JP2023056835A - ゲル状食品及びその製造方法 - Google Patents

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Wataru Kaneko
智仁 花澤
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Abstract

【課題】乳由来成分を熱凝固させることにより、適度な硬さと、口溶けの良さと、ざらつきの少なさと、適度な塩味を有する新規のゲル状食品を提供すること。【解決手段】本発明は、ホエイタンパク質含有素材と乳化剤を含み、当該タンパク質成分の熱凝固を利用するゲル状食品であって、2重量%以上7重量%以下のタンパク質と、3重量%以上13重量%以下の脂質と、1mg/100g以上80mg/100g未満のナトリウムと、を含み、食品中の抽出脂質の10℃以上30℃以下における固体脂含量の傾きが1以上5以下であり、前記乳化剤として以下のいずれかを含む(1)合計量で0.05重量%以上1.5重量%以下の不飽和脂肪酸系の乳化剤及び飽和脂肪酸系の乳化剤を含み、かつ、飽和脂肪酸系の乳化剤と不飽和脂肪酸系の乳化剤の合計量に対する不飽和脂肪酸系の乳化剤の配合比率が15重量%以上である、(2)0.15重量%以上0.8重量%以下の不飽和脂肪酸系の乳化剤のみを含む、ことを特徴とするゲル状食品の提供。【選択図】なし

Description

本発明は、ゲル状食品及びその製造方法に関する。
卵の加熱凝固を利用したプリンは、広く好まれる食品であるが、卵アレルギーを有する人は食べることができない課題がある。また、卵はコレステロールの含有量が高いため、消費者が購入を避ける場合がある。さらに、卵を用いたプリンはpH6未満の酸性領域では酸味と卵の風味の相性が悪く(マヨネーズ様の風味がある)、ゲル状食品としての仕立てには適さない課題がある。これに対し、ゲル化剤(ローカストビーンガムやペクチンなど)を配合し冷却固化させることでゲル状食品を調製することは可能であるが、べたつきや口溶けが悪い上、本格的な卵プリンの食感を付与できない課題がある。そのため、これまでに卵を加熱凝固性のタンパク質である牛乳由来のホエイタンパク質分離物(WPI)などで代替した検討が報告されてきた。
例えば特許文献1では、牛乳からカゼイン蛋白質除去後に得られる乳清(ホエイ)を原料とし、乳清中の蛋白質を限外濾過、イオン交換膜処理その他により濃縮したホエイタンパク質濃縮物を添加するゲル状食品の製法を提供することを目的とし、この製法により得られるゲル状食品の組織は滑らかであり、かつ風味も良好であると同時に、再加熱による融解がなく、あたかも豆腐の形質をそなえるものであり、有効な動物性蛋白質供給源となることを特徴とするゲル状食品を開示している。
特許文献2は、組織が脆くなく、舌触りが糊っぽくなく、澱粉っぽくない、口当たりと舌触りが滑らかで離水が少なく、食感や風味の良好なホエイチーズなどのゲル状食品の製造方法を提供することを目的とし、ホエイタンパク質と脂肪分とを含み、ホエイタンパク質の濃度が4~12重量%、脂肪分のホエイタンパク質に対する重量比が5倍以下である処理液を、二段階の加熱条件により加熱処理してゲル状食品を製造することを特徴とするゲル状食品を開示している。
特許文献3は、卵豆腐、茶わん蒸し、またはプリンなどの通常卵を加熱凝固させることによって得られる卵ゲル食品を、卵を減量して、もしくは使用せずに製造することを目的とし、原料として低脂肪豆乳と凝固剤を配合し、加熱凝固させることにより、卵を用いずとも卵ゲル食品特有のやわらかく、かつ、つるりとした食感を有する卵ゲル様食品を得ることを特徴とするゲル状食品を開示している。
しかしながら、特許文献1では、卵をWPIで代替して調製したカスタードプリンを例示しているが、単純にタンパク質の量の換算で卵をWPIで代替するだけでは、硬さの低下や口溶けの悪化、ざらつきが課題となる。
特許文献2は工業的な大量生産システムにおいては、二段階加熱が可能な加熱装置を設計・設置する必要があり、費用面で課題がある。さらに、ホエイチーズが対象物であり、プリンのようななめらかでざらつきの少ない食感を有するゲル状食品は例示されていない。
特許文献3は豆乳を使用するため、独特の豆臭があり、プリンなどのゲル状食品では風味に課題がある。また、大豆アレルギーを有する人が食べられないという課題もある。
また、原材料として、ナトリウム含量が高い原材料を用いて、プリンなどのゲル状食品を調製した場合、塩味が強くなり、嗜好性が低下するという課題もある。
したがって、卵の代わりにWPIを用い、簡便な製造工程で製造可能な適度な硬さと口溶けの良さとざらつきの少なさと、適度な塩味を兼ね備えたゲル状食品は未だ存在していない。
