JP2023054932A - 回転ガントリーの整線装置、回転ガントリーの整線方法および粒子線治療システム - Google Patents

回転ガントリーの整線装置、回転ガントリーの整線方法および粒子線治療システム Download PDF

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康弘 湯口
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希代彦 北川
Kiyohiko Kitagawa
慶重 信岡
Yoshishige Nobuoka
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Abstract

【課題】ケーブルの乱巻き状態を抑制しつつ、ケーブルの摩耗を抑制することができる回転ガントリーの整線技術を提供する。【解決手段】回転ガントリーの整線装置40は、粒子線ビーム7を照射する照射ノズル13と照射ノズル13に粒子線ビーム7を輸送する輸送部14とを支持して水平方向を向く水平軸9を中心に回転する回転ガントリー5と、一端が回転ガントリー5に接続されて他端が静止している装置30に接続されている複数のケーブル22と、回転ガントリー5に設けられ、ケーブル22の巻き取りまたは繰り出しを行うスプール23と、スプール23の下方位置で横方向に掛け渡され、かつ静止した状態で設けられ、スプール23から垂れ下がる複数のケーブル22を仕切る複数の整線ワイヤー41を備える。【選択図】図4

Description

本発明の実施形態は、回転ガントリーの整線技術に関する。
粒子線治療システムにおいて、回転ガントリーの治療台を採用すると、患者が静止した状態で粒子線を照射できるため、固定治療台に比べて患者の負担が軽減される。しかし、回転ガントリーには多くの機器が組み込まれ、これらの機器は回転ガントリーと一緒に回転する。そこで、電源、制御、通信のために必要な多くのケーブルを、回転ガントリーと静止している外部の機器との間で接続する必要がある。回転ガントリーでは、その回転の度にスプールに対するケーブルの巻き取りまたは繰り出しが行われる。
しかし、多くのケーブルが設けられていると、乱巻き状態になる場合がある。そこで、ケーブルの乱巻き状態を未然に防ぐ技術が知られている。例えば、平板または棒材のセパレータで複数のケーブルを個別に仕切るものがある。しかし、セパレータが平板または棒材などの剛性を有する部材であると、これらのセパレータにケーブルが擦れてしまい、ケーブルが摩耗してしまうおそれがある。
特開2014-147451号公報
本発明が解決しようとする課題は、ケーブルの乱巻き状態を抑制しつつ、ケーブルの摩耗を抑制することができる回転ガントリーの整線技術を提供することである。
本発明の実施形態に係る回転ガントリーの整線装置は、粒子線ビームを照射する照射ノズルと前記照射ノズルに前記粒子線ビームを輸送する輸送部とを支持して水平方向を向く水平軸を中心に回転する回転ガントリーと、一端が前記回転ガントリーに接続されて他端が静止している装置に接続されている複数のケーブルと、前記回転ガントリーに設けられ、前記ケーブルの巻き取りまたは繰り出しを行うスプールと、前記スプールの下方位置で横方向に掛け渡され、かつ静止した状態で設けられ、前記スプールから垂れ下がる複数の前記ケーブルを仕切る複数の整線ワイヤーと、を備える。
本発明の実施形態により、ケーブルの乱巻き状態を抑制し、かつケーブルの摩耗を抑制することができる回転ガントリーの整線技術が提供される。
第1実施形態の粒子線治療システムの全体構成を示す平面図。 回転ガントリーを示す側面図。 回転ガントリーのスプールを示す側面図。 図3のIV-IV断面に対応する回転ガントリーの背面図。 整線板を示す斜視図。 整線ワイヤーと整線板を示す平面図。 ツバリングを示す側面図。 回転ガントリーのスプールを示す平面図。 回転ガントリーの整線方法を示すフローチャート。 第2実施形態の回転ガントリーの整線装置を示す平面図。 第3実施形態の回転ガントリーの整線装置を示す平面図。 第4実施形態の回転ガントリーの整線装置を示す背面図。
(第1実施形態)
以下、図面を参照しながら、粒子線治療システムおよび回転ガントリーの実施形態について詳細に説明する。まず、第1実施形態について図1から図9を用いて説明する。なお、図2、図3、図6から図8の紙面左側を回転ガントリーの正面側(前方側)とし、紙面右側を回転ガントリーの背面側(後方側)として説明する。図面では、直交座標系において、回転ガントリーの軸方向をZ方向とした場合に、これに直交する垂直方向(上下方向)をY方向とし、これらに直交する水平方向をX方向として図示している。なお、X方向およびY方向を回転ガントリーの径方向と称する場合がある。さらに、回転ガントリーの外周面に沿って軸回りに回転する方向を周方向と称する場合がある。
図1の符号1は、本実施形態の粒子線治療システムである。この粒子線治療システム1では、炭素イオンなどの粒子線ビームを被検体としての患者の病巣組織(がん)に照射して治療を行う。
粒子線治療システム1を用いた放射線治療技術は、重粒子線がん治療技術などとも称される。この技術は、がん病巣(患部)を炭素イオンがピンポイントで狙い撃ちし、がん病巣にダメージを与えながら、正常細胞へのダメージを最小限に抑えることが可能とされる。なお、粒子線とは、放射線のなかでも電子より重いものと定義され、陽子線、重粒子線などが含まれる。このうち重粒子線は、ヘリウム原子より重いものと定義される。
重粒子線を用いるがん治療では、従来のエックス線、ガンマ線、陽子線を用いたがん治療と比較してがん病巣を殺傷する能力が高く、患者の体の表面では放射線量が弱く、がん病巣において放射線量がピークになる特性を有している。そのため、照射回数と副作用を少なくすることができ、治療期間をより短くすることができる。
