JP2023053569A - タイヤ管理システム、タイヤ管理方法、及びプログラム - Google Patents

タイヤ管理システム、タイヤ管理方法、及びプログラム Download PDF

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Abstract

【課題】タイヤの性能を回復させるために補充すべき適切な回復材料を特定することが可能なタイヤ管理システム、タイヤ管理方法、及びプログラムを提供する。【解決手段】タイヤ管理システムは、管理装置と、データベース部とを備えている。タイヤ管理システムは、車両に装着されるタイヤのタイヤ性能を低下させる原因の履歴に関する走行履歴データを取得し、取得された前記走行履歴データに基づいて、低下したタイヤ性能を回復させるための補充剤を決定する。【選択図】図8

Description

本開示は、タイヤに関する情報を管理可能なタイヤ管理システム、タイヤ管理方法、及びプログラムに関する。
自動車用などの車両のタイヤに適用されるゴム組成物には、SBR(スチレンブタジエンゴム)等のゴム成分(ゴム材料)の他に、補強剤(カーボンブラック、シリカ等)、硫黄、加硫促進剤などが配合されている。また、タイヤには、ゴムのしなやかさを保持してグリップ性や制動性、転導性、静粛性などのタイヤの性能(以下「タイヤ性能」ともいう。)を高めるための添加剤が配合されている。前記添加剤の一例として、ゴム成分を軟化させる軟化剤や、老化防止剤(劣化防止剤)などが挙げられる。
タイヤは、オゾンや紫外線、使用時の荷重などの外的要因によって経時劣化する。具体的には、タイヤは、前記外的要因が影響することによってタイヤから徐々に前記添加剤が失われたり、ゴムが変質することにより劣化する。タイヤから前記軟化剤や前記老化防止剤などの添加剤が失われると、ゴム自体が硬化する。また、オゾンや紫外線がタイヤに照射されると、タイヤのゴム成分が変質して硬化する。この場合、トレッド部に形成されたブロックやサイプが撓みにくくなったり、タイヤのサイドウォールが撓みにくくなり、前記グリップ性や前記制動性などの前記タイヤ性能が低下する。また、場合によっては、トレッド部やサイドウォールの表面に生じたひび割れがタイヤ内部まで進行し、タイヤをバーストさせるおそれがある。特に、スタッドレスタイヤは、氷雪路に対するグリップ性を得るためにノーマルタイヤ(夏タイヤ)に比べて前記軟化剤の配合量が多く、そのため、スタッドレスタイヤは、ノーマルタイヤに比べて前記軟化剤が抜け易く、氷雪路に対する接地面効果やエッジ効果が低下し易い。
なお、前記タイヤ性能が低下したタイヤを回復させる手段として、古いトレッド部を除去した後に新しいトレッドゴムを張り替える加工方法が知られている(特許文献1参照)。
特開2018-114781号公報
ところで、前記タイヤ性能が低下したタイヤを回復させる手段として、トレッド部の張り替え加工を行わずに、前記添加剤を含む補修溶液に前記タイヤを一定時間浸漬させたり、タイヤの表面に前記溶液を塗布することにより、外部からタイヤの内部に前記添加剤を補充することが考えられる。
しかしながら、タイヤの劣化状態は、タイヤ性能を低下させた前記外的要因によって異なり、劣化状態を回復させるための適切な添加剤も前記外的要因によって異なる。また、タイヤの劣化状態は、タイヤから失われた前記添加剤の種類によっても異なる。そのため、前記添加剤を外部から補充するとしても、回復対象のタイヤに補充するべき前記添加剤を特定できなければ、前記タイヤ性能を適切に回復させることができない。
本開示の目的は、タイヤの性能を回復させるために補充すべき適切な回復材料を特定することが可能なタイヤ管理システム、タイヤ管理方法、及びプログラムを提供することにある。
本開示の一の局面に係るタイヤ管理システムは、車両に装着されるタイヤの性能を低下させる原因の履歴に関する原因履歴情報を取得する第1取得処理部と、前記第1取得処理部により取得される前記原因履歴情報に基づいて、低下した前記性能を回復させるための回復材料を決定する材料決定処理部と、を備える。
このように本開示に係るタイヤ管理システムが構成されているため、前記タイヤの性能(タイヤ性能)を回復させるために補充するべき適切な補充剤が決定される。これにより、前記タイヤ管理システムによれば、タイヤの補修を行う補修作業員の能力や経験値に頼ることなく、前記タイヤの性能を回復させるために補充するべき適切な補充剤を正確に特定することが可能である。
本開示の他の局面に係るタイヤ管理システムは、車両に装着されるタイヤの性能を低下させる原因の履歴に関する原因履歴情報を取得する第1取得処理部と、前記タイヤを構成する一又は複数の素材に関する素材情報を取得する第2取得処理部と、前記第1取得処理部により取得される前記原因履歴情報、及び前記第2取得処理部により取得される前記素材情報に基づいて、低下した前記性能を回復させるための回復材料を決定する材料決定処理部と、を備える。
本開示のその他の局面に係るタイヤ管理システムは、車両に装着されるタイヤの性能を低下させる原因の履歴に関する原因履歴情報に基づいて、前記性能を回復させる必要があるか否かを判定する第2判定処理部と、前記第2判定処理部により回復させる必要があると判定された場合に、回復の必要があることを示す回復情報を所定の出力先に出力する第5出力処理部と、を備える。
このように本開示に係るタイヤ管理システムが構成されているため、前記回復情報が所定の出力先に送信される。このため、前記回復情報を前記出力先で受け取ったユーザーは、前記タイヤの補修タイミングが到来したことを認識することができる。また、前記出力先が補修事業所である場合は、前記回復情報を受け取った補修作業員は、前記回復情報がユーザーに通知されたことを認識することができる。
本開示によれば、タイヤの性能を回復させるために補充すべき適切な回復材料を特定することが可能である。
図1は、本開示の第1実施形態に係るタイヤ管理システムの構成を示す図である。 図2は、車両の一例を示す模式図である。 図3は、車両の構成を示すブロック図である。 図4は、本開示の第1実施形態に係るタイヤ管理システムが備える管理装置の構成を示すブロック図である。 図5は、補修剤決定部の構成を示すブロック図である。 図6は、データベース部内の配合データの一例を示す図である。 図7は、本開示の第1実施形態において、車両の制御部によって実行される補修剤判定処理の一例を示すフローチャートである。 図8は、本開示の第1実施形態において、管理装置の制御部によって実行される補修剤判定処理の一例を示すフローチャートである。 図9は、本開示の第2実施形態において、管理装置の制御部によって実行される補修剤判定処理の他の一例を示すフローチャートである。 図10は、本開示の第2実施形態において、補修剤判定処理が実行される際に参照される登録データの一例を示すテーブルデータである。 図11は、本開示の第3実施形態において、管理装置の制御部によって実行される補修剤判定処理のその他の一例を示すフローチャートである。 図12は、本開示の第4実施形態に係る車両の制御ユニットの構成を示すブロック図である。 図13は、本開示の第4実施形態において、制御ユニットの制御部によって実行される通知出力処理の手順の一例を示すフローチャートである。 図14は、本開示の第5実施形態に係る車両の制御ユニットの構成を示すブロック図である。 図15は、本開示の第5実施形態において、制御ユニットの制御部によって実行される回復割合出力処理の手順の一例を示すフローチャートである。 図16は、本開示の第6実施形態に係る管理装置の構成を示すブロック図である。 図17は、本開示の第6実施形態において、管理装置の表示部に表示されるタイヤ情報入力画面を示す図である。 図18は、本開示の第6実施形態において、管理装置の表示部に表示されるタイヤ情報入力画面を示す図である。 図19は、本開示の第6実施形態において、管理装置の制御部によって実行される補修剤判定処理のその他の一例を示すフローチャートである。 図20は、本開示の第6実施形態において、管理装置の制御部によって実行される補修剤判定処理のその他の一例を示すフローチャートである。
以下、添付図面を参照しながら、本開示の実施形態について説明する。なお、以下の実施形態は、本開示を具体化した一例であり、本開示の技術的範囲を限定するものではない。また、各実施形態において、他の実施形態と共通する構成については、他の実施形態の各構成に用いた符号と同じ符号を付し示すことにより、その詳細な説明を省略する。
[第1実施形態]
図1を参照しつつ、本開示の第1実施形態に係るタイヤ管理システム100の構成について説明する。ここで、図1は、タイヤ管理システム100の構成を示す図である。
タイヤ管理システム100は、本開示のタイヤ管理システムの一例であって、タイヤ1が使用されたことにより低下したタイヤ性能を回復させる補修作業に用いる適切な補修剤(本開示の回復材料の一例)を判定することが可能に構成されている。ここで、タイヤ1は、天然ゴム(NR)やSBR(スチレンブタジエンゴム)等のゴム材料(ゴム成分)で構成されたトレッド部(不図示)やサイドウォールを外周部に有する所謂空気入りタイヤである。
なお、以下に説明する各実施形態では、タイヤ管理システム100に適用されるタイヤ1として空気入りタイヤを例示して説明するが、タイヤ1は空気入りタイヤに限られない。例えば、タイヤ1は、前記ゴム材料で構成されたトレッドリング(トレッド部に相当する部分)を外周面に備え、内部に圧縮空気が充填されない非空気式タイヤ(Non-pneumatic tires)であってもよい。また、タイヤ1は、全体が前記ゴム材料で構成されたゴムタイヤであってもよい。
タイヤ1に用いられるゴム材料は、タイヤ工業で用いられるゴム材料を主成分とするものであればよく、前記ゴム材料は特に限定されない。
[タイヤ管理システム100の構成]
図1に示すように、タイヤ管理システム100は、主として、管理装置10と、データベース部30とを備えており、これらが有線或いは無線による通信ネットワークによって相互に通信可能に接続されている。また、管理装置10は、通信装置40と通信可能に接続されている。前記通信ネットワークは、例えば、LANなどで接続された有線通信網、あるいは、専用回線や公衆回線等の無線通信網である。
管理装置10は、タイヤ管理システム100を構成する一要素である。管理装置10は、一台若しくは複数台の車両50との間でデータ通信を行い、車両50から後述のタイヤ情報や、車両50の走行履歴データなどを取得したり、各種演算処理を実行する情報処理装置或いはサーバー装置である。本実施形態では、管理装置10は、例えば、登録されている一台又は複数台の車両50を統括的に管理する中央管理センターに設置される。
なお、管理装置10は、具体的には、前記通信ネットワークに接続されたサーバーコンピュータ、クラウドサーバー、或いはパーソナルコンピュータなどのコンピュータである。また、管理装置10は、1台のコンピュータに限らず、複数台のコンピュータが協働して動作するコンピュータシステム、或いはクラウドコンピューティングシステムであってもよい。また、管理装置10で実行される各種の処理は、一つ又は複数のプロセッサによって分散して実行されてもよい。管理装置10には、タイヤ管理システム100を稼働するためのプログラム或いはコンピュータソフトウェアがインストールされている。
管理装置10は、車両50から送信されてくる後述のタイヤ情報や、車両50の走行履歴データなどに基づいて、使用によって低下した前記タイヤ性能を回復させるための前記補修剤を決定し、その補修剤を示す情報(補修剤情報)を車両50に搭載された表示装置502や、ユーザーが所有する情報端末71、車両50の修理やメンテナンス、タイヤ1の性能回復のための補修作業などを行う補修事業所に設置された情報端末72などの外部装置に出力する。なお、表示装置502、情報端末71,72は、本開示の所定の出力先の一例である。
データベース部30は、前記通信ネットワークに通信可能に接続されたHDD又はSSDなどの記憶装置である。データベース部30には、タイヤ管理システム100において取り扱われる各種の情報やデータが格納されている。データベース部30は、管理装置10とデータ通信可能な他のサーバー装置内の記憶装置、或いは、前記通信ネットワーク上で単独でデータの送受信が可能なネットワークに接続されたネットワーク接続型記憶装置(Network Attached Storage)などの外部装置として構成されている。なお、データベース部30は、インターネットを介して接続された所謂クラウドストレージであってもよい。また、データベース部30は、管理装置10に設けられた記憶装置であってもよく、また、管理装置10とローカルネットワークによって接続された外部記憶装置であってもよい。
通信装置40は、専用回線や公衆回線、携帯電話回線等を用いた無線通信網によって、車両50や情報端末71,72などの外部装置と管理装置10とを通信可能に接続する。通信装置40は、前記外部装置との間でデータや信号の送受信を行う。例えば、通信装置40は、車両50と通信して、車両50から出力される後述の状態データを受信する。通信装置40は、車両50から前記状態データを受信した場合に、受信した前記状態データを管理装置10に送信する。
また、通信装置40は、管理装置10から出力される各種演算結果や通知を車両50、或いは情報端末71,72に送信する。通信装置40は、アンテナ(不図示)を備えており、前記アンテナは、車両50の制御ユニット60が備える通信部63(図3参照)や、情報端末71,72の通信部(不図示)などとの間で行われる無線通信に用いられる。
情報端末71,72は、スマートフォンや、タブレット端末、ノートパソコン、デスクトップパソコンなどの情報処理装置である。情報端末71は、例えば、車両50又はタイヤ1の所有者或いはドライバーであるユーザーが使用する情報処理装置である。また、情報端末72は、車両50の修理やメンテナンス、タイヤ1の性能回復のための補修作業などを行う補修事業所に設置されている情報処理装置である。
情報端末71,72は、管理装置10で実行される各種演算処理の演算結果や通知を管理装置10から受信すると、情報端末71,72が備える表示部の表示画面に前記演算結果や通知を表示する。したがって、情報端末71,72には、タイヤ管理システム100と連携して管理装置10に前記各種情報を送信したり、前記演算結果を表示画面に表示したりするためのプログラム或いはコンピュータソフトウェアがインストールされている。
[車両50]
以下、図2及び図3を参照して、タイヤ1が装着された車両50について説明する。ここで、図2は、車両50の一例を示す模式図である。図3は、車両50の構成を示すブロック図である。
図2に示すように、車両50は、例えば四輪の乗用車であり、前後に合計四つの車輪を備えており、各車輪にタイヤ1が装着されている。本実施形態では、車両50は、例えばフロントエンジン・フロントドライブ車(FF車)であり、前輪に装着されたタイヤ1Fが駆動タイヤであり、後輪に装着されたタイヤ1Rが従動タイヤである。なお、車両50の駆動方式や操舵方式は特に限定されず、車両50は、FF車とは異なる駆動方式であってもよく、前輪操舵方式とは異なる操舵方式であってもよい。
また、車両50は、四輪の乗用車に限られず、四輪以外の乗用車、トラックやバス等の大型車両、自動二輪車、競技用車両、産業用車両、特殊車両、トレーラーや台車等の荷重用車両などであってもよい。
図3に示すように、車両50には、車輪速センサ51、横加速度センサ52、圧力センサ53、温度センサ54、厚みセンサ55、操舵角センサ56、ブレーキセンサ57、トレッド面センサ58などの各種センサが設けられている。センサ51~55は、タイヤ1の内腔面にマウント部材(不図示)を介して固定されている。
各センサ51~55は、タイヤ1に設けられた不図示の送信機と接続されており、各センサ51~55の検出値は、前記送信機を介して制御ユニット60に送信される。
各センサ51~55は、検出対象の検出値又は前記検出値を示す検出信号を出力できるものであれば如何なる構成のものであってもよく、また、その取付位置や検出方法についても特に限定されない。なお、各センサ51~55それぞれが、制御ユニット60に無線又は有線を通じて通信可能に接続されている場合は、各センサ51~55それぞれから個別に制御ユニット60に前記検出値が送信されてもよい。
車輪速センサ51は、走行中のタイヤ1の車輪速信号(回転速度情報)を検出する。制御ユニット60の制御部61は、車輪速センサ51から受信した前記車輪速信号に基づいてタイヤ1の回転数(タイヤ回転数)や、車両50の走行速度、車両50の進行方向の加速度を算出する。制御部61は、算出された回転数の累積値を示すタイヤ累積回転数、前記走行速度の時系列変動を示す走行速度変動履歴、前記加速度の時系列変動を示す加速度変動履歴を、タイヤ1を使用したときの車両50の走行履歴データの一例として、制御ユニット60の記憶部62に格納する。
横加速度センサ52は、走行中のタイヤ1に加わる横方向の加速度(横方向加速度)を検出する。制御部61は、前記横方向加速度の時系列変動を示す横加速度変動履歴を、前記走行履歴データの一例として、記憶部62に格納する。