特開平3-143358号公報 WO2008/020568号パンフレット 特開2015-136345号公報
本願は、乳由来成分を熱凝固させることによりゲル化させる食品についての適度な硬さと、口溶けの良さと、ざらつきの少なさと、適度な塩味を有する新規のゲル状食品を提供することを課題とする。
本発明者は、タンパク質と、特定の脂質と、特定の乳化剤と、を所定量含有させること、ならびにホエイタンパク質含有素材を水溶液として投入することにより、適度な硬さと、口溶けの良さと、ざらつきの少なさと、適度な塩味を有するゲル状食品を調製できることを見出し、本発明のゲル状食品とその製造方法を完成させた。
すなわち、本発明には以下の構成が含まれる。
[1]ホエイタンパク質含有素材と乳化剤を含み、当該タンパク質成分の熱凝固を利用するゲル状食品であって、
2重量%以上7重量%以下のタンパク質と、
3重量%以上13重量%以下の脂質と、
1mg/100g以上80mg/100g未満のナトリウムと、
を含み、
食品中の抽出脂質の10℃以上30℃以下における固体脂含量の傾きが1以上5以下であり、
前記乳化剤として以下のいずれかを含む
(1)合計量で0.05重量%以上1.5重量%以下の不飽和脂肪酸系の乳化剤及び飽和脂肪酸系の乳化剤を含み、かつ、飽和脂肪酸系の乳化剤と不飽和脂肪酸系の乳化剤の合計量に対する不飽和脂肪酸系の乳化剤の配合比率が15重量%以上である、
(2)0.15重量%以上0.8重量%以下の不飽和脂肪酸系の乳化剤のみを含む、
前記ゲル状食品。
[2]前記(1)の乳化剤は、不飽和脂肪酸系の乳化剤がモノグリセリド、ショ糖脂肪酸エステル(SE)、及びポリグリセリン脂肪酸エステル(PG)からなる群から選ばれるいずれか1以上と、飽和脂肪酸系の乳化剤が有機酸モノグリセリド、モノグリセリド及びショ糖脂肪酸エステルからなる群から選ばれるいずれか1以上である、[1]に記載のゲル状食品。
[3]テクスチャーアナライザーによる貫入試験により得られる硬度が10gf以上100gf未満である[1]又は[2]に記載のゲル状食品。
[4]動的粘弾性測定装置による貯蔵弾性率の温度依存性試験により得られる(G’)の比(%)が0.01%以上20%未満である[1]から[3]のいずれかに記載のゲル状食品。
[5] ゲル状食品の製造方法であって、
ホエイタンパク質含有素材以外の原材料であって、乳化剤を溶解又は分散させる第一の組成物の予備乳化工程(1)と、
第一の組成物を加熱殺菌する工程(2)と、
水に別溶解したホエイタンパク質含有素材を添加して第二の組成物を得る工程(3)と、
第二の組成物を均質化する工程(4)と、
均質化した第二の組成物を容器に充填し密封する工程(5)と、
前記(5)の容器に密封された第二の組成物を加熱、及び冷却する工程(6)と、
を含むことを特徴とするゲル状食品の製造方法。
[6]ゲル状食品が[1]~[4]のいずれかに記載のゲル状食品である、[5]に記載のゲル状食品の製造方法。
本発明によれば、ホエイタンパク質含有素材と乳化剤を含み、当該タンパク質成分の熱凝固を利用するゲル状食品であって、適度な硬さと、口溶けの良さと、ざらつきの少なさと、適度な塩味を有する新規のゲル状食品を提供することができる。
本発明のゲル状食品及びその製造方法について以下に詳細に説明する。
(ゲル状食品)
本発明のゲル状食品は、ホエイタンパク質含有素材と乳化剤を含み、当該タンパク質成分の熱凝固を利用するゲル状食品であって、タンパク質と、脂質と、ナトリウムと、を所定の範囲で含み、抽出される脂質の特性が所定のものであって、乳化剤が、後述する特定の種類及び量で含まれていればよく、蒸し機や焼成機を用いた加熱凝固ゲル状食品が好ましい。
このうちでも、ホエイタンパク質を含み、該成分の熱凝固を利用する熱凝固プリン(蒸しプリン、焼きプリン等)が好ましい。また、洋生菓子、熱凝固プリンの種類としてはレアチーズプリン、カスタード風プリン、ミルクプリン、クリームプリン、レモンプリン等を例示できる。
(ゲル状食品の原材料)
本発明のゲル状食品の原材料について以下に詳細に説明する。
本発明のゲル状食品の製造に主に用いるタンパク質は、ホエイタンパク質(β-ラクトグロブリン、α-ラクトアルブミン)であり、ゲル状食品の製造には、上記のホエイタンパク質だけでなく、これらのタンパク質を含むWPI(ホエイタンパク質単離物)、WPC(ホエイタンパク質濃縮物)を用いることができ、本発明ではこれらのホエイタンパク質の含量が30重量%以上の素材を「ホエイタンパク質含有素材」と称する。
