JP2023044588A - 乗物内装装置 - Google Patents

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Tanabejinichi
生佳 伊藤
Takayoshi Ito
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【課題】乗物内装装置の汎用性の向上を図る。【解決手段】乗物の内部に設けられ、湿度の変化より電力を発生する湿度発電素子5を備える乗物内装装置1を提供する。従来の発電方式では、設置場所の制限を生じやすく、汎用性が低いものとなっていたが、湿度発電素子5は、湿度変化を生じるのであれば設置場所が制限されず、高い汎用性を有する。また、湿度の変化は、自然発生的であり、他の用途もないので、不要となるエネルギーの有効利用による省エネルギー化を実現する。乗物は、乗員が乗降することで湿度の増減が生じるので、特に、湿度発電素子5は、効率的に発電を行うことができる。【選択図】図1

Description

本発明は、乗物内装装置に関する。
乗物のシートの表皮にペルチェ素子を構成する熱電変換素子を織り込んで、温度差を利用して発電を行う発電装置が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
特開2017-50958号公報
しかしながら、上記従来技術は、乗物のシートの表皮に熱電変換素子を織り込む構造であるため、乗物の適用箇所が制限され、汎用性が低いことが問題であった。
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、乗物内装装置の汎用性の向上を図ることである。
以上の課題を解決するため、請求項1に記載の発明は、乗物内装装置であり、
乗物の内部に設けられ、湿度の変化より電力を発生する湿度発電素子を備えることを特徴とする。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の乗物内装装置において、
前記湿度発電素子は、乗員の有無により湿度変化を生じる位置に設けられていることを特徴とする。
請求項3に記載の発明は、請求項2に記載の乗物内装装置において、
前記湿度発電素子は、乗員が接する面に通じる位置に設けられていることを特徴とする。
請求項4に記載の発明は、請求項2又は請求項3に記載の乗物内装装置において、
前記湿度発電素子は、乗員のシートに設けられていることを特徴とする。
請求項5に記載の発明は、請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の乗物内装装置において、
前記湿度発電素子は、
大気開放された開放槽と、密閉された閉鎖槽と、前記開放槽と前記閉鎖槽とを仕切るイオン交換膜と、前記開放槽及び前記閉鎖槽に入れられた潮解性無機塩水溶液と、前記開放槽と前記閉鎖槽のそれぞれに格納された電極とを備え、前記開放槽からの水分の吸収と放出とにより発電を行うことを特徴とする。
請求項6に記載の発明は、請求項1から請求項5のいずれか一項に記載の乗物内装装置において、
前記湿度発電素子は、乗物の内部に設けられた電装部品に電力を供給することを特徴とする。
請求項7に記載の発明は、請求項6に記載の乗物内装装置において、
前記湿度発電素子から充電が行われる第1バッテリーを備え、
前記第1バッテリーから前記電装部品に電力を供給することを特徴とする。
請求項8に記載の発明は、請求項7に記載の乗物内装装置において、
湿度以外のエネルギーから発電を行う他の発電素子を備え、
前記第1バッテリーは、前記他の発電素子からも充電が行われることを特徴とする。
請求項9に記載の発明は、請求項1から請求項8のいずれか一項に記載の乗物内装装置において、
湿度以外のエネルギーから発電を行う他の発電素子と、
前記湿度発電素子が供給する電力の不足を前記他の発電素子が補う協調制御を行う第1協調制御部とを備えることを特徴とする。