なお、過剰なタイヤ回転数、走行速度、加速度、及び横方向加速度は、タイヤ1に負荷をもたらしてタイヤ1のタイヤ性能を低下させる場合がある。したがって、前記タイヤ回転数、前記走行速度、前記加速度、及び前記横方向加速度は、前記タイヤ性能を低下させる原因となり得る。
圧力センサ53は、タイヤ1の内部の空気圧(タイヤ空気圧)を検出する。制御部61は、前記空気圧の時系列変動を示す空気圧変動履歴を、前記走行履歴データの一例として、記憶部62に格納する。
なお、前記タイヤ空気圧が、規定範囲よりも高い数値(異常値)、或いは前記規定値よりも低い数値(異常値)である場合、タイヤ1に負荷をもたらしてタイヤ1のタイヤ性能を低下させる場合がある。したがって、前記タイヤ空気圧は、前記タイヤ性能を低下させる原因となり得る。
温度センサ54は、走行中又は停止中のタイヤ1の温度(タイヤ温度)を検出する。制御部61は、前記タイヤ温度の時系列変動を示すタイヤ温度変動履歴を、前記走行履歴データとして、記憶部62に格納する。なお、タイヤ温度変動履歴は、車両50の走行中に取得された走行中温度履歴と、車両50の停止中に取得された停止中温度履歴とに分けて記憶部62に格納されてもよい。
なお、タイヤ1の高温化は、タイヤ1に負荷をもたらしてタイヤ1のタイヤ性能を低下させる場合がある。したがって、前記タイヤ温度は、前記タイヤ性能を低下させる原因となり得る。
厚みセンサ55は、タイヤ1のトレッド部の厚み(バンド部から表面までの厚み)を検出する。厚みセンサ55は、各タイヤ1の内腔面であって、トレッド部の内側面に設けられている。本実施形態では、前記内側面に2つの厚みセンサ55が設けられており、一つは前記内側面における幅方向の中央部に取り付けられており、もう一つは前記内側面における幅方向の端部に取り付けられている。制御部61は、前記トレッド部の厚みから前記トレッド部の摩耗量を算出する。また、制御部61は、前記摩耗量の経時的変化を示すトレッド摩耗履歴を、前記走行履歴データの一例として、記憶部62に格納する。
なお、タイヤ1のトレッド部が摩耗すると、前記トレッド部のゴム厚が減少し、タイヤ1のタイヤ性能を低下させる場合がある。したがって、前記摩耗量は、前記タイヤ性能を低下させる原因となり得る。
操舵角センサ56は、ハンドル503の回転角である操舵角を検出する。操舵角センサ56は、例えば、ハンドル503のステアリングシャフトに設けられている。操舵角センサ56は、制御ユニット60に無線又は有線を通じて通信可能に接続されており、操舵角センサ56で検出された操舵角(検出値)は、制御ユニット60に送信される。操舵角センサ56は、ハンドル503の操舵角を検出できるものであれば如何なる構成のものであってもよく、また、その取付位置や検出方法についても特に限定されない。
制御部61は、検出された走行中の前記操舵角の時系列変動を示す操舵角履歴を、前記走行履歴データの一例として、記憶部62に格納する。
ブレーキセンサ57は、車両50のドライバーによってブレーキ操作が行われた場合に、その操作の有無や、踏込量(操作量)を検出する。ブレーキセンサ57は、例えば、ブレーキペダルに設けられたロータリエンコーダ或いはポテンショメータなどである。ブレーキセンサ57は、制御ユニット60に無線又は有線を通じて通信可能に接続されており、ブレーキセンサ57で検出された操作の有無(検出値)や踏込量(検出値)は制御ユニット60に送信される。ブレーキセンサ57は、ブレーキ操作に関する検出値を検出できるものであれば如何なる構成のものであってもよく、また、その取付位置や検出方法についても特に限定されない。
制御部61は、検出された走行中のブレーキ操作回数の累積値を示すブレーキ累積回数、及びブレーキ操作ごとの前記踏込量の履歴を示す踏込量履歴を、前記走行履歴データの一例として、記憶部62に格納する。
なお、ハンドル503の操舵角、前記ブレーキ操作回数、及び前記踏込量は、車両50に装着されたタイヤ1と路面との摩擦に影響することから、前記操作角、前記ブレーキ操作回数、及び前記踏込量は、前記タイヤ性能を低下させる原因となり得る。
トレッド面センサ58は、タイヤ1のトレッド部の表面(トレッド面)の溝の有無や、溝深さを測定するための情報を検出する。トレッド面センサ58としては、例えば、車両50のタイヤハウスの内面に設けられた走査型の光距離センサを適用することができる。前記光距離センサは、トレッド面に対してタイヤ幅方向に走査するレーザ光を出射し、前記トレッド面で反射した反射光を発光することにより、検出対象の前記トレッド面までの距離を測定する。また、前記光距離センサは、前記トレッド面の幅方向の凹凸形状をトレースしたトレースデータを生成して出力するため、制御ユニット60の制御部61は、前記トレースデータに基づいて、タイヤ1のトレッド部の溝の有無や、溝深さを測定することができる。なお、前記光距離センサに替えて、前記タイヤハウスの内面に幅方向に沿って複数配置された反射型のフォトインタラプタ(フォトリフレクタともいう。)を適用することも可能である。また、前記光距離センサに替えて、前記トレッド面の画像を撮像するカメラや、タイヤ幅方向の形状を検出可能なラインセンサなどを適用することも可能である。
制御部61は、前記トレッド部の溝深さの経時的変化を示すトレッド溝履歴を、前記走行履歴データの一例として、記憶部62に格納する。
なお、タイヤ1のトレッド部の前記溝深さは、制動性や排水性能に影響することから、タイヤ1のタイヤ性能を低下させる原因となり得る。
また、タイヤ1には、記憶装置の一例であるメモリ67(本開示の記憶部の一例)が設けられている。メモリ67は、不揮発性の記憶装置である。メモリ67、タイヤ1の内腔面にマウント部材(不図示)を介して固定されている。メモリ67は、制御ユニット60に無線又は有線を通じて通信可能に接続されている。
メモリ67には、タイヤ1の識別情報(本開示のタイヤ識別情報の一例)などを含むタイヤ情報が予め記憶されている。前記タイヤ情報は、タイヤ1の型番、製品名称、製造年月日、用途、サイズ、製造元情報(メーカー情報)などを含む。前記識別情報(タイヤ識別情報)は、タイヤ1を他のタイヤと区別できる情報であればよく、上述の型番や製品名称が該当する。前記識別情報は、タイヤ一本ごとに付与されたIDナンバー或いはシリアルナンバーであってもよい。
タイヤ1が車両50に装着された後に、車両50のキースイッチがオンにされると、メモリ67内の前記タイヤ情報が制御ユニット60に送信され、制御ユニット60の記憶部62に記憶される。
なお、前記タイヤ累積回転数、前記走行速度変動履歴、前記加速度変動履歴、前記横加速度変動履歴、前記空気圧変動履歴、前記タイヤ温度変動履歴、前記トレッド摩耗履歴、前記操舵角履歴、前記ブレーキ累積回数、前記踏込量履歴、前記トレッド溝履歴などを含む前記走行履歴データは、記憶部62だけでなく、メモリ67にも格納される。
また、車両50に装着されているタイヤ1が別のタイヤ1に交換された場合、記憶部62内の前記走行履歴データは、別のタイヤ1のメモリ67に格納されている走行履歴データに更新される。例えば、車両50に装着されているタイヤ1が未使用の新しいタイヤ1に交換された場合は、実質的に記憶部62内の前記走行履歴データはリセットされる。また、車両50に装着されているタイヤ1が中古のタイヤ1に交換された場合は、中古のタイヤ1のメモリ67に記憶されている走行履歴データが読み出されて、記憶部62内の前記走行履歴データは、読み出された前記走行履歴データに書き換えられる。
図3に示すように、車両50は、車両50を統括制御する制御ユニット60を備える。制御ユニット60は、各種演算処理を実行可能な情報処理装置である。制御ユニット60は、制御部61、記憶部62、通信部63、GPS受信部64、出力部65、入力部66などを備える。
通信部63は、制御ユニット60を無線によって所定の通信網に接続し、前記通信網を介して通信装置40などの外部装置との間で所定の通信プロトコルに従ったデータ通信を実行するための通信インターフェースである。
GPS受信部64は、GPS衛星から送られてきたGPS信号を受信する。受信したGPS信号は、制御部61に送信されて、地図上における車両50の位置を示す位置情報(車両位置情報)を特定する処理、車両50の走行経路を特定する処理、車両50の走行距離を算出する処理などの各種演算処理に用いられる。ここで、前記車両位置情報は、車両50が停車している場合の停車位置や、車両50の走行中の走行位置を含む。
本実施形態では、車両50の停止中又は走行中に特定された前記車両位置情報に基づいて車両50の走行経路が特定される。また、前記車両位置情報に基づいて車両50の走行距離が算出される。制御部61は、前記車両位置情報を前記走行履歴データの一例として、記憶部62に格納する。また、制御部61は、前記走行経路を示す走行経路情報、及び前記走行距離を示す走行距離情報を、前記走行履歴データの一例として、記憶部62に格納する。なお、前記車両位置情報、前記走行経路情報、及び前記走行距離情報は、タイヤ1のメモリ67にも格納される。
なお、車両50の停車位置や走行位置の周辺の環境や、車両50が走行した路面の状態、車両50の走行距離などは、タイヤ1に負荷をもたらしてタイヤ1のタイヤ性能を低下させる場合がある。例えば、前記環境が劣悪な場合、車両50が荒い路面を走行している場合、走行距離が著しく長い場合は、タイヤ1に過剰な負荷がかかる。したがって、車両位置、走行経路、及び走行距離は、前記タイヤ性能を低下させる原因となり得る。
記憶部62は、各種の情報を記憶するフラッシュメモリなどの不揮発性の記憶媒体又は記憶装置である。例えば、記憶部62には、制御部61に各種処理を実行させるための制御プログラムが格納されている。前記制御プログラムは、通信部63と通信接続可能なサーバー装置や外部ストレージなどの外部記憶装置に記憶されており、前記外部記憶装置から読み出されて記憶部62に格納(複製)されたものである。或いは、前記制御プログラムは、CD又はDVDなどのコンピュータ読取可能な記録媒体に非一時的に記録されており、制御ユニット60に電気的に接続される読取装置(不図示)で読み取られて記憶部62に格納(複製)されたものであってもよい。
また、記憶部62には、各センサ51~58から送信されてきた検出値やデータ、GPS受信部64により検出された前記車両位置情報などが記憶されている。また、記憶部62には、上述した各種履歴情報(前記タイヤ累積回転数、前記走行速度変動履歴、前記加速度変動履歴、前記横加速度変動履歴、前記空気圧変動履歴、前記タイヤ温度変動履歴、前記トレッド厚履歴、前記操舵角履歴、前記ブレーキ累積回数、前記踏込量履歴、前記トレッド溝履歴)が記憶されている。また、記憶部62には、前記車両位置情報、前記走行経路情報、及び前記走行距離情報などが記憶されている。
出力部65は、制御部61が実行する各種処理の結果などを出力するインターフェースである。例えば、車両50に搭載された計器ユニット501や表示装置502が出力部65に接続されている。制御部61は、例えば、速度情報などを計器ユニット501に出力し、また、ドライバーなどからの表示要求に応じた各種情報を表示装置502に出力する。
入力部66は、車両50に設けられた各種センサ51~58と無線又は有線によって接続するインターフェースである。入力部66に、センサ51~58などから出力される信号が入力される。
制御部61は、CPU、ROM、及びRAMなどの制御機器を有する。前記CPUは、各種の演算処理を実行するプロセッサである。前記ROMは、前記CPUに各種の処理を実行させるためのBIOS及びOSなどの制御プログラムが予め記憶された不揮発性のメモリである。前記RAMは、各種の情報を記憶する揮発性又は不揮発性のメモリであり、前記CPUが実行する各種の処理の一時記憶メモリ(作業領域)として使用される。そして、制御部61は、前記ROM又は記憶部62に予め記憶された各種の制御プログラムを前記CPUで実行することにより、後述の各種の処理を実行する。
制御部61は、表示処理部611、演算処理部612、硬度算出処理部613などの各種の処理部を含む。制御部61は、前記CPUで前記制御プログラムに従った各種の処理を実行することによって前記各種の処理部として機能する。なお、制御部61に含まれる一部又は全部の処理部が電子回路で構成されていてもよい。また、表示処理部611、演算処理部612、及び硬度算出処理部613のそれぞれが行う一又は複数の処理が別々の処理部によって実行されてもよい。また、前記制御プログラムは、複数のプロセッサを前記各種の処理部として機能させるためのプログラムであってもよい。
表示処理部611は、種々の情報を車両50の表示装置502に表示する処理を行う。例えば、表示処理部611は、管理装置10から後述の補修剤判定処理(図8参照)の判定結果が送信されてきた場合、或いは、後述の補修剤決定部113による判定結果が得られた場合に、これらの判定結果を表示装置502の表示画面に表示する。
演算処理部612は、各種センサ51~58やGPS受信部64から入力部66に入力された検出値やデータに基づいて、車両50或いはタイヤ1の状態を示す状態データを算出する処理を行う。ここで、前記状態データは、例えば、タイヤ1の回転数(タイヤ回転数)、車両50の走行速度、車両50の進行方向の加速度、タイヤ1に加わる横方向加速度、タイヤ1の空気圧(タイヤ空気圧)、タイヤ1の温度(タイヤ温度)、タイヤ1のトレッド部の摩耗量、車両50の操舵角、ブレーキ操作回数、ブレーキの踏込量、タイヤ1のトレッド部の溝深さ、などを含む。
前記タイヤ回転数、前記走行速度、前記加速度は、車輪速センサ51の検出値(車輪速信号)に基づいて算出可能である。前記横方向加速度は、横加速度センサ52の検出値に基づいて算出可能である。前記タイヤ空気圧は、圧力センサ53の検出値に基づいて算出可能である。前記タイヤ温度は、温度センサ54の検出値に基づいて算出可能である。
前記摩耗量は、厚みセンサ55の検出値に基づいて算出可能である。前記摩耗量は、タイヤ1の内腔面に幅方向に隔てて設けられた二つの厚みセンサ55それぞれの検出値に基づき算出される厚みの平均値と、未使用時のタイヤ1のトレッド部の初期厚みとの差である。なお、厚みセンサ55の設置数を増やしたり、配置位置を適宜調整することによって、前記摩耗量を高精度に算出することができる。
前記操舵角は、操舵角センサ56の検出値に基づいて算出可能である。前記ブレーキ操作回数及び前記ブレーキ踏込量は、ブレーキセンサ57の検出値に基づいて算出可能である。
タイヤ1のトレッド部の溝深さは、前記トレッド面センサ58から出力されたデータに基づいて算出可能である。
また、演算処理部612は、前記車両位置情報に基づいて、車両50の走行経路を特定する処理や、車両50の走行距離を算出する処理を行う。
特定される前記走行経路の種類としては、例えば、平坦路、山岳路(所謂山道)、街中の道路、高速道路などが挙げられる。また、前記走行距離は、車両50が走行した総走行距離だけでなく、上述した各走行経路ごとの走行距離(平坦路走行距離、山岳路走行距離、街中走行距離、高速道路走行距離など)が挙げられる。
演算処理部612によって得られた前記状態データから求められる上述の各種履歴情報や、車両50に関する前記車両位置情報、前記走行経路情報、前記走行距離情報などは、タイヤ1の識別情報とともに前記走行履歴データとして記憶部62に蓄積記憶される。このような走行履歴データは、タイヤ1の性能を低下させる原因の履歴情報であって、本開示の原因履歴情報の一例である。走行履歴データは、タイヤ1に付与される負荷に起因して減少するタイヤ1内の添加剤の減少量(以下「添加剤変化量」という。)を判定する判定処理に用いられる。前記添加剤変化量は、前記添加剤の配合割合が減少した変化量を示す。
前記添加剤変化量や、減少した添加剤を示す情報(添加剤情報)は、タイヤ1の劣化内容を示すものである。つまり、前記添加剤変化量や前記添加剤情報は、本開示の劣化内容の一例である。例えば、タイヤ1が使用されることによって、タイヤ1から前記添加剤が失われて減少すると、タイヤ1が劣化して、タイヤ1の性能が低下することになる。前記添加剤がオイルなどの軟化剤である場合、これが減少することによりタイヤ1の硬度が大きくなり、タイヤ1のトレッド部のグリップ力や制動力が低下する。また、前記添加剤が老化防止剤である場合、これが減少することによりタイヤ1がひび割れを起こし易くなる。
なお、記憶部62に記憶されている前記走行履歴データは、例えば、車両50が停止してキーオフされるタイミングで、各タイヤ1のメモリ67に転送されて、メモリ67にも記憶される。このため、車両50からタイヤ1が取り外されて、中古タイヤとしてタイヤ1が別の車両50に装着された場合でも、別の車両50においてもタイヤ1の前記走行履歴データを引き継ぐことができる。
硬度算出処理部613は、タイヤ1のトレッド部の硬度(以下「タイヤ硬度」という。)を算出する処理を行う。硬度算出処理部613は、例えば、演算処理部612によって算出された前記トレッド部の摩耗量(本開示の原因履歴情報の一例)に基づいて、現状のタイヤ1のトレッド部の前記タイヤ硬度を算出する。前記タイヤ硬度は、タイヤ1に力が加えられたときの変形のし難さを示す指標である。一般に、前記タイヤ硬度は、JIS K6253に準拠する硬度計(タイプDデュロメーター)を用いて測定された数値で表される。本実施形態では、タイヤ1のトレッド部におけるキャップトレッドの厚みと前記タイヤ硬度とが比例するという周知の関係性に基づいて、前記タイヤ硬度が算出される。前記キャップトレッドは、タイヤ1のトレッド部においてトレッドパターンが刻まれている部分である。具体的には、硬度算出処理部613は、未使用状態のタイヤ1の前記キャップトレッドの厚みから使用中のタイヤ1の前記摩耗量を減算して現在のキャップ厚を算出し、このキャップ厚に所定の係数を乗じることにより前記タイヤ硬度を算出する。
