JP2023048205A - 歩行者保護装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】歩行者に対する保護性能を向上する。
【解決手段】歩行者保護装置30では、アクチュエータ51がバンパカバー32に連結されており、アクチュエータ51の作動時には、アクチュエータ51のピストン53によってバンパカバー32が前方側へ押出される。また、バンパカバー32の後側には、ヒンジ機構40が設けられており、ヒンジ機構40がバンパカバー32を揺動可能に支持している。そして、アクチュエータ51の作動時には、ヒンジ機構40が、アクチュエータ51と協働して、バンパカバー32を前側且つ上側へ持上げる。これにより、小人の歩行者では、歩行者の身体をバンパカバー32によって持上げることができ、大人の歩行者では、歩行者の脚部をバンパカバー32によってはらって歩行者の身体をフード上に良好に倒れ込ませることができる。したがって、歩行者に対する保護性能を向上することができる。
【選択図】図6
【解決手段】歩行者保護装置30では、アクチュエータ51がバンパカバー32に連結されており、アクチュエータ51の作動時には、アクチュエータ51のピストン53によってバンパカバー32が前方側へ押出される。また、バンパカバー32の後側には、ヒンジ機構40が設けられており、ヒンジ機構40がバンパカバー32を揺動可能に支持している。そして、アクチュエータ51の作動時には、ヒンジ機構40が、アクチュエータ51と協働して、バンパカバー32を前側且つ上側へ持上げる。これにより、小人の歩行者では、歩行者の身体をバンパカバー32によって持上げることができ、大人の歩行者では、歩行者の脚部をバンパカバー32によってはらって歩行者の身体をフード上に良好に倒れ込ませることができる。したがって、歩行者に対する保護性能を向上することができる。
【選択図】図6
Description
本発明は、歩行者保護装置に関するものである。
下記特許文献1に記載の衝突検出装置では、衝撃吸収部材がバンパカバーの後側に設けられており、衝撃吸収部材には、圧力チューブが設けられている。そして、例えば、歩行者と車両とが衝突したときには、歩行者から衝撃吸収部材に入力される衝突荷重によって、圧力チューブが押し潰され、圧力チューブから演算部に検出信号が出力されて、演算部が、衝突体が歩行者であることを判定する。これにより、エアバッグが、フードの後端部とウィンドシールドガラスとの間で膨張展開して、フード上に倒れ込む歩行者をエアバッグによって受け止めることができる。
しかしながら、上記衝突検出装置では、以下に示す点において改善の余地がある。すなわち、上記衝突検出装置では、車両と衝突体との衝突時の衝突エネルギを、発泡樹脂で構成された衝撃吸収部材によって吸収する。ここで、例えば、身長の比較的低い子供等のような小人の歩行者が車両に衝突した場合には、歩行者の身体(胴体)が、バンパカバーの後側に配置された衝撃吸収部材等に当たるようになる。また、衝撃吸収部材では、衝突体に対する所定の反力を確保する必要があり、小人の歩行者と車両との衝突では、衝撃吸収部材が良好に変形せず、衝突時の衝撃エネルギを衝撃吸収部材によって良好に吸収することができなくなる可能性がある。この場合には、歩行者に対する傷害値が悪化して、歩行者に対する保護性能が低下する虞がある。
本発明は、上記事実を考慮して、歩行者に対する保護性能を向上することができる歩行者保護装置を提供することを目的とする。
本発明の1又はそれ以上の実施形態は、車両の前端部に設けられ、車幅方向に延在されたバンパカバーと、前記バンパカバーの車両後側において前記バンパカバーに連結され、作動することで前記バンパカバーを車両前方側へ押出すアクチュエータと、前記バンパカバーの車両後側に設けられ、前記バンパカバーを揺動可能に支持すると共に、前記アクチュエータが作動することで前記アクチュエータと協働して前記バンパカバーを車両前側且つ車両上側へ揺動した持上位置に持上げるヒンジ機構と、を備えた歩行者保護装置である。
本発明の1又はそれ以上の実施形態は、前記ヒンジ機構は、一端部が車幅方向を軸方向として前記バンパカバーに連結され、他端部が車幅方向を軸方向として車体側部材に連結されたヒンジ本体と、前記ヒンジ本体に着脱可能に取付けられ、前記ヒンジ本体を補強する補強部材と、前記補強部材の前記ヒンジ本体からの脱落を阻止すると共に、前記バンパカバーの持上位置において作動して前記補強部材を前記ヒンジ本体から脱落させる着脱機構と、を含んで構成されている歩行者保護装置である。
本発明の1又はそれ以上の実施形態は、前記着脱機構は、前記補強部材に移動可能に設けられ、前記ヒンジ本体に係合する係合位置に配置されて前記補強部材の脱落を阻止すると共に、係合位置から係合解除位置に移動することで前記ヒンジ本体との係合が解除される係合部材と、前記係合部材を係合解除位置側へ付勢する係合解除付勢部材と、前記係合部材に当接して前記係合位置に保持すると共に、前記バンパカバーの持上位置で前記車体側部材に押圧されることで作動して前記係合部材に対する保持状態を解除する保持部材と、を含んで構成されている歩行者保護装置である。
本発明の1又はそれ以上の実施形態は、前記アクチュエータは、有底筒状のシリンダと、基端部が前記シリンダの内部に移動可能に設けられ、先端部が前記バンパカバーに連結され、前記シリンダの内部にガスが供給されることで前記シリンダから車両前方側へ押出されるピストンと、を含んで構成されている歩行者保護装置である。
本発明の1又はそれ以上の実施形態は、前記シリンダは、前記シリンダの基端部に設けられ、前記ガスが供給されるガス供給部と、前記シリンダの側壁に形成され、前記ピストンの前記シリンダからの押出後に前記シリンダ内の圧力を調整する圧力調整部と、を有している歩行者保護装置である。
