JP2023050605A - ガスバーナ、及び燃焼設備 - Google Patents

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Ryuichiro Tanaka
俊一 津村
Shunichi Tsumura
慎一 関口
Shinichi Sekiguchi
富明 上妻
Tomiaki Kamitsuma
豊 冠木
Yutaka Kamuragi
洋平 高嶋
Yohei Takashima
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Abstract

【課題】水素を含むガス燃料を用いる場合に好適な燃焼状態を実現することができる。【解決手段】水素を含むガス燃料を燃焼するためのガスバーナは、ガス燃料を噴出する主噴出部であって少なくとも1つの主孔を含む主噴出部、及び主噴出部よりも少量のガス燃料を噴出する副噴出部であって少なくとも1つの副孔を含む副噴出部、が先端部に形成されるノズルと、ノズルの軸線方向に沿って視認した正面視において、ノズルの先端部の周囲を囲むとともに、一次空気が流出する一次空気出口を形成する一次空気流路部と、正面視において、一次空気出口の上方または下方に位置するとともに、二次空気が流出する二次空気出口を形成する二次空気流路部と、を備え、正面視において、少なくとも1つの副孔の噴出方向は、二次空気出口と交差する方向に配向され、少なくとも1つの主孔の噴出方向は、二次空気出口と交差しない方向に配向される。【選択図】図3

Description

本開示は、水素を含むガス燃料を燃焼するためのガスバーナ、及び燃焼設備に関する。
ボイラのような燃焼設備には、燃料を燃焼するバーナが設置されており、好適な燃焼状態を実現するために保炎性を高める技術や窒素酸化物(NOx)の発生を抑制する技術が知られている。例えば、特許文献1には、ノズルの中心軸線上に配置され、燃料ガスの流通方向の下流側に向かうにつれて拡幅するスプリット形状を有する保炎器を備えるガスバーナが開示されている。
特開2011-149676号公報
ところで、幾つかの燃焼設備では、代表的な温室効果ガスである二酸化炭素の排出量削減を目的として、化石燃料から脱却する取り組み(脱炭素)が進められている。この脱炭素の1つとして、ガスバーナの燃料として水素を含むガス燃料が適用されることがある。水素は、従来からの燃料に含まれる成分(例えば、都市ガスに含まれるメタンやLPGに含まれるプロパン、特許文献1に記載の燃料ガスに含まれている微粉炭)とは大きく異なる特性を有する。しかしながら、特許文献1に記載の技術は、水素の特性を考慮して、保炎性を高める構成やNOxの発生を抑制する構成となっていない。つまり、ガスバーナが水素を含むガス燃料を用いる場合には、ガスバーナを水素の特性が考慮された構成に改善する余地がある。
本開示は、上述の課題に鑑みてなされたものであって、水素を含むガス燃料を用いる場合に好適な燃焼状態を実現することができるガスバーナを提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本開示に係るガスバーナは、水素を含むガス燃料を燃焼するためのガスバーナであって、前記ガス燃料を噴出する主噴出部であって少なくとも1つの主孔を含む主噴出部、及び前記主噴出部よりも少量の前記ガス燃料を噴出する副噴出部であって少なくとも1つの副孔を含む副噴出部、が先端部に形成されるノズルと、前記ノズルの軸線方向に沿って視認した正面視において、前記ノズルの前記先端部の周囲を囲むとともに、一次空気が流出する一次空気出口を形成する一次空気流路部と、前記正面視において、前記一次空気出口の上方または下方に位置するとともに、二次空気が流出する二次空気出口を形成する二次空気流路部と、を備え、前記正面視において、前記少なくとも1つの副孔の噴出方向は、前記二次空気出口と交差する方向に配向され、前記少なくとも1つの主孔の噴出方向は、前記二次空気出口と交差しない方向に配向される。
本開示のガスバーナによれば、水素を含むガス燃料を用いる場合に好適な燃焼状態を実現することができる。
第1実施形態に係る燃焼設備の構成を概略的に示す図である。 第1実施形態に係る火炉の内部構成を概略的に示す図である。 第1実施形態に係るガスバーナの構成を概略的に示す図である。 第1実施形態に係るガスバーナの内部構成を概略的に示す図である。 第1実施形態に係る主孔の噴出方向を説明するための図である。 第1実施形態に係る副孔の噴出方向を説明するための図である。 第1実施形態に係る保炎器の保炎面を説明するための図である。 幾つかの実施形態に係るノズルの先端部の構成を示す図である。 第2実施形態に係るノズルの先端部の構成を示す図である。 第2実施形態の変形例に係る主孔の形状を示す図である。 第3実施形態に係るガスバーナの構成を概略的に示す図である。 第3実施形態に係る二次空気出口のレイアウトを説明するための図である。 幾つかの実施形態に係る火炉の内部構成を概略的に示す図である。 幾つかの実施形態に係る火炉の内部構成を概略的に示す図である。 幾つかの実施形態に係る火炉の内部構成を概略的に示す図である。
以下、本開示の実施の形態によるガスバーナについて、図面に基づいて説明する。かかる実施の形態は、本開示の一態様を示すものであり、この開示を限定するものではなく、本開示の技術的思想の範囲内で任意に変更可能である。
<第1実施形態>
(構成)
図1は、第1実施形態に係る燃焼設備1の構成を概略的に示す図である。図1に例示するように、燃焼設備1は、火炉2と、火炉2に設けられ、水素を含むガス燃料Fを火炉2内で燃焼するためのガスバーナ4と、を備える。燃焼設備1は、例えば、ボイラであって、ガスバーナ4から火炉2内に噴出されたガス燃料Fを火炎Xを発生させて燃焼させることで高温の排ガスGを生成し、この高温の排ガスGから熱を回収することで蒸気を生成する。尚、排ガスGの熱は、火炉2内に設けられる熱交換器によって回収されてもよいし、火炉2外に設けられる熱交換器によって回収されてもよい。
