JP2023047829A - 洗濯機 - Google Patents

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俊吾 石原
Shungo Ishihara
真二 松岡
Shinji Matsuoka
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Abstract

【課題】水槽から外部への漏水を防止できる。【解決手段】本開示に係る洗濯機は、筐体内に弾性支持された水槽と、水槽の内部で回転可能に設けられたドラムと、水槽の底部を通過し、ドラムの回転軸として機能するシャフトと、を備え、ドラムの底部は、水槽と連通する貫通孔を形成するメッシュ部と、ドラムの回転方向に垂直に延びて、メッシュ部より前側に位置する部分を有する底面リブとを有し、メッシュ部は、水槽の底部に面する側に、ドラムの回転方向に平行に延びる第1メッシュ面を有する。【選択図】図9

Description

本開示は、洗濯機に関する。
例えば、特許文献1には、洗濯機本体内に弾性支持された水槽と、水槽内に回転自在に支持された回転ドラムと、回転ドラムに回転動力を伝達するシャフトとを備える洗濯乾燥機が開示されている。
特許文献1に記載された洗濯乾燥機において、回転ドラムの底部は、乾燥空気を通過させるメッシュ部とメッシュ部の間に形成される放射状の底面リブとを有する。
特開第2018-029861号公報
しかしながら、特許文献1に記載の洗濯乾燥機において、回転ドラムが回転すると、回転ドラムの底部と水槽の底部との間において、洗濯水がメッシュ部から突出する底面リブによってかき上げられる。洗濯水がかき上げられると、水槽の外部への漏水が発生するおそれがある。
したがって、本開示の目的は、上記課題を解決することにあって、水槽から外部への漏水を防止できる洗濯機を提供することにある。
本開示の一態様の洗濯機は、筐体内に弾性支持された水槽と、水槽の内部で回転可能に設けられたドラムと、水槽の底部を通過し、ドラムの回転軸として機能するシャフトと、を備え、ドラムの底部は、水槽と連通する貫通孔を形成するメッシュ部と、ドラムの回転方向に垂直に延びて、メッシュ部より前側に位置する部分を有する底面リブとを有し、メッシュ部は、水槽の底部に面する側に、ドラムの回転方向に平行に延びる第1メッシュ面を有する。
本開示によれば、水槽から外部への漏水を防止できる洗濯機を提供することができる。
本開示に係る実施形態の洗濯機の模式断面図 洗濯機の斜視図 ドラム及びシャフトの斜視断面図 ドラム及びシャフトの斜視断面図 シャフトの拡大断面図 ドラムの分解図 ドラムの分解図 底部の斜視図 底部の斜視図 底部の拡大図 底部の拡大図 底部の断面図 乾燥工程における洗濯機の模式システム図 洗濯機の模式断面図
(実施形態)
本開示の実施形態に係る洗濯機について説明する。
[全体構成]
図1は、本開示に係る実施形態の洗濯機1を示す模式断面図である。図2は、洗濯機1の斜視図である。図2では、便宜上、筐体2を省略している。
本実施形態の洗濯機1は、洗濯及び乾燥機能を有する洗濯乾燥機(いわゆるドラム式洗濯機)である。図1に示すよう、洗濯機1は、筐体2と、水槽3と、ドラム4と、シャフト5と、ヒートポンプ装置6と、循環流路8と、送風手段9と、給水弁10と、排水弁11と、制御部12と、を備える。
<筐体>
図1に示すように、筐体2は、洗濯機1の外観を形成する部材である。筐体2の前面には、開口20と、開口20を覆う開閉自在な扉21とが設けられている。
<水槽>
水槽3は、筐体2の内部に設けられ、洗濯水を溜める機能を有する大略円筒状の部材である。水槽3は外槽と称してもよい。水槽3は、ダンパ39とコイルスプリング(図示せず)によって弾性支持され、洗濯、脱水時の振動をダンパ39とコイルスプリングによって吸収する。水槽3は、筐体2の開口20に面する位置に開口30を有し、筐体2の開口20と密閉されて連結される。水槽3にはさらに複数の開口33、34、35が設けられる。開口33、34は循環流路8に接続される開口であり、開口35は水槽3の水を外部に排水するための排水口である。
