JP2023040775A - 組成物 - Google Patents

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Chisato Tsunoda
亮介 藤井
Ryosuke Fujii
由紀 西岡
Yuki Nishioka
千尋 田本
Chihiro Tamoto
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Abstract

【課題】有機酸を含有し、特にスタンプ型容器に充填して用いた際に、該容器からの吐出性、及び吐出後の保形性に優れる組成物を提供する。【解決手段】下記成分(A)~(C):(A)1つの繰り返し単位において主鎖と側鎖とを有する多糖類であって、該繰り返し単位における側鎖を構成する単糖単位数が、主鎖を構成する単糖単位数の1.3倍以上である多糖類(B)有機酸(C)多糖類又はその誘導体中のヒドロキシ基の水素原子の一部又は全てが、下記置換基(1)及び置換基(2)で置換された化合物(1)ヒドロキシ基を有していてもよく、エーテル結合が挿入されていてもよい、炭素数12以上36以下の、直鎖又は分岐のアルキル基又はアルケニル基(2)ヒドロキシ基を有していてもよい、炭素数1以上5以下のスルホアルキル基又はその塩を含有し、成分(A)の含有量が1質量%未満である組成物。【選択図】なし

Description

本発明は、組成物に関する。より詳細には、スタンプ型容器、ポンプ式容器等の押圧式容器に充填して用いられる組成物に関する。
水を主溶媒とする水系の液状組成物は、皮膚用の消毒剤組成物や皮膚洗浄剤組成物等、各種の皮膚外用剤組成物として用いられている。
皮膚外用剤組成物の有効成分は用途に応じて選択される。例えば皮膚用の殺菌又は殺ウイルス剤組成物においては、殺菌又は殺ウイルスを実現する成分として、有機酸を用いることが知られている。
特許文献1には、哺乳動物の皮膚表面に存在する細菌およびウイルスを抑制する方法として、皮膚pHを約4未満にまで低減することができる化合物または組成物と当該皮膚とを、少なくとも約0.5時間かけて接触させることを含む方法が開示されている。皮膚pHを低減することができる前記化合物または組成物としては、モノカルボン酸、ポリカルボン酸等の有機酸を含むものが例示されている。
特許文献2には、クエン酸、リンゴ酸、及びC1-6アルコールを含有する殺ウイルス組成物(ハンドローション)を、ライノウイルスの風邪にかかっていると特定された後、又はライノウイルスに暴露される前に患者の手に適用して、ライノウイルスを殺し、ライノウイルスによる風邪の蔓延を防止する方法が開示されている。
水系組成物はそのままでは低粘度であるため、例えば水系の皮膚外用剤組成物は、皮膚に塗布した際の液だれを防止する観点で、一般的には増粘剤を添加することで高粘度化されている。しかしながら、皮膚外用剤組成物において汎用される増粘剤であるカルボキシビニルポリマー及びアルキル変性カルボキシビニルポリマーは、塩の存在下、又は低pH条件下では期待する粘度が得られず、あるいは得られたとしても経時的に変動してしまうという問題があった。
このような問題を解決するために、特許文献3では、カルボキシビニルポリマー又はアルキル変性カルボキシビニルポリマーと、非植物性多糖増粘剤と、ヒドロキシモノカルボン酸、ヒドロキシジカルボン酸及びフィチン酸からなる群より選ばれる少なくとも一種と(ただし、乳酸の場合は0.1~20重量%)を含有する皮膚外用組成物、すなわち、カルボキシビニルポリマー又はアルキル変性カルボキシビニルポリマーに非植物性の多糖増粘剤を配合した組成とすることで、低pH領域においても安定な粘度を達成できることを開示している。
ところで、液状組成物をスタンプ型容器、ポンプ容器等の容器に収容して用いることも知られている(特許文献4)。スタンプ型容器とは押圧式容器の一種であり、例えば、液状組成物を収容する収容部、及び、該液状組成物を一度の押圧操作で所望のパターン形状となるように吐出可能な1ないし2以上の吐出口とを有する容器部と、収容部に収容された液状組成物を吐出口方向に押し出すための押圧機構と、を備える容器である。
特表2008-523064号公報 米国特許第6034133号 国際公開第2014/065303号 特表2015-512742号公報
スタンプ型容器、ポンプ式容器等の押圧式容器から吐出して用いる組成物においては、十分な吐出性を担保できる粘度範囲が限られることから、処方の自由度が低いという問題点もあった。さらに、スタンプ型容器に充填して用いる組成物では、該スタンプ型容器からの吐出性に加え、吐出後に一定時間形状を維持できる保形性が求められる。しかしながら、スタンプ型容器からの吐出性と、吐出後の保形性とを両立できる組成物は見出されていなかった。
本発明は、有機酸を含有し、特にスタンプ型容器に充填して用いた際に、該容器からの吐出性、及び吐出後の保形性に優れる組成物に関する。
本発明者らは、有機酸を含有する組成物において、増粘ポリマーとして2種類の特定構造の多糖類を用いることにより上記課題を解決できることを見出した。
すなわち、本発明は、次の[1]及び[2]を提供する。
[1]下記成分(A)~(C):
(A)1つの繰り返し単位において主鎖と側鎖とを有する多糖類であって、該繰り返し単位における側鎖を構成する単糖単位数が、主鎖を構成する単糖単位数の1.3倍以上である多糖類
