JP2023040727A - 熱加工装置および熱加工方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】加工時に液体を用いた場合でも作業を簡略化できる熱加工装置および熱加工方法を提供する。【解決手段】容器1は、被加工材WOを支持し、透過抑制液LIを貯留可能である。エアーブローノズル11は、容器1に支持された被加工材WOに気体を吹き付ける。駆動機構25は、エアーブローノズル11を移動させる。コントローラ50は、エアーブローノズル11による被加工材WOへの気体吹き付け時におけるエアーブローノズル11の移動軌跡MTを被加工材WOの平面形状内に制限するように駆動機構25を制御する。【選択図】図6

Description

本開示は、熱加工装置および熱加工方法に関する。
従来、レーザ光を用いたレーザ加工装置、プラズマを用いたプラズマ加工装置などの熱加工装置が知られている。またレーザ加工装置において水を用いた装置が、たとえば特開平8-132270号公報(特許文献1)、特開昭62-168692号公報(特許文献2)などに開示されている。
特許文献1では、加工テーブルの水槽内において被加工材の下部が冷却水に浸けられた状態でレーザ加工が行なわれる。これにより、被加工材の全体を下部から冷却し、安定した加工が可能になる。
特許文献2では、剣山ピンの取付箱に水を入れた状態で、剣山ピンに支持された被加工材がレーザ加工される。水槽に入った水は、レーザ切断中に被加工材を冷却し、粉塵の飛散を抑える。
特開平8-132270号公報 特開昭62-168692号公報
熱加工装置において加工時に水などの液体を用いた場合、被加工材が液体に濡れる場合がある。被加工材を商品としてそのまま出荷する場合、被加工材が液体に濡れたままでは美観が悪い。また液体が乾いた場合、液体に含まれている汚れが被加工材にシミ状に残存し、汚れが目立つ。また液体中に防錆剤が添加されていても液体に濡れることにより被加工材に錆が発生しやすくなる。このため被加工材が液体に濡れた場合、被加工材の加工後の仕分けで被加工材の表面に付着した液体をモップまたはウェスで拭き取る作業が必要になる。
本開示の目的は、加工時に液体を用いた場合でも作業を簡略化できる熱加工装置および熱加工方法を提供することである。
本開示の熱加工装置は、レーザ光またはプラズマを用いて被加工材を加工する熱加工装置であって、容器と、エアーブローノズルと、駆動機構と、コントローラとを備える。容器は、被加工材を支持し、液体を貯留可能である。エアーブローノズルは、容器に支持された被加工材に気体を吹き付ける。駆動機構は、エアーブローノズルを移動させる。コントローラは、エアーブローノズルによる被加工材への気体吹き付け時におけるエアーブローノズルの移動軌跡を被加工材の平面形状内に制限するように駆動機構を制御する。
本開示の熱加工方法は以下の工程を備える。
液体を貯留した容器に支持された被加工材がレーザ光またはプラズマを用いて加工される。被加工材が加工された後に、エアーブローノズルが被加工材に気体を吹き付ける。エアーブローノズルによる被加工材への気体吹き付け時におけるエアーブローノズルの移動軌跡が被加工材の平面形状内に制限される。
本開示によれば、加工時に液体を用いた場合でも作業を簡略化できる熱加工装置および熱加工方法を実現することができる。
一実施形態におけるレーザ加工装置の構成を示す斜視図である。 図1のレーザ加工装置に用いられる容器の内部構成を示す断面斜視図である。 図1のレーザ加工装置に用いられる加工ヘッドの構成を示す断面図である。 図1のレーザ加工装置に用いられるレーザ光遮光部材の構成を示す断面図である。 図1のレーザ加工装置に用いられる液位調整機構などの構成を示す断面図である。 図5に示されるコントローラの機能ブロック図である。 エアーブローノズルの移動軌跡の生成(A)と、被加工材に対する位置合わせ(B)とを説明するための平面図である。 一実施形態におけるレーザ加工方法を示すフロー図である。
以下、本開示の実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。なお、明細書および図面において、同一の構成要素または対応する構成要素には、同一の符号を付し、重複する説明を繰り返さない。また、図面では、説明の便宜上、構成を省略または簡略化している場合もある。
以下の説明における平面視とは、複数の載置部2cが位置する面に対して直交する方向から見た視点を意味する。また平面形状とは、平面視における形状を意味する。
<レーザ加工装置の構成>
本実施形態におけるレーザ加工装置の構成について図1~図5を用いて説明する。
図1は、一実施形態におけるレーザ加工装置の構成を示す斜視図である。図2は、図1のレーザ加工装置に用いられる容器の内部構成を示す断面斜視図である。図3、図4および図5のそれぞれは、図1のレーザ加工装置に用いられる加工ヘッド、レーザ光遮光部材および液位調整機構などの構成を示す断面図である。
図1および図2に示されるように、本実施形態のレーザ加工装置20は、たとえば鋼材よりなる被加工材をレーザ光を用いて加工する。レーザ加工装置20は、容器1と、切断パレット2(支持部材)と、スラッジトレイ3と、液位調整タンク4と、加工ヘッド10と、駆動機構25と、操作盤30とを主に有している。
図2に示されるように、容器1は、矩形状の底壁1aと、底壁1aの4辺の各々から立ち上がる4つの側壁1bとを有している。容器1は、上方が開口した有底筒形状を有している。容器1は、上端の開口部と、その開口部から容器1の内部へ延びる内部空間とを有している。
容器1は、内部に液体(透過抑制液LI:図4)を貯留できるように構成されている。側壁1bには、パレット支持部1cが設けられている。パレット支持部1cは、側壁1bの壁面から容器1の内部空間に向かって側方へ突き出している。
液位調整タンク4は、容器1の内部空間内に配置されている。液位調整タンク4は、下端に開口部を持つ箱形状を有している。この開口部を通じて、液位調整タンク4の内部空間は容器1の内部空間と繋がっている。
