JP2023056937A - 被覆アーク溶接棒 - Google Patents

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Abstract

【課題】合金コストの低減が可能であり、アークの安定性等の溶接作業性に優れ、強度が590MPa以上であり、かつ低温靭性が良好な溶着金属が得られる被覆アーク溶接棒を提供する。【解決手段】被覆剤は、被覆剤の全質量に対する質量%で、金属炭酸塩:27~47%、金属弗化物:2~22%、TiO2換算値:1.0~7.0%、SiO2換算値:2.0~8.0%、Al2O3換算値:0.1~2.0%、Si換算値:0.5~3.0%、Mn換算値:2.0~8.0%、B換算値:0.05~0.25%、Ti換算値:1.0~5.0%、Mo換算値:0.1~2.5%、鉄粉及び鉄合金粉のFe換算値:15~35%、Na2O換算値とK2O換算値との合計:1.0~3.5%、並びに残部:塗装剤及び不純物からなり、被覆アーク溶接棒の全質量に対する被覆剤の質量割合が、30~34%である、被覆アーク溶接棒。【選択図】なし

Description

本開示は、被覆アーク溶接棒に関する。
低水素系被覆アーク溶接棒は、鉄心に被覆剤を塗装して製造され、被覆剤中には金属炭酸塩や金属弗化物等が主成分として含まれている。これらは、溶接時にアーク熱により分解されてCOガスを発生し、溶融池を大気から遮断して良好な溶接を実現する。また、溶接時にCOガスで遮断して溶接を行うので、溶接金属中の酸素量が低く、得られた溶接継手の機械的性質が優れている。このため低温靭性が重要視される大型の海洋構造物やパイプライン等の構造物の溶接に広く使用されている。
低水素系被覆アーク溶接棒には、交流電源で使用される場合と直流電源で使用される場合があるが、現地溶接を行う場合及び日本国外では直流電源が主流である。直流電源を用いる溶接棒の場合には、直流電源特有の磁気吹きやアークの向きの乱れを抑制するように被覆剤の成分を調整する必要がある。
低温靭性と溶接作業性を両立した被覆アーク溶接棒として、例えば、特許文献1には、スラグの剥離性を改善させるために、被覆剤にAl酸化物及びMgOを適量含有し、機械性能は金属炭酸塩、Si、Ti、及びBの含有量を適正にすることで、低温靭性と溶接作業性を両立する被覆アーク溶接棒が開示されている。
特開2021-49576号公報
特許文献1に開示されている被覆アーク溶接棒は、スラグ剥離性が良好であるものの強度が630MPaを超える溶接金属を形成する場合は、低電流域のアークが不安定になり、溶接作業性が低下する。
被覆剤に金属SiやSi合金を積極的に含有すると、溶接作業性が良好になる反面、溶接金属中にSiが多く歩留まり、低温靭性が劣化する傾向がある。例えば、Niを含有することで低温靭性を向上させることは可能であるが、高価なNi粉を使用するので、被覆アーク溶接棒のコスト上昇が避けられない。
このように溶接金属の低温靭性と溶接作業性を両立し、かつコスト上昇を抑えることは難しい課題である。特に直流電源を用いて多層盛溶接や鋼パイプの円周溶接等の全姿勢で溶接する場合には、溶接金属の低温靭性と溶接作業性の両立が課題となる。
また、被覆アーク溶接棒は、通常、溶接金属の強度を向上させる目的として被覆剤にMoを含有している。Moは少量で溶接金属の強度を向上させる効果があるが、溶接金属の再熱部に島状マルテンサイトの生成を助長するため、低温靭性の低下が見られる。このMoの影響を考慮しつつ低温靭性の確保のため、Si、Mnや強脱酸剤であるAl及びMg等を含有している。また、Ti及びBを含有することでアシキュラーフェライトを発現させている。
しかし、Siの含有量によっては溶接金属中にSiが多く歩留まり、Siもまた島状マルテンサイトの生成を助長するため、十分な低温靭性を確保することが難しい。
