JP2023040809A - 自動変速機の制御装置 - Google Patents

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俊郎 大森
Toshiro Omori
康之 三宅
Yasuyuki Miyake
雅彦 倉林
Masahiko Kurabayashi
勝之 双木
Katsuyuki Namiki
光平 小池
Kohei Koike
優作 石井
Yusaku Ishii
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【課題】自動変速機に入力されるエンジントルクの推定精度を高めることが可能な自動変速機の制御装置を提供する。【解決手段】TCU40は、所定の低負荷側学習条件が成立したときに、クラッチ油圧を徐々に下げて前進クラッチ29が滑り出すときのスリップ油圧を学習するとともに、該スリップ油圧及び推定エンジントルクに基づいて前進クラッチ29の摩擦係数を学習する学習部41と、所定の高負荷側学習条件が成立したときに、クラッチ油圧及びクラッチ摩擦係数に基づいてクラッチトルクを演算するとともに、該クラッチトルクに対する推定エンジントルクの割合に基づいて補正係数を取得する補正係数取得部42と、所定の高負荷領域において、推定エンジントルクを補正係数で補正して補正エンジントルクを演算するとともに、該補正エンジントルクに基づいてバリエータ38に供給する油圧を調節する油圧制御部43とを備える。【選択図】 図1

Description

本発明は、自動変速機の制御装置に関する。
近年、車両の自動変速機として、変速比を無段階に変更でき、変速ショックがなく、かつ燃費を改善することができるチェーン式やベルト式などの無段変速機(CVT)が広く実用化されている。チェーン式などの無段変速機は、入力軸に設けられるプライマリプーリ(ドライブプーリ)と、出力軸に設けられるセカンダリプーリ(ドリブンプーリ)と、これらのプーリに掛け渡されるチェーンなどの動力伝達要素とを有しており、エンジンで発生されたエンジントルクがチェーンなどの動力伝達要素を介してプライマリプーリからセカンダリプーリへ伝達される。また、無段変速機は、それぞれのプーリの溝幅を変化させて動力伝達要素の巻き掛け径を変化させることによって、変速比を無段階に変化させている。
ここで、プライマリプーリとセカンダリプーリとに付与されるクランプ力(プーリ側圧)は、チェーンなどにより伝達されるエンジントルクに応じて制御される(例えば、特許文献1参照)。その際に、クランプ力(又は、クランプ力の元となるライン圧)が不足すると、チェーンなどが滑って動力伝達に支障をきたすとともに、チェーンなどの耐久性劣化を招いてしまう。そのため、バリエータを構成するプライマリプーリやセカンダリプーリのクランプ力(挟持力)は、チェーンなどの滑り(スリップ)が発生しないようにマージンを持って制御される。その際に、マージンは、例えば、エンジントルクの推定誤差などを考慮して(すなわちワーストケースを想定して)設定される。
特開2001-208183号公報
しかしながら、エンジントルクの推定誤差が大きくなると、マージンを大きくする必要が生じ、必要なクランプ力を発生させるための油圧が過大となるため、変速機内の損失が大きくなり、燃費の悪化につながる。そのため、エンジントルクの推定精度を高めたい(推定誤差を小さくしたい)という要望があった。なお、無段変速機以外の自動変速機、例えば、ステップAT(有段自動変速機)やDCT(Dual Clutch Transmission)などの自動変速機についても同様の要望があった。
本発明は、上記問題点を解消する為になされたものであり、自動変速機に入力されるエンジントルクの推定精度を高めることが可能な自動変速機の制御装置を提供することを目的とする。
