JP2023051535A - 樹脂組成物、成形体、ペレットの製造方法、および、光線透過率向上剤 - Google Patents

樹脂組成物、成形体、ペレットの製造方法、および、光線透過率向上剤 Download PDF

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Abstract

【課題】 光線透過率が高い成形体を提供可能な樹脂組成物、樹脂組成物から形成された成形体、および、ペレットの製造方法の提供。熱可塑性樹脂の光線透過率を向上させるための光線透過率向上剤の提供。【解決手段】 熱可塑性樹脂100質量部と、非芳香族有機鉄錯体0.08~3.50質量ppmとを含む、樹脂組成物。【選択図】 なし

Description

本発明は、樹脂組成物、成形体、ペレットの製造方法、および、光線透過率向上剤に関する。
従来から、ポリカーボネート樹脂等の熱可塑性樹脂は、各種性能に優れるため、各種用途に広く用いられている。その中でも、熱可塑性樹脂、特に、ポリカーボネート樹脂の利用形態の1つとして、電力カバー、照明レンズ、照明カバー、導光部材等の透明性が求められる部材への利用が活発である。
例えば、特許文献1には、芳香族ポリカーボネート樹脂(A)、リン系酸化防止剤(B)、脂肪酸エステル(C)および特定の芳香族化合物(D)を含有する芳香族ポリカーボネート樹脂組成物であって、芳香族ポリカーボネート樹脂(A)100重量部に対してリン系酸化防止剤(B)を、0.01~0.1重量部、脂肪酸エステル(C)を0.01~0.5重量部、および特定の芳香族化合物(D)を0.0001重量部以上0.05重量部未満含有することを特徴とする、芳香族ポリカーボネート樹脂組成物が開示されている。また、このような樹脂組成物から得られる成形品について、光線透過率が高いことが記載されている。
特開2021-120458号公報
上述の通り、光線透過率が高い樹脂組成物は知られているが、熱可塑性樹脂の利用が増えるに伴い、新規な光線透過率が高い樹脂組成物が求められている。
本発明は、かかる課題を解決することを目的とするものであって、光線透過率が高い成形体を提供可能な樹脂組成物、前記樹脂組成物から形成された成形体、および、ペレットの製造方法に関する。また、熱可塑性樹脂の光線透過率を向上させるための光線透過率向上剤に関する。
上記課題のもと、本発明者が検討を行った結果、熱可塑性樹脂に微量の非芳香族有機鉄錯体を配合することにより、光線透過率を向上させることが可能であることを見出した。具体的には、下記手段により、上記課題は解決された。
<1>熱可塑性樹脂100質量部と、非芳香族有機鉄錯体0.08~3.50質量ppmとを含む、樹脂組成物。
<2>前記非芳香族有機鉄錯体が、アセチルアセトン鉄錯体を含む、<1>に記載の樹脂組成物。
<3>前記熱可塑性樹脂が、非晶性樹脂を含む、<1>または<2>に記載の樹脂組成物。
<4>前記熱可塑性樹脂が、芳香族ポリカーボネート樹脂を含む、<1>または<2>に記載の樹脂組成物。
<5><1>~<4>のいずれか1つに記載の樹脂組成物から形成された成形体。
<6>熱可塑性樹脂100質量部と、非芳香族有機鉄錯体0.08~3.50質量ppmとを含む組成物を、溶融混練することを含むペレットの製造方法。
<7>樹脂の光線透過率を向上させるための添加剤であって、非芳香族有機鉄錯体を含む光線透過率向上剤。
<8>前記非芳香族有機鉄錯体が、アセチルアセトン鉄錯体である、<7>に記載の光線透過率向上剤。
<9>前記樹脂が非晶性熱可塑性樹脂である、<7>または<8>に記載の光線透過率向上剤。
<10>前記樹脂が芳香族ポリカーボネート樹脂である、<7>~<9>のいずれか1つに記載の光線透過率向上剤。
本発明により、光線透過率が高い成形体を提供可能な樹脂組成物、前記樹脂組成物から形成された成形体、および、ペレットの製造方法を提供可能になった。また、熱可塑性樹脂の光線透過率を向上させるための光線透過率向上剤を提供可能になった。
以下、本発明を実施するための形態(以下、単に「本実施形態」という)について詳細に説明する。なお、以下の本実施形態は、本発明を説明するための例示であり、本発明は本実施形態のみに限定されない。
なお、本明細書において「~」とはその前後に記載される数値を下限値および上限値として含む意味で使用される。
本明細書において、各種物性値および特性値は、特に述べない限り、23℃におけるものとする。
本明細書において、数平均分子量は、GPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィ)法により測定したポリスチレン換算値である。
