JP2023047228A - 静電荷像現像用トナー、静電荷像現像剤、トナーカートリッジ、プロセスカートリッジ、及び画像形成装置 - Google Patents

静電荷像現像用トナー、静電荷像現像剤、トナーカートリッジ、プロセスカートリッジ、及び画像形成装置 Download PDF

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Abstract

【課題】静電荷像現像用トナーからの電荷の漏出(リーク)に起因する画像欠陥の発生を抑制できる静電荷像現像用トナーの提供。【解決手段】トナー粒子と、ペロブスカイト型化合物を含み、かつ円相当径が15nm以上90nm以下の粒子A及びペロブスカイト型化合物を含み、かつ円相当径が1.0μm以上3.0μm以下の粒子Bを含む外添剤と、を有し、前記粒子Bが、前記トナー粒子全体の0.3個数%以上3.5個数%以下を占める静電荷像現像用トナー。【選択図】なし

Description

本発明は、静電荷像現像用トナー、静電荷像現像剤、トナーカートリッジ、プロセスカートリッジ、及び画像形成装置に関する。
特許文献1には、「結着樹脂を含むトナー粒子、及び無機微粒子を含むトナーであって、該無機微粒子が、凝集粒子を含有し、該凝集粒子が、チタン酸金属塩及びジルコン酸金属塩からなる群より選ばれる少なくとも一の金属塩の1次粒子を含有し、該金属塩の1次粒子の個数平均粒子径が、15nm~55nmであり、該凝集粒子の凝集径が、80nm~300nmであり、該凝集粒子の体積抵抗率が、2×10Ω・cm~2×1013Ω・cmであり、該凝集粒子のトナー粒子表面に対する被覆率が、0.3面積%~10.0面積%であることを特徴とするトナー。」が提案されている。
特許文献2には、「少なくとも着色剤と結着樹脂とを有するトナー粒子と、無機微粉体とを少なくとも有するトナーであって、該無機微粉体は、一次粒子の平均粒径が30~300nmであり、立方体状の粒子形状及び/又は直方体状の粒子形状を有し且つペロブスカイト型結晶を有する粒子を有し、該無機微粉体は、600nm以上の粒径を有する粒子及び凝集体の含有率が1個数%以下であることを特徴とするトナー。」が提案されている。
特開2020-34651号公報 特開2005-338750号公報
本発明の課題は、トナー粒子と、ペロブスカイト型化合物を含み、かつ円相当径が15nm以上90nm以下の粒子Aを含む外添剤と、を有する静電荷像現像用トナーにおいて、前記外添剤が、ペロブスカイト型化合物を含み、かつ円相当径が1.0μm未満若しくは3.0μm超えの粒子Bを含む場合、または、前記外添剤が、ペロブスカイト型化合物を含み、かつ円相当径が1.0μm以上3.0μm以下の粒子Bを含み、前記粒子Bが、前記トナー粒子全体の0.3個数%未満若しくは3.5個数%を超える場合と比較して、静電荷像現像用トナーからの電荷の漏出(リーク)に起因する画像欠陥の発生を抑制できる静電荷像現像用トナーを提供することである。
上記課題は、以下の手段により解決される。即ち
<1> トナー粒子と、
ペロブスカイト型化合物を含み、かつ円相当径が15nm以上90nm以下の粒子A及びペロブスカイト型化合物を含み、かつ円相当径が1.0μm以上3.0μm以下の粒子Bを含む外添剤と、を有し、
前記粒子Bが、前記トナー粒子全体の0.3個数%以上3.5個数%以下を占める静電荷像現像用トナー。
<2> 前記粒子Bが複数の一次粒子を含む凝集体である前記<1>に記載の静電荷像現像用トナー。
<3> 10個以上の一次粒子を含む凝集体が、前記凝集体全体の80個数%以上を占める前記<2>に記載の静電荷像現像用トナー。
<4> 10個以上の一次粒子を含む凝集体が、前記凝集体全体の85個数%以上100個数%以下を占める前記<3>に記載の静電荷像現像用トナー。
<5> 前記粒子A及び前記粒子Bの少なくとも1つがドーパントを含有するチタン酸ストロンチウム粒子である前記<1>~<4>のいずれか1つに記載の静電荷像現像用トナー。
<6> 前記ドーパントがランタンである前記<5>に記載の静電荷像現像用トナー。
<7> 前記粒子A及び前記粒子Bの少なくとも1つが、平均円形度が0.82以上0.94以下であり、累積84%となる円形度が0.92超えである前記<1>~<6>のいずれか1つに記載の静電荷像現像用トナー。
<8> 前記トナー粒子の投影面積Tに対する、前記粒子Bの投影面積Bの比(投影面積B/投影面積T)が0.5×10-4以上20.0×10-4以下である前記<1>~<7>のいずれか1つに記載の静電荷像現像用トナー。
<9> 前記<1>~<8>のいずれか1つに記載の静電荷像現像用トナーを含む静電荷像現像剤。
<10> キャリアを更に含む前記<9>に記載の静電荷像現像剤。
<11> 前記キャリアの表面の凹凸平均間隔Smが0.5μm以上2.5μm以下であり、かつ、表面の算術表面粗さRaが0.3μm以上1.2μm以下である前記<10>に記載の静電荷像現像剤。
<12> 前記<1>~<8>のいずれか1つに記載の静電荷像現像用トナーを収容し、
画像形成装置に着脱されるトナーカートリッジ。
<13> 前記<9>~<11>のいずれか1つに記載の静電荷像現像剤を収容し、前記静電荷像現像剤により、像保持体の表面に形成された静電荷像をトナー画像として現像する現像手段を備え、
画像形成装置に着脱されるプロセスカートリッジ。
<14> 像保持体と、
前記像保持体の表面を帯電する帯電手段と、
帯電した前記像保持体の表面に静電荷像を形成する静電荷像形成手段と、
前記<9>~<11>のいずれか1つに記載の静電荷像現像剤を収容し、前記静電荷像現像剤により、前記像保持体の表面に形成された静電荷像をトナー画像として現像する現像手段と、
前記像保持体の表面に形成されたトナー画像を記録媒体の表面に転写する転写手段と、
前記記録媒体の表面に転写されたトナー画像を定着する定着手段と、
を備える画像形成装置。
<1>に係る発明によれば、トナー粒子と、ペロブスカイト型化合物を含み、かつ円相当径が15nm以上90nm以下の粒子Aを含む外添剤と、を有する静電荷像現像用トナーにおいて、前記外添剤が、ペロブスカイト型化合物を含み、かつ円相当径が1.0μm未満若しくは3.0μm超えの粒子Bを含む場合、または、前記外添剤が、ペロブスカイト型化合物を含み、かつ円相当径が1.0μm以上3.0μm以下の粒子Bを含み、前記粒子Bが、前記トナー粒子全体の0.3個数%未満若しくは3.5個数%を超える場合と比較して、静電荷像現像用トナーからの電荷の漏出(リーク)に起因する画像欠陥の発生を抑制できる静電荷像現像用トナーが提供される。
<2>に係る発明によれば、前記粒子Bが一次粒子である場合と比較して静電荷像現像用トナーからの電荷の漏出(リーク)に起因する画像欠陥の発生を抑制できる静電荷像現像用トナーが提供される。
<3>に係る発明によれば、10個以上の一次粒子を含む凝集体が、前記凝集体全体の80個数%未満である場合と比較して、静電荷像現像用トナーからの電荷の漏出(リーク)に起因する画像欠陥の発生を抑制できる静電荷像現像用トナーが提供される。
<4>に係る発明によれば、10個以上の一次粒子を含む凝集体が、前記凝集体全体の85個数%未満又は100個数%超えである場合と比較して、静電荷像現像用トナーからの電荷の漏出(リーク)に起因する画像欠陥の発生を抑制できる静電荷像現像用トナーが提供される。
<5>に係る発明によれば、ペロブスカイト型化合物を含み、かつ円相当径が15nm以上90nm以下の粒子A及びペロブスカイト型化合物を含み、かつ円相当径が1.0μm以上3.0μm以下の粒子Bが、ドーパントを含有しないチタン酸ストロンチウム粒子である場合と比較して、静電荷像現像用トナーからの電荷の漏出(リーク)に起因する画像欠陥の発生を抑制できる静電荷像現像用トナーが提供される。
<6>に係る発明によれば、ドーパントがニオブ又はケイ素である場合と比較して、静電荷像現像用トナーからの電荷の漏出(リーク)に起因する画像欠陥の発生を抑制できる静電荷像現像用トナーが提供される。
<7>に係る発明によれば、前記粒子A及び前記粒子Bが、平均円形度が0.82未満若しくは0.94超えである場合、又は累積84%となる円形度が0.92以下である場合と比較して、静電荷像現像用トナーからの電荷の漏出(リーク)に起因する画像欠陥の発生を抑制できる静電荷像現像用トナーが提供される。
<8>に係る発明によれば、前記トナー粒子の投影面積Tに対する、前記粒子Bの投影面積Bの比(投影面積B/投影面積T)が0.5×10-4未満又は20.0×10-4超えである場合と比較して、静電荷像現像用トナーからの電荷の漏出(リーク)に起因する画像欠陥の発生を抑制できる静電荷像現像用トナーが提供される。
<9>又は<10>に係る発明によれば、トナー粒子と、ペロブスカイト型化合物を含み、かつ円相当径が15nm以上90nm以下の粒子Aを含む外添剤と、を有する静電荷像現像用トナーにおいて、前記外添剤が、ペロブスカイト型化合物を含み、かつ円相当径が1.0μm未満若しくは3.0μm超えの粒子Bを含む静電荷像現像用トナー、または、前記外添剤が、ペロブスカイト型化合物を含み、かつ円相当径が1.0μm以上3.0μm以下の粒子Bを含み、前記粒子Bが、前記トナー粒子全体の0.3個数%未満若しくは3.5個数%を超える静電荷像現像用トナーを含む場合と比較して、静電荷像現像用トナーからの電荷の漏出(リーク)に起因する画像欠陥の発生を抑制できる静電荷像現像剤が提供される。
<11>に係る発明によれば、前記キャリアの、表面の凹凸平均間隔Smが0.5μm未満若しくは2.5μm超えである場合、又は、表面の算術表面粗さRaが0.3μm未満若しくは1.2μm超えである場合と比較して、静電荷像現像用トナーからの電荷の漏出(リーク)に起因する画像欠陥の発生を抑制できる静電荷像現像剤が提供される。
<12>、<13>、又は<14>係る発明によれば、トナー粒子と、ペロブスカイト型化合物を含み、かつ円相当径が15nm以上90nm以下の粒子Aを含む外添剤と、を有する静電荷像現像用トナーにおいて、前記外添剤が、ペロブスカイト型化合物を含み、かつ円相当径が1.0μm未満若しくは3.0μm超えの粒子Bを含む静電荷像現像用トナー、または、前記外添剤が、ペロブスカイト型化合物を含み、かつ円相当径が1.0μm以上3.0μm以下の粒子Bを含み、前記粒子Bが、前記トナー粒子全体の0.3個数%未満若しくは3.5個数%を超える静電荷像現像用トナーを含む場合と比較して、静電荷像現像用トナーからの電荷の漏出(リーク)に起因する画像欠陥の発生を抑制できる静電荷像現像用トナーを備えたトナーカートリッジ、プロセスカートリッジ、又は画像形成装置が提供される。
本実施形態に係る画像形成装置を示す概略構成図である。 本実施形態に係るプロセスカートリッジを示す概略構成図である。
以下、本発明の一例である実施形態について説明する。これらの説明および実施例は、実施形態を例示するものであり、発明の範囲を制限するものではない。
本明細書中に段階的に記載されている数値範囲において、一つの数値範囲で記載された上限値又は下限値は、他の段階的な記載の数値範囲の上限値又は下限値に置き換えてもよい。また、本明細書中に記載されている数値範囲において、その数値範囲の上限値又は下限値は、実施例に示されている値に置き換えてもよい。
各成分は該当する物質を複数種含んでいてもよい。
組成物中の各成分の量について言及する場合、組成物中に各成分に該当する物質が複数種存在する場合には、特に断らない限り、組成物中に存在する当該複数種の物質の合計量を意味する。
<静電荷像現像用トナー>
本実施形態に係る静電荷像現像用トナー(以下単に「トナー」ともいう)は、トナー粒子と、ペロブスカイト型化合物を含み、かつ円相当径が15nm以上90nm以下の粒子A及びペロブスカイト型化合物を含み、かつ円相当径が1.0μm以上3.0μm以下の粒子Bを含む外添剤と、を有し、前記粒子Bが、前記トナー粒子全体の0.3個数%以上3.5個数%以下を占める。
本実施形態に係るトナーは、上記構成により、静電荷像現像用トナーからの電荷の漏出(リーク)に起因する画像欠陥の発生を抑制する。その理由は、次の通り推測される。