(B)有機酸
(C)多糖類又はその誘導体中のヒドロキシ基の水素原子の一部又は全てが、下記置換基(1)及び置換基(2)で置換された化合物
(1)ヒドロキシ基を有していてもよく、エーテル結合が挿入されていてもよい、炭素数12以上36以下の、直鎖又は分岐のアルキル基又はアルケニル基
(2)ヒドロキシ基を有していてもよい、炭素数1以上5以下のスルホアルキル基又はその塩
を含有し、成分(A)の含有量が1質量%未満である組成物。
[2]上記[1]に記載の組成物をスタンプ型容器に充填してなる、スタンプ製剤。
本発明によれば、有機酸を含有し、特にスタンプ型容器に充填して用いた際に、該容器からの吐出性、及び吐出後の保形性に優れる組成物を提供することができる。該組成物は、例えば乳酸等の有機酸を殺菌成分として用いた、殺菌性皮膚外用剤組成物として有用である。
スタンプ型容器100の一実施形態を示す模式図である。 スタンプ型容器100の構成部材の一実施形態を示す模式図である。 スタンプ製剤の使用方法の一実施形態を示す模式図である。 スタンプ型容器100から吐出された組成物の形状の写真である。
[組成物]
本発明の組成物は、下記成分(A)~(C):
(A)1つの繰り返し単位において主鎖と側鎖とを有する多糖類であって、該繰り返し単位における側鎖を構成する単糖単位数が、主鎖を構成する単糖単位数の1.3倍以上である多糖類
(B)有機酸
(C)多糖類又はその誘導体中のヒドロキシ基の水素原子の一部又は全てが、下記置換基(1)及び置換基(2)で置換された化合物
(1)ヒドロキシ基を有していてもよく、エーテル結合が挿入されていてもよい、炭素数12以上36以下の、直鎖又は分岐のアルキル基又はアルケニル基
(2)ヒドロキシ基を有していてもよい、炭素数1以上5以下のスルホアルキル基又はその塩
を含有し、成分(A)の含有量が1質量%未満である組成物である。
本発明の組成物は上記構成を有することにより、有機酸を含有する組成物であっても、スタンプ型容器に充填して用いた際に、該容器からの吐出性、及び吐出後の保形性に優れるものとなる。以下、組成物の、スタンプ型容器、ポンプ式容器等の押圧式容器からの吐出性及び吐出後の保形性を単に「吐出性及び保形性」ともいう。
本明細書において「X及びYを含有する組成物」は、X及びYを配合した組成物も包含するものとする。
本発明の組成物が上記効果を奏する理由については定かではないが、次のように考えられる。
スタンプ型容器、ポンプ式容器等の押圧式容器から吐出して用いる組成物は、吐出性を良好にするために、容器から吐出される際に低粘度である必要がある。一方、組成物の吐出後の保形性を良好にするためには、吐出後の組成物が高粘度である必要がある。よって該組成物は、吐出時と保形時の各せん断速度下において、全く異なる粘度でなければならない。つまり、せん断速度に応じて急激に粘度が変化するシェアシニング性が必要である。
本発明の組成物は、増粘ポリマーとして成分(A)及び成分(C)を含有しており、成分(A)を含有することにより、高いシェアシニング性を実現していると考えられる。成分(A)は、1つの繰り返し単位において主鎖と側鎖とを有し、側鎖を構成する単糖単位数が、主鎖を構成する単糖単位数の1.3倍以上である多糖類である。成分(A)は側鎖が主鎖に対して長く、剛直な構造を有するため、成分(A)を含有する組成物は、せん断がかかった際に即座に構造が破壊されやすく、高いシェアシニング性を実現できたと考えられる。
また前述したように、水系組成物において汎用される増粘剤であるカルボキシビニルポリマー及びアルキル変性カルボキシビニルポリマーは、低pH条件下では増粘効果が得られにくいという問題がある。これは、該増粘剤中のカルボキシ基が組成物中で塩基により中和され、それによって生じたマイナスチャージ同士の反発によって増粘効果を発現するが、酸性条件下ではマイナスチャージが生じず増粘し難いためである。また上記増粘剤は、塩が多量に存在する系では、静電遮蔽作用によりマイナスチャージ部分が遮蔽されるために増粘し難い傾向がある。
これに対し成分(A)は主鎖と側鎖とを有する剛直な構造であることから、塩又は酸の存在下であってもシュリンクせずに広がりやすく、増粘効果が損なわれないと考えられる。
また、成分(C)は、多糖類又はその誘導体中のヒドロキシ基の水素原子の一部又は全てが、(1)ヒドロキシ基を有していてもよく、エーテル結合が挿入されていてもよい、炭素数12以上36以下の、直鎖又は分岐のアルキル基又はアルケニル基、及び、(2)ヒドロキシ基を有していてもよい、炭素数1以上5以下のスルホアルキル基又はその塩で置換された化合物である。すなわち成分(C)は、上記(1)にかかる疎水性基と、上記(2)に由来するスルホン酸基とを有する多糖誘導体又はその塩である。成分(C)が上記(1)にかかる疎水性基を有すると、組成物中で、疎水性相互作用による増粘効果が得られやすいと考えられる。またスルホン酸基はpKaが低いことから、スルホン酸又はスルホン酸塩である成分(C)は有機酸を含有する低pHの系においてもマイナスチャージを保持しており、その電荷反発により増粘効果が得られると考えられる。
以上により本発明の組成物は、成分(A)及び成分(C)を増粘ポリマーとして用いることで、有効成分として成分(B)である有機酸を含有する組成物であっても増粘効果が得られ、さらに、押圧式容器からの吐出性、及び、吐出後の保形性が良好になると考えられる。
