JP2023048574A - 振動型アクチュエータ、光学機器及び駆動装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】加圧力を適切に振動体へ伝達することができると共に異音の発生を低減させた振動型アクチュエータを提供する。【解決手段】振動型アクチュエータ1は、振動体2と、振動体2と接触する摩擦部材10と、振動体2を保持する振動体保持部材3と、振動体2と摩擦部材10を加圧接触させる加圧部材15と、加圧部材15と振動体2の間に配置されて振動体保持部材3に対して位置決めされる第1の加圧伝達部材13と、加圧部材15と振動体2の間に配置されて第1の加圧伝達部材13に対して位置決めされる第2の加圧伝達部材14とを備え、第2の加圧伝達部材14が振動体保持部材3と接触しない構成とする。【選択図】図7

Description

本発明は、振動型アクチュエータ、振動型アクチュエータを備えた光学機器及び駆動装置に関する。
振動型アクチュエータは、小型でも大きな出力を得ることができ、また、駆動時の静粛性に優れるという特徴を備えているため、例えば、デジタルカメラ等の撮像装置における光学レンズの駆動に用いられている。種々の構造の振動型アクチュエータが知られているが、その1つに、複数の突起を設けた振動体を励振して突起の先端に楕円運動を生じさせ、突起に接触した被駆動体に摩擦駆動力を与えることで振動体と被駆動体を相対移動させるタイプのものがある。
このタイプの振動型アクチュエータは、振動体を被駆動体に対して押圧するために、加圧部材及び加圧伝達部材を必要とする。例えば、特許文献1には、加圧部材であるコイルばねの加圧力を、加圧方向に重ねて配置された2つの加圧伝達部材(第1の加圧伝達部材、第2の加圧伝達部材)を介して振動体に伝達する構成が記載されている。コイルばねに直接接触している第1の加圧伝達部材は、球突起を有する第2の加圧伝達部材を介して、コイルばねの加圧力を振動体に伝達している。このとき、特許文献1では、球突起で加圧力を伝達することによって平板状の振動体の略中心位置に加圧力を与えることで、振動体に不要なモーメントが作用しないよう工夫されている。
また、特許文献1では、振動体の加圧受け面に均一に加圧力が作用するように、振動体と振動体により近い第2の加圧伝達部材との間に緩衝部材が配置されている。緩衝部材には、例えばフェルト等の、振動体に当接しても振動体の振動を阻害しにくい素材が用いられる。こうして特許文献1では、コイルばねの加圧力は、コイルばねから、第1の加圧伝達部材、球突起を有する第2の加圧伝達部材、緩衝部材、の順に振動体へ伝達される。
特開2020-5374号公報
上記特許文献1に記載された振動型アクチュエータでは、振動体は振動体保持部材に直接保持されている。そして、第1の加圧伝達部材と振動体保持部材が相互の位置決めのために接触しており、且つ、第2の加圧伝達部材も振動体保持部材に対して相互の位置決めのために接触している。そのため、振動体を所定の周波数で励振すると、振動板の振動に付随して生じる振動体保持部材の高周波振動によって、振動体保持部材と第1の加圧伝達部材の接触位置及び振動体保持部材と第2の加圧伝達部材の接触位置で高周波の衝突が生じて、異音が発生してしまう。
本発明は、加圧力を適切に振動体へ伝達することができると共に異音の発生を低減させた振動型アクチュエータを提供することを目的とする。
本発明に係る振動型アクチュエータは、振動体と、前記振動体と接触する被駆動体と、前記振動体を保持する振動体保持部材と、前記振動体と前記被駆動体を加圧接触させる加圧部材と、を備える振動型アクチュエータであって、前記加圧部材と前記振動体の間に配置されて前記振動体保持部材に対して位置決めされる第1の加圧伝達部材と、前記加圧部材と前記振動体の間に配置されて前記第1の加圧伝達部材に対して位置決めされる第2の加圧伝達部材と、を備え、前記第2の加圧伝達部材は前記振動体保持部材と接触しないことを特徴とする。