高誘電率かつ抵抗の低い粒子(例えば、ペロブスカイト型化合物を含む粒子)をトナー粒子に外添したトナーは、帯電速度が速く、かつ帯電したときの電荷が高い傾向にある。しかしながら、当該トナーは、外添する粒子が高誘電率であることに起因し、像保持体(例えば、感光体。以下同様とする。)、キャリア等に電荷漏洩(電荷リーク)を引き起こすことがあった。トナーからの電荷リークは、得られる画像にトナーの飛び散り、画像抜け等の画像欠陥を引き起こすことがあった。
本実施形態に係るトナーは、ペロブスカイト型化合物を含み、かつ円相当径が15nm以上90nm以下の粒子Aを含有する。これにより、帯電速度が速く、かつ帯電したときの電荷が高いトナーとなる。
更に、本実施形態に係るトナーは、ペロブスカイト型化合物を含み、かつ円相当径が1.0μm以上3.0μm以下の粒子Bを含む。ペロブスカイト型化合物を含む粒子が外添されたトナーの電荷リークは、ペロブスカイト型化合物を含む粒子が像保持体、キャリア等と接触することで発生しやすくなる。粒子Bは、粒子Aと比較して粒径が大きく、像保持体、キャリア等との間においてスペーサーのような働きを有する。そのため、ペロブスカイト型化合物を含む粒子(つまり、粒子A及び粒子B)と像保持体、キャリア等との接触点を減らすことができる。よって、本実施形態に係るトナーは、トナーからの電荷リークが抑制される。そして、粒子Bが、前記トナー粒子全体の0.3個数%以上3.5個数%以下を占めることで、像保持体等と、ペロブスカイト型化合物を含む粒子(つまり、粒子A及び粒子B)との接触点がより減少するため、トナーからの電荷リークがより抑制される。
以上のことから、本実施形態に係るトナーは、上記構成により、静電荷像現像用トナーからの電荷の漏出(リーク)に起因する画像欠陥の発生を抑制すると推測される。
(トナー粒子)
トナー粒子は、例えば、結着樹脂と、必要に応じて、着色剤と、離型剤と、その他添加剤と、を含んで構成される。
-結着樹脂-
結着樹脂としては、例えば、スチレン類(例えばスチレン、パラクロロスチレン、α-メチルスチレン等)、(メタ)アクリル酸エステル類(例えばアクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸n-プロピル、アクリル酸n-ブチル、アクリル酸ラウリル、アクリル酸2-エチルヘキシル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸n-プロピル、メタクリル酸ラウリル、メタクリル酸2-エチルヘキシル等)、エチレン性不飽和ニトリル類(例えばアクリロニトリル、メタクリロニトリル等)、ビニルエーテル類(例えばビニルメチルエーテル、ビニルイソブチルエーテル等)、ビニルケトン類(ビニルメチルケトン、ビニルエチルケトン、ビニルイソプロペニルケトン等)、オレフィン類(例えばエチレン、プロピレン、ブタジエン等)等の単量体の単独重合体、又はこれら単量体を2種以上組み合せた共重合体からなるビニル系樹脂が挙げられる。
結着樹脂としては、例えば、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリアミド樹脂、セルロース樹脂、ポリエーテル樹脂、変性ロジン等の非ビニル系樹脂、これらと前記ビニル系樹脂との混合物、又は、これらの共存下でビニル系単量体を重合して得られるグラフト重合体等も挙げられる。
これらの結着樹脂は、1種類単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
結着樹脂としては、ポリエステル樹脂が好適である。
ポリエステル樹脂としては、例えば、公知のポリエステル樹脂が挙げられる。
ポリエステル樹脂としては、例えば、多価カルボン酸と多価アルコールとの縮重合体が挙げられる。なお、ポリエステル樹脂としては、市販品を使用してもよいし、合成したものを使用してもよい。
多価カルボン酸としては、例えば、脂肪族ジカルボン酸(例えばシュウ酸、マロン酸、マレイン酸、フマル酸、シトラコン酸、イタコン酸、グルタコン酸、コハク酸、アルケニルコハク酸、アジピン酸、セバシン酸等)、脂環式ジカルボン酸(例えばシクロヘキサンジカルボン酸等)、芳香族ジカルボン酸(例えばテレフタル酸、イソフタル酸、フタル酸、ナフタレンジカルボン酸等)、これらの無水物、又はこれらの低級(例えば炭素数1以上5以下)アルキルエステルが挙げられる。これらの中でも、多価カルボン酸としては、例えば、芳香族ジカルボン酸が好ましい。
多価カルボン酸は、ジカルボン酸と共に、架橋構造又は分岐構造をとる3価以上のカルボン酸を併用してもよい。3価以上のカルボン酸としては、例えば、トリメリット酸、ピロメリット酸、これらの無水物、又はこれらの低級(例えば炭素数1以上5以下)アルキルエステル等が挙げられる。
多価カルボン酸は、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
多価アルコールとしては、例えば、脂肪族ジオール(例えばエチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、プロピレングリコール、ブタンジオール、ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール等)、脂環式ジオール(例えばシクロヘキサンジオール、シクロヘキサンジメタノール、水添ビスフェノールA等)、芳香族ジオール(例えばビスフェノールAのエチレンオキサイド付加物、ビスフェノールAのプロピレンオキサイド付加物等)が挙げられる。これらの中でも、多価アルコールとしては、例えば、芳香族ジオール、脂環式ジオールが好ましく、より好ましくは芳香族ジオールである。
多価アルコールとしては、ジオールと共に、架橋構造又は分岐構造をとる3価以上の多価アルコールを併用してもよい。3価以上の多価アルコールとしては、例えば、グリセリン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトールが挙げられる。
多価アルコールは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
ポリエステル樹脂のガラス転移温度(Tg)は、50℃以上80℃以下が好ましく、50℃以上65℃以下がより好ましい。
なお、ガラス転移温度は、示差走査熱量測定(DSC)により得られたDSC曲線より求め、より具体的にはJIS K 7121-1987「プラスチックの転移温度測定方法」のガラス転移温度の求め方に記載の「補外ガラス転移開始温度」により求められる。
ポリエステル樹脂の重量平均分子量(Mw)は、5000以上1000000以下が好ましく、7000以上500000以下がより好ましい。
ポリエステル樹脂の数平均分子量(Mn)は、2000以上100000以下が好ましい。
ポリエステル樹脂の分子量分布Mw/Mnは、1.5以上100以下が好ましく、2以上60以下がより好ましい。
なお、重量平均分子量及び数平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィ(GPC)により測定する。GPCによる分子量測定は、測定装置として東ソー製GPC・HLC-8120GPCを用い、東ソー製カラム・TSKgel SuperHM-M(15cm)を使用し、THF溶媒で行う。重量平均分子量及び数平均分子量は、この測定結果から単分散ポリスチレン標準試料により作成した分子量校正曲線を使用して算出する。
ポリエステル樹脂は、周知の製造方法により得られる。具体的には、例えば、重合温度を180℃以上230℃以下とし、必要に応じて反応系内を減圧にし、縮合の際に発生する水やアルコールを除去しながら反応させる方法により得られる。
なお、原料の単量体が、反応温度下で溶解又は相溶しない場合は、高沸点の溶剤を溶解補助剤として加え溶解させてもよい。この場合、重縮合反応は溶解補助剤を留去しながら行う。相溶性の悪い単量体が存在する場合は、あらかじめ相溶性の悪い単量体とその単量体と重縮合予定の酸又はアルコールとを縮合させておいてから主成分と共に重縮合させるとよい。
結着樹脂の含有量としては、例えば、トナー粒子全体に対して、40質量%以上95質量%以下が好ましく、50質量%以上90質量%以下がより好ましく、60質量%以上85質量%以下がさらに好ましい。
-着色剤-
着色剤としては、例えば、カーボンブラック、クロムイエロー、ハンザイエロー、ベンジジンイエロー、スレンイエロー、キノリンイエロー、ピグメントイエロー、パーマネントオレンジGTR、ピラゾロンオレンジ、バルカンオレンジ、ウオッチヤングレッド、パーマネントレッド、ブリリアントカーミン3B、ブリリアントカーミン6B、デュポンオイルレッド、ピラゾロンレッド、リソールレッド、ローダミンBレーキ、レーキレッドC、ピグメントレッド、ローズベンガル、アニリンブルー、ウルトラマリンブルー、カルコオイルブルー、メチレンブルークロライド、フタロシアニンブルー、ピグメントブルー、フタロシアニングリーン、マラカイトグリーンオキサレートなどの種々の顔料、又は、アクリジン系、キサンテン系、アゾ系、ベンゾキノン系、アジン系、アントラキノン系、チオインジコ系、ジオキサジン系、チアジン系、アゾメチン系、インジコ系、フタロシアニン系、アニリンブラック系、ポリメチン系、トリフェニルメタン系、ジフェニルメタン系、チアゾール系などの各種染料等が挙げられる。
着色剤は、1種類単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
着色剤は、必要に応じて表面処理された着色剤を用いてもよく、分散剤と併用してもよい。また、着色剤は、複数種を併用してもよい。
着色剤の含有量としては、例えば、トナー粒子全体に対して、1質量%以上30質量%以下が好ましく、3質量%以上15質量%以下がより好ましい。
-離型剤-
離型剤としては、例えば、炭化水素系ワックス;カルナバワックス、ライスワックス、キャンデリラワックス等の天然ワックス;モンタンワックス等の合成又は鉱物・石油系ワックス;脂肪酸エステル、モンタン酸エステル等のエステル系ワックス;などが挙げられる。離型剤は、これに限定されるものではない。
離型剤の融解温度は、50℃以上110℃以下が好ましく、60℃以上100℃以下がより好ましい。
なお、融解温度は、示差走査熱量測定(DSC)により得られたDSC曲線から、JIS K 7121-1987「プラスチックの転移温度測定方法」の融解温度の求め方に記載の「融解ピーク温度」により求める。
離型剤の含有量としては、例えば、トナー粒子全体に対して、1質量%以上20質量%以下が好ましく、5質量%以上15質量%以下がより好ましい。
-その他の添加剤-
その他の添加剤としては、例えば、磁性体、帯電制御剤、無機粉体等の周知の添加剤が挙げられる。これらの添加剤は、内添剤としてトナー粒子に含まれる。
-トナー粒子の特性等-
トナー粒子は、単層構造のトナー粒子であってもよいし、芯部(コア粒子)と芯部を被覆する被覆層(シェル層)とで構成された所謂コア・シェル構造のトナー粒子であってもよい。
ここで、コア・シェル構造のトナー粒子は、例えば、結着樹脂と必要に応じて着色剤及び離型剤等のその他添加剤とを含んで構成された芯部と、結着樹脂を含んで構成された被覆層と、で構成されていることがよい。
トナー粒子の体積平均粒径(D50v)としては、2μm以上10μm以下が好ましく、4μm以上8μm以下がより好ましい。
なお、トナー粒子の各種平均粒径、及び各種粒度分布指標は、コールターマルチサイザーII(ベックマン・コールター社製)を用い、電解液はISOTON-II(ベックマン・コールター社製)を使用して測定される。
測定に際しては、分散剤として、界面活性剤(アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウムが好ましい)の5%水溶液2ml中に測定試料を0.5mg以上50mg以下加える。これを電解液100ml以上150ml以下中に添加する。
