JP2023041655A - ポリエステル樹脂組成物 - Google Patents
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Abstract
【課題】フィルムの基本特性を維持しつつ実使用上問題のない、とりわけ、リサイクルに適した認証・識別可能なポリエステルフィルムを製造し得るポリエステル樹脂組成物を提供することにある。【解決手段】ポリエステルと、直径がナノメートル単位の細孔を有する多孔質シリカ粒子(a)とを含む、ポリエステル樹脂組成物を提供する。【選択図】なし
Description
本発明は、ポリエステル樹脂組成物に関する。
従来、廃プラスチックは、埋め立て、海洋投棄、焼却等の処理がなされていたが、埋め立て場所の確保が困難になりつつあり、海洋投棄はプラスチックが分解しないために環境面で問題になっている。
さらに、焼却によって熱として利用することはできるが、炭酸ガスの排出により、地球温暖化につながるという問題がある。
さらに、焼却によって熱として利用することはできるが、炭酸ガスの排出により、地球温暖化につながるという問題がある。
そこで、昨今の環境問題の高まりから、廃プラスチックの再利用、再生等のリサイクルが必要とされており、そのための研究開発が盛んに行われている。
また、プラスチックはその多くが化石燃料により生産されており、資源の有効利用の点からも、リサイクル方法の構築が求められている。
また、プラスチックはその多くが化石燃料により生産されており、資源の有効利用の点からも、リサイクル方法の構築が求められている。
プラスチックの一種であるポリエステルは、耐熱性、耐候性、機械的強度、透明性、耐薬品性、ガスバリア性などの性質に優れており、かつ、価格的にも入手し易いことから、汎用性が高く、現在、飲料・食品用容器や包装材、成形品、フィルムなどに広く利用されている樹脂である。
とりわけ、我が国においては、1990年代より、ペットボトルリサイクルへの取り組みが始まり、現在、ペットボトルについては、高いリサイクル率を示すに至っている。
ペットボトル再生原料は、ボトル(ボトル トゥ ボトル)やフィルム(ボトル トゥ フィルム)に再利用されており、このようなペットボトル再生原料の使用に関する技術として、例えば特許文献1には、ペットボトル再生原料を使用して得られる二軸配向ポリエチレンテレフタレートフィルムが開示されている。
一方で、ポリエステルフィルムのリサイクル率は、未だに低い水準にとどまっている。
ペットボトル再生原料は、ボトル(ボトル トゥ ボトル)やフィルム(ボトル トゥ フィルム)に再利用されており、このようなペットボトル再生原料の使用に関する技術として、例えば特許文献1には、ペットボトル再生原料を使用して得られる二軸配向ポリエチレンテレフタレートフィルムが開示されている。
一方で、ポリエステルフィルムのリサイクル率は、未だに低い水準にとどまっている。
ポリエステルフィルム、特にポリエチレンテレフタレートフィルムやポリエチレンナフタレートフィルムは、優れた機械的特性、耐熱性、耐薬品性を有していることから、包装用、電子部品用、電気絶縁用、金属ラミネート用、フレキシブルディスプレイ等のディスプレイ構成部材用、タッチパネル用、反射防止用、ガラス飛散防止用など、各種用途に用いられている。
ポリエステルフィルムをリサイクルするにあたっては、リサイクル品の品質安定化のために、回収したポリエステルフィルムを認証・識別することが考えられる。
例えば特許文献2には、識別化合物としての無機化合物をテレフタル酸ジメチルに対し1~500重量ppm含有するポリエステルフィルムが開示されている。添加した無機化合物については、蛍光X線分析、原子吸光分析、誘導結合プラズマ発光分析等で金属成分を検知できる。
例えば特許文献2には、識別化合物としての無機化合物をテレフタル酸ジメチルに対し1~500重量ppm含有するポリエステルフィルムが開示されている。添加した無機化合物については、蛍光X線分析、原子吸光分析、誘導結合プラズマ発光分析等で金属成分を検知できる。
昨今の環境問題により、プラスチック製造業者には製造責任が求められるようになりつつあり、今後はポリエステルフィルム等のポリエステル製品の流れを追跡・把握することが必要になると考えられる。例えば、上記のように、認証・識別を可能にする識別化合物や化学マーカーなどを含有させて、ポリエステルフィルムを製造した場合には、識別化合物や化学マーカーがフィルムの基本特性に影響を及ぼさずに、実用上問題なく使用できることが重要である。
特許文献2は、識別化合物を用いてリサイクル樹脂使用の識別や、リサイクル樹脂使用製品の品質低下防止を検討しているが、物品情報を内包させて回収したポリエステルフィルムを認証・識別することや、ポリエステル製品の流れを追跡・把握することは一切検討されていない。
特許文献2は、識別化合物を用いてリサイクル樹脂使用の識別や、リサイクル樹脂使用製品の品質低下防止を検討しているが、物品情報を内包させて回収したポリエステルフィルムを認証・識別することや、ポリエステル製品の流れを追跡・把握することは一切検討されていない。
そこで、本発明は、上記実情に鑑みなされたものであって、その解決課題は、フィルム基本特性を維持しつつ実使用上問題のないポリエスルフィルムを製造することができ、とりわけリサイクルに適した、認証・識別可能なポリエスルフィルムを製造し得るポリエステル樹脂組成物を提供することにある。
本発明者らは、鋭意検討の結果、次の構成を有することで、上記課題を解決できることを見出した。
本発明は、以下の態様を有する。
本発明は、以下の態様を有する。
[1]ポリエステルと、直径がナノメートル単位の細孔を有する多孔質シリカ粒子(a)とを含む、ポリエステル樹脂組成物。
[2]前記多孔質シリカ粒子(a)は、光学式分光リーダーを使用して読み取り可能である、上記[1]に記載のポリエステル樹脂組成物。
[3]前記多孔質シリカ粒子(a)が、以下(a1)~(a3)からなる群から選択される少なくとも1種を含む、上記[1]又は[2]に記載のポリエステル樹脂組成物。
(a1)細孔直径が0.001nm以上2nm未満のミクロ孔を有する多孔質シリカ粒子、
(a2)細孔直径が2nm以上50nm以下のメソ孔を有する多孔質シリカ粒子、及び
(a3)細孔直径が50nm超1000nm以下のマクロ孔を有する多孔質シリカ粒子。
(a1)細孔直径が0.001nm以上2nm未満のミクロ孔を有する多孔質シリカ粒子、
(a2)細孔直径が2nm以上50nm以下のメソ孔を有する多孔質シリカ粒子、及び
(a3)細孔直径が50nm超1000nm以下のマクロ孔を有する多孔質シリカ粒子。
[4]前記多孔質シリカ粒子(a)が、前記メソ孔を有する多孔質シリカ粒子(a2)を含む、上記[3]に記載のポリエステル樹脂組成物。
[5]前記多孔質シリカ粒子(a)の平均粒径が、10~150μmである、上記[1]~[4]のいずれか1つに記載のポリエステル樹脂組成物。
[6]前記多孔質シリカ粒子(a)の含有量が、2~6000ppmである、上記[1]~[5]のいずれか1つに記載のポリエステル樹脂組成物。
[7]前記多孔質シリカ粒子(a)以外の粒子(b)をさらに含む、上記[1]~[6]のいずれか1つに記載のポリエステル樹脂組成物。
[8]前記粒子(b)が、無機粒子及び/又は有機粒子である、上記[7]に記載のポリエステル樹脂組成物。
[9]前記粒子(b)の平均粒径が、0.01~5μmである、上記[7]又は[8]に記載のポリエステル樹脂組成物。
[10]上記[1]~[9]のいずれか1つに記載のポリエステル樹脂組成物から得られるポリエステルフィルム。
[11]少なくとも一方向に延伸されている、上記[10]に記載のポリエステルフィルム。
[12]ヘーズが10%以下である、上記[10]又は[11]に記載のポリエステルフィルム。
本発明によれば、フィルムの基本特性を維持しつつ実使用上問題のない、とりわけ、リサイクルに適した、認証・識別可能なポリエステルフィルムを製造し得るポリエステル樹脂組成物が提供される。
次に、本発明の実施形態の一例について説明する。ただし、本発明は、次に説明する実施形態に限定されるものではない。
<<ポリエステル樹脂組成物>>
本発明のポリエステル樹脂組成物(以下、「本樹脂組成物」とも称する)は、ポリエステルと、直径がナノメートル単位の細孔を有する多孔質シリカ粒子(a)とを含む。
本発明のポリエステル樹脂組成物(以下、「本樹脂組成物」とも称する)は、ポリエステルと、直径がナノメートル単位の細孔を有する多孔質シリカ粒子(a)とを含む。
本樹脂組成物は、ポリエステルを主成分樹脂とすることが好ましい。
なお、「主成分樹脂」とは、本樹脂組成物を構成する樹脂のうち最も含有割合の多い樹脂を意味し、例えば50質量%以上、特に70質量%以上、中でも80質量%以上(100質量%を含む)を占める樹脂である。
なお、「主成分樹脂」とは、本樹脂組成物を構成する樹脂のうち最も含有割合の多い樹脂を意味し、例えば50質量%以上、特に70質量%以上、中でも80質量%以上(100質量%を含む)を占める樹脂である。
ポリエステル以外の樹脂としては、例えばポリスチレン系樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂、ポリ塩化ビニリデン系樹脂、塩素化ポリエチレン系樹脂、ポリ乳酸系樹脂、ポリブチレンサクシネート系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリアミド系樹脂(アラミド系樹脂を含む)、ポリアセタール系樹脂、アクリル系樹脂、エチレン-酢酸ビニル共重合体、ポリメチルペンテン系樹脂、ポリビニルアルコール系樹脂、環状オレフィン系樹脂、ポリアクリロニトリル系樹脂、ポリエチレンオキサイド系樹脂、セルロース系樹脂、ポリイミド系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリフェニレンスルフィド系樹脂、ポリフェニレンエーテル系樹脂、ポリビニルアセタール系樹脂、ポリブタジエン系樹脂、ポリブテン系樹脂、ポリアミドイミド系樹脂、ポリアミドビスマレイミド系樹脂、ポリエーテルイミド系樹脂、ポリエーテルエーテルケトン系樹脂、ポリエーテルケトン系樹脂、ポリエーテルスルホン系樹脂、ポリケトン系樹脂、ポリサルフォン系樹脂、及びフッ素系樹脂等が挙げられる。これらのポリエステル以外の樹脂は、1種を単独で、又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
