JP2023047990A - 光学部材、発光装置 - Google Patents

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Saori Sato
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Abstract

【課題】安全性を確保しつつ、光学部材の放熱性を向上する。【解決手段】本光学部材は、波長変換部、及び前記波長変換部の側面を囲う光反射部、を有する波長変換部材と、前記光反射部の下面と接合し、下面視で前記波長変換部が包含される、透光性部材と、前記光反射部の下面に配され、前記波長変換部の周りを囲む導電膜と、前記光反射部の下面において、前記波長変換部と前記導電膜との間に、前記導電膜と離隔して配置される放熱部と、を備える。【選択図】図2

Description

本開示は、光学部材、発光装置に関する。
半導体レーザ素子等の発光素子は、出力の高い光を出射することができる。そのため、このような発光素子と組み合わせて用いられる光学部材には、安全性への配慮が要求されることがある。
例えば、特許文献1では、波長変換部を有する波長変換部材と、下面視で波長変換部を覆う透光性部材とを備えた光学部材において、波長変換部に割れなどの異常が発生したときの安全対策がなされている。具体的には、波長変換部の周りを導電膜で囲い、導電膜に生じる電気的な接続状態の変化に基づいて波長変換部の異常を検知する技術が開示されている。
特開2020-144363号公報
一方で、半導体レーザ素子等の発光素子は、出力の高い光を出射することができるため、発光素子からの光が波長変換部に入射すると、波長変換部が発熱して波長変換部の発光効率が低下する場合がある。
本開示は、安全性を確保しつつ、光学部材の放熱性を向上することを目的とする。
本開示の一実施形態に係る光学部材は、波長変換部、及び前記波長変換部の側面を囲う光反射部、を有する波長変換部材と、前記光反射部の下面と接合し、下面視で前記波長変換部が包含される、透光性部材と、前記光反射部の下面に配され、前記波長変換部の周りを囲む導電膜と、前記光反射部の下面において、前記波長変換部と前記導電膜との間に、前記導電膜と離隔して配置される放熱部と、を備える。
本開示の一実施形態に係る発光装置は、実装面、及び前記実装面を囲う枠、を備えた基部と、前記実装面に配置される発光素子と、本開示の一実施形態に係る光学部材と、を有し、前記透光性部材は、前記基部と接合し、前記波長変換部は、前記発光素子によって出射された光を異なる波長の光に変換する。
本開示の一実施形態によれば、安全性を確保しつつ、光学部材の放熱性を向上することができる。また、この光学部材を用いた発光装置を提供できる。
第1実施形態に係る光学部材の斜視図である。 第1実施形態に係る波長変換部材の下面図である。 第1実施形態に係る透光性部材の上面図である。 放熱部の変形例を示す図である。 第2実施形態に係る発光装置の斜視図である。 第2実施形態に係る発光装置から遮光部材を除いた状態の斜視図である。 図5のVII-VII線における断面図である。 第2実施形態に係る発光装置から光学部材及び遮光部材を除いた状態の斜視図である。 第3実施形態に係る光学部材の上面図である。 第3実施形態に係る波長変換部材の下面図である。 第3実施形態に係る透光性部材の上面図である。 第4実施形態に係る発光装置の上面図である。 第4実施形態に係る発光装置から光学部材及び遮光部材を除いた状態の上面図である。
以下、図面を参照して発明を実施するための形態について説明する。なお、以下の説明では、必要に応じて特定の方向や位置を示す用語(例えば、「上」、「下」、及びそれらの用語を含む別の用語)を用いる。しかし、それらの用語の使用は図面を参照した発明の理解を容易にするためであって、それらの用語の意味によって本発明の技術的範囲が制限されるものではない。また、複数の図面に表れる同一符号の部分は同一もしくは同等の部分又は部材を示す。
また、本開示において、三角形や四角形等の多角形に関しては、多角形の隅に角丸め、面取り、角取り、丸取り等の加工が施された形状も含めて、多角形と呼ぶものとする。また、隅(辺の端)に限らず、辺の中間部分に加工が施された形状も同様に、多角形と呼ぶものとする。つまり、多角形をベースに残しつつ、部分的な加工が施された形状は、本開示で記載される"多角形"の解釈に含まれるものとする。
また、多角形に限らず、台形や円形や凹凸等、特定の形状を表す言葉についても同様である。また、その形状を形成する各辺を扱う場合も同様である。つまり、ある辺において、隅や中間部分に加工が施されていたとしても、"辺"の解釈には加工された部分も含まれる。なお、部分的な加工のない"多角形"や"辺"を、加工された形状と区別する場合は"厳密な"を付して、例えば、"厳密な四角形"等と記載するものとする。
さらに、以下に示す実施形態は、本発明の技術思想を具体化するための発光装置等を例示するものであって、本発明を以下に限定するものではない。また、以下に記載されている構成部品の寸法、材質、形状、その相対的配置等は、特定的な記載がない限り、本発明の範囲をそれのみに限定する趣旨ではなく、例示することを意図したものである。また、一の実施形態において説明する内容は、他の実施形態や変形例にも適用可能である。また、図面が示す部材の大きさや位置関係等は、説明を明確にするため、誇張している場合がある。さらに、図面が過度に複雑になることを避けるために、一部の要素の図示を省略した模式図を用いたり、断面図として切断面のみを示す端面図を用いたりすることがある。
〈第1実施形態〉
図1は、第1実施形態に係る光学部材の斜視図である。図2は、第1実施形態に係る波長変換部材の下面図である。図3は、第1実施形態に係る透光性部材の上面図である。図1~図3に示すように、光学部材10は、波長変換部材20と、透光性部材30と、導電膜40と、放熱部50とを備える。光学部材10は、導電金属膜60と、外側金属膜70とをさらに備えてもよい。
光学部材10の各構成要素について説明する。
(波長変換部材20、導電膜40、放熱部50、導電金属膜60、外側金属膜70)
波長変換部材20は、波長変換部21と、光反射部22とを有する。波長変換部21は、上面と、上面の反対面である下面と、上面及び下面と交わる1又は複数の側面とを有する。1又は複数の側面は、上面の外縁と下面の外縁とに接続する。波長変換部21は、例えば、直方体又は立方体である。この場合、波長変換部21の上面及び下面は何れも矩形であり、波長変換部21は4つの矩形の側面を有する。ここでいう矩形とは、長方形又は正方形である。
なお、波長変換部21は、直方体や立方体には限定されない。すなわち、上面視において、波長変換部21は矩形には限定されず、円形、楕円形、多角形等の任意の形状とすることが可能である。
波長変換部21は、下面から入射した所定の波長の光を異なる波長の光に変換し、変換された光を上面から出射できる。波長変換部21は、入射した光の一部を出射してもよい。波長変換部21は、入射した光をすべて異なる波長の光に変換してもよい。この場合、波長変換部21に入射した光は、波長変換部21から出射されない。波長変換部21は、主材料に蛍光体を含有させて形成できる。
波長変換部21には、光が照射されるため、波長変換部21の母材は、光の照射により分解されにくい無機材料を主材料に用いて形成することが好ましい。主材料は、例えば、セラミックスである。主材料に用いられるセラミックスとしては、例えば、酸化アルミニウム、窒化アルミニウム、酸化ケイ素、酸化イットリウム、酸化ジルコニウム、又は酸化マグネシウムが挙げられる。セラミックスの主材料は、波長変換部21に熱による変形や変色等の変質が生じないように、融点が1300℃~2500℃の材料を選択することが好ましい。波長変換部21は、例えば、セラミックスを主材料として形成された焼結体である。
波長変換部21は、例えば、蛍光体と酸化アルミニウム等の透光性材料とを焼結させて形成できる。蛍光体の含有量は、セラミックスの総体積に対して0.05体積%~50体積%とすることができる。また、例えば、蛍光体の紛体を焼結させた、実質的に蛍光体のみからなるセラミックスを用いてもよい。また、波長変換部21は、蛍光体の単結晶で形成されてもよい。