本開示において、「水素を含むガス燃料F」には、水素と水素以外の燃料を含むもの(混焼)と、水素のみ(専焼)とがあり、さらに、水素と水素以外の燃料を含むものでも、水素が主たる燃料(水素の体積割合が50%以上)、水素以外の燃料が主たる燃料(水素の体積割合が50%未満)に区分できる。「水素を含むガス燃料」とは、これらの場合をすべて含む。
火炉2の構成について説明する。図2は、第1実施形態に係る火炉2の内部構成を概略的に示す図であって、火炉2を鉛直方向から視た図である。第1実施形態では、火炉2は、鉛直方向に沿って長手方向を有する四角筒形状を有している。そして、図2に例示するように、火炉2にはガスバーナ4から噴出されたガス燃料Fを燃焼させるための燃焼空間6が形成されている。この火炉2の燃焼空間6は矩形状を有している。
火炉2は、火炉2の内周面7のうち燃焼空間6の矩形状の何れか1つの辺に対応する第1内周面7aを含む第1炉壁8と、燃焼空間6を挟んで第1炉壁8とは反対側に位置する第2炉壁10と、第1炉壁8の一端部16と第2炉壁10の一端部18とを接続する第3炉壁12と、第1炉壁8の他端部17と第2炉壁10の他端部19とを接続する第4炉壁14と、を含む。第3炉壁12は、燃焼空間6を挟んで第4炉壁14とは反対側に位置している。火炉2の燃焼空間6は、第1炉壁8、第2炉壁10、第3炉壁12、及び第4炉壁14によって囲われることで矩形状に形成されている。
第1実施形態では、図2に例示するように、火炉2には複数のガスバーナ4が設けられている。複数のガスバーナ4は、第3炉壁12より第4炉壁14に近接するように第1炉壁8に設けられる第1ガスバーナ4A(4)と、第4炉壁14より第3炉壁12に近接するように第2炉壁10に設けられる第2ガスバーナ4B(4)と、第2炉壁10より第1炉壁8に近接するように第3炉壁12に設けられる第3ガスバーナ4C(4)と、第1炉壁8より第2炉壁10に近接するように第4炉壁14に設けられる第4ガスバーナ4D(4)と、を含む。複数のガスバーナ4のそれぞれは、燃焼空間6の矩形状の角部21にガス燃料Fを噴出している。尚、不図示であるが、複数のガスバーナ4は、第1ガスバーナ4Aに積み上げられる上側ガスバーナをさらに含んでもよい。
ガスバーナ4は、ガス燃料Fを燃焼する。第1実施形態では、図1に例示するように、燃焼設備1は、ガスバーナ4にガス燃料Fを供給するガス燃料供給装置100と、ガスバーナ4に燃焼用空気Aを供給する空気供給装置102と、をさらに含む。そして、ガスバーナ4は、ガス燃料供給装置100から供給されたガス燃料Fに、空気供給装置102から供給された燃焼用空気Aを混合させて火炉2内(燃焼空間6)に噴出し、ガス燃料Fを燃焼する。
ガス燃料供給装置100は、ガス燃料Fが貯蔵されているガスタンク104と、ガスタンク104とガスバーナ4とを接続し、ガスタンク104に貯蔵されているガス燃料Fをガスバーナ4に向かって流通可能な燃料供給ライン106と、を含む。
空気供給装置102は、一端が大気に開放され、他端がガスバーナ4に接続されている空気供給ライン108と、空気供給ライン108に設けられ、空気供給ライン108の一端から取り込まれた空気を燃焼用空気Aとして火炉2に送風する送風機110と、備える。
ガスバーナ4の構成について具体的に説明する。図3は、第1実施形態に係るガスバーナ4の構成を概略的に示す図であって、ガスバーナ4を火炉2の燃焼空間6側から視た図(正面図)である。図4は、第1実施形態に係るガスバーナ4の内部構成を概略的に示す図であって、ガスバーナ4を後述する左右方向D3に沿って視た図である。
以下、ガスバーナ4のノズル20の軸線Oが延びる方向をノズル20の軸線方向D1とする。ガスバーナ4を火炉2の燃焼空間6側から視た場合に、鉛直方向D2と直交する方向を左右方向D3とする。
図3及び図4に例示するように、ガスバーナ4は、ノズル20と、一次空気流路部22と、二次空気流路部24と、保炎器50と、を備える。第1実施形態では、図3に例示するように、ガスバーナ4は、火炉2の燃焼空間6に面する前面5の形状が鉛直方向D2に沿って長手方向を有する矩形状の角型バーナである。
ノズル20は、ガス燃料Fが流通可能であるように、例えば、軸線Oを中心とする円筒形状を有する。そして、図4に例示するように、ノズル20は、ガス燃料供給装置100から供給されるガス燃料Fを火炉2の燃焼空間6に噴出する。具体的には、図3に例示するように、ノズル20の先端部26(バーナチップ)には、主噴出部28と副噴出部30とが形成されている。主噴出部28はガス燃料供給装置100から供給されたガス燃料Fの一部を火炉2の燃焼空間6に噴出し、副噴出部30はガス燃料供給装置100から供給されたガス燃料Fの残部を火炉2の燃焼空間6に噴出する。副噴出部30は、主噴出部28よりも少量のガス燃料Fを噴出するように構成されている。つまり、主噴出部28から噴出されるガス燃料Fの一部の量は、副噴出部30から噴出されるガス燃料Fの残部の量より多い。
第1実施形態では、図3に例示するように、主噴出部28は2つの主孔32を含む。第1主孔32A(32)は、左右方向D3において、ノズル20の軸線Oを挟んで第2主孔32B(32)とは反対側に位置している。第1主孔32Aはノズル20の軸線Oより左側に位置し、第2主孔32Bはノズル20の軸線Oより右側に位置している。
第1実施形態では、図3に例示するように、副噴出部30は2つの副孔34を含む。第1副孔34A(34)は、鉛直方向D2において、ノズル20の軸線Oを挟んで第2副孔34B(34)とは反対側に位置している。第1副孔34Aはノズル20の軸線Oより上側に位置し、第2副孔34Bはノズル20の軸線Oより下側に位置している。
第1主孔32A及び第2主孔32Bのそれぞれは、鉛直方向D2において、第1副孔34Aと第2副孔34Bとの間に位置している。第1副孔34A及び第2副孔34Bのそれぞれは、左右方向D3において、第1主孔32Aと第2主孔32Bとの間に位置している。