なお、硬度算出処理部613は、上述のような算出例に限られない。例えば、特開2010-76702に開示されている公知の算出法によって求められる前後剛性Gを前記タイヤ硬度の近似値とすることもできる。
本実施形態では、制御部61は、硬度算出処理部613によって算出される前記タイヤ硬度を前記走行履歴データの一つとして、記憶部62に格納する。なお、前記タイヤ硬度は、タイヤ1のメモリ67にも格納される。
ところで、車両50に装着されたタイヤ1は、車両50が駐車場などに停車されている間、或いは車両50が走行される間に、各種の負荷を受ける。このような負荷の一例として、例えば、車両50をタイヤ1が支えることによる重力方向の負荷、車両50の加減速時やブレーキング時に受ける負荷、タイヤ1の空気圧の増減によって受ける負荷、車両50の旋回動作時に受ける横方向の負荷などの荷重負荷が挙げられる。また、他の一例として、車両50の周辺温度や路面温度から伝達される温度による負荷や、太陽光の照射によって生じる熱による負荷、走行時の路面との間に生じる摩擦熱による負荷などの熱的負荷が挙げられる。また、その他の一例として、タイヤ1のゴム部分にオゾンや太陽光に含まれる紫外線が照射されることによるゴムの変質による化学的負荷が挙げられる。
上述した各負荷がタイヤ1に付与されることにより、タイヤ1のゴム成分は経時的に劣化する。具体的には、タイヤ1のゴム成分が硬化する。前記ゴム成分が硬化すると、トレッド部に形成されたブロックやサイプが撓みにくくなったり、タイヤ1のサイドウォールが撓みにくくなり、前記グリップ性や前記制動性などの前記タイヤ性能が低下する。つまり、前記各負荷は、タイヤ1の前記タイヤ性能を低下させる原因(性能低下原因)である。なお、前記タイヤ性能は、主として、路面に対するグリップ性、ブレーキ操作がされたときの制動性に加え、直進安定性、操縦安定性、転動性、乗り心地、静粛性、排水性能、ドライ性能、低燃費性能などが挙げられる。
前記タイヤ性能が低下したタイヤ1を回復させる手段として、軟化剤などの補修剤をタイヤ1に外部から補充することが考えられる。例えば、前記補修剤を含む補修溶液にタイヤ1を一定時間浸漬させたり、タイヤ1の表面に前記補修溶液を塗布することにより、外部からタイヤ1の内部のゴム成分に前記補修剤を補充することができる。しかしながら、低下したタイヤ性能を回復させるためには、性能が低下した原因である前記負荷に対応する前記補修剤を特定して、その補修剤でタイヤ1を補修することが好ましいと考えられる。
本実施形態では、後述する補修剤判定処理(図8参照)が管理装置10の制御部11によって実行される。これにより、タイヤ1の性能を回復させるために補充すべき適切な補修剤を特定することが可能となる。
ここで、前記補修剤としては、ゴム成分を軟化させる軟化剤を用いることができ、具体的には、例えば、芳香族系樹脂、プロセスオイルや植物油脂等のオイル、液状ジエン系重合体、ポリテルペン樹脂等が挙げられる。
更に詳細には、前記芳香族系樹脂は、構成成分として芳香族化合物を含むポリマーである。前記芳香族化合物としては、芳香環を有する化合物であれば特に限定されず、例えば、フェノール、アルキルフェノール、アルコキシフェノール、不飽和炭化水素基含有フェノールなどのフェノール化合物、ナフトール、アルキルナフトール、アルコキシナフトール、不飽和炭化水素基含有ナフトールなどのナフトール化合物、スチレン、アルキルスチレン、アルコキシスチレン、不飽和炭化水素基含有スチレンなどのスチレン誘導体、クマロン、インデンなどを適用可能である。
また、前記芳香族系樹脂として、例えば、α-メチルスチレン系樹脂、クマロンインデン樹脂、芳香族変性テルペン樹脂、テルペン芳香族樹脂等を適用することができる。
α-メチルスチレン系樹脂としては、α-メチルスチレン単独重合体や、α-メチルスチレンとスチレンとの共重合体等が挙げられる。クマロンインデン樹脂は、樹脂の骨格(主鎖)を構成するモノマー成分として、クマロン及びインデンを含む樹脂であり、クマロン、インデン以外に骨格に含まれるモノマー成分としては、スチレン、メチルインデン、ビニルトルエンなどが挙げられる。芳香族変性テルペン樹脂としては、テルペン樹脂を芳香族化合物(好ましくはスチレン誘導体、より好ましくはスチレン)で変性して得られる樹脂、及び該樹脂に水素添加処理した樹脂が挙げられる。テルペン芳香族樹脂としては、テルペン化合物と芳香族化合物(好ましくはスチレン誘導体、フェノール化合物、より好ましくはスチレン)とを共重合した樹脂、及び該樹脂に水素添加処理した樹脂が挙げられる。
α-メチルスチレン系樹脂としては、例えば、SYLVARES SA85(SYLVATRAX 4401)、SA100、SA120、SA140(米国Kraton Corporation社製)、FTR0100、2120、2140、7100(三井化学(株)製)等が挙げられる。クマロンインデン樹脂としては、G-90、V-120(日塗化学(株)製)、NOVARES C10、C30、C70、C80、C90、C100、C120、C140、C160(独国Rutgers Chemicals社)等が挙げられる。芳香族変性テルペン樹脂としては、YSレジン TO85、TO105、TO115、TO125、クリアロン M125、M115、M105、K100、K4100(ヤスハラケミカル(株)製)等が挙げられる。テルペン芳香族樹脂としてはYSポリスター U130、U115、T160、T145、T130、T115、T100、T80、T30、S145、G150、G125、N125、K125、TH130、UH115(ヤスハラケミカル(株)製)、タマノル803L、901(荒川化学工業(株)製)、SYLVARES TP95、TP96、TP300、TP2040、TP2019、TP2040HM、TP2040LO、TP7042、TP105、TP115(米国Kraton Corporation社製)等が挙げられる。
前記オイルとしては、例えば、プロセスオイル、植物油脂、又はそれら混合物が挙げられる。プロセスオイルとしては、例えば、可塑剤として用いられるパラフィン系プロセスオイル(パラフィン系オイル)、アロマ系プロセスオイル(アロマ系オイル)、ナフテン系プロセスオイル(ナフテン系オイル)などが挙げられる。植物油脂としては、ひまし油、綿実油、あまに油、なたね油、大豆油、パーム油、やし油、落花生湯、ロジン、パインオイル、パインタール、トール油、コーン油、こめ油、べに花油、ごま油、オリーブ油、ひまわり油、パーム核油、椿油、ホホバ油、マカデミアナッツ油、桐油等が挙げられる。これらは、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
前記液状ジエン系重合体としては、重量平均分子量が50000以下のジエン系重合体であれば特に限定されず、例えば、スチレンブタジエン共重合体(ゴム)、ブタジエン重合体(ゴム)、イソプレン重合体(ゴム)、アクリロニトリルブタジエン共重合体(ゴム)等が挙げられる。
前記ポリテルペン樹脂としては、α-ピネン樹脂、β-ピネン樹脂、リモネン樹脂、ジペンテン樹脂、β-ピネン/リモネン樹脂などのテルペン樹脂の他、該テルペン樹脂に水素添加処理した水素添加テルペン樹脂も挙げられる。
データベース部30は、タイヤ管理システム100において取り扱われる各種データを所定のデータ管理方式に基づいて管理可能なように記憶媒体に格納する。データベース部30は、前記通信ネットワークに接続された記憶装置、情報処理装置、クラウドサーバー、データサーバーなど、種々の形態で実現される。データベース部30は、後述の教師データ30A、及び各種のタイヤ1の配合情報などを有する配合データ30B(図6参照)を含む。配合データ30Bは、本開示のタイヤ素材データの一例である。また、データベース部30は、本開示の素材情報記憶部の一例である。
教師データ30Aは、管理装置10が備える補修剤決定部113の判定処理部210における学習モデル211(図5参照)を学習するためのデータセットである。教師データ30Aは、学習モデル211に含まれる予測関数を学習するために用いられる。なお、学習モデル211は、本開示の学習モデルの一例である。
具体的には、教師データ30Aは、車両50で使用されたサンプルタイヤ(使用済みタイヤ)に対応する前記走行履歴データと、前記サンプルタイヤの組成分析結果とを含む組合せデータを多数有するデータセットである。
前記組成分析結果は、例えば、多数のサンプルタイヤのサンプル片を所定の組成分析装置により分析した結果である。具体的には、前記組成分析装置は、前記サンプルタイヤの各素材の配合割合を求め、未使用状態の新品のサンプルタイヤの各素材の初期配合割合を参照して、各素材それぞれの配合割合の変化量を分析結果として出力する。ここで、前記配合割合は、後述するように、タイヤのゴム組成物における各素材の配合割合である。前記配合変化量としては、タイヤに添加されているオイルなどの添加剤の配合割合が減少した変化量(添加剤変化量)などが挙げられる。なお、前記配合変化量に、タイヤを構成するゴム成分の配合割合が減少した変化量(ゴム成分変化量)が含まれていてもよい。
また、前記組成分析装置は、前記サンプルタイヤの硬度(タイヤ硬度)を求め、未使用タイヤのトレッド部の初期の硬度(基準硬度)を参照して、前記タイヤ硬度の変化量(増加量)を分析結果として出力する。
前記添加剤変化量は、タイヤの劣化内容を示す劣化情報であり、教師データ30Aにおいて「答え」に相当する情報である。前記組成分析装置としては、例えば、NMR装置(Nuclear Magnetic Resonance装置)などの周知の分析装置を適用することが可能である。
教師データ30Aにおいては、同じ属性に分けて前記組合せデータが管理されており、前記属性に関する情報(属性情報)も教師データ30Aに含まれている。前記属性情報は、例えば、タイヤ1の型番や、用途、製品名称、製造年月日、サイズ、製造元情報(メーカー情報)などのタイヤに関する前記タイヤ情報が考えられる。
なお、学習モデル211が教師データ30Aによって学習されていれば、データベース部30に教師データ30Aが格納されていなくてもよい。
配合データ30Bは、タイヤ1を構成する素材の種類や、各素材の配合割合などを含む配合情報(本開示の素材情報の一例)が前記タイヤ情報ごとに管理されたデータの集合体(データベース)である。タイヤ1のゴム部分であるゴム組成物の素材としては、例えば、ゴム成分(ゴム材料)の他に、補強剤(カーボンブラック、シリカ等)、老化防止剤、ステアリン酸、オイルなどの軟化剤、硫黄、加硫促進剤、酸化亜鉛、カップリング剤などの添加剤が挙げられる。前記ゴム成分としては、例えば、SBR(スチレンブタジエンゴム)、BR(ブタジエンゴム)、NR(天然ゴム)などが挙げられる。
図6は、配合データ30Bの一例を示す。図6に示す配合データ30Bでは、タイヤ1のゴム組成物における各素材の配合割合が質量部で表されている。詳細には、前記ゴム組成物に含まれる各ゴム成分の合計質量部を100とした場合の各素材(ゴム成分、添加剤)の配合量(質量部)の割合が配合データ30Bに示されている。前記配合割合は、単位phr(per hundred rubber)で表されている。なお、図6では、前記タイヤ情報として、型番、タイヤの用途、タイヤのサイズが例示されているが、他のタイヤ情報であるタイヤの製品名称、タイヤの製造年月日、製造元情報などが含まれていてもよい。
[管理装置10]
以下、図4を参照して、管理装置10の構成について説明する。ここで、図4は、管理装置10の構成を示すブロック図である。
管理装置10は、本実施形態のタイヤ管理システム100を実現するためのものであり、車両50に装着されている使用中のタイヤ1のタイヤ性能を回復させるために適した補修剤を判定する。
図4に示すように、管理装置10は、制御部11と、記憶部12と、通信部13と、表示部14と、操作部15と、を備える。
通信部13は、管理装置10を有線又は無線で所定のネットワーク(通信網)に接続して、所定の通信プロトコルに従って、前記ネットワークに接続された各デバイスとの間でデータ通信を実行するための通信インターフェースである。具体的には、通信部13は、前記ネットワークを通じて通信装置40やデータベース部30との間でデータ通信を実行する。
記憶部12は、各種の情報やデータを記憶する半導体メモリ、HDD、SSDなどの不揮発性の記憶装置である。本実施形態では、記憶部12が管理装置10に設けられた構成を例示するが、例えば、記憶部12内の各種情報やデータの一部又は全部が、前記ネットワークやインターネットなどを通じて管理装置10とデータ通信可能な他のサーバー装置や記憶装置などの外部装置に記憶されていてもよい。この場合、管理装置10は、必要に応じて、前記外部装置から必要な情報を読み出したり、情報を前記外部装置に記憶させる。
記憶部12には、各種制御処理や、図8に示す後述の補修剤判定処理などを制御部11に実行させるための制御プログラムが記憶されている。前記制御プログラムは、通信部13と通信接続可能なサーバー装置や外部ストレージなどの外部記憶装置に記憶されており、前記外部記憶装置から読み出されて記憶部12に格納(複製)されたものである。或いは、前記制御プログラムは、CD又はDVDなどのコンピュータ読取可能な記録媒体に非一時的に記録されており、管理装置10に電気的に接続される読取装置(不図示)で読み取られて記憶部12に格納(複製)されたものであってもよい。
表示部14は、各種の情報を表示する液晶ディスプレイ又は有機ELディスプレイ、或いは画面に対して直接にタッチ入力が可能なタッチパネルなどの表示装置である。また、操作部15は、操作者の操作を受け付けるマウス、キーボード、又はタッチパネルなどの入力装置である。
制御部11は、管理装置10の各部の動作を制御する。制御部11は、CPU、ROM、及びRAMなどの制御機器を有する。前記CPUは、各種の演算処理を実行するプロセッサである。前記ROMは、前記CPUに各種の演算処理を実行させるためのBIOS及びOSなどの制御プログラムが予め記憶された不揮発性の記憶媒体である。前記RAMは、各種の情報を記憶する揮発性又は不揮発性の記憶媒体であり、前記CPUが実行する各種の演算処理の一時記憶メモリ(作業領域)として使用される。そして、制御部11は、前記ROM又は記憶部12に予め記憶された各種の制御プログラムを前記CPUが実行することにより管理装置10を制御する。
図4に示すように、制御部11は、データ取得部111(本開示の第1取得処理部の一例)、配合情報取得部112(本開示の第2取得処理部の一例)、補修剤決定部113(本開示の材料決定処理部の一例)、出力処理部115(本開示の第1出力処理部の一例)等の各種の処理部を含む。
制御部11は、前記CPUが前記制御プログラムに従った各種の演算処理を実行することによって前記各種の処理部として機能する。制御部11又は前記CPUが、前記制御プログラムを実行するコンピュータの一例である。なお、制御部11に含まれる一部又は全部の処理部が電子回路で構成されていてもよい。また、前記制御プログラムは、複数のプロセッサを前記各種の処理部として機能させるためのプログラムであってもよい。
データ取得部111は、車両50の制御ユニット60から記憶部62に格納されている前記走行履歴データを取得する処理を行う。また、データ取得部111は、車両50の制御ユニット60から記憶部62に格納されている前記タイヤ情報を取得する。本実施形態では、制御ユニット60から前記走行履歴データや前記タイヤ情報が管理装置10に送信された場合に、制御部11が前記走行履歴データ及び前記タイヤ情報を受信する。なお、上述したように、前記走行履歴データは、タイヤ1に付与される負荷に起因して減少する前記添加剤変化量を判定する処理に用いられる。
配合情報取得部112は、タイヤ1を構成する素材の種類や、各素材の配合割合などを含む配合情報を配合データ30B(図6参照)から取得する処理を行う。本実施形態では、制御ユニット60から前記タイヤ情報が管理装置10に送信された場合に、配合情報取得部112は、前記タイヤ情報に含まれる型番と、配合データ30Bとを照合し、前記型番に対応する配合情報を配合データ30Bから抽出する。つまり、配合情報取得部112は、管理装置10に入力された前記タイヤ情報に含まれる前記型番に一致する配合情報を配合データ30Bから抽出する。
また、配合情報取得部112は、受信した前記タイヤ情報内の型番に対応する配合情報が配合データ30Bに無かった場合、或いは、前記タイヤ情報に前記型番が含まれなかった場合、受信した前記タイヤ情報内の用途やサイズと、配合データ30B内の用途情報及びサイズ情報とが同等であるか否かを判定する。そして、配合情報取得部112は、これらが同等である場合に、同等と判定された前記用途情報及び前記サイズ情報に対応する配合情報を、タイヤ1の配合情報であると認定し、当該配合情報を配合データ30Bから抽出する処理を行う。
