JP2023041030A - 全固体電池用外装材 - Google Patents
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Abstract
【課題】本発明の課題は、電池素子の膨張収縮に伴う外力を受けた際に、電池が破損しにくい全固体電池用外装材を提供することにある。【解決手段】少なくとも基材層、バリア層、熱融着性樹脂層をこの順に備える積層体から構成され、前記積層体がクッション性を有する、全固体電池用外装材。【選択図】なし
Description
本発明は、電池素子の膨張収縮に伴う外力を受けた際に、電池が破損しにくい全固体電池用外装材に関する。
リチウム二次電池は、他の二次電池と比較して高いエネルギー密度を有し、電気自動車用や電力貯蔵用の電池として使用されている。
従来使用されてきた非水電解液を用いる二次電池は、電解液の耐熱温度が60℃程度であるため、耐熱性に課題がある。一方、全固体リチウム二次電池(以下全固体電池と記載)では、従来のリチウムイオン電池で多用されている電解液でなく固体電解質が用いられている。全固体電池は、電池内に有機溶媒を用いないことから、安全性が高く、作動温度範囲が広いといった利点を有している。
しかしながら、全固体電池は常に一定温度で使用されるのではなく、例えば室温から充放電を行い、高温で充放電を継続し、再び室温に戻る場合がある。このような温度変動の繰り返し(ヒートサイクル)があると、電極および電解質が膨張収縮することが知られている(特許文献1)。
また、全固体電池は膨張・収縮時に固体電解質と、負極活物質、正極活物質の間で剥離しやすく、電池の劣化が進行しやすいが、固体電解質と、負極活物質や正極活物質との間の剥離を抑制する方法として、全固体電池を高圧プレスした状態で拘束する技術が知られている。例えば、特許文献2には、正極集電体、正極層、電解質層、負極層、及び負極集電体を該順序で備えた積層体を作製する積層工程と、積層工程で作製した積層体を積層方向に加圧する加圧工程と、加圧工程の後、0.1MPa以上100MPa以下の圧力にて所定の時間の間、積層体を積層方向に加圧したまま拘束する拘束工程とを含む電池の製造方法が開示されている(特許文献2)。
一方、近年、電気自動車、ハイブリッド電気自動車、パソコン、カメラ、携帯電話等の高性能化に伴い、全固体電池には、多様な形状が要求されると共に、薄型化や軽量化が求められる。そこで、多様な形状に加工が容易で、薄型化や軽量化を実現し得る外装材として、基材/バリア層/熱融着性樹脂層が順次積層されたフィルム状の外装材が提案されている(特許文献3~5)。
しかし、一般的な構造の全固体電池では、上記した電池素子と外装材とが密着しているため、電池素子の膨張収縮に追従して外装体が伸縮する可能性があることがわかってきた。この充放電に伴う外装体の伸縮が繰り返されると、電池が破損する可能性がある。特許文献3~5に記載の技術は、これを十分に抑制できるものではなかった。
そこで本発明の課題は、電池素子の膨張収縮に伴う外力を受けた際に、電池が破損しにくい全固体電池用外装材を提供することにある。
本発明の全固体電池用外装材の好ましい一態様は以下のとおりである。
(1)少なくとも基材層、バリア層、熱融着性樹脂層をこの順に備える積層体から構成され、前記積層体がクッション性を有する、全固体電池用外装材。
(2)前記熱融着性樹脂層が内部に空孔を有する、(1)に記載の全固体電池用外装材。
(3)前記熱融着性樹脂層が架橋エラストマー粒子を含有する、(1)または(2)に記載の全固体電池用外装材。
(4)前記積層体が前記熱融着性樹脂層の前記基材層側とは反対側に厚み50~900μmのクッション層を備える、(1)~(3)のいずれかに記載の全固体電池用外装材。
(5)前記クッション層が内部に空孔を有する、(4)に記載の全固体電池用外装材。
(6)前記クッション層の少なくとも一方の面に架橋エラストマー粒子が設けられている、(4)または(5)に記載の全固体電池用外装材。
(7)前記クッション層が弾性エラストマーを含有する、(4)~(6)のいずれかに記載の全固体電池用外装材。
(8)前記クッション層の少なくとも一方の面の十点平均粗さRzが20~500μmである、(4)~(7)のいずれかに記載の全固体電池用外装材。
(9)前記熱融着性樹脂層の空孔率が5~20体積%である、(2)~(8)のいずれかに記載の全固体電池用外装材。
(10)前記架橋エラストマー粒子の平均粒径が5~30μmである、(3)または(9)に記載の全固体電池用外装材。
(11)前記架橋エラストマー粒子の平均粒径が5~200μmである、(4)~(8)のいずれかに記載の全固体電池用外装材。
(12)前記クッション層の空孔率が5~30体積%である、(5)~(8)、(11)のいずれかに記載の全固体電池用外装材。
(13)前記クッション層の全質量を100質量%とした際の、前記弾性エラストマーの含有量が10~30質量%である(7)、(8)、(10)、(11)のいずれかに記載の全固体電池用外装材。
(1)少なくとも基材層、バリア層、熱融着性樹脂層をこの順に備える積層体から構成され、前記積層体がクッション性を有する、全固体電池用外装材。
(2)前記熱融着性樹脂層が内部に空孔を有する、(1)に記載の全固体電池用外装材。
(3)前記熱融着性樹脂層が架橋エラストマー粒子を含有する、(1)または(2)に記載の全固体電池用外装材。
(4)前記積層体が前記熱融着性樹脂層の前記基材層側とは反対側に厚み50~900μmのクッション層を備える、(1)~(3)のいずれかに記載の全固体電池用外装材。
(5)前記クッション層が内部に空孔を有する、(4)に記載の全固体電池用外装材。
(6)前記クッション層の少なくとも一方の面に架橋エラストマー粒子が設けられている、(4)または(5)に記載の全固体電池用外装材。
(7)前記クッション層が弾性エラストマーを含有する、(4)~(6)のいずれかに記載の全固体電池用外装材。
(8)前記クッション層の少なくとも一方の面の十点平均粗さRzが20~500μmである、(4)~(7)のいずれかに記載の全固体電池用外装材。
(9)前記熱融着性樹脂層の空孔率が5~20体積%である、(2)~(8)のいずれかに記載の全固体電池用外装材。
(10)前記架橋エラストマー粒子の平均粒径が5~30μmである、(3)または(9)に記載の全固体電池用外装材。
(11)前記架橋エラストマー粒子の平均粒径が5~200μmである、(4)~(8)のいずれかに記載の全固体電池用外装材。
(12)前記クッション層の空孔率が5~30体積%である、(5)~(8)、(11)のいずれかに記載の全固体電池用外装材。
(13)前記クッション層の全質量を100質量%とした際の、前記弾性エラストマーの含有量が10~30質量%である(7)、(8)、(10)、(11)のいずれかに記載の全固体電池用外装材。
本発明によれば、電池素子の膨張収縮に伴う外力を受けた場合でも、電池が破損しにくい全固体電池用外装材を提供することができる。
以下、本発明の実施形態について説明する。
本発明の好ましい一態様は、少なくとも基材層、バリア層、熱融着性樹脂層をこの順に備える積層体から構成され、前記積層体がクッション性を有する、全固体電池用外装材である。ここでクッション性とは外力を受けた際に容易に変形し、前記外力が取り除かれた後はほぼ元の形状に戻る性質のことをいう。具体的には、厚み変化率T1が3%以上、厚み回復率T2が70%以上であることをいう。厚み変化率T1および厚み回復率T2の評価方法は実施例に記載の通りとする。本態様とすることにより、電池素子の膨張収縮に伴う外力を受けた場合でも、電池が破損しにくい全固体電池用外装材を提供することができる。
本発明の全固体電池用外装材(以下、外装材と記載する場合もある)の好ましい一態様にかかる構成は上記した通りであるが、基材層が外層側になり、熱融着性樹脂層が内層側になる。外装材と電池素子を用いて全固体電池を組み立てる際に、外装材の熱融着性樹脂層同士を対向させた状態で、周縁部を熱融着させることによって形成された空間に、電池素子が収容される。
