JP2023051320A - 熱可塑性樹脂組成物、成形体の製造方法及び成形体 - Google Patents

熱可塑性樹脂組成物、成形体の製造方法及び成形体 Download PDF

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Abstract

【課題】工業生産性が高く、成形品としての温まりやすさと冷めやすさとを両立可能な熱可塑性樹脂組成物等を提供する。【解決手段】熱可塑性樹脂組成物は、熱可塑性樹脂(A)と、無機フィラー(B)とを含む。熱可塑性樹脂(A)は、ポリオレフィン樹脂、ポリカーボネート樹脂、ABS樹脂及びアクリル樹脂からなる群から選択される1以上の樹脂を含む。無機フィラー(B)は、波数が4000~600[cm-1]の範囲において赤外線分光測定を行ったときに、波数が1000[cm-1]以上である領域に最大吸収強度を有する第1の無機フィラー(B1)と、波数が1000[cm-1]未満である領域に最大吸収強度を有する第2の無機フィラー(B2)とを含む。【選択図】なし

Description

本発明は、熱可塑性樹脂組成物、成形体の製造方法及び成形体に関する。
従来、樹脂と無機材料とを複合させる技術が開拓されており、種々の産業分野に活用されてきた。
このような複合材料は、とくに放熱部材に関する分野において種々の工夫が施されてきている。
たとえば、特許文献1には、無機有機複合組成物として、マトリックスとしての樹脂の結晶化度を調整し、複合材料としての熱伝導性を向上させる技術が開示されている。
また、特許文献2には、組成物中に含まれる熱伝導性フィラーについてモース硬度の高い硬質フィラーと、モース硬度の低い軟質フィラーとを組み合わせ、これにより材料としての高熱伝導化を行う技術が開示されている。
特開2013-253205号公報 国際公開第2013/100174号パンフレット
しかしながら、特許文献1に開示されている技術は、樹脂に対しての加工が容易なものではないという点で、必ずしも工業的に優位とはいえない。また、特許文献2に開示された技術についても、実質的には軟質フィラーを変形できるだけの成形条件を採用しなければならないという点で、適用対象が制限されるのが実情である。
また、本発明者らが検討した結果、成形材料から形成される物品の温まりやすさと冷めやすさは必ずしも連動する性質ではないことがわかってきた。たとえば、上述の文献に記載されているような放熱部材は、熱を逃がす設計がなされているため、冷めやすさが高い水準にあることは多いが、必ずしも温まりやすさまで高水準にあるわけではない。
本来、無機フィラーを含む成形材料は金属で構成される部材を代替しようとする際に用いられることが多く、そのような観点で、上述の2つの性質を両立する材料について、まだ開拓余地があるといえる。
本発明では上記事情に鑑み、工業生産性が高く、成形品としての温まりやすさと冷めやすさとを両立可能な熱可塑性樹脂組成物等を提供することを課題とした。
本発明の一態様によれば、熱可塑性樹脂組成物が提供される。この熱可塑性樹脂組成物は、熱可塑性樹脂(A)と、無機フィラー(B)とを含む。熱可塑性樹脂(A)は、ポリオレフィン樹脂、ポリカーボネート樹脂、ABS樹脂及びアクリル樹脂からなる群から選択される1以上の樹脂を含む。無機フィラー(B)は、波数が4000~600[cm-1]の範囲において赤外線分光測定を行ったときに、波数が1000[cm-1]以上である領域に最大吸収強度を有する第1の無機フィラー(B1)と、波数が1000[cm-1]未満である領域に最大吸収強度を有する第2の無機フィラー(B2)とを含む。熱可塑性樹脂組成物は、キャビティを有する金型のキャビティを埋めるように射出成形を行うことで、1.5mm×50mm×50mmの平板状の試験片を作製したときに、試験片が以下の[要件1]及び[要件2]を満たす。[要件1]:室温25℃、相対湿度50%Rhの雰囲気において、試験片の50mm×50mmの寸法を有する第1の平面を表面温度が80℃の熱源に接合させたとき、第1の平面とは反対側に位置する第2の平面の表面温度が60℃に到達するまでの時間が120秒未満である。[要件2]:[要件1]を実施した後の試験片を熱源から離間し、第1の平面を表面温度が25℃のステンレス板に接合させて90秒間経過させたとき、第2の平面の表面温度の下がり幅が5℃以上である。
本発明者らが検討した結果、各成分について適切な選択を図ることによって、所望の性能が担保されることが見出された。すなわち、上記態様によれば、工業生産性が高く、成形品としての温まりやすさと冷めやすさとを両立可能な熱可塑性樹脂組成物等が提供される。
以下、本発明の実施形態について説明する。なお、以下に示す実施形態中で示した各種特徴事項は、互いに組み合わせ可能である。なお、本明細書中における「~」はとくに断りがなければ、以上から以下を表す。
<第1実施態様>
本実施形態の熱可塑性樹脂組成物は、以下に示すものである。
熱可塑性樹脂組成物であって、
熱可塑性樹脂(A)と、無機フィラー(B)とを含み、
前記熱可塑性樹脂(A)は、ポリオレフィン樹脂、ポリカーボネート樹脂、ABS樹脂及びアクリル樹脂からなる群から選択される1以上の樹脂を含み、
前記無機フィラー(B)は、波数が4000~600[cm-1]の範囲において赤外線分光測定を行ったときに、波数が1000[cm-1]以上である領域に最大吸収強度を有する第1の無機フィラー(B1)と、波数が1000[cm-1]未満である領域に最大吸収強度を有する第2の無機フィラー(B2)とを含み、
キャビティを有する金型の前記キャビティを埋めるように射出成形を行うことで、1.5mm×50mm×50mmの平板状の試験片を作製したときに、前記試験片が以下の[要件1]及び[要件2]を満たす、熱可塑性樹脂組成物。
[要件1]:室温25℃、相対湿度50%Rhの雰囲気において、試験片の50mm×50mmの寸法を有する第1の平面を表面温度が80℃の熱源に接合させたとき、前記第1の平面とは反対側に位置する第2の平面の表面温度が60℃に到達するまでの時間が120秒未満である。
[要件2]:[要件1]を実施した後の前記試験片を熱源から離間し、前記第1の平面を表面温度が25℃のステンレス板に接合させて90秒間経過させたとき、前記第2の平面の表面温度の下がり幅が5℃以上である。
以下、本熱可塑性樹脂組成物の構成成分、配合、製造方法、使用方法などについて詳述する。
[熱可塑性樹脂組成物の成分・配合]
まず、本実施形態の熱可塑性樹脂組成物に含有する又は含有し得る成分について説明する。
(熱可塑性樹脂(A))