溶接棒から形成される溶着金属の機械的性質は、溶接棒と母材(鋼材)から形成される溶接金属の機械的性質と相関がある。
そこで、本開示は、合金コストの低減が可能であり、アークの安定性等の溶接作業性に優れ、強度が590MPa以上であり、かつ低温靭性が良好な溶着金属が得られる被覆アーク溶接棒を提供することを目的とする。
前記課題を解決するための本開示の要旨は、以下の通りである。
<1> 鋼心線と、前記鋼心線を被覆する被覆剤とを含む被覆アーク溶接棒であって、
前記被覆剤は、前記被覆剤の全質量に対する質量%で、
金属炭酸塩の1種又は2種以上の合計:27~47%、
金属弗化物の1種又は2種以上の合計:2~22%、
Ti酸化物のTiO換算値の合計:1.0~7.0%、
Si酸化物のSiO換算値の合計:2.0~8.0%、
Al酸化物のAl換算値の合計:0.1~2.0%、
金属Si及びSi合金のSi換算値の合計:0.5~3.0%、
金属Mn及びMn合金のMn換算値の合計:2.0~8.0%、
B合金及びB酸化物のB換算値の合計:0.05~0.25%、
金属Ti及びTi合金のTi換算値の合計:1.0~5.0%、
金属Mo及びMo合金のMo換算値の合計:0.1~2.5%、
鉄粉及び鉄合金粉のFe換算値の合計:15~35%、
Na酸化物のNaO換算値及びK酸化物のKO換算値の合計:1.0~3.5%、並びに
残部:前記成分に該当しない塗装剤及び不純物
からなり、
前記被覆アーク溶接棒の全質量に対する前記被覆剤の質量割合が、30~34%である、被覆アーク溶接棒。
<2> 前記被覆剤が、前記被覆剤を構成する成分の一部に替えて、前記被覆剤の全質量に対する質量%で、金属Al、Al合金、金属Mg及びMg合金の1種又は2種以上を、Al換算値とMg換算値との合計で3.5%以下含む、<1>に記載の被覆アーク溶接棒。
本開示によれば、合金コストの低減が可能であり、アークの安定性等の溶接作業性に優れ、強度が590MPa以上であり、かつ低温靭性が良好な溶着金属が得られる被覆アーク溶接棒が提供される。
以下、本開示の被覆アーク溶接棒について詳細に説明する。
なお、本明細書中において、「~」を用いて表される数値範囲は、「~」の前後に記載される数値に「超」又は「未満」が付されていない場合は、これらの数値を下限値及び上限値として含む範囲を意味する。「~」の前後に記載される数値に「超」又は「未満」が付されている場合の数値範囲は、これらの数値を下限値又は上限値として含まない範囲を意味する。
本明細書中に段階的に記載されている数値範囲において、ある段階的な数値範囲の上限値は、他の段階的な記載の数値範囲の上限値に置き換えてもよく、実施例に示されている値に置き換えてもよい。また、ある段階的な数値範囲の下限値は、他の段階的な記載の数値範囲の下限値に置き換えてもよく、実施例に示されている値に置き換えてもよい。
含有量について、「%」は特に断りのない限り「質量%」を意味する。
また、含有量(%)について下限値を限定せずに「~%以下」として上限値のみを限定している場合は、0%超~上限値の範囲内で含み得ることを意味する。
本開示の発明者らは、低温靭性に有効な合金元素の含有量について検討した結果、溶接棒の被覆剤における金属Si及びSi合金のSi換算値の含有量を適量とすることで、溶接金属中に歩留まるSiを低減でき、溶接金属の再熱部に生成する島状マルテンサイトも減少し、低温靭性を向上できることを見出した。
また、本開示の発明者らは、Si、Mnの脱酸剤以外にAl、Mgの強脱酸剤を適量含有することで、さらに低温靭性を向上できることを見出した。
