JP2023056756A - ソーラーパネルの取り付けレール - Google Patents
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Abstract
Description
一方、住宅の屋根にソーラーパネルを設置する場合には、固定用の枠組みを取り付けた後に防火対策として延焼防止用の金属板(不燃材による仕切り板)を施設し、その上にソーラーパネルを設置するようになっている。このような構造であるため、ソーラーパネルの取り付け工事はソーラーパネル表面側から行うようになっていた。
本発明は当該事情に鑑み発明されたものであって、ソーラーパネルの設置工事において、防火対策を施しつつソーラーパネルの裏面側から設置工事をすることができる工法および当該工法に用いる部材の提供によって、上記の課題を解決することを目的とするものである。
上部に長手方向に亘ってソーラーパネルの載置および取り付けを可能にした取り付け部を設け、
前記ソーラーパネルを前記取付部に対して固定する固定手段を有し、
前記載置したソーラーパネルの裏面側から前記固定手段による固定操作が可能となるように構成し、
前記載置したソーラーパネルの裏面側において、当該ソーラーパネルと空間的な間隔を隔てた位置で不燃板を装着可能とする装着部若しくは装着手段を設けたことを特徴とするソーラーパネルの取り付けレール。
前記固定手段が、前記ソーラーパネルの外縁に装着されたフレームおよび前記取り付け部を貫通して挿通されるボルトおよび当該ボルトに締結されるナットによって構成されていることを特徴とする。
前記不燃板を装着可能とする装着部が、当該不燃板の側縁を収容可能な溝状の空間であることを特徴とする。
前記ソーラーパネルの取り付け部と前記不燃板を装着可能とする装着部の間に、上方に向かって開口を有した雨水を誘導する樋を設けたことを特徴とする。
また、ソーラーパネルの裏面に不燃板を取り付けることができるので、防火、延焼防止効果を有したカーポートや建築物等を構成することができるという効果を有している。
図1はソーラーパネルSの取り付けレール(以下「レール」という)1の断面図、図2はレール1の外観斜視図を表している。レール1は図1に示した端面形状を有するアルミニウム素材によって形成した長尺の押し出し材として形成されており、予め適宜の長さに裁断され長穴等を穿設する加工を行った後に施工現場において使用されるものである。
レール1は中心線CLを中心として左右対称の端面形状を有している。具体的には、レール1は中央に中空角形状のパイプ部2を有し、パイプ部2の上部において側方に突出させたフランジ部3(3a、3b)を有し、パイプ部の側壁を構成するウェブ4(4a、4b)から外側に向かって突出させた樋部5(5a、5b)を有し、ウェブ4(4a、4b)の下方において外側に向かって突出させたフランジ状突出片6(6a、6b)を有している。
なお、ソーラーパネルSの取り付け方法は、本実施例では直接ソーラーパネルSのフレームに対してボルトとナットを用いてレール1に固定する方法を採用している。しかしながら、フランジ部3a、3bとソーラーパネルSのフレームとを挟み込んで固定するような金具を使用して、両者を締結するように構成してもよい。
左右のウェブ4a、4bに設けた樋部5a、5bは、上方に向かって開口した水受けおよび流路を形成する突出部13(13a、13b)によって構成されるものであり、フランジ部3の端縁よりも寸法的に長く側方に突出するようになっている。樋部5は、ソーラーパネルSとフランジ部3との隙間から流れ出た雨水を受け止め、傾斜して配置したレール1の傾きによって水を下流方向へ誘導し、カーポートC内に対する水の落下を防ぐ作用を有している。
なお、本実施の形態においては、突出部13(13a、13b)の水受け部分は中空の二重構造に形成されており、水を受ける面と後述する不燃板9に接触する面との間に空間14(14a、14b)が形成されている。タッピングビス等を使用した不燃板9の固定は、上記の方法の他に、例えば突出部13(13a、13b)の下面に不燃板9を固定するようにしてもよい。この場合、タッピングビスが貫通した部位は空間14(14a、14b)であるので、タッピングビスによって水が流れる水受け面に孔が開くのを防止できるようになっている。突出部13(13a、13b)の二重構造は、このような不燃板9を取り付ける際の効果と、突出した部位自体の外力に対する強度を高める作用も有している。
嵌合溝8は、内部にナット若しくはボルトの頭部を収容し、これらに螺合するボルト若しくはナットによって、レール1を支える構造部材との結合を行わせる部位として設けられている。
レール1、レール100aおよびレール100bは、平行に配置された2本の水平材Hに対して直交する角度で取り付けられている。水平材Hの上部には取付金具20を装着可能な筒状部21が一体的に設けられている。取付金具20は2分割された部材であり、2つの部材を結合することによって筒状部21を挟持する挟着部を有し、筒状部21を挟着した状態で各レール100a、100bを支えて固定する取付部22を有している。
これに対してレール100aは、屋根の軒側から見て左端に配置されるものであり、右側のみの片持ち状態でソーラーパネルを載置するものであるため、レール1が備えた構成要素から不要な構成要素を省き左側の側壁を平坦な側壁面109aとして形成している。