本実施形態の熱可塑性樹脂組成物は、熱可塑性樹脂(A)として、ポリオレフィン樹脂、ポリカーボネート樹脂、ABS樹脂及びアクリル樹脂からなる群から選択される1以上の樹脂を含む。
本実施形態の熱可塑性樹脂組成物は、これらの樹脂から選ばれる樹脂成分を含むことになるが、これらは入手容易性と加工性のバランスが高いという点で、所望の効果を得られやすくなる。以下、各成分について説明を続ける。
・ポリオレフィン樹脂
本実施形態で用いることのできるポリオレフィン樹脂は、典型的には、オレフィン(アルケン)の重合体であり、典型的には、エチレン、プロピレン、ブテン-1、ペンテン-1、ヘキセン-1、オクテン-1などの炭素数が2~10個程度のα-オレフィンを主たる構成単位として含む重合体である。また、これらα-オレフィンの単独重合体や共重合体、およびそれらと酢酸ビニルやアクリル酸エステルや(無水)不飽和カルボン酸や不飽和シラン化合物などとの共重合体も用いることができる。
市場で入手容易なポリオレフィン樹脂として、プライムポリプロ(登録商標)J105G、J106G、J106MG、J108M、J-700GP(株式会社プライムポリマー製);ノバテックMA3、MA3H、MA1B、SA08(日本ポリプロ株式会社製);PM600A、PM600D、PM801A、PM802A、PM900A、PM900C、PL400A、PL500A、PL801C、PLA00A、PLB00A、PS412M、VS200A、PC412A、PC600A、PC600S、PF600R、HPA03A(サンアロマー株式会社製)等が挙げられる。
・ポリカーボネート樹脂
本実施形態で用いることのできるポリカーボネート樹脂は、典型的には、二価フェノール類等とカーボネート前駆体とを反応させて得られる樹脂である。2種以上の二価フェノール類または2種以上のカーボネート前駆体を用いて得られる共重合体であってもよい。反応方法の一例として、界面重合法、溶融エステル交換法、カーボネートプレポリマーの固相エステル交換法、および環状カーボネート化合物の開環重合法などを挙げることができる。
市場で入手容易なポリカーボネート樹脂として、「Iupilon(登録商標)ユーピロン」シリーズ、「NOVAREX(登録商標)ノバレックス」シリーズ(三菱エンジニアリングプラスチック株式会社製);「パンライト(登録商標)」シリーズ(帝人株式会社製);「タフロン」シリーズ(出光興産株式会社製)等が挙げられる。
・ABS樹脂
本実施形態で用いることのできるABS樹脂は、アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン共重合体である。なお、このABS樹脂は、スチレン・アクリロニトリル樹脂と、ゴム成分とを混合したものであってもよい。ここで、ゴム成分としては、ポリブタジエン、ブタジエン・アクリロニトリルゴム(NBR)、スチレン・ブタジエンゴム(SBR)等のブタジエン系ゴムの他、アクリルゴム(AR)、エチレン・プロピレンゴム(EPR)、塩素化ポリエチレン(CPE)等を例示することができ、これらが単独で混合されていても、2種以上のものが併用されて混合されていてもよい。
市場で入手容易なABS樹脂として、「ダイヤラック(登録商標)」シリーズ(テクノUMG株式会社製);「デンカABS」シリーズ(デンカ株式会社製)等が挙げられる。
・アクリル樹脂
本実施形態で用いることのできるアクリル樹脂は、アクリル酸エステルまたはメタクリル酸エステルに由来する構造単位を含有する樹脂の総称である。このような樹脂の例としては、ポリ((メタ)アクリル酸メチル)、ポリ((メタ)アクリル酸エチル)、ポリ((メタ)アクリル酸ブチル)、ポリ((メタ)アクリル酸2-エチルヘキシル)等が挙げられる。
なお、上記アクリル樹脂において、(メタ)アクリル酸エステルに由来する構造単位の含有量は適宜選択されるが、たとえば50重量%以上であり、好ましくは60重量%以上であり、さらに好ましくは75重量%以上である。
市場で入手容易なアクリル樹脂として、「アクリペット」シリーズ(三菱ケミカル株式会社製);「パラペット(登録商標)」シリーズ(クラレ株式会社製);「PLEXIGLAS」シリーズ(ダイセル・エボニック株式会社製);「デルペット」シリーズ(旭化成株式会社製)等が挙げられる。
上述のポリオレフィン樹脂、ポリカーボネート樹脂、ABS樹脂又はアクリル樹脂の重量平均分子量はとくに制限されるものではないが、ペレット化、フレーク化、又はチップ化の容易性をより一層向上させる観点から、少なくとも、重量平均分子量(Mw)が例えば10,000~800,000、好ましくは20,000~600,000、より好ましくは20,000~400,000であることが好ましい。
・その他の熱可塑性樹脂
本実施形態の熱可塑性樹脂組成物は、上述の樹脂のほかに、その他の熱可塑性樹脂を含むことができる。その例としては、ポリスチレン樹脂、ポリアミド樹脂、塩化ビニル樹脂、ポリアセタール樹脂、飽和ポリエステル樹脂、ポリアリールスルホン樹脂、ポリアリールケトン樹脂、ポリアリーレンエーテル樹脂、ポリアリーレンサルファイド樹脂、ポリアリールエーテルケトン樹脂、ポリエーテルスルホン樹脂、ポリアリーレンサルファイドスルフォン樹脂、ポリアリレート樹脂等が挙げられる。これらを2種以上用いることもできる。
なお、本実施形態で用いることのできる熱可塑性樹脂(A)はポリマーアロイであってもよい。すなわち、上述のポリカーボネート樹脂と、ABS樹脂とを併用し、「PC/ABS樹脂」のようなポリマーアロイとして熱可塑性樹脂(A)としてもよい。
本実施形態の熱可塑性樹脂組成物全体における熱可塑性樹脂(A)の含有割合はとくに制限されるものではないが、成形加工の容易さ等の観点で、60質量%以上であることが好ましく、70質量%以上であることがより好ましく、80質量%以上であることがさらに好ましく、90質量%以上であることが殊更に好ましい。
本実施形態の熱可塑性樹脂組成物全体における熱可塑性樹脂(A)の含有割合の上限はとくに制限されるものではないが、後述する無機フィラー(B)の有する効果を発現させやすくする観点から、98質量%以下であることが好ましい。
また、熱可塑性樹脂(A)の含有量全体に対する、ポリオレフィン樹脂、ポリカーボネート樹脂、ABS樹脂及びアクリル樹脂からなる群から選択される1以上の樹脂の配合割合はとくに制限されるものではないが、成形加工の容易さやコスト等の観点で、60質量%以上であることが好ましく、70質量%以上であることがより好ましく、80質量%以上であることがさらに好ましく、90質量%以上であることが殊更に好ましい。
