JP2023044650A - 建物ユニットの上面雨仕舞部材および上面雨仕舞方法 - Google Patents

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圭祐 山田
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Abstract

【課題】主に、雨仕舞カバーの取扱性を向上し得るようにする。【解決手段】上面雨仕舞部材5は、直方体状をした建物ユニット2の少なくとも上面11を着脱自在に覆う雨仕舞カバー12を有する。雨仕舞カバー12は、建物ユニット2の上面11を覆う矩形状の上面カバー部31と、上面カバー部31の辺に突出形成された側面上部カバー部34,35と、を有している。側面上部カバー部34,35は、建物ユニット2の側面32,33に沿って下へ曲げることで建物ユニット2の側面32,33の上部を覆うものとされる。雨仕舞カバー12は、建物ユニット2の上面11のコーナー部13またはその近傍にベルト片14を備えている。ベルト片14は、一端部が雨仕舞カバー12に固定され、他端部が雨仕舞カバー12の外方へ延びている。【選択図】図5

Description

この発明は、建物ユニットの上面雨仕舞部材および上面雨仕舞方法に関する。
住宅などの建物には、ユニット建物によって構成されたものがある。ユニット建物は、予め工場で製造された直方体状の建物ユニットを建築現場へ搬送して、建築現場で組み合わせて設置することにより、短期間のうちに構築できるようにした建物である(例えば、特許文献1参照)。
このような建物ユニットでは、建物ユニットの(工場などから建築現場への)出荷から、建築現場でのユニット建物の据え付けや建物完成までの間に、建物ユニットの内部に雨水が入り込まないようにする必要がある。
そのために、特許文献1では、例えば、降雨時に、建物ユニットに、建物ユニットの上面および側面全体を覆う大きさおよび形状の防水シートを被せて、建物ユニットを出荷するようにしていた。
実開平5-17003号公報
上記特許文献1では、降雨時に建物ユニットに、建物ユニットの上面および側面の全体を覆う大きさおよび形状の防水シートを被せて出荷するようにしているが、防水シートを建物ユニットの上面および側面の全体に合わせた大きさおよび形にすると、防水シートの製造に手間とコストがかかる。また、上記したような大きさおよび形状の防水シートは、取扱性が悪く、例えば、防水シートを建物ユニットに着脱するときなどに手間がかかる。
そこで、本発明は、上記した問題点の改善に寄与することを主な目的としている。
上記課題に対して、本発明は、
直方体状をした建物ユニットの少なくとも上面を着脱自在に覆う雨仕舞カバーを有し、
該雨仕舞カバーは、
前記建物ユニットの前記上面を覆う矩形状の上面カバー部と、
該上面カバー部の辺に突出形成された側面上部カバー部と、を有しており、
前記側面上部カバー部は、前記建物ユニットの側面に沿って下へ曲げることで前記建物ユニットの前記側面の上部を覆うものとされ、
前記雨仕舞カバーは、前記建物ユニットの前記上面のコーナー部またはその近傍にベルト片を備えており、
該ベルト片は、一端部が前記雨仕舞カバーに固定され、他端部が前記雨仕舞カバーの外方へ延びている建物ユニットの上面雨仕舞部材を特徴とする。
本発明によれば、上記構成によって、雨仕舞カバーの取扱性を向上することなどができる。
本実施の形態にかかる上面雨仕舞部材を用いて構築されるユニット建物の全体斜視図である。 図1のユニット建物を構成する建物ユニットの全体斜視図である。 図1のユニット建物の(下階部分)の施工手順を示す斜視図である。 図3に続くユニット建物(の上階部分)の施工手順を示す斜視図である。 上面雨仕舞部材の取り付け手順を示す建物ユニットの斜視図である。このうち、(a)は取り付け前の状態、(b)は取り付け後の状態である。 上面雨仕舞部材の部品図である。このうち、(a)は全体平面図、(b)は(a)のハトメ付ペケットの平面図、(c)は開閉部を開いて筒状体にした斜視図である。 上面雨仕舞部材の建物ユニットに取り付けるときの形状(使用形態)を示す図である。このうち、(a)は平面図、(b)は側面図、(c)は端面図、(d)は連結部分の連結前の状態を示す拡大斜視図である。 上面雨仕舞部材を取り付けた状態で吊り上げられる建物ユニットの斜視図である。 建物ユニットを吊り上げる前に桁側の結束用部材を外す状態を示す建物ユニットの斜視図である。 建物ユニットを基礎の上に浮かせている間に妻側の結束用部材を外す状態を示す、図8Aとほぼ同様の建物ユニットの斜視図である。 隣接する側面上部カバー部どうしを連結する手順を順に示す建物ユニットの部分拡大側面図である。このうち、(a)は先行する建物ユニットを据え付けたときの状態、(b)は隣接する側面上部カバー部をめくるように上へ折り返して、隣接する建物ユニットを据え付ける状態である。 図9Aに続く、隣接する側面上部カバー部どうしを連結する手順を順に示す建物ユニットの部分拡大側面図である。このうち、(a)は隣接する側面上部カバー部どうしを連結部で連結した状態、(b)は側面上部カバー部を折曲補助線部で二つ折りにした状態である。 図9Bに続く、隣接する側面上部カバー部どうしを連結する手順を順に示す建物ユニットの部分拡大側面図である。このうち、(a)は二つ折りにした側面上部カバー部を後から設置された側面上部カバー部の側へ倒した状態、(b)は倒した側面上部カバー部に結束部材を取り付ける状態である。 二つ折りにした側面上部カバー部にハンドクランプを取り付ける状態である。 (a)~(d)は図9A~図9Dの工程の要所を順に分かり易く示した斜視図である。このうち、(a)は図9A(b)にほぼ対応する図、(b)は図9B(a)にほぼ対応する図、(c)は図9B(b)にほぼ対応する図、(d)は図9Dにほぼ対応する図である。 上面雨仕舞部材を、結束部材を用いて足場に固定した状態を示す下階の建物ユニットの上部の斜視図である。 上面雨仕舞部材の片側を持ち上げて上面に溜まった雨水を除去する作業を示す側面図である。 上面雨仕舞部材の上面に溜まった雨水を、清掃具を用いて除去する作業を示す側面図である。 吹抜け部分に多量に雨水が溜まった上面雨仕舞部材の片側を持ち上げる状態を示す側面図である。 下階の建物ユニットの上に上階の建物ユニットを設置する状態(一時的に浮かせた状態)を示す部分拡大斜視図である。 図12とほぼ同様の状態(据え付けた状態)を示す部分拡大側面図である。このうち、(a)は上面雨仕舞部材をめくった状態、(b)は、隣接する上面雨仕舞部材の側面上部カバー部を上階の建物ユニットの側に寄せてその側面下部に添設保持させる状態である。 建物ユニットの室内側となる側面の開口部分に取り付けた側面カバーに切り込みを入れた状態を示す斜視図である。 切り込みを入れた側面カバーを塞いだ状態を示す拡大斜視図である。 側面カバーを切除した状態を示す図14Aと同様の斜視図である。 実施例2の建物の構成を示す平面図である。(a)は建物の下階部分、(b)は建物の上階部分、(c)は建物の下階部分の変形例である。 (a)~(e)は、実施例2の建物を施工しながら下階の建物ユニットの上面から上面雨仕舞部材を取り外して行く手順を順に示す平面図である。 実施例3の上面雨仕舞部材である。このうち、(a)は上面雨仕舞部材の上面図、(b)は上面雨仕舞部材の下面図である。 (a)(b)は、上面雨仕舞部材の具体的なめくり方を順に示す工程図である。 (a)~(d)は、上面雨仕舞部材の具体的な折り畳み方を順に示す工程図である。 図17の上面雨仕舞部材の変形例である。(a)は上面雨仕舞部材の上面図、(b)は上面雨仕舞部材の下面図である。
以下、本実施の形態を、図面を用いて詳細に説明する。
図1~図20は、この実施の形態の各実施例を説明するためのものである。
<構成>以下、この実施例の構成について説明する。
図1に示すように、戸建住宅や集合住宅などの建物1を、ユニット建物で構成する。
ユニット建物は、図2に示すような、箱型(直方体状)の建物ユニット2を予め工場で製造して建築現場へ搬送し、図3、図4に示すように、建築現場で組み合わせて設置することにより、短期間のうちに構築できるようにした建物1である。
この際、ユニット建物は、建築現場にて、例えば、基礎3の上に下階Lの建物ユニット2を横に並べて据え付け(図3)、下階Lの建物ユニット2の上に上階Hの建物ユニット2を横に並べて据え付ける(図4)ことなどによって構築される。
なお、図3中、4は基礎3を仮雨仕舞するための基礎カバー、6は建物ユニット2の室内側となる側面32,33(例えば、側面33)に形成された開口部分を仮雨仕舞するための側面カバー(別の雨仕舞シート)である。
そして、この実施例では、下階Lの建物ユニット2に対し、降雨時などに備えて、以下のような上面雨仕舞部材5を設置するようにしている。
(1)図5に示すように、ほぼ直方体状をした建物ユニット2の少なくとも上面11を着脱自在に覆う雨仕舞カバー12が設けられる。
雨仕舞カバー12は、建物ユニット2の上面11のコーナー部13またはその近傍にベルト片14を備えている。
ベルト片14は、一端部が雨仕舞カバー12に固定され、他端部が雨仕舞カバー12の外方へ延ばされる。
ここで、建物ユニット2は、6つの面を有するユニット建物の単位構造体である。建物ユニット2は、4本の柱15の上端間を4本の天井梁16で矩形状に連結し、4本の柱15の下端間を4本の床梁17で矩形状に連結してなるボックスラーメン構造のユニットフレームをその内部に、骨格部分として有している。
上面11は、建物ユニット2の上側の水平な面であり、4本の天井梁16で矩形状に形成されて、居室などの天井面となる。雨仕舞カバー12は、上面11の上に、少なくとも上面11の全面を覆うように上から設置される。
着脱自在とは、建物ユニット2の少なくとも上面11に対して、雨仕舞カバー12を取り付けたり取り外したりが、自由にできることである。なお、雨仕舞カバー12は、建物ユニット2そのものとは別の部材(機能追加部材)として形成されるので、雨仕舞カバー12の着脱によって、建物ユニット2自体の基本的な構成や機能が変化されることはない。雨仕舞カバー12の装着によって、建物ユニット2には、仮雨仕舞機能が付加される。
雨仕舞カバー12は、建物ユニット2の上面11または上部の仮雨仕舞を行うための防水性を有する薄くて柔軟なシート状物である(上面カバーまたは天井カバー)。雨仕舞カバー12には、折り畳んだり、丸めたりできる素材を使用する。雨仕舞カバー12は、上記した側面カバー6とは、別体に構成されて、側面カバー6とは、別々に取り扱われる。建物ユニット2の上部は、上面11を含む建物ユニット2の上側の部分である。建物ユニット2の上側は、建物ユニット2の高さ方向の中央よりも上となる部分である。