本発明の外装材にクッション性を付与する方法としては、前記熱融着性樹脂層の内部に空孔を有することが好ましい。熱融着性樹脂層が内部に空孔を有することで、外装材の厚み方向に外力が加わった際に、熱融着性樹脂層が変形することで外力を緩和することができる。また、外力が取り除かれた際には熱融着性樹脂層はほぼ元の形状に戻る。このため充放電時に繰り返し電池素子が膨張収縮した場合の外力による外装材の破損を抑制することができる。熱融着性樹脂層の内部に空孔を形成する方法は特に限定されず、公知の技術を用いることができるが、例えば熱融着性樹脂層を構成する熱融着性樹脂に無機粒子、および/または架橋エラストマー粒子などの有機粒子を添加し、フィルム状に溶融押出する際に高ドラフト比で製膜する、あるいは固化した後にフィルムを一軸方向、あるいは二軸方向に延伸して空孔を形成する方法などが挙げられる。
熱融着性樹脂層の内部の空孔率は、本発明の積層体にクッション性を付与する観点で5体積%以上が好ましく、また、熱融着性樹脂層製造時の生産性の観点で20体積%以下が好ましい。空孔率は実施例に記載する方法で求めるものとする。
また、本発明の外装材にクッション性を付与する他の方法として、内部に空孔を形成させるか否かによらず、前記熱融着性樹脂層に架橋エラストマー粒子を含有させる方法が挙げられる。熱融着性樹脂層が架橋エラストマー粒子を含有することで、外装材の厚み方向に外力が加わった際に、熱融着性樹脂層が変形することで外力を緩和することができる。また、外力が取り除かれた際には熱融着性樹脂層はほぼ元の形状に戻る。このため、充放電時に繰り返し電池素子が膨張収縮した場合の外力による外装材の破損を抑制することができる。
架橋エラストマー粒子は熱融着性樹脂層の内部に存在していてもよいし、熱融着性樹脂層の表面に突出するように含有させてもよい。熱融着性樹脂層の表面に架橋エラストマー粒子を突出させる方法は、たとえば熱融着性樹脂層の厚みを小さくし、粒径の大きい架橋エラストマー粒子を使用する方法が挙げられる。この場合、熱融着性樹脂層は一層でも良いし、二層以上の場合は外装材に用いた場合の最も内側層の厚みを小さくし、該内側層に粒径の大きい架橋エラストマー粒子を用いることで、熱融着性樹脂層の表面に架橋エラストマー粒子を突出させることができる。
本発明の熱融着性樹脂層に用いられる架橋エラストマー粒子としてはゴム弾性を有するものであれば特に限定されないが、例えば、架橋ポリブタジエンゴム、カルボン酸変性アクリロニトリル-ブタジエンゴム、アクリルポリマーゴム、シリコーンゴムからなる粒子が挙げられる。具体例としては、日本エクスラン工業株式会社製の「タフチック(登録商標)」、信越シリコーン社製のシリコーン複合パウダーやシリコーンゴムパウダー、日硝産業株式会社製の「トスパール(登録商標)」、アイカ工業株式会社製の「スタフィロイド(登録商標)」や「ガンツパール(登録商標)」等が挙げられる。架橋エラストマー粒子の粒径は2~40μmが好ましく、5~30μmがより好ましい。架橋エラストマー粒子の粒径を2μm以上とすることで、クッション性を高めることが出来る。また、熱融着性樹脂層製造時の生産性の観点で、架橋エラストマー粒子の粒径は40μm以下であることが好ましい。ここでいう架橋エラストマー粒子の粒径とは以下の方法で測定することができる。熱融着性樹脂層あるいは後述するクッション層の断面を切削し、切削面を走差型電子顕微鏡で観察し、任意の粒子30個の最大径を計測し、このうちサイズの大きい10個を抽出し、その平均値をとったものを本発明の架橋エラストマー粒子の粒径とする。
さらに、本発明の外装材にクッション性を付与する他の方法として、前記積層体が前記熱融着性樹脂層の前記基材層側とは反対側にクッション層を備える方法が挙げられる。すなわち、本発明の外装材が、少なくとも基材層、バリア層、熱融着性樹脂層、クッション層をこの順に備えることが好ましい。本発明の外装材を用いて全固体電池を組み立てる際、外装材の熱融着性樹脂層同士を対向させた状態で、周縁部を熱融着させる必要があるため、クッション層はこの周縁部の熱融着部分にはかからないようにして熱融着性樹脂層と電池素子との間に配置されることになることが好ましい。クッション層は電池素子の片側面のみに配置してもよいが、両側面に配置することがより好ましい。本発明の外装材は、前記クッション層を有することで、外装材の厚み方向に外力が加わった際に、クッション層が変形し、外力を緩和することができる。また、外力が取り除かれた際にはクッション層はほぼ元の形状に戻る。このため、充放電時に繰り返し電池素子が膨張収縮した場合の外力による外装材の破損を抑制することができる。
前記クッション層はクッション性を有するものであれば特に限定されないが、クッション層の好ましい形態の一つとして、内部に空孔を有することが挙げられる。また、クッション層のその他の好ましい形態として、クッション層の少なくとも一方の面に架橋エラストマー粒子が設けられていることや、クッション層が弾性エラストマーを含有すること、クッション層が少なくとも一方の表面に凸凹を有するようにすることなどが挙げられる。クッション層がこれらの形態であることによって、本発明の外装材に好ましくクッション性を付与することができる。
本発明のクッション層は耐熱性を有することが好ましく、例えばポリプロピレンなどの結晶性のポリオレフィン樹脂、ナイロン等のポリアミド樹脂、ポリエステル樹脂、ポリフェニレンスルファイド樹脂等を主成分として用いることができる。なお、ここでいう主成分とはクッション層全体を100質量%としたときに50質量%以上の成分のことをいう。
クッション層の内部に空孔を形成する方法としては、公知技術を用いることができ、例えば上記した熱融着性樹脂層に空孔を形成する方法として挙げた方法を用いることができる。クッション層の空孔率は、本発明の外装材にクッション性を付与する観点で5体積%以上が好ましく、また、クッション層製造時の生産性の観点で30体積%以下が好ましい。
なお、空孔を有する、ということは、測定する層において、空孔率が5体積%以上であることをいう。空孔率は測定する層の比重と、測定する層を溶融後に急冷、固化した層の比重より算出することができる。なお、溶融温度は測定する層の素材によって適宜調整することが好ましい。具体的には、空孔率は実施例に記載する方法で求めることができる。
クッション層の少なくとも一方の面に架橋エラストマー粒子を設ける方法としては、例えば、クッション層を形成するフィルムの表面に架橋エラストマー粒子をコーティングしてクッション性を付与することもできるし、クッション層を形成するフィルムの内部に架橋エラストマー粒子を含有させ、該フィルムの厚みと架橋エラストマー粒子のサイズを調整することで、該フィルムの表面に架橋エラストマー粒子による突起を形成してクッション性を付与することもできる。クッション層に用いられる架橋エラストマー粒子としては上記したものと同様のものが用いられる。また、クッション層に用いる架橋エラストマー粒子の粒径は2~300μmが好ましく、5~200μmがより好ましい。架橋エラストマー粒子の粒径を2μm以上とすることで、クッション性を高めることが出来る。また、クッション層製造時の生産性の観点で、架橋エラストマー粒子の粒径は300μm以下であることが好ましい。
本発明のクッション層に用いられる弾性エラストマーとしては、公知のゴム弾性を有するエラストマー樹脂を用いることができる。ここでいうゴム弾性を有するとは、弾性エラストマーからなるフィルムを23℃、300mm/分で引張試験機で2倍に延伸後、引張荷重を開放した際の変形率が30%以下であることをいう。回復率はフィルムの初期長をL1、荷重回復後1分経過した後のフィルムの長さをL2としたとき、以下式により算出することができる。
変形率(%)=(L2-L1)/L1×100