また、レール100bは、屋根の軒側から見て右端に配置されるものであり、左側のみの片持ち状態でソーラーパネルを載置するものであるため、レール1が備えた構成要素から不要な構成要素を省き右側の側壁を平坦な側壁面109bとして形成している。
フランジ部103aには、レール1と同様に長手方向に亘る複数箇所に孔が表裏貫通して設けられている。
フランジ部103bには、レール1と同様に長手方向に亘る複数箇所に孔が表裏貫通して設けられている。
適正な間隔で配置されたレール1、レール100aおよびレール100bの上面を構成する各フランジ部(3a、3b、103a、103b)には、図4に示したように複数枚のソーラーパネルが配置され固定される。
部材S2、S3のフランジ部には、表裏方向に穿設した長孔S6が設けられており、この長孔S6を利用してボルト等の締結手段によってソーラーパネルSを任意の箇所に固定できるようになっている。この長孔S6は、ソーラーパネルSの背面側に設けられているものであるため、背面側から行う作業によって取り付けを行うことができるようになっている。
なお、図示しての説明は省略するが、別途ソーラーパネルSのフレームに装着可能かつ背面側からの作業を可能とする取付金具を設けて、背面側からの取付作業ができるようにしてもよい。
軒から棟を見る方向において、左端にレール100aが配置され、次いで複数本のレール1が配置され、右端にレール100bが配置される。これらの各レールは発電効率および設置強度の観点からソーラーパネルSが最適な位置に固定されるように等間隔で配置される。
そして、設置したソーラーパネルSの背面と平行に不燃板9が配置される。不燃板9は、レール100aが有する空間107aとレール1が有する空間7bによって両縁部が保持されるようになっている。空間107aと空間7bは、それぞれの開口が対向した装着部として作用するものであり、この空間107aと空間7bをガイドとして軒側若しくは棟側から差し込むことで不燃板9をソーラーパネルSの背面に装着するようになっている。装着したソーラーパネルSは、空間107aと空間7bを構成するフランジ状突出片106a、6bの背面側からタッピングビス32等を打ち込むことによって、レール100aおよびレール1に固定される。
また、タッピングビス32を打ち込む際に、不燃板9を押し上げてしまうが、空間107aと空間7bの上面を構成する雨樋を兼ねた部材の底面が、不燃板9の浮き上がりを防止してタッピングビス32の打ち込みを容易にする作用を有している。
なお、別途、空間107aと空間7bと共同若しくは単独の部材として不燃板9を装着し固定することができる装着手段を設けてもよい。
従来工法では、ソーラーパネルの背面に不燃板を設置する場合には不燃板を配置した後に、ソーラーパネルを重ねて配置して固定していた。この従来工法は、家屋の屋根に対する取り付け作業を前提としているために、全ての作業をソーラーパネルの表面側から行えるように各部材が作られていた。また、カーポートにおいて屋根裏面からソーラーパネルを取り付ける場合であっても、先に不燃板を設置してしまうとソーラーパネルの取り付けが出来なくなっていた。
また、上記したレールは、ソーラーパネルと不燃板の間に雨樋を設けている。この雨樋は、雨水の排出とソーラーパネルと不燃板との間に空間を設ける作用を兼ねたものであり、ソーラーパネルと不燃板の接触を断つことで直接的な伝熱を阻害し、延焼の防止効果を高めるものとなっている。
2、102a、102b パイプ部
3(3a、3b)、103a、103b フランジ部
4(4a、4b)、104a、104b ウェブ
5(5a、5b)、105a、105b 樋部
6(6a、6b)、106a、106b フランジ状突出片
7(7a、7b)、107a 空間
8、108a、108b 嵌合溝
9 不燃板
109a、109b 側壁面
10 孔
11、12 雨樋
20 取付金具
21 筒状部
22 取付部
23 ボルト
24 ナット
30 ボルト
31 ナット
32 タッピングビス
C カーポート
H 水平材
R 梁材
S ソーラーパネル
S1 セル
S2、S3、S4、S5 部材(フレーム)
S6 長孔
V 支柱
Claims (4)
- 上部に長手方向に亘ってソーラーパネルの載置および取り付けを可能にした取り付け部を設け、
前記ソーラーパネルを前記取付部に対して固定する固定手段を有し、
前記載置したソーラーパネルの裏面側から前記固定手段による固定操作が可能となるように構成し、
前記載置したソーラーパネルの裏面側において、当該ソーラーパネルと空間的な間隔を隔てた位置で不燃板を装着可能とする装着部若しくは装着手段を設けたことを特徴とするソーラーパネルの取り付けレール。 - 前記固定手段が、前記ソーラーパネルの外縁に装着されたフレームおよび前記取り付け部を貫通して挿通されるボルトおよび当該ボルトに締結されるナットによって構成されていることを特徴とする請求項1記載のソーラーパネルの取り付けレール。
- 前記不燃板を装着可能とする装着部が、当該不燃板の側縁を収容可能な溝状の空間であることを特徴とする請求項1または請求項2記載のソーラーパネルの取り付けレール。
- 前記ソーラーパネルの取り付け部と前記不燃板を装着可能とする装着部の間に、上方に向かって開口を有した雨水を誘導する樋を設けたことを特徴とする請求項1乃至請求項3の何れか一項記載のソーラーパネルの取り付けレール。
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