試料を懸濁した電解液は超音波分散器で1分間分散処理を行い、コールターマルチサイザーIIにより、アパーチャー径として100μmのアパーチャーを用いて2μm以上60μm以下の範囲の粒径の粒子の粒度分布を測定する。なお、サンプリングする粒子数は50000個である。
測定される粒度分布を基にして分割された粒度範囲(チャンネル)に対して体積、数をそれぞれ小径側から累積分布を描いて、累積16%となる粒径を体積粒径D16v、数粒径D16p、累積50%となる粒径を体積平均粒径D50v、累積数平均粒径D50p、累積84%となる粒径を体積粒径D84v、数粒径D84pと定義する。
これらを用いて、体積粒度分布指標(GSDv)は(D84v/D16v)1/2、数粒度分布指標(GSDp)は(D84p/D16p)1/2として算出される。
トナー粒子の平均円形度としては、0.94以上1.00以下が好ましく、0.95以上0.98以下がより好ましい。
トナー粒子の平均円形度は、(円相当周囲長)/(周囲長)[(粒子像と同じ投影面積をもつ円の周囲長)/(粒子投影像の周囲長)]により求められる。具体的には、次の方法で測定される値である。
まず、測定対象となるトナー粒子を吸引採取し、扁平な流れを形成させ、瞬時にストロボ発光させることにより静止画像として粒子像を取り込み、その粒子像を画像解析するフロー式粒子像解析装置(シスメックス社製のFPIA-3000)によって求める。そして、平均円形度を求める際のサンプリング数は3500個とする。
なお、トナーが外添剤を有する場合、界面活性剤を含む水中に、測定対象となるトナー(現像剤)を分散させた後、超音波処理をおこなって外添剤を除去したトナー粒子を得る。
(外添剤)
外添剤は、ペロブスカイト型化合物を含み、かつ円相当径が15nm以上90nm以下の粒子A及びペロブスカイト型化合物を含み、かつ円相当径が1.0μm以上3.0μm以下の粒子Bを含む。
本実施形態において、ペロブスカイト型化合物とは、結晶構造の一種であるペロブスカイト構造を有する化合物をいう。ペロブスカイト型化合物としては、チタン酸ストロンチウム、チタン酸バリウム、チタン酸カルシウム、ジルコン酸ストロンチウム、ジルコン酸バリウム、ジルコン酸カルシウム等が挙げられる。これらの中でも、チタン酸ストロンチウム、チタン酸バリウム及びチタン酸カルシウムからなる群より選択される少なくとも一種が好ましい。
-粒子A-
粒子Aは、ペロブスカイト型化合物を含み、かつ円相当径が15nm以上90nm以下の粒子である。
静電荷像現像用トナーからの電荷の漏出(リーク)に起因する画像欠陥の発生を抑制する観点から、粒子Aの円相当径は、20nm以上85nm以下であることが好ましく、25nm以上80nm以下であることがより好ましく、30nm以上75nm以下であることが更に好ましい。
粒子Aの円相当径は、粒子Aの粒子100個をSEM装置にて写真観察し、画像解析ソフトWinROOF(三谷商事社製)を用いて、下記式より求めた円相当径の平均値として算出する。
式:円相当径=2√(面積/π)
[上記式中、面積は、粒子Aの投影面積を表す。]
粒子Aの表面に疎水化処理が施されていてもよい。疎水化処理剤としては公知の表面処理剤が挙げられ、具体的には、例えば、シランカップリング剤、シリコーンオイル等が挙げられる。
シランカップリング剤としては、例えば、ヘキサメチルジシラザン、トリメチルシラン、トリメチルクロロシラン、ジメチルジクロロシラン、メチルトリクロロシラン、アリルジメチルクロロシラン、ベンジルジメチルクロロシラン、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、イソブチルトリメトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、トリメチルメトキシシラン、ヒドロキシプロピルトリメトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、n-ブチルトリメトキシシラン、n-ヘキサデシルトリメトキシシラン、n-オクタデシルトリメトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、γ-メタクリルオキシプロピルトリメトキシシラン、ビニルトリアセトキシシラン等が挙げられる。
シリコーンオイルとしては、例えば、ジメチルポリシロキサン、メチルハイドロジンポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン等が挙げられる。
粒子Aの含有量は、例えば、トナー粒子に対して、0.01質量%以上5質量%以下が好ましく、0.01質量%以上2.0質量%以下がより好ましい。
-粒子B-
粒子Bは、ペロブスカイト型化合物を含み、かつ円相当径が1.0μm以上3.0μm以下の粒子である。
静電荷像現像用トナーからの電荷の漏出(リーク)に起因する画像欠陥の発生を抑制する観点から、粒子Bの円相当径は、1.2μm以上2.8μm以下であることが好ましく、1.4μm以上2.6μm以下であることがより好ましく、1.6μm以上2.4μm以下であることが更に好ましい。
粒子Bの円相当径の測定は、粒子Aの円相当径の測定と同様にして行う。
粒子Bはトナー粒子全体の0.3個数%以上3.5個数%以下を占める。
静電荷像現像用トナーからの電荷の漏出(リーク)に起因する画像欠陥の発生を抑制する観点から、粒子Bはトナー粒子全体の0.5個数%以上3.3個数%以下を占めることが好ましく、0.7個数%以上3.1個数%以下を占めることがより好ましく、0.9個数%以上2.9個数%以下を占めることが更に好ましい。
トナー粒子全体に対する粒子Bの割合(個数%)は、SEM(Scanning Electron Microscope)装置によりトナーを観測することで算出する。先ず、トナー粒子100個がSEM画像に含まれる様に倍率を調整する。そして、そのSEM画像中に含まれる、粒子Bの粒子数をカウントし、その粒子Bの粒子数をトナー粒子全体に対する粒子Bの割合(個数%)を算出する。
粒子Bは、一次粒子であってもよく、複数の一次粒子を含む凝集体であってもよく、一次粒子及び複数の一次粒子を含む凝集体の混合粒子であってもよい。
静電荷像現像用トナーからの電荷の漏出(リーク)に起因する画像欠陥の発生を抑制する観点から、粒子Bは複数の一次粒子を含む凝集体であることが好ましい。
粒子Bが複数の一次粒子を含む凝集体であると、粒子Bの表面に凹凸が生じやすく、それにより粒子Bが一次粒子である場合と比べて、像保持体又はキャリアと、トナーとの接触面積がより減少しやすい。そのため、トナーからの電荷リークがより抑制され、静電荷像現像用トナーからの電荷の漏出(リーク)に起因する画像欠陥の発生を抑制すると推測される。
粒子Bが、複数の一次粒子を含む凝集体である場合、10個以上の一次粒子を含む凝集体を含むことが好ましい。
また、粒子Bが、複数の一次粒子を含む凝集体である場合、10個以上の一次粒子を含む凝集体が、凝集体全体の80個数%以上を占めることが好ましく、85個数%以上100個数%以下を占めることがより好ましく、87個数%以上98個数%以下を占めることが更に好ましく、90個数%以上95個数%以下を占めることが最も好ましい。
10個以上の一次粒子を含む凝集体が、凝集体全体の内に占める割合を上記範囲内とすることで、表面に凸凹を有する粒子Bの割合が増加する。そのため、像保持体又はキャリアと、トナーとの接触面積が更に減少しやすい。そのため、トナーからの電荷リークが更に抑制され、静電荷像現像用トナーからの電荷の漏出(リーク)に起因する画像欠陥の発生を更に抑制すると推測される。
凝集体全体に対する、10個以上の一次粒子を含む凝集体の百分率(個数%)は以下の様に算出する。
先ず、凝集体100個をSEM装置にて写真観察する。写真観察した凝集体100個のうち、10個以上の一次粒子を含む凝集体の個数を算出する。そして、写真観察した凝集体100個のうち、10個以上の一次粒子を含む凝集体の個数を、凝集体全体に対する10個以上の一次粒子を含む凝集体の百分率(個数%)とする。
ここで、凝集体に含有される一次粒子の個数の算出は以下の様に行う。
上述の「凝集体全体に対する10個以上の一次粒子を含む凝集体の百分率」の算出に用いる写真と同一の写真を観察する。そして測定対象の凝集体に含まれる一次粒子のうち、写真に映っている一次粒子の個数を算出する。そして、算出した一次粒子の個数の2倍の数を、測定対象の凝集体に含まれる一次粒子の個数とする。
粒子Bが、一次粒子及び複数の一次粒子を含む凝集体の混合粒子である場合、凝集体が、粒子B全体の80個数%以上99個数%以下であることが好ましく、83個数%以上97個数%以下であることがより好ましく、85個数%以上95個数%以下であることが更に好ましい。
粒子B全体に対する、凝集体の百分率(個数%)は以下の様に算出する。
先ず、無造作に粒子B100個をSEM装置にて写真観察する。写真観察した粒子B100個のうち、凝集体の個数を算出する。そして、写真観察した粒子B100個のうちに占める凝集体の個数を、粒子B全体に対する凝集体の百分率(個数%)とする。
ここで、一次粒子及び凝集体の判断は以下の様に行う。
上述の「粒子B全体に対する、凝集体の百分率」の算出に用いる写真と同一の写真を観察する。そして測定対象の粒子Bに含まれる一次粒子のうち、写真に映っている一次粒子の個数を算出する。そして、算出した一次粒子の個数が1つの場合、一次粒子とみなす。また、算出した一次粒子の個数が2つ以上の場合、凝集体とみなす。
凝集体に含有される一次粒子の円相当径は15nm以上1000nm以下であることが好ましく、50nm以上1000nm以下であることがより好ましく、50nm以上500nm以下であることが更に好ましい。
ここで凝集体に含有される一次粒子の円相当径は次の通り測定する。
凝集体に含有される一次粒子100個をSEM装置にて写真観察し、画像解析ソフトWinROOF(三谷商事社製)を用いて、下記式より求めた円相当径の平均値として算出する。
式:円相当径=2√(面積/π)
[上記式中、面積は、粒子Bの投影面積を表す。]
粒子Bの表面に疎水化処理が施されていてもよい。疎水化処理剤としては粒子Aに用いてもよい疎水化処理剤と同一のものが挙げられる。
粒子Bの含有量は、例えば、トナー粒子に対して、0.5質量%以上5.0質量%以下が好ましく、1.0質量%以上2.0質量%以下がより好ましい。
-ドーパント-
粒子A及び粒子Bの少なくとも1つがドーパントを含有するチタン酸ストロンチウム粒子であることが好ましい。
ここで、粒子Bが凝集体である場合、チタン酸ストロンチウム粒子を一次粒子とする凝集体であることが好ましい。
ドーパントを含有するチタン酸ストロンチウム粒子は、ドーパントを含有しないチタン酸ストロンチウム粒子と比較して、より誘電率が上がりやすい。そのため、粒子A及び粒子Bの少なくとも1つがドーパントを含有するチタン酸ストロンチウム粒子であることで、トナーの帯電速度がより速く、かつ帯電したときの電荷がより高いトナーとなりやすい。それにより、高温高湿条件下においても本実施形態に係るトナーを用いて画像形成を行うことが可能となる。
以上のことから、粒子A及び粒子Bの少なくとも1つがドーパントを含有するチタン酸ストロンチウム粒子であることで、高温高湿条件下においても静電荷像現像用トナーからの電荷の漏出(リーク)に起因する画像欠陥の発生を抑制することが可能となる。
チタン酸ストロンチウム粒子のドーパントは、チタン及びストロンチウム以外の金属元素であれば特に制限されない。イオン化したときに、チタン酸ストロンチウム粒子を構成する結晶構造に入り得るイオン半径となる金属元素が好ましい。この観点から、チタン酸ストロンチウム粒子のドーパントは、イオン化したときのイオン半径が、40pm以上200pm以下である金属元素が好ましく、60pm以上150pm以下である金属元素がより好ましい。
