JP2023051305A - 飲料組成物 - Google Patents

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Shohei Takahashi
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Abstract

【課題】重い風味とクロロゲン酸類由来の収斂味が抑制された飲料組成物の提供。【解決手段】次の成分(A)~(B);(A)クロロゲン酸類 0.008~1.5質量%(B)ピラジン、及び2-メチルピラジンから選ばれる1種以上を含有し、成分(A)と成分(B)の質量比[(B)/(A)]が0.01×10-4以上1,000×10-4以下であり、カフェインの含有量が0.01質量%以下である、飲料組成物。【選択図】なし

Description

本発明は、飲料組成物に関する。
クロロゲン酸類は、ポリフェノールの一種であり、抗酸化作用や血圧降下作用、内臓脂肪低減作用等の生理作用を有することが報告されている(例えば、特許文献1及び2)。クロロゲン酸類を多く含む素材としてコーヒー豆が知られており、クロロゲン酸類を含有するコーヒー飲料は広く愛飲されている。
従来、嗜好性をより一層高めたコーヒー飲料が種々検討されており、例えば、生コーヒー豆の焙煎により生成する香味成分に着目し、甘い香りが豊かで、かつ後味のキレの良好な容器詰コーヒー飲料として、ピラジン類を増強する一方、グアヤコール類を可及的に低減させたうえで、ピラジン類とグアヤコール類との質量比を制御した容器詰コーヒー飲料(特許文献3)、コーヒー特有のロースト感、スイート感、酸味感等の嗜好性が高く、特異的な異臭・異味のマスキングに効果等があるコーヒーフレーバー組成物及びこれを含有するコーヒー飲料として、含窒素化合物類等の香料を、焙煎コーヒー豆から抽出したコーヒーエキスに配合したコーヒーフレーバー組成物及びこれをさらにコーヒーエキスと混合したコーヒー飲料(特許文献4)が提案されている。
特開2002-87977号公報 特開2008-88187号公報 特開2011-125289号公報 特開2006-20526号公報
European Journal of Clinical Nutrition (1999) 53, 831-839
焙煎コーヒー豆を原料とするコーヒー飲料は、香りが豊かで嗜好性の高いものであるが、豆中に存在するクロロゲン酸類の相当量が分解する傾向がある。そこで、クロロゲン酸類を最大限に利用するには、クロロゲン酸類からなる試薬、又は生コーヒー豆若しくは焙煎度の低い浅焙煎コーヒー豆の抽出物を含有した飲料が有利である。一方、コーヒー飲料の主要成分の一つであるカフェインは、その摂取により血圧が一過性に上昇することが認められている(例えば、非特許文献1)。従って、優れた健康機能を有するクロロゲン酸類を含有する飲料を調製するためには、カフェインの含有量を抑えることが重要になる。
しかしながら、飲料中にクロロゲン酸類を高濃度で含み、かつ、カフェインの濃度を抑えると、飲料の風味に重みを与えてしまうこと、またクロロゲン酸類由来の独特の収斂味が発現してしまうことが判明した。
よって、本発明の課題は、重い風味とクロロゲン酸類由来の収斂味が抑制された飲料組成物を提供することにある。
本発明者は、クロロゲン酸類に富む飲料組成物を開発すべく種々検討した結果、ピラジン、及び2-メチルピラジンから選ばれる1種以上を、クロロゲン酸類に対して特定の量比で含有させることで、驚くべきことに、クロロゲン酸類を高含有し、低カフェインでありながらも、飲料の風味に軽やかさを与え、クロロゲン酸類由来の収斂味を抑制できることを見出した。
ここで、本明細書において「軽やかさ」とは口に含んだ時の量感が軽くすっきりとして爽快なさまをいい、「収斂味」とは舌を刺激するような渋味をいう。
すなわち、本発明は、次の成分(A)~(B);
(A)クロロゲン酸類 0.008~1.5質量%
(B)ピラジン、及び2-メチルピラジンから選ばれる1種以上
