JP2023049685A - 洗車機、および洗車機の制御方法 - Google Patents

洗車機、および洗車機の制御方法 Download PDF

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Abstract

【課題】タイヤにタイヤワックスをより確実に塗布し、タイヤに塗布するタイヤワックスの濃度を低減する。【解決手段】洗車機(2)は、車両に対する前後方向への相対移動により車両を洗車する洗車機本体(4)と、洗車機本体に取り付けられたブラシ(50)および当接部材(86)と、洗車機本体に取り付けられブラシにタイヤワックスを吐出するタイヤワックスノズル(56、58、82)とを備える。ブラシはタイヤワックスが付着した状態、かつ、タイヤに当接した状態において、タイヤの側面に略垂直な方向を回転軸として回転することにより、タイヤにタイヤワックスを塗布する。また、洗車機本体は、ブラシの毛材(52)が当接部材に当接した状態においてブラシを回転させることによりブラシを洗浄する。【選択図】図1

Description

本開示は、車両を洗浄する洗車機、および当該洗車機の制御方法に関する。
特許文献1は、車両に対し相対移動しつつ車両を洗浄する洗車機本体が含むブラシを用いて、車両表面にワックスを塗布する洗車機を開示する。
特開平8-332927号公報
車両表面に塗布されるワックスとしては、例えば、タイヤの側面に塗布されるタイヤワックスが考えられる。ここで、特許文献1に記載された洗車機の洗車機本体が含むブラシは、タイヤの側面を含む車両の側表面および上面を洗浄することを前提としている。このため、当該ブラシを用いてタイヤにタイヤワックスを塗布する際、タイヤを除く車両の表面へのタイヤワックスの塗布を防止することが困難である。タイヤワックスをタイヤに付与する方法としては、ブラシを用いた塗布ではなく、タイヤの側面にタイヤワックスの吹き付けることも考えられる。しかしながら、タイヤにタイヤワックスを吹き付けるのみによって、タイヤワックスの被膜をタイヤの側面に形成するためには、使用するタイヤワックスの濃度を上げる必要があり、また、タイヤの周囲に余剰のタイヤワックスが飛散する問題がある。
本開示の一態様に係る洗車機は、車両に対する前後方向への相対移動により前記車両を洗車する洗車機本体と、前記洗車機本体に取り付けられたブラシおよびタイヤワックスノズルとを備え、前記ブラシは、前記車両のタイヤに当接しつつ、前記タイヤの側面に略垂直な方向を回転軸として回転し、かつ、待機位置と洗浄位置との間を移動し、前記タイヤワックスノズルは、前記ブラシにタイヤワックスを吐出し、前記洗車機本体は、前記待機位置にある前記ブラシの毛材と当接する当接部材を備え、前記ブラシは、前記待機位置において、前記当接部材と前記毛材とが当接した状態において回転することにより洗浄され、前記洗浄位置において、前記ブラシに前記タイヤワックスが付着した状態、かつ、前記タイヤに当接した状態において回転することにより、前記タイヤに前記タイヤワックスを塗布する。
また、本開示の一態様に係る洗車機の制御方法は、車両に対する前後方向への相対移動により前記車両を洗車する洗車機本体と、前記洗車機本体に取り付けられたブラシ、タイヤワックスノズル、および当接部材とを備えた洗車機の制御方法であって、前記ブラシは、待機位置と洗浄位置との間を移動し、前記タイヤワックスノズルから前記ブラシへタイヤワックスを吐出させる吐出工程と、前記タイヤワックスが付着した前記洗浄位置にある前記ブラシを前記車両のタイヤに当接させつつ前記ブラシを前記タイヤの側面に略垂直な方向を回転軸として回転させることにより前記タイヤに前記タイヤワックスを塗布する塗布工程と、前記当接部材と前記待機位置にある前記ブラシの毛材とを当接させつつ前記ブラシを前記回転軸の回りに回転させることにより前記ブラシを洗浄するブラシ洗浄工程とを含む。
タイヤワックスの濃度を低減しつつ、タイヤにタイヤワックスをより確実に塗布することができる。また、タイヤにタイヤワックスを塗布する際に、タイヤワックスがタイヤの周囲に飛散することを低減する。
実施形態1に係るホイルブラシおよびその近傍を拡大した、洗車機本体の一部分の概略側面図である。 実施形態1に係る洗車機を示す概略側面図、および概略正面図である。 実施形態1に係るホイルブラシの概略正面図である。 実施形態1に係る洗車方法の一例を示すフローチャートである。 実施形態1に係る洗車方法における洗車工程の一部を示すフローチャートである。 実施形態1に係る洗車工程の一部を示す、洗車機の工程正面図である。 実施形態1に係る洗車工程の一部を示す、洗車機の他の工程正面図である。 実施形態1に係る洗車工程の一部を示す、洗車機の他の工程正面図である。 実施形態1に係る洗車工程の一部を示す、洗車機の他の工程正面図である。 実施形態2に係るホイルブラシおよびその近傍を拡大した、洗車機本体の一部分の概略側面図である。 実施形態2に係るホイルブラシの概略正面図である。
〔実施形態1〕
<洗車機の概要>
図2は、本実施形態に係る洗車機2が備える、洗車機本体4とリモートパネル6との概略側面2S、および洗車機本体4の概略正面4Fとを示す模式図である。本実施形態に係る洗車機2は、図2に示すように、被洗浄車両である車両Xの洗車を行う洗車機本体4を備える。洗車機2は、洗車機本体4による車両Xの洗車条件を取得するリモートパネル6を備えていてもよい。図2の洗車機2の概略側面2Sにおいては、車両Xがリモートパネル6よりも、紙面に向かって奥側に位置することを示すために、車両Xの外形を点線にて示す。
図2の洗車機本体4の概略正面4Fに示すように、洗車機本体4は、例えば、2つのフレーム8と、当該2つのフレーム8の上端同士を連結する天井部10とを備える。洗車機本体4は、図2の洗車機2の概略側面2Sに示す、車両Xの進入方向DAに沿って、車両Xが、フレーム8および天井部10によって囲まれた空間4Sを通過できる構造を有している。なお、本明細書において、進入方向DAは、洗車機本体4の正面から背面に向かう方向とする。
洗車機本体4は、例えば、フレーム8のそれぞれの下部に車輪12を有し、図示しない駆動部によって当該車輪12を回転駆動することにより、地面Gに配されたレールRに沿って、車両Xに対し前後方向に相対移動する。レールRは、例えば、進入方向DAに沿って形成されている。ここで、洗車機本体4は、車両Xに対する相対移動を行いつつ、空間4S中の車両Xに対する洗浄を実施する。
洗車機本体4には、清掃部の1つとして、車両X上に摺動してブラッシングする複数の回転ブラシが設けられる。例えば、洗車機本体4が備える回転ブラシは、それぞれが回転モータ(不図示)によって回転するトップブラシ14、サイドブラシ16、およびロッカーブラシ18を含む。トップブラシ14は、車両Xの上面に沿って移動し、車両Xの上面を洗浄する。サイドブラシ16、およびロッカーブラシ18は、車両Xの両側面を洗浄する。特に、ロッカーブラシ18は、車両Xの側面のうち、サイドブラシ16が洗浄可能な部分よりも下方の部分を含む、車両Xの側面下部を洗浄する。
洗車機本体4の側部には、洗剤またはワックス等を含む各種液剤を貯液した複数の貯液タンク(不図示)を収納するタンク収納部20が配される。タンク収納部20の上方には、市水を含む水、または各貯液タンクからの液剤を分配する分配配管部22が設けられる。分配配管部22には、清掃部に含まれる、第1浄水ノズル24、第2浄水ノズル26、第1洗剤ノズル28、第2洗剤ノズル30、撥水コートノズル32、およびワックスノズル34がそれぞれ電磁弁(不図示)を介して導出される。
第1浄水ノズル24、および第2浄水ノズル26は、洗車機本体4の手前側、および奥側にそれぞれ配され、車両Xに対して市水を含む水を噴射する。第1洗剤ノズル28、第2洗剤ノズル30は、洗車機本体4の手前側および奥側にそれぞれ配され、車両Xに対してシャンプー等を含む洗浄液を噴射する。撥水コートノズル32およびワックスノズル34は洗車機本体4の後面に配される。撥水コートノズル32は車両Xに対して撥水コート剤の液剤を噴射する。ワックスノズル34は車両Xに対してワックスを噴射する。
また、洗車機本体4には、気流を発生して車両Xを乾燥させるブロワ36が設けられる。ブロワ36にはトップ送風ノズル38、およびサイド送風ノズル40が接続される。トップ送風ノズル38は、洗車機本体4の中央上部に設けられ、車両Xの天井面に向けて送風する。サイド送風ノズル40は、洗車機本体4の両側部に設けられ、車両Xの側面に向けて送風する。洗車機本体4は、トップ送風ノズル38、およびサイド送風ノズル40の送風によって、洗浄後の車両Xを乾燥させる。
