JP2023048656A - 送りねじ機構及び電動アクチュエータ - Google Patents
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Abstract
【課題】送りねじ機構の作動効率の低下を抑え、外部からの異物の侵入と外部への潤滑剤の漏出を抑制できる送りねじ機構を提供する。【解決手段】送りねじ機構30は、内周面に雌ねじ部31aを有する回転部材31と、雌ねじ部31aに対して直接的又は間接的に螺合する雄ねじ部32aを外周面に有し回転部材31の回転に伴って直線運動する直動部材32と、雌ねじ部31aと雄ねじ部32aの間に収容される潤滑剤と、回転部材31及び直動部材32を収容するハウジング5と、直動部材32の外周面から径方向に突出する壁部36を備える。壁部36は、直動部材32と一緒に直線運動し、壁部36の外径方向端部は、ハウジング5の内周面及びハウジング5の内周面に設けられる部材に対して接触しないように、あるいはハウジング5の内周面又はハウジング5の内周面に設けられる部材に対して摺動可能に配置される。【選択図】図1
Description
本発明は、送りねじ機構及び電動アクチュエータに関する。
自動車の自動変速機構やブレーキ機構、ステアリング機構などに使用される電動アクチュエータとして、電動モータの回転運動を直線運動に変換する送りねじ機構を用いたものが知られている。
このような送りねじ機構においては、作動性及び耐久性を向上させるため、一般的にねじ軸とナットとの間に潤滑剤としてのグリースが充填されている。しかしながら、ねじ軸が直線運動すると、ねじ軸の直線運動に伴って、ナット内のグリースが外部へ徐々に漏れ出る。そして、グリースが外部に漏れ出た結果、ナットとねじ軸との間のグリースの量が減少すると、作動性及び耐久性が低下する。
斯かる問題を改善するため、従来の構成においては、ナットとねじ軸との間にグリースの漏出を防止するシール部材が設けられたものが提案されている(例えば、特許文献1~4参照)。
ところで、上記のような送りねじ機構は、ナットの回転に伴ってねじ軸が軸方向へ前進後退するため、ナットから露出するねじ軸の外周面に異物が付着すると、ねじ軸の後退運動に伴って異物がナット内に侵入する虞がある。仮に、異物がナット内に侵入してグリースに混入すると、グリースの性質が変化して、送りねじ機構の作動性及び耐久性及が低下する虞がある。
このようなナット内への異物の侵入を高度に防止する方法としては、ねじ軸に対するシール部材の接触面積を増やしたり、接触圧を大きくしたりする方法がある。しかしながら、ねじ軸に対するシール部材の接触面積を増やしたり、接触圧を大きくしたりすると、ねじ軸とシール部材との間における摺動抵抗が増し、送りねじ機構の作動効率を低下させる懸念がある。
そこで、本発明は、送りねじ機構の作動効率の低下を抑え、外部からの異物の侵入と外部への潤滑剤の漏出を抑制できる送りねじ機構、及び、当該送りねじ機構を備える電動アクチュエータを提供することを目的とする。
上記課題を解決するため、本発明は、電動モータの回転運動を直線運動に変換して操作対象へ伝達する送りねじ機構であって、内周面に雌ねじ部を有する回転部材と、雌ねじ部に対して直接的又は間接的に螺合する雄ねじ部を外周面に有し回転部材の回転に伴って直線運動する直動部材と、雌ねじ部と雄ねじ部の間に収容される潤滑剤と、回転部材及び直動部材を収容するハウジングと、直動部材の外周面から径方向に突出する壁部を備え、壁部は、直動部材と一緒に直線運動し、壁部の外径方向端部は、ハウジングの内周面及びハウジングの内周面に設けられる部材に対して接触しないように、あるいはハウジングの内周面又はハウジングの内周面に設けられる部材に対して摺動可能に配置されることを特徴とする。