チタン酸ストロンチウム粒子のドーパントとしては、具体的には、ランタノイド、シリカ、アルミニウム、マグネシウム、カルシウム、バリウム、バナジウム、クロム、マンガン、鉄、コバルト、ニッケル、銅、亜鉛、ガリウム、ゲルマニウム、ニオブ、モリブデン、ルテニウム、パラジウム、インジウム、アンチモン、タンタル、タングステン、レニウム、イリジウム、白金、ビスマス、イットリウム、ジルコニウム、ニオブ、銀、錫が挙げられる。ランタノイドとしては、ランタン、セリウムが好ましい。これらの中でも、イオン半径がチタン酸ストロンチウム粒子を構成する結晶構造により入りやすい大きさである観点、及びチタン酸ストロンチウム粒子の誘電率がより向上しやすい観点から、タンタル及びランタンの少なくとも一方であることが好ましい。
チタン酸ストロンチウム粒子内のドーパントの量は、チタン酸ストロンチウム粒子の誘電率をより向上する観点から、ストロンチウムに対してドーパントが、0.1モル%以上20モル%以下となる範囲が好ましく、0.1モル%以上15モル%以下となる範囲がより好ましく、0.1モル%以上10モル%以下となる範囲が更に好ましい。
-粒子A及び粒子Bの平均円形度-
粒子A及び粒子Bの少なくとも1つが、平均円形度が0.82以上0.94以下であり、累積84%となる円形度が0.92超えであることが好ましい。
粒子A及び粒子Bの少なくとも1つの平均円形度及び累積84%となる円形度を上記範囲内とすることで、粒子A及び粒子Bが適度に歪んだ形状となる。それにより、粒子A及び粒子Bの少なくとも1つが、トナー粒子上でより動きにくくなる。また、粒子A及び粒子Bの少なくとも1つが、過度に歪んでいないためトナー粒子中に埋没しにくくなる。よって、粒子A及び粒子Bの少なくとも1つがトナー粒子上に外添された状態をより維持しやすくなる。そのため、静電荷像現像用トナーからの電荷の漏出(リーク)に起因する画像欠陥の発生をより抑制できる。
静電荷像現像用トナーからの電荷の漏出(リーク)に起因する画像欠陥の発生をより抑制する観点から、粒子A及び粒子Bの平均円形度は、0.84以上0.92以下であることがより好ましく、0.86以上0.94以下であることが更に好ましい。
静電荷像現像用トナーからの電荷の漏出(リーク)に起因する画像欠陥の発生をより抑制する観点から、累積84%となる円形度は、0.93以上0.99以下であることがより好ましく、0.94以上0.98以下であることが更に好ましい。
ここで、粒子A及び粒子Bの平均円形度及び累積84%となる円形度は以下の通り測定する。
100個の測定対象とする粒子(粒子A又は粒子B)の画像情報をインターフェイスを介して、画像処理解析ソフトWinRoof(三谷商事株式会社)で解析し、一次粒子像それぞれの円相当径と面積と周囲長とを求め、さらに、円形度=4π×(面積)÷(周囲長)を求めた。そして、円形度の分布において小さい側から累積50%となる円形度を平均円形度とし、円形度の分布において小さい側から累積84%となる円形度を累積84%円形度とした。
-比(投影面積B/投影面積T)-
トナー粒子の投影面積Tに対する、粒子Bの投影面積Bの比(投影面積B/投影面積T)が0.5×10-4以上20.0×10-4以下であることが好ましい。
比(投影面積B/投影面積T)を上記数値範囲内とすることで、静電荷像現像用トナーからの電荷の漏出(リーク)に起因する画像欠陥の発生がより抑制される。
その理由は次の通り推測される。
面積比がこの範囲であると、トナーとキャリアの接触帯電を阻害せず、また、トナーとキャリアのリーク点の接触も増やさないためと推測される。
トナー粒子の投影面積T、及び粒子Bの投影面積Bの測定は、ルーゼックス画像解析装置(株式会社ニレコ製、FT)を用いてスライドガラス上に散布したトナーの光学顕微鏡像を、ビデオカメラを通じてルーゼックス画像解析装置に取り込み、画像処理することにより実施した。
なお、トナー粒子の投影面積Tは、ルーゼックス画像解析装置に取り込まれたすべてのトナー粒子の投影面積の算術平均である。また、粒子Bの投影面積Bは、ルーゼックス画像解析装置に取り込まれたすべての粒子Bの投影面積の算術平均である。
-粒子A及び粒子Bの製造方法-
粒子A及び粒子Bは、ペロブスカイト型化合物を含む粒子を製造した後、必要に応じて、表面を疎水化処理することで製造される。
ペロブスカイト型化合物を含む粒子の製造方法は、特に制限されないが、粒径及び形状を制御する観点から、湿式製法であることが好ましい。
・ペロブスカイト型化合物を含む粒子の製造
ペロブスカイト型化合物を含む粒子の湿式製法は、例えば、ペロブスカイト型化合物に含有される金属元素源の混合液にアルカリ水溶液を添加しながら反応させ、次いで酸処理を行う製造方法である。本製造方法においては、金属元素源の混合割合、反応初期の金属元素源濃度、アルカリ水溶液を添加するときの温度及び添加速度などによって、ペロブスカイト型化合物を含む粒子の粒径が制御される。
ここで、ペロブスカイト型化合物に含有される金属元素源としては、例えば、2種類の金属元素を含有するペロブスカイト型化合物の場合、一方の金属元素を含有する鉱酸解膠品及び片一方の金属元素を含有する硝酸塩、塩化物等が挙げられる。
具体的には、ペロブスカイト型化合物を含む粒子がチタン酸ストロンチウム粒子である場合、チタン化合物の加水分解物の鉱酸解膠品(以下、チタン源とも称する)及び硝酸ストロンチウム、塩化ストロンチウム等(以下、ストロンチウム源とも称する)が挙げられる。
以下、ペロブスカイト型化合物を含む粒子の製造方法の一例として、チタン酸ストロンチウム粒子の製造方法を説明するが、これに限定されるものではない。
酸化チタン源とストロンチウム源の混合割合は、SrO/TiOモル比で0.9以上1.4以下が好ましく、1.05以上1.20以下がより好ましい。反応初期の酸化チタン源濃度は、TiOとして0.05モル/L以上1.3モル/L以下が好ましく、0.5モル/L以上1.0モル/L以下がより好ましい。
酸化チタン源とストロンチウム源との混合液にドーパント源を添加することが好ましい。ドーパント源としては、チタン及びストロンチウム以外の金属の酸化物が挙げられる。ドーパント源としての金属酸化物は、例えば、硝酸、塩酸、硫酸等に溶解した溶液として添加する。ドーパント源の添加量は、ストロンチウム100モルに対して、ドーパントである金属が0.1モル以上10モル以下となる量が好ましく、0.5モル以上10モル以下となる量がより好ましい。
また、ドーパント源の添加は、酸化チタン源とストロンチウム源との混合液にアルカリ水溶液を添加する際であってもよい。その際も、ドーパント源の金属の酸化物は、硝酸、塩酸、又は硫酸に溶解した溶液として添加されればよい。
アルカリ水溶液としては、水酸化ナトリウム水溶液が好ましい。アルカリ水溶液を添加するときの温度は、高いほど結晶性の良好なチタン酸ストロンチウム粒子が得られる傾向があり、本実施形態では、60℃以上100℃以下の範囲が好ましい。
アルカリ水溶液の添加速度は、添加速度が遅いほど大きな粒子径のチタン酸ストロンチウム粒子が得られ、添加速度が速いほど小さな粒子径のチタン酸ストロンチウム粒子が得られる。アルカリ水溶液の添加速度は、仕込み原料に対し、例えば、0.001当量/h以上1.2当量/h以下であり、0.002当量/h以上1.1当量/h以下が適切である。
アルカリ水溶液を添加した後、未反応のストロンチウム源を取り除く目的で酸処理を行う。酸処理は、例えば、塩酸を用いて、反応液のpHを2.5乃至7.0、より好ましくは4.5乃至6.0に調整する。
酸処理後、反応液を固液分離し、固形分を乾燥処理して、チタン酸ストロンチウム粒子が得られる。
固形分の乾燥処理の条件を調整することで、チタン酸ストロンチウム粒子の含水率が制
御される。
また、チタン酸ストロンチウム粒子の表面を疎水化処理する場合には、その疎水化処理後の乾燥処理の条件を調整することにより含水率の制御を行ってもよい。
ここで、含水率の制御する際の乾燥条件として好ましくは、例えば、乾燥温度が90℃以上300℃以下(好ましくは100℃以上150℃以下)、乾燥時間が1時間以上15時間以下(好ましくは5時間以上10時間以下)である。
ここで、チタン酸ストロンチウム粒子を一次粒子とする凝集体を製造する場合、例えば、チタン酸ストロンチウム粒子生成後に、フィルタープレスや吸引ろ過などにより水分を除去した後、60℃の温度で静置乾燥を行う。乾燥後、解砕、分級工程を経て、目的の凝集粒子を得る。
・疎水化処理
チタン酸ストロンチウム粒子の表面に対する疎水化処理は、例えば、疎水化処理剤と溶媒とを混合してなる処理液を調製し、撹拌下、チタン酸ストロンチウム粒子と処理液とを混合し、更に撹拌を続けることで行われる。
表面処理後は、処理液の溶媒を除去する目的で乾燥処理を行う。
疎水化処理剤としては、既述のものが挙げられる。
前記処理液の調製に用いる溶媒としては、アルコール(例えば、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール)、炭化水素類(例えば、ベンゼン、トルエン、ノルマルヘキサン、ノルマルヘプタン)等が好ましい。
前記処理液において、疎水化処理剤の濃度は、1質量%以上50質量%以下が好ましく、5質量%以上40質量%以下がより好ましく、10質量%以上30質量%以下が更に好ましい。
疎水化処理に用いる疎水化処理剤の量は、前述の通り、チタン酸ストロンチウム粒子の質量に対して、1質量%以上50質量%以下が好ましく、5質量%以上40質量%以下がより好ましく、5質量%以上30質量%以下が更に好ましく、10質量%以上25質量%以下が特に好ましい。
-その他の外添剤-
本実施形態に用いられるトナーは、その他の外添剤として、前述した粒子A及び粒子B以外のその他の粒子を含んでいてもよい。
その他の粒子としては、チタン酸ストロンチウム粒子以外の無機粒子が挙げられる。
無機粒子として、SiO、TiO、Al、CuO、ZnO、SnO、CeO、Fe、MgO、BaO、CaO、KO、NaO、ZrO、CaO・SiO、KO・(TiO)n、Al・2SiO、CaCO、MgCO、BaSO、MgSO等が挙げられる。
その他の外添剤としての無機粒子の表面は、疎水化処理が施されていることがよい。疎水化処理は、例えば疎水化処理剤に無機粒子を浸漬する等して行う。疎水化処理剤は特に制限されないが、例えば、シラン系カップリング剤、シリコーンオイル、チタネート系カップリング剤、アルミニウム系カップリング剤等が挙げられる。これらは1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
疎水化処理剤の量は、無機粒子100質量部に対して、1質量部以上10質量部以下であることが好ましい。
その他の粒子としては、樹脂粒子(ポリスチレン、ポリメチルメタクリレート、メラミン樹脂等の樹脂粒子)、クリーニング活剤(例えばフッ素系高分子量体の粒子)等も挙げられる。
その他の外添剤を含む場合、その他の外添剤の含有量は、外添剤の総含有量に対し、1質量%以上30質量%以下であることが好ましく、2質量%以上25質量%以下であることがより好ましく、3質量%以上20質量%以下であることが更に好ましい。
(トナーの製造方法)
次に、本実施形態に係るトナーの製造方法について説明する。
本実施形態に係るトナーは、トナー粒子を製造後、トナー粒子に対して、外添剤を外添することで得られる。
トナー粒子は、乾式製法(例えば、混練粉砕法等)、湿式製法(例えば凝集合一法、懸濁重合法、溶解懸濁法等)のいずれにより製造してもよい。トナー粒子の製法は、これらの製法に特に制限はなく、周知の製法が採用される。
これらの中でも、凝集合一法により、トナー粒子を得ることがよい。
具体的には、例えば、トナー粒子を凝集合一法により製造する場合、
結着樹脂となる樹脂粒子が分散された樹脂粒子分散液を準備する工程(樹脂粒子分散液準備工程)と、樹脂粒子分散液中で(必要に応じて他の粒子分散液を混合した後の分散液中で)、樹脂粒子(必要に応じて他の粒子)を凝集させ、凝集粒子を形成する工程(凝集粒子形成工程)と、凝集粒子が分散された凝集粒子分散液に対して加熱し、凝集粒子を融合・合一して、トナー粒子を形成する工程(融合・合一工程)と、を経て、トナー粒子を製造する。
以下、各工程の詳細について説明する。
なお、以下の説明では、着色剤、及び離型剤を含むトナー粒子を得る方法について説明するが、着色剤、離型剤は、必要に応じて用いられるものである。無論、着色剤、離型剤以外のその他添加剤を用いてもよい。
-樹脂粒子分散液準備工程-