第1主孔32Aは、第1副孔34A及び第2副孔34Bのそれぞれより大径である。第2主孔32Bは、第1副孔34A及び第2副孔34Bのそれぞれより大径である。第1主孔32Aと第2主孔32Bとは同径である。第1副孔34Aと第2副孔34Bとは同径である。このように、主孔32の開口面積の合計は副孔34の開口面積の合計よりも大きく、主噴出部28は副噴出部30より多くのガス燃料Fを噴出できるようになっている。
一次空気流路部22は、図3に例示するように、ノズル20の軸線方向D1に沿って視認した正面視(以下、「正面視」とする)において、ノズル20の先端部26の周囲を囲む。そして、この一次空気流路部22は、空気供給装置102から供給される燃焼用空気Aを一次空気A1として流出する一次空気出口36を形成する。
第1実施形態では、図4に例示するように、一次空気流路部22は、空気供給装置102から供給される一次空気A1が流通する一次空気流路38を含む。一次空気流路部22(スリーブ)は、円筒形状を有しており、ノズル20の軸線方向D1に沿って延びている。一次空気流路部22の内径はノズル20の外径より大きく、ノズル20が一次空気流路部22内に配置されている。つまり、一次空気流路部22は、一次空気流路部22の内壁面とノズル20の外壁面との間に一次空気A1が流通する一次空気流路38を含む。別の言い方をすると、一次空気流路38は、ノズル20の外周に形成されている。
二次空気流路部24は、図3に例示するように、正面視において、一次空気出口36の上方又は下方に位置するとともに、一次空気A1より遅れてガス燃料Fに接触させる二次空気A2が流出する二次空気出口40を形成する。二次空気A2は、空気供給装置102から供給される燃焼用空気Aであってもよいし、火炉2から流出された排ガスGの一部を火炉2に循環させた循環ガスEgであってもよい。あるいは、二次空気A2は、燃焼用空気Aに循環ガスEgを混合させたものであってもよい。
第1実施形態では、二次空気流路部24は、上側二次空気流路部24A(24)と下側二次空気流路部24B(24)とを含む。上側二次空気流路部24Aの二次空気出口40A(40)は、一次空気出口36より上方に位置している。左右方向D3において、一次空気出口36と上側二次空気流路部24Aの二次空気出口40Aとは少なくとも一部が互いに重複している。下側二次空気流路部24Bの二次空気出口40B(40)は、一次空気出口36より下方に位置している。左右方向D3において、一次空気出口36と下側二次空気流路部24Bの二次空気出口40Bとは少なくとも一部が互いに重複している。上側二次空気流路部24Aの二次空気出口40Aは、一次空気出口36を挟んで下側二次空気流路部24Bの二次空気出口40Bとは反対側に位置している。
第1実施形態では、二次空気出口40は、内側出口42と内側出口42より一次空気出口36から離れて位置する外側出口44とを含む。つまり、上側二次空気流路部24Aの二次空気出口40Aは、内側出口42A(42)と外側出口44A(44)とを含む。下側二次空気流路部24Bの二次空気出口40Bは、内側出口42B(42)と外側出口44B(44)とを含む。そして、正面視において、上方から順に、二次空気出口40Aの外側出口44A、二次空気出口40Aの内側出口42A、一次空気出口36、二次空気出口40Bの内側出口42B、及び二次空気出口40Bの外側出口44Bが並んでいる。
外側出口44は、二次空気A2が流出するように構成される。第1実施形態では、図4に例示するように、外側出口44は空気供給装置102から供給される燃焼用空気Aを二次空気A2として流出する。尚、第1実施形態では、正面視において、外側出口44は矩形状を有しているが、本開示はこの形態に限定されない。
内側出口42は、外側出口44から流出される二次空気A2より酸素濃度の低い低酸素二次空気A3が流出するように構成される。第1実施形態では、図4に例示するように、低酸素二次空気A3は、火炉2から流出された排ガスGの一部を火炉2に循環させた循環ガスEgである。尚、第1実施形態では、正面視において、内側出口42は矩形状を有しているが、本開示はこの形態に限定されない。
図3に例示するように、正面視において、主孔32の噴出方向D4は、二次空気出口40と交差しない方向に配向される。さらに、正面視において、副孔34の噴出方向D5は、二次空気出口40と交差する方向に配向される。第1実施形態では、第1主孔32Aの噴出方向D4は左方であり、第2主孔32Bの噴出方向D4は右方である。第1副孔34Aの噴出方向D5は上方であり、第2副孔34Bの噴出方向D5は下方である。
図5は、第1実施形態に係る主孔32の噴出方向D4を説明するための図であって、ノズル20の先端部26を鉛直方向D2に沿って視た図である。図6は、第1実施形態に係る副孔34の噴出方向D5を説明するための図であって、ノズル20の先端部26を左右方向D3に沿って視た図である。
図5に例示するように、第1実施形態では、ノズル20の先端部26は、左方又は右方に面する平らな第1端面37を含む。第1端面37は、ノズル20の先端部26の軸線方向D1の最も一方側(燃焼空間6側)の先端面41と側面43とを接続している。主孔32はこの第1端面37に形成されており、主孔32の噴出方向D4はこの第1端面37と直交する方向である。そして、主孔32の噴出方向D4とノズル20の軸線方向D1とによって形成される角度をθ1とする。
図6に例示するように、第1実施形態では、ノズル20の先端部26は上方又は下方に面する平らな第2端面39を含む。第2端面39は、ノズル20の先端部26の先端面41と側面43とを接続している。副孔34はこの第2端面39に形成されており、副孔34の噴出方向D5はこの第2端面39と直交する方向である。そして、副孔34の噴出方向D5とノズル20の軸線方向D1とによって形成される角度をθ2とする。第1実施形態では、θ1<θ2を満たす。
保炎器50は、図4に例示するように、ノズル20の先端部26に設けられ、一次空気出口36に向かうにつれてノズル20の軸線Oから離間する保炎面52を有する。第1実施形態では、保炎器50は、ノズル20の先端部26からノズル20の軸線Oを中心とする径方向の外側に向かって延びる複数の翼54を含む。複数の翼54は、ノズル20の軸線Oを中心とする周方向に沿って並んで配置される。例えば、15個の翼54が、周方向に沿って24度の間隔で配置される。
