JP2023056626A - 金属化樹脂フィルムのスリット加工法 - Google Patents
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Abstract
【課題】幅方向の片たるみを持つ場合でも金属化樹脂フィルムの搬送速度を低下させずに安定したスリット加工を可能にする金属化樹脂フィルムのスリット加工法を提供する。【解決手段】樹脂フィルム基材とその両面に形成された金属層とで構成される長尺かつ広幅の金属化樹脂フィルム1を巻出しローラから巻き出す工程と、ニップローラ3が接離可能に設けられた駆動ローラ4と案内ローラ群により金属化樹脂フィルム1をスリット装置まで搬送する搬送工程と、スリット装置に搬入された金属化樹脂フィルムを製品フィルムと廃棄フィルムに裁断するスリット工程と、製品フィルムと廃棄フィルムを回収する回収工程を有する金属化樹脂フィルムのスリット加工法において、駆動ローラ外周面の両端側近傍領域に滑り防止用テープ9を巻き付け、ニップローラの離反時における駆動ローラ上での金属化樹脂フィルムのスリップを防止するようにしたことを特徴とする。【選択図】図3
Description
本発明は、プリント配線板等の実装用基板として用いられる金属化樹脂フィルム(両面金属積層板)に係り、特に、長尺かつ広幅の金属化樹脂フィルムをスリット装置に搬入して複数の製品フィルムと廃棄フィルムに裁断する金属化樹脂フィルムのスリット加工法に関するものである。
この種の金属化樹脂フィルム(両面金属積層板)として、樹脂フィルム基材の両面に真空蒸着等の乾式めっき法により金属シード層(例えばニッケルクロム合金層)と銅等の金属薄膜層を形成した後、無電解めっき法若しくは電気めっき法等の湿式めっき法により銅等の厚膜金属層を形成してなるものが知られている(特許文献1~2参照)。
そして、プリント配線板等の実装用基板として用いる場合、まず、長尺かつ広幅の金属化樹脂フィルム(両面金属積層板)を製造し、外観検査を経た後、例えばギャングカット方式のスリット加工法により複数条の製品フィルムに加工して使用されている。
ところで、従来のスリット加工法に用いられる装置として、図1に示すように長尺かつ広幅の金属化樹脂フィルム1が巻回された巻出しローラ2と、駆動ローラ4と案内ローラ10a群から成り巻出しローラ2から巻き出された金属化樹脂フィルム1を搬送する搬送手段と、上刃51と下刃52を備えかつ搬入された金属化樹脂フィルム1を複数の製品フィルム1aと廃棄フィルム1bに裁断するスリット装置5と、裁断された製品フィルム1aをそれぞれ回収する巻取第一ローラ6および巻取第二ローラ7と、廃棄フィルム1bを回収するエッジバキュウーム8とでその主要部が構成されるものが知られている。
尚、図1中の符号10bは、搬送中における金属化樹脂フィルム1の張力を測定する張力測定ローラを示している。
しかし、従来のスリット加工法に用いられる上記装置においては、装置の構造上、金属化樹脂フィルム1を3m/min以上の速度で搬送した場合、駆動ローラ4上で金属化樹脂フィルム1がスリップし易いため、金属化樹脂フィルム1の金属層に傷がついてしまうことがあった。
そこで、図2に示すようにゴム製のニップローラ3を駆動ローラ4外周面に対して接離可能に設け、駆動ローラ4とニップローラ3間において金属化樹脂フィルム1を押圧しながら搬送させる仕様にすることで、金属化樹脂フィルム1の搬送速度10m/minでの操業を可能としている。
ところで、金属化樹脂フィルム(両面金属積層板)における製造ロットの個体差により、原料である樹脂フィルム基材に起因した幅方向の片たるみを持つものがあり、このような金属化樹脂フィルム(両面金属積層板)をスリット加工した場合、駆動ローラ4とニップローラ3間で金属化樹脂フィルム1が押圧された箇所において上記たるみを伸ばすことができずにフィルム皺を生じてしまうものがあった。
そして、このフィルム皺を無くすには、駆動ローラ4からニップローラ3を離反させ、金属化樹脂フィルム1を押圧せずに搬送するしかなかった。
