JP2005172316A - 減圧乾燥装置、電気光学装置、電気光学装置の製造方法および電子機器 - Google Patents

減圧乾燥装置、電気光学装置、電気光学装置の製造方法および電子機器 Download PDF

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Abstract

【課題】 被乾燥物の膜厚および膜形状についてバラツキを生じさせることなく均一に乾燥することができる減圧乾燥装置、電気光学装置、電気光学装置の製造方法および電子機器を提供する。
【解決手段】 被乾燥物が入れられる炉10と、炉10に接続されおり該炉10内の気体を排気する複数の粗引き排気ライン101,102と、粗引き排気ライン101,102のそれぞれに設けられているコンダクタンスバルブ121,122と、炉10に接続されており粗引き排気ライン101,102よりも高真空度で炉10内の気体を排気する1本の本引き排気ライン111と、本引き排気ライン111に設けられている圧力調整バルブ131とを有することを特徴とする。
【選択図】 図1

Description

本発明は、減圧乾燥装置、電気光学装置、電気光学装置の製造方法および電子機器に関するものである。
近年、携帯電話機、携帯型コンピュータなどといった電子機器の表示部にエレクトロルミネッセンス装置(以下EL(electoroluminescence)装置という)、液晶装置などといった電気光学装置からなる表示装置が広く用いられている。EL装置の画素は、基板上の画素領域に液状体の高分子有機材料を塗布して有機膜を形成し、次いで、その基板を乾燥処理(熱処理を含む)することで有機膜を硬化させる工程を有して形成される。従来、このような有機膜の硬化乾燥方法としては、減圧乾燥装置(オーブン)が用いられている。
従来の減圧乾燥装置は、炉をなすオーブンの内部空間が、気密に構成されていると共に、例えば複数枚のウェハが搭載された複数のウェハカセットが収容され得るようになっている。各ウェハは、それぞれ前以て表面にポリイミド等の有機膜が塗布されている。この有機膜は被乾燥物である。オーブンの内部は、負圧に設定され、その内部にガスが供給され、熱線等により温度をあげると共に、そのオーブン内で発生した熱気流を排気口から排気され得るようになっている(例えば、特許文献1参照)。
特開平7−183206号公報
しかしながら、上記特許文献1に記載されている減圧乾燥装置では、排気口が1つであり、この排気口からの排気量を多くしようとした場合などはオーブン内での排気の流れに偏りが生じやすいという問題点がある。すなわち、オーブン内において排気の流れが偏っている場合、各ウェハの各有機膜の乾燥が不均一となる。例えば、ウェハに複数の画素を有機膜で形成しようとした場合、各画素間での乾燥が不均一となり、1つの画素における各部位の乾燥も不均一となる。これにより、画素間および画素内での膜厚および膜形状がバラついてしまい、高品位な画像が表示できなくなる。また、オーブンに排気口を複数設けた場合であっても、排気の流れを偏りなく精密に均一化することは困難であり、ウェハカセットの配置が変動した場合は大きく排気の流れが偏ってしまう。
また、1つのオーブンで複数回連続して乾燥処理(バッチ処理)を行うと、オーブン内の残留蒸気成分の濃度が徐々に増加していく。これにより、上記複数回連続の乾燥処理において、排気量を一定とすると、各乾燥処理(各バッチ)でオーブン内を所定値の真空度に到達させるまでに要する時間が徐々に長くなる。このように各乾燥処理で排気のプロファイル(排気開始からの経過時間とオーブン内の圧力変化値との関係)が異なることとなると、各乾燥処理間の被乾燥物の膜厚および膜形状が不均一になってしまう。すなわち、各バッチ間で膜厚および膜形状がばらついてしまう。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたもので、被乾燥物の膜厚および膜形状についてバラツキを生じさせることなく均一に乾燥することができる減圧乾燥装置、電気光学装置、電気光学装置の製造方法および電子機器を提供することを目的とする。
また、本発明は、1つの炉で複数回連続して乾燥処理を行っても、各乾燥処理間で膜厚および膜形状についてバラツキを生じさせることなく均一に乾燥することができる減圧乾燥装置、電気光学装置、電気光学装置の製造方法および電子機器を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明の減圧乾燥装置は、被乾燥物が入れられる炉と、前記炉に接続されおり該炉内の気体を排気する複数の粗引き排気ラインと、前記粗引き排気ラインのそれぞれに設けられているコンダクタンスバルブと、前記炉に接続されており前記粗引き排気ラインよりも高真空度で該炉内の気体を排気する1本の本引き排気ラインと、前記本引き排気ラインに設けられている圧力調整バルブとを有することを特徴とする。
本発明によれば、1本の本引き排気ラインと複数本の粗引き排気ラインとがなす複数の排気口により、炉内の気体を排気することができるので、排気に伴う炉内での気体の流れが局所的に偏ることを回避することができる。すなわち、本引き排気ラインと複数本の粗引き排気ラインとがなす複数の排気口を炉に分散配置することなどにより、排気の流れが偏ることを低減することができる。このように炉内での排気の流れが均一化されると、炉内の被乾燥物が均一乾燥されることとなる。例えば、被乾燥物が基板上において縦横に行列に配置された複数の画素をなす薄膜である場合、各薄膜間の膜厚および膜形状を均一化でき、また、1つの薄膜について膜厚分布および膜形状を均一化することができる。したがって、本発明によれば、炉内に複数の被乾燥物を分散配置して乾燥処理を行っても、各被乾燥物相互間、および各乾燥物自身について、膜厚および膜形状についてバラツキを生じさせることなく均一に乾燥することができる。