その他、食品衛生法における乳及び乳製品の成分規格等に関する省令第二条において定義される乳製品から、ホエイタンパク質含有素材を除いた脱脂粉乳、ミネラル濃縮ホエイ、ストレートホエイパウダー、ホエイ、脱脂乳、脱脂濃縮乳等のホエイタンパク質の含量が30重量%未満の素材ならびにMPC(乳タンパク質濃縮物)、MPI(乳タンパク質単離物)等の乳タンパク質中のカゼインの比率が高い素材は、本発明では「その他の乳製品」と称する。これらは本発明の原材料として用いることができる。
ゲル状食品中のタンパク質の含量は、2重量%以上7重量%以下であればよく、3重量%以上6.5重量%以下が好ましく、3.6重量%以上4.5重量%以下がさらに好ましい。
なお、ゲル状食品中のタンパク質の含量は、ケルダール法により測定できる。
本発明のゲル状食品に含まれる脂質については、ゲル状食品中の含量が3重量%以上13重量%以下かつ、ゲル状食品の抽出脂質の10℃~30℃の固体脂含量(SFC)の傾きが1以上5以下であればよい。3重量%未満であると硬さが不足し、13重量%を超えると硬くなりすぎるためである。SFCの傾きが1未満であると硬さが不足するためである。該脂質の含量は、好ましくは3重量%以上13重量%以下かつ、10℃~30℃の該SFCの傾きは2以上5以下であり、さらに好ましくは該含量が4重量%以上11重量%以下かつ、10℃~30℃の該SFCの傾きが2以上5以下であり、さらにいっそう好ましくは該含量が5重量%以上9重量%以下かつ、10℃~30℃の該SFCの傾きは3.2以上5以下である。
なお、ゲル状食品中の脂質の含量は酸分解法により測定できる。
ゲル状食品中の脂質の抽出は、50gの試料と抽出溶媒(ヘキサンとイソプロパノールを3:2で混合)50mlを添加し、ホモジナイザーを用い10000rpm、5分間の条件で分散させ、遠心分離機を用い5000g、5分間の条件で浮上させた油相画分を分画し、エバポレータを用いた抽出溶媒の除去により実施できる。
ゲル状食品の抽出脂質のSFCは、核磁気共鳴法により測定できる。10℃~30℃におけるSFCの傾きは以下の式で算出することができる。
10℃~30℃におけるSFCの傾き=
(10℃におけるSFC-30℃におけるSFC)/(30-10)
本発明のゲル状食品の製造に用いられる脂質は、動物性脂質、植物性脂質、さらにこれらの硬化脂質やエステル交換油を挙げることができる。具体的な脂質としては、乳脂肪の他、ヤシ油、硬化ヤシ油、パーム核油、硬化パーム核油、カカオバター、硬化カカオバター等が例示される。
本発明のゲル状食品のpHについては、特に食品として許容可能な範囲であればよく、そのうちでもpH5.1以上、8.3未満、特に5.5以上、7.3未満がさらに好ましい。
なお、pHは、pH電極により測定することができる。
本発明のゲル状食品に含まれる乳化剤大きく以下の2通りの態様がある。
乳化剤の態様;
(1)合計量で0.05重量%以上1.5重量%以下の不飽和脂肪酸系の乳化剤及び飽和脂肪酸系の乳化剤を含み、かつ、飽和脂肪酸系の乳化剤と不飽和脂肪酸系の乳化剤の合計量に対する不飽和脂肪酸系の乳化剤の配合比率が15重量%以上である、態様
(2)0.15重量%以上0.8重量%以下の不飽和脂肪酸系の乳化剤のみを含む態様
不飽和脂肪酸系の乳化剤としては、モノグリセリド、ショ糖脂肪酸エステル(SE)、ポリグリセリン脂肪酸エステル(PG)が挙げられる。
飽和脂肪酸系の乳化剤としては有機酸モノグリセリド、モノグリセリド、ショ糖脂肪酸エステルなどが挙げられる。
(1)の不飽和脂肪酸系の乳化剤及び飽和脂肪酸系の乳化剤の組合せを含む態様の場合、不飽和脂肪酸系の乳化剤として、不飽和脂肪酸系のモノグリセリド、不飽和脂肪酸系のショ糖脂肪酸エステル(SE)、不飽和脂肪酸系のポリグリセリン脂肪酸エステル(PG)から選ばれる1種以上と、飽和脂肪酸系の乳化剤として有機酸モノグリセリド、モノグリセリド、ショ糖脂肪酸エステルから選ばれる1種以上の組みあわせが好ましく、より具体的には不飽和脂肪酸系のSE(HLB15)と飽和脂肪酸系のモノグリセリドの組合せ、不飽和脂肪酸系のPG(HLB7)と飽和脂肪酸系のモノグリセリドの組合せがより好ましい。
本発明のゲル状食品中の不飽和脂肪酸系と飽和脂肪酸系の乳化剤の合計含量は、0.05重量%以上1.8重量以下であればよく、0.15重量%以上1.3重量%以下が好ましく、0.25重量%以上1.3重量%以下がさらに好ましい。また、食品中における不飽和脂肪酸系の乳化剤の、乳化剤全体における配合比率は15重量%以上が好ましく、25重量%以上がさらに好ましい。
また、(2)の1種類以上の不飽和脂肪酸系の乳化剤のみを含む態様の場合、不飽和脂肪酸系のモノグリセリド、不飽和脂肪酸系のショ糖脂肪酸エステル(SE)、不飽和脂肪酸系のポリグリセリン脂肪酸エステル(PG)から選ばれる1種以上が好ましく、不飽和脂肪酸系のモノグリセリド、または不飽和脂肪酸系のPG(HLB7)がより好ましい。なお、HLBとは乳化剤の親水性疎水性バランスの指標である。