液位調整タンク4は、液位調整タンク4の内部空間にガスを貯留できるように構成されている。液位調整タンク4の内部空間に対してガスを供給または排出することが可能である。液位調整タンク4の内部空間にガスを供給することにより、液位調整タンク4内の透過抑制液LIを液位調整タンク4の外部へ押し出すことができる。また液位調整タンク4の内部空間からガスを排出することにより、液位調整タンク4の外部から内部へ透過抑制液LIを取り入れることができる。これにより、容器1内の液位を調整することが可能である。
スラッジトレイ3は、液位調整タンク4の上方に配置されている。スラッジトレイ3は、上端に開口部を有する箱形状を有している。スラッジトレイ3は、レーザ加工で被加工材WO(図5)を切断した際に生じるスラッジを溜めることが可能である。レーザ加工の際に生じたスラッジは、被加工材WOから落下し、スラッジトレイ3の上端における開口部を通じてスラッジトレイ3の内部に溜められる。
切断パレット2は、パレット支持部1cにより容器1に支持されている。切断パレット2は、容器1の内部空間内であって、スラッジトレイ3の上方に配置されている。切断パレット2は、複数の第1支持板2aと、複数の第2支持板2bとを有している。複数の第1支持板2aと複数の第2支持板2bとは、縦横に配置されることにより格子状に組み上げられている。
切断パレット2は、被加工材WO(図5)の下面を支持する載置部2cを有している。切断パレット2の載置部2cは、たとえば複数の第2支持板2bの各々の上端により構成されている。載置部2cは、容器1の上端(側壁1bの上端)よりも低い位置にある。容器1の上端は、載置部2cに被加工材WOを載置した状態で、被加工材WOの上面よりも高い位置にある。これにより、載置部2cに被加工材WOが載置された状態で容器1内に透過抑制液LIを満たした場合、透過抑制液LIの液位を被加工材WOの上面より高くすることができる。
図1に示されるように、駆動機構25は、加工ヘッド10を、X方向(容器1の長手方向)、Y方向(容器1の短手方向)およびZ方向(上下方向)に移動させる。駆動機構25は、左右1対の支持台21と、X方向可動台22と、Y方向可動台23と、加工ヘッド10とを主に有している。
左右1対の支持台21は、容器1をY方向に挟み込むように配置されている。左右1対の支持台21は、X方向に延びている。X方向可動台22は、Y方向に延びることにより、左右1対の支持台21に跨って配置されている。X方向可動台22は、X軸モータ(図示せず)により支持台21に沿ってX方向に駆動される。
Y方向可動台23は、たとえばラックピニオン機構により、X方向可動台22に対してY方向に移動可能に支持されている。Y方向可動台23は、Y軸モータ(図示せず)によりY方向に駆動される。
加工ヘッド10は、たとえばラックピニオン機構により、Y方向可動台23に対してZ方向に移動可能に支持されている。加工ヘッド10は、Z軸モータ(図示せず)によりZ方向に駆動される。
操作盤30は、被加工材WOの形状、材質、加工速度などの加工条件の入力を受け付ける。操作盤30は、ディスプレイ、スイッチ、報知器などを有する。ディスプレイには、加工条件の入力画面、レーザ加工装置20の稼働状況を示す画面などが表示される。
図3に示されるように、加工ヘッド10は、レーザヘッド5と、エアーブローノズル11とを有している。駆動機構25(図1)が加工ヘッド10を移動させることにより、レーザヘッド5とエアーブローノズル11とは一体となって移動する。これによりレーザヘッド5およびエアーブローノズル11の各々は、容器1の切断パレット2に支持された被加工材WOに対してX方向、Y方向およびZ方向の各々に移動することができる。
ただしエアーブローノズル11は、加工ヘッド10とは別体で設けられていてもよい。この場合、エアーブローノズル11は、レーザヘッド5とは独立してX方向、Y方向およびZ方向の各々に移動する。
レーザヘッド5は、ヘッド本体BOと、集光レンズ6aとを主に有している。ヘッド本体BOは、本体部5aを有している。
本体部5aは、中空の円筒形状を有している。集光レンズ6aは、本体部5aの中に収納されている。集光レンズ6aは、レーザ光RLを被加工材WOに集光する。集光レンズ6aによって集光されたレーザ光RLは、本体部5aのレーザ射出口5aaから被加工材WOに向かって射出される。
本実施形態のレーザ加工装置20に用いられるレーザ光RLは、可視光、近赤外光、中赤外光および遠赤外光のいずれかの波長を有し、0.7μm以上10μm以下の波長を有する。このレーザ光RLは、たとえばファイバレーザを光源とするレーザ光であり、YAG(Yttrium Aluminum Garnet)を含む固体レーザを光源とするレーザ光であってもよい。ファイバレーザとは、光ファイバを増幅媒体とする固体レーザの一種である。ファイバレーザでは、光ファイバの中心にあるコアに希土類元素Yb(イッテルビウム)がドープされている。ファイバレーザを光源とするレーザ光RLは、約1.06μmの波長を有する近赤外光である。ファイバレーザでは、炭酸ガスレーザよりもランニングコスト、メンテナンスコストが安い。
本体部5aは、ガス吹出口5aaと、ガス供給部5abとを有している。ガス供給部5abから本体部5a内にアシストガスが供給される。本体部5a内に供給されたアシストガスは、ガス吹出口5aaから被加工材WOに向かって吹き出される。ガス吹出口5aaは、レーザ射出口5aaを兼ねている。
ヘッド本体BOは、アウターノズル5bをさらに有してもよい。アウターノズル5bは、本体部5aのガス吹出口5aaの周囲を取り囲むように本体部5aに取り付けられている。アウターノズル5bの内周面と本体部5aの外周面との間には、隙間空間が設けられている。
アウターノズル5bは、ガス吹出口5baと、ガス供給部5bbとを有している。ガス吹出口5baおよびガス供給部5bbの各々は、上記隙間空間に繋がっている。ガス吹出口5baは、ガス吹出口5aaの外周に配置され、円環形状を有している。