図1に示すように、粒子線治療システム1は、ビーム発生器2と円形加速器3とビーム輸送ライン4と回転ガントリー5とを備える。
ビーム発生器2は、荷電粒子である炭素イオンのイオン源を有し、この炭素イオンによって粒子線ビーム7(図2)を生成する。円形加速器3は、平面視でリング状を成し、ビーム発生器2で生成された粒子線ビーム7を加速する。ビーム輸送ライン4は、円形加速器3で加速された粒子線ビーム7を回転ガントリー5に輸送する。回転ガントリー5には、粒子線ビーム7が照射される患者8(図2)が配置される。
この粒子線治療システム1では、まず、ビーム発生器2で生成された炭素イオンの粒子線ビーム7が、ビーム発生器2から円形加速器3に入射される。この粒子線ビーム7は、円形加速器3を約百万回周回する間に光速の約70%まで加速される。そして、この粒子線ビーム7がビーム輸送ライン4を介して回転ガントリー5まで導かれる。
ビーム発生器2と円形加速器3とビーム輸送ライン4は、内部が真空にされる真空ダクト6(ビームパイプ)を備える。この真空ダクト6の内部を粒子線ビーム7が進行する。ビーム発生器2と円形加速器3とビーム輸送ライン4が有する真空ダクト6が一体となり、粒子線ビーム7を回転ガントリー5まで導く輸送経路が形成される。つまり、真空ダクト6は、粒子線ビーム7を通過させるために、充分な真空度を有する密閉された連続空間である。
図2の断面図に示すように、回転ガントリー5は、円筒形状を成す大型の装置である。この回転ガントリー5は、その円筒の軸9が水平方向を向くように設置される。この水平軸9を中心として回転ガントリー5が回転可能となっている。
回転ガントリー5は、粒子線治療システム1が設けられている治療施設を構成する建屋の躯体10に支持されている。例えば、この回転ガントリー5の本体部の前部と後部には、エンドリング11が固定されている。これらのエンドリング11の下方位置には、エンドリング11を回転可能な状態で支持し、かつ駆動モータを備える回転駆動部12が設けられている。これらの回転駆動部12は、躯体10に支持されている。回転駆動部12の駆動力は、エンドリング11を介して回転ガントリー5に与えられ、回転ガントリー5が水平軸9周りに回転される。
回転ガントリー5には、ビーム輸送ライン4(図1)から延びる真空ダクト6が設けられている。真空ダクト6は、まず、回転ガントリー5の後方側からその水平軸9に沿って内部に導かれる。そして、真空ダクト6は、回転ガントリー5の外周面よりも外側に向けて一旦延びた後、再び回転ガントリー5の内側に向けて延びる。この真空ダクト6の先端部は、患者8に近接する位置まで延びる。
なお、特に図示はしないが、真空ダクト6において、回転ガントリー5の水平軸9に沿う部分には、所定の回転機構が設けられている。真空ダクト6は、この回転機構よりも外側の部分が静止した状態であり、この回転機構よりも内側の部分が回転ガントリー5の回転とともに回転するようになっている。
また、回転ガントリー5には、粒子線ビーム7を患者8に向けて照射する照射ノズル13と、この照射ノズル13に粒子線ビーム7を輸送する輸送部14とが設けられている。つまり、照射ノズル13と輸送部14は、回転ガントリー5に支持されている。
さらに、輸送部14は、粒子線ビーム7を輸送する経路を形成する磁場を発生させる超電導電磁石15を備えている。これらの超電導電磁石15は、例えば、真空ダクト6に沿って粒子線ビーム7の進行方向を変更する偏向電磁石、または、粒子線ビーム7の収束および発散を制御する四極電磁石などである。
照射ノズル13は、真空ダクト6の先端部に設けられ、輸送部14により導かれた粒子線ビーム7を患者8に向けて照射する。この照射ノズル13は、回転ガントリー5の内周面に固定されている。なお、粒子線ビーム7は、照射ノズル13から水平軸9に対して直交する方向に照射される。
回転ガントリー5の内部には、粒子線治療を行う治療空間16が設けられる。患者8は、この治療空間16に設けられた治療台17に載置される。この治療台17は、患者8を載置した状態で移動可能となっている。この治療台17の移動によって患者8を粒子線ビーム7の照射位置に移動させて位置合わせを行うことができる。そのため、患者8の病巣組織など、適切な部位に粒子線ビーム7を照射することができる。
患者8は水平軸9の位置に配置され、回転ガントリー5を回転させることで、静止している患者8を中心として照射ノズル13を回転させることができる。例えば、患者8(水平軸9)を中心として照射ノズル13を、背面視で時計回り(右回り)または反時計回り(左回り)に185度ずつ回転させることができる。そして、患者8の周囲のいずれの方向からも粒子線ビーム7を照射させることができる。つまり、回転ガントリー5は、ビーム輸送ライン4により導かれた粒子線ビーム7の患者8に対する照射方向を変更可能な装置である。そのため、患者8の負担を軽減しつつ、適切な方向から粒子線ビーム7をより高い精度で患部に照射することができる。
粒子線ビーム7は、患者8の体内を通過する際に運動エネルギーを失って速度が低下するとともに、速度の二乗にほぼ反比例する抵抗を受け、ある一定の速度まで低下すると急激に停止する。この粒子線ビーム7の停止点はブラッグピークと呼ばれ、高エネルギーが放出される。粒子線治療システム1は、このブラッグピークを患者8の病巣組織(患部)の位置に合わせることにより、正常組織のダメージを抑えつつ、病巣組織のみを死滅させることができる。
回転ガントリー5の内部に設けられた治療空間16は、回転ガントリー5の正面側にある治療室18と一体を成すように形成されている。なお、治療台17は、静止している治療室18の床19に固定されている。つまり、回転ガントリー5および照射ノズル13が回転されても、治療台17の位置は変化しないようになっている。
