JP2023054531A - 含フッ素ポリマー、含フッ素ポリマーの製造方法、硬化物および硬化物の製造方法 - Google Patents
含フッ素ポリマー、含フッ素ポリマーの製造方法、硬化物および硬化物の製造方法 Download PDFInfo
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Abstract
【課題】保存安定性および架橋性に優れ、絶縁破壊強度に優れた硬化物を形成できる含フッ素ポリマーおよびその製造方法、ならびに、硬化物およびその製造方法の提供。【解決手段】本発明の含フッ素ポリマーは、-(CF2-CFR1)-で表される単位と、-(CF2-CF(OR2))-で表される単位および-(CF2-CH2)-で表される単位の少なくとも一方と、を含み、ヨウ素原子を実質的に含まない含フッ素ポリマーであって、含フッ素ポリマーが主鎖末端に-Rf1C(O)Z1で表される基を有する。R1はフッ素原子またはペルフルオロアルキル基、R2はペルフルオロアルキル基、Rf1は単結合、フルオロアルキレン基または炭素数2以上のフルオロアルキレン基の炭素-炭素結合間にエーテル性酸素原子を有する基であり、Z1はNRX1NRX2H、NRX3ORX4またはORX5であり、RX1~RX5はそれぞれ独立に水素原子またはアルキル基である。【選択図】なし
Description
本発明は、含フッ素ポリマー、含フッ素ポリマーの製造方法、硬化物および硬化物の製造方法に関する。
含フッ素ポリマーは、耐熱性、耐薬品性、耐油性、耐候性および電気絶縁性等に優れる点から、多様な分野で用いられている。
例えば、特許文献1には、含フッ素ポリマーとして、テトラフルオロエチレンに基づく単位、ペルフルオロアルキルビニルエーテルに基づく単位、および、ペルフルオロオキサアルキルビニルエーテルに基づく単位を有し、重合時に使用する連鎖移動剤に由来するヨウ素原子を側鎖または末端に有するペルフルオロエラストマーが開示されている。
例えば、特許文献1には、含フッ素ポリマーとして、テトラフルオロエチレンに基づく単位、ペルフルオロアルキルビニルエーテルに基づく単位、および、ペルフルオロオキサアルキルビニルエーテルに基づく単位を有し、重合時に使用する連鎖移動剤に由来するヨウ素原子を側鎖または末端に有するペルフルオロエラストマーが開示されている。
近年、各分野において、含フッ素ポリマーの性能向上が求められており、具体的には、保存安定性に優れることが求められている。また、含フッ素ポリマーは、その用途によっては架橋性があることが求められており、架橋して得られる硬化物の絶縁破壊強度に優れることが要求される場合がある。
本発明者らが、特許文献1に記載されたような含フッ素ポリマー(ペルフルオロエラストマー)を評価したところ、架橋性および硬化物の絶縁破壊強度は良好であるものの、保存安定性については改善の余地があることを見出した。
本発明者らが、特許文献1に記載されたような含フッ素ポリマー(ペルフルオロエラストマー)を評価したところ、架橋性および硬化物の絶縁破壊強度は良好であるものの、保存安定性については改善の余地があることを見出した。
本発明は、上記課題に鑑みてなされ、保存安定性および架橋性に優れ、絶縁破壊強度に優れた硬化物を形成できる含フッ素ポリマーおよびその製造方法、ならびに、硬化物およびその製造方法の提供を課題とする。
本発明者らは、上記課題について鋭意検討した結果、ヨウ素原子を実質的に含まず、主鎖末端に特定の基を有する含フッ素ポリマーを用いれば、所望の効果が得られることを見出し、本発明に至った。
すなわち、本発明者らは、以下の構成により上記課題が解決できることを見出した。
[1] 式(1)で表される単位と、式(2)で表される単位、および、式(3)で表される単位からなる群から選択される少なくとも1種の単位と、を含み、ヨウ素原子を実質的に含まない含フッ素ポリマーであって、上記含フッ素ポリマーが、主鎖末端に式(X)で表される基を有することを特徴とする、含フッ素ポリマー。
-(CF2-CFR1)- 式(1)
-(CF2-CF(OR2))- 式(2)
-(CF2-CH2)- 式(3)
-Rf1C(O)Z1 式(X)
式(1)中、R1は、フッ素原子、塩素原子またはペルフルオロアルキル基である。式(2)中、R2は、ペルフルオロアルキル基である。式(X)中、Rf1は、単結合、フルオロアルキレン基、または、炭素数2以上のフルオロアルキレン基の炭素-炭素結合間にエーテル性酸素原子を有する基であり、Z1は、-NRX1NRX2H、-NRX3(ORX4)、または、-ORX5であり、RX1、RX2、RX3、RX4、および、RX5はそれぞれ独立に、水素原子またはアルキル基である。
[2] 上記式(X)におけるZ1が、-NRX1NRX2Hまたは-NRX3(ORX4)である、[1]に記載の含フッ素ポリマー。
[3] 上記含フッ素ポリマーが直鎖状である、[1]または[2]に記載の含フッ素ポリマー。
[4] 上記[1]~[3]のいずれかに記載の含フッ素ポリマーの製造方法であって、ヨウ素原子を含む連鎖移動剤の存在下、式(1A)で表されるモノマーと、式(2A)で表されるモノマーおよび式(3A)で表されるモノマーからなる群から選択される少なくとも1種のモノマーと、を重合して、ヨウ素原子を含む前駆体ポリマーを合成する工程1と、上記前駆体ポリマーの末端に、式(XA)で表される化合物を反応させる工程2と、上記工程2で得られたポリマーに対して脱ヨウ素化処理を施す工程3と、を有することを特徴とする、含フッ素ポリマーの製造方法。
CF2=CFR1 式(1A)
CF2=CF(OR2) 式(2A)
CF2=CH2 式(3A)
CX1X2=CF-O-Rf2C(O)Z11 式(XA)
式(1A)中、R1は、フッ素原子、塩素原子またはペルフルオロアルキル基である。式(2A)中、R2は、ペルフルオロアルキル基である。式(XA)中、X1およびX2はそれぞれ独立に、水素原子またはフッ素原子であり、Rf2は、単結合、フルオロアルキレン基、または、炭素数2以上のフルオロアルキレン基の炭素-炭素結合間にエーテル性酸素原子を有する基であり、Z11は、-ORX5であり、RX5は、水素原子またはアルキル基である。
[5] 上記工程3で得られたポリマーと、式(XB)で表される化合物または式(XC)で表される化合物と、を反応させる工程4を有する、[4]に記載の含フッ素ポリマーの製造方法。
HRX1N-NRX2H 式(XB)
NHRX3(ORX4) 式(XC)
式(XB)中、RX1およびRX2はそれぞれ独立に、水素原子またはアルキル基である。式(XC)中、RX3およびRX4はそれぞれ独立に、水素原子またはアルキル基である。
[6] 上記[1]~[3]のいずれかに記載の含フッ素ポリマーを架橋してなることを特徴とする、硬化物。
[7] 電線被覆材料に用いられる、[6]に記載の硬化物。
[8] 上記[6]または[7]に記載の硬化物の製造方法であって、活性エネルギー線の照射処理、および、加熱処理の少なくとも一方の処理によって、上記含フッ素ポリマーを架橋させることを特徴とする、硬化物の製造方法。
[1] 式(1)で表される単位と、式(2)で表される単位、および、式(3)で表される単位からなる群から選択される少なくとも1種の単位と、を含み、ヨウ素原子を実質的に含まない含フッ素ポリマーであって、上記含フッ素ポリマーが、主鎖末端に式(X)で表される基を有することを特徴とする、含フッ素ポリマー。
-(CF2-CFR1)- 式(1)
-(CF2-CF(OR2))- 式(2)
-(CF2-CH2)- 式(3)
-Rf1C(O)Z1 式(X)
式(1)中、R1は、フッ素原子、塩素原子またはペルフルオロアルキル基である。式(2)中、R2は、ペルフルオロアルキル基である。式(X)中、Rf1は、単結合、フルオロアルキレン基、または、炭素数2以上のフルオロアルキレン基の炭素-炭素結合間にエーテル性酸素原子を有する基であり、Z1は、-NRX1NRX2H、-NRX3(ORX4)、または、-ORX5であり、RX1、RX2、RX3、RX4、および、RX5はそれぞれ独立に、水素原子またはアルキル基である。
[2] 上記式(X)におけるZ1が、-NRX1NRX2Hまたは-NRX3(ORX4)である、[1]に記載の含フッ素ポリマー。
[3] 上記含フッ素ポリマーが直鎖状である、[1]または[2]に記載の含フッ素ポリマー。
[4] 上記[1]~[3]のいずれかに記載の含フッ素ポリマーの製造方法であって、ヨウ素原子を含む連鎖移動剤の存在下、式(1A)で表されるモノマーと、式(2A)で表されるモノマーおよび式(3A)で表されるモノマーからなる群から選択される少なくとも1種のモノマーと、を重合して、ヨウ素原子を含む前駆体ポリマーを合成する工程1と、上記前駆体ポリマーの末端に、式(XA)で表される化合物を反応させる工程2と、上記工程2で得られたポリマーに対して脱ヨウ素化処理を施す工程3と、を有することを特徴とする、含フッ素ポリマーの製造方法。
CF2=CFR1 式(1A)
CF2=CF(OR2) 式(2A)
CF2=CH2 式(3A)
CX1X2=CF-O-Rf2C(O)Z11 式(XA)
式(1A)中、R1は、フッ素原子、塩素原子またはペルフルオロアルキル基である。式(2A)中、R2は、ペルフルオロアルキル基である。式(XA)中、X1およびX2はそれぞれ独立に、水素原子またはフッ素原子であり、Rf2は、単結合、フルオロアルキレン基、または、炭素数2以上のフルオロアルキレン基の炭素-炭素結合間にエーテル性酸素原子を有する基であり、Z11は、-ORX5であり、RX5は、水素原子またはアルキル基である。
[5] 上記工程3で得られたポリマーと、式(XB)で表される化合物または式(XC)で表される化合物と、を反応させる工程4を有する、[4]に記載の含フッ素ポリマーの製造方法。
HRX1N-NRX2H 式(XB)
NHRX3(ORX4) 式(XC)
式(XB)中、RX1およびRX2はそれぞれ独立に、水素原子またはアルキル基である。式(XC)中、RX3およびRX4はそれぞれ独立に、水素原子またはアルキル基である。
[6] 上記[1]~[3]のいずれかに記載の含フッ素ポリマーを架橋してなることを特徴とする、硬化物。
[7] 電線被覆材料に用いられる、[6]に記載の硬化物。
[8] 上記[6]または[7]に記載の硬化物の製造方法であって、活性エネルギー線の照射処理、および、加熱処理の少なくとも一方の処理によって、上記含フッ素ポリマーを架橋させることを特徴とする、硬化物の製造方法。
本発明によれば、保存安定性および架橋性に優れ、絶縁破壊強度に優れた硬化物を形成できる含フッ素ポリマーおよびその製造方法、ならびに、硬化物およびその製造方法を提供できる。
本明細書において、式(1)で表される単位を単位1と記し、他の式で表される単位も同様に記す。式(X)で表される基を基Xと記し、他の式で表される基も同様に記す。式(1A)で表されるモノマーをモノマー1Aと記し、他の式で表されるモノマーも同様に記す。式(XB)で表される化合物を化合物XBと記し、他の式で表される化合物も同様に記す。
本発明における用語の意味は以下の通りである。
「~」を用いて表される数値範囲は、「~」の前後に記載される数値を下限値および上限値として含む範囲を意味する。本明細書に段階的に記載されている数値範囲において、ある数値範囲で記載された上限値または下限値は、他の段階的な記載の数値範囲の上限値または下限値に置き換えてもよい。また、本明細書に記載されている数値範囲において、ある数値範囲で記載された上限値または下限値は、実施例に示されている値に置き換えてもよい。
「単位」とは、モノマーが重合して直接形成された、上記モノマー1分子に由来する原子団と、上記原子団の一部を化学変換して得られる原子団との総称である。
「ゴム」とは、JIS K 6200:2008により定義される性質を示すゴムを意味し、「樹脂」とは区別される。
「主鎖」とは、2個以上のモノマーの連結により形成された重合鎖を意味する。
「主鎖末端」とは、主鎖を構成する重合鎖の末端を意味する。
「含フッ素ポリマーが直鎖状である」とは、1つの単位がその両側の1つの単位とのみ連結している、含フッ素ポリマーが枝分かれ構造を有していないポリマー、すなわち、分岐状ポリマーではないことを意味する。
「~」を用いて表される数値範囲は、「~」の前後に記載される数値を下限値および上限値として含む範囲を意味する。本明細書に段階的に記載されている数値範囲において、ある数値範囲で記載された上限値または下限値は、他の段階的な記載の数値範囲の上限値または下限値に置き換えてもよい。また、本明細書に記載されている数値範囲において、ある数値範囲で記載された上限値または下限値は、実施例に示されている値に置き換えてもよい。
「単位」とは、モノマーが重合して直接形成された、上記モノマー1分子に由来する原子団と、上記原子団の一部を化学変換して得られる原子団との総称である。
「ゴム」とは、JIS K 6200:2008により定義される性質を示すゴムを意味し、「樹脂」とは区別される。
「主鎖」とは、2個以上のモノマーの連結により形成された重合鎖を意味する。
「主鎖末端」とは、主鎖を構成する重合鎖の末端を意味する。
「含フッ素ポリマーが直鎖状である」とは、1つの単位がその両側の1つの単位とのみ連結している、含フッ素ポリマーが枝分かれ構造を有していないポリマー、すなわち、分岐状ポリマーではないことを意味する。
[含フッ素ポリマー]
本発明の含フッ素ポリマーは、単位1と、単位2および単位3からなる群から選択される少なくとも1種の単位と、を含み、ヨウ素原子を実質的に含まない含フッ素ポリマーであって、上記含フッ素ポリマーが主鎖末端に基Xを有する。本発明の含フッ素ポリマーは、架橋によってゴムの性質を示すポリマーである。
本発明の含フッ素ポリマーは、保存安定性および架橋性に優れ、絶縁破壊強度に優れた硬化物を形成できる。この理由の詳細は明らかになっていないが、以下の理由によると推測される。
本発明の含フッ素ポリマーは、単位1と、単位2および単位3からなる群から選択される少なくとも1種の単位と、を含み、ヨウ素原子を実質的に含まない含フッ素ポリマーであって、上記含フッ素ポリマーが主鎖末端に基Xを有する。本発明の含フッ素ポリマーは、架橋によってゴムの性質を示すポリマーである。
本発明の含フッ素ポリマーは、保存安定性および架橋性に優れ、絶縁破壊強度に優れた硬化物を形成できる。この理由の詳細は明らかになっていないが、以下の理由によると推測される。
含フッ素ポリマーの製造時にヨウ素原子を有する化合物を連鎖移動剤として使用した場合、側鎖または末端にヨウ素原子を有する含フッ素ポリマーが得られる。含フッ素ポリマーに導入されたヨウ素原子は、含フッ素ポリマーを架橋する際の架橋部位となり得る。しかしながら、ヨウ素原子を有する含フッ素ポリマーは、可視光の照射等によって硬化しやすいので、含フッ素ポリマーの保存環境によっては、保存安定性が問題となる。