請求項10に記載の発明は、請求項7又は請求項8に記載の乗物内装装置において、
前記第1バッテリーが供給する電力の不足を乗物の各部に電力を供給する第2バッテリーが補う協調制御を行う第2協調制御部を備えることを特徴とする。
請求項1に記載の発明によれば、湿度の変化より電力を発生する湿度発電素子を有するので、設置を自在に行うことが可能な汎用性の高い乗物内装装置を提供することが可能となる。
請求項2に記載の発明によれば、湿度発電素子が乗員の有無による湿度変化に応じて効率的な発電を行うことが可能となる。
請求項3に記載の発明によれば、乗員が接する面に通じる位置に湿度発電素子が設けられたことにより、より効率的な発電が可能となる。
請求項4に記載の発明によれば、シートに設けられた湿度発電素子は、より顕著な湿度変化により、より効率的な発電が可能となる。
請求項5に記載の発明によれば、周囲の湿度による潮解性無機塩水溶液の濃度変化に基づくイオンの移動を利用しているため、より大きな電流値での良好な発電が可能となる。
請求項6に記載の発明によれば、湿度発電素子が乗物の内部に設けられた電装部品に電力を供給する場合、電装部品の電源確保の容易化、配線の不要化を図ることが可能となる。
請求項7に記載の発明によれば、発電により得られる電力を第1バッテリーに貯えるので、発電電力を高い効率で利用することが可能となる。
請求項8に記載の発明によれば、第1バッテリーは、他の発電素子からも充電が行われるので、より多くの電力を確保することが可能となる。
請求項9に記載の発明によれば、湿度発電素子が供給する電力の不足を他の発電素子が補う協調制御を行う第1協調制御部を備えるので、電装部品のより安定的な動作を実現することが可能となる。
請求項10に記載の発明によれば、第1バッテリーが供給する電力の不足を第2バッテリーが補うので、電装部品のより安定的な動作を確保することが可能となる。
乗物内装装置の概略構成を示すブロック図である。 湿度発電素子の概略的な断面図である。 シートの斜視図である。 ドアの斜視図である。 車室内における運転席としてのシートの周辺の斜視図である。 シートの各所に湿度発電素子を設置する場合のシート内の断面図を示す。 シートの各所に湿度発電素子を設置する場合のシート内の断面図を示す。 シートの各所に湿度発電素子を設置する場合のシート内の断面図を示す。 シートの各所に湿度発電素子を設置する場合のシート内の断面図を示す。
[乗物内装装置の概略]
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。ただし、以下に述べる実施形態には、本発明を実施するために技術的に好ましい種々の限定が付されているが、本発明の技術的範囲を以下の実施形態および図示例に限定するものではない。
以下に示す発明の実施の形態は、湿度の変化によって発電を行う湿度発電素子により電力を供給して各種の電装部品を作動させる乗物内装装置であって、乗物の内部の各所に設置することが可能である。
以下に示す乗物内装装置を適用する乗物は、船舶、飛行体、車両等、人間が搭乗して移動を行うあらゆる乗物を含むが、本実施形態では、車両、特に、自動車に乗物内装装置1を適用する場合を例示する。
図1は乗物内装装置1の概略構成を示すブロック図である。図1のように、乗物内装装置1は、主に車内で使用される電装部品4と、湿度の変化により電力を発生する湿度発電素子5と、湿度以外のエネルギーを利用して発電を行う第2発電素子61と、湿度発電素子5及び第2発電素子61の発電により充電が行われる第1バッテリー62と、電装部品4への電力供給を制御する電源回路63と、乗物内装装置1の各構成の制御を行うコントローラ7と、ハーネス103を接続するコネクタ64とを有する。
また、乗物内装装置1は、ハーネス103を介して、外部の構成である第2バッテリー101(自動車の車載バッテリー)と、自動車の各部の主要な制御を行う上位の制御装置102(例えば、自動車の全体的な制御装置であるECU:Electronic Control Unit等)とに接続されている。