回転ガントリー5の外周面において、輸送部14が設けられた部分の反対側には、カウンターウエイト20が固定されている。このカウンターウエイト20は、回転ガントリー5と中心として輸送部14とのバランスをとるために設けられている。つまり、カウンターウエイト20の重量は、輸送部14の重量に対応して設定されている。また、回転ガントリー5の下方位置には、躯体10に凹状に形成され、回転ガントリー5の回転とともに、カウンターウエイト20が通過可能なウエイトピット21が設けられている。
さらに、回転ガントリー5には、外部から複数のケーブル22が導かれている。これらのケーブル22は、例えば、給電ケーブル、信号線、冷却材用フレキシブルホースなどであり、回転ガントリー5に設けられた所定の機器に対して電力を供給したり、制御信号を伝達したりするために設けられている。これらのケーブル22には、輸送部14が有する超電導電磁石15に冷却材を供給するフレキシブルホースが含まれている。
回転ガントリー5の後部には、回転ガントリー5の回転とともに、ケーブル22の巻き取りまたは繰り出しを行うスプール23が設けられている。なお、スプール23の軸は、回転ガントリー5の水平軸9と一致している。
スプール23の下方位置には、躯体10に凹状に形成され、スプール23から垂れ下がるケーブル22を配置可能なケーブルピット24が設けられている。ケーブルピット24のX方向の幅寸法は、スプール23の直径よりも大きくなるように設定される。
図3の断面図に示すように、スプール23は、回転ガントリー5の後部から後方に向かって突出して設けられている。このスプール23は、円筒形状を成す部分であり、回転ガントリー5の本体部の直径よりも小径を成すように形成されている。このスプール23は、円盤状を成す1枚のフランジ25と、円盤状を成す複数のツバリング26と、ケーブル22を保持する凹状を成す複数のレーン27(図7)とを備える。
フランジ25は、スプール23の後端部に設けられている。複数のツバリング26は、フランジ25と回転ガントリー5との間で軸方向(Z方向)に並んで配置されている。これらのツバリング26は、フランジ25の直径よりも小径を成すように形成されている。また、最もフランジ25に近接している後側のツバリング26は、フランジ25から離間された位置に設けられている。複数のレーン27(図7)は、それぞれのツバリング26の間に形成されている。
図7の断面図に示すように、それぞれのレーン27には、複数のケーブル22が収容される。例えば、1つのレーン27に対して、2~3本のケーブル22が収容されている。なお、1つのレーン27に対して、4本以上のケーブル22が収容されても良い。
スプール23の周方向にケーブル22が巻き回された場合には、ツバリング26およびレーン27の配置に合わせて、複数のケーブル22が、スプール23の軸方向(Z方向)に並んで配置されるとともに、スプール23の径方向(X方向およびY方向)に並んで配置される。また、スプール23からケーブル22が垂れ下がる場合には、複数のケーブル22が、スプール23の軸方向(Z方向)に並んで配置されるとともに、水平方向(X方向)に並んで配置される(図6)。
なお、それぞれのレーン27の幅は、収容されるケーブル22の本数または太さに応じて、それぞれ異なっていても良い。また、1つのレーン27に対して、種類または太さが異なる複数のケーブル22が収容されても良い。
それぞれのツバリング26の周面28において、その両角部が切り欠かれて面取部29(ベベル)が形成されている。つまり、ツバリング26の周縁に面取りされた面取部29が形成されている。このようにすれば、ケーブル22がレーン27に収容されるときに、ケーブル22がツバリング26に引っ掛かり難くなり、ツバリング26への引っ掛かりによって生じるケーブル22への摩擦または張力を低減させることができ、乱巻きを抑制することができる。
例えば、面取部29は、ツバリング26の突出方向に対して約45°の傾きを有する傾斜面となっている。これらの面取部29が設けられることで、レーン27の間口が広がるようになり、ケーブル22がスムーズにレーン27に収容されるようになる。
なお、面取部29が設けられる場合でも、ツバリング26の周面28の一部は残されている。例えば、ツバリング26の先端の周面28が残されている。このようにすれば、仮に、ケーブル22がツバリング26に引っ掛かった場合でも、ケーブル22が切断されたり、ケーブル22が摩耗したりすることを抑制できる。
図4に示すように、それぞれのケーブル22は、一端が回転ガントリー5のスプール23に接続されて他端が静止している固定装置30に接続されている。固定装置30は、例えば、躯体10に固定されている。複数のケーブル22は、例えば、電力を供給する電力線、制御信号を伝達する信号線、冷却材を供給するフレキシブルホースなどで構成されている。固定装置30は、例えば、電源、ターミナルブロック、冷却材供給用ポンプなどで構成されている。なお、図4は回転ガントリー5の背面図であるが、理解を助けるために、回転ガントリー5の本体部、回転駆動部12、輸送部14などの図示を省略している。
ケーブル22の一端は、スプール23に形成された貫通部31を介して回転ガントリー5の内部に導入される。そして、ケーブル22は、回転ガントリー5に設けられた超電導電磁石15(図2)などの機器に接続される。なお、ケーブル22の一端は、貫通部31の部分に固定されている。それぞれのケーブル22は、固定された貫通部31の部分からスプール23の外周に沿って周方向に巻き回される。
本実施形態では、ケーブル22としてフレキシブルホースを例示して説明する。フレキシブルホースは、内部が中空であり(図7)、液体ヘリウムまたは液体窒素などの冷却材を超電導電磁石15(図2)に供給するために設けられている。このフレキシブルホースは、金属製のワイヤーが編み込まれて耐圧性を高めた耐圧ホースとなっており、所定の圧力で冷却材を供給することができる。
