JP2023042346A - ポリウレタンエラストマー用組成物、及びポリウレタンエラストマー - Google Patents
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Abstract
【課題】硬化により、軟質であり、伸長性及び復元性に優れるポリウレタンエラストマーを形成することができる組成物を提供する。【解決手段】本開示のポリウレタンエラストマー用組成物は、下記式(1)で表される基を1分子中に3個以上有し、水酸基あたりの平均分子量が1000以上、2000以下である化合物を含むポリオール化合物(A)と、ポリイソシアネート化合物(B)を含む。下記式(1)中、nは2~6の整数を示し、mは6~20の整数を示す。【化1】TIFF2023042346000011.tif42159【選択図】なし
Description
本開示は、ポリウレタンエラストマー用組成物、及び前記ポリウレタンエラストマー用組成物を用いて得られるポリウレタンエラストマーに関する。
ポリウレタンエラストマーは、各種工業用ロール、シール材料、コンベヤ用ベルト、医療用機器、靴底、タイヤ、衝撃吸収材、スポーツ・レジャー用品等に幅広く使用されている。
前記ポリウレタンエラストマーは、ポリオール化合物、ポリイソシアネート化合物、及び硬化剤を含むポリウレタンエラストマー用組成物を熱硬化させて得られる。近年、より柔らかな質感のポリウレタンエラストマーが求められており、下記方法[1][2]によって、実現できることが知られている。
[1]ジイソノニルフタレート等の可塑剤を添加する方法
[2]高分子量化したポリオール化合物を使用する方法
[1]ジイソノニルフタレート等の可塑剤を添加する方法
[2]高分子量化したポリオール化合物を使用する方法
しかし、前記方法[1]では、夏場にポリウレタンエラストマー中の可塑剤がブリードアウトし易いことが問題であった。
また、前記方法[2]として、特許文献1には、数平均分子量が1500~5000の変性ポリテトラメチレンエーテルグリコールを使用することが記載されている。
しかし、変性ポリテトラメチレンエーテルグリコール等のポリエーテルポリオールを使用して得られるポリウレタンエラストマーは、引張強度が2MPa程度であり、機械的強度が低いという欠点があった。
また、本発明者等は、前記変性ポリテトラメチレンエーテルグリコールのような高分子量のジオールを使用すると、得られるポリウレタンエラストマーは軟質化して伸びやすくなる(すなわち、伸長性が向上する)が、前記高分子量のジオール由来のソフトセグメントは架橋密度が低下するため結晶化し易くなり、伸ばすと元に戻りにくくなる(すなわち、復元性が低下する)ことが分かった。
従って、本開示の目的は、硬化により、軟質であり、伸長性及び復元性に優れるポリウレタンエラストマーを形成することができる組成物を提供することにある。
本開示の他の目的は、軟質であり、且つ伸長性及び復元性に優れるポリウレタンエラストマーを提供することにある。
本開示の他の目的は、軟質であり、且つ伸長性及び復元性に優れるポリウレタンエラストマーを提供することにある。
本発明者等は、上記課題を解決するため鋭意検討した結果、ポリオール化合物として、3価以上のポリオールにラクトンを開環付加重合して得られる、水酸基あたりの平均分子量が1000以上、2000以下であるポリオール化合物を使用すれば、得られるポリウレタンエラストマーは軟質であり、高い伸長性及び復元性を有することを見いだした。本開示はこれらの知見に基づいて完成させたものである。
すなわち、本開示は、下記式(1)で表される基を1分子中に3個以上有し、水酸基あたりの平均分子量が1000以上、2000以下である化合物を含むポリオール化合物(A)と、ポリイソシアネート化合物(B)を含むポリウレタンエラストマー用組成物を提供する。
(式中、nは2~6の整数を示し、mは6~20の整数を示す)
本開示は、また、前記ポリオール化合物(A)が下記式(a)又は(b)で表される化合物である前記ポリウレタンエラストマー用組成物を提供する。
(式中、n1~n4は同一又は異なって3~6の整数を示す。m1~m4は同一又は異なって6~20の整数を示す。R1~R3、R5は同一又は異なって、単結合又は2価の炭化水素基を示す。R4は水素原子、水酸基、又は式(1)で表される基を有していても良い1価の炭化水素基を示す。環Zは脂環式炭化水素環、芳香族炭化水素環、又は複素環の構造式からs個の水素原子を除いた残基を示し、sは3以上の整数を示す)
本開示は、また、イソシアネート基との反応性基を2個以上備える、分子量200以下の化合物(C)を含み、前記化合物(C)の含有量が、前記ポリオール化合物(A)100重量部に対して1~10重量部である前記ポリウレタンエラストマー用組成物を提供する。
本開示は、また、下記式(1)で表される基を1分子中に3個以上有し、水酸基あたりの平均分子量が1000以上、2000以下であるポリオール化合物(A)と、ポリイソシアネート化合物(B)の付加重合物からなるソフトセグメントを備えるポリウレタンエラストマーを提供する。
(式中、nは2~6の整数を示し、mは6~20の整数を示す)
本開示は、また、更に、ポリイソシアネート化合物(B)と、イソシアネート基との反応性基を2個以上備える、分子量200以下の化合物(C)の付加重合物からなるハードセグメントを備える前記ポリウレタンエラストマーを提供する。
本開示は、また、融点を有さないか、或いは融点を有する場合は、下記条件下でDSC測定を行って求められる、2度目の昇温時の融解エンタルピーが15[J/g]以下である前記ポリウレタンエラストマーを提供する。
DSC測定条件:
昇温及び降温速度:5℃/分