本発明によれば、加圧力を適切に振動体へ伝達することができると共に異音の発生を低減させた振動型アクチュエータを提供することができる。
実施形態に係る振動型アクチュエータの分解斜視図である。 振動型アクチュエータの外観斜視図である。 第1の加圧伝達部材の形状を説明する図である。 第1の加圧伝達部材と振動体保持部材が位置決めされた状態を示す図である。 第2の加圧伝達部材の形状を説明する図である。 第1及び第2の加圧伝達部材が位置決めされた状態を示す図である。 振動体保持部材、第1の加圧伝達部材、第2の加圧伝達部材が位置決めされた状態を示す図である。 図7(b)の部分拡大図である。 第1の加圧伝達部材に対して第2の加圧伝達部材が傾いた状態を示す断面図である。 撮像装置の概略構成を示す断面図である。
以下に、本発明の実施形態について、添付図面を参照して詳細に説明する。
図1は実施形態に係る振動型アクチュエータ1の分解斜視図であり、図1(a)と図1(b)とでは、図中に直交座標軸で示されるように、振動型アクチュエータ1を見る方向が異なっている。図2は、振動型アクチュエータ1の外観斜視図であり、図2(a)と図2(b)とでは、図中に直交座標軸で示されるように、振動型アクチュエータ1を見る方向が異なっている。なお、図1及び図2に示す直交座標軸において、X方向は後述の振動体2が後述の摩擦部材10に対して相対的に移動する方向(駆動方向)である。また、Z方向は振動体2が摩擦部材10に対し加圧される方向(加圧方向)であり、Y方向はX方向とZ方向の両方と直交する方向である。
振動型アクチュエータ1は、振動体2、振動体保持部材3、連結部材4、可動枠5、可動案内部材6、転動ボール8、固定案内部材9、摩擦部材10、筐体11、緩衝部材12、第1の加圧伝達部材13、第2の加圧伝達部材14及び加圧部材15を備える。
振動体2は、2つの突起2bを有する矩形平板状の弾性部材2cと、弾性部材2cにおいて突起2bが設けられている面の反対側の面に接着剤等で接合された矩形平板状の圧電素子2aを有する。例えば、圧電素子2aはPZT(チタン酸ジルコン酸鉛)等の圧電セラミックスであり、弾性部材2cはステンレス等の金属板である。圧電素子2aには給電部材であるフレキシブル基板(不図示)が貼付されており、フレキシブル基板を介して圧電素子2aに交流電圧を印加することが可能となっている。圧電素子2aに所定の交流電圧を印加すると突起2bの先端に楕円運動を発生させることができる。なお、突起2bの先端に楕円運動を発生させる方法は公知であるため、詳細な説明は省略する。また、振動体2に設けられる突起の数は2つに限定されず、1つであっても構わない。
振動体保持部材3は、振動体2が直接接着されることで振動体2を保持する樹脂製の枠体である。摩擦部材10は、振動体2の突起2bから摩擦駆動力(推力)を受ける被駆動体であり、ここでは、振動体2の突起2bと摩擦接触する摺動面10aを有する金属板であり、筐体11に固定される。筐体11は、振動型アクチュエータ1のベースとなる部材であり、振動型アクチュエータ1が電子機器等に搭載される際に機器のフレーム等に固定される部材である。なお、本実施形態では、突起2bの先端に楕円運動を発生させることにより、摩擦部材10に対して相対的に振動体2が移動する。但し、このような構成に限らず、振動体2に振動を励起することにより、摩擦部材10が振動体2に対して相対的に移動する構成であってもよい。
第1の加圧伝達部材13は樹脂成形品であり、第2の加圧伝達部材14は金属板である。第1の加圧伝達部材13は、加圧方向(-Z方向)において、振動体2と第2の加圧伝達部材14の間に配置される。第2の加圧伝達部材14には、複数の加圧部材15が取り付けられる。具体的には、加圧部材15として4個の引張バネが用いられている。