本発明に係る自動変速機の制御装置は、変速機構を有し、エンジンから出力されたエンジントルクを変換して出力する自動変速機の制御装置であって、エンジンと駆動輪との間に介装され、油圧に応じて、駆動輪に対するエンジントルクの伝達を断続する油圧クラッチと、油圧クラッチに供給されるクラッチ油圧を検出する油圧センサと、エンジンの運転状態から推定される推定エンジントルクに基づいて、変速機構に供給する油圧を調節するコントロールユニットとを備え、コントロールユニットが、所定の低負荷側学習条件が成立したときに、クラッチ油圧を徐々に下げて油圧クラッチが滑り出すときのスリップ油圧を学習するとともに、該スリップ油圧及び推定エンジントルクに基づいて、油圧クラッチの摩擦係数を学習する学習部と、所定の高負荷側学習条件が成立したときに、クラッチ油圧及びクラッチ摩擦係数に基づいてクラッチトルクを演算するとともに、該クラッチトルクに対する推定エンジントルクの割合に基づいて補正係数を取得する補正係数取得部と、所定の高負荷領域において、推定エンジントルクを補正係数で補正して補正エンジントルクを演算するとともに、該補正エンジントルクに基づいて変速機構に供給する油圧を調節する油圧制御部とを備えることを特徴とする。
本発明に係る自動変速機の制御装置によれば、所定の低負荷側学習条件が成立したときに、クラッチ油圧が徐々に下げられて油圧クラッチが滑り出すときのスリップ油圧が学習されるとともに、該スリップ油圧及び推定エンジントルクに基づいて油圧クラッチの摩擦係数が学習される。次に、所定の高負荷側学習条件が成立したときに、クラッチ油圧及びクラッチ摩擦係数に基づいてクラッチトルクが演算されるとともに、該クラッチトルクに対する推定エンジントルクの割合に基づいて補正係数が取得される。そして、所定の高負荷領域において、推定エンジントルクを補正係数で補正して補正エンジントルクが演算されるとともに、補正後の推定エンジントルクに基づいて変速機構に供給する油圧が調節される。
ところで、エンジントルクの推定精度は、低負荷領域では比較的高く、高負荷領域では比較的低い(悪化する)傾向がある。本発明に係る自動変速機の制御装置によれば、エンジントルクの推定精度が比較的高い低負荷領域の推定エンジントルクを用いて油圧クラッチの摩擦係数が学習され、該油圧クラッチの摩擦係数を用いて、推定精度が比較的低い高負荷領域の補正係数が取得される。そして、該補正係数を用いて高負荷領域における推定エンジントルクが補正される。そのため、自動変速機に入力されるエンジントルクの推定精度を高めることができる。
本発明によれば、自動変速機に入力されるエンジントルクの推定精度を高めることが可能となる。
実施形態に係る無段変速機の制御装置の構成を示すブロック図である。 前後進切替機構に油圧を供給する油圧回路の構成を示す図である。 低負荷領域及び高負荷領域における学習方法を説明するための図である。 実施形態に係る無段変速機の制御装置による学習処理、及び、油圧制御処理の処理手順を示すフローチャートである。
以下、図面を参照して本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。なお、図中、同一又は相当部分には同一符号を用いることとする。また、各図において、同一要素には同一符号を付して重複する説明を省略する。
まず、図1及び図2を併せて用いて、実施形態に係る無段変速機の制御装置1の構成について説明する。図1は、無段変速機の制御装置1、及び、該無段変速機の制御装置1が適用された無段変速機20等の構成を示すブロック図である。図2は、前後進切替機構27に油圧を供給する油圧回路の構成を示す図である。本実施形態では、自動変速機として無段変速機(CVT)を用いた場合を例にして説明する。すなわち、無段変速機20が特許請求の範囲に記載の自動変速機に相当する。
エンジン10は、どのような形式のものでもよいが、例えば水平対向型の筒内噴射式4気筒ガソリンエンジンである。エンジン10では、エアクリーナ(図示省略)から吸入された空気が、吸気管に設けられた電子制御式スロットルバルブ(以下、単に「スロットルバルブ」ともいう)13により絞られ、インテークマニホールドを通り、エンジン10に形成された各気筒に吸入される。ここで、エアクリーナから吸入された空気の量はエアフローメータ61により検出される。さらに、スロットルバルブ13には、該スロットルバルブ13の開度を検出するスロットル開度センサ14が配設されている。各気筒には、燃料を噴射するインジェクタが取り付けられている。また、各気筒には混合気に点火する点火プラグ、及び該点火プラグに高電圧を印加するイグナイタ内蔵型コイルが取り付けられている。エンジン10の各気筒では、吸入された空気とインジェクタによって噴射された燃料との混合気が点火プラグにより点火されて燃焼する。燃焼後の排気ガスは排気管を通して排出される。