昇温及び降温プログラム:室温から-80℃まで降温し、-80℃で1分間保持し、その後220℃まで昇温し、220℃で1分間保持し、その後-80℃まで降温し、-80℃で1分間保持し、その後220℃まで昇温する
DSC測定条件:
昇温及び降温速度:5℃/分
昇温及び降温プログラム:室温から-80℃まで降温し、-80℃で1分間保持し、その後220℃まで昇温し、220℃で1分間保持し、その後-80℃まで降温し、-80℃で1分間保持し、その後220℃まで昇温する
本開示は、また、23℃、50%Rh条件下でのショアA硬度が75以下である前記ポリウレタンエラストマーを提供する。
本開示は、また、下記方法で求められる圧縮永久歪率が10%以下である前記ポリウレタンエラストマーを提供する。
圧縮永久歪率の算出方法:
前記ポリウレタンエラストマーからなる、厚さ12.5±0.5mm×直径29.0±0.5mmの直円柱形を試験片とし、70℃雰囲気下において、前記試験片を、厚さが25%減となるよう押圧した状態を22時間保持する試験を行い、下記式から算出する。
圧縮永久歪率=[(試験前の試験片厚さ-試験後の試験片厚さ)/(試験前の試験片厚さ-9.38)]×100
圧縮永久歪率の算出方法:
前記ポリウレタンエラストマーからなる、厚さ12.5±0.5mm×直径29.0±0.5mmの直円柱形を試験片とし、70℃雰囲気下において、前記試験片を、厚さが25%減となるよう押圧した状態を22時間保持する試験を行い、下記式から算出する。
圧縮永久歪率=[(試験前の試験片厚さ-試験後の試験片厚さ)/(試験前の試験片厚さ-9.38)]×100
本開示のポリウレタンエラストマー用組成物は、ポリオール化合物として前記式(1)で表される基を1分子中に3個以上有し、水酸基あたりの平均分子量が1000以上、2000以下であるポリオール化合物(A)を含有するため、当該組成物を硬化してポリウレタンエラストマーは軟質である。また、前記ポリウレタンエラストマーは、前記ポリオール化合物(A)により、ソフトセグメントの分子鎖長が制限される。そのため、ソフトセグメントの結晶化が抑制され、優れた伸長性、復元性、及び機械的強度を備える。
前記ポリウレタンエラストマー用組成物は、各種工業用ロール、シール材料、コンベヤ用ベルト、医療用機器、靴底、タイヤ、衝撃吸収材、スポーツ・レジャー用品等に幅広く使用可能である。
前記ポリウレタンエラストマー用組成物は、各種工業用ロール、シール材料、コンベヤ用ベルト、医療用機器、靴底、タイヤ、衝撃吸収材、スポーツ・レジャー用品等に幅広く使用可能である。
[ポリウレタンエラストマー用組成物]
本開示のポリウレタンエラストマー用組成物は、熱硬化することによりポリウレタンエラストマーを形成する組成物であり、ポリオール化合物(A)と、ポリイソシアネート化合物(B)を含む。
本開示のポリウレタンエラストマー用組成物は、熱硬化することによりポリウレタンエラストマーを形成する組成物であり、ポリオール化合物(A)と、ポリイソシアネート化合物(B)を含む。
(ポリオール化合物(A))
ポリオール化合物(A)は、下記式(1)で表される基を1分子中に3個以上有し、水酸基あたりの平均分子量が1000以上、2000以下であるポリオール化合物である。
(式中、nは2~6の整数を示し、mは6~20の整数を示す)
ポリオール化合物(A)は、下記式(1)で表される基を1分子中に3個以上有し、水酸基あたりの平均分子量が1000以上、2000以下であるポリオール化合物である。
ポリオール化合物(A)が有する水酸基の数は3個以上であり、好ましくは3~6個である。また、ポリオール化合物(A)が有する式(1)で表される基の数は3個以上であり、好ましくは3~6個である。
ポリオール化合物(A)は、架橋密度が低下するのを抑制することができ、これにより、ソフトセグメントが結晶化するのを抑制することができる点で、第3級炭素原子又は第4級炭素原子を有する化合物又は環状骨格を有する化合物が好ましく、下記式(a)で表される化合物又は下記式(b)で表される化合物が特に好ましい。
前記2価の炭化水素基としては、例えば、メチレン基、メチルメチレン基、ジメチルメチレン基、エチレン基、プロピレン基、トリメチレン基等の炭素数1~18の直鎖状又は分岐鎖状のアルキレン基や、1,2-シクロペンチレン基、1,3-シクロペンチレン基、シクロペンチリデン基、1,2-シクロヘキシレン基、1,3-シクロヘキシレン基、1,4-シクロヘキシレン基、シクロヘキシリデン基等の炭素数3~18のシクロアルキレン基(シクロアルキリデン基を含む)等を挙げることができる。
前記2価の炭化水素基としては、なかでもアルキレン基が好ましく、特に好ましくは炭素数1~18のアルキレン基、最も好ましくは炭素数1~5のアルキレン基、とりわけ好ましくは炭素数1~5の直鎖状アルキレン基である。
前記1価の炭化水素基には、1価の脂肪族炭化水素基、1価の脂環式炭化水素基、1価の芳香族炭化水素基、及びこれらの2個以上が単結合又は連結基[例えば、カルボニル基(-CO-)、エーテル結合(-O-)、チオエーテル結合(-S-)、エステル結合(-COO-)等]を介して結合した1価の基が含まれる。
前記1価の炭化水素基としては、なかでも1価の脂肪族炭化水素基が好ましい。1価の脂肪族炭化水素基としては、炭素数1~20(=C1-20)の脂肪族炭化水素基が好ましく、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、s-ブチル基、t-ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、デシル基、ドデシル基等の炭素数1~20(好ましくは1~10、特に好ましくは1~3)程度のアルキル基;ビニル基、アリル基、1-ブテニル基等の炭素数2~20(好ましくは2~10、特に好ましくは2~3)程度のアルケニル基等が挙げられる。