具体的には、配合情報取得部112は、配合データ30Bを参照して、前記タイヤ情報に含まれる用途及びサイズと、配合データ30B内の用途情報及びサイズ情報とを照合する。そして、配合情報取得部112は、前記タイヤ情報に含まれる用途及びサイズと一致する用途情報及びサイズ情報が配合データ30B内にあるか否かを判定する。ここで、一致する用途情報及びサイズ情報がある場合は、前記用途情報及び前記サイズ情報に対応する配合情報を、タイヤ1の配合情報として、配合データ30Bから抽出する。なお、このような照合処理に用いられる前記用途及び前記サイズは、本開示のタイヤの種類の一例である。また、前記用途の内容を示す情報、及び前記サイズの内容を示す情報が本開示の種類情報に相当する。
補修剤決定部113は、データ取得部111が取得した前記走行履歴データなどに基づいて、使用によって低下したタイヤ1のタイヤ性能を回復させるための補修剤(回復材料の一例)を決定する処理を行う。
以下、図5を参照して、補修剤決定部113について説明する。図5に示すように、補修剤決定部113は、判定処理部210(本開示の判定部の一例)と、補修剤選定部220(本開示の選定部の一例)とを有する。
判定処理部210は、前記走行履歴データに基づいて前記添加剤変化量(本開示の劣化内容の一例)を判定する処理を行う。判定処理部210は、前記走行履歴データや前記タイヤ情報に基づいてタイヤ1の前記添加剤変化量を判定する学習モデル211を有する学習装置である。学習モデル211は、例えば機械学習によって予め学習された学習済みモデルである。判定処理部210に前記走行履歴データや前記タイヤ情報が入力される。
一般に、前記機械学習には、教師あり学習(Supervised Learning)、教師なし学習(Unsupervised Learning)、強化学習(Reinforcement Learning)などのアルゴリズムがあり、更に、これらの手法を実現するうえで、特徴量そのものの抽出を学習する「深層学習(ディープラーニング:Deep Learning)」と呼ばれる手法が用いられる。本実施形態では、教師あり学習によって学習済みの学習モデル211を例示して説明する。
判定処理部210における学習モデル211は、データベース部30に格納されている教師データ30A、及び所定のアルゴリズムに基づいて予め生成された学習済みモデルである。前記アルゴリズムは、事前に入力された教師データ30Aから、その入力と出力の関係を学習するアルゴリズムである。教師データ30Aには、前記サンプルタイヤの前記走行履歴データや前記属性情報(タイヤ情報)などの入力値と、これらのデータ及び情報に対する答えとしての前記添加剤変化量(出力値)が含まれている。教師データ30Aは、前記入力値と前記出力値とからなる組合せデータを多数含むものである。このような教師データ30Aを判定処理部210に与えることで、判定処理部210の学習モデル211は、教師データ30Aにある特徴や有用な規則、知識表現、判断基準などを解析し、入力値と出力値との関係性を示す予測関数を学習する。このような関係性が学習できれば、出力値が未知のタイヤ1の前記走行履歴データ(入力値)を前記予測関数に適用することにより、タイヤ1の前記添加剤変化量(出力値)の予測が可能となる。
本実施形態では、判定処理部210は、前記走行履歴データを学習モデル211に入力することによって、学習モデル211は、入力された前記走行履歴データに対応する前記添加剤変化量を出力する。
判定処理部210から出力された前記添加剤変化量は、補修剤選定部220に入力されて、補修剤選定部220による選定処理に用いられる。
補修剤選定部220は、判定処理部210から出力された前記添加剤変化量に対応する補修剤を選定する処理を行う。本実施形態では、補修剤選定部220は、例えば、最も変化量の大きい添加剤(最大添加剤)に対応する補修剤を選定する処理を行う。なお、前記最大添加剤は、本開示の劣化内容の一例である。
例えば、補修剤選定部220は、所定の補修剤登録データから前記最大添加剤に対応する前記補修剤を選定する処理を行う。前記補修剤登録データは、各添加剤に対応する最適な複数の補修剤の情報が登録されたテーブルデータ(ルックアップテーブル)であり、管理装置10の記憶部62或いはデータベース部30に予め格納されている。補修剤選定部220は、前記補修剤登録データと前記最大添加剤とを照合する処理を行い、前記最大添加剤に対応する前記補修剤を前記補修剤登録データに含まれる複数の補修剤の中から抽出する。
前記補修剤登録データに登録されている前記補修剤は、対応する前記添加剤が減少したことによりタイヤ1において低下した性能を回復させることが可能な補修剤である。したがって、前記補修剤は、前記最大添加剤と同じ添加剤であってもよく、また、前記最大添加剤と同等の添加剤(前記最大添加剤と同じ機能を有する添加剤)であってもよい。この場合、前記添加剤は、タイヤ1のゴム成分を軟化させる軟化剤であることが好ましい。
また、補修剤選定部220は、前記添加剤変化量が上位の複数の添加剤、例えば上位3つの添加剤それぞれに対応する複数の補修剤を選定する処理を行ってもよい。
出力処理部115は、タイヤ管理システム100において実行された各種処理の結果を出力する処理を行う。本実施形態では、出力処理部115は、補修剤決定部113によって判定された判定結果、つまり、補修剤選定部220によって選定された一つ又は複数の補修剤の情報を含む補修剤情報(本開示の材料情報の一例)を出力する処理を行う。後述するように、前記補修剤情報には、選定された補修剤により補修する場合の補修時間や、前記補修剤の価格情報、前記補修剤による補修効果などの情報が含まれていてもよい。
出力処理部115は、前記補修剤情報を車両50に出力して、車両50の表示装置502の表示画面に前記補修剤情報に含まれている情報を表示させる処理を行う。また、出力処理部115は、車両50から転送要求があった場合に、その転送要求に応じて前記補修剤情報を車両50に出力してもよい。なお、出力処理部115は、前記転送要求の有無にかかわらず、前記補修剤情報を車両50に出力してもよい。また、出力処理部115は、必要に応じて、或いは、情報端末71,72からの転送要求に応じて、情報端末71,72に前記補修剤情報を出力してもよい。
なお、出力処理部115は、前記補修剤情報とともに、選定された補修剤を用いて補修サービスが可能な補修事業所の所在情報や連絡先情報などを車両50や情報端末71に出力してもよい。この場合、車両50の表示装置502や情報端末71の表示画面に前記補修事業所の所在情報や連絡先情報が表示される。
[補修剤判定処理]
以下、図7及び図8のフローチャートを参照して、タイヤ管理システム100において実行される補修剤判定処理の手順の一例とともに、補修剤を判定する補修剤判定方法(本開示のタイヤ管理方法の一例)について説明する。ここで、本実施形態では、車両50に装着された状態のタイヤ1に対して前記補修剤判定処理が行われる。
なお、図7に示すフローチャートの各処理は、車両50が備える制御ユニット60の制御部61によって実行される処理である。また、図8に示すフローチャートの各処理は、管理装置10の制御部11によって実行される処理である。また、図7及び図8のフローチャートに含まれる一又は複数のステップが適宜省略されてもよく、また、各ステップは、同様の作用効果を生じる範囲で実行順序が異なってもよい。
図7に示すように、まず、車両50において、ステップS101以降の処理が開始される。具体的には、ステップS101において、制御ユニット60の制御部61は、タイヤ1の硬度(タイヤ硬度)を算出する。ステップS101の処理は、制御部61の硬度算出処理部613により実行される処理である。
ここで、ステップS101の処理は、予め定められた判定タイミングが到来したと判定された場合に、開始される。前記判定タイミングは、補修剤を判定するべきタイミングであり、例えば、前回の判定時から所定期間が経過したこと、或いは、前回の判定時から車両50が所定距離を走行したこと、のいずれか一つ又は両方の条件を満たしたタイミングである。また、前記判定タイミングは、タイヤ1の走行累積時間が所定の閾値に達したこと、或いは、タイヤ1の走行累積距離が所定の閾値に達したこと、のいずれか一つ又は両方の条件を満たしたタイミングであってもよい。前記各条件は、例えば、車両50の記憶部62に記憶されている。また、前記判定タイミングは、車両50に設けられた操作スイッチなどが操作されるなどして、車両50のドライバーから判定指示が入力されたタイミングであってもよい。
ステップS101において前記タイヤ硬度が算出されると、続いて、制御部61は、ステップS102において、前記タイヤ硬度の変化量(以下「硬度変化量」という。)が所定の閾値以上であるかどうかを判定する。かかる判定処理は、タイヤ1が使用された結果、タイヤ1の補修が必要な程度までタイヤ1のトレッド部が劣化しているかどうかを判定するために行われる。なお、制御部61は、ステップS102において、前記タイヤ硬度が各タイヤ1毎に定められた許容範囲の上限値以上であるかどうかを判定してもよい。
前記硬度変化量が前記閾値以上である場合は、タイヤ1が使用された結果、タイヤ1のトレッド部が未使用状態のときに比べて硬くなっており、タイヤ1が補修しなければならない状態であることを意味する。一方、前記硬度変化量が前記閾値未満である場合は、タイヤ1は、まだ補修する必要が無い状態であることを意味する。
前記硬度変化量は、ステップS101で算出された前記タイヤ硬度と、予め定められた基準硬度との差である。タイヤ1の硬度は、経時的に変化するものであり、時間の経過とともにタイヤ1のトレッド部は硬くなり、前記タイヤ硬度の数値は大きくなる。したがって、前記硬度変化量は、前記基準硬度からステップS101で算出されたタイヤ硬度の算出値を減算したものである。前記基準硬度は、未使用状態のタイヤ1のトレッド部の硬度であり、予め、JIS K6253に準拠する硬度計によって測定されたものであり、例えば、タイヤ1のメモリ67にタイヤ情報として記憶されている。なお、前記基準硬度は、本開示の初期性能値の一例である。
ステップS102において前記硬度変化量が前記閾値以上であると判定されると、制御部61は、補修剤の判定要求を管理装置10に送信する処理を行う(S103)。
その後、管理装置10から前記判定要求に対する応答信号を受信すると、制御部61は、前記タイヤ情報及び前記走行履歴データを取得する処理を行う(S104)。具体的には、制御部61は、装着されているタイヤ1に関する前記タイヤ情報と、そのタイヤ1に関する前記走行履歴データとを記憶部62又はメモリ67から読み出す。その後、制御部61は、前記タイヤ情報及び前記走行履歴データを管理装置10に送信する処理を行う(S105)。なお、前記応答信号は、前記タイヤ情報及び前記走行履歴データを管理装置10に送信させるための送信要求でもある。
図8に示すように、管理装置10において、制御部11は、車両50からの前記判定要求を受信すると(S201)、前記判定要求に対する応答信号を車両50に送信する。その後、制御部11は、車両50から送信されてきた前記タイヤ情報及び前記走行履歴データを受信する(S202)。ステップS202の処理は、制御部11のデータ取得部111により実行される処理である。なお、ステップS202は、本開示の第1取得ステップの一例である。
制御部11は、前記タイヤ情報及び前記走行履歴データを受信すると、ステップS203において、前記タイヤ情報に含まれる型番に基づく照合処理を行う。具体的には、制御部11は、データベース部30内の配合データ30B(図6参照)を参照して、配合データ30B内の型番情報と前記タイヤ情報に含まれる型番とを照合し、一致する型番が配合データ30B内にあるか否かを判定する。
次のステップS204において、照合一致する型番が配合データ30B内にあると判定された場合(S204のYes)、制御部11は、その型番に対応する前記配合情報を配合データ30Bから取得する処理を行う(S205)。なお、ステップS205において前記配合情報を取得する処理は、配合情報取得部112によって実行される処理である。
一方、ステップS204において、照合一致する型番が配合データ30B内に無いと判定された場合(S204のNo)、制御部11は、前記タイヤ情報に含まれる用途及びサイズに基づく照合処理を行う(S206)。
具体的には、制御部11は、データベース部30内の配合データ30Bを参照して、配合データ30B内の用途情報及びサイズ情報と、前記タイヤ情報に含まれる用途及びサイズとを照合し、一致する用途及びサイズが配合データ30B内にあるか否かを判定する。なお、ステップS206において、制御部11は、前記タイヤ情報に含まれる用途或いはサイズのいずれか一方のみに基づく照合処理を行ってもよい。
ここで、ステップS206の照合処理に用いられる前記用途及び前記サイズは、本開示のタイヤの種類の一例である。また、前記型番を含む前記タイヤ情報における前記用途及び前記サイズの内容は、本開示の第1種類情報に相当し、前記型番を含まない前記タイヤ情報における前記用途及び前記サイズの内容は、本開示の第2種類情報に相当する。
なお、ステップS202において受信した前記タイヤ情報に型番を示す情報が含まれておらず、用途及びサイズが含まれている場合に、ステップS206の照合処理が実行されてもよい。この場合、ステップS203及びステップS204の処理を省略することができる。
次のステップS207において、照合一致する用途及びサイズが配合データ30B内にあると判定された場合(S207のYes)、制御部11は、次のステップS205において、その用途及びサイズに対応する前記配合情報を配合データ30Bから取得する処理を行う。
前記用途情報や前記サイズ情報が一致するタイヤ1は、概ね同等のタイヤ1と推測することができる。このため、前記型番が配合データ30B内に無い場合であっても、前記用途情報や前記サイズ情報から、対象としているタイヤ1の前記配合情報と同等の配合情報を取得することができると考えられる。
ステップS207において、照合一致する用途及びサイズが配合データ30B内に無いと判定された場合(S207のNo)、補修剤の判定ができないことを示す判定不可情報を車両50に送信する処理を行う(S208)。
ステップS205において前記配合情報が取得されると、制御部11は、タイヤ1のタイヤ性能を回復させるための補修剤を決定する補修剤決定処理(S209、S210)を行う。当該処理は、補修剤決定部113によって行われる。なお、ステップS209,S210は、本開示の材料決定ステップの一例である。
具体的には、ステップS209において、制御部11は、前記走行履歴データ及び前記タイヤ情報を判定処理部210の学習モデル211に入力する。これにより、学習モデル211は、前記走行履歴データに基づいて、タイヤ1における前記添加剤変化量を出力する。ステップS209の処理は、判定処理部210によって行われる。
次に、ステップS210において、制御部11は、前記添加剤変化量に対応する補修剤であって、タイヤ1の性能を回復させるための補修剤を選定する処理を行う。ステップS210の処理は、補修剤選定部220によって行われる。
タイヤ1の補修に用いられる補修剤が選定されると、制御部11は、その補修剤を用いる補修作業に要する補修時間を算出する(S211)。制御部11は、タイヤ1のトレッド部におけるキャップトレッドの厚みとタイヤサイズとから、キャップトレッドの体積を求め、その体積に対応する補修時間を求める。例えば、制御部11は、前記体積と補修時間との対応関係を含むルックアップテーブルから前記補修時間を求めることができる。また、制御部11は、前記体積と補修時間との関係性を示す関係式に基づいて前記補修時間を求めることができる。
前記補修時間が算出されると、制御部11は、次のステップS212において、前記補修剤及び前記補修時間を含む補修剤情報を車両50に送信する処理を行う。ステップS212の処理は、出力処理部115によって行われる。
なお、制御部11は、前記補修剤及び前記補修時間に加えて、前記補修剤の価格の情報や、前記補修剤による補修が行われた場合の補修効果などの情報を車両50に送信してもよい。この場合、複数の前記補修剤の価格情報や、各補修剤による補修効果などの情報を含む登録データが管理装置10の記憶部12に格納されており、制御部11は、選定された前記補修剤に対応する前記価格情報や前記補修効果などを前記登録データから読み出して、車両50に送信する。なお、前記登録データは、インターネットを介して接続された所謂クラウドストレージに格納されていてもよい。
図7に示すように、車両50において、制御部61は、管理装置10から前記補修剤情報を受信すると(S106)、その補修剤情報に含まれる前記補修剤や前記補修時間などを表示装置502に出力する処理を行う(S107)。具体的には、制御部61は、前記補修剤や前記補修時間を車両50の表示装置502に表示する処理を行う。また、前記補修剤情報に前記価格情報や補修効果が含まれている場合は、これらの情報も表示装置502に表示する。その後、一連の処理が終了する。
なお、制御部61は、前記補修剤や前記補修時間などの情報を情報端末71或いは情報端末72に出力して、各情報端末71,72の表示画面に前記補修剤や前記補修時間などを表示させてもよい。また、前記補修剤や前記補修時間などを含む前記補修剤情報は、管理装置10の制御部11によって、管理装置10から各情報端末71,72に出力されてもいい。