また、本発明の減圧乾燥装置は、前記被乾燥物の膜厚又は膜形状を検出する膜厚モニタを有し、前記コンダクタンスバルブのそれぞれは、前記膜厚モニタの検出値に基づいて開度が調節されることが好ましい。
本発明によれば、炉内において乾燥された被乾燥物の膜厚又は膜形状を膜厚モニタにより検出することができるので、その検出結果により炉内で排気の流れに偏りがあるか否かおよびどの位置の排気流が強いか弱いかなどの偏り状態を検出することができる。そこで、膜厚モニタの検出値に基づいて、例えば排気流が強い部位付近に配置されている粗引きラインのコンダクタンスバルブの開度を少なくし、排気流が弱い部位付近に配置されている粗引きラインのコンダクタンスバルブの開度を多くするという制御をする。このような制御をすることにより、炉内での排気の流れを精密に均一化することができる。したがって本発明によれば、炉内に複数の被乾燥物を分散配置して乾燥処理を行っても、各被乾燥物相互間、および各被乾燥物について、膜厚および膜形状についてバラツキを生じさせることなく、精密に、均一に乾燥させることができる。
また、本発明の減圧乾燥装置は、前記膜厚モニタが前記炉の内部又は外部に配置されていることが好ましい。
本発明によれば、例えば炉内に膜厚モニタを配置した場合、炉を開閉することなく迅速に、かつ、乾燥処理をしながら被乾燥物の膜厚および膜形状を検出することができる。そこで、この場合は、ダミー基板などを用いて調整用のプレ乾燥処理などをすることなく、本番の乾燥処理すなわち製品基板用の膜形成を精密に均一化して行うことができる。
一方、炉外に膜厚モニタを配置した場合、乾燥処理を施した被乾燥物(基板)を炉の中から外へ取り出し、各種の膜厚モニタを用いてその膜厚および膜形状を検出することができる。すなわち、膜厚モニタの大きさおよび種類などが制限されず、膜厚モニタの選択の自由度を上げることができ、より精密に膜厚および膜形状を検出することができる。この場合は乾燥処理をしながら膜厚などの検出は困難となるので、第1回目の乾燥処理では上記ダミー基板などを用いたプレ乾燥処理を行ってもよい。
また、本発明の減圧乾燥装置は、前記コンダクタンスバルブのそれぞれの開度を前記膜厚モニタの検出値に基づいてオンラインでフィードバック制御するコンダクタンスバルブ制御手段を有することが好ましい。
本発明によれば、自動的にかつ迅速に、コンダクタンスバルブの開度を膜厚モニタの検出値に基づいて制御することができる。したがって、手間をかけずに、コンダクタンスバルブの開度を精密にフィードバック制御することができ、被乾燥物の膜厚および膜形状についてバラツキを生じさせることなく、精密に、均一に乾燥させることができる。
また、本発明の減圧乾燥装置は、前記コンダクタンスバルブ制御手段が、前記被乾燥物の膜厚又は膜形状が均一となるように、前記コンダクタンスバルブのそれぞれの開度を制御するものであることが好ましい。
本発明によれば、例えば本減圧乾燥装置による複数回の乾燥処理で取得したデータ(すなわち各乾燥処理で検出された膜厚モニタの検出値、その検出値に基づいて行ったコンダクタンスバルブの開度制御量など)をコンダクタンスバルブ制御手段が記憶し、その記憶されたデータに基づいて適切に各コンダクタンスバルブの開度を制御することができる。そこで、本発明によれば、膜厚モニタの検出値に対するコンダクタンスバルブの開度の制御量などについて、操作者が調整をする手間を省くことができ、全自動的に、極めて良好な乾燥処理をすることができる。
また、本発明の減圧乾燥装置は、前記炉内の圧力(気圧)を検出する圧力計を有し、前記圧力調整バルブは、前記圧力計の検出値に基づいて開度が調整されることが好ましい。
本発明によれば、炉内の圧力に基づいて圧力調整バルブを調整して本引き排気ラインの開度を調整するので、複数のバッチ(基板)について1つの炉で乾燥工程を連続して行った場合でも、各バッチの被乾燥物の膜厚および膜形状が同一となるように、かつ均一となるように乾燥させることができる。すなわち、1つの炉で複数回連続して乾燥処理を行うと、炉内の残留蒸気成分の濃度が徐々に増加していく。これにより、上記複数回連続の乾燥処理において、本引き排気ラインの開度(真空度)を一定とすると、各乾燥処理で炉内を所定値の真空度に到達させるまでに要する時間が徐々に長くなる。このように各乾燥処理で排気のプロファイル(排気開始からの経過時間と炉内の圧力変化値との関係)が異なることとなると、各乾燥処理間の被乾燥物の膜厚および膜形状が不均一になってしまう。本発明では、炉内の圧力に基づいて本引き排気ラインの開度を調整するので、上記複数回連続の乾燥処理それぞれのプロファイルを同一にすることができ、各バッチ(各乾燥処理)の被乾燥物の膜厚および膜形状が同一となるように、かつ均一となるように乾燥させることができる。
また、本発明の減圧乾燥装置は、前記圧力調整バルブの開度を前記圧力計の検出値に基づいてオンラインでフィードバック制御する圧力調整バルブ制御手段を有することが好ましい。
本発明によれば、手間をかけずに、迅速にかつ精密に、本引き排気ラインの開度を炉内の圧力に基づいてフィードバック制御することができる。
また、本発明の減圧乾燥装置は、前記圧力調整バルブ制御手段は、複数のバッチ処理として複数の前記被乾燥物を連続して乾燥処理する場合に、各バッチ処理の相互において、排気開始からの経過時間と前記炉内の圧力変化値との関係(プロファイル)が一定となるように、前記圧力調整バルブの開度を制御するプロファイル一定化手段を有することが好ましい。