しかし、ニップローラ3を駆動ローラ4から離反させた場合、ニップローラを備えない従来の装置と同様、3m/min以上の速度で金属化樹脂フィルム1を搬送させると駆動ローラ4上で金属化樹脂フィルム1がスリップし易くなり、金属化樹脂フィルム1の金属層に傷がつくためスリップしない速度まで搬送速度を低下させる必要があった。このため、搬送速度の低下により生産性が従来の1/3まで低下してしまう問題が存在した。
本発明はこのような問題点に着目してなされたもので、その課題とするところは、樹脂フィルム基材に起因した幅方向の片たるみを持つ場合においても、金属化樹脂フィルムの搬送速度を低下させることなく安定したスリット加工を可能とする金属化樹脂フィルムのスリット加工法を提供することにある。
そこで、駆動ローラからニップローラが離反した時でも駆動ローラ上での金属化樹脂フィルムのスリップが防止される方法について本発明者が鋭意研究を行った結果、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明に係る第1の発明は、
樹脂フィルム基材とその両面に形成された金属層とで構成される長尺かつ広幅の金属化樹脂フィルムが巻回された巻出しローラから金属化樹脂フィルムを巻き出す工程と、
ニップローラが接離可能に設けられた駆動ローラと案内ローラ群により上記巻出しローラから巻き出された金属化樹脂フィルムをスリット装置まで搬送する搬送工程と、
上記スリット装置に搬入された金属化樹脂フィルムを製品フィルムと廃棄フィルムに裁断するスリット工程と、
裁断された製品フィルムと廃棄フィルムをそれぞれ回収する回収工程と、
を有する金属化樹脂フィルムのスリット加工法において、
上記駆動ローラ外周面の両端側近傍領域に滑り防止用テープを巻き付け、上記ニップローラの離反時における駆動ローラ上での金属化樹脂フィルムのスリップを防止するようにしたことを特徴とする。
樹脂フィルム基材とその両面に形成された金属層とで構成される長尺かつ広幅の金属化樹脂フィルムが巻回された巻出しローラから金属化樹脂フィルムを巻き出す工程と、
ニップローラが接離可能に設けられた駆動ローラと案内ローラ群により上記巻出しローラから巻き出された金属化樹脂フィルムをスリット装置まで搬送する搬送工程と、
上記スリット装置に搬入された金属化樹脂フィルムを製品フィルムと廃棄フィルムに裁断するスリット工程と、
裁断された製品フィルムと廃棄フィルムをそれぞれ回収する回収工程と、
を有する金属化樹脂フィルムのスリット加工法において、
上記駆動ローラ外周面の両端側近傍領域に滑り防止用テープを巻き付け、上記ニップローラの離反時における駆動ローラ上での金属化樹脂フィルムのスリップを防止するようにしたことを特徴とする。
また、本発明に係る第2の発明は、
第1の発明に記載の金属化樹脂フィルムのスリット加工法において、
上記ニップローラの回転軸にエアシリンダーを取り付け、該エアシリンダーの直進移動により上記駆動ローラ外周面に対しニップローラが接離するようにしたことを特徴とし、
第3の発明は、
第1の発明または第2の発明に記載の金属化樹脂フィルムのスリット加工法における上記搬送工程において、
金属化樹脂フィルムの搬送速度が10m/minであることを特徴とし、
第4の発明は、
第1の発明~第3の発明のいずれかに記載の金属化樹脂フィルムのスリット加工法における上記スリット工程において、
フィルム幅570mmの金属化樹脂フィルムを、フィルム幅156mmの3本の製品フィルムと廃棄フィルムに裁断することを特徴とする。
第1の発明に記載の金属化樹脂フィルムのスリット加工法において、
上記ニップローラの回転軸にエアシリンダーを取り付け、該エアシリンダーの直進移動により上記駆動ローラ外周面に対しニップローラが接離するようにしたことを特徴とし、
第3の発明は、
第1の発明または第2の発明に記載の金属化樹脂フィルムのスリット加工法における上記搬送工程において、
金属化樹脂フィルムの搬送速度が10m/minであることを特徴とし、
第4の発明は、
第1の発明~第3の発明のいずれかに記載の金属化樹脂フィルムのスリット加工法における上記スリット工程において、