一方、制御部61は、管理装置10から前記判定不可情報を受信すると(S108)、補修剤の判定ができない旨を示す判定不可メッセージを出力するとともに、予め定められた案内メッセージを出力する処理を行う。前記案内メッセージは、タイヤ1の性能(タイヤ性能)を補修剤を用いて回復させる補修サービスを提供可能な補修事業所に車両50を持ち込んで補修サービスを受けることを促すメッセージである。当該メッセージとともに、前記補修事業所の所在情報や連絡先情報などを表示させてもよい。
具体的には、制御部61は、前記各メッセージを、車両50の表示装置502に表示する処理を行う。また、制御部61は、前記各メッセージを情報端末71に出力して、情報端末71の表示画面に表示する処理などを行う。その後、一連の処理が終了する。
なお、前記補修事業所における補修内容(補修作業)としては、例えば、前記タイヤ性能が低下したタイヤ1の全体を、前記補修剤を含む補修溶液に前記補修時間浸漬させることや、タイヤ1における補修対象部分(例えばトレッド部)に前記補修溶液を前記補修時間塗布することが考えられる。このような補修が行われることにより、外部からタイヤ1の内部に前記補修剤を補充することが可能である。
以上説明したように、第1実施形態に係るタイヤ管理システム100が構成されているため、タイヤ1のタイヤ性能を回復させるために補充するべき適切な補充剤が、前記補修剤登録データに含まれる複数の補修剤の中から選定される。これにより、タイヤ管理システム100によれば、タイヤ1のタイヤ性能を回復させるために補充するべき適切な補充剤を特定することが可能である。
また、前記補修剤情報が表示装置502や情報端末71、情報端末72に出力される。そのため、表示装置502及び情報端末71から前記補修情報を受け取ったユーザーは、タイヤ1の補修が行われる前に、補修剤や補修時間を把握することができる。また、前記補修剤情報が情報端末72に出力された場合が、補修事業所に関わる補修作業員は、タイヤ1の補修のために必要な補修剤や補修時間を知ることができる。そのため、前記補修作業員は、事前に前記補修剤を準備したり、補修スケジュールを調整することができる。
なお、上述の実施形態では、複数の履歴情報や車両位置情報、走行経路情報、走行距離情報などを含む前記走行履歴データを学習モデル211に入力して、学習モデル211から前記添加剤変化量を出力する処理例について説明したが、本開示はこのような処理例に限られない。例えば、本開示は、前記走行履歴データのうちの少なくとも一つ又は複数を学習モデル211に入力して、学習モデル211から前記添加剤変化量を出力する処理例も含む。
また、上述の実施形態では、学習モデル211から前記添加剤変化量が出力される処理例について説明したが、出力される出力値は前記添加剤変化量に限られない。例えば、学習モデル211は、前記走行履歴データを入力して、前記タイヤ1のタイヤ性能を低下させた劣化原因を出力するものであってもよい。この場合、学習モデル211は、前記サンプルタイヤの前記走行履歴データや前記属性情報(タイヤ情報)などの入力値と、これらのデータ及び情報に対する答えとしての一つ又は複数の前記劣化原因(出力値)とを含む教師データ30Aによって学習される必要がある。ここで、前記劣化原因は、例えば、前記荷重負荷、前記熱的負荷、前記化学的負荷などが挙げられる。また、前記荷重負荷については、重力方向の負荷、車両50の加減速時やブレーキング時に受ける負荷、タイヤ1の空気圧の増減によって受ける負荷、車両50の旋回動作時に受ける横方向の負荷などに細分してもよい。また、前記熱的負荷については、車両50の周辺温度や路面温度から伝達される温度による負荷や、太陽光の照射によって生じる熱による負荷、走行時の路面との間に生じる摩擦熱による負荷に細分してもよい。
また、上述の実施形態では、硬度算出処理部613が制御ユニット60の制御部61によって実現され、データ取得部111、配合情報取得部112、補修剤決定部113、及び出力処理部115が管理装置10の制御部11によって実現される構成を例示したが、これらの各処理部の全て又は一部が、制御ユニット60の制御部61、車両50が備える車載装置内の制御部(プロセッサ)、或いは管理装置10の制御部11のいずれか一つ又は複数によって実現されていてもよい。もちろん、本開示のタイヤ管理システム100が、管理装置10、前記車載装置、或いは制御ユニット60のみで実現されていてもよい。
[第2実施形態]
以下、図9を参照して、本開示の第2実施形態について説明する。第2実施形態は、管理装置10において実行される補修剤判定処理の一部が上述の第1実施形態と相違している。以下においては、第1実施形態との相違点について説明し、共通する構成の説明は省略する。
図9は、本実施形態において、管理装置10の制御部11によって実行される補修剤判定処理の他の一例を示すフローチャートである。本実施形態の補修剤判定処理において、タイヤ1のタイヤ性能を回復させるための補修剤を決定する処理の内容が上述の第1実施形態と相違し、その他の処理については同じである。
図9に示すように、管理装置10において、タイヤ1に対応する前記配合情報が配合データ30B(図6参照)から取得されると(S205)、その後、制御部11は、ステップS202で受信した前記走行履歴データと、ステップS205で取得した配合情報とに基づいて、タイヤ1のタイヤ性能を回復させるための補修剤を決定する補修剤決定処理(S209、S210、S2101、S2102、S2103)を行う。ステップS205の処理は、配合情報取得部112によって行われる。なお、ステップS205は、本開示の第2取得ステップの一例である。また、ステップS209、S210、S2101、S2102、S2103の処理は、補修剤決定部113によって行われる。なお、ステップS209、S210、S2101、S2102、S2103は、本開示の補修剤決定ステップの一例である。
具体的には、ステップS209において、制御部11は、前記走行履歴データ及び前記タイヤ情報を判定処理部210の学習モデル211に入力して、学習モデル211に、タイヤ1における前記添加剤変化量を出力させる。ステップS209の処理は、判定処理部210によって行われる。
次に、ステップS210において、制御部11は、前記添加剤変化量に対応する補修剤であって、タイヤ1の性能を回復させるための補修剤を選定する処理を行う。本実施形態では、ステップS210において、制御部11は、前記添加剤変化量が上位の複数の添加剤それぞれに対応する複数の補修剤を選定する。
前記補修剤が選定されると、次のステップS2101では、制御部11は、取得された前記配合情報に含まれるゴム成分を抽出することにより、車両50に装着されているタイヤ1のゴム成分を特定する処理を行う。
例えば、車両50に装着されているタイヤ1の型番が「A1002」である場合、配合データ30B内の型番「A1002」に対応する配合情報が配合データ30Bから抽出され、その配合情報に含まれるゴム成分として、80phrのSBR(スチレン・ブタジエンゴム)と、20phrのBR(ブタジエンゴム)が抽出される。
ステップS2101において、タイヤ1のゴム成分が特定されると、次のステップS2102では、制御部11は、選定された前記複数の補修剤に、タイヤ1のゴム成分に適したものがあるか否かを判定する処理を行う。ここで、前記ゴム成分に適した補修剤としては、例えば、そのゴム成分とSP値(溶解パラメーター)が近似しており、相溶性が比較的高い補修剤が考えられる。
例えば、複数のゴム成分と、複数のゴム成分それぞれに適した前記補修剤とが登録された登録データが管理装置10の記憶部12或いはデータベース部30に予め格納されている場合、制御部11は、前記登録データを参照して、ステップS2102の判定処理を行う。具体的には、制御部11は、前記登録データと前記ゴム成分とを照合する処理を行い、前記ゴム成分に対応する前記補修剤を前記登録データに含まれる複数の補修剤の中から抽出する。そして、制御部11は、抽出された補修剤が、ステップS210で選定された複数の補修剤の中に含まれているか否かを判定する。
ステップS2102において、前記ゴム成分に適した前記補修剤が前記複数の補修剤の中に含まれていると判定されると、次のステップS2103において、制御部11は、前記補修剤を絞り込む処理を行う。具体的には、ステップS2102において判定された前記補修剤のみを、タイヤ1のタイヤ性能の回復に最適な補修剤として選定する。
図10は、ステップS2102の判定処理の際に参照される前記登録データの具体例を示すテーブルデータ121である。図10に示すように、テーブルデータ121において、タイヤ1に含まれているタイヤ成分の80phr以上がNR(天然ゴム)である場合、そのゴム成分に対応する補修剤として、SP値が比較的低いプロセスオイル、具体的には、パラフィン系オイルが定められている。また、タイヤ1に含まれているタイヤ成分がNRとBRの混合、又はNRとSBRの混合、又はNRとBRとSBRの混合(いずれも配合割合は80phr未満)である場合、そのゴム成分に対応する補修剤として、SP値が他に比較して中程度のプロセスオイル、具体的にはナフテン系オイルが定められている。また、タイヤ1に含まれているタイヤ成分の80phr以上がBR又はSBRである場合、そのゴム成分に対応する補修剤として、SP値(溶解パラメーター)が比較的高いプロセスオイル、具体的には、アロマ系オイルが定められている。
このテーブルデータ121が参照される場合、制御部11は、ステップS2101において、80phrのNRを含むゴム成分を特定した場合、ステップS2103の絞り込み処理において、SP値が低いパラフィン系オイルを前記補修剤として選定する。また、制御部11は、ステップS2101において、単一で80phr以上のゴム成分を含まない混合ゴムを特定した場合、ステップS2103の絞り込み処理において、SP値が中程度のナフテン系オイルを前記補修剤として選定する。また、制御部11は、ステップS2101において、80phrのBR又はSBRを含むゴム成分を特定した場合、ステップS2103の絞り込み処理において、SP値が高いアロマ系オイルを前記補修剤として選定する。
なお、タイヤ1のゴム成分が複数種類ある場合、制御部11は、ステップS2102において、各種類それぞれに適した複数の補修剤をタイヤ性能の回復に最適な補修剤として選定してもよい。
ステップS2103において補修剤の絞り込みが終了した場合、或いは、ステップS2102において前記ゴム成分に対応する前記補修剤が無いと判定された場合、制御部11は、次のステップS211に進み、ステップS2103で絞り込まれた前記補修剤、或いは、ステップS210で選定された前記補修剤を用いる補修作業に要する補修時間を算出し、その後、前記補修剤及び前記補修時間を含む補修剤情報を車両50に送信する(S212)。
以上説明したように、第2実施形態に係るタイヤ管理システム100において、上述したような補修剤判定処理が行われるため、タイヤ1のタイヤ性能を回復させるために補充するべき適切な補充剤として、タイヤ1のゴム成分に適した補充剤が選定される。
なお、本実施形態では、ステップS210において複数の補修剤が選定される処理例について説明したが、本開示はこの処理例に限られない。例えば、上述した第1実施形態と同様に、補修剤選定部220によって、前記補修剤登録データから前記最大添加剤に対応する前記補修剤が選定されてもよい。この場合、ステップS210で選定された補修剤がタイヤ1のゴム成分に適したものでないと判定された場合に、補修剤選定部220が、再び前記選定処理を行い、次に前記添加剤変化量が大きい次順の添加剤に対応する補修剤を選定し、その選定された補修剤が前記ゴム成分に適すると判定されるまで、ステップS210,S2101、S2102,S2103の絞り込み処理を繰り返し行ってもよい。
[第3実施形態]
以下、図11を参照して、本開示の第3実施形態について説明する。第3実施形態は、管理装置10において実行される補修剤判定処理の一部が上述の第1実施形態と相違している。以下においては、第1実施形態との相違点について説明し、共通する構成の説明は省略する。
図11は、本実施形態において、管理装置10の制御部11によって実行される補修剤判定処理の他の一例を示すフローチャートである。本実施形態の補修剤判定処理において、タイヤ1のタイヤ性能を回復させるための補修剤を決定する処理の内容が上述の第1実施形態と相違し、その他の処理については同じである。
上述の第1実施形態では、補修剤決定部113の判定処理部210が前記添加剤変化量を判定する処理例について説明したが、本開示はこの処理例に限られない。本実施形態では、図11に示すように、管理装置10において、タイヤ1に対応する前記配合情報が配合データ30B(図6参照)から取得されると(S205)、制御部11は、前記走行履歴データに基づいて、タイヤ1のタイヤ性能が低下した主原因を判定し(S209A)、その後、判定された前記主原因に対応する補修剤を選定する処理を行う(S210A)。
また、本実施形態では、補修剤決定部113の判定処理部210が、前記走行履歴データに基づいて、タイヤ1のタイヤ性能が低下した主原因を判定する。かかる判定手法としては、例えば、上述の第1実施形態と同様に、前記走行履歴データを学習モデル211に入力することによって、学習モデル211から前記主原因を出力させてもよい。この場合、学習モデル211は、前記サンプルタイヤの前記走行履歴データや前記属性情報(タイヤ情報)などの入力値と、これらのデータ及び情報に対する答えとしての一つ又は複数の前記主原因(出力値)とを含む教師データ30Aによって学習される必要がある。
また、補修剤選定部220は、所定の補修剤登録データから前記主原因に対応する前記補修剤を選定する処理を行う。前記補修剤登録データは、複数の原因それぞれに対応する複数の補修剤の情報が登録されたテーブルデータ(ルックアップテーブル)であり、管理装置10の記憶部62或いはデータベース部30に予め格納されている。補修剤選定部220は、前記補修剤登録データと前記主原因とを照合する処理を行い、前記主原因に対応する前記補修剤を前記補修剤登録データに含まれる複数の補修剤の中から抽出する。
なお、前記判定処理部210による判定処理は、学習モデル211を用いて前記主原因を判定する手法に限られない。例えば、前記判定処理部210は、タイヤ1のタイヤ性能を低下させる複数の原因それぞれに対応する評価値を算出し、算出された各評価値それぞれを比較し、前記評価値が最も大きい原因を前記主原因と判定してもよい。
上述したように、タイヤ1のタイヤ性能を低下させる原因として、前記タイヤ回転数、前記走行速度の平均速度、前記加速度、前記横方向加速度、前記タイヤ空気圧、前記タイヤ温度、前記摩耗量、前記操作角、前記ブレーキ操作回数、前記踏込量、前記溝深さ、前記車両位置、前記走行経路、及び前記走行距離などが考えられる。例えば、前記タイヤ回転数、前記走行速度の平均値、所定の閾値(所定値)を超える過剰な前記加速度の発生回数、所定の閾値(所定値)を超える過剰な前記横方向加速度の発生回数、前記タイヤ空気圧の異常状態の継続時間、前記タイヤ温度が規定温度を超えた時間、前記摩耗量、所定の閾値(所定角度)を超える操舵角の検知回数、前記ブレーキ操作回数、所定の閾値(所定量)を超える過剰な踏込量(過踏込量)の発生回数、前記溝深さ、車両50が劣悪な環境に置かれた回数、車両50が荒い走行路を走行した時間、前記走行距離の各数値をxとし、各数値xに割り当てられた重み係数をtとした場合に、各原因に対応する評価値Skは、次に示す算出式(1)で表すことができる。
Sk=t・x ・・・(1)
制御部11は、各原因に対応する複数の評価値Skのうち、最も数値の大きい評価値に対応する原因を前記主原因と判定する。
評価値Skの算出式や前記係数tは、管理装置10の記憶部12に格納されている。判定処理部210は、前記算出式と、前記走行履歴データから求められる各数値xと、前記係数tと、を用いて評価値Skを算出し、各評価値Skを比較することにより、最大の評価値Skを有する原因を前記主原因と判定することができる。
なお、制御部11は、予め定められた選択ルールに基づいて、複数の評価値Skから二つ以上の評価値Skを選択する処理を行い、選択された二つ以上の評価値Sk(選択評価値Sk)の相加平均又は相乗平均の値を算出し、その値を用いて前記主原因の判定処理を行っていもよい。前記選択ルールとしては、例えば、前記各原因のうち、関連性の高い原因に対応する二つ以上の前記選択評価値Skを選択する方法などが考えられる。例えば、車両50の走行に関する原因(タイヤ回転数、走行速度の平均速度、加速度、横方向加速度など)は互いに関連性が高く、車両50の操作に関する原因(操作角、ブレーキ操作回数、ブレーキの踏込量など)は互いに関連性が高く、タイヤ1の消耗に関する原因(摩耗量、溝深さなど)は互いに関連性が高く、走行実績に関する原因(車両位置、走行経路、走行距離など)は互いに関連性が高いと考えられる。
以上説明したように、第3実施形態に係るタイヤ管理システム100において、上述したような補修剤判定処理が行われるため、タイヤ1のタイヤ性能を回復させるために補充するべき適切な補充剤として、タイヤ1のゴム性能を低下させた主原因に対応する補充剤であって、低下したゴム性能の回復に適した補充剤が選定される。