そして、本開示の発明者らは、被覆アーク溶接棒の溶接作業性と溶接金属の強度及び低温靭性の両立かつコスト低減について鋭意研究した結果、スラグ剤を調整することで溶接作業性の向上を、低Si-Mn-Ti-B-Moの成分系にすることで溶接金属の強度及び低温靭性の向上を、Niフリーや鉄合金の積極使用によりコストの低減を図ることができることを見出し、本開示の発明を完成させた。
(鋼心線)
本開示の被覆アーク溶接棒における鋼心線は、公知の低水素系被覆アーク溶接棒に使用される鋼心線を用いることができる。例えば、JIS G 3503:2006に規定されるSWRY11の線材から製造した心線を用いることが好ましい。
(被覆剤)
本開示の被覆アーク溶接棒において鋼心線を被覆する被覆剤は、被覆剤全質量に対する質量%で、
金属炭酸塩の1種又は2種以上の合計:27~47%、
金属弗化物の1種又は2種以上の合計:2~22%、
Ti酸化物のTiO換算値の合計:1.0~7.0%、
Si酸化物のSiO換算値の合計:2.0~8.0%、
Al酸化物のAl換算値の合計:0.1~2.0%、
金属Si及びSi合金のSi換算値の合計:0.5~3.0%、
金属Mn及びMn合金のMn換算値の合計:2.0~8.0%、
B合金及びB酸化物のB換算値の合計:0.05~0.25%、
金属Ti及びTi合金のTi換算値の合計:1.0~5.0%、
金属Mo及びMo合金のMo換算値の合計:0.1~2.5%、
鉄粉及び鉄合金粉のFe換算値の合計:15~35%、
Na酸化物のNaO換算値及びK酸化物のKO換算値の合計:1.0~3.5%、並びに
残部:前記成分に該当しない塗装剤及び不純物
からなり、
被覆アーク溶接棒の全質量に対する被覆剤の質量割合が、30~34%である。
以下、本開示の被覆アーク溶接棒における被覆剤の成分組成及び成分組成の限定理由について詳細に説明する。なお、各成分組成の含有量は、被覆剤全質量に対する質量%で表すこととし、その質量%を表すときには単に%と記載することとする。
[金属炭酸塩の1種又は2種以上の合計:27~47%]
金属炭酸塩は、炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム、炭酸バリウム、炭酸マンガン等が挙げられる。金属炭酸塩は、アーク雰囲気中で分解して炭酸ガスを発生し、溶融池に侵入しようとする酸素、窒素及び水素等のガス成分から保護し、ピットやブローホール等の溶接欠陥を防止する効果がある。
金属炭酸塩の1種又は2種以上の合計が27%未満であると、溶融池のシールド効果が不足して、ピットやブローホール等の溶接欠陥が発生しやすくなる。一方、金属炭酸塩の1種又は2種以上の合計が47%を超えると、アークの吹付けが弱くなってアークが不安定になり、ビード形状が不良となる。したがって、金属炭酸塩の1種又は2種以上の合計は27~47%とする。
[金属弗化物の1種又は2種以上の合計:2~22%]
金属弗化物は、蛍石、弗化マグネシウム、弗化アルミニウム等から含有され、溶融スラグの流動性を調整するとともに、弗素の蒸気圧が高いので、酸素、窒素及び水素等のガス成分から溶融池を保護する効果がある。金属弗化物の1種又は2種以上の合計が2%未満では、弗素による溶融池のシールド性が劣化して、ピットやブローホール等の溶接欠陥が発生しやすくなる。一方、金属弗化物の1種又は2種以上の合計が22%を超えると、溶融スラグの融点が低下し、スラグ剥離性が不良となる。したがって、金属弗化物の1種又は2種以上の合計は2~22%とする。
[Ti酸化物のTiO換算値の合計:1.0~7.0%]
Ti酸化物は、ルチール、酸化チタン、チタンスラグ、イルミナイト等から含有され、アーク安定剤及びスラグ粘性の調整剤として作用し、アークを安定にしてビード形状を良好にする効果がある。Ti酸化物のTiO換算値の合計が1.0%未満では、アークが不安定となり、ビード形状が不良となる。一方、Ti酸化物のTiO換算値の合計が7.0%を超えると、スラグが緻密になり、スラグ剥離性が不良となる。したがって、Ti酸化物のTiO換算値の合計は1.0~7.0%とする。