蛍光体としては、セリウムで賦活されたイットリウム・アルミニウム・ガーネット(YAG)、セリウムで賦活されたルテチウム・アルミニウム・ガーネット(LAG)、ユウロピウムで賦活されたシリケート((Sr,Ba)SiO)、αサイアロン蛍光体、βサイアロン蛍光体等が挙げられる。なかでも、YAG蛍光体は、耐熱性が良好である。
例えば、波長変換部21がYAG蛍光体を有する場合、下面から青色の励起光が入射すると、青色の励起光と黄色の蛍光とを組み合わせて白色光を上面から出射できる。
光反射部22は、例えば、矩形状の開口を有する枠状部材である。光反射部22は、上面と、上面の反対面である下面と、上面の内縁と下面の内縁とを接続する1又は複数の内側面と、上面の外縁と下面の外縁とを接続する1又は複数の外側面とを有する。上面の外縁及び内縁、下面の外縁及び内縁は、例えば、矩形である。この場合、光反射部22は、4つの矩形の内側面と、4つの矩形の外側面とを有する。なお、上面の外縁及び内縁、下面の外縁及び内縁は、矩形には限定されず、円形、楕円形、多角形等の任意の形状とすることが可能である。
光反射部22は、例えば、セラミックスを主材料として形成された焼結体である。主材料に用いられるセラミックスとしては、例えば、酸化アルミニウム、窒化アルミニウム、酸化ケイ素、酸化イットリウム、酸化ジルコニウム、酸化マグネシウム等が挙げられる。これらの中でも、酸化アルミニウムは高反射率である点で好ましい。また、酸化アルミニウムは、これらのセラミックスの中では比較的熱伝導率が高いという点でも好ましい主材料である。なお、光反射部22は、セラミックスを主材料としなくてもよい。光反射部22は、例えば、金属や、セラミックスと金属の複合体等を用いて形成されてもよい。
波長変換部材20において、光反射部22は、波長変換部21の側面を囲う。つまり、光反射部22の内側面は、波長変換部21の側面と接続する。波長変換部材20は、平板形状であり、例えば、直方体である。
波長変換部21の上面と光反射部22の上面は、例えば、連続する1つの平面を形成してもよい。また、波長変換部21の下面と光反射部22の下面は、例えば、連続する1つの平面を形成してもよい。波長変換部21の上面及び/又は下面は、光反射部22の上面及び/又は下面よりも突出した形状であってもよい。この場合は、波長変換部21の側面の一部が、光反射部22の内側面と接続する。
波長変換部材20において、波長変換部21と光反射部22とは一体的に形成することができる。波長変換部21と光反射部22を別々に形成し、これらを接合して波長変換部材20を形成してもよい。波長変換部21と光反射部22とは、例えば、焼結体によって一体的に形成される。例えば、波長変換部21の焼結体を形成した上で、波長変換部21と一体的に光反射部22の焼結体を形成することで、一体焼結体を形成することができる。このとき、波長変換部21の形成工程、及び、光反射部22の形成工程のそれぞれにおいて、形成される焼結体に含まれる空隙の割合(空隙率)を調整することも可能である。空隙率は、焼結条件(焼結温度、焼結時間、昇温速度)、材料の種類や粒径、焼結助剤の濃度等により調整できる。
例えば、同じセラミックスを主材料として波長変換部21と光反射部22を形成する場合、光反射部22の空隙率を波長変換部21の空隙率よりも大きくする。つまり、光反射部22が波長変換部21よりも多くの空隙を含むように波長変換部材20を形成する。この場合、光反射部22の空隙率が10%程度となるように、焼結条件を調整することが好ましい。これにより、波長変換部21の側面と光反射部22の内側面との境界に空気による反射領域が形成され、波長変換部21側から光反射部22の内側面に当たる光を波長変換部21側に反射させることができる。
導電膜40は、光反射部22の下面に配される。導電膜40は、下面視で波長変換部21の周りを囲む。導電膜40は、細い線状であることが好ましい。細い線状とは、例えば、下面視で、線幅が、波長変換部21の幅よりも狭く、線の長さが、波長変換部21の外周よりも長い線状を指す。導電膜40の線幅は、波長変換部21の幅の1/2以下であってもよい。ここでの波長変換部21の幅は、例えば波長変換部21の外形が矩形の場合は短辺の幅であり、例えば波長変換部21の外形が楕円形の場合は短径の幅である。また、波長変換部21の外径が矩形及び楕円形以外の形状の場合は、これらの例示に基づき、実質的に幅が特定される。
導電膜40は、酸化インジウムスズ(ITO)を用いて形成することができる。ITOは可視光による透過率が高い。ITOで形成された導電膜40は透光性を有し、この観点から透光性導電膜と捉えることができる。
放熱部50は、光反射部22の下面において、波長変換部21と導電膜40との間に、導電膜40と離隔して配置される。放熱部50は、導電膜40の内側に設けられた内側金属膜である。この内側金属膜は、互いに独立した複数の金属膜部分51、52、53、及び54(以下、複数の金属膜部分51等、と記す)を含むことができる。複数の金属膜部分51等は、波長変換部21の周りを囲むように配置される。なお、放熱部50は、波長変換部21の周りを囲む1つの金属膜部分で形成することもできる。
2つの金属膜部分51及び52は、例えば、下面視で、波長変換部21を挟んで互いに対向して配置される。また、2つの金属膜部分53及び54は、例えば、下面視で、波長変換部21を挟んで互いに対向して配置される。金属膜部分51と金属膜部分52の面積はおおよそ等しくてもよく、金属膜部分53と金属膜部分54の面積はおおよそ等しくてもよい。複数の金属膜部分51等のそれぞれの面積の合計は、導電膜40の面積より大きい。また、複数の金属膜部分51等のそれぞれの面積の合計は、波長変換部21の下面の面積より大きい。
金属膜部分51及び52の外形は、例えば矩形である。この場合、例えば波長変換部21の外形が矩形であれば、金属膜部分51及び52と波長変換部21とは、矩形の長辺を同一方向に向けて配置される。金属膜部分53及び54の外形は、例えば正方形である。この場合、例えば波長変換部21の外形が矩形であれば、波長変換部21の短辺と金属膜部分53及び54の一辺の長さが等しくてもよい。金属膜部分53及び54は、例えば、金属膜部分51及び52の対向する領域内に配置される。下面視で、金属膜部分51及び52の長辺と、それに対向する波長変換部21の長辺との距離は、金属膜部分53及び54の一辺と、それに対向する波長変換部21の短辺との距離と等しくてもよい。下面視で、放熱部50と波長変換部21の最短距離は、30μm以上300μm以下である。
放熱部50は、導電膜40よりも放熱性に優れた材料で構成されることが好ましい。ここで、放熱性に優れた材料とは、熱伝導率の良い材料であり、例えば金属材料である。放熱部50は、例えば、単一の金属材料から構成されてもよいし、複数の金属の積層膜から構成されてもよい。導電膜40がITOである場合、放熱部50は、例えば、Ti/Pt/Auとすることができる。なお、導電膜40と、放熱部50は、同じ材料で構成されてもよい。
放熱部50は、導電膜40の線幅よりも大きな幅で形成される。放熱部50の幅は、下面視で、波長変換部21の外縁に垂直な方向の長さとすることができる。放熱部50の幅は、導電膜40の線幅の2倍以上である。これにより、波長変換部21の近傍に導電膜40を配置するよりも、光学部材10の放熱性を向上させることができる。
なお、例えば図4に示すように、放熱部は、波長変換部21の周りを囲む矩形環状の1つの第1金属膜部分55を含む形状とすることができる。放熱部50を図4に示す形状とすることで、放熱部50が複数の金属膜部分を含む場合よりも金属膜部分全体の表面積を大きくできるため、放熱性を向上できる。
導電金属膜60は、光反射部22の下面において、導電膜40と接続する。導電金属膜60の少なくとも一部は、導電膜40の外側に位置する。導電金属膜60は、導電膜40の一端に接続される第1接続部分61と、導電膜40の他端に接続される第2接続部分62とを有する。下面視で、第1接続部分61は、第2接続部分62の側に開口する第1凹部61xを備え、下面視で、第2接続部分62は、第1接続部分61の側に開口する第2凹部62xを備えている。第1接続部分61の一部は、第2凹部62xの内側に入り込む。導電金属膜60は、例えば、Ti/Pt/Auを用いて形成することができる。