第2の加圧伝達部材14の4隅にばね掛け部14aが設けられており、それぞれのばね掛け部14aに引張バネの一端が掛かり止めされる。4個の引張バネのそれぞれの他端は、可動案内部材6において4カ所に設けられたばね掛け部6bに掛かり止めされる。こうして、加圧部材15は可動枠5の周囲(4隅)に配置され、4個の加圧部材15それぞれに生じる引張力の合力により、振動体2は加圧方向(-Z方向)に押圧されて、振動体2が摩擦部材10と加圧接触する。また、第2の加圧伝達部材14と可動案内部材6が加圧部材15を介して連結される。
緩衝部材12は、第1の加圧伝達部材13に取り付けられる。緩衝部材12には、振動体2に当接しても振動体2の振動を阻害し難い素材が用いられ、本実施形態ではフェルトを用いているが、これに限定されるものではない。第1の加圧伝達部材13には蒲鉾形状部13c(図8参照)が設けられている。蒲鉾形状部13cは、Y方向と直交する断面での形状が略楕円形であり、Y方向に延在する形状を有する。第2の加圧伝達部材14は、蒲鉾形状部13cの稜線又はその近傍にて第1の加圧伝達部材13と当接する。これにより、第2の加圧伝達部材14は、第1の加圧伝達部材13に対して蒲鉾形状部13cまわりに相対的に回動可能に保持される。第2の加圧伝達部材14は、4個の加圧部材15で生じる加圧力(引張力の合力)を第1の加圧伝達部材13に伝達し、第1の加圧伝達部材13は緩衝部材12を介して振動体2に加圧力を伝達する。
可動枠5は、振動体保持部材3の周囲を囲むように配置された樹脂製の枠体である。可動枠5と振動体保持部材3はそれぞれ、略薄板形状の連結部材4に連結される。連結部材4によって可動枠5と振動体保持部材3はXY平面での相対的な位置が決まり、振動体2の駆動方向(X方向)における可動枠5と振動体保持部材3のガタ(がたつき)が抑制される。なお、振動型アクチュエータ1では、連結部材4における可動枠5との連結部と振動体保持部材3との連結部が、Z方向において略等しい高さに設けられる。これにより、連結部材4に対する可動枠5と振動体保持部材3の各連結部のZ方向での高さが異なることによって連結部材4に弾性力が発生することが抑制され、連結部材4に発生する弾性力の振動体保持部材3を介した振動体2への伝達が抑制される。こうして、連結部材4が振動体2に対して弾性力を発生させない構成とすることで、加圧部材15の加圧力を安定させることが可能となる。
可動案内部材6と固定案内部材9は、金属板である。可動案内部材6は、振動体2の移動方向に延在する案内溝6aを有している。可動案内部材6と可動枠5はビス7により結合(連結)される。なお、可動案内部材6には、駆動対象物(不図示)との連結に用いられる接続部6cが設けられている。
固定案内部材9は、加圧方向(Z方向)において案内溝6aと対向する位置に設けられた案内溝9aを有している。転動ボール8は、加圧部材15が振動体2を摩擦部材10に対して押圧する加圧力の反力を用いて、Z方向において案内溝6aと案内溝9aの間にX方向に転動可能に挟持されており、振動体2(可動案内部材6)のX方向での移動を可能とする。固定案内部材9は、筐体11に固定される。
振動型アクチュエータ1では、加圧部材15、第1の加圧伝達部材13、第2の加圧伝達部材14及び緩衝部材12は、振動体2を摩擦部材10に対して押圧する加圧力を生じて振動体2へ伝達する加圧機構として機能する。また、連結部材4、可動枠5、可動案内部材6、固定案内部材9及び転動ボール8は、振動体2を摩擦部材10に対し相対的に移動可能に案内する保持機構として機能する。
次に、振動型アクチュエータ1の加圧機構を構成する部品の位置決め手法について説明する。図3は第1の加圧伝達部材13の形状を説明する図であり、図3(a)は上面図(+Z側から見た図)であり、図3(b)は正面図(-Y側から見た図)である。
