状態に影響を与える縮径部で必要な温度低下量を抑制することができる。同時に、ピン部において充分な温度低下を呈し、基板での溶剤蒸発状態に影響を与える縮径部で必要な温度低下量を抑制することができる。
同時に、支柱部とピン部とを同じか異なる熱伝導率から構成することを可能として、上述したような支柱部における充分な温度低下とピン部における充分な温度低下とを呈することが可能となる。
これにより、基板の輻射領域における温度低下と、支持領域における温度低下との差を所定の範囲内に設定することができる。基板の輻射領域における溶剤の蒸発速度と、支持領域における溶剤の蒸発速度との差を所定の範囲内に設定することができる。したがって、溶剤の蒸発速度の差によって生じるムラを抑制して、基板面における位置で塗布層の乾燥状態に生じるムラを防止することができる。
同時に、支持ピンが基板の裏面に当接した状態で乾燥をおこなうことができるため、基板が撓まないように基板を支持して乾燥をおこなうことが可能となる。これにより、基板が撓まないように支持するために充分な強度と、ムラを生じない充分な温度降下とを両立することが可能となる。
本発明の真空乾燥装置は、
前記ピン部が、前記支柱部から前記縮径部に向かって縮径する。
これにより、支柱部およびピン部において、基板を支持するために充分な強度を呈するとともに、基板に接触する縮径部において接触面積を縮小するために必要な短径を実現することができる。したがって、基板に接する縮径部において、温度低下が大きくなりすぎることなく、かつ、充分な支持ピン全体として、下整流板から基板に向かう方向で充分な温度低下を呈することができる。
本発明の真空乾燥装置は、
前記ピン部および前記縮径部が、前記支柱部から分離可能である。
これにより、基板に接触して摩耗する部分を交換することが容易となるとともに、メンテナンスの作業性を向上し、交換コストを低減することが容易とすることができる。
本発明の真空乾燥装置は、
前記縮径部が、熱伝導率0.3W/mk以下の材質からなる。
これにより、縮径部の当接していない基板の輻射領域における温度低下と、縮径部の当接している支持領域における温度低下との差を所定の範囲内に設定することができる。基板の輻射領域における溶剤の蒸発速度と、支持領域における溶剤の蒸発速度との差を所定の範囲内に設定することができる。
本発明の真空乾燥装置は、
前記支持ピンが、熱伝導率0.5W/mk以下の材質からなる。
これにより、支柱部として、下整流板から基板に向かう方向で充分な温度低下を呈し、ピン部および縮径部において、温度低下が大きくなりすぎることなく、かつ、充分な支持ピン全体として、下整流板から基板に向かう方向で充分な温度低下を呈することができる。
本発明の真空乾燥装置は、
前記支持ピンが、
前記下整流板から前記基板に向かう方向での断面積の分布を設定することで、
前記下整流板から前記基板に向かう方向での温度降下を設定される。
これにより、支持ピンの軸方向における支持ピンの断面積の分布を設定して、支持ピンにおける熱伝導状態を所定の状態に設定することが可能となる。下整流板から基板に向かう方向での温度降下状態を、この方向に沿って所定の範囲で分布するように設定して、充分な支持ピン全体として、下整流板から基板に向かう方向で充分な温度低下を呈することができる。
具体的には、支持ピンの断面積を減少することで、軸方向に伝導する熱量を減らして、基板側が温度上昇してしまうことを防止する。例えば、支持ピンの所定位置に径方向に延在する凹部あるいは貫通孔を形成することや、支持ピンの径方向中央部に軸方向に沿った空洞を形成することで、径方向の断面積を抑制することが可能となる。この際、必要な強度を維持することが好ましい。
本発明の真空乾燥装置は、
前記支持ピンが、断面積を削減するための内部空間部を有する。
これにより、内部空間部によって支持ピンの径方向における断面積を減少して、軸方向に伝導する熱量を減らして、基板側が温度上昇してしまうことを防止することができる。
本発明の真空乾燥装置は、
前記内部空間部が、前記支持ピンの軸方向に形成される。
これにより、内部空間部によって支持ピンの径方向における断面積を減少して、軸方向に伝導する熱量を減らして、基板側が温度上昇してしまうことを防止することができる。
ことができる。
具体的には、支持ピンの径方向中央部に軸方向に沿った内部空間部を形成することで、径方向の断面積を抑制することが可能となる。この際、必要な強度を維持することが好ましい。この場合、例えば、支柱部をパイプ状にすることや、ピン部を縮径部側が閉じた有底筒状とすることができる。
本発明の真空乾燥装置は、
前記内部空間部が、前記支持ピンの径方向に形成される。
これにより、内部空間部によって支持ピンの径方向における断面積を減少して、軸方向に伝導する熱量を減らして、基板側が温度上昇してしまうことを防止することができる。
ことができる。
具体的には、支持ピンの径方向に延在する沿った貫通孔あるいは凹部として内部空間部を形成することで、径方向の断面積を抑制することが可能となる。この際、必要な強度を維持することが好ましい。この場合、例えば、ピン部において支柱部を嵌合する部分の気抜き穴と兼用することができる。
本発明の真空乾燥装置は、
前記支持ピンの径方向に形成された前記内部空間部が外部に開口する。
これにより、内部空間部によって支持ピンの径方向における断面積を減少して、軸方向に伝導する熱量を減らして、基板側が温度上昇してしまうことを防止することができる。
ことができる。
具体的には、支持ピンの径方向に延在する沿った貫通孔として内部空間部を形成することで、径方向の断面積を抑制することが可能となる。この際、必要な強度を維持することが好ましい。この場合、例えば、ピン部において支柱部を嵌合する部分の気抜き穴と兼用することができる。
本発明によれば、支持ピンによる温度ムラの発生を抑制するとともに、基板の撓みに対応可能とすることで、基板の大型化に対応した乾燥を可能とすることができるという効果を奏することが可能となる。
本発明に係る真空乾燥装置の第1実施形態を示す模式側断面図である。 本発明に係る真空乾燥装置の第1実施形態における支持ピンを示す斜視図である。 本発明に係る真空乾燥装置の第1実施形態における支持ピンを示す分解断面図である。 本発明に係る真空乾燥装置の第1実施形態における乾燥工程を示す支持ピン先端付近を拡大した断面図である。 本発明に係る真空乾燥装置の第1実施形態における乾燥工程を示す支持ピン先端付近を拡大した断面図である。 本発明に係る真空乾燥装置の第1実施形態における乾燥工程を示す支持ピン先端付近を拡大した断面図である。 本発明に係る真空乾燥装置の第1実施形態の乾燥工程における乾燥曲線を説明するグラフである。 図7の乾燥曲線における丸印部分を拡大したグラフである。 本発明に係る真空乾燥装置の第1実施形態における乾燥工程を説明するための支持ピン先端付近を拡大した断面図である。 本発明に係る真空乾燥装置の第1実施形態における乾燥工程を説明するための支持ピン先端付近を拡大した断面図である。 真空乾燥装置における乾燥工程を説明するための図である。 本発明に係る真空乾燥装置の第1実施形態において支持ピンのない領域における乾燥工程での温度降下を説明する図である。 本発明に係る真空乾燥装置の第1実施形態において支持ピンの接した領域における乾燥工程での温度降下を説明する図である。 本発明に係る真空乾燥装置の第1実施形態における内部空間部の他の例を説明する断面図である。 本発明に係る真空乾燥装置の第1実施形態における温度降下を説明する図である。 本発明に係る真空乾燥装置の第1実施形態における温度降下を説明する図である。 本発明に係る真空乾燥装置の第1実施形態における温度降下を説明する図である。 本発明に係る真空乾燥装置の第1実施形態における温度降下を説明する図である。 本発明に係る真空乾燥装置の第1実施形態における温度降下を説明する図である。 本発明に係る実施例を説明するものである。 本発明に係る実施例を説明するものである。 本発明に係る実施例におけるムラ発生を説明するものである。
以下、本発明に係る真空乾燥装置の第1実施形態を、図面に基づいて説明する。
図1は、本実施形態における真空乾燥装置を示す模式側断面図であり、図において、符号100は、真空乾燥装置である。