導電膜40は、下面視で、1つの開口を有するように設けられる。導電金属膜60は、下面視で、2つの開口を有するように設けられる。導電金属膜60による2つの開口のうちの一方は、導電膜40による開口と接続する。2つの開口のうちの他方は、下面視で、導電膜40の内側に配される波長変換部21へと繋がる開口となる。導電膜40と導電金属膜60とが接続されて形成される形状において、波長変換部21へと繋がる開口は1つのみである。
外側金属膜70は、光反射部22の下面において、導電膜40の外側に、導電膜40と離隔して配置される。外側金属膜70は、導電膜40の外側において、互いに独立した複数の金属膜部分71、72、及び73を含む。導電金属膜60及び外側金属膜70は、導電膜40の周りを囲むように配置される。つまり、導電金属膜60、並びに金属膜部分71、72、及び73は、導電膜40の周りを囲むように配置される。
金属膜部分72及び導電金属膜60は、例えば、下面視で、波長変換部21、導電膜40、及び放熱部50を挟んで互いに対向して配置される。また、金属膜部分71及び73は、例えば、下面視で、波長変換部21、導電膜40、及び放熱部50を挟んで互いに対向して配置される。金属膜部分71と金属膜部分73の面積はおおよそ等しくてもよい。金属膜部分71及び73の各々の面積は、金属膜部分72及び導電金属膜60の各々の面積より大きくてもよい。このように金属膜部分71、72、及び73を設けることで、外側金属膜70と導電金属膜60を用いて波長変換部材20を他の構成要素に接合させるときに掛かる力をある程度均等化させることができ、接合が安定する。
金属膜部分71、72、及び73の外形は、例えば矩形である。この場合、例えば波長変換部21の外形が矩形であれば、金属膜部分72と波長変換部21とは、矩形の長辺を同一方向に向けて配置される。また、金属膜部分71及び73は、矩形の長辺を波長変換部21の矩形の短辺方向に向けて配置される。金属膜部分72及び導電金属膜60は、例えば、金属膜部分71及び73の対向する領域内に配置される。このように外側金属膜70と導電金属膜60を設けることで、導電金属膜60を設けることのできる領域を広く確保することができ、導電金属膜60の一方の開口から他方の開口までの距離を長くすることができる。外側金属膜70は、例えば、Ti/Pt/Auを用いて形成することができる。
(透光性部材30)
透光性部材30は、透光性の部材である。ここで、透光性とは、入射する光に対する透過率が80%以上であることとする。透光性部材30は、上面と、上面の反対面である下面と、上面及び下面と交わる側面とを有する。側面は上面の外縁と下面の外縁とを接続する。透光性部材30は、例えば、直方体又は立方体である。この場合、透光性部材30の上面及び下面は何れも矩形であり、透光性部材30は4つの矩形の側面を有する。
なお、透光性部材30は、直方体や立方体には限定されない。すなわち、上面視において、透光性部材30は矩形には限定されず、円形、楕円形、多角形等の任意の形状とすることが可能である。
透光性部材30は、直方体等の平板形状で構成される母材を有する。透光性部材30の母材は、例えば、サファイアを主材料に用いて形成できる。サファイアは、比較的透過率が高く、比較的強度も高い材料である。なお、主材料には、サファイアの他に、例えば、石英、炭化ケイ素、又は、ガラス等を含む透光性の材料を用いてもよい。
透光性部材30は、上面において、第1接合部31を有する。第1接合部31は、例えば、上面視で矩形枠状である。つまり、第1接合部31の外縁は上面視で矩形であり、第1接合部31の内縁は外縁よりも小さな矩形である。第1接合部31は、例えば、上面視で透光性部材30のほぼ中央に配置されている。透光性部材30は、上面において、第2接合部32を有する。第2接合部32は、第1接合部31の外側に、第1接合部31と離隔して配置される。第1接合部31及び第2接合部32は、例えば、Ti/Pt/Auを用いて形成することができる。
第2接合部32は、第1接合部31の外側において、互いに独立した複数の金属膜部分32a、32b、及び32cを含む。金属膜部分32a、32b、及び32cの外形は、例えば矩形である。この場合、例えば金属膜部分32aと金属膜部分32cとは、矩形の長辺を同一方向に向けて配置される。また、金属膜部分32bと、金属膜部分32a及び32cとは、矩形の長辺を異なる方向に向けて配置される。金属膜部分32bは、例えば、金属膜部分32a及び32cの対向する領域内に配置される。金属膜部分32aと金属膜部分32cの面積はおおよそ等しくてもよい。金属膜部分32a及び32cの各々の面積は、金属膜部分32bの面積より大きくてもよい。
透光性部材30は、上面において、第1接合部31の外側に、導電金属膜33を有する。導電金属膜33、並びに金属膜部分32a、32b、及び32cは、第1接合部31の周りを囲むように配置される。金属膜部分32b及び導電金属膜33は、例えば、上面視で、第1接合部31を挟んで互いに対向して配置される。また、金属膜部分32a及び32cは、例えば、上面視で、第1接合部31を挟んで互いに対向して配置される。
導電金属膜33は、第1接続部分33aと、第2接続部分33bとを有する。上面視で、第1接続部分33aは、第2接続部分33bの側に開口する第1凹部33xを備え、上面視で、第2接続部分33bは、第1接続部分33aの側に開口する第2凹部33yを備えている。第1接続部分33aの一部は、第2凹部33yの内側に入り込む。導電金属膜33は、例えば、Ti/Pt/Auを用いて形成することができる。
透光性部材30は、上面において、第1接合部31及び第2接合部32の外側に、配線34を有する。配線34は、互いに独立した第1配線パターン34a及び第2配線パターン34bを含む。第1配線パターン34a及び第2配線パターン34bは、第1接合部31及び第2接合部32の周りを囲むように配置される。第1配線パターン34aの一端は導電金属膜33の第1接続部分33aと接続され、第2配線パターン34bの一端は導電金属膜33の第2接続部分33bと接続される。配線34は、例えば、Ti/Pt/Auを用いて形成することができる。
透光性部材30は、上面において、反射膜35を有してもよい。反射膜35は、透光性部材30の上面において、第1接合部31の内側に、第1接合部31と離隔して配置される。反射膜35は、特定の波長の光を反射し、その他の波長の光を透過する光学膜である。反射膜35としては、例えば、誘電体多層膜が用いられる。誘電体多層膜は、例えば、Si、Ti、Zr、Nb、Ta、Alからなる群より選択された少なくとも一種の酸化物または窒化物を含んで形成できる。
(光学部材10)
光学部材10において、透光性部材30の上面には、波長変換部材20が接合する。波長変換部材20は、例えば、上面視で透光性部材30よりも小さい。透光性部材30は、波長変換部材20の光反射部22の下面と接合し、下面視で波長変換部21が包含される。
波長変換部材20は、主要部分の光が入射する光入射領域と、その周辺領域とを有する。波長変換部材20において、波長変換部21が光入射領域を形成する。すなわち、透光性部材30の下面から入射する光は、透光性部材30を透過し、波長変換部材20の波長変換部21の下面に入射する。そして、波長変換部21の下面に入射する光は波長変換部21の上面から出射する。このように、波長変換部21の下面は光の入射面となり、波長変換部21の上面は、透光性部材30の下面から入射する光、及び/又は波長変換部21で波長変換された光の出射面となる。
波長変換部21に入射した光が波長変換される際に、波長変換部21が発熱する。透光性部材30の母材がサファイア等の比較的熱伝導率が高い材料である場合、波長変換部21で生じる熱を透光性部材30から発散できる。そのため、放熱性を向上するには、波長変換部21で生じる熱を効率よく透光性部材30に伝える必要がある。