前記1価の炭化水素基は置換基として式(1)で表される基を有していても良いし、式(1)で表される基以外の置換基を有していても良い。他の置換基としては、例えば、水酸基、オキソ基、置換オキシ基(例えば、C1-5アルコキシ基、C6-12アリールオキシ基、C7-16アラルキルオキシ基、C1-5アシルオキシ基等)等が挙げられる。また、前記式(1)で表される基を有していても良い1価の炭化水素基は、単に、前記式(1)で表される基であっても良い。
前記環Zを構成する脂環式炭化水素環としては、炭素数3~20の脂環式炭化水素環が好ましく、例えば、シクロプロパン、シクロブタン、シクロペンタン、シクロヘキサン、シクロオクタン等の炭素数3~20(好ましくは炭素数3~15、特に好ましくは炭素数5~8)のシクロアルカン;シクロペンテン、シクロへキセン等の炭素数3~20(好ましくは炭素数3~15、特に好ましくは炭素数5~8)のシクロアルケン;パーヒドロナフタレン、ノルボルナン、ノルボルネン、アダマンタン、トリシクロ[5.2.1.02,6]デカン、テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカン-4-エン等の橋かけ環等を挙げることができる。
前記環Zを構成する芳香族炭化水素環としては、C6-14(特に、C6-10)芳香族炭化水素環が好ましく、例えば、ベンゼン、ナフタレン等を挙げることができる。
上記脂環式炭化水素環や芳香族炭化水素環は、種々の置換基[例えば、オキソ基、置換オキシ基(例えば、アルコキシ基、アリールオキシ基、アラルキルオキシ基、アシルオキシ基等)、カルボキシル基等]を有していてもよい。
前記環Zを構成する複素環には、芳香族性複素環及び非芳香族性複素環が含まれる。このような複素環としては、環を構成する原子に炭素原子と少なくとも1種のヘテロ原子(例えば、酸素原子、イオウ原子、窒素原子等)を有する3~10員環(好ましくは4~6員環)、及びこれらの縮合環を挙げることができる。具体的には、ヘテロ原子として酸素原子を含む複素環(例えば、オキシラン環等の3員環;オキセタン環等の4員環;フラン環、テトラヒドロフラン環、オキサゾール環、イソオキサゾール環、γ-ブチロラクトン環等の5員環;4-オキソ-4H-ピラン環、テトラヒドロピラン環、モルホリン環等の6員環;ベンゾフラン環、イソベンゾフラン環、4-オキソ-4H-クロメン環、クロマン環、イソクロマン環等の縮合環;3-オキサトリシクロ[4.3.1.14,8]ウンデカン-2-オン環、3-オキサトリシクロ[4.2.1.04,8]ノナン-2-オン環等の橋かけ環)、ヘテロ原子としてイオウ原子を含む複素環(例えば、チオフェン環、チアゾール環、イソチアゾール環、チアジアゾール環等の5員環;4-オキソ-4H-チオピラン環等の6員環;ベンゾチオフェン環等の縮合環等)、ヘテロ原子として窒素原子を含む複素環(例えば、ピロール環、ピロリジン環、ピラゾール環、イミダゾール環、トリアゾール環等の5員環;イソシアヌル環、ピリジン環、ピリダジン環、ピリミジン環、ピラジン環、ピペリジン環、ピペラジン環等の6員環;インドール環、インドリン環、キノリン環、アクリジン環、ナフチリジン環、キナゾリン環、プリン環等の縮合環等)等を挙げることができる。上記複素環式基は、前記脂環式炭化水素環や芳香族炭化水素環が有していてもよい置換基のほか、C1-4アルキル基(例えば、メチル基、エチル基等)、C3-20シクロアルキル基、C6-14アリール基(例えば、フェニル基、ナフチル基等)等を有していてもよい。
前記sは3以上の整数を示し、好ましくは3~6の整数である。
ポリオール化合物(A)の水酸基あたりの平均分子量は1000以上、2000以下である。ソフトセグメントの結晶化を抑制して、高い復元性を有するポリウレタンエラストマーが得られる点において、前記平均分子量の上限値は1900が好ましく、1700が特に好ましく、1600がとりわけ好ましい。また、高い伸長性及び機械的強度を有するポリウレタンエラストマーが得られる点において、前記下限値は1100が好ましく、1200がより好ましく、1300が特に好ましく、1400が最も好ましく、1500がとりわけ好ましい。
ポリオール化合物(A)の数平均分子量は、例えば4000~8000である。ソフトセグメントの結晶化を抑制して、高い復元性を有するポリウレタンエラストマーが得られる点において、前記平均分子量の上限値は7600が好ましく、6800が特に好ましく、6400がとりわけ好ましい。また、高い伸長性及び機械的強度を有するポリウレタンエラストマーが得られる点において、前記下限値は4400が好ましく、4800がより好ましく、5200が特に好ましく、5500が最も好ましく、6000がとりわけ好ましい。
ポリオール化合物(A)の分子量分散度(Mw/Mn)は、例えば1.1~1.6である。
ポリオール化合物(A)は、3個以上の水酸基を有するポリオールを開始剤として使用し、前記開始剤に5員環~8員環のラクトンを開環重合させることにより製造することができる。
前記ポリオールは、例えば、第3級炭素原子又は第4級炭素原子を有するポリオール、又は環状骨格を有するポリオールであり、水酸基の数は3個以上であり、好ましくは3~5個である。
前記ポリオールの分子量は、例えば95~200、好ましくは100~150、特に好ましくは100~140である。
前記ポリオールとしては、例えば、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、トリス-(2-ヒドロキシエチル)イソシアヌレート、ジペンタエリスリトール等が挙げられる。これらは1種を単独で、又は2種以上を組み合わせて使用することができる。