本発明の組成物は、例えば、皮膚外用剤組成物、化粧料組成物として用いられる。本発明の組成物は成分(B)である有機酸を含有するため、皮膚外用剤組成物の中でも、例えば、乳酸等の有機酸を殺菌成分として配合した、殺菌性皮膚外用剤組成物であることが好ましい。
<成分(A):多糖類>
本発明の組成物は、成分(A)として、1つの繰り返し単位において主鎖と側鎖とを有し、該繰り返し単位における側鎖を構成する単糖単位数が、主鎖を構成する単糖単位数の1.3倍以上である多糖類を含有する。本発明の組成物は成分(A)を含有することでシェアシニング性を付与することができ、押圧式容器からの吐出性及び吐出後の保形性が向上すると考えられる。
成分(A)における「1つの繰り返し単位」とは、多糖類を構成する、複数の単糖単位から構成される繰り返し単位を意味する。
成分(A)における「1つの繰り返し単位」は、主鎖と側鎖とを有する繰り返し単位であって、該繰り返し単位における側鎖を構成する単糖単位数が、主鎖を構成する単糖単位数の1.3倍以上である。組成物の吐出性及び保形性を両立する観点から、成分(A)の前記繰り返し単位における側鎖を構成する単糖単位数は、主鎖を構成する単糖単位数に対し、好ましくは1.3倍以上、より好ましくは1.4倍以上であり、また、好ましくは2.5倍以下、より好ましくは2.0倍以下、さらに好ましくは1.8倍以下である。
成分(A)の繰り返し単位において、主鎖を構成する単糖単位としては、グルコース単位、フルクトース単位、ガラクトース単位、及びマンノース単位からなる群から選ばれる1種以上が挙げられる。これらの中でも、主鎖を構成する単糖単位は、好ましくはグルコース単位である。
成分(A)の繰り返し単位において、側鎖を構成する単糖単位としては、グルコース単位、フルクトース単位、ガラクトース単位、マンノース単位、及びグルクロン酸単位からなる群から選ばれる1種以上が挙げられる。これらの中でも、主鎖を構成する単糖単位は、好ましくはマンノース単位及びグルクロン酸単位からなる群から選ばれる1種以上、より好ましくはマンノース単位及びグルクロン酸単位である。
成分(A)は、組成物の吐出性及び保形性を両立する観点から、好ましくはキサンタンガムである。キサンタンガムの繰り返し単位は、主鎖がグルコース単位2つ、側鎖がマンノース単位2つ及びグルクロン酸単位1つから構成されている。
キサンタンガムの市販品としては、DSP五協フード&ケミカル(株)製「エコーガム」、CP Kelco社製「ケルデント」、三栄源エフ・エフ・アイ(株)製「サンエースC」、日清オイリオグループ(株)製「ノムコートZZ」等が挙げられる。
<成分(B):有機酸>
本発明の組成物は、成分(B)として有機酸を含有する。成分(B)は、殺菌性皮膚外用剤組成物においては殺菌成分として作用する。その他の皮膚外用剤組成物、及び化粧料組成物においては、成分(B)はpH調整剤、改質剤等としても作用する。
成分(B)のうち、殺菌成分として用いられる有機酸としては、殺菌性の観点、並びに、本来ヒトの皮膚に存在するため安全性が高く、皮膚刺激性を低減できるという観点から、乳酸、ピルビン酸及びウロカニン酸からなる群から選ばれる1種以上の有機酸(以下「成分(B1)」ともいう)が好ましい。これらの中でも、殺菌性向上の観点から、より好ましくは乳酸である。
成分(B)が成分(B1)を含む場合、成分(B)全量中における(B1)の含有量は、殺菌性向上の観点から、好ましくは50質量%以上、より好ましくは70質量%以上、さらに好ましくは80質量%以上、よりさらに好ましくは90質量%以上であり、また、100質量%以下である。
成分(B1)が乳酸を含む場合、成分(B1)全量中における乳酸の含有量は、殺菌性向上の観点から、好ましくは50質量%以上、より好ましくは70質量%以上、さらに好ましくは80質量%以上、よりさらに好ましくは90質量%以上であり、また、100質量%以下である。
乳酸の市販品としては、(株)武蔵野化学研究所製「ムサシノ乳酸90F」等が挙げられる。
組成物のpH調整の観点、成分(B1)との併用により殺菌性をより向上させる観点、並びに、緩衝作用により組成物のpHを一定に保ちやすくする観点から、成分(B)として、成分(B1)以外の有機酸(以下「成分(B2)」ともいう)を用いることもできる。
成分(B2)としては、皮膚外用剤組成物又は化粧料組成物に用いる観点から、好ましくはアスコルビン酸及びカルボン酸化合物からなる群から選ばれる1種以上であり、より好ましくはカルボン酸化合物である。また成分(B2)は水溶性の観点から、好ましくは炭素数8以下、より好ましくは炭素数6以下の有機酸である。
成分(B2)の具体例としては、アスコルビン酸;グルコン酸、クエン酸、リンゴ酸、酒石酸等のヒドロキシカルボン酸;フマル酸、コハク酸、アジピン酸等の、ヒドロキシ基を有さない多価カルボン酸;等が挙げられ、これらを単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。これらの中でも、組成物のpH調整の観点、成分(B1)との併用により殺菌性をより向上させる観点、並びに、緩衝作用により組成物のpHを一定に保ちやすくする観点から、好ましくはヒドロキシカルボン酸、及びヒドロキシ基を有さない多価カルボン酸からなる群から選ばれる1種以上であり、より好ましくはヒドロキシ基を有さない多価カルボン酸であり、さらに好ましくはフマル酸、コハク酸、及びアジピン酸からなる群から選ばれる1種以上であり、よりさらに好ましくはコハク酸である。