本明細書で示す規格が年度によって、測定方法等が異なる場合、特に述べない限り、2021年1月1日時点における規格に基づくものとする。
本実施形態の樹脂組成物は、熱可塑性樹脂100質量部と、非芳香族有機鉄錯体0.08~3.50質量ppmとを含むことを特徴とする。このような構成とすることにより、熱可塑性樹脂の光線透過率(特に、全光線透過率)を向上させることができる。さらに、この効果は、各種樹脂添加剤を配合しても高く維持することができる。また、非芳香族有機鉄錯体を配合しても、YI値の上昇を効果的に抑えることができる。
<熱可塑性樹脂>
本実施形態の樹脂組成物は、熱可塑性樹脂を含む。
熱可塑性樹脂としては、ポリカーボネート樹脂(PC樹脂);ポリスチレン樹脂(PS樹脂);、アクリル樹脂;ポリエチレン樹脂(PE樹脂)、ポリプロピレン樹脂(PP樹脂)、環状シクロオレフィン樹脂(COP樹脂)、環状シクロオレフィン共重合体(COC)樹脂等のポリオレフィン樹脂;ポリアミド樹脂(PA樹脂);ポリイミド樹脂(PI樹脂);ポリエーテルイミド樹脂(PEI樹脂);ポリウレタン樹脂(PU樹脂);ポリフェニレンエーテル樹脂(PPE樹脂);ポリフェニレンサルファイド樹脂(PPS樹脂);ポリスルホン樹脂(PSU樹脂);ポリメタクリレート樹脂(PMMA樹脂);等が挙げられ、ポリカーボネート樹脂(PC樹脂)、ポリスチレン樹脂(PS樹脂)およびアクリル樹脂が好ましく、ポリカーボネート樹脂がより好ましく、芳香族ポリカーボネート樹脂がさらに好ましい。
本実施形態で用いる熱可塑性樹脂は、結晶性熱可塑性樹脂であってもよいし、非晶性熱可塑性樹脂であってもよいが、非晶性熱可塑性樹脂を含むことが好ましい。非晶性熱可塑性樹脂は透明であるため、光線透過率の向上が求められる用途に適している。しかしながら、結晶性熱可塑性樹脂であっても、結晶化させずに成形する場合など、透明材料として用いる場合がある。このような場合には、結晶性熱可塑性樹脂も、本実施形態の樹脂組成物に含まれる樹脂として好ましく用いられる。また、本実施形態においては、非晶性熱可塑性樹脂と結晶性熱可塑性樹脂のブレンド形態であってもよい。
本実施形態における熱可塑性樹脂は、好ましくは85質量%以上が、より好ましくは90質量%以上が、さらに好ましくは95質量%以上が、特に好ましくは97質量%以上が非晶性熱可塑性樹脂(好ましくは芳香族ポリカーボネート樹脂)であることが好ましい。
ポリカーボネート樹脂は、分子主鎖中に炭酸エステル結合を含む-[O-R-OC(=O)]-単位(Rが、有機基、好ましくは炭化水素基、より好ましくは、脂肪族基、芳香族基、または、脂肪族基と芳香族基の双方を含むもの、さらに直鎖構造あるいは分岐構造を持つもの)を含むものであれば、特に限定されない。本実施形態においては、ポリカーボネート樹脂は、芳香族ポリカーボネート樹脂が好ましく、ビスフェノール骨格を有するポリカーボネート樹脂がより好ましい。このようなポリカーボネート樹脂を用いることにより、より優れた耐熱性と靱性が達成される。本実施形態においては、ビスフェノール骨格を有するポリカーボネート樹脂は、全構成単位の90モル%以上がビスフェノール骨格を有する構成単位であることが好ましく、全構成単位の90モル%以上がビスフェノールA由来の構成単位であることがより好ましい。
また、ポリカーボネート樹脂の粘度平均分子量(Mv)は、10,000以上であることが好ましく、より好ましくは12,000以上であり、さらに好ましくは15,000以上である。前記下限値以上とすることにより、得られる成形体の耐久性がより向上する傾向にある。前記ポリカーボネート樹脂の粘度平均分子量(Mv)の上限値は、50,000以下であることが好ましく、より好ましくは40,000以下であり、さらに好ましくは30,000以下であり、一層好ましくは、25,000以下である。前記上限値以下とすることにより、成形体の成形加工性がより向上する傾向にある。
粘度平均分子量(Mv)は、溶媒としてメチレンクロライドを使用し、ウベローデ粘度計を用いて温度25℃での極限粘度[η](単位dL/g)を求め、Schnellの粘度式、すなわち、η=1.23×10-4×Mv0.83、から算出される値を意味する。
2種以上のポリカーボネート樹脂を用いる場合は、混合物の粘度平均分子量とする。
ポリカーボネート樹脂の製造方法は、特に限定されるものではなく、従来公知のホスゲン法(界面重合法)や溶融法(エステル交換法)により製造したものを使用することができる。また、溶融法を用いた場合には、末端基のOH基量を調整したポリカーボネート樹脂を使用することができる。