このように、本発明においては、直動部材の外周面から径方向に突出する壁部が設けられているため、壁部によって外部からの異物の侵入と外部への潤滑剤の漏出を抑制できる。また、壁部の外径方向端部は、ハウジングの内周面及びハウジングの内周面に設けられる部材に対して接触しないように、あるいはハウジングの内周面又はハウジングの内周面に設けられる部材に対して摺動可能に配置されているため、直動部材が直線運動すると、壁部が直動部材と一緒に直線運動する。このとき、壁部に生じる摺動抵抗を、従来のような回転運動を行う回転部材と直線運動を行う直動部材の間に配置されたシール機能を有する部材に生じる摺動抵抗に比べて、低減することができるので、送りねじ機構の作動効率の低下を抑えることができ、外部からの異物の侵入と外部への潤滑剤の漏出を抑制できる。
直動部材によって動かされる操作対象は、例えば油圧機器であってもよい。その場合、油圧機器から飛散したオイルが直動部材の外周面に付着したとしても、雄ねじ部と油圧機器との間に壁部が配置されていることにより、オイルが雄ねじ部へ移動するのを阻止できる。これにより、潤滑剤にオイルが混入するのを抑制でき、潤滑剤の機能を維持できる。また、油圧機器から飛散したオイルが直接送りねじ機構の内部に飛散することも阻止できるため、潤滑剤にオイルが混入するのを抑制でき、潤滑剤の機能を維持できる。
壁部の外径の少なくとも一部は、回転部材の雌ねじ部の内径よりも大きいことが好ましい。壁部の外径の少なくとも一部を雌ねじ部の内径よりも大きくすることにより、外部からの異物の侵入と外部への潤滑剤の漏出を効果的に抑制できる。
また、壁部は、直動部材の外周面における周方向の少なくとも一部に配置されていればよい。特に、壁部が、直動部材の外周面の全周に渡って連続して配置される場合は、外部からの異物の侵入及び外部への潤滑剤の漏出を効果的に抑制できる。また、壁部は、直動部材の外周面の一部のみに配置されてもよい。
壁部と油圧機器との間に、ハウジングの内周面から径方向に突出する突起部が設けられていてもよい。この場合、ハウジングの内周面に設けられた突起部によって、オイルが油圧機器側から壁部側へ移動するのを阻止できる。また、突起部によって、漏出した潤滑剤が油圧機器側へ移動するのも阻止できる。
本発明に係る送りねじ機構は、例えば、電動モータと、電動モータの回転運動を直線運動に変換する送りねじ機構を備える電動アクチュエータに適用可能である。
本発明によれば、送りねじ機構の作動効率の低下を抑え、外部からの異物の侵入と外部への潤滑剤の漏出を抑制できる。
以下、本発明の実施形態を図1~図3に基づいて説明する。
本実施形態に係る電動アクチュエータは、その出力部材が軸方向に進退移動(直線運動)する、いわゆる直線運動型の電動アクチュエータである。以下では、本実施形態に係る電動アクチュエータを自動車の電動ブレーキシステムに使用する場合を例にとって説明する。
図1に示されるように、本実施形態に係る電動アクチュエータ1は、回転駆動力を発生させる電動モータ2と、電動モータ2の回転運動をその回転軸2aと平行な直線運動に変換して出力する運動変換機構3と、電動モータ2から運動変換機構3へ回転駆動力を伝達する伝達ギヤ機構4と、これらを保持するハウジング5を備えている。
本実施形態においては、組み立ての都合上、ハウジング5が二分割されている。ハウジング5は、電動モータ2が取り付けられる第1ハウジング5Aと、第1ハウジング5Aに連結される第2ハウジング5Bによって構成されている。
運動変換機構3は、回転部材としての筒状のナット31と、ナット31の回転に伴って直線運動する直動部材としてのねじ軸32と、複数のボール33を備えるボールねじ機構30によって構成されている。ナット31は、第1ハウジング5A内と第2ハウジング5B内のそれぞれに設けられた2つの転がり軸受6,7(ここでは、玉軸受)によって回転可能に支持されている。