洗車機本体4は、さらに、洗浄する対象である車両Xの外形を測定するためのエリアセンサASを備えていてもよい。例えば、エリアセンサASは、洗車機本体4のフレーム8のそれぞれの前面側かつ空間4S側において、上下方向に複数形成されていてもよい。
エリアセンサASは、例えば、一方のフレーム8に形成された光学素子と他方のフレーム8に形成された光学センサとを含む一対を複数含んでいてもよい。この場合、エリアセンサASは、ある光学素子から出射された赤外線等の電磁波を、当該光学素子に対応する光学センサが検出するか否かを判定することにより、当該光学素子および光学センサの間に車両が存在するか否かを判定してもよい。
エリアセンサASは、例えば、洗車機本体4が車両Xの前側から後側に相対移動する間、車両Xの検出の有無を確認してもよい。これにより、洗車機本体4は、平面視における位置ごとに車両Xの外形を割り出してもよい。制御部44は、エリアセンサASにより割り出された車両Xの外形に基づいて、清掃部の各部を制御し車両Xの洗浄を行ってもよい。
なお、図2においては、図示の簡単のために、上述した、洗車機本体4が備える、車両Xの洗浄のための各装置に関する図示を省略している場合がある。また、図2に示す、洗車機本体4が備える各装置は、単なる例示であり、洗車機本体4は、上述した装置の他、従来公知の構成を含む、車両Xの洗浄のための装置、および当該洗浄を補助する装置を、フレーム8または天井部10に備えていてもよい。
洗車機本体4の一方のフレーム8の前面には操作パネル42が配される。操作パネル42は洗車条件を設定する操作ボタン(不図示)を備え、車両Xから降車したユーザ等の操作により洗車の受け付けまたは洗車条件の設定を行う。
さらに、洗車機2は、洗車機本体4を制御する制御部44を備える。特に、制御部44は、洗車機本体4のレールRに沿った移動、および、清掃部の各部の動作を制御することにより、洗車機本体4による車両Xの洗浄を制御する。制御部44は、図2に示すように、洗車機本体4に備えられていてもよく、あるいは、洗車機本体4の外部に位置していてもよい。制御部44は、不図示の通信装置等により、洗車機本体4または後述するリモートパネル6との間における情報の送受信を行い、洗車機本体4を制御してもよい。制御部44は、例えば、CPU等のプロセッサで構成され、メモリに格納された制御プログラムがプロセッサ上で実行されることにより、各制御が実現される。
リモートパネル6は、例えば、洗車機本体4の前方側に位置し、おおよそ洗車機本体4の移動方向に沿って配置される。また、リモートパネル6は、図2に示すように、その正面が、洗車機本体4により洗浄される前、換言すれば、洗車機本体4の内部に進入する前の車両Xと対向するように配置される。このため、図2においては、リモートパネル6の背面を図示している。
図2に示すように、リモートパネル6は、筐体46と、地面Gに立設された、筐体46を支持する支持柱48とを備える。リモートパネル6は、筐体46に設けられた、不図示のタッチパネルまたはボタン等の操作により、洗車機本体4による車両Xの洗車条件の少なくとも一部を取得してもよい。制御部44は、リモートパネル6が取得した洗車条件の少なくとも一部に基づいて、洗車機本体4を制御し、車両Xを洗浄してもよい。
<ホイルブラシ>
さらに、本実施形態に係る洗車機本体4は、図2に示すように、清掃部が有する回転ブラシの1つとして、各フレーム8に位置する左右一対のホイルブラシ50を備える。各ホイルブラシ50は、例えば、図2の洗車機2の概略側面2Sに示すように、サイドブラシ16よりもさらに洗車機本体4の背面側かつ下方側に位置する。
ホイルブラシ50は、特に、車両Xが備えるタイヤXTの側表面上に摺動してブラッシングすることにより、タイヤXTの側表面を洗浄する回転ブラシである。また、本実施形態に係るホイルブラシ50は、後述するタイヤワックスが付着した状態においてタイヤXTの側表面上に摺動してブラッシングすることにより、タイヤXTの側表面にワックスを塗布する。なお、本実施形態に係るホイルブラシ50は、タイヤXTが装着されるタイヤホイルの側表面を併せて洗浄してもよい。
ホイルブラシ50の詳細について、図1を参照して説明する。図1は、本実施形態に係るホイルブラシ50およびその近傍を拡大した、洗車機本体4の一部分の概略正面図であり、特に、図2の洗車機本体4の概略正面4Fに示す領域Aについて拡大した図である。図1は、後に詳述する、ホイルブラシ50の待機状態WS、伸長状態ES、および当接状態CSのそれぞれにおけるホイルブラシ50を示す。
図1においては、より明瞭にホイルブラシ50およびその近傍に位置する部材を図示するために、洗車機本体4のフレーム8を透過して各部材を示す。また、図1においては、図示の簡単のために、ホイルブラシ50と直接関連しない、サイドブラシ16、ロッカーブラシ18を含む他の回転ブラシを含む、洗車機本体4が備える各部の図示を省略している。
ホイルブラシ50について、図3をさらに参照して詳説する。図3は、ホイルブラシ50およびその近傍について拡大して示す、ホイルブラシ50の概略正面図である。特に、図3は、待機状態WSにおけるホイルブラシ50を図1に示す方向B1からみた概略図と、当接状態CSにおけるホイルブラシ50を図1に示す方向B2からみた概略図とを示す。図3においては、ホイルブラシ50、当該ホイルブラシ50の支持する部材、および、ホイルブラシ50と関連するノズル等の部材のみを抜き出して図示する。
ホイルブラシ50は、複数の毛材52と、取り付け部54とを含む。毛材52のそれぞれは、例えば、取り付け部54に植え込まれることにより取り付けられる。例えば、取り付け部54には、複数の凹部が形成されていてもよく、当該凹部のそれぞれには、複数本の毛材52がまとめられてなる束が植え込まれていてもよい。毛材52は柔軟でありかつある程度の弾性を有する材料を含み、例えば、ポリプロピレンまたはポリエチレンを含んでいてもよい。
毛材52のそれぞれは、取り付け部54の毛材52が取り付けられた表面の略法線方向に延伸する。これにより、毛材52の先端部のそれぞれが、図1に示すホイルブラシ50の洗浄面50Fを形成する。洗浄面50Fは、例えば、取り付け部54の毛材52が取り付けられた表面と略水平方向の面であってもよい。
例えば、毛材52のそれぞれは略同一の長さを有していてもよく、あるいは、少なくとも一つの長さが他の何れかの長さと異なっていてもよい。このため、洗浄面50Fは略面一であってもよく、ある一部分において他の何れかの部分と取り付け部54からの高さが異なっていてもよい。また、毛材52のそれぞれは、取り付け部54の中心から放射状に取り付けられている。取り付け部54の最も周囲端部側に位置する毛材52のそれぞれは、図1に示すホイルブラシ50の側表面50Sを形成する。
さらに、ホイルブラシ50は、中心ノズル56と周囲ノズル58とを含む。中心ノズル56と周囲ノズル58とは、それぞれに供給された液体を噴射するノズルである。中心ノズル56と周囲ノズル58とは、例えば、取り付け部54の、毛材52が取り付けられた表面上に位置し、当該表面の略法線方向に液体を噴射するように形成されている。中心ノズル56は、取り付け部54の中心の近傍に位置し、周囲ノズル58は、中心ノズル56よりも取り付け部54の周囲側に位置する。なお、図1において、中心ノズル56と周囲ノズル58とは、毛材52を透過して示されている。
<ブラシ支持部>
本実施形態において、洗車機本体4は、さらに、各フレーム8に、左右一対のブラシ支持部60を備える。ブラシ支持部60のそれぞれは、ホイルブラシ50のそれぞれをフレーム8に対し支持する。ブラシ支持部60は、回動部62と、ブラシシャフト64とを含む。例えば、回動部62は、ブラシシャフト64が挿入される開口を備える。回動部62は、ブラシシャフト64が開口に挿入された状態において、ブラシシャフト64の長手方向を軸として回動する。ブラシシャフト64は、例えば、地面Gと略水平、かつ、進入方向DAと略直交する方向に長手方向を有する。回動部62は、例えば、不図示のモータ等の動力部によって、ブラシシャフト64回りに回動する。