<ポリエステル>
本樹脂組成物に含まれるポリエステルとしては、特に限定されるものではない。具体的には、ジカルボン酸成分とジオール成分とを重縮合してなるポリエステルが挙げられる。
本樹脂組成物に含まれるポリエステルとしては、特に限定されるものではない。具体的には、ジカルボン酸成分とジオール成分とを重縮合してなるポリエステルが挙げられる。
ジカルボン酸成分としては、テレフタル酸、イソフタル酸、オルトフタル酸、フタル酸、4,4’-ジフェニルジカルボン酸、2,5-ナフタレンジカルボン酸、1,4-ナフタレンジカルボン酸、1,5-ナフタレンジカルボン酸、2,6-ナフタレンジカルボン酸、2,7-ナフタレンジカルボン酸、1,4-シクロヘキサンジカルボン酸、2-カリウムスルホテレフタル酸、5-スルホイソフタル酸ナトリウム、アジピン酸、ダイマー酸、アゼライン酸、セバシン酸、ドデカンジカルボン酸、グルタル酸、及びコハク酸等が挙げられる。
ジカルボン酸成分として、トリメリット酸及びトリメシン酸等のトリカルボン酸、並びにピロメリット酸等のテトラカルボン酸を用いることもできる。
さらに、ジカルボン酸のエステル形成性誘導体、たとえば、無水フタル酸及び無水トリメリット酸等の酸無水物、並びにトリメリット酸モノカリウム等のカルボン酸塩等も用いることができる。
ジカルボン酸成分として、トリメリット酸及びトリメシン酸等のトリカルボン酸、並びにピロメリット酸等のテトラカルボン酸を用いることもできる。
さらに、ジカルボン酸のエステル形成性誘導体、たとえば、無水フタル酸及び無水トリメリット酸等の酸無水物、並びにトリメリット酸モノカリウム等のカルボン酸塩等も用いることができる。
ジオール成分としては、エチレングリコール、1,2-プロピレングリコール、1,3-プロピレングリコール、1,3-プロパンジオール、1,4-ブタンジオール、1,6-ヘキサンジオール、2-メチル-1,5-ペンタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,4-シクロヘキサンジメタノール、p-キシリレングリコール、ビスフェノールA-エチレングリコール付加物、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレンエーテルグリコール、スピログリコール、イソソルバイド、及びジメチロールプロピオン酸、並びにジメチロールプロピオン酸カリウム等が挙げられる。ジオール成分として、グリセリン、トリメチロールプロパン等の3価以上のアルコールを用いることもできる。
上記化合物の中から、それぞれ適宜1種以上を選択し、常法の重縮合反応によりポリエステルを合成すればよい。
上記化合物の中から、それぞれ適宜1種以上を選択し、常法の重縮合反応によりポリエステルを合成すればよい。
また、本樹脂組成物に含まれるポリエステルは、植物由来の原料から得られたバイオマスポリエステル、例えばバイオマス由来のエチレングリコールを、ジオール成分として用いたポリエステルを含んでいてもよい。
なお、本発明においては、ジカルボン酸成分を100モル%としたときに、芳香族ジカルボン酸又は脂肪族ジカルボン酸を50%以上含有するポリエステルを使用することが好ましい。
なお、本発明においては、ジカルボン酸成分を100モル%としたときに、芳香族ジカルボン酸又は脂肪族ジカルボン酸を50%以上含有するポリエステルを使用することが好ましい。
さらに、本樹脂組成物に含まれるポリエステルは、再生原料を含有していてもよい。ここで、再生原料を含む場合には、当該再生原料は、後述する直径がナノメートル単位の細孔を有する多孔質シリカ粒子(a)を含むことが好ましい。より具体的には、再生原料を、好ましくは30質量%以上、より好ましくは50質量%以上、さらに好ましくは70質量%以上、特に好ましくは80質量%以上(100質量%も含む)含有していてもよい。再生原料が上記多孔質シリカ粒子(a)を含むことにより、物品情報との紐付けによる認証・識別・追跡が可能なポリエステル樹脂組成物となるだけでなく、多孔質シリカ粒子(a)を含有していること自体が、ポリエステル樹脂組成物が再生原料を含むことの識別・認証になる。
上記再生原料の由来は特に限定されず、フィルム由来の再生原料であっても、ペットボトル等のボトル由来の再生原料であっても、トレイ等のプラスチック容器由来の再生原料であってもよい。また、当該再生原料のリサイクル方式は特に限定されず、マテリアルリサイクル、ケミカルリサイクル、サーマルリサイクル等が挙げられる。さらに、当該再生原料としては、使用後のポリエステル製品から回収された再生原料であってもよく、ポリエステルフィルムを製造する工程等から回収された再生原料であってもよい。
なお、当該再生原料は、1種を単独で用いてもよいし、又は2種以上を併用してもよい。
なお、当該再生原料は、1種を単独で用いてもよいし、又は2種以上を併用してもよい。
上記ポリエステルは、ホモポリエステルであっても、共重合ポリエステルであってもよい。
ホモポリエステルからなる場合、芳香族ジカルボン酸と脂肪族グリコールとを重縮合させて得られるものが好ましい。中でも、芳香族ジカルボン酸としては、テレフタル酸、2,6-ナフタレンジカルボン酸がより好ましく、脂肪族グリコールとしては、エチレングリコール、1,4-ブタンジオール、1,4-シクロヘキサンジメタノールがより好ましい。
代表的なポリエステルとしては、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)等を例示することができ、汎用性の観点からはPETがより好ましい。
ホモポリエステルからなる場合、芳香族ジカルボン酸と脂肪族グリコールとを重縮合させて得られるものが好ましい。中でも、芳香族ジカルボン酸としては、テレフタル酸、2,6-ナフタレンジカルボン酸がより好ましく、脂肪族グリコールとしては、エチレングリコール、1,4-ブタンジオール、1,4-シクロヘキサンジメタノールがより好ましい。
代表的なポリエステルとしては、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)等を例示することができ、汎用性の観点からはPETがより好ましい。
一方、上記ポリエステルが共重合ポリエステルの場合は、ポリエステルを構成するジカルボン酸成分の主成分となる化合物、及び、ジオール成分の主成分となる化合物以外の第3成分を共重合成分として含む。例えば、第3成分とは、PETでは、テレフタル酸及びエチレングリコール以外の成分である。主成分及び第3成分であるジカルボン酸及びジオールの具体例は上記した通りである。
また、ホモポリエステル及び共重合ポリエステルをそれぞれ1種以上併用してもよい。
本樹脂組成物における全ジカルボン酸成分100モル%のうち共重合成分は30モル%以下であることが好ましく、より好ましくは20モル%以下である。また、本樹脂組成物における全ジオール成分100モル%のうち共重合成分は30モル%以下であることが好ましく、より好ましくは20モル%以下である。
中でも、本樹脂組成物に含まれるポリエステルの80モル%以上、好ましくは90モル%以上が、エチレンテレフタレート単位を有するPETや、エチレン-2,6-ナフタレート単位を有するPENが好ましく、汎用性の観点からはPETがより好ましい。
本樹脂組成物における全ジカルボン酸成分100モル%のうち共重合成分は30モル%以下であることが好ましく、より好ましくは20モル%以下である。また、本樹脂組成物における全ジオール成分100モル%のうち共重合成分は30モル%以下であることが好ましく、より好ましくは20モル%以下である。
中でも、本樹脂組成物に含まれるポリエステルの80モル%以上、好ましくは90モル%以上が、エチレンテレフタレート単位を有するPETや、エチレン-2,6-ナフタレート単位を有するPENが好ましく、汎用性の観点からはPETがより好ましい。
なお、通常、エチレングリコールを原料の1つとしてポリエステルを製造(重縮合)する場合、エチレングリコールからジエチレングリコールが副生する。本明細書においては、このジエチレングリコールを副生ジエチレングリコールと称する。エチレングリコールからのジエチレングリコールの副生量は、重縮合の様式等によっても異なるが、エチレングリコールのうち5モル%以下程度である。本発明においては、5モル%以下の前記副生ジエチレングリコールもエチレングリコールに包含されるものとする。一方で、ジエチレングリコールの含有量によっては、より具体的にはジエチレングリコールが5モル%を超えて含有されている場合には、当該ジエチレングリコールはエチレングリコールとは区別される。
ポリエステルの重合触媒としては、特に制限はなく、従来公知の化合物を使用することができ、例えばチタン化合物、ゲルマニウム化合物、アンチモン化合物、マンガン化合物、アルミニウム化合物、マグネシウム化合物及びカルシウム化合物等が挙げられる。これらの中では、チタン化合物及びアンチモン化合物の少なくともいずれかが好ましい。
したがって、本樹脂組成物は、チタン化合物及びアンチモン化合物の少なくともいずれかを含むことが好ましい。
したがって、本樹脂組成物は、チタン化合物及びアンチモン化合物の少なくともいずれかを含むことが好ましい。