前記ラクトンとしては、γ-ブチロラクトン、δ-バレロラクトン、ε-カプロラクトン、ζ-エナントラクトン等が挙げられる。これらは1種を単独で、又は2種以上を組み合わせて使用することができる。
ラクトンの使用量をコントロールすることにより、得られるポリオール化合物(A)の水酸基あたりの平均分子量を調整することができる。そして、前記ラクトンの使用量は、前記開始剤1モルに対して、例えば20~80モルである。ソフトセグメントの結晶化が抑制され、高い復元性を有するポリウレタンエラストマーが得られる観点から、前記ラクトンの使用量の上限値は、好ましくは70モル、より好ましくは65モル、特に好ましくは60モルである。また、高い伸長性及び機械的強度を有するポリウレタンエラストマーが得られる観点から、前記ラクトンの使用量の下限値は、好ましくは30モル、より好ましくは35モル、特に好ましくは45モル、最も好ましくは50モルである。
また、ラクトンの開環重合反応は、触媒としてのスズ化合物の存在下で行うことが好ましい。前記スズ化合物としては、例えば、オクチル酸第一スズ、ジブチルスズジラウレート、塩化スズ(II)、塩化スズ(IV)、臭化第一スズ、ヨウ化第一スズ、ジブチルジクロロスズ、ブチルトリクロロスズ、モノブチルスズオキシド、ジブチルスズオキシド、モノブチルスズトリス(メルカプト酢酸2-エチルヘキシル)、モノブチルスズトリス(メルカプト酢酸イソオクチル)、モノブチルスズトリアセテート、モノブチルスズトリス(2-エチルヘキサノエート)等が挙げられる。これらは1種を単独で又は2種以上を組み合わせて使用することができる。
前記スズ化合物の使用量(2種以上を組み合わせて使用する場合はその総量)は、ラクトンと開始剤の総量に対して、例えば5~30ppm、好ましくは10~25ppm、特に好ましくは15~25ppmである。スズ化合物を上記範囲で使用すると、分子量分布が狭いポリオール化合物(A)が得られる点で好ましい。
ラクトンの開環重合反応における反応温度は120℃以上が好ましく、特に好ましくは120~210℃である。反応時間は、例えば3~30時間、反応圧力は、例えば0.7~1.5気圧である。反応雰囲気としては、反応を阻害しない限り特に限定されないが、例えば、窒素雰囲気、アルゴン雰囲気などの不活性ガス雰囲気が好ましい。
また、ラクトンの開環重合反応には、塊重合、溶液重合および懸濁重合の何れの重合方法も採用することができる。前記溶液重合に使用する溶剤としては、例えば、トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素類が、比較的沸点が高く、反応に不活性であるため好ましい。溶媒は実質的に無水のものが望ましい。
前記重合反応はバッチ式、セミバッチ式、連続式などの何れの方法でも行うことができる。反応終了後、反応生成物は、例えば、濾過、濃縮、蒸留、抽出、晶析、再結晶、吸着、カラムクロマトグラフィー等の分離精製手段やこれらを組み合わせた手段により分離精製できる。
(ポリイソシアネート化合物(B))
ポリイソシアネート化合物(B)としては、例えば、2,4-トリレンジイソシアネート、2,6-トリレンジイソシアネート、1,3-キシレンジイソシアネート、1,4-キシレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、1,5-ナフタレンジイソシアネート、m-フェニレンジイソシアネート、p-フェニレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、4,4’-ジフェニルメタンジイソシアネート、4,4’-ジベンジルジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、2,2,4-トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、2,4,4-トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート等のジイソシアネート化合物;前記ジイソシアネート化合物のうち芳香族イソシアネート化合物を水添して得られるジイソシアネート化合物(例えば、水添キシリレンジイソシアネート、水添ジフェニルメタンジイソシアネートなどのジイソシアネート化合物);トリフェニルメタントリイソシアネート、ジメチレントリフェニルトリイソシアネート等の3価以上のイソシアネート化合物;これらを多量化させて得られる多量化ポリイソシアネート等を挙げることができる。これらは1種を単独で、又は2種以上を組み合わせて使用することができる。
ポリイソシアネート化合物(B)としては、例えば、2,4-トリレンジイソシアネート、2,6-トリレンジイソシアネート、1,3-キシレンジイソシアネート、1,4-キシレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、1,5-ナフタレンジイソシアネート、m-フェニレンジイソシアネート、p-フェニレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、4,4’-ジフェニルメタンジイソシアネート、4,4’-ジベンジルジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、2,2,4-トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、2,4,4-トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート等のジイソシアネート化合物;前記ジイソシアネート化合物のうち芳香族イソシアネート化合物を水添して得られるジイソシアネート化合物(例えば、水添キシリレンジイソシアネート、水添ジフェニルメタンジイソシアネートなどのジイソシアネート化合物);トリフェニルメタントリイソシアネート、ジメチレントリフェニルトリイソシアネート等の3価以上のイソシアネート化合物;これらを多量化させて得られる多量化ポリイソシアネート等を挙げることができる。これらは1種を単独で、又は2種以上を組み合わせて使用することができる。