<ドラム>
ドラム4は、水槽3の内側においてシャフト5の周りで回転可能に設けられ、衣類等の洗濯物15を収容する大略円筒状の部材である。ドラム4は、内槽と称してもよい。ドラム4は、筐体2の開口20及び水槽3の開口30に面する位置に開口41を有する。ドラム4は、シャフト5が接続される底部42と、一端が底部42によって閉じられた筒部44と有する。ドラム4は水平方向に対して底部42に向かって下方に傾斜されている。そのため、水平方向に延びる水面S0はシャフト5に対して傾斜されている。図2に示すように、ドラム4の底部42は、多数の貫通孔40が形成されるメッシュ部45と、底面リブ46を備える。
<シャフト>
図1に戻ると、シャフト5は、水槽3の底部を通過してドラム4の回転軸V0として機能する部材である。回転軸V0はシャフト5の中心を通過する直線である。シャフト5は例えば、モータに接続され、モータの回転動力をドラム4に伝達する。
<ヒートポンプ装置>
ヒートポンプ装置6は、循環流路8を流れる空気を除湿して加熱するための装置である。ヒートポンプ装置6は、除湿用熱交換器65と加熱用熱交換器66を含んでいる。ヒートポンプ装置6は、筐体2の上部に設けられる。ヒートポンプ装置6は、水槽3からの空気が流入する空気入口60と、除湿して加熱した空気を排出する空気出口61と、を形成する。空気入口60は上流側で水槽3の開口33に接続し、空気出口61は下流側で水槽3の開口34に接続する。
<循環流路>
循環流路8は、筐体2の内部に設けられ、水槽3とヒートポンプ装置6の間で空気を循環させる流路である。循環流路8は、水槽3とヒートポンプ装置6とを接続する流路として、第1循環流路81と、第2循環流路82とを備える。第1循環流路81は、水槽3の開口33と空気入口60とを接続する流路である。第2循環流路82は、空気出口61と水槽3の開口34とを接続する流路である。循環流路8は複数の貫通孔40を通じてドラム4にも連通する。
<送風手段>
送風手段9は、循環流路8に空気の流れを発生されるファン等の機構である。送風手段9の運転によって、矢印Aで示す方向に沿って、循環流路8を循環する空気の流れが発生する。
<給水弁>
給水弁10は、水槽3に水を供給するための弁である。給水弁10は、筐体2の上部に設けられる。
<排水弁>
排水弁11は、開閉可能に構成され、開かれると、水槽3に溜められた水を水槽3の開口35を通じて排水するための弁である。排水弁11は、筐体2の下部に設けられる。
<制御部>
制御部12は、洗濯機1の運転を制御する部材である。制御部12は、シャフト5に接続されるモータ、ヒートポンプ装置6、送風手段9、給水弁10、及び排水弁11等の洗濯機1の構成要素を制御する。制御部12は、例えば、プログラムを記憶したメモリ(図示せず)と、CPUなどのプロセッサに対応する処理回路(図示せず)とを備え、プロセッサがプログラムを実行することでこれらの要素として機能してもよい。
続いて、ドラム4及びシャフト5について、図3及び図4を参照しながら説明する。図3及び図4は、洗濯機1の一部の断面斜視図である。
図3に示す軸方向Mはドラム4の回転軸V0と平行な方向であり、中心方向Kは回転軸V0に直交する方向である。軸方向Mにおいて、底部42から開口41に向かう向きを前側M1、開口41から底部42に向かう向きを底側M2とする。また、中心方向Kにおいて、ドラム4の外周から回転軸V0に向かう方向を中心側K1、回転軸V0から離れる方向を外側K2とする。
図3及び図4に示すようにドラム4は、底部42と筒部44とを有する。底部42は、筒部44の一方の端部43を閉じるように筒部44に取り付けられる。底部42と筒部44とはあわせて、洗濯物15を収容する空間を画定する。