オリゴマー成分の析出量を抑えるために、オリゴマー成分の含有量が少ないポリエステルを原料としてもよい。オリゴマー成分の含有量が少ないポリエステルの製造方法としては、種々公知の方法を用いることができ、例えばポリエステル製造後に固相重合する方法等が挙げられる。
また、オリゴマー成分の含有量が少ないポリエステルは、エステル化もしくはエステル交換反応をした後に、さらに反応温度を高くして減圧下で溶融重縮合して得てもよい。
また、オリゴマー成分の含有量が少ないポリエステルは、エステル化もしくはエステル交換反応をした後に、さらに反応温度を高くして減圧下で溶融重縮合して得てもよい。
<多孔質シリカ粒子(a)>
本樹脂組成物は、直径がナノメートル単位の細孔を有する多孔質シリカ粒子(a)を含む。本樹脂組成物は、上記多孔質シリカ粒子(a)を、認証・識別を容易にできる化合物(スペクトル標識、光学的標識)として含むため、リサイクルに適した、認証・識別可能な樹脂組成物とすることができる。
本樹脂組成物は、直径がナノメートル単位の細孔を有する多孔質シリカ粒子(a)を含む。本樹脂組成物は、上記多孔質シリカ粒子(a)を、認証・識別を容易にできる化合物(スペクトル標識、光学的標識)として含むため、リサイクルに適した、認証・識別可能な樹脂組成物とすることができる。
ポリエステルフィルム分野では、従来、易滑性の付与及び各工程での傷発生防止を主たる目的として、シリカ粒子を含有させている。そのため、直径がナノメートル単位の細孔を有する上記多孔質シリカ粒子(a)は、フィルムの基本特性に対して影響を及ぼすことがない。従って、当該多孔質シリカ粒子(a)を含む樹脂組成物を用いて製造されたポリエステルフィルムは、実用上問題なく使用することができると考えられる。
特に、認証・識別を容易にできる化合物として金属化合物を用いた場合には、ポリエステルフィルム上に機能層を設けた場合に、機能層表面に金属化合物がマイグレーションするおそれや、微量な金属化合物であっても二次加工時に機能層の硬化阻害が起こるおそれがある。
しかしながら、従来汎用的に用いられているシリカ粒子であれば、上記のおそれもなく、実用上問題なく使用することができると考えられる。
特に、認証・識別を容易にできる化合物として金属化合物を用いた場合には、ポリエステルフィルム上に機能層を設けた場合に、機能層表面に金属化合物がマイグレーションするおそれや、微量な金属化合物であっても二次加工時に機能層の硬化阻害が起こるおそれがある。
しかしながら、従来汎用的に用いられているシリカ粒子であれば、上記のおそれもなく、実用上問題なく使用することができると考えられる。
前記多孔質シリカ粒子(a)の例としては、特表2013-531849号公報等に記載されているものが挙げられる。より具体的には、高純度のシリカ粒子の表面に、直径がナノメートル単位の細孔、好ましくは、ミクロ孔、メソ孔又はマクロ孔が無数に形成されたものであり、ナノ多孔性構造を有するシリカ粒子が挙げられる。
光学式分光リーダーを使用すると、前記多孔質シリカ粒子(a)の細孔に基づく特定の反射パターンを読み取ることができる。多孔質シリカ粒子(a)の細孔に基づくこのような特定の反射パターンを、スペクトル(光学的)標識として用いることができる。
具体的には、トゥルータグ社製ハイパースペクトルカメラ等の光学式分光リーダーを使用すると、前記多孔質シリカ粒子(a)の穴(細孔)の形状に基づいた、特定の反射パターン(例えば反射スペクトル、反射ピーク、反射振幅等)が得られ、これを読み取ることができる。すなわち、前記多孔質シリカ粒子(a)は、光学式分光リーダーを使用して読み取ることができる。なお、前記光学式分光リーダーは、スマートフォンやタブレット端末等に、ソフトウェアやアプリケーションをインストールし、それらを使用して読み取ることができるようにしたものであってもよい。
具体的には、トゥルータグ社製ハイパースペクトルカメラ等の光学式分光リーダーを使用すると、前記多孔質シリカ粒子(a)の穴(細孔)の形状に基づいた、特定の反射パターン(例えば反射スペクトル、反射ピーク、反射振幅等)が得られ、これを読み取ることができる。すなわち、前記多孔質シリカ粒子(a)は、光学式分光リーダーを使用して読み取ることができる。なお、前記光学式分光リーダーは、スマートフォンやタブレット端末等に、ソフトウェアやアプリケーションをインストールし、それらを使用して読み取ることができるようにしたものであってもよい。
したがって、本樹脂組成物に光を当てて、特定の反射パターンを検出することで、本樹脂組成物の認証・識別が可能となる。
また、この反射パターンは、ナノメートル単位の細孔の構造(形状)によって異なることから、反射パターンと、特定の製品情報(製造者情報や製品の構成・組成・用途情報等)とを紐付けておくことで、さまざまな製品の認証・識別に応用することが可能となる。
なお、ここでいう「さまざまな製品」とは、製品グレード別を意味する。
また、この反射パターンは、ナノメートル単位の細孔の構造(形状)によって異なることから、反射パターンと、特定の製品情報(製造者情報や製品の構成・組成・用途情報等)とを紐付けておくことで、さまざまな製品の認証・識別に応用することが可能となる。
なお、ここでいう「さまざまな製品」とは、製品グレード別を意味する。
本明細書において、「直径がナノメートル単位」とは、直径が10-12m(ピコメートル単位)以上10-6m(マイクロメートル単位)以下であることを意味する。
多孔質シリカ粒子(a)が有する細孔は、好ましくは直径が0.001nm(10-12m)以上100nm(10-7m)以下であり、より好ましくは直径が0.001nm(10-12m)以上10nm(10-8m)以下であり、最も好ましくは直径が0.001nm(10-12m)以上1nm(10-9m)以下である。
また、同様に、多孔質シリカ粒子(a)が有する細孔は、直径が0.01nm(10-11m)以上1000nm(10-6m)以下であることも好ましく、直径が0.1nm(10-10m)以上1000nm(10-6m)以下であることもより好ましく、直径が1nm(10-9m)以上1000nm(10-6m)以下であることも最も好ましい。
多孔質シリカ粒子(a)が有する細孔は、好ましくは直径が0.001nm(10-12m)以上100nm(10-7m)以下であり、より好ましくは直径が0.001nm(10-12m)以上10nm(10-8m)以下であり、最も好ましくは直径が0.001nm(10-12m)以上1nm(10-9m)以下である。
また、同様に、多孔質シリカ粒子(a)が有する細孔は、直径が0.01nm(10-11m)以上1000nm(10-6m)以下であることも好ましく、直径が0.1nm(10-10m)以上1000nm(10-6m)以下であることもより好ましく、直径が1nm(10-9m)以上1000nm(10-6m)以下であることも最も好ましい。
本発明の具体的な態様において、上記多孔質シリカ粒子(a)は、
(a1)細孔直径が0.001nm以上2nm未満のミクロ孔を有する多孔質シリカ粒子、
(a2)細孔直径が2nm以上50nm以下のメソ孔を有する多孔質シリカ粒子、及び
(a3)細孔直径が50nm超1000nm以下のマクロ孔を有する多孔質シリカ粒子
からなる群から選択される少なくとも1種を含むことが好ましい。
(a1)細孔直径が0.001nm以上2nm未満のミクロ孔を有する多孔質シリカ粒子、
(a2)細孔直径が2nm以上50nm以下のメソ孔を有する多孔質シリカ粒子、及び
(a3)細孔直径が50nm超1000nm以下のマクロ孔を有する多孔質シリカ粒子
からなる群から選択される少なくとも1種を含むことが好ましい。
本発明の一の態様においては、前記多孔質シリカ粒子(a)が、ミクロ孔を有する多孔質シリカ粒子(a1)及びメソ孔を有する多孔質シリカ粒子(a2)の少なくとも一方を含むことが好ましい。
本態様における前記多孔質シリカ粒子(a)は、好ましくは細孔直径が0.001nm(10-12m)以上50nm(5×10-8m)以下であり、より好ましくは細孔直径が0.01nm(10-11m)以上50nm(5×10-8m)以下であり、最も好ましくは細孔直径が0.1nm(10-10m)以上50nm(5×10-8m)以下である。
本態様における前記多孔質シリカ粒子(a)は、好ましくは細孔直径が0.001nm(10-12m)以上50nm(5×10-8m)以下であり、より好ましくは細孔直径が0.01nm(10-11m)以上50nm(5×10-8m)以下であり、最も好ましくは細孔直径が0.1nm(10-10m)以上50nm(5×10-8m)以下である。
本発明の他の態様においては、前記多孔質シリカ粒子(a)が、メソ孔を有する多孔質シリカ粒子(a2)及びマクロ孔を有する多孔質シリカ粒子(a3)の少なくとも一方を含むことが好ましい。
本態様における前記多孔質シリカ粒子(a)は、細孔直径が2nm(2×10-9m)以上1000nm(10-6m)以下であることも好ましく、細孔直径が2nm(2×10-9m)以上100nm(10-7m)以下であることがより好ましい。
本態様における前記多孔質シリカ粒子(a)は、細孔直径が2nm(2×10-9m)以上1000nm(10-6m)以下であることも好ましく、細孔直径が2nm(2×10-9m)以上100nm(10-7m)以下であることがより好ましい。
本発明においては、前記多孔質シリカ粒子(a)として、上記したミクロ孔を有する多孔質シリカ粒子(a1)、メソ孔を有する多孔質シリカ粒子(a2)及びマクロ孔を有する多孔質シリカ粒子(a3)の組み合わせを用いることもできる。
中でも、本樹脂組成物は、前記多孔質シリカ粒子(a)として、メソ孔を有する多孔質シリカ粒子(a2)を含むことが好ましい。
中でも、本樹脂組成物は、前記多孔質シリカ粒子(a)として、メソ孔を有する多孔質シリカ粒子(a2)を含むことが好ましい。
このように本樹脂組成物は、多孔質シリカ粒子(a)が有する細孔に由来するスペクトル(光学的)標識を内包しているため、このようなスペクトル標識を光学式分光リーダーで読み取ることで製品を認証したり、製品を識別したりすることができる。