このような問題に対して、本発明の含フッ素ポリマーは、ヨウ素原子を実質的に含まないので、優れた保存安定性を示したと推測される。
このような問題に対して、本発明の含フッ素ポリマーは、ヨウ素原子を実質的に含まないので、優れた保存安定性を示したと推測される。
本発明の含フッ素ポリマーの架橋反応は、基Xに基づき生起する。
具体的には、基X中のZ1が-ORX5の場合、活性エネルギー線の照射による脱C(O)Z1反応により、基Xから-Rf1ラジカルが生じ、-Rf1ラジカル同士がカップリングにより結合すると想定される。
Z1が-NRX1NRX2Hの場合、活性エネルギー線の照射および加熱の少なくとも一方により、基X同士がカップリングしてジアシルヒドラジンまたはテトラジン構造の架橋部位が形成されると想定される。
Z1が-NRX3(ORX4)の場合、活性エネルギー線の照射および加熱の少なくとも一方による脱C(O)Z1反応により、基Xから-Rf1ラジカルが生じ、-Rf1ラジカル同士がカップリングにより結合すると考えられる。
このように、本発明の含フッ素ポリマーは、基Xを有することにより、優れた架橋性を示したと推測される。
具体的には、基X中のZ1が-ORX5の場合、活性エネルギー線の照射による脱C(O)Z1反応により、基Xから-Rf1ラジカルが生じ、-Rf1ラジカル同士がカップリングにより結合すると想定される。
Z1が-NRX1NRX2Hの場合、活性エネルギー線の照射および加熱の少なくとも一方により、基X同士がカップリングしてジアシルヒドラジンまたはテトラジン構造の架橋部位が形成されると想定される。
Z1が-NRX3(ORX4)の場合、活性エネルギー線の照射および加熱の少なくとも一方による脱C(O)Z1反応により、基Xから-Rf1ラジカルが生じ、-Rf1ラジカル同士がカップリングにより結合すると考えられる。
このように、本発明の含フッ素ポリマーは、基Xを有することにより、優れた架橋性を示したと推測される。
また、本発明の含フッ素ポリマーの硬化物が優れた絶縁破壊強度を示す理由は不明であるが、含フッ素ポリマーの主鎖末端に基Xを有するためと推測される。
単位1は、下式(1)で表される単位である。
-(CF2-CFR1)- 式(1)
式(1)中、R1は、フッ素原子、塩素原子またはペルフルオロアルキル基である。
ペルフルオロアルキル基の炭素数は、1~6が好ましく、1~3がより好ましく、1が最も好ましい。ペルフルオロアルキル基は、直鎖状であっても分岐鎖状であってもよい。
-(CF2-CFR1)- 式(1)
式(1)中、R1は、フッ素原子、塩素原子またはペルフルオロアルキル基である。
ペルフルオロアルキル基の炭素数は、1~6が好ましく、1~3がより好ましく、1が最も好ましい。ペルフルオロアルキル基は、直鎖状であっても分岐鎖状であってもよい。
単位1の具体例としては、-(CF2-CF2)-、-(CF2-CFCl)-、-(CF2-CFCF3)-が挙げられる。
含フッ素ポリマーは、1種のみの-(CF2-CFR1)-を含んでいてもよく、2種以上の-(CF2-CFR1)-を含んでいてもよい。
2種以上の(CF2-CFR1)を含む態様の一例としては、-(CF2-CF2)-と、-(CF2-CFCF3)-と、を有する態様が挙げられる。
2種以上の(CF2-CFR1)を含む態様の一例としては、-(CF2-CF2)-と、-(CF2-CFCF3)-と、を有する態様が挙げられる。
単位2は、ペルフルオロ(アルキルビニルエーテル)に基づく単位であり、具体的には下式(2)で表される単位である。
-(CF2-CF(OR2))- 式(2)
式(2)中、R2は、ペルフルオロアルキル基である。ペルフルオロアルキル基の炭素数は、1~6が好ましく、1~4がより好ましく、1~3が最も好ましい。ペルフルオロアルキル基は、直鎖状であっても分岐鎖状であってもよい。
-(CF2-CF(OR2))- 式(2)
式(2)中、R2は、ペルフルオロアルキル基である。ペルフルオロアルキル基の炭素数は、1~6が好ましく、1~4がより好ましく、1~3が最も好ましい。ペルフルオロアルキル基は、直鎖状であっても分岐鎖状であってもよい。
単位2の具体例としては、-(CF2-CF(OCF3))-、-(CF2-CF(OCF2CF3))-、-(CF2-CF(OCF2CF2CF3))-、-(CF2-CF(OCF2CF2CF2CF2CF2CF3))-が挙げられる。
含フッ素ポリマーは、1種のみの-(CF2-CF(OR2))-を含んでいてもよく、2種以上の-(CF2-CF(OR2))-を含んでいてもよい。
含フッ素ポリマーは、1種のみの-(CF2-CF(OR2))-を含んでいてもよく、2種以上の-(CF2-CF(OR2))-を含んでいてもよい。
単位3は、フッ化ビニリデンに基づく単位であり、下式(3)で表される。
-(CF2-CH2)- 式(3)
-(CF2-CH2)- 式(3)
含フッ素ポリマーは、プロピレンに基づく単位である下式(4)で表される単位を含んでいてもよい。
-(CH2-CH(CH3))- 式(4)
-(CH2-CH(CH3))- 式(4)
単位1の含有量は、含フッ素ポリマーの全単位に対して、5~99%が好ましく、10~90モル%がより好ましい。
含フッ素ポリマーが単位2を含む場合、単位2の含有量は、含フッ素ポリマーの全単位に対して、1~99モル%が好ましく、10~70モル%がより好ましい。
含フッ素ポリマーが単位3を含む場合、単位3の含有量は、含フッ素ポリマーの全単位に対して、1~99モル%が好ましく、10~40モル%がより好ましい。
含フッ素ポリマーが単位4を含む場合、単位4の含有量は、含フッ素ポリマーの全単位に対して、5~95モル%が好ましく、10~50モル%がより好ましい。
含フッ素ポリマーが単位2を含む場合、単位2の含有量は、含フッ素ポリマーの全単位に対して、1~99モル%が好ましく、10~70モル%がより好ましい。
含フッ素ポリマーが単位3を含む場合、単位3の含有量は、含フッ素ポリマーの全単位に対して、1~99モル%が好ましく、10~40モル%がより好ましい。
含フッ素ポリマーが単位4を含む場合、単位4の含有量は、含フッ素ポリマーの全単位に対して、5~95モル%が好ましく、10~50モル%がより好ましい。
上述の単位1~4における好適な組み合わせを以下に示す。
組み合わせ1:単位1と、単位2との組み合わせ
組み合わせ2:単位1と、単位3との組み合わせ
組み合わせ3:単位1と、単位3と、単位4との組み合わせ
組み合わせ1:単位1と、単位2との組み合わせ
組み合わせ2:単位1と、単位3との組み合わせ
組み合わせ3:単位1と、単位3と、単位4との組み合わせ
組み合わせ1のより好適な態様を以下に示す。
-(CF2-CF2)-と、-(CF2-CF(OCF3))-との組み合わせ
-(CF2-CF2)-と、-(CF2-CF(OCF2CF2CF3))-との組み合わせ
組み合わせ2のより好適な態様を以下に示す。
-(CF2-CFCF3)-と、-(CF2-CH2)-との組み合わせ
-(CF2-CF2)-と、-(CF2-CFCF3)-と、-(CF2-CH2)-との組み合わせ
組み合わせ3のより好適な態様を以下に示す。
-(CF2-CF2)-と、-(CF2-CH2)-と、-(CH2-CH(CH3))-との組み合わせ
-(CF2-CF2)-と、-(CF2-CF(OCF3))-との組み合わせ
-(CF2-CF2)-と、-(CF2-CF(OCF2CF2CF3))-との組み合わせ
組み合わせ2のより好適な態様を以下に示す。
-(CF2-CFCF3)-と、-(CF2-CH2)-との組み合わせ
-(CF2-CF2)-と、-(CF2-CFCF3)-と、-(CF2-CH2)-との組み合わせ
組み合わせ3のより好適な態様を以下に示す。
-(CF2-CF2)-と、-(CF2-CH2)-と、-(CH2-CH(CH3))-との組み合わせ
組み合わせ1~3における共重合組成は、下記のモル比であるのが好ましい。下記のモル比であると、含フッ素ポリマーの架橋反応性がより優れ、さらに硬化物の機械特性、耐熱性、耐薬品性、耐油性、および耐候性等が優れる。
組み合わせ1:単位1/単位2=50~95/5~50(モル比)
組み合わせ2:単位1/単位3=50~95/5~50(モル比)
組み合わせ3:単位1/単位3/単位4=3~95/3~95/2~50(モル比)
組み合わせ1:単位1/単位2=50~95/5~50(モル比)
組み合わせ2:単位1/単位3=50~95/5~50(モル比)
組み合わせ3:単位1/単位3/単位4=3~95/3~95/2~50(モル比)
上述の各単位は、含フッ素ポリマーの主鎖を構成する。
含フッ素ポリマーは、主鎖末端に基Xを有する。
含フッ素ポリマーは、直鎖状であることが好ましく、その両末端に基Xを有することがより好ましい。
含フッ素ポリマーは、直鎖状であることが好ましく、その両末端に基Xを有することがより好ましい。
基Xは、下式(X)で表される基である。
-Rf1C(O)Z1 式(X)
式(X)中、Rf1は、単結合、フルオロアルキレン基、または、炭素数2以上のフルオロアルキレン基の炭素-炭素結合間にエーテル性酸素原子を有する基であり、Z1は、-NRX1NRX2H、-NRX3(ORX4)、または、-ORX5であり、RX1、RX2、RX3、RX4、および、RX5はそれぞれ独立に、水素原子またはアルキル基である。
以下において、Rf1における「炭素数2以上のフルオロアルキレン基の炭素-炭素結合間にエーテル性酸素原子を有する基」を、「基Q1」ともいう。
-Rf1C(O)Z1 式(X)
式(X)中、Rf1は、単結合、フルオロアルキレン基、または、炭素数2以上のフルオロアルキレン基の炭素-炭素結合間にエーテル性酸素原子を有する基であり、Z1は、-NRX1NRX2H、-NRX3(ORX4)、または、-ORX5であり、RX1、RX2、RX3、RX4、および、RX5はそれぞれ独立に、水素原子またはアルキル基である。
以下において、Rf1における「炭素数2以上のフルオロアルキレン基の炭素-炭素結合間にエーテル性酸素原子を有する基」を、「基Q1」ともいう。
Rf1におけるフルオロアルキレン基の炭素数は、1~8が好ましく、1~6がより好ましい。
Rf1における基Q1の炭素数は、2~12が好ましく、2~8が特に好ましい。
Rf1における基Q1の炭素数は、2~12が好ましく、2~8が特に好ましい。
Rf1は、本発明の効果がより優れる点から、*-CX1X2-CFH-O-Rf2-**で表される基であることが好ましい。
式中、*は、主鎖側との結合位置を示し、**は、-C(O)Z1との結合位置を示し、X1およびX2はそれぞれ独立に、水素原子またはフッ素原子であり、Rf2は、フルオロアルキレン基、または、炭素数2以上のフルオロアルキレン基の炭素-炭素結合間にエーテル性酸素原子を有する基である。以下において、Rf2における「炭素数2以上のフルオロアルキレン基の炭素-炭素結合間にエーテル性酸素原子を有する基」を「基Q2」ともいう。
X1およびX2は、本発明の効果がより優れる点から、少なくとも一方がフッ素原子であることが好ましく、両方がフッ素原子であることがより好ましい。
Rf2におけるフルオロアルキレン基の炭素数は、1~6が好ましく、1~4がより好ましい。炭素数が3以上の場合、熱安定性に優れる点から直鎖構造が好ましい。フルオロアルキレン基は、熱安定性に優れる点からペルフルオロアルキレン基が好ましい。すなわち、Rf2としては、炭素数1~6のペルフルオロアルキレン基が好ましく、炭素数1~4のペルフルオロアルキレン基がより好ましい。
Rf2における基Q2の炭素数は、2~10が好ましく、2~6が特に好ましい。炭素数が3以上の場合、熱安定性に優れる点から直鎖構造が好ましい。基Q2におけるフルオロアルキレン基は、熱安定性に優れる点からペルフルオロアルキレン基が好ましい。すなわち、基Q2としては、炭素数2~10のペルフルオロアルキレン基の炭素-炭素原子間にエーテル性酸素原子を有する基が好ましく、炭素数2~6のペルフルオロアルキレン基の炭素-炭素原子間にエーテル性酸素原子を有する基がより好ましい。
式中、*は、主鎖側との結合位置を示し、**は、-C(O)Z1との結合位置を示し、X1およびX2はそれぞれ独立に、水素原子またはフッ素原子であり、Rf2は、フルオロアルキレン基、または、炭素数2以上のフルオロアルキレン基の炭素-炭素結合間にエーテル性酸素原子を有する基である。以下において、Rf2における「炭素数2以上のフルオロアルキレン基の炭素-炭素結合間にエーテル性酸素原子を有する基」を「基Q2」ともいう。
X1およびX2は、本発明の効果がより優れる点から、少なくとも一方がフッ素原子であることが好ましく、両方がフッ素原子であることがより好ましい。
Rf2におけるフルオロアルキレン基の炭素数は、1~6が好ましく、1~4がより好ましい。炭素数が3以上の場合、熱安定性に優れる点から直鎖構造が好ましい。フルオロアルキレン基は、熱安定性に優れる点からペルフルオロアルキレン基が好ましい。すなわち、Rf2としては、炭素数1~6のペルフルオロアルキレン基が好ましく、炭素数1~4のペルフルオロアルキレン基がより好ましい。
Rf2における基Q2の炭素数は、2~10が好ましく、2~6が特に好ましい。炭素数が3以上の場合、熱安定性に優れる点から直鎖構造が好ましい。基Q2におけるフルオロアルキレン基は、熱安定性に優れる点からペルフルオロアルキレン基が好ましい。すなわち、基Q2としては、炭素数2~10のペルフルオロアルキレン基の炭素-炭素原子間にエーテル性酸素原子を有する基が好ましく、炭素数2~6のペルフルオロアルキレン基の炭素-炭素原子間にエーテル性酸素原子を有する基がより好ましい。
Rf1の具体例としては、*-CF2-CFH-O-CF2-**、*-CF2-CFH-O-(CF2)2-**、*-CF2-CFH-O-(CF2)3-**、*-CF2-CFH-O-(CF2)4-**、*-CF2-CFH-O-CF2CF(CF3)O(CF2)2-**、*-CF2-CFH-O-CF2CF(CF3)O(CF2)3-**、*-CF2-CFH-O-(CF2)3O(CF2)2-**、*-CF2-CFH-O-(CF2)2O(CF2)2-**、*-CF2-CFH-O-CF2OCF(CF3)-**、*-CF2-CFH-O-CF2OCF(CF3)CF2OCF(CF3)-**が挙げられる。*および**の定義は、上述の通りである。
Z1は、-NRX1NRX2H、-NRX3(ORX4)、または、-ORX5であり、硬化物の耐熱性がより優れる点から、-NRX1NRX2H、または、-NRX3(ORX4)であることが好ましい。