本実施形態に係る真空乾燥装置100は、例えば、有機ELディスプレイの製造工程において、基板(ガラス基板)10に形成されたバンクに塗布された塗布層を乾燥(減圧乾燥)する減圧乾燥装置として用いることができる。
以下、本実施形態に係る真空乾燥装置100における被処理対象である有機ELディスプレイについて説明する。
有機ELディスプレイは、基板と、基板上に配列される複数の単位回路と、基板上に設けられる走査線駆動回路と、基板上に設けられるデータ線駆動回路とを有する。走査線駆動回路に接続される複数の走査線と、データ線駆動回路に接続される複数のデータ線とで囲まれる領域に、単位回路が設けられる。単位回路は、TFT層と、有機発光ダイオードとを含む。
TFT層は、複数のTFT(Thin Film Transistor)を有する。一のTFTはスイッチング素子としての機能を有し、他の一のTFTは有機発光ダイオードに流す電流量を制御する電流制御用素子としての機能を有する。TFT層は、走査線駆動回路およびデータ線駆動回路によって作動され、有機発光ダイオードに電流を供給する。
TFT層は単位回路毎に設けられており、複数の単位回路は独立に制御される。なお、TFT層は、一般的な構成であればよく、この構成には限定されない。
なお、有機ELディスプレイの駆動方式は、この構成ではアクティブマトリックス方式であるが、パッシブマトリックス方式であってもよい。
基板としては、ガラス基板や樹脂基板などの透明基板が用いられる。基板上には、TFT層が形成されている。TFT層上には、TFT層によって形成される段差を平坦化する平坦化層が形成されている。
平坦化層は、絶縁性を有している。平坦化層を貫通するコンタクトホールには、コンタクトプラグが形成されている。コンタクトプラグは、平坦化層の平坦面に形成される画素電極としての陽極と、TFT層とを電気的に接続する。コンタクトプラグは、陽極と同じ材料で、同時に形成されてよい。
有機発光ダイオードは、平坦化層の平坦面上に形成される。有機発光ダイオードは、画素電極としての陽極と、画素電極を基準として基板とは反対側に設けられる対向電極としての陰極と、陽極と陰極との間に形成される有機層とを有する。TFT層を作動させることで、陽極と陰極との間に電圧が印加され、有機層が発光する。
陽極は、例えばITO(Indium Tin Oxide)などによって形成され、有機層からの光を透過する。陽極を透過した光は、基板を透過し、外部に取り出される。陽極は、単位回路毎に設けられる。
陰極は、例えばアルミニウムなどによって形成され、有機層からの光を有機層に向けて反射する。陰極で反射した光は、有機層や陽極、基板を透過し、外部に取り出される。陰極は、複数の単位回路に共通のものである。
有機層は、例えば、陽極側から陰極側に向けて、正孔注入層、正孔輸送層、発光層、電子輸送層および電子注入層をこの順で有する。陽極と陰極との間に電圧がかかると、陽極から正孔注入層に正孔が注入されると共に、陰極から電子注入層に電子が注入される。
正孔注入層に注入された正孔は、正孔輸送層によって発光層へ輸送される。また、電子注入層に注入された電子は、電子輸送層によって発光層へ輸送される。そうして、発光層内で正孔と電子が再結合して、発光層の発光材料が励起され、発光層が発光する。
発光層として、例えば赤色発光層、緑色発光層、および青色発光層が形成される。赤色発光層は赤色に発光する赤色発光材料で形成され、緑色発光層は緑色に発光する緑色発光材料で形成され、青色発光層は青色に発光する青色発光材料で形成される。赤色発光層、緑色発光層、および青色発光層は、バンクの開口部に形成される。
バンクは、赤色発光層用の塗布液、緑色発光層用の塗布液、および青色発光層用の塗布液を隔てることで、これらの塗布液の混合を防止する。バンクは、絶縁性を有しており、平坦化層を貫通するコンタクトホールを埋める。
有機発光ダイオードの製造方法としては、最初のステップとして、画素電極としての陽極の形成を行う。陽極の形成には、例えば蒸着法が用いられる。陽極は、平坦化層の平坦面に、単位回路毎に形成される。陽極と共に、コンタクトプラグが形成されてよい。
次に続くステップでは、バンクの形成を行う。バンクは、例えばフォトレジストを用いて形成され、フォトリソグラフィ処理によって所定のパターンにパターニングされる。バンクの開口部において、陽極が露出する。
続くステップでは、正孔注入層の形成を行う。正孔注入層の形成には、インクジェット法などが用いられる。インクジェット法によって正孔注入層用の塗布液を陽極上に塗布することで、塗布層が形成される。その塗布層を乾燥、焼成することで、正孔注入層が形成される。
続くステップでは、正孔輸送層の形成を行う。正孔輸送層の形成には、正孔注入層の形成と同様に、インクジェット法などが用いられる。インクジェット法によって正孔輸送層用の塗布液を正孔注入層上に塗布することで、塗布層が形成される。その塗布層を乾燥、焼成することで、正孔輸送層が形成される。
続くステップでは、発光層の形成を行う。発光層の形成には、正孔注入層や正孔輸送層の形成と同様に、インクジェット法などが用いられる。インクジェット法によって発光層用の塗布液を正孔輸送層上に塗布することで、塗布層が形成される。その塗布層を乾燥、焼成することで、発光層が形成される。
発光層として、例えば赤色発光層、緑色発光層、および青色発光層が形成される。赤色発光層、緑色発光層、および青色発光層は、バンクの開口部に形成される。バンクは、赤色発光層用の塗布液、緑色発光層用の塗布液、および青色発光層用の塗布液を隔てることで、これらの塗布液の混合を防止する。
続くステップでは、電子輸送層の形成を行う。電子輸送層の形成には、例えば蒸着法などが用いられる。電子輸送層は、複数の単位回路に共通のものでよいので、バンクの開口部内の発光層上だけではなく、バンク上にも形成されてよい。
続くステップでは、電子注入層の形成を行う。電子注入層の形成には、例えば蒸着法などが用いられる。電子注入層は、電子輸送層上に形成される。電子注入層は、複数の単位回路に共通のものでよい。
続くステップでは、陰極の形成を行う。陰極の形成には、例えば蒸着法などが用いられる。陰極は、電子注入層上に形成される。陰極は、複数の単位回路に共通のものでよい。
なお、有機ELディスプレイの駆動方式が、アクティブマトリックス方式ではなく、パッシブマトリックス方式である場合、陰極は、所定のパターンにパターニングされる。
以上の工程により、有機発光ダイオードが製造される。有機層のうち、正孔注入層、正孔輸送層および発光層の形成に、基板処理システムが用いられる。
基板処理システムは、上記の各ステップに相当する各処理を行い、陽極上に正孔注入層、正孔輸送層および発光層を形成する。基板処理システムは、搬入ステーションと、処理ステーションと、搬出ステーションと、制御装置とを有する。
搬入ステーションは、基板を外部から搬入させて基板を順次取り出す。各基板には、予めTFT層や平坦化層、陽極、バンクなどが形成されている。
搬入ステーションは、基板を載置する載置台と、載置台と処理ステーションとの間に設けられる搬送路と、搬送路に設けられる基板搬送体とを備える。基板搬送体は、カセット載置台に載置されたカセットと処理ステーションとの間で基板を搬送する。
処理ステーションは、陽極上に、正孔注入層、正孔輸送層および発光層を形成する。処理ステーションは、正孔注入層を形成する正孔注入層形成ブロックと、正孔輸送層を形成する正孔輸送層形成ブロックと、発光層を形成する発光層形成ブロックを備える。
正孔注入層形成ブロックは、正孔注入層用の塗布液を陽極上に塗布して塗布層を形成し、その塗布層を乾燥、焼成することで、正孔注入層を形成する。正孔注入層用の塗布液は、有機材料および溶剤を含む。その有機材料は、ポリマー、モノマーのいずれでもよい。モノマーの場合、焼成によって重合され、ポリマーとされてもよい。
正孔注入層形成ブロックは、塗布装置と、バッファ装置と、減圧乾燥装置と、熱処理装置と、温度調節装置とを備える。塗布装置は、正孔注入層用の塗布液の液滴を、バンクの開口部に向けて吐出する。バッファ装置は、処理待ちの基板を一時的に収容する。
減圧乾燥装置は、塗布装置で塗布された塗布層を減圧乾燥し、塗布層に含まれる溶剤を除去する。熱処理装置は、減圧乾燥装置で乾燥された塗布層を加熱処理する。温度調節装置は、熱処理装置で加熱処理された基板の温度を、所定の温度、例えば常温に調節する。