図3に示されるように、第1の加圧伝達部材13は、X方向において+X側と-X側それぞれに1カ所ずつ突出した当接部13a1を有する。また、第1の加圧伝達部材13は、Y方向において+Y側と-Y側それぞれに2カ所ずつ突出した当接部13a2を有する。更に、第1の加圧伝達部材13は、Z方向に突出する突起部として1カ所に形成された位置決め部13b1と2カ所に形成された位置決め部13b2を有する。当接部13a1,13a2は、振動体保持部材3に対する第1の加圧伝達部材13の位置決めに用いられる。また、位置決め部13b1,13b2は、第2の加圧伝達部材14を第1の加圧伝達部材13に対して位置決めするために用いられる。
図4は第1の加圧伝達部材13と振動体保持部材3が位置決めされた状態を示す図であり、図4(a)は上面図であり、図4(b)は正面図である。振動体保持部材3には、第1の加圧伝達部材13を収容するための略矩形の収容スペースが、加圧部材15による加圧方向(Z方向)と略平行な内壁3a1,3a2に囲まれて形成されている。第1の加圧伝達部材13は、振動体保持部材3の収容スペースに挿入される。すると、第1の加圧伝達部材13においてX方向に突出している当接部13a1が振動体保持部材3の内壁3a1と当接することによって、第1の加圧伝達部材13と振動体保持部材3のX方向における相対的な位置が決まる。また、Y方向に突出している当接部13a2が振動体保持部材3の内壁3a2と当接することによって、第1の加圧伝達部材13と振動体保持部材3のY方向における相対的な位置が決まる。つまり、第1の加圧伝達部材13の当接部13a1,13a2がそれぞれ振動体保持部材3の内壁3a1,3a2と当接することにより、加圧部材15による加圧方向と略直交する平面(XY平面)における第1の加圧伝達部材13の振動体保持部材3に対する位置が決まる。
図5は第2の加圧伝達部材14の形状を説明する図であり、図5(a)は上面図であり、図5(b)は正面図である。第2の加圧伝達部材14は、略薄板状で、第1の加圧伝達部材13に対する位置決めに用いられる1カ所の位置決め部14b1と2カ所の位置決め部14b2を有する。位置決め部14b1,14b2はそれぞれ、Z方向に貫通する孔として設けられている。位置決め部14b1はY方向に延在する長孔形状を有しており、位置決め部14b1をX方向で挟むように2カ所に設けられた位置決め部14b2はX方向に延在する長孔形状を有している。これらの位置決め部14b1,14b2はそれぞれ、第1の加圧伝達部材13に設けられた位置決め部13b1,13b2と係合する。
図6は第2の加圧伝達部材14と第1の加圧伝達部材13が位置決めされた状態を示す図であり、図6(a)は上面図であり、図6(b)は正面図である。第2の加圧伝達部材14の位置決め部14b1は、Y方向に延在した孔であるが、X方向では第1の加圧伝達部材13の位置決め部13b1と係合可能な公差程度の幅で形成されている。よって、位置決め部14b1が位置決め部13b1と係合することによって、第2の加圧伝達部材14は第1の加圧伝達部材13に対してX方向でガタなく位置が決まる。また、第2の加圧伝達部材14の2カ所の位置決め部14b2はX方向に延在した孔であるが、Y方向では第1の加圧伝達部材13の位置決め部13b2と係合可能な公差程度の幅で形成されている。そのため、2カ所の位置決め部14b2が2カ所の位置決め部13b2と1対1で係合することにより、第2の加圧伝達部材14は第1の加圧伝達部材13に対してY方向にガタなく位置が決まり、Z方向と平行な軸を中心とした回転も規制される。
第2の加圧伝達部材14は、第1の加圧伝達部材13に対して位置決め(係合)された状態で第1の加圧伝達部材13の蒲鉾形状部13cと当接する当接面14cを有する。蒲鉾形状部13cと当接面14cは、加圧部材15によって-Z方向に加圧されるために当接しており、4個の加圧部材15の力のつり合いによって当接位置を中心とした傾きとZ方向の相対的な位置が決まる。