弾性エラストマーとしては、例えばスチレン系エラストマー、ウレタン系エラストマー、オレフィン系エラストマー、ポリエステル系エラストマーなどが挙げられ、クッション層を構成する主成分との相性によって適宜選択することができる。例えば、ポリプロピレンなどのオレフィン系樹脂をクッション層に用いる場合は、相溶性やクッション性の観点で、スチレン・ブタジエン共重合体(SBR)、スチレン・イソプレン・スチレン共重合体(SIS)、スチレン・ブタジエン・スチレン共重合体(SBS)、水添スチレン・ブタジエン共重合体(HSBR)、スチレン・エチレンブチレン・スチレントリブロック共重合体(SEBS)等のスチレン系エラストマーを好ましく用いることができる。弾性エラストマーの含有量はクッション性を付与する観点で10質量%以上が好ましく、耐熱性の観点で30質量%以下が好ましい。
変形率(%)=(L2-L1)/L1×100
弾性エラストマーとしては、例えばスチレン系エラストマー、ウレタン系エラストマー、オレフィン系エラストマー、ポリエステル系エラストマーなどが挙げられ、クッション層を構成する主成分との相性によって適宜選択することができる。例えば、ポリプロピレンなどのオレフィン系樹脂をクッション層に用いる場合は、相溶性やクッション性の観点で、スチレン・ブタジエン共重合体(SBR)、スチレン・イソプレン・スチレン共重合体(SIS)、スチレン・ブタジエン・スチレン共重合体(SBS)、水添スチレン・ブタジエン共重合体(HSBR)、スチレン・エチレンブチレン・スチレントリブロック共重合体(SEBS)等のスチレン系エラストマーを好ましく用いることができる。弾性エラストマーの含有量はクッション性を付与する観点で10質量%以上が好ましく、耐熱性の観点で30質量%以下が好ましい。
本発明のクッション層の少なくとも一方の表面に凸凹を有するようにすることが好ましく、具体的には前記クッション層の少なくとも一方の面の十点平均粗さRzが20~500μmであることが好ましい。十点平均粗さRzを20~500μmとする方法として、例えばエンボス形状を付与する方法を好ましく挙げることができる。具体的には、例えばクッション層を形成するフィルムを加熱し、エンボス型で加圧する方法や、クッション層の製造時にフィルム状に溶融押出した樹脂を、エンボス形状を有するロールにキャストする方法などが挙げられる。十点平均粗さRzはクッション性を付与する観点で20μm以上が好ましく、100μm以上がより好ましく、200μm以上がさらに好ましい。また、十点平均粗さRzはエンボス成形時の生産性の観点や外装材の薄膜化の観点で500μm以下が好ましく、300μm以下がより好ましい。
上記した表面に凹凸を有するクッション層は、一層のみで構成されていてもよいし、二層以上から構成されていても良い。二層以上で構成する場合は、凹凸を形成する面を有する層で主にクッション性を担保し、それ以外の層で耐熱性を担保してもよい。
表面に凹凸を有するクッション層の主成分については、上記した耐熱性を有する樹脂を用いることができる。また、クッション性を向上させる観点で、上記した弾性エラストマーを含有することが好ましい。弾性エラストマーの含有量はクッション性を付与する観点でクッション層100質量%中、10質量%以上が好ましく、耐熱性の観点で30質量%以下が好ましい。
表面に凹凸を有するクッション層を構成する成分については、耐熱性とクッション性を両立する観点で、上記した樹脂の中でも主成分をポリプロピレン系樹脂とし、弾性エラストマーとしてスチレン系エラストマーを用いることが好ましい。
クッション層の厚みは、本発明の外装材のクッション性を担保する観点で50μm以上が好ましく、70μm以上がより好ましく、200μm以上がさらに好ましい。また外装材の軽量化や薄膜化の観点で900μm以下が好ましく、700μm以下がより好ましい。
<熱融着性樹脂層>
本発明の外装材の好ましい一態様は熱融着性樹脂層を有する。熱融着性樹脂層を構成する主成分は、熱可塑性樹脂であることが好ましい。熱可塑性樹脂としては特に限定されないが、高密度ポリエチレン(HDPE)、低密度ポリエチレン(LDPE)、直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)などのポリエチレン系樹脂、ホモポリプロピレン、エチレンプロピレンランダム共重合体、ブロックポリプロピレンなどのポリプロピレン系樹脂、エチレン・α-オレフィンコポリマー、プロピレン・α-オレフィンコポリマー、エチレン系コポリマー、4-メチル-1-ペンテン系コポリマー、エチレンプロピレンジエンゴム、オレフィン系熱可塑性エラストマー、エチレン・酢酸ビニル共重合体(以下、EVAと省略することがある。)、エチレン・プロピオン酸ビニル共重合体、エチレン・ブタン酸ビニル共重合体等のエチレンとカルボン酸ビニルとの共重合体、エチレン・メチルアクリレート共重合体(EMA)、エチレン・エチルアクリレート共重合体(EEA)、エチレン・ブチルアクリレート共重合体(EBA)、エチレン・メチルメタクリレート共重合体(EMMA)等のエチレンとα、β-不飽和カルボン酸アルキルエステルとの共重合体や環状ポリオレフィン、ポリブチレンテレフタレートフィルム、これらに無水マレイン酸を共重合したものなどを挙げられ、これらのなかでも耐熱性やシール強度の観点から、エチレンプロピレンランダム共重合体やブロックポリプロピレン、ホモポリプロピレンなどのポリプロピレン系樹脂を用いることが好ましい。
本発明の外装材の好ましい一態様は熱融着性樹脂層を有する。熱融着性樹脂層を構成する主成分は、熱可塑性樹脂であることが好ましい。熱可塑性樹脂としては特に限定されないが、高密度ポリエチレン(HDPE)、低密度ポリエチレン(LDPE)、直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)などのポリエチレン系樹脂、ホモポリプロピレン、エチレンプロピレンランダム共重合体、ブロックポリプロピレンなどのポリプロピレン系樹脂、エチレン・α-オレフィンコポリマー、プロピレン・α-オレフィンコポリマー、エチレン系コポリマー、4-メチル-1-ペンテン系コポリマー、エチレンプロピレンジエンゴム、オレフィン系熱可塑性エラストマー、エチレン・酢酸ビニル共重合体(以下、EVAと省略することがある。)、エチレン・プロピオン酸ビニル共重合体、エチレン・ブタン酸ビニル共重合体等のエチレンとカルボン酸ビニルとの共重合体、エチレン・メチルアクリレート共重合体(EMA)、エチレン・エチルアクリレート共重合体(EEA)、エチレン・ブチルアクリレート共重合体(EBA)、エチレン・メチルメタクリレート共重合体(EMMA)等のエチレンとα、β-不飽和カルボン酸アルキルエステルとの共重合体や環状ポリオレフィン、ポリブチレンテレフタレートフィルム、これらに無水マレイン酸を共重合したものなどを挙げられ、これらのなかでも耐熱性やシール強度の観点から、エチレンプロピレンランダム共重合体やブロックポリプロピレン、ホモポリプロピレンなどのポリプロピレン系樹脂を用いることが好ましい。
また、本発明の熱融着性樹脂層は、融点が160℃以上の樹脂を含むことが好ましい。融点が160℃以上の樹脂を含むことで、電池が高温で使用された場合にも十分なシール強度を確保することができる。熱融着性樹脂層における融点が160℃以上の樹脂の含有量は、10質量%以上が好ましく、30質量%以上がより好ましく、50質量%以上がさらに好ましい。融点が160℃以上の樹脂としては、例えばエチレンプロピレンランダム共重合体やブロックポリプロピレン、ホモポリプロピレンや4-メチル-1-ペンテン系樹脂、環状ポリオレフィン、ポリブチレンテレフタレートフィルムなどを挙げることができるが、これらに限らず使用することができる。
<層構成>
本発明の熱融着性樹脂層は一層でもよいし、二層以上から構成されていてもよい。例えば二層以上から構成される場合、少なくとも一番内側の層(基材層とは反対側の層)に融点が160℃以上の樹脂を含むことが好ましい。
本発明の熱融着性樹脂層は一層でもよいし、二層以上から構成されていてもよい。例えば二層以上から構成される場合、少なくとも一番内側の層(基材層とは反対側の層)に融点が160℃以上の樹脂を含むことが好ましい。