上述したエアフローメータ61、スロットル開度センサ14に加え、エンジン10のカムシャフト近傍には、エンジン10の気筒判別を行うためのカム角センサが取り付けられている。また、エンジン10のクランクシャフト近傍には、クランクシャフトの位置を検出するクランク角センサが取り付けられている。これらのセンサは、後述するエンジン・コントロールユニット(以下「ECU」という)60に接続されている。また、ECU60には、アクセルペダルの踏み込み量すなわちアクセルペダルの操作量を検出するアクセルペダルセンサ62、及び、エンジン10の冷却水の温度を検出する水温センサ等の各種センサも接続されている。
エンジン10のクランク軸(出力軸)15には、クラッチ機能とトルク増幅機能を持つトルクコンバータ21、及び、前後進切替機構27を介して、エンジン10からの駆動力を変換して出力する無段変速機20が接続されている。
トルクコンバータ21は、主として、ポンプインペラ22、タービンランナ23、及びステータ24から構成されている。クランク軸(出力軸)15に接続されたポンプインペラ22がオイルの流れを生み出し、ポンプインペラ22に対向して配置されたタービンランナ23がオイルを介してエンジン10の動力を受けて出力軸を駆動する。両者の間に位置するステータ24は、タービンランナ23からの排出流(戻り)を整流し、ポンプインペラ22に還元することでトルク増幅作用を発生させる。
また、トルクコンバータ21は、入力と出力とを直結状態にするロックアップクラッチ25を有している。トルクコンバータ21は、ロックアップクラッチ25が締結されていないとき(非ロックアップ状態のとき)はエンジン10の駆動力をトルク増幅して無段変速機20に伝達し、ロックアップクラッチ25が締結されているとき(ロックアップ時)はエンジン10の駆動力を無段変速機20に直接伝達する。トルクコンバータ21を構成するタービンランナ23の回転数(タービン回転数)は、タービン回転数センサ56により検出される。検出されたタービン回転数は、後述するトランスミッション・コントロールユニット(以下「TCU」という)40に出力される。
前後進切替機構27は、駆動輪の正転と逆転(車両の前進と後進)とを切替えるものである。前後進切替機構27は、主として、ダブルピニオン式の遊星歯車列28、前進クラッチ29及び後進ブレーキ(後進クラッチ)30を備えている。前後進切替機構27では、前進クラッチ29、及び後進ブレーキ30それぞれの状態を制御することにより、エンジントルクの伝達経路を切替えることが可能に構成されている。
より具体的には、D(ドライブ:前進)レンジでは、前進クラッチ29を締結して後進ブレーキ30を解放することにより、タービン軸26の回転がそのまま後述するプライマリ軸32に伝達され、車両を前進走行させることが可能となる。また、R(リバース:後進)レンジでは、前進クラッチ29を解放して後進ブレーキ30を締結することにより、遊星歯車列28を作動させてプライマリ軸32の回転方向を逆転させることができ、車両を後進走行させることが可能となる。なお、N(ニュートラル:中立)レンジ又はP(パーキング:駐車)レンジでは、前進クラッチ29及び後進ブレーキ30を解放することにより、タービン軸26とプライマリ軸32とは切り離され、前後進切替機構27はプライマリ軸32に動力を伝達しないニュートラル状態となる。
前進クラッチ29(又は後進ブレーキ30)は、特許請求の範囲に記載の油圧クラッチ、すなわち、「エンジン10と駆動輪との間に介装され、油圧に応じて、駆動輪に対するエンジントルクの伝達を断続する油圧クラッチ」に相当する。なお、前進クラッチ29及び後進ブレーキ30の動作は、後述するTCU40、及び、バルブボディ(コントロールバルブ)50によって制御される。また、以下、特に区別する必要がない場合には、前進クラッチ29及び後進ブレーキ30をまとめて前後進クラッチ29、30と呼ぶこともある。