仮雨仕舞は、建物ユニット2の製造から建築現場への据え付け終了や建物1の完成までの間に、建物ユニット2を雨などから一時的に保護することである。よって、雨仕舞カバー12は、少なくとも下階Lの建物ユニット2に対し、出荷前に上から被せられることで使用が開始される。そして、雨仕舞カバー12は、建築現場にて上階Hの建物ユニット2の据え付け時に、下階Lの建物ユニット2から取り外されることで役目を終了し、その後、撤去、回収される。なお、上階Hの建物ユニット2の仮雨仕舞は、雨仕舞カバー12とは別の雨仕舞部材7(図4)を用いて行われる。この実施例の雨仕舞は、基本的に仮雨仕舞のことであり、建物1の完成後のユニット建物や建物ユニット2に対する恒常的な雨仕舞(本雨仕舞)は、雨仕舞カバー12とは別の手段によって行われる。
雨仕舞カバー12は、一時的なもので良いため、例えば、建築用の作業シートや、建築用の防水紙、防水フィルムなど、どのような素材のものを使用しても良い。特に、雨仕舞カバー12は、建築用の作業シートで作るのが好ましい。
建築用の作業シートは、例えば、ポリエチレンなどでできた合成樹脂シート(ポリエチレン製防水ラミネートシート)とされる。この建築用の作業シートは、防水性を有しており、安価、軽量で、しかも、丈夫で使い易いことから工事現場などで様々な用途に使われている。この作業シートは、例えば、アウトドア、レジャー、防災などの分野でも多目的シートとして様々な用途で有効に活用されているものと同じ素材でできている。
コーナー部13は、建物ユニット2の4本の柱15の上端の位置であり、その近傍は、コーナー部13の周辺の所要の範囲である。ベルト片14は、雨仕舞カバー12における、建物ユニット2のコーナー部13またはその近傍に位置する部分に設置される。
ベルト片14は、雨仕舞カバー12を取り扱い易くするための操作用部材とされる。ベルト片14は、樹脂製などのベルト素材で形成された細長い柔軟な帯状の部材とされる。ベルト片14は、建物ユニット2の高さ寸法よりも短く、取り扱い易い適度な長さとされる。ベルト片14は、例えば、建物1と、建物1の外側に組まれる足場21(の中桟21aや手すりなど、例えば、図10参照)との間の距離程度またはそれ以下の長さとするのが好ましい。
ベルト片14は、例えば、直方体状をした建物ユニット2の、矩形状の上面11における、一対の短辺11aの両端近傍となる位置に、上面11の長辺11bとほぼ平行な方向へ延びるように設けられる(図5)。
一端部は、ベルト片14における雨仕舞カバー12側の端部であり、例えば、雨仕舞カバー12の裏面(下面)または表面(上面)に縫付けられる(この実施例では表面となっている)。これにより、ベルト片14の一端部は、雨仕舞カバー12に一体的に固定される。他端部は、ベルト片14における雨仕舞カバー12とは反対側の端部である。ベルト片14は、一端部以外の部分はフリーとしても良いし、雨仕舞カバー12と重なる一端側の部分を雨仕舞カバー12に固定しても良い。なお、雨仕舞カバー12の裏面、表面(おもてめん)については後述する。
ベルト片14の他端部には、係止孔22が貫通形成される。係止孔22には補強用のハトメが取り付けられる。なお、係止孔22は、上面雨仕舞部材5の各部に適宜設けられる。
係止孔22には、例えば、雨仕舞カバー12を固定するための紐状をした結束用部材23などが取り付けられる。結束用部材23には、例えば、輸送用に用いられている荷崩れ防止用の荷締めベルトや固縛ベルトなどを使用することができる。結束用部材23は、両端部に、係止孔22へ挿入係止可能なフックを備えたものが好ましい。
結束用部材23は、様々な長さのものが複数本用意され、様々な位置に使用される。例えば、結束用部材23は、ベルト片14と建物ユニット2の下部(床梁17)との間や、ベルト片14と足場21(の中桟21aや手すり)との間などに取り付けて、上面雨仕舞部材5を固定するのに用いられる。結束用部材23による雨仕舞カバー12の固定先は、作業の状況に応じて変化される。
(2)図6の部品図、図7の使用形態図に示すように、雨仕舞カバー12は、
建物ユニット2の上面11を覆う矩形状の上面カバー部31と、
上面カバー部31の辺に突出形成された側面上部カバー部34,35と、を有しても良い。
側面上部カバー部34,35は、それぞれ建物ユニット2の側面32,33に沿って下へ曲げることで建物ユニット2の側面32,33(図5)の上部を覆うものとしても良い。
側面上部カバー部34,35は、それぞれ建物ユニット2の側面32,33に沿って下へ曲げた状態で、隣接する側面上部カバー部34,35と互いに連結、分離可能な連結部36を備えても良い。
ここで、上面カバー部31は、建物ユニット2の上面11とほぼ同じ大きさおよびほぼ同じ矩形状の部分とされて、建物ユニット2の上面11全体を覆うように、上面11に上から被せられる。
上面カバー部31の辺は、上面カバー部31の矩形状の輪郭を形成する4つの直線であり、矩形状の上面カバー部31と側面上部カバー部34,35との境界線となる。上面カバー部31の辺、または、上面カバー部31と側面上部カバー部34,35との境界線は、明確ではない場合がある。しかし、この境界線は、建物ユニット2の上面11を構成する矩形状の天井梁16とほぼ合致する位置に、上面カバー部31に対して側面上部カバー部34,35を下に曲げたときなどに折り目として出現される。
側面32,33は、建物ユニット2の周囲を構成する、4つの縦の面のことである。この実施例では、短辺11a側(妻側)の面を側面32とし、長辺11b側(桁側)の面を側面33としている。なお、側面32,33のうち、屋外側へ向いた面には、全面を塞ぐように外壁材が取り付けられる。また、室内側へ向いた面は、ほぼ全面が開口部分となる。開口部分には、開口部分の全面を塞ぐように、開口部分とほぼ同じ形状および大きさの側面カバー6が、工場などで出荷前に予め取り付けられる。側面カバー6は、透明な樹脂製の仮雨仕舞部材とされる。側面カバー6は、雨仕舞カバー12よりも先に建物ユニット2に取付けられる。
建物ユニット2の上部は、建物ユニット2の4つの側面32,33における、上下方向38の中央部よりも上側となる部分である。
側面上部カバー部34,35は、上面カバー部31の辺に沿って、辺とほぼ同じ長さで連続して延びる均一幅の帯状または短冊状をした、細長いほぼ矩形状の部材であり、雨仕舞カバー12の一部分となる。
側面上部カバー部34,35の長手方向lは、側面上部カバー部34,35が上面カバー部31の辺に沿って延びる方向である。即ち、側面上部カバー部34の長手方向lは、建物ユニット2の上面11の短辺11aが延びる方向となる。また、側面上部カバー部35の長手方向lは、建物ユニット2の上面11の長辺11bが延びる方向となる。なお、図6は、便宜的に側面上部カバー部35の長手方向lを示している。
側面上部カバー部34,35の幅方向wは、細長い側面上部カバー部34,35の長手方向lと直交する方向である。例えば、側面上部カバー部34の幅方向wは、建物ユニット2の上面11の長辺11bが延びる方向または上下方向38などに向けられる。また、側面上部カバー部35の幅方向wは、建物ユニット2の上面11の短辺11aが延びる方向または上下方向38などに向けられる。なお、図6は、便宜的に側面上部カバー部35の幅方向wを示している。
側面上部カバー部34,35は、上面カバー部31の少なくとも1つ以上の辺に設けて、建物ユニット2の少なくとも1つ以上の側面32,33の上部を覆わせるようにしても良い。また、この実施例のように、側面上部カバー部34,35は、上面カバー部31の4つの辺の全てにそれぞれ設けられて、建物ユニット2の4つの側面32,33の上部をそれぞれ覆わせるようにしても良い。
側面上部カバー部34,35は、上面カバー部31と同じ素材で形成される。側面上部カバー部34,35は、上面カバー部31と一体に形成しても良いし、別体に形成して側面上部カバー部34,35の辺に、縫製や接着などによって取り付けても良い。そして、上面カバー部31に4つの側面上部カバー部34,35を備えた雨仕舞カバー12は、拡げると、平面視ほぼ+字状をした平坦な面を有する1枚のシート状の部材となる。例えば、雨仕舞カバー12は、1枚の大判のシート状の部材を平面視ほぼ+字状となるように切断して形成しても良い。この場合、上面カバー部31と側面上部カバー部34,35とは、平面視ほぼ+字状に拡げたシート状の部材の同一の面上に存在する。
側面上部カバー部34,35の幅は、建物ユニット2の側面32,33の(上下方向38の)どの位置までを覆うかによって任意に設定できる。側面上部カバー部34,35の幅は、最大でも、建物ユニット2の高さの半分以下にする。
側面上部カバー部34,35の幅は、少なくとも、上記した外壁材の上縁部や、側面カバー6の上縁部を覆い得る寸法またはそれ以上の寸法にするのが、側面カバー6の上縁部からの雨水の入り込みを防止する上で好ましい。
例えば、側面上部カバー部34,35の幅は、構造的には、側面カバー6の上縁部に達しない寸法にすることも可能である(図8A)。しかし、側面上部カバー部34,35の幅は、側面カバー6の上縁部を越えるように延ばすことで、上縁部との間に若干の重複代が形成される程度の寸法にすることもできる(図8B)。例えば、側面上部カバー部34,35は、天井梁16の下までを覆う幅にすると、側面カバー6の上縁部との間に適度な重複代を形成することが可能となる。
これにより、建物ユニット2は、側面32,33に形成された開口部分の全面が側面カバー6で塞がれ、上面11が雨仕舞カバー12の上面カバー部31で覆われる。更に、上面カバー部31と一体の側面上部カバー部34,35を下へ曲げることで、建物ユニット2は、側面32,33の上部が側面上部カバー部34,35で覆われた状態となる。このとき、雨仕舞カバー12は、側面上部カバー部34,35が、側面カバー6の上縁部と重なって、側面カバー6の上縁部を外側から覆う。よって、上記のような幅とすることで、側面カバー6の上縁部の、開口部分の上辺に対する取り付部分を、側面上部カバー部34,35で保護することができる。
各側面上部カバー部34,35の幅は、全て同じにしても良いし、側面カバー6の有無などに合わせて側面上部カバー部34,35ごとに異ならせても良い。この実施例では、側面上部カバー部34,35は、幅を全て同じに揃えている。
また、側面上部カバー部34,35の幅は、ベルト片14の長さよりも短くなっている。または、ベルト片14は、側面上部カバー部34,35の幅よりも長くなっている。なお、ベルト片14の一端部は、上面カバー部31、側面上部カバー部34、または、上面カバー部31と側面上部カバー部34との間の境界部分のいずれかの位置に固定される。