<粒子>
本発明の熱融着性樹脂層は、滑り性を高めるために上記した以外の粒子を含有してもよい。前記粒子としては、特に限定されるものではないが、例えば、無機粒子、樹脂粒子等が挙げられる。前記無機粒子としては、特に限定されるものではないが、例えば、無機酸化物粒子(シリカ粒子、アルミナ粒子、酸化チタン粒子等)、無機炭酸塩粒子(炭酸カルシウム粒子、炭酸バリウム粒子等)、無機ケイ酸塩粒子(ケイ酸アルミニウム粒子、タルク粒子、カオリン粒子等)などが挙げられる。前記樹脂粒子としては、特に限定されるものではないが、例えば、アクリル樹脂粒子、ポリオレフィン樹脂粒子(ポリエチレン樹脂粒子、ポリプロピレン樹脂粒子)、ポリスチレン樹脂粒子などが挙げられる。
本発明の熱融着性樹脂層は、滑り性を高めるために上記した以外の粒子を含有してもよい。前記粒子としては、特に限定されるものではないが、例えば、無機粒子、樹脂粒子等が挙げられる。前記無機粒子としては、特に限定されるものではないが、例えば、無機酸化物粒子(シリカ粒子、アルミナ粒子、酸化チタン粒子等)、無機炭酸塩粒子(炭酸カルシウム粒子、炭酸バリウム粒子等)、無機ケイ酸塩粒子(ケイ酸アルミニウム粒子、タルク粒子、カオリン粒子等)などが挙げられる。前記樹脂粒子としては、特に限定されるものではないが、例えば、アクリル樹脂粒子、ポリオレフィン樹脂粒子(ポリエチレン樹脂粒子、ポリプロピレン樹脂粒子)、ポリスチレン樹脂粒子などが挙げられる。
前記粒子としては、1種のみを用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。2種以上を併用する場合には平均粒子径の異なる2種以上の粒子を用いるのが好ましく、この場合には表面の粗さの分布を均一にするのが容易になるという効果が得られる。また、前記粒子としては、比重が3以下であるものを用いるのが好ましく、この場合には非相溶粒子を容易に層内で均一に分散できるという効果が得られる。前記粒子は本発明の熱融着性樹脂層が二層以上から構成される場合には、少なくとも一番内側の層(基材層とは反対側の層)に含有させることで滑り性を高める効果が得られる。
<滑剤>
本発明の熱融着性樹脂層は滑剤を含有することが好ましい。前記滑剤としては、特に限定されるものではないが、脂肪酸アミド、金属石鹸、フッ素系ポリマー、シリコーン系滑剤、脂肪酸、植物油などを用いることができ、熱融着性樹脂層への溶解性の観点から脂肪酸アミドが好適に用いられる。前記脂肪酸アミドとしては、特に限定されるものではないが、例えば、飽和脂肪酸アミド、不飽和脂肪酸アミド、置換アミド、メチロールアミド、飽和脂肪酸ビスアミド、不飽和脂肪酸ビスアミド、脂肪酸エステルアミド、芳香族系ビスアミド等が挙げられる。
本発明の熱融着性樹脂層は滑剤を含有することが好ましい。前記滑剤としては、特に限定されるものではないが、脂肪酸アミド、金属石鹸、フッ素系ポリマー、シリコーン系滑剤、脂肪酸、植物油などを用いることができ、熱融着性樹脂層への溶解性の観点から脂肪酸アミドが好適に用いられる。前記脂肪酸アミドとしては、特に限定されるものではないが、例えば、飽和脂肪酸アミド、不飽和脂肪酸アミド、置換アミド、メチロールアミド、飽和脂肪酸ビスアミド、不飽和脂肪酸ビスアミド、脂肪酸エステルアミド、芳香族系ビスアミド等が挙げられる。
前記飽和脂肪酸アミドとしては、特に限定されるものではないが、例えば、ラウリン酸アミド、パルミチン酸アミド、ステアリン酸アミド、ベヘン酸アミド、ヒドロキシステアリン酸アミド等が挙げられる。前記不飽和脂肪酸アミドとしては、特に限定されるものではないが、例えば、オレイン酸アミド、エルカ酸アミド等が挙げられる。
前記置換アミドとしては、特に限定されるものではないが、例えば、N-オレイルパルミチン酸アミド、N-ステアリルステアリン酸アミド、N-ステアリルオレイン酸アミド、N-オレイルステアリン酸アミド、N-ステアリルエルカ酸アミド等が挙げられる。また、前記メチロールアミドとしては、特に限定されるものではないが、例えば、メチロールステアリン酸アミド等が挙げられる。
前記飽和脂肪酸ビスアミドとしては、特に限定されるものではないが、例えば、メチレンビスステアリン酸アミド、エチレンビスカプリン酸アミド、エチレンビスラウリン酸アミド、エチレンビスステアリン酸アミド、エチレンビスヒドロキシステアリン酸アミド、エチレンビスベヘン酸アミド、ヘキサメチレンビスステアリン酸アミド、ヘキサメチレンビスベヘン酸アミド、ヘキサメチレンヒドロキシステアリン酸アミド、N,N’-ジステアリルアジピン酸アミド、N,N’-ジステアリルセバシン酸アミド等が挙げられる。
前記不飽和脂肪酸ビスアミドとしては、特に限定されるものではないが、例えば、エチレンビスオレイン酸アミド、エチレンビスエルカ酸アミド、ヘキサメチレンビスオレイン酸アミド、N,N’-ジオレイルセバシン酸アミド等が挙げられる。
前記脂肪酸エステルアミドとしては、特に限定されるものではないが、例えば、ステアロアミドエチルステアレート等が挙げられる。前記芳香族系ビスアミドとしては、特に限定されるものではないが、例えば、m-キシリレンビスステアリン酸アミド、m-キシリレンビスヒドロキシステアリン酸アミド、N,N’-システアリルイソフタル酸アミド等が挙げられる。
前記熱融着性樹脂層における滑剤の含有量は特に限定されるものではないが、熱融着性樹脂層全体の質量を100質量%としたときに、下限は100ppmであることが好ましく、上限は10,000ppmであることが好ましく、3,000ppmであることがより好ましい。滑剤の含有量が100ppmより少ないと熱融着性樹脂層表面への滑剤の析出量が不足して滑り性が不十分になる場合があり、10,000ppmより多いと表面へ滑剤が過剰に析出して白粉となる場合がある。前記滑剤は本発明の熱融着性樹脂層が二層以上から構成される場合には、少なくとも一番内側の層(基材層とは反対側の層)に含有させることで滑り性を高める効果が得られるため好ましい。
<その他の添加剤>
本発明の熱融着性樹脂層には、本発明の効果を阻害しない範囲で、次のような添加剤を添加してもよい。前記添加剤としては、特に限定されるものではないが、例えば、酸化防止剤、可塑剤、紫外線吸収剤、防かび剤、着色剤(顔料、染料等)、帯電防止剤、防さび剤、吸湿剤、酸素吸収剤等が挙げられる。前記可塑剤としては、特に限定されるものではないが、例えば、グリセリン脂肪酸エステルモノグリセライド、グリセリン脂肪酸エステルアセチル化モノグリセライド、グリセリン脂肪酸エステル有機酸モノグリセライド、グリセリン脂肪酸エステル中鎖脂肪酸トリグリセライド、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、プロピレングリコール脂肪酸エステル、特殊脂肪酸エステル、高級アルコール脂肪酸エステルなどが挙げられる。
本発明の熱融着性樹脂層には、本発明の効果を阻害しない範囲で、次のような添加剤を添加してもよい。前記添加剤としては、特に限定されるものではないが、例えば、酸化防止剤、可塑剤、紫外線吸収剤、防かび剤、着色剤(顔料、染料等)、帯電防止剤、防さび剤、吸湿剤、酸素吸収剤等が挙げられる。前記可塑剤としては、特に限定されるものではないが、例えば、グリセリン脂肪酸エステルモノグリセライド、グリセリン脂肪酸エステルアセチル化モノグリセライド、グリセリン脂肪酸エステル有機酸モノグリセライド、グリセリン脂肪酸エステル中鎖脂肪酸トリグリセライド、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、プロピレングリコール脂肪酸エステル、特殊脂肪酸エステル、高級アルコール脂肪酸エステルなどが挙げられる。
<厚み>
本発明の熱融着性樹脂層の厚みは特に限定されるものではないが、下限は10μmであることが好ましく、30μmであることがより好ましく、上限は1000μmであることが好ましく、500μm以下であることがより好ましく、250μm以下であることがさらに好ましく、120μm以下であることが最も好ましい。熱融着性樹脂層の厚みが10μmより薄くなると、熱融着性樹脂層を熱シールしたときに十分なシール強度が得られない場合がある。熱融着性樹脂層の厚みが1000μmより厚くなると、剛性が高すぎて巻き体にできない場合がある。