フィルム幅570mmの金属化樹脂フィルムを、フィルム幅156mmの3本の製品フィルムと廃棄フィルムに裁断することを特徴とする。
次に、本発明に係る第5の発明は、
第1の発明~第4の発明のいずれかに記載の金属化樹脂フィルムのスリット加工法において、
上記滑り防止用テープを巻き付ける駆動ローラ外周面の両端側近傍領域が、該駆動ローラ上を搬送される上記金属化樹脂フィルム両端部からフィルム幅8%~16%の廃棄領域に位置整合するようにしたことを特徴とし、
第6の発明は、
第1の発明~第5の発明のいずれかに記載の金属化樹脂フィルムのスリット加工法において、
テープ幅15mm、厚さ50μm~60μmのスプライシングテープで上記滑り防止用テープを構成し、かつ、上記駆動ローラ外周面の両端側近傍領域に巻き付けられたスプライシングテープを含む駆動ローラ径がスプライシングテープを含まない駆動ローラ径より300μm~400μm大きくなるようにしたことを特徴とし、
また、第7の発明は、
第1の発明~第6の発明のいずれかに記載の金属化樹脂フィルムのスリット加工法において、
上記樹脂フィルム基材が厚さ35μm~38μmのポリイミドフィルムで構成され、上記金属層が4μm~8μmの銅層で構成されると共に、上記金属化樹脂フィルムの厚さが39μm~50μmであることを特徴とする。
第1の発明~第4の発明のいずれかに記載の金属化樹脂フィルムのスリット加工法において、
上記滑り防止用テープを巻き付ける駆動ローラ外周面の両端側近傍領域が、該駆動ローラ上を搬送される上記金属化樹脂フィルム両端部からフィルム幅8%~16%の廃棄領域に位置整合するようにしたことを特徴とし、
第6の発明は、
第1の発明~第5の発明のいずれかに記載の金属化樹脂フィルムのスリット加工法において、
テープ幅15mm、厚さ50μm~60μmのスプライシングテープで上記滑り防止用テープを構成し、かつ、上記駆動ローラ外周面の両端側近傍領域に巻き付けられたスプライシングテープを含む駆動ローラ径がスプライシングテープを含まない駆動ローラ径より300μm~400μm大きくなるようにしたことを特徴とし、
また、第7の発明は、
第1の発明~第6の発明のいずれかに記載の金属化樹脂フィルムのスリット加工法において、
上記樹脂フィルム基材が厚さ35μm~38μmのポリイミドフィルムで構成され、上記金属層が4μm~8μmの銅層で構成されると共に、上記金属化樹脂フィルムの厚さが39μm~50μmであることを特徴とする。
本発明に係る金属化樹脂フィルムのスリット加工法によれば、
駆動ローラ外周面の両端側近傍領域に滑り防止用テープを巻き付け、ニップローラの離反時における駆動ローラ上での金属化樹脂フィルムのスリップを防止するようにしているため、樹脂フィルム基材に起因した幅方向の片たるみを持つ場合においても金属化樹脂フィルムの搬送速度を低下させることなく安定したスリット加工が可能となる効果を有する。
駆動ローラ外周面の両端側近傍領域に滑り防止用テープを巻き付け、ニップローラの離反時における駆動ローラ上での金属化樹脂フィルムのスリップを防止するようにしているため、樹脂フィルム基材に起因した幅方向の片たるみを持つ場合においても金属化樹脂フィルムの搬送速度を低下させることなく安定したスリット加工が可能となる効果を有する。
以下、本発明の実施形態について詳細に説明する。
1.金属化樹脂フィルム(両面金属積層板)
プリント配線板等の実装用基板として用いられる金属化樹脂フィルム(両面金属積層板)は、樹脂フィルム基材とその両面に形成された金属層とで構成されている。
プリント配線板等の実装用基板として用いられる金属化樹脂フィルム(両面金属積層板)は、樹脂フィルム基材とその両面に形成された金属層とで構成されている。
以下、金属化樹脂フィルム(両面金属積層板)として両面銅張積層板(金属層が銅層で構成された両面金属積層板)を例に挙げ、具体的に説明する。
(1)樹脂フィルム基材