とりわけ、本樹脂組成物を原料として用いたポリエステル製品、例えばポリエステルフィルムは、製造者情報や製品の構成・組成・用途等の製品情報が内包されていることから、これを回収してリサイクルする際、例えば当該製品情報を利用して、製品毎に分別することが可能になる。
また、本樹脂組成物を用いて得られたポリエステル製品は、物品情報が紐付けされた多孔質シリカ粒子(a)を含むことから、ポリエステル製品の流れを追跡・把握することもできる。
例えば、特定の物品情報を紐付けした本樹脂組成物からポリエステル製品を製造することで、顧客・エンドユーザーにおける使用量や顧客・エンドユーザーからの回収量を一元的に管理することが可能となる。とりわけ、製造、販売、回収、分別、再生等の各段階で、追跡・把握が可能であれば、リサイクルだけでなく、製造や販売等も円滑に行えることが期待できる。
したがって、本樹脂組成物は、リサイクルに適した樹脂組成物であるといえる。
とりわけ、本樹脂組成物を原料として用いたポリエステル製品、例えばポリエステルフィルムは、製造者情報や製品の構成・組成・用途等の製品情報が内包されていることから、これを回収してリサイクルする際、例えば当該製品情報を利用して、製品毎に分別することが可能になる。
また、本樹脂組成物を用いて得られたポリエステル製品は、物品情報が紐付けされた多孔質シリカ粒子(a)を含むことから、ポリエステル製品の流れを追跡・把握することもできる。
例えば、特定の物品情報を紐付けした本樹脂組成物からポリエステル製品を製造することで、顧客・エンドユーザーにおける使用量や顧客・エンドユーザーからの回収量を一元的に管理することが可能となる。とりわけ、製造、販売、回収、分別、再生等の各段階で、追跡・把握が可能であれば、リサイクルだけでなく、製造や販売等も円滑に行えることが期待できる。
したがって、本樹脂組成物は、リサイクルに適した樹脂組成物であるといえる。
前記多孔質シリカ粒子(a)の平均粒径は、好ましくは10~150μm、より好ましくは10~100μm、さらに好ましくは10~50μm、最も好ましくは10~35μmである。当該平均粒径が10μm以上であれば、特定の反射パターンが得られるなど性能が十分に発揮される。また、当該平均粒径が150μm以下であれば、当該シリカ粒子の分散性が十分となる。
なお、多孔質シリカ粒子(a)の平均粒径は、走査型電子顕微鏡(SEM)によって、10個以上の粒子の直径を測定し、その平均値として求めることができる。その際、非球状粒子の場合は、最長径と最短径の平均値を各粒子の直径として測定することができる。
なお、多孔質シリカ粒子(a)の平均粒径は、走査型電子顕微鏡(SEM)によって、10個以上の粒子の直径を測定し、その平均値として求めることができる。その際、非球状粒子の場合は、最長径と最短径の平均値を各粒子の直径として測定することができる。
前記多孔質シリカ粒子(a)の形状は特に限定されるわけではなく、球状、塊状、棒状、扁平状、板状、鱗片状等のいずれを用いてもよい。中でも、前記多孔質シリカ粒子(a)の形状は、非球状であることが好ましく、長径、短径、厚みがそれぞれμmオーダー以上であることが好ましく、長径、短径、厚みに関して、一つ以上異なるアスペクト比を有することがより好ましい。このような形状としては、板状や鱗片状が挙げられ、かかる形状であれば、光学式分光リーダーとしてスマートフォンのような光学分光読み取り性能が低いデバイスを使用した際であっても、読み取りが可能となる。
本樹脂組成物における多孔質シリカ粒子(a)の含有量は、2~6000ppmであることが好ましい。多孔質シリカ粒子(a)の含有量が2ppm以上であれば、特定の反射パターンが得られるなど性能が十分に発揮される。
一方で、多孔質シリカ粒子(a)の含有量が6000ppm以下であれば、シリカ粒子の分散性が十分となる。
本樹脂組成物を原料としてポリエステルフィルム等を製造した場合の透明性の観点から、本樹脂組成物における多孔質シリカ粒子(a)の含有量は、2.5~5000ppmであることがより好ましく、さらに好ましくは2.5~1000ppm、特に好ましくは2.5~500ppm、とりわけ好ましくは2.5~100ppm、例えば具体的には2.5~50ppmである。
一方で、多孔質シリカ粒子(a)の含有量が6000ppm以下であれば、シリカ粒子の分散性が十分となる。
本樹脂組成物を原料としてポリエステルフィルム等を製造した場合の透明性の観点から、本樹脂組成物における多孔質シリカ粒子(a)の含有量は、2.5~5000ppmであることがより好ましく、さらに好ましくは2.5~1000ppm、特に好ましくは2.5~500ppm、とりわけ好ましくは2.5~100ppm、例えば具体的には2.5~50ppmである。
なお、前記多孔質シリカ粒子(a)は、ポリエステルフィルムを製造した場合の易滑性の付与及び各工程での傷発生防止の役割を担うことも可能である。
前記多孔質シリカ粒子(a)を添加する方法としては、特に制限されるものではないが、シリカ粒子とポリエステルとを予めマスターバッチ化してもよく、ポリエステルフィルムの製造工程における原料投入段階で直接シリカ粒子を添加してもよい。
<粒子(b)>
本樹脂組成物には、本樹脂組成物を原料としてポリエステルフィルムを製造した場合の易滑性の付与及び各工程での傷発生防止を主たる目的として、粒子(b)を含有させることも可能である。
本樹脂組成物には、本樹脂組成物を原料としてポリエステルフィルムを製造した場合の易滑性の付与及び各工程での傷発生防止を主たる目的として、粒子(b)を含有させることも可能である。
粒子(b)の種類は、易滑性の付与が可能な粒子であれば特に限定されるものではない。ただし、前述の多孔質シリカ粒子(a)は除く。
上記粒子(b)は、多孔質シリカ粒子(a)とは異なり、細孔(多孔質シリカ粒子(a)が有する孔)を有さない粒子であることが好ましい。このような粒子(b)は無機粒子及び/又は有機粒子であることがより好ましい。
上記粒子(b)は、多孔質シリカ粒子(a)とは異なり、細孔(多孔質シリカ粒子(a)が有する孔)を有さない粒子であることが好ましい。このような粒子(b)は無機粒子及び/又は有機粒子であることがより好ましい。
具体例としては、例えばシリカ、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、炭酸バリウム、硫酸カルシウム、リン酸カルシウム、リン酸マグネシウム、カオリン、酸化アルミニウム、酸化チタン等の無機粒子の他、架橋シリコーン樹脂粒子、架橋アクリル樹脂粒子、架橋スチレン-アクリル樹脂粒子、架橋ポリエステル粒子等の架橋高分子粒子、シュウ酸カルシウム及びイオン交換樹脂等の有機粒子が挙げられる。架橋高分子粒子の組成としては、例えばジビニルベンゼン重合体、エチルビニルベンゼン-ジビニルベンゼン共重合体、スチレン-ジビニルベンゼン共重合体、スチレン-エチルビニルベンゼン-ジビニルベンゼン共重合体、エチルスチレン-メタクリル酸メチル-ジビニルベンゼン共重合体、エチレングリコールジメタクリレート重合体、スチレン-エチレングリコールジメタクリレート共重合体、メチルメタクリレート-ジビニルベンゼン共重合体などの架橋高分子粒子が挙げられる。なお、架橋高分子粒子は3成分以上の系から構成されるものを用いてもよい。
上記粒子(b)は、単独で用いてもよいし、二種以上を併用してもよい。
さらに、本樹脂組成物に含まれるポリエステル製造工程中、触媒等の金属化合物の一部を沈殿、微分散させた析出粒子を上記粒子(b)として用いることもできる。
さらに、本樹脂組成物に含まれるポリエステル製造工程中、触媒等の金属化合物の一部を沈殿、微分散させた析出粒子を上記粒子(b)として用いることもできる。
使用する粒子(b)の形状に関しても特に限定されるわけではなく、球状、塊状、棒状、扁平状等のいずれを用いてもよい。また、その硬度、比重、色等についても特に制限はない。
用いる粒子(b)の平均粒径は、本樹脂組成物を用いてポリエステルフィルムを製造した場合の透明性と取り扱い性との両立を考慮すると、通常、0.01~5μm、好ましくは0.03~4μm、さらに好ましくは0.05~3μmである。
なお、粒子(b)の平均粒径は、走査型電子顕微鏡(SEM)によって、10個以上の粒子の直径を測定し、その平均値として求めることができる。その際、非球状粒子の場合は、最長径と最短径の平均値を各粒子の直径として測定することができる。
なお、粒子(b)の平均粒径は、走査型電子顕微鏡(SEM)によって、10個以上の粒子の直径を測定し、その平均値として求めることができる。その際、非球状粒子の場合は、最長径と最短径の平均値を各粒子の直径として測定することができる。
本樹脂組成物における粒子(b)の含有量は、0.0003質量%以上5質量%以下が好ましく、より好ましくは0.01質量%以上3質量%以下、さらに好ましくは0.01質量%以上0.3質量%以下である。粒子(b)を含有しない場合、あるいは粒子(b)の含有量が少ない場合は、製造したポリエステルフィルムの透明性が高くなり、透明性の観点から良好なポリエステルフィルムとなる。一方、上記範囲で粒子を含有することで滑り性の点でも良好となる。
粒子(b)を添加する方法としては、特に限定されるものではなく、従来公知の方法を採用しうる。例えば、樹脂組成物に含まれるポリエステルを製造する任意の段階において添加することができるが、エステル化又はエステル交換反応終了後、添加することが好ましい。
<その他>
本樹脂組成物中には、上述の構成成分以外に、必要に応じて従来公知の酸化防止剤、帯電防止剤、紫外線吸収剤、熱安定剤、潤滑剤、染料、顔料等をさらに添加することができる。本樹脂組成物から得られるポリエステルフィルムも同様に、これらの成分を含むことが可能である。
本樹脂組成物中には、上述の構成成分以外に、必要に応じて従来公知の酸化防止剤、帯電防止剤、紫外線吸収剤、熱安定剤、潤滑剤、染料、顔料等をさらに添加することができる。本樹脂組成物から得られるポリエステルフィルムも同様に、これらの成分を含むことが可能である。