ナット31の内周面には、螺旋状の溝から成る雌ねじ部31aが設けられている。一方、ナット31の内側に挿通されるねじ軸32の外周面には、螺旋状の溝から成る雄ねじ部32aが設けられている。互いに対向する雌ねじ部31aと雄ねじ部32aとの間には、複数のボール33が収容されており、これらのボール33によって、ねじ軸32が、電動モータ2の回転軸2aと平行に支持されている。また、雌ねじ部31aと雄ねじ部32aとの間には、ボールねじ機構30の作動性と耐久性を向上させるため、潤滑剤としてのグリースが充填されている。
また、ねじ軸32の後端(図1における右端)には、ねじ軸32がその軸心を中心に回転しないように規制する一対の回り止め部材34が設けられている。一対の回り止め部材34は、丸棒状(ピン状)に形成されており、その一部がねじ軸32の外周面から突出するように設けられている。また、各回り止め部材34は、第2ハウジング5B内に収容される筒状のガイド部材35のガイド溝35a内に配置されている。各ガイド溝35aは、ねじ軸32の軸方向へ伸びるように形成されており、各ガイド溝35aに沿って各回り止め部材35が移動可能に構成されている。
上記伝達ギヤ機構4は、電動モータ2の回転軸2aに設けられた第1伝達ギヤ41と、第1伝達ギヤ41と噛み合う第2伝達ギヤ42によって構成されている。第2伝達ギヤ42は、ナット31の外周面に設けられ、ナット31と一緒に回転するように構成されている。
上記の如く構成された電動アクチュエータ1において、電動モータ2の回転軸2aが回転すると、その回転運動が第1伝達ギヤ41及び第2伝達ギヤ42を介してナット31へ伝達される。そして、ナット31が回転すると、複数のボール33が図示しない循環部材によって雌ねじ部31aと雄ねじ部32aとの間で循環することにより、ねじ軸32がその軸方向に前進又は後退する。このとき、ねじ軸32は、ナット31の回転運動によって同じ向きに回転しようとするが、ねじ軸32の後端に設けられた回り止め部材34がガイド部材35のガイド溝35aに接触することにより、ねじ軸32の回転が規制される。これにより、ねじ軸32が回転することなく前進又は後退する。
このように、ねじ軸32がその軸方向に前進又は後退することにより、ねじ軸32の先端(図1における左端)によって図示外の使用機器(ここでは、電動ブレーキシステムを構成する油圧シリンダ)が操作される。
ここで、本実施形態のように、電動アクチュエータを、電動ブレーキシステムを構成する油圧シリンダを操作する手段として使用した場合、油圧シリンダ内から漏れ出たオイルが飛散して、ねじ軸32の外周面に付着したり、ボールねじ機構30の内部へ飛散したりすることがある。その場合、ねじ軸32の前進後退運動に伴ってオイルがナット31内に侵入すると、オイルがナット31とねじ軸32の間に介在するグリースに混入し、グリースの性質が変化して、ボールねじ機構30の作動性及び耐久性及が低下する虞がある。また、ねじ軸32の前進後退運動に伴って、ナット31内のグリースが外部に漏れ出ると、グリース量が減少し、作動性及び耐久性が低下する虞がある。
そのため、本実施形態に係る電動アクチュエータにおいては、内部への異物侵入及び外部へのグリース漏れの両方を効果的に抑制できるようにするため、ねじ軸32の外周面に壁部36が設けられている。以下、壁部36の構成について詳しく説明する。
図1に示されるように、壁部36は、ねじ軸32の雄ねじ部32aよりも先端側、すなわち、雄ねじ部32と操作対象である油圧機器(ここでは油圧シリンダ)との間の外周面(雄ねじ部32aが設けられていない部分)に設けられている。壁部36は、ねじ軸32の外周面に対して軸方向に移動したり周方向に回転したりしないように固定されている。このため、ねじ軸32が前進又は後退すると、壁部36もねじ軸32と一緒に前進又は後退する。また、壁部36は、ねじ軸32の外周面から径方向(軸方向に対して直交する方向)へ突出し、その突出方向の先端は、ハウジング5(第1ハウジング5A)の内周面に近接するように配置されている。すなわち、壁部36の突出方向の先端(外径方向端部)は、ハウジング5の内周面に対して隙間10(図2参照)を介して接触しないように配置されている。