まず、結着樹脂となる樹脂粒子が分散された樹脂粒子分散液と共に、例えば、着色剤粒子が分散された着色剤粒子分散液、離型剤粒子が分散された離型剤粒子分散液を準備する。
ここで、樹脂粒子分散液は、例えば、樹脂粒子を界面活性剤により分散媒中に分散させることにより調製する。
樹脂粒子分散液に用いる分散媒としては、例えば水系媒体が挙げられる。
水系媒体としては、例えば、蒸留水、イオン交換水等の水、アルコール類等が挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
界面活性剤としては、例えば、硫酸エステル塩系、スルホン酸塩系、リン酸エステル系、せっけん系等のアニオン界面活性剤;アミン塩型、4級アンモニウム塩型等のカチオン界面活性剤;ポリエチレングリコール系、アルキルフェノールエチレンオキサイド付加物系、多価アルコール系等の非イオン系界面活性剤等が挙げられる。これらの中でも特に、アニオン界面活性剤、カチオン界面活性剤が挙げられる。非イオン系界面活性剤は、アニオン界面活性剤又はカチオン界面活性剤と併用してもよい。
界面活性剤は、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
樹脂粒子分散液において、樹脂粒子を分散媒に分散する方法としては、例えば回転せん断型ホモジナイザーや、メディアを有するボールミル、サンドミル、ダイノミル等の一般的な分散方法が挙げられる。また、樹脂粒子の種類によっては、例えば転相乳化法を用いて樹脂粒子分散液中に樹脂粒子を分散させてもよい。
なお、転相乳化法とは、分散すべき樹脂を、その樹脂が可溶な疎水性有機溶剤中に溶解せしめ、有機連続相(O相)に塩基を加えて、中和したのち、水媒体(W相)を投入することによって、W/OからO/Wへの、樹脂の変換(いわゆる転相)が行われて不連続相化し、樹脂を、水媒体中に粒子状に分散する方法である。
樹脂粒子分散液中に分散する樹脂粒子の体積平均粒径としては、例えば0.01μm以上1μm以下が好ましく、0.08μm以上0.8μm以下がより好ましく、0.1μm以上0.6μm以下がさらに好ましい。
なお、樹脂粒子の体積平均粒径は、レーザー回折式粒度分布測定装置(例えば、堀場製作所製、LA-700)の測定によって得られた粒度分布を用い、分割された粒度範囲(チャンネル)に対し、体積について小粒径側から累積分布を引き、全粒子に対して累積50%となる粒径を体積平均粒径D50vとして測定される。なお、他の分散液中の粒子の体積平均粒径も同様に測定される。
樹脂粒子分散液に含まれる樹脂粒子の含有量としては、例えば、5質量%以上50質量%以下が好ましく、10質量%以上40質量%以下がより好ましい。
なお、樹脂粒子分散液と同様にして、例えば、着色剤粒子分散液、離型剤粒子分散液も調製される。つまり、樹脂粒子分散液における粒子の体積平均粒径、分散媒、分散方法、及び粒子の含有量に関しては、着色剤粒子分散液中に分散する着色剤粒子、及び離型剤粒子分散液中に分散する離型剤粒子についても同様である。
-凝集粒子形成工程-
次に、樹脂粒子分散液と共に、着色剤粒子分散液と、離型剤粒子分散液と、を混合する。
そして、混合分散液中で、樹脂粒子と着色剤粒子と離型剤粒子とをヘテロ凝集させ目的とするトナー粒子の径に近い径を持つ、樹脂粒子と着色剤粒子と離型剤粒子とを含む凝集粒子を形成する。
具体的には、例えば、混合分散液に凝集剤を添加すると共に、混合分散液のpHを酸性(例えばpHが2以上5以下)に調整し、必要に応じて分散安定剤を添加した後、樹脂粒子のガラス転移温度(具体的には、例えば、樹脂粒子のガラス転移温度-30℃以上ガラス転移温度-10℃以下)の温度に加熱し、混合分散液に分散された粒子を凝集させて、凝集粒子を形成する。
凝集粒子形成工程においては、例えば、混合分散液を回転せん断型ホモジナイザーで攪拌下、室温(例えば25℃)で上記凝集剤を添加し、混合分散液のpHを酸性(例えばpHが2以上5以下)に調整し、必要に応じて分散安定剤を添加した後に、上記加熱を行ってもよい。
凝集剤としては、例えば、混合分散液に添加される分散剤として用いる界面活性剤と逆極性の界面活性剤、無機金属塩、2価以上の金属錯体が挙げられる。特に、凝集剤として金属錯体を用いた場合には、界面活性剤の使用量が低減され、帯電特性が向上する。
凝集剤の金属イオンと錯体もしくは類似の結合を形成する添加剤を必要に応じて用いてもよい。この添加剤としては、キレート剤が好適に用いられる。
無機金属塩としては、例えば、塩化カルシウム、硝酸カルシウム、塩化バリウム、塩化マグネシウム、塩化亜鉛、塩化アルミニウム、硫酸アルミニウム等の金属塩、及び、ポリ塩化アルミニウム、ポリ水酸化アルミニウム、多硫化カルシウム等の無機金属塩重合体等が挙げられる。
キレート剤としては、水溶性のキレート剤を用いてもよい。キレート剤としては、例えば、酒石酸、クエン酸、グルコン酸等のオキシカルボン酸、イミノジ酸(IDA)、ニトリロトリ酢酸(NTA)、エチレンジアミンテトラ酢酸(EDTA)等が挙げられる。
キレート剤の添加量としては、例えば、樹脂粒子100質量部に対して0.01質量部以上5.0質量部以下が好ましく、0.1質量部以上3.0質量部未満がより好ましい。
-融合・合一工程-
次に、凝集粒子が分散された凝集粒子分散液に対して、例えば、樹脂粒子のガラス転移温度以上(例えば樹脂粒子のガラス転移温度より10から30℃高い温度以上)に加熱して、凝集粒子を融合・合一し、トナー粒子を形成する。
以上の工程を経て、トナー粒子が得られる。
なお、凝集粒子が分散された凝集粒子分散液を得た後、当該凝集粒子分散液と、樹脂粒子が分散された樹脂粒子分散液と、をさらに混合し、凝集粒子の表面にさらに樹脂粒子を付着するように凝集して、第2凝集粒子を形成する工程と、第2凝集粒子が分散された第2凝集粒子分散液に対して加熱をし、第2凝集粒子を融合・合一して、コア/シェル構造のトナー粒子を形成する工程と、を経て、トナー粒子を製造してもよい。
ここで、融合・合一工程終了後は、溶液中に形成されたトナー粒子を、公知の洗浄工程、固液分離工程、乾燥工程を経て乾燥した状態のトナー粒子を得る。
洗浄工程は、帯電性の点から充分にイオン交換水による置換洗浄を施すことがよい。また、固液分離工程は、特に制限はないが、生産性の点から吸引濾過、加圧濾過等を施すことがよい。また、乾燥工程も特に方法に制限はないが、生産性の点から凍結乾燥、気流乾燥、流動乾燥、振動型流動乾燥等を施すことがよい。
そして、本実施形態に係るトナーは、例えば、得られた乾燥状態のトナー粒子に、外添剤を添加し、混合することにより製造される。混合は、例えばVブレンダー、ヘンシェルミキサー、レーディゲミキサー等によって行うことがよい。更に、必要に応じて、振動篩分機、風力篩分機等を使ってトナーの粗大粒子を取り除いてもよい。
<静電荷像現像剤>
本実施形態に係る静電荷像現像剤は、本実施形態に係るトナーを少なくとも含むものである。
本実施形態に係る静電荷像現像剤は、本実施形態に係るトナーのみを含む一成分現像剤であってもよいし、当該トナーとキャリアと混合した二成分現像剤であってもよい。
キャリアとしては、特に制限はなく、公知のキャリアが挙げられる。キャリアとしては、例えば、磁性粉からなる芯材の表面に被覆樹脂を被覆した被覆キャリア;マトリックス樹脂中に磁性粉が分散・配合された磁性粉分散型キャリア;多孔質の磁性粉に樹脂を含浸させた樹脂含浸型キャリア;等が挙げられる。
なお、磁性粉分散型キャリア、及び樹脂含浸型キャリアは、当該キャリアの構成粒子を芯材とし、これに被覆樹脂により被覆したキャリアであってもよい。
磁性粉としては、例えば、鉄、ニッケル、コバルト等の磁性金属、フェライト、マグネタイト等の磁性酸化物等が挙げられる。
被覆樹脂、及びマトリックス樹脂としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリビニルアセテート、ポリビニルアルコール、ポリビニルブチラール、ポリ塩化ビニル、ポリビニルエーテル、ポリビニルケトン、塩化ビニル-酢酸ビニル共重合体、スチレン-アクリル酸エステル共重合体、オルガノシロキサン結合を含んで構成されるストレートシリコーン樹脂又はその変性品、フッ素樹脂、ポリエステル、ポリカーボネート、フェノール樹脂、エポキシ樹脂等が挙げられる。
なお、被覆樹脂、及びマトリックス樹脂には、導電性粒子等、その他添加剤を含ませてもよい。
導電性粒子としては、金、銀、銅等の金属、カーボンブラック、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化スズ、硫酸バリウム、ホウ酸アルミニウム、チタン酸カリウム等の粒子が挙げられる。
ここで、芯材の表面に被覆樹脂を被覆するには、被覆樹脂、及び必要に応じて各種添加剤を適当な溶媒に溶解した被覆層形成用溶液により被覆する方法等が挙げられる。溶媒としては、特に限定されるものではなく、使用する被覆樹脂、塗布適性等を勘案して選択すればよい。
具体的な樹脂被覆方法としては、芯材を被覆層形成用溶液中に浸漬する浸漬法、被覆層形成用溶液を芯材表面に噴霧するスプレー法、芯材を流動エアーにより浮遊させた状態で被覆層形成用溶液を噴霧する流動床法、ニーダーコーター中でキャリアの芯材と被覆層形成用溶液とを混合し、溶剤を除去するニーダーコーター法等が挙げられる。
キャリアの表面の凹凸平均間隔Smが0.5μm以上2.5μm以下であり、かつ、表面の算術表面粗さRaが0.3μm以上1.2μm以下であることが好ましい。
キャリアの凹凸平均間隔Sm及び表面の算術表面粗さRaを上記数値範囲内とすることで、静電荷像現像用トナーからの電荷の漏出(リーク)に起因する画像欠陥の発生を抑制できる静電荷像現像剤を得ることができる。
キャリアの凹凸平均間隔Sm及び表面の算術表面粗さRaを上記数値範囲内とすることで、表面に適度な凸凹を有するキャリアとなる。そのため、トナーの帯電性を損なわない範囲で、キャリアとトナーとの接触点が減少しやすい。よって、静電荷像現像用トナーからの電荷の漏出(リーク)に起因する画像欠陥の発生がより抑制する静電荷像現像用トナーとなると推測される。
キャリアの表面の凹凸平均間隔Smは静電荷像現像用トナーからの電荷の漏出(リーク)に起因する画像欠陥の発生をより抑制する観点から、0.8μm以上1.5μm以下であることがより好ましく、0.8μm以上1.0μm以下であることが特に好ましい。
更に、前記磁性粒子の表面の算術表面粗さRaは、静電荷像現像用トナーからの電荷の漏出(リーク)に起因する画像欠陥の発生をより抑制する観点から、0.5μm以上1.0μm以下であることがより好ましく、0.5μm以上0.6μm以下であることが特に好ましい。
本実施形態において、キャリアの表面粗さ指標Ra及びSmの測定は、以下の方法で行うものとする。
キャリアの表面の凹凸平均間隔Sm及び算術平均粗さRaの測定は、キャリア50個について、超深度カラー3D形状測定顕微鏡(VK-9500、(株)キーエンス製)を用い、倍率3,000倍で表面を換算して求める方法を用いる。
凹凸平均間隔Smは、観察したキャリア表面の3次元形状から粗さ曲線を求め、該粗さ曲線が平均線と交差する交点から求めた山谷一周期の間隔の平均値を求める。Sm値を求める際の基準長さは10μmであり、カットオフ値は0.08mmである。
算術平均粗さRaは、粗さ曲線を求め、該粗さ曲線の測定値と平均値までの偏差の絶対値を合計し平均することでRa値を求める。Ra値を求める際の基準長さは10μmであり、カットオフ値は0.08mmである。
上記Sm値、Ra値の測定はJIS B0601(1994年度版)に準じて行う。
二成分現像剤における、トナーとキャリアとの混合比(質量比)は、トナー:キャリア=1:100乃至30:100が好ましく、3:100乃至20:100がより好ましい。
<画像形成装置/画像形成方法>
本実施形態に係る画像形成装置/画像形成方法について説明する。