<ポリエステル樹脂組成物の製造方法>
本樹脂組成物を製造する方法は、特に制限されないが、例えば、主成分樹脂であるポリエステルを含む樹脂原料、さらには他の添加剤成分を任意の割合で配合し、250~350℃程度の温度(適宜選択)で5分~1時間混練することにより原料ペレットとして本樹脂組成物を製造することができる。上記混練は、通常用いられている機器、例えば、一軸押出機、二軸押出機、バンバリーミキサー、ロールミキサー、プラストグラフ、ニーダーブレンダー等を用いて行うことができる。また、例えばリボンブレンダー、ドラムタンブラーなどで予備混合した後、上記混練を行ってもよい。
本樹脂組成物を製造する方法は、特に制限されないが、例えば、主成分樹脂であるポリエステルを含む樹脂原料、さらには他の添加剤成分を任意の割合で配合し、250~350℃程度の温度(適宜選択)で5分~1時間混練することにより原料ペレットとして本樹脂組成物を製造することができる。上記混練は、通常用いられている機器、例えば、一軸押出機、二軸押出機、バンバリーミキサー、ロールミキサー、プラストグラフ、ニーダーブレンダー等を用いて行うことができる。また、例えばリボンブレンダー、ドラムタンブラーなどで予備混合した後、上記混練を行ってもよい。
<<ポリエステルフィルム>>
上記した本樹脂組成物から得られる本発明のポリエステルフィルム(以下、「本フィルム」とも称する)は、未延伸フィルム(シート)であっても延伸フィルムであってもよいが、本樹脂組成物から得られる未延伸フィルムを少なくとも一方向に延伸した、一軸又は二軸延伸ポリエステルフィルムであることが好ましい。中でも、力学特性のバランス、平面性及び薄膜化の観点から、二軸延伸ポリエステルフィルムであることがより好ましい。
上記した本樹脂組成物から得られる本発明のポリエステルフィルム(以下、「本フィルム」とも称する)は、未延伸フィルム(シート)であっても延伸フィルムであってもよいが、本樹脂組成物から得られる未延伸フィルムを少なくとも一方向に延伸した、一軸又は二軸延伸ポリエステルフィルムであることが好ましい。中でも、力学特性のバランス、平面性及び薄膜化の観点から、二軸延伸ポリエステルフィルムであることがより好ましい。
本フィルムの厚みは、フィルムとして製膜可能な範囲であれば特に制限されるものではないが、好ましくは5~350μm、より好ましくは8~125μm、さらに好ましくは10~100μm、特に好ましくは12~75μmの範囲である。
上記フィルムの厚みは実施例に記載の方法で測定することができる。
上記フィルムの厚みは実施例に記載の方法で測定することができる。
本フィルムは、用途に応じて適切なヘーズ値を有する。
本フィルムのヘーズ値は、透明性が必要な用途、例えば光学用、包装用等においては、10%以下であることが好ましく、より好ましくは8%以下、さらに好ましくは5%以下、特に好ましくは3%以下である。かかる範囲であれば、十分な透明性を有する。本樹脂組成物から得られるポリエステルフィルムによれば、当該ヘーズ値を達成することができる。
なお、下限値は、特に制限されないが、通常0.01%以上である。
上記フィルムのヘーズ値は、実施例に記載の方法で測定することができる。
本フィルムのヘーズ値は、透明性が必要な用途、例えば光学用、包装用等においては、10%以下であることが好ましく、より好ましくは8%以下、さらに好ましくは5%以下、特に好ましくは3%以下である。かかる範囲であれば、十分な透明性を有する。本樹脂組成物から得られるポリエステルフィルムによれば、当該ヘーズ値を達成することができる。
なお、下限値は、特に制限されないが、通常0.01%以上である。
上記フィルムのヘーズ値は、実施例に記載の方法で測定することができる。
本フィルムの少なくとも片面には、機能層を設けてもよい。機能層の構成成分は特に限定されるものではない。機能層としては、ハードコート層、帯電防止層、離型層、易接着層、粘着層、印刷層、加飾層、遮光層、紫外線遮蔽層、屈折率調整層、オリゴマー封止層などが挙げられる。
機能層の形成については、ポリエステルフィルムの製膜工程中にフィルム表面を処理する、インラインコーティングにより設けられてもよく、一旦製造したフィルム上に系外で塗布する、オフラインコーティングによって設けられていてもよい。
機能層の形成については、ポリエステルフィルムの製膜工程中にフィルム表面を処理する、インラインコーティングにより設けられてもよく、一旦製造したフィルム上に系外で塗布する、オフラインコーティングによって設けられていてもよい。
<ポリエステルフィルムの製造方法>
次に本フィルムが二軸延伸ポリエステルフィルムである場合を例に、本フィルムの製造方法について説明する。
本フィルムが二軸延伸フィルムである場合には、まず、未延伸シートを製造し、その後、二方向に延伸させて二軸延伸フィルムを得るとよい。
次に本フィルムが二軸延伸ポリエステルフィルムである場合を例に、本フィルムの製造方法について説明する。
本フィルムが二軸延伸フィルムである場合には、まず、未延伸シートを製造し、その後、二方向に延伸させて二軸延伸フィルムを得るとよい。
未延伸シートは、原料を、押出機を用いてダイから溶融シートとして押し出し、冷却ロールで冷却固化して得ることが好ましい。この場合、シートの平面性を向上させるため、シートと回転冷却ドラムとの密着性を高めることが好ましく、静電印加密着法及び/又は液体塗布密着法が好ましくは採用される。このようにして、未延伸シートを得る。
なお、原料となる本樹脂組成物は、ペレットなどとして、適宜乾燥されたうえで押出機に供給されるとよい。また、上記多孔質シリカ粒子(a)、上記粒子(b)、紫外線吸収剤、その他の添加剤などは、適宜ペレットに配合されてもよい。
なお、原料となる本樹脂組成物は、ペレットなどとして、適宜乾燥されたうえで押出機に供給されるとよい。また、上記多孔質シリカ粒子(a)、上記粒子(b)、紫外線吸収剤、その他の添加剤などは、適宜ペレットに配合されてもよい。
得られた未延伸シートは、次に一軸方向に、さらには二軸方向に延伸される。その場合、まず、前記未延伸シートを一方向にロール又はテンター方式の延伸機により延伸する。延伸温度は、通常70~120℃、好ましくは80~110℃であり、延伸倍率は、通常2.5~7倍、好ましくは3~6倍である。
次いで、一段目の延伸方向と直交する方向に延伸するが、その場合、延伸温度は通常70~170℃、延伸倍率は通常2.5~7倍、好ましくは3~6倍である。
次いで、一段目の延伸方向と直交する方向に延伸するが、その場合、延伸温度は通常70~170℃、延伸倍率は通常2.5~7倍、好ましくは3~6倍である。
引き続き180~270℃の温度で緊張下又は30%以内の弛緩下で熱処理を行い、二軸延伸ポリエステルフィルムを得ることが好ましい。上記の延伸においては、一方向の延伸を2段階以上で行う方法を採用することもできる。その場合、最終的に二方向の延伸倍率がそれぞれ上記範囲となるように行うことが好ましい。
また、本フィルムの製造には、同時二軸延伸法を採用することもできる。同時二軸延伸法は、前記の未延伸シートを通常70~120℃、好ましくは80~110℃に温度コントロールされた状態で、長手方向及び幅方向に同時に延伸し配向させる方法であり、延伸倍率としては、面積倍率で通常4~50倍、好ましくは7~35倍、さらに好ましくは10~25倍である。
引き続き、170~250℃の温度で緊張下又は30%以内の弛緩下で熱処理を行い、延伸配向フィルムを得ることができる。上述の延伸方式を採用する同時二軸延伸装置に関しては、スクリュー方式、パンタグラフ方式及びリニアー駆動方式等、従来公知の延伸方式を採用することができる。
引き続き、170~250℃の温度で緊張下又は30%以内の弛緩下で熱処理を行い、延伸配向フィルムを得ることができる。上述の延伸方式を採用する同時二軸延伸装置に関しては、スクリュー方式、パンタグラフ方式及びリニアー駆動方式等、従来公知の延伸方式を採用することができる。
なお、フィルムの長手方向とは、フィルムの製造工程でフィルムが進行する方向、すなわちフィルムロールの巻き方向をいう。幅方向とは、フィルム面に平行かつ長手方向と直交する方向をいい、すなわち、フィルムロール状としたときロールの中心軸と平行な方向である。
本樹脂組成物は、上述したとおり、多孔質シリカ粒子(a)を、認証・識別を容易にできる化合物(スペクトル標識、光学的標識)として含むため、他の態様において、上記樹脂組成物から得られるポリエステルフィルムのリサイクル原料としての使用を、その他の態様において、リサイクル原料用ポリエステルフィルムを、さらにその他の態様において、リサイクルポリエステルフィルムの製造方法を提供することができる。以下、詳述する。
本発明の他の態様において、以下のポリエステルフィルムのリサイクル原料としての使用を提供する。
<<ポリエステルフィルムのリサイクル原料としての使用>>
本態様によれば、前記多孔質シリカ粒子(a)を有するポリエステル樹脂組成物から得られるポリエステルフィルムのリサイクル原料としての使用(以下、「本使用」とも称する)が提供される。
本態様におけるポリエステルフィルムのリサイクル原料としての使用は、上述したポリエステルフィルム、すなわち、上記多孔質シリカ粒子(a)を含むポリエステル樹脂組成物から得られるポリエステルフィルムを再生(リサイクル)するための原料として使用するものである。なお、リサイクル原料として使用されるポリエステルフィルムは、上記多孔質シリカ粒子(a)を含んでいればよく、リサイクルポリエステルフィルムであってもよいし、バージンポリエステルフィルムであってもよく、リサイクルポリエステルフィルムとバージンポリエステルフィルムとを併用してもよい。
<<ポリエステルフィルムのリサイクル原料としての使用>>