図3は、壁部36を、ねじ軸32の軸方向から見た正面図である。
図3に示されるように、壁部36は、円形の板状に形成され、ねじ軸32の外周面の全周に渡って連続して配置されている。なお、壁部36の形状は、円形に限らず、ハウジング5(第1ハウジング5A)の内周面の形状などに応じて適宜変更してもよい。また、壁部36は、ねじ軸32の外周面の全周に渡って、その外周面との間に隙間が生じないように設けられている。本実施形態においては、壁部36がねじ軸32と別体で構成されているが、壁部36はねじ軸32と一体成型されていてもよい。また、壁部36の材料としては、例えば耐熱性を有する金属材料などが適用可能である。
このように、本実施形態に係る電動アクチュエータ1においては、ねじ軸32の外周面に上記のような壁部36が設けられているため、油圧機器から飛散したオイルがねじ軸32の外周面に付着したり、油圧機器から飛散したオイルが直接ボールねじ機構30内へ飛散したりしても、そのオイルがねじ軸32の外周面を伝ってナット31内に侵入するのを効果的に抑制することができる。すなわち、オイルがねじ軸32の外周面を伝ってナット31側へ移動したとしても、壁部36によってオイルの移動が阻止されるので、ナット31内へのオイルの侵入を抑制できる。これにより、オイルがナット31内のグリースに混入するのを効果的に抑制でき、オイルの混入に伴うグリースの性質(潤滑性)の変化を回避できるので、ボールねじ機構30の作動性及び耐久性を維持することが可能である。
また、壁部36は、ナット31内へのオイルの侵入を抑制するほか、ナット31内からのグリース漏れも抑制できる。すなわち、ナット31内のグリースがねじ軸32の前進後退運動に伴いねじ軸32の外周面を伝って先端側(油圧機器側)へ移動したとしても、壁部36によってグリースの移動が阻止される。これにより、ナット31内のグリース量が減少するのを抑制できるため、グリースによるボールねじ機構30の作動性及び耐久性の維持機能を確保できる。
ここで、従来のように、ナットとねじ軸との間にシール部材が設けられた構成においては、ねじ軸が前進又は後退すると、シール部材がねじ軸に対して直動方向及び回転方向に相対的に摺動するため、ねじ軸に対するシール部材の接触面積を増やしたり、接触圧を大きくしたりすると、ねじ軸に対するシール部材の摺動抵抗が増し、ねじ軸の作動効率が低下することになる。また、従来のシール部材に代えて、ハウジングの内周面とねじ軸の外周面との間に、伸縮可能な蛇腹状のブーツを設け、このブーツによってオイルの侵入を抑制する方法も考えられるが、この方法においては、ブーツの伸縮に伴う抵抗やハウジング内圧の変動が発生する。
これに対して、本発明の実施形態においては、壁部36がねじ軸32と一緒に前進又は後退しても、壁部36の外径方向端部とハウジング5の内周面との間に隙間10(図2参照)が設けられているので、壁部36はハウジング5の内周面に対して摺動することはない。このように、本実施形態においては、壁部36がハウジング5の内周面に対して接触しないように配置されているので、壁部36とハウジング5との間に摺動抵抗は生じず、壁部36がねじ軸32の前進後退運動の妨げとなることが無い。このため、ボールねじ機構30の良好な作動性も確保することが可能である。
以上のように、本発明の実施形態においては、従来のようなシール部材及び蛇腹状のブーツを用いず、ハウジング5に接触しない壁部36をねじ軸32の外周面に設けることにより、外部からのオイルの侵入及びグリースの外部への漏出を効果的に抑制できると共に、ねじ軸の良好な作動性も確保できる。