本発明の1又はそれ以上の実施形態は、車両と歩行者との衝突を検出する衝突検出部と、作動することでガスを発生して前記シリンダにガスを供給するインフレータと、前記インフレータを作動させる制御部と、を備え、前記制御部は、前記衝突検出部からの検出信号に基づいて車両と歩行者との衝突を検知したときには、前記インフレータを作動させる歩行者保護装置である。
本発明の1又はそれ以上の実施形態によれば、歩行者に対する保護性能を向上することができる。
以下、図面を用いて、本実施形態に係る歩行者保護装置30について説明する。なお、図面に適宜示される矢印FRは、歩行者保護装置30が適用された車両(自動車)Vの車両前側を示し、矢印UPは車両上側を示している。また、図1及び図2の紙面上側を車両Vの車両左側(車幅方向一方側)としている。以下の説明において、上下、前後、左右の方向を用いて説明するときには、特に断りのない限り、車両上下方向、車両前後方向、車両左右方向を示すものとする。
歩行者保護装置30は、車両Vの前端部に設けられている。このため、以下、先に車両Vの前部の構造について説明し、次いで、歩行者保護装置30について説明する。
(車両Vの前部構造について)
図1に示されるように、車両Vの前部構造は、フロントサイドフレーム10と、バンパビーム16と、車体側部材としてのラジエータサポート18と、フレームとしてのアッパフレーム24と、を含んで構成されている。
図1に示されるように、車両Vの前部構造は、フロントサイドフレーム10と、バンパビーム16と、車体側部材としてのラジエータサポート18と、フレームとしてのアッパフレーム24と、を含んで構成されている。
フロントサイドフレーム10は、前後方向に延在された中空の略矩形柱状に形成されて、車両Vの前部の左右方向両側部分(車幅方向両側部分)にそれぞれ配置されている。フロントサイドフレーム10の前側には、クラッシュボックス12がそれぞれ設けられている。クラッシュボックス12は、前後方向を軸方向とする略矩形筒状に形成されており、クラッシュボックス12の後端部が、フロントサイドフレーム10の前端部に接合されている。フロントサイドフレーム10の左右方向外側には、前輪14がそれぞれ配置されている。
バンパビーム16は、左右方向に延在されると共に、バンパビーム16の長手方向から見た断面視で略矩形閉断面形状に形成されている。バンパビーム16は、クラッシュボックス12の前側に配置されており、バンパビーム16の車幅方向両端部がクラッシュボックス12の前端部に接合されている。
ラジエータサポート18は、左右一対のフロントサイドフレーム10の間に配置されている。ラジエータサポート18は、前側から見て略矩形枠状に形成されて、ラジエータ(図示省略)を支持する支持部材として構成されている。そして、ラジエータサポート18がフロントサイドフレーム10に接合されている。
また、ラジエータサポート18の上端部の前側には、バンパ取付フレーム20が設けられている。バンパ取付フレーム20は、左右方向に延在された略長尺状に形成され、ラジエータサポート18に取付けられて、ラジエータサポート18と共に車体側部材として構成されている。バンパ取付フレーム20は、樹脂材等によって構成されている。バンパ取付フレーム20の下端部には、後述するヒンジ本体41の回動を規制するためのストッパ22が設けられている。ストッパ22には、下側へ突出したストッパボス22Aが形成されている。
アッパフレーム24は、前輪14の上側において前後方向に延在されている。アッパフレーム24の前端部は、左右方向内側へ滑らかに屈曲されてラジエータサポート18の上端部に接合されている。一方、アッパフレーム24の後端部は、図示しないフロントピラーに接合されている。
アッパフレーム24の前後方向中間部には、ホイールアッパ52が設けられており、ホイールアッパ52は、アッパフレーム24と共に車両Vのフレームを構成している。また、ホイールアッパ52は、後述するアクチュエータ51の一部を構成している。ホイールアッパ52は、アッパフレーム24の下側で且つ前輪14の上斜め前方に配置されており、左右方向から見て、前側へ向かうに従い下側へ傾斜する方向に沿って延在されている。ホイールアッパ52の上端部は、アッパフレーム24の長手方向中間部に連結されており、ホイールアッパ52の下端部は、図示しないブラケットを介してフロントサイドフレーム10に連結されている。
(歩行者保護装置30について)
次に、歩行者保護装置30について説明する。図2に示されるように、歩行者保護装置30は、バンパカバー32と、ヒンジ機構40と、駆動機構50と、制御部としての衝突ECU70と、を含んで構成されている。以下、歩行者保護装置30の各構成について説明する。
次に、歩行者保護装置30について説明する。図2に示されるように、歩行者保護装置30は、バンパカバー32と、ヒンジ機構40と、駆動機構50と、制御部としての衝突ECU70と、を含んで構成されている。以下、歩行者保護装置30の各構成について説明する。
(バンパカバー32について)
バンパカバー32は、バンパビーム16の前側において左右方向に延在されて、車両Vの前端を構成している。バンパカバー32の上下方向中間部は、後述するヒンジ機構40によって揺動可能に支持されており、歩行者保護装置30の作動時には、後述するヒンジ機構40及びアクチュエータ51によって、初期位置(図2に示される位置)から前側且つ上側へ揺動した持上位置(図6に示される位置)に配置されるようになっている。なお、バンパカバー32は、クリップ等の止具によって、バンパ取付フレーム20及びホイールアッパ52に取付けられて、初期位置に保持されている。