底部42は、開口41に面する前面P1と、前面P1と対向する後面P2とを有する。底部42の後面P2にはシャフト5が挿入される。シャフト5は、後面P2の中心部分に接続される。
図5は、洗濯機1におけるシャフト5の拡大断面図である。図5に示すように、シャフト5は、ドラム4に固定的に係合された状態で、水槽3に回転可能に係合されている。
より具体的には、底部42の中心部分には凹部50が形成される。凹部50は、後面P2が前面P1に近づくようにくぼんでいることで形成される。水槽3には環状のオイルシール36と、オイルシール36の内部に突出する環状のリップ部37とが設けられている。オイルシール36には潤滑用のグリスが貯蔵されている。凹部50とオイルシール36とリップ部37とは軸方向Mに並び、例えば、凹部50とオイルシール36とリップ部37との中心が一致する。
そこで、シャフト5は、凹部50及びオイルシール36に挿入される。シャフト5の先端は凹部50に圧入され、固定的に係合し、シャフト5の外周面はリップ部37と回転可能に係合する。また、シャフト5とリップ部37と係合によって、水槽3から外部への漏水を防止できる。オイルシール36に貯蔵されたグリスによって、リップ部37とシャフト5との摩擦を小さくし、リップ部37の摩耗を抑制することができる。一方で、グリスが枯渇すると、リップ部37が摩耗しやすくなり、水槽3から外部への漏水が発生するおそれがある。
続いて、ドラム4の構造について、図6及び図7を参照しながら説明する。図6及び図7はドラム4の分解図である。
図6及び図7に示すように、ドラム4の底部42は、軸方向Mに対向して配置される円盤状の部材であり、本体42Aとカバー42Bとを有する。本体42Aは、メッシュ部45と底面リブ46とを有する。カバー42Bは、メッシュ部45に面する部分には開口を形成し、底面リブ46を覆う部材である。本体42Aの表面は合成樹脂によって被覆されてもよい。本体42Aは例えば、インサート成形によって形成される。カバー42Bは金属で形成されてもよい。このような構造によって、底部42の軽量化を実現するとともに、必要な強度を確保することができる。
メッシュ部45は、複数の貫通孔40を形成し、貫通孔40を通じて空気を水槽3から筒部44に流入させる部材である。また、底面リブ46は、メッシュ部45から前側M1及び底側M2に突出しており、メッシュ部45を支持する構造である。底面リブ46は、底部42の強度を向上させるとともに、洗い工程においてドラム4の回転によってドラム4の水を撹拌する機能を有する。メッシュ部45と底面リブ46はドラム4の回転方向Lに沿って交互に形成される。メッシュ部45及び底面リブ46については、後で詳述する。
筒部44は、端部43と開口41との間で軸方向Mに沿って延びる筒状の部材である。筒部44の内周面S1には、中心方向Kに貫通した複数の貫通孔44Aが形成される。貫通孔44Aは水槽3に連通し、貫通孔44Aを通じて洗濯水が水槽3からドラム4内に流入する。
ドラム4はさらに、後バランサ49を有する。後バランサ49は、内部に液体を収容しており、回転するドラム4の振動を抑制する。
図8は、前側M1から見た底部42の斜視図である。図9は、底側M2から見た底部42の斜視図である。メッシュ部45における水槽3の底部から遠い側の面をメッシュ面P3と、水槽3の底部に近い側の面をメッシュ面P4とする。一方で、底面リブ46における水槽3の底部から遠い側の面をリブ面P5と、水槽3の底部に近い側の面をリブ面P6とする。メッシュ面P3とメッシュ面P4とは表裏の関係にあり、リブ面P5とリブ面P6とは表裏の関係にある。
図8に示すように、メッシュ部45は、筒部44の端部43(図6)を含む平面に対して底側M2にくぼんでいる。メッシュ部45の形状によって、筐体2(図1)の大きさを維持したままで、ドラム4の容量を大きくすることができる。そのため、洗濯機1の使用者は、一度により多くの洗濯物15を洗濯または乾燥できる。回転軸V0の周りで放射状に配置されたメッシュ部45が複数形成される。