なお、壁部36の外径方向端部は、ハウジング5の内周面のほか、ハウジング5の内周面に設けられている(固定されている)他の部材を含む内周面に対しても接触しないように配置される必要がある。図1に示される例の場合、壁部36の往復移動範囲内において、ハウジング5の内周面には何も設けられていないが、ハウジング5の内周面に他の部材が設けられている場合は、その内周面に設けられている部材に対しても壁部36が接触しないように配置されることにより、壁部36の移動に伴う摺動抵抗の発生を回避できる。
また、図1に示される例のように、ボールねじ機構30が水平に設置された姿勢で使用される場合は、油圧機器から飛散したオイルが重力に従ってハウジング5の内周面の下部に溜り、その内周面の下部と壁部36との隙間からオイルがナット31側へ侵入することも考えられる。
この点に関し、本実施形態においては、壁部36と油圧機器との間に、ハウジング5の内周面全周に渡って内径方向に突出する環状の突起部50(図1参照)が設けられているため、この突起部50によってナット31側へのオイルの移動を阻止できる。また、ナット31内のグリースがハウジング5の内周面の下部を伝って油圧機器側へ移動したとしても、そのグリースの移動を突起部50によって阻止できるので、グリースが油圧機器側へ侵入するのも抑制できる。このように、本実施形態においては、壁部36と油圧機器との間に設けられたハウジング5の突起部50によって、オイル及びグリースの移動をより確実に阻止することが可能である。
壁部36は、ねじ軸32の外周面から少しでも突出していれば、オイルの侵入及びグリースの漏出を抑制することが可能であるが、壁部36の突出量が多い方が、オイルの侵入及びグリースの漏出を抑制するうえで好ましい。具体的には、図1に示される壁部36の外径(最大外径)Dが、ナット31の雌ねじ部31aの内径(最大内径)dよりも大きいことが好ましい。このように、壁部36の外径Dを、ナット31の雌ねじ部31aの内径dよりも大きくすることにより、ナット31内からのグリースの漏出及びナット31内へのオイルの侵入を効果的に抑制できるようになる。また、壁部36外径全体が、ナット31の雌ねじ部31aの内径よりも大きい場合に限らず、壁部36の外径の一部のみが、ナット31の雌ねじ部31aの内径よりも大きい場合であってもよい。言い換えれば、ねじ軸32の外周面における周方向の一部において、壁部35の外径がナット31の雌ねじ部の内径31aよりも大きく形成されていていてもよい。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は、上述の実施形態に限定されるものではなく、発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更が可能である。
上述の実施形態においては、壁部36の突出方向の先端が、ハウジング5の内周面に対して接触しないように配置されている場合を例に説明したが、シール性を向上させるために壁部36の突出方向の先端を、ハウジング5の内周面又はハウジング5の内周面に設けられている他の部材の内周面に対して摺動可能な程度に接触させてもよい。この場合も、従来のような回転運動を行う回転部材と直線運動を行う直動部材の間にシール機能を有する部材が配置された構成に比べて、ボールねじ機構の作動効率低下を抑えることができ、外部からの異物の侵入と外部への潤滑剤の漏出を抑制できる。すなわち、従来の構成においては、回転部材が回転すると共に直動部材が直線運動すると、シール部材が直動部材に対して直動方向と回転方向の両方向に摺動するが、本発明に係る壁部36の場合は、ハウジング5又は他の部材の内周面に対して直動方向のみに摺動するので、摺動抵抗を低減でき、ボールねじ機構の作動効率低下を抑えることができる。壁部36の材料としては、摺動性を有する樹脂材料又はゴム材料などを適用可能である。