図3および図4に示すように、複数のケーブル22は、第1群G1と第2群G2とに分けられている。第1群G1と第2群G2とは、ケーブル22の種類毎に分けても良いし、ケーブル22の接続先となる機器毎に分けても良い。これに合わせて、第1群G1の複数のケーブル22が巻き回される複数のツバリング26と、第2群G2の複数のケーブル22が巻き回される複数のツバリング26とが設けられている。
第1群G1のケーブル22と第2群G2のケーブル22とは、スプール23に巻き回される方向が異なっている。例えば、背面視において、回転ガントリー5が反時計回りに回転した場合に、第1群G1のケーブル22がスプール23に巻き取られ、第2群G2のケーブル22がスプール23から繰り出される。一方、回転ガントリー5が時計回りに回転した場合に、第1群G1のケーブル22がスプール23から繰り出され、第2群G2のケーブル22がスプール23に巻き取られる。
なお、図4では、理解を助けるために、第1群G1のケーブル22のみを図示し、第2群G2のケーブル22の図示を省略している。実際の背面視では、スプール23から垂れ下がる第1群G1のケーブル22と第2群G2のケーブル22とがケーブルピット24で交差して見える。
本実施形態の粒子線治療システム1には、回転ガントリー5の整線装置40が設けられている。この整線装置40は、複数の整線ワイヤー41と複数の整線板42とを備える。ここで、整線ワイヤー41同士の間および整線板42同士の間をケーブル22が通過する。この整線装置40は、複数のケーブル22を整線し、ケーブル22の乱巻き状態を抑制しつつ、ケーブル22の摩耗を抑制するために設けられている。
整線ワイヤー41および整線板42は、第1群G1のケーブル22を整線するためのものと、第2群G2のケーブル22を整線するためのものとが設けられている。なお、図4では、理解を助けるために、第1群G1の整線ワイヤー41および整線板42のみを図示し、第2群G2の整線ワイヤー41および整線板42の図示を省略している。整線ワイヤー41および整線板42は、第1群G1のものと第2群G2のものとで同一構成であり、回転ガントリー5を中心として左右対称の配置となっている。例えば、実際の背面視では、第1群G1と第2群G2の整線ワイヤー41がX字状に交差して張られているように見える。
複数の整線ワイヤー41は、スプール23の下方位置で横方向に掛け渡され、かつ静止した状態で設けられている。これらの整線ワイヤー41は、スプール23から垂れ下がる複数のケーブル22を仕切るために設けられている。このようにすれば、ケーブル22の乱巻き状態を抑制し、かつケーブル22の摩耗を抑制することができる。例えば、整線ワイヤー41が撓るため、ケーブル22の摩耗を抑制することができる。
それぞれの整線ワイヤー41は、それぞれのツバリング26に対応する位置に設けられ、かつツバリング26が並ぶ方向に配列されている。このようにすれば、軸方向に並ぶ複数のケーブル22を仕切ることができる。
例えば、図6に示すように、複数の整線ワイヤー41は、互いに平行を成すように張られている。それぞれの整線ワイヤー41の間にケーブル22が配置される。それぞれの整線ワイヤー41の配置は、ツバリング26の配置に合わせて設定される。つまり、整線ワイヤー41同士の間に配置されるケーブル22の束は、レーン27に収容されるケーブル22の束に対応している。ケーブル22の巻き取りまたは繰り出しを行う際には、ケーブル22が整線ワイヤー41に沿って仕切られるため、乱巻きが抑制される。
図4に示すように、ケーブルピット24が形成されている躯体10には、ケーブルピット24から上方に延びるワイヤー用架台43が固定されている。例えば、1本の整線ワイヤー41に対してX方向に離間された左右一対のワイヤー用架台43が設けられる。これらのワイヤー用架台43に整線ワイヤー41の一端と他端が固定される。
整線ワイヤー41は、水平方向に対して傾いた状態で張られている。このようにすれば、垂直方向に垂れ下がるケーブル22に対して斜めに整線ワイヤー41が接触されるため、整線ワイヤー41がケーブル22に擦れるときの抵抗を低減させることができる。これによりケーブル22の摩耗または乱巻きが生じることを低減させることができる。
また、スプール23をケーブル22が垂れ下がる側の半円と反対側の半円とに分けたときに、整線ワイヤー41は、ケーブル22が垂れ下がる側が高く、他の側が低くなるように傾いている。このようにすれば、ケーブル22が整線ワイヤー41に接触するときの角度が小さくなり、ケーブル22が整線ワイヤー41に緩やかに接触するようになり、整線ワイヤー41がケーブル22に擦れるときの抵抗を低減させることができる。
さらに、整線ワイヤー41は、ツバリング26に近接する位置に設けられ、かつツバリング26の周縁の接線方向に延びている。このようにすれば、ケーブル22がツバリング26による保持を失う部分で、整線ワイヤー41によりケーブル22を案内することができる。そのため、ケーブル22に想定以上の摩擦または張力が作用するようなことがなく、乱巻きを抑制することができる。
複数の整線板42は、スプール23に近接する位置に静止した状態で並列に設けられている。これらの整線板42は、スプール23の下方位置で、軸方向(Z方向)に並ぶ複数のケーブル22を仕切るために設けられている。このようにすれば、整線板42によりケーブル22が軸方向に個別に仕切られるため、ケーブル22の乱巻き状態を抑制することができる。
それぞれの整線板42は、それぞれのツバリング26に対応する位置に設けられ、かつツバリング26が並ぶ方向に配列されている。このようにすれば、軸方向に並ぶ複数のケーブル22を仕切ることができる。
例えば、図6に示すように、複数の整線板42は、互いに平行を成すように配置されている。それぞれの整線板42の間にケーブル22が配置される。それぞれの整線板42の配置は、ツバリング26の配置に合わせて設定される。つまり、整線板42同士の間に配置されるケーブル22の束は、レーン27に収容されるケーブル22の束に対応している。ケーブル22の巻き取りまたは繰り出しを行う際には、ケーブル22が整線板42に沿って仕切られる。そのため、意図しないケーブル22同士の接触が抑制され、乱巻きが抑制される。