ガス供給部5bbから本体部5aとアウターノズル5bとの間の隙間空間に2次ガス(シールドガス)が供給される。隙間空間内に供給された2次ガスは、ガス吹出口5baから被加工材WOに向かって吹き出される。これによりガス吹出口5aaから吹き出されるアシストガスの外周側に、ガス吹出口5baから2次ガスが吹き出される。
上記のようにレーザヘッド5は、ガス吹出口5aa、5baを有する。ガス吹出口5aa、5baは、アシストガスを吹き出すガス吹出口5aaと、2次ガスを吹き出すガス吹出口5baとを含んでいてもよい。ガス吹出口5aaとガス吹出口5baとは、2重ノズル構造を構成している。
エアーブローノズル11は、容器1の切断パレット2に支持された被加工材WOの上面に気体を吹き付ける。エアーブローノズル11が被加工材WOの上面に気体を吹き付けることにより、被加工材WOの上面の透過抑制液LI(液体)が被加工材WOの上面から吹き飛ばされる。これにより被加工材WOの上面に付着した透過抑制液LIを除去することができる。
エアーブローノズル11は、被加工材WOの上面に対して角度θで傾斜している。これによりエアーブローノズル11は、被加工材WOの上面に対して気体を斜めに吹き出す。エアーブローノズル11から吹き出される気体は、たとえば圧縮空気であるが、圧縮された不活性ガスなどであってもよい。
図4に示されるように、レーザヘッド5は、遮光カバー7を有する。遮光カバー7は、レーザ射出口5aa(ガス吹出口5aa)の周囲を取り囲む。遮光カバー7は、たとえばゴムシートよりなっている。遮光カバー7は、周壁部7aと、第1上板7bと、第2上板7cとを有する。周壁部7aは、ヘッド本体BOの外周を取り囲む円筒形状を有する。
周壁部7aの上部には第1上板7bおよび第2上板7cが取り付けられている。第1上板7bには、1つまたは複数の第1孔7baが設けられている。第2上板7cは、第1上板7bの上に隙間7dを挟んで配置されている。
第2上板7cには、1つまたは複数の第2孔7caが設けられている。第1上板7bの下方に位置する周壁部7aの内部空間7eは、第1孔7baと第2孔7caとを通じて遮光カバー7の外部空間と繋がっている。このためレーザ加工時に遮光カバー7の周壁部7aの下端7Lより高い位置まで透過抑制液LIの液面が位置しても、このような構造により、遮光カバー7の内部空間7eにおけるガスは、第1孔7baと第2孔7caとを通じて遮光カバー7の外部へ抜ける。
第1孔7ba、隙間7dおよび第2孔7caは、レーザ光に対してラビリンス構造を構成する。具体的には図4中の実線矢印で示すように、レーザヘッド5のレーザ射出口5aaから射出されて被加工材WOにて反射したレーザ光が第1孔7baを通過した後に隙間7d内を直線状に進んだ先に第2孔7caが位置しない。第2孔7caは、レーザヘッド5を中心とする径方向の位置において、第1孔7baよりもたとえば内周側に位置する。
第1孔7baを通過して隙間7dに入ったレーザ光は、第1上板7bと第2上板7cとの間で反射を繰り返すことにより(多重反射することにより)遮光カバー7に吸収される。これにより遮光カバー7の内部から外部へレーザ光が漏れることはない。
図5に示されるように、容器1の内部に透過抑制液LI(図4)を供給するための供給配管36が設けられている。供給配管36には、供給バルブ31が取り付けられている。供給バルブ31を開くことにより容器1の内部空間への透過抑制液LIの供給が開始され、供給バルブ31を閉じることにより容器1の内部空間への透過抑制液LIの供給が停止される。
液位調整タンク4には、容器1の外部からガス配管37が接続されている。ガス配管37には加圧バルブ32と、減圧バルブ33とが取り付けられている。加圧バルブ32を開くことにより液位調整タンク4内にガスが供給され、加圧バルブ32を閉じることにより液位調整タンク4内へのガスの供給が停止される。減圧バルブ33を開くことにより液位調整タンク4内のガスが外部へ排出され、減圧バルブ33を閉じることにより液位調整タンク4内からのガスの排出が停止される。液位調整タンク4、ガス配管37、加圧バルブ32および減圧バルブ33は液位調整機構47に含まれる。液位調整機構47は、後述のように、液位検出センサー41の検出結果に基づいて容器1内における透過抑制液LIの液位を調整する。
容器1には、オーバーフロー配管38が取り付けられている。容器1内の透過抑制液LIの液位が所定液位以上になった場合に、容器1内の透過抑制液LIがオーバーフロー配管38を通じて貯液槽35へ排出される。貯液槽35は、容器1の外部に配置されている。
容器1には、液排出配管39が取り付けられている。液排出配管39には排出バルブ34が取り付けられている。排出バルブ34を開くことにより容器1内の透過抑制液LIが貯液槽35に排出され、排出バルブ34を閉じることにより容器1からの透過抑制液LIの排出が停止される。
容器1は、少なくとも載置部2cの高さ位置HLまで透過抑制液LIを貯留可能に構成されている。また容器1は、載置部2cに載置された被加工材WOの上面よりも高い位置PLまで透過抑制液LIを貯留可能である。
容器1に貯留される透過抑制液LIは、光を吸収してレーザ光の透過を抑制する。透過抑制液LIは、たとえば波長が0.7μm以上10μm以下である光の透過を抑制する。
透過抑制液LIにおける0.7μm以上10μm以下の波長域における光の透過率は、たとえば10%/cm以下である。また透過抑制液LIにおける0.7μm以上10μm以下の波長域における光の透過率は、たとえば5%/cm以下であることが好ましい。また透過抑制液LIにおける0.7μm以上10μm以下の波長域における光の透過率は、たとえば3%/cm以下であることがより好ましい。