を含有し、成分(A)と成分(B)の質量比[(B)/(A)]が0.01×10-4以上1,000×10-4以下であり、カフェインの含有量が0.01質量%以下である、飲料組成物を提供するものである。
本発明によれば、軽やかさがあり、クロロゲン酸類由来の収斂味が抑制された、クロロゲン酸類の有益な生理機能を享受できる飲料組成物を提供することができる。
本明細書において「飲料組成物」とは、希釈せずにそのまま飲用可能な飲料をいう。本発明の飲料組成物の形態としては、希釈せずにそのまま飲用できれば特に限定されず、RTD(Ready to Drink)、インスタント飲料用の粉末を水等で希釈して調整した飲料やスラリー等の液状、ゼリー等の半固形状の形態でもよい。半固形状である場合、容器に備え付けられた吸い口やストローから飲料組成物を吸引できればよく、その固形分濃度は特に限定されず、適宜選択可能である。中でも、飲料組成物の形態としては、利便性の観点から、液状が好ましく、RTDがより好ましい。
本発明の飲料組成物は、成分(A)としてクロロゲン酸類を含有する。ここで、本明細書において「クロロゲン酸類」とは、3-カフェオイルキナ酸、4-カフェオイルキナ酸及び5-カフェオイルキナ酸のモノカフェオイルキナ酸と、3-フェルラキナ酸、4-フェルラキナ酸及び5-フェルラキナ酸のモノフェルラキナ酸と、3,4-ジカフェオイルキナ酸、3,5-ジカフェオイルキナ酸及び4,5-ジカフェオイルキナ酸のジカフェオイルキナ酸を併せての総称である。本発明においては上記9種のうち少なくとも1種を含有すればよい。なお、成分(A)は、塩や水和物の形態であってもよい。塩としては生理学的に許容されるものであれば特に限定されないが、例えば、アルカリ金属塩を挙げることができる。
本発明の飲料組成物中の成分(A)の含有量は0.008~1.5質量%であるが、成分(A)が有する生理効果を増強させる観点から、0.01質量%以上が好ましく、0.03質量%以上がより好ましく、0.05質量%以上が更に好ましく、またクロロゲン酸類由来の収斂味を抑制する観点から、1.2質量%以下が好ましく、0.7質量%以下がより好ましく、0.3質量%以下が更に好ましい。そして、本発明の飲料組成物中の成分(A)の含有量は、0.008~1.5質量%であり、好ましくは0.01~1.2質量%であり、より好ましくは0.03~0.7質量%であり、更に好ましくは0.05~0.3質量%である。ここで、本明細書において、成分(A)の含有量は上記9種の合計量に基づいて定義される。なお、成分(A)が塩又は水和物の形態である場合、成分(A)の含有量は、遊離酸であるクロロゲン酸類に換算した値とする。成分(A)の含有量は、通常知られている測定法のうち測定試料の状況に適した分析法により測定することが可能であり、例えば、液体クロマトグラフィで分析することが可能である。具体的には、後掲の実施例に記載の方法が挙げられる。なお、測定の際には装置の検出域に適合させるため、試料を凍結乾燥したり、装置の分離能に適合させるため試料中の夾雑物を除去したりする等、必要に応じて適宜処理を施してもよい。
本発明の飲料組成物は、成分(B)としてピラジン、及び2-メチルピラジンから選ばれる1種以上を含有する。
ここで、「ピラジン」及び「2-メチルピラジン」のピラジン類は、生コーヒー豆の焙煎により生成する香味成分として知られる。本発明においては、成分(B)を成分(A)対する質量比が特定の範囲内となるように含有させることで、意外にも飲料の風味に軽やかさを与え、また、クロロゲン酸類由来の収斂味を抑制できることを見出したものである。