図4に示すように、本実施形態では、ケーブル22がスプール23から垂れ下がる特定範囲Rが予め設定される。例えば、スプール23におけるX方向の端部からケーブル22が垂れ下がる。この部分を含む所定の範囲が特定範囲Rとして設定される。この特定範囲Rは、ケーブル22がほぼ垂直を成して垂れ下がる範囲である。複数の整線板42は、この特定範囲Rに配置されている。
図5および図6に示すように、それぞれの整線板42は、背面視で三日月形状を成す板状の部材である。それぞれの整線板42は、互いに離間された状態で連結部材44により連結されている。連結部材44は、例えば、軸方向(Z方向)に延びる棒状を成す部材であり、軸方向(Z方向)における特定範囲R(図4)の一端側と他端側で整線板42を連結している。このようにすれば、連結部材44によりケーブル22の水平方向(X方向)の移動範囲が規制されるため、スプール23から垂れ下がるケーブル22が特定範囲Rに納まるようになり、ケーブル22が特定範囲Rの一端側と他端側の間で揺れ動いても、乱巻きが発生しないようになる。
それぞれの整線板42は、ツバリング26の周端縁に沿って湾曲される湾曲縁45を有している。これらの湾曲縁45は、整線ワイヤー41よりもツバリング26に近接する位置に設けられている。このようにすれば、ケーブル22がツバリング26の間のレーン27(図7)に対して出入りする位置では、ケーブル22が剛性を有する整線板42に案内される。そのため、意図しないケーブル22同士の接触が抑制され、かつケーブル22の揺れが抑制され、乱巻きの発生を抑えることができる。
図4に示すように、ケーブルピット24が形成されている躯体10には、ケーブルピット24から上方に延びる板用架台46が固定されている。例えば、X方向に離間された複数の板用架台46が設けられる。これらの板用架台46に連結部材44が固定される。そして、連結部材44に対して整線板42が固定される。
なお、図6に示すように、本実施形態では、整線板42が設けられる特定範囲R(図4)に重複して整線ワイヤー41も設けられている。つまり、平面視では、軸方向(Z方向)に、整線板42と整線ワイヤー41とが交互に配置されている。例えば、1本のケーブル22は、1枚の整線板42と1本の整線ワイヤー41の間に配置される。そして、軸方向に並ぶ複数のケーブル22は、整線板42と整線ワイヤー41で仕切られる。
なお、本実施形態の粒子線治療システム1には、回転ガントリー5の監視装置が設けられている。この監視装置は、ケーブル22の整線状態を監視し、乱巻きなどの異常が生じたときに、緊急停止を行うインターロックを構成する。
本実施形態の回転ガントリー5の監視装置は、プロセッサおよびメモリなどのハードウェア資源を有し、CPUが各種プログラムを実行することで、ソフトウェアによる情報処理がハードウェア資源を用いて実現されるコンピュータを含む。
図4および図8に示すように、回転ガントリー5の監視装置は、レーザーセンサー51を備える。なお、レーザーセンサー51は、スプール23におけるケーブル22の状態を監視する監視部を構成する。レーザーセンサー51の検出信号は、監視装置に入力される。
監視装置は、レーザーセンサー51による監視に基づいて、ケーブル22の異常が検出されたときに、回転ガントリー5の駆動を停止させる。このようにすれば、ケーブル22が乱巻き状態となった異常時に回転ガントリー5の駆動を自動的に停止させることができる。
図4に示すように、レーザーセンサー51は、整線板42を支持する板用架台46に固定されている。つまり、レーザーセンサー51は、回転ガントリー5およびスプール23の回転の影響を受けず、静止した状態で設けられている。
例えば、第1群G1のケーブル22の乱巻き状態を検出するために2つのレーザーセンサー51が設けられている。なお、図4では図示を省略しているが、第2群G2のケーブル22の乱巻き状態を検出するために、さらに2つのレーザーセンサー51が設けられている。つまり、監視装置は、合計4つのレーザーセンサー51を備える。なお、スプール23の周方向に沿って並ぶ、5つ以上のレーザーセンサー51を設けるようにしても良い。
第1群G1のケーブル22の乱巻き状態を検出するための2つのレーザーセンサー51(監視部)は、X方向における特定範囲Rの一端(左端)と他端(右端)に対応して配置されている。これらのレーザーセンサー51は、スプール23の周方向における整線板42に対応する位置に設けられている。このようにすれば、整線板42の部分でケーブル22の乱巻きが発生した場合に、乱巻きの初期段階でケーブル22の突出を検出することができる。
図8に示すように、レーザーセンサー51は、回転ガントリー5の後部に近接する位置、つまり、スプール23の前端側に静止した状態で配置されている。そして、レーザーセンサー51は、後方に向かってレーザー55を照射する。ケーブル22の乱巻きは、スプール23の後端側(フランジ25側)で発生することが多く、その場合に、スプール23から突出するケーブル22がレーザーセンサー51に干渉しないようにできる。
なお、レーザーセンサー51は、反射型レーザーセンサー51である。つまり、1つのレーザーセンサー51は、レーザー55を照射する照射部と、所定の物体に当たって反射されたレーザー55を検出する検出部(受光部)とを含む。この反射されたレーザー55に基づいて、レーザーセンサー51から物体までの距離を検出することができる。この検出される距離に基づいて、スプール23で乱巻きが生じているか否かを把握することができる。