[第4実施形態]
以下、図12及び図13を参照して、本開示の第4実施形態について説明する。ここで、図12は、第4実施形態に係る制御ユニット60の構成を示す図であり、図13は、制御ユニット60の制御部61によって実行される通知出力処理の手順の一例を示すフローチャートである。なお、以下においては、上述の各実施形態との相違点について説明し、共通する構成の説明は省略する。
図12に示すように、制御ユニット60の制御部61は、上述した表示処理部611、演算処理部612、硬度算出処理部613に加え、更に、補修判定処理部614(本開示の第2判定処理部の一例)、タイミング算出処理部615(本開示のタイミング算定処理部の一例)、通知出力処理部616などの各種の処理部を含む。なお、通知出力処理部616は、本開示の第2出力処理部、第3出力処理部、及び第5出力処理部の一例である。
上述したように、硬度算出処理部613は、タイヤ1のトレッド部の硬度(タイヤ硬度)を算出する処理を行う。硬度算出処理部613は、例えば、演算処理部612によって算出された前記トレッド部の摩耗量(本開示の原因履歴情報の一例)に基づいて、現状のタイヤ1のトレッド部の前記タイヤ硬度を算出する。
前記タイヤ硬度は、タイヤ1に力が加えられたときの変形のし難さを示す指標であり、前記タイヤ硬度が大きければ大きいほどタイヤ1が撓みにくくなる。タイヤ1の制動性及びグリップ性はタイヤ1の硬度と関係しており、前記タイヤ硬度が大きいほどタイヤ1の制動性及びグリップ性が低下する。このことから、装着されている使用中のタイヤ1の前記タイヤ硬度は、タイヤ1の性能の程度を示す性能値(現状性能値)として捉えることができる。
補修判定処理部614は、タイヤ1のタイヤ性能が予め定められた性能許容範囲を超えるタイミングを算定する処理を行う。補修判定処理部614は、硬度算出処理部613によって算出された前記タイヤ硬度に基づいて、タイヤ1を補修する必要があるか否かを判定する。具体的には、補修判定処理部614は、前記タイヤ硬度と、所定の基準硬度との差分(硬度差)に基づいて、タイヤ1を補修する必要があるか否かを判定する。前記基準硬度は、未使用状態或いは補修後のタイヤ1のトレッド部の硬度であり、予め、JIS K6253に準拠する硬度計によって測定され、タイヤ1のメモリ67にタイヤ情報の一部として記憶されている。
前記硬度差が予め定められた許容範囲を超えた場合に、補修判定処理部614は、タイヤ1を補修する必要があると判定する。また、前記硬度差が前記許容範囲内である場合に、補修判定処理部614は、タイヤ1を補修する必要がないと判定する。
なお、補修判定処理部614は、前記タイヤ硬度が各タイヤ1毎に定められた許容範囲の上限値以上である場合に、タイヤ1を補修する必要があると判定し、前記タイヤ硬度が前記許容範囲内である場合に、タイヤ1を補修する必要が無いと判定してもよい。
タイミング算出処理部615は、硬度算出処理部613で算出された現状のタイヤ硬度に基づいて、前記タイヤ性能が予め定められた許容範囲を超えるタイミングを算定する。具体的には、タイミング算出処理部615は、補修判定処理部614によってタイヤ1を補修する必要が無いと判定された場合に、前記タイミングを算定する。
本実施形態では、タイミング算出処理部615は、前記タイミングの一例として、前記タイヤ硬度が予め定められた前記許容範囲を超えるまでに要する所要走行距離を算出する。具体的には、前記走行履歴データに含まれている現時点までの走行距離と、前記タイヤ硬度の前記硬度差とにより、タイヤ硬度の硬度変化率(単位距離あたりの硬度変化)を求め、前記許容範囲の上限値と前記タイヤ硬度との差分値を前記硬度変化率で除算することにより、前記タイヤ硬度が前記上限値を超えるまでに要する所要走行距離を算出する。
なお、タイミング算出処理部615は、前記タイヤ硬度が予め定められた前記許容範囲を超えるまでに要する所要時間や、前記許容範囲を超える予測日時などを算定するものであってもよい。
通知出力処理部616は、制御部61が実行する各種処理の結果や通知を出力する処理を行う。具体的には、補修判定処理部614によってタイヤ1を補修する必要があると判定された場合に、タイヤ1の補修をするよう促す補修推奨メッセージ(本開示の回復情報の一例)を所定の出力先に出力する。前記出力先は、例えば、車両50に搭載された表示装置502、ユーザーが所有する情報端末71、或いは、タイヤ1の性能回復のための補修作業などを行う補修事業所に設置された情報端末72である。
また、通知出力処理部616は、タイミング算出処理部615で算出された前記所要走行距離を所定の出力先(表示装置502、情報端末71、情報端末72)に出力する。
また、通知出力処理部616は、タイミング算出処理部615で算出された前記所要走行距離に応じた補修予約情報を前記補修事業所に設置された情報端末72に出力する処理を行う。ここで、前記補修予約情報は、前記所要走行距離に基づいて制御部61によって算出された補修予約日時を含む予約情報であり、タイヤ1の補修予約に必要な情報である。前記補修予約情報には、車両50の所有者であるユーザーの氏名や連絡先などのユーザー情報、タイヤ1の型番などを含む前記タイヤ情報、予約先である補修事業所を示す情報なども含まれている。
前記補修予約情報が出力される出力先は、予め制御ユニット60の記憶部62に登録されている前記補修事業所に対応する情報端末72であり、その送信先情報(例えば電子メールアドレス)は記憶部62に記憶されている。なお、前記補修予約情報の出力先は、例えば、車両50の位置から最も近い位置にある前記補修事業所の情報端末72であってもよい。この場合、複数の前記補修事業所の名称や住所、前記送信先情報などが登録された補修事業所リストが記憶部62に格納されており、制御部61は、GPS受信部64により得た位置情報と前記補修事業所リスト内の住所とを参照して、車両50の位置から最も近い補修事業所を抽出し、その補修事業所の送信先情報宛てに前記補修予約情報を送信する。
制御部61は、前記所要走行距離から前記タイヤ硬度が予め定められた前記許容範囲を超える前記予測日時を算出し、前記予測日時に所定の補正係数を乗じた日時を前記補修予約日時として求める。
なお、前記補修予約情報が、表示装置502や、情報端末71に出力されてもよい。この場合、表示装置502或いは情報端末71の表示画面に前記補修予約情報が表示され、ユーザーによる操作によって、表示装置502或いは情報端末71から、当該補修予約情報に含まれる補修予約日時や予約先である補修事業所を承諾する承諾信号が入力された場合に、通知出力処理部616は、情報端末72に前記補修予約情報を送信することが好ましい。
[通知出力処理]
以下、図13のフローチャートを参照して、車両50において実行される通知出力処理の手順の一例とともに、前記補修推奨メッセージや前記所要走行距離などを所定の出力先に出力する方法(本開示のタイヤ管理方法の一例)について説明する。
なお、図13に示すフローチャートに含まれる一又は複数のステップが適宜省略されてもよく、また、各ステップは、同様の作用効果を生じる範囲で実行順序が異なってもよい。
まず、ステップS301において、制御部61は、タイヤ1の硬度(タイヤ硬度)を算出する。ステップS301の処理は、上述のステップS101と同様の処理であり、制御部61の硬度算出処理部613により実行される処理である。
ステップS301において前記タイヤ硬度が算出されると、続いて、制御部61は、ステップS302において、タイヤ1の補修が必要か否かを判定する処理を行う。ステップS302の処理は、制御部61の補修判定処理部614により実行される処理である。なお、ステップS302は、本開示の第2判定ステップの一例である。
ステップS302においてタイヤ1の補修が必要と判定されると(S302のYes)、制御部61は、前記補修推奨メッセージを前記所定の出力先(表示装置502、情報端末71、情報端末72)に送信する(S303)。ステップS303の処理は、制御部61の通知出力処理部616により実行される処理である。なお、ステップS303は、本開示の第5出力ステップの一例である。
一方、ステップS302においてタイヤ1の補修が必要でないと判定されると(S302のNo)、制御部61は、前記硬度変化率を算出し(S304)、その後、前記所要走行距離を算出する(S305)。ステップS304及びS305の処理は、制御部61のタイミング算出処理部615によって実行される処理である。
次のステップS306では、制御部61は、前記所要走行距離に基づいて前記補修予約日時を算出する。その後、制御部61は、前記所要走行距離と、前記補修予約日時を含む前記補修予約情報を前記所定の出力先に送信する(S307)。ステップS307の処理は、制御部61の通知出力処理部616により実行される処理である。ステップS307では、制御部61は、車両50の表示装置502又はユーザーの情報端末71に前記補修予約情報を送信する。
次のステップS308では、制御部61は、前記承諾信号が入力されたか否かを判定する。例えば、ユーザーは、前記補修予約情報を表示装置502又は情報端末71の表示画面から確認し、その内容について承諾する場合は、表示装置502又は情報端末71を介して、前記承諾信号を制御ユニット60に送信する操作を行う。当該操作により、前記承諾信号が制御ユニット60に入力されると、制御部61は、次のステップS309において、前記補修予約情報を、前記補修事業所に設けられた情報端末72に送信する処理を行う。一方、前記承諾信号が入力されず、キャンセル信号が入力された場合は、情報端末72に前記補修予約情報が送信されないまま、一連の処理が終了する。なお、ステップS309の処理は、制御部61の通知出力処理部616により実行される処理である。
以上説明したように、第4実施形態において、前記補修推奨メッセージが所定の出力先に送信されるため、このメッセージを表示装置502又は情報端末71から受け取ったユーザーは、タイヤ1の補修タイミングが到来したことを認識することができる。また、情報端末72から前記補修推奨メッセージを受け取った補修事業所に関わる前記補修作業員は、前記補修推奨メッセージがユーザーに通知されたことを認識することができる。
また、タイヤ1のタイヤ性能が許容範囲を超えるまでに要する前記所要走行距離が所定の出力先に送信されるため、これを受け取ったユーザーは、タイヤ1の補修タイミングが到来する頃合いを把握することができる。また、情報端末72から前記所要走行距離の情報を受け取った前記補修作業員は、タイヤ1の補修のために補修事業所に車両50が持ち込まれる頃合いを把握することができる。
また、前記補修予約情報が情報端末72に送信されることにより、補修事業所に関わる前記補修作業員は、タイヤ1の補修のために補修事業所に車両50が持ち込まれる正確な時期を把握することができる。
[第5実施形態]
以下、図14及び図15を参照して、本開示の第5実施形態について説明する。ここで、図14は、第5実施形態に係る制御ユニット60の構成を示す図であり、図15は、制御ユニット60の制御部61によって実行される回復割合出力処理の手順の一例を示すフローチャートである。なお、以下においては、上述の各実施形態との相違点について説明し、共通する構成の説明は省略する。
図14に示すように、制御ユニット60の制御部61は、上述した第4実施形態で説明した各処理部に加え、補修終了判定処理部617(本開示の第1判定処理部の一例)、及び回復割合算出処理部618を含む。なお、第5実施形態において、回復割合算出処理部618、及び通知出力処理部616は、本開示の第4出力処理部の一例である。
補修終了判定処理部617は、タイヤ1のタイヤ性能を回復させるための補修が行われたか否かを判定する。補修事業所において補修作業が行われると、補修したことや補修日時、補修回数、補修に用いた補修剤の情報などを含む補修履歴情報が前記補修作業員によってタイヤ1のメモリ67に書き込まれる。補修後のタイヤ1が車両50に装着されて、車両50のキースイッチがオンにされると、制御部61は、メモリ67内に前記補修履歴情報があるか否かを判定し、前記補修履歴情報がメモリ67に格納されている場合に、前記タイヤ情報などの他の情報とともに前記補修履歴情報をメモリ67から読み出して、制御ユニット60の記憶部62に記憶する。補修終了判定処理部617は、前記補修履歴情報を参照することにより、タイヤ1が補修されたか否かを判定することができる。
なお、補修終了判定処理部617による判定処理は、補修が行われた直後に一度だけ実行される。例えば、当該判定処理の実行後に、判定処理を実行したことを示す識別情報を前記補修履歴情報に付加することにより、その後の判定処理は、前記補修履歴情報に前記識別情報が無い場合にのみ実行されることになる。したがって、補修終了判定処理部617は、前記識別情報が無い前記補修履歴情報がメモリ67に格納される毎に前記判定処理を行う。
回復割合算出処理部618は、タイヤ1が補修済みであると判定された場合に、硬度算出処理部613に、補修後にタイヤ性能が回復したタイヤ1のトレッド部のタイヤ硬度(以下「補修後硬度」という。)を算出させる。前記補修後硬度は、補修済みのタイヤ1の前記タイヤ性能の程度を示す指標であり、本開示の回復後性能値の一例である。また、回復割合算出処理部618は、算出された前記補修後硬度と、前記基準硬度(初期性能値の一例)とを用いて、前記基準硬度に対する前記補修後硬度の割合(以下「回復割合」という。)を算出する。
通知出力処理部616は、補修直後にタイヤ1の前記補修後硬度が算出された場合に、前記補修後硬度を所定の出力先に出力する処理を行う。また、通知出力処理部616は、回復割合算出処理部618によって前記回復割合が算出された場合に、前記回復割合を所定の出力先に出力する処理を行う。前記所定の出力先は、車両50に搭載された表示装置502、ユーザーが所有する情報端末71、或いは、タイヤ1の性能回復のための補修作業などを行う補修事業所に設置された情報端末72である。
[回復割合出力処理]
以下、図15のフローチャートを参照して、車両50において実行される回復割合出力処理の手順の一例とともに、前記回復割合などを所定の出力先に出力する方法(本開示のタイヤ管理方法の一例)について説明する。
なお、図15に示すフローチャートに含まれる一又は複数のステップが適宜省略されてもよく、また、各ステップは、同様の作用効果を生じる範囲で実行順序が異なってもよい。
まず、ステップS401において、制御部61は、タイヤ1のタイヤ性能を回復させるための補修が行われたか否かを判定する。かかる判定処理は、補修終了判定処理部617によって実行される処理である。ステップS401で前記補修が行われたと判定されると、制御部61は、次のステップS402において、補修後のタイヤ1の硬度(タイヤ硬度)を算出する。ステップS402の処理は、上述のステップS101或いはステップS301と同様の処理であり、制御部61の硬度算出処理部613により実行される処理である。
補修後のタイヤ1の前記補修後硬度が算出されると、続いて、制御部61は、ステップS403において、前記基準硬度に対する前記補修後硬度の割合である前記回復割合を算出する。かかる処理は、回復割合算出処理部618によって実行される処理である。
その後、制御部61は、前記回復割合を表示装置502、又は情報端末71、又は情報端末72に送信する処理を行う。このとき、制御部61は、前記回復割合とともに、補修後のタイヤ1の前記タイヤ硬度を送信する。かかる処理は、通知出力処理部616によって実行される処理である。
以上説明したように、第5実施形態において、前記回復割合及び前記補修後硬度が所定の出力先に送信されるため、これらの情報を表示装置502又は情報端末71から受け取ったユーザーは、補修後のタイヤ1のタイヤ硬度を把握することができ、また、補修によってタイヤ1がどの程度回復したのかを把握することができる。また、情報端末72から前記回復割合及び前記補修後硬度を受け取った補修事業所に関わる前記補修作業員は、補修に使用した補修剤の回復効果を確認することができる。
なお、本実施形態では、前記回復割合を算出して所定の送信先に送信する処理例について説明したが、例えば、本開示は、前記回復割合を算出せずに、前記補修後硬度のみを前記所定の送信先に送信するものであってもよい。
[第6実施形態]
以下、図16乃至図19を参照して、本開示の第6実施形態について説明する。ここで、図16は、第6実施形態に係る管理装置10の構成を示すブロック図である。図17及び図18は、管理装置10の表示部14の表示画面に表示されるタイヤ情報入力画面141を示す図である。図19及び図20は、管理装置10の制御部11によって実行される補修剤判定処理のその他の一例を示すフローチャートである。なお、以下においては、上述の各実施形態との相違点について説明し、共通する構成の説明は省略する。
管理装置10は、上述した各実施形態とは異なり、補修剤を用いてタイヤ1の補修作業を行う補修事業所に設置される。管理装置10は、各種演算処理を実行する情報処理装置或いはサーバー装置である。