[Si酸化物のSiO換算値の合計:2.0~8.0%]
Si酸化物は、珪砂、長石、珪灰石、珪酸ソーダや珪酸カリウム等の水ガラスの固質分から含有され、スラグ粘性の調整剤及びスラグの被包性を良好にする効果がある。Si酸化物のSiO換算値の合計が2.0%未満では、溶融スラグの粘性が十分に得られず、溶接ビードの形成が困難となり、ビード形状が不良となる。一方、Si酸化物のSiO換算値の合計が8.0%を超えると、スラグの粘性が過剰となり、溶融スラグが溶融池に侵入して、スラグ被包性が不良となる。したがって、Si酸化物のSiO換算値の合計は2.0~8.0%とする。
なお、塗布剤に含まれるタルク及びヘクトライト中のSi酸化物もSiO換算値に含まれる。
[Al酸化物のAl換算値の合計:0.1~2.0%]
Al酸化物は、アルミナ、長石、マイカ等から含有され、溶融スラグの粘性を調整してビード形状を良好にする効果がある。Al酸化物のAl換算値の合計が0.1%未満では、スラグの粘性が不十分でビード形状が不良になる。一方、Al酸化物の
Al換算値の合計が2.0%を超えると、溶融スラグの粘性が過剰となり、溶融スラグが溶融池に侵入して、スラグ被包性が不良となる。したがって、Al酸化物の
Al換算値の合計は0.1~2.0%とする。
[金属Si及びSi合金のSi換算値の合計:0.5~3.0%]
Siは、Fe-Si、金属Si、Fe-Si-Mn等から含有され、溶融池に入り込んだ酸素を脱酸させる目的として含有される。金属Si及びSi合金のSi換算値の合計が0.5%未満では、脱酸不足となり、溶接金属中にピットやブローホール等の溶接欠陥が発生しやすくなる。一方、金属Si及びSi合金のSi換算値の合計が3.0%を超えると、多層盛溶接金属の再熱部においてはSiの増加に伴い、島状マルテンサイトが生成しやすくなり、靭性が低下する。したがって、金属Si及びSi合金のSi換算値の合計は0.5~3.0%とする。
なお、金属Si及びSi合金のSi換算値の合計とは、金属Si及びSi合金の1種又は2種以上のSi換算値の合計を意味し、「金属Si及びSi合金」として、金属Siだけ含んでもよいし、Si合金だけ含んでもよいし、金属Si及びSi合金の両方を含んでもよい。他の成分についても同様である。
[金属Mn及びMn合金のMn換算値の合計:2.0~8.0%]
Mnは、金属Mn、Fe-Mn等の合金粉などから含有され、脱酸剤として作用するとともに溶接金属の強度及び靭性を向上させる効果がある。金属Mn及びMn合金のMn換算値の合計が2.0%未満では、焼入れ性が不足して溶接金属の強度が低下する。また、脱酸不足となり溶接金属の靭性が低下し、ピットやブローホール等の溶接欠陥が発生しやすくなる。一方、金属Mn及びMn合金のMn換算値の合計が8.0%を超えると、溶接金属の強度が過剰に高くなる。したがって、金属Mn及びMn合金のMn換算値の合計は2.0~8.0%とする。
[B合金及びB酸化物のB換算値の合計:0.05~0.25%]
Bは、Fe-B、硼砂、コレマナイト等の合金や酸化物で含有され、溶接金属中に固溶することでミクロ組織を微細化して靭性を向上させる効果がある。B合金及びB酸化物のB換算値の合計が0.05%未満では、溶接金属中に固溶するBが不足して、靭性が低下する。一方、B合金及びB酸化物のB換算値の合計が0.25%を超えると、溶接金属の最終凝固域にBが偏析して割れが発生しやすくなる。したがって、B合金及びB酸化物のB換算値の合計は0.05~0.25%とする。
[金属Ti及びTi合金のTi換算値の合計:1.0~5.0%]