無段変速機20は、前後進切替機構27を介してトルクコンバータ21のタービン軸(出力軸)26と接続されるプライマリ軸32と、該プライマリ軸32と平行に配設されたセカンダリ軸37とを有している。
プライマリ軸32には、プライマリプーリ34が設けられている。プライマリプーリ34は、プライマリ軸32に接合された固定シーブ34aと、該固定シーブ34aに対向して、プライマリ軸32の軸方向に摺動自在に装着された可動シーブ34bとを有し、それぞれのシーブ34a、34bのコーン面間隔、すなわちプーリ溝幅を変更できるように構成されている。一方、セカンダリ軸37には、セカンダリプーリ35が設けられている。セカンダリプーリ35は、セカンダリ軸37に接合された固定シーブ35aと、該固定シーブ35aに対向して、セカンダリ軸37の軸方向に摺動自在に装着された可動シーブ35bとを有し、プーリ溝幅を変更できるように構成されている。
プライマリプーリ34とセカンダリプーリ35との間には駆動力を伝達するチェーン36が掛け渡されている。プライマリプーリ34及びセカンダリプーリ35の溝幅を変化させて、各プーリ34、35に対するチェーン36の巻き掛け径の比率(プーリ比)を変化させることにより、変速比が無段階に変更される。ここで、チェーン36のプライマリプーリ34に対する巻き掛け径をRpとし、セカンダリプーリ35に対する巻き掛け径をRsとすると、変速比iは、i=Rs/Rpで表される。よって、変速比iは、プライマリプーリ回転数Npをセカンダリプーリ回転数Nsで除算する(i=Np/Ns)ことにより求められる。
ここで、プライマリプーリ34(可動シーブ34b)には油圧室34cが形成されている。一方、セカンダリプーリ35(可動シーブ35b)には油圧室35cが形成されている。プライマリプーリ34、セカンダリプーリ35それぞれの溝幅は、プライマリプーリ34の油圧室34cに導入されるプライマリ油圧と、セカンダリプーリ35の油圧室35cに導入されるセカンダリ油圧とを調節することにより設定・変更される。
無段変速機20を変速させるための油圧、すなわち、上述したプライマリ油圧及びセカンダリ油圧は、バルブボディ(コントロールバルブ)50によってコントロールされる。バルブボディ50は、スプールバルブと該スプールバルブを動かすソレノイドバルブ(電磁弁)を用いてバルブボディ50内に形成された油路を開閉することで、図示しないオイルポンプから吐出された油圧を調節して、プライマリプーリ34の油圧室34c及びセカンダリプーリ35の油圧室35cに供給する。また、バルブボディ50は、ロックアップクラッチ25や前後進切替機構27等にも調圧した油圧を供給する。
無段変速機20の変速制御は、TCU40によって実行される。すなわち、TCU40は、上述したバルブボディ50を構成するソレノイドバルブ(電磁弁)の駆動を制御することにより、プライマリプーリ34の油圧室34c及びセカンダリプーリ35の油圧室35cに供給する油圧を調節して、無段変速機20の変速比を変更する。
また、TCU40は、上述したバルブボディ50を構成するクラッチリニアソレノイド501及びクラッチバルブ502の駆動を制御することにより、前進クラッチ29又は後進ブレーキ30に供給/排出する油圧を調節して、前進クラッチ29又は後進ブレーキ30の締結/解放を行う。なお、オイルを前進クラッチ29側に供給(又は排出)するか、又は後進ブレーキ30側に供給(又は排出)するかは、シフトレバー51に連動して動くように構成されたマニュアルバルブ503によって切替えられる(図2参照)。
ここで、車両のフロアやセンターコンソール等には、運転者による、無段変速機20のシフトレンジを択一的に切り替える操作を受付けるシフトレバー(セレクトレバー)51が設けられている。シフトレバー51には、該シフトレバー51と連動して動くように接続され、該シフトレバー51の選択位置を検出するレンジスイッチ59が取り付けられている。レンジスイッチ59は、TCU40に接続されており、検出されたシフトレバー51の選択位置が、TCU40に読み込まれる。なお、シフトレバー51では、ドライブ「D」レンジの他、パーキング「P」レンジ、リバース「R」レンジ、ニュートラル「N」レンジを選択的に切り替えることができる。なお、シフトレバー51に代えて、スイッチタイプのセレクト機構を用いてもよい。