塗布装置、バッファ装置、熱処理装置、および温度調節装置は、内部が大気雰囲気に維持される。減圧乾燥装置は、内部の雰囲気を、大気雰囲気と減圧雰囲気とに切り替える。
正孔注入層形成ブロックにおいて、塗布装置、バッファ装置、減圧乾燥装置、熱処理装置および温度調節装置の配置や個数、内部の雰囲気は、任意に選択可能である。
また、正孔注入層形成ブロックは、複数の基板搬送装置と、対応する受渡装置とを備える。基板搬送装置は、それぞれ隣接する各装置へ基板を搬送する。例えば、基板搬送装置は、隣接する塗布装置およびバッファ装置へ基板を搬送する。基板搬送装置は、隣接する減圧乾燥装置へ基板を搬送する。基板搬送装置は、隣接する熱処理装置および温度調節装置へ基板を搬送する。受渡装置は、それぞれ順に、搬入ステーションと基板搬送装置の間、基板搬送装置と基板搬送装置の間、基板搬送装置と基板搬送装置の間に設けられ、これらの間で基板を中継する。基板搬送装置や受渡装置は、内部が大気雰囲気に維持される。
正孔注入層形成ブロックの基板搬送装置と、正孔輸送層形成ブロックの基板搬送装置との間には、これらの間で基板を中継する受渡装置が設けられる。受渡装置は、内部が大気雰囲気に維持される。
正孔輸送層形成ブロックは、正孔輸送層用の塗布液を正孔注入層上に塗布して塗布層を形成し、その塗布層を乾燥、焼成することで、正孔輸送層を形成する。正孔輸送層用の塗布液は、有機材料および溶剤を含む。その有機材料は、ポリマー、モノマーのいずれでもよい。モノマーの場合、焼成によって重合され、ポリマーとされてもよい。
正孔輸送層形成ブロックは、塗布装置と、バッファ装置と、減圧乾燥装置と、熱処理装置と、温度調節装置とを備える。塗布装置は、正孔輸送層用の塗布液の液滴を、バンクの開口部に向けて吐出する。バッファ装置は、処理待ちの基板を一時的に収容する。減圧乾燥装置は、塗布装置で塗布された塗布層を減圧乾燥し、塗布層に含まれる溶剤を除去する。熱処理装置は、減圧乾燥装置で乾燥された塗布層を加熱処理する。温度調節装置は、熱処理装置で加熱処理された基板の温度を、所定の温度、例えば常温に調節する。
塗布装置およびバッファ装置は、内部が大気雰囲気に維持される。一方、熱処理装置および温度調節装置は、正孔輸送層の有機材料の劣化を抑制するため、内部が低酸素かつ低露点の雰囲気に維持される。減圧乾燥装置は、内部の雰囲気を、低酸素かつ低露点の雰囲気と、減圧雰囲気とに切り替える。
正孔輸送層形成ブロックにおいて、塗布装置、バッファ装置、減圧乾燥装置、熱処理装置および温度調節装置の、配置や個数、内部の雰囲気は、任意に選択可能である。
また、正孔輸送層形成ブロックは、正孔注入層形成ブロックと同様に、基板搬送装置と、受渡装置とを備える。
基板搬送装置、受渡装置の内部は、大気雰囲気か、低酸素かつ低露点の雰囲気に維持される。基板搬送装置に隣接される減圧乾燥装置の内部が、低酸素かつ低露点の雰囲気と、減圧雰囲気とに切り替えられるためである。
受渡装置は、その内部の雰囲気を、大気雰囲気と、低酸素かつ低露点の雰囲気との間で切り替えるロードロック装置として構成される。受渡装置の下流側に減圧乾燥装置が隣設されるためである。一方、受渡装置の内部は、低酸素かつ低露点の雰囲気に維持される。
発光層形成ブロックは、発光層用の塗布液を正孔輸送層上に塗布して塗布層を形成し、形成した塗布層を乾燥、焼成することで、発光層を形成する。発光層用の塗布液は、有機材料および溶剤を含む。その有機材料は、ポリマー、モノマーのいずれでもよい。モノマーの場合、焼成によって重合され、ポリマーとされてもよい。
発光層形成ブロックは、塗布装置と、バッファ装置と、減圧乾燥装置と、熱処理装置と、温度調節装置とを備える。塗布装置は、発光層用の塗布液の液滴を、バンクの開口部に向けて吐出する。バッファ装置は、処理待ちの基板を一時的に収容する。減圧乾燥装置は、塗布装置で塗布された塗布層を減圧乾燥し、塗布層に含まれる溶剤を除去する。熱処理装置は、減圧乾燥装置で乾燥された塗布層を加熱処理する。温度調節装置は、熱処理装置で加熱処理された基板の温度を、所定の温度、例えば常温に調節する。
塗布装置およびバッファ装置は、内部が大気雰囲気に維持される。一方、熱処理装置および温度調節装置は、発光層の有機材料の劣化を抑制するため、内部が低酸素かつ低露点の雰囲気に維持される。減圧乾燥装置は、内部の雰囲気を、低酸素かつ低露点の雰囲気と、減圧雰囲気とに切り替える。
尚、発光層形成ブロックにおいて、塗布装置、バッファ装置、減圧乾燥装置、熱処理装置および温度調節装置の、配置や個数、内部の雰囲気は、任意に選択可能である。
また、発光層形成ブロックは、正孔輸送層形成ブロック、正孔注入層形成ブロックと同様に、基板搬送装置と、受渡装置とを備える。
搬出ステーションは、複数の基板を順次外部に搬出させる。搬出ステーションは、基板を載置する載置台と、載置台と処理ステーションとの間に設けられる搬送路と、搬送路に設けられる基板搬送体とを備える。基板搬送体は、処理ステーションとの間で、載置台に載置された基板を搬送する。
制御装置は、CPU(Central Processing Unit)と、メモリなどの記憶媒体とを含むコンピュータで構成され、記憶媒体に記憶されたプログラム(レシピとも呼ばれる)をCPUに実行させることにより各種処理を実現させる。
本実施形態に係る真空乾燥装置100は、図1に示すように、有機材料および溶剤を含む塗布層が形成された基板10を処理容器101の内部に収容し、気圧が大気圧よりも低い減圧雰囲気中で、塗布層から溶剤を蒸発させる。真空乾燥装置100は、例えば、処理容器(チャンバ)101と、下整流板102と、上整流板103と、駆動機構104と、排気機構105と、調温機構106と、支持機構110とを有する。
処理容器(チャンバ)101は、有機材料および溶剤を含む塗布層40(図4)が形成された基板10を収容する。基板10の上側には塗布層40が形成されている。処理容器(チャンバ)101の側壁部には基板10の搬入出口が形成され、この搬入出口には開閉シャッタが設けられる。開閉シャッタが搬入出口を開放することで基板10の搬入出が可能となり、開閉シャッタが搬入出口を閉塞することで処理容器(チャンバ)101の内部の減圧が可能となる。あるいは、処理容器(チャンバ)101の上部を蓋体として開閉する機構とすることもできる。処理容器(チャンバ)101の内部は、減圧開始前に、所定に雰囲気、例えば、低酸素かつ低露点の雰囲気として窒素雰囲気等とされてもよい。
下整流板102と上整流板103とは、処理容器(チャンバ)101内に、互いに対向する主面が水平位置となるように配置される。下整流板102より上方で、上整流板103よりも下方となる位置に、基板10が配置されて乾燥処理をおこなう。上整流板103は、下整流板102に対して上下方向位置を変動可能とされる。
上整流板103は駆動機構104により上下動可能とされる。駆動機構104は、処理容器(チャンバ)101の外部に位置する。駆動機構104は、処理容器(チャンバ)101の密閉を維持した状態で上整流板103を上下に駆動可能とされる。駆動機構104は、基板10の搬入出時に、上整流板103と基板10との干渉を防止できる。
排気機構105は、処理容器(チャンバ)101の底部に配置された排気口105aから処理容器(チャンバ)101を排気可能とされる。
排気機構105は、例えば、減圧発生源と、APC(Adaptive Pressure Control)バルブとを有する。減圧発生源としては、例えばドライポンプ、メカニカルブースターポンプ、ターボ分子ポンプなどが用いられる。減圧発生源は、APCバルブが途中に設けられる配管を介して処理容器(チャンバ)101と接続される。
減圧発生源は、処理容器(チャンバ)101の排気口105aに接続され、処理容器(チャンバ)101の内部を、大気圧よりも低い気圧に減圧する。処理容器(チャンバ)101の内部の気圧は、APCバルブによって調節しながら、例えば1Pa以下まで減圧される。処理容器(チャンバ)101において、排気口105aは、図1に示すように処理容器101の下壁部に形成されているが、上壁部または側壁部に形成されていてもよい。
調温機構106は、基板10の減圧乾燥時に基板10の温度調節をおこなう。具体的には、調温機構106は、基板10の減圧乾燥時に下整流板102の温度調節をおこなう。
支持機構110は、処理容器(チャンバ)の内部で基板10を下方から保持する。