本発明の熱融着性樹脂層の厚みは特に限定されるものではないが、下限は10μmであることが好ましく、30μmであることがより好ましく、上限は1000μmであることが好ましく、500μm以下であることがより好ましく、250μm以下であることがさらに好ましく、120μm以下であることが最も好ましい。熱融着性樹脂層の厚みが10μmより薄くなると、熱融着性樹脂層を熱シールしたときに十分なシール強度が得られない場合がある。熱融着性樹脂層の厚みが1000μmより厚くなると、剛性が高すぎて巻き体にできない場合がある。
<基材層>
本発明の外装材の好ましい一態様は基材層を有する。基材層を有することで、絶縁性を十分に確保することや外装材の物理的強度および耐衝撃性を向上させることができる。基材層を形成する材料については公知のものが用いることができるが、例えば、ナイロンフィルム等のポリアミドフィルム、ポリエステルフィルム等が挙げられ、これらの延伸フィルムが好ましく用いられる。なかでも、二軸延伸ナイロンフィルム等の二軸延伸ポリアミドフィルム、二軸延伸ポリブチレンテレフタレート(PBT)フィルム、二軸延伸ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルムまたは二軸延伸ポリエチレンナフタレート(PEN)フィルムを用いるのが特に好ましい。前記ナイロンフィルムとしては、特に限定されるものではないが、例えば、6ナイロンフィルム、6,6ナイロンフィルム、MXDナイロンフィルム等が挙げられる。なお、前記基材層は、単層で形成されていてもよいし、例えばポリエステルフィルム/ポリアミドフィルムからなる複層(PETフィルム/ナイロンフィルムからなる複層等)で形成されていてもよい。
本発明の外装材の好ましい一態様は基材層を有する。基材層を有することで、絶縁性を十分に確保することや外装材の物理的強度および耐衝撃性を向上させることができる。基材層を形成する材料については公知のものが用いることができるが、例えば、ナイロンフィルム等のポリアミドフィルム、ポリエステルフィルム等が挙げられ、これらの延伸フィルムが好ましく用いられる。なかでも、二軸延伸ナイロンフィルム等の二軸延伸ポリアミドフィルム、二軸延伸ポリブチレンテレフタレート(PBT)フィルム、二軸延伸ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルムまたは二軸延伸ポリエチレンナフタレート(PEN)フィルムを用いるのが特に好ましい。前記ナイロンフィルムとしては、特に限定されるものではないが、例えば、6ナイロンフィルム、6,6ナイロンフィルム、MXDナイロンフィルム等が挙げられる。なお、前記基材層は、単層で形成されていてもよいし、例えばポリエステルフィルム/ポリアミドフィルムからなる複層(PETフィルム/ナイロンフィルムからなる複層等)で形成されていてもよい。
基材層の厚みは、2μm~200μmであるのが好ましい。基材層の厚みの上限は、100μm以下がより好ましく、50μm以下がさらに好ましい。また基材層の厚みの下限は5μm以上がより好ましい。上記好適な下限値以上に設定することで外装材として十分な強度の確保が容易となると共に、上記好適上限値以下に設定することで張り出し成形、絞り成形等の成形時の応力を小さくできて成形性を向上させることが容易となる。
<バリア層>
前記バリア層は、前記外装材に酸素や水分の侵入を阻止するバリア性を付与する役割を担うものである。バリア層としては、公知のものを使用することができ、特に限定されるものではないが、例えば、アルミニウム箔、SUS箔(ステンレス箔)、銅箔等が挙げられ、なかでも、アルミニウム箔、SUS箔(ステンレス箔)を用いるのが好ましい。前記バリア層の厚みは、5μm~120μmであるのが好ましい。5μm以上であることでバリア層を製造する際の圧延時のピンホール発生の防止が容易となると共に、120μm以下であることで張り出し成形、絞り成形等の成形時の応力を小さくできて成形性を向上させることが容易となる。中でも、前記バリア層の厚みは、10μm~80μmであることがより好ましい。
前記バリア層は、前記外装材に酸素や水分の侵入を阻止するバリア性を付与する役割を担うものである。バリア層としては、公知のものを使用することができ、特に限定されるものではないが、例えば、アルミニウム箔、SUS箔(ステンレス箔)、銅箔等が挙げられ、なかでも、アルミニウム箔、SUS箔(ステンレス箔)を用いるのが好ましい。前記バリア層の厚みは、5μm~120μmであるのが好ましい。5μm以上であることでバリア層を製造する際の圧延時のピンホール発生の防止が容易となると共に、120μm以下であることで張り出し成形、絞り成形等の成形時の応力を小さくできて成形性を向上させることが容易となる。中でも、前記バリア層の厚みは、10μm~80μmであることがより好ましい。
<接着層、その他の機能層>
本発明の外装材は、例えば基材層とバリア層との間に、これらの層間の接着性を高めることなどを目的として、必要に応じて接着剤層を有していてもよい。また、同様にバリア層と熱融着性樹脂層との間に必要に応じて接着層を有していてもよい。さらに本発明の効果を損なわない範囲でその他の機能層を付与してもよい。接着層については公知のものを使用することができる。
本発明の外装材は、例えば基材層とバリア層との間に、これらの層間の接着性を高めることなどを目的として、必要に応じて接着剤層を有していてもよい。また、同様にバリア層と熱融着性樹脂層との間に必要に応じて接着層を有していてもよい。さらに本発明の効果を損なわない範囲でその他の機能層を付与してもよい。接着層については公知のものを使用することができる。
<厚み>
外装材の合計厚みとしては、特に制限されないが、コスト削減、エネルギー密度向上等の観点からは、好ましくは10000μm以下、より好ましくは8000μm以下、更に好ましくは5000μm以下が挙げられ、電池素子を保護するという外装材の機能を維持する観点からは、好ましくは100μm以上、より好ましくは150μm以上、更に好ましくは200μm以上が挙げられる。
外装材の合計厚みとしては、特に制限されないが、コスト削減、エネルギー密度向上等の観点からは、好ましくは10000μm以下、より好ましくは8000μm以下、更に好ましくは5000μm以下が挙げられ、電池素子を保護するという外装材の機能を維持する観点からは、好ましくは100μm以上、より好ましくは150μm以上、更に好ましくは200μm以上が挙げられる。
<全固体電池>
本発明の全固体電池用外装材が適用される全固体電池については、本発明の外装材を用いることを除いて、特に制限されない。すなわち、外装材以外の電池素子(電極、固体電解質、端子など)については、全固体電池に適用されるものであれば特に制限されず、公知の全固体電池に使用されているものであってもよい。
本発明の全固体電池用外装材が適用される全固体電池については、本発明の外装材を用いることを除いて、特に制限されない。すなわち、外装材以外の電池素子(電極、固体電解質、端子など)については、全固体電池に適用されるものであれば特に制限されず、公知の全固体電池に使用されているものであってもよい。
具体例としては、全固体電池は、負極活物質層と、正極活物質層と、負極活物質層及び正極活物質層の間に積層された固体電解質層とを含む単電池を少なくとも含む電池素子が、本発明の外装材により形成された包装体中に収容されたものである。より具体的には、負極活物質層は負極集電体の上に積層されて負極層を構成しており、正極活物質層は正極集電体の上に積層されて正極層を構成している。負極集電体及び正極集電体は、それぞれ、外部に露出した端子に接合されて、外部環境と電気的に接続されている。負極層と正極層との間には、固体電解質層が積層されており、負極層、正極層、及び固体電解質層が単電池を構成している。全固体