本発明によれば、各バッチすなわち各乾燥処理のプロファイルが一定となるように、プロファイル一定化手段が本引き排気ラインの開度を調整するので、各バッチの被乾燥物の膜厚および膜形状が同一となるように、かつ均一となるように乾燥させることができる。
また、本発明の減圧乾燥装置は、前記被乾燥物が基板上に塗布された液状体からなる薄膜であり、前記薄膜は、EL装置の画素の構成要素をなす高分子有機物を含んでいることが好ましい。
本発明によれば、EL装置の画素の構成要素をなす高分子有機物からなる発光層などを、膜厚および膜形状についてバラツキを生じさせることなく均一に形成することができる。したがって、本発明によれば、各画素間がバラツキなく均一に発光し、1つの画素について見ても各部位で偏りなく均一に発光することができ、高品質な画像を表示できるEL装置を製造することができる。
また、本発明の減圧乾燥装置は、前記被乾燥物を加熱する加熱手段を有することが好ましい。
本発明によれば、前記被乾燥物を加熱しながら上記乾燥処理をすることができ、迅速にかつ良好に上記乾燥処理をすることができる。
また、上記目的を達成するために、本発明の電気光学装置の製造方法は、前記減圧乾燥装置を用いて、基板上に塗布された液状体からなる薄膜を前記被乾燥物として、乾燥させる工程を有することを特徴とする。
本発明のよれば、炉内に複数の被乾燥物を分散配置して乾燥処理を行っても、各被乾燥物相互間および各乾燥物自身について、膜厚および膜形状についてバラツキを生じさせることなく均一に乾燥することができる。また、複数回連続して乾燥処理を行った場合でも、各乾燥処理のプロファイルを同一にすることができ、各バッチの被乾燥物の膜厚および膜形状が同一となるように、かつ均一となるように乾燥させることができる。例えば、電気光学装置の画素などを前記減圧乾燥装置を用いて形成することにより、各画素間がバラツキなく均一に発光し、1つの画素について見ても各部位で偏りなく均一に発光し、高品質な画像を表示できるEL装置を製造することができる。また、乾燥工程において不良となる画素を低減でき、電気光学装置の製造コストを低減することができる。
また、本発明の電気光学装置の製造方法は、前記膜厚モニタの検出値に基づいて前記被乾燥物が膜厚又は膜形状を均一な状態とされて乾燥されているか否か判断する判断工程と、前記判断工程において均一な状態とされて乾燥されていると判断された場合に、前記コンダクタンスバルブのそれぞれの開度を該判断された時の開度に固定して、その後の前記複数のバッチ処理を繰り返すコンダクタンスバルブ固定工程とを有することが好ましい。
本発明のよれば、例えば調整用のダミー基板などを用いて第1回目の乾燥処理を行い、被乾燥物の膜厚および膜形状が均一な状態となった場合、コンダクタンスバルブの開度を固定し、その後はコンダクタンスバルブを制御することなく、製品とする基板などについての複数バッチの乾燥処理を行うことができる。すなわち、コンダクタンスバルブの開度を調節して排気の流れの偏りを無くすと、炉内に置く被乾燥物(基板)の位置を一定とすることなどにより、その後の乾燥処理でも排気の流れを均一に保つことができる。なお、製品とする基板を第1回目の乾燥処理で処理してもよい。
また、本発明の電気光学装置は、前記電気光学装置の製造方法を用いて製造されたことを特徴とする。
本発明のよれば、電気光学装置における画素などを前記電気光学装置の製造方法を用いて製造することにより、各画素間がバラツキなく均一に発光し、1つの画素について見ても各部位で偏りなく均一に発光する、高品質な画像を表示できる電気光学装置を提供することができる。ここで、電気光学装置としては、EL装置、プラズマディスプレイ装置、液晶装置などが該当する。
また、本発明の電子機器は、前記電気光学装置を備えたことを特徴とする。
本発明のよれば、発光ムラが従来よりも少なく高品質な画像を表示することができる電子機器を安価に提供することができる。
以下、本発明の実施形態に係る減圧乾燥装置、電気光学装置、電気光学装置の製造方法および電子機器について、図面を参照して説明する。
(減圧乾燥装置の構成)
図1は本発明の実施形態に係る減圧乾燥装置の主要構成を示す模式図である。本実施形態の減圧乾燥装置1は、例えばEL装置の製造時において基板上に塗布された液状体の高分子有機膜を乾燥し硬化させる工程で用いられる。そして、減圧乾燥装置1は、炉10と、膜厚モニタ11と、複数の粗引き排気ライン101,102と、1本の本引き排気ライン111と、複数のコンダクタンスバルブ121,122と、圧力調整バルブ131と、圧力計141とを有している。
炉10は、気密構造のオーブンをなすものであり、例えばEL装置の構成部材となる基板50が収容され得るようになっている。この基板50の表面には、例えばEL装置の画素の構成部材となる液状体の高分子有機物の薄膜61,62が複数配置されている。この薄膜61,62が本減圧乾燥装置1の被乾燥物となる。なお、炉10の内部には複数枚の基板50を収容することができ、その複数枚の基板50は所定枚数毎にカセットに収容されていることとしてもよい。また、路10の内部には、ガスが供給されるものとしてもよく、熱線などからなる加熱手段が設けられているものとしてもよい。その加熱手段は、室温から100℃までの範囲で温度調節できることが好ましい。