透過抑制液LIは、0.7μm以上10μm以下の波長域における光の透過を抑制するため、0.7μm以上10μm以下の波長域における光を吸収または散乱する添加剤を含む。この添加剤はたとえば炭素を含む。添加剤は、黒色であることが好ましい。透過抑制液LIは、たとえば水に炭素を添加した水溶液である。透過抑制液LIは、たとえば水に0.1容積%の墨汁を加えた水溶液である。本明細書における水とは、水道水であってもよく、純水であってもよい。墨汁は、膠またはその他の水溶性樹脂の水溶液に、カーボンブラック(炭素)を分散させてなるものであり、カーボンブラックの混合比率は全量に対して4.0~20.0重量%であり、好ましくは5.0~10.0重量%である。墨汁は、たとえば市販の「呉竹 濃墨墨滴 BA7-18」である。
透過抑制液LIは、防錆剤を含むことが好ましい。防錆剤は、鋼材などの腐食を抑制する腐食抑制剤である。防錆剤は、たとえば水溶性である。防錆剤としては、たとえば沈殿皮膜型インヒビター、不動態型インヒビター、脱酸素型インヒビターなどが用いられてもよい。
透過抑制液LIは、水置換剤(水切り剤)を含むことが好ましい。水置換剤は、被加工材WOの水切り性を改善する。水置換剤とは、水などの液体に濡れた物質の表面から、その液体を剥がすための溶剤である。水置換剤は、たとえば物質の表面に単分子状の薄膜を形成することで、水などの液体を弾くように作用するものであってもよい。
レーザ加工装置20は、液位検出センサー41と、コントローラ50と、加工開始スイッチ60とをさらに有している。
液位検出センサー41は、容器1に設置され、容器1内に貯留された透過抑制液LIの液位を検出する機能を有している。液位検出センサー41は、たとえばガイドパルス型のレベルセンサーである。
加工開始スイッチ60は、たとえば操作者などによる外部からの操作によって、レーザ加工装置20によるレーザ加工開始の指令を発する。加工開始スイッチ60は、操作盤30に設けられてもよい。加工開始スイッチ60は、操作盤30に設けられたタッチパネルであってもよい。
コントローラ50は、供給バルブ31、加圧バルブ32、減圧バルブ33、排出バルブ34を開閉するよう制御する。なおコントローラ50と排出バルブ34とを繋ぐ線は図5に示されていないが、これは図の簡略化のためである。コントローラ50は、加工ヘッド10がX、Y、Z方向へ移動するように駆動機構25を制御する。コントローラ50は、レーザヘッド5からのレーザ射出を制御する。
コントローラ50は、液位検出センサー41により検出された容器1内における透過抑制液LIの液位を示す信号を受ける。コントローラ50は、加工開始スイッチ60による加工開始の指令を示す信号を受ける。
コントローラ50は、液位検出センサー41の検出結果に基づいて、加圧バルブ32または減圧バルブ33の開閉を制御する。これにより液位調整タンク4内に貯留されるガスの量が調整され、容器1に貯留される透過抑制液LIの液位が調整される。このようにコントローラ50が加圧バルブ32または減圧バルブ33の開閉を制御することにより、液位調整機構47(液位調整タンク4、ガス配管37、加圧バルブ32および減圧バルブ33)が容器1内に貯留される透過抑制液LIの液位を調整する。
コントローラ50は、液位調整機構47とレーザヘッド5によるレーザ発振とを制御する。これによりコントローラ50は、液位調整機構47により容器1内に貯留される透過抑制液LIの液位を被加工材WOの上面よりも高くした後(被加工材WOが透過抑制液LIに浸漬した後)に、レーザヘッド5からレーザ光を被加工材WOに射出する。
コントローラ50は、レーザヘッド5と駆動機構25とを制御する。これによりコントローラ50は、レーザ加工時(レーザヘッド5からレーザ光を射出する時)において、予め設定された移動軌跡に沿ってレーザヘッド5を移動させる。
コントローラ50は、バルブ12を開閉するように制御する。バルブ12の開閉により、エアーブローノズル11からの気体の吹き出しが制御される。具体的には、バルブ12を開くことによりエアーブローノズル11から気体が吹き出され、バルブ12を閉じることによりエアーブローノズル11からの気体の吹き出しが停止される。エアーブローノズル11による気体の吹き出しは、レーザ加工が終了した後に被加工材WOの上面に付着した透過抑制液LIを吹き飛ばすために行なわれる。
コントローラ50は、液位調整機構47とバルブ12とを制御する。これによりコントローラ50は、液位調整機構47により容器1内に貯留される透過抑制液LIの液位を被加工材WOの上面よりも低くした後に、エアーブローノズル11による被加工材WOへの気体吹き付けを行なう。
コントローラ50は、バルブ12と駆動機構25とを制御する。これによりコントローラ50は、エアーブローノズル11による被加工材WOへの気体吹き付け時において、エアーブローノズル11の移動軌跡を被加工材WOの平面形状内に制限する。
コントローラ50は、たとえばプロセッサであり、CPU(Central Processing Unit)であってもよい。
<コントローラの機能ブロック>
次に、図5に示されるコントローラ50の機能ブロックについて図6および図7を用いて説明する。
図6は、図5に示されるコントローラの機能ブロック図である。図7は、エアーブローノズルの移動軌跡の生成(A)と、被加工材に対する位置合わせ(B)とを説明するための平面図である。
図6に示されるように、コントローラ50は、記憶部51と、実行プログラム演算部52と、液位制御部53と、加工ヘッド移動制御部54と、レーザ発振器制御部55と、エアーブローON/OFF制御部56とを有している。
記憶部51は、CAD(Computer Aided Design)・CAM(Computer Aided Manufacturing)装置43にて生成された実行プログラムを入力されることにより記憶・保存する。CAD・CAM装置43は、たとえばパーソナルコンピュータである。
実行プラグラムは、加工データと、エアーブローデータとを含む。加工データは、レーザヘッド5またはプラズマトーチ5の移動軌跡(たとえば製品形状)のデータと、加工条件(加工速度、レーザ出力/プラズマ出力など)のデータとを含む。エアーブローデータは、エアーブローノズル11の移動軌跡のデータと、被加工材WOの外形データとを含む。