本発明のゲル状食品中の不飽和脂肪酸系の乳化剤の含量は、0.15重量%以上0.8重量%以下であればよく、0.3重量%以上0.8重量%以下が好ましい。
(ゲル状食品の製造方法)
本発明のゲル状食品の製造方法は、一般的なゲル状食品の製造設備と製造条件で製造することができる。以下にその一様態を例示する。
[工程a]第一の組成物の予備乳化工程
第一の組成物は、水(50~90℃の溶解水)にホエイタンパク質含有素材以外の原材料を溶解または分散させて調製する。攪拌は、1000~10000rpm、3~60分間程度の条件でおこなう。
[工程b]第一の組成物を加熱殺菌する工程
第一の組成物を熱湯に浸漬し、60℃以上に加熱殺菌する。殺菌後の第一の組成物は氷冷水に浸漬し、60℃以下に冷却する。
[工程c]ホエイタンパク質含有素材を添加し、第二の組成物を得る工程
攪拌により水に別溶解したホエイタンパク質含有素材を、工程bを経た第一の組成物に、攪拌により混合し、第二の組成物を得る。
[工程d]第二の組成物の均質化
第二の組成物を温湯に浸漬し、50℃以上に加温する。第二の組成物を均質機により、圧力3~20MPaで均質化する。その後、容器に充填し、密閉する。
[工程e]第二の組成物の加熱凝固および冷却
工程dを経た第二の組成物を、蒸し機を用いて加熱凝固する。加熱条件は70℃以上、30分間~2時間とし、第二の組成物の中心温度を70~90℃、20分間以上保持し加熱凝固物を得る。加熱終了後、第二の組成物は氷冷水に浸漬し速やかに10℃まで冷却する。氷冷水で冷却後は、10℃以下で保存する。
(硬度)
硬さは、専門パネラーによる官能評価によって評価することができる。ゲル状食品として適度な硬さかどうかは、「最適」「良好」「可」「不良」で評価し、ゲル化していないもの、分離が認められるものは「不可」とした。
また、硬さはその他に硬度測定によっても定量的に評価することができ、パネラーによる官能評価と硬度測定の結果は以下のように対応していることを確認した。そのため、後述する本試験例では硬度測定を行い、この測定結果に対応する官能評価を示した。
本発明のゲル状食品の硬さは、TAによる貫入試験により得られる硬度(gf)として測定することができる。用いるTAとして、TA.XT plus(Stable Micro Systems製)を例示できる。
測定は、ゲル状食品を10℃で1時間以上保温後、容器のまま測定部にセットし、直径16mm円柱型(プラスチック製)のプランジャーを使用し、貫入深さ10mm、速度1mm/secの条件で行う。この時の硬度の測定値と官能評価の対応は以下のとおりであった。
3gf以上10gf未満または100gf以上のものを適度な硬さ「不適」、
10gf以上100gf未満を適度な硬さ「可」、
このうちでも20gf以上80gf未満を適度な硬さ「良好」、
さらにこのうちでも30gf以上60gf未満を適度な硬さ「最適」とした。
また、ゲル化していないもの、分離が認められるものは「不可」とした。
硬度は品温の影響を受けるため、測定に用いる試料は、測定時だけでなく保存中も適切な条件(10℃以下で冷蔵保存された賞味期限内のもの)で保存されているものを対象に行う。
本発明の口溶けは、喫食開始から4秒未満の口溶け(喫食前半)と、喫食開始後4秒以降、喫食終了までの口溶け(喫食後半)に分けて評価した。さらに、口溶け(喫食後半)の良さと、ざらつきの少なさは、相関が認められたことから、同じ項目の評価とした。
(口溶け(喫食前半))
口溶けは(喫食前半)は、専門パネラーによる官能評価によって評価することができる。口溶け(喫食前半)は喫食開始後4秒未満の口溶けが良い順に、「最適」「良好」「可」「不良」で評価し、ゲル化していないもの、分離が認められるものは「不可」とした。
また、その他に口溶けは(喫食前半)は、貯蔵弾性率G’(Pa)の温度依存性の測定によっても定量的に評価することができ、官能評価とG’(Pa)の温度依存性の結果は以下のように対応していることがわかった。そのため、後述する本試験例では、貯蔵弾性率G’(Pa)を測定し、この測定結果に対応する官能評価として示した。
本発明のゲル状食品の口溶けは、動的粘弾性測定装置を用いた測定で得られた貯蔵弾性率G’(Pa)の温度依存性により評価することができる。用いる動的粘弾性測定装置としてMCR(Anton Paar製)を例示できる。
測定は、ゲル状食品を10℃で1時間以上保温後、25mmチタン平板プレートで厚さ2mmにセットし、10℃で1分間静置し、その後40℃まで2℃/分の速度で昇温させながら、線形性を有する周波数1Hz、歪0.3%の条件で行う。