樹脂フィルム基材の構成材料は特に限定されず、例えば、ポリイミド系フィルム、ポリアミド系フィルム、ポリエチレンテレフタレート(PET)やポリエチレンテレナフタレート(PEN)等のポリエステル系フィルム、ポリテトラフルオロエチレン系フィルム、ポリフェニレンサルファイド系フィルム、ポリエチレンナフタレート系フィルム、または、液晶ポリマー系フィルム等が挙げられる。
樹脂フィルム基材の構成材料は特に限定されず、例えば、ポリイミド系フィルム、ポリアミド系フィルム、ポリエチレンテレフタレート(PET)やポリエチレンテレナフタレート(PEN)等のポリエステル系フィルム、ポリテトラフルオロエチレン系フィルム、ポリフェニレンサルファイド系フィルム、ポリエチレンナフタレート系フィルム、または、液晶ポリマー系フィルム等が挙げられる。
(2)金属層
樹脂フィルム基材の両面に設けられる金属層は、真空蒸着等の乾式めっき法により形成された金属シード層および銅の金属薄膜層と、無電解めっき法若しくは電気めっき法等の湿式めっき法により形成された銅の厚膜金属層とで構成される。また、上記金属シード層は、樹脂フィルム基材と金属層との密着性、および、プリント配線板等の絶縁信頼性の向上に寄与し、このような金属シード層として、ニッケル、または、ニッケルにクロム、バナジウム、チタン、モリブデン、コバルトおよびタングステンの中から選択される1種以上の元素を添加したニッケル合金が例示される。
樹脂フィルム基材の両面に設けられる金属層は、真空蒸着等の乾式めっき法により形成された金属シード層および銅の金属薄膜層と、無電解めっき法若しくは電気めっき法等の湿式めっき法により形成された銅の厚膜金属層とで構成される。また、上記金属シード層は、樹脂フィルム基材と金属層との密着性、および、プリント配線板等の絶縁信頼性の向上に寄与し、このような金属シード層として、ニッケル、または、ニッケルにクロム、バナジウム、チタン、モリブデン、コバルトおよびタングステンの中から選択される1種以上の元素を添加したニッケル合金が例示される。
2.スリット加工法に用いられる装置
本発明のスリット加工法に用いられる装置は、図2に示すように、スリット装置5と、該スリット装置5の上流側に配置された巻出しローラ2と、上記スリット装置5の下流側に配置された巻取第一ローラ6並びに巻取第二ローラ7とエッジバキューム8とでその主要部が構成され、上記スリット装置5の上流側に長尺かつ広幅の金属化樹脂フィルム1をスリット装置5まで搬送する搬送手段を備えると共に、上記スリット装置5の下流側にもスリット装置5から搬出される製品フィルムと廃棄フィルムを上記巻取第一ローラ6並びに巻取第二ローラ7とエッジバキューム8まで搬送する搬送手段を備えている。
本発明のスリット加工法に用いられる装置は、図2に示すように、スリット装置5と、該スリット装置5の上流側に配置された巻出しローラ2と、上記スリット装置5の下流側に配置された巻取第一ローラ6並びに巻取第二ローラ7とエッジバキューム8とでその主要部が構成され、上記スリット装置5の上流側に長尺かつ広幅の金属化樹脂フィルム1をスリット装置5まで搬送する搬送手段を備えると共に、上記スリット装置5の下流側にもスリット装置5から搬出される製品フィルムと廃棄フィルムを上記巻取第一ローラ6並びに巻取第二ローラ7とエッジバキューム8まで搬送する搬送手段を備えている。
まず、上記スリット装置5には、巻出しローラ2から巻き出される長尺かつ広幅の金属化樹脂フィルム1を狭幅の第一製品フィルム1a並びに第二製品フィルム1aと廃棄フィルム1bに裁断する上刃51と下刃52が組み込まれている。
また、スリット装置5の上流側には、長尺かつ広幅の金属化樹脂フィルム1が巻回された巻出しローラ2と、該巻出しローラ2とスリット装置5との間に設けられ上記搬送手段の一部を構成する案内ローラ10a群と、同じく搬送手段の一部を構成する駆動ローラ4と該駆動ローラ4外周面に接離可能に設けられたゴム製ニップローラ3が配置されており、かつ、図3に示すように上記駆動ローラ4外周面の両端側近傍領域には滑り防止用テープ9が巻き付けられていると共に、上記ゴム製ニップローラ3の回転軸30にはエアシリンダー31が取り付けられ、該エアシリンダー31の直進移動でニップローラ3が駆動ローラ4外周面に接離するようになっている。