ブラシ支持部60は、さらに複数のボルト66を備える。ボルト66は、取り付け部54と回動部62とを互いに締め付けて固定する。このため、回動部62のブラシシャフト64回りの回動に伴い、取り付け部54もブラシシャフト64回りに回動する。したがって、ホイルブラシ50は、ブラシシャフト64の長手方向と略同一方向に沿った回転軸50A回りに回動する。
なお、ホイルブラシ50をブラシシャフト64の回りに回動させる上述した動力部は、ホイルブラシ50が回動する速度を切り替え可能であってもよい。例えば、当該動力部は可変電圧可変周波数インバータ等を含んでいてもよい。この場合、制御部44は、ホイルブラシ50がブラシシャフト64の回りの一方方向に回転する場合、その回転速度を動力部の制御を通じて変更してもよい。
ホイルブラシ50の回動に伴い、中心ノズル56と周囲ノズル58とは回動する。ここで、回転軸50Aは、例えば、取り付け部54の中心を通る。このため、中心ノズル56は、ホイルブラシ50の回動に伴って回動するものの位置は大きく変動しない。一方、周囲ノズル58は、ホイルブラシ50の回動に伴い中心ノズル56の周囲を回動する。
本実施形態において、取り付け部54は毛材52の長手方向がブラシシャフト64の長手軸と略同一方向となるように回動部62に対し固定される。したがって、ホイルブラシ50の洗浄面50Fは、回転軸50Aが略法線方向と同一方向となるように形成される。
ブラシ支持部60は、さらに、アーム68を含む。アーム68は、ビーム部70と、ビーム部70の一端に形成された第1シャフト72と、ビーム部70の他端に形成された第2シャフト74とを含む。第1シャフト72と第2シャフト74とは、例えば、進入方向DAと略同一方向に長手方向を有し、それぞれが長手方向を回転軸として、ビーム部70を回動可能に支持する。
第1シャフト72は、例えば、ブラシシャフト64に形成されたブラシシャフト支持部76を貫通し、ブラシシャフト64を回動可能に支持する。第2シャフト74は、洗車機本体4のフレーム8に固定される。このため、ビーム部70が第2シャフト74回りに回動することにより、ホイルブラシ50は第2シャフト74回りに回動する。特に、ビーム部70の第2シャフト74回りに回動に伴い、ホイルブラシ50の洗浄面50Fのフレーム8からの距離が変わる。
例えば、図1に示す待機状態WSにおいて、ビーム部70を第2シャフト74回りに回動させ、第1シャフト72をフレーム8から空間4Sに向かって移動させるとする。この場合、図1の伸長状態ESに示すように、ホイルブラシ50は、待機状態WSと比較して、フレーム8よりも空間4S側に移動する。これにより、ホイルブラシ50は、ホイルブラシ50によるタイヤXTの洗浄等を待機する待機状態WSにおける位置である待機位置と、ホイルブラシ50によるタイヤXTの洗浄等を実行する伸長状態ESにおける位置である洗浄位置との間を移動する。
ここで、ブラシシャフト64は、ビーム部70の第2シャフト74回りの回動に関わらず、長手方向が地面Gと略平行となるように、第1シャフト72回りに回動する。このため、ホイルブラシ50の回転軸50Aは、ホイルブラシ50の位置に関わらず地面Gと略平行となる。
各ブラシ支持部60は、一方のホイルブラシ50の洗浄面50Fが他方のホイルブラシ50の洗浄面50Fと互いに対向するようにホイルブラシ50を支持する。このため、一方のホイルブラシ50が含む中心ノズル56と周囲ノズル58との液体の噴射方向は、他方のホイルブラシ50の洗浄面50Fに向かう方向に向けられている。
制御部44は、ブラシ支持部60の各部の動作の制御を通じて、ホイルブラシ50の回転軸50A回りの回動およびホイルブラシ50の洗浄面50Fのフレーム8からの位置を制御する。一方のフレーム8に位置するブラシ支持部60の各部の動作は、他方のフレーム8に位置するブラシ支持部60の各部の動作と互いに連動していてもよく、あるいは、個々に動作してもよい。また、制御部44は、各アーム68を制御することにより、2つのホイルブラシ50のそれぞれの位置を制御する。換言すれば、制御部44は、左右一対のホイルブラシ50同士の距離を制御する。
<ホースおよび補助ノズル>
本実施形態において、洗車機本体4は、さらに、左右一対の第1ホース78、第2ホース80、および補助ノズル82を備える。加えて、洗車機本体4は、第1ホース78と第2ホース80とは、例えば、2つのフレーム8と天井部10とに渡って門型に形成されたアーチ84を備える。
第1ホース78と第2ホース80とは、内側を液体が流動可能な筒状の部材である。第1ホース78と第2ホース80とはアーチ84と連通する。例えば、洗車機本体4は、液体タンクからの液体を、アーチ84を介して第1ホース78と第2ホース80とのそれぞれに供給する。第1ホース78と第2ホース80とのそれぞれへの液体の供給量は、アーチ84または各ホースの何れかに形成された図示しないバルブ等により制御されてもよい。
第1ホース78はブラシシャフト64および取り付け部54の内部と連通し、取り付け部54の内部に形成された図示しない液体流路を介して、中心ノズル56と周囲ノズル58とのそれぞれと連通する。これにより、洗車機本体4は、第1ホース78を介して中心ノズル56と周囲ノズル58とのそれぞれに液体を供給することにより、中心ノズル56と周囲ノズル58とのそれぞれに液体を噴射させる。
中心ノズル56と周囲ノズル58とのそれぞれへの液体の供給量は、略同一であってもよく、あるいは、図示しないバルブの開閉によって制御されてもよい。また、ホイルブラシ50の移動に伴うブラシシャフト64とアーチ84との距離の変化に追従するため、第1ホース78は十分な長さと柔軟性とを有している。
補助ノズル82は第2ホース80と連通し、第2ホース80を介して供給された液体を噴射するノズルである。補助ノズル82は、洗車機本体4のフレーム8の、待機状態WSにあるホイルブラシ50の上方に固定されている。換言すれば、補助ノズル82は、ホイルブラシ50の側周囲に位置する。このため、ホイルブラシ50が待機状態WSにある場合、補助ノズル82はホイルブラシ50の側表面50Sに対し液体を噴射する。
<ノズルが吐出する液体の種類>
第1ホース78および第2ホース80を介した各ノズルへの液体の供給は、制御部44により制御される。換言すれば、制御部44は、中心ノズル56、周囲ノズル58、および補助ノズル82のそれぞれにおける液体の噴射を制御する。
ここで制御部44は、中心ノズル56、周囲ノズル58、および補助ノズル82のそれぞれに供給する液体の種類を変更することにより、各ノズルが吐出する液体の種類を切り替え可能に変更する。例えば、洗車機本体4は、各ノズルが吐出する液体の種類ごとに個々のアーチ84を備えていてもよく、各アーチ84から各ノズルまでホースが伸びていてもよい。この場合、制御部44は、各ホースに形成されたバルブの開閉を制御することにより、各ノズルが吐出する液体の種類を切り替え可能に変更してもよい。この場合、タンク収納部20が収容する貯液タンクには、複数の種類の液体が貯留していてもよい。
本実施形態に係る中心ノズル56、周囲ノズル58、および補助ノズル82は、タイヤ洗浄液を噴射する。タイヤ洗浄液は、例えば、市水または洗剤を含む、タイヤの洗浄に用いられる従来公知の洗浄液を含んでいてもよい。このため、本実施形態に係る中心ノズル56、周囲ノズル58、および補助ノズル82は、ホイルブラシ50にタイヤ洗浄液を噴射する第1洗浄ノズルとして機能する。
また、本実施形態に係る補助ノズル82は、タイヤワックスを吐出する。タイヤワックスは、例えば、石油系溶剤中にシリコンを溶解させた油性ワックス、または、市水にシリコン微粒子を乳化分散させた水性ワックスを含む、従来公知のタイヤワックスを含んでいてもよい。このため、本実施形態に係る補助ノズル82は、ホイルブラシ50にタイヤワックスを吐出するタイヤワックスノズルとしても機能する。
なお、本実施形態において、中心ノズル56または周囲ノズル58はタイヤワックスを吐出してもよい。ここで、ホイルブラシ50の洗浄面50Fにタイヤワックスを付着させる観点からは、タイヤワックスをホイルブラシ50の毛材52の先端近傍に吐出することが好ましい。このため、タイヤワックスをホイルブラシ50の毛材52の先端近傍に吐出させるためには、ホイルブラシ50の中心または毛材52の内部からタイヤワックスを吐出させるよりも、ホイルブラシ50の周囲からタイヤワックスを吐出させることが好ましい。したがって、補助ノズル82がタイヤワックスを吐出することは、中心ノズル56または周囲ノズル58がタイヤワックスを吐出する場合と比較して、ホイルブラシ50を用いてタイヤワックスをより効率的に車両XのタイヤXTに塗布する観点から好ましい。補助ノズル82は、例えば、タイヤワックスをホイルブラシ50の毛材52の先端から5cm程度の部分に吐出してもよい。