本発明の飲料組成物中の成分(B)の含有量は、質量比[(B)/(A)]が後述する範囲内となれば適宜選択可能であるが、軽やかさを付与する観点、クロロゲン酸類由来の収斂味を抑制する観点から、0.0008×10-4質量%以上が好ましく、0.008×10-4質量%以上がより好ましく、0.08×10-4質量%以上が更に好ましく、0.8×10-4質量%以上が更に好ましく、また、軽やかさを付与する観点から、80×10-4質量%以下が好ましく、30×10-4質量%以下がより好ましく、20×10-4質量%以下が更に好ましく、2.0×10-4質量%以下がより更に好ましい。そして、本発明の飲料組成物中の成分(B)の含有量は、好ましくは0.0008×10-4~80×10-4質量%であり、より好ましくは0.008×10-4~30×10-4質量%であり、更に好ましくは0.08×10-4~20×10-4質量%であり、より更に好ましくは0.8×10-4~2.0×10-4質量%である。
成分(B)の含有量は、通常知られている測定法のうち測定試料の状況に適した分析法により測定することが可能であり、例えば、GC/MS法により測定することができる。具体的には、後掲の実施例に記載の方法が挙げられる。なお、測定の際には装置の検出域に適合させるため、試料を凍結乾燥したり、装置の分離能に適合させるため試料中の夾雑物を除去したりする等、必要に応じて適宜処理を施してもよい。
本発明の飲料組成物は、成分(A)と成分(B)との質量比[(B)/(A)]が0.01×10-4以上1,000×10-4以下であるが、軽やかさを付与する観点、クロロゲン酸類由来の収斂味を抑制する観点から、0.1×10-4以上が好ましく、1×10-4以上がより好ましく、5×10-4以上が更に好ましく、10×10-4以上がより更に好ましく、また、軽やかさを付与する観点から、500×10-4以下が好ましく、200×10-4以下がより好ましく、100×10-4以下が更に好ましく、30×10-4以下がより更に好ましい。そして本発明における、成分(A)と成分(B)との質量比[(B)/(A)]は、0.01×10-4以上1,000×10-4以下であり、好ましくは0.1×10-4~500×10-4であり、より好ましくは1×10-4~200×10-4であり、更に好ましくは5×10-4~100×10-4であり、より更に好ましくは10×10-4~30×10-4である。
本発明の飲料組成物は、カフェインの含有量が0.01質量%以下である。カフェインは生コーヒー豆の焙煎度合いが高くなるほどその量が多くなり、焙煎コーヒー豆を原料とするコーヒー飲料中に多く含まれることが知られている。
本発明の飲料組成物中のカフェインの含有量は、クロロゲン酸類の生理機能をより効果的に得る観点、本発明の効果を享受しやすいという観点から、好ましくは0.01質量%以下であり、より好ましくは0.005質量%以下であり、更に好ましくは0.0001質量%以下であり、殊更に好ましくは実質的に含有しない。カフェインの含有量が多いと、重い風味はなく、またクロロゲン酸類由来の収斂味がマスキングされ得るため(後記参考例参照)、本発明の効果は、低カフェインの飲料組成物に対して特に有効に発揮される。ここで、本明細書において「実質的に含有しない」とは、飲料組成物中にカフェインが全く存在しないことのみならず、検出限界未満の濃度であることも包含する概念である。
カフェインの含有量は、通常知られている測定法のうち測定試料の状況に適した分析法により測定することが可能であり、例えば、液体クロマトグラフィで分析することが可能である。具体的には、後掲の実施例に記載の方法が挙げられる。なお、測定の際には装置の検出域に適合させるため、試料を凍結乾燥したり、装置の分離能に適合させるため試料中の夾雑物を除去したりする等、必要に応じて適宜処理を施してもよい。
本発明の飲料組成物のpH(20℃)は、クロロゲン酸類由来の収斂味を抑制する観点から、4.0以上が好ましく、4.5以上がより好ましく、5.0以上が更に好ましく、そして7.5以下が好ましく、7.2以下がより好ましく、7.0以下が更に好ましい。そして、本発明の飲料組成物のpH(20℃)は、好ましくは4.0~7.5であり、より好ましくは4.5~7.2であり、更に好ましくは5.0~7.0である。なお、pHは、20℃に温度調整をしてpHメータにより測定するものとする。