本態様によれば、前記多孔質シリカ粒子(a)を有するポリエステル樹脂組成物から得られるポリエステルフィルムのリサイクル原料としての使用(以下、「本使用」とも称する)が提供される。
本態様におけるポリエステルフィルムのリサイクル原料としての使用は、上述したポリエステルフィルム、すなわち、上記多孔質シリカ粒子(a)を含むポリエステル樹脂組成物から得られるポリエステルフィルムを再生(リサイクル)するための原料として使用するものである。なお、リサイクル原料として使用されるポリエステルフィルムは、上記多孔質シリカ粒子(a)を含んでいればよく、リサイクルポリエステルフィルムであってもよいし、バージンポリエステルフィルムであってもよく、リサイクルポリエステルフィルムとバージンポリエステルフィルムとを併用してもよい。
なお、上記リサイクル原料を用いて製造する製品の形態は、特に限定されず、フィルムやボトル、トレイ等が挙げられる。例えば、上記リサイクル原料を用いて製造する製品をフィルムとした、フィルム トゥ フィルムのリサイクルであってもよいし、上記リサイクル原料を用いて製造する製品をボトルとした、フィルム トゥ ボトルや、製品をトレイとしたフィルム トゥ トレイのような異なる形態へのリサイクルであってもよい。
前記リサイクル原料は、例えば回収したポリエステルフィルムを粉砕してフレークにしたもの及び/又は該フレークをチップ(ペレット)化したものであってもよいし、上記したとおり、多孔質シリカ粒子(a)を含んでいるポリエステルフィルムであれば、バージンポリエステルフィルムを粉砕してフレークにしたもの及び/又は該フレークをチップ(ペレット)化したものであってもよく、上記回収したフィルム由来の原料と、バージンフィルム由来の原料とを併用してもよい。
前記フレークを得る方法としては、従来公知の方法を用いることができる。例えばポリエステルフィルムを粉砕機により粉砕してフレークを得る方法が挙げられる。
また、フレークをチップ化する方法としても、従来公知の方法を用いることができる。例えばフレークを溶融押出した後、ストランド状の溶融押出物を裁断することでチップ化した原料を得る方法が挙げられる。
前記フレークを得る方法としては、従来公知の方法を用いることができる。例えばポリエステルフィルムを粉砕機により粉砕してフレークを得る方法が挙げられる。
また、フレークをチップ化する方法としても、従来公知の方法を用いることができる。例えばフレークを溶融押出した後、ストランド状の溶融押出物を裁断することでチップ化した原料を得る方法が挙げられる。
なお、本使用におけるポリエステルフィルムの具体的な態様及び好ましい態様は、上記した本発明の樹脂組成物から得られるポリエステルフィルムと同じであり、これらを全て援用することができる。すなわち、リサイクル原料として使用されるポリエステルフィルムがリサイクルフィルムである場合には、再生原料の好ましい態様も含め、上記した樹脂組成物及び得られるポリエステルフィルムの全てを援用することができる。
本態様において用いられるフィルム(リサイクルフィルム及び/又はバージンフィルム)は、物品情報との紐付けによる認証・識別・追跡が可能な多孔質シリカ粒子(a)を含むポリエステルフィルムであり、リサイクルに適していることから、リサイクル原料としての使用に応用することができる。
本態様において用いられるフィルム(リサイクルフィルム及び/又はバージンフィルム)は、物品情報との紐付けによる認証・識別・追跡が可能な多孔質シリカ粒子(a)を含むポリエステルフィルムであり、リサイクルに適していることから、リサイクル原料としての使用に応用することができる。
本発明のその他の態様において、以下のリサイクル原料用ポリエステルフィルムを提供する。
<<リサイクル原料用ポリエステルフィルム>>
本態様によれば、前記多孔質シリカ粒子(a)、すなわち、ポリエステルフィルムの物品情報と紐付けて識別可能である波長スペクトルプロファイルを有する、リサイクル原料用ポリエステルフィルムが提供される。
本態様におけるリサイクル原料用ポリエステルフィルムは、物品情報と紐付けて識別可能である波長スペクトルプロファイルを有する多孔質シリカ粒子(a)を含むポリエステルフィルムからリサイクル原料を得る、すなわち、ポリエステルフィルムをリサイクル原料用途に用いるものである。本態様によれば、上記リサイクル原料用ポリエステルフィルムから得られるリサイクルポリエステルフィルムも提供される。
<<リサイクル原料用ポリエステルフィルム>>
本態様によれば、前記多孔質シリカ粒子(a)、すなわち、ポリエステルフィルムの物品情報と紐付けて識別可能である波長スペクトルプロファイルを有する、リサイクル原料用ポリエステルフィルムが提供される。
本態様におけるリサイクル原料用ポリエステルフィルムは、物品情報と紐付けて識別可能である波長スペクトルプロファイルを有する多孔質シリカ粒子(a)を含むポリエステルフィルムからリサイクル原料を得る、すなわち、ポリエステルフィルムをリサイクル原料用途に用いるものである。本態様によれば、上記リサイクル原料用ポリエステルフィルムから得られるリサイクルポリエステルフィルムも提供される。
本態様におけるリサイクル原料用ポリエステルフィルムは、上記多孔質シリカ粒子(a)を含んでいればよく、リサイクルポリエステルフィルムであってもよいし、バージンポリエステルフィルムであってもよく、リサイクルポリエステルフィルムとバージンポリエステルフィルムとを併用してもよい。
なお、本態様において用いるリサイクル原料用ポリエステルフィルムとしては、上記した本発明の樹脂組成物から得られるポリエステルフィルムと同じものを用いることができ、これらを全て援用することができる。
また、本態様において用いることができるリサイクル原料用バージンポリエステルフィルムの具体的な態様及び好ましい態様は、上記した樹脂組成物及び得られるポリエステルフィルムと同じであり、これらを全て援用することができる。
また、本態様において用いることができるリサイクル原料用バージンポリエステルフィルムの具体的な態様及び好ましい態様は、上記した樹脂組成物及び得られるポリエステルフィルムと同じであり、これらを全て援用することができる。
なお、上記リサイクル原料を用いて製造する製品の形態は、特に限定されず、フィルムやボトル、トレイ等が挙げられる。例えば、上記リサイクル原料を用いて製造する製品をフィルムとした、フィルム トゥ フィルムのリサイクルであってもよいし、上記リサイクル原料を用いて製造する製品をボトルとした、フィルム トゥ ボトル、又は上記リサイクル原料を用いて製造する製品をトレイとした、フィルム トゥ トレイのような異なる形態へのリサイクルであってもよい。
本発明のさらにその他の態様において、以下のリサイクルポリエステルフィルムの製造方法を提供する。
<<リサイクルポリエステルフィルムの製造方法>>
本態様によれば、多孔質シリカ粒子(a)を含むポリエステルフィルムを準備する準備工程と、リサイクルポリエステルフィルムを製造する再生工程とを有する、リサイクルポリエステルフィルムの製造方法(以下、「本製造方法」とも称する)が提供される。
<<リサイクルポリエステルフィルムの製造方法>>
本態様によれば、多孔質シリカ粒子(a)を含むポリエステルフィルムを準備する準備工程と、リサイクルポリエステルフィルムを製造する再生工程とを有する、リサイクルポリエステルフィルムの製造方法(以下、「本製造方法」とも称する)が提供される。
<準備工程>
本態様における準備工程は、前記多孔質シリカ粒子(a)、すなわち、ポリエステルフィルムの物品情報と紐付けて識別可能である波長スペクトルプロファイルを有するポリエステルフィルムを準備する工程である。
前記準備工程では、リサイクルする目的で、前記ポリエステルフィルムを回収する。回収するポリエステルフィルムの形状は、特に制限されず、ロール状であっても、塊状であってもよい。
また、回収するポリエステルフィルムとしては、下記(a)~(c)のフィルムを含んでいてもよい。
(a)ポリエステルフィルムを製造する際に製品とならないフィルム(例えば、製品から切断除去したフィルム端部等)
(b)製膜中に破断してしまったフィルム
(c)品質不良などで製品に達しなかったフィルム
本態様における準備工程は、前記多孔質シリカ粒子(a)、すなわち、ポリエステルフィルムの物品情報と紐付けて識別可能である波長スペクトルプロファイルを有するポリエステルフィルムを準備する工程である。
前記準備工程では、リサイクルする目的で、前記ポリエステルフィルムを回収する。回収するポリエステルフィルムの形状は、特に制限されず、ロール状であっても、塊状であってもよい。
また、回収するポリエステルフィルムとしては、下記(a)~(c)のフィルムを含んでいてもよい。
(a)ポリエステルフィルムを製造する際に製品とならないフィルム(例えば、製品から切断除去したフィルム端部等)
(b)製膜中に破断してしまったフィルム
(c)品質不良などで製品に達しなかったフィルム
さらに、当該準備工程においては、多孔質シリカ粒子(a)を含むポリエステルフィルムであれば、バージンポリエステルフィルムを準備してもよい。
なお、本製造方法の準備工程で準備するポリエステルフィルムの具体的な態様及び好ましい態様は、上記した本発明の樹脂組成物から得られるポリエステルフィルムと同じであり、これらを全て援用することができる。当該準備工程で準備するポリエステルフィルムとしては、再生原料を含むポリエステルフィルム、再生原料を含まないポリエステルフィルム、及びこれらの双方を用いることができる。
<再生工程>
本態様における再生工程は、準備工程で準備したポリエステルフィルムに紐付けされた物品情報を利用してリサイクルポリエステルフィルムを製造する工程である。
本態様における再生工程は、準備工程で準備したポリエステルフィルムに紐付けされた物品情報を利用してリサイクルポリエステルフィルムを製造する工程である。
前記再生工程では、準備したポリエステルフィルムに内包された物品情報を利用した、製品分別工程(A)を有することが好ましい。