また、熱可塑性樹脂(A)の含有量全体に対する、ポリオレフィン樹脂、ポリカーボネート樹脂、ABS樹脂及びアクリル樹脂からなる群から選択される1以上の樹脂の配合割合は100質量%である(すなわち、熱可塑性樹脂(A)が、ポリオレフィン樹脂、ポリカーボネート樹脂、ABS樹脂及びアクリル樹脂からなる群から選択される1以上の樹脂のみからなる)態様とすることもできる。
(無機フィラー(B))
本実施形態の熱可塑性樹脂組成物は、無機フィラー(B)を含む。
ここで、この無機フィラー(B)は、波数が4000~600[cm-1]の範囲において赤外線分光測定を行ったときに、波数が1000[cm-1]以上である領域に最大吸収強度を有する第1の無機フィラー(B1)と、波数が1000[cm-1]未満である領域に最大吸収強度を有する第2の無機フィラー(B2)とを含む。
本発明者らが検討したところ、赤外線分光測定を行った際に高波数領域の最大吸収強度を有する材料は熱エネルギーを放射しやすく、反面、赤外線分光測定を行った際に低波数領域の最大吸収強度を有する材料は熱伝導性が高いことがわかってきた。
すなわち、これらを適切に組み合わせることにより、バランス良く所望の特性が得られやすいことがわかってきた。
なお、この赤外線分光測定は、たとえば以下の手順に沿って行われる。
まず、測定対象である試料1mgに臭化カリウム100mg加え、めのう製乳鉢で粉砕混合する。続いて、錠剤成型器に入れて加圧することで、φ4mmの円形板状成形体を作成し、測定試料を作製する。
この得られた測定試料について、フーリエ変換赤外分光光度計(PerkinElmer社製 製品名:Frontier)を用いて、ATR法により、以下の条件での赤外線吸収スペクトルを測定する。
・クリスタル:ダイヤモンド/ZnSe
・分解能 :4cm―1
・積算回数 :4回
・測定領域 :4000cm―1~600cm―1
以下、無機フィラー(B)に属する各成分について説明する。
・第1の無機フィラー(B1)
第1の無機フィラー(B1)は、波数が4000~600[cm-1]の範囲において赤外線分光測定を行ったときに、波数が1000[cm-1]以上である領域に最大吸収強度を有する。
その典型例としては、シリカ、炭酸カルシウム、酸化亜鉛、硫酸バリウムからなる群から選択される材料で構成されるフィラーが挙げられる。
市場で入手容易なシリカとしては、例えば、「Sciqas」シリーズ(堺化学工業株式会社製);「Nipsil(ニップシール)」シリーズ(東ソー・シリカ株式会社製);「シーホスター(登録商標)」シリーズ(株式会社日本触媒製);「HPS」シリーズ(東亞合成株式会社製);「FB」シリーズおよび「FBX」シリーズ(デンカ株式会社製);「アドマファイン」シリーズ(株式会社アドマテックス製)などが挙げられる。
市場で入手容易な炭酸カルシウムとしては、例えば、「NITOREX」シリーズ、「NS」シリーズ、「SS」シリーズおよび「NCC」シリーズ(日東粉化工業株式会社製);「ナノックス」シリーズ、「カルテックス」シリーズおよび「ナノコート」シリーズ(丸尾カルシウム株式会社製);「サンライト」シリーズおよび「ホワイトシール」シリーズ(竹原化学工業株式会社製)などが挙げられる。
ここで、第1の無機フィラー(B1)の平均粒径は0.15μm以上20μm未満であることが好ましく、0.2μm以上15μm未満であることがより好ましく、0.3μm以上12μm未満であることがさらに好ましい。
このような粒径のフィラーを採用することにより、組成物中に適切に分散され、熱可塑性樹脂組成物から形成される成形体の冷めやすさの向上に資することができる。
また、第1の無機フィラー(B1)としては、平均粒径が10μm未満のものや、8μm未満のもの、5μm未満のものも採用することができる。
なお、フィラーの平均粒径の測定方法は、かかるフィラーの粒径に応じ適宜設定すればよい。使用できる測定装置としては、たとえば、ゼータサイザーナノZS(スペクトリス株式会社製)や、精密粒度分布測定装置「コールターカウンター Multisizer 3」(ベックマン・コールター株式会社製)等が挙げられる。
第1の無機フィラー(B1)は、円形度が0.7以上であることが好ましく、0.8以上であることがより好ましく、0.85以上であることがさらに好ましい。
このような円形度のフィラーを採用することにより、熱可塑性樹脂組成物を成形工程に供したときに、金型や装置を傷つけにくくなる効果を得やすくなる。
なお、フィラーの円形度は以下のようにして求めることができる。
まず、走査型電子顕微鏡から、フィラーを無造作に50個選び出す。なお、ここで選び出すフィラーは、フィラー全体の平均粒径をXとしたときに、粒径が0.8X~1.2Xの範囲であるフィラーとする。続いて、粒子の二次元撮影像の面積をSとし、周囲長をLとしたときに、粒子同士の円形度係数を4πS/Lの式から算出し、各粒子の円形度係数の算術平均値を上記円形度とする。ここで、粒子の二次元投影像が真円の場合、粒子の円形度は1となる。
第1の無機フィラー(B1)は、モース硬度が2以上であることが好ましい。
このようなモース硬度のフィラーを採用することにより、混練等により熱可塑性樹脂組成物を作製する際にフィラーが破損しづらく、結果、製品の品質が安定しやすい。
なお、モース硬度の測定は、標準物質を用い、標準物質とのこすれにより発生したひっかき傷の有無で判断して行えばよい。
また、第1の無機フィラー(B1)のモース硬度は3以上であることがより好ましく、4以上であることがさらに好ましく、5以上であることが殊更に好ましい。
第1の無機フィラー(B1)は、その吸油量が所定の値に制御されていてもよい。
具体的に、第1の無機フィラー(B1)の吸油量は、200ml/100g以下であることが好ましく、100ml/100g以下であることがより好ましく、50ml/100g以下であることがさらに好ましい。
第1の無機フィラー(B1)の吸油量を上記の範囲に設定することにより、粒子内の空隙が少なくなり、得られる成形体の冷めやすさのバランスを取りやすくなる。
なお、第1の無機フィラー(B1)の吸油量の下限はとくに制限されるものではないが、たとえば3ml/100g以上である。
なお、フィラーの吸油量は、JIS K 5101-13-1(2004)「第1節:精製あまに油法」に記載の方法に準拠して測定すればよい。
第1の無機フィラー(B1)は、表面が疎水化処理されているフィラーであることが好ましい。
このような疎水化処理を施された第1の無機フィラー(B1)を用いることで、熱可塑性樹脂との分散性がより高まり、射出成形性が向上する。