電池の電池素子は、単電池を1つのみ含むものであってもよいし、複数の単電池を含んでいてもよい。
電池の電池素子は、単電池を1つのみ含むものであってもよいし、複数の単電池を含んでいてもよい。
全固体電池においては、負極層及び正極層の各々に接続された端子を外側に突出させた状態で、電池素子の周縁にフランジ部(熱融着性樹脂層同士が接触する領域)が形成できるようにして、電池素子を被覆し、フランジ部の熱融着性樹脂層同士をヒートシールして密封させることによって、全固体電池用外装材を使用した全固体電池となる。なお、本発明の全固体電池用外装材により形成された包装体中に電池素子を収容する場合、本発明の全固体電池用外装材の熱融着性樹脂部分が内側になるようにして、包装体を形成する。
以下、本発明を実施例に基づいてさらに具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
(1)厚み変化率T1、厚み回復率T2の評価
ダイアルゲージ(三豊製作所製No2109-10)に10mmφ平型の標準測定子(No101117)取り付けた。外装材がクッション層を有しない場合は熱融着性樹脂層側に、外装材がクッション層を有する場合はクッション層側に測定子が接触するように測定サンプルを配置し、100g荷重を加えて30秒後の厚みをt1(μm)、5000g荷重を加えて30秒後の厚みをt2(μm)、厚みt2を測定後、荷重除去して30秒後に100g荷重を加えて30秒後に測定した厚みをt3(μm)とし、T1およびT2を以下の通り算出した。
ダイアルゲージ(三豊製作所製No2109-10)に10mmφ平型の標準測定子(No101117)取り付けた。外装材がクッション層を有しない場合は熱融着性樹脂層側に、外装材がクッション層を有する場合はクッション層側に測定子が接触するように測定サンプルを配置し、100g荷重を加えて30秒後の厚みをt1(μm)、5000g荷重を加えて30秒後の厚みをt2(μm)、厚みt2を測定後、荷重除去して30秒後に100g荷重を加えて30秒後に測定した厚みをt3(μm)とし、T1およびT2を以下の通り算出した。
T1(%)=((t1-t2)/t1)×100
T2(%)=(t3/t1)×100。
T2(%)=(t3/t1)×100。
(2)空孔率
熱融着性樹脂層またはクッション層を100mm×100mmの大きさに切取り試料とした。電子比重計(ミラージュ貿易(株)製SD-120L)を用いて、室温23℃、相対湿度65%の雰囲気にて比重の測定を行った。測定を3回行い、平均値をフィルムの比重ρとした。
熱融着性樹脂層またはクッション層を100mm×100mmの大きさに切取り試料とした。電子比重計(ミラージュ貿易(株)製SD-120L)を用いて、室温23℃、相対湿度65%の雰囲気にて比重の測定を行った。測定を3回行い、平均値をフィルムの比重ρとした。
次に、測定した試料を所定の温度で、280℃、5MPaで熱プレスを行い、その後、25℃の水で急冷して、空孔を完全に消去したシートを作成した。このシートの比重を上記した方法で同様に測定し、平均値を樹脂の比重(d)とし、以下の式により空孔率を算出した。
空孔率(%)=〔( d - ρ ) / d 〕 × 100
(3)各層の厚み
各層の厚みは、ミクロトーム法を用い、積層フィルムの幅方向-厚み方向に断面を有する幅5mmの超薄切片を作製し、該断面に白金コートをして観察試料とした。次に、日立製作所製電界放射走差電子顕微鏡(S-4800)を用いて、積層フィルム断面を加速電圧1.0kVで観察し、観察画像の任意の箇所10点の厚みを測定し、その平均値を各層の厚みとして用いた。
(3)各層の厚み
各層の厚みは、ミクロトーム法を用い、積層フィルムの幅方向-厚み方向に断面を有する幅5mmの超薄切片を作製し、該断面に白金コートをして観察試料とした。次に、日立製作所製電界放射走差電子顕微鏡(S-4800)を用いて、積層フィルム断面を加速電圧1.0kVで観察し、観察画像の任意の箇所10点の厚みを測定し、その平均値を各層の厚みとして用いた。
(4)十点平均粗さRz
クッション層の表面をJIS B0601(2001)に準拠し、(株)小坂研究所製表面粗さ測定機SE-3400を用い、基準長さ20mm、荷重0.75mN、測定速度0.3mm/sの測定条件でRz(μm)を測定し、10回の平均値をクッション層のRzとして用いた。
クッション層の表面をJIS B0601(2001)に準拠し、(株)小坂研究所製表面粗さ測定機SE-3400を用い、基準長さ20mm、荷重0.75mN、測定速度0.3mm/sの測定条件でRz(μm)を測定し、10回の平均値をクッション層のRzとして用いた。
(5)全固体電池の組立
実施例および比較例で作成した全固体電池用外装材を用いて全固体電池を組み立てた。具体的には、露点マイナス50℃以下のドライ環境において、正極集電体(厚み20μm)としてのアルミニウム合金箔の上に正極活物質層(厚み100μm)としてのLiCoO2を積層した正極層と、負極集電体(厚み10μm)としてのSUS304箔の上に負極活物質層21(厚み120μm)としてのグラファイトを積層した負極層20とを、固体電解質層(Li2S:P2S5=75:25、厚み100μm)を介して積層して単電池を作製した。なお、全固体電池を平面視した場合に、正極活物質層は縦30mm×横30mm、正極集電体は縦40mm×横35mm、負極活物質層は縦32mm×横32mm、負極集電体は縦40mm×横35mm、固体電解質層は縦32mm×横32mmである。次に、正極集電体及び負極集電体それぞれに端子を接合した。
実施例および比較例で作成した全固体電池用外装材を用いて全固体電池を組み立てた。具体的には、露点マイナス50℃以下のドライ環境において、正極集電体(厚み20μm)としてのアルミニウム合金箔の上に正極活物質層(厚み100μm)としてのLiCoO2を積層した正極層と、負極集電体(厚み10μm)としてのSUS304箔の上に負極活物質層21(厚み120μm)としてのグラファイトを積層した負極層20とを、固体電解質層(Li2S:P2S5=75:25、厚み100μm)を介して積層して単電池を作製した。なお、全固体電池を平面視した場合に、正極活物質層は縦30mm×横30mm、正極集電体は縦40mm×横35mm、負極活物質層は縦32mm×横32mm、負極集電体は縦40mm×横35mm、固体電解質層は縦32mm×横32mmである。次に、正極集電体及び負極集電体それぞれに端子を接合した。
次に、クッション層以外の外装材(縦60mm×横60mm)を用意し、冷間成形して収容部(熱融着性樹脂層側から基材層側に突出した形状の凹部)を形成した後、当該収容部に入る大きさのクッション層を当該収容部に載置し、その上から単電池を載置した。この状態で、2枚の外装材の熱融着性樹脂層同士が対向するようにして、単電池を上下から挟み込み、外装材の周縁部を熱融着させることにより、真空環境において、全固体電池を作製した。クッション層は、全固体電池の両面側に配置している。
(6)高温高圧プレスでの拘束による短絡の評価
実施例および比較例で作成した全固体電池用外装材を用いて組み立てた全固体電池について、短絡の抑制効果を次のようにして行った。まず、正極活物質層と同じサイズ(縦30mm×横30mm)のステンレス鋼板を2枚用意した。次に、全固体電池を平面視した場合に、ステンレス鋼板が正極活物質層の全面を覆うようにして、全固体電池を上下から挟み込んだ。次に、上下のステンレス鋼板に10MPaの荷重を加え、120℃で24時間、-40℃で24時間のヒートサイクルを以下A~Dに記載の回数繰り返した。次に、全固体電池からステンレス鋼板を外し、正極端子と外装材のアルミニウム合金箔とをテスターに接続して導通を確認した。導通が確認されなかった場合を、短絡が抑制されていると判断し、導通が確認された場合を、短絡したと判断し、以下の基準で評価した。
A:60回のヒートサイクル実施後も短絡が抑制された。