バンパカバー32は、バンパビーム16の前側において左右方向に延在されて、車両Vの前端を構成している。バンパカバー32の上下方向中間部は、後述するヒンジ機構40によって揺動可能に支持されており、歩行者保護装置30の作動時には、後述するヒンジ機構40及びアクチュエータ51によって、初期位置(図2に示される位置)から前側且つ上側へ揺動した持上位置(図6に示される位置)に配置されるようになっている。なお、バンパカバー32は、クリップ等の止具によって、バンパ取付フレーム20及びホイールアッパ52に取付けられて、初期位置に保持されている。
(ヒンジ機構40について)
図2~図4に示されるように、ヒンジ機構40は、ラジエータサポート18の左右方向外側にそれぞれ設けられている。左右のヒンジ機構40は、車両Vの車幅方向中央部に対して左右対称に構成されている。このため、以下、左側に設けられたヒンジ機構40について説明し、右側に設けられたヒンジ機構40についての説明は省略する。ヒンジ機構40は、ヒンジ本体41と、補強部材としてのヒンジリインフォースメント42と、着脱機構43と、を含んで構成されている。
図2~図4に示されるように、ヒンジ機構40は、ラジエータサポート18の左右方向外側にそれぞれ設けられている。左右のヒンジ機構40は、車両Vの車幅方向中央部に対して左右対称に構成されている。このため、以下、左側に設けられたヒンジ機構40について説明し、右側に設けられたヒンジ機構40についての説明は省略する。ヒンジ機構40は、ヒンジ本体41と、補強部材としてのヒンジリインフォースメント42と、着脱機構43と、を含んで構成されている。
(ヒンジ本体41について)
ヒンジ本体41は、略長尺矩形柱状に形成されており、バンパカバー32の上部の後側に配置されている。歩行者保護装置30の非作動状態では、ヒンジ本体41が非作動位置(図2及び図3に示される位置)に配置されており、ヒンジ本体41の非作動位置では、ヒンジ本体41が、左右方向から見て、前側へ向かうに従い下側へ傾斜する方向に沿って延在している。ヒンジ本体41の前端部は、左右方向を軸方向とする前側ヒンジピン41P1によってバンパカバー32に回動可能に連結されており、ヒンジ本体41の後端部は、左右方向を軸方向とする後側ヒンジピン41P2によってラジエータサポート18に回動可能に連結されている。そして、歩行者保護装置30の作動時には、ヒンジ本体41が、左側から見て後側ヒンジピン41P2を中心として反時計回り(図2の矢印A方向側)に回動した作動位置(図4及び図6に示される位置)に配置されて、バンパカバー32が初期位置から持上位置に揺動される構成になっている。なお、ヒンジ本体41の作動位置では、ヒンジ本体41がストッパ22に当接して、ヒンジ本体41の上側への回動が規制される設定になっている。
ヒンジ本体41は、略長尺矩形柱状に形成されており、バンパカバー32の上部の後側に配置されている。歩行者保護装置30の非作動状態では、ヒンジ本体41が非作動位置(図2及び図3に示される位置)に配置されており、ヒンジ本体41の非作動位置では、ヒンジ本体41が、左右方向から見て、前側へ向かうに従い下側へ傾斜する方向に沿って延在している。ヒンジ本体41の前端部は、左右方向を軸方向とする前側ヒンジピン41P1によってバンパカバー32に回動可能に連結されており、ヒンジ本体41の後端部は、左右方向を軸方向とする後側ヒンジピン41P2によってラジエータサポート18に回動可能に連結されている。そして、歩行者保護装置30の作動時には、ヒンジ本体41が、左側から見て後側ヒンジピン41P2を中心として反時計回り(図2の矢印A方向側)に回動した作動位置(図4及び図6に示される位置)に配置されて、バンパカバー32が初期位置から持上位置に揺動される構成になっている。なお、ヒンジ本体41の作動位置では、ヒンジ本体41がストッパ22に当接して、ヒンジ本体41の上側への回動が規制される設定になっている。
ヒンジ本体41は、例えば、樹脂材等によって構成されており、ヒンジ本体41の曲げ剛性が比較的低く設定されている。詳細については後述するが、例えば、子供などの小人の歩行者をバンパカバー32によって持上げた後では、ヒンジ本体41が曲げ変形するようにヒンジ本体41の曲げ剛性が設定されている。ヒンジ本体41の後部には、後述するヒンジリインフォースメント42を収容するための収容部41Aが形成されており、収容部41Aは、下側へ開放された凹状に形成されている。
(ヒンジリインフォースメント42について)
ヒンジリインフォースメント42は、略中空の矩形柱状に形成されており、ヒンジ本体41の収容部41Aに着脱可能に装着されている。ヒンジリインフォースメント42の前端部は、後述する着脱機構43の係合部材44によってヒンジ本体41に固定され、ヒンジリインフォースメント42の後端部は、ヒンジ本体41の後端部に形成された係止部41Bに係止されて、ヒンジリインフォースメント42の装着状態が維持されている。ヒンジリインフォースメント42は、例えば、金属製とされ、ヒンジリインフォースメント42の曲げ剛性がヒンジ本体41の曲げ剛性よりも高く設定されている。すなわち、ヒンジリインフォースメント42がヒンジ本体41を補強する部材として構成されている。具体的には、例えば、ヒンジ本体41の非作動位置から作動位置への回動時にヒンジリインフォースメント42によってヒンジ本体41が曲げ変形しないように、ヒンジリインフォースメント42の曲げ剛性が設定されている。
ヒンジリインフォースメント42は、略中空の矩形柱状に形成されており、ヒンジ本体41の収容部41Aに着脱可能に装着されている。ヒンジリインフォースメント42の前端部は、後述する着脱機構43の係合部材44によってヒンジ本体41に固定され、ヒンジリインフォースメント42の後端部は、ヒンジ本体41の後端部に形成された係止部41Bに係止されて、ヒンジリインフォースメント42の装着状態が維持されている。ヒンジリインフォースメント42は、例えば、金属製とされ、ヒンジリインフォースメント42の曲げ剛性がヒンジ本体41の曲げ剛性よりも高く設定されている。すなわち、ヒンジリインフォースメント42がヒンジ本体41を補強する部材として構成されている。具体的には、例えば、ヒンジ本体41の非作動位置から作動位置への回動時にヒンジリインフォースメント42によってヒンジ本体41が曲げ変形しないように、ヒンジリインフォースメント42の曲げ剛性が設定されている。