支持機構110は、下整流板102から上方に立設された複数の支持ピン120を有する。支持機構110は、基板10の減圧乾燥時に、基板10の全体を保持できる。支持ピン120は、基板10の搬入出時に、基板10が載置される基板搬送装置の載置部との干渉を防止できる。
さらに、真空乾燥装置100は、ガス供給機構を備えることもできる。ガス供給機構は、排気機構105によって減圧された処理容器(チャンバ)101の内部を元の雰囲気に戻すため、処理容器101の内部に大気、窒素ガスなどのガスを供給する。ガス供給機構は、例えば、ガス供給源と、マスフローコントローラと、開閉バルブとを有する。ガス供給源は、マスフローコントローラや開閉バルブが途中に設けられる配管を介して処理容器101と接続され、処理容器101の内部にガスを供給する。その供給量はマスフローコントローラによって調節可能である。
ガス供給機構は、上整流板103よりも上方にガスを供給するように供給口を有することができる。
真空乾燥装置100は、塗布装置によって基板10上に形成された塗布層40(図4参照)を減圧乾燥し、塗布層40に含まれる溶剤を蒸発させる。溶剤の蒸気は、基板10の上面付近から処理容器101の排気口105aに運ばれる。上記が移動しやすい場所ほど、乾燥が進みやすい。乾燥速度ムラを低減するために、駆動機構104によって、上整流板103と基板10との距離を制御して、コンダクタンスを制御することで、この乾燥ムラを低減する。
同時に、排気口105aが下整流板102よりも下方に位置することで、コンダクタンスを制御することで、この乾燥ムラを低減する。
図2は、本実施形態における支持ピンを示す斜視図である。図3は、本実施形態における支持ピンを示す分解図である。
支持機構110における複数の支持ピン120は、下整流板102から上方に平行に立設される。
支持ピン120は、図2および図3に示すように、下整流板102に近接する基端となる支柱部121と、基板10裏面に当接する縮径部122と、縮径部122に接続されたピン部123と、を有する。
支柱部121と、縮径部122およびピン部123とは、分離可能とされる。
支柱部121は、下整流板102に固定される基端部125および基端フランジ125aと、柱状部121aと、上フランジ121bと、接続部121cとを有する。
基端部125および基端フランジ125aは、下整流板102の固定部102aに固定される。
柱状部121aは、略円柱状の外形を有する。柱状部121aの下整流板102に近接する端部には基端フランジ125aが設けられる。基端フランジ125aには、さらに下整流板102に近接する位置に基端部125が形成されている。柱状部121aの上整流板103に近接する端部には、上フランジ121bが設けられる。上フランジ121bには、さらに上整流板103に近接する位置に接続部121cが形成されている。
基端部125、基端フランジ125a、柱状部121a、上フランジ121b、接続部121cは、いずれも支柱部121の軸線に対して、同軸状となる外周面を有する。
柱状部121aの外径寸法よりも基端フランジ125aの外径寸法は大きく設定される。基端フランジ125aの外径寸法よりも基端部125の外径寸法は小さく設定される。基端部125の外径寸法は、柱状部121aの外径寸法よりも大きく設定される。基端部125の外周には、たとえば、固定用の雄ネジが形成されることもできる。この場合、下整流板102の固定部102aに雌ネジが形成される。
柱状部121aの外径寸法よりも上フランジ121bの外径寸法は大きく設定される。上フランジ121bの外径寸法は基端フランジ125aの外径寸法よりも小さく設定される。柱状部121aの外径寸法よりも接続部121cの外径寸法は大きく設定される。接続部121cの外径寸法は上フランジ121bの外径寸法よりも小さく設定される。接続部121cの外周には、たとえば、固定用の雄ネジが形成されることもできる。
ピン部123は、支柱部121に接続される円柱部123aと、下整流板102から上整流板103に向けて縮径する円錐部123bと、を有する。
円柱部123aは、支柱部121と同軸状に接続可能とされる。円柱部123aの外径寸法は上フランジ121bの外径寸法とほぼ等しく設定される。
円錐部123bは、円柱部123aの上端側に形成される。円錐部123bは、円柱部123aと同軸状に形成される。円錐部123bの先端には、縮径部122が形成される。円錐部123bと縮径部122とは、同軸状に形成される。
円錐部123bの外径寸法は、下端が円柱部123aの外径寸法と等しく設定され、上端が縮径部122と等しく設定される。
ピン部123の下端には、内部空間部126が開口する。内部空間部126には、接続部121cを挿入して支柱部121とピン部123とを接続する。内部空間部126は、ピン部123の軸線方向に延在している。内部空間部126の軸線方向寸法は、円柱部123aの軸線方向寸法とほぼ等しく設定することができる。
円柱部123aの外周には、気抜き穴124が開口する。気抜き穴124は、内部空間部126に連通する。気抜き穴124は、径方向に延在する内部空間部である。気抜き穴124は、支柱部121とピン部123とが接続された際に、軸線方向において、接続部121cの上端よりも縮径部122に近接する位置に設けられる。気抜き穴124は、1箇所、あるいは、2箇所以上形成することができる。
縮径部122は、ピン部123の先端に同軸状に形成される。縮径部122は、基端側先端まで同径とされる。縮径部122の先端には、球面部(先端部)122aが形成される。縮径部122の球状に形成された球面部122aの曲率半径は、縮径部122の径寸法となる半径と等しく設定される。球面部122aは、基板10の裏面と点接触する。
内部空間部126を設けることで、支持ピン120における軸方向における断面積の分布を設定する。
支柱部121においては、軸方向に内部空間部126を設けることで、環状に形成することができる。さらに、支柱部121において径方向の内部空間部126として外周に開口することもできる。
ピン部123においては、軸方向に内部空間部126を設けることができる。さらに、気抜き穴124と平行で、軸線方向の異なる位置にさらに開口を形成してもよい。
さらに、ピン部123においては、軸方向に内部空間部126を延長して、その一部が、円錐部123bに開口することもできる。
このように、支持ピン120において上記のように断面積を設定することによって、支持ピン120における軸方向に伝導される熱量を設定する。
ここで、本実施形態における基板10に形成された塗布層における溶剤の乾燥について説明する。
図4は、本実施形態における乾燥工程を示す支持ピン先端付近を拡大した模式断面図である。図5は、本実施形態における乾燥工程を示す支持ピン先端付近を拡大した模式断面図である。図6は、本実施形態における乾燥工程を示す支持ピン先端付近を拡大した模式断面図である。
乾燥時には、真空乾燥装置100において、塗布層40の形成された基板10を複数の支持ピン120によって支持する(図1)。
塗布層40は、図4に示すように、塗布液として基板10表面のバンク30内に充填されている。
ここで、基板10における乾燥は、支持ピン120の接触していない輻射領域10rと、支持ピン120の接触している近傍の支持領域10pと、に分けて説明する。なお、これらの領域は説明のためにその名称を付けたもので、基板10が面に沿った方向に異なるように構成されているものではない。
図7は、本実施形態における乾燥工程における乾燥曲線を説明するグラフである。図8は、図7の乾燥曲線における丸印部分を拡大したグラフである。
この状態で、排気機構105によって(図1)、図7,図8にレシピAとして示すように、処理容器(チャンバ)101内部を溶剤(溶媒)の蒸気圧に対応する所定の圧力まで排気する。
これにより処理容器(チャンバ)101内部を所定の初期排気圧力PAまで減圧状態とする。
このとき、下整流板102では(図1)、蒸発させる対象の溶剤の揮発する温度に対応して、所定の温度、例えば、室温、25℃程度に設定する。
同時に、駆動機構104によって(図1)、上整流板103と基板10との距離を制御して、上整流板103と基板10との間の空間におけるコンダクタンスを制御する。具体的には、上整流板103と基板10との距離を狭くすると、コンダクタンスが増加する。