複数の粗引き排気ライン101,102は、それぞれの一端が炉10に接続されており、炉10内の気体をその外部に排気する管路である。各粗引き排気ライン101,102は、例えば1/4インチ管又は3/8インチ管で構成され、本引き排気ライン111をなす管よりも細い管で構成されている。そして、各粗引き排気ライン101,102のそれぞれの他端は、本引き排気ライン111に接続されている。これらより、各粗引き排気ライン101,102は、本引き排気ライン111と比べて低真空度で路10内の気体を排気することとなる。
各粗引き排気ライン101,102のそれぞれには、コンダクタンスバルブ121,122が一つづつ設けられている。したがって、コンダクタンスバルブ121の開度を調節することにより、粗引き排気ライン101における単位時間当たりの排気量を制御でき、コンダクタンスバルブ122の開度を調節することにより、粗引き排気ライン102における単位時間当たりの排気量を制御できる。
本引き排気ライン111は、一端が炉10に接続されていて、他端が真空ポンプ(図示せず)に接続されている管路であり、炉10内の気体をその外部に排気する管路である。本引き排気ライン111は、上記のように粗引き排気ライン101,102よりも太い管で構成されている。そして、本引き排気ライン111には、圧力調整バルブ131が設けられている。この圧力調整バルブ131の開度を調節することにより、本引き排気ライン111における単位時間当たりの排気量を制御できる。
さらに、炉10の内部には、膜厚モニタ11が配置されている。膜厚モニタ11は、被乾燥物である薄膜61,62の膜厚および膜形状を検出するものである。すなわち、膜厚モニタ11は、炉10内で乾燥処理(乾燥処理の途中も含む、以下同じ)された薄膜61,62の膜厚および膜形状を検出するものである。この膜厚モニタ11の検出値により、薄膜61,62が偏りなく均一に乾燥されたか否かを精密に認識することができる。膜厚モニタ11としては、レーザ顕微鏡、エリプソメータ、光干渉式膜厚計、接触式膜厚計など各種のものを適用することができる。また、膜厚モニタ11は炉10の外に配置してもよく、この場合は基板50を炉10の外に取り出して薄膜61,62の膜厚および膜形状を検出することとしてもよい。
そして、膜厚モニタ11の検出値は、コンダクタンスバルブ121,122の開度を調節する制御信号となる。換言すれば、コンダクタンスバルブ121,122のそれぞれの開度は、膜厚モニタ11の検出値に基づいて調節される。このコンダクタンスバルブ121,122の調節は人手で行ってもよいが、オンラインによるフィードバック制御としてもよい。すなわち、減圧乾燥装置1は、コンダクタンスバルブ121,122のそれぞれの開度を膜厚モニタ11の検出値に基づいてオンラインでフィードバック制御するコンダクタンスバルブ制御手段(図示せず)を有することとしてもよい。
コンダクタンス制御手段又は人手によるコンダクタンスバルブ121,122の制御は乾燥処理された薄膜61,62の膜厚および膜形状が均一となるように行われる。例えば、薄膜61の膜厚が薄膜62に比べて薄く、その薄膜61の膜形状が全体的に不均一で偏りがあり、薄膜62の膜形状は全体的に均一である場合、薄膜61の周辺が薄膜62の周辺よりも排気流が強いと判断できる。そこで、コンダクタンスバルブ制御手段は、薄膜61の近くに配置されている粗引き排気ライン101の排気量を少なくすべく、コンダクタンスバルブ121の開度を小さくする。このとき、コンダクタンスバルブ122の開度は、そのままとするか、又は少し大きくしてもよい。上記のような乾燥処理とコンダクタンスバルブ調節処理とは繰り返し行ってもよい。
これらにより、炉10内の排気の流れにおける偏りを無くすことができ、薄膜61,62の膜厚および膜形状が均一となるように乾燥・硬化させることができる。
また、減圧乾燥装置1に備えられている圧力計141は、炉10内における任意の1点の圧力(真空度)を検出するものである。本引き排気ライン111に設けられている圧力調整バルブ131は、圧力計141の検出値に基づいて開度が調節される。この圧力調整バルブ131の調節は、人手で行ってもよいが、オンラインで自動的に行うこととしてもよい。すなわち、減圧乾燥装置1は、圧力調整バルブ131の開度を圧力計141の検出値に基づいてオンラインでフィードバック制御する圧力調整バルブ制御手段(図示せず)を有することとしてもよい。
そして圧力調整バルブ制御手段は、処理対象の多量の基板50を複数のバッチにわけ、各バッチについて連続して乾燥処理する場合に、各バッチ処理の相互において、排気開始からの経過時間と前記炉内の圧力変化値との関係(プロファイル)が一定となるように、圧力調整バルブ131の開度を制御するプロファイル一定化手段(図示せず)を有することが好ましい。このプロファイル一定化手段がなす機能は人手で実行してもよい。
このような構成によって、炉10内の圧力に基づいて圧力調整バルブ131を調整して本引き排気ラインの開度を調整することができる。そこで、複数のバッチ(基板50)について1つの炉10で乾燥工程を連続して行った場合でも、各バッチの薄膜61,62の膜厚および膜形状が同一となるように、かつ均一となるように乾燥させることができる。
この理由について説明する。1つの炉10で複数回連続して乾燥処理を行うと、炉10内の残留蒸気成分の濃度が徐々に増加していく。これにより、複数回連続の乾燥処理において、本引き排気ライン111の開度を一定とすると、各乾燥処理で炉10内を所定値の真空度に到達させるまでに要する時間が徐々に長くなる。このように各乾燥処理で排気のプロファイル(排気開始からの経過時間と炉内の圧力変化値との関係)が異なることとなると、各乾燥処理間の被乾燥物の膜厚および膜形状が不均一になってしまう。本実施形態では、炉10内の圧力に基づいて本引き排気ライン111の開度を調整するので、複数回連続の乾燥処理それぞれのプロファイルを同一にすることができ、各バッチ(各乾燥処理)の薄膜61,62の膜厚および膜形状が同一となるように、かつ均一となるように乾燥させることができる。