実行プログラム演算部52は、記憶部51に記憶された実行プログラムに基づいて、液位制御部53、加工ヘッド移動制御部54、レーザ発振器制御部55およびエアーブローON/OFF制御部56の各々へ制御信号を出力する。また実行プログラムに含まれるエアーブローデータがエアーブローノズル11の移動軌跡データを含まない場合、実行プログラム演算部52はエアーブローノズル11の移動軌跡データを生成する。
エアーブローノズル11の移動軌跡データは、被加工材WOの外形データ、エアーブローノズル11の傾斜角度θ(図3)などに基づいて生成される。具体的には図7(A)に示されるように、被加工材WOに気体を吹き付けるときのエアーブローノズル11の移動軌跡MTは、平面視において被加工材WOの平面形状内に制限されるように生成される。この際、上記のようにエアーブローノズル11の傾斜角度θも考慮して、エアーブローノズル11から吹き出された気体が容器1内に貯留された透過抑制液LIに直接当たらないようにエアーブローノズル11の移動軌跡MTは生成される。
上記におけるエアーブローノズル11の移動軌跡MTとは、エアーブローノズル11から吹き出された気体が被加工材WOの上面に当たる点の移動軌跡を意味する。またエアーブローノズル11の移動軌跡MTが被加工材WOの平面形状内に制限されるとは、エアーブローノズル11の移動軌跡MTが平面視において被加工材WOの平面形状の範囲内に制限され、被加工材WOの平面形状の外側に出ないことを意味する。
またエアーブローノズル11から吹き出される気体が、被加工材WOに直接当たり、被加工材WOの平面形状の外側において被加工材WOの上面よりも下に位置する透過抑制液LIに直接当たらないように、エアーブローノズル11の移動軌跡MTは生成される。エアーブローノズル11は、図3で示されるように被加工材WOの上面に対して斜めに気体を吹き出す。よって、このような場合でも、エアーブローノズル11から吹き出される気体が、被加工材WOに直接当たり、容器1内に貯留された透過抑制液LIに直接当たらないように、エアーブローノズル11の移動軌跡MTは生成される。
図6に示されるように、液位制御部53は、実行プログラム演算部52からの制御信号に基づいて、液位調整機構47へ制御信号を出力する。具体的には液位制御部53は、加圧バルブ32および減圧バルブ33の各々の開閉を制御する信号を出力する。
加工ヘッド移動制御部54は、実行プログラム演算部52からの制御信号に基づいて、駆動機構25へ制御信号を出力する。具体的には加工ヘッド移動制御部54は、駆動機構25のX軸モータ、Y軸モータおよびZ軸モータの各々の駆動を制御する信号を出力する。これにより加工ヘッド10のX方向、Y方向およびZ方向の移動が制御される。
レーザ発振器制御部55は、実行プログラム演算部52からの制御信号に基づいて、レーザ発振器44へ制御信号を出力する。具体的にはレーザ発振器制御部55は、レーザ発振器44によるレーザ光発振のON/OFFを制御する信号を出力する。レーザ発振器44によるレーザ光発振がONになると、レーザ光がレーザ発振器44から発振され、レーザヘッド5を通じて被加工材WOへ射出される。これにより被加工材WOが加工される。
エアーブローON/OFF制御部56は、実行プログラム演算部52からの制御信号に基づいて、バルブ12の開閉を制御する信号を出力する。バルブ12が開いた状態に制御されることにより、エアー供給源46からエアーブローノズル11に気体が供給される。これによりエアーブローノズル11から被加工材WOの上面に気体が吹き付けられる。またバルブ12が閉じた状態に制御されることにより、エアー供給源46からエアーブローノズル11への気体の供給が停止される。これによりエアーブローノズル11から被加工材WOの上面への気体の吹き付けは停止する。
エアーブローノズル11により被加工材WOへ気体を吹き付ける際、コントローラ50は、エアーブローノズル11の移動軌跡を被加工材WOの平面形状内に制限するように駆動機構25を制御する。具体的にはコントローラ50は、以下のようにエアーブローノズル11による被加工材WOへの気体の吹き付けを制御する。
実行プログラム演算部52は、レーザ加工装置20に搬入された被加工材WOの切断パレット2上での位置情報を確定する。図7(B)に示されるように、たとえば矩形の平面形状を有する被加工材WOの一辺が熱加工装置20のX方向に対して角度αで傾く場合がある。この場合、実行プログラム演算部52は、被加工材WOの傾いた位置を確定する。
この後、実行プログラム演算部52は、確定した被加工材WOの位置に対して、生成されたエアーブローノズル11の移動軌跡MTの位置を合わせる。具体的には実行プログラム演算部52は、生成されたエアーブローノズル11の移動軌跡MTの位置および傾きを、傾いた被加工材WOの位置および傾きに合わせる。この位置合わせにより、被加工材WOが切断パレット2上で傾いて載置された場合でも、気体吹き付け時におけるエアーブローノズル11の移動軌跡MTは被加工材WOの平面形状内に制限される。
実行プログラム演算部52は、エアーブローノズル11の移動軌跡MTにしたがって加工ヘッド10が移動するように加工ヘッド移動制御部54を通じて駆動機構25を制御する。実行プログラム演算部52は、移動軌跡MT上における気体吹き出し開始点Sにエアーブローノズル11が到達すると、エアーブローON/OFF制御部56を通じてバルブ12を開くよう制御する。これによりエアーブローノズル11による被加工材WOへの気体の吹き出しが開始される。
この後、実行プログラム演算部52は、バルブ12を開いた状態としたまま、平面視においてエアーブローノズル11が移動軌跡MTに沿って被加工材WOの平面形状内で移動するよう駆動機構25を制御する。実行プログラム演算部52は、移動軌跡MT上における気体吹き出し終了点Fにエアーブローノズル11が到達すると、エアーブローON/OFF制御部56を通じてバルブ12を閉じるよう制御する。これによりエアーブローノズル11による被加工材WOへの気体の吹き出しが停止される。