B:45回のヒートサイクル実施後に短絡した。
C:30回のヒートサイクル実施後に短絡した。
D:10回のヒートサイクル実施後に短絡した。
実施例および比較例で作成した全固体電池用外装材を用いて組み立てた全固体電池について、短絡の抑制効果を次のようにして行った。まず、正極活物質層と同じサイズ(縦30mm×横30mm)のステンレス鋼板を2枚用意した。次に、全固体電池を平面視した場合に、ステンレス鋼板が正極活物質層の全面を覆うようにして、全固体電池を上下から挟み込んだ。次に、上下のステンレス鋼板に10MPaの荷重を加え、120℃で24時間、-40℃で24時間のヒートサイクルを以下A~Dに記載の回数繰り返した。次に、全固体電池からステンレス鋼板を外し、正極端子と外装材のアルミニウム合金箔とをテスターに接続して導通を確認した。導通が確認されなかった場合を、短絡が抑制されていると判断し、導通が確認された場合を、短絡したと判断し、以下の基準で評価した。
A:60回のヒートサイクル実施後も短絡が抑制された。
B:45回のヒートサイクル実施後に短絡した。
C:30回のヒートサイクル実施後に短絡した。
D:10回のヒートサイクル実施後に短絡した。
(実施例1)
基材層としてポリエチレンテレフタレートフィルム(12μm)/接着剤層(2液硬化型ウレタン接着剤(ポリオール化合物と芳香族イソシアネート化合物)、厚さ3μm)/二軸延伸ナイロンフィルム(厚さ15μm)が順に積層された積層フィルムを用意した。次に、基材層の二軸延伸ナイロンフィルム(厚さ15μm)の上に、アルミニウム箔(JIS H4160:1994 A8021H-O、厚さ40μm、両面にクロム酸を用いた耐腐食性皮膜が形成されている)からなるバリア層をドライラミネート法により積層させた。具体的には、アルミニウム箔の一方面に、2液硬化型ウレタン接着剤(ポリオール化合物と芳香族イソシアネート化合物)を塗布し、アルミニウム箔上に接着剤層(硬化後の厚み3μm)を形成した。次いで、アルミニウム箔上の接着剤層と二軸延伸ナイロンフィルムを積層した後、エージング処理を実施することにより、基材層/接着剤層/バリア層の積層体を作製した。
基材層としてポリエチレンテレフタレートフィルム(12μm)/接着剤層(2液硬化型ウレタン接着剤(ポリオール化合物と芳香族イソシアネート化合物)、厚さ3μm)/二軸延伸ナイロンフィルム(厚さ15μm)が順に積層された積層フィルムを用意した。次に、基材層の二軸延伸ナイロンフィルム(厚さ15μm)の上に、アルミニウム箔(JIS H4160:1994 A8021H-O、厚さ40μm、両面にクロム酸を用いた耐腐食性皮膜が形成されている)からなるバリア層をドライラミネート法により積層させた。具体的には、アルミニウム箔の一方面に、2液硬化型ウレタン接着剤(ポリオール化合物と芳香族イソシアネート化合物)を塗布し、アルミニウム箔上に接着剤層(硬化後の厚み3μm)を形成した。次いで、アルミニウム箔上の接着剤層と二軸延伸ナイロンフィルムを積層した後、エージング処理を実施することにより、基材層/接着剤層/バリア層の積層体を作製した。
次に融点162℃のエチレン-プロピレンランダム共重合体(PP1)からなる熱融着性樹脂層A、および融点164℃のブロックポリプロピレン(PP2)90質量%および平均粒径12μmのシリコーンゴム粒子10質量%からなる熱融着性樹脂層Bを、熱融着性樹脂層Aが10μm、熱融着性樹脂層Bが90μmになるようにTダイを用いて2層共押出し、厚さ100μmのフィルムを得た後、空孔率が6体積%となるように該フィルムを伸長してロール状に巻き取り、空孔を有する熱融着性樹脂層を得た。
その後、該熱融着性樹脂層の熱融着性樹脂層B側の面を2液硬化型のマレイン酸変性ポリプロピレン接着剤を介して、前記基材層/接着剤層/バリア層のバリア層側の面に重ね合わせて、ゴムニップロールと、100℃に加熱されたラミネートロールとの間に挟み込んで圧着することによりドライラミネートし、全固体電池用外装材を得た。外装材の厚み変化率T1は6%、厚み回復率T2は98%、短絡の評価結果はCであった。
(実施例2)
熱融着性樹脂層Bを融点164℃のブロックポリプロピレン(PP2)100質量%とし、熱融着性樹脂層を共押出した後に伸長せずロール状に巻き取ったこと以外は上記と同様にして、基材層/接着剤層/バリア層/接着剤層/熱融着性樹脂層からなる積層体を得た。さらに、熱融着性樹脂層A側の面に空孔率30体積%、厚み100μmのポリエチレンテレフタレート(PET)製フィルムからなるクッション層を重ねておき、全固体電池用外装材を得た。外装材の厚み変化率T1は5%、厚み回復率T2は98%、短絡の評価結果はCであった。
熱融着性樹脂層Bを融点164℃のブロックポリプロピレン(PP2)100質量%とし、熱融着性樹脂層を共押出した後に伸長せずロール状に巻き取ったこと以外は上記と同様にして、基材層/接着剤層/バリア層/接着剤層/熱融着性樹脂層からなる積層体を得た。さらに、熱融着性樹脂層A側の面に空孔率30体積%、厚み100μmのポリエチレンテレフタレート(PET)製フィルムからなるクッション層を重ねておき、全固体電池用外装材を得た。外装材の厚み変化率T1は5%、厚み回復率T2は98%、短絡の評価結果はCであった。
(実施例3)
クッション層として、100μmのポリフェニレンスルファイド製フィルムの片面に平均粒径12μmのシリコーンゴム粒子をコーティングしたものを用い、前記コーティング面が熱融着性樹脂層側と反対側になるようにクッション層を重ねたこと以外は実施例2と同様にして、全固体電池用外装材を得た。外装材の厚み変化率T1は4%、厚み回復率T2は98%、短絡の評価結果はCであった。
クッション層として、100μmのポリフェニレンスルファイド製フィルムの片面に平均粒径12μmのシリコーンゴム粒子をコーティングしたものを用い、前記コーティング面が熱融着性樹脂層側と反対側になるようにクッション層を重ねたこと以外は実施例2と同様にして、全固体電池用外装材を得た。外装材の厚み変化率T1は4%、厚み回復率T2は98%、短絡の評価結果はCであった。
(実施例4)
熱融着性樹脂層Bに融点164℃のブロックポリプロピレン(PP2)90質量%と平均粒径30μmのシリコーンゴム粒子10質量%を用い、熱融着性樹脂層を共押出した後に伸長せずにロール状に巻き取ったこと以外は実施例1と同様にして全固体電池用外装材を得た。外装材の厚み変化率T1は5%、厚み回復率T2は97%、短絡の評価結果はCであった。
熱融着性樹脂層Bに融点164℃のブロックポリプロピレン(PP2)90質量%と平均粒径30μmのシリコーンゴム粒子10質量%を用い、熱融着性樹脂層を共押出した後に伸長せずにロール状に巻き取ったこと以外は実施例1と同様にして全固体電池用外装材を得た。外装材の厚み変化率T1は5%、厚み回復率T2は97%、短絡の評価結果はCであった。
(実施例5)
クッション層として、融点164℃のブロックポリプロピレン(PP2)を80質量%、スチレン-エチレン・ブチレン-スチレンブロック共重合体(SEBS1)(スチレン含有量20質量%、変形率6%)を20質量%からなる厚み200μmのフィルムを用いたこと以外は実施例2と同様にして、全固体電池用外装材を得た。外装材の厚み変化率T1は10%、厚み回復率T2は98%、短絡の評価結果はBであった。
クッション層として、融点164℃のブロックポリプロピレン(PP2)を80質量%、スチレン-エチレン・ブチレン-スチレンブロック共重合体(SEBS1)(スチレン含有量20質量%、変形率6%)を20質量%からなる厚み200μmのフィルムを用いたこと以外は実施例2と同様にして、全固体電池用外装材を得た。外装材の厚み変化率T1は10%、厚み回復率T2は98%、短絡の評価結果はBであった。
(実施例6)
融点164℃のブロックポリプロピレン(PP2)からなる厚み200μmのフィルムに直径1mm、ピッチ2mm、Rzが40μmになるようにドット状にエンボス形状を施したものをクッション層として用いたこと以外は、実施例2と同様にして、全固体電池用外装材を得た。外装材の厚み変化率T1は12%、厚み回復率T2は97%、短絡の評価結果はBであった。