第1の無機フィラー(B1)の疎水化処理は、例えば、第1の無機フィラー(B1)をシラン化合物と反応させることで行うことができる。シラン化合物としては、例えば、R-Si(ORで表される化合物を挙げることができる(ここで、RおよびRは炭素鎖である。)。炭素鎖は、直鎖であっても分岐鎖であってもよい。炭素鎖の炭素数は特に限定されないが、直鎖または分岐の炭素数3以上のアルキル基が好ましく、直鎖または分岐の炭素数5以上のアルキル基がさらに好ましい。また、炭素鎖の上限は特に限定されないが、典型的には、直鎖または分岐の炭素数20以下のアルキル基を用いることができ、直鎖または分岐の炭素数18以下のアルキル基がより好ましい。
本実施形態で疎水化処理に用いることのできるシラン化合物は、例えば、KBM-3033、KBM-3063、KBE-3083、KBM-3103CなどのKBMシリーズやLS-6970(信越シリコーン株式会社製);D3383(東京化成工業株式会社製)を例示できる。
第1の無機フィラー(B1)の含有量は、熱可塑性樹脂(A)の含有量を100質量部としたときに、0.3質量部以上20質量部以下であることが好ましく、0.8質量部以上15質量部以下であることがより好ましく、1.5質量部以上12質量部以下であることがさらに好ましい。
第1の無機フィラー(B1)の含有量をこのような範囲に設定することにより、熱可塑性樹脂組成物から形成される成形体の冷めやすさと、熱可塑性樹脂組成物の成形性の両立がより行いやすくなる。
第1の無機フィラー(B1)の含有量は、無機フィラー(B)の含有量を100質量部としたときに、5質量部以上95質量部以下であることが好ましく、10質量部以上90質量部以下であることがより好ましく、20質量部以上80質量部以下であることがさらに好ましい。
第1の無機フィラー(B1)の含有量をこのような範囲に設定することにより、熱可塑性樹脂組成物から形成される成形体の冷めやすさと温まりやすさの両立がより行いやすくなる。
・第2の無機フィラー(B2)
第2の無機フィラー(B2)は、波数が4000~600[cm-1]の範囲において赤外線分光測定を行ったときに、波数が1000[cm-1]未満である領域に最大吸収強度を有する。
ここで、第2の無機フィラー(B2)は各種顔料を好ましく用いることができるが、その典型例としては、酸化チタン(チタン白)、酸化亜鉛(亜鉛華)、鉛白、塩基性硫酸鉛、硫酸鉛、リトポン、硫化亜鉛、アンチモン白などの白色顔料;Ti/Cr/Sb複合酸化物、黄鉛などの黄色顔料;クロムオレンジ、クロムバーミリオンなどの橙色顔料;酸化鉄、アンバーなどの褐色顔料;ベンガラ(赤色酸化鉄)、鉛丹などの赤色顔料;コバルト紫などの紫色顔料;群青、紺青、コバルト青などの青色顔料;クロムグリーン、カドミウムグリーンなどの緑色顔料などが挙げられる。
これらの中でも入手容易性の高さ等の観点で、酸化チタン、酸化鉄、複合酸化物顔料からなる群から選択される材料で構成されるフィラーを第2のフィラー(B2)として用いることが好ましい。
また、顔料に属さないものとして、たとえばタルクなども、第2の無機フィラー(B2)として用いることもできる。
市場で入手容易な酸化チタンとしては、例えば「タイペーク(登録商標)」シリーズ(石原産業株式会社製);「R」シリーズ(堺化学工業株式会社製);「JR」シリーズおよび「MT」シリーズ(テイカ株式会社製);「ST―700」シリーズ(チタン工業株式会社製);「TR」シリーズ(富士チタン工業株式会社製)等が挙げられる。
市場で入手容易な酸化鉄としては、例えば「TAROX合成酸化鉄」シリーズ(チタン工業株式会社製);「トダカラー」シリーズ(戸田工業株式会社製)等が挙げられる。
市場で入手容易な複合酸化物顔料としては、例えば「DAIPYPOXIDE」シリーズ(大日精化工業株式会社製);複合酸化物顔料(アサヒ化成工業株式会社製);「トマテックカラー」(TOMATEC株式会社製);「DYNAMIX(登録商標)」シリーズ(シェファードカラー社製)等が挙げられる。
市場で入手容易なタルクとしては、例えば「ミクロエース(登録商標)」シリーズおよび「ナノエース(登録商標)」シリーズ(日本タルク株式会社製);「HC-08L」および「HC-1L」(兵庫クレー株式会社製)等が挙げられる。
第2の無機フィラー(B2)の平均粒径は5nm以上10μm以下であることが好ましく、20nm以上5μm以下であることがより好ましく、40nm以上3μm以下であることがさらに好ましい。
このような粒径のフィラーを採用することにより、組成物中に適切に分散され、熱可塑性樹脂組成物から形成される成形体の温まりやすさの向上に資することができる。
第2の無機フィラー(B2)は、表面が疎水化処理されているフィラーであってもよい。
このような疎水化処理を施された第2の無機フィラー(B2)を用いることで、熱可塑性樹脂との分散性がより高まり、射出成形性が向上する。
行うことのできる疎水化処理は、第1の無機フィラー(B1)にて説明したものと同様である。
第2の無機フィラー(B2)の含有量は、熱可塑性樹脂(A)の含有量を100質量部としたときに、0.3質量部以上20質量部以下であることが好ましく、0.8質量部以上15質量部以下であることが好ましく、1.5質量部以上12質量部以下であることがさらに好ましい。
第2の無機フィラー(B2)の含有量をこのような範囲に設定することにより、熱可塑性樹脂組成物から形成される成形体の温まりやすさと、熱可塑性樹脂組成物の成形性の両立がより行いやすくなる。
第2の無機フィラー(B2)の含有量は、無機フィラー(B)の含有量を100質量部としたときに、5質量部以上95質量部以下であることが好ましく、10質量部以上90質量部以下であることがより好ましく、20質量部以上80質量部以下であることがさらに好ましい。
第2の無機フィラー(B2)の含有量をこのような範囲に設定することにより、熱可塑性樹脂組成物から形成される成形体の冷めやすさと温まりやすさの両立がより行いやすくなる。
熱可塑性樹脂組成物は、熱可塑性樹脂(A)の含有量を100質量部としたときに、無機フィラー(B)の含有量が1質量部以上30質量部以下であることが好ましく、2質量部以上25質量部以下であることがより好ましく、3質量部以上20質量部以下であることがさらに好ましく、4質量部以上15質量部以下であることが殊更に好ましく、5質量部以上10質量部以下であることがとりわけ好ましい。
無機フィラー(B)の含有量をこのような範囲に設定することにより、熱可塑性樹脂組成物から形成される成形体について所望の性質を得られやすくなり、また、熱可塑性樹脂組成物の成形性が向上する。
(その他の成分)
本実施形態の熱可塑性樹脂組成物は、上述した成分以外に、必要に応じて公知の成分を含んでもよい。その例としては、滑剤、酸化防止剤、熱安定剤、耐光剤、耐候剤、金属不活性剤、紫外線吸収剤、銅害防止剤、防菌剤、防黴剤、分散剤、可塑剤、難燃剤、粘着付与剤、着色剤、有機繊維、複合繊維等が挙げられる。