また、側面上部カバー部34,35には、上記と同様の係止孔22が設けられても良い。係止孔22は、側面上部カバー部34,35の上面カバー部31とは反対側となる縁部周辺に設けられても良い。係止孔22は、側面上部カバー部34,35の長手方向lに沿って、単数または複数(例えば、2箇所~4箇所程度)貫通形成されても良い。係止孔22には補強用のハトメが取り付けられても良い。係止孔22は、少なくとも、長辺11b側の側面33の上部を覆う側面上部カバー部35に設けられても良い。この実施例では、係止孔22は、側面上部カバー部35に対して2箇所または3箇所設けられている。
側面上部カバー部35の係止孔22には、雨仕舞カバー12を固定するための紐状をした結束用部材23が取り付けられる。結束用部材23は、上記と同様のものであり、側面上部カバー部35と建物ユニット2の下部(床梁17)との間などに取り付けられて、上面雨仕舞部材5を建物ユニット2に固定する。
なお、側面上部カバー部35の係止孔22は、側面上部カバー部35に直接設けても良いが、側面上部カバー部35に、ハトメ付ペケット39などの紐通し片を取り付けることで、ハトメ付ペケット39に間接的に形成しても良い。
連結、分離可能は、隣接する側面上部カバー部34,35の端部どうしを、一体につなげたり(連結)、別々に分けたり(分離)できることである。
連結部36は、同じ雨仕舞カバー12の内部で、隣接する側面上部カバー部34,35の間を繋ぐことで、雨仕舞カバー12を立体的な形状に保持させる形状保持部とされる。側面上部カバー部34,35は、建物ユニット2の側面32,33の上部に沿って下へ曲げられた状態で、連結部36によって周方向に連結される。
連結部36は、少なくとも、側面上部カバー部34,35の長手方向lの両端部の位置に、両端部に沿い幅方向wに連続して延びるように取り付けられる。連結部36は、例えば、互いに接した状態で軽い力を加えるだけで比較的簡単に連結が行われる面ファスナー37などとすることができる。面ファスナー37は、離反する方向の外力を加えることで比較的簡単に分離させることができる。
面ファスナー37は、面どうしを引掛力によって直接くっつけるための柔軟な面固定部材である。面ファスナー37は、面で固定ができるので、所要の防水性を得ることができる。面ファスナー37には、表面に多数のループ部を有する第一のリボンテープ37aと、表面に多数のフック部を有する第二のリボンテープ37bとの二種類がある。面ファスナー37は、ループ部にフック部が引っ掛ることで連結が行われ、外力によってループ部からフック部を引き離すことで分離が行われる。第一のリボンテープ37aと第二のリボンテープ37bとを対にして用いることで、連結部36としての面ファスナー37が構成される。なお、上記とは反対に、第一のリボンテープ37aをフック部、第二のリボンテープ37bをループ部としても良い。
第一のリボンテープ37aと第二のリボンテープ37bとは、互いの面どうしが合わさって、ループ部にフック部が引っ掛るような位置関係または組み合わせとなるように設置される。この際、側面上部カバー部34,35の長手方向lの両端部に対し、隣接する側面上部カバー部35,34と互いに重なる重ね代を形成して、重ね代の部分に第一のリボンテープ37aと第二のリボンテープ37bを取り付けても良い。
即ち、側面上部カバー部34,35の長手方向lの両端部どうしの重ね代の対向面間の位置に対し、第一のリボンテープ37aは、どちらか一方の側にループ部が反対面の側へ向くように取り付けられる。また、第二のリボンテープ37bは、対向面間の他方の側に、第一のリボンテープ37aのループ部へフック部が向くように取り付けられる。
具体的には、例えば、側面上部カバー部34側の重ね代の裏面に第一のリボンテープ37aが取り付けられ、側面上部カバー部35側の重ね代の表面に第二のリボンテープ37bが取り付けられる。ただし、上記とは逆に、側面上部カバー部34側の重ね代の表面に第一のリボンテープ37aが取り付けられ、側面上部カバー部35側の重ね代の裏面に第二のリボンテープ37bが取り付けられるようにしても良い。
なお、側面上部カバー部34,35は、必要な場合には、中間部分に幅方向wの切込みを入れて長手方向lに複数に分断しても良い。この場合、側面上部カバー部34,35の分断された部分には、重複代を設けて、重複代に、上記した連結部36と同様の面ファスナー37を設けて互いに連結、分離可能としても良い。面ファスナー37を設けた重複代は、所要の防水性を得ることができるので、分断しても支障はない。
(3)図8Aに示すように、上面カバー部31のコーナー部またはその近傍には、開閉部41が開閉自在に設けられても良い。
ここで、上面カバー部31のコーナー部は、平面視ほぼ矩形状をした上面カバー部31の4つの角部分のことであり、建物ユニット2の上面11のコーナー部13とほぼ合致する位置である。上面カバー部31のコーナー部の近傍は、角部分の周辺の所要の範囲内のことである。
開閉部41は、開閉する部分であり、建物ユニット2の上面11における、吊金具47を取り付ける位置に設けられる。吊金具47は、建物ユニット2をクレーンなどで吊り上げるときに、クレーンのフックなどを引っ掛けるための部材である。吊金具47は、アイボルトなどとされる。吊金具47は、建物ユニット2とは、別体のものとされ、建物ユニット2に着脱される。吊金具47は、建物ユニット2に取付けたときに、開閉部41の内側に納まる長さとしても良いし(図8A)、開閉部41から外に出る長さとしても良い(図8C)。建物ユニット2には、柱15の上端部にアイボルトを取り付けるためのネジ孔が形成されている。
なお、図8A中の符号42は、クレーンのワイヤであり、ワイヤ42の先端に吊金具47を取り付けるフックが設けられている。
ワイヤ42は、例えば、建築現場で建物ユニット2を吊って基礎3に据え付ける際に、建物ユニット2に取り付けられる。具体的には、建物ユニット2の上部に取付けられた雨仕舞カバー12の開閉部41を開き、開閉部41を通して建物ユニット2の上部に吊金具47を取り付ける。そして、吊金具47にワイヤ42が取り付けられる。
なお、図8Aでは建物ユニット2の桁側(長辺11b側)の側面上部カバー部35に結束用部材23を取り付けたままの状態でワイヤ42を取り付けて建物ユニット2を吊り上げるようにしている。しかし、例えば、図8Bのように建物ユニット2の桁側の側面上部カバー部35から結束用部材23を外した後に、ワイヤ42を取り付けて、図8Cに示すように、建物ユニット2を吊り上げるようにしても良い。建物ユニット2の妻側(短辺11a側)の側面上部カバー部34またはベルト片14の結束用部材23は、吊り上げた建物ユニット2を基礎3の上に浮かせて一時的に停止した状態のときに外しても良い。
開閉部41は、上面カバー部31の両面を貫通する貫通穴部43と、この貫通穴部43に対して開閉自在となるように取り付けられた蓋形成部44とを有する(図6(c))。
この実施例では、開閉部41の蓋形成部44は、貫通穴部43から雨水が浸入し難いように上面カバー部31と同じ素材でできた筒状体とされている。筒状体は、上へ延ばすことで煙突状になって開閉部41の貫通穴部43を開き、折り畳んで上面カバー部31と面一状態にすることで貫通穴部43を塞ぐようになっている。なお、筒状の開閉部41は、中間部や上端部などに、紐や面ファスナーなどを使った筒絞り手段を備えても良い。
この実施例では、貫通穴部43は、角穴とされ、蓋形成部44は角筒状の筒状体とされている。貫通穴部43を角穴とし、蓋形成部44を角筒状の筒状体とすることにより、貫通穴部43と蓋形成部44との接合部分が直線のみとなるので、上面カバー部31に対する蓋形成部44の取り付けが容易になる。
更に、開閉部41には、蓋形成部44折り畳んで貫通穴部43を塞いだときに、蓋形成部44が上面カバー部31に密着固定されるように、面ファスナー37などの閉塞固定部45が取り付けられている。具体的には、例えば、上面カバー部31には、上面における、貫通穴部43の縁部に、第一のリボンテープ37aが取り付けられている。蓋形成部44には、上縁部(の第一のリボンテープ37aと重なる位置)に、第二のリボンテープ37bが取り付けられている。そして、貫通穴部43の縁部の第一のリボンテープ37aと、蓋形成部44の上縁部の第二のリボンテープ37bが閉塞固定部45を構成している。なお、第一のリボンテープ37aと第二のリボンテープ37bの配置は逆であっても良い。この閉塞固定部45を備えることで、開閉部41は、開閉自在となる。開閉自在は、開いた状態や閉じた状態に自由にできることである。また、閉塞固定部45を備えることで、開閉部41は、閉じたときに防水性が得られる。
なお、ベルト片14の一端部は、貫通穴部43と干渉しないように、貫通穴部43を避けた位置に取り付けられる。
(4)図7(d)に示すように、少なくとも一つの側面上部カバー部34,35の裏面には、第二連結部51を備えても良い。第二連結部51は、隣接して設置される建物ユニット2に設置された別の雨仕舞カバー12の隣り合う側面上部カバー部34,35と、上へ曲げた状態にして、互いに連結、分離可能なものとされる。
ここで、裏面は、雨仕舞カバー12の上面カバー部31を建物ユニット2の上面11の上に設置して側面上部カバー部34,35を上面カバー部31と面一な状態(水平状態)にしたときに、下へ向く面(下面)である。または、裏面は、水平な上面カバー部31に対して側面上部カバー部34,35を下へ曲げたときに、建物ユニット2の側面32,33に接する面である。反対に、表面は、雨仕舞カバー12の側面上部カバー部34,35を水平状態にしたときに、上へ向く面(上面)となる。
別の雨仕舞カバー12は、隣接して設置される建物ユニット2の上部に設置されるものである。雨仕舞カバー12と、別の雨仕舞カバー12は、基本的に同じ形状、構造のものが使用される。例えば、図9A~図9Dでは、それぞれ図の左側のものが、先に据え付けられる建物ユニット2および雨仕舞カバー12となり、図の右側のものが、(後から)隣接して設置される建物ユニット2および別の雨仕舞カバー12となっている。
別の雨仕舞カバー12の隣り合う側面上部カバー部34,35は、互いに隣接する2つの雨仕舞カバー12どうしの、最も近い位置にあって、互いに重ね合わされる側面上部カバー部34,35となるものである。隣り合う側面上部カバー部34,35となる位置は、建物ユニット2の配置の仕方によって、それぞれ異なる。
この実施例では、建物ユニット2を短辺11aの方向(建物ユニット2の妻方向)に並べて配置しているので、長辺11b側の側面上部カバー部35の少なくとも一方が、隣り合う側面上部カバー部35となる。これに対し、建物ユニット2を長辺11bの方向(建物ユニット2の桁方向)に並べて配置した場合には、短辺11a側の側面上部カバー部34の少なくとも一方が、隣り合う側面上部カバー部34となる。建物ユニット2は、妻方向、桁方向のどちらに並べても良いし、両方に並べても良い。この実施例では、隣り合う側面上部カバー部34,35が、側面上部カバー部35であるものとして説明する。