他方、スリット装置5の下流側には、該スリット装置5から搬出される第一製品フィルム1aと第二製品フィルム1aをそれぞれ回収する巻取第一ローラ6と巻取第二ローラ7、および、同じくスリット装置5から搬出される廃棄フィルム1bを回収するエッジバキューム8が配置され、かつ、スリット装置5と巻取第一ローラ6並びに巻取第二ローラ7との間には上記搬送手段の一部を構成する案内ローラ10a群が設けられていると共に、スリット装置5とエッジバキューム8との間にも上記搬送手段の一部を構成する案内ローラ10a群とニップローラ21および駆動ローラ22が配置されている。
尚、図2中の符号10bは、従来のスリット加工法に用いられる装置と同様、搬送中における金属化樹脂フィルム1の張力を測定する張力測定ローラを示している。
3.滑り防止用テープ
上記駆動ローラ外周面の両端側近傍領域に巻き付けられる滑り防止用テープは、駆動ローラよりも摩擦力が大きい材料で構成され、テープ幅15mm、厚さ50μm~60μmのスプライシングテープ等が例示され、具体的には、ポリエステルフィルムとシリコーン系粘着剤で構成された寺岡製作所製の商品名「スプライシングテープ♯642」が挙げられる。
上記駆動ローラ外周面の両端側近傍領域に巻き付けられる滑り防止用テープは、駆動ローラよりも摩擦力が大きい材料で構成され、テープ幅15mm、厚さ50μm~60μmのスプライシングテープ等が例示され、具体的には、ポリエステルフィルムとシリコーン系粘着剤で構成された寺岡製作所製の商品名「スプライシングテープ♯642」が挙げられる。
また、滑り防止用テープとしてテープ幅15mm、厚さ50μm~60μmのスプライシングテープが適用された場合、図3に示すように、滑り防止用テープ(スプライシングテープ)9を含む駆動ローラ4径(符号42参照)が滑り防止用テープ(スプライシングテープ)9を含まない駆動ローラ4径(符号41参照)より300μm~400μm大きくなるようにするとよい。300μm未満の場合、搬送速度に追従しなくなって長尺金属化樹脂フィルム1のスリップを確実に防止することが難しくなるからである。また、400μmを超えた場合、広幅金属化樹脂フィルム1における端部の変形が大きくなって製品フィルムのエリアに搬送皺が発生し易くなるからである。
また、上記滑り防止用テープ9が巻き付けられる駆動ローラ4外周面の両端側近傍領域については、図3に示すように、駆動ローラ4上を搬送される金属化樹脂フィルム1両端部からフィルム幅8%~16%の廃棄領域αに位置整合させるとよい。滑り防止用テープ9に接した金属化樹脂フィルム1表面にテープ跡が付いて外観が不良となり、スリット加工後に廃棄される廃棄領域αとなるため、該廃棄領域αに位置整合させることで製品フィルムの無駄を防止できるからである。
4.本発明に係る金属化樹脂フィルムのスリット加工法
(1)樹脂フィルム基材に起因した幅方向の片たるみを持たない金属化樹脂フィルム1をスリット加工する場合、
図2に示すニップローラ3を駆動ローラ4に圧接させ、駆動ローラ4とニップローラ3間において金属化樹脂フィルム1を押圧しながら搬送させることで金属化樹脂フィルム1の搬送速度10m/minでの操業を可能にさせる利点を有する。
(1)樹脂フィルム基材に起因した幅方向の片たるみを持たない金属化樹脂フィルム1をスリット加工する場合、
図2に示すニップローラ3を駆動ローラ4に圧接させ、駆動ローラ4とニップローラ3間において金属化樹脂フィルム1を押圧しながら搬送させることで金属化樹脂フィルム1の搬送速度10m/minでの操業を可能にさせる利点を有する。
(2)樹脂フィルム基材に起因した幅方向の片たるみを持つ金属化樹脂フィルム1をスリット加工する場合、
図2に示すようにニップローラ3を駆動ローラ4から離反させても、駆動ローラ4外周面の両端側近傍領域に滑り防止用テープ9が巻き付けられて駆動ローラ4上での金属化樹脂フィルム1のスリップが防止されるため、金属化樹脂フィルム1の搬送速度10m/minでの操業を可能にさせる利点を有する。