[熱可塑性樹脂組成物の製造方法]
本実施形態の熱可塑性樹脂組成物は公知の製造方法に準じて製造することができる。例えば、溶融混練等により製造することができるが、この溶融混練についても、公知の装置を用いて公知の方法により行うことができる。例えば、上述した各成分を、ヘンシェルミキサー、リボンブレンダー、タンブルミキサー等の混合装置を用いて混合した後、更に溶融混練する方法や、定量供給機を用いて、一定の割合で、各成分をそれぞれ連続的に供給して混合物を得た後、該混合物を単軸又は二軸以上の押出機、バンバリーミキサー、ロール式混練機等を用いて溶融混練する方法が挙げられる。
なお、本実施形態の熱可塑性樹脂組成物は、ペレット状やフレーク状に加工されていてもよい。
上記の溶融混練の温度は、熱可塑性樹脂(A)の種類によって適宜調整すればよい。一般的には、130℃~350℃であるが、これには限定されない。
[熱可塑性樹脂組成物の特性]
本実施形態の熱可塑性樹脂組成物は、キャビティを有する金型のキャビティを埋めるように射出成形を行うことで、1.5mm×50mm×50mmの平板状の試験片を作製したときに、試験片が以下の[要件1]及び[要件2]を満たすものである。
[要件1]:室温25℃、相対湿度50%Rhの雰囲気において、試験片の50mm×50mmの寸法を有する第1の平面を表面温度が80℃の熱源に接合させたとき、第1の平面とは反対側に位置する第2の平面の表面温度が60℃に到達するまでの時間が120秒未満である。
[要件2]:[要件1]を実施した後の試験片を熱源から離間し、第1の平面を表面温度が25℃のステンレス板に接合させて90秒間経過させたとき、第2の平面の表面温度の下がり幅が5℃以上である。
すなわち、熱可塑性樹脂組成物から形成される成形体は温まりやすさと、冷めやすさとを両立するものである。このような要件を満たす熱可塑性樹脂組成物は、たとえば、金属から構成される部材などを代替する際に有用である。
なお、上記を満足させるようであれば試験片を作製する際の条件は適宜設定すればよいが、たとえば、ペレット状の熱可塑性樹脂組成物を射出成形機(住友重機械工業株式会社製、SE50EV-A)に投入し、たとえば熱可塑性樹脂(A)としてポリプロピレンを用いた場合であれば、シリンダ温度200℃、金型温度30℃、冷却時間15秒の条件で射出成形を行う等の条件を採用することができる。熱可塑性樹脂(A)がポリプロピレン以外であれば、その樹脂の軟化点等の特性に応じて条件を設定すればよく、熱可塑性樹脂(A)がポリプロピレンであっても、そのグレード等によって、上記以外の条件を採用することもできる。
なお、本明細書において、「キャビティを埋める」とは、熱可塑性樹脂組成物(成形材料)によって金型のキャビティを充満させることを指し、たとえばガスアシスト成形のように、試験片の中に意図的に空隙を作るような手法はこれに該当しない。
また、[要件1]に関し、第2の平面の表面温度が60℃に到達するまでの時間は、90秒未満であることが好ましく、60秒未満であることがより好ましく、30秒未満であることがさらに好ましい。
また、[要件2]に関し、第2の表面温度の下がり幅は、10℃以上であることが好ましく、20℃以上であることがより好ましく、30℃以上であることがさらに好ましい。
上述の要件を具備させる手段は限定されないが、典型的には(1)前述の第1の無機フィラー(B1)及び第2の無機フィラー(B2)の種類を適切に選択する(2)前述の第1の無機フィラー(B1)及び第2の無機フィラー(B2)の構成割合を適切に選択する(3)前述の第1の無機フィラー(B1)及び第2の無機フィラー(B2)の粒径を適切に選択する(4)前述の第1の無機フィラー(B1)及び第2の無機フィラー(B2)に加え、熱可塑性樹脂(A)についての組み合わせを適切に選択する等の方法が挙げられる。
[成形品の製造方法]
本実施形態の熱可塑性樹脂組成物は、成形加工を行うことで成形体を形成することができる。
この製造方法としては上述の熱可塑性樹脂組成物を、射出成形、圧縮成形、押出成形又はブロー成形する工程を有する方法が挙げられる。
例えば、上述した熱可塑性樹脂組成物を成形材料とし、射出成形法により成形する場合、公知の射出成形機を用いて、樹脂組成物を溶融させ、溶融した樹脂組成物を、金型内に射出することにより成形する。
射出成形の温度条件は、熱可塑性樹脂(A)の種類に応じて適宜決定され、射出成形機のシリンダ温度を、用いる熱可塑性樹脂の流動開始温度より10~80℃高い温度に設定することが好ましい。
具体的には、当該溶融混練温度(可塑化部)は、130~350℃が好ましく、150~340℃がより好ましく、170~320℃がさらに好ましい。
金型の温度は、樹脂組成物の冷却速度と生産性の点から、室温(例えば23℃)から180℃の範囲に設定することが好ましい。
その他射出条件として、スクリュー回転数、背圧、射出速度、保圧、保圧時間などを適宜調節すればよい。なお、前述の試験片の作製条件としては、金型のキャビティを埋めるものとしてガスアシスト等の条件が排除されたが、本成形体の作製にあたっては、このような条件が取り入れられても構わない。
本実施形態の熱可塑性樹脂組成物により形成される成形体は、表面処理が施されてもよい。表面処理の方法としては、エンボス処理、コロナ放電処理、火炎処理、プラズマ処理、オゾン処理等の方法が挙げられる。
[成形品の用途]
本実施形態の熱可塑性樹脂組成物から形成される成形体の用途としては、家電部材、調理器具、玩具部材、園芸部材、自動車部材、保護部材、包装材が挙げられる。家電部材として、例えば、時計用部材、携帯電話部材、白物家電部材、などが挙げられ、調理器具として、ポット、フライパン、鍋などが挙げられ、玩具部材として、例えば、プラモデル部材、ジオラマ部材、ビデオゲーム本体部材などが挙げられ、園芸部材として、例えば、プランター部材、花瓶部材、植木鉢用部材などが挙げられ、自動車部材として、例えば、バンパー材、インパネ材などが挙げられ、保護部材として、ヘルメットや保護用のプレートなどが挙げられ、包装材としては、例えば、食品用包装材、繊維用包装材、雑貨用包装材などが挙げられる。さらに、その他の用途としては、例えば、モニター用部材、オフィスオートメーション(OA)用機器部材、医療用部材、排水パン、トイレタリー部材、ボトル、コンテナーなどが挙げられる。
<第2実施態様>
続いて、第2実施形態にかかる熱可塑性樹脂組成物について説明する。
本実施形態の熱可塑性樹脂組成物は、以下に示すものである。
熱可塑性樹脂組成物であって、
熱可塑性樹脂(A)と、無機フィラー(B)とを含み、