上記の他、ポリカーボネート樹脂の詳細は、特開2021-084942号公報の段落0013~0041の記載、特開2021-119211号公報の段落0030~0035を参酌でき、この内容は本明細書に組み込まれる。
本実施形態の樹脂組成物中における熱可塑性樹脂(好ましくはポリカーボネート樹脂)の含有量は、樹脂組成物の85質量%以上であることが好ましく、90質量%以上であることがより好ましく、95質量%以上であることがさらに好ましく、97質量%以上であることが一層好ましく、98質量%以上であることがより一層好ましい。前記樹脂組成物中の熱可塑性樹脂の含有量の上限は、熱可塑性樹脂(好ましくはポリカーボネート樹脂)と非芳香族有機鉄錯体の合計が100質量%となる量である。
本実施形態の樹脂組成物は、熱可塑性樹脂(好ましくはポリカーボネート樹脂)を1種のみ含んでいてもよいし、2種以上含んでいてもよい。2種以上含む場合、合計量が上記範囲となることが好ましい。
<非芳香族有機鉄錯体>
本実施形態の樹脂組成物は、所定の割合で非芳香族有機鉄錯体を含む。非芳香族有機鉄錯体を所定の割合で含むことにより、光線透過率を向上させることができる。
非芳香族有機鉄錯体とは、芳香環(芳香族炭化水素環および芳香族複素環)を含まない有機鉄錯体をいう。芳香環を含む芳香族有機鉄錯体は、熱可塑性樹脂の色剤として用いられるが、このような色剤を配合すると、通常は全光線透過率が低くなる。また、YI値も高くなる場合がある。本実施形態では、非芳香族有機鉄錯体を熱可塑性樹脂に対して、ごくわずかな割合で配合することにより、光線透過率を高めることに成功したものである。特に、他の樹脂添加剤を配合しても、この機能を維持できる点で効果的である。
前記非芳香族有機鉄錯体を構成する配位子は、非芳香族であって、鉄の配位子となるものであれば特に定めるものでは無いが、配位部位が酸素原子である配位子が好ましく、下記式(1)で表される配位子であることがより好ましい。
式(1)
Figure 2023051535000001
(式(1)中、R1~R3は、それぞれ独立に、水素原子または有機基である。*は鉄との配位部位である。)
1およびR3は、それぞれ独立に、炭素数1~12の有機基であることが好ましく、炭素数1~10のアルキル基、炭素数6~12のアリール基、または、炭素数2~11のアルコキシ基であることがより好ましく、炭素数1~10のアルキル基であることがさらに好ましく、メチル基またはエチル基であることが一層好ましく、メチル基であることがより一層好ましい。
2は、水素原子または炭素数1~12の有機基であることが好ましく、水素原子、炭素数1~10のアルキル基、炭素数6~12のアリール基、または、炭素数2~11のアルコキシ基であることがより好ましく、水素原子、または、炭素数1~10のアルキル基であることがさらに好ましく、水素原子、メチル基またはエチル基であることが一層好ましく、水素原子またはメチル基であることがより一層好ましく、水素原子であることがさらに一層好ましい。
本実施形態の非芳香族有機鉄錯体は、アセチルアセトン鉄錯体を含むことが好ましい。アセチルアセトン鉄錯体は、3価の錯体であることが好ましい。
Figure 2023051535000002
また、本実施形態におけるアセチルアセトン鉄錯体は、単一なアセチルアセトンの鉄錯体のみならず、アセチルアセトンと他の配位子とからなる混合配位子の錯体も含む趣旨である。しかしながら、本実施形態におけるアセチルアセトン鉄錯体は、単一なアセチルアセトンの鉄錯体であることが好ましい。
本実施形態の樹脂組成物における非芳香族有機鉄錯体(好ましくはアセチルアセトン鉄錯体)の含有量は、熱可塑性樹脂100質量部に対し、0.08質量ppm以上であり、0.09質量ppm以上であることが好ましく、0.10質量ppm以上であることがより好ましく、0.50質量ppm以上であることがさらに好ましく、0.70質量ppm以上であることが一層好ましく、0.80質量ppm以上であることがより一層好ましく、0.90質量ppm以上であることがさらに一層好ましい。前記下限値以上とすることにより、得られる成形体の光線透過率がより向上する傾向にある。また、前記非芳香族有機鉄錯体(好ましくはアセチルアセトン鉄錯体)の含有量の上限値は、熱可塑性樹脂100質量部に対し、3.50質量ppm以下であり、3.00質量ppm以下であることが好ましく、2.50質量ppm以下であることがより好ましく、2.00質量ppm以下であることがさらに好ましく、1.50質量ppm以下であることが一層好ましく、1.20質量ppm以下であることがより一層好ましい。前記上限値以下とすることにより、得られる成形体のYI値をより低くできる傾向にある。