ポリイソシアネート化合物(B)としては、ジイソシアネート化合物が好ましく、芳香族ジイソシアネート化合物が特に好ましい。
ポリイソシアネート化合物(B)の含有量は、ポリイソシアネート化合物(B)に含まれるイソシアネート基と、ポリオール化合物(A)に含まれる水酸基(後述の硬化剤を含有する場合には、ポリオール化合物(A)に含まれる水酸基と硬化剤に含まれるイソシアネート基との反応性基の合計とのモル比[NCO基/(OH基+イソシアネート基との反応性基)]が、例えば1/3~3/3の範囲であることが好ましく、より好ましくは1/2~2/1の範囲である。
(その他)
前記組成物は、前記ポリオール化合物(A)、ポリイソシアネート化合物(B)以外にも、他の成分を1種又は2種以上含有していてもよい。他の成分としては、例えば、鎖延長剤、架橋剤、硬化剤、難燃剤、可塑剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、着色剤、フィラー等が挙げられる。
前記組成物は、前記ポリオール化合物(A)、ポリイソシアネート化合物(B)以外にも、他の成分を1種又は2種以上含有していてもよい。他の成分としては、例えば、鎖延長剤、架橋剤、硬化剤、難燃剤、可塑剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、着色剤、フィラー等が挙げられる。
鎖延長剤としては、イソシアネート基との反応性基を2個以上備える化合物であって、低分子量(分子量は、例えば200以下、好ましくは150以下、特に好ましくは120以下、とりわけ好ましくは100以下である。尚、分子量の下限値は、例えば50である。)の化合物(C)が挙げられる。
前記組成物が前記化合物(C)を含有する場合、得られるポリウレタンエラストマーは、ポリオール化合物(A)と、ポリイソシアネート化合物(B)の付加重合物からなるソフトセグメントと共に、ポリイソシアネート化合物(B)と化合物(C)の付加重合物からなるハードセグメントを備える。そして、ソフトセグメントとハードセグメントの含有割合を調整することで、伸長性、復元性、及び機械的強度をコントロールすることができる。
前記化合物(C)における、イソシアネート基との反応性基の数は2個以上であり、2~3個が好ましい。
前記化合物(C)における、イソシアネート基との反応性基としては、例えば、水酸基、アミノ基が挙げられる。
前記化合物(C)としては、例えば、ポリオール、ポリアミン、アミノアルコール等が挙げられる。
前記ポリオールとしては、例えば、エチレングリコール、1,4-ブタンジオール、1,5-ペンタンジオール、1,6-ヘキサメチレンジオール、グリセリン、トリメチロールプロパン等の炭素数2~10の脂肪族ポリオールが挙げられる。
前記ポリアミンとしては、例えば、エチレンジアミン、プロピレンジアミン、1,3-ジアミノペンタン、2-メチル-1,5-ペンタンジアミン等の脂肪族ポリアミン;1-アミノ-3-アミノメチル-3,5,5-トリメチルシクロヘキサン、4,4’-ジシクロヘキシルメタンジアミン等の脂環式ポリアミン等が挙げられる。
前記アミノアルコールとしては、例えば、N-メチルエタノールアミン、ジエタノールアミン、ジイソプロパノールアミン等が挙げられる。
前記化合物(C)としては、ポリオールが好ましく、特にジオールが好ましく、炭素数2~10(特に、炭素数2~6)の脂肪族ジオールが特に好ましい。
前記化合物(C)の含有量は、前記ポリオール化合物(A)100重量部に対して、例えば1~10重量部であり、好ましくは2~8重量部、特に好ましくは3~7重量部である。
前記組成物は、前記ポリオール化合物(A)や前記化合物(C)としてのポリオール以外にも他のポリオールを含有していても良いが、他のポリオールの含有量は、前記組成物に含まれるポリオール全量の例えば30重量%以下、好ましくは20重量%以下、特に好ましくは10重量%以下、最も好ましくは5重量%以下、とりわけ好ましくは1重量%以下である。尚、ポリオールとは1分子中に水酸基を2個以上有する化合物である。
[ポリウレタンエラストマー]
本開示のポリウレタンエラストマーは、前記式(1)で表される基を1分子中に3個以上有し、水酸基あたりの平均分子量が1000以上、2000以下であるポリオール化合物(A)と、ポリイソシアネート化合物(B)の付加重合物からなるソフトセグメントを備える。
本開示のポリウレタンエラストマーは、前記式(1)で表される基を1分子中に3個以上有し、水酸基あたりの平均分子量が1000以上、2000以下であるポリオール化合物(A)と、ポリイソシアネート化合物(B)の付加重合物からなるソフトセグメントを備える。
前記ポリウレタンエラストマーは、例えば、前記ポリウレタンエラストマー用組成物を硬化させて得られる。前記ポリウレタンエラストマー用組成物の硬化は、例えば80~150℃の温度で加熱することにより行われる。加熱時間は、例えば5~24時間である。
前記ポリウレタンエラストマー用組成物が前記化合物(C)を含有する場合、前記ポリウレタンエラストマーは前記ソフトセグメントと共に、ポリイソシアネート化合物(B)と化合物(C)の付加重合物からなるハードセグメントを備える。前記ポリウレタンエラストマーは前記ソフトセグメントと前記ハードセグメントとをランダムに有していてもよく、規則的に有していてもよい。すなわち、前記ポリウレタンエラストマーは、前記ソフトセグメントと前記ハードセグメントの、ランダム共重合体であってもよく、ブロック共重合体であってもよい。