本実施形態に係る中心ノズル56、周囲ノズル58、および補助ノズル82は、ブラシ洗浄液を噴射する。ブラシ洗浄液は、ホイルブラシ50に付着させることによりホイルブラシ50に付着した異物等を取り除きやすくするための洗浄液である。ブラシ洗浄液は、例えば、市水または洗剤を含む、ブラシの洗浄に用いられる従来公知の洗浄液を含んでいてもよい。特に、ブラシ洗浄液は、上述したタイヤワックスが可溶の溶媒を含んでいてもよい。このため、本実施形態に係る中心ノズル56、周囲ノズル58、および補助ノズル82は、ホイルブラシ50にブラシ洗浄液を噴射する第2洗浄ノズルとしても機能する。
なお、本実施形態において、洗車機本体4は、タイヤ洗浄液、タイヤワックス、およびブラシ洗浄液をそれぞれ噴射するノズルを個々に備えていてもよい。この場合、洗車機本体4は、タイヤ洗浄液、タイヤワックス、およびブラシ洗浄液のそれぞれをノズルに供給するアーチ84を複数備えていてもよい。また、洗車機本体4は、各アーチ84から各ノズルまで液体を輸送するホースを、輸送する液体の種類ごとに備えていてもよい。さらに、制御部44は、各ノズルまたは各ホースに形成されたバルブを個々に制御し、液体を噴射させるノズルを切り替え可能に変更することにより、ノズルが噴射する液体の種類を切り替え可能に変更してもよい。
<当接部材>
さらに、本実施形態に係る洗車機本体4は、当接部材86を備える。当接部材86は、例えば、屈曲部と直棒部とを有する円筒形状の部材である。当接部材86は少なくともホイルブラシ50の毛材52よりも硬直であり、例えば、金属等の材料を含む。当接部材86は、例えば、進行方向DAと略同一方向に長手方向を有する当接部材シャフト88に回動可能に支持される。当接部材シャフト88は、洗車機本体4に形成され、長手方向を回転軸として、当接部材86を回動可能に支持する。
ホイルブラシ50が待機状態WSまたは伸長状態ESにある場合、当接部材86は、空間4Sに対し洗車機本体4の周囲側に退避している。またこの場合、当接部材86は、ホイルブラシ50と当接せず、ブラシシャフト64の長手方向からみてホイルブラシ50と重ならない。このため、ホイルブラシ50は待機状態WSにおける待機位置と伸長状態ESにおける洗浄位置とを移動できる。
ホイルブラシ50が待機状態WSにある場合、当接部材86が当接部材シャフト88回りに回動することにより、当接部材86は洗車機本体4の空間4S側に向かって移動する。これにより、図1および図3の当接状態CSに示すように、当接部材86はホイルブラシ50の毛材52と当接する。より具体的に、当接状態CSにおいて当接部材86はホイルブラシ50の側表面50Sからホイルブラシ50の中心側に入り込む。
当接状態CSにおいてホイルブラシ50が回転軸50A回りに回動することにより、複数の毛材52が当接部材86に対し逐次当接する。これにより、当接部材86は毛材52に付着した液体または異物等をこすり落とす。
制御部44は、当接部材86の当接部材シャフト88回りの回動を制御することにより、毛材52と当接部材86との当接の有無を切り替え可能に変更する。例えば、制御部44は、当接部材86に接続された図示しないジャッキの伸縮を制御することにより、当接部材86の当接部材シャフト88回りの回動を制御してもよい。
<洗車方法の概要および受付工程>
洗車機2による車両Xの洗車方法について、図4を参照し説明する。図4は、洗車機2による洗車方法の一例を示すフローチャートである。本実施形態に係る洗車方法においては、はじめに、受付工程として、洗車機2が、車両Xのユーザ等からの洗車を受け付ける(ステップS2)。洗車の受付は、例えば、上記ユーザが、リモートパネル6または操作パネル42等を操作することにより、車両Xの洗車条件の設定、および洗車料金の支払い等を行うことにより実施してもよい。
洗車の受付が完了した後、洗車工程として、制御部44が洗車機本体4の各部を制御することにより、洗車機2は車両Xを洗浄する(ステップS4)。例えば、洗車工程において、制御部44は、洗車機本体4を車両Xに対し前後方向に移動させつつ、洗車機本体4の清掃部を動作させて、車両Xを洗浄する。ここで、制御部44は、洗車機本体4を移動させ車両Xを空間4S中に通過させる間、エリアセンサASのそれぞれのセンサによる車両Xの検出の有無から、車両Xの外形の情報を取得し、当該情報に基づいて車両Xの洗浄を行ってもよい。
<タイヤの洗浄>
洗車工程の一部について、図5から図9を参照し説明する。図5は、洗車機2による洗車方法における洗車工程の一部を示すフローチャートである。図6から図9は、図5に示す洗車工程の一部を示すための工程正面図である。本実施形態においては、特に、図5から図9を参照し、ホイルブラシ50によるタイヤTXの洗浄方法およびタイヤTXへのタイヤワックスの塗布方法、ならびに、ホイルブラシ50の洗浄方法について説明する。
洗車工程において、上述した通り、はじめに制御部44は洗車機本体4を車両Xの前側から後側に相対移動させつつ清掃部を制御することにより、車両Xの洗浄を行う。ここで、洗車工程において、制御部44は、洗車機本体4の車両Xに対する相対移動と並行して、第1洗浄ノズルからホイルブラシ50にタイヤ洗浄液を噴射させる(ステップS4-2)。
特に、ステップS4-2においては、制御部44が中心ノズル56、周囲ノズル58、および補助ノズル82のそれぞれに対応するバルブを制御する。これにより、制御部44は、中心ノズル56、周囲ノズル58、および補助ノズル82のそれぞれからホイルブラシ50にタイヤ洗浄液を噴射させる。例えば、図6のステップS4-2に示すように、補助ノズル82からホイルブラシ50の側表面50Sにタイヤ洗浄液L1を噴射させる。
ステップS4-2において、ホイルブラシ50にはタイヤ洗浄液L1が付着する。特に、制御部44は、ステップS4-2において、ホイルブラシ50の洗浄面50Fにタイヤ洗浄液L1が付着するように、中心ノズル56、周囲ノズル58、および補助ノズル82のそれぞれからホイルブラシ50にタイヤ洗浄液を噴射させてもよい。なお、制御部44は、ステップS4-2において、中心ノズル56、周囲ノズル58、および補助ノズル82のそれぞれからタイヤXTに直接タイヤ洗浄液を噴射させてもよい。
ステップS4-2は、例えば、ステップS4の開始時から、ブラシシャフト64の長手方向からみてホイルブラシ50の洗浄面50FとタイヤXTの側表面とが重なる位置まで洗車機本体4が車両Xに対し相対移動するまでの間に実行される。例えば、制御部44は、洗車機本体4を車両Xに対し相対移動させつつ、洗車機本体4が備えるセンサによってタイヤXTを検出することにより、車両Xの前後方向におけるタイヤXTの位置を割り出してもよい。タイヤXTを検出するセンサは、上述したエリアセンサASであってもよい。あるいは、別途タイヤXTを検出するためのセンサを洗車機本体4がさらに備えていてもよい。
ステップS4-2において、制御部44は、ホイルブラシ50を待機状態WSに維持する。例えば、制御部44は、洗車工程の開始までに、各ブラシ支持部60を制御し、各ホイルブラシ50を各フレーム8の側に移動させてもよい。図6のステップS4-2に示すように、待機状態WSにある2つのホイルブラシ50の洗浄面50Fの間の距離W1は、車両Xの左右のタイヤXTの外表面の間の距離WXよりも長い。ステップS4-2を含む洗車工程におけるホイルブラシ50の待機状態WSの保持は、制御部44によるブラシ支持部60の制御によって実現する。これにより、2つのホイルブラシ50の洗浄面50Fの間の距離がW1となり、距離WXよりも長くなるため、洗車機本体4の車両Xに対する相対移動の間のホイルブラシ50と車両Xとの間の空間を確保できる。
次いで、ホイルブラシ50によるタイヤXTの洗浄を行う(ステップS4-4)。ステップS4-4は、ステップS4-2の完了後、ブラシシャフト64の長手方向からみてホイルブラシ50の洗浄面50FとタイヤXTの側表面とが重なる位置に洗車機本体4が移動した時点において実行される。なお、ステップS4-4の開始時以降、制御部44は、洗車機本体4の車両Xに対する相対移動を一旦停止してもよい。