ここで、シフトレバー51が操作されてDレンジ(前進走行レンジ)が選択された場合には、マニュアルバルブ503が図2の左側に動き、前進クラッチ29の油圧室にオイルが供給されるとともに、後進ブレーキ30の油圧室からオイルが排出される。これにより、前進クラッチ29が締結状態、後進ブレーキ30が解放状態となり、車両は前進可能となる。
一方、シフトレバー51が操作されてRレンジ(後進走行レンジ)が選択された場合には、マニュアルバルブ503が図2の側に動き、後進ブレーキ30の油圧室にオイルが供給されるとともに、前進クラッチ29の油圧室からオイルが排出される。これにより、後進ブレーキ30が締結状態、前進クラッチ29が解放状態となり、車両は後進可能となる。
なお、シフトレバー51が操作されてNレンジ又はPレンジが選択された場合には、前進クラッチ29の油圧室、及び、後進ブレーキ30の油圧室それぞれからオイルが排出される。これにより、前進クラッチ29及び後進ブレーキ30それぞれが解放状態となり(エンジントルクの伝達が遮断され)、無段変速機20はニュートラル状態となる。
TCU40には、上述したタービン回転数センサ56に加え、無段変速機20のオイルの温度を検出する油温センサ52、前進クラッチ29、後進ブレーキ30に供給されるクラッチ油圧を検出するクラッチ油圧センサ53、プライマリプーリ34に供給されるオイルの圧力(油圧)を検出するプライマリ油圧センサ54、セカンダリプーリ35に供給されるオイルの圧力(油圧)を検出するセカンダリ油圧センサ55、プライマリプーリ34の回転数を検出するプライマリプーリ回転センサ57、及び、セカンダリプーリ35の回転数を検出するセカンダリプーリ回転センサ58などが接続されている。また、TCU40は、例えばCAN(Controller Area Network)100を介して、エンジン10を総合的に制御するECU60等と相互に通信可能に接続されている。
TCU40、及び、ECU60は、それぞれ、演算を行うマイクロプロセッサ、該マイクロプロセッサに各処理を実行させるためのプログラムやデータ等を記憶するEEPROM、演算結果などの各種データを記憶するRAM、バッテリによってその記憶内容が保持されるバックアップRAM、及び、入出力I/F等を有して構成されている。
ECU60では、上述したカム角センサの出力から気筒が判別され、クランク角センサの出力によって検出されたクランクシャフトの回転位置の変化からエンジン回転数が求められる。また、ECU60では、上述した各種センサから入力される検出信号に基づいて、吸入空気量、アクセルペダル操作量、混合気の空燃比、及び、水温等の各種情報が取得される。そして、ECU60は、取得したこれらの各種情報に基づいて、燃料噴射量や点火時期、並びにスロットルバルブ13等の各種デバイスを制御することによりエンジン10を総合的に制御する。
また、ECU60では、例えば、エアフローメータ61により検出された吸入空気量、及び、エンジン回転数に基づいて、エンジン10の出力トルクが推定される、すなわち、推定エンジントルクが算出される。そして、ECU60は、CAN100を介して、エンジン回転数、推定エンジントルク、及び、アクセルペダル操作量等の情報をTCU40に送信する。なお、推定エンジントルクは、TCU40側で算出してもよい。
TCU40は、変速マップに従い、車両の運転状態(例えばアクセルペダル操作量及び車速等)に応じて自動で変速比を無段階に変速する。なお、自動変速モードに対応する変速マップはTCU40内のEEPROMに格納されている。その際に、TCU40は、エンジン10の推定エンジントルクに基づいて、バリエータ38(チェーン36)がスリップしないように、バリエータ38に供給する油圧を調節する。TCU40は、特許請求の範囲に記載のコントロールユニット、すなわち、「エンジン10の運転状態から推定される推定エンジントルクに基づいて、変速機構(バリエータ38)に供給する油圧を調節するコントロールユニット」として機能する。