本実施形態では、管理装置10は、前記補修事業所に持ち込まれた車両50との間でデータ通信を行い、車両50から前記タイヤ情報や、車両50の前記走行履歴データなどを取得し、これらの情報に基づいて、タイヤ1に適切な補修剤を判定する処理を行う。また、管理装置10は、車両50から取り外されたタイヤ1が所有者によって前記補修事業所に持ち込まれた場合に、そのタイヤ1の型番などの情報や、タイヤ1から取得した前記走行履歴データなどの情報に基づいて、タイヤ1に適切な補修剤を判定する処理を行う。
[管理装置10]
以下、図16を参照して、管理装置10の構成について説明する。
管理装置10は、上述のタイヤ管理システム100を実現するためのものであり、車両50に装着されている使用中のタイヤ1や、車両50から取り外されたタイヤ1のタイヤ性能を回復させるために適した補修剤を判定するよう構成されている。
管理装置10が備える表示部14は、各種の情報を表示する液晶ディスプレイ又は有機ELディスプレイ、或いは画面に対して直接にタッチ入力が可能なタッチパネルなどの表示装置である。本実施形態では、表示部14の表示画面に、後述のタイヤ情報入力画面141(図17及び図18参照)が表示される。
図16に示すように、管理装置10の制御部11は、データ取得部111(本開示の第1取得処理部の一例)、配合情報取得部112(本開示の第2取得処理部の一例)、補修剤決定部113(本開示の材料決定処理部の一例)、出力処理部115(本開示の第1出力処理部の一例)等の各処理部に加えて、入力受付部114を含む。なお、入力受付部114以外の処理部については、上述した第1実施形態や他の実施形態の構成と同様であるため、ここでの説明は省略する。
入力受付部114は、タイヤ1に関する前記タイヤ情報の一部または全部の入力を受け付ける処理を行う。具体的には、入力受付部114は、所定のタイミングで、表示部14にタイヤ情報入力画面141(図17参照)を表示させる。その後、操作部15によってタイヤ情報入力画面141に前記タイヤ情報が入力され、更に入力キー92(図17参照)が選択操作された場合に、入力受付部114は、タイヤ情報入力画面141の各入力枠171~176に入力された情報を取得する。
また、入力受付部114は、入力キー92が選択操作された場合に、当該操作によって入力された入力信号を、配合情報取得部112によって行われる前記配合情報の取得処理を開始するためのトリガ信号として受け付ける。したがって、前記入力信号が入力されると、配合情報取得部112は、タイヤ1を構成する素材の種類や、各素材の配合割合などを含む配合情報を配合データ30B(図6参照)から取得する処理を行う。なお、配合情報取得部112によって取得された前記配合情報の一部又は全部が、タイヤ情報入力画面141における表示枠81に表示される。
本実施形態では、タイヤ情報入力画面141を介して前記タイヤ情報が入力された場合に、配合情報取得部112は、前記タイヤ情報に含まれる型番と、配合データ30Bとを照合し、前記型番に対応する配合情報を配合データ30Bから抽出する。つまり、配合情報取得部112は、管理装置10に入力された前記タイヤ情報に含まれる前記型番に一致する配合情報を配合データ30Bから抽出する。
また、配合情報取得部112は、入力枠171に入力された型番に対応する配合情報が配合データ30Bに無かった場合、入力枠172や入力枠173に入力された用途やサイズと、配合データ30B内の用途情報及びサイズ情報とが同等であるか否かを判定する。そして、配合情報取得部112は、これらが同等である場合に、同等と判定された前記用途情報及び前記サイズ情報に対応する配合情報を、タイヤ1の配合情報であると認定し、当該配合情報を配合データ30Bから抽出する処理を行う。
また、入力受付部114は、実行キー93が選択操作された場合に、当該操作によって入力された実行信号を、補修剤決定部113によって行われる前記補修剤決定処理を開始するためのトリガ信号として受け付ける。したがって、前記実行信号が入力されると、補修剤決定部113は、データ取得部111が取得した前記走行履歴データなどに基づいて、使用によって低下したタイヤ1のタイヤ性能を回復させるための補修剤(回復材料の一例)を決定する処理を行う。なお、前記補修剤決定処理によってタイヤ1に適切な補修剤が決定されると、その補修剤の情報や、その補修剤を用いて行う補修に要する補修時間(所要時間)が、タイヤ情報入力画面141における表示枠82に表示される。
図17及び図18は、表示部14に表示されるタイヤ情報入力画面141(入力画面の一例)を示す図である。図17には、各入力枠171~176に前記タイヤ情報が表示されており、表示枠81及び表示枠82が空欄になっている状態が示されている。図18には、各入力枠171~176、表示枠81、及び表示枠82に情報が表示されている状態が示されている。
図17に示すように、タイヤ情報入力画面141は、前記タイヤ情報を入力し且つ表示するための複数の入力枠171~176と、タイヤ1の前記配合情報を表示するための表示枠81と、タイヤ1に適切な補修剤を表示するための表示枠82と、を有する。また、タイヤ情報入力画面141には、表示内容を前の状態に戻すための戻るキー91と、タイヤ1の前記配合情報を取得する処理を実行させるための入力キー92と、補修剤決定処理を実行させるための実行キー93とが設けられている。
本実施形態では、表示枠81には、前記配合情報の一部の情報、詳細には、タイヤ1の添加剤である軟化剤に関する情報(軟化剤配合情報)が表示される。前記軟化剤配合情報は、前記軟化剤の名称及び前記軟化剤の配合割合を含む情報である。もちろん、表示枠81に、タイヤ1の前記配合情報の全てを表示させてもよい。
ユーザーが操作部15を操作することによって、入力枠171~176それぞれに、タイヤ1の前記タイヤ情報が入力される。本実施形態では、一実施例として、タイヤ1の型番が入力枠171に入力され、タイヤ1の用途が入力枠172に入力され、タイヤ1のサイズが入力枠173に入力され、タイヤ1の製造日が入力枠174に入力され、タイヤ1の走行距離が入力枠175に入力され、タイヤ1の硬度が入力枠176に入力される。
また、ユーザーが操作部15を操作して入力キー92が選択されると、前記入力信号が前記制御部11に出力される。制御部11の配合情報取得部112は、この入力信号を受け取ることにより、配合データ30B(図6参照)から、タイヤ1を構成する素材の種類や各素材の配合割合などを含む前記配合情報を取得する処理を行う。そして、当該処理により取得された前記配合情報のうち、タイヤ1に配合されている軟化剤の名称とその配合割合(軟化剤配合割合)とが前記軟化剤配合情報として表示枠81に表示される。
また、ユーザーが操作部15を操作して実行キー93が選択されると、前記実行信号が前記制御部11に出力される。制御部11の補修剤決定部113は、この実行信号を受け取ることにより、タイヤ1に適切な補修剤を決定する処理を行う。
[補修剤判定処理]
以下、図19及び図20のフローチャートを参照して、タイヤ管理システム100において実行される補修剤判定処理の手順の一例とともに、補修剤を判定する補修剤判定方法(本開示のタイヤ管理方法の一例)について説明する。ここで、本実施形態では、前記補修事業所にドライバーによって乗り入れされた車両50のタイヤ1、或いは、車両50から取り外されて前記補修事業所に所有者によって持ち込まれたタイヤ1に対して前記補修剤判定処理が行われる。
なお、図19及び図20に示すフローチャートの各処理は、管理装置10が備える制御部11によって実行される処理である。また、図19及び図20のフローチャートに含まれる一又は複数のステップが適宜省略されてもよく、また、各ステップは、同様の作用効果を生じる範囲で実行順序が異なってもよい。
図19に示すように、ステップS501において、制御部11は、管理装置10に判定要求が入力されたか否かを判定する。前記判定要求は、例えば、前記補修事業所に所属する前記補修作業員が管理装置10を操作して、不図示の実行キーを入力することにより、管理装置10に入力される。
なお、車両50が前記補修事業所に乗り入れされている場合は、ステップS501において、制御部11は、上述のステップS201と同様の判定処理、つまり、車両50の制御ユニット60から発信される判定要求を受信したか否かを判定する処理を行ってもよい。
ステップS501において前記判定要求が入されたと判定されると、次のステップS502では、制御部11は、表示部14の表示画面にタイヤ情報入力画面141(図17参照)を表示する処理を行う。
続いて、制御部11は、タイヤ情報入力画面141に前記タイヤ情報が入力されたか否かを判定する処理を行う(S503)。例えば、前記補修作業員は、車両50に装着されているタイヤ1のサイドウォールに記載されている各種情報を目視により確認し、その情報から得られる型番、用途、サイズ、製造日に関する情報を、対応する入力枠171~174に入力する。また、前記補修作業員は、車両50の計器ユニット501や車載装置などから走行距離を目視により確認し、その走行距離を対応する入力枠175に入力する。また、前記補修作業員は、周知のタイヤ硬度計を用いてタイヤ1のトレッド部の硬度を測定し、その測定値を対応する入力枠176に入力する。
このようにして入力枠171~176の全てに情報が入力され、その後に前記補修作業員によって入力キー92が選択操作されると、制御部11は、当該選択操作により発信された前記入力信号を受信し、各入力枠171~176に入力された前記タイヤ情報を記憶部62に記憶する。
なお、車両50が前記補修事業所に乗り入れされている場合は、ステップS503において、制御部11は、車両50の制御ユニット60から送信される前記タイヤ情報や前記走行距離、前記タイヤ硬度を受信して、これらの情報を対応する入力枠171~176に表示させてもよい。
また、制御部11は、前記タイヤ情報が入力されると、ステップS504において、前記タイヤ情報に含まれる型番に基づく照合処理を行う。そして、次のステップS505において、照合一致する型番が配合データ30B内にあると判定された場合(S505のYes)、制御部11は、その型番に対応する前記配合情報を配合データ30Bから取得する処理を行う(S506)。ステップS506において前記配合情報を取得する処理は、配合情報取得部112によって実行される処理である。なお、ステップS504,S505,S506の各処理は、上述のステップS203,S204,S205(図8参照)の各処理と同様の処理であるため、詳細な説明を省略する。
一方、ステップS505において、照合一致する型番が配合データ30B内に無いと判定された場合(S505のNo)、制御部11は、前記タイヤ情報に含まれる用途及びサイズに基づく照合処理を行う(S507)。なお、入力枠171に型番の情報が入力されていない場合、ステップS504及びステップS505の処理を省略することができる。なお、ステップS507の処理は、上述のステップS206(図8参照)の処理と同様の処理であるため、詳細な説明を省略する。
次のステップS508において、照合一致する用途及びサイズが配合データ30B内にあると判定された場合(S508のYes)、制御部11は、次のステップS506において、その用途及びサイズに対応する前記配合情報を配合データ30Bから取得する処理を行う。なお、ステップS508の処理は、上述のステップS207(図8参照)の処理と同様の処理であるため、詳細な説明を省略する。
ステップS508において、照合一致する用途及びサイズが配合データ30B内に無いと判定された場合(S508のNo)、補修剤の判定ができないことを示す判定不可情報を表示部14に表示する処理を行う(S509)。具体的には、タイヤ情報入力画面141に重ねるようにして前記判定不可情報を含むエラーメッセージを表示させたり、前記判定不可情報を含むエラー表示画面を表示部14に表示する。その後、一連の処理が終了する。
ステップS506において前記配合情報が取得されると、制御部11は、前記配合情報に含まれる軟化剤の名称や配合割合を含む前記軟化剤配合情報を表示枠81に表示する処理を行う(S510)。
その後、制御部11は、前記実行指示が入力された場合に(S511のYes)、ステップS512において、車両50の前記走行履歴データを取得する処理を行う。例えば、制御部11は、前記車両50の制御ユニット60に前記走行履歴データの要求信号を出力する。この要求信号に応じて制御ユニット60の制御部61が記憶部62内の前記走行履歴データを読み出し、前記走行履歴データを管理装置10に送信する。そして、制御部11は、車両50から送信されてきた前記走行履歴データを受信する。
なお、車両50から取り外されたタイヤ1が前記補修事業所に持ち込まれた場合は、制御部11は、タイヤ1のメモリ67に無線通信によってアクセスして、メモリ67に格納されている前記走行履歴データを読み出すことにより取得してもよい。
前記走行履歴データが取得されると、制御部11は、図20に示すように、タイヤ1のタイヤ性能を回復させるための補修剤を決定する補修剤決定処理(S513、S514)を行う。当該処理は、補修剤決定部113によって行われる。なお、ステップS513,S514の処理は、上述のステップS209,S210(図8参照)と同様の処理であるため、詳細な説明を省略する。ステップS513,S514は、本開示の補修剤決定ステップの一例である。
タイヤ1の補修に用いられる補修剤が決定されると、制御部11は、その補修剤を用いる補修作業に要する補修時間を算出する(S515)。
前記補修時間が算出されると、制御部11は、次のステップS516において、前記補修剤及び前記補修時間を含む補修剤情報を表示部14に表示する処理を行う。具体的には、図18に示すように、前記補修剤情報を表示枠82に表示する。車両50に送信する処理を行う。ステップS516の処理は、出力処理部115によって行われる。なお、前記補修剤情報に前記価格情報や前記補修効果が含まれている場合は、これらの情報も表示部14に表示してもよい。その後、一連の処理が終了する。
以上説明したように、第6実施形態に係るタイヤ管理システム100が構成されているため、前記補修事業所に車両50が乗り入れされた場合でも、また、タイヤ1のみが持ち込まれた場合でも、管理装置10によって、タイヤ1のタイヤ性能を回復させるために補充するべき適切な補充剤が選定される。これにより、前記補修事業所で補修作業を行う前記補修作業員は、タイヤ1に付与する最適な補修剤を確実に且つ容易に特定することができる。
なお、上述の実施形態では、データ取得部111、入力受付部114、配合情報取得部112、補修剤決定部113、及び出力処理部115が管理装置10の制御部11によって実現される構成を例示したが、これらの各処理部の全て又は一部が、制御ユニット60の制御部61、車両50が備える車載装置内の制御部(プロセッサ)、或いは管理装置10の制御部11のいずれか一つ又は複数によって実現されていてもよい。もちろん、本開示のタイヤ管理システム100が、管理装置10、前記車載装置、或いは制御ユニット60のみで実現されていてもよい。
以上説明した本開示の実施形態は、以下に記す各開示事項(1)~(25)を含む。
本開示(1) の一の局面に係るタイヤ管理システムは、車両に装着されるタイヤの性能を低下させる原因の履歴に関する原因履歴情報を取得する第1取得処理部と、前記第1取得処理部により取得される前記原因履歴情報に基づいて、低下した前記性能を回復させるための回復材料を決定する材料決定処理部と、を備える。
このように本開示に係るタイヤ管理システムが構成されているため、前記タイヤの性能(タイヤ性能)を回復させるために補充するべき適切な補充剤が決定される。これにより、前記タイヤ管理システムによれば、タイヤの補修を行う補修作業員の能力や経験値に頼ることなく、前記タイヤの性能を回復させるために補充するべき適切な補充剤を正確に特定することが可能である。
本開示(2)は、本開示(1)のタイヤ管理システムにおいて、前記材料決定処理部は、前記原因履歴情報に基づいて前記タイヤの劣化内容を判定する処理を行う判定部と、前記劣化内容と前記回復材料とを対応付けて記憶する所定の記憶部から、前記判定部による判定処理によって得られた前記劣化内容に対応する前記回復材料を選定する処理を行う選定部と、を有する。
本開示(3)は、本開示(2)のタイヤ管理システムにおいて、前記判定部は、前記原因履歴情報を入力して、前記劣化内容を出力する学習モデルを有する。
本開示(4)は、本開示(1)のタイヤ管理システムにおいて、前記原因履歴情報が複数の原因の履歴を含むものであり、前記材料決定処理部は、前記原因履歴情報に基づいて前記性能を低下させた主原因を特定し、前記主原因と前記回復材料とを対応付けて記憶する所定の記憶部から、前記主原因に対応する前記回復材料を選定する。
本開示(5) の他の局面に係るタイヤ管理システムは、車両に装着されるタイヤの性能を低下させる原因の履歴に関する原因履歴情報を取得する第1取得処理部と、前記タイヤを構成する一又は複数の素材に関する素材情報を取得する第2取得処理部と、前記第1取得処理部により取得される前記原因履歴情報、及び前記第2取得処理部により取得される前記素材情報に基づいて、低下した前記性能を回復させるための回復材料を決定する材料決定処理部と、を備える。