なお、乗物内装装置1は、複数の湿度発電素子5から電力を得る構成としてもよいし、複数の電装部品4に電力を供給する構成としてもよいし、その両方であってもよい。
[湿度発電素子]
湿度発電素子5は、湿度の変化により発電を行うものであれば特に制限はないが、発電電流量、発電効率の性能面から、国立研究開発法人産業技術総合研究所によって開発された、潮解性材料と塩分濃度差発電を組み合わせた湿度変動電池を利用することが好ましい。湿度変動電池は、https://www.aist.go.jp/aist_j/press_release/pr2021/pr20210602/pr20210602.htmlに詳細が説明されている。
図2は、上記湿度変動電池からなる湿度発電素子5の概略的な断面図である。図示のように、湿度発電素子5は、その本体容器51が、開口部521により外部に大気開放された開放槽52と外部に対して密閉された閉鎖槽53とを有し、開放槽52と閉鎖槽53とは、イオン交換膜54により仕切られている。
そして、開放槽52及び閉鎖槽53には、潮解性無機塩水溶液として水と潮解性を有するリチウム塩からなる電解液が充填されており、開放槽52と閉鎖槽53のそれぞれの内側には電極55,56が配置されている。
上記構成により、湿度発電素子5は、低湿度環境にさらされると、開放槽52からは水分が蒸発して濃度が上昇する一方、閉鎖槽53は密閉されているため濃度変化は生じない。これによって開放槽52は、閉鎖槽53より濃度が高くなり、イオン交換膜54を通じてイオンの移動が生じ、電極55-56間に電圧が発生する。
また、湿度発電素子5は、高湿度環境にさらされると、リチウム塩の潮解性により開放槽52内の水溶液が空気中の水分を吸収して濃度が減少する。これにより、開放槽52は、閉鎖槽53より濃度が低くなり、イオン交換膜54を通じて先程とは逆向きのイオンの移動が生じ、逆極性の電圧が発生する。
周囲の湿度変化による電圧の発生状態は、一定時間継続するので、少なくとも、湿度が常に一定に保たれる場所ではない環境、好ましくは一日の間に湿度の変化が生じ得る環境に湿度発電素子5を配置することで、湿度上昇時と湿度低下時との双方において発電を行うことができる。
なお、開放槽52の開口部521は、電解液の漏出を防止するために、水蒸気を透過し、液体を透過しない高分子膜や中空糸膜で覆ってもよい。
[湿度発電素子の設置例(1):シート]
湿度発電素子5の好適な設置例について説明する。図3はシート10の斜視図である。図3に示すように、シート10は、人の臀部及び大腿部を支持するシートクッション11と、下端部がシートクッション11に支持されて背もたれとなるシートバック12と、シートバック12の上端部に設けられて人の頭部を支持するヘッドレスト13と、シートバック12の側端部に設けられたアームレスト14とを備える。
シートクッション11は、骨格となるシートクッションフレームと、シートクッションフレーム上に設けられたクッションパッドと、シートクッションフレーム及びクッションパッドを被覆する表皮と、から主に構成されている。また、シートクッション11の左右側端部には、着座者のホールド性を高めるために膨出する土手部が形成されている。
シートバック12は、骨格となるシートバックフレームと、シートバックフレーム上に設けられたクッションパッドと、シートバックフレーム及びクッションパッドを被覆する表皮と、から主に構成されている。また、シートバック12の左右側端部には、着座者のホールド性を高めるために膨出する土手部が形成されている。
ヘッドレスト13は、下方に突出してシートバック12の上端部に挿入支持されたヘッドレストピラー131と、ヘッドレストピラー131における上部の周囲に設けられたクッションパッドと、ヘッドレストピラー131の上部及びクッションパッドを被覆する表皮と、を備えている。
シート10の底部には、シートクッション11を前後方向にスライドさせるスライド機構を有する図示しないベース体を備えており、当該ベース体の左右両側には、樹脂製の側面カバー15が設けられている(左側のみ図示)。