隣接するメッシュ部45の間には、回転軸V0から放射状に延びる底面リブ46が形成される。図8のように底側M2に向かって見ると、底面リブ46は、メッシュ部45に対して前側M1に突出している。具体的には、底面リブ46において、リブ面P5と、リブ面P5の両側に形成される側面52とがメッシュ面P3より前側M1に形成される。リブ面P5は、中心方向Kと平行に延びる。側面52は、リブ面P5から底側M2に軸方向Mと平行に延び、ドラム4の回転方向Lに直交している。
また、底面リブ46は、メッシュ部45に対して前側M1に露出している。具体的には、リブ面P5と側面52の一部がメッシュ面P3より前側M1に形成される。
図9に示すように、メッシュ面P4の全体は、回転方向Lに平行に延びる。より具体的には、放射状に配置された複数のメッシュ面P4は、回転方向Lに沿って、軸方向Mにおいて略同一高さを有する。そのため、回転方向Lに沿って、メッシュ面P4における凹凸の形成は抑制される。
図9のように前側M1に向かって見ると、底面リブ46は、メッシュ部45に対して底側M2に突出している。具体的には、底面リブ46において、リブ面P6と側面52の一部がメッシュ面P4より底側M2に形成される。底面リブ46において底側M2への突出は少量であるため、リブ面P6は、メッシュ面P4と略同一高さに形成されている。リブ面P6は凹凸の形成が抑制された滑らかな表面を有し、中心方向Kに沿って延びる。
また、回転軸V0に近い底面リブ46の部分(後述の第1領域R1)において、側面52がメッシュ部45に対して露出している。一方で、回転軸V0から離れた底面リブ46の部分(後述の第2領域R2、第3領域R3)において、側面52のほぼ全体がメッシュ部45に覆われている。
底面リブ46は、リブ面P6を側面52に接続する角部46Aをさらに有する。角部46Aは、中心方向Kに延び、中心方向Kに沿ったエッジが面取りされた形状を有する。角部46Aはリブ面P6から側面52に向かってラウンド面を形成し、リブ面P6と側面52とを滑らかに接続する。このような構造によって、メッシュ部45から露出する角部46Aが回転方向Lに直交することを抑制できる。そのため、ドラム4が回転している場合もおいて、直交して水または空気に当たる底面リブ46の部分を小さくすることができる。角部46Aは、メッシュ面P4から底側M2に露出している。
図10は、前側M1から見た底部42の拡大図である。図11は、底側M2から見た底部42の拡大図である。図12は底部42の断面図である。
図10に示すように、メッシュ部45は、第1領域R1と、第2領域R2と、第3領域R3とに分けることができる。第1領域R1は中心側K1に位置し、シャフト5(図1)に隣接する部分であり、第1領域R1におけるメッシュ部は外側K2に沿って底側M2に向かって傾斜される。第2領域R2は外側K2に位置し、ドラム4の外周に隣接する部分であり、第2領域R2におけるメッシュ部は外側K2に沿って前側M1に向かって傾斜される。第3領域R3は、第1領域R1と第2領域R2との間に位置する部分であり、中心方向Kに沿って形成される。第3領域R3は、洗い工程において想定している水面S0(図8)より上方に位置する。また、洗い工程において最大の水面S0は、第3領域R3の範囲に位置する。具体的には、最大の水面S0は、ドラム4の回転によって最下点に到達した底面リブ46の第3領域R3を通過する。第1領域R1と、第2領域R2と、第3領域R3とのそれぞれは回転方向Lに平行に延びる。
また、メッシュ面P3と、リブ面P5との間の軸方向Mに沿った距離を、距離D1とする。距離D1は側面52に沿っている。第1領域R1及び第2領域R2における距離D1より、第3領域R3における距離D1が大きい。
図11に示すように、メッシュ面P4と、リブ面P6との間の軸方向Mに沿った距離を、距離D2とする。第1領域R1における距離D2より、第3領域R3及び第2領域R2における距離D2が小さい。言い換えれば、第3領域R3及び第2領域R2において、メッシュ面P4とリブ面P6との間の段差が小さく、底部42は回転方向Lに沿って延びる後面P2を有する。また、第3領域R3において、リブ面P6及び角部46Aはメッシュ面P4から底側M2に突出するが、側面52はメッシュ面P4より前側M1に形成される。