(減圧乾燥装置の動作)
次に、上記構成の減圧乾燥装置1の動作について説明する。図2は本発明の実施形態に係る減圧乾燥装置1の動作を示すフローチャートである。先ず、被乾燥物である液状体の高分子有機物の薄膜61,62が形成されている基板50を炉10の内部の所定位置に配置する。この第1回目の乾燥処理においては、基板50として、製品基板とはしないダミー基板を用いてもよい。そして、コンダクタンスバルブ121,122および圧力調整バルブ131を所定の開度として、本引き排気ライン111に接続されている真空ポンプを動作させて排気しながら乾燥処理を行う(ステップS1)。
この第1回目の乾燥処理を行いながら、又はその乾燥処理が終了した後に、膜厚モニタ11により薄膜61,62の膜厚および膜形状を検出し、その検出値に基づいてコンダクタンスバルブ121,122の調節をする。すなわち、上記のように薄膜61,62の膜厚および膜形状が均一となるようにコンダクタンスバルブ121,122の開度を調節する(ステップS2)。
上記ステップS2においては、コンダクタンスバルブ121,122を調節するとともに薄膜61,62の膜厚および膜形状が均一となるように圧力調整バルブ131の開度も調節してもよい。
次いで、第2回目の乾燥処理を行いながら、又はその乾燥処理が終了した後に、膜厚モニタ11により薄膜61,62の膜厚および膜形状を検出する(ステップS3)。
次いで、ステップS3で検出された薄膜61,62の膜厚および膜形状が十分に均一となっているか否か判断する。この判断は、機械的に行うのが好ましいが人手により判断してもよい(ステップS4)。
ステップS4において、膜厚および膜形状が均一ではないと判断された場合は、炉10内で排気の流れに偏りがあるので、これを改善すべく、上記ステップS1からS4の処理を繰り返す。
一方、ステップS4において、膜厚および膜形状が均一であると判断された場合は、炉10内の排気の流れが均一となったので、この状態を維持すべく、コンダクタンスバルブ121,122の開度を固定する(ステップS5)。
その後、ステップS5で固定したコンダクタンスバルブ121,122など状態のままで、基板50を順次取り替えながら乾燥処理を繰り返す。この各乾燥処理では、炉10内の排気の流れが均一となっているので、各基板50の薄膜61,62の膜厚および膜形状が精密に均一となるように乾燥および硬化させることができる。
また、上記の乾燥処理を繰り返しながら、炉10内の圧力(真空度)を圧力計141で検出する(ステップS6)。
複数回連続して乾燥処理を行うと、炉10内の残留蒸気成分の濃度が徐々に増加していく。そこで、圧力調整バルブ131およびコンダクタンスバルブ121,122の開度が一定のまま乾燥処理を繰り返していくと、各乾燥処理で炉10内を所定値の真空度に到達させるまでに要する時間が徐々に長くなる。このように各乾燥処理で排気のプロファイル(排気開始からの経過時間と炉内の圧力変化値との関係)が異なることとなると、各乾燥処理間すなわち各バッチの基板50間で比較したときに、薄膜61,62の膜厚および膜形状が不均一になってしまう。例えば第1バッチの基板50の薄膜61,62よりも第10バッチの基板50の薄膜61,62の方が膜厚が大きくなり膜形状も大きくなるというようなバッチ間のバラツキが生じる可能性がある。
そこで、ステップS6で検出された炉10内の圧力に基づいて、圧力調整バルブ131の開度を調節する。この圧力調整バルブ131の調節は、人手で行ってもよいが、上記圧力調整バルブ制御手段によってオンラインでフィードバック制御することが好ましい。また、この圧力調整バルブ131の調節は、プロファイル一定化手段(図示せず)によって各バッチの各乾燥処理間で上記排気のプロファイルが同一となるように行う(ステップS7)。
このように、圧力調整バルブ131を調節することにより、各バッチすなわち各乾燥処理のプロファイルを一定にすることができ、各バッチの基板50に形成された薄膜61,62の膜厚および膜形状が常に同一となるように、かつ常に均一となるように乾燥および硬化させることができる。
これらにより、本実施形態の減圧乾燥装置1によれば、複数本の粗引き排気ライン101,102を備え、各粗引き排気ライン101,102がコンダクタンスバルブ121,122を備えているので、炉10内における排気の流れを精密に均一化することができる。特に、炉10内における排気の偏った流れが膜厚および膜形状の均一性に影響を与える度合いは、排気の初期段階(低真空度領域)ほど高い。本実施形態の減圧乾燥装置1は、排気の初期段階からその後に乾燥処理を繰り返し行った時まで、常に炉10内における排気の流れを精密に均一化することができる。したがって、基板50に形成された薄膜61,62について、膜厚および膜形状についてバラツキを生じさせることなく均一に乾燥することができる。
また、本実施形態の減圧乾燥装置1では、本引き排気ライン111を1本として、この本引き排気ライン111よりも細い粗引き排気ライン101,102を複数本とするので、本引き排気ライン111を複数本設ける場合に比べて、装置の排気系の製造コストを低減しながら性能は同等とすることができる。
また、本実施形態の減圧乾燥装置1によれば、乾燥処理後の薄膜61,62の膜厚および膜形状を膜厚モニタ11によって精密に検出し、その検出値に基づいてコンダクタンスバルブを制御するので、より精密に、炉10内における排気の流れを均一化することができる。