上記シート10に湿度発電素子5を設置する場合、設置個所は、シートに着座する乗員が接触、さらには、密接する面又は当該面に通じる位置とすることが好ましい。例えば、ヘッドレスト13の場合には、その前面部であって乗員の頭部が接触する範囲である。複数の湿度発電素子5を設ける場合には、上下又は左右に並べてもよい。また、湿度発電素子5は、前面中央部に配置してもよい。
また、シートバック12の場合には、その前面部であって乗員の背中から腰部が接触する範囲である。この場合も、複数の湿度発電素子5を設ける場合には、上下又は左右に並べてもよい。また、湿度発電素子5は、前面中央部に配置してもよい。
また、シートクッション11の場合には、その上面部であって乗員の臀部から大腿部が接触する範囲である。この場合、複数の湿度発電素子5を設ける場合には、前後又は左右に並べてもよい。また、湿度発電素子5は、上面中央部に配置してもよい。
また、アームレスト14の場合には、その上面部や下面部であって乗員の腕や手が接触する範囲である。
これらの設置個所は、昼夜或いは運転時(使用時)と駐車時(非使用時)との間で、湿度差が生じやすく、湿度発電素子5による効率的な発電が期待できる。
[湿度発電素子の設置例(2):ドア]
図4はドア20の斜視図である。ドア20は、車室30(図5参照)の外側に配置された不図示のドアスキンと車室30の内側に配置されたドアインナパネル21とを接合して閉断面形状に形成されたドアパネルと、ドアパネルに開口する窓22の下方に配置され、ドアインナパネル21の車室30の内側に固定された例えば樹脂材料からなるドアライニング23と、窓22を開閉するウインドウガラス24とを備えている。ウインドウガラス24は、不図示の電動ウインドウレギュレータによって昇降し、窓22の開閉を行う。
ドアライニング23の上面部には、前後方向に長尺な電装部品4としてのライト41が設けられている。また、ドアライニング23の前側上部には、ドアロックユニット25が車室30の内側に臨むように配置されている。ドアライニング23の下部には、上方に開口するドアポケット26が設けられている。
ドアライニング23の上下方向の中間部には、前後方向に延在するアームレスト27が設けられている。このアームレスト27の後端部は、乗員(例えば、運転者)の肘が載置される肘置き271となっている。また、アームレスト27の前後方向における中間部には、アームレストポケット272が設けられている。
アームレスト27の前端部には、各種の車両装備の操作を行う電装部品4としてのタッチパネル式のスイッチ42が設けられている。
また、ドアライニング23におけるアームレスト27の上側には、液晶ディスプレイからなる電装部品4としての表示装置43が車室30の内側を向いて設けられている。
上記ドア20に湿度発電素子5を設置する場合、設置個所は、車室30内の雰囲気に曝気されやすい位置とすることが好ましい。例えば、ドアライニング23の上面部、側面部、アームレスト27の上面部に湿度発電素子5を設置することが好ましい。
これらの設置個所も、昼夜或いは運転時と駐車時との間で、湿度差が生じやすく、湿度発電素子5による効率的な発電が期待できる。
[湿度発電素子の設置例(3):車室各部]
図5は車室30内における運転席としてのシート10の周辺の斜視図である。
車室30において湿度発電素子5を設置する場合も、設置個所は、車室30内の雰囲気に曝気されやすい位置や乗員が接触する箇所とすることが好ましい。
例えば、車室30の運転席前側のインストルメントパネル31の上面部及び前面部、ハンドル32の外周部、ルーフ33の下面部等が湿度発電素子5の設置個所として好適である。
ハンドル32に湿度発電素子5を設ける場合には、エアバックやスイッチの設置個所を避けることが好ましい。
また、ルーフ33がルーフウインドウを有する場合には当該ルーフウインドウに湿度発電素子5を設置してもよい。
これらの設置個所も、昼夜或いは運転時と駐車時との間で、湿度差が生じやすく、湿度発電素子5による効率的な発電が期待できる。