前記ポリウレタンエラストマーが有するソフトセグメントは、ポリオール化合物(A)とポリイソシアネート化合物(B)の付加重合物により構成される。そのため、前記ソフトセグメントは融点を有さないか、或いは融点を有する場合であっても、融点は30℃以下(例えば、20~30℃の範囲)であり、結晶化が抑制され、結晶化による復元性の低下が防止される。
尚、前記融点は、DSC(示差走査熱量計)を用いて、5℃/分の速度で室温(25℃)から-80℃まで降温した後、-80℃で1分間保持し、5℃/分の速度で220℃まで昇温した後、220℃で1分間保持し、5℃/分の速度で-80℃まで降温した後、-80℃で1分間保持し、再度5℃/分の速度で220℃まで昇温した際に検出される融解ピーク温度の値とする。そして、本開示において「融点を有さない」とは、前記条件でDSC測定を行った場合に、ポリオール化合物(A)の明確な融解ピークが観察されないことである。
前記ポリウレタンエラストマーが融点を有する場合、前記条件でDSC測定を行った場合の、2度目の昇温時の融解エンタルピーは、例えば15[J/g]以下、好ましくは10[J/g]以下、特に好ましくは5[J/g]以下である。
前記ポリウレタンエラストマーは適度な硬度を有し、ショアA硬度は例えば75以下、好ましくは70以下である。尚、ショアA硬度の下限値は、例えば60である。前記ショアA硬度は、23℃、50%Rh条件下における値である。
前記ポリウレタンエラストマーは適度な硬度を有し、弾性率は例えば3~10MPa、好ましくは3~6MPa、特に好ましくは3~5MPaである。尚、弾性率は実施例の方法で求められる。
前記ポリウレタンエラストマーは優れた復元性を有し、下記方法で求められる圧縮永久歪率は、例えば10%以下、好ましくは5以下、特に好ましくは3未満、最も好ましくは2以下である。
圧縮永久歪率の算出方法:
前記ポリウレタンエラストマーからなる、厚さ12.5±0.5mm×直径29.0±0.5mmの直円柱形を試験片とし、70℃雰囲気下において、前記試験片を、厚さが25%減となるよう押圧した状態を22時間保持する試験を行い、下記式から算出する。尚、試験後の試験片厚さとは、押圧試験が終了し、押圧を解除した後の試験片の厚さである。
圧縮永久歪率=[(試験前の試験片厚さ-試験後の試験片厚さ)/(試験前の試験片厚さ-9.38)]×100
圧縮永久歪率の算出方法:
前記ポリウレタンエラストマーからなる、厚さ12.5±0.5mm×直径29.0±0.5mmの直円柱形を試験片とし、70℃雰囲気下において、前記試験片を、厚さが25%減となるよう押圧した状態を22時間保持する試験を行い、下記式から算出する。尚、試験後の試験片厚さとは、押圧試験が終了し、押圧を解除した後の試験片の厚さである。
圧縮永久歪率=[(試験前の試験片厚さ-試験後の試験片厚さ)/(試験前の試験片厚さ-9.38)]×100
前記ポリウレタンエラストマーは優れた復元性を有し、弾性回復率は例えば35%以上、好ましくは45%以上、より好ましくは50%以上、特に好ましくは70%以上、最も好ましくは80%以上である。尚、弾性回復率は実施例の方法で求められる。
前記ポリウレタンエラストマーは優れた機械的強度を有し、引張強度は例えば3MPa以上、好ましくは5MPa以上、特に好ましくは10MPa以上である。尚、引張強度は実施例の方法で求められる。
前記ポリウレタンエラストマーは優れた伸長性を有し、引張伸度は例えば100%以上、好ましくは130%以上、特に好ましくは150%以上、最も好ましくは180%以上である。また、前記引張伸度は、例えば500%以下である。尚、引張伸度は実施例の方法で求められる。
以上、本開示の各構成及びそれらの組み合わせ等は一例であって、本開示の主旨から逸脱しない範囲において、適宜、構成の付加、省略、置換、及び変更が可能である。また、本開示は、実施形態によって限定されることはなく、特許請求の範囲の記載によってのみ限定される。
以下、実施例により本開示をより具体的に説明するが、本開示はこれらの実施例により限定されるものではない。
得られた化合物の分子量の測定は、下記測定条件にて、ポリスチレン標品との比較から数平均分子量(Mn)を求めた。
<測定条件>
測定装置:高速GPC装置「HLC-8220GPC」、東ソー(株)製
移動相:テトラヒドロフラン
<測定条件>
測定装置:高速GPC装置「HLC-8220GPC」、東ソー(株)製
移動相:テトラヒドロフラン
調製例1
還流用冷却管、温度計、混気ガス導入管、攪拌装置を備えた五つ口フラスコに、窒素ガス雰囲気下で、開始剤としてのペンタエリスリトール3.5重量部と、ε-カプロラクトン100重量部(前記開始剤1モルに対し、33.9モルに相当する量)と、オクチル酸第一スズ0.002重量部を投入した後、内温を170℃に昇温した。
ガスクロマトグラフィーによる分析で、ε-カプロラクトンの濃度が1.0%未満となっていることを確認した後に、冷却して反応を終了させた。これにより、ポリオール化合物(A1)を得た。得られたポリオール化合物(A1)の数平均分子量(Mn)は4000であった。
還流用冷却管、温度計、混気ガス導入管、攪拌装置を備えた五つ口フラスコに、窒素ガス雰囲気下で、開始剤としてのペンタエリスリトール3.5重量部と、ε-カプロラクトン100重量部(前記開始剤1モルに対し、33.9モルに相当する量)と、オクチル酸第一スズ0.002重量部を投入した後、内温を170℃に昇温した。