前記物品情報は、例えばポリエステルフィルムに含まれる多孔質シリカ粒子(a)に内包されたスペクトル(光学的)標識を読み取ることで得られるものであり、ポリエステルフィルムを認証・識別することができる。このようにして得られた物品情報を利用して、該ポリエステルフィルムを分別する(製品分別)することが好ましい。具体的には、光学式分光リーダーを使用して、多孔質シリカ粒子(a)を読み取り、前記多孔質シリカ粒子(a)を含むポリエステルフィルムを分別することができる。
前記製品分別とは、例えば製造者別に分別することが挙げられる。この場合、前記物品情報は、製造者情報を含んでいることが好ましい。製造者情報を含んでいることで、回収したポリエステルフィルムが自社製品であるのか、他社製品であるのかを区別することができるようになり、リサイクル原料やリサイクルポリエステルフィルム等のリサイクル品の品質安定化につながる。
また、前記製品分別としては、例えば製品の構成・組成・用途等別に分別することが挙げられる。この場合、前記物品情報は、製品の構成・組成・用途情報等を含んでいることが好ましい。製品の構成・組成・用途情報等を含んでいることで、回収したポリエステルフィルムの素性が、より詳細に分かるようになり、リサイクル品の品質がより安定化する。
前記物品情報は、例えばポリエステルフィルムに含まれる多孔質シリカ粒子(a)に内包されたスペクトル(光学的)標識を読み取ることで得られるものであり、ポリエステルフィルムを認証・識別することができる。このようにして得られた物品情報を利用して、該ポリエステルフィルムを分別する(製品分別)することが好ましい。具体的には、光学式分光リーダーを使用して、多孔質シリカ粒子(a)を読み取り、前記多孔質シリカ粒子(a)を含むポリエステルフィルムを分別することができる。
前記製品分別とは、例えば製造者別に分別することが挙げられる。この場合、前記物品情報は、製造者情報を含んでいることが好ましい。製造者情報を含んでいることで、回収したポリエステルフィルムが自社製品であるのか、他社製品であるのかを区別することができるようになり、リサイクル原料やリサイクルポリエステルフィルム等のリサイクル品の品質安定化につながる。
また、前記製品分別としては、例えば製品の構成・組成・用途等別に分別することが挙げられる。この場合、前記物品情報は、製品の構成・組成・用途情報等を含んでいることが好ましい。製品の構成・組成・用途情報等を含んでいることで、回収したポリエステルフィルムの素性が、より詳細に分かるようになり、リサイクル品の品質がより安定化する。
前記再生工程では、回収した前記ポリエステルフィルムを粉砕してフレークにした及び/又は該フレークをチップ(ペレット)化したリサイクル原料を得る、リサイクル原料作製工程(B)を有することができる。
前記(B)工程は、前記(A)工程の後に行われることが好ましいが、前記(A)工程を経ずに、前記(B)工程から行ってもよい。
なお、フレーク、チップを得る方法は、従来公知の方法を用いることができる。
前記(B)工程は、前記(A)工程の後に行われることが好ましいが、前記(A)工程を経ずに、前記(B)工程から行ってもよい。
なお、フレーク、チップを得る方法は、従来公知の方法を用いることができる。
次に、前記(B)工程で得られたリサイクル原料を用いて、リサイクルポリエステルフィルムを製造する、フィルム製造工程(C)を有することができる。前記(C)工程では、前記(B)工程で得られたリサイクル原料を用いて、フィルム状に成形できれば、製造方法は特に制限されず、従来公知の方法を用いることができる。例えば前記リサイクル原料を含む原料を、少なくとも1つの押出機に投入し、Tダイからシート状に溶融押出する工程を含む押出法による製造方法の他、複数の押出機等の中で別々に溶融し、ダイス出口から押出成形したフィルム同士をラミネートする方法等により、リサイクルポリエステルフィルムを製造する方法を挙げることができる。中でも、前者のTダイからシート状に溶融押出する工程を含む押出法による製造方法が好ましい。
前記(C)工程では、上述で得られた未延伸フィルム(シート)を、少なくとも一方向に延伸した、具体的には一軸又は二軸延伸フィルムとすることが好ましい。
前記(C)工程では、上述で得られた未延伸フィルム(シート)を、少なくとも一方向に延伸した、具体的には一軸又は二軸延伸フィルムとすることが好ましい。
上記した本樹脂組成物から得られるポリエステルフィルムと同様に、本態様におけるリサイクルポリエステルフィルムの好適な態様も、特には二軸延伸ポリエステルフィルムである。この場合の詳細な製造方法(延伸温度、延伸倍率等)は、上記した本樹脂組成物から得られる二軸延伸ポリエステルフィルムの製造方法と同様である。
なお、「リサイクル原料を用いる」とは、リサイクル原料を単独で用いることの他に、リサイクル品の品質低下を防ぐために、リサイクル原料とバージン原料とを混合して用いることも意味し、このようにリサイクル原料とバージン原料とを混合して用いることが好ましい。すなわち、「リサイクル原料を用いる」とは、前記(B)工程で得られたリサイクル原料を含むことを意味する。
また、「リサイクル原料を用いる」とは、リサイクルポリエステルフィルムが多層構造(すなわち、積層フィルム)であった場合には、少なくともいずれかの層にリサイクル原料を用いることを意味する。
また、「リサイクル原料を用いる」とは、リサイクルポリエステルフィルムが多層構造(すなわち、積層フィルム)であった場合には、少なくともいずれかの層にリサイクル原料を用いることを意味する。
<<語句の説明>>
本発明においては、「フィルム」と称する場合でも「シート」を含むものとし、「シート」と称する場合でも「フィルム」を含むものとする。
本発明において、「X~Y」(X,Yは任意の数字)と記載した場合、特にことわらない限り「X以上Y以下」の意と共に、「好ましくはXより大きい」あるいは「好ましくはYより小さい」の意も包含するものである。
また、「X以上」(Xは任意の数字)と記載した場合、特にことわらない限り「好ましくはXより大きい」の意を包含し、「Y以下」(Yは任意の数字)と記載した場合、特にことわらない限り「好ましくはYより小さい」の意も包含するものである。
本発明においては、「フィルム」と称する場合でも「シート」を含むものとし、「シート」と称する場合でも「フィルム」を含むものとする。
本発明において、「X~Y」(X,Yは任意の数字)と記載した場合、特にことわらない限り「X以上Y以下」の意と共に、「好ましくはXより大きい」あるいは「好ましくはYより小さい」の意も包含するものである。
また、「X以上」(Xは任意の数字)と記載した場合、特にことわらない限り「好ましくはXより大きい」の意を包含し、「Y以下」(Yは任意の数字)と記載した場合、特にことわらない限り「好ましくはYより小さい」の意も包含するものである。
以下、実施例により本発明をさらに詳細に説明する。ただし、本発明は、その要旨を越えない限り、以下の実施例に限定されるものではない。
<評価方法>
(1)ポリエステルの固有粘度(dl/g)
粒子が配合される場合、粒子を除去したポリエステル1gを精秤し、フェノール/テトラクロロエタン=50/50(質量比)の混合溶媒100mlを加えて溶解させ、30℃で測定した。
(1)ポリエステルの固有粘度(dl/g)
粒子が配合される場合、粒子を除去したポリエステル1gを精秤し、フェノール/テトラクロロエタン=50/50(質量比)の混合溶媒100mlを加えて溶解させ、30℃で測定した。
(2)平均粒径
粒子の平均粒径は、株式会社日立ハイテクノロジーズ製の走査型電子顕微鏡(SEM)(SU8220)を用いて、10個以上の粒子を観察して粒子の直径を測定し、その平均値として求めた。その際、非球状粒子の場合は、最長径と最短径の平均値を各粒子の直径として測定した。
粒子の平均粒径は、株式会社日立ハイテクノロジーズ製の走査型電子顕微鏡(SEM)(SU8220)を用いて、10個以上の粒子を観察して粒子の直径を測定し、その平均値として求めた。その際、非球状粒子の場合は、最長径と最短径の平均値を各粒子の直径として測定した。
(3)フィルムヘーズ
JIS K 7136:2000に準拠し、日本電色工業株式会社製ヘーズメーター NDH-2000を用いて測定した。
JIS K 7136:2000に準拠し、日本電色工業株式会社製ヘーズメーター NDH-2000を用いて測定した。
(4)フィルム厚み
本フィルムの厚みについては、1/1000mmのダイヤルゲージにて、面内を不特定に5箇所測定しその平均を厚みとした。
本フィルムの厚みについては、1/1000mmのダイヤルゲージにて、面内を不特定に5箇所測定しその平均を厚みとした。
(5)タグ性能評価
光学式分光リーダーによる読み取りは、トゥルータグ社製のTruTag acquisition software 1.8.1-EX、及び、mоde tppを使用して、スマートフォン(Samsung GalaxyS9+)で行った。
より具体的には、TruTag acquisition softwareを使用し、オフィス照明条件下で、Lenetaドローダウンチャートの黒部上で、各フィルム画像を30枚取得した。
次いで、取得したフィルム画像30枚分について、検出された粒子数を数え、その平均値(平均粒子数)を算出した。
なお、タグ性能は、以下の基準で評価した。
〇:平均粒子数が十分であることから、認証・識別が可能である
×:平均粒子数が不十分であることから、認証・識別が困難である
光学式分光リーダーによる読み取りは、トゥルータグ社製のTruTag acquisition software 1.8.1-EX、及び、mоde tppを使用して、スマートフォン(Samsung GalaxyS9+)で行った。
より具体的には、TruTag acquisition softwareを使用し、オフィス照明条件下で、Lenetaドローダウンチャートの黒部上で、各フィルム画像を30枚取得した。