本発明の飲料組成物は、所望により、甘味料、酸味料、アミノ酸、たんぱく質、ミネラル、エステル、色素、乳化剤、乳成分、保存料、調味料、品質安定剤等の添加剤を1種又は2種以上を含有することができる。添加剤の含有量は、本発明の目的を損なわない範囲内で適宜設定することができる。
本発明の飲料組成物は、非茶飲料でも、茶飲料でよい。茶飲料としては、例えば、緑茶飲料、ほうじ茶飲料、烏龍茶飲料、穀物茶飲料を挙げることができる。また、非茶飲料としては、例えば、果汁ジュース、野菜ジュース、アイソトニック飲料、エンハンスドウォーター、ボトルドウォーター、ニアウォーター、栄養ドリンク剤、美容ドリンク剤等の非アルコール飲料や、ビール、ワイン、清酒、梅酒、発泡酒、ウィスキー、ブランデー、焼酎、ラム、ジン、リキュール類等のアルコール飲料を挙げることができる。
成分(A)としては、市販の試薬を用いてもよいが、成分(A)を豊富に含む植物の抽出物を使用することもできる。なお、成分(A)として植物抽出物を用いる場合、植物抽出物の抽出方法及び抽出条件は特に限定されず、公知の方法を採用することができる。
植物としては、成分(A)が含まれていれば特に限定されないが、例えば、ヒマワリ種子、リンゴ未熟果、コーヒー豆、シモン葉、マツ科植物の球果、マツ科植物の種子殻、サトウキビ、南天の葉、ゴボウ、ナスの皮、ウメの果実、フキタンポポ、ブドウ科植物等から選ばれる1種又は2種以上が挙げられる。なかでも、クロロゲン酸類含量等の観点から、コーヒー豆が好ましい。コーヒー豆は、成分(A)の生理効果を増強させる観点から、生コーヒー豆及び浅焙煎コーヒー豆から選択される1以上が好ましく、生コーヒー豆が更に好ましい。ここで、本明細書において「浅焙煎コーヒー豆」とは、L値が30以上60以下の焙煎コーヒー豆を指し、浅焙煎コーヒー豆のL値は、成分(A)の生理効果を増強させる観点から、好ましくは32以上であり、より好ましくは34以上であり、更に好ましくは36以上であり、より更に好ましくは38以上であり、より更に好ましくは40以上である。なお、コーヒー豆の豆種及び産地は、特に限定されない。また、本明細書において「L値」とは、黒をL値0とし、また 白をL値100として、焙煎コーヒー豆の明度を色差計で測定したものである。
なお、本発明の飲料組成物が、L値30未満の焙煎コーヒー豆を含む焙煎コーヒー豆を用いたコーヒー飲料である場合、当該焙煎コーヒー豆の持つ焙煎臭により、クロロゲン酸類由来の収斂味がマスキングされ得るため、本発明は、好ましくはL値30未満、より好ましくは32未満、更に好ましくは34未満、より更に好ましくは36未満、より更に好ましくは38未満、殊更に好ましくは40未満の焙煎コーヒー豆を含む焙煎コーヒー豆を用いたコーヒー飲料を除く飲料を対象とする。なお、焙煎コーヒー豆はカフェインが90%以上除去されたものでも構わない。また、コーヒー飲料中のコーヒー分の含有量は、内容量100g中にコーヒー生豆換算で1g以上の焙煎コーヒー豆から抽出又は溶出したコーヒー分を含むものである。なお、「生豆換算値」は、焙煎コーヒー豆1gが生コーヒー豆1.3gに相当するものとする(改訂新版・ソフトドリンクス、監修:全国清涼飲料工業会、発行:光琳 、平成元年12月25日発行 421頁記載)。コーヒー飲料の種類は特に限定されないが、例えば、令和元年8月19日に改正施行された「コーヒー飲料等の表示に関する公正競争規約」の第2条で定義されるコーヒー飲料等、即ち「コーヒー」、「コーヒー飲料」、「コーヒー入り清涼飲料」及び「コーヒー入り炭酸飲料」を挙げることができる。
本発明の飲料組成物は、ポリエチレンテレフタレートを主成分とする成形容器(いわゆるPETボトル)、金属缶、金属箔やプラスチックフィルムと複合された紙容器、瓶等の通常の包装容器に充填して容器詰飲料とすることができる。
また、本発明の飲料組成物は、加熱殺菌済でもよい。殺菌方法としては、適用されるべき法規(日本にあっては食品衛生法)に定められた条件に適合するものであれば特に限定されない。例えば、茶飲料を容器包装に充填し、密栓若しくは密封した後殺菌するか、又は自記温度計をつけた殺菌器等で殺菌したもの若しくはろ過器等で除菌したものを自動的に容器包装に充填した後、密栓若しくは密封すればよい。より具体的には、レトルト殺菌法、高温短時間殺菌法(HTST法)、超高温殺菌法(UHT法)等を挙げることができる。