また、車室30内に限らず、自動車の濃度変化を生じ得るあらゆる場所に湿度発電素子5を設置してもよい。例えば、エンジンの排気経路にも湿度発電素子5を設けることができる。エンジンの排気経路は、車両の運転時と駐車時において湿度が大きく変動するので、湿度発電素子5は、効率的な発電を行うことができる。
[湿度発電素子の設置構造]
図3~図5の各設置個所における湿度発電素子5の好適な設置構造について説明する。図6~図9は、シート10各所に湿度発電素子5を設置する場合のシート10内の断面図を示す。
湿度発電素子5は、乗員が接する面に通じる配置として、例えば、図6及び図7に示すように、シート10のシートクッション11、シートバック12又はヘッドレスト13を構成するクッションパッド16に形成された凹部161に、開口部521を外側に向けた状態で湿度発電素子5を格納し、表皮17で凹部161及び湿度発電素子5を覆う。表皮17は、少なくとも開口部521に面する部分が通気性を有する繊維素材やメッシュ又は多数の小孔を有する構造とする。
また、湿度発電素子5から乗物内装装置1の本体側に延びる配線のハーネス57は、図6に示すように、クッションパッド16の裏面側に貫通する貫通孔162を通しても良いし、図7に示すように、表皮17の下側に設けられた溝163を通してもよい。
また、湿度発電素子5は、乗員が接する面に通じる配置として、例えば、図8及び図9に示すように、クッションパッド16の裏面側に凹部161を形成し、凹部161から表面側(乗員に接する面)に貫通する複数の通気孔164を設け、開口部521が各通気孔164に直面するように凹部161内に湿度発電素子5を格納してもよい。この場合、表皮17は、少なくとも各通気孔164に面する部分が通気性を有する繊維素材やメッシュ又は多数の小孔を有する構造とする。
この構造によれば、湿度発電素子5の設置個所とそれ以外の箇所でのシート10の着座時の感触の差がほとんどなくなり、良好な座り心地を維持することができる。
この場合、湿度発電素子5から延びる配線のハーネス57は、開口部521からクッションパッド16の裏面側に配置することができる。
図8に示すように、自動車に乗員D(図8参照)が搭乗すると、人体が発する湿気が表皮17を通じて湿度発電素子5の開口部521から侵入し、開放槽52の湿度が上昇する。これにより、一方の電極55の電位が上昇し、発電が行われる(図6、図7の場合も同様)。
また、図9に示すように、自動車から乗員Dが降りると、表皮17を通じて水分が蒸発し、開放槽52の湿度が低下する。これにより、他方の電極55の電位が上昇し、前述と逆極性で発電が行われる(図6、図7の場合も同様)。
なお、図6~図9に示す設置構造は、シート10のシートクッション11、シートバック12又はヘッドレスト13以外のクッションや表皮を有さない位置にも適用可能である。その場合、クッションパッド16に替えて、設置個所の構成材料に湿度発電素子5を格納する凹部や湿度発電素子5をはめ込む開口部を設け、表皮17に替えて、表面材やカバー材で湿度発電素子5の開口部521側を覆う。この場合も表面材やカバー材は、開口部521に面する部分が通気性を有する繊維素材やメッシュ又は多数の小孔を有する構造とすればよい。
[電装部品]
乗物内装装置1は、電力によって作動する多種多様なデバイスを電装部品4として有する。電装部品4としては、前述したライト41、スイッチ42、表示装置43に加えて、圧力センサ、無線通信装置、送風ブロア、ヒータ等のように低電力で作動するものが含む構成とする。なお、これらは、電装部品4の一部の例示に過ぎず、乗物に搭載可能なあらゆる電力消費デバイスを対象とすることができる。
ライト41は、光源とその駆動回路等から構成される。光源としては、LED等の発光素子が好ましい。
スイッチ42は、例えば、タッチパネル式のディスプレイを有する入力電装部品である。スイッチ42のディスプレイには、自動車の窓の開閉、エアコンの各種設定、シートのスライド機構の入力操作等を行うためのスイッチのアイコンが表示され、タッチ操作によってスイッチとして機能する。なお、スイッチ42は、タッチパネル式のディスプレイに限らず、アナログスイッチを複数有するスイッチパネルで構成してもよい。