本実施形態に係る画像形成装置は、像保持体と、像保持体の表面を帯電する帯電手段と、帯電した像保持体の表面に静電荷像を形成する静電荷像形成手段と、静電荷像現像剤を収容し、静電荷像現像剤により、像保持体の表面に形成された静電荷像をトナー画像として現像する現像手段と、像保持体の表面に形成されたトナー画像を記録媒体の表面に転写する転写手段と、記録媒体の表面に転写されたトナー画像を定着する定着手段と、を備える。そして、静電荷像現像剤として、本実施形態に係る静電荷像現像剤が適用される。
本実施形態に係る画像形成装置では、像保持体の表面を帯電する帯電工程と、帯電した像保持体の表面に静電荷像を形成する静電荷像形成工程と、本実施形態に係る静電荷像現像剤により、像保持体の表面に形成された静電荷像をトナー画像として現像する現像工程と、像保持体の表面に形成されたトナー画像を記録媒体の表面に転写する転写工程と、記録媒体の表面に転写されたトナー画像を定着する定着工程と、を有する画像形成方法(本実施形態に係る画像形成方法)が実施される。
本実施形態に係る画像形成装置は、像保持体の表面に形成されたトナー画像を直接記録媒体に転写する直接転写方式の装置;像保持体の表面に形成されたトナー画像を中間転写体の表面に一次転写し、中間転写体の表面に転写されたトナー画像を記録媒体の表面に二次転写する中間転写方式の装置;トナー画像の転写後、帯電前の像保持体の表面をクリーニングするクリーニング手段を備えた装置;トナー画像の転写後、帯電前に像保持体の表面に除電光を照射して除電する除電手段を備える装置等の周知の画像形成装置が適用される。
中間転写方式の装置の場合、転写手段は、例えば、表面にトナー画像が転写される中間転写体と、像保持体の表面に形成されたトナー画像を中間転写体の表面に一次転写する一次転写手段と、中間転写体の表面に転写されたトナー画像を記録媒体の表面に二次転写する二次転写手段と、を有する構成が適用される。
なお、本実施形態に係る画像形成装置において、例えば、現像手段を含む部分が、画像形成装置に対して脱着されるカートリッジ構造(プロセスカートリッジ)であってもよい。プロセスカートリッジとしては、例えば、本実施形態に係る静電荷像現像剤を収容した現像手段を備えるプロセスカートリッジが好適に用いられる。
以下、本実施形態に係る画像形成装置の一例を示すが、これに限定されるわけではない。なお、図に示す主要部を説明し、その他はその説明を省略する。
図1は、本実施形態に係る画像形成装置を示す概略構成図である。
図1に示す画像形成装置は、色分解された画像データに基づくイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)の各色の画像を出力する電子写真方式の第1乃至第4の画像形成ユニット10Y、10M、10C、10K(画像形成手段)を備えている。これらの画像形成ユニット(以下、単に「ユニット」と称する場合がある)10Y、10M、10C、10Kは、水平方向に互いに予め定められた距離離間して並設されている。なお、これらユニット10Y、10M、10C、10Kは、画像形成装置に対して脱着するプロセスカートリッジであってもよい。
各ユニット10Y、10M、10C、10Kの図面における上方には、各ユニットを通して中間転写体としての中間転写ベルト20が延設されている。中間転写ベルト20は、図における左から右方向に互いに離間して配置された駆動ロール22及び中間転写ベルト20内面に接する支持ロール24に巻きつけて設けられ、第1のユニット10Yから第4のユニット10Kに向う方向に走行されるようになっている。なお、支持ロール24は、図示しないバネ等により駆動ロール22から離れる方向に力が加えられており、両者に巻きつけられた中間転写ベルト20に張力が与えられている。また、中間転写ベルト20の像保持体側面には、駆動ロール22と対向して中間転写体クリーニング装置30が備えられている。
また、各ユニット10Y、10M、10C、10Kの現像装置(現像手段)4Y、4M、4C、4Kのそれぞれには、トナーカートリッジ8Y、8M、8C、8Kに収められたイエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの4色のトナーを含むトナーの供給がなされる。
第1乃至第4のユニット10Y、10M、10C、10Kは、同等の構成を有しているため、ここでは中間転写ベルト走行方向の上流側に配設されたイエロー画像を形成する第1のユニット10Yについて代表して説明する。なお、第1のユニット10Yと同等の部分に、イエロー(Y)の代わりに、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)を付した参照符号を付すことにより、第2乃至第4のユニット10M、10C、10Kの説明を省略する。
第1のユニット10Yは、像保持体として作用する感光体1Yを有している。感光体1Yの周囲には、感光体1Yの表面を予め定められた電位に帯電させる帯電ロール(帯電手段の一例)2Y、帯電された表面を色分解された画像信号に基づくレーザ光線3Yによって露光して静電荷像を形成する露光装置(静電荷像形成手段の一例)3、静電荷像に帯電したトナーを供給して静電荷像を現像する現像装置(現像手段の一例)4Y、現像したトナー画像を中間転写ベルト20上に転写する一次転写ロール5Y(一次転写手段の一例)、及び一次転写後に感光体1Yの表面に残存するトナーを除去する感光体クリーニング装置(クリーニング手段の一例)6Yが順に配置されている。
なお、一次転写ロール5Yは、中間転写ベルト20の内側に配置され、感光体1Yに対向した位置に設けられている。更に、各一次転写ロール5Y、5M、5C、5Kには、一次転写バイアスを印加するバイアス電源(図示せず)がそれぞれ接続されている。各バイアス電源は、図示しない制御部による制御によって、各一次転写ロールに印加する転写バイアスを可変する。
以下、第1ユニット10Yにおいてイエロー画像を形成する動作について説明する。
まず、動作に先立って、帯電ロール2Yによって感光体1Yの表面が-600V乃至-800Vの電位に帯電される。
感光体1Yは、導電性(例えば20℃における体積抵抗率:1×10-6Ωcm以下)の基体上に感光層を積層して形成されている。この感光層は、通常は高抵抗(一般の樹脂の抵抗)であるが、レーザ光線3Yが照射されると、レーザ光線が照射された部分の比抵抗が変化する性質を持っている。そこで、帯電した感光体1Yの表面に、図示しない制御部から送られてくるイエロー用の画像データに従って、露光装置3を介してレーザ光線3Yを出力する。レーザ光線3Yは、感光体1Yの表面の感光層に照射され、それにより、イエロー画像パターンの静電荷像が感光体1Yの表面に形成される。
静電荷像とは、帯電によって感光体1Yの表面に形成される像であり、レーザ光線3Yによって、感光層の被照射部分の比抵抗が低下し、感光体1Yの表面の帯電した電荷が流れ、一方、レーザ光線3Yが照射されなかった部分の電荷が残留することによって形成される、いわゆるネガ潜像である。
感光体1Y上に形成された静電荷像は、感光体1Yの走行に従って予め定められた現像位置まで回転される。そして、この現像位置で、感光体1Y上の静電荷像が、現像装置4Yによってトナー画像として可視像(現像像)化される。
現像装置4Y内には、例えば、少なくともイエロートナーとキャリアとを含む静電荷像現像剤が収容されている。イエロートナーは、現像装置4Yの内部で攪拌されることで摩擦帯電し、感光体1Y上に帯電した帯電荷と同極性(負極性)の電荷を有して現像剤ロール(現像剤保持体の一例)上に保持されている。そして感光体1Yの表面が現像装置4Yを通過していくことにより、感光体1Y表面上の除電された潜像部にイエロートナーが静電的に付着し、潜像がイエロートナーによって現像される。イエローのトナー画像が形成された感光体1Yは、引続き予め定められた速度で走行され、感光体1Y上に現像されたトナー画像が予め定められた一次転写位置へ搬送される。
感光体1Y上のイエロートナー画像が一次転写へ搬送されると、一次転写ロール5Yに一次転写バイアスが印加され、感光体1Yから一次転写ロール5Yに向う静電気力がトナー画像に作用され、感光体1Y上のトナー画像が中間転写ベルト20上に転写される。このとき印加される転写バイアスは、トナーの極性(-)と逆極性の(+)極性であり、例えば第1ユニット10Yでは制御部に(図示せず)よって+10μAに制御されている。
一方、感光体1Y上に残留したトナーは感光体クリーニング装置6Yで除去されて回収される。
また、第2のユニット10M以降の一次転写ロール5M、5C、5Kに印加される一次転写バイアスも、第1のユニットに準じて制御されている。
こうして、第1のユニット10Yにてイエロートナー画像の転写された中間転写ベルト20は、第2乃至第4のユニット10M、10C、10Kを通して順次搬送され、各色のトナー画像が重ねられて多重転写される。
第1乃至第4のユニットを通して4色のトナー画像が多重転写された中間転写ベルト20は、中間転写ベルト20と中間転写ベルト内面に接する支持ロール24と中間転写ベルト20の像保持面側に配置された二次転写ロール(二次転写手段の一例)26とから構成された二次転写部へと至る。一方、記録紙(記録媒体の一例)Pが供給機構を介して二次転写ロール26と中間転写ベルト20とが接触した隙間に予め定められたタイミングで給紙され、二次転写バイアスが支持ロール24に印加される。このとき印加される転写バイアスは、トナーの極性(-)と同極性の(-)極性であり、中間転写ベルト20から記録紙Pに向う静電気力がトナー画像に作用され、中間転写ベルト20上のトナー画像が記録紙P上に転写される。なお、この際の二次転写バイアスは二次転写部の抵抗を検出する抵抗検出手段(図示せず)により検出された抵抗に応じて決定されるものであり、電圧制御されている。
この後、記録紙Pは定着装置(定着手段の一例)28における一対の定着ロールの圧接部(ニップ部)へと送り込まれトナー画像が記録紙P上へ定着され、定着画像が形成される。
トナー画像を転写する記録紙Pとしては、例えば、電子写真方式の複写機、プリンター等に使用される普通紙が挙げられる。記録媒体は記録紙P以外にも、OHPシート等も挙げられる。
定着後における画像表面の平滑性をさらに向上させるには、記録紙Pの表面も平滑が好ましく、例えば、普通紙の表面を樹脂等でコーティングしたコート紙、印刷用のアート紙等が好適に使用される。
カラー画像の定着が完了した記録紙Pは、排出部へ向けて搬出され、一連のカラー画像形成動作が終了される。
<プロセスカートリッジ/トナーカートリッジ>
本実施形態に係るプロセスカートリッジについて説明する。
本実施形態に係るプロセスカートリッジは、本実施形態に係る静電荷像現像剤を収容し、静電荷像現像剤により、像保持体の表面に形成された静電荷像をトナー画像として現像する現像手段を備え、画像形成装置に着脱されるプロセスカートリッジである。
なお、本実施形態に係るプロセスカートリッジは、上記構成に限られず、現像装置と、その他、必要に応じて、例えば、像保持体、帯電手段、静電荷像形成手段、及び転写手段等のその他手段から選択される少なくとも一つと、を備える構成であってもよい。
以下、本実施形態に係るプロセスカートリッジの一例を示すが、これに限定されるわけではない。なお、図に示す主要部を説明し、その他はその説明を省略する。
図2は、本実施形態に係るプロセスカートリッジを示す概略構成図である。
図2に示すプロセスカートリッジ200は、例えば、取り付けレール116及び露光のための開口部118が備えられた筐体117により、感光体107(像保持体の一例)と、感光体107の周囲に備えられた帯電ロール108(帯電手段の一例)、現像装置111(現像手段の一例)、及び感光体クリーニング装置113(クリーニング手段の一例)を一体的に組み合わせて保持して構成し、カートリッジ化されている。
なお、図2中、109は露光装置(静電荷像形成手段の一例)、112は転写装置(転写手段の一例)、115は定着装置(定着手段の一例)、300は記録紙(記録媒体の一例)を示している。
次に、本実施形態に係るトナーカートリッジについて説明する。
本実施形態に係るトナーカートリッジは、本実施形態に係るトナーを収容し、画像形成装置に着脱されるトナーカートリッジである。トナーカートリッジは、画像形成装置内に設けられた現像手段に供給するための補給用のトナーを収容するものである。