本発明の飲料組成物は適宜の方法で製造することができるが、例えば、成分(A)及び(B)、必要により他の成分を配合し、成分(A)と成分(B)との質量比[(B)/(A)]を調整して製造することができる。
成分(B)としては、市販の試薬を用いても、成分(B)を豊富に含む植物の抽出物の形態で含有させてもよい。なお、植物としては、成分(B)を含み、飲食品の分野において通常使用されているものであれば、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で適宜選択することができる。また、抽出方法及び抽出条件は特に限定されず、公知の方法を採用することができる。
本発明の飲料組成物は、高濃度の(A)クロロゲン酸類を含み、かつ、カフェインが低減されていることから、高血圧改善用の飲料組成物、内臓脂肪低減用の飲料組成物等として有用であり、クロロゲン酸類の高い機能発現が期待できる。
(1)クロロゲン酸類の分析
分析機器はHPLCを使用した。装置の構成ユニットの型番は次の通りである。
・UV-VIS検出器:SPD-20A((株)島津製作所)
・カラムオーブン:CTO-20AC((株)島津製作所)
・ポンプ:LC-20AD((株)島津製作所)
・オートサンプラー:SIL-20AC((株)島津製作所)
・カラム:Cadenza CD-C18 内径4.6mm×長さ150mm、粒子径3μm(インタクト(株))
分析条件は次の通りである。
・サンプル注入量:10μL
・流量:1.0mL/min
・UV-VIS検出器設定波長:325nm
・カラムオーブン設定温度:35℃
・溶離液A:50mM酢酸、0.1mM 1-ヒドロキシエタン-1,1-ジホスホン酸、10mM 酢酸ナトリウム、5(V/V)%アセトニトリル溶液
・溶離液B:アセトニトリル
濃度勾配条件(体積%)
時間 溶離液A 溶離液B
0.0分 100% 0%
10.0分 100% 0%
15.0分 95% 5%
20.0分 95% 5%
22.0分 92% 8%
50.0分 92% 8%
52.0分 10% 90%
60.0分 10% 90%
60.1分 100% 0%
70.0分 100% 0%
・3-カフェオイルキナ酸 : 5.3min
・5-カフェオイルキナ酸 : 8.8min
・4-カフェオイルキナ酸 :11.6min
・3-フェルラキナ酸 :13.0min
・5-フェルラキナ酸 :19.9min
・4-フェルラキナ酸 :21.0min
・3,4-ジカフェオイルキナ酸:36.6min
・3,5-ジカフェオイルキナ酸:37.4min
・4,5-ジカフェオイルキナ酸:44.2min
ここで求めたarea%から5-カフェオイルキナ酸(東京化成工業社)を標準物質とし、クロロゲン酸類の含有量(質量%)を求めた。
(2)ピラジン、及び2-メチルピラジンの分析
試料をバイアルにサンプリングし、SPMEファイバーによりヘッドスペースの香気成分を吸着し、GC/MS測定に供した。
分析条件は次の通りである。
・カラム:VF-WAX 内径0.25mm×長さ60m、膜厚0.25μm
・温度プログラム:35℃(4min)→130℃、3℃/minで昇温→240℃(15min)、5℃/minで昇温
・カラム圧力:定流量モード(31kPa)
・カラム流量:1.5ml/min(He)
・注入口温度:240℃
・注入方式:スプリットレス
・検出器:MS
・イオン源温度:240℃
・イオン化方法:EI(70eV)
・SPMEファイバー:50/30μm、DVB/CAR/PDMS(シグマアルドリッチ社製)
(3)カフェインの分析
上記(1)と同様に、試薬カフェイン(富士フィルム和光純薬(株))を標準物質とし、カフェインの含有量(質量%)を求めた。分析機器は、クロロゲン酸の分析と同じ機器を使用した。分析条件については、