表示装置43は、各種情報の表示を行うもので、液晶ディスプレイ等の低電力で作動するものが好ましい。
圧力センサは、シート10に人が着座したことを検出するためのセンサであり、感圧素子やマイクロスイッチ等を有する。例えば、シートクッションフレームの内部やその下側に配置される。
無線通信装置は、上位の制御装置102のような外部の制御装置と無線通信を行うためのデバイスである。例えば、無線通信装置は、他の電装部品に併設され、当該他の電装部品の出力を外部の制御装置に送信し、あるいは、外部の制御装置から他の電装部品に向けられた制御指令や送信情報を受信して当該他の電装部品に入力する。
送風ブロアは、モータとファンと筐体を有し、モータがファンを回転させると、筐体内に取り込んだ空気を所定方向に吹き出して、人間に冷却風を送風することができる。
ヒータは、通電により発熱する電熱線や発熱体を有し、発熱により人間の近接部位を温めることができる。熱源に加えて送風ブロアを有する構成として、温風を所定方向に送風する構成としてもよい。
[第1バッテリー]
第1バッテリー62は、湿度発電素子5及び後述する第2発電素子61による発電に基づく電力を蓄える。第1バッテリー62としては、2次電池やキャパシタ等の再利用可能なものが好ましい。2次電池としては、ニッケル・カドミウム蓄電池、ニッケル・水素蓄電池、リチウムイオン二次電池、リチウムイオンポリマー二次電池、ナトリウムイオン電池等が挙げられる。
[第2発電素子]
第2発電素子61は、湿度発電素子5と協働して乗物内装装置1の電力供給源となる。なお、湿度発電素子5が電装部品4に対して十分な電力供給能力がある場合には、第2発電素子61を乗物内装装置1に搭載しなくともよい。
第2発電素子61は、余剰となる何らかのエネルギーの有効活用を行うための、いわゆる環境発電技術に属する発電を行う素子である。例えば、太陽光等の光エネルギーを利用した発電、排熱を利用した熱エネルギーを利用した発電、振動エネルギーを利用した発電、風力を利用した発電、温度差を利用する発電等を行うことが可能な発電素子が第2発電素子61として利用される。
[電源回路]
電源回路63は、湿度発電素子5や第2発電素子61の発電により生じた電力を第1バッテリー62に蓄える充電機能、湿度発電素子5や第2発電素子61或いは第1バッテリー62から電装部品4に対して電流、電圧を調整して電力の供給を行う機能、外部の第2バッテリー101から電装部品4に対して電力の供給を行う機能を有する回路等を含む。
また、上記各機能は、コントローラ7の制御に基づいて行われる。
[コントローラ]
コントローラ7は、CPU(Central Processing Unit)、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)を備え、乗物内装装置1の各部の制御及び処理を実行することができる。
上記コントローラ7は、電源回路63を通じて湿度発電素子5及び第2発電素子61から第1バッテリー62に充電を行う充電制御、電源回路63を通じて湿度発電素子5と第2発電素子61又は第1バッテリー62から電装部品4に電力を供給する電力供給制御等を主に行う。
また、コントローラ7は、上記制御に関連して、第1協調制御部71及び第2協調制御部72を備えている。これらは、コントローラ7が所定のプログラムを実行することにより実現する機能的構成だが、コントローラ7に併設された回路等のハードウェアで構成してもよい。
コントローラ7は、原則として、湿度発電素子5又は第2発電素子61の発電時には、その電力を第1バッテリー62に充電し、電装部品4には、第1バッテリー62から電力を供給するよう電源回路63を制御する。
そして、コントローラ7は、第1バッテリー62の充電量を監視し、満充電時又はバッテリー残量が所定量以下となる僅少時には、湿度発電素子5と第2発電素子61から電装部品4に対して直接的に電力供給を行うよう電源回路63を制御する。