RX1、RX2、RX3およびRX4は、水素結合性が高く、含フッ素ポリマーのアルコールへの溶解性に優れる点から、水素原子または炭素数1~6のアルキル基が好ましく、水素原子、メチル基またはエチル基がより好ましく、メチル基または水素原子がさらに好ましく、水素原子が特に好ましい。
RX5は、含フッ素ポリマーを加熱した際の流動性に優れる点からは、炭素数1~6のアルキル基が好ましく、メチル基またはエチル基がより好ましく、メチル基がさらに好ましい。RX5は、含フッ素ポリマーの硬化物の透明性に優れる点からは、水素原子またはメチル基が好ましく、水素原子がより好ましい。
RX1、RX2、RX3およびRX4は、水素結合性が高く、含フッ素ポリマーのアルコールへの溶解性に優れる点から、水素原子または炭素数1~6のアルキル基が好ましく、水素原子、メチル基またはエチル基がより好ましく、メチル基または水素原子がさらに好ましく、水素原子が特に好ましい。
RX5は、含フッ素ポリマーを加熱した際の流動性に優れる点からは、炭素数1~6のアルキル基が好ましく、メチル基またはエチル基がより好ましく、メチル基がさらに好ましい。RX5は、含フッ素ポリマーの硬化物の透明性に優れる点からは、水素原子またはメチル基が好ましく、水素原子がより好ましい。
-C(O)Z1の具体例としては、-COOH、-COOCH3、-COOC2H5、-CONHNH2、-CON(CH3)NHCH3、-CONHOH、-CONHOCH3が挙げられる。
中でも、基Xは、本発明の効果がより優れる点から、-CF2-CFH-O-(CF2)3-COOCH3、-CF2-CFH-O-(CF2)3-CONHNH2、-CF2-CFH-O-(CF2)3-CONH(OH)が好ましい。
含フッ素ポリマーは、本発明の効果がより優れる点から、基Xを含む末端構造を有することが好ましい。基Xを含む末端構造としては、式(X-1)で表される構造が好ましい。
-(CX1X2-CF(-ORf2C(O)Z1))n-CX1X2-CFH(-ORf2C(O)Z1) 式(X-1)
-(CX1X2-CF(-ORf2C(O)Z1))n-CX1X2-CFH(-ORf2C(O)Z1) 式(X-1)
式(X-1)中、X1、X2およびRf2はそれぞれ、上述の*-CX1X2-CFH-O-Rf2-**で表される基のX1、X2およびRf2と同義であり、Z1は、式(X)のZ1と同義であり、nは0または1の整数である。
含フッ素ポリマーは、硬化物の絶縁破壊強度がより優れる点から、式(X-1)の部分構造である-(CX1X2-CF(-ORf2C(O)Z1))-で表される基を、末端構造以外には有しないことが好ましい。つまり、含フッ素ポリマーが-(CX1X2-CF(-ORf2C(O)Z1))-で表される基を有する場合、この基は、含フッ素ポリマーの末端構造のみに含まれていることが好ましい。
含フッ素ポリマー中の基Xの含有量は、0.01~1モル%が好ましく、0.03~0.6モル%がより好ましい。
基Xの含有量が下限値以上であれば、架橋特性がより優れる。基Xの含有量が上限値以下であれば、耐熱性がより優れる。
含フッ素ポリマー中の基Xの含有量(モル%)は、後述の実施例欄に記載の方法によって測定できる。
基Xの含有量が下限値以上であれば、架橋特性がより優れる。基Xの含有量が上限値以下であれば、耐熱性がより優れる。
含フッ素ポリマー中の基Xの含有量(モル%)は、後述の実施例欄に記載の方法によって測定できる。
本発明の含フッ素ポリマーは、ヨウ素原子を実質的に含まない。ここで、「含フッ素ポリマーがヨウ素原子を実質的に含まない」とは、ヨウ素原子の含有量が、含フッ素ポリマーの全質量に対して、1質量%以下であるのを意味し、0.5質量%以下であることが好ましく、0質量%であること(すなわち、ヨウ素原子を含まないこと)がさらに好ましい。
このようなヨウ素原子としては、後述する連鎖移動剤として機能するヨード化合物に由来するヨウ素原子が挙げられる。
このようなヨウ素原子としては、後述する連鎖移動剤として機能するヨード化合物に由来するヨウ素原子が挙げられる。
<含フッ素ポリマーの物性>
含フッ素ポリマーの質量平均分子量(Mw)は、5,000~800,000が好ましく、10,000~600,000がより好ましく、20,000~400,000がさらに好ましく、30,000~300,000が特に好ましい。含フッ素ポリマーのMwが下限値以上であれば、硬化物の耐熱性がより優れる。含フッ素ポリマーのMwが上限値以下であれば、変性反応における攪拌がしやすくなりプロセス安定性が高まる。
本発明における含フッ素ポリマーのMwは、ポリメチルメタクリレートを標準物質としてゲルパーミエーションクロマトグラフィーで測定される値であり、後述の実施例欄に記載の方法により測定できる。
含フッ素ポリマーの質量平均分子量(Mw)は、5,000~800,000が好ましく、10,000~600,000がより好ましく、20,000~400,000がさらに好ましく、30,000~300,000が特に好ましい。含フッ素ポリマーのMwが下限値以上であれば、硬化物の耐熱性がより優れる。含フッ素ポリマーのMwが上限値以下であれば、変性反応における攪拌がしやすくなりプロセス安定性が高まる。
本発明における含フッ素ポリマーのMwは、ポリメチルメタクリレートを標準物質としてゲルパーミエーションクロマトグラフィーで測定される値であり、後述の実施例欄に記載の方法により測定できる。
<含フッ素ポリマーの製造方法>
本発明の含フッ素ポリマーの製造方法は、ヨウ素原子を含む連鎖移動剤の存在下、モノマー1Aと、モノマー2Aおよびモノマー3Aからなる群から選択される少なくとも1種のモノマーと、を重合して、ヨウ素原子を含む前駆体ポリマーを合成する工程1と、
上記前駆体ポリマーの末端に、基XAを有する化合物を反応させる工程2と、
上記工程2で得られたポリマーに対して脱ヨウ素化処理を施す工程3と、を有する。
以下において、本発明の含フッ素ポリマーの製造方法について工程毎に説明する。
本発明の含フッ素ポリマーの製造方法は、ヨウ素原子を含む連鎖移動剤の存在下、モノマー1Aと、モノマー2Aおよびモノマー3Aからなる群から選択される少なくとも1種のモノマーと、を重合して、ヨウ素原子を含む前駆体ポリマーを合成する工程1と、
上記前駆体ポリマーの末端に、基XAを有する化合物を反応させる工程2と、
上記工程2で得られたポリマーに対して脱ヨウ素化処理を施す工程3と、を有する。
以下において、本発明の含フッ素ポリマーの製造方法について工程毎に説明する。
(工程1)
工程1は、ヨウ素原子を含む連鎖移動剤の存在下、モノマー1Aと、モノマー2Aおよびモノマー3Aからなる群から選択される少なくとも1種のモノマーと、を重合して、ヨウ素原子を含む前駆体ポリマーを合成する工程である。
工程1によって得られた前駆体ポリマーは、モノマー1Aに基づく単位(上述の単位1)と、モノマー2Aに基づく単位(上記単位2)およびモノマー3Aに基づく単位(上記単位3)からなる群から選択される少なくとも1種の単位と、を含み、主鎖末端にヨウ素原子を有する。
工程1は、ヨウ素原子を含む連鎖移動剤の存在下、モノマー1Aと、モノマー2Aおよびモノマー3Aからなる群から選択される少なくとも1種のモノマーと、を重合して、ヨウ素原子を含む前駆体ポリマーを合成する工程である。
工程1によって得られた前駆体ポリマーは、モノマー1Aに基づく単位(上述の単位1)と、モノマー2Aに基づく単位(上記単位2)およびモノマー3Aに基づく単位(上記単位3)からなる群から選択される少なくとも1種の単位と、を含み、主鎖末端にヨウ素原子を有する。
モノマー1Aは、上述の単位1を導入するために使用するモノマーであり、下式(1A)で表される。
CF2=CFR1 式(1A)
式(1A)のR1は、式(1)のR1と同義である。
CF2=CFR1 式(1A)
式(1A)のR1は、式(1)のR1と同義である。
モノマー2Aは、上述の単位2を導入するために使用するモノマーであり、下式(2A)で表される。
CF2=CF(OR2) 式(2A)
式(2A)のR2は、式(2)のR2と同義である。
CF2=CF(OR2) 式(2A)
式(2A)のR2は、式(2)のR2と同義である。
モノマー3Aは、上述の単位3を導入するために使用するモノマーであり、下式(3A)で表される。
CF2=CH2 式(3A)
CF2=CH2 式(3A)
工程1では、上記モノマーの他に、上述の単位4を導入するための下式(4A)で表されるモノマー(プロピレン)を使用してもよい。
CH2=CH(CH3) 式(4A)
CH2=CH(CH3) 式(4A)
各モノマーの使用量および使用割合は、例えば、含フッ素ポリマーにおける共重合組成が上述の範囲になるように適宜決定すればよい。
ヨウ素原子を含む連鎖移動剤の具体例としては、I-Rf6-I(式中、Rf6は、炭素原子数1~8のペルフルオロアルキレン基または炭素原子数2~8のペルフルオロオキシアルキレン基を表す。)で表される化合物、I-Rf7-Br(式中、Rf7は、炭素原子数1~8のペルフルオロアルキレン基または炭素原子数2~8のペルフルオロオキシアルキレン基を表す。)で表される化合物、I-R1-I(式中、R1は、炭素原子数1~8のアルキレン基または炭素原子数2~8のオキシアルキレン基を表す。)で表される化合物が挙げられる。
I-Rf6-Iの具体例としては、ジヨードジフルオロメタン、1,2-ジヨードペルフルオロエタン、1,3-ジヨードペルフルオロプロパン、1,4-ジヨードペルフルオロブタン、1,5-ジヨードペルフルオロペンタン、1,6-ジヨードペルフルオロヘキサン、1,7-ジヨードペルフルオロヘプタン、1,8-ジヨードペルフルオロオクタンが挙げられる。中でも、1,4-ジヨードペルフルオロブタン、1,6-ジヨードペルフルオロヘキサンが好ましく、1,4-ジヨードペルフルオロブタンが特に好ましい。
I-Rf7-Brの具体例としては、1-ヨード-4-ブロモペルフルオロブタン、1-ヨード-6-ブロモペルフルオロヘキサン、1-ヨード-8-ブロモペルフルオロオクタンが挙げられる。中でも、1-ヨード-4-ブロモペルフルオロブタン、1-ヨード-6-ブロモペルフルオロヘキサンが好ましく、1-ヨード-4-ブロモペルフルオロブタンが特に好ましい。
I-R1-Iの具体例としては、1,2-ジヨードエタン、1,3-ジヨードプロパン、1,4-ジヨードブタン、1,5-ジヨードペンタン、1,6-ジヨードヘキサン、1,8-ジヨードオクタンが挙げられる。
I-Rf6-Iの具体例としては、ジヨードジフルオロメタン、1,2-ジヨードペルフルオロエタン、1,3-ジヨードペルフルオロプロパン、1,4-ジヨードペルフルオロブタン、1,5-ジヨードペルフルオロペンタン、1,6-ジヨードペルフルオロヘキサン、1,7-ジヨードペルフルオロヘプタン、1,8-ジヨードペルフルオロオクタンが挙げられる。中でも、1,4-ジヨードペルフルオロブタン、1,6-ジヨードペルフルオロヘキサンが好ましく、1,4-ジヨードペルフルオロブタンが特に好ましい。
I-Rf7-Brの具体例としては、1-ヨード-4-ブロモペルフルオロブタン、1-ヨード-6-ブロモペルフルオロヘキサン、1-ヨード-8-ブロモペルフルオロオクタンが挙げられる。中でも、1-ヨード-4-ブロモペルフルオロブタン、1-ヨード-6-ブロモペルフルオロヘキサンが好ましく、1-ヨード-4-ブロモペルフルオロブタンが特に好ましい。
I-R1-Iの具体例としては、1,2-ジヨードエタン、1,3-ジヨードプロパン、1,4-ジヨードブタン、1,5-ジヨードペンタン、1,6-ジヨードヘキサン、1,8-ジヨードオクタンが挙げられる。
これらのヨウ素原子を含む連鎖移動剤の存在下に上記モノマーを重合させると、主鎖末端にヨウ素原子を有する前駆体ポリマーが得られる。
ヨウ素原子を有する連鎖移動剤を使用する場合の仕込み量は、前駆体ポリマーの重合に使用するモノマーの全仕込み量の100質量部に対して、0.1~20質量部が好ましく、0.5~17質量部がより好ましく、2~15質量部が特に好ましい。
工程1では、ヨウ素原子を有する連鎖移動剤とともに、ラジカル重合開始剤の存在下で上記モノマーを重合することが好ましい。
ラジカル重合開始剤としては、特に限定されず、水溶性重合開始剤、レドックス重合開始剤等の公知のラジカル重合開始剤を使用できる。
ラジカル重合開始剤としては、特に限定されず、水溶性重合開始剤、レドックス重合開始剤等の公知のラジカル重合開始剤を使用できる。
重合温度は、モノマーの組成、ラジカル重合開始剤の分解温度等により適宜選択される。重合温度は、0~60℃が好ましく、10~50℃がより好ましく、20~40℃が特に好ましい。
前駆体ポリマーの製造時に使用する上記以外の成分、製造方法の詳細については、国際公開第2017/057512号の段落0033~0053に記載の方法、国際公開第2010/082633号の段落0019~0034に記載の方法等を参照できる。
(工程2)
工程2は、工程1で得られた前駆体ポリマーの末端に、化合物XAを反応させる工程であり、ラジカル重合開始剤の存在下で実施されるのが好ましい。
工程2は、工程1で得られた前駆体ポリマーの末端に、化合物XAを反応させる工程であり、ラジカル重合開始剤の存在下で実施されるのが好ましい。
化合物XAは、下式(XA)で表される。
CX1X2=CF-O-Rf2-C(O)Z11 式(XA)
式(XA)におけるX1、X2およびRf2はそれぞれ、上述の*-CX1X2-CFH-O-Rf2-**で表される基のX1、X2およびRf2と同義である。
式(XA)におけるZ11は-ORX5であり、式(X)のZ1が-ORX5である場合と同義である。
CX1X2=CF-O-Rf2-C(O)Z11 式(XA)
式(XA)におけるX1、X2およびRf2はそれぞれ、上述の*-CX1X2-CFH-O-Rf2-**で表される基のX1、X2およびRf2と同義である。
式(XA)におけるZ11は-ORX5であり、式(X)のZ1が-ORX5である場合と同義である。
前駆体ポリマーの仕込み量に対する化合物XAの仕込み量の質量比(化合物XAの仕込み量/前駆体ポリマーの仕込み量)は、0.1~12.0が好ましく、0.25~8.0がより好ましく、1.0~6.25がさらに好ましい。質量比が上記範囲内であれば、化合物XAに対応する基を前駆体ポリマーの末端に良好に導入できる。
ラジカル重合開始剤としては、特に限定されず、公知のラジカル重合開始剤を使用できる。ラジカル重合開始剤は、1種単独で用いても2種以上を併用してもよい。
ラジカル重合開始剤の仕込み量は、前駆体ポリマーの仕込み量の100質量部に対して、0.05~20質量部が好ましく、0.5~10質量部がより好ましい。
ラジカル重合開始剤の仕込み量は、前駆体ポリマーの仕込み量の100質量部に対して、0.05~20質量部が好ましく、0.5~10質量部がより好ましい。