前記熱可塑性樹脂(A)は、ポリオレフィン樹脂、ポリカーボネート樹脂、ABS樹脂及びアクリル樹脂からなる群から選択される1以上の樹脂を含み、
前記無機フィラー(B)は、波数が4000~600[cm-1]の範囲において赤外線分光測定を行ったときに、波数が1000[cm-1]以上である領域に最大吸収強度を有する第1の無機フィラー(B1)と、波数が1000[cm-1]未満である領域に最大吸収強度を有する第2の無機フィラー(B2)とを含み、
前記熱可塑性樹脂(A)の含有量を100質量部としたときに、前記第1の無機フィラー(B1)の含有量が0.3質量部以上20質量部以下であり、
前記第1の無機フィラー(B1)の平均粒径が0.15μm以上20μm未満である、熱可塑性樹脂組成物。
かかる第2実施形態の熱可塑性樹脂組成物は、概ね先に説明した第1実施形態の熱可塑性樹脂組成物と同様の構成を採用することができるが、前述の[要件1]、[要件2]を具備するかは任意であり、その代わりに第1の無機フィラー(B1)の含有量が、熱可塑性樹脂(A)の含有量を100質量部としたときに、0.3質量部以上20質量部以下であり、また、第1の無機フィラー(B1)の平均粒径が0.15μm以上20μm未満である特徴を備えるものである。
かかる構成を採用することによっても、所望の性質を得られやすくなるものである。
なお、第1の無機フィラー(B1)の含有量や、その平均粒径については、第1実施形態の項目に記載した他の数値範囲も採用することができる。また、熱可塑性樹脂組成物として、[要件1]又は[要件2]を具備させることもできる。
その他、製造方法や、用途(成形品の製造)等については第1実施形態に記載した通りであるため、説明は割愛する。
さらに、次に記載の各態様で提供されてもよい。
前記熱可塑性樹脂組成物において、前記熱可塑性樹脂(A)の含有量を100質量部としたときに、前記第1の無機フィラー(B1)の含有量が0.3質量部以上20質量部以下である、熱可塑性樹脂組成物。
前記熱可塑性樹脂組成物において、前記第1の無機フィラー(B1)の平均粒径が0.15μm以上20μm未満である、熱可塑性樹脂組成物。
前記熱可塑性樹脂組成物において、前記熱可塑性樹脂(A)の含有量を100質量部としたときに、前記無機フィラー(B)の含有量が1質量部以上30質量部以下である、熱可塑性樹脂組成物。
前記熱可塑性樹脂組成物において、前記第1の無機フィラー(B1)の円形度が0.7以上である、熱可塑性樹脂組成物。
前記熱可塑性樹脂組成物において、前記第1の無機フィラー(B1)のモース硬度が2以上である、熱可塑性樹脂組成物。
前記熱可塑性樹脂組成物において、前記第1の無機フィラー(B1)は、シリカ、炭酸カルシウム、酸化亜鉛、硫酸バリウムからなる群から選択される材料で構成されるフィラーである、熱可塑性樹脂組成物。
前記熱可塑性樹脂組成物において、前記第1の無機フィラー(B1)は、表面が疎水化処理されているフィラーである、熱可塑性樹脂組成物。
前記熱可塑性樹脂組成物において、前記第2の無機フィラー(B2)は、酸化チタン、酸化鉄、複合酸化物顔料からなる群から選択される材料で構成されるフィラーである、熱可塑性樹脂組成物。
成形体の製造方法であって、前記熱可塑性樹脂組成物を、射出成形、圧縮成形、押出成形又はブロー成形する工程を有する、製造方法。
成形体であって、前記熱可塑性樹脂組成物を成形してなる、成形体。
もちろん、この限りではない。
以下、実施例および比較例により、本発明をさらに詳しく説明する。なお、本発明は以下の実施例により制限されるものではない。
[使用原料]
まず、本実施例で用いた使用原料について説明する。
本実施例項目で用いた各種使用原料は以下の通りである。
(熱可塑性樹脂(A))
・A-1: ノバテックMA3(日本ポリプロ株式会社製、アイソタクチックポリプロピレン樹脂、重量平均分子量397,000)
・A-2: ユーピロンH―4000(三菱エンジニアリングプラスチックス株式会社製、ビスフェノールA型芳香族ポリカーボネート樹脂、TG=148℃、重量平均分子量33,000)
・A-3: ダイヤラック(登録商標)M U400(テクノUGM株式会社製、透明アクリロニトリルーブタジエンースチレン共重合合成樹脂)
・A-4: アクリペットVH-001(三菱ケミカル株式会社製、メチルメタクリレート由来の繰り返し単位95質量%以上含むアクリル樹脂、TG=90℃、重量平均分子量168,000)
(無機フィラー(B))
・B1-1: Sciqas GRADE0.4μm(堺化学工業株式会社製、球状シリカ、平均粒径0.4μm、吸油量24ml/100g)
・B1-2: Sciqas GRADE0.7μm(堺化学工業株式会社製、球状シリカ、平均粒径0.7μm、吸油量20ml/100g)
・B1-3: 前述の無機フィラーB1-2の疎水処理品(堺化学工業株式会社製、球状シリカ、平均粒径0.7μm、吸油量19ml/100g)
・B1-4: ニップシールE1011(東ソー・シリカ株式会社製、不定形シリカ、平均粒径1.5μm、吸油量346ml/100g)
・B1-5: F-HS14(キンセイマテック株式会社製、溶融シリカ、平均粒径14μm)
・B1-6: ナノックス#30(丸尾カルシウム株式会社製、重炭酸カルシウム、平均粒径1.3μm、吸油量50ml/100g)
・B1-7: アエロジル(登録商標)R972(日本アエロジル株式会社製、フュームドシリカ、平均粒径12nm)
・B1-8: Hi―F200R(キンセイマテック株式会社製、溶融シリカ、平均粒径27μm)
・B2-1: TTO55(C)(石原産業株式会社製、超微粒子酸化チタン(ルチル型)、平均粒径0.035μm)
・B2-2: タイペーク(登録商標)CR-95(石原産業株式会社製、塩素法酸化チタン(ルチル型)、平均粒径0.28μm)
・B2-3: タイペーク(登録商標)PFR404(石原産業株式会社製、硫酸法・棒状特大粒子の酸化チタン(ルチル型)、平均粒径1.0μm)
・B2-4: TAROX合成酸化鉄R-516-L(チタン工業株式会社製、合成酸化鉄、平均粒径100nm)
・B2-5: Brown30C888(シェファードカラージャパンインク製、複合酸化物顔料、平均粒径1.0μm)
・B2-6: ミクロエース(登録商標)P-3(日本タルク株式会社製、微粉タルク、平均粒径5.0μm)
ここで、前述のB1-3成分は以下に従って調製した。