以上のようにコントローラ50は、エアーブローノズル11による被加工材WOへの気体吹き付けを制御する機能を有する。なおレーザ加工装置20に搬入された被加工材WOの切断パレット2上での位置情報の確定と、被加工材WOの確定された位置および移動軌跡MTの位置合わせとは、CAD・CAM装置43により行なわれてもよい。
<レーザ加工方法>
次に、本実施形態におけるレーザ加工装置20を用いたレーザ加工方法について図3~図8を用いて説明する。
図8は、一実施形態におけるレーザ加工方法を示すフロー図である。図5に示されるように、レーザ加工装置20の容器1内に、透過抑制液LIが供給される。この際、コントローラ50は、供給バルブ31を開くように制御する。これにより供給配管36から透過抑制液LIが容器1内に供給される。この際、コントローラ50は、液位検出センサー41により容器1内の透過抑制液LIの液位を検出する。コントローラ50は、液位検出センサー41の検出結果に基づいて容器1内の透過抑制液LIの液位が所望の液位SLになったと判断したら、供給バルブ31を閉じるように制御する。このとき、透過抑制液LIは、たとえば切断パレット2の載置部2cの高さ位置HLよりも低い位置SLまで供給される。
図6に示されるように、CAD・CAM装置43において実行プログラムが生成される。実行プラグラムは、上記のとおり加工データと、エアーブローデータとを含む。CAD・CAM装置43にて生成された実行プログラムが、熱加工装置20のコントローラ50内における記憶部51に入力・保存される(ステップS1:図8)。
図5に示されるように、この後、熱加工装置20に被加工材WOが搬入される(ステップS2:図8)。この搬入により、被加工材WOは、切断パレット2の載置部2c上に載置される。
被加工材WOが載置部2c上に載置された状態で、熱加工装置20における被加工材WOの位置情報が確定される(ステップS3:図8)。熱加工装置20における被加工材WOの位置は、たとえば被加工材WOの外形における3点の座標と被加工材WOの平面形状とにより確定される。
切断パレット2上に載置された被加工材WOの外形における3点の座標は、たとえばレーザポインタでスキャンすることにより取得される。また切断パレット2上に載置された被加工材WOの外形における3点の座標は、たとえばCCD(Charge Coupled Device)カメラによる撮像画像から取得されてもよい。
図6に示されるように、コントローラ50の実行プログラム演算部52は、取得された被加工材WOの外形における3点の座標と、記憶部51に記憶された被加工材WOの外形データとに基づいて熱加工装置20における被加工材WOの位置情報を確定する。この状態で、レーザ加工装置20によるレーザ加工動作が開始される。
図5に示されるように、レーザ加工装置20におけるレーザ加工動作の開始は、たとえば加工開始スイッチ60を操作することにより行なわれる。レーザ加工動作が開始されると、コントローラ50は、液位検出センサー41の検出結果に基づいて、容器1に貯留される透過抑制液LIの液位を目標液位PLまで上昇させる(ステップS4:図8)。
透過抑制液LIの目標液位PLは、載置部2cの高さ位置HL以上の高さである。本実施形態においては、透過抑制液LIの目標液位PLは、たとえば被加工材WOの上面よりも高い位置PLに調整される。これにより被加工材WOの全体は、透過抑制液LI内に沈む(浸漬される)。
透過抑制液LIの液位を目標液位PLまで上昇させる際には、図6に示されるように実行プログラム演算部52が液位制御部53を通じて液位調整機構47を制御する。具体的には、図5に示されるように、コントローラ50は、たとえば加圧バルブ32を開くように制御する。これにより液位調整タンク4内にガスが供給され、容器1に貯留される透過抑制液LIの液位が目標液位PLまで高くなるように調整される。
液位検出センサー41により透過抑制液LIの液位が目標液位PLに達したことが検出された場合、被加工材WOの加工が開始される(ステップS5:図8)。被加工材WOの加工時には、図6に示されるように実行プログラム演算部52がレーザ発振器制御部55を通じてレーザ発振器44を制御する。これによりレーザヘッド5からレーザ光が射出される。
また被加工材WOの加工時には、図6に示されるように実行プログラム演算部52が加工ヘッド移動制御部54を通じて駆動機構25を制御する。これによりレーザヘッド5が記憶部51に記憶されたレーザヘッド5の移動軌跡(たとえば製品形状)に沿って移動する。
図3に示されるように、レーザ加工時には、レーザヘッド5から被加工材WOに向けてレーザ光が照射される。またレーザヘッド5からアシストガスが被加工材WOに向けて吹き出される。
図4に示されるように、アシストガスの吹き出し力により、被加工材WOの加工点において透過抑制液LIが押しのけられる。これにより被加工材WOの加工点において被加工材WOの上面が透過抑制液LIから露出する。
透過抑制液LIから露出した被加工材WOの上面にレーザ光が照射される。このレーザ光の照射により被加工材WOが加工される。これにより被加工材WOが、たとえば切断などされる。被加工材WOを切断することにより被加工材WOを貫通したレーザ光は、被加工材WOの下方に貯留された透過抑制液LIに入射する。
レーザ加工時において透過抑制液LIの液位は遮光カバー7の下端7Lよりも高くなっている。このためレーザヘッド5から吹き出されたアシストガスは、透過抑制液LIに遮られて、遮光カバー7の下端7Lと被加工材WOの上面との間から遮光カバー7の外部へ抜けることはない。しかしレーザヘッド5から吹き出されたアシストガスは、第1上板7bの第1孔7baと第2上板7cの第2孔7caとを通じて遮光カバー7の内部から外部へ抜ける。このためアシストガスの吹き出しによって、遮光カバー7の内部においてガスの圧力が上昇することは防止される。
レーザ加工により被加工材WOを切断した際に生じたスラッジは透過抑制液LI内に沈み、スラッジトレイ3(図5)内に溜まる。スラッジとは、たとえば溶融鉄が固まった酸化鉄の粒である。このように被加工材WOが透過抑制液LI内に浸漬された状態でレーザ加工が行なわれることにより、加工時に生じるスラッジの周囲への飛散が防止される。