尚、第1実施形態では、保炎器50は、複数の翼54を含む羽根式の保炎器(いわゆる、スワラ-と呼ばれる)であったが、本開示はこの形態に限定されない。幾つかの実施形態では、保炎器50は、ノズル20の先端部26を囲うプレート部を含むお皿式の保炎器(いわゆるディフューザと呼ばれる)である。尚、プレート部にはノズル20の先端部26が嵌め込まれる孔が形成されている。保炎器50がプレート部を含む場合、保炎器50の保炎面52は、プレート部のノズル20の軸線方向D1の一方側(燃焼空間6側)の面である。
図7は、第1実施形態に係る保炎器50の保炎面52を説明するための図である。第1実施形態では、保炎面52は、ノズル20の軸線方向D1の一方側(燃焼空間6側)に面する翼54の後縁53である。翼54の後縁53とノズル20の軸線方向D1とによって形成される角度をθ3とすると、θ2≦θ3を満たす。幾つかの実施形態では、翼54の後縁53とノズル20の先端部26とが接触する接点をPとすると、接点Pを通過する接線59とノズル20の軸線Oとによって形成される角度θ31は、θ2≦θ31を満たす。
(作用・効果)
第1実施形態に係るガスバーナ4の作用・効果について説明する。水素は従来からのガス燃料に含まれる成分と比較して燃焼速度が大きい。このため、ガス燃料Fに水素が含まれる場合、ガスバーナ4の保炎のために用いられるガス燃料Fの量を少なくすることができる。一方で、水素と酸素との混合が速やかに行われるので、ガス燃料Fが燃焼される燃焼空間6の温度を速やかに高くし、窒素酸化物(NOx)の発生を促進してしまう。
これに対して、第1実施形態によれば、図3に例示したように、正面視において、副孔34の噴出方向D5は、二次空気出口40と交差する方向に配向される。このため、副孔34から噴出される少量のガス燃料Fを、二次空気出口40から流出する二次空気A2や低酸素二次空気A3と速やかに接触させて、保炎性を高めることができる。つまり、少量のガス燃料Fで保炎性を確保することができる。
さらに、図3に例示したように、正面視において、主孔32の噴出方向D4は、二次空気出口40と交差しない方向に配向される。このため、主孔32から噴出される大量のガス燃料Fは、副孔34から噴出されるガス燃料Fよりも遅れて、二次空気出口40から流出する二次空気A2や低酸素二次空気A3と接触する。つまり、主孔32から噴出されるガス燃料Fは、ノズル20の先端部26から軸線方向D1の一方側(燃焼空間6の奥行側)に離間した比較的酸素濃度の低い領域に流れ込む。このため、水素と酸素との混合を緩やかにするとともに、緩慢燃焼の促進が行われて、燃焼空間6の昇温を抑制し、NOxの発生を抑制することができる。よって、水素を含むガス燃料を用いる場合に好適な燃焼状態(保炎性の確保とNOxの発生の抑制)を実現することができる。
第1実施形態によれば、内側出口42からは低酸素二次空気A3が流出され、外側出口44からは二次空気A2が流出される。このため、外側出口44から流出する二次空気A2に先行して内側出口42から流出する低酸素二次空気A3を、主孔32から噴出されるガス燃料Fに接触させる。このため、水素と酸素との混合をさらに緩やかにし、燃焼空間6の昇温をさらに抑制することができる。
第1実施形態によれば、第1主孔32Aの噴出方向D4は左方であり、第2主孔32Bの噴出方向D4は右方である。このため、ノズル20(主噴出部28)は、燃焼空間6に左右方向D3に幅広くガス燃料Fを噴出することができる。
第1実施形態によれば、第1副孔34Aの噴出方向D5は上方であり、第2副孔34Bの噴出方向D5は下方である。このため、ノズル20(副噴出部30)は、燃焼空間6に鉛直方向D2に幅広くガス燃料Fを噴出することができる。
第1実施形態によれば、θ1<θ2を満たすので、副孔34から噴出される少量のガス燃料Fと二次空気出口40から流出する二次空気A2や低酸素二次空気A3との接触を速めつつ、主孔32から噴出される大量のガス燃料Fと二次空気出口40から流出する二次空気A2や低酸素二次空気A3との接触を遅らせることができる。
幾つかの実施形態では、θ1<θ2、及び15度<θ1<45度を満たす。θ1が45度を超えると、軸線方向D1の一方側に噴出するガス燃料Fの運動量が減少し、燃焼空間6の奥行側へのガス燃料Fの供給が不十分になる場合がある。この場合、燃焼空間6内において局所的な発熱率の変動が発生し、燃焼振動が発生しやすくなる。つまり、燃焼空間6の圧力変動による燃焼振動のポテンシャルが大きくなる。また、θ1が15度未満になると、長炎化が過剰となり熱吸収特性に影響を与える。このため、15度<θ1<45度を満たすことで、燃焼振動を抑制できると共に、適度な長炎化による緩慢燃焼で燃焼空間6の昇温を抑制することができる。
幾つかの実施形態では、θ1<θ2、及び35度<θ2<55度を満たす。θ2が55度を超えると、保炎器50近傍での保炎性が強くなり過ぎるため、保炎器50の焼損ポテンシャルが大きくなると共に、NOxの発生を促進させる虞がある。また、θ2が35度未満であると、保炎器50による保炎効果が弱くなり、振動ポテンシャルが上昇する。35度<θ2<55度を満たすことで、燃焼振動、保炎器50の損傷、及びNOxの発生をバランスよく抑制することができる。
第1実施形態によれば、θ2≦θ3を満たすので、副孔34から噴出されるガス燃料Fと一次空気A1との接触によって発生する火炎Xによる保炎器50の損傷を抑制することができる。
ところで、第1実施形態では、ノズル20の先端部26には2つの主孔32と2つの副孔34とが形成されていたが、主噴出部28が副噴出部30より多くのガス燃料Fを噴出可能であれば、本開示はこの形態に限定されない。幾つかの実施形態では、ノズル20の先端部26には、1つ又は3つ以上の主孔32が形成される。幾つかの実施形態では、ノズル20の先端部26には、1つ又は3つ以上の副孔34が形成される。