特に、TCU40は、無段変速機20に入力されるエンジントルクの推定精度を高めることを可能とする機能を有している。そのため、TCU40は、学習部41、補正係数取得部42、及び、油圧制御部43を機能的に有している。TCU40では、EEPROMに記憶されているプログラムがマイクロプロセッサによって実行されることにより、学習部41、補正係数取得部42、及び、油圧制御部43の機能が実現される。
学習部41は、所定の低負荷側学習条件が成立したときに、クラッチ油圧を徐々に下げて行き、前進クラッチ29(又は後進ブレーキ30)が滑り出すときのスリップ油圧を学習する。ここで、所定の低負荷側学習条件は、油圧等が比較的安定している状態、例えば、推定エンジントルクが所定値(例えば100Nm)未満であること、及び、車速が所定速度(例えば50km/h)未満かつ車速の変化が所定範囲(例えば5km/h)内であることを含む(図3参照)。また、前進クラッチ29(又は後進ブレーキ30)の滑り(スリップ)は、タービン回転数とプライマリプーリ回転数とを比較することにより検知することができる。
また、学習部41は、スリップ油圧及び推定エンジントルクに基づいて、前進クラッチ29の摩擦係数を学習する。
より具体的には、学習部41は、クラッチ摩擦係数を次式(1)により算出する。
クラッチ摩擦係数=(スリップ油圧×クラッチ受圧面積×クラッチ有効径)/推定エンジントルク ・・・(1)
なお、クラッチ受圧面積、クラッチ有効径それぞれは、クラッチ諸元に基づき、予めデータとして、例えばEEPROM等のメモリに記憶されている。
算出されたクラッチ摩擦係数は、例えばEEPROM等のメモリに記憶される。
補正係数取得部42は、所定の高負荷側学習条件が成立したときに、クラッチ油圧及びクラッチ摩擦係数に基づいて、クラッチトルクを演算する。ここで、所定の高負荷側学習条件は、推定エンジントルクが所定値(例えば100Nm)以上であること、及び、車速が所定速度(例えば50km/h)以上かつ車速の変化が所定範囲(例えば5km/h)内であることを含む(図3参照)。
より具体的には、補正係数取得部42は、クラッチトルクを次式(2)により算出する。
クラッチトルク=クラッチ油圧×クラッチ受圧面積×クラッチ有効径×クラッチ摩擦係数 ・・・(2)
なお、クラッチ受圧面積、クラッチ有効径それぞれは、クラッチ諸元に基づき、予めデータとして、例えばEEPROM等のメモリに記憶されている。
また、補正係数取得部42は、クラッチトルクに対する推定エンジントルクの割合に基づいて、補正係数を取得する。
より具体的には、補正係数取得部42は、補正係数(適合係数)を次式(3)により算出する。
補正係数=クラッチトルク/推定エンジントルク ・・・(3)
算出された補正係数は、例えばEEPROM等のメモリに記憶される。
油圧制御部43は、所定の高負荷領域において、推定エンジントルクを補正係数で補正して補正エンジントルクを演算する。
より具体的には、油圧制御部43は、補正エンジントルクを次式(4)により算出する。
補正エンジントルク=推定エンジントルク×補正係数 ・・・(4)
そして、油圧制御部43は、補正エンジントルク(補正後の推定エンジントルク)に基づいて、バリエータ38に供給する油圧(目標油圧)を調節する。
次に、図4を参照しつつ、無段変速機の制御装置1の動作について説明する。図4は、無段変速機の制御装置1による学習処理、及び、油圧制御処理の処理手順を示すフローチャートである。本処理は、TCU40において、所定時間毎(例えば10ms毎)に繰り返して実行される。
ステップS100では(学習前は)、補正されていない推定エンジントルクに基づいて、バリエータ38に供給する油圧(バリエータ38のクランプ力)が調節される。