すると、溶剤の飽和蒸気圧に到達するまで、バンク30内の塗布層40から溶剤が徐々に揮発し、図5に示すように、塗布層40の嵩つまり膜厚が充分減少する。
さらに、この状態から排気機構105によって(図1)、図7の丸印付近および図8にレシピAとして示すように、処理容器(チャンバ)101内部を急速排気する。これにより処理容器(チャンバ)101内部を所定の急速排気圧力まで減圧した状態とする。急速排気圧力は、溶剤(溶媒)の飽和蒸気圧よりもさらに小さい圧力とされる。
このとき、図8にレシピAとして示すように、溶媒の蒸気圧に到達し、一気に蒸発するため、圧力上昇し、気化熱により基板10温度は急速に下がる。また、急速排気後に、蒸発時間TAをかけて排気曲線が低下していく。
溶剤の蒸気圧に対応して、さらにバンク30内の塗布層40から溶剤が急速に揮発し、図6に示すように、溶剤が乾燥されて溶質がバンク30の底部付近に残存する。このとき、急速排気の前に、図5に示すように、塗布層40の嵩つまり膜厚が充分減少していることにより、溶剤の蒸発時間TAを短縮することができる。したがって、バンク30内における残存溶質の膜厚をほぼ均等にすることができる。
図9は、本実施形態における図5に対応して、乾燥工程を説明するために支持ピン先端付近を拡大した模式断面図である。図10は、本実施形態における図6に対応して、乾燥工程を説明するために従来の支持ピン先端付近を拡大した模式断面図である。図11は、真空乾燥装置における乾燥工程を説明するための図である。
これに対し、図7,図8にレシピBとして示すように、処理容器(チャンバ)101内部を初期排気圧力PAより高い初期排気圧力PBまで排気した場合、図9に示すように、溶剤の蒸発速度がレシピAに比べて遅くなる。このため、図9に示すように、バンク30内において、塗布層40の嵩つまり膜厚は充分減少していない。すなわち、初期排気圧力が高いため、溶剤の蒸発が不十分であり、塗布膜40の嵩つまり膜厚が減少しにくくなる。つまり、蒸発しきれない溶剤の残量が多い。
さらに、この状態から排気機構105によって(図1)、図7の丸印付近および図8にレシピBとして示すように、処理容器(チャンバ)101内部を急速排気する。これにより処理容器(チャンバ)101内部を所定の急速排気圧力まで減圧状態とする。急速排気圧力は、溶剤の飽和蒸気圧よりも小さい圧力とされる。
このとき、図8にレシピBとして示すように、溶媒の蒸気圧に到達し、蒸発しきれない溶剤の残量が多く、それが一気に蒸発するため、圧力上昇し、気化熱により基板10温度は急速に下がる。また、急速排気後に、蒸発時間TBをかけて排気曲線が低下していく。バンク30内において、塗布層40に含まれる溶剤の残量が多いため、蒸発時間TBは蒸発時間TAよりも長い。
ここで、支持領域10pでは、図9に示すように、支持ピン12が接触しているために、輻射領域10rに対して、温度状態、つまり、熱伝導状態が異なる状態である。
輻射領域10rにおいては、図9に示すように、下整流板102からの輻射のみによって基板10の温度が決まる。また、溶剤の揮発に伴う気化熱により、基板10温度が降下する。
特に、支持領域10pでは支持ピン120の熱伝導による温度差によって、溶剤の蒸発速度が輻射領域10rに比べて速くなる。支持領域10pにおける溶剤の蒸発速度が速すぎると、基板10の温度降下がさらに増大する。
この結果、支持領域10pと輻射領域10rとにおける溶剤の蒸発速度の差が大きくなり、初期排気圧力PBにおけるバンク30内の塗布膜40の嵩つまり膜厚の減少が小さいことも相まって、図11に示すコーヒーステイン現象によって、溶質がバンク30の側面に付着する可能性が高くなる。
ここで、コーヒーステイン現象とは、図11に示すように、平板の基板10表面に滴下した塗布液(塗布層)40を乾燥させる際に、塗布液40の中央部40bに比べて周縁部40aで溶剤の蒸発量が大きい状態となり、気化熱により周縁部40aの温度が低くなって、結果的に、その周縁部40aにおける溶質の残存量が大きくなることを意味する。
この結果、図10に示すように、支持領域10pと輻射領域10rとで溶質の膜厚の差が大きくなり、ムラを生じる。
本実施形態における真空乾燥装置100においては、図7,図8にレシピAとして示すように、初期排気圧力PAまで溶剤を揮発させた後、蒸発時間TAをかけて急速排気圧力まで急速に排気して減圧し、溶質がバンク30の側面に付着しないようにする。
これにより、支持領域10pと輻射領域10rとにおける蒸発速度の差が抑制されて、ムラが発生してしまうことを抑制可能となる。
ここで、レシピAとして、図5に示すように、初期排気圧力PAまでゆっくり排気し、溶剤を充分減らした状態で、急速排気をおこなうことで、蒸発時間を充分短くすることができ、ムラ発生の抑制を実現することが可能となる。
なお、レシピのみでは、ムラ発生の抑制が充分ではない場合、さらに、支持領域10pと輻射領域10rとにおける蒸発速度の差を抑制する構成とする。
本実施形態における支持ピン120では、基板10に接しているのが縮径部122に形成された球面部122aであることで、ほぼ点接触となっている。また、縮径部122の径寸法が小さい、すなわち、縮径部122における軸方向での断面積が小さい。
同時に、ピン部123および支柱部121において、断面積の軸方向分布を設定するとともに、熱伝導率が小さい材質から構成されている。
このように、支持領域10pでは支持ピン120の熱伝導による温度差によって、溶剤の蒸発速度が輻射領域10rに比べて速くなることを抑制できる。支持領域10pにおける溶剤の蒸発速度が速すぎないため、基板10の温度降下がさらに増大することを抑制する。さらに、コーヒーステイン現象によって、溶質がバンク30の側面に付着することがない。
これらにより、支持ピン120が接触している支持領域10pにおいても、輻射領域10rに対する温度状態の差、つまり、熱伝導状態の差を抑制することができる。したがって、熱伝導の影響による乾燥速度の差を抑制することで、ムラの発生を抑制することが可能となる。
以下、支持ピン120による具体的な蒸発速度差の抑制について説明する。
図12は、本実施形態の真空乾燥装置において支持ピンのない領域における乾燥工程での温度降下を説明する図である。図13は、本実施形態の真空乾燥装置において支持ピンの接した領域における乾燥工程での温度降下を説明する図である。
輻射領域10rにおいては、支持ピン120がないため、下整流板102から基板10への温度は、図12に矢印で示すように、輻射に起因した温度降下SM、および、溶剤の蒸発による放熱に起因した温度降下SNを主因として、降下する。
なお、図12には、支持ピン120を比較のため破線で示した。
支持領域10pにおいては、支持ピン120があるため、下整流板102から基板10への温度は、図13に矢印で示すように、支持ピン120を介した熱伝導に起因した温度降下SC、および、溶剤の蒸発による放熱に起因した温度降下SNを主因として、降下する。
このとき、支持ピン120は、図13に示すように、下整流板102から基板10に向かう方向での温度降下が、輻射領域10rにおける温度降下ΔTrと、支持領域10pにおける温度降下ΔTpとの関係が、
(ΔTr-ΔTp)/ΔTr≦((25+3.75)-(25+3.16))/(25+3.75)
となるように構成される。
同時に、支持ピン120は、図13に示すように、縮径部122での温度降下ΔTpφと、縮径部122よりも下整流板102に近接している支柱部121およびピン部123での温度降下ΔTppとの関係が、
ΔTpp/ΔTpφ≧(25-19)/(19+3.16))
となるように構成される。
さらに、支持ピン120は、縮径部122の長さが1mm以下である。この場合、縮径部122の長さとは、支持ピン120の軸方向における球面部122aから円錐部123bの先端までの長さである。
縮径部122の径寸法Φφが0.5mm以下である。縮径部122の先端に形成された球面部122aの曲率半径SRが0.25mm以下である。
支持ピン120は、図13に示すように、支柱部121での温度降下ΔTpdと、ピン部123での温度降下ΔTpuとの関係が、
ΔTpd/ΔTpu≧(25-20)/(20-19)
となるように構成される。