光学部材10において、放熱部50と、第1接合部31とが接合する。光学部材10では、放熱部50の金属膜部分51、52、53、及び54は、Au-Sn等のはんだにより第1接合部31と接合する。放熱部50の金属膜部分51、52、53、及び54は、波長変換部21と近い位置に配置されているため、波長変換部21で生じる熱は放熱部50及び第1接合部31を経由して効率よく透光性部材30に伝わり、透光性部材30から発散される。これにより、光学部材10の放熱性を向上することができる。なお、光学部材10において電流経路が生じる場合がある。例えば、光学部材10を搭載する発光装置であって、光学部材10に設けられた電流経路を電流が通る場合がある。このような場合に、放熱部50は、光学部材10の電流経路とはならないことが好ましい。放熱部50が電流経路とはならない場合、放熱部50は電流により発熱が生じることがないため、光学部材10の放熱性をさらに向上することができる。
また、光学部材10において、外側金属膜70と、第2接合部32とが接合する。光学部材10では、外側金属膜70は、Au-Sn等のはんだにより第2接合部32と接合する。外側金属膜70と第2接合部32とが波長変換部材20の外周側で接合することで、波長変換部材20と透光性部材30との接合強度を向上できる。なお、波長変換部21で生じる熱の一部が外側金属膜70及び第2接合部32を経由して透光性部材30に伝えられ、透光性部材30から発散されてもよい。
また、光学部材10では、導電金属膜60の第1接続部分61は、Au-Sn等のはんだにより導電金属膜33の第1接続部分33aと接合する。また、導電金属膜60の第2接続部分62は、Au-Sn等のはんだにより導電金属膜33の第2接続部分33bと接合する。これらの接合により、第1配線パターン34aは、導電金属膜33の第1接続部分33a及び導電金属膜60の第1接続部分61を経由して導電膜40の一端と電気的に接続される。また、導電膜40の他端は、導電金属膜33の第2接続部分33b及び導電金属膜60の第2接続部分62を経由して第2配線パターン34bと電気的に接続される。そのため、第1配線パターン34a及び第2配線パターン34bを光学部材10の外部に配置した電気回路と接続することで、導電膜40に電流を流すことができる。
導電膜40は、波長変換部21を囲む細い線状の膜である。そのため、波長変換部21に割れなどの異常が発生すると、その衝撃に対応して導電膜40にも亀裂が入るなどして電気的な接続状態に変化を与える。従って、この変化(例えば、導電膜40の抵抗値の大幅な上昇)をモニタすることで波長変換部21の異常を検知することができる。例えば、導電膜40を、光学部材10の外部に配置した検知回路と電気的に接続する。そして、検知回路で導電膜40の抵抗値の変化をモニタし、抵抗値が所定の閾値を超えて変化したときに、波長変換部21の破壊を検知できる。これにより、光学部材10の安全性を確保できる。
また、導電膜40は、波長変換部21の下面の直下を通らず、波長変換部21の周りを囲う。このようにすることで、光学部材10に入射する光が導電膜40を通らずに波長変換部21に入射するため、波長変換部21に効率的に光を入射させることができる。
なお、透光性部材30が反射膜35を有する場合、外部から透光性部材30に入射する所定波長の光を波長変換部21側に透過し、波長変換部21によって波長変換された光を反射することができる。その結果、波長変換部21の発光効率を向上できる。例えば、発光ダイオードや半導体レーザ素子などの発光素子から出射された所定波長の光を波長変換部21側に透過させることができる。
〈第2実施形態〉
第2実施形態では、第1実施形態に係る光学部材を用いた発光装置の例を示す。図5は、第2実施形態に係る発光装置の斜視図である。図6は、第2実施形態に係る発光装置から遮光部材を除いた状態の斜視図である。図7は、図5のVII-VII線における断面図である。なお、図7では、配線271及び272を省略している。図8は、第2実施形態に係る発光装置から波長変換部材及び遮光部材を除いた状態の斜視図である。
図5~図8に示すように、発光装置200は、光学部材10と、基部210と、発光素子220と、サブマウント230と、光反射部材240と、温度測定素子260と、配線271及び272と、遮光部材280とを有する。発光装置200は、少なくとも、光学部材10と、基部210と、発光素子220とを有していればよい。
発光装置200の各構成要素について説明する。
(基部210)
基部210は、上面210a、下面210b、1又は複数の内側面210c、1又は複数の外側面210d、及び底面210eを有している。底面210eは、他の構成要素が配置される実装面である。基部210は、上面210aから下面210bの方向に窪んだ凹形状を有する。また、基部210は、上面視で外形が矩形であり、窪みはこの外形の内側に形成される。
また、上面視で、上面210aに交わる1又は複数の内側面210cによって枠が形成される。すなわち、基部210は、底面210e、及び底面210eを囲う枠を備えている。底面210eは、この枠によって囲まれる。また、基部210の窪みは、底面210eとこの枠によって囲まれる。なお、上面視とは、基部210の上面210aの法線方向から対象物を見ることを指す。
基部210は、枠の内側において、1又は複数の段差部216を有する。なお、段差部216は、上面、及び、上面と交わり下方に進む側面のみから構成される。1又は複数の内側面210cには、基部210の上面210aと交わる側面と、段差部216の側面とが含まれる。
基部210は、例えば、セラミックスを主材料として形成できる。例えば、セラミックスとして、窒化アルミニウム、窒化ケイ素、酸化アルミニウム、又は炭化ケイ素を用いることができる。なお、基部210は、セラミックスに限らず、絶縁性を有する他の材料を主材料に用いて形成してもよい。
基部210の底面210eには、1又は複数の金属膜217が設けられる。また、基部210の上面210aには1又は複数の金属膜218が設けられる。また、底面210eに設けられる1又は複数の金属膜217には、上面210aに設けられた金属膜218と電気的に接続する金属膜217が含まれる。例えば、底面210eに設けられる金属膜217と、上面210aに設けられる金属膜218とが、ビアホールに設けられた金属材料を介して電気的に接続する。金属膜217及び218には、例えば、Ni/Au(Ni、Auの順で積層した金属膜)やTi/Pt/Au(Ti、Pt、Auの順で積層した金属膜)などを用いることができる。
(発光素子220)
発光素子220は、例えば、半導体レーザ素子である。なお、発光素子220は、半導体レーザ素子に限らず、例えば、発光ダイオード(LED)や有機発光ダイオード(OLED)などであってもよい。
図示される発光装置200の例では、2つの発光素子220が搭載されている。2つの発光素子220として、半導体レーザ素子が採用されている。発光装置200は、2つの発光素子220以外に、さらに1以上の発光素子を有してもよい。
発光素子220は、例えば、上面視で長方形の外形を有する。また、長方形の2つの短辺のうちの一辺と交わる側面が、発光素子220から放射される光の光出射面となる。また、発光素子220の上面及び下面は、光出射面よりも面積が大きい。
ここで、発光素子220が半導体レーザ素子である場合について説明する。なお、発光素子220から放射される光(レーザ光)は拡がりを有し、光出射面と平行な面において楕円形状のファーフィールドパターン(以下「FFP」という。)を形成する。ここで、FFPとは、光出射面から離れた位置における出射光の形状や光強度分布を示す。
発光素子220から出射される楕円形状の光に基づき、楕円形状の長径を通る方向をFFPの速軸方向、楕円形状の短径を通る方向をFFPの遅軸方向とする。発光素子220におけるFFPの速軸方向は、発光素子220の活性層を含む複数の半導体層が積層される積層方向と一致し得る。
また、発光素子220のFFPの光強度分布に基づいて、ピーク強度値に対する1/e以上の強度を有する光を、主要部分の光と呼ぶものとする。また、この光強度分布において1/eの強度に相当する角度を拡がり角と呼ぶものとする。FFPの速軸方向における拡がり角は、FFPの遅軸方向における拡がり角よりも大きい。
また、FFPの楕円形状の中心を通る光、言い換えると、FFPの光強度分布においてピーク強度の光を、光軸を進む光、あるいは、光軸を通る光、と呼ぶものとする。また、光軸を進む光の光路を、その光の光軸、と呼ぶものとする。
発光素子220には、発光素子220から出射される光の発光ピーク波長が、320nm~530nmの範囲、典型的には、430nm~480nmの範囲にあるものを用いることができる。このような発光素子220としては、窒化物半導体を含む半導体レーザ素子が挙げられる。窒化物半導体としては、例えば、GaN、InGaN、又はAlGaNを用いることができる。なお、発光素子220から出射される光の発光ピーク波長は、これに限らなくてよい。