球状シリカ(堺化学工業株式会社製、Sciqas、球状シリカ、平均粒径0.7μm、吸油量20ml/100g、比表面積4.3m/g)100質量部と、シラン化合物(信越化学工業株式会社製、n-プロピルトリメトキシシラン(C3単官能シラン)、KBM-3033、分子量164.3、最小被覆面積475m/g)1.55質量部と、ジブチル錫ジラウレート(堺化学工業株式会社製、TN-12)0.05質量部とを、200質量部のヘプタンに投入して攪拌混合することで、混合溶液を得た。
この混合溶液を80℃で加熱しながら1時間撹拌し、溶液中に含まれる球状シリカとシラン化合物とを反応させた。その後、混合溶液を室温まで冷却し、濾過と洗浄を行い、80℃で乾燥処理した。このようにして、シラン化合物で表面が処理され、表面がプロピル基を含む基で修飾された球状シリカを得た。
また、無機フィラー(B)に関し、上述の平均粒径は以下に従い、その粒子の大きさに従って測定している。
<平均粒径5μm未満の場合>
(1)測定試料の調製
ガラスビーカーに表1記載の各試料0.01gとメタノール10gを測り取り、超音波洗浄器(アズワン社製、VS-100III)を用いて28kHzで2分間分散させて、測定試料を得た。
(2)平均粒径測定
前記測定試料を専用のガラスセルに入れ、測定温度25℃にて、ゼータサイザーナノZS(マルバーン社製)を用いて、光散乱測定を行った。そして、散乱強度で重み付けされた調和平均粒径(Z平均粒径)を算出した。
<平均粒径5μm以上の場合>
(1)測定試料の調製
ガラスビーカーに表1記載の各試料1gとメタノール19gを測り取り、超音波洗浄器(アズワン社製、VS-100III)を用いて28kHzで2分間分散させて、測定試料を得た。
(2)平均粒径測定に用いた装置、条件等
・測定装置:精密粒度分布測定装置(ベックマン・コールター社製、「コールターカウンター Multisizer 3」)
・装置付属専用ソフト:ベックマンコールター社製、「ベックマン・コールター Multisizer3 Version3.51」
・電解水溶液:ベックマン・コールター社製、「ISOTON II」
・アパチャー径:100μm
(3)平均粒径測定
・上記精密粒度分布測定装置専用のガラス製250mL丸底ビーカーに、上記電解水溶液約200mLを入れ、ピペットを用いて前記測定試料を少しずつ滴下し、測定濃度を10秒間に約10000個カウントする濃度に調整した。そして、測定粒子数が50000個になるまで測定を行った。
・得られた測定データを装置付属専用ソフトにて解析を行い、体積平均粒径を算出した(測定された粒径について体積を基準とした粒径分布における平均値をとることで、体積平均粒径を算出することができる。)。
また、上述の使用材料のうち、B1-1~B1-4およびB1-6の各成分については、JIS K 5101-13-1(2004)「第1節:精製あまに油法」に記載の方法に準拠して、その吸油量を測定している。
また、B1-1~B1~8およびB2-6成分については以下に従い、そのモース硬度と、円形度とを測定している。この結果は表1にまとめた通りである。
(モース硬度測定)
各試料を、モース硬度1~10の標準物質を用い、標準物質とのこすれにより発生したひっかき傷の有無でモース硬度を測定した。
(円形度測定)
走査型電子顕微鏡から、前記の平均粒径測定により得られた平均粒径からフィラーを無造作に50個選び出した。なお、ここで選び出すフィラーは、フィラー全体の平均粒径をXとしたときに、粒径が0.8X~1.2Xの範囲であるフィラーとした。続いて、粒子の二次元撮影像の面積をSとし、周囲長をLとしたときに、粒子同士の円形度係数を4πS/Lの式から算出し、各粒子の円形度係数の算術平均値を上記円形度とした。粒子の二次元投影像が真円の場合、粒子の円形度は1となる。
ここで、円形度の評価基準は以下の通りとした。
A:0.85以上
B:0.7以上0.85未満
C:0.7未満
Figure 2023051320000001
また、各無機フィラー(B)については、赤外線分光測定により、波数が4000~600[cm-1]の範囲における最大吸収強度を有する領域を求めている。測定条件は以下に示すとおりであり、結果は表2に示す。
(赤外線分光測定)
(1)測定試料の調製
各試料1mgに臭化カリウム100mg加え、めのう製乳鉢で粉砕混合する。これを錠剤成型器に入れて加圧することで、φ4mmの円形板状成形体を作成し、測定試料とした。
(2)赤外分光測定
フーリエ変換赤外分光光度計(PerkinElmer社製 製品名:Frontier)を用いて、ATR法により、各測定試料の赤外線吸収スペクトルを測定した。
なお、詳細な条件は以下の通りである。
・クリスタル:ダイヤモンド/ZnSe
・分解能 :4cm―1
・積算回数 :4回
・測定領域 :4000cm―1~600cm―1
Figure 2023051320000002
[熱可塑性樹脂組成物および成形体の作製]
以下の各工程に従い、ペレット状の熱可塑性樹脂組成物と、成形体とを作製した。
<ペレット製造工程>
表3の混合比で熱可塑性樹脂と無機フィラーとをドライブレンドし、直径2mmのストランドダイを備えた二軸押出機(東洋精機社製ラボプラストミル、型式:4C-150)に投入し、シリンダ温度180℃、スクリュー回転数60rpmの条件で溶融混練し、押し出してストランド状とし、水冷した。水冷後の組成物をペレタイザーでカットし、除湿型乾燥機を用いて100℃で3時間乾燥処理を行った。これによって、直径約5mm程度の、ペレット状のコンパウンド(コンパウンドペレット)を得た。
<成形体製造工程>
ペレット製造工程で得られたコンパウンドペレットを、射出成形機(住友重機械工業株式会社製、SE50EV-A)に投入し、射出成形を行うことで、1.5mm×50mm×50mmの平板状の成形体を得た。なお、射出成形を行う際の温度、時間の条件は、用いた熱可塑性樹脂(A)の種類に応じて変更させている。熱可塑性樹脂(A)の種類と、採用した条件との対応関係を以下に示す。
・A-1を用いた場合:シリンダ温度200℃、金型温度30℃、冷却時間15秒
・A-2を用いた場合:シリンダ温度300℃、金型温度80℃、冷却時間15秒
・A-3を用いた場合:シリンダ温度240℃、金型温度50℃、冷却時間15秒
・A-4を用いた場合:シリンダ温度250℃、金型温度60℃、冷却時間15秒
[評価]
得られた熱可塑性樹脂組成物に関し、その特性を評価した。具体的には、成形体の温まりやすさと冷めやすさ、また、射出成形性を評価している。測定方法は以下に示すとおりであり、結果は表3にまとめている。
<温まりやすさの測定方法>
熱源として実験用エコノミーホットプレートEHP-170Nと、試験板(前記平板状の成形体)の表面(50mm×50mmの面)の中心に熱電対(K型、クラス2)を貼り付けたものをそれぞれ用意した。この試験板を、表面温度が80℃のホットプレート中央に、上述の熱電対を貼り付けた面とは反対側の面が接するように設置し、熱電対に接続した温度計(ティアンドデイ社製 おんどとりTR-7u)により試験板の温度が60℃に到達するのにかかった時間を測定した。