さらに、本実施形態の減圧乾燥装置1によれば、炉10内の圧力に基づいて圧力調整バルブ131を調節するので、複数のバッチの基板50について乾燥処理を連続して行った場合でも、各バッチの排気のプロファイルを常に一定にすることができる。したがって、各バッチの基板50の膜厚および膜形状が同一となるように、かつ均一となるように乾燥させることができる。
(電気光学装置)
次に、上記実施形態の減圧乾燥装置1を用いて製造される電気光学装置の一例について図3から図5を参照して説明する。本実施形態では、電気光学装置の一例としてEL装置を挙げて説明する。図3は、本発明の実施形態に係るEL装置の製造工程を示す主要断面図である。
図3(d)に示すように、EL装置201は、透明基板204上に画素電極202を形成し、各画素電極202間にバンク205を矢印G方向から見て格子状に形成する。それらの格子状凹部の中に、正孔注入層220を形成し、矢印G方向から見てストライプ配列などといった所定の配列となるようにR色発光層203R、G色発光層203GおよびB色発光層203Bを各格子状凹部の中に形成する。さらに、それらの上に対向電極213を形成することによってEL装置201が形成される。
上記画素電極202をTFD(Thin Film Diode:薄膜ダイオード)素子などといった2端子型のアクティブ素子によって駆動する場合には、上記対向電極213は矢印G方向から見てストライプ状に形成される。また、画素電極202をTFT(Thin Film Transistor:薄膜トランジスタ)などといった3端子型のアクティブ素子によって駆動する場合には、上記対向電極213は単一な面電極として形成される。
各画素電極202と各対向電極213とによって挟まれる領域が1つの絵素ピクセルとなり、R、G、B3色の絵素ピクセルが1つのユニットとなって1つの画素を形成する。各絵素ピクセルを流れる電流を制御することにより、複数の絵素ピクセルのうちの希望するものを選択的に発光させ、これにより、矢印H方向に希望するフルカラー像を表示することができる。
上記EL装置201は、例えば、次に示す製造方法によって製造される。すなわち、図3(a)のように、透明基板204の表面にTFD素子又はTFT素子といった能動素子を形成し、さらに画素電極202を形成する。形成方法としては、例えばフォトリソグラフィー法、真空状着法、スパッタリング法、パイロゾル法などを用いることができる。画素電極202の材料としてはITO(Indium-Tin Oxide)、酸化スズ、酸化インジウムと酸化亜鉛との複合酸化物などを用いることができる。
次に、図3(a)に示すように、隔壁すなわちバンク205を周知のパターンニング手法、例えばフォトリソグラフィー法を用いて形成し、このバンク205によって各透明な画素電極202の間を埋める。これにより、コントラストの向上、発光材料の混色の防止、画素と画素との間からの光漏れなどを防止することができる。バンク205の材料としては、EL発光材料の溶媒に対して耐久性を有するものであれば特に限定されないが、フロロカーボンガスプラズマ処理によりテフロン(登録商標)化できること、例えば、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、感光性ポリイミドなどといった有機材料が好ましい。
次に、機能性液状体としての正孔注入層用インクを塗布する直前に、透明基板204に酸素ガスとフロロカーボンガスプラズマの連続プラズマ処理を行う。これにより、ポリイミド表面は撥水化され、ITO表面は親水化され、液滴を微細にパターニングするための基板側の濡れ性の制御ができる。プラズマを発生する装置としては、真空中でプラズマを発生する装置でも、大気中でプラズマを発生する装置でも同様に用いることができる。
次に、図3(a)に示すように、正孔注入層用インク8を液滴吐出装置のインクジェットヘッド22のノズル27から吐出することにより、各画素電極202の上にパターニング塗布を行う。
その塗布後、真空(1torr)中、室温、20分という条件で溶媒を除去する。この溶媒の除去に、図1および図2に示す減圧乾燥装置1を用いる。この後、大気中、20℃(ホットプレート上)、10分の熱処理により、発光層用インクと相溶しない正孔注入層220を形成する。上記条件では、膜厚は40nmであった。上記のように、減圧乾燥装置1を用いて正孔注入層用インクの溶媒を除去したので、各画素内および画素間での正孔注入層220の膜厚および膜形状が精密に均一にすることができる。
次に、図3(b)に示すように、各フィルタエレメント形成領域内の正孔注入層220の上に液滴吐出手法を用いて機能性液状体であるEL発光材料としてのR発光層用インクおよび機能性液状体であるEL発光材料としてのG発光層用インクを塗布する。ここでも、各発光層用インクは、液滴吐出装置のインクジェットヘッド22のノズル8から吐出させる。このインクジェット方式によれば、微細なパターニングを高精細に、簡便にかつ短時間に行うことができる。また、インク組成物の固形分濃度および吐出量を変えることにより膜厚を変えることが可能である。
発光層用インクの塗布後、真空(1torr)中、室温、20分などという条件で溶媒を除去する。この溶媒の除去に、図1および図2に示す減圧乾燥装置1を用いる。続けて、窒素雰囲気中、150℃、4時間の熱処理により共役化させてR色発光層203RおよびG色発光層203Gを形成する。上記条件により、膜厚は50nmであった。熱処理により共役化した発光層は溶媒に不溶である。上記のように、減圧乾燥装置1を用いて発光層用インクの溶媒を除去したので、各画素内および画素間でのR色発光層203RおよびG色発光層203Gの膜厚および膜形状が精密に均一にすることができる。