スプール23に異常が無い場合には、レーザーセンサー51から照射されるレーザー55は、フランジ25で反射されてレーザーセンサー51で検出される。なお、レーザーセンサー51の検出距離を、予めレーザーセンサー51からフランジ25までの距離以下に設定しても良い。この場合には、フランジ25の表面に微小な凹凸があることを考慮して、レーザーセンサー51からフランジ25までの距離よりも若干短い距離を、検出距離として設定する。
一方、スプール23で乱巻きが発生し、ケーブル22がツバリング26から突出している場合には、レーザーセンサー51から照射されるレーザー55は、ケーブル22で反射されてレーザーセンサー51で検出される。つまり、レーザーセンサー51は、ケーブル22に照射したレーザー55の反射に基づいて、ツバリング26から突出するケーブル22を検出する。このようにすれば、レーザーセンサー51をスプール23の一方の端部に設けるだけで済む。また、乱巻きによりスプール23から突出するケーブル22が、レーザーセンサー51に衝突してしまうことを抑制できる。
レーザーセンサー51は、ツバリング26の周縁に沿って軸方向(Z方向)にレーザー55を照射し、ツバリング26から突出するケーブル22を検出するようにしている。このようにすれば、複数のケーブル22が設けられていても、それぞれのケーブル22の突出状態を少なくとも1つのレーザーセンサー51で行うことができるため、レーザーセンサー51の設置数を低減させることができる。
次に、整線装置40を用いて実行される回転ガントリー5の整線方法について図9のフローチャートを用いて説明する。なお、前述の図面を適宜参照する。
まず、ステップS1において、粒子線ビーム7を照射する照射ノズル13と、この照射ノズル13に粒子線ビーム7を輸送する輸送部14とを支持する回転ガントリー5が、水平方向を向く水平軸9を中心に回転する。
次のステップS2において、回転ガントリー5に設けられたスプール23が、一端が回転ガントリー5に接続されて他端が静止している固定装置30に接続されている複数のケーブル22の巻き取りまたは繰り出しを行う。
次のステップS3において、スプール23に近接する位置に静止した状態で並列に設けられた複数の整線板42が、軸方向に並ぶ複数のケーブル22を仕切る。
次のステップS4において、スプール23の下方位置で横方向に掛け渡され、かつ静止した状態で設けられた複数の整線ワイヤー41が、スプール23から垂れ下がる複数のケーブル22を仕切る。
そして、整線方法を終了する。この整線方法は、回転ガントリー5が動作中であるときに、常時実行され、繰り返される。なお、以上のステップは、整線方法に含まれる少なくとも一部であり、他のステップが整線方法に含まれていても良い。
なお、第1実施形態のフローチャートにおいて、各ステップが直列に実行される形態を例示しているが、必ずしも各ステップの前後関係が固定されるものでなく、一部のステップの前後関係が入れ替わっても良い。また、一部のステップが他のステップと並列に実行されても良い。
第1実施形態では、整線装置40の整線ワイヤー41で、ケーブル22の乱巻き状態を抑制しつつ、ケーブル22の摩耗を抑制することができる。例えば、ケーブル22として、冷却材を供給するために中空なフレキシブルホースを用いた場合において、このフレキシブルホースが乱巻きで捩じれてしまうと、超電導電磁石15に対する冷却材の供給が滞ることなる。そこで、本実施形態では、フレキシブルホースが乱巻き状態となることを抑制し、超電導電磁石15に対する冷却材の供給が滞ることを防ぐようにしている。
なお、第1実施形態では、整線装置40が整線ワイヤー41と整線板42との両方を備える構成となっているが、その他の態様であっても良い。例えば、整線装置40が整線ワイヤー41と整線板42とのいずれか一方を備える構成でも良い。つまり、整線装置40が整線ワイヤー41のみを備え、整線板42の構成を省略しても良い。または、整線装置40が整線板42のみを備え、整線ワイヤー41の構成を省略しても良い。
なお、ケーブル22がスプール23から突出する部分(範囲)にのみ、整線ワイヤー41または整線板42を設けるようにしても良い。また、整線装置40によって、ケーブル22の径毎にまとめても良いし、ケーブル22の種類毎にまとめても良い。なお、フレキシブルホースと電力線は、互いに曲がり具合が異なるため、それぞれの種類に分けてまとめるようにする。
なお、整線ワイヤー41を設置する方が、整線板42を設置するよりも施工が簡単であるため、施工の期間の短縮およびコストダウンを図ることができる。また、整線ワイヤー41の一方の端部をケーブルピット24の底部に固定するようにしても良い。
(第2実施形態)
次に、第2実施形態について図10を用いて説明する。なお、前述した実施形態に示される構成部分と同一構成部分については同一符号を付して重複する説明を省略する。
第2実施形態の整線装置40Aでは、軸方向(Z方向)において、整線ワイヤー41が設けられる範囲と整線板42が設けられる範囲とを互いに異なっている。例えば、軸方向に沿って所定の範囲に複数の整線板42が並べられるとともに、整線板42が設けられた範囲とは異なる範囲に整線ワイヤー41が並べられる。そして、軸方向に並んでいる一部のケーブル22を整線板42で仕切るとともに、他のケーブル22を整線ワイヤー41で仕切るようにしている。
例えば、複数のケーブル22で構成される第1群G1が、複数の電力線22Aで構成されるA群G1Aと、複数のフレキシブルホース22Bで構成されるB群G1Bとに分けられているものとする。そして、A群G1AとB群G1Bとが互いに軸方向に並んでいるものとする。ここで、A群G1Aの複数の電力線22Aを整線板42で仕切るとともに、B群G1Bの複数のフレキシブルホース22Bを整線ワイヤー41で仕切る。
第2実施形態では、ケーブル22の種類毎に適した部材を用いてそれぞれのケーブル22を仕切ることができる。例えば、撓る部材で仕切ることが適している種類のケーブル22は、整線ワイヤー41で仕切るようにする。一方、剛性を有する部材で仕切ることが適している種類のケーブル22は、整線板42で仕切るようにする。