つまり、第1の加圧伝達部材13の位置決め部13b1,13b2と第2の加圧伝達部材14の位置決め部14b1,14b2によって、第1の加圧伝達部材13と第2の加圧伝達部材14のXY平面における相対的な位置が決まる。また、第1の加圧伝達部材13の蒲鉾形状部13cと第2の加圧伝達部材14の当接面14cによって、第1の加圧伝達部材13と第2の加圧伝達部材14のZ方向での相対的な位置が決まる。更に、加圧部材15の力のつり合いによって、第1の加圧伝達部材13に対する第2の加圧伝達部材14の傾きが決まる。
図7は振動体保持部材3、第1の加圧伝達部材13及び第2の加圧伝達部材14が位置決めされた状態を示す図であり、図7(a)は上面図であり、図7(b)は図7(a)中に示す矢視A-Aでの断面図である。
前述の通り、第1の加圧伝達部材13の位置決め部13b1,13b2と第2の加圧伝達部材14の位置決め部14b1,14b2によって、XY平面における第1の加圧伝達部材13と第2の加圧伝達部材14の位置が決まる。第1の加圧伝達部材13は、振動体保持部材3に対して、振動体2と緩衝部材12を介して+Z方向での高さが決まり、第2の加圧伝達部材14は第1の加圧伝達部材13の蒲鉾形状部13cに当接することによってZ方向での位置が決まる。
振動体保持部材3は振動体2を直接保持しているため加振されやすく、接触している部品との位置決めで隙間が生じていることによって高周波の衝突が発生し、異音として使用者に聞こえるおそれがある。この問題に対して、振動型アクチュエータ1では、振動体保持部材3に第1の加圧伝達部材13が接触しており、第1の加圧伝達部材13に第2の加圧伝達部材14が接触する構造となっている。つまり、第2の加圧伝達部材14は第1の加圧伝達部材13を介して振動体保持部材3に対して位置決めされるため、第2の加圧伝達部材14と振動体保持部材3は接触していない。こうして、振動体保持部材3に接触する部品点数を減らして、前述の衝突が発生する部位を少なくすることで、異音を低減することが可能となっている。
次に、振動の減衰と異音の低減方法について説明する。前述の通り、振動型アクチュエータ1の加圧機構を構成する第1の加圧伝達部材13は樹脂製であり。第2の加圧伝達部材14は金属板である。第1の加圧伝達部材13の振動減衰率をδ1とし、第2の加圧伝達部材14の振動減衰率をδ2とした時、振動減衰率の関係が‘δ1>δ2’となるように材質を選定する。これは以下の理由による。即ち、第1の加圧伝達部材13は、振動体2によって最も加振されやすい振動体保持部材3と接触して位置が決まっており、第2の加圧伝達部材14は第1の加圧伝達部材13に接触して位置が決まっている。振動体2に励起された振動は、振動体2から振動体保持部材3を介して第1の加圧伝達部材13に振動が伝搬し、更に第1の加圧伝達部材13から第2の加圧伝達部材14に伝搬する。そのため、最初に加振される部材の材料に振動減衰率の大きいものを用い、振動が伝達される部材の順に振動減衰率が小さくなる材料を選択することで、振動の伝搬を効率よく減衰させることができる。その結果、加圧機構全体に振動が伝搬して異音が発生することを抑制することが可能となる。なお、第1の加圧伝達部材13は樹脂製であり、第2の加圧伝達部材14は金属製であるとしたが、これらの部材の材質はこれに限定されず、例えば振動減衰率の異なる樹脂同士や金属同士の組み合わせであってもよい。