図2に示すようにニップローラ3を駆動ローラ4から離反させても、駆動ローラ4外周面の両端側近傍領域に滑り防止用テープ9が巻き付けられて駆動ローラ4上での金属化樹脂フィルム1のスリップが防止されるため、金属化樹脂フィルム1の搬送速度10m/minでの操業を可能にさせる利点を有する。
以下、本発明の実施例について具体的に説明する。
(1)長尺かつ広幅の金属化樹脂フィルム
厚さ35μmのポリイミドフィルム(樹脂フィルム基材)と厚さ4μmの銅層(金属層)とで構成されたフィルム幅570mm、厚さ39μmの長尺金属化樹脂フィルムを処理対象とし、スリット装置5を備えた図2の装置を用いてフィルム幅156mmの3本の製品フィルムと廃棄フィルムに裁断するスリット加工を行った。
厚さ35μmのポリイミドフィルム(樹脂フィルム基材)と厚さ4μmの銅層(金属層)とで構成されたフィルム幅570mm、厚さ39μmの長尺金属化樹脂フィルムを処理対象とし、スリット装置5を備えた図2の装置を用いてフィルム幅156mmの3本の製品フィルムと廃棄フィルムに裁断するスリット加工を行った。
(2)滑り防止用テープと駆動ローラ
滑り防止用テープ9として、テープ幅15mm、厚さ50μm~60μmの寺岡製作所製商品名「スプライシングテープ♯642」を使用した。
滑り防止用テープ9として、テープ幅15mm、厚さ50μm~60μmの寺岡製作所製商品名「スプライシングテープ♯642」を使用した。
また、滑り防止用テープ9を巻き付ける駆動ローラ4外周面の両端側近傍領域については、駆動ローラ4上を搬送される金属化樹脂フィルム1両端部から40mm~50mmの廃棄領域αに位置整合させ、かつ、図3に示すように、滑り防止用テープ9を含む駆動ローラ4径(符号42参照)が滑り防止用テープ9を含まない駆動ローラ4径(符号41参照)より300μm~400μm大きくなるように滑り防止用テープ9の巻き付け数を調整した。
(3)金属化樹脂フィルムの搬送条件
巻出しローラ2から巻き出される金属化樹脂フィルム1の巻出張力を40N~60Nに設定し、かつ、巻取第一ローラ6と巻取第二ローラ7にそれぞれ巻き取られる第一製品フィルム1aと第二製品フィルム1aの巻取張力も40N~60Nに設定した。
巻出しローラ2から巻き出される金属化樹脂フィルム1の巻出張力を40N~60Nに設定し、かつ、巻取第一ローラ6と巻取第二ローラ7にそれぞれ巻き取られる第一製品フィルム1aと第二製品フィルム1aの巻取張力も40N~60Nに設定した。
(3-1)そして、樹脂フィルム基材に起因した幅方向の片たるみを持たない金属化樹脂フィルム1を処理対象に選定し、かつ、エアシリンダー31を作動させてニップローラ3を駆動ローラ4に圧接させると共に、駆動ローラ4とニップローラ3間において金属化樹脂フィルム1を押圧しながら搬送させてスリット加工を行ったところ、フィルム皺を起こすことなく搬送速度10m/minの条件でスリット加工を行えることが確認された。
(3-2)次に、樹脂フィルム基材に起因した幅方向の片たるみを持つ金属化樹脂フィルム1を処理対象に選定し、かつ、エアシリンダー31を作動させてニップローラ3を駆動ローラ4から離反させると共に、滑り防止用テープ9が巻き付けられた駆動ローラ4で金属化樹脂フィルム1を搬送させてスリット加工を行ったところ、フィルム皺を起こすことなく搬送速度10m/minの条件でスリット加工を行えることも確認された。
本発明に係る金属化樹脂フィルムのスリット加工法によれば、樹脂フィルム基材に起因した幅方向の片たるみを持つ場合においても金属化樹脂フィルムの搬送速度を低下させることなく安定したスリット加工が可能なため、プリント配線板等の実装用基板として用いられる両面銅張積層板の製造に用いられる産業上の利用可能性を有している。
α 廃棄領域
1 金属化樹脂フィルム
1a 製品フィルム
1b 廃棄フィルム
2 巻出しローラ
3 ニップローラ
30 回転軸
31 エアシリンダー
4 駆動ローラ
41 スプライシングテープを含まない駆動ローラ径
42 スプライシングテープを含む駆動ローラ径
5 スリット装置
51 上刃
52 下刃
6 巻取第一ローラ
7 巻取第二ローラ
8 エッジバキューム
9 滑り防止用テープ
10a 案内ローラ