(サブマウント230)
サブマウント230は、例えば、直方体の形状で構成され、下面、上面、及び、1または複数の側面を有する。また、サブマウント230は上下方向の幅が最も小さい。なお、形状は直方体に限らなくてよい。サブマウント230は、例えば、窒化アルミニウム、又は炭化ケイ素を用いて形成されるが、他の材料を用いてもよい。また、サブマウント230の上面には、例えば、金属膜が設けられている。
(光反射部材240)
光反射部材240は、光を反射する光反射面241を有する。光反射面241は、例えば、照射された光のピーク波長に対する光反射率が90%以上となる面である。ここでの光反射率は100%であってもよいし、100%未満であってもよい。
また、光反射部材240は、複数の光反射面241を有してもよい。複数の光反射面241には、例えば、何れも平面形状で、下面に対して傾斜しており、互いに下面に対する傾斜角が異なる2つの光反射面241が含まれる。この2つの光反射面241は何れも、下面に対する配置関係が垂直でも平行でもない。また、2つの光反射面241は連続して繋がっており、一体的な1つの反射領域を形成する。なお、光反射面241の形状は、平面形状に限らず、例えば、曲面形状であってもよい。
光反射部材240は、主材料に熱に強い材料を選択することが好ましく、例えば、石英又はBK7(硼珪酸ガラス)等のガラス、アルミニウム等の金属、又はSiを用いることができる。また、光反射面241は、例えば、Ag、Al等の金属やTa/SiO、TiO/SiO、又はNb/SiOの誘電体多層膜を用いて形成できる。なお、A/Bは、Aの膜とBの膜が順番に積層された多層膜を示す。
(温度測定素子260)
温度測定素子260は、周辺の温度を測定するための温度センサとして利用される素子である。温度測定素子260としては、例えば、サーミスタを使用できる。
(配線271、272)
配線271及び272は、両端を接合部とする線状の形状を有する導電体から構成される。言い換えると、配線271及び272は、線状部分の両端に、他の構成要素と接合する接合部を有する。配線271及び272は、2つの構成要素間の電気的な接続に用いられる。配線271及び272としては、例えば、金属のワイヤを用いることができる。金属としては、例えば、金、アルミニウム、銀、銅などが挙げられる。
(遮光部材280)
遮光部材280は、例えば、遮光性を有する樹脂によって形成できる。ここで、遮光性とは、光を透過しない性質を示し、光を遮る性質の他、光を吸収する性質や反射する性質等を利用して、遮光性を実現してもよい。遮光部材280は、例えば、樹脂に、光拡散材及び/又は光吸収材等のフィラーを含有させることで形成できる。
遮光部材280を形成する樹脂としては、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂、アクリレート樹脂、ウレタン樹脂、フェノール樹脂、BTレジン等が挙げられる。また、遮光部材280に含有される光吸収性のフィラーとしては、カーボンブラック等の暗色系の顔料等が挙げられる。
(発光装置200)
発光装置200において、基部210の底面210eには、2つの光反射部材240が配置されている。2つの光反射部材240は、それぞれ異なる金属膜の上に配置され、その下面が基部210の底面210eに接合されている。また、2つの光反射部材240は、平面視で、光反射面241の上端が、基部210の内側面210c又は外側面210dと平行あるいは垂直である。なお、ここでの平行あるいは垂直は、±5度以内の差を許容する。
基部210の底面210eには、温度測定素子260が配置されている。温度測定素子260は、2つの光反射部材240が配置された金属膜とは異なる金属膜の上に配置され、接合される。
基部210の底面210eには、2つのサブマウント230が配置されている。2つのサブマウント230は、それぞれ異なる金属膜の上に配置され、その下面が基部210の底面210eに接合されている。また、2つのサブマウント230はそれぞれ、光反射部材240が配置されている金属膜に配置されている。なお、サブマウント230と光反射部材240は、異なる金属膜に配置されていてもよい。
発光素子220は、基部210の底面210eに配置される。具体的には、発光素子220は、サブマウント230に配置されている。図示される発光装置200の例では、2つの発光素子220が、それぞれ異なるサブマウント230の上面に配置され、サブマウント230の下面が基部210の底面210eに接合されている。発光素子220は、光出射面が、サブマウント230の1つの側面と同一方向を向くように配置される。
2つの発光素子220は、平面視で、光出射面が、基部210の内側面210c又は外側面210dと平行及び垂直にならない。そのため、光出射面は、光反射面241の上端とも、平行及び垂直にならない。つまり、発光素子220は、平面視で、基部210の内側面210c及び外側面210d、又は、光反射面241の上端、に対して光出射面が斜めになるように配置される。
2つの発光素子220のそれぞれで、光出射面から出射された光は、対応する光反射部材240に照射される。対応する光反射部材240とは、同じ金属膜に配置されている光反射部材240である。少なくとも主要部分の光が光反射面241に照射されるように、発光素子220は配置される。
発光素子220が配されたサブマウント230は、発光装置200において、発光素子220から発生した熱を逃がす放熱部材としての役割を果たすことができる。サブマウント230を放熱部材として機能させるには、発光素子220よりも熱伝導率の良い材料で形成すればよい。また、基部210の底面210eよりも熱伝導率の良い材料で形成すると、より高い放熱効果を得ることができる。
発光素子220、及び温度測定素子260は、対応する配線271を介して基部210の底面210eに設けられた金属膜217と電気的に接続されている。これらの素子と外部電源との電気的な接続には、基部210の底面210eに設けられた金属膜217を利用する。これにより、基部210の上面210aの金属膜217を介して、これらの素子と外部電源とを電気的に接続できる。
光学部材10は、基部210と接合する。光学部材10の透光性部材30が基部210と接合する。詳細には、光学部材10の透光性部材30の下面の外周部は、基部210の段差部216の上面と接合されている。例えば、透光性部材30の下面の外周領域に設けられた金属膜と、段差部216の上面に設けられた金属膜とが、Au-Sn等を介して接合し固定される。透光性部材30は、上面に波長変換部材20が接合された状態で、基部210に接合される。そのため、透光性部材30が基部210の上面210aに配され、波長変換部材20が透光性部材30の上面に配される。
透光性部材30が基部210に接合されることで、発光素子220が配された閉空間が形成される。このように、発光装置200では、透光性部材30は蓋部材としての役割を果たすことができる。また、この閉空間は気密封止された状態で形成される。気密封止されることで、発光素子220の光の光出射面に有機物等が集塵することを抑制できる。
基部210の上面210aには、互いに独立する6つの金属膜218が設けられている。この6つの金属膜218は、発光素子220に電源を供給するための2つの金属膜218と、温度測定素子260に電源を供給するための2つの金属膜218と、導電膜40に電源を供給するための2つの金属膜218とを含む。なお、電源供給の態様は、これには限られない。例えば、温度測定素子260を有さない場合は、係る金属膜も有さなくてよい。また、例えば、他の目的で金属膜218が利用されてもよい。
発光装置200は、基部210と光学部材10とに接合される配線272を有する。詳細には、配線272の一部は、基部210の一の段差部216に設けられた一の金属膜と、光学部材10の上面に設けられた第1配線パターン34aとを電気的に接続する。また、配線272の他部は、基部210の他の段差部216に設けられた他の金属膜と、第2配線パターン34bとを電気的に接続する。導電膜40は、配線272を介して、基部210に設けられた金属膜と電気的に接続する。また、段差部216に設けられた一の金属膜及び他の金属膜は、基部210の上面210aに設けられた金属膜218のうちの2つと電気的に接続する。これにより、金属膜218のうちの2つから、配線272等を介して導電膜40に電源を供給することができる。