Tiは、金属Ti、Fe-Ti等の合金粉等から含有され、強脱酸剤として作用して、ピットやブローホール等の溶接欠陥を防止する。また、溶接金属のミクロ組織を微細化して靭性を向上する効果がある。金属Ti及びTi合金のTi換算値の合計が1.0%未満であると、脱酸が不足してピットやブローホール等の溶接欠陥が発生しやすくなる。一方、金属Ti及びTi合金がTi換算値の合計で5.0%を超えると、溶接金属中にTiCやTiN等の介在物を生成して、靭性を低下させる。したがって、金属Ti及びTi合金のTi換算値の合計は1.0~5.0%とする。
[金属Mo及びMo合金のMo換算値の合計:0.1~2.5%]
Moは、金属Mo、Fe-Mo等の合金粉などから含有され、溶接金属の強度を向上させる効果がある。金属Mo及びMo合金のMo換算値の合計が0.1%未満では焼き入れ性が不足して溶接金属の強度が低下する。一方、金属Mo及びMo合金のMo換算値の合計が2.5%を超えると、溶接金属の強度が過剰となり、溶接金属の靭性も低下する。したがって、金属Mo及びMo合金のMo換算値の合計は0.1~2.5%とする。
[鉄粉及び鉄合金粉のFe換算値の合計:15~35%]
鉄粉及び鉄合金粉(以下、まとめて「鉄粉等」と称する場合がある。)は、直流電源特有の磁気吹きを緩和する効果がある。また、被覆剤が鉄粉等を含むことで溶接金属の溶着量が増加し、溶接効率を向上させる。鉄粉等のFe分(Fe換算値)が15%未満では、磁気吹きが発生しやすく、特に母材端部の溶接が困難となる。一方、鉄粉等のFe換算値が35%を超えると、溶接後半になると被覆アーク溶接棒自体が赤熱して棒焼けが発生するため、溶接が困難となる。したがって、鉄粉等のFe換算値は15~35%とする。鉄粉等のFe換算値には、Fe粉の含有量のほか、前述又は後述のSi合金、Mn合金、B合金、Ti合金、Al合金、具体的には、Fe-Si、Fe-Mn、Fe-Si-Mn、Fe-B、Fe-Al、Fe-Tiなどの鉄合金粉のFe分の含有量が含まれる。
[Na酸化物のNaO換算値及びK酸化物のKO換算値の合計:1.0~3.5%]
Na酸化物及びK酸化物は、水ガラス中の珪酸ナトリウム及び珪酸カリウム、カリ長石、カリガラス及びソーダ長石等から含有され、アークを安定にする効果がある。Na酸化物及びK酸化物の1種又は2種以上(いずれか一方又は両方)がNaO換算値及びKO換算値の合計で1.0%未満では、アークが不安定となる。一方、Na酸化物及びK酸化物の1種又は2種以上がNaO換算値及びKO換算値の合計で3.5%を超えると、アークの吹付けが過剰に強くなり、アンダーカットが発生しやすくなり、ビード形状が不良となる。したがって、Na酸化物及びK酸化物の1種又は2種以上がNaO換算値及びKO換算値の合計で1.0~3.5%とする。
なお、本開示においてNa及びOを含む化合物は他の元素を含むものもNa酸化物とみなす。例えば、塗布剤として含んでもよいアルギン酸ナトリウム((NaC)及びヘクトライト(Na0.3(Mg,Li)Si10(OH))に含まれるNaもNaO換算値に含まれる。K酸化物についても同様である。
[金属Al、Al合金、金属Mg及びMg合金の1種又は2種以上のAl換算値とMg換算値との合計:3.5%以下]
被覆剤は、他の成分の一部に替えて、任意成分として金属Al、Al合金、金属Mg及びMg合金の1種又は2種以上を含んでもよい。Al又はAl合金は、金属Al、Fe-Al、Al-Mg等の合金粉等から含有され、Mg又はMg合金は、金属Mg、Al-Mg、Ni-Mg等の合金粉等から含有される。
被覆剤が、金属Al、Al合金、金属Mg及びMg合金の1種又は2種以上を含有する場合、これらの成分は強脱酸剤として作用し、ピットやブローホール等の溶接欠陥を防止し、溶接金属の靭性をさらに向上させる効果がある。