10b 張力測定ローラ
21 ニップローラ
22 駆動ローラ
1 金属化樹脂フィルム
1a 製品フィルム
1b 廃棄フィルム
2 巻出しローラ
3 ニップローラ
30 回転軸
31 エアシリンダー
4 駆動ローラ
41 スプライシングテープを含まない駆動ローラ径
42 スプライシングテープを含む駆動ローラ径
5 スリット装置
51 上刃
52 下刃
6 巻取第一ローラ
7 巻取第二ローラ
8 エッジバキューム
9 滑り防止用テープ
10a 案内ローラ
10b 張力測定ローラ
21 ニップローラ
22 駆動ローラ
Claims (7)
- 樹脂フィルム基材とその両面に形成された金属層とで構成される長尺かつ広幅の金属化樹脂フィルムが巻回された巻出しローラから金属化樹脂フィルムを巻き出す工程と、
ニップローラが接離可能に設けられた駆動ローラと案内ローラ群により上記巻出しローラから巻き出された金属化樹脂フィルムをスリット装置まで搬送する搬送工程と、
上記スリット装置に搬入された金属化樹脂フィルムを製品フィルムと廃棄フィルムに裁断するスリット工程と、
裁断された製品フィルムと廃棄フィルムをそれぞれ回収する回収工程と、
を有する金属化樹脂フィルムのスリット加工法において、
上記駆動ローラ外周面の両端側近傍領域に滑り防止用テープを巻き付け、上記ニップローラの離反時における駆動ローラ上での金属化樹脂フィルムのスリップを防止するようにしたことを特徴とする金属化樹脂フィルムのスリット加工法。 - 上記ニップローラの回転軸にエアシリンダーを取り付け、該エアシリンダーの直進移動により上記駆動ローラ外周面に対しニップローラが接離するようにしたことを特徴とする請求項1に記載の金属化樹脂フィルムのスリット加工法。
- 上記搬送工程において、金属化樹脂フィルムの搬送速度が10m/minであることを特徴とする請求項1または2に記載の金属化樹脂フィルムのスリット加工法。
- 上記スリット工程において、フィルム幅570mmの金属化樹脂フィルムを、フィルム幅156mmの3本の製品フィルムと廃棄フィルムに裁断することを特徴とする請求項1~3のいずれかに記載の金属化樹脂フィルムのスリット加工法。
- 上記滑り防止用テープを巻き付ける駆動ローラ外周面の両端側近傍領域が、該駆動ローラ上を搬送される上記金属化樹脂フィルム両端部からフィルム幅8%~16%の廃棄領域に位置整合するようにしたことを特徴とする請求項1~4のいずれかに記載の金属化樹脂フィルムのスリット加工法。
- テープ幅15mm、厚さ50μm~60μmのスプライシングテープで上記滑り防止用テープを構成し、かつ、上記駆動ローラ外周面の両端側近傍領域に巻き付けられたスプライシングテープを含む駆動ローラ径がスプライシングテープを含まない駆動ローラ径より300μm~400μm大きくなるようにしたことを特徴とする請求項1~5のいずれかに記載の金属化樹脂フィルムのスリット加工法。
- 上記樹脂フィルム基材が厚さ35μm~38μmのポリイミドフィルムで構成され、上記金属層が4μm~8μmの銅層で構成されると共に、上記金属化樹脂フィルムの厚さが39μm~50μmであることを特徴とする請求項1~6のいずれかに記載の金属化樹脂フィルムのスリット加工法。
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Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP2021165947A Pending JP2023056626A (ja) | 2021-10-08 | 2021-10-08 | 金属化樹脂フィルムのスリット加工法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2023056626A (ja) |
-
2021
- 2021-10-08 JP JP2021165947A patent/JP2023056626A/ja active Pending
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