成分(B)は、有機酸塩の状態で配合してもよい。有機酸塩の具体例としては、カリウム塩、ナトリウム塩等のアルカリ金属塩;カルシウム塩、マグネシウム塩等のアルカリ土類金属塩;アミン塩;アンモニウム塩等が挙げられる。これらの中でも、アルカリ金属塩及びアルカリ土類金属塩からなる群から選ばれる1種以上が好ましく、カリウム塩、ナトリウム塩、及びカルシウム塩からなる群から選ばれる1種以上がより好ましい。
<成分(C)>
本発明の組成物は、成分(C)として、多糖類又はその誘導体のヒドロキシ基の水素原子の一部又は全てが、下記置換基(1)及び置換基(2)で置換された化合物を含有する。
(1)ヒドロキシ基を有していてもよく、エーテル結合が挿入されていてもよい、炭素数12以上36以下の、直鎖又は分岐のアルキル基又はアルケニル基
(2)ヒドロキシ基を有していてもよい、炭素数1以上5以下のスルホアルキル基又はその塩
成分(C)は、成分(A)とともに増粘剤として作用し、組成物の吐出性及び保形性の向上に寄与する。
成分(C)における前記多糖類又はその誘導体としては、セルロース、グアーガム、スターチ、又はこれらの誘導体が挙げられる。ここでいう「誘導体」としては、多糖類のアルキル化物、ヒドロキシアルキル化物等が挙げられる。該アルキル化物及びヒドロキシアルキル化物におけるアルキルの炭素数は、水溶性の観点、及び置換基(1)及び(2)を導入する際の反応性の観点から、好ましくは1以上6以下、より好ましくは1以上4以下、さらに好ましくは1以上3以下である。
成分(C)における前記多糖類又はその誘導体の具体例としては、セルロース、グアーガム、スターチ、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシエチルグアーガム、ヒドロキシエチルスターチ、メチルセルロース、メチルグアーガム、メチルスターチ、エチルセルロース、エチルグアーガム、エチルスターチ、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルグアーガム、ヒドロキシプロピルスターチ、ヒドロキシエチルメチルセルロース、ヒドロキシエチルメチルグアーガム、ヒドロキシエチルメチルスターチ、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルグアーガム、及びヒドロキシプロピルメチルスターチからなる群から選ばれる1種以上が挙げられる。
上記の中でも、組成物の吐出性及び保形性向上の観点から、好ましくはセルロース又はその誘導体であり、より好ましくはセルロース誘導体であり、更に好ましくはヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、及びヒドロキシプロピルメチルセルロースからなる群から選ばれる1種以上であり、より更に好ましくはヒドロキシエチルセルロース及びヒドロキシプロピルセルロースなる群から選ばれる1種以上であり、より更に好ましくはヒドロキシエチルセルロースである。
成分(C)は、前記多糖類又はその誘導体中のヒドロキシ基の水素原子の一部又は全てが、前記置換基(1)及び置換基(2)で置換された化合物である。前記多糖類の誘導体が多糖類のヒドロキシアルキル化物である場合、置換基(1)及び置換基(2)で置換されるヒドロキシ基の水素原子は、ヒドロキシアルキル基の水素原子であってもよい。
置換基(1)は、ヒドロキシ基を有していてもよく、エーテル結合が挿入されていてもよい、炭素数12以上36以下の、直鎖又は分岐のアルキル基又はアルケニル基である。組成物の吐出性及び保形性向上の観点から、置換基(1)は、好ましくは炭素数12以上36以下の、直鎖又は分岐のアルキル基、又は、-CHCH(OH)CHOR(Rは炭素数9以上33以下の、直鎖又は分岐のアルキル基である。)で表される基である。
置換基(1)が炭素数12以上36以下の、直鎖又は分岐のアルキル基である場合、その炭素数は、より好ましくは12以上30以下、さらに好ましくは14以上26以下、よりさらに好ましくは16以上22以下である。
置換基(1)が-CHCH(OH)CHORで表される基である場合、Rの炭素数は、より好ましくは10以上30以下、さらに好ましくは12以上26以下、よりさらに好ましくは14以上22以下である。
組成物の吐出性及び保形性向上の観点から、置換基(1)は、よりさらに好ましくは-CHCH(OH)CHOC1837で表される基である。
成分(C)の、前記置換基(1)のモル置換度は、組成物の吐出性及び保形性向上の観点から、好ましくは0.0001以上、より好ましくは0.001以上であり、水溶性向上の観点から、好ましくは1.0以下、より好ましくは0.1以下、さらに好ましくは0.01以下である。
成分(C)の置換基(1)のモル置換度とは、成分(C)を構成する単糖単位1モルあたりの置換基(1)の導入モル量を意味し、H-NMRにより測定できる。
置換基(2)は、ヒドロキシ基を有していてもよい、炭素数1以上5以下のスルホアルキル基又はその塩である。該スルホアルキル基の炭素数は、好ましくは2以上5以下、より好ましくは2以上4以下である。