本発明では、(30℃のG’)/(10℃のG’)×100をG’比(%)と称し、これにより口溶けを評価した。この時のG’比と官能評価の対応は以下のとおりである。
20%以上100%以下を口溶け(喫食前半)「不適」、
0.01%以上20%未満の場合を口溶け(喫食前半)「可」、
このうちでも0.01%以上10%以下の場合を口溶け(喫食前半)「良好」、
さらにこのうちでも0.01%以上5%以下の場合を口溶け(喫食前半)「最適」とした。
また、ゲル化していないもの、分離が認められるものは「不可」とした。
測定に用いる試料は、測定時だけでなく保存中も適切な条件(10℃以下で冷蔵保存された賞味期限内のもの)で保存されているものを対象に行う。
(口溶け(喫食後半)・ざらつき))
口溶け(喫食後半)・ざらつきは、専門パネラーによる官能評価によって評価することができる。口溶け(喫食後半)は喫食開始後4秒以降、喫食終了までの口溶けを、ざらつきは喫食開始から終了までを、口溶け(喫食後半)が良く、ざらつきが少ない順に「最適」「良好」「可」「不良」で評価し、ゲル化していないもの、分離が認められるものは「不可」とした。
(塩味)
塩味は、専門パネラーによる官能評価によって評価することができる。塩味は、塩味の弱い順に「最適」「良好」「可」「不良」で評価し、ゲル化していないもの、分離が認められるものは「不可」とした。
塩味は、サンプルのナトリウム含量が少ないほど、官能評価での評価が良い。サンプルのナトリウム含量と官能評価の結果は以下に対応する。また、塩味は、ナトリウム含量の測定によっても定量的に評価することができ、官能評価とナトリウム含量の結果は以下のように対応していることがわかった。そのため、後述する本試験例では、ナトリウム含量を測定し、この測定結果に対応する官能評価として示した。
サンプルのナトリウム含量と官能評価の対応は以下のとおりである。
1mg/100g以上70mg/100g未満は塩味「最適」、
70mg/100g以上75mg/100g未満は塩味「良好」、
75mg/100g以上80mg/100g未満は塩味「可」、
80mg/100g以上は塩味「不適」、である。
なお、ゲル状食品中のナトリウム含量は原子吸光光度法(灰化法)により測定できる。
以下、本発明の試験例を詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
〔試験例1〕
試験例1では、ゲル状食品の特性に対する乳化剤の種類およびWPIの投入方法の影響を評価した。
1.試験方法
表1に示す配合の試験品を調製した。なお、本発明の表では疎水基がオレイン酸のPGであれば、PG(C18,1)のように乳化剤の種別名(脂肪酸の炭素数、不飽和結合の数)を記載する。分散は、ローターステーター型攪拌機を用い、5000rpm、5分間の条件とした。
表1中の「その他の乳製品」とは、前述の(ゲル状食品の原材料)の項で定義した「その他の乳製品」を指す(以下の試験例においても同じ)。
Figure 2023056835000001
本試験例のゲル状食品の製造方法を次に示す。
[工程a]第一の組成物の予備乳化工程
第一の組成物は、水(約70℃の溶解水)にホエイタンパク質含有素材以外の原材料を溶解または分散させて調製した。攪拌は、ローターステーター型攪拌機を用い、5000rpm、5分間の条件とした。
[工程b]第一の組成物を加熱殺菌する工程
第一の組成物を湯煎で0℃に加熱殺菌した。殺菌後の第一の組成物は氷冷水に浸漬し、60℃以下に冷却した。
[工程c]ホエイタンパク質含有素材を添加し、第二の組成物を得る工程
粉体のまま、または攪拌により水に別溶解したホエイタンパク質含有素材を、工程bを経た第一の組成物に、攪拌により混合し、第二の組成物を得た。
[工程d]第二の組成物の均質
第二の組成物を温湯に浸漬し、60℃に加温した。第二の組成物を均質機により、圧力10MPaで均質化した。その後、容器に充填し、密閉した。
[工程e]第二の組成物の加熱凝固および冷却
工程dを経た第二の組成物を、蒸し機を用いて加熱凝固した。加熱条件は90℃、60分間とし、第二の組成物の中心温度を85℃、20分間以上保持し加熱凝固物を得た。加熱終了後、第二の組成物は氷冷水に浸漬し速やかに10℃まで冷却した。氷冷水で冷却後は、10℃庫で保存した。
2.評価方法
(1)ゲル状食品の硬さの測定
本発明のゲル状食品の硬さは、TAによる貫入試験により得られる硬度(gf)として測定することができる。測定には、TA.XT plus(Stable Micro Systems製)を用いた。