また、図4に示される例のように、壁部36は、ねじ軸32の外周面における周方向の一部のみに設けられていてもよい。図4に示される例においては、壁部36が、ねじ軸32の下側半分の周方向領域に渡って半円状に設けられているが、壁部36の配置及び形状は適宜変更可能である。また、ねじ軸32の周方向に渡って複数の壁部36を互いに間隔をあけて配置してもよい。
また、上述の実施形態においては、本発明に係る電動アクチュエータを、電動ブレーキシステムの油圧機器を操作する電動アクチュエータとして用いた場合を例に説明したが、操作対象となる装置又は部材は、油圧機器以外のものであってもよい。従って、本発明に係る電動アクチュエータは、油圧機器以外の装置又は部材を操作する電動アクチュエータとして用いることもでき、上記壁部36は、オイル以外の異物侵入を抑制するものとしても用いることが可能である。
また、電動モータの回転運動を直線運動に変換する運動変換機構は、ナット(雌ねじ部)とねじ軸(雄ねじ部)がボールを介して間接的に螺合するボールねじ機構に限らず、ナット(雌ねじ部)とねじ軸(雄ねじ部)がボールを介さずに直接的に螺合するすべりねじ機構であってもよい。すなわち、本発明は、送りねじ機構の一例であるボールねじ機構に限らず、他の例であるすべりねじ機構にも適用可能である。
1 電動アクチュエータ
2 電動モータ
3 運動変換機構
4 伝達ギヤ機構
5 ハウジング
10 隙間
30 ボールねじ機構
31 ナット(回転部材)
31a 雌ねじ部
32 ねじ軸(直動部材)
32a 雄ねじ部
33 ボール
36 壁部
50 突起部
2 電動モータ
3 運動変換機構
4 伝達ギヤ機構
5 ハウジング
10 隙間
30 ボールねじ機構
31 ナット(回転部材)
31a 雌ねじ部
32 ねじ軸(直動部材)
32a 雄ねじ部
33 ボール
36 壁部
50 突起部
Claims (6)
- 電動モータの回転運動を直線運動に変換して操作対象へ伝達する送りねじ機構であって、
内周面に雌ねじ部を有する回転部材と、
前記雌ねじ部に対して直接的又は間接的に螺合する雄ねじ部を外周面に有し前記回転部材の回転に伴って直線運動する直動部材と、
前記雌ねじ部と前記雄ねじ部の間に収容される潤滑剤と、前記回転部材及び前記直動部材を収容するハウジングと、
前記直動部材の外周面から径方向に突出する壁部を備え、
前記壁部は、前記直動部材と一緒に直線運動し、
前記壁部の外径方向端部は、前記ハウジングの内周面及び前記ハウジングの内周面に設けられる部材に対して接触しないように、あるいは前記ハウジングの内周面又は前記ハウジングの内周面に設けられる部材に対して摺動可能に配置されることを特徴とする送りねじ機構。 - 前記操作対象は、油圧機器であり、
前記壁部は、前記直動部材の雄ねじ部と、前記直動部材によって動かされる油圧機器との間に配置される請求項1に記載の送りねじ機構。 - 前記壁部の外径の少なくとも一部は、前記回転部材の雌ねじ部の内径よりも大きい請求項1又は2に記載の送りねじ機構。
- 前記壁部は、前記直動部材の外周面における周方向の少なくとも一部に配置される請求項1から3のいずれか1項に記載の送りねじ機構。
- 前記壁部と前記油圧機器との間に、前記ハウジングの内周面から径方向に突出する突起部が設けられている請求項2に記載の送りねじ機構。
- 電動モータと、前記電動モータの回転運動を直線運動に変換する請求項1から5のいずれか1項に記載の送りねじ機構を備えることを特徴とする電動アクチュエータ。
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