なお、発光層を形成する前に正孔注入層220に酸素ガスとフロロカーボンガスプラズマの連続プラズマ処理を行ってもよい。これにより、正孔注入層220上にフッ素化物層が形成され、イオン化ポテンシャルが高くなることにより正孔注入効率が増し、発光効率の高いEL装置を提供できる。
次に、図3(c)に示すように、機能性液状体であるEL発光材料としてのB色発光層203Bを各絵素ピクセル内のR色発光層203R、G色発光層203Gおよび正孔注入層220の上に重ねて形成する。この形成においても、図1および図2に示す減圧乾燥装置1を用いる。これにより、各画素内および画素間でのB色発光層203Bの膜厚および膜形状が精密に均一にすることができる。
また、これにより、R、G、Bの3原色を形成するのみならず、R色発光層203RおよびG色発光層203Gとバンク205との段差を埋めて平坦化することができる。これにより、上下電極間のショートを確実に防ぐことができる。B色発光層203Bの膜厚を調整することで、B色発光層203BはR色発光層203RおよびG色発光層203Gとの積層構造において、電子注入輸送層として作用してB色には発光しない。
以上のようなB色発光層203Bの形成方法としては、例えば湿式法として一般的なスピンコート法を採用することもできるし、あるいは、R色発光層203RおよびG色発光層203Gの形成法と同様のインクジェット法を採用することもできる。
その後、図3(d)に示すように、対向電極213を形成することにより、目標とするEL装置201が製造される。対向電極213はそれが面電極である場合には、例えば、Mg、Ag、Al、Liなどを材料として、蒸着法、スパッタ法などといった成膜法を用いて形成できる。また、対向電極213がストライプ状電極である場合には、成膜された電極層をフォトリソグラフィー法などといったパターニング手法を用いて形成できる。
以上に説明したEL装置201の製造方法によれば、図1および図2に示す減圧乾燥装置1を用いて正孔注入層220、R色発光層203R、G色発光層203GおよびB色発光層203Bを形成するので、各画素内および画素間での正孔注入層220、R色発光層203R、G色発光層203GおよびB色発光層203Bの膜厚および膜形状を精密に均一にすることができる。したがって、以上の製造方法で製造されたEL装置201は、EL装置201における全ての画素での発光が均一となり、装置全体について発光ムラを大幅に低減することができる。
次に、本実施形態のEL装置の回路構成について図4および図5を参照して説明する。図4は、図3に示す製造方法で製造されたEL装置を構成要素とした表示装置の一部を示す回路図である。図5は図4に示す表示装置における画素領域の平面構造を示す拡大平面図である。
図4において、表示装置501はEL装置であるEL表示素子を用いたアクティブマトリックス型の表示装置である。この表示装置501は、基板である透明の表示基板502上に、複数の走査線503と、これら走査線503に対して交差する方向に延びる複数の信号線504と、これら信号線504に並列に延びる複数の共通給電線505とがそれぞれ配線された構成を有している。そして、走査線503と信号線504との各交点には、画素領域501Aが設けられている。
信号線504に対しては、シフトレジスタ、レベルシフタ、ビデオライン、アナログスイッチを有したデータ側駆動回路507が設けられている。また、走査線503に対しては、シフトレジスタおよびレベルシフタを有した走査側駆動回路508が設けられている。そして、画素領域501Aのそれぞれには、走査線503を介して走査信号がゲート電極に供給されるスイッチング薄膜トランジスタ509と、このスイッチング薄膜トランジスタ509を介して信号線504から供給される画像信号を蓄積して保持する蓄積容量capと、この蓄積容量capによって保持された画像信号がゲート電極に供給されるカレント薄膜トランジスタ510と、このカレント薄膜トランジスタ510を介して共通給電線505に電気的に接続したときに共通給電線505から駆動電流が流れ込む画素電極511と、この画素電極511および反射電極512間に挟み込まれる発光素子513とが設けられている。
この構成により、走査線503が駆動されてスイッチング薄膜トランジスタ509がオンすると、その時の信号線504の電位が蓄積容量capに保持される。この蓄積容量capの状態に応じて、カレント薄膜トランジスタ510のオン・オフ状態が決まる。そして、カレント薄膜トランジスタ510のチャネルを介して、共通給電線505から画素電極511に電流が流れ、さらに発光素子513を通じて反射電極512に電流が流れる。このことにより、発光素子513は、これを流れる電流量に応じて発光する。
ここで、画素領域501Aは、反射電極512および発光素子513を取り除いた状態の表示装置501の拡大平面図である図5に示すように、平面状態が長方形の画素電極511の4辺が、信号線504、共通給電線505、走査線503および図示しない他の画素電極511用の走査線503によって囲まれた配置となっている。
このような構成の表示装置501は、図1および図2に示す減圧乾燥装置1を用いて発光素子513を形成しているので、各発光素子513について膜厚および膜形状を均一にすることができ、表示面全体について発光ムラを大幅に低減させた鮮明なカラー表示を得ることができる。
(電子機器)
次に、上記実施形態の電気光学装置を備えた電子機器について説明する。