本実施形態の樹脂組成物は、非芳香族有機鉄錯体(好ましくはアセチルアセトン鉄錯体)を1種のみ含んでいてもよいし、2種以上含んでいてもよい。2種以上含む場合、合計量が上記範囲となることが好ましい。
<安定剤>
安定剤としては、熱安定剤や酸化防止剤が挙げられる。
安定剤としては、また、フェノール系、アミン系、リン系、チオエーテル系などが挙げられる。中でも本実施形態においては、リン系熱安定剤および/またはフェノール系酸化防止剤が好ましい。
リン系熱安定剤としては、公知の任意のものを使用できる。具体例を挙げると、リン酸、ホスホン酸、亜リン酸、ホスフィン酸、ポリリン酸などのリンのオキソ酸;酸性ピロリン酸ナトリウム、酸性ピロリン酸カリウム、酸性ピロリン酸カルシウムなどの酸性ピロリン酸金属塩;リン酸カリウム、リン酸ナトリウム、リン酸セシウム、リン酸亜鉛など第1族または第2B族金属のリン酸塩;有機ホスフェート化合物、有機ホスファイト化合物、有機ホスホナイト化合物などが挙げられるが、有機ホスファイト化合物が特に好ましい。
有機ホスファイト化合物としては、トリフェニルホスファイト、トリス(モノノニルフェニル)ホスファイト、トリス(モノノニル/ジノニル・フェニル)ホスファイト、トリス(2,4-ジ-tert-ブチルフェニル)ホスファイト、モノオクチルジフェニルホスファイト、ジオクチルモノフェニルホスファイト、モノデシルジフェニルホスファイト、ジデシルモノフェニルホスファイト、トリデシルホスファイト、トリラウリルホスファイト、トリステアリルホスファイト、2,2-メチレンビス(4,6-ジ-tert-ブチルフェニル)オクチルホスファイト等が挙げられる。
このような、有機ホスファイト化合物としては、具体的には、例えば、ADEKA社製「アデカスタブ(登録商標。以下同じ)1178」、「アデカスタブ2112」、「アデカスタブHP-10」、城北化学工業社製「JP-351」、「JP-360」、「JP-3CP」、BASF社製「イルガフォス(登録商標。以下同じ)168」等が挙げられる。
フェノール系酸化防止剤としては、ヒンダードフェノール系酸化防止剤が好ましく用いられる。
ヒンダードフェノール系酸化防止剤の具体例としては、ペンタエリスリトールテトラキス[3-(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、オクタデシル-3-(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオネート、チオジエチレンビス[3-(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、N,N'-ヘキサン-1,6-ジイルビス[3-(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオナミド]、2,4-ジメチル-6-(1-メチルペンタデシル)フェノール、ジエチル[[3,5-ビス(1,1-ジメチルエチル)-4-ヒドロキシフェニル]メチル]ホスフェート、4,6-ビス(オクチルチオメチル)-o-クレゾール、エチレンビス(オキシエチレン)ビス[3-(5-tert-ブチル-4-ヒドロキシ-m-トリル)プロピオネート]、ヘキサメチレンビス[3-(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、1,3,5-トリス(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシベンジル)-1,3,5-トリアジン-2,4,6(1H,3H,5H)-トリオン、2,6-ジ-tert-ブチル-4-(4,6-ビス(オクチルチオ)-1,3,5-トリアジン-2-イルアミノ)フェノール、2-[1-(2-ヒドロキシ-3,5-ジ-tert-ペンチルフェニル)エチル]-4,6-ジ-tert-ペンチルフェニルアクリレート等が挙げられる。
なかでも、ペンタエリスリトールテトラキス[3-(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、オクタデシル-3-(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオネートが好ましい。このようなヒンダードフェノール系酸化防止剤としては、具体的には、例えば、BASF社製「Irganox(登録商標。以下同じ)1010」、「Irganox1076」、ADEKA社製「アデカスタブAO-50」、「アデカスタブAO-60」等が挙げられる。