図8は、幾つかの実施形態に係るノズル20の先端部26の構成を示す図である。図8に例示する形態では、主噴出部28は、副孔34の数より多い複数の主孔32を含む。この場合、主孔32が副孔34よりも小径、あるいは副孔34と同径であったとしても、主噴出部28は副噴出部30より多くのガス燃料Fを噴出できる。
<第2実施形態>
本開示の第2実施形態に係るガスバーナ4について説明する。第2実施形態は、第1実施形態に係る主孔32の形状を限定したものである。第2実施形態において、第1実施形態の構成要件と同じものは同じ参照符号を付し、その詳細な説明は省略する。
図9は、第2実施形態に係るノズル20の先端部26の構成を示す図である。第2実施形態では、図9に例示するように、正面視において、主孔32は鉛直方向D2に沿って長手方向を有する楕円形状を有している。そして、主孔32の長軸(長手方向)の長さをL、主孔32の短軸(短手方向)の長さをWとすると、2×W<Lを満たす。尚、説明を簡略化するため、第1主孔32Aと第2主孔32Bとは、互いに同一形状、且つ同一面積であるとする。
第2実施形態によれば、一次空気A1又は二次空気A2が主孔32から噴出されるガス燃料Fよりノズル20の径方向の内側の領域R(図9参照)に流れ込むことを抑制することができる。つまり、水素と酸素との混合を遅らせ、NOxの発生をさらに抑制することができる。
尚、第2実施形態では、主孔32は楕円形状を有していたが、本開示はこの形態に限定されない。第2実施形態の変形例では、図10に例示するように、主孔32は、弧形状(翼形状)を有する。この主孔32の形状は、主孔32の長手方向の一方側の一端60と長手方向の一方側の他端62とを通過し、ノズル20の軸線O側とは反対側に突出するキャンバーライン63(中心線)に基づいて形成される。主孔32の形状のうち主孔32の一端60と他端62とを接続し、キャンバーライン63よりもノズル20の軸線O側とは反対側に位置するラインを外側ライン64とし、キャンバーライン63よりもノズル20の軸線O側に位置するラインを内側ライン66とする。キャンバーライン63と直交するとともに、外側ライン64と内側ライン66とを接続する直線のうち最も長い直線70の長さをWとし、キャンバーライン63の長さをLとすると、2×W<Lを満たす。
<第3実施形態>
本開示の第3実施形態に係るガスバーナ4について説明する。第3実施形態では、第1実施形態とは異なり主孔32の噴出方向D4が二次空気出口40と交差する方向に配向されている。第1実施形態の構成要件と同じものは同じ参照符号を付し、その詳細な説明は省略する。
図11は、第3実施形態に係るガスバーナの構成を概略的に示す図である。第3実施形態では、図11に例示するように、主噴出部28は2つの主孔32を含む。第1主孔32C(32)は、鉛直方向D2において、ノズル20の軸線Oを挟んで第2主孔32D(32)とは反対側に位置している。第1主孔32Cはノズル20の軸線Oより上側に位置し、第2主孔32Dはノズル20の軸線Oより下側に位置している。
第1実施形態では、図11に例示するように、副噴出部30は2つの副孔34を含む。第1副孔34C(34)は、左右方向D3において、ノズル20の軸線Oを挟んで第2副孔34D(34)とは反対側に位置している。第1副孔34Cはノズル20の軸線Oより左側に位置し、第2副孔34Dはノズル20の軸線Oより右側に位置している。
第1主孔32C及び第2主孔32Cのそれぞれは、左右方向D3において、第1副孔34Cと第2副孔34Dとの間に位置している。第1副孔34C及び第2副孔34Dのそれぞれは、鉛直方向D2において、第1主孔32Cと第2主孔32Dとの間に位置している。
第1主孔32Cは、第1副孔34C及び第2副孔34Dのそれぞれより大径である。第2主孔32Dは、第1副孔34C及び第2副孔34Dのそれぞれより大径である。第1主孔32Cと第2主孔32Dとは同径である。第1副孔34Cと第2副孔34Dとは同径である。このように、主孔32の開口面積の合計は副孔34の開口面積の合計よりも大きく、主噴出部28は副噴出部30より多くのガス燃料Fを噴出できるようになっている。
第3実施形態では、図11に例示するように、正面視において、主孔32の噴出方向D4は、二次空気出口40と交差する方向に配向される。図11に例示する形態では、第1主孔32Cの噴出方向D4は上方であり、第2主孔32Dの噴出方向D4は下方である。第1副孔34Cの噴出方向D5は左方であり、第2副孔34Dの噴出方向D5は右方である。幾つかの実施形態では、主孔32の噴出方向D4を二次空気出口40と交差する方向に配向するか否かを切り換え可能であるように、ノズル20の先端部26はノズル20の軸線Oを中心として回転可能に構成されている。
図12は、第3実施形態に係る二次空気出口40のレイアウトを説明するための図である。図12に示すように、ノズル20の軸線Oから鉛直方向D2に沿って直線状に仮想線72を延ばす。この仮想線72が一次空気出口36の周縁と交差する点を第1交差点74とする。さらに、この仮想線72が二次空気出口40の周縁のうち最初に交差する点を第2交差点76とする。図12に例示する形態では、第2交差点76は、仮想線72が内側出口42の周縁のうち最初に交差する点である。第1交差点74とノズル20の軸線Oとの間の距離をrとし、第2交差点76とノズル20の軸線Oとの間の距離をdとすると、2×r≦dを満たす。
第3実施形態によれば、二次空気出口40は、2×r≦dを満たすように、ノズル20の先端部26から離間しているので、主孔32から噴出されるガス燃料Fと二次空気出口40から流出する二次空気A2や低酸素二次空気A3との接触を遅らせることができる。このため、水素と酸素との混合を緩やかにすることで燃焼空間6の昇温を抑制し、NOxの発生を抑制することができる。
本開示では、図2に例示して説明したように、火炉2は矩形状の燃焼空間6を有し、4つのガスバーナ4のそれぞれが、燃焼空間6の矩形状の角部21にガス燃料Fを噴出するように火炉2に設けられていたが、本開示はこの形態に限定されない。図13A、図13B、及び図13Cのそれぞれは、幾つかの実施形態に係る火炉2の内部構成を概略的に示す図である。