(着脱機構43について)
着脱機構43は、係合部材44と、係合解除付勢部材としての係合解除スプリング45と、保持部材としての保持レバー46と、装着解除付勢部材としての装着解除スプリング47と、を含んで構成されている。
着脱機構43は、係合部材44と、係合解除付勢部材としての係合解除スプリング45と、保持部材としての保持レバー46と、装着解除付勢部材としての装着解除スプリング47と、を含んで構成されている。
係合部材44は、ヒンジリインフォースメント42の前端部内に設けられると共に、ヒンジリインフォースメント42の長手方向に移動可能に構成されている。具体的には、係合部材44は、係合位置(図3に示される位置)と、係合位置からヒンジリインフォースメント42の後端側へ位置する係合解除位置(図4(A)及び(B)に示される位置)と、の間を移動可能に構成されている。係合部材44は、係合部材44の後端部を構成するプレート部44Aを有しており、プレート部44Aは、ヒンジリインフォースメント42の長手方向を板厚方向とする略矩形板状に形成されている。また、係合部材44は、円柱状の係合ピン44Bを有しており、係合ピン44Bは、プレート部44Aの中央部からヒンジリインフォースメント42の前端側へ延出されている。
係合部材44の係合位置では、係合ピン44Bが、ヒンジリインフォースメント42から前方側へ突出し、ヒンジ本体41に形成された係合孔41C内に挿入されて、係合部材44とヒンジ本体41とが係合している(図3参照)。これにより、ヒンジリインフォースメント42のヒンジ本体41からの脱落が阻止されている。一方、係合部材44の係合解除位置では、係合部材44の全体がヒンジリインフォースメント42内に配置されて、係合部材44とヒンジ本体41との係合が解除される構成になっている(図4(A)参照)。これにより、ヒンジリインフォースメント42のヒンジ本体41からの脱落が許可された状態になる。なお、係合部材44の係合解除位置では、ヒンジリインフォースメント42に設けられた区画壁42Aによって係合部材44のヒンジリインフォースメント42の後端側への移動が規制されるようになっている。また、係合部材44の係合位置での係合解除位置側への移動が、後述する保持レバー46によって規制されて、係合部材44の係合位置に保持されている。
係合解除スプリング45は、圧縮コイルスプリングとして構成されて、係合部材44の係合ピン44Bに装着されている。係合解除スプリング45の一端部は、ヒンジリインフォースメント42の前端部に係止され、係合解除スプリング45の他端部は、係合部材44のプレート部44Aに係止されて、係合解除スプリング45が係合部材44を係合解除位置側へ付勢している。
保持レバー46は、ヒンジ本体41の長手方向に延在された略長尺状に形成されると共に、ヒンジ本体41の後部内に設けられている。保持レバー46の長手方向中間部は、左右方向を軸方向としてヒンジ本体41に回動可能に連結されている。具体的には、保持レバー46は、ヒンジ本体41の長手方向に沿って配置された保持位置(図3に示される位置)と、左側から見て保持位置から時計回りに回動した保持解除位置(図4(A)及び(B)に示される位置)と、の間を回動可能に構成されており、図示しない保持バネによって保持位置に保持されている。保持レバー46の前端部は、ヒンジリインフォースメント42の前端部内において係合部材44の後側に隣接配置されて、係合部材44に当接している。これにより、保持レバー46によって、係合部材44の係合解除位置への移動が規制されて、係合部材44が係合位置に保持されている。なお、ヒンジ本体41及びヒンジリインフォースメント42には、保持レバー46が配置される図示しない配置部が形成されている。
保持レバー46の後端部は、ヒンジ本体41に形成された露出孔41D内に配置されており、露出孔41Dはヒンジ本体41の厚み方向に貫通している。そして、ヒンジ本体41の作動位置では、ストッパ22のストッパボス22Aが、露出孔41D内に上側から挿入し、保持レバー46の後端部を下側へ押圧して、保持レバー46が保持位置から保持解除位置に回動する構成になっている(図4(A)参照)。また、保持レバー46の保持解除位置では、係合部材44と保持レバー46との当接状態が解除されて、係合部材44が係合解除スプリング45の付勢力によって係合解除位置へ移動する構成になっている。
装着解除スプリング47は、係合解除スプリング45と同様に、圧縮コイルスプリングとして構成されている。装着解除スプリング47は、ヒンジリインフォースメント42の前部の上側において、ヒンジ本体41に固定されている。具体的には、装着解除スプリング47の上端部がヒンジ本体41に固定されて、装着解除スプリング47がヒンジリインフォースメント42を下側へ付勢している。これにより、係合部材44の係合解除位置では、装着解除スプリング47の付勢力によってヒンジリインフォースメント42がヒンジ本体41から下側へ脱落するようになっている(図4(B)参照)。
(駆動機構50について)
図2及び図6に示されるように、駆動機構50は、アクチュエータ51と、インフレータ60と、を含んで構成されている。
図2及び図6に示されるように、駆動機構50は、アクチュエータ51と、インフレータ60と、を含んで構成されている。
(アクチュエータ51について)