なお、第2実施形態では、電力線22Aを整線板42で仕切るとともに、フレキシブルホース22Bを整線ワイヤー41で仕切っているが、その他の態様であっても良い。例えば、フレキシブルホース22Bを整線板42で仕切るとともに、電力線22Aを整線ワイヤー41で仕切っても良い。
(第3実施形態)
次に、第3実施形態について図11を用いて説明する。なお、前述した実施形態に示される構成部分と同一構成部分については同一符号を付して重複する説明を省略する。
第3実施形態では、X方向に並ぶ複数のケーブル22を1列のケーブル22と称して説明する。この第3実施形態の整線装置40Bでは、整線ワイヤー41が設けられる範囲と整線板42が設けられる範囲とが重複している。例えば、1本の整線ワイヤー41は、2枚の整線板42の間に張られる。
そして、1本の整線ワイヤー41の両側には、それぞれケーブル22が1列ずつ設けられる。かつ2枚の整線板42の間には、2列のケーブル22が設けられる。つまり、整線板42同士の間の幅は、1本の整線ワイヤー41を挟んで2列のケーブル22を配置可能な寸法に設定されている。なお、整線ワイヤー41の設置数と整線板42の設置数を合わせた総設置数は、ツバリング26の数と一致している。
この第3実施形態では、軸方向(Z方向)に並ぶ複数のケーブル22は、整線ワイヤー41または整線板42の少なくとも一方で仕切られる。それぞれのケーブル22は、整線ワイヤー41と整線板42とに挟まれた状態で保持される。
また、第3実施形態では、剛性を有する部材である整線板42で複数のケーブル22を仕切るため、ケーブル22の揺れを抑えることができる。さらに、ケーブル22の外周面において、整線板42が接する面の反対側は、撓る部材である整線ワイヤー41に接しているため、ケーブル22の摩耗を抑制することができる。また、整線ワイヤー41にケーブル22の振動を吸収させることができる。
また、第3実施形態では、所定の範囲に亘って整線ワイヤー41および整線板42を設ける場合において、整線ワイヤー41および整線板42の設置数を低減させることができる。例えば、整線ワイヤー41の設置数は、ツバリング26の数のほぼ半分の設置数で済む。さらに、整線板42の設置数は、ツバリング26の数のほぼ半分の設置数で済む。
(第4実施形態)
次に、第4実施形態について図12を用いて説明する。なお、前述した実施形態に示される構成部分と同一構成部分については同一符号を付して重複する説明を省略する。
第4実施形態の整線装置40Cでは、高さ位置が異なる複数の整線ワイヤー41が張られている。例えば、軸方向(Z方向)の同一位置に、高さ位置(Y方向の位置)が異なる4本の整線ワイヤー41が張られている。これら4本の整線ワイヤー41が、それぞれ軸方向に並んで配置され、軸方向に並ぶケーブル22を仕切るようになっている。
また、高さ位置が異なる4本の整線ワイヤー41のそれぞれの位置で、スプール23から垂れ下がるケーブル22が保持される。そのため、ケーブル22の揺れを抑制することができる。さらに、ケーブル22に対して捩じれる方向に力が加わることを抑制することができ、ケーブル22の揺れまたは捩じれに起因する乱巻きを抑制することができる。
なお、4本の整線ワイヤー41のうち、上段の3本の整線ワイヤー41は、水平方向に張られている。一方、最下段の1本の整線ワイヤー41は、水平方向に対して傾いた状態で張られている。例えば、最下段の1本の整線ワイヤー41は、スプール23をケーブル22が垂れ下がる側の半円と反対側の半円とに分けたときに、ケーブル22が垂れ下がる側が低く、他の側が高くなるように傾いている。上段の3本の整線ワイヤー41と最下段の1本の整線ワイヤー41は、いずれも、整線ワイヤー41が延びる方向に対してほぼ垂直を成すように張られている。
また、第4実施形態では、複数の整線板42がツバリング26に近接する位置に設けられ、これら整線板42が設けられる位置よりも低い位置に、複数の整線ワイヤー41が張られている。例えば、最上段の1本の整線ワイヤー41は、整線板42に近接する位置に設けられ、かつ整線板42の下端の周縁の接線方向に延びている。このようにすれば、ケーブル22が整線板42による保持を失う部分で、整線ワイヤー41がケーブル22を案内することができるため、ケーブル22の揺れを抑え、乱巻きを抑制することができる。
回転ガントリーの整線装置を第1実施形態から第4実施形態に基づいて説明したが、いずれか1の実施形態において適用された構成を他の実施形態に適用しても良いし、各実施形態において適用された構成を組み合わせても良い。
粒子線治療システム1では、超電導電磁石15を用いることで回転ガントリー5を小型化することができるが、超電導電磁石15の冷却に用いる液体ヘリウムを流すためのホースも必要になる。そのため、ケーブル22の本数が増加するだけでなく、それぞれの種類毎にケーブル22の太さと剛性も異なるようになり、ケーブル22の整線を行う場合の難易度が高まる。前述の実施形態では、ケーブル22の種類毎に適切な態様で整線ワイヤー41または整線板42を設けることができるため、整線を行い易くなる。
なお、前述の実施形態では、重粒子線がん治療を行う施設を例示しているが、その他の施設にも前述の実施形態を適用できる。例えば、陽子線がん治療を行う施設に前述の実施形態を適用しても良い。
以上説明した少なくとも1つの実施形態によれば、スプールの下方位置で横方向に掛け渡され、かつ静止した状態で設けられ、スプールから垂れ下がる複数のケーブルを仕切る複数の整線ワイヤーを備えることにより、ケーブルの乱巻き状態を抑制しつつ、ケーブルの摩耗を抑制することができる。