第二連結部51は、図9Eに示すように、互いに隣り合う側面上部カバー部34,35どうしを直接連結するためのカバー間連結部とされる。第二連結部51は、例えば、連結部36と同様に、面ファスナー37などとすることができる。この実施例では、例えば、一方の側面上部カバー部35の裏面に第一のリボンテープ37aが取り付けられ、他方の側面上部カバー部35の裏面に第二のリボンテープ37bが取り付けられる。なお、上記とは反対に、一方の側面上部カバー部35の裏面に第二のリボンテープ37bを取り付け、他方の側面上部カバー部35の裏面に第一のリボンテープ37aを取り付けても良い。
第二連結部51は、少なくとも、側面上部カバー部34,35の長手方向lの両端部の位置に、両端部に沿い幅方向wに延びるように、ほぼ連続して、または、不連続に取り付けられる。第二連結部51は、必要な場合には、側面上部カバー部34,35の長手方向lの中間部に設けることもできる。
なお、互いに隣り合う側面上部カバー部34,35の間は、図9D、図9E(d)に示すように、ハンドクランプ52などの外部連結具を用いて、連結固定させるようにしても良い。ハンドクランプ52は、クリップなどと同様のバネ式の留具であり、先端が閉じるように、バネによって常時付勢されている。なお、ハンドクランプ52は、第二連結部51、連結部36と重ねて使用(併用)したり、第二連結部51、連結部36に代えて使用したりすることができる。ハンドクランプ52は、例えば、同じ雨仕舞カバー12の隣り合う側面上部カバー部34,35の間の連結や、隣接する雨仕舞カバー12の隣り合う側面上部カバー部34,35の間の連結などに使用することができる。また、ハンドクランプ52は、上記以外にも、適宜雨仕舞カバー12に対して広く使用することができる。
(5)図9Bに示すように、少なくとも第二連結部51を備えた側面上部カバー部34,35は、幅方向wの中間部に、側面上部カバー部34,35の二つ折りを補助する折曲補助線部61(図6(a))を有しても良い。
ここで、幅方向wは、上記したように、側面上部カバー部34,35の幅方向wである。中間部は、側面上部カバー部34,35の幅方向wの中央部またはその周辺(例えば、中央部よりも若干縁部寄りとするのが好ましい)のことである。
側面上部カバー部34,35の二つ折りは、側面上部カバー部34,35を、幅方向wの中間部の位置で長手方向lに沿ってほぼ半分の幅に折り曲げることである。側面上部カバー部34,35は、主に、隣接する雨仕舞カバー12の側へ折り曲げられる(図9B(b)の右側,図9E(c)の左側)。なお、図9Eは、図の右側が先に据え付けられる建物ユニット2の雨仕舞カバー12、図の左側が(後から)隣接して設置される建物ユニット2の別の雨仕舞カバー12となっている。
折曲補助線部61は、側面上部カバー部34,35の二つ折りを補助することができれば、例えば、縫い目線や溶着線など、どのようなものでも良い。この実施例では、側面上部カバー部34,35の上面における、中間部の位置に対し、長手方向lに沿ってベルトなどの線状部材を縫付けることで、線状部材を折曲補助線部61としている。この線状部材は、側面上部カバー部34,35の長手方向lのほぼ両端部間を結ぶ長さを有する連続的なものとするのが好ましい。
線状部材および側面上部カバー部34,35の長手方向lの両端部には、上記と同様の係止孔22が貫通形成され、係止孔22には補強用のハトメが取り付けられても良い。
また、線状部材は、側面上部カバー部34,35を補強する補強部材としても良い。これにより、長手方向lの中間部に係止孔22を有するハトメ付ペケット39を単数または複数設ける場合に、側面上部カバー部34,35を線状部材によって有効に補強できる。また、線状部材は、ハトメ付ペケット39を直接取り付ける取付用部材などとしても使用することができる。係止孔22には、雨仕舞カバー12を固定するための紐状をした結束用部材23が取り付けられる。結束用部材23は、上記と同様のものであり、側面上部カバー部34,35と足場21(の中桟21aや手すり)との間などに取り付けられる。
上記した上面雨仕舞部材5は、以下のような上面雨仕舞方法で使用される。
(6)建物ユニット2の上面雨仕舞方法では、図5に示すように、上面雨仕舞部材5で上面11を覆った建物ユニット2は、図3に示すように、横に隣接して据え付けられる。
この際、図9A~図9D、および、図9Eにそれぞれ示すように、隣り合う上面雨仕舞部材5の隣り合う側面上部カバー部34,35どうしを上へ折り曲げて(図9A、図9E(a))、裏面どうしを合わせた状態にし(図9E(b))、
側面上部カバー部34,35の裏面に取り付けた第二連結部51を用いて互いに連結するようにしても良い(図9B(a))。
側面上部カバー部34,35は、更に、折曲補助線部61で二つ折りにされ(図9B(b)、図9E(c))、隣り合う上面雨仕舞部材5の側へ倒され(図9C(a))、結束用部材23で足場21に固定される(図9C(b))。このとき、側面上部カバー部34,35は、長手方向lの両端部や中間部などの適宜の箇所を、例えば、ハンドクランプ52などの外部連結具で連結固定しても良い(図9D、図9E(d))。
例えば、長手方向lの両端部のハンドクランプ52は、側面上部カバー部34,35に対し、長手方向lに向けて横向きに取付けても良い。また、例えば、長手方向lの中間部にハンドクランプ52を取り付ける場合、ハンドクランプ52は、側面上部カバー部34,35に対し、幅方向wに向けて縦向きに取付けても良い。側面上部カバー部34,35は、基本的に、長手方向lの両端部が、結束用部材23を介して足場21に固定される。この場合、ハンドクランプ52は、結束用部材23とほぼ同じ位置に取り付けても良い。なお、結束用部材23とハンドクランプ52とは、どちらか一方のみを取り付けるようにしても良いし、両方を併用して取り付けるようにしても良い。
(7)図11A~図13に示すように、建物ユニット2の上面雨仕舞方法では、
上面雨仕舞部材5で上面11を覆った下階Lの建物ユニット2の上方に、上階Hの建物ユニット2を一時的に浮かせた状態で保持することにより、上階Hの建物ユニット2で下階Lの建物ユニット2の上面11を覆っても良い。
この間に、上面雨仕舞部材5の上に溜まった雨水を除去しても良い。
そして、雨水の除去後に、上面雨仕舞部材5をめくって、下階Lの建物ユニット2の上に上階Hの建物ユニット2を据え付け、めくった上面雨仕舞部材5は畳んで回収しても良い。
ここで、雨水の除去は、図11Aに示すように、雨仕舞カバー12を斜めに傾けて行っても良いし、図11Bに示すように、ほうきや水切りワイパーなどの清掃具53を用いて手作業で行っても良いし、排水ポンプなどで強制的に行っても良い。雨水の除去は、図11Cに示すように、建物ユニット2の上面11に、例えば、階段スペースのための吹抜け部分54などがあって、吹抜け部分54に雨水が多量に溜まって雨仕舞カバー12が部分的に大きく下へ凹んでいる場合などに、特に必要な作業となる。この場合、清掃具53や、排水ポンプを用いる手段と、雨仕舞カバー12を斜めに傾ける手段とを併用することで、雨水の除去を効率的に行わせても良い。
なお、上面雨仕舞部材5の上に雨水が溜まっていない場合には、雨水の有無の確認のみを行えば良い。雨水の有無の確認および雨水の除去は、建物ユニット2の上面11への雨仕舞カバー12の設置後は、定期的に、例えば、15分置きなどに適宜行うようにしても良い。
隣り合う上面雨仕舞部材5の隣り合う側面上部カバー部34,35どうしが第二連結部51で連結されている場合には、上面雨仕舞部材5は、めくって隣の上面雨仕舞部材5の上に重ねて載せた後で、折り畳んで隣の上面雨仕舞部材5から分離除去する。上面雨仕舞部材5の分離と折り畳みとはどちらを先に行っても良い。めくった上面雨仕舞部材5は、例えば、ある程度小さくなるまで折り畳んでから分離すると、取り扱い易くなる。
(8)建物ユニット2の上面雨仕舞方法では、上記において、上面雨仕舞部材5は、建物ユニット2の下部に固定しておいても良い(図5)。
そして、据え付けの際に、固定先を建物ユニット2の下部から足場21に変更しても良い(図10)。
ここで、上面雨仕舞部材5の固定は、上面雨仕舞部材5に取り付けたベルト片14を用いても良いし、ベルト片14を用いずに行っても良い。上面雨仕舞部材5の固定には、結束用部材23を用いることができる。
この実施例では、図5に示すように、建物ユニット2の桁側(長辺11bの側)に対する上面雨仕舞部材5の固定は、側面上部カバー部35と桁側の床梁17との間を結束用部材23で結束して行っている。建物ユニット2の妻側(短辺11aの側)に対する上面雨仕舞部材5の固定は、側面上部カバー部34の位置から延びるベルト片14の先端と妻側の床梁17との間を結束用部材23で結束して行っている。
なお、桁側の結束用部材23は、建築現場で、建物ユニット2に吊金具47を取り付ける前に(地上で)外しても良い(図8B)。妻側の結束用部材23は、基礎3の上方に、下階Lの建物ユニット2を一時的に浮かせた状態で保持している間に(空中で)外しても良い(図8C)。
そして、基礎3に下階Lの建物ユニット2を据え付けてから、ベルト片14を直接または結束用部材23で足場21に結束する(図10)。
<作用>以下、この実施例の作用について説明する。
建物1の施工手順について説明する。
ユニット建物では、工場で建物ユニット2を製造し、製造した建物ユニット2を工場から建築現場へ搬送して、建築現場で建物ユニット2を組み立てる。この際、製造後または搬送前の保管中の建物ユニット2に対し、降雨などに備えて、上から上面11などに雨仕舞カバー12を被せて、雨仕舞カバー12を建物ユニット2に固定しておく(雨仕舞カバー取付工程)。これにより、出荷前に予め雨仕舞カバー12を備えた建物ユニット2が得られる。建物ユニット2は、上面11および上部が個別に仮雨仕舞されるので、工場などでの保管や建築現場への搬送が容易になる。
雨仕舞カバー12の建物ユニット2への固定は、ベルト片14の係止孔22や、側面上部カバー部35の係止孔22と、建物ユニット2の下部(床梁17)との間に結束用部材23を取り付けるなどして行う。そのため、雨仕舞カバー12は、建物ユニット2に簡単に取付けることができる。
この際、雨仕舞カバー12は、側面上部カバー部34,35を下へ折り曲げて建物ユニット2の側面32,33の上部に当接させるようにして上部を覆い、互いに連結部36で周方向に連結しておくようにする。これにより、雨仕舞カバー12は、立体的な形状となり、単体で立体的な形状が保持される。また、互いに隣接する側面上部カバー部34,35の間を連結部36で連結して周方向に連続させることにより、建物ユニット2のコーナー部13の防水性が高められる。そして、雨仕舞カバー12は、立体的な形状を保持したまま建物ユニット2の上部に結束用部材23で固定される。