ガスクロマトグラフィーによる分析で、ε-カプロラクトンの濃度が1.0%未満となっていることを確認した後に、冷却して反応を終了させた。これにより、ポリオール化合物(A1)を得た。得られたポリオール化合物(A1)の数平均分子量(Mn)は4000であった。
調製例2
ペンタエリスリトールの使用量を2.7重量部(前記開始剤1モルに対し、43.5モルに相当する量)に変更した以外は調製例1と同様に行って、ポリオール化合物(A2)を得た。得られたポリオール化合物(A2)の数平均分子量(Mn)は5100であった。
ペンタエリスリトールの使用量を2.7重量部(前記開始剤1モルに対し、43.5モルに相当する量)に変更した以外は調製例1と同様に行って、ポリオール化合物(A2)を得た。得られたポリオール化合物(A2)の数平均分子量(Mn)は5100であった。
調製例3
ペンタエリスリトールの使用量を2.2重量部(前記開始剤1モルに対し、54.9モルに相当する量)に変更した以外は調製例1と同様に行って、ポリオール化合物(A3)を得た。得られたポリオール化合物(A3)の数平均分子量(Mn)は6400であった。
ペンタエリスリトールの使用量を2.2重量部(前記開始剤1モルに対し、54.9モルに相当する量)に変更した以外は調製例1と同様に行って、ポリオール化合物(A3)を得た。得られたポリオール化合物(A3)の数平均分子量(Mn)は6400であった。
調製例4
ペンタエリスリトールの使用量を1.9重量部(前記開始剤1モルに対し、61.9モルに相当する量)に変更した以外は調製例1と同様に行って、ポリオール化合物(A4)を得た。得られたポリオール化合物(A4)の数平均分子量(Mn)は7200であった。
ペンタエリスリトールの使用量を1.9重量部(前記開始剤1モルに対し、61.9モルに相当する量)に変更した以外は調製例1と同様に行って、ポリオール化合物(A4)を得た。得られたポリオール化合物(A4)の数平均分子量(Mn)は7200であった。
調製例5
ペンタエリスリトールの使用量を1.7重量部(前記開始剤1モルに対し、68.9モルに相当する量)に変更した以外は調製例1と同様に行って、ポリオール化合物(A5)を得た。得られたポリオール化合物(A5)の数平均分子量(Mn)は8000であった。
ペンタエリスリトールの使用量を1.7重量部(前記開始剤1モルに対し、68.9モルに相当する量)に変更した以外は調製例1と同様に行って、ポリオール化合物(A5)を得た。得られたポリオール化合物(A5)の数平均分子量(Mn)は8000であった。
実施例1~5、比較例1,2
カップ容器内に、下記表に記載の通りにポリオール、ポリイソシアネート、及び鎖延長剤を仕込み、真空泡取り練太郎を用いて混合、脱泡を行って、組成物を得た。
組成物中のNCO/OH(モル比)は1.00、ジオールの含有量は3.71重量%とした。
カップ容器内に、下記表に記載の通りにポリオール、ポリイソシアネート、及び鎖延長剤を仕込み、真空泡取り練太郎を用いて混合、脱泡を行って、組成物を得た。
組成物中のNCO/OH(モル比)は1.00、ジオールの含有量は3.71重量%とした。
得られた組成物を、厚さ2mm×縦13mm×横20mmの金型に注入し、オーブンを用いて80℃で2時間、その後120℃で16時間加熱して、硬化を行った。更に、23℃、50%Rhの恒温恒湿環境下で48時間養生を行った。これにより、ポリウレタンエラストマーを得た。
得られたポリウレタンエラストマーについて以下の評価を行った。
(色調、触感)
23℃,50%Rhの環境下において、前記ポリウレタンエラストマーの外観を目視で観察して色調を判断した。また、手指による触感を確認した。
23℃,50%Rhの環境下において、前記ポリウレタンエラストマーの外観を目視で観察して色調を判断した。また、手指による触感を確認した。
(ショアA硬度)
23℃,50%Rhの環境下において、Hardness TesterA型(島津製作所製)を用いて、ポリウレタンエラストマーの硬度を測定した。
23℃,50%Rhの環境下において、Hardness TesterA型(島津製作所製)を用いて、ポリウレタンエラストマーの硬度を測定した。
(ソフトセグメントの結晶化抑制)
DSC(AUTO Q2000 MDSC、ティー・エイ・インスツルメント社製)を用いて、下記プログラムに従って温度を変化させて、前記ポリウレタンエラストマーの温度を測定し、ソフトセグメントの融点、及び融解エンタルピーを測定し、融点の有無を読み取った。また、融点を有する場合には2度目の昇温時の融解エンタルピーを読み取った。
昇温・降温速度:5℃/min
昇温・降温サイクル:室温から-80℃まで降温し、-80℃で1分間保持し、その後220℃まで昇温し、220℃で1分間保持し、その後-80℃まで降温し、-80℃で1分間保持し、その後220℃まで昇温
DSC(AUTO Q2000 MDSC、ティー・エイ・インスツルメント社製)を用いて、下記プログラムに従って温度を変化させて、前記ポリウレタンエラストマーの温度を測定し、ソフトセグメントの融点、及び融解エンタルピーを測定し、融点の有無を読み取った。また、融点を有する場合には2度目の昇温時の融解エンタルピーを読み取った。
昇温・降温速度:5℃/min
昇温・降温サイクル:室温から-80℃まで降温し、-80℃で1分間保持し、その後220℃まで昇温し、220℃で1分間保持し、その後-80℃まで降温し、-80℃で1分間保持し、その後220℃まで昇温
(引張物性)
テンシロン万能試験機(RTC-1350A、(株)A&D製)を用い、下記条件下において、引張強度、引張伸度、及び弾性率を測定した。
<測定条件>
試験片:前記ポリウレタンエラストマーを3号ダンベルサイズ(長さ100mm×幅25mm×厚さ2mm)に切り取ったものを用いた
測定環境:23℃,50%Rh
標線間距離:20mm