上記のレーザ加工が終了すると、図5に示されるように、コントローラ50は、液位検出センサー41の検出結果に基づいて、容器1に貯留される透過抑制液LIの液位を被加工材WOの下面よりも低い位置に下降させる(ステップS6:図8)。これにより被加工材WOの全体は、透過抑制液LIから露出する。
透過抑制液LIの液位を被加工材WOの下面よりも低い位置に下降させる際には、図6に示されるように実行プログラム演算部52が液位制御部53を通じて液位調整機構47を制御する。具体的には、図5に示されるように、コントローラ50は、レーザ加工終了を検出した後に、たとえば減圧バルブ33が開くように制御する。これにより液位調整タンク4内に貯留されるガスの量が減ぜられ、液位調整タンク4内に透過抑制液LIが流れ込む。このため容器1内における透過抑制液LIの液位が下がる。この際、コントローラ50は、液位検出センサー41により容器1内の透過抑制液LIの液位を検出する。コントローラ50は、容器1内の透過抑制液LIの液位が所望の液位SLになったと判断したら、減圧バルブ33を閉じるように制御する。
この後、エアーブローノズル11による被加工材WOへの気体吹き付けが行なわれる(ステップS7:図8)。気体吹き付け前には、図7(B)に示されるように、切断パレット2上における被加工材WOの確定された位置に対してエアーブローノズル11の移動軌跡MTの位置が合わされる。この位置合わせは、図6に示される実行プログラム演算部52にて行なわれる。実行プログラム演算部52は、上記位置合わせを行なった後、加工ヘッド移動制御部54を通じて駆動機構25を制御する。これによりエアーブローノズル11が、コントローラ50からの指令により指定された移動軌跡MTに沿って移動する。この移動軌跡MTは、被加工材WOの平面形状内に制限される。
上記の気体吹き付けにおいては、圧縮空気がエアーブローノズル11から被加工材WOの上面に吹き付けられる。これにより被加工材WOの上面に付着した液体が圧縮空気により吹き飛ばされて、被加工材WOの上面から除去される。
気体吹き付け終了後、被加工材WOが熱加工装置20から搬出される(ステップS8:図8)。この搬出の際に、被加工材WOが製品と残枠とに仕分けされる。この搬出は、作業者が磁石に被加工材WOを吸着させることにより行なわれてもよい。
また必要に応じて、切断パレット2およびスラッジトレイ3が容器1内から取り出される。この後、スラッジトレイ3内のスラッジが撤去される。
以上のように本実施形態におけるレーザ加工装置20を用いたレーザ加工が行なわれる。
<本実施形態の効果>
次に、本実施形態の効果について説明する。
本実施形態においては図7(B)に示されるように、エアーブローノズル11により、被加工材WOに気体が吹き付けられる。これにより被加工材WOの上面に付着した透過抑制液LIが吹き飛ばされて除去される。このため透過抑制液LIが被加工材WOの上面に残存することによる美観の悪化は生じない。また被加工材WOの上面に付着した液体が乾くことによる汚れ、シミの発生も防止できる。また液体が被加工材WOの上面に残存することによる錆の発生を防止することもできる。
またコントローラ50の制御によりエアーブローノズル11による気体吹き付けが自動で行なわれる。このため被加工材WOの表面における透過抑制液LIの人手による拭き取り作業が不要となる。よって人手による労力を軽減することができ、加工時に透過抑制液LIのような液体を用いた場合でも作業を簡略化することができる。
またエアーブローノズル11から吹き出された気体が透過抑制液LIに直接当たると、透過抑制液LIが吹き上がって被加工材WOを逆に濡らしてしまうだけでなく、熱加工装置20の近傍も濡らしてしまう。
これに対して本実施形態においては図7(B)に示されるように、被加工材WOへの気体吹き付け時におけるエアーブローノズル11の移動軌跡MTが被加工材WOの平面形状内に制限される。このためエアーブローノズル11から吹き出された気体が容器1内に貯留された透過抑制液LIに直接吹き付けられることが防止される。このため気体が透過抑制液LIに直接当たることにより透過抑制液LIが吹き上げられて被加工材WOの表面およびレーザ加工装置20の近傍を濡らすことも防止できる。
また本実施形態においては図6に示されるように、エアーブローノズル11は、被加工材WOに対して上下方向に移動可能である。これによりエアーブローノズル11の気体吹出口を被加工材WOの上面に近付けることができる。このため被加工材WOの上面に付着した透過抑制液LIを効率よく気体で吹き飛ばすことができる。
また本実施形態においては図3に示されるように、エアーブローノズル11は、加工ヘッド10に取り付けられている。このため加工ヘッド10を移動させるための駆動機構によってエアーブローノズル11を移動させることができる。よってエアーブローノズル11専用の駆動機構が不要となる。
また本実施形態においては図3に示されるように、エアーブローノズル11は、気体を被加工材WOの上面に対して斜めに吹き出す。これによりエアーブローノズル11から吹き出された気体が、加工により形成された被加工材WOの切れ目を通じて被加工材WOの下側へ回り込むことが抑制される。このため切れ目を通じて被加工材WOの下側へ回り込んだ気体によって被加工材WOの下側の透過抑制液LIを吹き上げることが抑制される。
また本実施形態においては、透過抑制液LIは、被加工材WOの水切り性を改善する水置換剤を含む。これにより被加工材WOの表面に付着した液体が自身の重力により被加工材WOから除去されやすくなる。このため被加工材WOの裏面側の濡れも最小限に抑えることができる。
なお図7(A)に示されるように、エアーブローノズル11が移動軌跡MTに沿って被加工材WOのY方向の一方端近傍から他方端近傍まで移動する場合、エアーブローノズル11は、図3に示されるように、たとえばX方向に沿って傾いていることが好ましい。