雨仕舞カバー12は、降雨のおそれがある時や、降雨のときにのみ建物ユニット2に取り付けるようにしても良い。また、雨期などには雨天仕様として、実際の降雨の有無に拘わらず建物ユニット2に一律に雨仕舞カバー12を取付けてしまっても良い。
なお、建物ユニット2の室内側の側面32,33(例えば、側面33)に形成された開口部分には、雨仕舞カバー12よりも先に、防水性の側面カバー6が取り付けられる。そして、後から雨仕舞カバー12を取り付けることで、建物ユニット2の側面32,33と上面11とを同時に雨仕舞できると共に、先に取り付けられている側面カバー6の上縁部の周辺を、側面上部カバー部34,35で覆って保護できる。よって、開口部分の上部からの雨水の浸入を、側面カバー6と側面上部カバー部34,35とで二重に防止できる。
出荷時に、建物ユニット2は、クレーンで吊り上げてトラックに載せられ、トラックによって建築現場へ搬送される。
この際、建物ユニット2には、上面11に吊金具47が取り付けられ、建物ユニット2は、吊金具47を用いて吊り上げられる(吊具取付工程)。吊金具47は、雨仕舞カバー12の開閉部41を開き、開閉部41を通して建物ユニット2の上面11のコーナー部13に取り付ける。これにより、雨仕舞カバー12を取り付けたままの状態で、雨水の浸入を抑制、防止しながら建物ユニット2を吊り上げることができる。
建築現場では、基礎3の上に建物ユニット2を並べて設置することで建物1を構築する。この際、基礎3の上に下階Lの建物ユニット2を順に横に並べ(図3)、下階Lの上に上階Hの建物ユニット2を順に横に並べて行くようにする(図4)。
下階Lの建物ユニット2を据え付ける際(下階据付工程)には、例えば、地上で長辺11b側の結束用部材23を外し(図8B)、基礎3の上へ据え付ける直前に、吊り上げた状態にして短辺11a側の結束用部材23を外すようにしても良い(図8C)。これにより、雨仕舞カバー12の固定が解除されている時間を短くしつつ、建物ユニット2を吊り上げた状態で行うべき作業を減らすことができる。なお、吊金具47は、建物ユニット2の据え付け後に、建物ユニット2から取り外され、開閉部41は塞がれる。
基礎3への下階Lの建物ユニット2の据え付けは、基礎3の全面を上から覆うように基礎3に設置した基礎カバー4を、上に据え付ける建物ユニット2の分だけめくりながら順に行うようにする。基礎カバー4は、建物ユニット2を据え付ける箇所ごとに分離除去し得るようになっている。この際、基礎カバー4は、建物ユニット2を据え付ける箇所の上に浮かせた状態で、建物ユニット2の下の部分のみをめくるようにする。これにより、基礎3の内部へ雨水が入ることが防止される。めくった基礎カバー4は、残りの基礎カバー4から分離して、折り畳んで回収する。基礎カバー4の分離と折畳みは、どちらを先にしても良いし、同時に行っても良い。
このようにして基礎3に下階Lの建物ユニット2を1つ設置したら、その建物ユニット2の上部に被せられた雨仕舞カバー12を足場21(の中桟21aや手すり)に固定する。雨仕舞カバー12の足場21への固定には、雨仕舞カバー12を建物ユニット2に固定していた結束用部材23を外した後のベルト片14を用いる。そして、ベルト片14は、先端部を、足場21に直接固定しても良いし、短い結束用部材23などを用いて間接的に足場21にベルト片14を固定しても良い。これにより、ベルト片14が取り付けられた側面上部カバー部34,35(例えば、側面上部カバー部34)は、足場21によって保持される。そして、雨仕舞カバー12は、下階Lの建物ユニット2の上面11を上面カバー部31で覆った状態に保持される(図10)。このとき、連結部36を外すことで、雨仕舞カバー12の隣り合う側面上部カバー部34,35は、分離される。側面上部カバー部34は、ほぼ水平方向に向けられて、上面カバー部31とほぼ面一な状態になる。側面上部カバー部35は、フリーな状態になる。
そして、この建物ユニット2の横に、次の建物ユニット2を隣接して据え付ける。
隣接する建物ユニット2を据え付ける際には、雨仕舞カバー12の隣り合う側面上部カバー部34,35どうし(この実施例では、側面上部カバー部35)を、第二連結部51で互いに連結する(図9B(a))。この際、側面上部カバー部34,35は、それぞれ上へ折り曲げて(図9A(b))、側面上部カバー部34,35の裏面どうしを合わせた状態にして第二連結部51で連結する。
次に、裏面を合わせて連結した側面上部カバー部34,35を、折曲補助線部61の位置で二つ折りにして、側面上部カバー部34,35の上縁部(または外縁部)を下へ向けると共に、折り曲げた側面上部カバー部34,35の内側に隠す(図9B(b))。側面上部カバー部34,35は、隣接する雨仕舞カバー12の側へ折り曲げる。これにより、上縁部間の合わせ目の間からの雨水の浸入を防止できる。
そして、二つ折りにした側面上部カバー部34,35は、隣接する雨仕舞カバー12の側へ倒してほぼ寝かせた状態にする(図9C(a))。
更に、横へ倒してほぼ寝かせられた側面上部カバー部34,35の折曲補助線部61の両端部(に設けた係止孔22)に結束用部材23などを取り付ける(図9C(b))。そして、側面上部カバー部34,35は、折曲補助線部61に取り付けた結束用部材23を用いて足場21(の中桟21aや手すり)に固定する(図10)。これにより、側面上部カバー部34,35(例えば、側面上部カバー部35)は、折り曲げて倒した状態にて確実に保持される。
こうして、下階Lの建物ユニット2が全て基礎3に据え付けられたら、下階Lの建物ユニット2の上は、図10の状態になる。
なお、下階Lの建物ユニット2が基礎3に隣接して据え付けられたら、建物ユニット2の間に挟まれた側面カバー6は、建物ユニット2の間に隠されるため、雨仕舞の役目が終了する。そのため、図14Aに示すように、必要な場合には、建物ユニット2の内側から側面カバー6の一部に切り込み71を入れて、切り込み71を通って建物ユニット2の間を移動できるようにしても良い。切り込み71を入れた側面カバー6は、図14Bに示すように、養生テープ72などのテープで元の状態に戻しても良い。養生テープ72は、繰り返しの貼り付けに強いので、頻繁に移動する場合には、養生テープ72を使うと便宜が良い。更に、下階Lの建物ユニット2が全て基礎3に据え付けられたら、それ以後の適宜のタイミングで、側面カバー6は、図14Cに示すように、建物ユニット2の開口部分に沿ってほぼ全部を切断除去される。
更に、下階Lの建物ユニット2の上に上階Hの建物ユニット2を端から順に載せるようにして並べて行く(上階据付工程)。
その際には、図11Aに示すように、上階Hの建物ユニット2を、下階Lの建物ユニット2の上方で一時的に浮かせた状態にして保持し、上階Hの建物ユニット2で下階Lの建物ユニット2の上を覆わせる(浮上保持工程)。
その間に、まず、雨仕舞カバー12の上に溜まった雨水を除去する(水抜き工程)。例えば、下階Lの建物ユニット2の上の雨仕舞カバー12の片側を、足場21から外し、外した片側を持ち上げて雨仕舞カバー12を斜めに傾けることにより、雨仕舞カバー12の上の雨水を反対側に流下させる。雨水は、ユニット建物の屋外側へ排水する。
なお、上記した水抜きは、図11Bに示すように、雨仕舞カバー12を斜めに傾けなくても、例えば、ほうきや水切りワイパーなどの清掃具53を用いて手作業で行うこともできる。また、例えば、排水ポンプなどで強制的に吸引除去することもできる。雨仕舞カバー12を傾けた状態にして、清掃具53や排水ポンプなどを使って水抜きしても良い。
なお、上記したような雨仕舞カバー12の上からの水抜きは、上記以外にも、雨仕舞カバー12の上に雨水が溜まったとき、例えば、出荷時や、建築現場への搬送直後や、下階Lの建物ユニット2を基礎3に据え付ける直前などにも、随時行うことができる。
その後、図12、図13に示すように、水抜きを行った雨仕舞カバー12を、隣接する雨仕舞カバー12の上へめくって、めくった部分に上階Hの建物ユニット2を据え付ける。これにより、下階Lの建物ユニット2への雨水の浸入を防止しつつ、下階Lの建物ユニット2の上に上階Hの建物ユニット2が設置される。めくられた雨仕舞カバー12は、隣接する雨仕舞カバー12から分離して畳み、回収して再利用する。分離と折畳みは、どちらを先にしても良いし、同時に行っても良い(カバー除去工程)。
そして、めくった雨仕舞カバー12は、設置した上階Hの建物ユニット2とは反対の側へ引っ張って隣り合う雨仕舞カバー12の上に重ねるようにする。このとき、側面上部カバー部34,35は、隣り合う雨仕舞カバー12の側面上部カバー部34,35と連結されて、二つ折り状態となって横向きに寝かされている。そのため、雨仕舞カバー12は、側面上部カバー部34,35が寝ている方向(建物ユニット2の隣接方向)にめくると、連結されている側面上部カバー部34,35は、分離し易くなる。
めくった雨仕舞カバー12は、例えば、反対側(折り返した反対側)から折り畳んで行くようにする。雨仕舞カバー12は、畳み終わったら、隣り合う雨仕舞カバー12から分離して回収する。ただし、雨仕舞カバー12の畳み方は、上記に限るものではない。
めくった雨仕舞カバー12の分離回収後は、図13(b)に示すように、寝かせた側面上部カバー部34,35を起こして折曲補助線部61が外へ出るように上記とは反対側へ二つ折りにする。そして、二つ折りにした側面上部カバー部34,35は、上階Hの建物ユニット2の側へ傾けてまたは寄せて、その建物ユニット2の側面33の下部に添って斜めに立ち上がった状態にする。この状態で側面上部カバー部34,35が撓むようであれば、更に、結束用部材23を用いて側面上部カバー部34,35を足場21へ固定することで、側面上部カバー部34,35を張った状態に保たせる。これにより、上階Hの建物ユニット2の側面33の下部が側面上部カバー部34,35によって雨水から保護される。
以後は、上階Hの建物ユニット2が全て据え付けられて、建物1が構築されるまで、上記を繰り返す。これにより、降雨時であっても、支障なく建物ユニット2の搬送、据え付けを行うことが可能となる。そのため、天候悪化による施工中止や延期をなくして、ユニット建物の生産効率を向上することができる。
<効果>この実施例によれば、以下のような効果が得られる。
(効果 1)建物ユニット2の上面雨仕舞部材5では、直方体状をした建物ユニット2の少なくとも上面11を着脱自在に覆う雨仕舞カバー12が設けられても良い。この雨仕舞カバー12は、建物ユニット2の上面11のコーナー部13またはその近傍にベルト片14を備えても良い。ベルト片14は、一端部が雨仕舞カバー12に固定され、他端部が雨仕舞カバー12の外方へ延びても良い。
これにより、建物ユニット2は、出荷時に予め、雨仕舞カバー12を上面11に取り付けることで、上面11に対する雨仕舞機能を備えたものとなる。
そして、ベルト片14は、雨仕舞カバー12の操作用部材として様々に使うことで、雨仕舞カバー12の取扱性を向上できる。