工程2における反応は、溶媒の存在下で実施されるのが好ましい。
溶媒の具体例としては、フッ素系有機溶媒および非フッ素系有機溶媒が挙げられる。溶媒は、1種単独で用いても2種以上を併用してもよい。
フッ素系有機溶媒の具体例としては、フッ素化アルカン、フッ素化芳香族化合物、フルオロアルキルエーテル、フッ素化アルキルアミン、フルオロアルコールが挙げられる。
非フッ素系有機溶媒としては、水素原子および炭素原子のみからなる化合物、および、水素原子、炭素原子および酸素原子のみからなる化合物が好ましく、具体的には、炭化水素系有機溶媒、ケトン系有機溶媒、エーテル系有機溶媒、エステル系有機溶媒、アルコール系有機溶媒が挙げられる。
溶媒の具体例としては、フッ素系有機溶媒および非フッ素系有機溶媒が挙げられる。溶媒は、1種単独で用いても2種以上を併用してもよい。
フッ素系有機溶媒の具体例としては、フッ素化アルカン、フッ素化芳香族化合物、フルオロアルキルエーテル、フッ素化アルキルアミン、フルオロアルコールが挙げられる。
非フッ素系有機溶媒としては、水素原子および炭素原子のみからなる化合物、および、水素原子、炭素原子および酸素原子のみからなる化合物が好ましく、具体的には、炭化水素系有機溶媒、ケトン系有機溶媒、エーテル系有機溶媒、エステル系有機溶媒、アルコール系有機溶媒が挙げられる。
工程2における反応スキームの一例として、ラジカル重合開始剤および溶媒の存在下で、前駆体ポリマーの一種である前駆体ポリマーF1と、化合物XAの一種である化合物XA-1とを反応させた場合の反応スキームを以下に示す。
下記反応スキームに示すように、工程2によって、前駆体ポリマーF1の主鎖の末端部分に化合物XA-1に対応する基が導入されたポリマーF2が得られる。
下記反応スキームに示すように、工程2によって、前駆体ポリマーF1の主鎖の末端部分に化合物XA-1に対応する基が導入されたポリマーF2が得られる。
反応温度は、40~120℃が好ましく、60~100℃がより好ましい。反応時間は、60~600分が好ましく、90~500分がより好ましい。
(工程3)
工程2の反応スキームで示したように、工程2で得られたポリマーは、ポリマーの主鎖末端部分にヨウ素原子を有する。そこで、本発明の含フッ素ポリマーの製造方法では、工程2で得られたポリマーに対して脱ヨウ素化処理を施す工程3を実施する。
工程2の反応スキームで示したように、工程2で得られたポリマーは、ポリマーの主鎖末端部分にヨウ素原子を有する。そこで、本発明の含フッ素ポリマーの製造方法では、工程2で得られたポリマーに対して脱ヨウ素化処理を施す工程3を実施する。
脱ヨウ素化処理としては、特に限定されないが、有機過酸化物、ジアルキルホスファイト等のラジカル補足剤と、工程2で得られたポリマーとを反応させる方法や、有機過酸化物とアルカン存在下で、ヨードアルキル基を含むポリマーとを反応させる方法が挙げられる。これにより、工程2で得られたポリマーの主鎖の末端部分におけるヨウ素原子が水素原子に変換されて、本発明の含フッ素ポリマーが得られる。
有機過酸化物としては、ジアルキルペルオキシド、ペルオキシケタール、ジアシルペルオキシド、ジアルキルペルオキシジカーボネート、ペルオキシエステル、ペルオキシモノカーボネート、ビス(フルオロアシル)ペルオキシド、ビス(クロロフルオロアシル)ペルオキシド、ペルオキシエステル等が挙げられる。
例えば、工程3において、上述の工程2で示した反応スキームによって得られたポリマーF2と、有機過酸化物とを反応させる脱ヨウ素化処理を実施した場合には、本発明の含フッ素ポリマーの一種である下式(F3)で表される含フッ素ポリマーF3が得られる。
脱ヨウ素化処理における温度は、40~150℃が好ましく、50~100℃がより好ましい。脱ヨウ素化処理の時間は、30~1,200分が好ましく、60~900分がより好ましい。
(工程4)
本発明の含フッ素ポリマーにおける基XのZ1が-NRX1NRX2Hまたは-NRX3(ORX4)である場合には、本発明の含フッ素ポリマーの製造方法は、さらに、工程4を有する。
本発明の含フッ素ポリマーにおける基XのZ1が-NRX1NRX2Hまたは-NRX3(ORX4)である場合には、本発明の含フッ素ポリマーの製造方法は、さらに、工程4を有する。
工程4は、工程3で得られたポリマーと、化合物XBまたは化合物XCと、を反応させる工程である。
HRX1N-NRX2H 式(XB)
NHRX3(ORX4) 式(XC)
式(XB)のRX1およびRX2はそれぞれ、式(X)のZ1が-NRX1NRX2Hである場合のRX1およびRX2と同義である。
式(XC)のRX3およびRX4はそれぞれ、式(X)のZ1が-NRX3(ORX4)である場合のRX3およびRX4と同義である。
HRX1N-NRX2H 式(XB)
NHRX3(ORX4) 式(XC)
式(XB)のRX1およびRX2はそれぞれ、式(X)のZ1が-NRX1NRX2Hである場合のRX1およびRX2と同義である。
式(XC)のRX3およびRX4はそれぞれ、式(X)のZ1が-NRX3(ORX4)である場合のRX3およびRX4と同義である。
化合物XBは、ヒドラジン・1水和物のような水和物の形態で使用してもよい。
工程4は、溶媒の存在下で実施してもよい。溶媒の具体例としては、上述のフッ素系有機溶媒および非フッ素系有機溶媒が挙げられ、これらのうち、上記化合物XBまたは化合物XCを溶解できる溶媒を用いるのが好ましい。
例えば、工程4において、上述の工程3で示した含フッ素ポリマーF3と、化合物XBの一種であるヒドラジン(H2N-NH2)と、を反応させた場合には、本発明の含フッ素ポリマーの一種である下式(F4)で表される含フッ素ポリマーF4が得られる。
また、工程4において、上述の工程3で示した含フッ素ポリマーF3と、化合物XCの一種であるヒドロキシルアミン(NH2OH)と、を反応させた場合には、本発明の含フッ素ポリマーの一種である下式(F5)で表される含フッ素ポリマーF5が得られる。
反応温度は、20~80℃が好ましく、20~50℃がより好ましい。反応時間は、120~3,000分が好ましく、150~1,500分がより好ましい。
<用途>
本発明の含フッ素ポリマーの用途としては、特に限定されないが、例えば、半導体産業、自動車産業、化学産業等で用いる各種基材のコーティングや粘着層の形成に使用できる。
本発明の含フッ素ポリマーの用途としては、特に限定されないが、例えば、半導体産業、自動車産業、化学産業等で用いる各種基材のコーティングや粘着層の形成に使用できる。
本発明の含フッ素ポリマーの用途としては、O-リング、シート、オイルシール、ダイヤフラム、V-リング等が挙げられる。また、耐熱性耐薬品性シール材、耐熱性耐油性シール材、電線被覆材、耐蝕性ゴム塗料、耐ウレア系グリース用シール材等の用途にも適用できる。
また、ガスケット、金属ガスケット、Oリングへのコーティング、さらに国際公開第2016/017801の段落0099に記載される物品のコーティングにも好適に適用できる。
また、半導体産業関連用途としては、電子部材およびECUのケーシング、パワー半導体モジュールのポッティングおよびポッティングワイヤー、LEDデバイスの封止剤、チップ固定用ダイボンド材、COB向けダム材およびシール材が挙げられる。また、IGBTモジュールやPCBのポッティング材、コーティング材、シール材等にも好適である。
さらに、エッチングレジストインキ、ソルダーレジストインキ、メッキレジストインキ、マーキングインキ等の各種レジストインクも挙げられる。
さらに、例えば特開2009-108424の段落0042に記載される熱伝導フィラーを本発明の含フッ素ポリマーに添加することによって、放熱グリースなどの放熱被覆材、シール材としても好適に用いられる。
また、電線導体のコーティング、絶縁層のコーティングおよびガラス編組電線のコーティングにも用いられる。さらに、電子用産業におけるCCL等のプリント基板へのコーティング、ウェアラブルデバイス向け等の伸縮性または柔軟性基板にも用いられる。また、ソフトロボティクス分野における圧電体センサー、アクチュエーターのコーティングにも使用できる。
ここで、本発明の含フッ素ポリマーでコーティングして得られたガラス編組電線の製造方法は特に限定されず、本発明の含フッ素ポリマーでコーティングしたガラス繊維をチューブ状に編む方法、および、ガラス繊維をチューブ状に編んだ編物に本発明の含フッ素ポリマーをコーティングする方法が挙げられる。
また、半導体産業関連用途としては、電子部材およびECUのケーシング、パワー半導体モジュールのポッティングおよびポッティングワイヤー、LEDデバイスの封止剤、チップ固定用ダイボンド材、COB向けダム材およびシール材が挙げられる。また、IGBTモジュールやPCBのポッティング材、コーティング材、シール材等にも好適である。
さらに、エッチングレジストインキ、ソルダーレジストインキ、メッキレジストインキ、マーキングインキ等の各種レジストインクも挙げられる。
さらに、例えば特開2009-108424の段落0042に記載される熱伝導フィラーを本発明の含フッ素ポリマーに添加することによって、放熱グリースなどの放熱被覆材、シール材としても好適に用いられる。
また、電線導体のコーティング、絶縁層のコーティングおよびガラス編組電線のコーティングにも用いられる。さらに、電子用産業におけるCCL等のプリント基板へのコーティング、ウェアラブルデバイス向け等の伸縮性または柔軟性基板にも用いられる。また、ソフトロボティクス分野における圧電体センサー、アクチュエーターのコーティングにも使用できる。
ここで、本発明の含フッ素ポリマーでコーティングして得られたガラス編組電線の製造方法は特に限定されず、本発明の含フッ素ポリマーでコーティングしたガラス繊維をチューブ状に編む方法、および、ガラス繊維をチューブ状に編んだ編物に本発明の含フッ素ポリマーをコーティングする方法が挙げられる。
また、本発明の含フッ素ポリマーは、無機繊維、有機繊維の含浸材またはバインダーとしても使用できる。上記無機繊維の具体例としては、CFRP、CFRTP、ガラス繊維、GFRPおよびGFRTPが挙げられる。上記有機繊維の具体例としては、アラミド繊維、エステル繊維などの高分子繊維、例えばエンジニアリングプラスチックを溶融紡糸して得られる繊維材が挙げられる。
また、本発明の含フッ素ポリマーは接着テープまたはフィルムとして用いることができる。本発明の含フッ素ポリマーから得られる塗膜をそのまま接着テープまたはフィルムとして用いてもよく、基材に本発明の含フッ素ポリマーを塗って得られる塗装物品を接着テープまたはフィルムとして用いてもよい。
本発明の含フッ素ポリマーから得られる塗膜をそのまま接着テープまたはフィルムとして用いる場合、例えば基材に本発明の含フッ素ポリマーを塗布して得られた塗膜を剥離させて、接着テープまたはフィルムとして用いる。
基材に本発明の含フッ素ポリマーを塗って得られる塗装物品を接着テープまたはフィルムとして用いる場合は、本発明の含フッ素ポリマーから得られる塗膜は、例えば粘着層、接着層、保護層として機能する。
また、本発明の含フッ素ポリマーは接着テープまたはフィルムとして用いることができる。本発明の含フッ素ポリマーから得られる塗膜をそのまま接着テープまたはフィルムとして用いてもよく、基材に本発明の含フッ素ポリマーを塗って得られる塗装物品を接着テープまたはフィルムとして用いてもよい。
本発明の含フッ素ポリマーから得られる塗膜をそのまま接着テープまたはフィルムとして用いる場合、例えば基材に本発明の含フッ素ポリマーを塗布して得られた塗膜を剥離させて、接着テープまたはフィルムとして用いる。
基材に本発明の含フッ素ポリマーを塗って得られる塗装物品を接着テープまたはフィルムとして用いる場合は、本発明の含フッ素ポリマーから得られる塗膜は、例えば粘着層、接着層、保護層として機能する。
電子産業用途としては、リードフレーム固定用テープ、LED実装基板等のFPC固定用テープ、ボンディングシート、QFN、SON等のパッケージ基板向けの樹脂封止成型用テープ、TABテープ、COFテープ等が挙げられる。
絶縁材料としては、電気絶縁ガラスクロス、マグネットワイヤーへのコーティング、電気設備への絶縁ジョイントテープ、絶縁性自己融着テープ、絶縁紙等が挙げられる。
光学部材としては、LCD、LED向け光学フィルム、遮光反射テープ、太陽電池向け保護シート、タッチパネルおよび電子ペーパー向けフィルム、PDP前面フィルター用粘着フィルム、EMIシールド用粘着フィルムが挙げられる。
電子材料向けテープとしては、ポリイミドを基材として用い、本発明の含フッ素ポリマーを塗布したテープが特に好適に用いられ、本発明の含フッ素ポリマーから得られる塗膜は、接着層、粘着層として機能させることが好ましい。また、上記接着層、粘着層として機能する本発明の含フッ素ポリマーから得られる塗膜中にアクリル樹脂、エポキシ樹脂などの樹脂をブレンドしてもよい。
絶縁材料としては、電気絶縁ガラスクロス、マグネットワイヤーへのコーティング、電気設備への絶縁ジョイントテープ、絶縁性自己融着テープ、絶縁紙等が挙げられる。
光学部材としては、LCD、LED向け光学フィルム、遮光反射テープ、太陽電池向け保護シート、タッチパネルおよび電子ペーパー向けフィルム、PDP前面フィルター用粘着フィルム、EMIシールド用粘着フィルムが挙げられる。
電子材料向けテープとしては、ポリイミドを基材として用い、本発明の含フッ素ポリマーを塗布したテープが特に好適に用いられ、本発明の含フッ素ポリマーから得られる塗膜は、接着層、粘着層として機能させることが好ましい。また、上記接着層、粘着層として機能する本発明の含フッ素ポリマーから得られる塗膜中にアクリル樹脂、エポキシ樹脂などの樹脂をブレンドしてもよい。
また、本発明の含フッ素ポリマーは医療分野においても様々な用途で好適に使用することができ、カテーテル等の器具、WO2019/054500に記載のマイクロ流路チップ等のデバイスの塗料としても使用できる。
食品用途として、飲料容器、ディスペンサー等に使用されるガスケット、Oリング等のシール材、食品ベルト等にも用いられる。
各種ケミカルプラントの配管等に使用されるシール材およびライニング材、貯蔵タンク、反応槽の内壁またはアジテーターへのコーティング材等の用途も挙げられる。
プリンター、デジタルカラー複合機などの帯電ロール、現像ロール、定着ロールまたは転写ロール、鉄鋼、ガラス製造向けの圧延、冷却、酸洗工程向けロール等のコーティングにも用いられる。
自動車、鉄道車両、航空機向け耐チップ塗装用コーティングにも用いられる。
防舷材(海洋土木、船舶)、含浸された繊維・不織布等の防護服等、基盤シール材、ゴム手袋、一軸偏心ねじポンプのステーターまたはローター、WO2015/099051の段落0175に記載の用途にも用いられる。