幾つかの実施形態では、図13Aに例示するように、4つのガスバーナ4(4A、4B、4C、4D)のそれぞれは、火炉11を上方から見たときに火炎Xが燃焼空間6の中央部23で旋回する旋回燃焼を行うように配置されている。第1ガスバーナ4Aは、第1炉壁8の壁面に配置されている。第2ガスバーナ4Bは、第2炉壁10の壁面に配置されている。第3ガスバーナ4Cは、第3炉壁12の壁面に配置されている。第4ガスバーナ4Dは、第4炉壁14の壁面に配置されている。
幾つかの実施形態では、図13Bに例示するように、燃焼空間6は8角形状を有する。火炉2は、第1炉壁8の一端部16と第3炉壁12の第1炉壁16側の一端部80とを接続する第1コーナ部82と、第3炉壁12の第2炉壁10側の他端部84と第2炉壁10の一端部18とを接続する第2コーナ部86と、第2炉壁10の他端部19と第4炉壁14の第2炉壁10側の他端部88とを接続する第3コーナ部90と、第4炉壁14の第1炉壁8側の一端部92と第1炉壁8の他端部17とを接続する第4コーナ部94とを含む。火炉2の燃焼空間6は、第1炉壁8、第2炉壁10、第3炉壁12、第4炉壁14、第1コーナ部82、第2コーナ部86、第3コーナ部90及び第4コーナ部94によって囲われることで8角形状に形成されている。第1ガスバーナ4Aは、第4コーナ部94の壁面に配置されている。第2ガスバーナ4Bは、第2コーナ部86の壁面に配置されている。第3ガスバーナ4Cは、第1コーナ部82の壁面に配置されている。第4ガスバーナ4Dは、第3コーナ部90の壁面に配置されている。
幾つかの実施形態では、図13Cに例示するように、燃焼空間6は長方形状を有する。図13Cに例示する形態では、第1炉壁8及び第2炉壁10のそれぞれが燃焼空間6の長方形状の短辺を形成し、第3炉壁12及び第4炉壁14のそれぞれが燃焼空間6の長方形状の長辺を形成している。火炉2には8つのガスバーナ4が設けられており、4つのガスバーナ4で火炎Xが旋回燃焼を行うように配置されている。図13に例示する形態では、8つのガスバーナ4で2つの火炎Xが旋回燃焼を行っている。8つのガスバーナ4のそれぞれは、第3炉壁12の壁面、又は第4炉壁14の壁面の何れかに配置されている。
上記各実施形態に記載の内容は、例えば以下のように把握される。
[1]本開示に係るガスバーナ(4)は、
水素を含むガス燃料(F)を燃焼するためのガスバーナであって、
前記ガス燃料を噴出する主噴出部(28)であって少なくとも1つの主孔(32)を含む主噴出部、及び前記主噴出部よりも少量の前記ガス燃料を噴出する副噴出部(30)であって少なくとも1つの副孔(34)を含む副噴出部、が先端部(26)に形成されるノズル(20)と、
前記ノズルの軸線方向(D1)に沿って視認した正面視において、前記ノズルの前記先端部の周囲を囲むとともに、一次空気(A1)が流出する一次空気出口(36)を形成する一次空気流路部(22)と、
前記正面視において、前記一次空気出口の上方または下方に位置するとともに、二次空気(A2)が流出する二次空気出口(40)を形成する二次空気流路部(24)と、を備え、
前記正面視において、前記少なくとも1つの副孔の噴出方向(D5)は、前記二次空気出口と交差する方向に配向され、前記少なくとも1つの主孔の噴出方向(D4)は、前記二次空気出口と交差しない方向に配向される。
水素は従来からのガス燃料に含まれる成分と比較して燃焼速度が大きい。このため、ガス燃料に水素が含まれる場合、ガスバーナの保炎のために用いられるガス燃料の量を少なくすることができる。一方で、水素と酸素との混合が速やかに行われるので、ガス燃料が燃焼される燃焼空間の温度を速やかに高くし、窒素酸化物(NOx)の発生を促進してしまう。上記[1]に記載の構成によれば、副噴出部の副孔から噴出される少量のガス燃料を、二次空気出口から流出する二次空気と速やかに接触させて、保炎性を高めることができる。つまり、少量のガス燃料で保炎性を確保することができる。さらに、主噴出部の主孔から噴出される大量のガス燃料は、副孔から噴出されるガス燃料よりも遅れて、二次空気出口から流出する二次空気と接触する。つまり、主孔から噴出されるガス燃料は、ノズルの先端部から離間した比較的酸素濃度の低い領域に流れ込む。このため、水素と酸素との混合を緩やかにするとともに、緩慢燃焼の促進が行われて、燃焼空間の昇温を抑制し、NOxの発生を抑制することができる。よって、水素を含むガス燃料を用いる場合に好適な燃焼状態(保炎性の確保とNOxの発生の抑制)を実現することができる。
[2]幾つかの実施形態では、上記[1]に記載の構成において、
前記二次空気出口は、内側出口(42)と前記内側出口より前記一次空気出口から離れて位置する外側出口(44)とを含み、
前記外側出口は、前記二次空気が流出するように構成され、
前記内側出口は、前記外側出口から流出される前記二次空気より酸素濃度の低い低酸素二次空気(A3)が流出するように構成される。
上記[2]に記載の構成によれば、外側出口から流出する二次空気に先行して内側出口から流出する低酸素二次空気を、主孔から噴出される水素ガス燃料に接触させる。このため、水素と酸素との混合をさらに緩やかにし、燃焼空間の昇温をさらに抑制することができる。
[3]幾つかの実施形態では、上記[1]又は[2]に記載の構成において、
前記ノズルの前記先端部を鉛直方向(D2)に沿って視認した場合に、前記主孔の噴出方向と前記ノズルの前記軸線方向とによって形成される角度をθ1とし、
前記ノズルの前記先端部を前記ノズルの前記軸線方向及び前記鉛直方向のそれぞれと直交する方向に沿って視認した場合に、前記副孔の噴出方向と前記ノズルの前記軸線方向とによって形成される角度をθ2とすると、
θ1<θ2を満たす。
上記[3]に記載の構成によれば、副噴出部の副孔から噴出される少量のガス燃料と二次空気との接触を速めつつ、主噴出部の主孔から噴出される大量のガス燃料と二次空気との接触を遅らせることができる。
[4]幾つかの実施形態では、上記[3]に記載の構成において、
前記ノズルの前記先端部に設けられ、前記一次空気出口に向かうにつれて前記ノズルの軸線から離間する保炎面(52)を有する保炎器(50)をさらに備え、