ステップS4-4においては、はじめに、図6のステップS4-4に示すように、制御部44は、ブラシ支持部60を制御し、ホイルブラシ50を車両Xに向けて移動させ、車両Xと当接させる。これにより、ホイルブラシ50の洗浄面50Fは、車両XのタイヤXTの外側面と当接する。2つのホイルブラシの間の距離は、距離W1よりも短い距離W2となる。距離W2は距離WXと略同一である。
ステップS4-4において、制御部44は、さらに、ホイルブラシ50の洗浄面50Fと車両Xの前側のタイヤXTの外側面とが当接した状態において、ホイルブラシ50を回転軸50Aの回りに回動させる。特に、制御部44は、ステップS4-4の間、ブラシシャフト64の長手方向をタイヤXTの側面に略垂直な方向に維持しつつ、ホイルブラシ50を回転軸50Aの回りに回動させる。これにより、制御部44は、ホイルブラシ50によるタイヤXTの洗浄を実行する。
制御部44は、ホイルブラシ50によるタイヤXTの洗浄の間、ホイルブラシ50を回転軸50Aの回りに回動させつつ、ホイルブラシ50の中心ノズル56と周囲ノズル58とのそれぞれからタイヤ洗浄液L1を噴射させてもよい。なお、ステップS4-4において、ホイルブラシ50が回転軸50Aの回りの一方方向に回転する場合、その回転速度は、例えば、分間140回転であってもよい。
ステップS4-4を含む、ホイルブラシ50の洗浄面50FをタイヤXTの外側面と当接させる工程において、制御部44は、タイヤXTの直径に応じてタイヤXTに対するホイルブラシ50の押し付け圧を適宜変更してもよい。例えば、制御部44は、タイヤXTの直径が大きい程、タイヤXTに対するホイルブラシ50の押し付け圧を大きくしてもよい。また、ホイルブラシ50は、タイヤXTに対する押し付け圧が大きい程、タイヤXTの外側面の周囲側に毛材52の先端が広がるように設計されてもよい。これにより、制御部44は、タイヤXTの外側面の外周近傍までより確実にホイルブラシ50の毛材52を当接させることができ、かつ、タイヤXTの外側面から毛材52の先端が飛び出すことを低減できる。
制御部44は、例えば、洗車機本体4が備えるセンサによってタイヤXTの外形を検出することにより、タイヤXTの直径を測定してもよい。あるいは、制御部44は、例えば、洗車機本体4が備えるセンサによってタイヤXTの最上部の高さを検出することにより、タイヤXTの直径を測定してもよい。タイヤXTの直径を測定するためのセンサは、上述したエリアセンサASであってもよい。あるいは、別途タイヤXTの直径を測定するためのセンサを洗車機本体4がさらに備えていてもよい。
<脱水およびタイヤワックスの塗布>
ホイルブラシ50によるタイヤXTの洗浄に次いで、制御部44は、ホイルブラシ50の制御により、ホイルブラシ50の脱水を行う(ステップS4-6)。ステップS4-6において、図7のステップS4-6に示すように、制御部44は、はじめに、ブラシ支持部60を制御し、ホイルブラシ50をフレーム8に向けて移動させて、ホイルブラシ50を待機状態WSとする。次いで、制御部44は、待機状態WSにあるホイルブラシ50を回転軸50Aの回りに回動させる。換言すれば、制御部44は、ホイルブラシ50を車両Xから離した状態において、ホイルブラシ50を回転軸50Aの回りに回転させる。
これにより、制御部44は、ホイルブラシ50に付着したタイヤ洗浄液L1を含む液体を遠心分離によりホイルブラシ50から除去することによりホイルブラシ50の脱水を行う。本明細書において、『脱水』とは、市水等の水のみならず、上述の通りタイヤ洗浄液L1等を含む液体をホイルブラシ50から少なくとも一部除去することを指す。なお、ステップS4-6においては、ステップS4-4によりホイルブラシ50に付着した異物等がホイルブラシ50から取り除かれてもよい。
なお、ステップS4-6において、ホイルブラシ50が回転軸50Aの回りの一方方向に回転する場合、その回転速度は、例えば、分間190回転であってもよい。また、例えば、ステップS4-6におけるホイルブラシ50の回転速度は、ステップS4-4におけるホイルブラシ50の回転速度よりも速くともよい。換言すれば、ホイルブラシ50の回転速度は、タイヤXTの洗浄を行う際よりホイルブラシ50の脱水の際の方が速くともよい。この場合、洗車機2は、ステップS4-6においてより効率よくブラシの脱水が行える。
ホイルブラシ50の脱水に次いで、制御部44は、タイヤワックスノズルからホイルブラシ50にタイヤワックスを吐出させる(ステップS4-8、吐出工程)。特に、ステップS4-8においては、制御部44が補助ノズル82に対応するバルブを制御し、補助ノズル82に供給する液体をタイヤ洗浄液からタイヤワックスに変更する。これにより、制御部44は、補助ノズル82からホイルブラシ50にタイヤワックスを吐出させる。例えば、図7のステップS4-8に示すように、補助ノズル82からホイルブラシ50の側表面50SにタイヤワックスTWを吐出させる。なお、ステップS4-8においては、中心ノズル56または周囲ノズル58からタイヤワックスTWを吐出させてもよい。
なお、ステップS4-8において、ホイルブラシ50が回転軸50Aの回りの一方方向に回転する場合、その回転速度は、例えば、分間50回転であってもよい。また、例えば、ステップS4-8におけるホイルブラシ50の回転速度は、ステップS4-4におけるホイルブラシ50の回転速度よりも遅くともよい。換言すれば、ホイルブラシ50の回転速度は、タイヤXTの洗浄を行う際よりホイルブラシ50へのタイヤワックスTWの吐出の際の方が遅くともよい。この場合、洗車機2は、ステップS4-8におけるホイルブラシ50の周囲へのタイヤワックスTWの飛散を低減できる。
ステップS4-8において、各タイヤワックスノズルからタイヤワックスTWが吐出される範囲は、各第1洗浄ノズルからタイヤ洗浄液L1が噴射される範囲よりも狭くともよい。また、各タイヤワックスノズルからタイヤワックスTWが吐出される勢いは、各第1洗浄ノズルからタイヤ洗浄液L1が噴射される勢いよりも弱くともよい。これにより、洗車機2は、タイヤワックスTWのホイルブラシ50の周囲への飛散を低減できる。
ステップS4-8において、ホイルブラシ50にはタイヤワックスTWが付着する。特に、制御部44は、ステップS4-8において、ホイルブラシ50の洗浄面50FにタイヤワックスTWが付着するように、補助ノズル82からホイルブラシ50の毛材52の先端近傍にタイヤワックスTWを吐出させてもよい。
本実施形態においては、ステップS4-8にてタイヤワックスTWをホイルブラシ50に吐出させる前に、ステップS4-6にてホイルブラシ50の脱水が実施されている。このため、洗車機2は、ホイルブラシ50に吐出されたタイヤワックスTWが、ホイルブラシ50に既に付着していたタイヤ洗浄液L1等によって希釈されることを低減する。また、洗車機2は、ホイルブラシ50に付着した異物等がタイヤワックスTW中に混入することを低減する。上記構成により、洗車機2は、より適切な濃度のタイヤワックスTWをタイヤXTに塗布することができ、また、タイヤワックスTWをタイヤXTに塗布する際に異物がタイヤXTに付着することを低減できる。
ステップS4-8に次いで、制御部44は、ホイルブラシ50の制御を通じて、タイヤXTにタイヤワックスTWを塗布する(ステップS4-10、塗布工程)。ステップS4-10において、図8のステップS4-10に示すように、はじめに、制御部44は、ブラシ支持部60を制御し、ホイルブラシ50を車両Xに向けて移動させ、車両Xと当接させる。これにより、ホイルブラシ50の洗浄面50Fは、車両XのタイヤXTの外側面と当接する。2つのホイルブラシの間の距離は上述した距離W2となる。
ステップS4-10において、制御部44は、さらに、ホイルブラシ50の洗浄面50Fと車両Xの前側のタイヤXTの外側面とが当接した状態において、ホイルブラシ50を回転軸50Aの回りに回動させる。特に、制御部44は、ステップS4-10の間、ブラシシャフト64の長手方向をタイヤXTの側面に略垂直な方向に維持しつつ、ホイルブラシ50を回転軸50Aの回りに回動させる。これにより、制御部44は、ホイルブラシ50によるタイヤXTへのタイヤワックスTWの塗布を実行する。