本実施形態の樹脂組成物における安定剤の含有量は、熱可塑性樹脂100質量部に対して、通常0.001質量部以上、好ましくは0.005質量部以上、より好ましくは0.01質量部以上であり、また、通常1質量部以下、好ましくは0.5質量部以下、より好ましくは0.3質量部以下である。安定剤の含有量を前記範囲とすることにより、安定剤の添加効果がより効果的に発揮される。
本実施形態の樹脂組成物は、安定剤を1種のみ含んでいてもよいし、2種以上含んでいてもよい。2種以上含む場合、合計量が上記範囲となることが好ましい。
<難燃剤>
本実施形態の樹脂組成物は、難燃剤を含んでいてもよい。難燃剤を含むことにより、得られる成形体の難燃性をより向上させることができる。
難燃剤としては、金属塩系難燃剤、有機ケイ素系難燃剤、リン系難燃剤、無機フィラー系難燃剤、および、ハロゲン系難燃剤が例示される。本実施形態においては、熱可塑性樹脂としてポリカーボネート樹脂を用いる場合、金属塩系難燃剤が好ましい。
金属塩系難燃剤が有する金属の種類としては、アルカリ金属またはアルカリ土類金属であることが好ましく、アルカリ金属がより好ましく、ナトリウム、カリウム、セシウムがさらに好ましい。
金属塩系難燃剤としては、例えば、有機スルホン酸金属塩、有機スルホンアミドの金属塩、有機カルボン酸金属塩、有機ホウ酸金属塩、有機リン酸金属塩等が挙げられる。なかでも、有機スルホン酸金属塩、有機スルホンアミドの金属塩、有機リン酸金属塩が好ましく、有機スルホン酸金属塩が特に好ましい。
有機スルホン酸金属塩としては、特開2014-058660号公報の段落0099~0107に記載の有機スルホン酸金属塩を参酌でき、これらの内容は本明細書に組み込まれる。
金属塩系難燃剤としては、DIC社製商品名メガファックF114P、ランクセス社製商品名バイオウェットC4、インサイト・ハイテクノロジー社製商品名IHT-FR2、Arichem社製、KSS-FRなどが例示される。
ハロゲン系難燃剤としては、特開2020-114674号公報の段落0095~0112に記載のハロゲン系難燃剤を参酌でき、これらの内容は本明細書に組み込まれる。
リン系難燃剤としては、特開2019-059813号公報の段落0051~0072に記載のリン系難燃剤を参酌でき、これらの内容は本明細書に組み込まれる。
本実施形態の樹脂組成物が難燃剤を含む場合、その含有量は、難燃剤の種類にもよるが、熱可塑性樹脂100質量部に対し、0.01質量部以上であることが好ましく、さらには、0.1質量部以上、1質量部以上、10質量部以上であってもよい。また、前記難燃剤の含有量の上限値は、熱可塑性樹脂100質量部に対し、20質量部以下であることが好ましく、難燃剤の種類に応じて、10質量部以下、5質量部以下、3質量部以下であってもよい。
本実施形態の樹脂組成物は、難燃剤を1種のみ含んでいてもよいし、2種以上含んでいてもよい。2種以上含む場合、合計量が上記範囲となることが好ましい。
<離型剤>
本実施形態の樹脂組成物は、離型剤を含んでいてもよい。
離型剤としては、例えば、脂肪族カルボン酸、脂肪族カルボン酸の塩、脂肪族カルボン酸とアルコールとのエステル、数平均分子量200~15,000の脂肪族炭化水素化合物、ポリシロキサン系シリコーンオイル、ケトンワックス、ライトアマイドなどが挙げられ、脂肪族カルボン酸、脂肪族カルボン酸の塩、脂肪族カルボン酸とアルコールとのエステルが好ましく、脂肪族カルボン酸の塩がより好ましい。
離型剤の詳細は、特開2018-095706号公報の段落0055~0061の記載を参酌でき、これらの内容は本明細書に組み込まれる。
本実施形態の樹脂組成物が離型剤を含む場合、その含有量は、樹脂組成物中、0.05~3質量%であることが好ましく、0.1~0.8質量%であることがより好ましく、0.1~0.6質量%であることがさらに好ましい。
本実施形態の樹脂組成物は、離型剤を、1種のみ含んでいてもよいし、2種以上含んでいてもよい。2種以上含む場合、合計量が上記範囲となることが好ましい。
<紫外線吸収剤>
本実施形態の樹脂組成物は、紫外線吸収剤を含有していてもよい。紫外線吸収剤を含有することで、樹脂組成物の耐候性を向上させることができ、耐候性の向上で透明性の低下を防止することができる。
紫外線吸収剤としては、例えば、酸化セリウム、酸化亜鉛などの無機紫外線吸収剤;ベンゾトリアゾール化合物、ベンゾフェノン化合物、サリシレート化合物、シアノアクリレート化合物、トリアジン化合物、オギザニリド化合物、マロン酸エステル化合物、ヒンダードアミン化合物などの有機紫外線吸収剤などが挙げられる。これらの中では有機紫外線吸収剤が好ましく、ベンゾトリアゾール化合物がより好ましい。有機紫外線吸収剤を選択することで、本発明の熱可塑性樹脂組成物の透明性や機械物性が良好なものになる。