金属Al、Al合金、金属Mg及びMg合金の1種又は2種以上の合計含有量の下限値は特に限定されないが、ピットやブローホール等の溶接欠陥の発生を抑制する効果が十分に得て、また、溶接金属の靭性の向上効果も十分に得る観点から、Al換算値とMg換算値の合計で1.0%以上であることが好ましい。
一方、金属Al、Al合金、金属Mg及びMg合金の1種又は2種以上がAl換算値とMg換算値との合計で3.5%を超えると、被覆アーク溶接棒の製造時に、Al及びMgとバインダー(水ガラス)中の水が反応して乾燥割れが発生しやすくなる。したがって、金属Al、Al合金、金属Mg及びMg合金の1種又は2種以上の含有量は、Al換算値とMg換算値との合計で3.5%以下とする。
[残部:前記成分に該当しない塗装剤及び不純物]
本開示の低水素系被覆アーク溶接棒の被覆剤中の残部は、生産性向上のために含有されるタルク等の塗布剤に含まれる成分及び原料中のCa酸化物、Ba酸化物などの不純物であり、合計で0.1~3%含まれる。
[被覆率(溶接棒全質量に対する被覆剤の質量%):30~34%]
被覆剤の鋼心線の外周への被覆率は、溶接時の溶融池のシールド性に大きく影響する。被覆率が30%未満では、スラグ剤の比率が少なくなり、溶融池のシールド性が不足して、溶接金属にO及びNの含有量が増加して靭性が低下する。一方、被覆率が34%を超えると、スラグ量が増え、アークが不安定になる。従って、被覆率は30~34%とする。
なお、溶接棒全質量に対する被覆剤の質量割合(被覆率:%)は、以下の式によって算出される値である。
被覆率%=被覆剤質量/溶接棒全質量×100
[溶着金属の機械的特性]
本開示の被覆アーク溶接棒を用いて形成される溶着金属は、好ましくは、引張強さが590MPa以上であり、かつJIS Z 3111:2005に規定されるシャルピー衝撃試験の-40℃でのシャルピー吸収エネルギーが40J以上である。
なお、溶着金属の引張強さの上限は特に限定されないが、溶着金属の引張強さが高いほど低温靭性は低下する傾向がある。溶着金属の引張強さと低温靭性の両立の観点から溶着金属の引張強さは720MPa以下でもよい。
[溶接方法]
本開示の被覆アーク溶接棒は、鋼材の被覆アーク溶接に用いられる。被覆アーク溶接方法は特に限定されず、例えば、鋼パイプ、鋼板などの鋼材の裏波溶接を行う際、本開示の被覆アーク溶接棒を用いて被覆アーク溶接を行うことで、溶接作業性に優れ、溶接金属の強度及び低温での靭性が良好な溶接継手を製造することができる。
本開示の被覆アーク溶接棒は、強度が590MPa以上かつ低温での靭性が優れる溶着金属を形成することができる。そのため、特に直流電源を用いた多層盛溶接や鋼パイプの円周溶接等の全姿勢で溶接する場合に本開示の被覆アーク溶接棒を適用することで、アークの安定性等の溶接作業性が良好となり、溶接金属の強度及び低温靭性に優れる溶接継手を製造することができる。
以下、本開示の被覆アーク溶接棒の効果を実施例により更に詳細に説明するが、本開示の被覆アーク溶接棒は以下の実施例に限定されるものではない。
[被覆アーク溶接棒の製造]
直径4.0mm、長さ400mmのJIS G 3503:2006に規定されるSWRY11よりなる鋼心線(鋼材の全質量%で、C:0.07%、Si:0.10%、Mn:0.45%、P:0.010%、S:0.003%)に、表1及び表2に示す組成成分の被覆剤を溶接棒全質量に対して被覆率30~34質量%で塗布剤を用いて前記鋼心線に塗布した後に410℃で焼成した溶接棒を作製した。なお、表1及び表2の被覆剤成分について「-」との表記はその成分を意図的に含有させていないことを意味する。その他の残部は、原材料中に含まれる表に記載していないCa、Ba等の酸化物などの不純物である。
製造した溶接棒を用いて、生産性、溶接作業性、溶接欠陥の有無及び機械的性質について調査した。
Figure 2023056937000001