引張試験速度:500mm/min
テンシロン万能試験機(RTC-1350A、(株)A&D製)を用い、下記条件下において、引張強度、引張伸度、及び弾性率を測定した。
<測定条件>
試験片:前記ポリウレタンエラストマーを3号ダンベルサイズ(長さ100mm×幅25mm×厚さ2mm)に切り取ったものを用いた
測定環境:23℃,50%Rh
標線間距離:20mm
引張試験速度:500mm/min
(弾性回復率)
テンシロン万能試験機(RTC-1350A、(株)A&D製)を用い、下記条件下において伸縮試験を3サイクル行って、下記式から弾性回復率を算出した。
弾性回復率=(300-3サイクル目の収縮時の伸度)/300×100
<試験条件>
試験片:前記ポリウレタンエラストマーを3号ダンベルサイズ(長さ100mm×幅25mm×厚さ2mm)に切り取ったものを用いた
試験環境:23℃,50%Rh
チャック間距離:20mm
伸縮試験速度:50mm/min
最大伸度:300%
伸度0%、300%で、それぞれ10分間、伸度を一定にして保持した。
テンシロン万能試験機(RTC-1350A、(株)A&D製)を用い、下記条件下において伸縮試験を3サイクル行って、下記式から弾性回復率を算出した。
弾性回復率=(300-3サイクル目の収縮時の伸度)/300×100
<試験条件>
試験片:前記ポリウレタンエラストマーを3号ダンベルサイズ(長さ100mm×幅25mm×厚さ2mm)に切り取ったものを用いた
試験環境:23℃,50%Rh
チャック間距離:20mm
伸縮試験速度:50mm/min
最大伸度:300%
伸度0%、300%で、それぞれ10分間、伸度を一定にして保持した。
(圧縮永久歪率)
圧縮永久歪試験器(高分子計器(株))を用いて、下記条件で試験片を圧縮する試験を行い、下記式から圧縮永久歪率を算出した。
圧縮永久歪率=[(試験前の試験片厚さ-試験後の試験片厚さ)/(試験前の試験片厚さ-9.38)]×100
<試験条件>
試験片:前記ポリウレタンエラストマーを、厚さ12.5±0.5mm×直径29.0±0.5mmの直円柱形に切り取ったものを使用した
圧縮率:25%
圧縮時間:22時間
試験環境温度:70℃
圧縮永久歪試験器(高分子計器(株))を用いて、下記条件で試験片を圧縮する試験を行い、下記式から圧縮永久歪率を算出した。
圧縮永久歪率=[(試験前の試験片厚さ-試験後の試験片厚さ)/(試験前の試験片厚さ-9.38)]×100
<試験条件>
試験片:前記ポリウレタンエラストマーを、厚さ12.5±0.5mm×直径29.0±0.5mmの直円柱形に切り取ったものを使用した
圧縮率:25%
圧縮時間:22時間
試験環境温度:70℃
<ポリオール>
A1~A5:調製例で得られた化合物(A1)~(A5)を使用
A6:PLACCEL 240CP((株)ダイセル製、ネオペンチルグリコールのカプロラクトン付加物、数平均分子量4000)
A7:PLACCEL 220N((株)ダイセル製、エチレングリコールのカプロラクトン付加物、数平均分子量2000)
<ポリイソシアネート>
B:ミリオネートMT(東ソー(株)製、ポリイソシアネート、NCO含量33.6%)
<鎖延長剤>
C:1,4-ブタンジオール(三菱ケミカル(株)製)
A1~A5:調製例で得られた化合物(A1)~(A5)を使用
A6:PLACCEL 240CP((株)ダイセル製、ネオペンチルグリコールのカプロラクトン付加物、数平均分子量4000)
A7:PLACCEL 220N((株)ダイセル製、エチレングリコールのカプロラクトン付加物、数平均分子量2000)
<ポリイソシアネート>
B:ミリオネートMT(東ソー(株)製、ポリイソシアネート、NCO含量33.6%)
<鎖延長剤>
C:1,4-ブタンジオール(三菱ケミカル(株)製)
Claims (8)
- イソシアネート基との反応性基を2個以上備える、分子量200以下の化合物(C)を含み、前記化合物(C)の含有量が、前記ポリオール化合物(A)100重量部に対して1~10重量部である、請求項1又は2に記載のポリウレタンエラストマー用組成物。
- 更に、ポリイソシアネート化合物(B)と、イソシアネート基との反応性基を2個以上備える、分子量200以下の化合物(C)の付加重合物からなるハードセグメントを備える、請求項4に記載のポリウレタンエラストマー。
- 融点を有さないか、或いは融点を有する場合は、下記条件下でDSC測定を行って求められる、2度目の昇温時の融解エンタルピーが15[J/g]以下である、請求項4又は5に記載のポリウレタンエラストマー。
DSC測定条件:
昇温及び降温速度:5℃/分
昇温及び降温プログラム:室温から-80℃まで降温し、-80℃で1分間保持し、その後220℃まで昇温し、220℃で1分間保持し、その後-80℃まで降温し、-80℃で1分間保持し、その後220℃まで昇温する - 23℃、50%Rh条件下でのショアA硬度が75以下である、請求項4~6の何れか1項に記載のポリウレタンエラストマー。
- 下記方法で求められる圧縮永久歪率が10%以下である、請求項4~7の何れか1項に記載のポリウレタンエラストマー。
圧縮永久歪率の算出方法:
前記ポリウレタンエラストマーからなる、厚さ12.5±0.5mm×直径29.0±0.5mmの直円柱形を試験片とし、70℃雰囲気下において、前記試験片を、厚さが25%減となるよう押圧した状態を22時間保持する試験を行い、下記式から算出する。
圧縮永久歪率=[(試験前の試験片厚さ-試験後の試験片厚さ)/(試験前の試験片厚さ-9.38)]×100
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2022
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