次に、ステップS102では、所定の低負荷側学習条件が成立しているか否かについての判断が行われる。なお、所定の低負荷側学習条件については、上述したとおりであるので、ここでは詳細な説明を省略する。ここで、低負荷側学習条件が成立していない場合には、ステップS100に処理が移行し、上述したように、補正されていない推定エンジントルクに基づいて、バリエータ38に供給する油圧(バリエータ38のクランプ力)が調節される。一方、低負荷側学習条件が成立している場合には、ステップS104に処理が移行する。
ステップS104では、前進クラッチ29のクラッチ油圧が徐々に(一定の割合で)下げられ、前進クラッチ29が滑り出すときのスリップ油圧が学習される。続いて、ステップS106では、スリップ油圧及び推定エンジントルクに基づいて、前進クラッチ29の摩擦係数(クラッチ摩擦係数)が学習される。なお、前進クラッチ29の摩擦係数(クラッチ摩擦係数)の算出方法は、上述したとおりであるので、ここでは、詳細な説明を省略する。
次に、ステップS108では、所定の高負荷側学習条件が成立しているか否かについての判断が行われる。なお、所定の高負荷側学習条件については、上述したとおりであるので、ここでは、詳細な説明を省略する。ここで、高負荷側学習条件が成立していない場合には、高負荷側学習条件が成立するまで、本処理が繰り返して実行される。一方、高負荷側学習条件が成立している場合には、ステップS110に処理が移行する。
ステップS110では、前進クラッチ29のクラッチ油圧及びクラッチ摩擦係数に基づいて、前進クラッチ29のクラッチトルクが演算される。なお、クラッチトルクの算出方法は、上述したとおりであるので、ここでは、詳細な説明を省略する。
続いて、ステップS112では、クラッチトルクに対する推定エンジントルクの割合に基づいて、補正係数が取得される。なお、補正係数の算出方法は、上述したとおりであるので、ここでは、詳細な説明を省略する。
そして、所定の高負荷領域にあるときに、ステップS114では、推定エンジントルクが補正係数で補正されて補正エンジントルクが演算される。そして、補正エンジントルク(補正後の推定エンジントルク)に基づいて、バリエータ38に供給する油圧が調節される。
以上、詳細に説明したように、本実施形態によれば、所定の低負荷側学習条件が成立したときに、前進クラッチ29のクラッチ油圧を徐々に下げて前進クラッチ29が滑り出すときのスリップ油圧が学習されるとともに、該スリップ油圧及び推定エンジントルクに基づいて前進クラッチ29の摩擦係数が学習される。次に、所定の高負荷側学習条件が成立したときに、クラッチ油圧及びクラッチ摩擦係数に基づいて前進クラッチ29のクラッチトルクが演算されるとともに、該クラッチトルクに対する推定エンジントルクの割合に基づいて補正係数が取得される。そして、所定の高負荷領域において、推定エンジントルクが補正係数で補正されて補正エンジントルクが演算されるとともに、補正エンジントルクに基づいてバリエータ38に供給する油圧が調節される。
ところで、エンジントルクの推定精度は、低負荷領域では比較的高く、高負荷領域では比較的低い(悪化する)傾向がある。本実施形態によれば、エンジントルクの推定精度が比較的高い低負荷領域の推定エンジントルクを用いて前進クラッチ29の摩擦係数が学習され、その前進クラッチ29の摩擦係数を用いて、推定精度が比較的低い高負荷領域の補正係数が取得される。そして、その補正係数を用いて高負荷領域における推定エンジントルクが補正される。
そのため、無段変速機20に入力されるエンジントルクの推定精度を高めることが可能となる。さらに、その結果、バリエータ38のクランプ力(又は、該クランプ力を発生させるための油圧)を、チェーン36等がスリップしない範囲で、できる限り低減することができ、燃費の改善を図ることが可能となる。
以上、本発明の実施の形態について説明したが、本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく種々の変形が可能である。例えば、上記実施形態では、本発明をチェーン式の無段変速機(CVT)に適用したが、チェーン式の無段変速機に代えて、例えば、ベルト式の無段変速機等にも適用することができる。また、無段変速機に代えて、ステップAT(有段自動変速機)やDCT(Dual Clutch Transmission)などの自動変速機にも適用することができる。