また、本発明の含フッ素ポリマーを上述の用途に適用するにあたり、本発明の含フッ素ポリマーをそのまま用いてもよく、本発明の含フッ素ポリマーを含む硬化性組成物を使用してもよく、本発明の含フッ素ポリマーを用いて得られるテープまたはフィルムを使用してもよい。
食品用途として、飲料容器、ディスペンサー等に使用されるガスケット、Oリング等のシール材、食品ベルト等にも用いられる。
各種ケミカルプラントの配管等に使用されるシール材およびライニング材、貯蔵タンク、反応槽の内壁またはアジテーターへのコーティング材等の用途も挙げられる。
プリンター、デジタルカラー複合機などの帯電ロール、現像ロール、定着ロールまたは転写ロール、鉄鋼、ガラス製造向けの圧延、冷却、酸洗工程向けロール等のコーティングにも用いられる。
自動車、鉄道車両、航空機向け耐チップ塗装用コーティングにも用いられる。
防舷材(海洋土木、船舶)、含浸された繊維・不織布等の防護服等、基盤シール材、ゴム手袋、一軸偏心ねじポンプのステーターまたはローター、WO2015/099051の段落0175に記載の用途にも用いられる。
また、本発明の含フッ素ポリマーを上述の用途に適用するにあたり、本発明の含フッ素ポリマーをそのまま用いてもよく、本発明の含フッ素ポリマーを含む硬化性組成物を使用してもよく、本発明の含フッ素ポリマーを用いて得られるテープまたはフィルムを使用してもよい。
[硬化物]
本発明の硬化物は、上述した本発明の含フッ素ポリマーを架橋してなる硬化物である。
本発明の硬化物は、上述した本発明の含フッ素ポリマーを架橋してなる硬化物である。
<硬化物の物性>
本発明の硬化物は、上述した本発明の含フッ素ポリマーを用いて得られるので、絶縁破壊強度に優れる。
本発明の硬化物の絶縁破壊強度は、40kV/mm以上が好ましく、50kV/mm以上が更に好ましく、65kV/mm以上がより好ましい。絶縁破壊強度が上記範囲内にあれば、硬化物の絶縁破壊強度に優れるといえる。
絶縁破壊強度は、後述の実施例欄に記載の方法によって測定される。
本発明の硬化物は、上述した本発明の含フッ素ポリマーを用いて得られるので、絶縁破壊強度に優れる。
本発明の硬化物の絶縁破壊強度は、40kV/mm以上が好ましく、50kV/mm以上が更に好ましく、65kV/mm以上がより好ましい。絶縁破壊強度が上記範囲内にあれば、硬化物の絶縁破壊強度に優れるといえる。
絶縁破壊強度は、後述の実施例欄に記載の方法によって測定される。
本発明の硬化物は、上述した本発明の含フッ素ポリマーを用いて得られるので、耐熱性に優れる。硬化物の耐熱性は、例えば、硬化物の1%質量減少温度によって評価できる。
本発明の硬化物の1%質量減少温度は、300℃以上が好ましく、350℃以上が更に好ましく、400℃以上がより好ましい。1%質量減少温度が上記範囲内にあれば、硬化物の耐熱性に優れるといえる。
1%質量減少温度は、後述の実施例欄に記載の方法によって測定される。
本発明の硬化物の1%質量減少温度は、300℃以上が好ましく、350℃以上が更に好ましく、400℃以上がより好ましい。1%質量減少温度が上記範囲内にあれば、硬化物の耐熱性に優れるといえる。
1%質量減少温度は、後述の実施例欄に記載の方法によって測定される。
上述した本発明の含フッ素ポリマーは、架橋性に優れる。含フッ素ポリマーの架橋性は、含フッ素ポリマーを架橋して得られた硬化物の高温時の貯蔵弾性率によって評価できる。具体的には、本発明の硬化物の250℃における貯蔵弾性率は、1.0×106Pa以上が好ましく、1.5×106Pa以上がより好ましい。硬化物の250℃における貯蔵弾性率が上記範囲内であれば、硬化物の製造に用いた含フッ素ポリマーは架橋性に優れるといえる。
250℃における貯蔵弾性率は、後述の実施例欄に記載の方法によって測定される。
250℃における貯蔵弾性率は、後述の実施例欄に記載の方法によって測定される。
<硬化性組成物>
本発明の硬化物は、本発明の含フッ素ポリマーを含む硬化性組成物を用いて得られた硬化物であるのが好ましい。
硬化性組成物は、本発明の含フッ素ポリマーの他に、架橋剤を含むことが好ましい。
架橋剤は、同一分子内に反応性官能基を2個以上有する化合物が好ましい。反応性官能基の具体例としては、炭素-炭素二重結合含有基、ハロゲン原子、酸無水物残基、カルボキシ基、アミノ基、シアノ基、水酸基が挙げられる。架橋剤の同一分子内に存在する複数の反応性官能基は、互いに同一であっても異なっていてもよい。
炭素-炭素二重結合含有基の具体例としては、ビニル基、アリル基およびメタリル基等のアルケニル基、アクリロイル基およびメタクリロイル基等の不飽和アシル基、マレイミド基が挙げられる。炭素-炭素二重結合含有基は、炭素数2~4のアルケニル基が好ましく、アリル基が特に好ましい。
架橋剤の具体例としては、トリアリルシアヌレート、トリアリルイソシアヌレート、トリメタリルイソシアヌレート、1,3,5-トリアクリロイルヘキサヒドロ-1,3,5-トリアジン、トリアリルトリメリテート、m-フェニレンジアミンビスマレイミド、p-キノンジオキシム、p,p’-ジベンゾイルキノンジオキシム、ジプロパルギルテレフタレート、ジアリルフタレート、N,N’,N’’,N’’’-テトラアリルテレフタールアミド、ビニル基含有シロキサンオリゴマー(ポリメチルビニルシロキサン、ポリメチルフェニルビニルシロキサン等)が挙げられる。これらの中でも、トリアリルシアヌレート、トリアリルイソシアヌレート、トリメタリルイソシアヌレートが好ましく、トリアリルイソシアヌレートが特に好ましい。架橋剤は、1種単独で用いても2種以上を併用してもよい。
硬化性組成物が架橋剤を含む場合、架橋剤の含有量は、本発明の含フッ素ポリマーの100質量部に対して、0.5~20質量部が好ましく、1~10質量部がより好ましい。
本発明の硬化物は、本発明の含フッ素ポリマーを含む硬化性組成物を用いて得られた硬化物であるのが好ましい。
硬化性組成物は、本発明の含フッ素ポリマーの他に、架橋剤を含むことが好ましい。
架橋剤は、同一分子内に反応性官能基を2個以上有する化合物が好ましい。反応性官能基の具体例としては、炭素-炭素二重結合含有基、ハロゲン原子、酸無水物残基、カルボキシ基、アミノ基、シアノ基、水酸基が挙げられる。架橋剤の同一分子内に存在する複数の反応性官能基は、互いに同一であっても異なっていてもよい。
炭素-炭素二重結合含有基の具体例としては、ビニル基、アリル基およびメタリル基等のアルケニル基、アクリロイル基およびメタクリロイル基等の不飽和アシル基、マレイミド基が挙げられる。炭素-炭素二重結合含有基は、炭素数2~4のアルケニル基が好ましく、アリル基が特に好ましい。
架橋剤の具体例としては、トリアリルシアヌレート、トリアリルイソシアヌレート、トリメタリルイソシアヌレート、1,3,5-トリアクリロイルヘキサヒドロ-1,3,5-トリアジン、トリアリルトリメリテート、m-フェニレンジアミンビスマレイミド、p-キノンジオキシム、p,p’-ジベンゾイルキノンジオキシム、ジプロパルギルテレフタレート、ジアリルフタレート、N,N’,N’’,N’’’-テトラアリルテレフタールアミド、ビニル基含有シロキサンオリゴマー(ポリメチルビニルシロキサン、ポリメチルフェニルビニルシロキサン等)が挙げられる。これらの中でも、トリアリルシアヌレート、トリアリルイソシアヌレート、トリメタリルイソシアヌレートが好ましく、トリアリルイソシアヌレートが特に好ましい。架橋剤は、1種単独で用いても2種以上を併用してもよい。
硬化性組成物が架橋剤を含む場合、架橋剤の含有量は、本発明の含フッ素ポリマーの100質量部に対して、0.5~20質量部が好ましく、1~10質量部がより好ましい。
硬化性組成物は、溶媒を含んでいてもよい。この場合、硬化性組成物は、コーティング組成物として用いることができる。
溶媒の具体例としては、上述したフッ素系有機溶媒および非フッ素系有機溶媒が挙げられる。溶媒は、1種単独で用いても2種以上を併用してもよい。
硬化性組成物が溶媒を含む場合、溶媒の含有量は、硬化性組成物の全質量に対して、30~99質量%が好ましく、50~99質量%がより好ましい。
溶媒の具体例としては、上述したフッ素系有機溶媒および非フッ素系有機溶媒が挙げられる。溶媒は、1種単独で用いても2種以上を併用してもよい。
硬化性組成物が溶媒を含む場合、溶媒の含有量は、硬化性組成物の全質量に対して、30~99質量%が好ましく、50~99質量%がより好ましい。
硬化性組成物は、本発明の効果が損なわれない範囲で、上記以外の他の成分を含んでいてもよい。他の成分としては、受酸剤(例えば、脂肪酸エステル、脂肪酸金属塩、2価金属の酸化物(酸化マグネシウム、酸化カルシウム、酸化亜鉛、酸化鉛等))、充填剤および補強材(例えば、カーボンブラック、硫酸バリウム、メタケイ酸カルシウム、炭酸カルシウム、酸化チタン、二酸化珪素、クレー、タルク)、スコーチ遅延剤(例えば、ビスフェノールA等のフェノール性水酸基含有化合物類、ハイドロキノン等のキノン類、2,4-ジ(3-イソプロピルフェニル)-4-メチル-1-ペンテン等のα-メチルスチレンダイマー類)、クラウンエーテル(例えば、18-クラウン-6)、離型剤(例えば、ステアリン酸ナトリウム)が挙げられる。
硬化性組成物が他の成分を含む場合、他の成分の含有量の合計は、本発明の含フッ素ポリマーの100質量部に対して、0質量部超30質量部以下が好ましく、1~25質量部がより好ましく、5~15質量部が特に好ましい。
硬化性組成物が他の成分を含む場合、他の成分の含有量の合計は、本発明の含フッ素ポリマーの100質量部に対して、0質量部超30質量部以下が好ましく、1~25質量部がより好ましく、5~15質量部が特に好ましい。
硬化性組成物の調製方法としては、上記各成分を混合する方法が挙げられる。各成分の混合は、ロール、ニーダー、バンバリーミキサーまたは押し出し機等のゴム用混合装置を用いて実施できる。
また、上記各成分を混合した混合物を得た後、混合物を成形してもよい。混合物の成形方法の具体例としては、圧縮成形、射出成形、押し出し成形、カレンダー成形、または、溶剤に溶かして基板等にディッピングもしくはコーティングして成形する方法が挙げられる。
また、上記各成分を混合した混合物を得た後、混合物を成形してもよい。混合物の成形方法の具体例としては、圧縮成形、射出成形、押し出し成形、カレンダー成形、または、溶剤に溶かして基板等にディッピングもしくはコーティングして成形する方法が挙げられる。
<硬化物の製造方法>
本発明の硬化物の製造方法としては、活性エネルギー線の照射処理、および、加熱処理の少なくとも一方の処理によって、含フッ素ポリマーを架橋させる方法が挙げられる。
本発明の硬化物の製造方法としては、活性エネルギー線の照射処理、および、加熱処理の少なくとも一方の処理によって、含フッ素ポリマーを架橋させる方法が挙げられる。
含フッ素ポリマーにおける基Xが-Rf1COOR5である場合には、活性エネルギー線の照射処理により含フッ素ポリマーを架橋させることが好ましい。
含フッ素ポリマーにおける基Xが-Rf1C(O)NR1NR2Hまたは-Rf1C(O)NR3(OR4)である場合には、加熱処理、活性エネルギー線の照射処理、または、これらの組み合わせにより含フッ素ポリマーを架橋させることが好ましい。なお、加熱処理および活性エネルギー線の照射処理の両方が行われる場合、加熱処理は、活性エネルギー線の照射処理の前、同時、および、後のうち、少なくとも1つのタイミングで実施できる。
含フッ素ポリマーにおける基Xが-Rf1C(O)NR1NR2Hまたは-Rf1C(O)NR3(OR4)である場合には、加熱処理、活性エネルギー線の照射処理、または、これらの組み合わせにより含フッ素ポリマーを架橋させることが好ましい。なお、加熱処理および活性エネルギー線の照射処理の両方が行われる場合、加熱処理は、活性エネルギー線の照射処理の前、同時、および、後のうち、少なくとも1つのタイミングで実施できる。
加熱処理の方法の具体例としては、加熱プレス架橋、スチーム架橋、熱風架橋が挙げられる。
加熱処理において、加熱温度は、50~300℃が好ましい。加熱する際は、段階的に昇温したり、降温したりしてもよい。加熱時間は、1分間~10時間が好ましい。
加熱処理において、加熱温度は、50~300℃が好ましい。加熱する際は、段階的に昇温したり、降温したりしてもよい。加熱時間は、1分間~10時間が好ましい。
活性エネルギー線としては、紫外線、電子線が挙げられる。
活性エネルギー線の波長は、150~300nmが好ましく、200~260nmがより好ましい。
活性エネルギー線の発生源としては、250~300nmにはメタルハライドランプ、185、254nmには低圧水銀ランプ、172nm、222nmにはエキシマランプ、248nmにはKrFエキシマレーザー、193nmにはArFエキシマレーザー、157nmにはF2レーザーが挙げられる。
活性エネルギー線の照射強度は、0.1~500mW/cm2が好ましい。活性エネルギー線の照射時間は、1分~10時間が好ましい。
活性エネルギー線の波長は、150~300nmが好ましく、200~260nmがより好ましい。
活性エネルギー線の発生源としては、250~300nmにはメタルハライドランプ、185、254nmには低圧水銀ランプ、172nm、222nmにはエキシマランプ、248nmにはKrFエキシマレーザー、193nmにはArFエキシマレーザー、157nmにはF2レーザーが挙げられる。
活性エネルギー線の照射強度は、0.1~500mW/cm2が好ましい。活性エネルギー線の照射時間は、1分~10時間が好ましい。
以下、例を挙げて本発明を詳細に説明する。例1~9は実施例であり、例10~12は比較例である。ただし本発明はこれらの例に限定されない。
[質量平均分子量(Mw)]
各ポリマーのMwは次のようにして測定した。
HFE7300(Novec(登録商標)7300、3M社製)/HFIP(ヘキサフルオロイソプロパノール)(90/10体積%)を溶媒とするゲル・パーミエーション・クロマトグラフィー(GPC)により測定し、標準ポリメチルメタクリレート換算値として求めた。測定条件は、以下のとおりである。
測定装置:HLC-8320(東ソー社製)
カラム:PL mixed-C(アジレント・テクノロジー社製)
検出器:ELSD-LTII(島津社製)
各ポリマーのMwは次のようにして測定した。
HFE7300(Novec(登録商標)7300、3M社製)/HFIP(ヘキサフルオロイソプロパノール)(90/10体積%)を溶媒とするゲル・パーミエーション・クロマトグラフィー(GPC)により測定し、標準ポリメチルメタクリレート換算値として求めた。測定条件は、以下のとおりである。
測定装置:HLC-8320(東ソー社製)