発光素子220によって出射された光の主要部分は、透光性部材30に入射する。また、発光素子220によって出射された光の主要部分は、透光性部材30を透過して、波長変換部材20の波長変換部21に入射する。透光性部材30は、発光素子220によって出射された光に対して透光性を有する。ここで、透光性とは、発光素子220によって出射された光に対する透過率が80%以上であることとする。
波長変換部21は、発光素子220によって出射された光を異なる波長の光に変換する。波長変換部21に入射した光の一部あるいは全部は、波長変換部21によって異なる波長の光に変換される。波長変換部21に入射した光または波長変換部21で波長変換された光が、波長変換部21の上面から発光装置200の外部に出射される。つまり、波長変換部21の上面が、発光装置200の光取出面となる。
遮光部材280は、基部210の上面210aによる枠の内側に形成されている。遮光部材280は、基部210と光学部材10との隙間を埋めるようにして形成される。遮光部材280は、例えば、熱硬化性の樹脂を流し込み、これを熱で硬化させることで形成できる。遮光部材280を設けることで光の漏れを抑制する。
遮光部材280は、基部210の上面210aと交わる内側面210c、基部210の段差部216の上面、透光性部材30の側面、透光性部材30の上面、及び、光学部材10の側面、に接する。また、光学部材10の上面には達しない。あるいは、光反射部22の上面に達したとしても、波長変換部21の上面には達しない。
遮光部材280を構成する樹脂は、金属膜部分71と金属膜部分72との隙間、金属膜部分72と金属膜部分73との隙間、金属膜部分71と第1接続部分61との隙間、及び/又は金属膜部分73と第2接続部分62との隙間から波長変換部材20と透光性部材30との隙間に入り込んでもよい。遮光部材280を構成する樹脂は、波長変換部材20と透光性部材30との隙間に入り込んで導電膜40の側面を被覆してもよい。
なお、遮光部材280を構成する樹脂は、導電膜40の内側には入り込まないことが好ましい。遮光部材280を構成する樹脂が波長変換部21の下面にまで達すると、光の取り出しに支障をきたすからである。特に、遮光性の樹脂で遮光部材280を形成すると、発光素子220から波長変換部21へと進む光の少なくとも一部が遮られる場合がある。光学部材10は、波長変換部21の周りを囲う導電膜40を有しており、さらに導電膜40の内側に放熱部50を有しているため、遮光部材280を構成する樹脂が波長変換部21の下面にまで達することを抑制できる。
導電膜40及び導電金属膜60は、発光装置200の外部と電気的に接続され、電流の経路となる。一方、放熱部50と外側金属膜70は、電流の経路とはならない。電流経路となる導電膜40及び導電金属膜60では放電が生じる場合があるが、導電膜40は幅が狭く厚さが薄いため、放電が生じると静電破壊を起こして断線しやすい。遮光部材280を構成する絶縁性の樹脂が導電膜40の側面を被覆することで、導電膜40の部分で放電が生じることを抑制でき、導電膜40を静電破壊から保護できる。
また、前述のように、導電金属膜60において、第1接続部分61の一部は、第2凹部62xの内側に入り込む。このような構造により、第1接続部分61と第2凹部62xとの間の隙間には、遮光部材280を構成する樹脂が入りにくくなる。そのため、互いに近接する第1接続部分61と第2接続部分62との間で放電が生じやすくなる。このように、第1接続部分61と第2接続部分62との間で積極的に放電を生じさせることで、導電膜40の部分で放電が生じることを抑制でき、導電膜40を静電破壊から保護できる。
なお、発光素子220が半導体レーザ素子である場合、発光ダイオード等に比べて発光強度が大きいため、波長変換部21の発熱も大きくなり、波長変換部21の発光効率が低下するおそれがある。しかし、前述のように、発光装置200の光学部材10では、放熱部50の金属膜部分51、52、53、及び54が波長変換部21と近い位置に配置されている。そのため、波長変換部21で生じる熱を効率よく透光性部材30に伝え、透光性部材30から発散することができる。その結果、発光素子220が半導体レーザ素子である場合でも、波長変換部21の発光効率の低下を抑制できる。
発光装置200は、例えば、車載ヘッドライトに利用できる。また、発光装置200は、これに限らず、照明、プロジェクター、ヘッドマウントディスプレイ、その他ディスプレイのバックライト等の光源に利用できる。
〈第3実施形態〉
第3実施形態では、複数の波長変換部を備えた光学部材の例を示す。図9は、第3実施形態に係る光学部材の上面図である。図10は、第3実施形態に係る波長変換部材の下面図である。図11は、第3実施形態に係る透光性部材の上面図である。図9~図11において、互いに直交するX方向とY方向を規定している。
図9~図11に示すように、光学部材10Aは、複数の波長変換部材20Aと、透光性部材30Aと、導電膜40Aと、放熱部50Aとを備える。図示の光学部材10Aは、一例として、5個の波長変換部材20Aを備える。光学部材10Aは、導電金属膜60Aと、外側金属膜70Aとをさらに備えてもよい。
光学部材10Aの各構成要素について説明する。
(波長変換部材20A、導電膜40A、放熱部50A、導電金属膜60A、外側金属膜70A)
各波長変換部材20Aは、上面視で矩形状であり、矩形の長辺をY方向に向けて、X方向に所定間隔で配置されている。各波長変換部材20Aは、波長変換部23と、光反射部24とを有する。各波長変換部23は、互いに離隔しており、例えば、下面視で、各波長変換部23の中心がX方向に平行な一直線上に並ぶように配置される。波長変換部23及び光反射部24の構造、機能、好適な材料等は、波長変換部21及び光反射部22と同様である。
導電膜40Aは、光反射部24の下面に配される。導電膜40Aは、下面視で波長変換部23の周りを囲む。導電膜40Aは、細い線状であることが好ましい。放熱部50Aは、光反射部24の下面において、波長変換部23と導電膜40Aとの間に、導電膜40Aと離隔して配置される。放熱部50Aは、導電膜40Aの内側に設けられた内側金属膜である。この内側金属膜は、波長変換部23の周りを囲む1つの金属膜部分を含む。放熱部50Aの一端と他端とは接続されていない。下面視で、放熱部50Aの一端は、放熱部50Aの他端よりも波長変換部23に近い位置にあり、放熱部50Aの一端と放熱部50Aの他端とは互いに対向する部分を有する。下面視で、放熱部50Aと波長変換部23の最短距離は、30μm以上300μm以下である。
導電金属膜60Aは、光反射部24の下面において、導電膜40Aと接続する。導電金属膜60Aの少なくとも一部は、導電膜40Aの外側(Y-側)に位置する。導電金属膜60Aは、導電膜40Aの一端に接続される第1接続部分63と、導電膜40Aの他端に接続される第2接続部分64とを有する。下面視で、第1接続部分63は、第2接続部分64の側に開口する第1凹部63xを備え、下面視で、第2接続部分64は、第1接続部分63の側に開口する第2凹部64xを備えている。第1接続部分63の一部は、第2凹部64xの内側に入り込む。
外側金属膜70Aは、光反射部24の下面において、導電膜40Aの外側(Y+側)に、導電膜40Aと離隔して配置される。外側金属膜70Aは、導電膜40Aの外側(Y+側)において、X方向に並ぶ互いに独立した金属膜部分74及び75を含む。導電金属膜60A及び外側金属膜70Aは、例えば、下面視で、波長変換部23、導電膜40A、及び放熱部50Aを挟んで互いに対向して配置される。金属膜部分74と金属膜部分75の面積はおおよそ等しくてもよい。金属膜部分74及び75の各々の面積は、例えば波長変換部23の下面の面積より大きい。
外側金属膜70Aは、下面視で、波長変換部23、導電膜40A、及び放熱部50Aを挟んでX方向に対向する領域には配置されない。外側金属膜70Aは、下面視で、X方向に平行で、かつ、波長変換部23、導電膜40A、及び放熱部50Aを通過する、いずれの仮想線も通過しない位置に配置される。これにより、この領域に外側金属膜を設ける場合と比べて、X方向に並ぶ複数の波長変換部23をより近付けて配置することができる。