また、上記実施形態では、前後進切替機構27を、プライマリプーリ34の前段(バリエータ38よりも上流側)に配置したが、セカンダリプーリ35の後段(バリエータ38よりも下流側)に配置する構成としてもよい。
1 無段変速機の制御装置
10 エンジン
20 無段変速機
21 トルクコンバータ
27 前後進切替機構
28 遊星歯車列
29 前進クラッチ
30 後進ブレーキ(後進クラッチ)
34 プライマリプーリ
35 セカンダリプーリ
36 チェーン
37 セカンダリ軸
38 バリエータ
40 TCU
41 学習部
42 補正係数取得部
43 油圧制御部
50 バルブボディ(コントロールバルブ)
501 クラッチリニアソレノイド
502 クラッチバルブ
503 マニュアルバルブ
51 シフトレバー
52 油温センサ
53 クラッチ油圧センサ
54 プライマリ油圧センサ
55 セカンダリ油圧センサ
56 タービン回転数センサ
57 プライマリプーリ回転センサ
58 セカンダリプーリ回転センサ(出力軸回転センサ)
59 レンジスイッチ
60 ECU
61 エアフローメータ
62 アクセルペダルセンサ
100 CAN

Claims (5)

  1. 変速機構を有し、エンジンから出力されたエンジントルクを変換して出力する自動変速機の制御装置であって、
    前記エンジンと駆動輪との間に介装され、油圧に応じて、前記駆動輪に対するエンジントルクの伝達を断続する油圧クラッチと、
    前記油圧クラッチに供給されるクラッチ油圧を検出する油圧センサと、
    前記エンジンの運転状態から推定される推定エンジントルクに基づいて、前記変速機構に供給する油圧を調節するコントロールユニットと、を備え、
    前記コントロールユニットは、
    所定の低負荷側学習条件が成立したときに、前記クラッチ油圧を徐々に下げて、前記油圧クラッチが滑り出すときのスリップ油圧を学習するとともに、該スリップ油圧及び前記推定エンジントルクに基づいて、前記油圧クラッチの摩擦係数を学習する学習部と、
    所定の高負荷側学習条件が成立したときに、前記クラッチ油圧及びクラッチ摩擦係数に基づいて、クラッチトルクを演算するとともに、該クラッチトルクに対する前記推定エンジントルクの割合に基づいて、補正係数を取得する補正係数取得部と、
    所定の高負荷領域において、前記推定エンジントルクを前記補正係数で補正して補正エンジントルクを演算するとともに、該補正エンジントルクに基づいて、前記変速機構に供給する油圧を調節する油圧制御部と、
    を備えることを特徴とする自動変速機の制御装置。
  2. 前記自動変速機は、無段変速機であり、
    前記変速機構は、バリエータであり、
    前記油圧クラッチは、前後進切替機構を構成する前進クラッチ又は後進ブレーキである
    ことを特徴とする請求項1に記載の自動変速機の制御装置。
  3. 前記所定の低負荷側学習条件は、前記推定エンジントルクが所定値未満であること、及び、車速が所定速度未満かつ車速の変化が所定範囲内であることを含み、
    前記所定の高負荷側学習条件は、前記推定エンジントルクが所定値以上であること、及び、車速が所定速度以上かつ車速の変化が所定範囲内であることを含むことを特徴とする請求項1又は2に記載の自動変速機の制御装置。
  4. 前記学習部は、前記クラッチ摩擦係数を次式(1)により算出することを特徴とする請求項1~3のいずれか1項に記載の自動変速機の制御装置。
    クラッチ摩擦係数=(スリップ油圧×クラッチ受圧面積×クラッチ有効径)/推定エンジントルク ・・・(1)
  5. 前記補正係数取得部は、前記クラッチトルクを次式(2)により算出することを特徴とする請求項1~4のいずれか1項に記載の自動変速機の制御装置。
    クラッチトルク=クラッチ油圧×クラッチ受圧面積×クラッチ有効径×クラッチ摩擦係数 ・・・(2)
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