図12に示すように、第3領域R3において、距離D2は距離D1より小さい。さらに、第3領域R3において、距離D2はメッシュ部45の厚みD3より小さい。距離D2は厚みD3と略同一であってもよい。また、第2領域R2においても、距離D2は距離D1より小さい。
[動作]
以上のような構成において、次に洗濯機1の動作の一例について、図13及び図14を参照しながら説明する。図13は、乾燥工程における洗濯機1の模式システム図である。図14は、洗濯機1の模式断面図である。
洗濯機1の動作は、洗い工程と、すすぎ工程と、脱水工程と、乾燥工程と、内部洗浄工程とを備える。制御部12は、各工程を逐次制御する。
洗い工程では、ドラム4に洗濯物15を入れて、排水弁11(図1)を閉じた状態で、水槽3に所定の水位に達するまで給水を行う。本実施形態において、最高水面S0は、ドラム4の最深部から150mmの高さである。シャフト5によって、ドラム4を回転させて洗濯物15の洗い工程を実行する。洗い工程後のすすぎ工程でも、洗い工程と同様に水槽3に給水を行い、ドラム4を回転させて洗濯物15のすすぎを行う。脱水工程では、排水弁11を開いて筐体2の外部へ洗濯水を排水した後、シャフト5によって、洗濯物15の入ったドラム4を高速回転して脱水する。
図14に示すように、水槽3に水が貯まっている状態でドラム4が回転すると、底面リブ46がドラム4の内部で水をかき上げることができる。より具体的には、メッシュ部45(図12)から前側M1に突出した底面リブ46の側面52が回転方向Lに面しているため、側面52は底部42の近くの水を押して持ち上げる。
一方で、距離D1より距離D2が小さいため、水槽3とドラム4との間の空間R4においては、水のかき上げが抑制される。空間R4において、底面リブ46の第1領域R1は水面S0より高い位置にあるため、第1領域R1による水のかき上げは抑制される。底面リブ46の第2領域R2は水面S0から離れており、第2領域R2による水のかき上げは抑制される。底面リブ46の第3領域R3においては、水面S0を含んでいる場合においても、距離D2が小さいため、底面リブ46に多くの水が当たることを抑制できる。そのため、第3領域R3による水のかき上げは抑制できる。
続いて、乾燥工程では、制御部12がヒートポンプ装置6及び送風手段9を運転させて、洗濯物15の乾燥を行う。
図13に示すように、送風手段9が運転すると、洗濯機1において、空気A0の循環が発生する。ドラム4における空気A0は、ドラム4を回転させて上下に撹拌させた洗濯物15の隙間を通るときに、洗濯物15から水分を奪う。空気A0は、湿った状態で、水槽3の開口33及び第1循環流路81を通じて、ヒートポンプ装置6に流入する。湿った空気A0は、ヒートポンプ装置6によって除湿及び加熱され、第2循環流路82を通じて、開口34から水槽3及びドラム4に再度流入する。上記の動作を繰り返し、空気A0を循環させ、ドラム4の湿った空気A0を除湿及び加熱してドラム4に戻すことにより、洗濯物15の乾燥が進行される。
乾燥工程において、ドラム4が高速で回転して、メッシュ部45(図12)が開口34に面すると、第2循環流路82からドラム4に空気A0が流入する。一部の空気A0は、水槽3とドラム4の底部42との間の空間R4に流入する。そのため、ドラム4が回転すると、一部の空気A0はメッシュ部45から底側M2に突出した底面リブ46に当たる。メッシュ部45から底側M2に突出して回転方向Lに面した側面52の面積が小さいため、側面52が空気A0から受ける空気抵抗が小さく、風切り音等に起因する騒音を低減することができる。
上記の説明をまとめて、本開示の特徴を述べる。