ベンゾトリアゾール化合物の具体例としては、例えば、2-(2’-ヒドロキシ-5’-メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2-[2’-ヒドロキシ-3’,5’-ビス(α,α-ジメチルベンジル)フェニル]-ベンゾトリアゾール、2-(2’-ヒドロキシ-3’,5’-ジ-tert-ブチル-フェニル)-ベンゾトリアゾール、2-(2’-ヒドロキシ-3’-tert-ブチル-5’-メチルフェニル)-5-クロロベンゾトリアゾール、2-(2’-ヒドロキシ-3’,5’-ジ-tert-ブチル-フェニル)-5-クロロベンゾトリアゾール)、2-(2’-ヒドロキシ-3’,5’-ジ-tert-アミル)-ベンゾトリアゾール、2-(2’-ヒドロキシ-5’-tert-オクチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2,2’-メチレンビス[4-(1,1,3,3-テトラメチルブチル)-6-(2N-ベンゾトリアゾール-2-イル)フェノール]等が挙げられ、なかでも2-(2’-ヒドロキシ-5’-tert-オクチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2,2’-メチレンビス[4-(1,1,3,3-テトラメチルブチル)-6-(2N-ベンゾトリアゾール-2-イル)フェノール]が好ましく、特に2-(2’-ヒドロキシ-5’-tert-オクチルフェニル)ベンゾトリアゾールが好ましい。
このようなベンゾトリアゾール化合物としては、具体的には例えば、シプロ化成社製「シーソーブ701(S-701)」、「シーソーブ705(S-705)」、「シーソーブ703(S-703)」、「シーソーブ702(S-702)」、「シーソーブ704(S-704)」、「シーソーブ709(S-709)」、共同薬品社製「バイオソーブ520」、「バイオソーブ582」、「バイオソーブ580」、「バイオソーブ583」、ケミプロ化成社製「ケミソーブ71」、「ケミソーブ72」、サイテックインダストリーズ社製「サイアソーブUV5411」、ADEKA社製「LA-32」、「LA-38」、「LA-36」、「LA-34」、「LA-31」、BASF社製「チヌビンP」、「チヌビン234」、「チヌビン326」、「チヌビン327」、「チヌビン328」等が挙げられる。
ベンゾフェノン化合物、サリシレート化合物、シアノアクリレート化合物、オギザニリド化合物、および、マロン酸エステル化合物の詳細は、特開2021-001309号公報の段落0089~0093の記載を参酌でき、これらの内容は本明細書に組み込まれる。
本実施形態の樹脂組成物が紫外線吸収剤を含む場合、その含有量は、熱可塑性樹脂100質量部に対し、0.001質量部以上であることが好ましく、0.01質量部以上であることがより好ましく、0.1質量部以上であることがさらに好ましい。前記下限値以上とすることにより、紫外線吸収剤の添加効果が効果的に発揮される傾向にある。また、前記紫外線吸収剤の含有量の上限値は、熱可塑性樹脂100質量部に対し、3質量部以下であることが好ましく、1質量部以下であることがより好ましく、0.5質量部以下であることがさらに好ましく、0.4質量部以下であることが一層好ましい。前記上限値以下とすることにより、モールドデポジット等による金型汚染を効果的に防止することができる。
本実施形態の樹脂組成物は、紫外線吸収剤を1種のみ含んでいてもよいし、2種以上含んでいてもよい。2種以上含む場合、合計量が上記範囲となることが好ましい。
<その他の成分>
本実施形態の樹脂組成物は、所望の諸物性を著しく損なわない限り、必要に応じて、上記以外の他成分を含有していてもよい。その他の成分の例を挙げると、各種樹脂添加剤などが挙げられる。
樹脂添加剤としては、例えば、色剤(染料、顔料)、帯電防止剤、難燃助剤、滴下防止剤、防曇剤、アンチブロッキング剤、流動性改良剤、可塑剤、分散剤、抗菌剤などが挙げられる。なお、樹脂添加剤は1種が含有されていてもよく、2種以上が任意の組み合わせおよび比率で含有されていてもよい。
本実施形態の樹脂組成物は、色剤を実質的に含まない構成とすることができる。実質的に含まないとは、樹脂組成物中の色剤の含有量が0.1質量%未満であることをいい、0.01質量%未満であることが好ましく、0.001質量%未満であることがさらに好ましい。さらには、樹脂組成物に含まれる熱可塑性樹脂100質量部に対し、色剤の含有量が1質量ppm未満であることが一層好ましく、0.1質量ppm未満であることがより一層好ましく、0.08質量ppm未満であることがさらに一層好ましく、0.01質量ppm未満であることが特に一層好ましく、0.001質量ppm未満であることがより特に一層好ましい。下限値は、0であってもよいが、実質的には検出限界以下であろう。