即ち、例えば、ベルト片14は、建物ユニット2に雨仕舞カバー12を被せるときに、ハンドリング用の持ち手として使用できる。よって、ベルト片14は、雨仕舞カバー12を建物ユニット2に被せ易くする補助部となる。
また、ベルト片14は、建物ユニット2の建築現場への搬送時に、雨仕舞カバー12を建物ユニット2に固定して外れないようにするのに使用される。また、ベルト片14は、建物ユニット2を建築現場に据え付けた後で、雨仕舞カバー12を足場21に固定するのに使用される。
更に、ベルト片14は、下階Lの建物ユニット2の上に上階Hの建物ユニット2を設置する際にも、以下のようにして使用される。この際、上階Hの建物ユニット2は、吊り上げて、下階Lの建物ユニット2の上空に間隔を有して浮かせた状態にして一時的に保持される。そして、上階Hの建物ユニット2により下階Lの建物ユニット2の上を覆わせて、下階Lの建物ユニット2を雨水から保護する。
この状態で、ベルト片14を持って、雨仕舞カバー12の、片側を持ち上げることで、雨仕舞カバー12の上に溜まった雨水を排水するのに使用される。
その後、ベルト片14を使って雨仕舞カバー12を操作することで、雨仕舞カバー12は、めくって建物ユニット2の上から取り除いたり、取り除いた後で畳み易くしたりするのに使用される。
よって、ベルト片14を備えることで、雨仕舞カバー12は、建物ユニット2に対する着脱や固定がし易くなり、また、建物ユニット2へ雨水が入り込まないようにしつつ、建物ユニット2からめくるのが容易となる。
そして、ベルト片14を備えた雨仕舞カバー12は、建物ユニット2の上面11や上部を覆える程度の大きさおよび形状にすることで、大掛かりになり過ぎず、製造の手間やコストも削減でき、取り扱い易くなる。
(効果 2)建物ユニット2の上面雨仕舞部材5では、雨仕舞カバー12は、建物ユニット2の上面11を覆う矩形状の上面カバー部31と、上面カバー部31の辺に突出形成された側面上部カバー部34,35とを有しても良い。側面上部カバー部34,35は、建物ユニット2の側面32,33に沿って下へ曲げることで建物ユニット2の側面32,33の上部を覆うものとしても良い。側面上部カバー部34,35は、それぞれ建物ユニット2の側面32,33に沿って下へ曲げた状態で、隣接する側面上部カバー部34,35と互いに連結、分離可能な連結部36を備えても良い。
これにより、上面カバー部31で建物ユニット2の上面11を覆い、下へ曲げた側面上部カバー部34,35で建物ユニット2の側面32,33の上部を覆うことができる。そのため、建物ユニット2の上面11や側面32,33の上部からの雨水の浸入を防止することができる。
この際、隣接する側面上部カバー部34,35どうしは、建物ユニット2の側面32,33に沿って下へ曲げた状態で連結部36によって連結することができる。すると、側面上部カバー部34,35は、建物ユニット2の側面32,33の上部に沿った立体的な形状となり、この形状で自己保持される。
例えば、側面上部カバー部34,35を上面カバー部31の4つの全ての辺に設けた場合には、下へ曲げて互いに連結した側面上部カバー部34,35が、建物ユニット2の側面32,33の上部に沿った形状で周方向に連続される。そして、連結された側面上部カバー部34,35は、建物ユニット2の側面32,33の上部に、全周をほぼ隙間なく覆った状態で保持される。
よって、一枚の平面的な雨仕舞カバー12が、下への曲げと連結とによって建物ユニット2の上面11と側面32,33の上部とに沿った立体的な形状になって保持される。そのため、雨仕舞カバー12は、建物ユニット2の上部のほぼ全体を有効に覆うことができる。また、雨仕舞カバー12は、風などで建物ユニット2から外れ難くなる。そして、雨仕舞カバー12は、建物ユニット2の上部に対する防水性も高められる。
また、側面上部カバー部34,35は、建物ユニット2の側面32,33に形成された開口部分を塞ぐように取り付けられた別の雨仕舞シート(側面カバー6)の上縁部を覆い得る幅を有しても良い。そのため、側面上部カバー部34,35は、側面カバー6の上縁部を保護すると共に、上縁部からの雨水の入り込みを防止することができる。
(効果 3)建物ユニット2の上面雨仕舞部材5では、上面カバー部31のコーナー部13またはその近傍には、開閉部41が開閉自在に設けられても良い。
そのため、雨仕舞カバー12は、上面カバー部31の開閉部41を開くことで、雨仕舞カバー12を外さずに吊金具47を外部から開閉部41を通して建物ユニット2の上面11に着脱できる。よって、雨仕舞カバー12を取り付けたままの状態で、建物ユニット2を濡らさずに吊ることができる。
(効果 4)建物ユニット2の上面雨仕舞部材5では、少なくとも一つの側面上部カバー部34,35は、裏面に第二連結部51を備えても良い。第二連結部51は、隣接して設置される建物ユニット2に設置された別の雨仕舞カバー12の隣り合う側面上部カバー部34,35と、上へ曲げた状態にして、互いに連結、分離可能なものとされる。
そして、雨仕舞カバー12と隣接する別の雨仕舞カバー12は、隣り合う側面上部カバー部34,35を上へ曲げた状態にして裏面どうしを合わせることで、第二連結部51によって連結される。これにより、第二連結部51は、雨仕舞カバー12どうしを横に繋いで一体化し、建物ユニット2間への雨水の浸入を防止し易くすることができる。また、隣接する雨仕舞カバー12の隣り合う側面上部カバー部34,35どうしを連結することで、二つの側面上部カバー部34,35は一緒に操作し得るようになる。
(効果 5)建物ユニット2の上面雨仕舞部材5では、少なくとも第二連結部51を備えた側面上部カバー部34,35は、幅方向wの中間部に、側面上部カバー部34,35の二つ折りを補助する折曲補助線部61を有しても良い。
このように、第二連結部51で連結して重ね合わせた側面上部カバー部34,35を、折曲補助線部61によって二つ折りにすることで、連結した側面上部カバー部34,35は、間からの雨水の浸入を防止できるようになる。即ち、二つ折りにすることで、連結された側面上部カバー部34,35は、上端部が下を向くと共に、倒すことで上端部が内側に隠されるので、上端部の間を長手方向lに沿って直接繋いだりシールしたりしなくても良くなる。
また、折曲補助線部61は、側面上部カバー部34,35に対する補強効果も期待できる。そして、折曲補助線部61は、例えば、端部(の係止孔22)に結束用部材23を取り付けることで、足場21などに固定したり、結束用部材23を持って側面上部カバー部34,35を操作したりできるようになる。
また、例えば、折曲補助線部61に取り付けた結束用部材23を持って側面上部カバー部34,35を操作することができる。これにより、上階Hの建物ユニット2を据え付けるために、雨仕舞カバー12をめくった後に、雨仕舞カバー12や隣接する雨仕舞カバー12を取り扱い易くできる。また、折曲補助線部61に結束用部材23を取り付けて操作することで、隣接する雨仕舞カバー12の側面上部カバー部34,35を上に持ち上げる操作が容易にできるようになる。そして、上記操作により、上階Hの建物ユニット2の側面32,33の下部を覆った状態で足場21などに固定して、上階Hの建物ユニット2と側面上部カバー部34,35との間からの雨水の浸入を防止させることも容易になる。
(効果 6)建物ユニット2の上面雨仕舞方法では、上面雨仕舞部材5で上面11を覆った建物ユニット2は、横に隣接して据え付けられる。この際、隣り合う上面雨仕舞部材5の隣り合う側面上部カバー部34,35どうしを上へ折り曲げて裏面どうしを合わせた状態にし、側面上部カバー部34,35の裏面に取り付けた第二連結部51を用いて互いに連結する。そのため、隣り合う上面雨仕舞部材5の隣り合う側面上部カバー部34,35どうしを、第二連結部51を用いて互いに容易に連結して上面雨仕舞部材5を一体化し、連結した上面雨仕舞部材5によって隣接する建物ユニット2の間を雨仕舞することができる。
(効果 7)建物ユニット2の上面雨仕舞方法では、上面雨仕舞部材5で上面11を覆った下階Lの建物ユニット2の上方に、上階Hの建物ユニット2を一時的に浮かせた状態で保持することにより、上階Hの建物ユニット2で下階Lの建物ユニット2の上面11を覆う。この際、上面雨仕舞部材5の上に溜まった雨水を除去する。その後に、上面雨仕舞部材5をめくって、下階Lの建物ユニット2の上に上階Hの建物ユニット2を据え付け、めくった上面雨仕舞部材5は畳んで回収する。そのため、上階Hの建物ユニット2を一時的に雨仕舞に用いることで、下階Lの建物ユニット2への雨水の浸入を防止することができる。その間に、上面雨仕舞部材5の上に溜まった雨水を除去することで、上面雨仕舞部材5をめくる際に、上面雨仕舞部材5の上の雨水の、下階Lの建物ユニット2への侵入をなくすことができる。そして、下階Lの建物ユニット2の上面11から上面雨仕舞部材5を効率的に除去して、回収することができる。
(効果 8)建物ユニット2の上面雨仕舞方法では、上記において、上面雨仕舞部材5は、建物ユニット2の下部に固定しておく。そして、据え付けの際に、固定先を建物ユニット2の下部から足場21に変更する。そのため、建物ユニット2の据え付けの前後において、据え付け作業を妨げないようにしつつ、建物ユニット2の上面11に上面雨仕舞部材5を確実に保持し続けさせて、建物ユニット2の上面11を上面雨仕舞部材5で継続的に雨仕舞させることができる。
以下、図15~図16を用いて、この実施例について説明する。
上記実施例では、隣接する建物ユニット2が同じ大きさで、隣接方向と直交する方向(建物ユニット2の妻方向または桁方向)に位置を揃えて設置され、上面雨仕舞部材5を、下階Lの建物ユニット2の1つ分の大きさだけ一度に全部めくるようにしていた。
しかし、ユニット建物には、隣接する建物ユニット2の大きさが互いに異なる場合がある。また、ユニット建物には、隣接する建物ユニット2が、隣接方向と直交する方向に対し位置をズラして設置される場合がある。更に、ユニット建物には、例えば、下階Lの建物ユニット2よりも、その上に載置する上階Hの建物ユニット2の方が小さい場合など、上下で大きさが異なる場合がある。その他にも、ユニット建物には、様々なパターンがある。
この実施例は、このような様々な状況に対応したものである。
ユニット建物は、例えば、図15(a)のように、下階Lに、比較的大型の建物ユニット2Aと、比較的小型の建物ユニット2Bとを、妻方向に並べて設置したものとなっている。2つの建物ユニット2A,2Bは、桁方向の一側が揃えられ、桁方向の他側がズレた状態になっている。なお、2つの建物ユニット2A,2Bは、桁方向の両側をズラすことで全体的にオフセットさせても良い。