ここで、上述したステップS4-8において、ホイルブラシ50の毛材52のうち取り付け部54の中心よりも側表面50Sに近い毛材52により多くのタイヤワックスTWを付着させてもよい。この場合、ステップS4-10において、タイヤワックスTWをタイヤXTの側表面のみに塗布しやすくなり、換言すれば、タイヤXTが装着されるタイヤホイルの側表面にタイヤワックスTWが塗布されにくくなる。
例えば、ステップS4-8において、各ノズルのうち、補助ノズル82のみからホイルブラシ50にタイヤワックスを吐出させ、中心ノズル56および周囲ノズル58からのタイヤワックスTWの吐出を停止してもよい。これにより、タイヤワックスTWはホイルブラシ50の毛材52のうち取り付け部54の中心よりも側表面50Sに近い毛材52に付着しやすくなる。
本実施形態においては、ステップS4-10にてタイヤワックスTWをタイヤXTに塗布する前に、ステップS4-4にてタイヤXTの洗浄が実施されている。このため、タイヤワックスTWがタイヤXTに付着した異物等の上から塗布されることが低減される。したがって、上記構成により、洗車機2はタイヤワックスTWをタイヤXTにより効率よく塗布できる。
また、本実施形態において、ステップS4-4におけるタイヤXTの洗浄とステップS4-10におけるタイヤワックスTWのタイヤXTへの塗布とに用いるブラシは、同一のホイルブラシ50である。このため、洗車機2は、タイヤXTの洗浄とタイヤワックスTWのタイヤXTへの塗布とのそれぞれについて別個のブラシを備える必要がないため、洗車機本体4の構成が簡素化する。
なお、ステップS4-10において、ホイルブラシ50が回転軸50Aの回りの一方方向に回転する場合、その回転速度は、例えば、分間35回転であってもよい。また、例えば、ステップS4-10におけるホイルブラシ50の回転速度は、ステップS4-4におけるホイルブラシ50の回転速度よりも遅くともよい。換言すれば、ホイルブラシ50の回転速度は、タイヤXTの洗浄を行う際よりタイヤXTへのタイヤワックスTWの塗布を行う際の方が遅くともよい。この場合、洗車機2は、ステップS4-10においてタイヤワックスTWがタイヤの周囲に飛散することを低減できる。
<ホイルブラシの洗浄>
ホイルブラシ50によるタイヤXTへのタイヤワックスTWの塗布に次いで、制御部44は、第2洗浄ノズルからホイルブラシ50にブラシ洗浄液を噴射させる(ステップS4-12)。ステップS4-12において、図8のステップS4-12に示すように、制御部44は、はじめに、ブラシ支持部60を制御し、ホイルブラシ50をフレーム8に向けて移動させて、ホイルブラシ50を待機状態WSとする。ここで、制御部44は、ステップS4-12において各ホイルブラシ50が待機状態WSとなってから、洗車機本体4を制御して、洗車機本体4の車両Xに対する相対移動および清掃部による車両Xの洗浄を再開してもよい。
次いで、例えば、制御部44は、中心ノズル56、周囲ノズル58、および補助ノズル82のそれぞれに対応するバルブを制御し、各ノズルに供給する液体をタイヤワックスからブラシ洗浄液に変更する。これにより、制御部44は、中心ノズル56、周囲ノズル58、および補助ノズル82のそれぞれからホイルブラシ50にブラシ洗浄液を噴射させる。例えば、図8のステップS4-12に示すように、補助ノズル82からホイルブラシ50の側表面50Sにブラシ洗浄液L2を吐出させる。
ステップS4-12に次いで、制御部44は、ホイルブラシ50の洗浄を行う(ステップS4-14、ブラシ洗浄工程)。ステップS4-14においては、はじめに、制御部44が当接部材86を当接部材シャフト88回りに回動させる。これにより、制御部44は、図9のステップS4-14に示すように、ホイルブラシ50の状態を待機状態WSから当接部材86とホイルブラシ50の毛材52とが当接する当接状態CSに移行させる。
ステップS4-14において、さらに、制御部44は、当接状態CSにあるホイルブラシ50を回転軸50Aの回りに回動させる。これにより、ステップS4-14において、ホイルブラシ50の毛材52に付着した液体または異物等は、当接部材86によりこすり落とされる。これにより、ステップS4-14において、制御部44は、ホイルブラシ50および当接部材86の制御を通じて、ホイルブラシ50の洗浄を行う。
なお、本実施形態において、ステップS4-14におけるホイルブラシ50には、ステップS4-12において第2洗浄ノズルから噴射されたブラシ洗浄液L2が付着している。このため、ステップS4-14において、ホイルブラシ50はブラシ洗浄液L2によっても洗浄される。例えば、ステップS4-14においては、ブラシ洗浄液L2によってホイルブラシ50から遊離したタイヤワックスTWを当接部材86によりこすり落とすことにより、ホイルブラシ50からタイヤワックスTWを除去してもよい。
なお、ステップS4-14において、ホイルブラシ50が回転軸50Aの回りの一方方向に回転する場合、その回転速度は、例えば、分間80回転であってもよい。また、例えば、ステップS4-14におけるホイルブラシ50の回転速度は、ステップS4-4におけるホイルブラシ50の回転速度よりも遅くともよい。換言すれば、ホイルブラシ50の回転速度は、タイヤXTの洗浄を行う際よりホイルブラシ50の洗浄を行う際の方が遅くともよい。この場合、洗車機2は、ステップS4-14において、ブラシ洗浄液L2およびタイヤワックスTWがホイルブラシ50の周囲に飛散することを低減できる。
洗車機2は、洗車機本体4による車両XのタイヤXTを除く部分に対する洗浄と、上述したステップS4-2からステップS4-14までとの双方の完了により、車両Xの洗浄工程を完了する。
洗車機2は、洗車機本体4を車両Xに対し相対移動させつつ車両XのタイヤXTを除く部分に対する洗浄が完了するまでに、少なくとも上述したステップS4-2からステップS4-12を完了する。また、洗車機2は、例えば、次の車両Xの洗浄の受付を完了するまでに、ステップS4-14を完了する。
特に、洗車機2は、洗車機本体4を車両Xに対し相対移動させつつ車両XのタイヤXTを除く部分に対する洗浄が完了するまでに、ステップS4-14を完了させてもよい。これにより、洗車機2が次の他の車両Xの洗車を介しするまでの時間を短縮することができる。
本実施形態においては、車両の洗浄工程の完了までに、ステップS4-14を経るため、洗車機2によるある車両Xの洗浄が完了したのち、洗車機2が他の車両Xの洗浄を開始する際に、ホイルブラシ50は洗浄された状態となっている。したがって、洗車機2は、順次複数の車両Xの洗浄を行う場合に、ある車両Xの洗浄の際にホイルブラシ50に付着したタイヤワックスTW等の液体または異物等が、他の車両Xに付着することを低減できる。
制御部44は、洗浄工程の間、図6に示すステップS4-2からステップS4-14のそれぞれについて説明した制御方法により洗車機2を制御することにより、図6に示す各ステップを実行してもよい。制御部44による洗車機2の制御方法は、例えば、受付工程において取得した車両Xの洗車条件等を含む洗車条件に沿って決定されてもよい。
<複数のタイヤに対する洗浄およびタイヤワックスの塗布>
一般に、車両Xには前後方向に2組以上の左右一対のタイヤXTが整列して形成されている。このため、上述したステップS4-2からステップS4-14までは、車両Xの左右一対のタイヤXTの組ごとに繰り返し実行されてもよい。この場合、制御部44は、ステップS4-12の完了後、ブラシシャフト64の長手方向からみてホイルブラシ50の洗浄面50Fと他のタイヤXTの側表面とが重なる位置にまで洗車機本体4を移動させてもよい。
加えて、制御部44は、ステップS4-12の完了後、上記位置まで洗車機本体4を移動させるまでの間に、ステップS4-14とステップS4-2とを実行してもよい。なお、ステップS4-14開始からステップS4-2の完了までの間に、制御部44は、当接部材86をフレーム8側に引き込み、ホイルブラシ50を当接状態CSから待機状態WSに移行させてもよい。次いで、制御部44は、上記位置まで洗車機本体4を移動させた後、引き続きステップS4-4からステップS4-14を実行してもよい。
これにより、洗車機2は、複数の左右一対のタイヤXTの組それぞれに対し、洗浄およびタイヤワックスTWの塗布を実行することができる。また、上記方法においては、一組のタイヤXTへのタイヤワックスTWの塗布から、他の組のタイヤXTを洗浄するためのタイヤ洗浄液L1をホイルブラシ50に噴射するまでに、ホイルブラシ50の洗浄が実施される。これにより、洗車機2は、ホイルブラシ50上において、タイヤ洗浄液L1とタイヤワックスTWとが混合することを低減できる。また、洗車機2は、上記他の組のタイヤXTの洗浄時にホイルブラシ50に付着していたタイヤワックスTWまたは異物等がタイヤXTに付着することを低減する。