(透光性部材30A)
透光性部材30Aは、上面と、上面の反対面である下面と、上面及び下面と交わる側面とを有する。透光性部材30Aの構造、機能、好適な材料等は、透光性部材30と同様である。
透光性部材30Aの上面において、第1接合部131、第2接合部132、及び導電金属膜133が配置される複数の領域が画定されている。図示の例では、透光性部材30Aは、上面において、5つの領域を有する。ここでは、各領域を便宜上A~Eの符号で示す。領域A~領域Eは、上面視で矩形状であり、矩形の長辺をY方向に向けて、X方向に所定間隔で配置されている。
第1接合部131は、例えば、上面視で領域A~領域Eのほぼ中央に配置されている。上面視で、第1接合部131は、例えば、閉じた矩形枠状部分と、矩形枠状部分の1つの角部に繋がるL字部分とを含む。各第1接合部131は、互いに離隔しており、例えば、上面視で、矩形枠状部分の中心がX方向に平行な一直線上に並ぶように配置される。
透光性部材30Aは、上面の領域A~領域Eにおいて、第1接合部131の外側(Y+側)に、第1接合部131と離隔して配置される第2接合部132を有する。第2接合部132は、X方向に並ぶ互いに独立した金属膜部分132a及び132bを含む。金属膜部分132a及び132bの外形は、例えば矩形である。金属膜部分132aと金属膜部分132bの面積はおおよそ等しくてもよい。
透光性部材30Aは、上面の領域A~領域Eにおいて、第1接合部131の外側(Y-側)に、導電金属膜133を有する。導電金属膜133及び第2接合部132は、第1接合部31を挟んで互いに対向するように配置される。導電金属膜133は、第1接続部分133aと、第2接続部分133bとを有する。上面視で、第1接続部分133aは、第2接続部分133bの側に開口する第1凹部133xを備え、上面視で、第2接続部分133bは、第1接続部分133aの側に開口する第2凹部133yを備えている。第1接続部分133aの一部は、第2凹部133yの内側に入り込む。
透光性部材30Aは、上面において、領域A~領域Eの外側に、配線134を有する。配線134は、互いに独立した複数の配線パターンを有する。配線パターンの数は、領域の数より一つ多い。図示の例では、領域A~領域Eの5つの領域に対し、配線134は、第1配線パターン134a、第2配線パターン134b、第3配線パターン134c、第4配線パターン134d、第5配線パターン134e、及び第6配線パターン134fを有している。第1配線パターン134a、第2配線パターン134b、第3配線パターン134c、第4配線パターン134d、第5配線パターン134e、及び第6配線パターン134fは、Y方向に伸びている。
複数の配線パターン134a、134b、134c、134d、134e、及び134f(以下、配線パターン134a等という。)は、X方向に並べて配置される。1つの領域は、2つの配線パターンに挟まれる。複数の配線パターン134a等のうち、両端に配置される配線パターンを除く配線パターンは、隣り合う領域の一方を挟むための配線パターンでもあり他方を挟むための配線パターンでもある。図示の例では、第1配線パターン134a及び第2配線パターン134bによって領域Aが、第2配線パターン134b及び第3配線パターン134cによって領域Bが、第3配線パターン134c及び第4配線パターン134dによって領域Cが、第4配線パターン134d及び第5配線パターン134eによって領域Dが、第5配線パターン134e及び第6配線パターン134fによって領域Eが、X方向の両側から挟まれるように配置されている。
隣り合う領域の両方を挟むための配線パターンは、一方の領域の金属膜部分132b及び第2接続部分133bと接続され、他方の領域の金属膜部分132a及び第1接続部分133aと接続される。両端に配置される配線パターンの一方は、領域の金属膜部分132a及び第1接続部分133aと接続され、他方は、領域の金属膜部分132b及び第2接続部分133bと接続される。
図示の例では、第1配線パターン134aは、領域Aの金属膜部分132a及び第1接続部分133aと接続される。第2配線パターン134bは、領域Aの金属膜部分132b及び第2接続部分133b、並びに領域Bの金属膜部分132a及び第1接続部分133aと接続される。第3配線パターン134cは、領域Bの金属膜部分132b及び第2接続部分133b、並びに領域Cの金属膜部分132a及び第1接続部分133aと接続される。第4配線パターン134dは、領域Cの金属膜部分132b及び第2接続部分133b、並びに領域Dの金属膜部分132a及び第1接続部分133aと接続される。第5配線パターン134eは、領域Dの金属膜部分132b及び第2接続部分133b、並びに領域Eの金属膜部分132a及び第1接続部分133aと接続される。第6配線パターン134fは、領域Eの金属膜部分132b及び第2接続部分133bと接続される。
透光性部材30Aは、上面の領域A~領域Eにおいて、反射膜135を有してもよい。反射膜135は、透光性部材30Aの上面の領域A~領域Eにおいて、第1接合部131の内側に、第1接合部131と離隔して配置される。反射膜135の機能、好適な材料等は、反射膜35と同様である。
(光学部材10A)
光学部材10Aにおいて、透光性部材30Aの上面には、波長変換部材20Aが接合する。波長変換部材20Aは、例えば、上面視で透光性部材30Aよりも小さい。透光性部材30Aは、波長変換部材20Aの光反射部24の下面と接合し、下面視で波長変換部23が包含される。光学部材10Aでは、各波長変換部23に入射する光を独立に波長変換することが可能である。
光学部材10Aでは、各放熱部50Aは、Au-Sn等のはんだにより透光性部材30Aの各領域の第1接合部131と接合する。各放熱部50Aは各波長変換部23と近い位置に配置されているため、各波長変換部23で生じる熱は各放熱部50A及び各第1接合部131を経由して効率よく透光性部材30Aに伝わり、透光性部材30Aから発散される。これにより、光学部材10Aの放熱性を向上することができる。なお、放熱部50Aは、光学部材10Aが発光装置に搭載された場合の電流経路とはならないことが好ましい。放熱部50Aが電流経路とはならない場合、放熱部50Aは電流により発熱が生じることがないため、光学部材10Aの放熱性をさらに向上することができる。
また、光学部材10Aでは、各外側金属膜70Aは、Au-Sn等のはんだにより透光性部材30Aの各領域の第2接合部132と接合する。各放熱部50Aと透光性部材30Aの各第1接合部131とが各波長変換部材20Aの中心側で接合し、各外側金属膜70Aと透光性部材30Aの各領域の第2接合部132とが波長変換部材20Aの外周側で接合することで、各波長変換部材20Aと透光性部材30Aとの接合強度を向上できる。なお、波長変換部23で生じる熱の一部が外側金属膜70A及び第2接合部132を経由して透光性部材30Aに伝えられ、透光性部材30Aから発散されてもよい。
また、光学部材10Aでは、各導電金属膜60Aの第1接続部分63は、各波長変換部材20Aの下方に位置する透光性部材30Aの対応する領域の導電金属膜133の第1接続部分133aと接合する。また、各導電金属膜60Aの第2接続部分64は、各波長変換部材20Aの下方に位置する透光性部材30Aの対応する領域の導電金属膜133の第2接続部分133bと接合する。このように接合することで、複数の波長変換部材20Aを電気的に直列に接続することができる。
各導電膜40Aは、各波長変換部23を囲む細い線状の膜である。そのため、光学部材10の導電膜40と同様に、各導電膜40Aの電気的な接続状態の変化をモニタすることで、各波長変換部23の破壊を検知できる。これにより、光学部材10Aの安全性を確保できる。また、複数の波長変換部23のいずれか一つでも破壊された場合に安全性が損なわれる場合には、複数の波長変換部材20Aを電気的に直列に接続して破壊を検知すればよい。
また、各導電膜40Aは、各波長変換部23の下面の直下を通らず、各波長変換部23の周りを囲う。このようにすることで、光学部材10Aの各波長変換部材20Aに入射する光が各導電膜40Aを通らずに各波長変換部23に入射するため、各波長変換部23に効率的に光を入射させることができる。