そして、図15(b)のように、下階Lの比較的大型の建物ユニット2Aの上には、一側に建物ユニット2Aよりも小型のバルコニーユニットCを設置し、他側の残りの部分に上階Hの建物ユニット2Dを設置している。また、下階Lの比較的小型の建物ユニット2Bの上に、建物ユニット2Bと同じ大きさの上階Hの建物ユニット2Eを設置している。上階Hの2つの建物ユニット2D,2Eは、同じ大きさとしても良いし、異なる大きさとしても良い。
その他にも、例えば、図15(c)の変形例に示すように、ユニット建物の下階Lは、比較的大型の下階Lの建物ユニット2Aに代えて、比較的小型の建物ユニット2Fを、建物ユニット2Bに対し全体的に他側へズラして設置しても良い。建物ユニット2Fは建物ユニット2Bと同じ大きさとしても良いし、異なる大きさとしても良い。この場合、下階Lの建物ユニット2Fの一側は、バルコニーユニットCの下側を何もない空間にしても良い。または、バルコニーユニットCの下側の部分に、仮想線で示すように、バルコニーユニットCと同じ大きさの更に小型の別の建物ユニット2Gを設置しても良い。
以下、図15(a)(b)のユニット建物の例を主にして説明する。
2つの上階Hの建物ユニット2D,2Eは、どちらを先に設置しても良いが、例えば、建物ユニット2Aの上のもの(建物ユニット2D)から先に設置する。この場合、下階Lの建物ユニット2Aの一側の上にバルコニーユニットCを設置し、他側の残りの部分の上に建物ユニット2Dを設置し、最後に、下階Lの建物ユニット2Bの上に上階Hの建物ユニット2Eを設置する手順としても良い。
図16(a)に示すように、下階Lに比較的大型の建物ユニット2Aが設置されている場合、その上面11の雨仕舞カバー12(上面雨仕舞部材5)は、バルコニーユニットCの下側全体を覆う位置まで延びている。また、建物ユニット2Aに代えて比較的小型の建物ユニット2Fのみを設置した場合、バルコニーユニットCの下側の空間には、雨仕舞カバー12は存在しない。そして、建物ユニット2Fと小型の別の建物ユニット2Gとを組み合わせて設置した場合には、バルコニーユニットCの下側には、小型の別の建物ユニット2Gに合った大きさの雨仕舞カバー12が設置される。即ち、下階Lの状況によって、雨仕舞カバー12の設置状況は、様々に異なる。
そこで、便宜的に、雨仕舞カバー12は、バルコニーユニットCの下側以外となる他側の部分をカバー部81とし、バルコニーユニットCの下側となる一側の部分をカバー部82とする。カバー部81とカバー部82は、それぞれ、上面カバー部31、側面上部カバー部34,35を適宜備えることができる。
まず、比較的大型の建物ユニット2Aの場合、雨仕舞カバー12は、カバー部81とカバー部82とが連続した一体の一枚物になる。また、建物ユニット2Fのみの場合には、雨仕舞カバー12は、カバー部81のみのものとなり、カバー部82は存在しない。そして、建物ユニット2Fと小型の別の建物ユニット2Gとを組み合わせた場合には、雨仕舞カバー12は、建物ユニット2Fの上のカバー部81と、建物ユニット2Gの上のカバー部82とが別々になって二枚となる。二枚の雨仕舞カバー12は、隣接する側面上部カバー部34が第二連結部51によって互いに桁方向に連結される。
なお、比較的大型の建物ユニット2Aの場合にも、状況によっては、雨仕舞カバー12は、カバー部81とカバー部82との二枚に分けて、隣接する側面上部カバー部34を第二連結部51で桁方向に連結したものを使用しても良い。
そして、基礎3に下階Lの建物ユニット2Aと、建物ユニット2Bとを据え付けた後には、それぞれの上に雨仕舞カバー12が互いに隣接するように設置されている。互いに隣接する雨仕舞カバー12は、隣接する側面上部カバー部35どうしが第二連結部51で連結され、二つ折りにして、建物ユニット2Bの雨仕舞カバー12の上に寝かせた状態になっている。側面上部カバー部35は、上階Hの後から設置される建物ユニット2Eの側に寝かせられる。このとき、下階Lの建物ユニット2Aの上の雨仕舞カバー12は、カバー部81とカバー部82とが一体の状態になっている。
上記の状態で、建物ユニット2Aの一側の上にバルコニーユニットCを設置する。この場合、建物ユニット2Aの雨仕舞カバー12は、例えば、一部(カバー部82)をめくって、同じ雨仕舞カバー12の残りの部分(カバー部81)の上に重ねて載せるようにしても良い。
即ち、まず、建物ユニット2Aの一側の上にバルコニーユニットCを吊り上げて、バルコニーユニットCを一時的に浮かせた状態にする。このとき、雨仕舞カバー12は、カバー部82のみを、隣接方向と直交する方向(桁方向の他側)にめくって、カバー部81の上に載せる。
そして、建物ユニット2Aの一側の上へバルコニーユニットCを設置する。建物ユニット2Aの一側の上へのバルコニーユニットCの設置後には、図16(b)に示すように、めくった部分(カバー部82)をバルコニーユニットCの上に被せて、ハンドクランプ52で留める。カバー部82は、一側の端部を折り返してハンドクランプ52で留めてバルコニーユニットCの上に寝かせても良い。また、図16(c)に示すように、カバー部82は、バルコニーユニットCの立ち上がった鋼板部分にハンドクランプ52で上から留めても良い。これにより、バルコニーユニットCと建物ユニット2A(または建物ユニット2F)との間の防水を行わせる。
また、建物ユニット2Fと小型の別の建物ユニット2Gの組み合わせとした場合も、上記と同様にしても良い。あるいは、カバー部82がカバー部81と別体になっている場合には、カバー部82は、カバー部81と分離することができる。そのため、カバー部82は、カバー部81の上で折り畳んで分離除去しても良い。また、カバー部82は、カバー部81から分離して、隣接する建物ユニット2Bの側にめくり、建物ユニット2Bの上でそのまま折り畳んで除去しても良い。または、カバー部82は、カバー部81から分離して、一側へめくって除去し折り畳むようにしても良い。
カバー部82をカバー部81から分離除去した場合、および、建物ユニット2Fのみとした場合には、カバー部82がないので、バルコニーユニットCの上に被せてハンドクランプ52で留めたり、バルコニーユニットCの上に被せたりするのは、カバー部81の側面上部カバー部34となる。
そして、上記したように、カバー部82を、他側のカバー部81の上にめくる際には、建物ユニット2Bの雨仕舞カバー12の側面上部カバー部35は、カバー部82の側面上部カバー部35と隣接する一側の部分のみを、連結状態から分離する。
分離した(建物ユニット2Bの雨仕舞カバー12の)側面上部カバー部35の一側の部分は二つ折りにしてハンドクランプ52で留めて、建物ユニット2Bの側に寝かせるようにする。建物ユニット2Bの雨仕舞カバー12の側面上部カバー部35における、他側の残りの部分は、建物ユニット2Bの雨仕舞カバー12の上に寝かせた状態のままにする。
なお、図16(b)における、ハンドクランプ52を示す三角の図形は、ハンドクランプ52を留める位置と、留める向きを示している。側面上部カバー部34,35は、少なくとも両端部をハンドクランプ52で留められるが、必要に応じて、中間部を留めても良い。
また、特に図示しないが、側面上部カバー部34,35は、必要に応じて、中間部で分断しても良い。これにより、側面上部カバー部34,35は、分断した両側の部分を別々の状態に取り扱うことが可能になる。例えば、図16(b)では、建物ユニット2Bの雨仕舞カバー12の側面上部カバー部35は、バルコニーユニットCと上階Hの建物ユニット2Dとの境界の位置で二つに分断しても良い。これにより、建物ユニット2Bの雨仕舞カバー12は、側面上部カバー部35の一側の部分のみを、バルコニーユニットCに沿わせたり、バルコニーユニットCの立ち上がり部分などに被せたり、バルコニーユニットCの上に寝かせたりすることが可能になる。側面上部カバー部35の一側の部分は、ハンドクランプ52で適宜留めることができる。
なお、分断した側面上部カバー部35には、重複代を設けて、重複代に、上記した連結部36と同様の面ファスナー37を設けて互いに連結、分離可能としても良い。面ファスナー37を設けた重複代は、連結したときに所要の防水性を得ることができる。
その後は、建物ユニット2Aの他側の部分の上に上階Hの建物ユニット2Dを設置する。この際、上階Hの建物ユニット2Dを吊り上げて、建物ユニット2Aの他側の部分の上で一時的に浮かせた状態にする。そして、図16(d)に矢印で示す方向に、カバー部81を隣接方向(建物ユニット2Bの側)にめくって、建物ユニット2Bの上面11の雨仕舞カバー12の上に載せる。これにより、上記実施例と同様に、下階Lの建物ユニット2Aへの雨水の浸入を防止しつつ、下階Lの建物ユニット2Aの他側の部分の上に上階Hの建物ユニット2Dが設置される。そして、建物ユニット2Bの上面11の雨仕舞カバー12から、カバー部81を分離し、折り畳んで回収する。
最後に、建物ユニット2Bの上に上階Hの建物ユニット2Eを設置する。この際、上階Hの建物ユニット2Eを吊り上げて、建物ユニット2Bの上で一時的に浮かせた状態にする。そして、図16(e)に矢印で示す方向に、建物ユニット2Bの雨仕舞カバー12をめくり、建物ユニット2Bの上に上階Hの建物ユニット2Eを設置する(図15(b))。めくった建物ユニット2Bの雨仕舞カバー12は、折り畳んで回収する。
以上により、隣接する建物ユニット2A,2Bの大きさの違いや、建物ユニット2A,2Bのオフセット配置などがあっても、上記実施例と同様に、下階Lの建物ユニット2A,2Bの仮雨仕舞が可能になる。また、下階Lの建物ユニット2A,2Bと上階Hの建物ユニット2D,2EやバルコニーユニットCなどとの大きさの違いなどがあっても、下階Lの建物ユニット2A,2Bの仮雨仕舞が可能になる。
即ち、上記した建物ユニット2の上面雨仕舞部材5および上面雨仕舞方法によれば、隣接する建物ユニット2A,2Bが、異なる大きさであってもほぼ適用することが可能となる。また、下階Lの建物ユニット2A,2Bを、隣接方向と直交する方向に位置をズラしてオフセット配置にした場合でもほぼ適用が可能である。また、下階Lの建物ユニット2A,2Bよりも、その上に載置する上階Hの建物ユニット2D,2EやバルコニーユニットCが小さい場合、上面雨仕舞部材5は、下階Lの建物ユニット2A,2Bの1つ分の大きさよりも小さくめくるようにする。これにより、上記とほぼ同様に、下階Lの建物ユニット2A,2Bの一部を雨仕舞できる。なお、この実施例は、結束用部材23による足場21への固定や、第二連結部51による相互連結や、上面からの雨水の除去や、固定先の変更などについても、実施例1と同様に行うことができる。
以下、図17~図20を用いて、この実施例および変形例について説明する。
上記した各実施例では、図6に示すような上面雨仕舞部材5を使用していた。しかし、上記各実施例に対し、この実施例の上面雨仕舞部材5(図17、図20)を適宜使用しても良い。これにより、上記各実施例と同様の作用効果が得られる。