置換基(2)におけるスルホアルキル基の塩としては、カリウム塩、ナトリウム塩等のアルカリ金属塩;カルシウム塩、マグネシウム塩等のアルカリ土類金属塩;アミン塩;アンモニウム塩等が挙げられる。これらの中でも、入手性の観点から、好ましくはアルカリ金属塩であり、より好ましくはナトリウム塩である。
組成物の吐出性及び保形性向上の観点から、置換基(2)は、更に好ましくは-CHCH(OH)CHSO (Mは水素原子又はNaである。)である。
成分(C)の、前記置換基(2)のモル置換度は、水溶性向上の観点から、好ましくは0.01以上、より好ましくは0.1以上、さらに好ましくは0.15以上であり、また、組成物の吐出性及び保形性向上の観点から、好ましくは2.0以下、より好ましくは0.5以下、さらに好ましくは0.3以下である。
成分(C)の置換基(2)のモル置換度とは、成分(C)を構成する単糖単位1モルあたりの置換基(2)の導入モル量を意味し、H-NMRにより測定できる。
成分(C)の市販品としては、花王(株)製「POIZ 310」(ステアロキシPG-ヒドロキシエチルセルローススルホン酸ナトリウム)等が挙げられる。
<含有量>
本発明の組成物中の各成分の含有量は、吐出性及び保形性向上等の観点から、好ましくは以下の範囲である。
組成物中の成分(A)の含有量は、保形性向上の観点から、好ましくは0.01質量%以上、より好ましくは0.05質量%以上、さらに好ましくは0.1質量%以上である。また、吐出性向上の観点からは、1質量%未満であり、好ましくは0.8質量%以下、より好ましくは0.7質量%以下、さらに好ましくは0.5質量%以下である。
組成物中の成分(B)の含有量は、pH調製能の観点、殺菌性皮膚外用剤組成物として用いた場合の殺菌性向上の観点から、好ましくは0.1質量%以上、より好ましくは0.2質量%以上、さらに好ましくは0.5質量%以上である。また、皮膚刺激性を抑制する観点から、好ましくは10質量%以下、より好ましくは5質量%以下、さらに好ましくは3質量%以下、よりさらに好ましくは2質量%以下である。
成分(B)が乳酸、ピルビン酸及びウロカニン酸からなる群から選ばれる1種以上の有機酸(成分(B1))を含む場合、組成物中の成分(B1)の含有量は、殺菌性皮膚外用剤組成物として用いた場合の殺菌性向上の観点から、好ましくは0.05質量%以上、より好ましくは0.1質量%以上、さらに好ましくは0.2質量%以上、よりさらに好ましくは0.5質量%以上である。また、皮膚刺激性を抑制する観点から、好ましくは5質量%以下、より好ましくは3質量%以下、さらに好ましくは2質量%以下、よりさらに好ましくは1.5質量%以下である。
成分(B)が成分(B1)以外の有機酸(成分(B2))を含む場合、組成物中の成分(B2)の含有量は、pH調製能の観点から、好ましくは0.05質量%以上、より好ましくは0.2質量%以上、さらに好ましくは0.5質量%以上である。また、皮膚刺激性を抑制する観点から、好ましくは5質量%以下、さらに好ましくは3質量%以下、よりさらに好ましくは2質量%以下、よりさらに好ましくは1質量%以下、よりさらに好ましくは0.5質量%以下である。
なお本明細書において、成分(B)として有機酸塩を配合する場合、「成分(B)の含有量」とは、有機酸に換算した量を意味する。
組成物中の成分(C)の含有量は、保形性向上の観点から、好ましくは0.1質量%以上、より好ましくは0.2質量%以上、さらに好ましくは0.5質量%以上である。また、吐出性向上の観点からは、好ましくは3質量%以下、より好ましくは2質量%以下、さらに好ましくは1質量%以下である。
組成物中の成分(C)の含有量に対する成分(A)の含有量の割合は、吐出性及び保形性向上の観点から、質量比[(A)/(C)]として、好ましくは0.05以上、より好ましくは0.08以上、さらに好ましくは0.1以上、よりさらに好ましくは0.2以上、よりさらに好ましくは0.3以上であり、また、好ましくは2.0以下、より好ましくは1.5以下、さらに好ましくは1.0以下、よりさらに好ましくは0.8以下、よりさらに好ましくは0.5以下である。
組成物中の成分(A)~(C)の合計含有量は、本発明の効果を得る観点から、好ましくは0.3質量%以上、より好ましくは0.5質量%以上、さらに好ましくは1質量%以上、より更に好ましくは1.5質量%以上である。また、吐出性向上の観点から、好ましくは9質量%未満であり、より好ましくは6質量%以下、さらに好ましくは4質量%以下、よりさらに好ましくは3質量%以下である。
<水>
本発明の組成物は、成分(A)~(C)を溶解させる観点、及び吐出性向上の観点から、さらに水を含有することが好ましい。組成物中の水の含有量は、好ましくは50質量%以上、より好ましくは70質量%以上であり、また、好ましくは99.8質量%以下、より好ましくは99質量%以下である。
本発明の組成物には、上記以外に、必要に応じて他の成分、例えば、界面活性剤、成分(B)以外のpH調整剤、油剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、防腐剤、制汗剤、香料、保湿剤、感触調整剤、抗炎症剤等を含有させることもできる。
<粘度>
本発明の組成物は、高シェアシニング性を有する。具体的には、組成物のせん断速度依存性測定による粘度が、25℃において、せん断速度0.005(1/s)において300Pa・s以上であり、且つせん断速度20(1/s)において3.0Pa・s以下であることが好ましく、せん断速度0.005(1/s)において350Pa・s以上であり、且つせん断速度20(1/s)において2.0Pa・s以下であることがより好ましく、せん断速度0.005(1/s)において500Pa・s以上であり、且つせん断速度20(1/s)において2.0Pa・s以下であることがさらに好ましい。