測定は、ゲル状食品を10℃で1時間以上保温後、容器のまま測定部にセットし、直径16mm円柱型(プラスチック製)のプランジャーを使用し、貫入深さ10mm、速度1mm/secの条件で行った。測定した硬度測定値に基づき以下の評価とした。
3gf以上10gf未満または100gf以上のものを適度な硬さ「不適」、
10gf以上100gf未満をしっかりとした硬さ「可」、
このうちでも20gf以上80gf未満を適度な硬さ「良好」、
さらにこのうちでも30gf以上60gf未満を適度な硬さ「最適」とした。
また、ゲル化していないもの、分離が認められるものは「不可」とした。
硬度は品温の影響を受けるため、測定に用いる試料は、測定時だけでなく保存中も適切な条件(10℃以下で冷蔵保存された賞味期限内のもの)で保存されているものを対象に行った。硬度の測定は、製造後20日で実施した。
(2)ゲル状食品の口溶けの測定
(2-1)(口溶け(喫食前半))
本発明のゲル状食品の口溶けは、動的粘弾性測定装置による測定で得られた貯蔵弾性率G’(Pa)の温度依存性により評価することができる。動的粘弾性測定装置はMCR(Anton Paar製)を使用した。
測定は、ゲル状食品を10℃で1時間以上保温後、25mmチタン平板プレートで厚さ2mmにセットし、10℃で1分間静置し、その後45℃まで2℃/分の速度で昇温させながら、線形性を有する周波数1Hz、歪0.3%の条件で行った。
本発明では、(30℃のG’)/(10℃のG’)×100をG’比(%)と称し、これにより口溶けを評価した。本発明では、測定したG’比に基づき以下の評価とした。
20%以上100%以下を口溶け「不適」、
0.01%以上20%未満の場合を口溶け「可」、
このうちでも0.01%以上10%以下の場合を口溶け「良好」とした。
また、ゲル化していないもの、分離が認められるものは「不可」とした。
G’の測定は、製造後20日で実施した。
(2-2)(口溶け(喫食後半))
口溶け(喫食後半)・ざらつきは、専門パネラーによる官能評価によって評価することができる。口溶け(喫食後半)は喫食開始後4秒以降、喫食終了までの口溶けを、ざらつきは喫食開始から終了までを、口溶け(喫食後半)が良く、ざらつきが少ない順に「最適」「良好」「可」「不良」で評価し、ゲル化していないもの、分離が認められるものは「不可」とした。
(3)その他の測定
(i)ゲル状食品中のタンパク質
ゲル状食品中のタンパク質含量はケルダール法により測定した。
(ii)脂質の含量
ゲル状食品中の脂質含量は酸分解法により測定した。
(iii)抽出脂質のSFCの傾き
ゲル状食品中の脂質の抽出は、50gの試料と抽出溶媒(ヘキサンとイソプロパノールを3:2で混合)50mlを添加し、ホモジナイザーを用い10000rpm、5分間の条件で分散させ、遠心分離機を用い5000g、5分間の条件で浮上させた油相画分を分画し、エバポレータを用いた抽出溶媒の除去により行った。
前記抽出により得られた脂質のSFCは、核磁気共鳴法により測定した。10℃~30℃におけるSFCの傾きは以下の式で算出した。
10℃~30℃におけるSFCの傾き=
(10℃におけるSFC-30℃におけるSFC)/(30-10)
(iv)ナトリウムの含量
ゲル状食品中のナトリウム含量は原子吸光光度法(灰化法)により測定し、測定したナトリウム含量にもとづき以下の評価とした。
1mg/100g以上70mg/100g未満は塩味「最適」、
70mg/100g以上75mg/100g未満は塩味「良好」、
75mg/100g以上80mg/100g未満は塩味「可」、
80mg/100g以上は塩味「不適」、である。
(v)pH
pHは、pHメーターに接続したpH電極をゲル状食品に挿して、測定した。
3.測定結果
表2に本試験例1の各試験品の硬度(適度な硬さ)、口溶け(喫食前半)、口溶け(喫食後半)・ざらつき、塩味を示す。実施例1-1はすべての評価項目で「最適」であった。比較例1-1は、卵を使用しており、比較例とした。比較例1-2~比較例1-4はいずれかの項目が「不良」であった。したがって、口溶け(喫食前半)の改善には不飽和系と飽和系の乳化剤の組み合わせ、口溶け(喫食後半)・ざらつきの改善にはWPIを別溶解して投入することに効果が確認された。
Figure 2023056835000002
〔試験例2〕
試験例2では、ゲル状食品の特性に対するその他の乳製品とホエイタンパク質素材の種類と配合率の影響を評価した。
1.試験方法、評価方法
表3に示す配合の試験品を調製した。ゲル状食品の製造方法および評価方法は試験例1と同様である。
Figure 2023056835000003
2.測定結果