ステップS4-14において、ホイルブラシ50の洗浄は、ホイルブラシ50にブラシ洗浄液L2が付着した状態において実行される。これにより、洗車機2は、ホイルブラシ50をより効率的に洗浄できる。また、タイヤワックスTWが可溶の溶媒をブラシ洗浄液L2が含む場合、ステップS4-14において、洗車機2は、より効率的にホイルブラシ50に付着したタイヤワックスTWを落とすことができる。これにより、洗車機2は、他の組のタイヤXTの洗浄時にホイルブラシ50に付着していたタイヤワックスTWまたは異物等がタイヤXTに付着することをより低減する。
なお、上述の通り、本実施形態において、ステップS4-2からステップS4-14は、洗車機本体4が車両Xに対し相対移動しつつ清掃部による車両Xの洗浄が実行される間に共に実行される。ここで、洗車機本体4は車両Xに対し、車両Xの前側から後側への方向のみならず、車両Xの後側から前側への方向に相対移動してもよい。例えば、洗車機本体4は、清掃部により車両Xを洗浄しつつ、車両Xの前端から後端まで移動した後、車両Xの後端から前端まで移動してもよい。この後、洗車機本体4は、再び車両Xの前端から後端まで移動してもよい。この場合、2回目の洗車機本体4の車両Xの前端から後端まで移動する間に、制御部44は洗車機本体4のブロワ36を制御して、車両Xの乾燥を行ってもよい。車両Xの乾燥の完了をもって、洗車機2は洗浄工程を完了してもよい。
ここで、本実施形態に係る洗浄工程においては、左右一対のタイヤXTの組ごとに、ステップS4-2からステップS4-14が順に実行される例を挙げたが、本実施形態に係る洗浄工程はこれに限られない。例えば、洗浄工程において、洗車機本体4が車両Xの前端から後端へ相対移動する際に、制御部44は、ホイルブラシ50へのタイヤ洗浄液L1の噴射と各タイヤXTの洗浄を行う。全てのタイヤXTの洗浄が完了した後に、制御部44は、ホイルブラシ50の脱水とホイルブラシ50へのタイヤワックスTWの吐出とを行う。次いで、洗車機本体4が車両Xの後端から前端へ相対移動する際に、制御部44は、各タイヤXTへのタイヤワックスTWの塗布を行う。次いで、制御部44は、ホイルブラシ50へのブラシ洗浄液L2の噴射とホイルブラシ50の洗浄とを行う。
車両Xが複数組の左右一対のタイヤXTを備える場合、上記方法により、ステップS4-2からステップS4-14までの各ステップが切り替わる回数が減るため、洗車機2は、制御部44による各部の制御内容をより簡素とすることができる。また、上記方法により、洗車機2は、ホイルブラシ50上における、タイヤ洗浄液L1、タイヤワックスTW、およびブラシ洗浄液L2の混合を低減できる。
<洗車機が奏する効果>
本実施形態に係る洗車機2は、タイヤワックスTWが付着したホイルブラシ50をタイヤXTに当接させつつホイルブラシ50を回転させて、タイヤXTにタイヤワックスTWを塗布する。このため、洗車機2は、タイヤワックスTWをタイヤXTに対し噴射する場合と比較して、より確実にタイヤワックスTWの被膜をタイヤXTの側表面に形成できるため、タイヤワックスTWの使用量および油分濃度を低減することができる。したがって、洗車機2は、タイヤワックスTWのタイヤXTへの塗布にかかるコストを低減でき、また、廃棄するタイヤワックスTWの量を低減できる。
また、洗車機2は、タイヤワックスTWをタイヤXTに対し噴射する場合と比較して、地面またはタイヤXTの周囲の車両Xの表面を含む、タイヤワックスTWが塗布されることを想定していない箇所へのタイヤワックスTWの飛散を低減できる。これにより、洗車機2は、洗車機2自体、車両X、およびこれらの周囲をタイヤワックスTWにより汚すことを低減する。さらに、洗車機2は、タイヤワックスTWが塗布されることを想定していない箇所へ飛散したタイヤワックスTWをふき取る等の工程を簡略化または省略することができる。
上記に伴い、本実施形態に係る洗車機2は、洗車工程において生じる廃液に含まれるタイヤワックスTWの濃度を低減できる。一般に、タイヤワックスTWは油分を含むことが多いため、市水、洗浄液等の液体と比較して、廃棄の際の環境への負荷が大きい場合がある。このため、洗車機2は、廃液の廃棄の際に生じる環境への負荷を低減することができる。
さらに、ステップS4-14において、ホイルブラシ50の洗浄は、ホイルブラシ50の毛材52に当接部材86が当接した状態においてホイルブラシ50を回転軸50Aの回りに回動させることにより実現する。上記構成により、洗車機2は、ホイルブラシ50に付着したタイヤワックスTWを、当接部材86によってこすり落とすことができる。これにより、洗車機2は、ホイルブラシ50に付着したタイヤワックスTWを遠心分離等により除去する場合と比較して、ホイルブラシ50にタイヤワックスTWが飛散することを低減できる。また、上記構成により、洗車機2は、他の組のタイヤXTの洗浄時にホイルブラシ50に付着していたタイヤワックスTWまたは異物等がタイヤXTに付着することをより低減する。
なお、ステップS4-6のホイルブラシ50の脱水により、洗車機2は、ステップS4-8以降において、ホイルブラシ50に吐出されたタイヤワックスTWがタイヤ洗浄液L1等によってホイルブラシ50から流れ出ることを低減する。これに伴い、洗車機2は、洗浄工程中において生じる廃液に含まれるタイヤワックスTWの濃度をさらに低減できる。したがって、洗車機2は、洗浄工程における廃液を廃棄する際の環境への負荷をさらに低減できる。
本実施形態に係る洗車機2は、廃液を廃棄する際の環境への負荷を低減できるため、持続可能な開発目標(SDGs)の目標14「海の豊かさを守ろう」および目標15「陸の豊かさも守ろう」の達成に貢献できる。また、洗車機2は、廃液処理を簡素化でき、あるいは、廃液処理に必要な水の量を削減できるため、SDGsの目標6「安全な水とトイレを世界中に」の達成に貢献できる。さらに、洗車機2は、使用および廃棄するタイヤワックスTWの量を低減できるため、SDGsの目標12「つくる責任つかう責任」の達成に貢献できる。
〔実施形態2〕
<当接部材の変形例>
以下、他の実施形態について説明する。本実施形態に係る洗車機2は、洗車機本体4に代えて洗車機本体90を備える点を除き、前実施形態に係る洗車機2と同一の構成を備える。
本実施形態に係る洗車機本体90について、図10および図11を参照してより詳細に説明する。図10は、本実施形態に係るホイルブラシ50およびその近傍を拡大した、洗車機本体90の一部分の概略正面図であり、特に、図1に示す概略正面図と対応する位置について拡大した図である。図11は、ホイルブラシ50およびその近傍について拡大して示す、ホイルブラシ50の概略正面図である。特に、図11は、待機状態WSにおけるホイルブラシ50を図10に示す方向B1からみた概略図と、当接状態CSにおけるホイルブラシ50を図10に示す方向B2からみた概略図とを示す。図10および図11においては、ホイルブラシ50、当該ホイルブラシ50の支持する部材、および、ホイルブラシ50と関連するノズル等の部材について図示を省略している場合がある。
本実施形態に係る洗車機本体90は、当接部材86および当接部材シャフト88に代えて、当接部材92および当接部材シャフト94を備える点においてのみ、前実施形態に係る洗車機本体4と構成が異なる。
当接部材92は、例えば、直棒部のみからなる円筒形状の部材であり、少なくともホイルブラシ50の毛材52よりも硬直である。当接部材92は、例えば、当接部材86と同一の材料を含んでいてもよい。当接部材シャフト94は、洗車機本体4に形成され、長手方向を回転軸として、当接部材92を回動可能に支持する。ただし、当接部材シャフト94は、例えば、ホイルブラシ50のブラシシャフト64の長手方向と略同一の方向に長手方向を有する点において、当接部材シャフト88と異なる。当接部材シャフト94は、例えば、待機状態WSにあるホイルブラシ50の側表面50Sの近傍に位置する。
このため、当接部材92が当接部材シャフト94の回りに回動する際、当接部材92は、洗車機本体90に対する前後方向および上下方向に移動する。例えば、当接部材92は、洗車機本体90に対する左右方向に移動しなくともよい。したがって、洗車機本体90により車両Xの洗浄が行われている間等、空間4S内に車両Xが位置する場合、当接部材92は、車両Xに対する前後方向および上下方向に移動する。