融点164℃のブロックポリプロピレン(PP2)からなる厚み200μmのフィルムに直径1mm、ピッチ2mm、Rzが40μmになるようにドット状にエンボス形状を施したものをクッション層として用いたこと以外は、実施例2と同様にして、全固体電池用外装材を得た。外装材の厚み変化率T1は12%、厚み回復率T2は97%、短絡の評価結果はBであった。
(実施例7)
融点164℃のブロックポリプロピレン(PP2)を90質量%、スチレン-エチレン・ブチレン-スチレンブロック共重合体(SEBS1)10質量%からなる厚み200μmのフィルムに直径1mm、ピッチ2mm、Rzが40μmになるようにドット状にエンボス形状を施したものをクッション層として用いたこと以外は、実施例2と同様にして、全固体電池用外装材を得た。外装材の厚み変化率T1は14%、厚み回復率T2は98%、短絡の評価結果はAであった。
融点164℃のブロックポリプロピレン(PP2)を90質量%、スチレン-エチレン・ブチレン-スチレンブロック共重合体(SEBS1)10質量%からなる厚み200μmのフィルムに直径1mm、ピッチ2mm、Rzが40μmになるようにドット状にエンボス形状を施したものをクッション層として用いたこと以外は、実施例2と同様にして、全固体電池用外装材を得た。外装材の厚み変化率T1は14%、厚み回復率T2は98%、短絡の評価結果はAであった。
(実施例8)
クッション層に直径1mm、ピッチ2mm、Rzが60μmとなるようにドット状にエンボス形状を施したこと以外は、実施例7と同様にして全固体電池用外装材を得た。外装材の厚み変化率T1は17%、厚み回復率T2は98%、短絡の評価結果はAであった。
クッション層に直径1mm、ピッチ2mm、Rzが60μmとなるようにドット状にエンボス形状を施したこと以外は、実施例7と同様にして全固体電池用外装材を得た。外装材の厚み変化率T1は17%、厚み回復率T2は98%、短絡の評価結果はAであった。
(実施例9)
200μmのポリエチレンテレフタレートフィルムに直径1mm、ピッチ2mm、Rzが40μmとなるようにドット状にエンボス形状を施したこと以外は、実施例6と同様にして全固体電池用外装材を得た。外装材の厚み変化率T1は8%、厚み回復率T2は97%、短絡の評価結果はCであった。
(実施例10)
融点164℃のブロックポリプロピレン(PP2)90質量%と平均粒径100μmのシリコーンゴム粒子10質量%からなる厚み500μmのフィルムをクッション層として用いたこと以外は、実施例2と同様にして、全固体電池用外装材を得た。外装材の厚み変化率T1は13%、厚み回復率T2は98%、短絡の評価結果はBであった。
200μmのポリエチレンテレフタレートフィルムに直径1mm、ピッチ2mm、Rzが40μmとなるようにドット状にエンボス形状を施したこと以外は、実施例6と同様にして全固体電池用外装材を得た。外装材の厚み変化率T1は8%、厚み回復率T2は97%、短絡の評価結果はCであった。
(実施例10)
融点164℃のブロックポリプロピレン(PP2)90質量%と平均粒径100μmのシリコーンゴム粒子10質量%からなる厚み500μmのフィルムをクッション層として用いたこと以外は、実施例2と同様にして、全固体電池用外装材を得た。外装材の厚み変化率T1は13%、厚み回復率T2は98%、短絡の評価結果はBであった。
(比較例1)
熱融着性樹脂層Bを融点164℃のブロックポリプロピレン(PP2)100質量%とし、熱融着性樹脂層を共押出した後に伸長せずロール状に巻き取ったこと以外は上記と同様にして、基材層/接着剤層/バリア層/接着剤層/熱融着性樹脂層からなる積層体からなる全固体電池用外装材を得た。外装材の厚み変化率T1は2%、厚み回復率T2は98%、短絡の評価結果はDであった。
熱融着性樹脂層Bを融点164℃のブロックポリプロピレン(PP2)100質量%とし、熱融着性樹脂層を共押出した後に伸長せずロール状に巻き取ったこと以外は上記と同様にして、基材層/接着剤層/バリア層/接着剤層/熱融着性樹脂層からなる積層体からなる全固体電池用外装材を得た。外装材の厚み変化率T1は2%、厚み回復率T2は98%、短絡の評価結果はDであった。
(比較例2)
クッション層として、融点164℃のブロックポリプロピレン(PP2)からなる厚み30μmのフィルムを用いたこと以外は実施例2と同様にして、全固体電池用外装材を得た。外装材の厚み変化率T1は1%、厚み回復率T2は98%、短絡の評価結果はDであった。
クッション層として、融点164℃のブロックポリプロピレン(PP2)からなる厚み30μmのフィルムを用いたこと以外は実施例2と同様にして、全固体電池用外装材を得た。外装材の厚み変化率T1は1%、厚み回復率T2は98%、短絡の評価結果はDであった。
本発明の実施例に記載する外装材はいずれも高温高圧プレスでの拘束による短絡評価がAまたはBまたはCで短絡抑制効果が得られていたが、一方で比較例1~2は短絡評価に劣ることが確認された。
本発明の全固体電池用外装材は、電池素子の膨張収縮に伴う外力を受けた際に、破損しにくいため、全固体電池に好ましく用いることができる。
Claims (13)
- 少なくとも基材層、バリア層、熱融着性樹脂層をこの順に備える積層体から構成され、前記積層体がクッション性を有する、全固体電池用外装材。
- 前記熱融着性樹脂層が内部に空孔を有する、請求項1に記載の全固体電池用外装材。
- 前記熱融着性樹脂層が架橋エラストマー粒子を含有する、請求項1または2に記載の全固体電池用外装材。
- 前記積層体が前記熱融着性樹脂層の前記基材層側とは反対側に厚み50~900μmのクッション層を備える、請求項1に記載の全固体電池用外装材。
- 前記クッション層が内部に空孔を有する、請求項4に記載の全固体電池用外装材。
- 前記クッション層の少なくとも一方の面に架橋エラストマー粒子が設けられている、請求項4に記載の全固体電池用外装材。
- 前記クッション層が弾性エラストマーを含有する、請求項4に記載の全固体電池用外装材。
- 前記クッション層の少なくとも一方の面の十点平均粗さRzが20~500μmである、請求項4~7のいずれかに記載の全固体電池用外装材。
- 前記熱融着性樹脂層の空孔率が5~20体積%である、請求項2に記載の全固体電池用外装材。
- 前記架橋エラストマー粒子の平均粒径が5~30μmである、請求項3に記載の全固体電池用外装材。
- 前記架橋エラストマー粒子の平均粒径が5~200μmである、請求項6に記載の全固体電池用外装材。
- 前記クッション層の空孔率が5~30体積%である、請求項5に記載の全固体電池用外装材。
- 前記クッション層の全質量を100質量%とした際の、前記弾性エラストマーの含有量が10~30質量%である請求項7に記載の全固体電池用外装材。
Applications Claiming Priority (2)
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Family Applications (1)
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JP2022141946A Pending JP2023041030A (ja) | 2021-09-10 | 2022-09-07 | 全固体電池用外装材 |
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JP (1) | JP2023041030A (ja) |
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2022
- 2022-09-07 JP JP2022141946A patent/JP2023041030A/ja active Pending
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