アクチュエータ51は、車両Vの左右方向両側部分にそれぞれ設けられている。図5(A)及び(B)にも示されるように、アクチュエータ51は、前述のアッパフレーム24と共に車両Vのフレームを構成するホイールアッパ52と、ピストン53と、を含んで構成されている。すなわち、ホイールアッパ52が、アクチュエータ51の一部を構成しており、本発明におけるシリンダに対応している。ホイールアッパ52は、先端部(下端部)が開放された略有底円筒状に形成されている。ホイールアッパ52の基端部(上端部)には、後述するインフレータ60によって発生されるガスをホイールアッパ52内に供給するためのガス供給部52Aが設けられている。ガス供給部52Aは、ホイールアッパ52の径方向を軸方向とする略円筒状に形成されて、ガス供給部52Aによってホイールアッパ52の内部と外部とが連通されている。
アクチュエータ51は、車両Vの左右方向両側部分にそれぞれ設けられている。図5(A)及び(B)にも示されるように、アクチュエータ51は、前述のアッパフレーム24と共に車両Vのフレームを構成するホイールアッパ52と、ピストン53と、を含んで構成されている。すなわち、ホイールアッパ52が、アクチュエータ51の一部を構成しており、本発明におけるシリンダに対応している。ホイールアッパ52は、先端部(下端部)が開放された略有底円筒状に形成されている。ホイールアッパ52の基端部(上端部)には、後述するインフレータ60によって発生されるガスをホイールアッパ52内に供給するためのガス供給部52Aが設けられている。ガス供給部52Aは、ホイールアッパ52の径方向を軸方向とする略円筒状に形成されて、ガス供給部52Aによってホイールアッパ52の内部と外部とが連通されている。
ピストン53は、ホイールアッパ52の長手方向に沿った略長尺状に形成されている。ピストン53は、ピストン53の基端部を構成するエンド部53Aと、エンド部53Aから延出されたピストンロッド53Bと、ピストン53の先端部を構成する連結部53Cと、を含んで構成されている。エンド部53Aは、ホイールアッパ52の軸方向を高さ方向とする略円柱状に形成されて、ホイールアッパ52内に移動可能に挿入されている。そして、ホイールアッパ52内におけるエンド部53Aよりも基端側部分の空間が、圧力室52Bとして構成されており、圧力室52Bはガス供給部52Aに連通している。
エンド部53Aの外周部には、圧力室52B内の気密状態を確保するためのシール部材(図示省略)が設けられている。そして、ピストンロッド53Bがホイールアッパ52の開口部から突出されて、連結部53Cがホイールアッパ52の外部に配置されている。連結部53Cは、左右方向を軸方向としてバンパカバー32の左右方向外側部分に回動可能に連結されている。そして、後述するインフレータ60によって発生されたガスが圧力室52B内に供給されて、圧力室52B内の圧力が上昇することで、ピストン53が、ホイールアッパ52の先端側(図2の矢印B方向側であり、車両前方側)へ押出されて、ホイールアッパ52から下斜め前方へ突出した押出位置(図5(B)に示される位置)に配置される設定になっている。また、ピストン53の押出しによって、バンパカバー32が、前方側へ押出されて、持上位置に揺動するようになっている。
さらに、ホイールアッパ52の長手方向中間部の外周部には、圧力調整部としての圧力調整弁54が設けられている。圧力調整弁54は、ピストン53の押出位置への移動後における圧力室52B内の圧力を一定に調整する弁として構成されている。具体的には、ピストン53の非作動状態では、ピストン53のエンド部53Aが、圧力調整弁54に対してホイールアッパ52の基端側に配置されている。そして、ピストン53の押出位置側への移動時には、ピストン53のエンド部53Aが圧力調整弁54を通過して、ピストン53の押出位置では、圧力調整弁54によって圧力室52Bの内部と外部とが遮断されている。そして、例えば、ピストン53に後側への外力が作用したときには、圧力室52B内のガスを圧力調整弁54から排出して、圧力室52B内の圧力を一定に調整するようになっている。
(インフレータ60について)
図2及び図6に示されるように、インフレータ60は、ガス供給管61内に収容されており、作動することでガスを発生し、当該ガスをガス供給管61内に噴出する。ガス供給管61は、パイプ状に形成されて、アッパフレーム24の前端側部分に一体に設けられると共に、アッパフレーム24の長手方向に沿って延在されている。ガス供給管61の左右方向外側部分(一端側部分)は、ホイールアッパ52に沿うように、下斜め前方に屈曲されている。そして、ホイールアッパ52のガス供給部52Aが、ガス供給管61に接続されて、ホイールアッパ52とガス供給管61とが連通されている。これにより、インフレータ60によって発生したガスが、ホイールアッパ52の圧力室52B内に供給される。
図2及び図6に示されるように、インフレータ60は、ガス供給管61内に収容されており、作動することでガスを発生し、当該ガスをガス供給管61内に噴出する。ガス供給管61は、パイプ状に形成されて、アッパフレーム24の前端側部分に一体に設けられると共に、アッパフレーム24の長手方向に沿って延在されている。ガス供給管61の左右方向外側部分(一端側部分)は、ホイールアッパ52に沿うように、下斜め前方に屈曲されている。そして、ホイールアッパ52のガス供給部52Aが、ガス供給管61に接続されて、ホイールアッパ52とガス供給管61とが連通されている。これにより、インフレータ60によって発生したガスが、ホイールアッパ52の圧力室52B内に供給される。