組成物の粘度はレオメーターで測定することができ、具体的には実施例に記載の方法で測定できる。
<pH>
本発明の組成物のpHは、皮膚刺激性を抑制する観点から、好ましくは3.5以上であり、より好ましくは3.7以上である。また、組成物を殺菌又は殺ウイルス性皮膚外用剤組成物として用いた場合の殺菌性向上の観点から、好ましくは5.0以下、より好ましくは4.5以下である。
上記pHは25℃における値であり、pHメーターを用いて測定できる。
本発明の組成物は水中油型乳化組成物、油中水型乳化組成物等の、乳化組成物の形態であってもよい。
<組成物の製造方法>
本発明の組成物の製造方法は特に制限されないが、生産性向上の観点から、下記方法により製造することが好ましい。
まず、水を70℃以上、100℃未満の温度まで加温し、次いで、成分(A)及び成分(C)を添加して攪拌し、溶解させる。水の温度は、成分(A)及び成分(C)の溶解性の観点から、好ましくは80~90℃である。成分(A)と成分(C)の水への添加順序は特に制限されず、成分(A)と成分(C)とを同時に添加してもよく、別々に添加してもよい。
成分(A)及び成分(C)を溶解させる水の量は、最終的に得られる組成物に含有される水の少なくとも一部であればよい。
攪拌時間は、成分(A)及び成分(C)が溶解する時間であればよく、成分(A)及び成分(C)の溶解性、並びに生産性の観点から、好ましくは0.5~12時間、より好ましくは1~6時間である。
次いで、成分(A)と成分(C)とを溶解させて得られた水溶液を、好ましくは40℃以下の温度まで冷却する。該水溶液の冷却速度は速い方が好ましく、例えば、冷却速度が1,5℃/分以上、好ましくは3.0℃/分以上である。
冷却後、前記水溶液を40℃以下の温度に保ちながら、成分(B)の水溶液を添加して攪拌する。攪拌時間は特に制限されないが、生産性の観点から、好ましくは5分~6時間、より好ましくは5分~3時間である。
上記のようにして得られた水溶液を脱泡し、成分(A)~(C)を含有する本発明の組成物を得る。成分(A)~(C)以外の任意成分は、いずれのタイミングで添加してもよい。
<組成物の用途>
本発明の組成物は、皮膚外用剤組成物、化粧料組成物として用いられる。本発明の組成物は成分(B)である有機酸を含有するため、皮膚外用剤組成物の中でも、該有機酸(特に成分(B1))を殺菌成分として配合した、殺菌性の皮膚外用剤組成物であることが好ましい。また、菌による接触感染を防ぐという観点からは、手指用の皮膚外用剤組成物であることがより好ましい。その製品形態としては、手指消毒剤、ハンドローション等が挙げられる。
化粧料組成物としては、保湿剤組成物、制汗剤組成物、日焼け止め組成物等を例示できる。
本発明の組成物は、リーブオン組成物であることが好ましい。「リーブオン組成物」とは、皮膚等の対象物に適用後、水洗等で除去せずに用いる組成物を意味する。
例えば殺菌性皮膚外用剤組成物においては、殺菌成分である成分(B)を皮膚表面に残留させることで、皮膚表面に殺菌効果を付与できる。該効果を得る観点から、本発明の組成物は、皮膚に塗布等により適用した後に該組成物を水洗等で除去せず、皮膚表面に残留させて使用する。
菌による接触感染を防ぐという観点からは、本発明の組成物は、手指用のリーブオン皮膚外用剤組成物であることがより好ましい。
殺菌性を発現する対象となる菌としては、酸との接触により不活性化又は死滅するものであれば特に制限されず、例えば厚生労働省の保育所における感染症対策ガイドラインに記載の微生物に適用できると考えられる。
具体的には、菌としてはグラム陽性細菌である炭疽菌、結核菌、溶血性レンサ球菌、黄色ブドウ球菌、肺炎球菌等、あるいはグラム陰性細菌である野兎病菌、ペスト菌、ブルセラ菌、鼻疽菌、コレラ菌、サルモネラ菌、赤痢菌、腸管出血性大腸菌、百日咳菌等が挙げられる。
<組成物の使用形態>
本発明の組成物は、スタンプ型容器、ポンプ式容器等の押圧式容器からの吐出性、及び吐出後の保形性に優れることから、押圧式容器に充填し、該容器から吐出して用いることが好ましい。中でも、本発明の組成物をスタンプ型容器に充填して、スタンプ製剤として用いることが好適である。
<組成物の適用方法>
組成物を対象物に適用する方法は剤型、適用部位等に応じて適宜選択できる。例えば本発明の組成物が皮膚外用剤組成物である場合、該組成物をスタンプ型容器、ポンプ式容器等の押圧式容器に充填し、該容器から吐出して、皮膚表面に塗布する。
組成物は、皮膚に適用した後に水洗等で該組成物を除去せず、皮膚表面に残留させることが好ましい。殺菌性皮膚外用剤組成物においては、殺菌成分である成分(B)を皮膚表面に残留させることにより、皮膚表面に殺菌効果を付与できるためである。
殺菌性皮膚外用剤組成物は予め水、石鹸、ボディソープ、ハンドソープなどで皮膚を洗浄し、洗浄後の皮膚に適用してもよく、未洗浄の皮膚に適用することもできる。洗浄後の皮膚は、生来皮膚表面に存在する乳酸等の成分が洗い流され、外界に存在する菌の防御力が低下している状態であることから、洗浄後の皮膚に組成物を適用することがより好ましい。
[スタンプ製剤]