なお、図1に示す画像形成装置は、トナーカートリッジ8Y、8M、8C、8Kの着脱される構成を有する画像形成装置であり、現像装置4Y、4M、4C、4Kは、各々の現像装置(色)に対応したトナーカートリッジと、図示しないトナー供給管で接続されている。また、トナーカートリッジ内に収容されているトナーが少なくなった場合には、このトナーカートリッジが交換される。
以下に実施例について説明するが、本発明はこれらの実施例に何ら限定されるものではない。なお、以下の説明において、特に断りのない限り、「部」及び「%」はすべて質量基準である。
<トナー粒子の作製>
-ポリエステル樹脂粒子分散液の調製-
・エチレングリコール〔和光純薬工業(株)製〕: 37部
・ネオペンチルグリコール〔和光純薬工業(株)製〕: 65部
・1,9-ノナンジオール〔和光純薬工業(株)製〕: 32部
・テレフタル酸〔和光純薬工業(株)製〕: 96部
上記モノマーをフラスコに仕込み、1時間をかけて温度200℃まで上げ、反応系内が攪拌されていることを確認したのち、ジブチル錫オキサイドを1.2部投入した。更に、生成する水を留去しながら同温度から6時間をかけて240℃まで温度を上げ、240℃で更に4時間脱水縮合反応を継続し、酸価が9.4mgKOH/g、重量平均分子量13,000、ガラス転移温度62℃であるポリエステル樹脂Aを得た。
次いで、ポリエステル樹脂Aを溶融状態のまま、キャビトロンCD1010((株)ユーロテック製)に移送した。別途準備した水性媒体タンクに試薬アンモニア水をイオン交換水で希釈した0.37%濃度の希アンモニア水を入れ、熱交換器で120℃に加熱しながら上記ポリエステル樹脂溶融体と共に上記キャビトロンに移送した。回転子の回転速度が60Hz、圧力が5kg/cmの条件でキャビトロンを運転し、体積平均粒径160nm、固形分30%、ガラス転移温度62℃、重量平均分子量Mwが13,000の樹脂粒子が分散されたポリエステル樹脂粒子分散液を得た。
-着色剤粒子分散液の調製-
・シアン顔料〔PigmentBlue15:3、大日精化工業(株)製〕: 10部
・アニオン性界面活性剤〔ネオゲンSC、第一工業製薬(株)製〕: 2部
・イオン交換水: 80部
上記の成分を混合し、高圧衝撃式分散機アルティマイザー〔HJP30006、(株)スギノマシン製〕により1時間分散し、体積平均粒径180nm、固形分20%の着色剤粒子分散液を得た。
-離型剤粒子分散液の調製-
・パラフィンワックス〔HNP 9、日本精鑞社製〕: 50部
・アニオン性界面活性剤〔ネオゲンSC、第一工業製薬製〕: 2部
・イオン交換水: 200部
上記成分を120℃に加熱して、IKA社製、ウルトラタラックスT50で十分に混合・分散した後、圧力吐出型ホモジナイザーで分散処理し、体積平均粒径が200nm、固形分20%の離型剤粒子分散液を得た。
-トナー粒子の作製-
・ポリエステル樹脂粒子分散液: 200部
・着色剤粒子分散液: 25部
・離型剤粒子分散液: 30部
・ポリ塩化アルミニウム: 0.4部
・イオン交換水: 100部
上記の成分をステンレス製フラスコに投入し、IKA社製のウルトラタラックスを用いて混合し、分散した後、加熱用オイルバスでフラスコを攪拌しながら48℃まで加熱した。48℃で30分保持した後、ここに上記と同じポリエステル樹脂粒子分散液を70部追加した。
その後、濃度0.5mol/Lの水酸化ナトリウム水溶液を用いて系内のpHを8.0 に調整した後、ステンレス製フラスコを密閉し、攪拌軸のシールを磁力シールして攪拌を継続しながら90℃まで加熱して3時間保持した。反応終了後、降温速度を2℃/分で冷却し、濾過、イオン交換水で洗浄した後、ヌッチェ式吸引濾過により固液分離を行った。これをさらに30℃のイオン交換水3Lを用いて再分散し、15分間300rpmで攪拌・洗浄した。この洗浄操作をさらに6回繰り返し、濾液のpHが7.54、電気伝導度6.5μS/cmとなったところで、ヌッチェ式吸引濾過によりNo.5A ろ紙を用いて固液分離を行った。次いで真空乾燥を12時間継続してトナー粒子を得た。
トナー粒子の体積平均粒径D50vをコールターカウンターで測定したところ5.8μmであった。
<粒子Aの製造>
(粒子(A1)の作製)
脱硫及び解膠したチタン源であるメタチタン酸をTiOとして0.7モル採取し、反応容器に入れた。次いで、反応容器に、塩化ストロンチウム水溶液を、SrO/TiOモル比が1.1になるように0.77モル添加した。次いで、反応容器に、酸化ランタンを硝酸に溶解した溶液を、ストロンチウム100モルに対してランタンが2.5モルになる量添加し、混合液Aを調製した。混合液Aにおける初期TiO濃度が0.75モル/Lになるようにした。次いで、混合液を撹拌し、混合液を90℃に加温し、液温を90℃に維持し攪拌しながら、10N(mol/L)水酸化ナトリウム水溶液153mLを4時間かけて添加し、更に、液温を90℃に維持しながら1時間撹拌を続けた。次いで、反応液を40℃まで冷却し、pH5.5になるまで塩酸を添加し1時間撹拌を行った。次いで、デカンテーションと水への再分散とを繰り返すことによって沈殿物を洗浄した。洗浄した沈殿物を含むスラリーに塩酸を加えpH6.5に調整し、固形分を濾別し乾燥させた。乾燥した固形分にi-ブチルトリメトキシシラン(i-BTMS)のエタノール溶液を、固形分100部に対してi-BTMSが20部になる量添加して1時間撹拌を行った。固形分を濾別し、固形分を130℃の大気中で7時間乾燥し、粒子(A1)を得た。
(粒子(A2)の作製)
酸化ランタンを硝酸に溶解した溶液を添加しなかったこと以外は、粒子(A1)の作製と同様にしてム粒子(A2)を得た。
(粒子(A3)の作製)
酸化ランタンを硝酸に溶解した溶液を、酸化ニオブを硝酸に溶解した溶液に変更したこと以外は、粒子(A1)の作製と同様にして粒子(A3)を得た。
(粒子(A4)の作製)
混合液Aにおける初期TiO2濃度が0.75モル/Lになるようにした後、混合液の温度を88℃、水酸化ナトリウム量を170ml、冷却後のpHを5.0としたこと以外は、粒子(A1)の作製と同様にして粒子(A4)を得た。
(粒子(A5)の作製)
混合液Aにおける初期TiO2濃度が0.75モル/Lになるようにした後、混合液の温度を92℃、水酸化ナトリウム量を143mlとしたこと以外は、粒子(A1)の作製と同様にして粒子(A5)を得た。
(粒子(A6)の作製)
混合液Aにおける初期TiO2濃度が0.75モル/Lになるようにした後、混合溶液の温度を91℃、水酸化ナトリウムの添加時間を3時間としたこと以外は、粒子(A1)の作製と同様にして粒子(A6)を得た。
<粒子Bの製造>
(粒子(B1)の作製)
脱硫及び解膠したチタン源であるメタチタン酸をTiOとして0.7モル採取し、反応容器に入れた。次いで、反応容器に、塩化ストロンチウム水溶液を、SrO/TiOモル比が1.1になるように0.77モル添加した。次いで、反応容器に、酸化ランタンを硝酸に溶解した溶液を、ストロンチウム100モルに対してランタンが2.5モルになる量添加し、混合液Aを調製した。混合液Aにおける初期TiO濃度が0.75モル/Lになるようにした。混合液を撹拌し、混合液を90℃に加温し、液温を90℃に維持し攪拌しながら、10N(mol/L)水酸化ナトリウム水溶液153mLを4時間かけて添加し、更に、液温を90℃に維持しながら3時間撹拌を続けた。次いで、反応液を40℃まで冷却し、pH5.5になるまで塩酸を添加し1時間撹拌を行った。次いで、デカンテーションと水への再分散とを繰り返すことによって沈殿物を洗浄した。洗浄した沈殿物を含むスラリーを85℃で1時間維持した後、40℃まで冷却し、塩酸を加えpH6.5に調整した。このスラリーをフィルタープレスで加圧し、固形分を回収した。次いで60℃の温度の元、乾燥を行った。乾燥した固形物をヘンシェルミキサーにて解砕し、気流式分級機で、目的の粒径になるまで分級を行った。得られた分級品にi-ブチルトリメトキシシラン(i-BTMS)のエタノール溶液を、固形分100部に対してi-BTMSが20部になる量添加して1時間撹拌を行った。固形分を濾別し、固形分を130℃の大気中で7時間乾燥し、粒子(B1)を得た。
(粒子(B2)の作製)
水酸化ナトリウム水溶液添加後の液温を94℃、目的の粒径になるまで分級したこと以外は、粒子(B1)の作製と同様にして粒子(B2)を得た。
(粒子(B3)の作製)
水酸化ナトリウム水溶液添加後の液温を92℃、目的の粒径になるまで分級したこと以外は、粒子(B1)の作製と同様にして粒子(B3)を得た。
(粒子(B4)の作製)
水酸化ナトリウム水溶液添加後の液温を95℃、目的の粒径になるまで分級したこと以外は、粒子(B1)の作製と同様にして粒子(B4)を得た。
(粒子(B5)の作製)
水酸化ナトリウム水溶液添加後の液温を95℃、目的の粒径になるまで分級したこと以外は、粒子(B1)の作製と同様にして粒子(B5)を得た。
(粒子(B6)の作製)
水酸化ナトリウム水溶液添加時間を8時間、水酸化ナトリウム水溶液添加後の液温を95℃とし6時間撹拌を行ったこと以外は、粒子(B1)の作製と同様にして一次粒子である粒子(B6)を得た。
(粒子(B7)の作製)
水酸化ナトリウム水溶液添加量を170ml、水酸化ナトリウム水溶液の添加時間を4.5時間、水酸化ナトリウム水溶液添加後の液温を92℃とし4時間撹拌を行ったこと以外は、粒子(B1)の作製と同様にして粒子(B7)を得た。
(粒子(B8)の作製)
水酸化ナトリウム水溶液添加量を163ml、水酸化ナトリウム水溶液の添加時間を4.5時間、水酸化ナトリウム水溶液添加後の液温を92℃とし4時間撹拌を行ったこと以外は、粒子(B1)の作製と同様にして粒子(B8)を得た。
(粒子(B9)の作製)
水酸化ナトリウム水溶液の添加時間を4.5時間、水酸化ナトリウム水溶液添加後の液温を89℃とし3.5時間撹拌を行ったこと以外は、粒子(B1)の作製と同様にして粒子(B9)を得た。
(粒子(B10)の作製)
水酸化ナトリウム水溶液の添加時間を4.5時間、水酸化ナトリウム水溶液添加後の液温を90℃とし3時間撹拌を行ったこと以外は、粒子(B1)の作製と同様にして粒子(B10)を得た。
(粒子(B11)の作製)
水酸化ナトリウム水溶液の添加量を133ml、水酸化ナトリウム水溶液の添加時間を6時間、水酸化ナトリウム水溶液の添加後の液温を90℃とし4時間撹拌を行ったこと以外は、粒子(B1)の作製と同様にして粒子(B11)を得た。
(粒子(B12)の作製)
酸化ランタンを硝酸に溶解した溶液を添加しなかったこと以外は、粒子(B1)の作製と同様にして粒子(B12)を得た。
(粒子(B13)の作製)
酸化ランタンを硝酸に溶解した溶液を、酸化ニオブを硝酸に溶解した溶液に変更したこと以外は、粒子(B1)の作製と同様にして粒子(B13)を得た。
(粒子(B14)の作製)
水酸化ナトリウム水溶液の添加量を143ml、水酸化ナトリウム水溶液の添加時間を5時間としたこと以外は、粒子(B1)の作製と同様にして粒子(B14)を得た。
(粒子(B15)の作製)
水酸化ナトリウム水溶液添加後の液温を89℃としたこと以外は、粒子(B14)の作製と同様にして粒子(B15)を得た。
(粒子(B16)の作製)
水酸化ナトリウム水溶液の添加量を138ml、水酸化ナトリウム水溶液の添加時間を5時間、水酸化ナトリウム水溶液の添加後の液温を90℃とし3.5時間撹拌を行ったこと以外は、粒子(B1)の作製と同様にして粒子(B16)を得た。
(粒子(B17)の作製)
水酸化ナトリウム水溶液の添加量を163ml、水酸化ナトリウム水溶液の添加時間を5時間、水酸化ナトリウム水溶液の添加後の液温を92℃とし3時間撹拌を行ったこと以外は、粒子(B1)の作製と同様にして粒子(B17)を得た。
(粒子(B18)の作製)
水酸化ナトリウム水溶液の添加量を163ml、水酸化ナトリウム水溶液の添加時間を5.5時間、水酸化ナトリウム水溶液の添加後の液温を93℃とし3.5時間撹拌を行ったこと以外は、粒子(B1)の作製と同様にして粒子(B18)を得た。
<キャリアaの作製>
-コート液の調製-