本開示(6)は、本開示(5)のタイヤ管理システムにおいて、前記材料決定処理部は、前記原因履歴情報に基づいて前記タイヤの劣化内容を判定する処理を行う判定部と、前記劣化内容と前記回復材料とを対応付けて記憶する所定の記憶部から、前記素材情報に含まれる素材に対応し、且つ、前記判定部による判定処理によって得られた前記劣化内容に対応する前記回復材料を選定する処理を行う選定部と、を有する。
本開示(7)は、本開示(6)のタイヤ管理システムにおいて、前記判定部は、前記原因履歴情報を入力して、前記劣化内容を出力する学習モデルを有する。
本開示(8)は、本開示(5)のタイヤ管理システムにおいて、前記原因履歴情報が複数の原因の履歴を含むものであり、前記材料決定処理部は、前記原因履歴情報に基づいて前記性能を低下させた主原因を特定し、前記主原因と前記回復材料とを対応付けて記憶する所定の記憶部から、前記素材情報に含まれる素材に対応し、且つ、前記主原因に対応する前記回復材料を選定する。
本開示(9)は、本開示(6)~(8)のいずれか一つのタイヤ管理システムにおいて、前記素材情報が前記タイヤを構成するゴム成分を含むものであり、前記材料決定処理部は、前記素材情報に含まれる前記ゴム成分に対応する前記回復材料を決定する。
本開示(10)は、本開示(6)~(8) のいずれか一つのタイヤ管理システムにおいて、前記素材情報が前記タイヤを軟化させる軟化剤を含むものであり、前記材料決定処理部は、前記素材情報に含まれる前記軟化剤と同等の前記回復材料を決定する。
本開示(11)は、本開示(5)~(10)のいずれか一つのタイヤ管理システムにおいて、前記タイヤを示すタイヤ識別情報、及び前記タイヤ識別情報に対応する前記素材情報を含むタイヤ素材データが格納される素材情報記憶部を更に備え、前記第2取得処理部は、前記タイヤ識別情報が入力された場合に、前記タイヤ識別情報に対応する前記素材情報を前記タイヤ素材データから抽出する。
本開示(12)は、本開示(11)のタイヤ管理システムにおいて、前記タイヤ素材データに、前記タイヤ識別情報及び前記素材情報に加え、前記タイヤの種類を示す第1種類情報が含まれており、前記第2取得処理部は、前記タイヤとは異なる種類の他のタイヤの種類を示す第2種類情報が入力された場合に、前記第2種類情報と前記第1種類情報とが同等であるか否かを判定し、同等であると判定された場合に、前記第1種類情報に対応する前記素材情報を前記他のタイヤの前記素材情報として前記タイヤ素材データから抽出する。
本開示(13)は、本開示(1)~(12)のいずれか一つのタイヤ管理システムにおいて、前記材料決定処理部によって決定された前記回復材料を示す材料情報を所定の出力先に出力する第1出力処理部を更に備える。
本開示(14)は、本開示(13)のタイヤ管理システムにおいて、前記第1出力処理部は、前記材料情報とともに、前記回復材料の価格、及び前記回復材料による補修効果の両方又はいずれか一つを所定の出力先に出力する。
本開示(15)は、本開示(13)又は(14)のタイヤ管理システムにおいて、前記第1出力処理部は、前記材料情報とともに、前記回復材料を用いる補修サービスを提供可能な事業所の所在情報を前記車両に対応する出力先に出力する。
本開示(16)は、本開示(1)~(15) のタイヤ管理システムにおいて、前記原因履歴情報に基づいて、前記タイヤの現在の前記性能の程度を示す現状性能値を算定し、前記現状性能値に基づいて、前記性能が予め定められた性能許容範囲を超えるタイミングを算定するタイミング算定処理部と、前記タイミング算定処理部により算定された前記タイミングを所定の出力先に出力する第2出力処理部と、を更に備える。
本開示(17)は、本開示(16)のタイヤ管理システムにおいて、前記タイミングに応じて定められた補修予約日時を含む補修予約情報を前記回復材料を用いる補修サービスを提供可能な事業所に対応する出力先に出力する第3出力処理部を更に備える。
本開示(18)は、本開示(1)~(17) のいずれか一つのタイヤ管理システムにおいて、前記タイヤに対して前記回復材料による補修が行われたか否かを判定する第1判定処理部と、前記第1判定処理部によって補修が行われたと判定された場合に、補修済タイヤの前記性能の程度を示す回復後性能値を算定し、前記回復後性能値を所定の出力先に出力する第4出力処理部と、を更に備える。
本開示(19)は、本開示(18) のタイヤ管理システムにおいて、前記第4出力処理部は、前記原因による性能低下前の前記タイヤの初期性能の程度を示す初期性能値に対する前記回復後性能値の割合を所定の出力先に出力する。
本開示(20)のその他の局面に係るタイヤ管理システムは、車両に装着されるタイヤの性能を低下させる原因の履歴に関する原因履歴情報に基づいて、前記性能を回復させる必要があるか否かを判定する第2判定処理部と、前記第2判定処理部により回復させる必要があると判定された場合に、回復の必要があることを示す回復情報を所定の出力先に出力する第5出力処理部と、を備える。
このように本開示に係るタイヤ管理システムが構成されているため、前記回復情報が所定の出力先に送信される。このため、前記回復情報を前記出力先で受け取ったユーザーは、前記タイヤの補修タイミングが到来したことを認識することができる。また、前記出力先が補修事業所である場合は、前記回復情報を受け取った補修作業員は、前記回復情報がユーザーに通知されたことを認識することができる。
本開示(21)は、本開示(20) のタイヤ管理システムにおいて、前記原因履歴情報に基づいて、前記タイヤの現在の前記性能の程度を示す現状性能値を算定し、前記現状性能値に基づいて、前記性能が予め定められた性能許容範囲を超えるタイミングを算定するタイミング算定処理部と、前記タイミング算定処理部により算定された前記タイミングを所定の出力先に出力する第2出力処理部と、を更に備える。
本開示(22)のその他の局面に係るタイヤ管理方法は、車両に装着されるタイヤの性能を低下させる原因の履歴に関する原因履歴情報を取得する第1取得ステップと、前記第1取得ステップにより取得される前記原因履歴情報に基づいて、低下した前記性能を回復させるための回復材料を決定する材料決定ステップと、を含む。
本開示(23)のその他の局面に係るタイヤ管理方法は、車両に装着されるタイヤの性能を低下させる原因の履歴に関する原因履歴情報を取得する第1取得ステップと、前記タイヤを構成する一又は複数の素材に関する素材情報を取得する第2取得ステップと、前記第1取得ステップにより取得される前記原因履歴情報、及び前記第2取得ステップにより取得される前記素材情報に基づいて、低下した前記性能を回復させるための回復材料を決定する材料決定ステップと、を含む。
本開示(24)のその他の局面に係るタイヤ管理方法は、車両に装着されるタイヤの性能を低下させる原因の履歴に関する原因履歴情報に基づいて、前記性能を回復させる必要があるか否かを判定する第2判定ステップと、前記第2判定ステップにより回復させる必要があると判定された場合に、回復の必要があることを示す回復情報を所定の出力先に出力する第5出力ステップと、を含む。
本開示(25)のその他の局面に係るプログラムは、本開示(22)~(24)のいずれか一つのタイヤ管理方法の各ステップを一又は複数のプロセッサに実行させるためのプログラムである。本開示は、前記プログラムを非一時的に記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体であってもよい。前記プログラムは、一又は複数のプロセッサ若しくはコンピュータに、本開示(22)から(24)のいずれか一つのタイヤ管理方法の各ステップを実行させるためのプログラムである。
1 :タイヤ
10 :管理装置
11 :制御部
12 :記憶部
13 :通信部
14 :表示部
15 :操作部
30 :データベース部
40 :通信装置
50 :車両
51 :車輪速センサ
52 :横加速度センサ
53 :圧力センサ
54 :温度センサ
55 :厚みセンサ
56 :操舵角センサ
57 :ブレーキセンサ
58 :トレッド面センサ
60 :制御ユニット
61 :制御部
62 :記憶部
63 :通信部
64 :GPS受信部
67 :メモリ
71,72 :情報端末
81,82 :表示枠
92 :入力キー
93 :実行キー
100 :タイヤ管理システム
111 :データ取得部
112 :配合情報取得部
113 :補修剤決定部
114 :入力受付部
115 :出力処理部
121 :テーブルデータ
141 :タイヤ情報入力画面
171-176:入力枠
210 :判定処理部
211 :学習モデル
220 :補修剤選定部
611 :表示処理部
612 :演算処理部
613 :硬度算出処理部
614 :補修判定処理部
615 :タイミング算出処理部
616 :通知出力処理部
617 :補修終了判定処理部
618 :回復割合算出処理部

Claims (25)

  1. 車両に装着されるタイヤの性能を低下させる原因の履歴に関する原因履歴情報を取得する第1取得処理部と、
    前記第1取得処理部により取得される前記原因履歴情報に基づいて、低下した前記性能を回復させるための回復材料を決定する材料決定処理部と、を備えるタイヤ管理システム。
  2. 前記材料決定処理部は、
    前記原因履歴情報に基づいて前記タイヤの劣化内容を判定する処理を行う判定部と、
    前記劣化内容と前記回復材料とを対応付けて記憶する所定の記憶部から、前記判定部による判定処理によって得られた前記劣化内容に対応する前記回復材料を選定する処理を行う選定部と、を有する、請求項1に記載のタイヤ管理システム。
  3. 前記判定部は、前記原因履歴情報を入力して、前記劣化内容を出力する学習モデルを有する、請求項2に記載のタイヤ管理システム。
  4. 前記原因履歴情報が複数の原因の履歴を含むものであり、
    前記材料決定処理部は、前記原因履歴情報に基づいて前記性能を低下させた主原因を特定し、前記主原因と前記回復材料とを対応付けて記憶する所定の記憶部から、前記主原因に対応する前記回復材料を選定する、請求項1に記載のタイヤ管理システム。
  5. 車両に装着されるタイヤの性能を低下させる原因の履歴に関する原因履歴情報を取得する第1取得処理部と、
    前記タイヤを構成する一又は複数の素材に関する素材情報を取得する第2取得処理部と、
    前記第1取得処理部により取得される前記原因履歴情報、及び前記第2取得処理部により取得される前記素材情報に基づいて、低下した前記性能を回復させるための回復材料を決定する材料決定処理部と、を備えるタイヤ管理システム。
  6. 前記材料決定処理部は、
    前記原因履歴情報に基づいて前記タイヤの劣化内容を判定する処理を行う判定部と、
    前記劣化内容と前記回復材料とを対応付けて記憶する所定の記憶部から、前記素材情報に含まれる素材に対応し、且つ、前記判定部による判定処理によって得られた前記劣化内容に対応する前記回復材料を選定する処理を行う選定部と、を有する、請求項5に記載のタイヤ管理システム。
  7. 前記判定部は、前記原因履歴情報を入力して、前記劣化内容を出力する学習モデルを有する、請求項6に記載のタイヤ管理システム。
  8. 前記原因履歴情報が複数の原因の履歴を含むものであり、
    前記材料決定処理部は、前記原因履歴情報に基づいて前記性能を低下させた主原因を特定し、前記主原因と前記回復材料とを対応付けて記憶する所定の記憶部から、前記素材情報に含まれる素材に対応し、且つ、前記主原因に対応する前記回復材料を選定する、請求項5に記載のタイヤ管理システム。
  9. 前記素材情報が前記タイヤを構成するゴム成分を含むものであり、
    前記材料決定処理部は、前記素材情報に含まれる前記ゴム成分に対応する前記回復材料を決定する、請求項6から8のいずれか一つに記載のタイヤ管理システム。
  10. 前記素材情報が前記タイヤを軟化させる軟化剤を含むものであり、
    前記材料決定処理部は、前記素材情報に含まれる前記軟化剤と同等の前記回復材料を決定する、請求項6から8のいずれか一つに記載のタイヤ管理システム。
  11. 前記タイヤを示すタイヤ識別情報、及び前記タイヤ識別情報に対応する前記素材情報を含むタイヤ素材データが格納される素材情報記憶部を更に備え、
    前記第2取得処理部は、前記タイヤ識別情報が入力された場合に、前記タイヤ識別情報に対応する前記素材情報を前記タイヤ素材データから抽出する、請求項5から10のいずれか一つに記載のタイヤ管理システム。
  12. 前記タイヤ素材データに、前記タイヤ識別情報及び前記素材情報に加え、前記タイヤの種類を示す第1種類情報が含まれており、
    前記第2取得処理部は、前記タイヤとは異なる種類の他のタイヤの種類を示す第2種類情報が入力された場合に、前記第2種類情報と前記第1種類情報とが同等であるか否かを判定し、同等であると判定された場合に、前記第1種類情報に対応する前記素材情報を前記他のタイヤの前記素材情報として前記タイヤ素材データから抽出する、請求項11に記載のタイヤ管理システム。
  13. 前記材料決定処理部によって決定された前記回復材料を示す材料情報を所定の出力先に出力する第1出力処理部を更に備える、請求項1から12のいずれか一つに記載のタイヤ管理システム。
  14. 前記第1出力処理部は、前記材料情報とともに、前記回復材料の価格、及び前記回復材料による補修効果の両方又はいずれか一つを所定の出力先に出力する、請求項13に記載のタイヤ管理システム。
  15. 前記第1出力処理部は、前記材料情報とともに、前記回復材料を用いる補修サービスを提供可能な事業所の所在情報を前記車両に対応する出力先に出力する、請求項13又は14に記載のタイヤ管理システム。
  16. 前記原因履歴情報に基づいて、前記タイヤの現在の前記性能の程度を示す現状性能値を算定し、前記現状性能値に基づいて、前記性能が予め定められた性能許容範囲を超えるタイミングを算定するタイミング算定処理部と、
    前記タイミング算定処理部により算定された前記タイミングを所定の出力先に出力する第2出力処理部と、を更に備える請求項1から15のいずれか一つに記載のタイヤ管理システム。
  17. 前記タイミングに応じて定められた補修予約日時を含む補修予約情報を前記回復材料を用いる補修サービスを提供可能な事業所に対応する出力先に出力する第3出力処理部を更に備える、請求項16に記載のタイヤ管理システム。
  18. 前記タイヤに対して前記回復材料による補修が行われたか否かを判定する第1判定処理部と、
    前記第1判定処理部によって補修が行われたと判定された場合に、補修済タイヤの前記性能の程度を示す回復後性能値を算定し、前記回復後性能値を所定の出力先に出力する第4出力処理部と、を更に備える請求項1から17のいずれか一つに記載のタイヤ管理システム。
  19. 前記第4出力処理部は、前記原因による性能低下前の前記タイヤの初期性能の程度を示す初期性能値に対する前記回復後性能値の割合を所定の出力先に出力する、請求項18に記載のタイヤ管理システム。
  20. 車両に装着されるタイヤの性能を低下させる原因の履歴に関する原因履歴情報に基づいて、前記性能を回復させる必要があるか否かを判定する第2判定処理部と、
    前記第2判定処理部により回復させる必要があると判定された場合に、回復の必要があることを示す回復情報を所定の出力先に出力する第5出力処理部と、を備えるタイヤ管理システム。
  21. 前記原因履歴情報に基づいて、前記タイヤの現在の前記性能の程度を示す現状性能値を算定し、前記現状性能値に基づいて、前記性能が予め定められた性能許容範囲を超えるタイミングを算定するタイミング算定処理部と、
    前記タイミング算定処理部により算定された前記タイミングを所定の出力先に出力する第2出力処理部と、を更に備える請求項20に記載のタイヤ管理システム。
  22. 車両に装着されるタイヤの性能を低下させる原因の履歴に関する原因履歴情報を取得する第1取得ステップと、
    前記第1取得ステップにより取得される前記原因履歴情報に基づいて、低下した前記性能を回復させるための回復材料を決定する材料決定ステップと、を含むタイヤ管理方法。
  23. 車両に装着されるタイヤの性能を低下させる原因の履歴に関する原因履歴情報を取得する第1取得ステップと、
    前記タイヤを構成する一又は複数の素材に関する素材情報を取得する第2取得ステップと、
    前記第1取得ステップにより取得される前記原因履歴情報、及び前記第2取得ステップにより取得される前記素材情報に基づいて、低下した前記性能を回復させるための回復材料を決定する材料決定ステップと、を含むタイヤ管理方法。
  24. 車両に装着されるタイヤの性能を低下させる原因の履歴に関する原因履歴情報に基づいて、前記性能を回復させる必要があるか否かを判定する第2判定ステップと、
    前記第2判定ステップにより回復させる必要があると判定された場合に、回復の必要があることを示す回復情報を所定の出力先に出力する第5出力ステップと、を含むタイヤ管理方法。
  25. 請求項22から24のいずれか一つに記載のタイヤ管理方法の各ステップを一又は複数のプロセッサに実行させるためのプログラム。
JP2021162681A 2021-10-01 2021-10-01 タイヤ管理システム、タイヤ管理方法、及びプログラム Pending JP2023053569A (ja)

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