そして、この実施例の上面雨仕舞部材5では、図17(b)に示すように、上面雨仕舞部材5に、(雨仕舞カバー12の)折り畳みを補助するための芯部材91を取り付けても良い。
または、雨仕舞カバー12は、折り畳みの基準となる芯部材91を有しても良い。芯部材91は、雨仕舞カバー12の裏面側(下面となる側)に取り付けても良い。
芯部材91は、雨仕舞カバー12の折り畳み後の幅とほぼ等しい幅と、上面カバー部31の長辺とほぼ同じかそれよりも若干短い長さとを有する帯板状のものとしても良い。この実施例では、芯部材91は、上面カバー部31の一対の長辺側の縁部に沿ってそれぞれ一対取り付けられている。芯部材91は、開閉部41に達しない長さとしても良い。
芯部材91は、所要の厚みと柔軟性とを有する樹脂製の平らな部材によって形成しても良い。芯部材91は、短手方向には折れ曲がり難く、長手方向に沿って丸めることが可能なものとしても良い。芯部材91は、例えば、二枚の平面シートの間に波状の中芯を挟み込んで一体化したプラスチックダンボールなどで形成しても良い。芯部材91は、プラスチックダンボールの中芯を、中芯の波が繰り返す方向を長手方向に向け、中芯の波が延びる方向を短手方向に向けた状態で設置しても良い。
芯部材91は、縫製や溶着などによって雨仕舞カバー12に取り付けられる。芯部材91は、少なくとも、上面カバー部31の縁部の位置に、縁部に沿って取り付けられる。
このような芯部材91を備えることにより、雨仕舞カバー12は、芯部材91を取り付けた部分がしっかりするので、折り畳み易いものになる。
例えば、図18(a)に示すように、雨仕舞カバー12は、建物ユニット2の上部からめくった後、隣接する建物ユニット2の雨仕舞カバー12の上に拡げて載せられ、裏返しの状態に重ねられる。この状態から、図18(b)に矢印で示すように、めくった雨仕舞カバー12を、隣接する建物ユニット2の雨仕舞カバー12から分離して、半折りにする。
更に、図19(a)(b)に順に示すように、雨仕舞カバー12は、半折りを繰り返して行き、最終的に芯部材91とほぼ同じ幅にする。上面カバー部31の長辺の縁部に芯部材91があることで、雨仕舞カバー12は、半折りが容易になる。
そして、図19(c)(d)に順に示すように、芯部材91とほぼ同じ幅に畳まれた雨仕舞カバー12を、端から巻き取るようにして折り畳んで行く。芯部材91は、雨仕舞カバー12と共に、巻くように折り畳むことができる。
最後に、巻くようにして折り畳んだ雨仕舞カバー12を、結束用部材23などで縛って固定する。
即ち、雨仕舞カバー12を順次半折にして行き、芯部材91の幅程度となったら、芯部材91の長手方向に丸めたり、縛ったりする。これにより、雨仕舞カバー12を所定の形状に折り畳むことが可能になる。この際、雨仕舞カバー12が芯部材91を備えることで、雨仕舞カバー12は、より容易に、より素早くきれいに折り畳むことが可能となる。よって、雨仕舞カバー12は、降雨時の建築現場でも、短時間でコンパクトに整然と畳めるので、回収時の輸送スペース、回収後の保管スペースも少なくて済み、後日の畳み直しも不要になる。そのため、雨仕舞カバー12を折り畳む手間および時間の削減と、雨仕舞カバー12の回収の手間の削減と、雨仕舞カバー12の再利用し易さの向上などを図ることができる。なお、上記した折り畳み方は、図6の雨仕舞カバー12にも適用できる。
更に、雨仕舞カバー12には、側面上部カバー部34,35に、別の芯部材92を取り付けても良い。別の芯部材92は、芯部材91とほぼ同じ長さとされて、芯部材91とほぼ平行に側面上部カバー部34,35に設置されても良い。別の芯部材92は、雨仕舞カバー12の裏面側(下面となる側)に取り付けても良い。別の芯部材92は、縫製や溶着などによって雨仕舞カバー12に取り付けても良い。別の芯部材92は、芯部材91と同じ素材(プラスチックダンボールなど)で形成して、中芯の波の向きを同じに揃えて設置しても良い。
この実施例では、別の芯部材92は、長辺側の側面上部カバー部35に取り付けている。更に、別の芯部材92は、長辺側の側面上部カバー部35に対し、折曲補助線部61の両側に分けて、一対取り付けても良い。この場合、別の芯部材92の幅は、側面上部カバー部35の幅のほぼ半分以下となる。
このように、別の芯部材92を備えることにより、側面上部カバー部34,35は、別の芯部材92によって、重さが若干増し、また、形状もしっかりして崩れ難くなり、風などによるめくれも生じ難くなる。よって、側面上部カバー部34,35は、雨仕舞カバー12を建物ユニット2の上に設置したときに、自重によって建物ユニット2の側面32,33の上部に沿って垂下した状態に維持され易くなる。また、自重によって連結部36の連結が自然に生じることなども期待できる。そのため、連結部36を手作業で連結する必要性が小さくなるので、連結部36の連結ミスや、連結忘れにも強くなる。
また、側面上部カバー部34,35は、折曲補助線部61で二つ折りにした際に、別の芯部材92によって、側面上部カバー部34,35の形状を保持し易くなる。よって、側面上部カバー部34,35の部分からの雨水の浸入をより効果的に防止できる。また、別の芯部材92によって、側面上部カバー部34,35の厚みが増すので、ハンドクランプ52による固定が容易かつ確実になり、固定後の防水効果も高くなる。
また、上面雨仕舞部材5では、図17(a)に示すように、雨仕舞カバー12の表面側(上面となる側)に、作業スペースの目印となる枠線部93を形成しても良い。
この作業スペースは、建物ユニット2の上面11に載って作業する際の安全領域を示すものである。枠線部93は、作業スペースを囲う線であり、閉じた図形となる。
この枠線部93は、雨天時でも目立つように明色系の色(例えば、黄色や白など)に着色されたテープや塗料などで形成しても良い。枠線部93は、蛍光色などとしても良い。
この枠線部93は、上面カバー部31における、側面上部カバー部34,35との境界線から所要距離だけ離れた内側の位置に、境界線に沿って平面視ほぼ矩形状に形成される。この実施例では、枠線部93は、芯部材91よりも内側の位置に形成されている。
この枠線部93によって、雨天時に建物ユニット2の上面11で高所作業を行う際の、安全性が高い領域を可視化することができる。そのため、この枠線部93の内側で作業を行うように注意喚起することによって、作業の安全を高めることができる。また、芯部材91よりも内側となる位置に枠線部93を形成することで、作業時に芯部材91が踏み潰され難くなるので、芯部材91を保護することができる。
図20は、上面雨仕舞部材5の変形例である。この変形例では、上記したように、上面雨仕舞部材5を一部だけめくるようにして使用する場合に、めくる部分(カバー部82)と、それ以外の部分(カバー部81)とに対して、芯部材91および枠線部93をそれぞれ別々に分けて形成したものとなっている。なお、別の芯部材92については、分けても良いし、分けなくても良い。図では、別の芯部材92は、カバー部81からカバー部82にかけて連続した状態で繋げて設けられている。
これらの構成により、例えば、上記実施例における、比較的大型の下階Lの建物ユニット2Aの上に設置するのに適した、大型の上面雨仕舞部材5を得ることができる。この実施例の上面雨仕舞部材5では、芯部材91および枠線部93は、少なくともどちらか一方を備えていれば良い。
1 建物
2 建物ユニット
5 上面雨仕舞部材
6 側面カバー(別の雨仕舞シート)
11 上面
12 雨仕舞カバー
13 コーナー部
14 ベルト片
21 足場
31 上面カバー部
32 側面
33 側面
34 側面上部カバー部
35 側面上部カバー部
36 連結部
41 開閉部
47 吊金具
51 第二連結部
61 折曲補助線部
w 幅方向
L 下階
H 上階

Claims (7)

  1. 直方体状をした建物ユニットの少なくとも上面を着脱自在に覆う雨仕舞カバーを有し、
    該雨仕舞カバーは、
    前記建物ユニットの前記上面を覆う矩形状の上面カバー部と、
    該上面カバー部の辺に突出形成された側面上部カバー部と、を有しており、
    前記側面上部カバー部は、前記建物ユニットの側面に沿って下へ曲げることで前記建物ユニットの前記側面の上部を覆うものとされ、
    前記雨仕舞カバーは、前記建物ユニットの前記上面のコーナー部またはその近傍にベルト片を備えており、
    該ベルト片は、一端部が前記雨仕舞カバーに固定され、他端部が前記雨仕舞カバーの外方へ延びていることを特徴とする建物ユニットの上面雨仕舞部材。
  2. 直方体状をした建物ユニットの少なくとも上面を着脱自在に覆う雨仕舞カバーを有し、
    該雨仕舞カバーは、
    前記建物ユニットの前記上面を覆う矩形状の上面カバー部と、
    該上面カバー部の辺に突出形成された側面上部カバー部と、を有しており、
    前記側面上部カバー部は、前記建物ユニットの側面に沿って下へ曲げることで前記建物ユニットの前記側面の上部を覆うと共に、
    前記建物ユニットの前記側面に形成された開口部分を塞ぐように取り付けられた別の雨仕舞シートの上縁部を覆い得る幅を有していることを特徴とする建物ユニットの上面雨仕舞部材。
  3. 請求項1または請求項2に記載の建物ユニットの上面雨仕舞部材であって、
    前記雨仕舞カバーは、隣接する前記側面上部カバー部と互いに連結、分離可能な連結部を備えていることを特徴とする建物ユニットの上面雨仕舞部材。
  4. 請求項2に記載の建物ユニットの上面雨仕舞部材であって、
    前記上面カバー部のコーナー部またはその近傍には、開閉部が開閉自在に設けられていることを特徴とする建物ユニットの上面雨仕舞部材。
  5. 請求項1または請求項2に記載の上面雨仕舞部材で上面を覆った建物ユニットを、横に隣接して据え付け、
    隣り合う前記上面雨仕舞部材の隣り合う側面上部カバー部どうしを上へ折り曲げて裏面どうしを合わせた状態にし、前記側面上部カバー部の裏面に取り付けた第二連結部を用いて互いに連結することを特徴とする建物ユニットの上面雨仕舞方法。
  6. 請求項1または請求項2に記載の上面雨仕舞部材で上面を覆った下階の建物ユニットの上方に、上階の建物ユニットを一時的に浮かせた状態で保持することにより、上階の前記建物ユニットで下階の前記建物ユニットの前記上面を覆い、
    前記上面雨仕舞部材の上に溜まった雨水を除去した後に、
    前記上面雨仕舞部材をめくって、下階の前記建物ユニットの上に上階の前記建物ユニットを据え付け、めくった前記上面雨仕舞部材は畳んで回収することを特徴とする建物ユニットの上面雨仕舞方法。
  7. 請求項1または請求項2に記載の上面雨仕舞部材は、建物ユニットの下部に固定しておき、据え付けの際に、固定先を前記建物ユニットの下部から足場に変更することを特徴とする建物ユニットの上面雨仕舞方法。
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