カラム:PL mixed-C(アジレント・テクノロジー社製)
検出器:ELSD-LTII(島津社製)
[前駆体ポリマー中の基Xの導入率]
後述の工程2で得られた前駆体ポリマーを、アサヒクリンAC-6000(AGC社製、フッ素系溶媒)および重クロロホルムの混合溶媒中に溶解させた後、内部標準物質として1,3-ビス(トリフルオロメチル)ベンゼンを加えて、核磁気共鳴装置(JEOL社製、JNM-AL300)を用いて300MHz 1H-NMR測定を行った。
4ppm付近に確認できる基Xの末端由来のピーク、および、7.5~8.0ppm付近の1,3-ビス(トリフルオロメチル)ベンゼン由来のピークから、含フッ素ポリマー中の基Xの量を算出した。
なお、後述の例12については、工程2を実施していないので、工程1で得られた含フッ素ポリマーを用いて測定した。
後述の工程2で得られた前駆体ポリマーを、アサヒクリンAC-6000(AGC社製、フッ素系溶媒)および重クロロホルムの混合溶媒中に溶解させた後、内部標準物質として1,3-ビス(トリフルオロメチル)ベンゼンを加えて、核磁気共鳴装置(JEOL社製、JNM-AL300)を用いて300MHz 1H-NMR測定を行った。
4ppm付近に確認できる基Xの末端由来のピーク、および、7.5~8.0ppm付近の1,3-ビス(トリフルオロメチル)ベンゼン由来のピークから、含フッ素ポリマー中の基Xの量を算出した。
なお、後述の例12については、工程2を実施していないので、工程1で得られた含フッ素ポリマーを用いて測定した。
[含フッ素ポリマーの架橋性の評価]
含フッ素ポリマーの硬化物を用いて、30mm×3mmのサイズ(厚さ0.3mm)のサンプルを作製した。
得られたサンプルについて、熱分析装置(SII NanoTechnology株式会社製、TMA/SS7100)を用いて、オフセット50mN、振幅25mN、周波数0.05Hz、測定温度50~300℃、昇温速度5℃/minの条件で熱分析を行い、250℃における貯蔵弾性率E’(単位:Pa)を測定し、以下の基準によって含フッ素ポリマーの架橋性を評価した。
○:250℃における貯蔵弾性率E’が 1.0×106Pa以上
×:250℃における貯蔵弾性率E’が 1.0×106Pa未満(破断により測定できなかった場合も含む。)
含フッ素ポリマーの硬化物を用いて、30mm×3mmのサイズ(厚さ0.3mm)のサンプルを作製した。
得られたサンプルについて、熱分析装置(SII NanoTechnology株式会社製、TMA/SS7100)を用いて、オフセット50mN、振幅25mN、周波数0.05Hz、測定温度50~300℃、昇温速度5℃/minの条件で熱分析を行い、250℃における貯蔵弾性率E’(単位:Pa)を測定し、以下の基準によって含フッ素ポリマーの架橋性を評価した。
○:250℃における貯蔵弾性率E’が 1.0×106Pa以上
×:250℃における貯蔵弾性率E’が 1.0×106Pa未満(破断により測定できなかった場合も含む。)
[硬化物の耐熱性の評価]
示差熱熱量同時測定装置(日立ハイテクサイエンス社製、TG/DTA7220)を用いて、含フッ素ポリマーの硬化物の熱重量分析(TGA)を行った。具体的には、窒素雰囲気下で、25℃から550℃まで10℃/minの速度で昇温した際の重量減少温度を測定し、含フッ素ポリマーの重量が1%減少した際の温度(1%重量減少温度)に基づいて、以下の基準によって硬化物の耐熱性を評価した。
○:1%重量減少温度が400℃以上
△:1%重量減少温度が350℃以上400℃未満
×:1%重量減少温度が350℃未満
示差熱熱量同時測定装置(日立ハイテクサイエンス社製、TG/DTA7220)を用いて、含フッ素ポリマーの硬化物の熱重量分析(TGA)を行った。具体的には、窒素雰囲気下で、25℃から550℃まで10℃/minの速度で昇温した際の重量減少温度を測定し、含フッ素ポリマーの重量が1%減少した際の温度(1%重量減少温度)に基づいて、以下の基準によって硬化物の耐熱性を評価した。
○:1%重量減少温度が400℃以上
△:1%重量減少温度が350℃以上400℃未満
×:1%重量減少温度が350℃未満
[硬化物の比誘電率の測定]
含フッ素ポリマーの硬化物について、10GHzにおける比誘電率(Dk)を、25℃で、ベクトルネットワークアナライザ(アジレント・テクノロジー社製、E8361C)を用い、SPDR法により測定した。
含フッ素ポリマーの硬化物について、10GHzにおける比誘電率(Dk)を、25℃で、ベクトルネットワークアナライザ(アジレント・テクノロジー社製、E8361C)を用い、SPDR法により測定した。
[絶縁破壊強度]
含フッ素ポリマーの硬化物について、絶縁破壊試験装置(ヤマヨ試験器社製、YST-243-100RHO)を用いて、昇圧方式:短時間法、周囲媒体:絶縁油、測定温度:23℃、昇圧速度:1.0kV/s、試験電極:φ25mm円柱/φ25mm円柱、試験室環境:23±2℃、50±5%RH、サンプル形状:φ60mm×0.15mm(厚さ)の条件で、ASTM D149に準拠する方法にて、絶縁破壊強度(単位:kV/mm)を測定した。
絶縁破壊強度は、50(kV/mm)以上であると、電線被覆材料として使用可能である。
含フッ素ポリマーの硬化物について、絶縁破壊試験装置(ヤマヨ試験器社製、YST-243-100RHO)を用いて、昇圧方式:短時間法、周囲媒体:絶縁油、測定温度:23℃、昇圧速度:1.0kV/s、試験電極:φ25mm円柱/φ25mm円柱、試験室環境:23±2℃、50±5%RH、サンプル形状:φ60mm×0.15mm(厚さ)の条件で、ASTM D149に準拠する方法にて、絶縁破壊強度(単位:kV/mm)を測定した。
絶縁破壊強度は、50(kV/mm)以上であると、電線被覆材料として使用可能である。
[含フッ素ポリマーの保存安定性]
LED照明の下で含フッ素ポリマーを25℃で2日間保存した後、含フッ素ポリマーの着色の様子を目視で確認して、以下の基準によって保存安定性を評価した。なお、保存時に含フッ素ポリマーの架橋が進行した場合、含フッ素ポリマーが着色する。
○:着色あり
×:着色なし
LED照明の下で含フッ素ポリマーを25℃で2日間保存した後、含フッ素ポリマーの着色の様子を目視で確認して、以下の基準によって保存安定性を評価した。なお、保存時に含フッ素ポリマーの架橋が進行した場合、含フッ素ポリマーが着色する。
○:着色あり
×:着色なし
[例1]
<工程1>
アンカー翼を備えた内容積20Lのステンレス鋼製耐圧反応器を脱気した後、イオン交換水の8800質量部、F(CF2)2OCF2CF2OCF2COONH4の220質量部、リン酸水素二ナトリウム12水和物の0.64質量部を仕込み、気相を窒素置換した。アンカー翼を用いて375rpmの速度で攪拌しながら、内温を80℃に昇温させた。内温が80℃になってから予め調整しておいたTFE(テトラフルオロエチレン)/PMVE(ペルフルオロ(メチルビニルエーテル))=25/75(モル比)の混合ガスを反応器内圧が0.8MPaGになるまで圧入した。過硫酸アンモニウムの2.5質量%水溶液の25mLを添加し、重合を開始した。
重合の進行に伴い、反応器内圧が低下するので、0.79MPaGに降下した時点でTFEガスを自圧で圧入し、反応器内圧を0.81MPaGに昇圧させた。この操作を繰り返し、反応器内圧を0.79~0.81MPaGの間に保持し重合反応を続けた。該TFEガスの添加量が30質量部になった時点で、I(CF2)4Iの8質量部を窒素背圧により添加した。この間、該TFEガスの80質量部が添加される毎に、別のステンレス鋼製耐圧容器に用意したPMVEの50mLを反応器に窒素背圧により圧入した。PMVEの圧入は該TFEガスの1120質量部を添加するまで続けた。
過硫酸アンモニウム水溶液添加後のTFEガスの総添加量が1200質量部となった時点で、該TFEガスの添加を停止し、反応器内温を10℃に冷却させ、重合反応を停止させた。これにより、主鎖末端にヨウ素原子を有する前駆体ポリマーF1-1のラテックスを得た。重合時間は約12時間であった。
該ラテックスの5000質量部を硫酸アルミニウムカリウムの5質量%水溶液7500質量部に添加して、ラテックスを凝集させ、前駆体ポリマーF1-1を得た。析出した前駆体ポリマーF1-1を分離し、1回あたり5000質量部の超純水により6回洗浄し、50℃の真空オーブンで12時間乾燥させて、白色の前駆体ポリマーF1―1(Mw:237,000)を1034質量部得た。
<工程1>
アンカー翼を備えた内容積20Lのステンレス鋼製耐圧反応器を脱気した後、イオン交換水の8800質量部、F(CF2)2OCF2CF2OCF2COONH4の220質量部、リン酸水素二ナトリウム12水和物の0.64質量部を仕込み、気相を窒素置換した。アンカー翼を用いて375rpmの速度で攪拌しながら、内温を80℃に昇温させた。内温が80℃になってから予め調整しておいたTFE(テトラフルオロエチレン)/PMVE(ペルフルオロ(メチルビニルエーテル))=25/75(モル比)の混合ガスを反応器内圧が0.8MPaGになるまで圧入した。過硫酸アンモニウムの2.5質量%水溶液の25mLを添加し、重合を開始した。
重合の進行に伴い、反応器内圧が低下するので、0.79MPaGに降下した時点でTFEガスを自圧で圧入し、反応器内圧を0.81MPaGに昇圧させた。この操作を繰り返し、反応器内圧を0.79~0.81MPaGの間に保持し重合反応を続けた。該TFEガスの添加量が30質量部になった時点で、I(CF2)4Iの8質量部を窒素背圧により添加した。この間、該TFEガスの80質量部が添加される毎に、別のステンレス鋼製耐圧容器に用意したPMVEの50mLを反応器に窒素背圧により圧入した。PMVEの圧入は該TFEガスの1120質量部を添加するまで続けた。
過硫酸アンモニウム水溶液添加後のTFEガスの総添加量が1200質量部となった時点で、該TFEガスの添加を停止し、反応器内温を10℃に冷却させ、重合反応を停止させた。これにより、主鎖末端にヨウ素原子を有する前駆体ポリマーF1-1のラテックスを得た。重合時間は約12時間であった。
該ラテックスの5000質量部を硫酸アルミニウムカリウムの5質量%水溶液7500質量部に添加して、ラテックスを凝集させ、前駆体ポリマーF1-1を得た。析出した前駆体ポリマーF1-1を分離し、1回あたり5000質量部の超純水により6回洗浄し、50℃の真空オーブンで12時間乾燥させて、白色の前駆体ポリマーF1―1(Mw:237,000)を1034質量部得た。
上記式中の括弧に付した数値は、共重合比率(モル比)を意味し、以下の式においても同様である。
<工程2>
前駆体ポリマーF1-1の32質量部をAC-6000の368質量部に溶解させて、前駆体ポリマーF1-1を含む溶液(前駆体ポリマーF1-1の濃度:8質量%)を得た。
得られた溶液400質量部に過酸化ジラウロイル0.024質量部(2.39×10-1mmol)、CF2=CF-O-C3F6C(O)OCH3を80質量部添加した。20分間、N2バブリングすることで反応溶液および容器内をN2置換した後、90℃の恒温槽中で7時間加熱、攪拌した。
2-プロパノールで凝固して得られた白色固体をAC-6000で溶解した後、アサヒクリンAE-3000(AGC社製、フッ素系溶媒)で再び凝固した。得られた白色固体を60℃、真空条件下で14時間乾燥させることで、前駆体ポリマーF2-1(Mw=238,100)を31質量部得た。
前駆体ポリマーF1-1の32質量部をAC-6000の368質量部に溶解させて、前駆体ポリマーF1-1を含む溶液(前駆体ポリマーF1-1の濃度:8質量%)を得た。
得られた溶液400質量部に過酸化ジラウロイル0.024質量部(2.39×10-1mmol)、CF2=CF-O-C3F6C(O)OCH3を80質量部添加した。20分間、N2バブリングすることで反応溶液および容器内をN2置換した後、90℃の恒温槽中で7時間加熱、攪拌した。
2-プロパノールで凝固して得られた白色固体をAC-6000で溶解した後、アサヒクリンAE-3000(AGC社製、フッ素系溶媒)で再び凝固した。得られた白色固体を60℃、真空条件下で14時間乾燥させることで、前駆体ポリマーF2-1(Mw=238,100)を31質量部得た。
<工程3>
前駆体ポリマーF2-1(1質量部)をAC-6000(49質量部)に溶解させ得た溶液(前駆体ポリマーF2-1の濃度:2質量%)質量部に、過酸化ジラウロイルを0.2質量部(5.01×10-4mol)、ホスホン酸ジエチルを0.1質量部添加した。20分間のN2バブリングにより反応容器内をN2置換した後、65℃の恒温槽中で14時間加熱、攪拌した。反応終了後、2-プロパノールで凝固させた後真空乾燥することで、主鎖末端からヨウ素原子を脱離させ、含フッ素ポリマーF3-1を1質量部得た。
前駆体ポリマーF2-1(1質量部)をAC-6000(49質量部)に溶解させ得た溶液(前駆体ポリマーF2-1の濃度:2質量%)質量部に、過酸化ジラウロイルを0.2質量部(5.01×10-4mol)、ホスホン酸ジエチルを0.1質量部添加した。20分間のN2バブリングにより反応容器内をN2置換した後、65℃の恒温槽中で14時間加熱、攪拌した。反応終了後、2-プロパノールで凝固させた後真空乾燥することで、主鎖末端からヨウ素原子を脱離させ、含フッ素ポリマーF3-1を1質量部得た。
<硬化物の作製(UV照射処理)>
含フッ素ポリマーF3-1の1質量部と、TAIC(三菱ケミカル社製、トリアリルイソシアヌレート、架橋剤)の0.01質量部との混合物を、200℃、10MPaで10分間プレスした後、圧力を保持したまま25℃で30分間冷却することで成膜した。得られた膜にN2雰囲気下でUV(紫外線)を8mW/cm2の出力で12時間照射することで、含フッ素ポリマーF3-1の硬化膜(硬化物)を作製した。UV照射は、セン特殊光源社製、低圧水銀ランプUVB-40(主波長254nm)を用いて行った。
含フッ素ポリマーF3-1の1質量部と、TAIC(三菱ケミカル社製、トリアリルイソシアヌレート、架橋剤)の0.01質量部との混合物を、200℃、10MPaで10分間プレスした後、圧力を保持したまま25℃で30分間冷却することで成膜した。得られた膜にN2雰囲気下でUV(紫外線)を8mW/cm2の出力で12時間照射することで、含フッ素ポリマーF3-1の硬化膜(硬化物)を作製した。UV照射は、セン特殊光源社製、低圧水銀ランプUVB-40(主波長254nm)を用いて行った。
[例2]
<工程4>
含フッ素ポリマーF3-1(2質量部)をAC-6000(38質量部)に溶解させ得た溶液(含フッ素ポリマーF3-1の濃度:5質量%)中に、25℃で攪拌しながら脱水2-プロパノールを1.2質量部滴下して、1時間攪拌した。さらに、N2H4・H2Oが脱水2-propanolに溶解した溶液(N2H4・H2Oの濃度:20質量%)を約0.04質量部滴下し、3時間攪拌した。反応液に2-プロパノールを加え凝固した。得られた白色固体を25℃で真空乾燥することで、含フッ素ポリマーF4-1を2質量部得た。