ガス供給管61の一端部には、チューブ62が接続されており、ガス供給管61の他端部には、チューブ63が接続されている。チューブ62及びチューブ63は、バンパカバー32を固定するための止具に近接して配置されている。そして、チューブ62及びチューブ63内の圧力が所定値以上になると、チューブ62及びチューブ63によって止具のバンパカバー32に対する固定状態を解除する構成になっている。例えば、チューブ62及びチューブ63が止具に紐状部材等によって接続されており、チューブ62及びチューブ63内の圧力が所定値以上になると、チューブ62及びチューブ63によって紐状部材を引張って、止具のバンパカバー32に対する固定状態を解除するようになっている。また、本実施の形態では、複数(3個)のインフレータ60がガス供給管61内に設けられている。
(衝突ECU70について)
衝突ECU70には、前述したインフレータ60が電気的に接続されており、衝突ECU70によってインフレータ60が作動する。また、衝突ECU70には、衝突検出部としての衝突検出センサ72が接続されている。衝突検出センサ72は、ステレオカメラ等によって構成されている。ステレオカメラは、車両Vのウィンドシールドガラスの上端部に設けられて、車両の周囲を撮影するセンサ(カメラ)として構成されている。そして、衝突ECU70が、衝突検出センサ72からの出力信号に基づいて、車両Vと衝突体との衝突(車両の衝突予知も含む)や衝突体の形態等(歩行者等)を検知するように構成されている。そして、衝突ECU70は、衝突検出センサ72からの検出信号に基づいて、車両Vと歩行者との衝突が回避できないと判断したときには、インフレータ60を作動させるように構成されている。また、衝突ECU70は、車両Vへの衝突体を判別して、判別結果に基づいて、インフレータ60の作動数を設定するようになっている。具体的には、身長が比較的高い大人等の歩行者が衝突体である場合には、衝突ECU70によって3個のインフレータ60を作動させ、身長が比較的低い子供等の歩行者が衝突体である場合には、衝突ECU70によって1個のインフレータ60を作動させるようになっている。
衝突ECU70には、前述したインフレータ60が電気的に接続されており、衝突ECU70によってインフレータ60が作動する。また、衝突ECU70には、衝突検出部としての衝突検出センサ72が接続されている。衝突検出センサ72は、ステレオカメラ等によって構成されている。ステレオカメラは、車両Vのウィンドシールドガラスの上端部に設けられて、車両の周囲を撮影するセンサ(カメラ)として構成されている。そして、衝突ECU70が、衝突検出センサ72からの出力信号に基づいて、車両Vと衝突体との衝突(車両の衝突予知も含む)や衝突体の形態等(歩行者等)を検知するように構成されている。そして、衝突ECU70は、衝突検出センサ72からの検出信号に基づいて、車両Vと歩行者との衝突が回避できないと判断したときには、インフレータ60を作動させるように構成されている。また、衝突ECU70は、車両Vへの衝突体を判別して、判別結果に基づいて、インフレータ60の作動数を設定するようになっている。具体的には、身長が比較的高い大人等の歩行者が衝突体である場合には、衝突ECU70によって3個のインフレータ60を作動させ、身長が比較的低い子供等の歩行者が衝突体である場合には、衝突ECU70によって1個のインフレータ60を作動させるようになっている。
(作用効果)
次に、本実施の形態の作用及び効果を説明する。
次に、本実施の形態の作用及び効果を説明する。
上記のように構成された歩行者保護装置30の初期状態(非作動状態)では、図2に示されるように、バンパカバー32が初期位置に配置されている。そして、衝突ECU70が、衝突検出センサ72からの検出信号に基づいて、車両Vと歩行者との前面衝突を予知し且つ車両Vと歩行者との前面衝突を回避することができないと判断した場合には、衝突ECU70によってインフレータ60を作動させる。具体的には、歩行者が子供等の小人の場合には、1個のインフレータ60が作動し、歩行者が大人の場合には、3個のインフレータ60が作動する。
インフレータ60が作動すると、インフレータ60によって発生したガスがガス供給管61内に噴出され、ガス供給管61内のガスがチューブ62及びチューブ63に供給される。これにより、止具によるバンパカバー32の保持状態が解除される。また、インフレータ60の作動時には、ガス供給管61からホイールアッパ52の圧力室52B内にガスが供給されて、圧力室52B内の圧力が上昇する。これにより、ピストン53が前方側(図2の矢印B方向側)へ押出される。したがって、ピストン53によってバンパカバー32の左右方向両側部分が前方側へ押出されて、バンパカバー32の初期位置からの揺動が開始される。
バンパカバー32の揺動開始時には、ヒンジ機構40が連動して作動する。すなわち、ヒンジ機構40におけるヒンジ本体41が、後側ヒンジピン41P2の軸回りに回動して、ヒンジ本体41の非作動位置から作動位置側への回動が開始される。そして、図6に示されるように、ピストン53の押出位置への到達時には、ヒンジ本体41が作動位置に回動して、バンパカバー32が持上位置に配置される。すなわち、バンパカバー32が初期位置から前側且つ上側へ揺動して持上位置に配置される。また、このときには、ヒンジ機構40の着脱機構43が作動して、ヒンジリインフォースメント42がヒンジ本体41から脱落する。
以上により、例えば、身長の比較的低い小人の歩行者が車両Vに衝突したときには、バンパカバー32が初期位置から持上位置へ揺動することで、バンパカバー32によって、歩行者の身体の全体を持ち上げるように歩行者の身体を柔らかく受け止めることができると共に、歩行者の身体がバンパカバー32の後側の車両Vの構造物に直接的に衝突することを抑制できる。したがって、歩行者に対する保護性能を向上することができる。