表4に各試験品の硬度(適度な硬さ)、口溶け(喫食前半)、口溶け(喫食後半)・ざらつき、塩味を示す。タンパク質の配合率が2重量%以上7重量%以下、特に3重量%以上6.5重量%以下、更に3.6重量%以上4.5重量%以下で評価が高かった。比較例2-1~比較例2-6はいずれかの項目が「不良」または「不可」であった。
Figure 2023056835000004
〔試験例3〕
試験例3では、ゲル状食品の特性に対する脂質の種類の影響を評価した。
1.試験方法、評価方法
表5に示す配合の試験品を調製した。ゲル状食品の製造方法および評価方法は試験例1と同様である。
Figure 2023056835000005
2.測定結果
表6に各試験品の硬度(適度な硬さ)、口溶け(喫食前半)、口溶け(喫食後半)・ざらつき、塩味を示す。ゲル状食品の抽出脂質の10℃~30℃の固体脂含量(SFC)の傾きが1以上5以下、特に10℃~30℃の該SFCの傾きは2以上5以下、更に10℃~30℃の該SFCの傾きは3.2以上5以下で評価が高かった。比較例3-1は硬さと口溶け(喫食前半)の項目が「不良」であった。
Figure 2023056835000006
〔試験例4〕
試験例4では、ゲル状食品の特性に対する脂質の配合率の影響を評価した。
1.試験方法、評価方法
表7に示す配合の試験品を調製した。ゲル状食品の製造方法および評価方法は試験例1と同様である。
Figure 2023056835000007
2.測定結果
表8に各試験品の硬度(適度な硬さ)、口溶け(喫食前半)、口溶け(喫食後半)・ざらつき、塩味を示す。ゲル状食品中の含量が3重量%以上13重量%以下、特に該含量が4重量%以上11重量%以下、更に該含量が5重量%以上9重量%で評価が高かった。3重量%未満及び13重量%を超えた比較例4-1~比較例4-3はいずれかの項目が「不良」であった。
Figure 2023056835000008
〔試験例5〕
試験例5では、ゲル状食品の特性に対する乳化剤の種類の影響を評価した。
1.試験方法、評価方法
表9に示す配合の試験品を調製した。ゲル状食品の製造方法および評価方法は試験例1と同様である。
Figure 2023056835000009
2.測定結果
表10に各試験品の硬度(適度な硬さ)、口溶け(喫食前半)、口溶け(喫食後半)・ざらつき、塩味を示す。以上より、不飽和系の乳化剤がモノグリセリドまたはショ糖脂肪酸エステル(SE)、ポリグリセリン脂肪酸エステル(PG)のいずれか一種類の場合と、不飽和脂肪酸系の乳化剤がモノグリセリド、ショ糖脂肪酸エステル(SE)、ポリグリセリン脂肪酸エステル(PG)のいずれかと飽和脂肪酸系の乳化剤(モノグリセリド、有機酸モノグリセリド、ショ糖脂肪酸エステル)のそれぞれ一種類以上ずつの組み合わせた場合、ゲル状食品は、適度な硬さ、口溶け(喫食前半)、口溶け(喫食後半)・ざらつき、塩味ともに所望の食品が得られることがわかった。
Figure 2023056835000010
〔試験例6〕
試験例6では、ゲル状食品の特性に対する不飽和脂肪酸系と飽和脂肪酸系の乳化剤の配合率ならびに、不飽和脂肪酸系と飽和脂肪酸系の乳化剤を含む場合の、食品中における不飽和脂肪酸系の乳化剤の、乳化剤全体における配合比率の影響を評価した。
1.試験方法、評価方法
表11に示す配合の試験品を調製した。ゲル状食品の製造方法および評価方法は試験例1と同様である。
Figure 2023056835000011
2.測定結果
表12に各試験品の硬度(適度な硬さ)、口溶け(喫食前半)、口溶け(喫食後半)・ざらつき、塩味を示す。本発明のゲル状食品中について不飽和脂肪酸系と飽和脂肪酸系の乳化剤を含む場合、その合計含量は、0.05重量%以上1.8重量%以下、特に0.15重量%以上1.3重量%以下、更に0.25重量%以上1.3重量%以下で評価が高かった。また、不飽和脂肪酸系と飽和脂肪酸系の乳化剤を含む場合、食品中における不飽和脂肪酸系の乳化剤の、乳化剤全体における配合比率は15重量%以上、特に25重量%以上で評価が高かった。これらの範囲に含まれない比較例6-1~比較例6-3はいずれかの項目が「不良」であった。
Figure 2023056835000012
〔試験例7〕
試験例7では、ゲル状食品の特性に対する飽和脂肪酸系または不飽和脂肪酸系の乳化剤の配合率の影響を評価した。
1.試験方法、評価方法
表13に示す配合の試験品を調製した。ゲル状食品の製造方法および評価方法は試験例1と同様である。
Figure 2023056835000013
2.測定結果
表6に各試験品の硬度(適度な硬さ)、口溶け(喫食前半)、口溶け(喫食後半)・ざらつき、塩味を示す。本発明のゲル状食品中について不飽和脂肪酸系の乳化剤のみを含む場合、その含量は、0.15重量%以上0.8重量%以下、特に0.3重量%以上0.6重量%以下で評価が高かった。これらの範囲に含まれない不飽和脂肪酸系の乳化剤のみを含む場合、または飽和脂肪酸系の乳化剤のみを用いた比較例7-1~比較例7-6はいずれかの項目が「不良」であった。