第1協調制御部71は、上述のように、湿度発電素子5と第2発電素子61から電装部品4に対して直接的に電力供給を行う場合に、湿度発電素子5による供給電力の不足を第2発電素子61が補うように、電源回路63による協調制御を行う。
即ち、第1協調制御部71は、湿度発電素子5単独により電力供給を行っている場合の電装部品4への電流又は電圧を電源回路63から検出し、その検出値が規定値よりも低い場合に、第2発電素子61からも電力を供給するよう電源回路63を制御する。
第2協調制御部72は、上述のように、第1バッテリー62のバッテリー残量が僅少であって、湿度発電素子5及び第2発電素子61による電力供給が不十分な場合に、不足する電力を外部の第2バッテリー101から補足的に供給するように、電源回路63による協調制御を行う。
即ち、第2協調制御部72は、第1バッテリー62のバッテリー残量が僅少のために湿度発電素子5及び第2発電素子61により電力供給を行っている場合の電装部品4への電流又は電圧を電源回路63から検出し、その検出値が規定値よりも低い場合に、第2バッテリー101からも電力を供給するよう電源回路63を制御する。
[発明の実施形態における技術的効果]
以上のように、乗物内装装置1は、自動車の内部に設けられ、湿度の変化より電力を発生する湿度発電素子5を備えるので、自動車に搭載される電装部品4によるエネルギー消費を湿度発電素子5が賄うことで、省エネルギー化を図ることが可能となる。
さらに、湿度発電素子5は、周囲の湿度が変化する雰囲気にさらされれば発電可能であるため、設置個所や設置構造の制限が少なく、汎用性の向上を図ることが可能となる。
また、乗物内装装置1の湿度発電素子5は、例えば、車室30内のように、乗員の有無により湿度変化を生じる位置に設けられているので、乗員から生じる湿度上昇と乗員が去った後の湿度低下とを発電に利用することができ、効率的な発電を行うことが可能となる。
特に、湿度発電素子5が、図6~図9のように、乗員Dが接する面に通じる位置に設けられている場合には、乗員によって湿度が変化する雰囲気が直接的に湿度発電素子5に達するので、効率的な発電を行うことが可能となる。
また、湿度発電素子5をシート10に設けた場合、乗員Dからより近い位置に配置することができ、乗員から生じる湿度上昇と乗員が去った後の湿度低下とがより顕著に生じるので、さらに効率的な発電を行うことが可能となる。
また、湿度発電素子5が、周囲の湿度変化により生じる開放槽52及び閉鎖槽53に入れられた潮解性無機塩水溶液の濃度差によるイオンの移動に基づいて発電を行うので、より大きな電流値で発電を行うことが可能となり、電源供給を行う電装部品4の適用範囲を拡大し、さらに汎用性の高い乗物内装装置1を提供することが可能となる。
また、乗物内装装置1では、湿度発電素子5が自動車の内部に設けられた電装部品4に電力を供給している。従って、自動車内部に各種の電装部品4を設置する場合に電源の確保が容易となり、電装部品4のレイアウト性の向上を図ることが可能となる。また、これに伴い、電装部品4の対象とするデバイスの種類の対象を拡大させることが可能となる。
また、乗物内装装置1は、湿度発電素子5から充電が行われる第1バッテリー62を備え、当該第1バッテリー62から電装部品4に電力を供給するので、非発電時にも電力供給が可能となる。
また、電装部品4の作動により電力が消費されている場合に限らず、湿度変化が生じている間は、定常的に発電及び充電を行うことができ、発電効率をさらに向上させることが可能となる。
また、湿度発電素子5による発電がおこなわれていない場合にも第1バッテリー62から電装部品4に電力を供給することが可能となる。
また、乗物内装装置1は、第1バッテリー62が第2発電素子61からも充電が行われるので、発電量が増加し、より多くの電力を確保することが可能となる。
また、乗物内装装置1は、湿度発電素子5が供給する電力の不足を第2発電素子61が補う協調制御を行う第1協調制御部71を備えるので、湿度発電素子5のみでは定常的に一定の電力を供給できない場合でも、電装部品4のより安定的な動作を確保することが可能となる。