なお、測定は25℃・相対湿度50%の雰囲気下で行い、以下の温まりやすさの評価基準に従い評価を行っている。
[温まりやすさの評価基準]
5:30秒未満
4:30秒以上60秒未満
3:60秒以上90秒未満
2:90秒以上120秒未満
1:120秒以上
<冷めやすさの測定方法>
試験板の温度が60℃に到達した後、表面温度が25℃のステンレス板の上に、熱電対を貼り付けた面とは反対側の面がステンレスの表面と接するように当該試験板を移し、90秒後の温度を測定し、温度の下がり幅を以下の計算式より算出し、評価点とした。
下がり幅(℃)=60(℃)―(90秒後の温度(℃))
[冷めやすさの評価基準]
5:下がり幅 30℃以上
4:下がり幅 20℃以上30℃未満
3:下がり幅 10℃以上20℃未満
2:下がり幅 5℃以上10℃未満
1:下がり幅 5℃未満
<射出成形性>
成形する際のショット毎の成形状況(主に射出時の充填ピーク圧力及び保圧完了位置)を観察し、以下の基準で評価を行った。結果を表3に示す。
5:安定して射出成形することができる
4:充填ピーク圧力又は保圧完了位置に僅かにバラツキがあるものの問題無く射出成形できる
3:充填ピーク圧力又は保圧完了位置にバラツキがあるものの問題無く射出成形できる
2:充填ピーク圧力、保圧完了位置ともに安定はしないが、なんとか射出成形は可能
1:計量ができず、射出成形をすることができない

Figure 2023051320000003
本実施例項の結果から分かるように、本実施形態の熱可塑性樹脂組成物によれば、工業生産性が高く、成形品としての温まりやすさと冷めやすさとを両立可能な材料が提供できる。

Claims (12)

  1. 熱可塑性樹脂組成物であって、
    熱可塑性樹脂(A)と、無機フィラー(B)とを含み、
    前記熱可塑性樹脂(A)は、ポリオレフィン樹脂、ポリカーボネート樹脂、ABS樹脂及びアクリル樹脂からなる群から選択される1以上の樹脂を含み、
    前記無機フィラー(B)は、波数が4000~600[cm-1]の範囲において赤外線分光測定を行ったときに、波数が1000[cm-1]以上である領域に最大吸収強度を有する第1の無機フィラー(B1)と、波数が1000[cm-1]未満である領域に最大吸収強度を有する第2の無機フィラー(B2)とを含み、
    キャビティを有する金型の前記キャビティを埋めるように射出成形を行うことで、1.5mm×50mm×50mmの平板状の試験片を作製したときに、前記試験片が以下の[要件1]及び[要件2]を満たす、熱可塑性樹脂組成物。
    [要件1]:室温25℃、相対湿度50%Rhの雰囲気において、試験片の50mm×50mmの寸法を有する第1の平面を表面温度が80℃の熱源に接合させたとき、前記第1の平面とは反対側に位置する第2の平面の表面温度が60℃に到達するまでの時間が120秒未満である。
    [要件2]:[要件1]を実施した後の前記試験片を熱源から離間し、前記第1の平面を表面温度が25℃のステンレス板に接合させて90秒間経過させたとき、前記第2の平面の表面温度の下がり幅が5℃以上である。
  2. 請求項1に記載の熱可塑性樹脂組成物において、
    前記熱可塑性樹脂(A)の含有量を100質量部としたときに、前記第1の無機フィラー(B1)の含有量が0.3質量部以上20質量部以下である、熱可塑性樹脂組成物。
  3. 請求項1又は請求項2に記載の熱可塑性樹脂組成物において、
    前記第1の無機フィラー(B1)の平均粒径が0.15μm以上20μm未満である、熱可塑性樹脂組成物。
  4. 熱可塑性樹脂組成物であって、
    熱可塑性樹脂(A)と、無機フィラー(B)とを含み、
    前記熱可塑性樹脂(A)は、ポリオレフィン樹脂、ポリカーボネート樹脂、ABS樹脂及びアクリル樹脂からなる群から選択される1以上の樹脂を含み、
    前記無機フィラー(B)は、波数が4000~600[cm-1]の範囲において赤外線分光測定を行ったときに、波数が1000[cm-1]以上である領域に最大吸収強度を有する第1の無機フィラー(B1)と、波数が1000[cm-1]未満である領域に最大吸収強度を有する第2の無機フィラー(B2)とを含み、
    前記熱可塑性樹脂(A)の含有量を100質量部としたときに、前記第1の無機フィラー(B1)の含有量が0.3質量部以上20質量部以下であり、
    前記第1の無機フィラー(B1)の平均粒径が0.15μm以上20μm未満である、熱可塑性樹脂組成物。
  5. 請求項1ないし請求項4のいずれか1項に記載の熱可塑性樹脂組成物において、
    前記熱可塑性樹脂(A)の含有量を100質量部としたときに、前記無機フィラー(B)の含有量が1質量部以上30質量部以下である、熱可塑性樹脂組成物。
  6. 請求項1ないし請求項5のいずれか1項に記載の熱可塑性樹脂組成物において、
    前記第1の無機フィラー(B1)の円形度が0.7以上である、熱可塑性樹脂組成物。
  7. 請求項1ないし請求項6のいずれか1項に記載の熱可塑性樹脂組成物において、
    前記第1の無機フィラー(B1)のモース硬度が2以上である、熱可塑性樹脂組成物。
  8. 請求項1ないし請求項7のいずれか1項に記載の熱可塑性樹脂組成物において、
    前記第1の無機フィラー(B1)は、シリカ、炭酸カルシウム、酸化亜鉛、硫酸バリウムからなる群から選択される材料で構成されるフィラーである、熱可塑性樹脂組成物。
  9. 請求項1ないし請求項8のいずれか1項に記載の熱可塑性樹脂組成物において、
    前記第1の無機フィラー(B1)は、表面が疎水化処理されているフィラーである、熱可塑性樹脂組成物。
  10. 請求項1ないし請求項9のいずれか1項に記載の熱可塑性樹脂組成物において、
    前記第2の無機フィラー(B2)は、酸化チタン、酸化鉄、複合酸化物顔料からなる群から選択される材料で構成されるフィラーである、熱可塑性樹脂組成物。
  11. 成形体の製造方法であって、
    請求項1ないし請求項10のいずれか1項に記載の熱可塑性樹脂組成物を、射出成形、圧縮成形、押出成形又はブロー成形する工程を有する、製造方法。
  12. 成形体であって、
    請求項1ないし請求項10のいずれか1項に記載の熱可塑性樹脂組成物を成形してなる、成形体。
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