Figure 2023056835000014
〔試験例8〕
試験例8では、ゲル状食品の特性に対するpHの影響を評価した。
1.試験方法、評価方法
表15に示す配合の試験品を調製した。ゲル状食品の製造方法および評価方法は試験例1と同様である。なお、pHは乳酸または水酸化カリウムで調整したが、pH調製剤は特にこれらに限定されるものではない。
Figure 2023056835000015
2.測定結果
表16に各試験品の硬度(適度な硬さ)、口溶け(喫食前半)、口溶け(喫食後半)・ざらつき、塩味を示す。本発明のゲル状食品について、pH5.1以上、8.3未満、特にpH5.5以上、7.3未満で評価が高かった。pHが5.1未満または8.3以上では、いずれかの項目が「不良」であった。また、卵を用いたプリンについてはpH6未満では酸味と卵の風味の相性が悪く(マヨネーズ様の風味がある)、ゲル状食品としての仕立てには適さなかったが、本発明のゲル状食品にそのような問題は確認されなかった。
Figure 2023056835000016
〔試験例9〕
試験例9では、ゲル状食品の特性に対するタンパク質、脂質の含量の影響を評価した。
1.試験方法、評価方法
表17に示す配合の試験品を調製した。ゲル状食品の製造方法および評価方法は試験例1と同様である。
Figure 2023056835000017
2.測定結果
表18に各試験品の硬度(適度な硬さ)、口溶け(喫食前半)、口溶け(喫食後半)・ざらつき、塩味を示す。SFCの傾きが1以上の脂質が3重量%未満の比較例9-1ではいずれかの項目が「不良」であった。
Figure 2023056835000018
本発明によれば、ホエイタンパク質含有素材と乳化剤を含み、当該タンパク質成分の熱凝固を利用するゲル状食品において、適度な硬さと、口溶けの良さと、ざらつきの少なさと、適度な塩味を有する新規のゲル状食品を提供することができる。

Claims (6)

  1. ホエイタンパク質含有素材と乳化剤を含み、当該タンパク質成分の熱凝固を利用するゲル状食品であって、
    2重量%以上7重量%以下のタンパク質と、
    3重量%以上13重量%以下の脂質と、
    1mg/100g以上80mg/100g未満のナトリウムと、
    を含み、
    食品中の抽出脂質の10℃以上30℃以下における固体脂含量の傾きが1以上5以下であり、
    前記乳化剤として以下のいずれかを含む
    (1)合計量で0.05重量%以上1.5重量%以下の不飽和脂肪酸系の乳化剤及び飽和脂肪酸系の乳化剤を含み、かつ、飽和脂肪酸系の乳化剤と不飽和脂肪酸系の乳化剤の合計量に対する不飽和脂肪酸系の乳化剤の配合比率が15重量%以上である、
    (2)0.15重量%以上0.8重量%以下の不飽和脂肪酸系の乳化剤のみを含む、
    前記ゲル状食品。
  2. 前記(1)の乳化剤は、不飽和脂肪酸系の乳化剤がモノグリセリド、ショ糖脂肪酸エステル(SE)、及びポリグリセリン脂肪酸エステル(PG)からなる群から選ばれるいずれか1以上と、飽和脂肪酸系の乳化剤が有機酸モノグリセリド、モノグリセリド及びショ糖脂肪酸エステルからなる群から選ばれるいずれか1以上である、
    請求項1に記載のゲル状食品。
  3. テクスチャーアナライザーによる貫入試験により得られる硬度が10gf以上100gf未満である請求項1又は2に記載のゲル状食品。
  4. 動的粘弾性測定装置による貯蔵弾性率の温度依存性試験により得られる(G’)の比(%)が0.01%以上20%未満である請求項1から3のいずれかに1項に記載のゲル状食品。
  5. ゲル状食品の製造方法であって、
    ホエイタンパク質含有素材以外の原材料であって、乳化剤を溶解又は分散させる第一の組成物の予備乳化工程(1)と、
    第一の組成物を加熱殺菌する工程(2)と、
    水に別溶解したホエイタンパク質含有素材を添加して第二の組成物を得る工程(3)と、
    第二の組成物を均質化する工程(4)と、
    均質化した第二の組成物を容器に充填し密封する工程(5)と、
    前記(5)の容器に密封された第二の組成物を加熱、及び冷却する工程(6)と、
    を含むことを特徴とするゲル状食品の製造方法。
  6. ゲル状食品が請求項1~請求項4のいずれか1項に記載のゲル状食品である、請求項5に記載のゲル状食品の製造方法。
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