ホイルブラシ50が待機状態WSまたは伸長状態ESにある場合、当接部材92は、ホイルブラシ50の取り付け部54の中心側よりも周囲側に退避している。またこの場合、当接部材92は、ホイルブラシ50と当接せず、ブラシシャフト64の長手方向からみてホイルブラシ50と重ならない。このため、ホイルブラシ50は待機状態WSにおける待機位置と伸長状態ESにおける洗浄位置とを移動できる。
ホイルブラシ50が待機状態WSにある場合、当接部材92が当接部材シャフト94回りに回動することにより、当接部材92はホイルブラシ50の側表面50Sから取り付け部54の中心側に向かって移動する。これにより、図10および図11の当接状態CSに示すように、当接部材92はホイルブラシ50の側表面50Sから毛材52の間に入り込み、ホイルブラシ50の毛材52と当接する。当接状態CSにおいてホイルブラシ50が回転軸50A回りに回動することにより、複数の毛材52が当接部材92に対し逐次当接する。これにより、当接部材92は毛材52に付着した液体または異物等をこすり落とす。
制御部44は、当接部材92の当接部材シャフト94回りの回動を制御することにより、毛材52と当接部材92との当接の有無を切り替え可能に変更する。例えば、制御部44は、当接部材シャフト94と接続された図示しないモータ等の動力部を制御することにより、当接部材92の当接部材シャフト94回りの回動を制御してもよい。
本実施形態に係る洗車機2による車両Xの洗車方法は、ステップS4-14における各部の動作を除き、前実施形態に係る洗車機2による車両Xの洗車方法と同一の方法によって実現する。本実施形態においては、ステップS4-14において、当接部材92が当接部材シャフト94の回りに回動することにより、ホイルブラシ50の状態が待機状態WSから当接状態CSに移行する。このため、ステップS4-14において、当接部材92は車両Xに対する前後方向および上下方向に移動する。
本実施形態に係る洗車機2も、タイヤワックスTWが付着したホイルブラシ50をタイヤXTに当接させつつホイルブラシ50を回転させて、タイヤXTにタイヤワックスTWを塗布する。したがって、洗車機2は、前実施形態において説明した理由と同一の理由から、タイヤワックスTWのタイヤXTへの塗布にかかるコストを低減でき、また、廃棄するタイヤワックスTWの量を低減できる。

また、本実施形態に係る洗車機2は、前実施形態において説明した理由と同一の理由から、洗車機2自体、車両X、およびこれらの周囲をタイヤワックスTWにより汚すことを低減する。さらに、洗車機2は、タイヤワックスTWが塗布されることを想定していない箇所へ飛散したタイヤワックスTWをふき取る等の工程を簡略化または省略することができる。加えて、洗車機2は、廃液の廃棄の際に生じる環境への負荷を低減することができる。
本実施形態に係るステップS4-14において、当接部材92は、車両Xに対する前後方向および上下方向に移動する。このため、本実施形態においては、当接部材92の移動を、例えば、当接部材シャフト94の回りに回動させる等、簡素な制御内容によって実現できる。
さらに、本実施形態においては、ホイルブラシ50の毛材52と当接部材92とを当接させるために、当接部材92を車両Xに対する左右方向に移動させる必要がない。したがって、本実施形態に係る洗車機本体4は、車両Xと当接部材92との間の空間をより広くすることができる。さらに、洗車機本体4は、当接部材92をフレーム8内の左右方向に移動させる必要がないため、フレーム8の内部の空間をより有効に活用することができる。
なお、本実施形態において、当接部材92は当接部材シャフト94の周りに回動することにより、毛材52と当接部材92との当接の有無が切り替わるが、これに限られない。例えば、当接部材92は長手方向に沿って進退することにより毛材52と当接部材92との当接の有無が切り替わってもよい。また、当接部材92は、洗車機本体90に対し前後方向と上下方向との何れか一方のみに沿って移動してもよい。
本開示は上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本開示の技術的範囲に含まれる。
2 洗車機
4、90 洗車機本体
50 ホイルブラシ
56 中心ノズル
58 周囲ノズル
82 補助ノズル
86、92 当接部材
L1 タイヤ洗浄液
L2 ブラシ洗浄液
TW タイヤワックス
X 車両

Claims (9)

  1. 車両に対する前後方向への相対移動により前記車両を洗車する洗車機本体と、
    前記洗車機本体に取り付けられたブラシおよびタイヤワックスノズルとを備え、
    前記ブラシは、前記車両のタイヤに当接しつつ、前記タイヤの側面に略垂直な方向を回転軸として回転し、かつ、待機位置と洗浄位置との間を移動し、
    前記タイヤワックスノズルは、前記ブラシにタイヤワックスを吐出し、
    前記洗車機本体は、前記待機位置にある前記ブラシの毛材と当接する当接部材を備え、
    前記ブラシは、前記待機位置において、前記当接部材と前記毛材とが当接した状態において回転することにより洗浄され、前記洗浄位置において、前記ブラシに前記タイヤワックスが付着した状態、かつ、前記タイヤに当接した状態において回転することにより、前記タイヤに前記タイヤワックスを塗布する洗車機。
  2. 前記当接部材は、前記車両に対する前後方向と上下方向との少なくとも一方に移動することにより、前記待機位置にある前記ブラシの毛材との当接の有無を切り替え可能に変更する請求項1に記載の洗車機。
  3. 前記洗車機本体は、タイヤ洗浄液を噴射する第1洗浄ノズルを備え、
    前記第1洗浄ノズルは、前記ブラシと前記タイヤとの少なくとも一方に前記タイヤ洗浄液を噴射し、
    前記ブラシは、前記ブラシと前記タイヤとの少なくとも一方に前記タイヤ洗浄液が付着した状態、かつ、前記タイヤに当接した状態において前記回転軸の回りに回転することにより、前記タイヤの洗浄を行う請求項1または2に記載の洗車機。
  4. 前記ブラシの前記回転軸の回りの回転速度は、前記タイヤの洗浄を行う際より前記タイヤへの前記タイヤワックスの塗布を行う際の方が遅い請求項3に記載の洗車機。
  5. 前記車両の同一の前記タイヤに対して、前記洗浄および前記タイヤワックスの塗布をこの順に行う場合において、
    前記ブラシは、前記洗浄の完了時から、前記タイヤワックスノズルから前記タイヤへの前記タイヤワックスの吐出時までの間に、前記ブラシを前記車両から離した状態において前記ブラシを前記回転軸の回りに回転させることにより、前記ブラシの脱水を行う請求項3または4に記載の洗車機。
  6. 前記ブラシの前記回転軸の回りの回転速度は、前記タイヤの洗浄を行う際より前記ブラシの脱水の際の方が速い請求項5に記載の洗車機。
  7. 前記洗車機本体は、ブラシ洗浄液を噴射する第2洗浄ノズルを備え、
    前記第2洗浄ノズルは、前記ブラシに前記ブラシ洗浄液を噴射し、
    前記ブラシは、前記第2洗浄ノズルから前記ブラシ洗浄液を噴射された状態において前記回転軸の回りに回転することにより、前記ブラシの洗浄を行う請求項3から6の何れか1項に記載の洗車機。
  8. 前記ブラシの前記回転軸の回りの回転速度は、前記タイヤの洗浄を行う際より前記ブラシの洗浄を行う際の方が遅い、請求項7に記載の洗車機。
  9. 車両に対する前後方向への相対移動により前記車両を洗車する洗車機本体と、
    前記洗車機本体に取り付けられたブラシ、タイヤワックスノズル、および当接部材とを備えた洗車機の制御方法であって、
    前記ブラシは、待機位置と洗浄位置との間を移動し、
    前記タイヤワックスノズルから前記ブラシへタイヤワックスを吐出させる吐出工程と、
    前記タイヤワックスが付着した前記洗浄位置にある前記ブラシを前記車両のタイヤに当接させつつ前記ブラシを前記タイヤの側面に略垂直な方向を回転軸として回転させることにより前記タイヤに前記タイヤワックスを塗布する塗布工程と、
    前記当接部材と前記待機位置にある前記ブラシの毛材とを当接させつつ前記ブラシを前記回転軸の回りに回転させることにより前記ブラシを洗浄するブラシ洗浄工程とを含む洗車機の制御方法。
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