本発明のスタンプ製剤は、前記組成物をスタンプ型容器に充填してなるものである。
スタンプ製剤に用いられるスタンプ型容器は、組成物を収容する収容部、及び、該組成物を一度の押圧操作で所望のパターン形状となるように吐出可能な1ないし2以上の吐出口とを有する容器部と、収容部に収容された組成物を吐出口方向に押し出すための押圧機構と、を備える容器であり、公知の容器を用いることができる。
スタンプ型容器の一実施形態について、図面を用いて説明する。
図1はスタンプ型容器100、図2はスタンプ型容器100の構成部材を示す模式図である。図3はスタンプ製剤の使用方法の一実施形態を示す模式図である。図4はスタンプ型容器100から吐出された組成物の形状の写真である。
図1のスタンプ型容器100は、図2に示す、デラミボトル1、ポンプ2、ショルダーカバー3、ベース4、ノズル部5、及びオーバーキャップ6から構成される。ノズル部5は1又は2以上の吐出口を有している。
組成物をデラミボトル1に充填してスタンプ型容器100にセットした後、使用者がデラミボトル1部分を片手で持ち、対象物の表面にオーバーキャップ6の開口部を軽く当てた状態でデラミボトル1を図3の矢印方向にプッシュする。これによりポンプ2が駆動し、デラミボトル1内の組成物がポンプ内に吸収される。次いで、組成物がベース4及びノズル部5を通り、吐出口から吐出されて対象物に供給される。
例えばスタンプ型容器100のノズル部5が、円形状の5つの吐出口を、ノズル部5の周方向に沿って等間隔に配置したものである場合、図4に示すように、それぞれの吐出口から吐出された組成物の量にばらつきがなく、且つ、別の吐出口から吐出された組成物同士が合一せずに独立して形状を保っていることが好ましい。この状態であれば、保形性が良好であるとみなすことができる。
以下、本発明を実施例により説明するが、本発明は実施例の範囲に限定されない。なお本実施例において、各種測定及び評価は以下の方法により行った。
<pH>
各例で得られた組成物のpHは、25℃において、pHメーター(HORIBA製「F-53」)を用いて測定した。
<粘度>
各例で得られた組成物の粘度は、25℃において、レオメーター(AntonPaar製「MCR302」)を用いて測定した。せん断速度依存性測定において、せん断速度を0.005~5,000(1/s)まで変化させた後、再度0.005(1/s)まで減速させた。その際の粘度を38点記録し、せん断速度0.005(1/s)及び20(1/s)における粘度を表1に示した。
<吐出性、保形性>
各例で得られた組成物が、図1に示す形状のスタンプ型容器100に収容されたスタンプ型製剤を作製した。具体的には、スタンプ型容器100が備えるデラミボトル1に組成物約30gを充填した後、デラミボトル1の開口部にポンプ2、ショルダーカバー3、ベース4、5つの吐出口を有するノズル部5、及びオーバーキャップ6を順にセットして、スタンプ型容器100を組み立てた。使用したスタンプ型容器(花王(株)製)の外径は、直径45mm、長さ140mmの円筒状であり、デラミボトル1の容量は約43mLである。また、ノズル部5に設けられた吐出口の直径は1.5mm、隣接する吐出口同士の間隔は6mmである。
次いで、スタンプ型容器100の長手方向が地面と垂直になるように被験者がデラミボトル1部分を片手で持ち、もう片方の手のひらにオーバーキャップ6の開口部を軽く当てた状態でデラミボトル1を図3の矢印方向に1回プッシュし、組成物を吐出した。吐出後の組成物の形状を目視観察し、吐出性及び保形性を以下の基準で評価した。
〔吐出性の評価基準〕
5:全ての吐出口から吐出される組成物が等量であり、且つ吐出がスムーズである
4:全ての吐出口から吐出される組成物が等量であるが、吐出後の組成物にやや角が立っている
3:全ての吐出口から組成物が吐出されるが、吐出量が等量でない
2:一部の吐出口に組成物が詰まり、吐出されない
1:組成物が詰まり、全く吐出されない
〔保形性の評価基準〕
5:組成物を吐出した手のひらを5秒間垂直に傾けても吐出後の組成物の形状が維持され、別の吐出口から吐出された組成物同士が合一することはない
4:組成物を吐出した手のひらを5秒間垂直に傾けると、別の吐出口から吐出された組成物同士が合一するが、組成物を吐出した手のひらを上に向けた状態では5秒間経過後も合一しない
3:組成物を手のひらに吐出した直後(1秒以内)には別の吐出口から吐出された組成物同士が合一しないが、組成物を吐出した手のひらを上に向けた状態で静置すると5秒以内に合一する
2:組成物を手のひらに吐出した直後(1秒以内)に別の吐出口から吐出された組成物同士が合一するが、5つの吐出口から吐出された形跡は残る
1:組成物を手のひらに吐出した直後(1秒以内)に組成物が合一し、一つの液だまりになる
実施例1~5、比較例1~3(組成物の調製及び評価)
表1に示す各成分を表に記載の配合割合で用い、下記手順で組成物を調製した。
まず、成分(B)である乳酸をイオン交換水に溶解させ、さらに水酸化ナトリウム水溶液を添加してpH調整を行い、pH4.0の11%乳酸水溶液を調製した。
次に、ビーカーに残りのイオン交換水を入れ、攪拌速度300rpmで撹拌しながら加温した。内温が85℃になった後、実施例1~5、比較例2では成分(A)を加えて10分撹拌した。次いで、成分(C)又は成分(C’)を加えて90分撹拌した後、ビーカーを氷浴に移し、さらに60分撹拌して冷却した。ここに前記乳酸水溶液と防腐剤、保湿剤を加えて10分撹拌した後、感触調整剤を入れ、ホモジナイザーを用いて8000rpmで5分間撹拌した。その後、遠心により脱泡し、液状の水系組成物を得た。得られた組成物を用いて前記方法で各種評価を行った結果を表1に示す。