次いで、取得したフィルム画像30枚分について、検出された粒子数を数え、その平均値(平均粒子数)を算出した。
なお、タグ性能は、以下の基準で評価した。
〇:平均粒子数が十分であることから、認証・識別が可能である
×:平均粒子数が不十分であることから、認証・識別が困難である
<使用した材料>
(ポリエステル)
ポリエステルA:ホモポリエチレンテレフタレート(固有粘度=0.85dl/g)
ポリエステルB:ホモポリエチレンテレフタレートに、平均粒径2.4μmの細孔を有さないシリカ粒子(粒子(b)に相当)を0.2質量%配合したマスターバッチ(固有粘度=0.65dl/g)
(多孔質シリカ粒子(a))
トゥルータグ・テクノロジーズ社製 TruTags(Type2);粒子サイズ3×35μm(平均粒径19μm、細孔の直径が数十nmであるメソ孔を有する多孔質シリカ粒子(a2)を含有する多孔質シリカ粒子(a))
(ポリエステル)
ポリエステルA:ホモポリエチレンテレフタレート(固有粘度=0.85dl/g)
ポリエステルB:ホモポリエチレンテレフタレートに、平均粒径2.4μmの細孔を有さないシリカ粒子(粒子(b)に相当)を0.2質量%配合したマスターバッチ(固有粘度=0.65dl/g)
(多孔質シリカ粒子(a))
トゥルータグ・テクノロジーズ社製 TruTags(Type2);粒子サイズ3×35μm(平均粒径19μm、細孔の直径が数十nmであるメソ孔を有する多孔質シリカ粒子(a2)を含有する多孔質シリカ粒子(a))
(実施例1)
プラストグラフ(東洋精機製作所社製、ラボプラストミル 4C150)を用いて、多孔質シリカ粒子(a)0.5質量%とポリエステルA99.5質量%とを窒素下、280℃、50rpmで10分混練して、多孔質シリカ粒子(a)5000ppmを含むPET片(ポリエステル樹脂組成物)を作製した。
次いで、プレス機(神藤金属鉱業所社製)を用いて、PET片を270℃で溶融してプレスし、10cm角のシートを作成した。その後、冷却用のプレス機(神藤金属鉱業所社製)でシートを急冷した。
続いて、バッチ延伸機(井本製作所社製、IMC-11A9型)を用いて、90℃、3×3の倍率でシートを逐次延伸することで、二軸延伸ポリエステルフィルムを得た。
なお、上記多孔質シリカ粒子(a)をSEMで観察した観察画像を図1に示す。図1において、(a)は測定倍率500倍で観察した観察画像、(b)は画像(a)にて枠で示した部分を測定倍率100000倍で観察した観察画像である。
プラストグラフ(東洋精機製作所社製、ラボプラストミル 4C150)を用いて、多孔質シリカ粒子(a)0.5質量%とポリエステルA99.5質量%とを窒素下、280℃、50rpmで10分混練して、多孔質シリカ粒子(a)5000ppmを含むPET片(ポリエステル樹脂組成物)を作製した。
次いで、プレス機(神藤金属鉱業所社製)を用いて、PET片を270℃で溶融してプレスし、10cm角のシートを作成した。その後、冷却用のプレス機(神藤金属鉱業所社製)でシートを急冷した。
続いて、バッチ延伸機(井本製作所社製、IMC-11A9型)を用いて、90℃、3×3の倍率でシートを逐次延伸することで、二軸延伸ポリエステルフィルムを得た。
なお、上記多孔質シリカ粒子(a)をSEMで観察した観察画像を図1に示す。図1において、(a)は測定倍率500倍で観察した観察画像、(b)は画像(a)にて枠で示した部分を測定倍率100000倍で観察した観察画像である。
(実施例2~5)
表1に記載の組成にて、実施例1のPET片とポリエステルAと、適宜ポリエステルBとを混ぜ合わせて窒素下、280℃、50rpmで10分混練することにより、PET片(ポリエステル樹脂組成物)を作成した。なお、実施例2~5は、計20分混練した。
その後は、実施例1と同様にして、二軸延伸ポリエステルフィルムを得た。
表1に記載の組成にて、実施例1のPET片とポリエステルAと、適宜ポリエステルBとを混ぜ合わせて窒素下、280℃、50rpmで10分混練することにより、PET片(ポリエステル樹脂組成物)を作成した。なお、実施例2~5は、計20分混練した。
その後は、実施例1と同様にして、二軸延伸ポリエステルフィルムを得た。
(比較例1)
プラストグラフ(東洋精機製作所社製、ラボプラストミル 4C150)を用いて、ポリエステルA100質量%を窒素下、280℃、50rpmで20分混練して、PET片(ポリエステル樹脂組成物)を作成した。
その後は、実施例1と同様にして、二軸延伸ポリエステルフィルムを得た。
プラストグラフ(東洋精機製作所社製、ラボプラストミル 4C150)を用いて、ポリエステルA100質量%を窒素下、280℃、50rpmで20分混練して、PET片(ポリエステル樹脂組成物)を作成した。
その後は、実施例1と同様にして、二軸延伸ポリエステルフィルムを得た。
実施例2~5及び比較例1のフィルム中の多孔質シリカ粒子(a)の観察を行った。
実施例2~5及び比較例1のフィルムは、非照明条件下において、肉眼で、多孔質シリカ粒子(a)(TruTags(Type2))を認識・識別することはできなかった。
しかしながら、TruTag acquisition softwareを使用して観察すると、照明条件下において、TruTags(Type2)は緑色の粒子として識別することができた。
実施例2~5及び比較例1のフィルムは、非照明条件下において、肉眼で、多孔質シリカ粒子(a)(TruTags(Type2))を認識・識別することはできなかった。
しかしながら、TruTag acquisition softwareを使用して観察すると、照明条件下において、TruTags(Type2)は緑色の粒子として識別することができた。
次に、実施例2~3及び比較例1のフィルムから、検出された平均粒子数を算出し、タグ性能評価を行った。評価結果を表3及び図2に示す。図2は、表3の結果をグラフで表したものである。
表3及び図2において、比較例1の平均粒子数が0でなかった理由は、ノイズによるものであり、画像処理中にフィルター等で取り除くことが可能である。
なお、実施例では、ポリエステル原料としてバージン原料を用いているが、再生原料を用いる場合であっても、作用原理は同じであることから、実施例(バージン原料の場合)と同様に、タグ性能を発揮することが可能である。
なお、実施例では、ポリエステル原料としてバージン原料を用いているが、再生原料を用いる場合であっても、作用原理は同じであることから、実施例(バージン原料の場合)と同様に、タグ性能を発揮することが可能である。
本発明のポリエステル樹脂組成物によれば、特定範囲の細孔直径を有する多孔質シリカ粒子(a)を含むことで、フィルムの基本特性を維持しつつ実使用上問題のない、とりわけ、リサイクルに適した認証・識別可能なポリエステルフィルムを製造し得るポリエステル樹脂組成物を得ることができる。
このように、ポリエステルフィルム分野において、汎用的に用いられているシリカ粒子を認証・識別可能な化合物として用いることで、フィルムの基本特性を維持しつつ実使用上問題のないポリエステルフィルムを製造し得るポリエステル樹脂組成物を提供することができる。
また、本樹脂組成物を原料として用いたポリエステル製品、例えばポリエステルフィルムは、特定範囲の細孔直径を有する多孔質シリカ粒子(a)を含んでいることから、これを回収してリサイクルする際に、認証・識別等の応用が期待でき、リサイクルに適したポリエステル樹脂組成物といえる。
Claims (12)
- ポリエステルと、直径がナノメートル単位の細孔を有する多孔質シリカ粒子(a)とを含む、ポリエステル樹脂組成物。
- 前記多孔質シリカ粒子(a)は、光学式分光リーダーを使用して読み取り可能である、請求項1に記載のポリエステル樹脂組成物。
- 前記多孔質シリカ粒子(a)が、以下(a1)~(a3)からなる群から選択される少なくとも1種を含む、請求項1又は2に記載のポリエステル樹脂組成物。
(a1)細孔直径が0.001nm以上2nm未満のミクロ孔を有する多孔質シリカ粒子、
(a2)細孔直径が2nm以上50nm以下のメソ孔を有する多孔質シリカ粒子、及び
(a3)細孔直径が50nm超1000nm以下のマクロ孔を有する多孔質シリカ粒子。 - 前記多孔質シリカ粒子(a)が、前記メソ孔を有する多孔質シリカ粒子(a2)を含む、請求項3に記載のポリエステル樹脂組成物。
- 前記多孔質シリカ粒子(a)の平均粒径が、10~150μmである、請求項1又は2に記載のポリエステル樹脂組成物。
- 前記多孔質シリカ粒子(a)の含有量が、2~6000ppmである、請求項1又は2に記載のポリエステル樹脂組成物。
- 前記多孔質シリカ粒子(a)以外の粒子(b)をさらに含む、請求項1又は2に記載のポリエステル樹脂組成物。
- 前記粒子(b)が、無機粒子及び/又は有機粒子である、請求項7に記載のポリエステル樹脂組成物。
- 前記粒子(b)の平均粒径が、0.01~5μmである、請求項7に記載のポリエステル樹脂組成物。
- 請求項1又は2に記載のポリエステル樹脂組成物から得られるポリエステルフィルム。
- 少なくとも一方向に延伸されている、請求項10に記載のポリエステルフィルム。
- ヘーズが10%以下である、請求項10に記載のポリエステルフィルム。
Applications Claiming Priority (4)
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JP2021148718 | 2021-09-13 | ||
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- 2022-09-12 JP JP2022144821A patent/JP2023041655A/ja active Pending
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