・UV-VIS検出器設定波長:270nm
とし、それ以外の条件はクロロゲン酸の分析と同様の条件で実施した。
(4)pHの測定
pHメータ(HORIBA コンパクトpHメータ、堀場製作所製)を用いて、試料を20℃に温度調整をして測定した。
(5)官能評価
各飲料を飲用したときの「軽やかさ」と「クロロゲン酸類由来の収斂味」について、専門パネル2名が官能試験を行った。官能試験は、各専門パネルが「軽やかさ」及び「クロロゲン酸類由来の収斂味」の評価基準を、下記の評価基準とすることに合意したうえで実施した。そして、各専門パネルが決定した評点に基づいて、協議により最終評点を決定した。
軽やかさの評価基準
軽やかさは、各専門パネルが飲料を飲用したときに軽やかさが感じられるか否かを観点に、実施例3の飲料の軽やかさの評点を「5」とし、比較例1の飲料の軽やかさの評点を「1」として評価した。具体的な評価基準は以下のとおりである。
評点5:非常に良い(実施例3相当)
4:良い
3:やや良い
2:やや悪い
1:非常に悪い(比較例1相当)
クロロゲン酸類由来の収斂味の評価基準
クロロゲン酸類由来の収斂味は、各専門パネルが飲料を飲用したときにクロロゲン酸類由来の収斂味が感じられるか否かを観点に、実施例3の飲料のクロロゲン酸類由来の収斂味の評点を「5」とし、比較例1の飲料のクロロゲン酸類由来の収斂味の評点を「1」として評価した。具体的な評価基準は以下のとおりである。
評点5:クロロゲン酸類由来の収斂味をほとんど感じない(実施例3相当)
4:クロロゲン酸類由来の収斂味をわずかに感じる
3:クロロゲン酸類由来の収斂味をやや弱く感じる
2:クロロゲン酸類由来の収斂味をやや強く感じる
1:クロロゲン酸類由来の収斂味をかなり強く感じる(比較例1相当)
〔クロロゲン酸類及びピラジンを含有する飲料〕
実施例1
表1に示す各成分を配合し、重曹でpH6.0に調整した後、撹拌して飲料を製造した。得られた飲料の分析結果及び評価結果を表1に併せて示す。
実施例2~4及び比較例1、2
ピラジンの配合量を変更し、質量比[(B)/(A)]を表1に示す値に変化させたこと以外は、実施例1と同様の操作により飲料を製造した。得られた飲料の分析結果及び評価結果を表1に併せて示す。
参考例
表1に示す各成分を配合したこと以外は、実施例1と同様の操作により飲料を製造した。得られた飲料の分析結果及び評価結果を表1に併せて示す。
Figure 2023051305000001
実施例5
表2に示す各成分を配合したこと以外は、実施例1と同様の操作により飲料を製造した。得られた飲料の分析結果及び評価結果を表2に併せて示す。
実施例6~8及び比較例3、4
ピラジンの配合量を変更し、質量比[(B)/(A)]を表2に示す値に変化させたこと以外は、実施例5と同様の操作により飲料を製造した。得られた飲料の分析結果及び評価結果を表2に併せて示す。
Figure 2023051305000002
実施例9
表3に示す各成分を配合したこと以外は、実施例1と同様の操作により飲料を製造した。得られた飲料の分析結果及び評価結果を表3に併せて示す。
実施例10~12及び比較例5、6
ピラジンの配合量を変更し、質量比[(B)/(A)]を表3に示す値に変化させたこと以外は、実施例9と同様の操作により飲料を製造した。得られた飲料の分析結果及び評価結果を表3に併せて示す。
Figure 2023051305000003
実施例13
表4に示す各成分を配合したこと以外は、実施例1と同様の操作により飲料を製造した。得られた飲料の分析結果及び評価結果を表4に併せて示す。
Figure 2023051305000004
実施例14~15
クエン酸及び/又は重曹の配合量を変更してpHを表5に示す値に変化させたこと以外は、実施例3と同様の操作により飲料を製造した。得られた飲料の分析結果及び評価結果を、実施例3の結果とともに表5に併せて示す。
Figure 2023051305000005
実施例16