<樹脂組成物の物性>
本実施形態の樹脂組成物は、全光線透過率向上率(光線透過率向上比)が高い。具体的には、本実施形態の樹脂組成物は、本実施形態の樹脂組成物から非芳香族有機鉄錯体を除いた組成物Aを12mm厚に成形したときの全光線透過率よりも、本実施形態の樹脂組成物を12mm厚に成形したときの全光線透過率の方が高い。より具体的には、(本実施形態の樹脂組成物から成形された12mm厚の試験片の全光線透過率)/(組成物Aから成形された12mm厚の試験片の全光線透過率)は、1.000超であり、1.001以上であることが好ましく、1.003以上であることがより好ましく、1.005以上であることがさらに好ましい。前記値の上限は、高ければ高いほど望ましいが、例えば、1.100以下であっても十分に実用価値のあるものである。
本実施形態の樹脂組成物は、YI値を低くすることができる。例えば、本実施形態の樹脂組成物を12mm厚に成形したときのYI値を6.0以下とすることができ、5.0以下とすることもでき、3.5以下とすることもでき、3.0以下とすることもできる。YI値の下限値は0が理想であるが、0.1以上であっても十分に要求性能を満たすものである。
前記光線透過率向上比およびYI値は、後述する実施例の記載に従って測定される。
<樹脂組成物の製造>
本実施形態の樹脂組成物の製造方法に制限はなく、公知の樹脂組成物の製造方法を広く採用でき、熱可塑性樹脂、および、非芳香族有機鉄錯体、ならびに、必要に応じて配合されるその他の成分を、例えばタンブラーやヘンシェルミキサーなどの各種混合機を用い予め混合した後、バンバリーミキサー、ロール、ブラベンダー、単軸混練押出機、二軸混練押出機、ニーダーなどの混合機で溶融混練する方法が挙げられる。なお、溶融混練の温度は特に制限されないが、通常240~320℃の範囲である。
本実施形態では、熱可塑性樹脂100質量部に対し、非芳香族有機鉄錯体0.08~3.50質量ppmを含む組成物を、溶融混練することを含むペレットの製造方法が好ましく開示される。
ここで、組成物に含まれる熱可塑性樹脂、および、非芳香族金属有機錯体、ならびに、これらの含有量等の好ましい範囲は、本実施形態の樹脂組成物における熱可塑性樹脂、および、非芳香族金属有機錯体、ならびに、これらの含有量と同様である。また、前記組成物には、本実施形態の樹脂組成物の説明で述べた他の成分も配合してもよい。
<成形体>
本実施形態の成形体は、本実施形態の樹脂組成物から形成される。上記した樹脂組成物(例えば、ペレット)は、各種の成形法で成形して成形体とされる。成形体の形状としては、特に制限はなく、成形体の用途、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、フィルム状、ロッド状、円筒状、環状、円形状、楕円形状、多角形形状、異形品、中空品、枠状、箱状、パネル状、ボタン状のもの等が挙げられる。
成形体を成形する方法としては、特に制限されず、従来公知の成形法を採用でき、例えば、射出成形法、射出圧縮成形法、押出成形法、異形押出法、トランスファー成形法、中空成形法、ガスアシスト中空成形法、ブロー成形法、押出ブロー成形、IMC(インモールドコ-ティング成形)成形法、回転成形法、多層成形法、2色成形法、インサート成形法、サンドイッチ成形法、発泡成形法、加圧成形法等が挙げられる。特に、本実施形態の樹脂組成物は、射出成形法、射出圧縮成形法、押出成形法で得られる成形体に適している。しかしながら、本実施形態の樹脂組成物がこれらの方法で得られた成形体に限定されるものではないことは言うまでもない。
本実施形態の成形体は、熱可塑性樹脂を含む成形体、特に、透明性が求められる用途に広く用いることができる。
具体的には、電気電子機器/部品、OA機器/部品、情報端末機器/部品、機械部品、家電製品、車輌部品、建築部材、各種容器、レジャー用品・雑貨類、照明機器などに好ましく用いられ、より具体的には、電力カバー、照明レンズ、照明カバー、導光部材等に好ましく用いられる。
<光線透過率向上剤>
本実施形態では、熱可塑性樹脂の光線透過率を向上させるための樹脂添加剤であって、非芳香族有機鉄錯体を含む光線透過率向上剤を開示する。このような樹脂添加剤は、特に、全光線透過率の向上剤として用いられる。
前記非芳香族有機鉄錯体は、アセチルアセトン鉄錯体であることが好ましい。非芳香族有機鉄錯体の詳細は、上述の本実施形態の樹脂組成物の説明で述べた非芳香族有機鉄錯体の詳細と同様である。