Figure 2023056937000002
[生産性]
生産性は、乾燥後の溶接棒に乾燥割れの有り無しを目視で確認し、長さ5mm以上の割れがある場合を不良、無い場合を良好と判定した。乾燥割れは、溶接作業中のアークの周りに形成される被覆剤による保護筒が不均一になる原因となり、アークを偏向させて溶接作業性を低下させる。
[機械的性質]
(溶着金属試験体)
JIS G 3106:2017 SM490Aの板厚20mmの鋼板に片側開先角度10°、開先面にバタリング、ルートギャップ16mmの裏当金付開先を作製し、表1及び表2に示す被覆剤を備えた溶接棒を用い、AWS A5.5に準じて、直流電源を用いて溶接電流170Aの溶接を施し溶着金属試験体とした。この溶着金属試験体を用いて以下の機械的性質を調べた。
(引張試験)
溶着金属試験体の板厚中央部から引張試験片(AWS B4.0:2007)を採取して試験片とした。引張試験を行い、引張強さが590MP以上となる場合を「良好」と判断した。
(衝撃試験)
溶着金属試験体の板厚中央部から2mmVノッチ衝撃試験片(AWS B4.0:2007)を5本採取した。この試験片を用いて試験温度-40℃でシャルピー衝撃試験を5回実施し、最小値と最大値を除いた3回の平均値を吸収エネルギーとした。吸収エネルギーが40J以上の場合を「良好」と判断した。
[溶接作業性]
溶接作業性の評価として、前述した溶着金属試験体の溶接作業について以下の評価を行った。
(アーク吹付け)
アーク吹付けの評価は、溶接後のビード止端部のアンダーカットの有無で判断した。アンダーカットが溶着金属試験体のすべてのパスに発生していない場合を「良好」、1パスでもアンダーカットが発生した場合を「不良」とした。
(アークの安定性)
アークの安定性は、溶接時の溶接電圧変動で判断をした。溶接電圧変動が±3V以内であれば「非常に良好」、溶接電圧変動が±5V以内であれば「良好」、溶接電圧変動が±5V以上であれば「不良」とした。
(ビード形状の健全性)
ビード形状の健全性は以下の方法で判断した。
溶着金属試験体の最終層において、余盛高さが5mm以下であり、かつビード幅が6~12mmである部分をビード良好部、ビード良好部以外の部分をビード不良部とした場合に、ビード不良部がなければ「良好」、一カ所でもビード不良部があれば「不良」とした。
(スラグ被包性)
スラグ被包性は以下の方法で判断した。
溶着金属試験体を作製開始から終了までのアークの状態をアークの向きに着目して観察した。アークの向きがアークの軸線から溶融値池の方向に20度以上変化し、溶融スラグが溶融池に侵入した場合は「不良」と判断した。それ以外の場合は、溶接中に溶融スラグが溶融池に侵入しなかったと考え「良好」と判断した。
(スラグ剥離性)
スラグ剥離性は以下の方法で判断した。溶接後のスラグは空冷時間を設けると自然に剥がれ易くなる。溶接後、10分間空冷した後にワイヤブラシでスラグを除去し、溶着金属試験体に残ったスラグの面積を観察した。残存面積が1cm以下の場合(実質無い状態)をスラグ剥離性が「良好」と判断した。
(棒焼け)
棒焼けは以下の方法で判断した。溶接前の溶着金属試験体を用意して、溶接棒の残棒長が100mmになるまで溶接を行った。その後、溶接棒を目視で確認し、赤熱していなかった場合を「良好」、赤熱していた場合を「不良」とした。
(磁気吹き)
磁気吹きは以下の方法で判断した。溶接後の溶接棒先端において、保護筒の深さを測定し最大深さと最小深さの差が2mm以下の場合を「良好」とした。
[溶接欠陥]
溶接欠陥は、AWS A5.5に示す鋼溶接継手の放射線透過試験法に基づいて試験を行い、一つもきずが発生しない場合に無欠陥とした。
各評価結果を表3に示す。
Figure 2023056937000003