<工程4>
含フッ素ポリマーF3-1(2質量部)をAC-6000(38質量部)に溶解させ得た溶液(含フッ素ポリマーF3-1の濃度:5質量%)中に、25℃で攪拌しながら脱水2-プロパノールを1.2質量部滴下して、1時間攪拌した。さらに、N2H4・H2Oが脱水2-propanolに溶解した溶液(N2H4・H2Oの濃度:20質量%)を約0.04質量部滴下し、3時間攪拌した。反応液に2-プロパノールを加え凝固した。得られた白色固体を25℃で真空乾燥することで、含フッ素ポリマーF4-1を2質量部得た。
<硬化物の作製(加熱処理)>
含フッ素ポリマーF4-1を150℃、10MPaで10分間プレスした後、約5℃/minで200℃まで昇温し、10MPaで3時間プレスすることで、含フッ素ポリマーF4-1の硬化膜(硬化物)を作製した。
含フッ素ポリマーF4-1を150℃、10MPaで10分間プレスした後、約5℃/minで200℃まで昇温し、10MPaで3時間プレスすることで、含フッ素ポリマーF4-1の硬化膜(硬化物)を作製した。
[例3]
<工程2>
前駆体ポリマーF1-1の4質量部をAC-6000の396質量部に溶解させて、前駆体ポリマーF1-1を含む溶液(前駆体ポリマーF1-1の濃度:1質量%)を得た。
得られた溶液400質量部に過酸化ジラウロイル0.024質量部(2.39×10-1mmol)、CF2=CF-O-C3F6C(O)OCH3を10質量部添加した。20分間、N2バブリングすることで反応溶液および容器内をN2置換した後、90℃の恒温槽中で7時間加熱、攪拌した。
2-プロパノールで凝固して得られた白色固体をAC-6000で溶解した後、アサヒクリンAE-3000で再び凝固した。得られた白色固体を60℃、真空条件下で14時間乾燥させることで、前駆体ポリマーF2-2(Mw=237,900)を4質量部得た。
<工程2>
前駆体ポリマーF1-1の4質量部をAC-6000の396質量部に溶解させて、前駆体ポリマーF1-1を含む溶液(前駆体ポリマーF1-1の濃度:1質量%)を得た。
得られた溶液400質量部に過酸化ジラウロイル0.024質量部(2.39×10-1mmol)、CF2=CF-O-C3F6C(O)OCH3を10質量部添加した。20分間、N2バブリングすることで反応溶液および容器内をN2置換した後、90℃の恒温槽中で7時間加熱、攪拌した。
2-プロパノールで凝固して得られた白色固体をAC-6000で溶解した後、アサヒクリンAE-3000で再び凝固した。得られた白色固体を60℃、真空条件下で14時間乾燥させることで、前駆体ポリマーF2-2(Mw=237,900)を4質量部得た。
<工程3>
前駆体ポリマーF2-2(1質量部)をAC-6000(49質量部)に溶解させ得た溶液(前駆体ポリマーF2-2の濃度:2質量%)50質量部に、過酸化ジラウロイルを0.2質量部(5.01×10-4mol)、ホスホン酸ジエチルを0.1質量部添加した。20分間のN2バブリングにより反応容器内をN2置換した後、65℃の恒温槽中で14時間加熱、攪拌した。反応終了後、2-プロパノールで凝固させた後真空乾燥することで、主鎖末端からヨウ素原子を脱離させ、含フッ素ポリマーF3-2を1質量部得た。
前駆体ポリマーF2-2(1質量部)をAC-6000(49質量部)に溶解させ得た溶液(前駆体ポリマーF2-2の濃度:2質量%)50質量部に、過酸化ジラウロイルを0.2質量部(5.01×10-4mol)、ホスホン酸ジエチルを0.1質量部添加した。20分間のN2バブリングにより反応容器内をN2置換した後、65℃の恒温槽中で14時間加熱、攪拌した。反応終了後、2-プロパノールで凝固させた後真空乾燥することで、主鎖末端からヨウ素原子を脱離させ、含フッ素ポリマーF3-2を1質量部得た。
<硬化物の作製(UV照射処理)>
含フッ素ポリマーF3-2の1質量部と、TAICの0.01質量部との混合物を、200℃、10MPaで10分間プレスした後、圧力を保持したまま25℃で30分間冷却することで成膜した。得られた膜にN2雰囲気下でUV(紫外線)を8mW/cm2の出力で12時間照射することで、含フッ素ポリマーF3-2の硬化膜(硬化物)を作製した。
含フッ素ポリマーF3-2の1質量部と、TAICの0.01質量部との混合物を、200℃、10MPaで10分間プレスした後、圧力を保持したまま25℃で30分間冷却することで成膜した。得られた膜にN2雰囲気下でUV(紫外線)を8mW/cm2の出力で12時間照射することで、含フッ素ポリマーF3-2の硬化膜(硬化物)を作製した。
[例4]
<工程4>
含フッ素ポリマーF3-2(2質量部)をAC-6000(38質量部)に溶解させ得た溶液(含フッ素ポリマーF3-2の濃度:5質量%)中に、25℃で攪拌しながら脱水2-プロパノールを1.2質量部滴下して、1時間攪拌した。さらに、N2H4・H2Oが脱水2-propanolに溶解した溶液(N2H4・H2Oの濃度:20質量%)を約0.04質量部滴下し、3時間攪拌した。反応液に2-プロパノールを加え凝固した。得られた白色固体を25℃で真空乾燥することで、含フッ素ポリマーF4-2を2質量部得た。
<工程4>
含フッ素ポリマーF3-2(2質量部)をAC-6000(38質量部)に溶解させ得た溶液(含フッ素ポリマーF3-2の濃度:5質量%)中に、25℃で攪拌しながら脱水2-プロパノールを1.2質量部滴下して、1時間攪拌した。さらに、N2H4・H2Oが脱水2-propanolに溶解した溶液(N2H4・H2Oの濃度:20質量%)を約0.04質量部滴下し、3時間攪拌した。反応液に2-プロパノールを加え凝固した。得られた白色固体を25℃で真空乾燥することで、含フッ素ポリマーF4-2を2質量部得た。
<硬化物の作製(加熱処理)>
含フッ素ポリマーF4-2を150℃、10MPaで10分間プレスした後、約5℃/minで200℃まで昇温し、10MPaで3時間プレスすることで、含フッ素ポリマーF4-2の硬化膜(硬化物)を作製した。
含フッ素ポリマーF4-2を150℃、10MPaで10分間プレスした後、約5℃/minで200℃まで昇温し、10MPaで3時間プレスすることで、含フッ素ポリマーF4-2の硬化膜(硬化物)を作製した。
[例5]
<工程1>
I(CF2)4Iを16質量部用いる以外は、例1と同様にして白色の前駆体ポリマーF1-2(Mw:61,000)を1000質量部得た。
<工程1>
I(CF2)4Iを16質量部用いる以外は、例1と同様にして白色の前駆体ポリマーF1-2(Mw:61,000)を1000質量部得た。
<工程2>
前駆体ポリマーF1-2の4質量部をAC-6000の396質量部に溶解させて、前駆体ポリマーF1-2を含む溶液(前駆体ポリマーF1-2の濃度:1質量%)を得た。
得られた溶液400質量部に過酸化ジラウロイル0.024質量部(2.39×10-1mmol)、CF2=CF-O-C3F6C(O)OCH3を10質量部添加した。20分間、N2バブリングすることで反応溶液および容器内をN2置換した後、90℃の恒温槽中で7時間加熱、攪拌した。
2-プロパノールで凝固して得られた白色固体をAC-6000で溶解した後、アサヒクリンAE-3000で再び凝固した。得られた白色固体を60℃、真空条件下で14時間乾燥させることで、前駆体ポリマーF2-3(Mw=62,000)を4質量部得た。
前駆体ポリマーF1-2の4質量部をAC-6000の396質量部に溶解させて、前駆体ポリマーF1-2を含む溶液(前駆体ポリマーF1-2の濃度:1質量%)を得た。
得られた溶液400質量部に過酸化ジラウロイル0.024質量部(2.39×10-1mmol)、CF2=CF-O-C3F6C(O)OCH3を10質量部添加した。20分間、N2バブリングすることで反応溶液および容器内をN2置換した後、90℃の恒温槽中で7時間加熱、攪拌した。
2-プロパノールで凝固して得られた白色固体をAC-6000で溶解した後、アサヒクリンAE-3000で再び凝固した。得られた白色固体を60℃、真空条件下で14時間乾燥させることで、前駆体ポリマーF2-3(Mw=62,000)を4質量部得た。
<工程3>
前駆体ポリマーF2-3(1質量部)をAC-6000(49質量部)に溶解させ得た溶液(前駆体ポリマーF2-3の濃度:2質量%)50質量部に、過酸化ジラウロイルを0.2質量部(5.01×10-4mol)、ホスホン酸ジエチルを0.1質量部添加した。20分間のN2バブリングにより反応容器内をN2置換した後、65℃の恒温槽中で14時間加熱、攪拌した。反応終了後、2-プロパノールで凝固させた後真空乾燥することで、主鎖末端からヨウ素原子を脱離させ、含フッ素ポリマーF3-3を1質量部得た。
前駆体ポリマーF2-3(1質量部)をAC-6000(49質量部)に溶解させ得た溶液(前駆体ポリマーF2-3の濃度:2質量%)50質量部に、過酸化ジラウロイルを0.2質量部(5.01×10-4mol)、ホスホン酸ジエチルを0.1質量部添加した。20分間のN2バブリングにより反応容器内をN2置換した後、65℃の恒温槽中で14時間加熱、攪拌した。反応終了後、2-プロパノールで凝固させた後真空乾燥することで、主鎖末端からヨウ素原子を脱離させ、含フッ素ポリマーF3-3を1質量部得た。
<硬化物の作製(UV照射処理)>
含フッ素ポリマーF3-3の1質量部と、TAICの0.01質量部との混合物を、200℃、10MPaで10分間プレスした後、圧力を保持したまま25℃で30分間冷却することで成膜した。得られた膜にN2雰囲気下でUV(紫外線)を8mW/cm2の出力で12時間照射することで、含フッ素ポリマーF3-3の硬化膜(硬化物)を作製した。
含フッ素ポリマーF3-3の1質量部と、TAICの0.01質量部との混合物を、200℃、10MPaで10分間プレスした後、圧力を保持したまま25℃で30分間冷却することで成膜した。得られた膜にN2雰囲気下でUV(紫外線)を8mW/cm2の出力で12時間照射することで、含フッ素ポリマーF3-3の硬化膜(硬化物)を作製した。
[例6]
<工程1>
I(CF2)4Iを12質量部用いる以外は、例1と同様にして白色の前駆体ポリマーF1-3(Mw:152,000)を1020質量部得た。
<工程1>
I(CF2)4Iを12質量部用いる以外は、例1と同様にして白色の前駆体ポリマーF1-3(Mw:152,000)を1020質量部得た。
<工程2>
前駆体ポリマーF1-3の4質量部をAC-6000の396質量部に溶解させて、前駆体ポリマーF1-3を含む溶液(前駆体ポリマーF1-3の濃度:1質量%)を得た。
得られた溶液400質量部に過酸化ジラウロイル0.024質量部(2.39×10-1mmol)、CF2=CF-O-C3F6C(O)OCH3を10質量部添加した。20分間、N2バブリングすることで反応溶液および容器内をN2置換した後、90℃の恒温槽中で7時間加熱、攪拌した。
2-プロパノールで凝固して得られた白色固体をAC-6000で溶解した後、アサヒクリンAE-3000で再び凝固した。得られた白色固体を60℃、真空条件下で14時間乾燥させることで、前駆体ポリマーF2-4(Mw=153,100)を4質量部得た。
前駆体ポリマーF1-3の4質量部をAC-6000の396質量部に溶解させて、前駆体ポリマーF1-3を含む溶液(前駆体ポリマーF1-3の濃度:1質量%)を得た。
得られた溶液400質量部に過酸化ジラウロイル0.024質量部(2.39×10-1mmol)、CF2=CF-O-C3F6C(O)OCH3を10質量部添加した。20分間、N2バブリングすることで反応溶液および容器内をN2置換した後、90℃の恒温槽中で7時間加熱、攪拌した。
2-プロパノールで凝固して得られた白色固体をAC-6000で溶解した後、アサヒクリンAE-3000で再び凝固した。得られた白色固体を60℃、真空条件下で14時間乾燥させることで、前駆体ポリマーF2-4(Mw=153,100)を4質量部得た。
<工程3>
前駆体ポリマーF2-4(1質量部)をAC-6000(49質量部)に溶解させ得た溶液(前駆体ポリマーF2-4の濃度:2質量%)50質量部に、過酸化ジラウロイルを0.2質量部(5.01×10-4mol)、ホスホン酸ジエチルを0.1質量部添加した。20分間のN2バブリングにより反応容器内をN2置換した後、65℃の恒温槽中で14時間加熱、攪拌した。反応終了後、2-プロパノールで凝固させた後真空乾燥することで、主鎖末端からヨウ素原子を脱離させ、含フッ素ポリマーF3-4を1質量部得た。
前駆体ポリマーF2-4(1質量部)をAC-6000(49質量部)に溶解させ得た溶液(前駆体ポリマーF2-4の濃度:2質量%)50質量部に、過酸化ジラウロイルを0.2質量部(5.01×10-4mol)、ホスホン酸ジエチルを0.1質量部添加した。20分間のN2バブリングにより反応容器内をN2置換した後、65℃の恒温槽中で14時間加熱、攪拌した。反応終了後、2-プロパノールで凝固させた後真空乾燥することで、主鎖末端からヨウ素原子を脱離させ、含フッ素ポリマーF3-4を1質量部得た。
<硬化物の作製(UV照射処理)>
含フッ素ポリマーF3-4の1質量部と、TAICの0.01質量部との混合物を、200℃、10MPaで10分間プレスした後、圧力を保持したまま25℃で30分間冷却することで成膜した。得られた膜にN2雰囲気下でUV(紫外線)を8mW/cm2の出力で12時間照射することで、含フッ素ポリマーF3-4の硬化膜(硬化物)を作製した。
含フッ素ポリマーF3-4の1質量部と、TAICの0.01質量部との混合物を、200℃、10MPaで10分間プレスした後、圧力を保持したまま25℃で30分間冷却することで成膜した。得られた膜にN2雰囲気下でUV(紫外線)を8mW/cm2の出力で12時間照射することで、含フッ素ポリマーF3-4の硬化膜(硬化物)を作製した。
[例7]
<工程2>
前駆体ポリマーF1-1の4質量部をAC-6000の396質量部に溶解させて、前駆体ポリマーF1-1を含む溶液(前駆体ポリマーF1-1の濃度:1質量%)を得た。
得られた溶液400質量部に過酸化ジラウロイル0.024質量部(2.39×10-1mmol)、CF2=CF-O-C3F6C(O)OCH3を1質量部添加した。20分間、N2バブリングすることで反応溶液および容器内をN2置換した後、90℃の恒温槽中で7時間加熱、攪拌した。
2-プロパノールで凝固して得られた白色固体をAC-6000で溶解した後、アサヒクリンAE-3000で再び凝固した。得られた白色固体を60℃、真空条件下で14時間乾燥させることで、前駆体ポリマーF2-5(Mw=238,000)を4質量部得た。