コーヒー生豆を水洗(45℃)し、熱水にて成分を抽出(86℃)した。抽出液を活性炭で処理し、殺菌(130℃,30秒)した。その後噴霧乾燥し、粉末状のクロロゲン酸類製剤を得た。
上記で調製したクロロゲン酸類製剤と、表6に示す各成分を配合したこと以外は、実施例1と同様の操作により飲料を製造した。得られた飲料の分析結果及び評価結果を表6に併せて示す。
Figure 2023051305000006
〔クロロゲン酸類及び2-メチルピラジンを含有する飲料〕
実施例17
表7に示す各成分を配合し、重曹でpH6.0に調整した後、撹拌して飲料を製造した。得られた飲料の分析結果及び評価結果を表7に併せて示す。
実施例18~20及び比較例7、8
2-メチルピラジンの配合量を変更し、質量比[(B)/(A)]を表7に示す値に変化させたこと以外は、実施例17と同様の操作により飲料を製造した。得られた飲料の分析結果及び評価結果を表7に併せて示す。
Figure 2023051305000007
実施例21
表8に示す各成分を配合したこと以外は、実施例17と同様の操作により飲料を製造した。得られた飲料の分析結果及び評価結果を表8に併せて示す。
実施例22~24及び比較例9、10
2-メチルピラジンの配合量を変更し、質量比[(B)/(A)]を表8に示す値に変化させたこと以外は、実施例21と同様の操作により飲料を製造した。得られた飲料の分析結果及び評価結果を表8に併せて示す。
Figure 2023051305000008
実施例25
表9に示す各成分を配合したこと以外は、実施例17と同様の操作により飲料を製造した。得られた飲料の分析結果及び評価結果を表9に併せて示す。
実施例26~28及び比較例11、12
2-メチルピラジンの配合量を変更し、質量比[(B)/(A)]を表9に示す値に変化させたこと以外は、実施例25と同様の操作により飲料を製造した。得られた飲料の分析結果及び評価結果を表9に併せて示す。
Figure 2023051305000009
実施例29
表10に示す各成分を配合したこと以外は、実施例17と同様の操作により飲料を製造した。得られた飲料の分析結果及び評価結果を表10に併せて示す。
Figure 2023051305000010
実施例30~31
クエン酸及び/又は重曹の配合量を変更してpHを表11に示す値に変化させたこと以外は、実施例19と同様の操作により飲料を製造した。得られた飲料の分析結果及び評価結果を、実施例19の結果とともに表11に併せて示す。
Figure 2023051305000011
実施例32
実施例16で調製したクロロゲン酸類製剤と、表12に示す各成分を配合したこと以外は、実施例17と同様の操作により飲料を製造した。得られた飲料の分析結果及び評価結果を表12に併せて示す。
Figure 2023051305000012
表1~12から、クロロゲン酸類に対してピラジン、及び2-メチルピラジンから選ばれる1種以上を特定の質量比で含有させることで、クロロゲン酸類を高含有し、低カフェインでありながらも、軽やかさがあり、クロロゲン酸類由来の収斂味が抑制された飲料組成物が得られることがわかる。

Claims (4)

  1. 次の成分(A)~(B);
    (A)クロロゲン酸類 0.008~1.5質量%
    (B)ピラジン、及び2-メチルピラジンから選ばれる1種以上
    を含有し、成分(A)と成分(B)の質量比[(B)/(A)]が0.01×10-4以上1,000×10-4以下であり、カフェインの含有量が0.01質量%以下である、飲料組成物。
  2. 成分(B)の含有量が0.0008×10-4~80×10-4質量%である請求項1記載の飲料組成物。
  3. 20℃におけるpHが4.0~7.5である請求項1又は2記載の飲料組成物。
  4. 高血圧改善用及び/又は内臓脂肪低減用である請求項1~3のいずれか1項記載の飲料組成物。
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