なお、表に記載の配合量(質量%)は、いずれも有効成分量である。また、セルロース誘導体であって成分(C)に該当しない成分を本実施例では「成分(C’)」と表記した。
Figure 2023040775000001
表に記載の成分は下記である。
成分(A) キサンタンガム:CP Kelco社製「ケルデント」
成分(B) 乳酸:(株)武蔵野化学研究所製「ムサシノ乳酸90F」
成分(C) ステアロキシPG-ヒドロキシエチルセルローススルホン酸ナトリウム:花王(株)製「POIZ 310」、-CHCHOCHCH(OH)CHOC1837のモル置換度=0.003、-CHCHCH(OH)CHSO Naのモル置換度=0.2
成分(C’) ヒドロキシエチルセルロース:Ashland社製「Natrosol250HHX」
※1 防腐剤:メチルパラベン、上野製薬(株)製「メッキンス-M」
※2 保湿剤:PEG/PPG/ポリブチレングリコール-8/5/3グリセリン、日油(株)製「WILBRIDE S-753」及び花王(株)製「化粧用濃グリセリン」の混合物
※3 感触調整剤:ジフェニルシロキシフェニルトリメチコン(信越化学工業(株)「KF-56A」)及び(ジメチコン/ビニルジメチコン)クロスポリマー(信越化学工業(株)製「KSG-16」)の混合物
表1より、本発明の組成物は、スタンプ型容器に充填して用いると、容器からの吐出性、及び吐出後の保形性に優れることがわかる。これに対し、成分(A)を含有しない比較例1及び3、並びに、成分(C)に替えてヒドロキシエチルセルロースを用いた比較例2の組成物では、いずれも吐出性と保形性とを両立することができなかった。
本発明によれば、有機酸を含有し、特にスタンプ型容器に充填して用いた際に、該容器からの吐出性、及び吐出後の保形性に優れる組成物を提供することができる。該組成物は、例えば乳酸等の有機酸を殺菌成分として用いた、殺菌性皮膚外用剤組成物として有用である。
100 スタンプ型容器
1 デラミボトル
2 ポンプ
3 ショルダーカバー
4 ベース
5 ノズル部
6 オーバーキャップ

Claims (10)

  1. 下記成分(A)~(C):
    (A)1つの繰り返し単位において主鎖と側鎖とを有する多糖類であって、該繰り返し単位における側鎖を構成する単糖単位数が、主鎖を構成する単糖単位数の1.3倍以上である多糖類
    (B)有機酸
    (C)多糖類又はその誘導体中のヒドロキシ基の水素原子の一部又は全てが、下記置換基(1)及び置換基(2)で置換された化合物
    (1)ヒドロキシ基を有していてもよく、エーテル結合が挿入されていてもよい、炭素数12以上36以下の、直鎖又は分岐のアルキル基又はアルケニル基
    (2)ヒドロキシ基を有していてもよい、炭素数1以上5以下のスルホアルキル基又はその塩
    を含有し、成分(A)の含有量が1質量%未満である組成物。
  2. 成分(C)における前記多糖類又はその誘導体が、セルロース、グアーガム、スターチ、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシエチルグアーガム、ヒドロキシエチルスターチ、メチルセルロース、メチルグアーガム、メチルスターチ、エチルセルロース、エチルグアーガム、エチルスターチ、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルグアーガム、ヒドロキシプロピルスターチ、ヒドロキシエチルメチルセルロース、ヒドロキシエチルメチルグアーガム、ヒドロキシエチルメチルスターチ、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルグアーガム及びヒドロキシプロピルメチルスターチからなる群から選ばれる1種以上である、請求項1に記載の組成物。
  3. 成分(A)がキサンタンガムである、請求項1又は2に記載の組成物。
  4. 成分(C)の、前記置換基(2)のモル置換度が0.01以上2.0以下である、請求項1~3のいずれか1項に記載の組成物。
  5. 成分(C)の、前記置換基(1)のモル置換度が0.0001以上1.0以下である、請求項1~4のいずれか1項に記載の組成物。
  6. さらに水を含有する、請求項1~5のいずれか1項に記載の組成物。
  7. 前記組成物のせん断速度依存性測定による粘度が、25℃において、せん断速度0.005(1/s)において300Pa・s以上であり、且つせん断速度20(1/s)において3.0Pa・s以下である、請求項1~6のいずれか1項に記載の組成物。
  8. 前記組成物中の成分(C)の含有量に対する成分(A)の含有量の割合が、質量比[(A)/(C)]として0.05以上2.0以下である、請求項1~7のいずれか1項に記載の組成物。
  9. 殺菌性皮膚外用剤組成物である、請求項1~8のいずれか1項に記載の組成物。
  10. 請求項1~9のいずれか1項に記載の組成物をスタンプ型容器に充填してなる、スタンプ製剤。
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