<工程2>
前駆体ポリマーF1-1の4質量部をAC-6000の396質量部に溶解させて、前駆体ポリマーF1-1を含む溶液(前駆体ポリマーF1-1の濃度:1質量%)を得た。
得られた溶液400質量部に過酸化ジラウロイル0.024質量部(2.39×10-1mmol)、CF2=CF-O-C3F6C(O)OCH3を1質量部添加した。20分間、N2バブリングすることで反応溶液および容器内をN2置換した後、90℃の恒温槽中で7時間加熱、攪拌した。
2-プロパノールで凝固して得られた白色固体をAC-6000で溶解した後、アサヒクリンAE-3000で再び凝固した。得られた白色固体を60℃、真空条件下で14時間乾燥させることで、前駆体ポリマーF2-5(Mw=238,000)を4質量部得た。
<工程3>
前駆体ポリマーF2-5(1質量部)をAC-6000(49質量部)に溶解させ得た溶液(前駆体ポリマーF2-5の濃度:2質量%)50質量部に、過酸化ジラウロイルを0.2質量部(5.01×10-4mol)、ホスホン酸ジエチルを0.1質量部添加した。20分間のN2バブリングにより反応容器内をN2置換した後、65℃の恒温槽中で14時間加熱、攪拌した。反応終了後、2-プロパノールで凝固させた後真空乾燥することで、主鎖末端からヨウ素原子を脱離させ、含フッ素ポリマーF3-5を1質量部得た。
前駆体ポリマーF2-5(1質量部)をAC-6000(49質量部)に溶解させ得た溶液(前駆体ポリマーF2-5の濃度:2質量%)50質量部に、過酸化ジラウロイルを0.2質量部(5.01×10-4mol)、ホスホン酸ジエチルを0.1質量部添加した。20分間のN2バブリングにより反応容器内をN2置換した後、65℃の恒温槽中で14時間加熱、攪拌した。反応終了後、2-プロパノールで凝固させた後真空乾燥することで、主鎖末端からヨウ素原子を脱離させ、含フッ素ポリマーF3-5を1質量部得た。
<硬化物の作製(UV照射処理)>
含フッ素ポリマーF3-5の1質量部と、TAICの0.01質量部との混合物を、200℃、10MPaで10分間プレスした後、圧力を保持したまま25℃で30分間冷却することで成膜した。得られた膜にN2雰囲気下でUV(紫外線)を8mW/cm2の出力で12時間照射することで、含フッ素ポリマーF3-5の硬化膜(硬化物)を作製した。
含フッ素ポリマーF3-5の1質量部と、TAICの0.01質量部との混合物を、200℃、10MPaで10分間プレスした後、圧力を保持したまま25℃で30分間冷却することで成膜した。得られた膜にN2雰囲気下でUV(紫外線)を8mW/cm2の出力で12時間照射することで、含フッ素ポリマーF3-5の硬化膜(硬化物)を作製した。
[例8]
<工程2>
前駆体ポリマーF1-1の4質量部をAC-6000の396質量部に溶解させて、前駆体ポリマーF1-1を含む溶液(前駆体ポリマーF1-1の濃度:1質量%)を得た。
得られた溶液400質量部に過酸化ジラウロイル0.024質量部(2.39×10-1mmol)、CF2=CF-O-C3F6C(O)OCH3を25質量部添加した。20分間、N2バブリングすることで反応溶液および容器内をN2置換した後、90℃の恒温槽中で7時間加熱、攪拌した。
2-プロパノールで凝固して得られた白色固体をAC-6000で溶解した後、アサヒクリンAE-3000で再び凝固した。得られた白色固体を60℃、真空条件下で14時間乾燥させることで、前駆体ポリマーF2-6(Mw=238,000)を4質量部得た。
<工程2>
前駆体ポリマーF1-1の4質量部をAC-6000の396質量部に溶解させて、前駆体ポリマーF1-1を含む溶液(前駆体ポリマーF1-1の濃度:1質量%)を得た。
得られた溶液400質量部に過酸化ジラウロイル0.024質量部(2.39×10-1mmol)、CF2=CF-O-C3F6C(O)OCH3を25質量部添加した。20分間、N2バブリングすることで反応溶液および容器内をN2置換した後、90℃の恒温槽中で7時間加熱、攪拌した。
2-プロパノールで凝固して得られた白色固体をAC-6000で溶解した後、アサヒクリンAE-3000で再び凝固した。得られた白色固体を60℃、真空条件下で14時間乾燥させることで、前駆体ポリマーF2-6(Mw=238,000)を4質量部得た。
<工程3>
前駆体ポリマーF2-6(1質量部)をAC-6000(49質量部)に溶解させ得た溶液(前駆体ポリマーF2-6の濃度:2質量%)50質量部に、過酸化ジラウロイルを0.2質量部(5.01×10-4mol)、ホスホン酸ジエチルを0.1質量部添加した。20分間のN2バブリングにより反応容器内をN2置換した後、65℃の恒温槽中で14時間加熱、攪拌した。反応終了後、2-プロパノールで凝固させた後真空乾燥することで、主鎖末端からヨウ素原子を脱離させ、含フッ素ポリマーF3-6を1質量部得た。
前駆体ポリマーF2-6(1質量部)をAC-6000(49質量部)に溶解させ得た溶液(前駆体ポリマーF2-6の濃度:2質量%)50質量部に、過酸化ジラウロイルを0.2質量部(5.01×10-4mol)、ホスホン酸ジエチルを0.1質量部添加した。20分間のN2バブリングにより反応容器内をN2置換した後、65℃の恒温槽中で14時間加熱、攪拌した。反応終了後、2-プロパノールで凝固させた後真空乾燥することで、主鎖末端からヨウ素原子を脱離させ、含フッ素ポリマーF3-6を1質量部得た。
<硬化物の作製(UV照射処理)>
含フッ素ポリマーF3-6の1質量部と、TAICの0.01質量部との混合物を、200℃、10MPaで10分間プレスした後、圧力を保持したまま25℃で30分間冷却することで成膜した。得られた膜にN2雰囲気下でUV(紫外線)を8mW/cm2の出力で12時間照射することで、含フッ素ポリマーF3-6の硬化膜(硬化物)を作製した。
含フッ素ポリマーF3-6の1質量部と、TAICの0.01質量部との混合物を、200℃、10MPaで10分間プレスした後、圧力を保持したまま25℃で30分間冷却することで成膜した。得られた膜にN2雰囲気下でUV(紫外線)を8mW/cm2の出力で12時間照射することで、含フッ素ポリマーF3-6の硬化膜(硬化物)を作製した。
[例9]
<工程4>
含フッ素ポリマーF3-1の5.1質量部をアサヒクリンAC-2000(AGC社製)の42.8質量部に溶解した後、メタノールの2.4質量部とヒドロキシルアミン50質量%水溶液の0.2質量部を添加して25℃で1日間攪拌した。反応液を大気気流下で予備乾燥した後、25℃で1日間真空乾燥して含フッ素ポリマーF4-3を得た。
<工程4>
含フッ素ポリマーF3-1の5.1質量部をアサヒクリンAC-2000(AGC社製)の42.8質量部に溶解した後、メタノールの2.4質量部とヒドロキシルアミン50質量%水溶液の0.2質量部を添加して25℃で1日間攪拌した。反応液を大気気流下で予備乾燥した後、25℃で1日間真空乾燥して含フッ素ポリマーF4-3を得た。
<硬化物の作製(加熱処理)>
含フッ素ポリマーF4-3を150℃、10MPaで10分間プレスした後、約5℃/minで200℃まで昇温し、10MPaで3時間プレスすることで、含フッ素ポリマーF4-3の硬化膜(硬化物)を作製した。
含フッ素ポリマーF4-3を150℃、10MPaで10分間プレスした後、約5℃/minで200℃まで昇温し、10MPaで3時間プレスすることで、含フッ素ポリマーF4-3の硬化膜(硬化物)を作製した。
[例10]
工程2を実施しなかった以外は例1と同様の方法にして、含フッ素ポリマーFR-1および硬化膜(硬化物)を得た。含フッ素ポリマーFR-1は、主鎖末端に基Xを有していない。
工程2を実施しなかった以外は例1と同様の方法にして、含フッ素ポリマーFR-1および硬化膜(硬化物)を得た。含フッ素ポリマーFR-1は、主鎖末端に基Xを有していない。
[例11]
前駆体ポリマーF1-1を用いて、例1と同様の方法にて硬化膜(硬化物)を得た(工程2および工程3を未実施)。
前駆体ポリマーF1-1は、主鎖末端に基Xを有しておらず、主鎖末端にヨウ素原子を有する。
前駆体ポリマーF1-1を用いて、例1と同様の方法にて硬化膜(硬化物)を得た(工程2および工程3を未実施)。
前駆体ポリマーF1-1は、主鎖末端に基Xを有しておらず、主鎖末端にヨウ素原子を有する。
[例12]
内容積が1Lの攪拌機付きステンレス鋼製オートクレーブを減圧脱気した後、重合開始剤であるパーブチルPV(日油社製、tert-ブチルパーオキシピバレート)のアサヒクリンAK-225G(AGC社製)50質量%溶液の2.24質量部、CF2=CF-O-C3F6C(O)OCH3の50.0質量部、CF2=CFOCF2CF2CF3(PPVE)の815.8質量部、TFEの171.8質量部をフィードした。
オートクレーブを冷却してガスをパージした後、内容物のうち600質量部をヘキサンの6Lを入れたガラスビーカに添加した。上層を除去した後、下層を減圧加熱することにより残留するモノマー成分を留去し、含フッ素ポリマーFR-2(Mw=53,800)を198.7質量部得た。
なお、含フッ素ポリマーFR-2は、主鎖末端に基Xを有していなかった。
内容積が1Lの攪拌機付きステンレス鋼製オートクレーブを減圧脱気した後、重合開始剤であるパーブチルPV(日油社製、tert-ブチルパーオキシピバレート)のアサヒクリンAK-225G(AGC社製)50質量%溶液の2.24質量部、CF2=CF-O-C3F6C(O)OCH3の50.0質量部、CF2=CFOCF2CF2CF3(PPVE)の815.8質量部、TFEの171.8質量部をフィードした。
オートクレーブを冷却してガスをパージした後、内容物のうち600質量部をヘキサンの6Lを入れたガラスビーカに添加した。上層を除去した後、下層を減圧加熱することにより残留するモノマー成分を留去し、含フッ素ポリマーFR-2(Mw=53,800)を198.7質量部得た。
なお、含フッ素ポリマーFR-2は、主鎖末端に基Xを有していなかった。
<硬化物の作製(UV照射処理)>
含フッ素ポリマーFR-2の1質量部と、TAICの0.01質量部との混合物を、200℃、10MPaで10分間プレスした後、圧力を保持したまま25℃で30分間冷却することで成膜した。得られた膜にN2雰囲気下でUV(紫外線)を8mW/cm2の出力で12時間照射することで、含フッ素ポリマーF3-6の硬化膜(硬化物)を作製した。
含フッ素ポリマーFR-2の1質量部と、TAICの0.01質量部との混合物を、200℃、10MPaで10分間プレスした後、圧力を保持したまま25℃で30分間冷却することで成膜した。得られた膜にN2雰囲気下でUV(紫外線)を8mW/cm2の出力で12時間照射することで、含フッ素ポリマーF3-6の硬化膜(硬化物)を作製した。
[評価結果]
例1~12の含フッ素ポリマーおよび硬化膜を用いて、上述の各物性の測定および評価試験を実施した。評価結果を以下に示す。
例1~12の含フッ素ポリマーおよび硬化膜を用いて、上述の各物性の測定および評価試験を実施した。評価結果を以下に示す。
表1に示す通り、本発明に係る例1~9の含フッ素ポリマーは、保存安定性および架橋性に優れ、絶縁破壊強度に優れた硬化物を形成できることが確認された。
Claims (8)
- 式(1)で表される単位と、
式(2)で表される単位、および、式(3)で表される単位からなる群から選択される少なくとも1種の単位と、を含み、
ヨウ素原子を実質的に含まない含フッ素ポリマーであって、
前記含フッ素ポリマーが、主鎖末端に式(X)で表される基を有することを特徴とする、含フッ素ポリマー。
-(CF2-CFR1)- 式(1)
-(CF2-CF(OR2))- 式(2)
-(CF2-CH2)- 式(3)
-Rf1C(O)Z1 式(X)
式(1)中、R1は、フッ素原子、塩素原子またはペルフルオロアルキル基である。
式(2)中、R2は、ペルフルオロアルキル基である。
式(X)中、Rf1は、単結合、フルオロアルキレン基、または、炭素数2以上のフルオロアルキレン基の炭素-炭素結合間にエーテル性酸素原子を有する基であり、Z1は、-NRX1NRX2H、-NRX3(ORX4)、または、-ORX5であり、RX1、RX2、RX3、RX4、および、RX5はそれぞれ独立に、水素原子またはアルキル基である。 - 前記式(X)におけるZ1が、-NRX1NRX2Hまたは-NRX3(ORX4)である、請求項1に記載の含フッ素ポリマー。
- 前記含フッ素ポリマーが直鎖状である、請求項1または2に記載の含フッ素ポリマー。
- 請求項1~3のいずれか1項に記載の含フッ素ポリマーの製造方法であって、
ヨウ素原子を含む連鎖移動剤の存在下、式(1A)で表されるモノマーと、式(2A)で表されるモノマーおよび式(3A)で表されるモノマーからなる群から選択される少なくとも1種のモノマーと、を重合して、ヨウ素原子を含む前駆体ポリマーを合成する工程1と、
前記前駆体ポリマーの末端に、式(XA)で表される化合物を反応させる工程2と、
前記工程2で得られたポリマーに対して脱ヨウ素化処理を施す工程3と、を有することを特徴とする、含フッ素ポリマーの製造方法。
CF2=CFR1 式(1A)
CF2=CF(OR2) 式(2A)
CF2=CH2 式(3A)
CX1X2=CF-O-Rf2C(O)Z11 式(XA)
式(1A)中、R1は、フッ素原子、塩素原子またはペルフルオロアルキル基である。
式(2A)中、R2は、ペルフルオロアルキル基である。
式(XA)中、X1およびX2はそれぞれ独立に、水素原子またはフッ素原子であり、Rf2は、単結合、フルオロアルキレン基、または、炭素数2以上のフルオロアルキレン基の炭素-炭素結合間にエーテル性酸素原子を有する基であり、Z11は、-ORX5であり、RX5は、水素原子またはアルキル基である。 - 前記工程3で得られたポリマーと、式(XB)で表される化合物または式(XC)で表される化合物と、を反応させる工程4を有する、請求項4に記載の含フッ素ポリマーの製造方法。
HRX1N-NRX2H 式(XB)
NHRX3(ORX4) 式(XC)
式(XB)中、RX1およびRX2はそれぞれ独立に、水素原子またはアルキル基である。
式(XC)中、RX3およびRX4はそれぞれ独立に、水素原子またはアルキル基である。 - 請求項1~3のいずれか1項に記載の含フッ素ポリマーを架橋してなることを特徴とする、硬化物。
- 電線被覆材料に用いられる、請求項6に記載の硬化物。
- 請求項6または7に記載の硬化物の製造方法であって、
活性エネルギー線の照射処理、および、加熱処理の少なくとも一方の処理によって、前記含フッ素ポリマーを架橋させることを特徴とする、硬化物の製造方法。
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