支持ピン120は、熱伝導率0.5W/mk以下の材質から構成される。特に、基板10に当接する縮径部122は、熱伝導率0.3W/mk以下の材質から構成される。支持ピン120は、樹脂などの熱伝導率が小さく、かつ、充分な強度を有する材質から形成されることが好ましく、具体的には、PFA,PTFE,PEEK,導電性PEEK、等を挙げることができる。言い換えると、支持ピン120は、被処理体であるガラス基板(基板)10よりも熱伝導率が低い材質から形成されることができる。
支柱部121と、ピン部123および縮径部122とは、同一の材質とから構成されることができる。あるいは、支柱部121と、ピン部123および縮径部122とは、異なる材質から構成されることもできる。
支柱部121と、ピン部123および縮径部122とは、異なる材質から構成される際には、支柱部121の熱伝導率に比べて、ピン部123および縮径部122の熱伝導率を小さくすることができる。また、ピン部123および縮径部122の熱伝導率に比べて、支柱部121の熱伝導率を小さくすることができる。
さらに、支持ピン120は、下整流板102から基板10に向かう方向で、支持ピン120の軸線と直交する断面積の分布を設定することで、この方向での温度降下を設定される。
この断面積の分布(軸方向における変化率)を設定するために、支持ピン120は、断面積を削減するための内部空間部126を有する。
断面積を設定する内部空間部126としては、支柱部121とピン部123とのいずれか、あるいは、支柱部121とピン部123との両方形成することができる。
内部空間部126は、支持ピン120の軸方向に形成されることができる。
例えば、ピン部123において、図3に示すように、接続部121cを挿入して接続するための接続穴となる内部空間部126を円柱部123aの下端位置に形成することができる。接続穴となる内部空間部126は、支持ピン120の軸方向に延在する。接続穴となる内部空間部126は、接続部121cに当接して接続部121cを接続する部分に対して、さらに、円柱部123aの上端に向けて延長することもできる。この場合、内部空間部126は、円柱部123aの全長にわたって形成することもできる。
さらに、図14に示すように、内部空間部126の上端が、円錐部123bの外周面に連通する開口124aを形成することも可能である。
さらに、接続穴となる内部空間部126に対して、図3に示すように、円柱部123aの周面に開口して気抜き穴124となるように、支持ピン120の径方向に延在する内部空間部126を形成することもできる。気抜き穴124が支持ピン120の径方向の両側で貫通していることもできる。
また、気抜き穴124は、図14に示すように、支持ピン120の径方向の片側のみに貫通していることもできる。
気抜き穴124に対して、図14に示すように、支持ピン120の軸方向において、異なる位置に開口する穴124bのように、複数形成されていることもできる。
支柱部121においては、図14に示すように、柱状部121aの内部を軸方向にくり抜いて内部空間部126を形成することもできる。この場合、基端部125,基端フランジ125a,上フランジ121b,接続部121cには、内部空間部126を形成しないこともできる。あるいは、支柱部121が充分な強度を維持可能な場合には、基端部125,基端フランジ125a,上フランジ121bには、内部空間部126を形成することもできる。これらの場合、支柱部121を分割形成して組み立てることもできる。
支柱部121においては、図14に示すように、柱状部121aの周面に開口して気抜き穴124dとなるように、支持ピン120の径方向に延在する内部空間部126を形成することもできる。
気抜き穴124dは、穴124bと同様に、支持ピン120の軸方向において複数形成されていることもできる。さらに、気抜き穴124dは、支持ピン120の径方向の両側で貫通していることもできる。
本実施形態における真空乾燥装置100においては、支持ピン120において軸方向における断面積および材質の熱伝導率によって、温度降下が設定されていることにより、溶剤を揮発させる際に、基板10の支持領域10pにおける表面温度を充分低下して、輻射領域10rとの表面温度の差を抑制することができる。これにより、溶剤を揮発させる際に、支持領域10pにおける溶剤の蒸発速度を小さくして、輻射領域10rとの溶剤の蒸発速度の差を抑制することができる。
このように、支持領域10pでは支持ピン120の熱伝導による温度差によって、溶剤を揮発させる際に、溶剤の蒸発速度が輻射領域10rに比べて速くなることを抑制できる。支持領域10pにおける溶剤の蒸発速度が速すぎないため、基板10の温度降下がさらに増大することを抑制する。さらに、コーヒーステイン現象によって、溶質がバンク30の側面に付着することがない。
これらにより、支持ピン120が接触している支持領域10pにおいても、輻射領域10rに対する温度状態の差、つまり、熱伝導状態の差を抑制することができる。したがって、熱伝導の影響による乾燥速度の差を抑制することで、ムラの発生を抑制することが可能となる。
以下、本発明にかかる実施例を説明する。
ここで、本発明における真空乾燥装置100における支持ピン120の具体例としておこなう確認試験について説明する。
<実験例0>
下整流板102と基板10との距離を60mmとして、下整流板102の温度を25℃とし、急速排気時の処理容器(チャンバ)101内部の圧力が50Paに到達した時の輻射による基板温度降下を求めた。
このとき、初期排気圧力PA等の乾燥における条件は以下とし、シミュレーションを行い、実験例case0とした。
圧力;50Pa
初期排気圧力PA;3600Pa
初期排気時間;180sec
基板10
材質;ガラス(ソーダガラス)
厚さ;500μm
大きさ;1300mm×1500mm
実験例case0における温度降下の結果を図12に示す。
実験例case0の結果から、基板10における輻射領域10r表面の温度は、-3.75℃であった。
<実験例case1>
下整流板102と基板10との距離を60mmとして、下整流板102の温度を25℃とし、熱伝導および溶剤蒸発による基板温度降下を求めた。
このとき、乾燥における条件は、実験例case0と同じように設定した。
また、支持ピン120として以下の諸元のものを下整流板102に複数立設した。支持ピン120は、基板10のデバイス領域に接触する状態で乾燥をおこない、これを実験例case1とした。
支持ピン120
全長;60mm
支柱部121
材質;PTFE
全長;38.5mm
柱状部121a長さ;20mm(中実)
柱状部121a径;φ3mm
基端部125長さ;9mm(逃がし1.5mm)
基端部125径;M5mm
基端フランジ125a長さ(厚さ);3mm
基端フランジ125a径;φ8mm
上フランジ121b長さ(厚さ);2mm
上フランジ121b径;φ5mm
接続部121c長さ;4.5mm(逃がし1mm)
接続部121c径;M3mm
ピン部123
材質;PEEK
円柱部123a長さ;15.6mm
円柱部123a径;φ5mm
内部空間部126下端内径;φ3mm
内部空間部126長さ;15mm
内部空間部126雌ネジ長さ;5mm
気抜き穴124径;φ1.5mm
気抜き穴124下端からの中心までの距離径;7mm
円錐部123b長さ;8.4mm
円錐部123b頂角;30°
縮径部122長さ;1mm(ピン部123と一体)
材質;PEEK
縮径部122径;0.5mm
球面部122a曲率半径;0.25mm
実験例case1における温度降下の結果を図13に示す。図13では、下整流板102から基板10までの温度降下曲線を、支持ピン120の軸方向に沿って示す。
実験例case1の結果から、基板10における支持領域10p表面の温度は、―3.16であった。
<実験例case2>
実験例case1と同様に、熱伝導および溶剤蒸発による基板温度降下を求めた。
このとき、乾燥における条件は、実験例case1と同じように設定した。
また、支持ピン120として以下の諸元のものを下整流板102に複数立設した。支持ピン120は、基板10のデバイス領域に接触する状態で乾燥をおこない、これを実験例case2とした。
なお、ここでは、実験例case1と異なる諸元のみを示す。
支柱部121
材質;PFA
ピン部123
材質;PFA
縮径部122(ピン部123と一体)
材質;PFA
実験例case2における温度降下の結果を図15に示す。図15では、下整流板102から基板10までの温度降下曲線を、支持ピン120の軸方向に沿って示す。