また、例えば、身長の比較的高い大人の歩行者が車両Vに衝突したときでも、歩行者に対する保護性能を向上することができる。すなわち、大人の歩行者と車両Vとの衝突では、歩行者の脚部がバンパカバー32に衝突して、歩行者が車両Vのフード上に倒れ込む傾向になる。また、車両Vと歩行者との衝突時には、運転者が急ブレーキをかけることで、バンパカバー32が、下側へ一旦沈み込み、その後上昇するような、車両Vの前端部の挙動となる。このため、仮に歩行者保護装置30を省略した車両では、車両の前端部の挙動によって、バンパカバー32が歩行者の脚部をすくい上げるように歩行者に衝突する。これにより、バンパカバー32への衝突後にフード上に倒れ込む歩行者が、ウィンドシールドガラス上を後側へ流れて、車両のルーフを乗り越える可能性がある。この場合には、歩行者に対する傷害値が悪化する虞がある。
これに対して、本実施の形態の歩行者保護装置30によれば、バンパカバー32が前側且つ上側へ揺動することで、車両Vと歩行者との衝突時に、バンパカバー32によって歩行者の脚部をはらって、歩行者に回動力を付与することができる。これにより、歩行者が車両Vのフード上に上側から倒れ込むようになり、歩行者の身体がフードからウィンドシールドガラス側へ流れることを抑制できる。したがって、歩行者に対する保護性能を向上することができる。
以上説明したように、本実施の形態の歩行者保護装置30では、アクチュエータ51がバンパカバー32に連結されており、アクチュエータ51の作動時には、アクチュエータ51のピストン53によってバンパカバー32が前方側へ押出される。また、バンパカバー32の後側には、ヒンジ機構40が設けられており、ヒンジ機構40がバンパカバー32を揺動可能に支持している。そして、アクチュエータ51の作動時には、ヒンジ機構40が、アクチュエータ51と協働して、バンパカバー32を前側且つ上側へ持上げる。これにより、上述したように、小人の歩行者では、歩行者の身体をバンパカバー32によって持上げることができ、大人の歩行者では、歩行者の脚部をバンパカバー32によってはらって歩行者の身体をフード上に良好に倒れ込ませることができる。したがって、歩行者に対する保護性能を向上することができる。
また、ヒンジ機構40は、バンパカバー32とラジエータサポート18とを連結するヒンジ本体41と、ヒンジ本体41に着脱可能に取付けられたヒンジリインフォースメント42と、を含んで構成されている。さらに、着脱機構43によって、ヒンジリインフォースメント42のヒンジ本体41からの脱落が阻止されている。そして、バンパカバー32の持上位置では、着脱機構43が作動してヒンジリインフォースメント42がヒンジ本体41から脱落される。これにより、バンパカバー32の初期位置から持上位置への揺動時には、ヒンジリインフォースメント42によってヒンジ本体41の曲げ剛性を確保して、ヒンジ機構40によってバンパカバー32を持上位置へ良好に揺動させることができる。一方、バンパカバー32の持上位置への持上後には、ヒンジリインフォースメント42がヒンジ本体41から脱落するため、曲げ剛性の低いヒンジ本体41を撓み変形させて、バンパカバー32に入力された歩行者からの衝撃力を吸収することができる。したがって、歩行者に対する保護性能を一層高くすることができる。
また、着脱機構43は、係合部材44と、係合解除スプリング45と、保持レバー46と、を含んで構成されている。そして、ヒンジリインフォースメント42のヒンジ本体41への装着状態では、保持レバー46が係合部材44に当接し保持レバー46によって係合部材44が係合位置に保持されている。また、係合部材44の係合位置では、係合部材44がヒンジ本体41と係合して、ヒンジリインフォースメント42のヒンジ本体41からの脱落が阻止されている。そして、バンパカバー32の持上位置(すなわち、ヒンジ本体41の作動位置)では、ストッパ22のストッパボス22Aによって、保持レバー46が押圧されて、保持位置から保持解除位置に回動し、保持レバー46の係合部材44への当接状態が解除される。これにより、係合部材44が係合解除スプリング45の付勢力によって係合解除位置へ移動し、ヒンジリインフォースメント42のヒンジ本体41からの脱落が許可された状態になる。その結果、装着解除スプリング47の付勢力によってヒンジリインフォースメント42をヒンジ本体41から脱落させることができる。以上により、バンパカバー32が持上位置に到達したタイミングで着脱機構43を作動させて、ヒンジリインフォースメント42をヒンジ本体41から脱落させることができる。
また、アクチュエータ51は、有底筒状のホイールアッパ52と、ピストン53と、を含んで構成されている。ピストン53では、エンド部53Aがホイールアッパ52内に移動可能に挿入されており、連結部53Cがバンパカバー32に連結されている。そして、インフレータ60からのガスが供給されることで、ピストン53が、押出位置に押出されて、バンパカバー32を前方側へ押出す。これにより、歩行者との衝突時にバンパカバー32を持上位置に瞬時に揺動させることができる。
また、ホイールアッパ52には、圧力調整弁54が設けられており、ピストン53の押出位置への押出後における圧力室52B内の圧力が圧力調整弁54によって一定となるように設定されている。具体的には、アクチュエータ51の非作動状態では、ピストン53のエンド部53Aが圧力調整弁54に対してホイールアッパ52の基端側に配置されている。これにより、インフレータ60の作動開始時には、圧力室52Bに供給されるガスによって圧力室52Bの圧力を上昇させてピストン53を押出位置に押出すことができる。また、ピストン53の押出位置の手前において、ピストン53のエンド部53Aが圧力調整弁54を通過する。このため、ピストン53の押出位置では、圧力調整弁54によってガスを排出して、圧力室52B内の圧力を一定に保つようにすることができる。よって、バンパカバー32の持上位置への揺動後では、バンパカバー32から歩行者に作用する反力を低く設定できると共に、当該反力を略一定に調整することができる。したがって、歩行者に対する保護性能を効果的に高くすることができる。