続いて、減衰部材による異音の低減方法について説明する。図8は、図7(b)の部分拡大図であり、第1の加圧伝達部材13の位置決め部13b1,13b2の近傍の構造を示している。減衰部材16は、第1の加圧伝達部材13の位置決め部13b1,13b2の近傍に配置され、第1の加圧伝達部材13と第2の加圧伝達部材14の両方に接触している。前述したように、振動体2から第1の加圧伝達部材13を介して第2の加圧伝達部材14に振動が伝搬するため、第1の加圧伝達部材13と第2の加圧伝達部材14の位置決め部同士の高周波の衝突によって異音が発生する。そこで、第1の加圧伝達部材13と第2の加圧伝達部材14の位置決め部に減衰部材16を設けて、第1の加圧伝達部材13から第2の加圧伝達部材14に対し伝わる振動を減衰させることにより、異音の発生を抑制することができる。減衰部材16には、例えば、弾性樹脂接着剤や制振ゴム等が用いられる。
次に、第1の加圧伝達部材13に対して第2の加圧伝達部材14の姿勢と接触状態が変化することにより異音の発生を抑制するメカニズムについて説明する。図9は、第1の加圧伝達部材13に対して第2の加圧伝達部材14が傾いた状態を示す断面図である。図9の状態では、4個の加圧部材15(図9に不図示)の力のつり合いによって、第2の加圧伝達部材14は第1の加圧伝達部材13の蒲鉾形状部13cに対する接触点を回転中心として時計まわりに傾いた状態で位置と姿勢が決まっている。前述したように、第2の加圧伝達部材14の位置決め部14b1はY方向に延在した孔であり、位置決め部14b2はX方向に延在した孔であるため、第2の加圧伝達部材14は図9に示されるように、Y方向と平行な軸を回転中心として、傾くことができる。
位置決め部13b1と位置決め部14b1は加圧機構の加圧中心Sに配置されており、位置決め部13b1は位置決め部14b1に対してX方向ではガタなく係合している。第2の加圧伝達部材14が傾くことにより、位置決め部13b1に対して位置決め部14b1がこじれてしまう。しかし、第2の加圧伝達部材14は略薄板形状であり、位置決め部13b1と位置決め部14b1の嵌合長は短いため、部品同士のこじれを小さくすることができる。
また、位置決め部13b1と位置決め部14b1は、Z方向において蒲鉾形状部13cと同軸となる(蒲鉾形状部13cの頂点を通りZ方向と平行な軸と位置決め部13b1及び位置決め部14b1の中心軸が一致する)ように蒲鉾形状部13c上に設けられている。よって、蒲鉾形状部13cと第2の加圧伝達部材14の接触点が回転中心となり、位置決め部13b1及び位置決め部14b1は回転中心の近傍に位置する。こうして、位置決め部の近傍に部品の回転中心が来ることによって、部品の傾きによる係合部のこじれを最小限に抑えることができ、その結果として異音の発生を抑制することができる。
次に、位置決め部13b2と位置決め部14b2の接触状態について説明する。位置決め部13b2と位置決め部14b2はそれぞれ、加圧機構の加圧中心SからX方向に所定の間隔Dだけ離れた位置に設けられている。また、位置決め部13b2は、位置決め部14b2に対しY方向にガタなく係合している。そして、位置決め部14b2はX方向に延在した長穴形状の孔であるため、第2の加圧伝達部材14が傾くことによる係合部のこじれを逃がす(位置決め部13b2,14b2同士を擦れ難くする)ことができる。
なお、振動型アクチュエータ1の加圧機構において、振動体2の突起2bの面圧を均一化するためには加圧中心Sと振動体2の中心とが可能な限り一致していることが望ましい。加圧中心Sは第1の加圧伝達部材13に設けられた蒲鉾形状部13cの位置となるため、振動体2と第1の加圧伝達部材13を相対的に高い精度で位置決めする必要がある。そのためには、第1の加圧伝達部材13の位置決めは、振動体保持部材3に対して直接当接して位置決めされることが好ましい。そこで、図3及び図4を参照して前述したように、振動型アクチュエータ1では、第1の加圧伝達部材13は振動体保持部材3に対して直接当接して位置決めされている。振動体保持部材3に対する第1の加圧伝達部材13の位置決めは、当接部13a1,13a2を用いる構成に限定されるものではない。