実験例case2の結果から、基板10における支持領域10p表面の温度は、-3.25℃であった。
<実験例case3>
実験例case1と同様に、熱伝導および溶剤蒸発による基板温度降下を求めた。
このとき、乾燥における条件は、実験例case1と同じように設定した。
また、支持ピン120として以下の諸元のものを下整流板102に複数立設した。支持ピン120は、基板10のデバイス領域に接触する状態で乾燥をおこない、これを実験例case3とした。
なお、ここでは、実験例case1と異なる諸元のみを示す。
支柱部121
材質;SUS304
ピン部123
材質;導電性PEEK
縮径部122(ピン部123と一体)
材質;導電性PEEK
実験例case3における温度降下の結果を図16に示す。図16では、下整流板102から基板10までの温度降下曲線を、支持ピン120の軸方向に沿って示す。
実験例case3の結果から、基板10における支持領域10p表面の温度は、-2.85℃であった。
<実験例case4>
実験例case1と同様に、熱伝導および溶剤蒸発による基板温度降下を求めた。
このとき、乾燥における条件は、実験例case1と同じように設定した。
また、支持ピン120として以下の諸元のものを下整流板102に複数立設した。支持ピン120は、基板10のデバイス領域に接触する状態で乾燥をおこない、これを実験例case4とした。
なお、ここでは、実験例case1と異なる諸元のみを示す。
支柱部121
材質;SUS304
ピン部123
材質;A5052(アルミニウム合金)
縮径部122(ピン部123と一体)
材質;A5052(アルミニウム合金)
実験例case4における温度降下の結果を図17に示す。図17では、下整流板102から基板10までの温度降下曲線を、支持ピン120の軸方向に沿って示す。
実験例case4の結果から、基板10における支持領域10p表面の温度は、-2.39℃であった。
<実験例case5>
実験例case1と同様に、熱伝導および溶剤蒸発による基板温度降下を求めた。
このとき、乾燥における条件は、実験例case1と同じように設定した。
また、支持ピン120として以下の諸元のものを下整流板102に複数立設した。支持ピン120は、基板10のデバイス領域に接触する状態で乾燥をおこない、これを実験例case5とした。
なお、ここでは、実験例case1と異なる諸元のみを示す。
支柱部121
材質;SUS304
ピン部123
材質; PTFE
縮径部122(ピン部123と一体)
材質;PTFE
実験例case5における温度降下の結果を図18に示す。図18では、下整流板102から基板10までの温度降下曲線を、支持ピン120の軸方向に沿って示す。
実験例case5の結果から、基板10における支持領域10p表面の温度は、-3.04℃であった。
<実験例case6>
実験例case1と同様に、熱伝導および溶剤蒸発による基板温度降下を求めた。
このとき、乾燥における条件は、実験例case1と同じように設定した。
また、支持ピン120として以下の諸元のものを下整流板102に複数立設した。支持ピン120は、基板10のデバイス領域に接触する状態で乾燥をおこない、これを実験例case6とした。
なお、ここでは、実験例case1と異なる諸元のみを示す。
支柱部121
材質;A5052
ピン部123
材質;導電性PEEK
縮径部122(ピン部123と一体)
材質;導電性PEEK
実験例case6における温度降下の結果を図19に示す。図19では、下整流板102から基板10までの温度降下曲線を、支持ピン120の軸方向に沿って示す。
実験例case6の結果から、基板10における支持領域10p表面の温度は、-2.84℃であった。
ここで、実験例case1~6で使用した支持ピン120の構成材における熱伝導率を、次に示す。
乾燥空気;0.0241W/mK
PFA;0.19W/mK
PTFE;0.25W/mK
PEEK;0.25W/mK
導電性PEEK;0.46W/mK
SUS304;15W/mK
A5052;236W/mK
ガラス;0.6W/mK
Si;24W/mK
さらに、実験例case1~6における乾燥後の基板10表面でのムラ発生の有無を観察した。
実験例case1および実験例case2においては、ムラが観察されなかったが、実験例case3~6においては、目視できるムラが観察された。
ここで、実験例case1~6における温度降下を図20にまとめて示す。同時に、対応する溶剤の蒸発速度[pl/S]を示す。
図20に示す結果から、輻射領域10rにおけるガラス表面温度に対して、支持領域10pにおけるガラス表面温度の比が、3.16/3.75よりも小さくなると、ムラが発生することがわかる。
図20に示す結果から、輻射領域10rにおける蒸発速度に対して、支持領域10pにおける蒸発速度の比が、1130/20.3よりも大きくなると、ムラが発生することがわかる。
図13,図15~図20に示す結果から、熱伝導率が1W/mKより大きい部材で支持ピン120を構成すると、ムラが発生することがわかる。
また、図13,図15~図20に示す温度曲線から、支持領域10pで支持ピン120による温度降下は縮径部122において急激に起こるが、この温度曲線の傾きΔDpφが、図12に示す輻射領域10rにおける温度曲線の傾きΔDrに対する比ΔDpφ/ΔDrが、図13に示すように、
ΔDpφ/ΔDr≦(19+3.16)/(25+3.75)
の範囲であることが、ムラが発生しないためには好ましい。
同様に、支柱部121およびピン部123における温度曲線の降下が、この温度曲線の傾きΔDppが、図12に示す輻射領域10rにおける温度曲線の傾きΔDrに対する比ΔDpp/ΔDrが、図15に示すように、
ΔDpp/ΔDr≧(25―20)/(25+3.75)
の範囲であることが、ムラが発生しないためには好ましい。
実験例case1において、図13に示す結果から、温度曲線におけるピン部123から縮径部122への変曲点Dpφは、温度19℃である。図13に示す結果から、温度曲線における支柱部121からピン部123への変曲点Dppは、温度20℃である。
実験例case2において、図15に示す結果から、温度曲線におけるピン部123から縮径部122への変曲点Dpφは、温度18℃である。図15に示す結果から、温度曲線における支柱部121からピン部123への変曲点Dppは、温度20℃である。
実験例case3において、図16に示す結果から、温度曲線におけるピン部123から縮径部122への変曲点Dpφは、温度24℃である。図16に示す結果から、温度曲線における支柱部121からピン部123への変曲点Dppは、温度25℃である。
実験例case4において、図17に示す結果から、温度曲線におけるピン部123から縮径部122への変曲点Dpφは、温度25℃である。図17に示す結果から、温度曲線における支柱部121からピン部123への変曲点Dppは、温度は、不明である。
実験例case5において、図18に示す結果から、温度曲線におけるピン部123から縮径部122への変曲点Dpφは、温度24℃である。図18に示す結果から、温度曲線における支柱部121からピン部123への変曲点Dppは、温度25℃である。
実験例case6において、図19に示す結果から、温度曲線におけるピン部123から縮径部122への変曲点Dpφは、温度24℃である。図19に示す結果から、温度曲線における支柱部121からピン部123への変曲点Dppは、温度25℃である。
<実験例caseA>
実験例case1と同様に、熱伝導および溶剤蒸発による基板温度降下を求めた。
このとき、乾燥における条件は、実験例case1と同じように設定した。
また、支持ピン12として以下の諸元のものを下整流板102に複数立設した。支持ピン12は、基板10のデバイス領域に接触する状態で乾燥をおこない、これを実験例caseAとした。
なお、ここでは、実験例case1と異なる諸元のみを示す。
支柱部121
材質;PFA
ピン部123
材質;PFA
縮径部122にかえて、図21に示す当接部12h(ピン部123と一体)
材質;PFA
当接径;φ23mm
当接面;平面リング状;リング幅1mm
実験例caseAにおけるムラ発生を目視確認した結果を図22に示す。なお、図22には、実験例case1,2,3の結果も同様に示す。
実験例caseAの結果から、ムラが発生していることがわかる。
<実験例caseB>