前記保炎面と前記ノズルの前記軸線方向とによって形成される角度をθ3とすると、
θ2≦θ3を満たす。
上記[4]に記載の構成によれば、副噴出部の副孔から噴出されるガス燃料(より具体的には、副孔から噴出されるガス燃料と一次空気との接触によって発生する火炎)による保炎器の損傷を抑制することができる。
[5]幾つかの実施形態では、上記[3]又は[4]に記載の構成において、
15度<θ1<45度を満たす。
θ1が45度を超えると、燃焼空間の圧力変動による燃焼振動のポテンシャルが大きくなる。また、θ1が15度未満になると、長炎化が過剰となり熱吸収特性に影響を与える。このため、上記[5]に記載の構成によれば、燃焼振動を抑制できると共に、適度な長炎化による緩慢燃焼で燃焼空間の昇温を抑制することができる。
[6]幾つかの実施形態では、上記[3]又は[4]に記載の構成において、
35度<θ2<55度を満たす。
θ2が55度を超えると、保炎器近傍での保炎性が強くなり過ぎるため、保炎器の焼損ポテンシャルが大きくなると共に、NOxの発生を促進させる虞がある。また、θ2が35度未満であると、保炎効果が弱くなり振動ポテンシャルが上昇する。このため、上記[6]に記載の構成によれば、燃焼振動、保炎器の損傷、及びNOxの発生をバランスよく抑制することができる。
[7]幾つかの実施形態では、上記[1]から[6]の何れか1つに記載の構成において、
前記正面視において、前記少なくとも1つの主孔は長手形状を有し、前記少なくとも1つの主孔の長手方向の長さをL、前記少なくとも1つの主孔の短手方向の長さをWとすると、
2×W<Lを満たす。
上記[7]に記載の構成によれば、一次空気又は二次空気が主孔から噴出されるガス燃料よりノズルの径方向の内側の領域に流れ込むことを抑制することができる。つまり、水素と酸素との混合を遅らせ、NOxの発生をさらに抑制することができる。
[8]幾つかの実施形態では、上記[1]から[7]の何れか1つに記載の構成において、
前記主噴出部は、前記少なくとも1つの副孔より大径の前記少なくとも1つの主孔を含む。
上記[8]に記載の構成によれば、主噴出部は、副噴出部よりも大量のガス燃料の噴出を実現することができる。
[9]幾つかの実施形態では、上記[1]から[8]の何れか1つに記載の構成において、
前記主噴出部は、前記少なくとも1つの副孔の数より多い前記複数の主孔を含む。
上記[9]に記載の構成によれば、主噴出部は、副噴出部よりも大量のガス燃料の噴出を実現することができる。
[10]幾つかの実施形態では、上記[1]から[9]の何れか1つに記載の構成において、
前記少なくとも1つの主孔は、第1主孔(32A)と第2主孔(32B)とを含み、
前記正面視において、前記第1主孔は、左右方向(D3)において前記ノズルの軸線を挟んで前記第2主孔とは反対側に位置し、
前記第1主孔の噴出方向は、前記第2主孔の噴出方向と反対となるように配向されている。
上記[10]に記載の構成によれば、主噴出部は、左右方向に幅広くガス燃料を噴出することができる。
[11]幾つかの実施形態では、上記[1]から[10]の何れか1つに記載の構成において、
前記少なくとも1つの副孔は、第1副孔(34A)と第2副孔(34B)とを含み、
前記正面視において、前記第1副孔は、鉛直方向において前記ノズルの軸線を挟んで前記第2副孔とは反対側に位置し、
前記第1副孔の噴出方向は、前記第2副孔の噴出方向と反対となるように配向されている。
上記[11]に記載の構成によれば、副噴出部は、上下方向の両方にガス燃料を噴出することができる。
[12]本開示に係るガスバーナは、
水素を含むガス燃料を燃焼するためのガスバーナであって、
前記ガス燃料を噴出する主噴出部であって少なくとも1つの主孔を含む主噴出部、及び前記主噴出部よりも少量の前記ガス燃料を噴出する副噴出部であって少なくとも1つの副孔を含む副噴出部、が先端部に形成されるノズルと、
前記ノズルの軸線方向に沿って視認した正面視において、前記ノズルの前記先端部の周囲を囲むとともに、一次空気が流出する一次空気出口を形成する一次空気流路部と、
前記正面視において、前記一次空気出口の上方または下方に位置するとともに、二次空気が流出する二次空気出口を形成する二次空気流路部と、を備え、
前記ノズルの軸線から鉛直方向に沿って直線状に仮想線(72)を延ばした場合に、
前記仮想線が前記一次空気出口の周縁と交差する第1交差点(74)と前記ノズルの前記軸線との間の距離をrとし、前記仮想線が前記二次空気出口の周縁のうち最初に交差する第2交差点(76)と前記ノズルの前記軸線との間の距離をdとすると、
2×r≦dを満たし、
前記正面視において、前記少なくとも1つの主孔の噴出方向は、前記二次空気出口と交差する方向に配向される。
上記[12]に記載の構成によれば、二次空気出口は、2×r≦dを満たすように、主噴出部が形成されるノズルの先端部から離間しているので、主噴出部の主孔から噴出されるガス燃料と二次空気出口から流出する二次空気との接触を遅らせることができる。このため、水素と酸素との混合を緩やかにすることで燃焼空間の昇温を抑制し、NOxの発生を抑制することができる。
[13]幾つかの実施形態では、上記[1]から[12]の何れか1つに記載の構成において、
前記ガスバーナは、炉に面する端面の形状が鉛直方向に沿って長手方向を有する矩形状の角型バーナである。
上記[13]に記載の構成によれば、上記[1]から[12]の何れか1つに記載の構成を、角型バーナに適用できる。
[14]幾つかの実施形態では、燃焼設備は、
火炉(2)と、
前記火炉に設けられる上記[1]から[13]の何れか1つに記載のガスバーナと、を備える。
上記[14]に記載の構成によれば、水素を含むガス燃料を用いるガスバーナを備える場合であっても、火炉内を好適な燃焼状態に維持することができる。
1 燃焼設備
2 火炉
4 ガスバーナ
20 ノズル
22 一次空気流路部
24 二次空気流路部
26 ノズルの先端部
28 主噴出部
30 副噴出部
32 主孔
32A 第1主孔
32B 第2主孔
34 副孔