図6(a)は、携帯電話の一例を示した斜視図である。図6(a)において、符号1000は携帯電話本体を示し、符号1001は上記実施形態の電気光学装置からなる表示部を示している。図6(b)は、腕時計型電子機器の一例を示した斜視図である。図6(b)において、符号1100は時計本体を示し、符号1101は上記実施形態の電気光学装置からなる表示部を示している。図6(c)は、ワープロ、パソコンなどの携帯型情報処理装置の一例を示した斜視図である。図6(c)において、符号1200は情報処理装置、符号1202はキーボードなどの入力部、符号1204は情報処理装置本体、符号1206は上記実施形態の電気光学装置からなる表示部を示している。
図6に示す電子機器は、図1および図2に示す減圧乾燥装置1を用いて製造されているので、発光ムラが従来よりも少なく高品質な画像を表示することができる。
なお、本発明の技術範囲は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更を加えることが可能であり、実施形態で挙げた具体的な材料や層構成などはほんの一例に過ぎず、適宜変更が可能である。例えば、上記実施形態では電気光学装置の一例としてEL装置を挙げているが、本発明はこれに限定されるものではなく、プラズマディスプレイ装置、液晶装置などの各種電気光学装置に本発明を適用でき、カラーフィルタの製造などに本発明を適用することもできる。
本発明の実施形態に係る減圧乾燥装置の主要構成を示す模式図である。 本発明の実施形態に係る減圧乾燥装置の動作を示すフローチャートである。 本発明の実施形態に係る電気光学装置の製造工程を示す主要断面図である。 同上の電気光学装置を構成要素とした表示装置の一部を示す回路図である。 同上表示装置の画素領域の平面構造を示す拡大平面図である。 同上の表示装置を備えた電子機器を示す斜視図である。
符号の説明
1…減圧乾燥装置、10…炉、11…膜厚モニタ、50…基板、61,62…薄膜、101,102…粗引き排気ライン、111…本引き排気ライン、121,122…コンダクタンスバルブ、131…圧力調整バルブ、141…圧力計

Claims (14)

  1. 被乾燥物が入れられる炉と、
    前記炉に接続されており該炉内の気体を排気する複数の粗引き排気ラインと、
    前記粗引き排気ラインのそれぞれに設けられているコンダクタンスバルブと、
    前記炉に接続されており前記粗引き排気ラインよりも高真空度で該炉内の気体を排気する1本の本引き排気ラインと、
    前記本引き排気ラインに設けられている圧力調整バルブとを有することを特徴とする減圧乾燥装置。
  2. 前記被乾燥物の膜厚又は膜形状を検出する膜厚モニタを有し、
    前記コンダクタンスバルブのそれぞれは、前記膜厚モニタの検出値に基づいて開度が調節されることを特徴とする請求項1に記載の減圧乾燥装置。
  3. 前記膜厚モニタは、前記炉の内部又は外部に配置されていることを特徴とする請求項2に記載の減圧乾燥装置。
  4. 前記コンダクタンスバルブのそれぞれの開度を前記膜厚モニタの検出値に基づいてオンラインでフィードバック制御するコンダクタンスバルブ制御手段を有することを特徴とする請求項2又は3に記載の減圧乾燥装置。
  5. 前記コンダクタンスバルブ制御手段は、前記被乾燥物の膜厚又は膜形状が均一となるように、前記コンダクタンスバルブのそれぞれの開度を制御するものであることを特徴とする請求項4に記載の減圧乾燥装置。
  6. 前記炉内の圧力を検出する圧力計を有し、
    前記圧力調整バルブは、前記圧力計の検出値に基づいて開度が調整されることを特徴とする請求項1から5のいずれか一項に記載の減圧乾燥装置。
  7. 前記圧力調整バルブの開度を前記圧力計の検出値に基づいてオンラインでフィードバック制御する圧力調整バルブ制御手段を有することを特徴とする請求項6に記載の減圧乾燥装置。
  8. 前記圧力調整バルブ制御手段は、複数のバッチ処理として複数の前記被乾燥物を連続して乾燥処理する場合に、各バッチ処理の相互において、排気開始からの経過時間と前記炉内の圧力変化値との関係が一定となるように、前記圧力調整バルブの開度を制御するプロファイル一定化手段を有することを特徴とする請求項7に記載の減圧乾燥装置。
  9. 前記被乾燥物は、基板上に塗布された液状体からなる薄膜であり、
    前記薄膜は、EL装置の画素の構成要素をなす高分子有機物を含んでいることを特徴とする請求項1から8のいずれか一項に記載の減圧乾燥装置。
  10. 前記被乾燥物を加熱する加熱手段を有することを特徴とする請求項1から9のいずれか一項に記載の減圧乾燥装置。
  11. 請求項1から10のいずれか一項に記載の減圧乾燥装置を用いて、基板上に塗布された液状体からなる薄膜を前記被乾燥物として、乾燥させる工程を有することを特徴とする電気光学装置の製造方法。
  12. 前記膜厚モニタの検出値に基づいて、前記被乾燥物が膜厚又は膜形状を均一な状態とされて乾燥されているか否か判断する判断工程と、
    前記判断工程において、均一な状態とされて乾燥されていると判断された場合に、前記コンダクタンスバルブのそれぞれの開度を該判断された時の開度に固定して、その後の前記複数のバッチ処理を繰り返すコンダクタンスバルブ固定工程とを有することを特徴とする請求項11に記載の電気光学装置の製造方法。
  13. 請求項11又は12に記載の電気光学装置の製造方法を用いて製造されたことを特徴とする電気光学装置。
  14. 請求項13に記載の電気光学装置を備えたことを特徴とする電子機器。

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