また、乗物内装装置1は、第1バッテリー62が供給する電力の不足を自動車の各部に電力を供給する第2バッテリー101が補う協調制御を行う第2協調制御部を備えるので、第1バッテリー62が定常的に一定の電力を供給できない場合でも、電装部品4のより安定的な動作を確保することが可能となる。
[その他]
なお、上記実施形態では、各種の電装部品4として自動車の内装品を例示したが、これに限定されず、乗物内装装置1は、車室外に装備される電装部品にも電力を供給してもよい。
また、湿度発電素子5の配置は、乗員が乗り込むスペースに限定されず、駆動系等の格納スペース等に配置しても良い。
また、乗物内装装置1が備える湿度発電素子の発電方式は、図2の構成に基づく湿度発電素子5に限定されず、湿度の変化により発電可能な他の方式の湿度発電素子を備える構成としてもよい。
また、湿度発電素子5や第2発電素子61の発電により車載バッテリーである第2バッテリー101に充電を行ってもよい。その場合、第1バッテリー62は、乗物内装装置1から省略してもよい。
1 乗物内装装置
4 電装部品
41 ライト(電装部品)
42 スイッチ(電装部品)
43 表示装置(電装部品)
5 湿度発電素子
51 本体容器
52 開放槽
521 開口部
53 閉鎖槽
54 イオン交換膜
55,56 電極
57 ハーネス
7 コントローラ
10 シート
20 ドア
30 車室
61 第2発電素子(他の発電素子)
62 第1バッテリー
63 電源回路
101 第2バッテリー
102 上位の制御装置
103 ハーネス
D 乗員

Claims (10)

  1. 乗物の内部に設けられ、湿度の変化より電力を発生する湿度発電素子を備えることを特徴とする乗物内装装置。
  2. 前記湿度発電素子は、乗員の有無により湿度変化を生じる位置に設けられていることを特徴とする請求項1に記載の乗物内装装置。
  3. 前記湿度発電素子は、乗員が接する面に通じる位置に設けられていることを特徴とする請求項2に記載の乗物内装装置。
  4. 前記湿度発電素子は、乗員のシートに設けられていることを特徴とする請求項2又は請求項3に記載の乗物内装装置。
  5. 前記湿度発電素子は、
    大気開放された開放槽と、密閉された閉鎖槽と、前記開放槽と前記閉鎖槽とを仕切るイオン交換膜と、前記開放槽及び前記閉鎖槽に入れられた潮解性無機塩水溶液と、前記開放槽と前記閉鎖槽のそれぞれに格納された電極とを備え、前記開放槽からの水分の吸収と放出とにより発電を行うことを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の乗物内装装置。
  6. 前記湿度発電素子は、乗物の内部に設けられた電装部品に電力を供給することを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか一項に記載の乗物内装装置。
  7. 前記湿度発電素子から充電が行われる第1バッテリーを備え、
    前記第1バッテリーから前記電装部品に電力を供給することを特徴とする請求項6に記載の乗物内装装置。
  8. 湿度以外のエネルギーから発電を行う他の発電素子を備え、
    前記第1バッテリーは、前記他の発電素子からも充電が行われることを特徴とする請求項7に記載の乗物内装装置。
  9. 湿度以外のエネルギーから発電を行う他の発電素子と、
    前記湿度発電素子が供給する電力の不足を前記他の発電素子が補う協調制御を行う第1協調制御部とを備えることを特徴とする請求項1から請求項8のいずれか一項に記載の乗物内装装置。
  10. 前記第1バッテリーが供給する電力の不足を乗物の各部に電力を供給する第2バッテリーが補う協調制御を行う第2協調制御部を備えることを特徴とする請求項7又は請求項8に記載の乗物内装装置。
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