実験例case1と同様に、熱伝導および溶剤蒸発による基板温度降下を求めた。
このとき、乾燥における条件は、実験例case1と同じように設定した。
また、支持ピン12として以下の諸元のものを下整流板102に複数立設した。支持ピン12は、基板10のデバイス領域に接触する状態で乾燥をおこない、これを実験例caseBとした。
なお、ここでは、実験例case1と異なる諸元のみを示す。
支柱部121
材質;PFA
ピン部123
材質;PFA
縮径部122にかえて、図21に示す当接部12hにおいて平面とした(ピン部123と一体)
材質;PFA
当接径;φ25mm
当接面;平面状
実験例caseBにおけるムラ発生を目視確認した結果を図22に示す。
実験例caseBの結果から、ムラが発生していることがわかる。
<実験例caseC>
実験例case1と同様に、熱伝導および溶剤蒸発による基板温度降下を求めた。
このとき、乾燥における条件は、実験例case1と同じように設定した。
また、支持ピン12として以下の諸元のものを下整流板102に複数立設した。支持ピン12は、基板10のデバイス領域に接触する状態で乾燥をおこない、これを実験例caseCとした。
なお、ここでは、実験例case1と異なる諸元のみを示す。
支柱部121
材質;SUS304
ピン部123
材質;PEEK
縮径部122にかえて、図21に示す当接部12hにおいて平面とした(ピン部123と一体)
材質;PEEK
当接径;φ25mm
当接面;平面状
実験例caseCにおけるムラ発生を目視確認した結果を図22に示す。
実験例caseCの結果から、ムラが発生していることがわかる。
<実験例caseD>
実験例case1と同様に、熱伝導および溶剤蒸発による基板温度降下を求めた。
このとき、乾燥における条件は、実験例case1と同じように設定した。
また、支持ピン12として以下の諸元のものを下整流板102に複数立設した。支持ピン12は、基板10のデバイス領域に接触する状態で乾燥をおこない、これを実験例caseDとした。
なお、ここでは、実験例case1と異なる諸元のみを示す。
支柱部121
材質;SUS304
ピン部123
材質;PEEK
縮径部122にかえて、図21に示す当接部12h(ピン部123と一体)
材質;PEEK
当接径;φ23mm
当接面;平面リング状;リング幅1mm
実験例caseDにおけるムラ発生を目視確認した結果を図22に示す。
実験例caseDの結果から、ムラが発生していることがわかる。
<実験例caseE>
実験例case1と同様に、熱伝導および溶剤蒸発による基板温度降下を求めた。
このとき、乾燥における条件は、実験例case1と同じように設定した。
また、支持ピン12として以下の諸元のものを下整流板102に複数立設した。支持ピン120は、基板10のデバイス領域に接触する状態で乾燥をおこない、これを実験例caseEとした。
なお、ここでは、実験例case1と異なる諸元のみを示す。
支柱部121
材質;PFA
ピン部123
材質;PEEK
縮径部122(ピン部123と一体)
材質;PEEK
実験例caseEにおけるムラ発生を目視確認した結果を図22に示す。
実験例caseEの結果から、ムラが発生していないことがわかる。
図22に示す結果から、縮径部122が基板10に点接触した状態であると、ムラが発生しないことがわかる。
図22に示す結果から、図21に示すように、当接部12hが基板10に面で接触した状態であると、材質に関わりなくムラが発生することがわかる。
本発明の活用例として、有機EL等のFPD製造工程における乾燥に加え、電気、電子部品の水分乾燥処理、および、金属、機械加工品の水洗浄後の乾燥処理を挙げることができる。
10…基板(ガラス基板)
100…真空乾燥装置
10p…支持領域
10r…輻射領域
30…バンク
40…塗布層
101…処理容器(チャンバ)
102…下整流板
102a…固定部
103…上整流板
104…駆動機構
105…排気機構
105a…排気口
106…調温機構
110…支持機構
120…支持ピン
121…支柱部
121a…柱状部
121b…上フランジ
121c…接続部
122…縮径部
122a…球面部(先端部)
123…ピン部
123a…円柱部
123b…円錐部
124…気抜き穴
125…基端部
125a…基端フランジ
126…内部空間部
130…上整流板
150…処理容器
Dpφ…変曲点
PA…初期排気圧力
SC…温度降下
SM…温度降下
SN…温度降下
SR…曲率半径
TA…蒸発時間
TB…蒸発時間
ΔTp…温度降下
ΔTpd…温度降下
ΔTpp…温度降下
ΔTpu…温度降下
ΔTpφ…温度降下
ΔTr…温度降下
Φφ…径寸法

Claims (15)

  1. 排気可能なチャンバ内で基板に塗布された溶剤を乾燥する真空乾燥装置であって、
    前記チャンバ内の下整流板に立設された複数の支持ピンに、前記基板を載置して前記溶剤を乾燥する際に、
    前記下整流板から前記基板に向かう方向での温度降下が、前記支持ピンが接していない輻射領域における温度降下ΔTrに対する、前記支持ピンが接している支持領域における温度降下ΔTpが、
    (ΔTr-ΔTp)/ΔTr≦((25+3.75)-(25+3.16))/(25+3.75)
    となる支持ピンを有する、
    ことを特徴とする真空乾燥装置。
  2. 前記支持ピンが、前記基板裏面に当接する部分において縮径された縮径部を有し、
    前記下整流板から前記基板に向かう方向での温度降下において、
    前記縮径部での温度降下ΔTpφと、前記縮径部よりも前記下整流板に近接する部分での温度降下ΔTppとの比ΔTpp/ΔTpφが、
    ΔTpp/ΔTpφ≧(25-19)/(19+3.16))
    である、
    ことを特徴とする請求項1記載の真空乾燥装置。
  3. 前記縮径部の長さが1mm以下である、
    ことを特徴とする請求項2記載の真空乾燥装置。
  4. 前記縮径部の径寸法Φφが0.5mm以下である、
    ことを特徴とする請求項3記載の真空乾燥装置。
  5. 前記縮径部の先端には球面部を有し、
    前記球面部の曲率半径SRが0.25mm以下である、
    ことを特徴とする請求項4記載の真空乾燥装置。
  6. 前記支持ピンが、前記下整流板に近接する基端となる支柱部と、前記基板裏面に当接する前記縮径部に接続されたピン部と、を有し、
    前記下整流板から前記基板に向かう方向での温度降下において、
    前記支柱部での温度降下ΔTpdと、前記ピン部での温度降下ΔTpuとの比ΔTpd/ΔTpuが、
    ΔTpd/ΔTpu≧(25-20)/(20-19)
    である、
    ことを特徴とする請求項2記載の真空乾燥装置。
  7. 前記ピン部が、前記支柱部から前記縮径部に向かって縮径する、
    ことを特徴とする請求項6記載の真空乾燥装置。
  8. 前記ピン部および前記縮径部が、前記支柱部から分離可能である、
    ことを特徴とする請求項6または7記載の真空乾燥装置。
  9. 前記縮径部が、熱伝導率0.3W/mk以下の材質からなる、
    ことを特徴とする請求項2から8のいずれか記載の真空乾燥装置。
  10. 前記支持ピンが、熱伝導率0.5W/mk以下の材質からなる、
    ことを特徴とする請求項1から9のいずれか記載の真空乾燥装置。
  11. 前記支持ピンが、
    前記下整流板から前記基板に向かう方向での断面積の分布を設定することで、
    前記下整流板から前記基板に向かう方向での温度降下を設定される、
    ことを特徴とする請求項1から10のいずれか記載の真空乾燥装置。
  12. 前記支持ピンが、断面積を削減するための内部空間部を有する、
    ことを特徴とする請求項11記載の真空乾燥装置。
  13. 前記内部空間部が、前記支持ピンの軸方向に形成される、
    ことを特徴とする請求項12記載の真空乾燥装置。
  14. 前記内部空間部が、前記支持ピンの径方向に形成される、
    ことを特徴とする請求項12記載の真空乾燥装置。
  15. 前記支持ピンの径方向に形成された前記内部空間部が外部に開口する、
    ことを特徴とする請求項14記載の真空乾燥装置。
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