〈第4実施形態〉
第4実施形態では、第3実施形態に係る光学部材を用いた発光装置の例を示す。図12は、第4実施形態に係る発光装置の上面図である。図13は、第4実施形態に係る発光装置から波長変換部材及び遮光部材を除いた状態の上面図である。
図12及び図13に示すように、発光装置200Aは、光学部材と、基部210と、複数の発光素子220と、1又は複数のサブマウント230と、1又は複数の光反射部材240と、遮光部材280とを有する。発光装置200Aは、少なくとも、光学部材10Aと、基部210と、2つ以上の発光素子220とを有していればよい。
図示される発光装置200Aの例では、基部210の底面には、5つの光反射部材240が配置されている。5つの光反射部材240は、それぞれ異なる金属膜の上に配置され、その下面が基部210の底面に接合されている。5つの光反射部材240は、例えば、上面視でX方向に所定間隔で配置されている。
図示される発光装置200Aの例では、基部210の底面には、5つのサブマウント230が配置されている。5つのサブマウント230は、それぞれ異なる金属膜の上に配置され、その下面が基部210の底面に接合されている。5つのサブマウント230は、例えば、上面視で矩形状であり、矩形の長辺をY方向に向けて、X方向に所定間隔で配置されている。また、5つのサブマウント230はそれぞれ、光反射部材240が配置されている金属膜に配置されている。なお、サブマウント230と光反射部材240は、異なる金属膜に配置されていてもよい。
各発光素子220は、基部210の底面に配置される。具体的には、発光素子220は、サブマウント230に配置されている。図示される発光装置200Aの例では、5つの発光素子220が、それぞれ異なるサブマウント230の上面に配置され、サブマウント230の下面が基部210の底面に接合されている。また、5つの発光素子220は、例えば、上面視で矩形状であり、矩形の長辺をY方向に向けて、X方向に所定間隔で配置されている。各発光素子220は、上面視で、光出射面が、基部210の内側面又は外側面210dと平行又は垂直になる。各発光素子220は、光出射面を同一方向に向けて配置されている。
各光反射部材240は、各発光素子220側に傾斜する光反射面を備えている。各発光素子220のそれぞれで、光出射面から出射された光は、対応する光反射部材240の光反射面に照射される。対応する光反射部材240とは、同じ金属膜に配置されている光反射部材240である。少なくとも主要部分の光が光反射面に照射されるように、発光素子220は配置される。
各発光素子220によって出射された光の主要部分は、対応する光反射部材240の光反射面で反射されて透光性部材に入射する。各光反射部材240の光反射面で反射される光の主要部分は、透光性部材を透過した後に、各波長変換部23に入射する。各波長変換部23に入射した光の一部あるいは全部は、各波長変換部23によって異なる波長の光に変換される。各波長変換部23に入射した光または各波長変換部23で波長変換された光が、各波長変換部23の上面から発光装置200Aの外部に出射される。各発光素子220は、独立に駆動することが可能である。
発光装置200Aは、例えば、車載ヘッドライトに利用できる。また、発光装置200Aは、これに限らず、照明、プロジェクター、ヘッドマウントディスプレイ、その他ディスプレイのバックライト等の光源に利用できる。
以上、好ましい実施形態等について詳説したが、前述した実施形態等に制限されることはなく、特許請求の範囲に記載された範囲を逸脱することなく、前述した実施形態等に種々の変形及び置換を加えることができる。
10,10A 光学部材
20,20A 波長変換部材
21,23 波長変換部
22,24 光反射部
30,30A 透光性部材
31,131 第1接合部
32,132 第2接合部
32a,32b,32c,51,52,53,54,71,72,73,74,75,132a,132b 金属膜部分
33,133 導電金属膜
33a,61,63,133a 第1接続部分
33x,61x,63x,133x 第1凹部
33y,62x,64x,133y 第2凹部
33b,62,64,133b 第2接続部分
34,134 配線
34a,134a 第1配線パターン
34b,134b 第2配線パターン
35,135 反射膜
40,40A 導電膜
50,50A 放熱部
55 第1金属膜部分
60,60A 導電金属膜
70,70A 外側金属膜
134c 第3配線パターン
134d 第4配線パターン
134e 第5配線パターン
134f 第6配線パターン
200,200A 発光装置
210 基部
210a 上面
210b 下面
210c 内側面
210d 外側面
210e 底面
216 段差部
217、218 金属膜
220 発光素子
230 サブマウント
240 光反射部材
241 光反射面
260 温度測定素子
271,272 配線
280 遮光部材

Claims (15)

  1. 波長変換部、及び前記波長変換部の側面を囲う光反射部、を有する波長変換部材と、
    前記光反射部の下面と接合し、下面視で前記波長変換部が包含される、透光性部材と、
    前記光反射部の下面に配され、前記波長変換部の周りを囲む導電膜と、
    前記光反射部の下面において、前記波長変換部と前記導電膜との間に、前記導電膜と離隔して配置される放熱部と、を備える、光学部材。
  2. 前記放熱部は、前記導電膜の内側に設けられた内側金属膜である、請求項1に記載の光学部材。
  3. 前記内側金属膜は、互いに独立した複数の金属膜部分を含み、
    前記複数の金属膜部分は、前記波長変換部の周りを囲むように配置される、請求項2に記載の光学部材。
  4. 前記内側金属膜は、前記波長変換部の周りを囲む1つの第1金属膜部分を含む、請求項2に記載の光学部材。
  5. 下面視で、前記放熱部と前記波長変換部の最短距離は、30μm以上300μm以下である、請求項1から4のいずれか1項に記載の光学部材。
  6. 前記透光性部材は、上面において、
    前記放熱部と接合する第1接合部を有する、請求項1から5のいずれか1項に記載の光学部材。
  7. 前記光反射部の下面において、前記導電膜と接続する導電金属膜をさらに備える、請求項1から6のいずれか1項に記載の光学部材。
  8. 前記導電金属膜の少なくとも一部は、前記導電膜の外側に位置する、請求項7に記載の光学部材。
  9. 前記光反射部の下面において、前記導電膜の外側に、前記導電膜と離隔して配置される外側金属膜をさらに備える、請求項7または8に記載の光学部材。
  10. 前記外側金属膜は、前記導電膜の外側において、互いに独立した複数の金属膜部分を含む、請求項9に記載の光学部材。
  11. 前記導電金属膜及び前記外側金属膜は、前記導電膜の周りを囲むように配置される、請求項9または10に記載の光学部材。
  12. 前記導電金属膜は、前記導電膜の一端に接続される第1接続部分と、前記導電膜の他端に接続される第2接続部分と、を有し、
    下面視で、前記第1接続部分は、前記第2接続部分の側に開口する第1凹部を備え、
    下面視で、前記第2接続部分は、前記第1接続部分の側に開口する第2凹部を備え、
    前記第1接続部分の一部は、前記第2凹部の内側に入り込む、請求項11に記載の光学部材。
  13. 前記透光性部材は、上面において、
    前記外側金属膜と接合する第2接合部を有する、請求項9から11のいずれか1項に記載の光学部材。
  14. 実装面、及び前記実装面を囲う枠、を備えた基部と、
    前記実装面に配置される発光素子と、
    請求項1乃至13の何れか一項に記載の光学部材と、を有し、
    前記透光性部材は、前記基部と接合し、
    前記波長変換部は、前記発光素子によって出射された光を異なる波長の光に変換する、発光装置。
  15. 前記基部と前記光学部材とに接合される配線を有し、
    前記導電膜は、前記配線を介して、前記基部に設けられた金属膜と電気的に接続する、請求項14に記載の発光装置。
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