本実施形態の光線透過率向上剤は、熱可塑性樹脂の光線透過率を向上させるものであるが、特に、非晶性熱可塑性樹脂、より好ましくはポリカーボネート樹脂の光線透過率を向上させるための樹脂添加剤として好ましく用いられる。熱可塑性樹脂の詳細は、上述の本実施形態の樹脂組成物の説明で述べた熱可塑性樹脂の詳細と同様である。
本実施形態の光線透過率向上剤は、熱可塑性樹脂100質量部に対し、0.08~3.50質量ppmの割合で用いることが好ましい。より好ましい範囲については、上述の本実施形態の樹脂組成物における非芳香族有機鉄錯体の含有量の好ましい範囲と同じである。
本実施形態の光線透過率向上剤は、通常、熱可塑性樹脂に配合し、溶融混練して用いることが好ましい。
以下に実施例を挙げて本発明をさらに具体的に説明する。以下の実施例に示す材料、使用量、割合、処理内容、処理手順等は、本発明の趣旨を逸脱しない限り、適宜、変更することができる。従って、本発明の範囲は以下に示す具体例に限定されるものではない。
実施例で用いた測定機器等が廃番等により入手困難な場合、他の同等の性能を有する機器を用いて測定することができる。
1.原料
下記表1に示す原料を用いた。
Figure 2023051535000003
2.実施例1~6、比較例1~6
<コンパウンド>
表1に記載した各成分を、表2に記載した割合(全て質量部で表示、ただし(B1)は質量ppmで表示)となるように配合し、タンブラーミキサーで均一に混合して混合物を得た。この混合物を、2軸押出機(芝浦機械社製「TEX26SX」に供給し、スクリュー回転数150rpm、吐出量20kg/時、バレル温度280℃の条件で混錬し、押出ノズル先端からストランド状に押し出した。押出物を水槽にて急冷し、ペレタイザーを用いてカットしてペレット化し、樹脂組成物のペレットを得た。
<光線透過率向上比>
上記で得られた各樹脂組成物について、日本製鋼所製射出成形機、J85ADを用い、樹脂温度280℃、金型温度80℃の条件下で射出成形を行い、長さ50×50mm、肉厚12mmのブロック片を得た。このブロック片を試験片とし、日本電色工業社製ヘイズメーター(NDH4000)を用いて、ASTM-D1003に準拠してD65光源により、試験片の12mm厚の全光線透過率を測定した。
さらに、非芳香族有機鉄錯体(光線透過率向上剤)の入っていない試験片の全光線透過率を測定し、非芳香族有機鉄錯体を添加した試験片の全光線透過率との比率を計算し、光線透過率向上比とした。すなわち、比較例1~4および実施例1~4は、比較例1を基準として光線透過率向上比を算出し、比較例5および実施例5は、比較例5を基準として、比較例6および実施例6は比較例6を基準として光線透過率向上比を算出した。
<YI値>
上記で得られた、長さ50×50mm、肉厚12mmのブロック片を試験片とし、日本電色工業社製の分光色差計(SE6000)を用いて、C光源2°視野、透過法により、YI(Yellow Index)値を測定した。
Figure 2023051535000004
上記結果から明らかなとおり、本発明の樹脂組成物は、非芳香族有機鉄錯体を所定の割合で配合することによって、光線透過率が向上し、かつ、YI値の上昇を効果的に抑制できた(実施例1~4と比較例1~4の比較)。また、前記光線透過率の向上は、添加剤を配合しても変わらずに同様の傾向が認められた(実施例5と比較例5、実施例6と比較例6の比較)。

Claims (10)

  1. 熱可塑性樹脂100質量部と、
    非芳香族有機鉄錯体0.08~3.50質量ppmとを含む、
    樹脂組成物。
  2. 前記非芳香族有機鉄錯体が、アセチルアセトン鉄錯体を含む、請求項1に記載の樹脂組成物。
  3. 前記熱可塑性樹脂が、非晶性樹脂を含む、請求項1または2に記載の樹脂組成物。
  4. 前記熱可塑性樹脂が、芳香族ポリカーボネート樹脂を含む、請求項1または2に記載の樹脂組成物。
  5. 請求項1~4のいずれか1項に記載の樹脂組成物から形成された成形体。
  6. 熱可塑性樹脂100質量部と、非芳香族有機鉄錯体0.08~3.50質量ppmとを含む組成物を、溶融混練することを含むペレットの製造方法。
  7. 樹脂の光線透過率を向上させるための添加剤であって、非芳香族有機鉄錯体を含む光線透過率向上剤。
  8. 前記非芳香族有機鉄錯体が、アセチルアセトン鉄錯体である、請求項7に記載の光線透過率向上剤。
  9. 前記樹脂が非晶性熱可塑性樹脂である、請求項7または8に記載の光線透過率向上剤。
  10. 前記樹脂が芳香族ポリカーボネート樹脂である、請求項7~9のいずれか1項に記載の光線透過率向上剤。
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