本実施形態に係る洗濯機1においては、底部42の後面P2において、軸方向Mに突出する構造の形成が抑制される。より具体的には、メッシュ面P4が回転方向Lに延びて、第3領域R3において、メッシュ面P4とリブ面P6との間の距離D2がメッシュ部45の厚みD3より小さい。このような構造によって、回転方向Lに直交する面の形成が抑制される。そのため、ドラム4と水槽3との間に流入し得る洗濯水に当たり、かき上げることを抑制できる。したがって、オイルシール36から外部への漏水が発生することを抑制できる。
[効果]
実施の形態に係る洗濯機1によれば、以下の効果を奏することができる。
上述したように、本実施形態の洗濯機1は、水槽3と、ドラム4と、シャフト5とを備える。水槽3は、筐体2内に弾性支持される。ドラム4は、水槽3の内部で回転可能に設けられる。シャフト5は、水槽3の底部を通過し、ドラム4の回転軸V0として機能する。ドラム4の底部42は、水槽3と連通する貫通孔40を形成するメッシュ部45と、ドラム4の回転方向Lに垂直に延びて、メッシュ部45より前側M1に位置する部分を有する底面リブ46とを有する。メッシュ部45は、水槽3の底部に面する側に、ドラム4の回転方向Lに平行に延びる第1メッシュ面(メッシュ面P4)を有する。
このような構成によって、メッシュ面P4が回転方向Lに延びるため、回転方向Lに対して垂直な面を形成する場合と比較して、水槽3とドラム4との間の空間R4において、水のかき上げを抑制できる。そのため、水がかき上げられて底部42または水槽3の上方から滴下され、オイルシール36に降りかかり到達することを抑制し、オイルシール36内のグリスの枯渇によるリップ部37の摩耗を抑制できる。したがって、水槽3から外部への洗濯水の漏水を抑制できる。また、ドラム4の高速回転において、回転方向Lに対して垂直な面によって受ける空気抵抗による運転騒音を低減できる。
本実施形態の洗濯機1において、メッシュ面P4の全体が、回転方向Lに平行に延びる。
このような構成によって、水槽3とドラム4との間の空間R4において、水のかき上げをさらに抑制できる。
本実施形態の洗濯機1において、メッシュ部45は、シャフト5に隣接した第1領域R1と、ドラム4の外周に隣接した第2領域R2と、第3領域R3とを有する。第3領域R3は第1領域R1と第2領域R2との間に形成される。底面リブ46は、メッシュ部45より底側M2に位置し、水槽3の底部に面する第1リブ面(リブ面P6)を有する。メッシュ面P4と、リブ面P6との間に回転軸V0に沿った第1距離(距離D2)を有する。第3領域R3及び第2領域R2における距離D2は、第1領域R1における距離D2より小さい。
このような構成によって、第3領域R3と第2領域R2において、水のかき上げをさらに抑制できる。
本実施形態の洗濯機1において、メッシュ部45は、メッシュ面P4の反対側に第2メッシュ面(メッシュ面P3)を有する。底面リブ46は、メッシュ部45より前側M1に位置し、リブ面P6の反対側に第2リブ面(リブ面P5)を有する。メッシュ面P3と、リブ面P5との間に回転軸V0に沿った第2距離(距離D1)を有する。第3領域R3において、距離D2は距離D1より小さい。
このような構成によって、距離D1が距離D2より大きいため、空間R4におけるかき上げを抑制しつつ、ドラム4の内部における底面リブ46による水の撹拌を向上させる。そのため、底面リブ46による洗浄効果を向上できる。
本実施形態の洗濯機1において、第3領域R3において、距離D2は、メッシュ部45の厚みD3より小さい。
このような構成によって、メッシュ部45から内側に突出する底面リブ46の側面52の突出量を小さくすることができる。そのため、空間R4における水のかき上げをさらに抑制できる。
本実施形態の洗濯機1において、洗い工程において最大の水面S0は、ドラム4の回転によって最下点に位置する底面リブ46の第3領域R3を横切る。
このような構成によって、シャフト5に近い第1領域R1まで水が達しないので、第1領域R1において水をかき揚げることを抑制できる。