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更、組み合わせを行うことができる。これら実施形態またはその変形は、発明の範囲と要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
1…粒子線治療システム、2…ビーム発生器、3…円形加速器、4…ビーム輸送ライン、5…回転ガントリー、6…真空ダクト、7…粒子線ビーム、8…患者、9…水平軸、10…躯体、11…エンドリング、12…回転駆動部、13…照射ノズル、14…輸送部、15…超電導電磁石、16…治療空間、17…治療台、18…治療室、19…床、20…カウンターウエイト、21…ウエイトピット、22…ケーブル、22A…電力線、22B…フレキシブルホース、23…スプール、24…ケーブルピット、25…フランジ、26…ツバリング、27…レーン、28…周面、29…面取部、30…固定装置、31…貫通部、40(40A,40B,40C)…整線装置、41…整線ワイヤー、42…整線板、43…ワイヤー用架台、44…連結部材、45…湾曲縁、46…板用架台、51…レーザーセンサー、55…レーザー、G1…第1群、G2…第2群、G1A…A群、G1B…B群、R…特定範囲。

Claims (12)

  1. 粒子線ビームを照射する照射ノズルと前記照射ノズルに前記粒子線ビームを輸送する輸送部とを支持して水平方向を向く水平軸を中心に回転する回転ガントリーと、
    一端が前記回転ガントリーに接続されて他端が静止している装置に接続されている複数のケーブルと、
    前記回転ガントリーに設けられ、前記ケーブルの巻き取りまたは繰り出しを行うスプールと、
    前記スプールの下方位置で横方向に掛け渡され、かつ静止した状態で設けられ、前記スプールから垂れ下がる複数の前記ケーブルを仕切る複数の整線ワイヤーと、
    を備える、
    回転ガントリーの整線装置。
  2. 前記整線ワイヤーは、水平方向に対して傾いた状態で張られている、
    請求項1に記載の回転ガントリーの整線装置。
  3. 前記整線ワイヤーは、前記スプールから前記ケーブルが垂れ下がる側が高く、他の側が低くなるように傾いている、
    請求項2に記載の回転ガントリーの整線装置。
  4. 前記スプールは、円盤状を成す複数のツバリングと前記ツバリングの間で前記ケーブルを保持する凹状を成す複数のレーンとを備え、
    前記整線ワイヤーは、前記ツバリングに近接する位置に設けられ、かつ前記ツバリングの接線方向に延びている、
    請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の回転ガントリーの整線装置。
  5. 前記スプールは、円盤状を成す複数のツバリングと前記ツバリングの間で前記ケーブルを保持する凹状を成す複数のレーンとを備え、
    それぞれの前記整線ワイヤーは、それぞれの前記ツバリングに対応する位置に設けられ、かつ前記ツバリングが並ぶ方向に配列されている、
    請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の回転ガントリーの整線装置。
  6. 軸方向に並ぶ複数の前記ケーブルを仕切り、前記スプールに近接する位置に静止した状態で並列に設けられた複数の整線板を備える、
    請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の回転ガントリーの整線装置。
  7. 前記スプールは、円盤状を成す複数のツバリングと前記ツバリングの間で前記ケーブルを保持する凹状を成す複数のレーンとを備え、
    前記整線板は、前記ツバリングの周端縁に沿って湾曲される湾曲縁を有し、
    前記湾曲縁は、前記整線ワイヤーよりも前記ツバリングに近接する位置に設けられている、
    請求項6に記載の回転ガントリーの整線装置。
  8. 前記ケーブルが前記スプールから垂れ下がる特定範囲に前記整線板が配置されており、
    軸方向における前記特定範囲の一端側と他端側で前記整線板を互いに離間させた状態で連結する連結部材を備える、
    請求項6または請求項7に記載の回転ガントリーの整線装置。
  9. 前記スプールの周方向における前記整線板に対応する位置に設けられ、前記スプールにおける前記ケーブルの状態を監視するレーザーセンサーを備える、
    請求項6から請求項8のいずれか1項に記載の回転ガントリーの整線装置。
  10. 前記輸送部は、前記粒子線ビームを輸送する経路を形成する磁場を発生させる超電導電磁石を備え、
    少なくとも1本の前記ケーブルは、前記超電導電磁石に冷却材を供給するフレキシブルホースである、
    請求項1から請求項9のいずれか1項に記載の回転ガントリーの整線装置。
  11. 粒子線ビームを照射する照射ノズルと前記照射ノズルに前記粒子線ビームを輸送する輸送部とを支持する回転ガントリーが、水平方向を向く水平軸を中心に回転するステップと、
    前記回転ガントリーに設けられたスプールが、一端が前記回転ガントリーに接続されて他端が静止している装置に接続されている複数のケーブルの巻き取りまたは繰り出しを行うステップと、
    前記スプールの下方位置で横方向に掛け渡され、かつ静止した状態で設けられた複数の整線ワイヤーが、前記スプールから垂れ下がる複数の前記ケーブルを仕切るステップと、
    を含む、
    回転ガントリーの整線方法。
  12. 請求項1から請求項10のいずれか1項に記載の前記回転ガントリーの監視装置と、
    前記輸送部により前記水平軸に対して直交する方向に導かれる前記粒子線ビームの照射位置に患者を移動して位置合わせを行う治療台と、
    前記粒子線ビームを生成するビーム発生器と、
    前記粒子線ビームを加速する加速器と、
    を備える、
    粒子線治療システム。
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