34A 第1副孔
34B 第2副孔
36 一次空気出口
40 二次空気出口
42 内側出口
44 外側出口
50 保炎器
52 保炎面
72 仮想線
74 第1交差点
76 第2交差点

A 燃焼用空気
A1 一次空気
A2 二次空気
A3 低酸素二次空気
D1 軸線方向
D2 鉛直方向
D3 左右方向
D4 主孔の噴出方向
D5 副孔の噴出方向
F ガス燃料
G 排ガス
O ノズルの軸線

Claims (14)

  1. 水素を含むガス燃料を燃焼するためのガスバーナであって、
    前記ガス燃料を噴出する主噴出部であって少なくとも1つの主孔を含む主噴出部、及び前記主噴出部よりも少量の前記ガス燃料を噴出する副噴出部であって少なくとも1つの副孔を含む副噴出部、が先端部に形成されるノズルと、
    前記ノズルの軸線方向に沿って視認した正面視において、前記ノズルの前記先端部の周囲を囲むとともに、一次空気が流出する一次空気出口を形成する一次空気流路部と、
    前記正面視において、前記一次空気出口の上方または下方に位置するとともに、二次空気が流出する二次空気出口を形成する二次空気流路部と、を備え、
    前記正面視において、前記少なくとも1つの副孔の噴出方向は、前記二次空気出口と交差する方向に配向され、前記少なくとも1つの主孔の噴出方向は、前記二次空気出口と交差しない方向に配向される、
    ガスバーナ。
  2. 前記二次空気出口は、内側出口と前記内側出口より前記一次空気出口から離れて位置する外側出口とを含み、
    前記外側出口は、前記二次空気が流出するように構成され、
    前記内側出口は、前記外側出口から流出される前記二次空気より酸素濃度の低い低酸素二次空気が流出するように構成される、
    請求項1に記載のガスバーナ。
  3. 前記ノズルの前記先端部を鉛直方向に沿って視認した場合に、前記主孔の噴出方向と前記ノズルの前記軸線方向とによって形成される角度をθ1とし、
    前記ノズルの前記先端部を前記ノズルの前記軸線方向及び前記鉛直方向のそれぞれと直交する方向に沿って視認した場合に、前記副孔の噴出方向と前記ノズルの前記軸線方向とによって形成される角度をθ2とすると、
    θ1<θ2を満たす、
    請求項1又は2に記載のガスバーナ。
  4. 前記ノズルの前記先端部に設けられ、前記一次空気出口に向かうにつれて前記ノズルの軸線から離間する保炎面を有する保炎器をさらに備え、
    前記保炎面と前記ノズルの前記軸線方向とによって形成される角度をθ3とすると、
    θ2≦θ3を満たす、
    請求項3に記載のガスバーナ。
  5. 15度<θ1<45度を満たす、
    請求項3又は4に記載のガスバーナ。
  6. 35度<θ2<55度を満たす、
    請求項3又は4に記載のガスバーナ。
  7. 前記正面視において、前記少なくとも1つの主孔は長手形状を有し、前記少なくとも1つの主孔の長手方向の長さをL、前記少なくとも1つの主孔の短手方向の長さをWとすると、
    2×W<Lを満たす、
    請求項1から6の何れか一項に記載のガスバーナ。
  8. 前記主噴出部は、前記少なくとも1つの副孔より大径の前記少なくとも1つの主孔を含む、
    請求項1から7の何れか一項に記載のガスバーナ。
  9. 前記主噴出部は、前記少なくとも1つの副孔の数より多い前記複数の主孔を含む、
    請求項1から8の何れか一項に記載のガスバーナ。
  10. 前記少なくとも1つの主孔は、第1主孔と第2主孔とを含み、
    前記正面視において、前記第1主孔は、左右方向において前記ノズルの軸線を挟んで前記第2主孔とは反対側に位置し、
    前記第1主孔の噴出方向は、前記第2主孔の噴出方向と反対となるように配向されている、
    請求項1から9の何れか一項に記載のガスバーナ。
  11. 前記少なくとも1つの副孔は、第1副孔と第2副孔とを含み、
    前記正面視において、前記第1副孔は、鉛直方向において前記ノズルの軸線を挟んで前記第2副孔とは反対側に位置し、
    前記第1副孔の噴出方向は、前記第2副孔の噴出方向と反対となるように配向されている、
    請求項1から10の何れか一項に記載のガスバーナ。
  12. 水素を含むガス燃料を燃焼するためのガスバーナであって、
    前記ガス燃料を噴出する主噴出部であって少なくとも1つの主孔を含む主噴出部、及び前記主噴出部よりも少量の前記ガス燃料を噴出する副噴出部であって少なくとも1つの副孔を含む副噴出部、が先端部に形成されるノズルと、
    前記ノズルの軸線方向に沿って視認した正面視において、前記ノズルの前記先端部の周囲を囲むとともに、一次空気が流出する一次空気出口を形成する一次空気流路部と、
    前記正面視において、前記一次空気出口の上方または下方に位置するとともに、二次空気が流出する二次空気出口を形成する二次空気流路部と、を備え、
    前記ノズルの軸線から鉛直方向に沿って直線状に仮想線を延ばした場合に、
    前記仮想線が前記一次空気出口の周縁と交差する第1交差点と前記ノズルの前記軸線との間の距離をrとし、前記仮想線が前記二次空気出口の周縁のうち最初に交差する第2交差点と前記ノズルの前記軸線との間の距離をdとすると、
    2×r≦dを満たし、
    前記正面視において、前記少なくとも1つの主孔の噴出方向は、前記二次空気出口と交差する方向に配向される、
    ガスバーナ。
  13. 前記ガスバーナは、炉に面する端面の形状が鉛直方向に沿って長手方向を有する矩形状の角型バーナである、
    請求項1から12の何れか一項に記載のガスバーナ。
  14. 火炉と、
    前記火炉に設けられる請求項1から請求項13の何れか一項に記載のガスバーナと、を備える、
    燃焼設備。
JP2021160794A 2021-09-30 2021-09-30 ガスバーナ、及び燃焼設備 Pending JP2023050605A (ja)

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