本実施形態の洗濯機1において、メッシュ面P4に隣接した底面リブ46は、面取りされた形状を有する。
このような構成によって、メッシュ部45から底側M2に突出する底面リブ46の側面52において、回転方向Lに直交する面積を小さくすることができる。そのため、空間R4における水のかき上げをさらに抑制できる。
なお、本開示は前記実施形態に限定されるものではなく、その他種々の態様で実施できる。洗濯機1が洗濯及び乾燥機能を有する洗濯乾燥機(いわゆるドラム式洗濯機)である例について説明したが、これに限定されない。洗濯機1は、乾燥機能を有しない単なる洗濯機であってもよい。
なお、第3領域R3において、距離D2がメッシュ部45の厚みD3より小さいと説明したが、これに限定されない。例えば、距離D2は厚みD3より大きくてもよい。
本開示は、添付図面を参照しながら好ましい実施の形態に関連して充分に記載されているが、この技術に熟練した人々にとっては種々の変形や修正は明白である。そのような変形や修正は、添付した請求の範囲による本発明の範囲から外れない限りにおいて、その中に含まれると理解されるべきである。
本開示の洗濯機1は、水槽から外部への漏水を抑制することができるため、家庭用の洗濯機、業務用の洗濯機、あるいは任意の種類の洗濯機(例えば家庭用のドラム式洗濯機)として有用である。
1 洗濯機
2 筐体
3 水槽
4 ドラム
5 シャフト
6 ヒートポンプ装置
8 循環流路
9 送風手段
10 給水弁
11 排水弁
12 制御部
15 洗濯物
34 開口
40 貫通孔
42 底部
44 筒部
45 メッシュ部
46 底面リブ
V0 回転軸

Claims (7)

  1. 筐体内に弾性支持された水槽と、
    前記水槽の内部で回転可能に設けられたドラムと、
    前記水槽の底部を通過し、前記ドラムの回転軸として機能するシャフトと、
    を備え、
    前記ドラムの底部は、前記水槽と連通する貫通孔を形成するメッシュ部と、前記ドラムの回転方向に垂直に延びて、前記メッシュ部より前側に位置する部分を有する底面リブとを有し、
    前記メッシュ部は、前記水槽の底部に面する側に、前記ドラムの回転方向に平行に延びる第1メッシュ面を有する、洗濯機。
  2. 前記第1メッシュ面の全体が、前記回転方向に平行に延びる、請求項1に記載の洗濯機。
  3. 前記メッシュ部は、
    前記シャフトに隣接した第1領域と、
    前記ドラムの外周に隣接した第2領域と、
    前記第1領域と前記第2領域との間に形成される第3領域とを有し、
    前記底面リブは、前記メッシュ部より底側に位置し、前記水槽の底部に面する第1リブ面を有し、
    前記第1メッシュ面と、前記第1リブ面との間に前記回転軸に沿った第1距離を有し、
    前記第3領域及び/または前記第2領域における前記第1距離は、前記第1領域における前記第1距離より小さい、請求項1または2に記載の洗濯機。
  4. 前記メッシュ部は、前記第1メッシュ面の反対側に第2メッシュ面を有し、
    前記底面リブは、前記メッシュ部より前側に位置し、前記第1リブ面の反対側に第2リブ面を有し、
    前記第2メッシュ面と、前記第2リブ面との間に前記回転軸に沿った第2距離を有し、
    前記第3領域において、前記第1距離は前記第2距離より小さい、請求項3に記載の洗濯機。
  5. 前記第3領域において、前記第1距離は、前記メッシュ部の厚みより小さい、請求項3または4に記載の洗濯機。
  6. 前記第3領域は、前記洗濯機の洗い工程において最大の水面は、前記ドラムの回転によって最下点に位置する前記底面リブの前記第3領域R3を横切る、請求項3から5のいずれか一項に記載の洗濯機。
  7. 前記第1メッシュ面に隣接した前記底面リブは、面取りされた形状を有する、請求項1から6のいずれか一項に記載の洗濯機。
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