また、歩行者保護装置30では、複数のインフレータ60が設けられており、車両Vへの衝突体に応じて、作動させるインフレータ60の個数を変更している。具体的には、大人の歩行者の衝突時に作動するインフレータ60の個数よりも、小人の歩行者の衝突時に作動するインフレータ60の個数が少なく設定されている。これにより、バンパカバー32が初期位置から持上位置に揺動するときに、バンパカバー32から小人の歩行者に過度の反力が作用することを抑制することができる。したがって、歩行者に対する保護性能を一層効果的に向上することができる。
18 ラジエータサポート(車体側部材)
20 バンパ取付フレーム(車体側部材)
32 バンパカバー
40 ヒンジ機構
41 ヒンジ本体
42 ヒンジリインフォースメント(補強部材)
43 着脱機構
44 係合部材
45 係合解除スプリング(係合解除付勢部材)
51 アクチュエータ
52 ホイールアッパ(シリンダ)
53 ピストン
54 圧力調整弁(圧力調整部)
60 インフレータ
70 衝突ECU(制御部)
72 衝突検出センサ(衝突検出部)
V 車両
20 バンパ取付フレーム(車体側部材)
32 バンパカバー
40 ヒンジ機構
41 ヒンジ本体
42 ヒンジリインフォースメント(補強部材)
43 着脱機構
44 係合部材
45 係合解除スプリング(係合解除付勢部材)
51 アクチュエータ
52 ホイールアッパ(シリンダ)
53 ピストン
54 圧力調整弁(圧力調整部)
60 インフレータ
70 衝突ECU(制御部)
72 衝突検出センサ(衝突検出部)
V 車両
Claims (6)
- 車両の前端部に設けられ、車幅方向に延在されたバンパカバーと、
前記バンパカバーの車両後側において前記バンパカバーに連結され、作動することで前記バンパカバーを車両前方側へ押出すアクチュエータと、
前記バンパカバーの車両後側に設けられ、前記バンパカバーを揺動可能に支持すると共に、前記アクチュエータが作動することで前記アクチュエータと協働して前記バンパカバーを車両前側且つ車両上側へ揺動した持上位置に持上げるヒンジ機構と、
を備えた歩行者保護装置。 - 前記ヒンジ機構は、
一端部が車幅方向を軸方向として前記バンパカバーに連結され、他端部が車幅方向を軸方向として車体側部材に連結されたヒンジ本体と、
前記ヒンジ本体に着脱可能に取付けられ、前記ヒンジ本体を補強する補強部材と、
前記補強部材の前記ヒンジ本体からの脱落を阻止すると共に、前記バンパカバーの持上位置において作動して前記補強部材を前記ヒンジ本体から脱落させる着脱機構と、
を含んで構成されている請求項1に記載の歩行者保護装置。 - 前記着脱機構は、
前記補強部材に移動可能に設けられ、前記ヒンジ本体に係合する係合位置に配置されて前記補強部材の脱落を阻止すると共に、係合位置から係合解除位置に移動することで前記ヒンジ本体との係合が解除される係合部材と、
前記係合部材を係合解除位置側へ付勢する係合解除付勢部材と、
前記係合部材に当接して前記係合位置に保持すると共に、前記バンパカバーの持上位置で前記車体側部材に押圧されることで作動して前記係合部材に対する保持状態を解除する保持部材と、
を含んで構成されている請求項2に記載の歩行者保護装置。 - 前記アクチュエータは、
有底筒状のシリンダと、
基端部が前記シリンダの内部に移動可能に設けられ、先端部が前記バンパカバーに連結され、前記シリンダの内部にガスが供給されることで前記シリンダから車両前方側へ押出されるピストンと、
を含んで構成されている請求項1~請求項3の何れか1項に記載の歩行者保護装置。 - 前記シリンダは、
前記シリンダの基端部に設けられ、前記ガスが供給されるガス供給部と、
前記シリンダの側壁に形成され、前記ピストンの前記シリンダからの押出後に前記シリンダ内の圧力を調整する圧力調整部と、
を有している請求項4に記載の歩行者保護装置。 - 車両と歩行者との衝突を検出する衝突検出部と、
作動することでガスを発生して前記シリンダにガスを供給するインフレータと、
前記インフレータを作動させる制御部と、
を備え、
前記制御部は、前記衝突検出部からの検出信号に基づいて車両と歩行者との衝突を検知したときには、前記インフレータを作動させる請求項4又は請求項5に記載の歩行者保護装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2021157372A JP2023048205A (ja) | 2021-09-28 | 2021-09-28 | 歩行者保護装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2021157372A JP2023048205A (ja) | 2021-09-28 | 2021-09-28 | 歩行者保護装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2023048205A true JP2023048205A (ja) | 2023-04-07 |
Family
ID=85780068
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2021157372A Pending JP2023048205A (ja) | 2021-09-28 | 2021-09-28 | 歩行者保護装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2023048205A (ja) |
-
2021
- 2021-09-28 JP JP2021157372A patent/JP2023048205A/ja active Pending
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