シクロヘキシルアクリレート樹脂(重量平均分子量5万):36質量部
カーボンブラック VXC72(キャボット社製):4質量部
トルエン:250質量部
イソプロピルアルコール:50質量部
上記成分と、トルエンと同量のガラスビーズ(粒径:1mm)とを関西ペイント(株)製サンドミルに投入し、回転速度1,200rpmで30分間撹拌し、固形分11質量%のコート液を調製した。
-磁性粒子aの作製-
Feを1,318質量部、Mn(OH)を586質量部、Mg(OH)を96質量部、及びSrCOを1質量部、SiOを0.05質量部混合し、更に分散剤としてポリビニルアルコール、水、及びメディア径1mmのジルコニアビーズを加え、サンドミルで解砕混合した。
<<仮焼成>>
次いで、ジルコニアビーズをろ過により除去し、乾燥後、更にロータリーキルンで20rpm、900℃、60分間の条件で混合酸化物とした。
<<スラリー粉砕>>
次に、分散剤としてポリビニルアルコール、水を加え、更にポリビニルアルコールを6.6質量部加え、湿式ボールミルで体積平均粒径が2.0μmになるまで粉砕を行った。
<<造粒>>
次に、スプレードライヤーで乾燥粒径が38μmになるように造粒し、乾燥させた。
<<本焼成>>
更に、電気炉で温度1400℃、酸素濃度1.0%の酸素窒素混合雰囲気のもとで5時間の焼成を行った。
<<追加工程>>
得られた粒子の解砕工程、分級工程を経た後、ロータリーキルンで15rpm、900℃の条件で2時間加熱し、更に分級工程を経て磁性粒子aを得た。
磁性粒子aにおける表面の凹凸平均間隔Smは2.0μmであり、表面の算術表面粗さRaが1.0μmであり、体積平均粒径は35μmであった。
-樹脂被覆層の形成-
真空脱気型ニーダーに磁性粒子1を2,000質量部入れ、更にコート液1を560質量部入れ、撹拌しながら、60℃にて1気圧-200mmHgまで減圧し15分混合した後、昇温/減圧させ94℃/1気圧-720mmHgで30分間攪拌乾燥させ、樹脂被覆粒子を得た。次に75μmメッシュの篩分網で篩分を行い、キャリアaを得た。
キャリアaの被覆樹脂層の磁性粒子に対する被覆量は2.8質量%であった。
キャリアaにおける表面の凹凸平均間隔Smは1.5μmであり、表面の算術表面粗さRaが0.8μmであり、体積平均粒径はμmであった。
<キャリアbの作製>
SiO添加量を0.02質量部とし、スラリー粉砕において体積平均粒径が1.0μmとなるまで粉砕を行い、本焼成条件を1420℃、酸素濃度0.8%とし、磁性粒子に対する被覆量を3.5質量%としたこと以外は、キャリアaの作製と同様にしてキャリアbを得た。
<キャリアcの作製>
SiO添加量を0.04質量部とし、スラリー粉砕において体積平均粒径が1.5μmとなるまで粉砕を行い、本焼成条件を1410℃、酸素濃度0.9%とし、磁性粒子に対する被覆量を3.0質量%としたこと以外は、キャリアaの作製と同様にしてキャリアcを得た。
<キャリアdの作製>
SiO添加量を0.1質量部とし、スラリー粉砕において体積平均粒径が2.2μmとなるまで粉砕を行い、本焼成条件を1380℃、酸素濃度1.1%とし、磁性粒子に対する被覆量を2.5質量%としたこと以外は、キャリアaの作製と同様にしてキャリアdを得た。
<キャリアeの作製>
SiO添加量を0.15質量部とし、スラリー粉砕において体積平均粒径が2.2μm、本焼成条件を1370℃、酸素濃度1.1%とし、磁性粒子に対する被覆量を3.2質量%としたこと以外は、キャリアaの作製と同様にしてキャリアeを得た。
<キャリアfの作製>
SiO添加量を0.04質量部とし、スラリー粉砕において体積平均粒径が1.8μmとなるまで粉砕を行い、本焼成条件を1420℃、酸素濃度0.5%とし、磁性粒子に対する被覆量を3.5質量%としたこと以外は、キャリアaの作製と同様にしてキャリアfを得た。
<キャリアgの作製>
SiO添加量を0.05質量部とし、スラリー粉砕において体積平均粒径が1.8μmとなるまで粉砕を行い、本焼成条件を1410℃、酸素濃度0.5%とし、磁性粒子に対する被覆量を3.3質量%としたこと以外は、キャリアaの作製と同様にしてキャリアgを得た。
<キャリアhの作製>
SiO添加量を0.1質量部とし、スラリー粉砕において体積平均粒径が2.2μmとなるまで粉砕を行い、本焼成条件を1390℃、酸素濃度1.2%とし、磁性粒子に対する被覆量を2.8質量%としたこと以外は、キャリアaの作製と同様にしてキャリアhを得た。
<キャリアiの作製>
SiO添加量を0.12質量部とし、スラリー粉砕において体積平均粒径が2.2μmとなるまで粉砕を行い、本焼成条件を1380℃、酸素濃度1.3%とし、磁性粒子に対する被覆量を2.6質量%としたこと以外は、キャリアaの作製と同様にしてキャリアiを得た。
〔トナー及び現像剤の作製:実施例1〕
トナー粒子100部に、外添剤としてチタン酸ストロンチウム粒子(A1)0.5部、凝集体(B1)0.6部、及びその他の外添剤として日本アエロジル社製、疎水性シリカR972 0.7部を添加し、ヘンシェルミキサーで撹拌周速30m/secで15分間混合し、トナー得た。
そして、得られた各トナーとキャリア(a)とを、トナー:キャリア=8:92(質量比)の割合でVブレンダーに入れ、20分間撹拌し、現像剤を得た。
<実施例2~35、比較例1~8>
トナーの作製時において添加する外添剤(粒子A、粒子B、及びその他の外添剤)の種類、及び添加量、並びに現像剤の作成時において添加するキャリアの種類を表1に記載した通りに変更したこと以外は実施例1と同様の手順で、トナー及び現像剤を得た。
<画像評価>
感光体と現像装置との間の電位差を最大とした富士ゼロックス社製「DCC400」に、得られた現像剤を現像装置に仕込んだ。15℃、35%RH条件で、白紙を100枚出力した後、50mm×50mmの画像密度100%のソリッド画像を印刷し、得られた印刷物をAとした。
次に、DCC400から、現像装置を取り出し、その状態でオーガー、及びマグロールを30分間駆動させた。その後、再びDCC400へ現像装置を戻し、50mm×50mmの画像密度100%のソリッド画像を印刷し、得られた印刷物をBとした。
得られた印刷物A及び印刷物Bを目視にて確認し、下記評価基準に基づいて画像評価を行った。
A(◎):画像に白抜け、及びトナーの飛び散りがなく、良好
B(〇):画像に白抜け、及びトナーの飛び散りは無いが、画像の濃度が低下
C(△):画像に白抜け、又はトナーの飛び散りが発生
D(×):画像に白抜け、及びトナーの飛び散りが発生
E(××):画像に白抜け、及びトナーの飛び散りの発生が特に多い
Figure 2023047228000001
Figure 2023047228000002
Figure 2023047228000003
Figure 2023047228000004
表中に記載された粒子Aの円相当径の単位は「nm」である。
表中に記載された粒子Bの円相当径の単位は「μm」である。
表中の略称は以下の通りである。
<粒子B>
・特定凝集体の個数%(対凝集体):凝集体全体に対する、10個以上の一次粒子を含む凝集体の個数%
・凝集体の個数%(対粒子B):粒子B全体に対する、凝集体の個数%
・個数%(対トナー粒子):トナー粒子全体に対する、粒子Bの個数%
<その他の外添剤>
・シリカ粒子:疎水性シリカR972(日本アエロジル社製)
・酸化チタン粒子:JMT2000(テイカ社製、体積平均粒径20nm)
・粗大シリカ粒子:湿式シリカ、120nm
上記結果から、本実施例のトナーは、比較例のトナーと比較して、静電荷像現像用トナーからの電荷の漏出(リーク)に起因する画像欠陥である、画像に白抜け、及びトナーの飛び散りが抑制されていることがわかる。
よって、上記結果から、本実施例のトナーは、静電荷像現像用トナーからの電荷の漏出(リーク)に起因する画像欠陥の発生を抑制できることがわかる。
1Y、1M、1C、1K 感光体(像保持体の一例)
2Y、2M、2C、2K 帯電ロール(帯電手段の一例)
3 露光装置(静電荷像形成手段の一例)
3Y、3M、3C、3K レーザ光線
4Y、4M、4C、4K 現像装置(現像手段の一例)
5Y、5M、5C、5K 一次転写ロール(一次転写手段の一例)
6Y、6M、6C、6K 感光体クリーニング装置(クリーニング手段の一例)
8Y、8M、8C、8K トナーカートリッジ
10Y、10M、10C、10K 画像形成ユニット
20 中間転写ベルト(中間転写体の一例)
22 駆動ロール
24 支持ロール
26 二次転写ロール(二次転写手段の一例)
30 中間転写体クリーニング装置
107 感光体(像保持体の一例)
108 帯電ロール(帯電手段の一例)
109 露光装置(静電荷像形成手段の一例)
111 現像装置(現像手段の一例)
112 転写装置(転写手段の一例)
113 感光体クリーニング装置(クリーニング手段の一例)
115 定着装置(定着手段の一例)
116 取り付けレール
118 露光のための開口部
117 筐体
200 プロセスカートリッジ
300 記録紙(記録媒体の一例)
P 記録紙(記録媒体の一例)

Claims (14)

  1. トナー粒子と、
    ペロブスカイト型化合物を含み、かつ円相当径が15nm以上90nm以下の粒子A及びペロブスカイト型化合物を含み、かつ円相当径が1.0μm以上3.0μm以下の粒子Bを含む外添剤と、を有し、
    前記粒子Bが、前記トナー粒子全体の0.3個数%以上3.5個数%以下を占める静電荷像現像用トナー。
  2. 前記粒子Bが複数の一次粒子を含む凝集体である請求項1に記載の静電荷像現像用トナー。
  3. 10個以上の一次粒子を含む凝集体が、前記凝集体全体の80個数%以上を占める請求項2に記載の静電荷像現像用トナー。
  4. 10個以上の一次粒子を含む凝集体が、前記凝集体全体の85個数%以上100個数%以下を占める請求項3に記載の静電荷像現像用トナー。
  5. 前記粒子A及び前記粒子Bの少なくとも1つがドーパントを含有するチタン酸ストロンチウム粒子である請求項1~請求項4のいずれか1項に記載の静電荷像現像用トナー。
  6. 前記ドーパントがランタンである請求項5に記載の静電荷像現像用トナー。
  7. 前記粒子A及び前記粒子Bの少なくとも1つが、平均円形度が0.82以上0.94以下であり、累積84%となる円形度が0.92超えである請求項1~請求項6のいずれか1項に記載の静電荷像現像用トナー。
  8. 前記トナー粒子の投影面積Tに対する、前記粒子Bの投影面積Bの比(投影面積B/投影面積T)が0.5×10-4以上20.0×10-4以下である請求項1~請求項7のいずれか1項に記載の静電荷像現像用トナー。
  9. 請求項1~請求項8のいずれか1項に記載の静電荷像現像用トナーを含む静電荷像現像剤。
  10. キャリアを更に含む請求項9に記載の静電荷像現像剤。
  11. 前記キャリアの表面の凹凸平均間隔Smが0.5μm以上2.5μm以下であり、かつ、表面の算術表面粗さRaが0.3μm以上1.2μm以下である請求項10に記載の静電荷像現像剤。
  12. 請求項1~請求項8のいずれか1項に記載の静電荷像現像用トナーを収容し、
    画像形成装置に着脱されるトナーカートリッジ。
  13. 請求項9~請求項11のいずれか1項に記載の静電荷像現像剤を収容し、前記静電荷像現像剤により、像保持体の表面に形成された静電荷像をトナー画像として現像する現像手段を備え、
    画像形成装置に着脱されるプロセスカートリッジ。
  14. 像保持体と、
    前記像保持体の表面を帯電する帯電手段と、
    帯電した前記像保持体の表面に静電荷像を形成する静電荷像形成手段と、
    請求項9~請求項11のいずれか1項に記載の静電荷像現像剤を収容し、前記静電荷像現像剤により、前記像保持体の表面に形成された静電荷像をトナー画像として現像する現像手段と、
    前記像保持体の表面に形成されたトナー画像を記録媒体の表面に転写する転写手段と、
    前記記録媒体の表面に転写されたトナー画像を定着する定着手段と、
    を備える画像形成装置。
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