また、第2の加圧伝達部材14が振動体2に不要なモーメントを伝達することのないように、第2の加圧伝達部材14は振動体保持部材3及び第1の加圧伝達部材13に対して自由に回動可能となっていることが望ましい。この観点から、振動型アクチュエータ1では、X方向の位置を決める第1の加圧伝達部材13の位置決め部13b1と第2の加圧伝達部材14の位置決め部14b1が、Z方向で加圧中心Sとなる蒲鉾形状部13cと同軸上に配置されている。そして、加圧中心SからX方向に所定の間隔Dだけ離れた位置にY方向の位置を決める位置決め部13b2及び位置決め部14b2が配置されている。これにより、第2の加圧伝達部材14が傾くことによって生じる位置決め部のこじれを位置決め部14b2のガタによって吸収し、部材同士のこじれによる不要なモーメントの伝達を回避することができる。つまり、第2の加圧伝達部材14は、第1の加圧伝達部材13に対してこじれなく自由に回動することが可能となっている。
次に、振動型アクチュエータ1を用いた光学機器の一例として、撮像装置を構成する鏡筒装置(レンズ鏡筒)について説明する。図10は、撮像装置の概略構成を示す断面図である。撮像装置は、大略的に、レンズ鏡筒101と撮像装置本体102から構成される。撮像装置本体102の内部には撮像素子104が配置されている。
ここでは、レンズ鏡筒101と撮像装置本体102は一体となっているものとするが、レンズ鏡筒101は、撮像装置本体102に対して着脱可能な、所謂、交換レンズであってもよい。レンズ鏡筒101の内部には、複数の光学部品のうちの1つとして、レンズ及びレンズ保持枠からなる光学レンズ103が撮像光軸Pと平行な方向(光軸方向)に移動可能に配置されている。光学レンズ103は振動型アクチュエータ1の可動案内部材6の接続部6cと連結されており、振動型アクチュエータ1と光学レンズ103からレンズ駆動装置1000が構成されている。
振動型アクチュエータ1は、レンズ鏡筒101内において、振動体2や可動案内部材6を含む可動部が光軸方向に移動可能に配置されており、よって、振動体2が移動することにより光学レンズ103も光軸方向に移動する。光学レンズ103が合焦レンズであれば、撮像時に合焦レンズを光軸方向に移動させることにより、被写体に合焦した被写体像を撮像素子104に結像させることができる。また、光学レンズ103がズームレンズであれば、ズームレンズを光軸方向に移動させることによって撮像画角を変更することが可能になる。
なお、振動型アクチュエータ1を用いて駆動対象物を駆動させる駆動装置において、駆動対象物は上記の光学レンズ103に限定されるものではない。例えば、駆動対象物を撮像素子104(を保持する保持枠)とすれば、振動型アクチュエータ1を用いて撮像素子104を光軸Pと直交する平面内で駆動する像振れ補正装置を構成することができる。更に、振動型アクチュエータ1は、撮像装置以外の駆動装置にも用いることができ、例えば、駆動対象物を視度調整用レンズや表示パネルとしたヘッドマウントディスプレイ等の表示装置、駆動対象物をステージとした顕微鏡にも用いることができる。
以上、本発明をその好適な実施形態に基づいて詳述してきたが、本発明はこれら特定の実施形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の様々な形態も本発明に含まれる。
1 振動型アクチュエータ
2 振動体
3 振動体保持部材
3a1,3a2 内壁
10 摩擦部材
13 第1の加圧伝達部材
13a1,13a2 当接部
13b1,13b2 位置決め部
13c 蒲鉾形状部
14 第2の加圧伝達部材
14b1,14b2 位置決め部
15 加圧部材
16 減衰部材
101 レンズ鏡筒
103 光学レンズ
1000 レンズ駆動装置

Claims (11)

  1. 振動体と、