また上記実施形態においては熱加工装置20の一例としてレーザ光を用いて被加工材WOを加工するレーザ加工装置について説明した。しかし本開示の熱加工装置20はレーザ加工装置以外に、プラズマを用いて被加工材WOを加工するプラズマ加工装置であってもよい。
プラズマ加工装置においては、容器1内に液体を貯留することにより、被加工材WOをプラズマ加工する際に生じる粉塵を大がかりな集塵機無しで効率よく捕集することができ、また熱ひずみ軽減による切断精度向上の効果も得られる。
しかしプラズマ加工装置20を用いて被加工材WOをたとえば切断する場合、切断溝の幅はレーザ加工の場合よりも大きくなる。このため容器1内に貯留される液体の液位が被加工材WOの上面より低くても、プラズマ加工時にプラズマジェットが液体に当たると、切断溝を通って液体が被加工材WOの上面側まで吹き上がり、被加工材WOを濡らす。このようにプラズマ加工により被加工材WOが液体に濡れた場合にも、本開示を適用することにより少ない労力で被加工材WOから液体を除去することができる。
熱加工装置20がプラズマ加工装置である場合、上記の説明におけるレーザ発振器制御部55、レーザ発振器44およびレーザヘッド5のそれぞれに代えて、プラズマ電源制御部55、プラズマ電源44およびプラズマトーチ5が用いられる。図6に示されるように、プラズマ電源制御部55は、プラズマ電源44のON/OFFを制御する信号を出力する。プラズマ電源44がONになると、プラズマがプラズマトーチ5にて発生し、そのプラズマにより被加工材WOが加工される。
また上記実施形態においては被加工材WOの上面よりも高い位置まで透過抑制液LIの液位を上昇させた状態で被加工材WOの加工が行なわれる場合について説明した。しかし本開示はこの内容に限定されず、被加工材WOを加工する際における透過抑制液LIの液位は被加工材WOの上面以下の高さであってもよい。
また上記実施形態においては容器1内に貯留される液体として透過抑制液LIについて説明した。しかし本開示はこの内容に限定されず、容器1内に貯留される液体は、被加工材WOを冷却するための冷却液(たとえば水)であってもよく、スラッジの飛散を防ぐための飛散防止液であってもよい。
今回開示された実施形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
1 容器、1a 底壁、1b 側壁、1c パレット支持部、2 切断パレット、2a 第1支持板、2b 第2支持板、2c 載置部、3 スラッジトレイ、4 液位調整タンク、5 レーザヘッド(プラズマトーチ)、5a 本体部、5aa レーザ射出口(ガス吹出口)、5ba ガス吹出口、5ab,5bb ガス供給部、5b アウターノズル、6a 集光レンズ、7 遮光カバー、7L 下端、7a 周壁部、7b 第1上板、7ba 第1孔、7c 第2上板、7ca 第2孔、7d 隙間、7e 内部空間、10 加工ヘッド、11 エアーブローノズル、12 バルブ、20 熱加工装置、21 支持台、22 X方向可動台、23 Y方向可動台、25 駆動機構、30 操作盤、31 供給バルブ、32 加圧バルブ、33 減圧バルブ、34 排出バルブ、35 貯液槽、36 供給配管、37 ガス配管、38 オーバーフロー配管、39 液排出配管、41 液位検出センサー、42 透過率検出センサー、43 CAD・CAM装置、44 レーザ発振器(プラズマ電源)、46 エアー供給源、47 液位調整機構、50 コントローラ、51 記憶部、52 実行プログラム演算部、53 液位制御部、54 加工ヘッド移動制御部、55 レーザ発振器制御部(プラズマ電源制御部)、56 エアーブローON/OFF制御部、60 加工開始スイッチ、BO ヘッド本体、LI 透過抑制液、MT 移動軌跡、WO 被加工材。

Claims (7)

  1. レーザ光またはプラズマを用いて被加工材を加工する熱加工装置であって、
    前記被加工材を支持し、液体を貯留可能な容器と、
    前記容器に支持された前記被加工材に気体を吹き付けるエアーブローノズルと、
    前記エアーブローノズルを移動させる駆動機構と、
    前記エアーブローノズルによる前記被加工材への気体吹き付け時における前記エアーブローノズルの移動軌跡を前記被加工材の平面形状内に制限するように前記駆動機構を制御するコントローラと、を備えた、熱加工装置。
  2. 前記エアーブローノズルは前記被加工材に対して上下方向に移動可能である、請求項1に記載の熱加工装置。
  3. レーザヘッドまたはプラズマトーチを有し、前記被加工材に対して移動可能な加工ヘッドをさらに備え、
    前記加工ヘッドは、前記エアーブローノズルを有している、請求項1または請求項2に記載の熱加工装置。
  4. 前記エアーブローノズルは、気体を前記被加工材の上面に対して斜めに吹き出す、請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の熱加工装置。
  5. 液体を貯留した容器に支持された被加工材をレーザ光またはプラズマを用いて加工するステップと、
    前記被加工材が加工された後に、エアーブローノズルが前記被加工材に気体を吹き付けるステップと、を備え、
    前記エアーブローノズルによる前記被加工材への気体吹き付け時における前記エアーブローノズルの移動軌跡を前記被加工材の平面形状内に制限する、熱加工方法。
  6. 前記液体は、前記被加工材の水切り性を改善する水置換剤を含む、請求項5に記載の熱加工方法。
  7. 前記被加工材を加工するステップにおいては、前記液体の液位は、前記容器に支持された前記被加工材の上面よりも高く制御され、
    前記被加工材に気体を吹き付けるステップにおいては、前記液体の液位は、前記容器に支持された前記被加工材の前記上面よりも低く制御される、請求項5または請求項6に記載の熱加工方法。
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