表1、表2及び表3において、溶接棒No.1~No.16、No.30、No.31は本開示例であり、溶接棒No.17~No.29、No.32は比較例である。
被覆剤の成分組成及び被覆率が本開示の範囲内にある溶接棒No.1~No.16、No.30、No.31は溶接作業性が良好であり、溶着金属は、溶接欠陥が無く、590MPa以上の引張強さを有し、優れた靭性値が得られている。
溶接棒No.17は金属炭酸塩の含有量が本開示の下限よりも少なく、溶着金属にピット及びブローホールが生じた。
溶接棒No.18は金属弗化物の含有量が本開示の上限を超えており、スラグ剥離性が不良であった。
溶接棒No.19はTiO換算値が本開示の上限を超えており、スラグ剥離性が不良であった。
溶接棒No.20はSiO換算値が本開示の下限よりも少なく、ビード形状が不良であった。また、酸化物以外のAl合金に含まれるAl換算値と酸化物以外のMg合金に含まれるMg換算値の合計も本開示の上限を超えており、乾燥割れが生じた。
溶接棒No.21はAl換算値が本開示の上限を超えており、スラグ被包性が不良であった。
溶接棒No.22はSi換算値が本開示の上限を超えており、溶着金属の靭性が不十分であった。
溶接棒No.23はMn換算値が本開示の下限よりも少なく、低温靭性が不十分であった。
溶接棒No.24はB換算値が本開示の上限を超えており、高温割れが生じた。
溶接棒No.25はTi換算値が本開示の上限を超えており、溶着金属の低温靭性が不十分であった。
溶接棒No.26はMo換算値が本開示の上限を超えており、溶着金属の低温靭性が不十分であった。
溶接棒No.27は鉄粉量(Fe換算値)が本開示の下限よりも少なく、磁気吹きが生じた。
溶接棒No.28はNa酸化物のNaO換算値及びK酸化物のKO換算値の合計が本開示の上限を超えており、アーク吹付けが不良でアンダーカットが発生し、ビード形状が不良となった。
溶接棒No.29は被覆率が本開示の上限を超えており、アーク安定性が不良となった。
溶接棒No.32はAl換算値とMg換算値が本開示の上限を超えており、乾燥割れが生じた。

Claims (2)

  1. 鋼心線と、前記鋼心線を被覆する被覆剤とを含む被覆アーク溶接棒であって、
    前記被覆剤は、前記被覆剤の全質量に対する質量%で、
    金属炭酸塩の1種又は2種以上の合計:27~47%、
    金属弗化物の1種又は2種以上の合計:2~22%、
    Ti酸化物のTiO換算値の合計:1.0~7.0%、
    Si酸化物のSiO換算値の合計:2.0~8.0%、
    Al酸化物のAl換算値の合計:0.1~2.0%、
    金属Si及びSi合金のSi換算値の合計:0.5~3.0%、
    金属Mn及びMn合金のMn換算値の合計:2.0~8.0%、
    B合金及びB酸化物のB換算値の合計:0.05~0.25%、
    金属Ti及びTi合金のTi換算値の合計:1.0~5.0%、
    金属Mo及びMo合金のMo換算値の合計:0.1~2.5%、
    鉄粉及び鉄合金粉のFe換算値の合計:15~35%、
    Na酸化物のNaO換算値及びK酸化物のKO換算値の合計:1.0~3.5%、並びに
    残部:前記成分に該当しない塗装剤及び不純物
    からなり、
    前記被覆アーク溶接棒の全質量に対する前記被覆剤の質量割合が、30~34%である、被覆アーク溶接棒。
  2. 前記被覆剤が、前記被覆剤を構成する成分の一部に替えて、前記被覆剤の全質量に対する質量%で、金属Al、Al合金、金属Mg及びMg合金の1種又は2種以上を、Al換算値とMg換算値との合計で3.5%以下含む、請求項1に記載の被覆アーク溶接棒。


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