    前記振動体と接触する被駆動体と、
    前記振動体を保持する保持部材と、
    前記振動体と前記被駆動体を加圧接触させる加圧部材と、を備える振動型アクチュエータであって、
    前記加圧部材と前記振動体の間に配置されて前記保持部材に対して位置決めされる第1の加圧伝達部材と、
    前記加圧部材と前記振動体の間に配置されて前記第1の加圧伝達部材に対して位置決めされる第2の加圧伝達部材と、を備え、
    前記第2の加圧伝達部材は前記保持部材と接触しないことを特徴とする振動型アクチュエータ。
  2. 前記第1の加圧伝達部材は、前記第2の加圧伝達部材より振動の減衰率が高い材質からなることを特徴とする請求項1に記載の振動型アクチュエータ。
  3. 前記第1の加圧伝達部材は前記第1の加圧伝達部材に対する前記第2の加圧伝達部材の位置を決めるための第1の位置決め部を有し、
    前記第2の加圧伝達部材は前記第1の位置決め部と嵌合する第2の位置決め部を有し、
    前記第1の位置決め部と前記第2の位置決め部が嵌合した状態で、前記第1の加圧伝達部材に対する前記第2の加圧伝達部材の前記振動体による駆動方向への移動が規制されると共に、前記第1の加圧伝達部材に対する前記第2の加圧伝達部材の前記加圧部材による加圧方向と平行な軸を中心とする回転が規制されることを特徴とする請求項1又は2に記載の振動型アクチュエータ。
  4. 前記第1の位置決め部と前記第2の位置決め部が嵌合した状態で、前記第2の加圧伝達部材は、前記駆動方向および前記加圧方向と直交する方向と平行な軸を中心として、前記第1の加圧伝達部材に対して傾くことが可能であることを特徴とする請求項3に記載の振動型アクチュエータ。
  5. 前記第1の加圧伝達部材は、前記駆動方向および前記加圧方向と直交する方向に延在する蒲鉾形状部を有し、
    前記第2の加圧伝達部材は、前記蒲鉾形状部の稜線またはその近傍で前記第1の加圧伝達部材に当接することを特徴とする請求項4に記載の振動型アクチュエータ。
  6. 前記第1の位置決め部は、前記駆動方向に沿って設けられた3つの突起部であり、
    前記第2の位置決め部は、前記3つの突起部と嵌合する3つの孔であり、
    前記3つの孔のうち、前記3つの突起部のうち真ん中の1つの突起部と嵌合する孔は前記駆動方向および前記加圧方向と直交する方向に延在する長孔であり、残りの2つの突起部と嵌合する孔は前記駆動方向に延在する長孔であることを特徴とする請求項5に記載の振動型アクチュエータ。
  7. 前記真ん中の突起部は、前記蒲鉾形状部に設けられていることを特徴とする請求項6に記載の振動型アクチュエータ。
  8. 前記第1の位置決め部と前記第2の位置決め部に接触する減衰部材を備えることを特徴とする請求項3乃至7のいずれか1項に記載の振動型アクチュエータ。
  9. 前記第1の加圧伝達部材は、前記保持部材と当接し、前記加圧部材による加圧方向と略直交する平面において前記保持部材に対する前記第1の加圧伝達部材の位置を決める第3の位置決め部を有し、
    前記保持部材は、前記第3の位置決め部と当接する内壁により囲まれ、前記第1の加圧伝達部材を収容する収容スペースを有する当接面を有し、
    前記内壁は前記加圧方向と略平行であることを特徴とする請求項1乃至8のいずれか1項に記載の振動型アクチュエータ。
  10. 請求項1乃至9のいずれか1項に記載の振動型アクチュエータと、
    前記振動型アクチュエータにより駆動される光学部品と、を備えることを特徴とする光学機器。
  11. 請求項1乃至9のいずれか1項に記載の振動型アクチュエータと、
    前記振動型アクチュエータにより駆動される駆動対象物と、を備えることを特徴とする駆動装置。
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